JP4676757B2 - 反応性ホットメルト接着剤 - Google Patents
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Description
従来、ポリオレフィン系基材の接着性に優れた反応性ホットメルト接着剤として、ポリエチレンブチレンポリオールとポリイソシアネートからなるウレタンプレポリマーと、オレフィン樹脂及び/又は粘着付与樹脂からなるものが知られている(例えば、特許文献1)。
本発明の目的は、耐熱性の向上と耐熱クリープ性を向上させた高温におけるポリオレフィン系基材への接着力に優れる反応性ホットメルト接着剤を提供することである。
すなわち、本発明は、末端二重結合を有するポリオレフィン(a0)の末端二重結合を炭素数3〜12のα,β−不飽和カルボン酸またはその無水物もしくはアルキルの炭素数が1〜4のアルキルモノエステルで変性したポリオレフィン樹脂(a1−1)、前記(a1−1)を炭素数6〜12のラクタムまたは炭素数2〜12のアミノカルボン酸で二次変性したポリオレフィン樹脂(a1−2)、前記(a0)を酸化又はヒドロホルミル化変性したポリオレフィン樹脂(a1−3)および前記(a1−3)を炭素数6〜12のラクタムまたは炭素数2〜12のアミノカルボン酸で二次変性したポリオレフィン樹脂(a1−4)からなる群から選ばれる少なくとも1種のカルボキシル基を末端基に有するポリオレフィン樹脂を更に炭素数2〜12のヒドロキシルアミンで変性することにより、前記(a0)の末端二重結合を水酸基を有する末端基に変性してなるポリオレフィン樹脂(a)を、ポリイソシアネート(b)と反応させて得られるウレタンプレポリマーを含有する反応性ホットメルト接着剤;該接着剤を硬化させてなる硬化物;該接着剤で接着されてなる接着体である。
好ましいのは、ホットメルト接着剤の接着性の観点から、末端のみに二重結合を有するポリオレフィンである。
末端以外に含まれる二重結合としては、主鎖(最も分子量の大きな直鎖を主鎖とする)のペンダント基もしくは主鎖そのものに含まれる二重結合、および主鎖から枝分かれした短鎖(グラフト鎖など)の末端に含まれる二重結合などが挙げられる。
(a0)の1分子当たりの末端二重結合の平均数は、ホットメルト接着剤の熱安定性の観点から、好ましくは1.0〜2.0個、より好ましくは1.1〜2.0個、とくに好ましくは1.3〜2.0個、最も好ましくは1.5〜2.0個である。
(a0)が、末端以外にも二重結合を有する場合の、末端以外の二重結合の平均数は、ホットメルト接着剤の熱安定性の観点から、好ましくは5.0個以下、より好ましくは4.0個以下、とくに好ましくは2.0個以下である。
1分子当たりの二重結合の平均数の基準となる数平均分子量はゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC、ポリスチレン基準)によって測定されるものである。
また、(a0)の主鎖の平均炭素数1,000個当たりの二重結合はホットメルト接着剤の耐熱性の観点から好ましくは1〜40個、より好ましくは2〜30個、特に好ましくは4〜20個である。
アルケンとしてはエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン及び1−ドデセン等が挙げられる。
アルカジエンとしては1,3−ブタジエン、1,4−ブタジエン、イソプレン、シクロペンタジエン及び1,11−ドデカジエン等が挙げられる。
オレフィンのうち、好ましいのは炭素数2〜12、さらに好ましいのは炭素数2〜10のアルケン、アルカジエンのうち、好ましいのは炭素数4〜18、さらに好ましいのは炭素数4〜8のアルカジエンであり、特にアルケンのうちのエチレン、プロピレンおよび1−ブテン、アルカジエンのうちの1,3−ブタジエン、並びにこれらのうちの2種以上の併用が好ましい。
アルケンとアルカジエンの併用の場合のアルケン/アルカジエンのモル比は、好ましくは50〜99.9/0.1〜50、より好ましくは60〜99/1〜40である。
重合法で得られる(a0)は、オレフィンの1種又は2種以上の混合物の(共)重合(重合又は共重合を意味する。以下同様。)によって得られるポリオレフィンである。
熱減成法で得られる(a0)は、オレフィンの1種又は2種以上の混合物の(共)重合によって得られる高分子量のポリオレフィンの熱減成によって得られるポリオレフィンである。
ラジカル触媒としては、公知のもの、例えばジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルベンゾエート、デカノールパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、パーオキシ−ジ−カーボネートエステル、アゾ化合物等、及びγ−アルミナ担体に酸化モリブデンを付着させたもの等が挙げられる。
金属酸化物触媒としては、シリカ−アルミナ担体に酸化クロムを付着させたもの等が挙げられる。
チーグラー触媒およびチーグラー−ナッタ触媒としては、(C2H5)3Al−TiCl4等が挙げられる。
熱減成に用いられる高分子量ポリオレフィンのMnは、(a0)よりも高分子量であって、好ましくは2,000〜1,000,000である。
熱減成法による(a0)のMnはホットメルト接着剤の耐熱性の観点から好ましくは800〜50,000、より好ましくは900〜8000、特に好ましくは1,000〜6000である。 上記(a0)の製造法の内、二重結合への官能基の導入のしやすさ、及び入手のしやすさの点で、熱減成法による(a0)が好ましい。
(a0)が末端以外に二重結合を有する場合、それらの一部または全てが上記カルボキシル基等を有する基に変性されたポリオレフィン樹脂も、本発明における(a)に含まれる。
(a)のうち好ましいのは末端のみに二重結合を有する(a0)を変性して得られる(a)である。
(a)としては、例えば以下の(a1)〜(a4)が挙げられる。
(a1)としては、(a0)の末端二重結合をα、β−不飽和カルボン酸もしくはその誘導体(酸無水物およびα,β−ジカルボン酸の低級アルキルモノエステル。以下、同様。)で変性したポリオレフィン樹脂(a1−1)、該(a1−1)をラクタムまたはアミノカルボン酸で二次変性したポリオレフィン樹脂(a1−2)、(a0)を酸化又はヒドロホルミル化変性したポリオレフィン樹脂(a1−3)、該(a1−3)をラクタム又はアミノカルボン酸で二次変性した構造を有するポリオレフィン樹脂(a1−4)及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
これらのうち(a0)との反応性の観点から好ましいのは、ジカルボン酸、およびジカルボン酸無水物、より好ましいのはマレイン酸、無水マレイン酸およびフマル酸、とくに好ましいのはマレイン酸および無水マレイン酸である。
α,β−不飽和カルボン酸もしくはその誘導体による(a0)の変性は公知の方法、例えば、(a0)の末端二重結合に、溶液法又は溶融法のいずれかの方法で、α,β−不飽和カルボン酸もしくはその誘導体を熱的に付加(エン反応)させることにより行うことができる。
溶融法としては、(a0)を加熱溶融した後に、α,β−不飽和カルボン酸もしくはその誘導体を加え、窒素等の不活性ガス雰囲気中170〜230℃で反応させる方法等が挙げられる。
これらの方法のうち、反応の均一性の観点から好ましいのは溶液法である。
ラクタムとしては、炭素数6〜12(好ましくは6〜8、より好ましくは6)のラクタム、例えば、カプロラクタム、エナントラクタム、ウンデカノラクタム及びラウロラクタムが挙げられる。
アミノカルボン酸としては、炭素数2〜12(好ましくは4〜12、より好ましくは6〜12)のアミノカルボン酸、例えば、アミノ酸(グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニンなど)、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン酸が挙げられる。
これらのうち、二次変性の反応性の観点から好ましいのは、グリシン、ロイシン、カプロラクタム、ラウロラクタム、ω−アミノカプリル酸、11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン酸、より好ましいのはカプロラクタム、ラウロラクタム、ω−アミノカプリル酸、11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン酸、特に好ましいのはカプロラクタム及び12−アミノドデカン酸である。
ラクタムまたはアミノカルボン酸の使用量は、ホットメルトの耐熱性の観点から好ましくは、α,β−不飽和カルボン酸もしくはその誘導体1当量当たり、ラクタムまたはアミノカルボン酸が0.1〜20当量、さらに好ましくは0.3〜15当量、特に好ましくは0.5〜10当量である。
酸化によるカルボキシル基の導入は、公知の方法、例えば、米国特許第3,692,877号明細書記載の方法で行うことができる。ヒドロホルミル化によるカルボキシル基の導入は、公知の方法、例えば、Macromolecules、Vol.31、5943頁記載の方法で行うことができる。
ラクタムおよびアミノカルボン酸としては、(a1−2)で例示したものが挙げられ、その使用量及び変性方法も同様である。
(a2)としては、例えば(a1)のヒドロキシルアミン変性物などが挙げられる。
ヒドロキシルアミンとしては、炭素数2〜12のヒドロキシルアミン、例えば2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、1−アミノ−2−プロパ ノール、4−アミノブタノール、5−アミノペンタノール、6−アミノヘキサノール、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノール等が挙げられる。
これらのうち、変性のしやすさの観点から好ましいのは、2−アミノエタノール、4−アミノブタノール、5−アミノペンタノール、6−アミノヘキサノール、より好ましいのは、2−アミノエタノール、4−アミノブタノール、特に好ましいのは2−アミノエタノールである。
(a2)の水酸基価は、ホットメルトの耐熱性の観点から、好ましくは4〜280、より好ましくは4〜100、特に好ましくは5〜50である。
(a3)としては、(a1)のジアミン変性物などが挙げられる。
ジアミンとしては、炭素数2〜20のジアミン、たとえば脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン及びデカメチレンジアミンなどのアルキレンジアミン)、脂環式ジアミン(ジシクロヘキシルメタンジアミン及びイソホロンジアミンなど)、芳香(脂肪)族ジアミン(フェニレンジアミン、トリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン及びジフェニルエーテルジアミンなど)等が挙げられる。
これらのうち、変性のしやすさの観点から好ましいのは、脂肪族ジアミン、より好ましいのは、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン及びヘプタメチレンジアミン、特に好ましいのはエチレンジアミンである。
(a3)のアミン価は、ホットメルトの耐熱性の観点から、好ましくは4〜280(mgKOH/g、以下、数値のみを記載する。)、さらに好ましくは4〜100、特に好ましくは5〜50である。
芳香族ポリイソシアネートの具体例としては、1,3−及び/又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−及び/又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、粗製MDI、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−及びp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−及び/又は2,6−ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
また、ポリイソシアネートの変性物には、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDI)、ウレタン変性TDI、ビウレット変性HDI、イソシアヌレート変性HDI、イソシアヌレート変性IPDI等のポリイソシアネートの変性物;及びこれらの2種以上の混合物[例えば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との併用]が含まれる。
これらの内で好ましいのは、IPDI、TDI、XDI及びTMXDIであり、特に好ましいのは、HDI及びMDIである。
(c)としては例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、重合体ポリオール、ポリオレフィンポリオール、ひまし油系ポリオール、アクリルポリオールおよびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
これらの中で好ましいものはオレフィン接着力の観点からポリオレフィンポリオールであり、さらに好ましくはポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、水素化ポリブタジエンポリオール、及び水素化ポリイソプレンポリオールである。(c)のMnは、通常500〜20,000、好ましくは500〜10,000、より好ましくは1,000〜3,000である。
(d)としては、例えばロジン、ロジン誘導体樹脂(例えば、重合ロジン、ロジンエステルなど。Mn200〜1,000]、テルペン系樹脂[例えばαピネン、βピネン、リモネン等の(共)重合体およびこれらのフェノール変性体等。Mn300〜1300]、クマロン−インデン樹脂、石油樹脂[例えば、C5留分、C9留分、C5/C9留分、ジシクロペンタジエン等の(共)重合体。Mn300〜1200]、スチレン系樹脂[例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の(共)重合体でMnが200〜1,500]、キシレン系樹脂(例えば、キシレンホルムアルデヒド樹脂等。Mn300〜3,000)、フェノール系樹脂(例えば、フェノールキシレンホルムアルデヒド樹脂等。Mn300〜3,000)およびこれらの樹脂の水素化体から選ばれる1種以上の樹脂が挙げられる。これらのうち好ましいものは、熱安定性、臭気および色相の観点から、ロジン、ロジン誘導体、テルペン系樹脂、石油樹脂およびこれらの水素化体であり、特に好ましいものはロジンの水素化体、ロジンジオール、C9留分、C5/C9留分の(共)重合石油樹脂の水素化体、ジシクロペンタジエン系の(共)重合石油樹脂の水素化体である。
(d)がカルボキシル基、水酸基、1級アミノ基もしくは2級アミノ基を有する場合、(d)をウレタンプレポリマー製造工程で添加することにより、ウレタンプレポリマーに組み込むこともできる。
軟化剤(e)としては、プロセスオイル、可塑剤、液状ゴム、ワックス等が挙げられる。これらは、単独でも2種以上を併用しても良い。軟化剤は常温で液体であるか、固体であり、使用時に溶融し、ホットメルト接着剤の溶融粘度を低下させたり、可塑化し粘着力を付与させたり、固化速度を遅延又は促進するもののことである。
プロセスオイルとしては、動粘度(100℃)が1〜100mm2/sのものが挙げられ、例えばパラフィン系オイル、ナフテン系オイル、アロマ系オイル等が挙げられる。
可塑剤としては、重量平均分子量(以下、Mwと略記、GPC法で測定)が100〜5,000のものが挙げられ、例えばフタル酸エステル、安息香酸エステル、リン酸エステル、脂肪族グリコールポリエステルおよび等が挙げられる。
液状ゴムとしては、Mwが200〜10,000のものが挙げられ、例えば液状ポリブテン、液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン及びこれらの水素化物が挙げられる。
ワックスとしては、Mwが100〜10,000のものが挙げられ、例えばパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプッシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が挙げられる。
これらの軟化剤のうち好ましいものは、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、水素化液状ポリブタジエンおよび水素化液状ポリイソプレンである。
(1);(a)および(b)、並びに必要により(c)、(d)、(e)、ウレタン化触媒および/または有機溶媒を温度制御機能を備えた反応槽に仕込み、30〜1,000分間にわたって好ましくは50〜200℃の温度で反応させ、必要により有機溶媒を留去する方法。
(2);(a)および(b)、並びに必要により(c)、(d)、(e)および/またはウレタン化触媒を、高粘度用連続混合装置(例えば、二軸エクスクルーダー等)に流し込み、好ましくは100〜220℃の温度で連続的に反応させる方法、等がある。
工業的に好ましいのは(1)の方法であり、樹脂劣化を防ぐため窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
(f)としては、酸化防止剤{ヒンダードフェノール系化合物〔例えばペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等〕、リン系化合物〔例えばトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等〕、イオウ系化合物〔例えばペンタエリスチル−テトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート等〕等};紫外線吸収剤{ベンゾトリアゾール系化合物〔例えば2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等〕等};光安定剤{ヒンダードアミン系化合物〔例えば(ビス−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等〕等};吸着剤(例えばアルミナ、シリカゲル、モレキュラーシーブ等);顔料(例えば、酸化チタン、カーボンブラック等);染料;充填剤(例えば、タルク、マイカ、炭酸カルシウム等);核剤(例えば、ソルビトール、ホスフェート金属塩、安息香酸金属塩、リン酸金属塩等);滑剤(例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ブチル、オレイン酸アミド等);離型剤(例えば、カルボキシル変性シリコーンオイル、ヒドロキシル変性シリコーンオイル等);難燃剤(例えば、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、アンチモン系難燃剤、金属水酸化物系難燃剤等);香料等が挙げられる。
また、吸着剤、充填剤、核剤、滑剤、離型剤、難燃剤は、0.01〜40%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜15%である。
また、顔料、染料および香料では、0.005〜2%が好ましく、より好ましくは0.01〜1%である。
本発明の反応性ホットメルト接着剤はポリオレフィン系基材(ポリエチレンフィルム、ポリプロピレン板、ポリプロピレンフィルム等)に好適に使用できるが、これらに限定されるものではない。
本発明のホットメルト接着剤の使用方法としては特に限定されないが、例えば、該接着剤がブロック又はペレットの形状の場合には、該接着剤を溶融させた後、貼り合わせようとする基材に塗布して使用される。
前者のアプリケーターの場合、被着体の一方又は両方に接着剤を塗布し、冷却固化する前に貼り合わせるか、冷却固化後、被着体を合わせ、再度加熱し貼り合わせることができる。貼り合わせる際には加圧する方がよく、冷却固化後、圧力を解除することができる。
後者の押出機の場合、被着体の一方又は両方に押出し、冷却固化後、被着体を合わせ、再度加熱し貼り合わせる。貼り合わせる際には加圧する方がよく、冷却固化後、圧力を解除することができる。
また、被着体の間に共押出しし、貼り合わせを同時に行うことができる。
該接着剤がシート又はフィルムの場合には、該接着剤を貼り合わせようとする基材同士の間に挟み込み、加熱溶融させて貼り合わせるか、一方又は両方に載せ、加熱溶融させ、冷却固化前に貼り合わせるか、冷却固化後、被着体を合わせ、再度加熱し貼り合わせる。加熱溶融時の加熱温度は特に制約はないが、融点(又は軟化点)より10〜20℃以上高い温度である方がよく、再度加熱する際の加熱温度は特に制約はないが、融点(又は軟化点)より10〜20℃以上高い温度である方がよい。また、貼り合わせる際には加圧する方がよく、冷却固化後、圧力を解除することができる。加圧する圧力は所望の接着力が得られる限り特に制約はなく、好ましくは10kPa〜5MPaである。
シート又はフィルムの大きさは特に制限はなく所望の面積を有するものであればよい。 シート又はフィルムの厚みは特に制限はないが、好ましくは10〜500μmであり、より好ましくは30〜300μmである。
このようにして得られる硬化物は硬化物性が良好であり耐熱性に優れる。
温度制御装置、撹拌装置及び投入口を備えたセパラブルフラスコに「ユカタック−K8」(垂井化学社製;ポリプロピレン、1分子中の平均末端二重結合数=約1.2、Mn=6,000、軟化点100℃)[A0]を300.0部仕込み、系内を窒素で置換し、原料が溶融して撹拌できるようになってから撹拌を開始して、無水マレイン酸10.8部を投入口から投入し、窒素雰囲気下のもと210℃まで昇温し、210℃で8時間反応させた。133Pa以下の減圧下で未反応物を除去し、酸価を測定し、反応の終点を確認した(酸価は0.1であった)。次に100℃まで冷却後、キシレン200部及び2−アミノエタノール3.0部を投入口より投入し、140℃まで昇温し、140℃で2時間反応させた。その後、180℃まで昇温し、133Pa以下の減圧下でキシレン及び未反応物を除去した。その結果、酸価=0.1、水酸基価=8.6のヒドロキシル基含有ポリオレフィン系樹脂[A1]を得た。[A1]のIR測定でイミド基が確認され、未反応物がないことから、このヒドロキシル基はイミド化によるものであることが確認できた。
Mnの測定条件は以下の通りである(以下、Mnは同じ条件で測定するものである)。
装置 :高温ゲルパーミエイションクロマトグラフィー
溶媒 :オルトジクロロベンゼン
基準物質 :ポリスチレン
サンプル濃度:3mg/ml
カラム固定相:PLgel MIXED−B
カラム温度 :135℃
温度制御装置、撹拌装置及び投入口を備えたセパラブルフラスコに「レックスタックRT2585」(ハンツマン社製;非晶質エチレン−プロピレン共重合体)を熱減成(窒素ガス通気下、常圧、360℃×80分にて実施)して得られた低分子量ポリオレフィン(1分子中の平均末端二重結合数=約1.8、Mn4000、軟化点95℃)300.0部を仕込み、無水マレイン酸を22.5部、2−アミノエタノールを4.0部とした以外は製造例1と同様に反応させた。その結果、酸価=0.2、水酸基価=19.8のヒドロキシル基含有ポリオレフィン系樹脂[A2]を得た。
温度制御装置、撹拌装置付きのセパラブルフラスコに[A1]を100部、粘着性付与樹脂(エクソンモービル社製;エスコレッツE5380)[D1]を40部仕込み、120℃で溶融混合後、減圧脱水(120℃、133Pa、1時間)した。さらにトルエン100部を仕込み窒素雰囲気下でポリイソシアネート(MDI)[B1]を3.8部投入し、100℃で4時間熟成後、120℃で133Pa以下の減圧下でトルエンを除去し、本発明のホットメルト接着剤(NCO基%:0.4%、130℃溶融粘度:13,000mPa・s)を得た。
表1に示されるような組み合わせ及び質量部で、[B1]以外の原料を仕込み、実施例1と同様に120℃で減圧脱水しトルエンを仕込み後、所定量の[B1]を仕込み、実施例1と同じ条件にて反応させてから脱溶剤を行い、本発明のホットメルト接着剤及び比較のホットメルト接着剤をそれぞれ得た。
[C1]:出光興産製 エポール(水素化ポリイソプレンジオール;水酸基価50)
[C2]:三菱化学製 ポリテールHA(水素化ポリブタジエンジオール(=ポリエチレンブチレンポリオール);水酸基価50)
上記実施例および比較例で得られたホットメルト接着剤を用いて以下の評価を行った。その結果を表2に示した。
1)溶融粘度;評価するホットメルト接着剤を130℃で15分温調した後、同温度でB型粘度計を用いて測定した。
2)初期接着力;評価するホットメルト接着剤を各々、プレス成形機を用いて(温度130℃)、厚さ100μmのフィルム状に成形した。得られたフィルムを被着体のOPPシート(二軸延伸ポリプロピレンフィルム、厚さ30μm)の間に挟み込み、温度130℃、プレス圧98kPa、時間30秒の条件で接着した。23℃、50%RH雰囲気下で30分放置後、23℃雰囲気下でT型剥離強度を測定し、初期接着力とした。
上記の初期接着力は、JIS K6854−1999に準じオートグラフを用いて、引張速度50mm/minの条件で測定した。
3)硬化後常温接着力;2)と同様にして貼り合わせ、23℃、50%RH雰囲気下で1週間放置後、2)と同様に23℃雰囲気下でT型剥離強度を測定した。
4)硬化後高温接着力;2)と同様にして貼り合わせ、23℃、50%RH雰囲気下で1週間放置した後、2)と同様に80℃雰囲気下でT型剥離強度を測定した。
5)硬化後耐熱クリープ性
長さ100mm×幅25mm×厚さ1mmのアルミ板上に、長さ10mm×幅25mm×厚さ50μmのホットメルト接着剤のフィルムを乗せ、更にその上に長さ100mm×幅25mm×厚さ50μmのポリエステルフィルムを配置した後、100℃、0.1MPaの条件で10秒間圧着して貼り合わせる。23℃、50%RH雰囲気下で1週間放置後、80℃雰囲気下で、ポリエステルフィルムを貼り付けたアルミ板を垂直に固定し、ポリエステルフィルムに垂直下方向に1kgのせん断荷重をかけた状態で1時間放置してクリープ量を測定した(単位:mm/h)。
※1 (I):接着剤の凝集破壊
(II):OPPフィルムと接着剤層との界面破壊
Claims (7)
- 末端二重結合を有するポリオレフィン(a0)の末端二重結合を炭素数3〜12のα,β−不飽和カルボン酸またはその無水物もしくはアルキルの炭素数が1〜4のアルキルモノエステルで変性したポリオレフィン樹脂(a1−1)、前記(a1−1)を炭素数6〜12のラクタムまたは炭素数2〜12のアミノカルボン酸で二次変性したポリオレフィン樹脂(a1−2)、前記(a0)を酸化又はヒドロホルミル化変性したポリオレフィン樹脂(a1−3)および前記(a1−3)を炭素数6〜12のラクタムまたは炭素数2〜12のアミノカルボン酸で二次変性したポリオレフィン樹脂(a1−4)からなる群から選ばれる少なくとも1種のカルボキシル基を末端基に有するポリオレフィン樹脂を更に炭素数2〜12のヒドロキシルアミンで変性することにより、前記(a0)の末端二重結合を水酸基を有する末端基に変性してなるポリオレフィン樹脂(a)を、ポリイソシアネート(b)と反応させて得られるウレタンプレポリマーを含有する反応性ホットメルト接着剤。
- (a0)が高分子量ポリオレフィンを熱減成して得られる数平均分子量800〜50,000の低分子量ポリオレフィンである請求項1記載の反応性ホットメルト接着剤。
- (a0)の1分子当たりの末端二重結合の平均数が1.0〜2.0個である請求項1または2記載の反応性ホットメルト接着剤。
- シート状、フィルム状、粉末状またはペレット状である請求項1〜3のいずれか記載の接着剤。
- 請求項1〜4のいずれか記載の接着剤を硬化させてなる硬化物。
- 請求項1〜4のいずれか記載の接着剤で被着体を接着させてなる接着体。
- 被着体の少なくとも一方がポリオレフィン系基材である請求項6記載の接着体。
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