JP4676467B2 - ガスシールド消耗電極式アーク溶接装置の電極チップ再生方法及び装置 - Google Patents

ガスシールド消耗電極式アーク溶接装置の電極チップ再生方法及び装置 Download PDF

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本発明は、シールガスに炭酸(CO2)ガス等を用いるシールド消耗電極式アーク溶接装置において、所定時間以上のアーク溶接に使用して電極ワイヤ貫通孔の先端部の口径が大きくなった使用済み電極チップを加圧成形すると共に、電極ワイヤ貫通孔を穿いて、使用前と同じ口径の電極ワイヤ貫通孔と外径形状を有する電極チップに再生するガスシールド消耗電極式アーク溶接装置の電極チップ再生方法及び装置に関するものである。
ガスシールドアーク溶接は、図1に示すように、ガスノズル101と、該ガスノズル101の中心部に配置され中心部軸方向に電極ワイヤ103が貫通する電極ワイヤ貫通孔が形成された円柱状の電極チップ102を備え、ガスノズル101から電極ワイヤ103の外周部に炭酸ガスやアルゴン等のシールドガス104を噴射し、該シールドガス104中で電極ワイヤ103と母材106の間にアーク105を発生させ、該アーク105の高温により電極ワイヤ103を溶融させ、溶融池107を形成しながら、溶接金属層108を形成して溶接する溶接法である。そして溶接による電極ワイヤ103の消耗分は供給ローラ109により送り出している。
上記ガスシールドアーク溶接法において、アーク溶接を所定時間以上行なうと、電極チップ102の先端部が図2(a)、(b)に示すように、アーク105の高温で変質して変質部102bを形成すると共に、電極ワイヤ貫通孔102aの先端部の口径d2が初期の口径(電極ワイヤ103の外径と略同じ)d1より大きくなり、電極ワイヤ103の先端部が振れて位置決めできないという問題があり、位置精度の良い溶接ができないという問題がある。そこで、従来は所定時間のアーク溶接を行ない、電極チップ102の先端部が変質し電極ワイヤ貫通孔102aの先端部口径d2が所定以上大きくなり、図2(a)に示すように電極ワイヤ103の軸中心線が電極チップ102の中心線110から所定量以上変位するようになったら、電極チップ102を新しいものと交換している。即ち、従来のガスシールドアーク溶接法においては、電極チップ102は使い捨てであった。なお、図2(a)は使用済み電極チップの側面図、図2(b)は側断面図である。
上記ガスシールド消耗電極式アーク溶接装置の電極チップ102を構成する材料には、通常クロム銅等の高価な銅合金を使用している。そのため、電極チップ102を使い捨てにすると、高価な銅合金が無駄となり、溶接コストを上昇させるという問題があった。
そこで例えば特許文献1に開示しているように使用済みの電極チップ102を再生して使用する方法がある。この電極チップ再生方法は、図3に示すように、電極チップ102の外形下部が嵌合する凹部111aを有する下型111と、電極チップ102の外形上部が嵌合する凹部112aを有する上型112を具備するプレスを備え、プレスの下型111の凹部111aに電極ワイヤ貫通孔102aに電極ワイヤと略同径の矯正芯金113を貫通させ使用済みの電極チップ102を載置し、上型112で該電極チップ102を加圧してその外周を径方向に圧縮して電極ワイヤ貫通孔102aの内径を矯正している。
上記使用済み電極チップの再生方法は、上記プレスの上型112で該電極チップ102を加圧してその外周を径方向に圧縮して電極ワイヤ貫通孔102aの内径を矯正した後、矯正芯金113が電極チップ102から抜かなければならない。しかしながら、矯正芯金113が電極チップ102から容易に抜けず、抜き作業が困難であるばかりか、場合によっては矯正芯金113が電極チップ102から抜けないという問題があった。
特開2006−167733号公報
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、所定時間以上の溶接を行いその先端部が変質し、電極ワイヤ貫通孔の先端部の口径が所定以上大きくなった電極チップの該電極ワイヤ貫通孔の口径を矯正して使用前の口径に戻し、電極チップを再度溶接に使用できるようにすることができるガスシールド消耗電極式アーク溶接装置の電極チップ再生方法及び装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、中心部軸方向に電極ワイヤが貫通する電極ワイヤ貫通孔が形成され、後端部に装着用ネジ部が形成された電極チップを備えたガスシール消耗電極式アーク溶接装置の電極チップ再生方法であって、所定時間以上のアーク溶接に使用して先端部の電極ワイヤ貫通孔の口径が大きくなった電極チップの装着用ネジ部を保護材で覆い、該電極チップの外表面に磨き洗浄処理を施すと共に、該電極チップの少なくとも先端部の変質部を切削又は研磨して除去し、
その後、電極チップをその装着用ネジ部をプレスの下型台に形成されたネジ溝孔に捩じ込んで先端部を上方にして支持すると共に、該プレスの上型パンチ台をその電極チップ成形凹部が電極チップの先端部に嵌入されるように下方に加圧し、電極チップの先端から所定の長さ部分を加圧成形し、その後、電極チップをその装着用ネジ部をボール盤のテーブルの所定位置に形成されたネジ溝付孔又は該テーブルの所定位置に支持された基台に形成されたネジ溝付孔に螺合させて先端部を上方にして位置決め固定し、その後、電極チップの加圧成形により変形した電極ワイヤ貫通孔形成部をドリルにて切削して所定内径の貫通孔に成形することを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、中心部軸方向に電極ワイヤが貫通する電極ワイヤ貫通孔が形成された電極チップを備えたガスシールド消耗電極式アーク溶接装置の電極チップ再生装置であって、プレスと、ボール盤とを備え、プレスは、電極チップの先端部を上方にして支持する下型台と、該電極チップの先端部が嵌合する電極チップ成形凹部を有する上型パンチ台とを具備し、下型台に支持された使用済み電極チップを上型パンチ台で該電極チップの先端部が電極チップ成形凹部に嵌入されるように加圧し、該使用済み電極チップの先端から所定の長さ部分を加圧成形するようになっており、ボール盤はプレスにて加圧成形され先端部を上方にしてテーブルに支持された電極チップの加圧成形により変形した電極ワイヤ貫通孔形成部をドリルで切削して所定内径の電極ワイヤ貫通孔を成形するようになっており、プレスの下型台への使用済み電極チップの支持は、該電極チップ後端部に形成されたネジ部を下型台の所定位置に形成されたネジ溝付孔に螺合させて支持し、ボール盤のテーブルへの加圧成形された電極チップの支持は、該電極チップ後端部に形成されたネジ部をテーブルの所定位置に形成されたネジ溝付孔又は該テーブルの所定位置に支持された基台に形成されたネジ溝付孔に螺合させて支持することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、所定時間以上のアーク溶接に使用して先端部の電極ワイヤ貫通孔の口径が大きくなった電極チップの装着用ネジ部を保護材で覆い、該電極チップの外表面に磨き洗浄処理を施すと共に、該電極チップの少なくとも先端部の変質部を切削又は研磨して除去し、その後、電極チップをその装着用ネジ部をプレスの下型台に形成されたネジ溝孔に捩じ込んで先端部を上方にして支持すると共に、該プレスの上型パンチ台をその電極チップ成形凹部が電極チップの先端部に嵌入されるように下方に加圧し、電極チップの先端から所定の長さ部分を加圧成形し、その後、電極チップをその装着用ネジ部をボール盤のテーブルの所定位置に形成されたネジ溝付孔又は該テーブルの所定位置に支持された基台に形成されたネジ溝付孔に螺合させて先端部を上方にして位置決め固定し、その後、電極チップの加圧成形により変形した電極ワイヤ貫通孔形成部をドリルにて切削して所定内径の貫通孔に成形するので、容易な加工作業で、使用済み電極チップを使用前の外径形状と電極ワイヤ貫通口径を有し、先端部に変質部がなく、装着用ネジ部に損傷がなく、電極ワイヤ貫通孔が高精度で形成された電極チップに再生できる。
また、請求項に記載の発明によれば、プレスと、ボール盤とを備え、プレスは、電極チップの先端部を上方にして支持する下型台と、該電極チップの先端部が嵌合する電極チップ成形凹部を有する上型パンチ台とを具備し、下型台に支持された使用済み電極チップを上型パンチ台で該電極チップの先端部が電極チップ成形凹部に嵌入されるように加圧し、該使用済み電極チップの先端から所定の長さ部分を加圧成形するようになっており、ボール盤はプレスにて加圧成形され先端部を上方にしてテーブルに支持された電極チップの加圧成形により変形した電極ワイヤ貫通孔形成部をドリルで切削して所定内径の電極ワイヤ貫通孔を成形するようになっており、プレスの下型台への使用済み電極チップの支持は、該電極チップ後端部に形成されたネジ部を下型台の所定位置に形成されたネジ溝付孔に螺合させて支持し、ボール盤のテーブルへの加圧成形された電極チップの支持は、該電極チップ後端部に形成されたネジ部をテーブルの所定位置に形成されたネジ溝付孔又は該テーブルの所定位置に支持された基台に形成されたネジ溝付孔に螺合させて支持するので、使用済みの電極チップを使用前の外径形状と電極ワイヤ貫通孔口径を有する電極チップに再生できる電極再生装置を提供できる。また、使用済みの電極チップの加圧成形時に該使用済みの電極チップを高精度でプレスの下型台の所定位置に容易に支持することが可能となると共に、精度のよい加圧成形が可能となる。また、加圧成形により変形した電極ワイヤ貫通孔形成部に形成時に、加圧成形された電極チップをボール盤のテーブルへの所定位置に精度良く所定位置に容易に支持することが可能であると共に、精度のよい電極ワイヤ貫通孔の再生が可能となる。
以下、本発明の実施形態例を図面に基づいて詳細に説明する。図4及び5図は本発明に係る電極チップ再生方法の工程を示す図である。所定時間以上のアーク溶接に使用した電極チップ1は図4(a)に示すように、先端部に変質部1bが形成され、更に該表面に汚れの付着や変質膜1cが形成され、更に内部の電極ワイヤ貫通孔1aの先端部分の口径が使用前の口径d1から口径d2へと大きくなる。電極チップ1の再生には、外表面の変質膜1cを除去し、先端部の変質部1bを除去し、更に電極ワイヤ貫通孔1aの口径を使用前の口径d1とする必要がある。また、電極チップ1の後端部には後に詳述するように、該電極チップ1をガス供給管の先端部に装着するためのネジ部1dが設けられている。
このネジ部1dは後述するように、電極チップ1のガス溶接ヘッドへの装着、電極チップ1の再生処理工程において重要な機能を奏するものなので、そのネジ溝を損傷しないようにする必要がある。そこで電極チップ1の再生工程の実施に先立つ前処理において、ネジ部1dの損傷を防止するため、図4(b)に示すように、ネジ部1dに柔軟性を有する樹脂材等から保護管2を挿入する。その後図4(c)に示すように、電極チップ1の外表面の汚れや変質膜1cを除去するため磨き洗浄処理を施し、汚れや変質膜1cを除去する。この磨き洗浄処理により、電極チップの外表面の汚れ等の変質膜1cが除去された後、図4(d)に示すように、ネジ部1dの保護管2を除去する。その後、図示は省略するが、電極チップ1の先端部の変質部1bを除去するためスパッタ等により先端部を研磨する。
上記ネジ部1dの保護管2を除去した後、後に詳述するようにプレスにて電極チップ1の先端から所定寸法部分(図4(d)のL部分、例えば電極チップ1の全長の1/3)を長手方向に加圧してこの部分を所定外径形状に加圧成形する。この加圧成形により、これにより図5(a)に示すように、電極チップ1の電極ワイヤ貫通孔1aがつぶされその口径が小さくなる。そこで後に詳述するように、上記加圧成形した電極チップ1の電極ワイヤ貫通孔1aが形成されている部分にボール盤のドリルで使用前の電極チップ1の電極ワイヤ貫通孔1aと同口径d1の電極ワイヤ貫通孔1aを図5(b)に示すように形成する。
図6は本発明に係る電極チップ再生方法に使用するプレスの概略構成例を示す図で、本プレスは下型ベース11と上型ベース12を具備し、下型ベース11上には下型台13が配置固定され、上型ベース12の下面に上型パンチプレート14が配置固定され、該上型パンチプレート14の下面には上型パンチ台15に配置固定されている。16、17はガイドピンであり、該ガイドピン16、17に案内されて上型ベース12が上下動するようになっている。下型台13の上面所定位置には、電極チップ1のネジ部1dを捩じ込むネジ溝付孔13aが形成されており、上型パンチ台15の下面所定位置には、電極チップ成形凹部15aが形成されている。
下型台13の上面に形成されたネジ溝付孔13aに電極チップ1のネジ部1dを捩じ込むことにより、上型パンチ台15の電極チップ成形凹部15aと電極チップ1の軸中心が一致するように位置決めされる。電極チップ成形凹部15aの内面形状は使用前の電極チップ1の上部外径形状と一致するように構成されている。図7は上記プレスの下型台13と上型パンチ台15の一部を示す図である。図示するように、下型台13のネジ溝付孔13aの先端部研磨により先端部の変質部1bが除去され、電極ワイヤ貫通孔1aの先端部口径がd2である電極チップ1のネジ部1dを捩じ込み、上型パンチ台15を下降させて加圧する。これにより電極チップ1の先端から所定寸法部分(図4(d)のL部分)が長手方向に加圧成形される。この加圧成形により電極チップ1の電極ワイヤ貫通孔1aが潰され、図5(a)に示すようにその先端部が細くなる。
図8は上記電極ワイヤ貫通孔1aが潰されその先端部口径が細くなった電極チップ1の電極ワイヤ貫通孔1aの形成部にボール盤のドリルで使用前の口径d1の電極ワイヤ貫通孔1aを形成する図である。図示するようにボール盤(図示せず)のテーブル25の所定位置に支持された基台26に形成されたネジ溝付孔26aに電極チップ1のネジ部1dを捩じ込み螺合させて該電極チップ1を基台26に支持固定させる。そして電極チップ1の軸中心とドリル27の軸中心を一致させる。その後回転するドリル27を下降させることにより、電極チップ1の電極ワイヤ貫通孔1aの形成部に口径d1の貫通孔を形成する。なお、上記例では、電極チップ1を基台26を介してテーブル25に支持する例を示したがテーブル25の上面所定位置に電極チップ1のネジ部1dをネジ込む溝付孔を設け、テーブル25に直接電極チップを支持固定するようにしても良い。
上記のように本発明に係る電極チップ再生工程では、使用済み電極チップ1をプレスで加圧成形する場合も、加圧成形した電極チップ1の電極ワイヤ貫通孔1aの形成部に電極ワイヤ貫通孔1aを形成する場合も、電極チップ1の位置決め支持固定に電極チップ1のネジ部1dをネジ溝付孔13a、26aに螺合させて行なうので、位置決め支持固定が容易であると共に、高精度で位置決め支持固定することができる。従って、高精度の加圧成形、及び高精度の電極ワイヤ貫通孔1aの形成が可能となる。
また、上記プレスとボール盤の間又は近傍にロボット等の電極チップ1を移動させる電極チップ移動手段や取扱い機器を配置し、使用済み電極チップ1のプレスの下型台13のネジ溝付孔13aへの捩じ込み装着、加圧成形された電極チップ1の脱着、ボール盤へ移送し基台26のネジ溝付孔26aへのネジ部に捩じ込み装着、電極ワイヤ貫通孔1aの形成後の電極チップ1の脱着、再生工程の終了した電極チップの検査等一連の工程を自動的に行なうように装置を構成してもよい。
上記加圧成形され、電極ワイヤ貫通孔1aが形成された電極チップ1は、その後先端部のバリ取り、外表面の磨きを行い、更にネジ部1dにネジ溝の損傷がないかを確認し、これらが全てOKであったら、最後に電極ワイヤ貫通孔1aの軸中心が電極チップ1の軸中心と一致しているか、口径d1が全長に亘って均一か等の電極ワイヤ貫通孔1aの検査を行いこれらが全てOKであれば電極チップの再生は完了する。
図9は上記のようにして再生された電極チップ1を示す図で、図9(a)は側面図、図9(b)は側断面図である。図9(b)に示すように、電極チップ1の電極ワイヤ貫通孔1aの口径(内径)は矯正され、先端部の口径も後端部の口径も共に、電極チップ1の使用前の口径d1となる。また、先端の変質部1bを切削又は研磨して除去するため、その分電極チップ1の長さが短くなる。例えば電極チップ1の全長が45mm(電極チップ1の先端からネジ部1dの後端までの長さ)の場合は、0.5mmまで短くなるのは許される。本再生電極チップは、一回の再生で約0.2mm短くなるから、再生は2回までが可能である。また、半自動溶接機では0.5mm以上短くなっても許されるから、3回以上の再生が可能となる。また、後に詳述するように、ガスノズル先端と電極チップ1先端との距離が変化するので、その変化を補正するため、除去した変質部1bの厚さd3と同じ厚さd3のワッシャ4を電極チップ1の後端に取付けるようにしてもよい。
図10は図9に示す再生した電極チップ1を使用するガスシールド消耗電極式アーク溶接装置の溶接ヘッド部の構成例を示す図である。図示するように、溶接ヘッド部20は円筒のガスノズル21を備えている。該ガスノズル21の後端内周面にはネジ溝21aが形成され、該ネジ溝21aをガス供給管22のヘッド部23の外周に形成したネジ溝23aに螺合させることにより、ガスノズル21をガス供給管22のヘッド部23に装着させることができる。ガス供給管22のヘッド部23の中央先端部には、電極チップ1のネジ部1dが螺合するネジ溝23dが形成されており、該ネジ溝23dにネジ部1dをねじ込んで電極チップ1をガス供給管22のヘッド部23に装着する。
ガス供給管22内のガス供給孔22aには電極ワイヤ3が貫通しており、該電極ワイヤ3はヘッド部23の貫通孔23b、電極チップ1の電極ワイヤ貫通孔1aを通ってその先端が突出し、更にガスノズル21の先端から所定寸法突出している。ガス供給管22のヘッド部23には一端がガス供給管22内のガス供給孔22aに開口し他端がガスノズル21内に開口する複数のガス流路23cが設けられている。ガス供給管22内のガス供給孔22aを通って供給されるCO2ガスは、矢印に示すようにヘッド部23に設けた複数のガス流路23cを通ってガスノズル21内の電極ワイヤ3の回りに放出され、更にガスノズル21の先端から電極ワイヤ3を囲むように流れる(図1参照)。
上記の電極チップ1は一度の再生により、その先端の変質部1bが0.2mm程度切削又は研磨により削除される結果、その分電極チップ1の全長の長さが短くなり、ガスノズル21先端と電極チップ1先端の距離L3がその分長くなる。ガスシールド消耗電極式アーク溶接装置の溶接ヘッド部においては、ガスノズル21先端と電極チップ1先端の距離L3は重要な要素であり、この距離L3を一定に保つ必要がある。そこで、ここでは、変質部1bの削除に相当する厚さ(約0.2mm)のワッシャ4をガス供給管22のヘッド部23と電極チップ1との間に介在させ、距離L3が一定になるようにする。即ち、再生回数が1回の場合は1枚のワッシャ4を、再生回数が2回の場合は2枚のワッシャ4というように、再生回数に応じた枚数のワッシャ4を介在させることにより、ガスノズル21先端と電極チップ1先端の距離L3を一定に保つことができる。
上記のように所定時間以上のアーク溶接に使用して先端部の電極ワイヤ貫通孔1aの口径が大きくなった電極チップ1を加圧成形し、電極ワイヤ貫通孔形成部に新たに電極ワイヤ貫通孔を形成して再生することにより、これまで使い捨てであった電極チップ1を再生し、複数回使用できるので、ガスシールド消耗電極式アーク溶接装置の電極チップのコストを大幅に下げることができる。例えば単価100円の電極チップ1を再生して複数回使用することにより、50円以下とすることができ、大幅にコストダウンが可能となる。
なお、上記実施形態例では、図5に示すように、テーパー状部1eと円柱状部1fから構成される電極チップ1としたが、電極チップ1はこの形状に限定されるものではなく、図11(a)、(b)に示すように、円柱状部1fからテーパー状部1eに亘って平坦面1gを設けた構成のものでもよい。また、全体が円柱状でその後端部にネジ部1dを形成したものでもよい。
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば上記実施形態では、シールドガスにCO2ガスを使用する炭酸ガスアーク溶接を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、シールドガスとしてアルゴン等の不活性ガス(数%程度のCO2、O2を混合したものを含む)用いるMIG溶接、シールドガスとしてCO2ガスとアルゴン等の不活性ガスを適当な割合で混合したガスを用いるGMA溶接における電極チップであっても再生することが可能である。
ガスシールド消耗電極式アーク溶接装置の概略構成例を示す図である。 ガスシールド消耗電極式アーク溶接装置の使用済み電極チップの構成例を示す図で、図2(a)は側面図、図2(b)は側断面図である。 従来の電極チップ再生装置の構成例を示す断面図である。 本発明に係る電極チップ再生方法の前処理を説明するための図である。 本発明に係る電極チップ再生方法の処理工程を説明するための図である。 本発明に係る電極チップ再生方法に用いるブレスの概略構成を示す断面図である。 本発明に係る電極チップ再生方法に用いるプレスの一部を示す断面図である。 本発明に係る電極チップ再生方法の電極ワイヤ貫通孔の形成工程を説明するための図である。 本発明に係る電極チップ再生方法で再生した電極チップの構成例を示す図で、図9(a)は側面図、図9(b)は側断面図である。 ガスシール消耗電極式アーク溶接装置の溶接ヘッドの構成例を示す図である。 電極チップの他の構成例を示す図である。
1 電極チップ
1a 電極ワイヤ貫通孔
1b 変質部
1c 変質膜
1d ネジ部
1e テーパー状部
1f 円筒状部
1g 平坦面
2 護管
3 電極ワイヤ
4 ワッシャ
11 下型ベース
12 上型ベース
13 下型台
14 上型パンチプレート
15 上型パンチ台
16 ガイドピン
17 ガイドピン
20 溶接ヘッド部
21 ガスノズル
22 ガス供給管
23 ヘッド部
25 テーブル
26 基台
27 ドリル

Claims (2)

  1. 中心部軸方向に電極ワイヤが貫通する電極ワイヤ貫通孔が形成され、後端部に装着用ネジ部が形成された電極チップを備えたガスシール消耗電極式アーク溶接装置の電極チップ再生方法であって、
    所定時間以上のアーク溶接に使用して先端部の電極ワイヤ貫通孔の口径が大きくなった前記電極チップの装着用ネジ部を保護材で覆い、該電極チップの外表面に磨き洗浄処理を施すと共に、該電極チップの少なくとも先端部の変質部を切削又は研磨して除去し、
    その後、前記電極チップをその装着用ネジ部をプレスの下型台に形成されたネジ溝孔に捩じ込んで先端部を上方にして支持すると共に、該プレスの上型パンチ台をその電極チップ成形凹部が前記電極チップの先端部に嵌入されるように下方に加圧し、前記電極チップの先端から所定の長さ部分を加圧成形し、
    その後、前記電極チップをその装着用ネジ部をボール盤のテーブルの所定位置に形成されたネジ溝付孔又は該テーブルの所定位置に支持された基台に形成されたネジ溝付孔に螺合させて先端部を上方にして位置決め固定し、
    その後、前記電極チップの前記加圧成形により変形した電極ワイヤ貫通孔形成部をドリルにて切削して所定内径の貫通孔に成形することを特徴とするガスシールド消耗電極式アーク溶接装置の電極チップ再生方法。
  2. 中心部軸方向に電極ワイヤが貫通する電極ワイヤ貫通孔が形成された電極チップを備えたガスシールド消耗電極式アーク溶接装置の電極チップ再生装置であって、
    プレスと、ボール盤とを備え、
    前記プレスは、前記電極チップの先端部を上方にして支持する下型台と、該電極チップの先端部が嵌合する電極チップ成形凹部を有する上型パンチ台とを具備し、前記下型台に支持された使用済み電極チップを前記上型パンチ台で該電極チップの先端部が前記電極チップ成形凹部に嵌入されるように加圧し、該使用済み電極チップの先端から所定の長さ部分を加圧成形するようになっており、
    前記ボール盤は前記プレスにて加圧成形され先端部を上方にしてテーブルに支持された電極チップの前記加圧成形により変形した電極ワイヤ貫通孔形成部をドリルで切削して所定内径の電極ワイヤ貫通孔を成形するようになっており、
    前記プレスの下型台への前記使用済み電極チップの支持は、該電極チップ後端部に形成されたネジ部を前記下型台の所定位置に形成されたネジ溝付孔に螺合させて支持し、
    前記ボール盤のテーブルへの前記加圧成形された電極チップの支持は、該電極チップ後端部に形成されたネジ部を前記テーブルの所定位置に形成されたネジ溝付孔又は該テーブルの所定位置に支持された基台に形成されたネジ溝付孔に螺合させて支持することを特徴とするガスシールド消耗電極式アーク溶接装置の電極チップ再生装置。
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