JP4675758B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、いわゆるディスクリートトラック型の磁気記録媒体の技術に関する。
ハードディスクなどの記憶装置を構成するための記録媒体として、磁気ディスク(磁気記録媒体)が知られている。磁気ディスクは、ディスク基板と所定の磁性構造を有する記録層とを含む積層構造を有する。コンピュータシステムにおける情報処理量の増大に伴い、磁気ディスクについては高記録密度化の要求が高まっている。
磁気ディスクへの情報記録に際しては、磁気ディスクの記録面(実質的に記録層により構成される)に対して記録用の磁気ヘッドが近接配置され、当該磁気ヘッドにより、記録層に対し、その保磁力より強い記録磁界が印加される。磁気ディスクに対して磁気ヘッドを相対移動させつつ磁気ヘッドからの記録磁界の向きを順次反転させることにより、記録層の情報トラックにて、磁化方向が順次反転する複数の記録マーク(磁区)がディスク周方向に連なって形成される。このとき、記録磁界方向を反転させるタイミングが制御されることにより、各々に所定の長さで記録マークが形成される。このようにして、記録層において、磁化方向の変化として所定の信号ないし情報が記録される。
また、磁気ディスクの技術分野においては、高記録密度化を図るのに好ましい媒体として、いわゆるディスクリートトラック(DT)型の磁気ディスクが知られている。DT型磁気ディスクについては、例えば下記の特許文献1〜3に記載されている。
特開2005−71467号公報 特開2005−166115号公報 特開2005−293730号公報
図31および図32は、DT型の従来の磁気ディスク90を表す。図31は、磁気ディスク90における部分平面図であり、図32は、図31の線XXXII−XXXIIに沿った断面図である。
磁気ディスク90は、図32に示すように、ディスク基板91、記録層92、および保護膜93からなる積層構造を有する。記録層92は、図31に示すように、ディスク周方向Dに延びる複数の情報トラック92Aと、情報トラック間の非磁性部92Bとからなる。情報トラック92Aは、トラックサーボ信号領域TSおよびユーザデータ領域YDを有する。トラックサーボ信号領域TSは、複数の磁性部92aおよび複数の非磁性部92bを有し、隣り合う磁性部92aは非磁性部92bにより分断されている。複数の磁性部92aは、各々いわゆる垂直磁気異方性を有し、同一方向に磁化されている。このような複数の磁性部92aおよび複数の非磁性部92bは、トラックサーボ情報を構成する。また、ユーザデータ領域YDは、ユーザデータが書き込まれることとなる磁性部92cを有する。磁性部92cは、磁性部92aと同一の磁性材料により構成されて垂直磁気異方性を有し、初めてユーザデータが書き込まれる前には、上下方向の磁化がランダムかつ略均等に生じている、いわゆるアズデポ(as−depo)状態にある。
このようなDT型の磁気ディスク90の情報記録時には、磁気ヘッドによる記録磁界の印加によって、記録層92の一の情報トラック92Aにおけるユーザデータ領域YDの磁性部92cにて、磁化方向が順次反転する複数の記録マーク(磁区)がディスク周方向に連なって形成される。このとき、情報記録進行中であって磁界が順次印加される情報トラック92Aと、これと隣り合う別の情報トラック92Aとが、非磁性部92Bにより分断されているため、当該隣の情報トラック92Aの記録マークが消失ないし劣化するというクロスライト現象が抑制される。クロスライト現象が抑制される磁気ディスクは、トラックの狭ピッチ化ないし高記録密度化を図るうえで、好ましい。
図33および図34は、磁気ディスク90の製造方法を表す。磁気ディスク90の製造においては、まず、図33(a)に示すように、ディスク基板91上に磁性膜94が形成される。次に、図33(b)に示すように、磁性膜94上にレジストパターン95が形成される。レジストパターン95は、上述の記録層92における非磁性部92bのパターン形状に対応する開口部95aを有する。また、レジストパターン95は、記録層92における非磁性部92Bのパターン形状に対応する開口部(図示なし)も有する。次に、図33(c)に示すように、レジストパターン95をマスクとして利用して行うエッチング処理によって磁性膜94がパターニングされる。これにより、記録層92における磁性部92a,92cが形成される。次に、レジストパターン95が除去された後、図33(d)に示すように、磁性部92a,92c間に非磁性材料96が充填される。これにより、記録層92における非磁性部92B,92bが形成される。
次に、図34(a)に示すように、記録層92上に保護膜93が形成される。次に、図34(b)に示すように、記録層92の全体に対する一括的な磁界印加により、磁性部92a,92cの磁化方向が同一方向に揃えられる。本工程では、磁性部92a,92cの保磁力より強い磁界Hrが印加される。磁性部92aの磁化方向が同一方向に揃うことにより、トラックサーボ信号領域TSにおいてトラックサーボ情報が形成されることとなる。この後、ACイレース処理により、図34(c)に示すように、ユーザデータ領域YDの磁性部92cがアズデポ化される。ACイレース処理では、所定の磁気ヘッドを使用して、情報トラック92Aごとに、ユーザデータ領域YDの磁性部92cにおいて高周波の繰り返しパターンマークが形成される。以上のようにして、記録層92にトラックサーボ情報が形成された磁気ディスク90は製造される。
しかしながら、従来の磁気ディスク90は、効率よく製造することができない。従来の磁気ディスク90の製造過程では、記録層92において磁性部92aの磁化方向を揃えたうえで、磁性部92cのみをアズデポ状態とするためのACイレース処理が必要である。ACイレース処理は、情報トラック92Aごとに行わなければならない。そのため、ACイレース処理によると、全ての情報トラック92A内の磁性部92c(従って、記録層92における全ての磁性部92c)をアズデポ状態とするのには、多大な時間(磁気ディスク90一枚あたり例えば10分以上)を要してしまう。このようなACイレース処理は、磁気ディスクの製造効率向上および製造コスト低減の観点からは、好ましくない。
本発明は、以上のような事情の下で考え出されたものであり、トラックサーボ情報を効率よく形成し且つユーザデータ領域における磁性部を効率よくアズデポ状態とするのに適した、磁気記録媒体および磁気記録媒体製造方法を提供することを、目的とする。
本発明の第1の側面によると、基材および記録層を含む積層構造を有して情報記録時に回転動作を伴う磁気記録媒体が提供される。この磁気記録媒体において、記録層は、並列して回転動作の回転中心まわりを延び且つ各々がトラックサーボ信号領域およびユーザデータ領域を有する複数条の情報トラック、並びに、隣り合う情報トラックの間に介在する非磁性部を含む。トラックサーボ信号領域は、トラック延び方向に並ぶ複数の第1磁性部、および、隣り合う第1磁性部の間に介在する非磁性部を有する。ユーザデータ領域は、トラック延び方向に延びる第2磁性部を有する。第1および第2磁性部は垂直磁気異方性を有し、第2磁性部の保磁力は、第1磁性部の保磁力より大きい。また、本発明における基材には、基板、および、表面に所定の材料膜が形成された基板が含まれる。このような構成を有する本磁気記録媒体は、トラックサーボ情報を効率よく形成し且つユーザデータ領域における磁性部を効率よくアズデポ状態とするうえで、好適である。
本磁気記録媒体の製造過程においては、トラックサーボ信号領域における第1磁性部およびユーザデータ領域における第2磁性部は、各々、例えば基材上にて、薄膜形成技術を利用して先ずアズデポ状態に形成することができる。この後、第1磁性部の保磁力より強く且つ第2磁性部の保磁力より弱い所定の磁界を、記録層の全体に対して一括的に印加すると、第2磁性部のアズデポ状態を維持しつつ、第1磁性部の磁化方向を同一方向に揃えることが可能である。この磁界印加により、トラックサーボ信号領域において、同一の磁化方向を有する複数の第1磁性部と複数の非磁性部とから構成されるトラックサーボ情報が形成される。
本磁気記録媒体においては、記録層の全体に対する一括的な磁界印加によりトラックサーボ信号領域における第1磁性部の磁化方向を同一方向に揃えることができるため、効率よくトラックサーボ情報を形成することができる。本磁気記録媒体では、トラックサーボ情報を形成するうえで、磁気ヘッドなどにより第1磁性部ごとに個別に磁界を印加する必要はない。また、本磁気記録媒体においては、第1および第2磁性部の保磁力の差を利用して、アズデポ状態で先ずは形成される第2磁性部の当該アズデポ状態を、上述のような一括的な磁界印加工程を経ても維持することができる。そのため、本磁気記録媒体では、ユーザデータ領域における第2磁性部をアズデポ状態とするうえで、従来の磁気ディスク90に関して上述したようなACイレース処理を行う必要はない。このように、本磁気記録媒体においては、トラックサーボ情報を効率よく形成することが可能であり、且つ、ユーザデータ領域における磁性部を効率よくアズデポ状態とすることが可能なのである。このような磁気記録媒体は、製造効率の向上や製造コストの低減を図りやすい。
本発明の第1の側面における好ましい実施の形態では、基材と第2磁性部の間には、微小凹凸構造層が介在する。磁性部が積層形成される積層対象面の表面粗さは、当該磁性部の保磁力の大きさに影響を与え、当該積層対象面の表面粗さが大きいほど、当該積層対象面上に形成される磁性部の保磁力は大きい傾向にある場合がある。したがって、所定の微小凹凸構造層上に第2磁性部を設け且つ例えば基材表面上に直に第1磁性部を設けることにより、第2磁性部の保磁力を、第1磁性部の保磁力よりも大きく設定することが可能である。
本発明の第1の側面における他の好ましい実施の形態では、基材は、表面粗化領域を有し、第2磁性部は、表面粗化領域上に設けられている。磁性部が積層形成される積層対象面の表面粗さが大きいほど、上述のように、当該積層対象面上に形成される磁性部の保磁力は大きい傾向にある場合がある。したがって、所定の表面粗化領域上に第2磁性部を設け且つ基材において例えば表面粗化処理等が施されていない領域の上に第1磁性部を設けることにより、第2磁性部の保磁力を、第1磁性部の保磁力よりも大きく設定することが可能である。
本発明の第2の側面によると、基材および記録層を含む積層構造を有して情報記録時に回転動作を伴う磁気記録媒体が提供される。この磁気記録媒体において、記録層は、並列して回転動作の回転中心まわりを延び且つ各々がトラックサーボ信号領域およびユーザデータ領域を有する複数条の情報トラック、並びに、隣り合う情報トラックの間に介在する非磁性部を含む。トラックサーボ信号領域は、トラック延び方向に並ぶ複数の第1磁性部、および、隣り合う第1磁性部の間に介在する非磁性部を有する。ユーザデータ領域は、トラック延び方向に延びる第2磁性部を有する。第1および第2磁性部は垂直磁気異方性を有し、第1磁性部の保磁力は、第2磁性部の保磁力より大きい。このような構成を有する本磁気記録媒体は、トラックサーボ情報を効率よく形成し且つユーザデータ領域における磁性部を効率よくアズデポ状態とするうえで、好適である。
本磁気記録媒体の製造過程においては、トラックサーボ信号領域内に第1磁性部を含み且つユーザデータ領域内に第2磁性部を含む記録層の全体に対し、第1磁性部の保磁力より強い所定の磁界を一括的に印加すると、第1および第2磁性部の磁化方向を同一方向に揃えることが可能である。この磁界印加により、トラックサーボ信号領域において、同一の磁化方向を有する複数の第1磁性部と複数の非磁性部とから構成されるトラックサーボ情報が形成される。この後、例えば媒体全体を所定の温度で加熱することにより、より大きな保磁力を有する第1磁性部の磁化方向を維持しつつ、より小さな保磁力を有する第2磁性部を熱緩和させてアズデポ状態とすることができる。
本磁気記録媒体においては、記録層の全体に対する一括的な磁界印加によりトラックサーボ信号領域における第1磁性部の磁化方向を同一方向に揃えることができるため、効率よくトラックサーボ情報を形成することができる。また、本磁気記録媒体においては、ユーザデータ領域における第2磁性部をアズデポ状態とするうえで、従来の磁気ディスク90に関して上述したようなACイレース処理を行う必要はない。第1および第2磁性部の保磁力の差を利用して、例えば媒体全体に対する所定程度の加熱処理により、第1磁性部の磁化方向を維持しつつ、第2磁性部を熱緩和させてアズデポ状態とすることができるからである。このように、本磁気記録媒体においては、トラックサーボ情報を効率よく形成することが可能であり、且つ、ユーザデータ領域における磁性部を効率よくアズデポ状態とすることが可能なのである。このような磁気記録媒体は、製造効率の向上や製造コストの低減を図りやすい。
本発明の第2の側面における好ましい実施の形態では、基材と第1磁性部の間には、微小凹凸構造層が介在する。磁性部が積層形成される積層対象面の表面粗さが大きいほど、上述のように、当該積層対象面上に形成される磁性部の保磁力は大きい傾向にある場合がある。したがって、所定の微小凹凸構造層上に第1磁性部を設け且つ例えば基材表面上に直に第2磁性部を設けることにより、第1磁性部の保磁力を、第2磁性部の保磁力よりも大きく設定することが可能である。
本発明の第2の側面における他の好ましい実施の形態では、基材は、表面粗化領域を有し、第1磁性部は、表面粗化領域上に設けられている。磁性部が積層形成される積層対象面の表面粗さが大きいほど、上述のように、当該積層対象面上に形成される磁性部の保磁力は大きい傾向にある場合がある。したがって、所定の表面粗化領域上に第1磁性部を設け且つ基材において例えば表面粗化処理等が施されていない領域上に第2磁性部を設けることにより、第1磁性部の保磁力を、第2磁性部の保磁力よりも大きく設定することが可能である。
好ましくは、第1磁性部の側壁は粗化されている。このような構成は、第1磁性部の保磁力を第2磁性部の保磁力よりも大きく設定するうえで好適である。
本発明の第3の側面によると、基材および記録層を含む積層構造を有して情報記録時に回転動作を伴う磁気記録媒体が提供される。この磁気記録媒体において、記録層は、並列して回転動作の回転中心まわりを延び且つ各々がトラックサーボ信号領域およびユーザデータ領域を有する複数条の情報トラック、並びに、隣り合う情報トラックの間に介在する非磁性部を含む。トラックサーボ信号領域は、トラック延び方向に並ぶ複数の第1磁性部、および、隣り合う第1磁性部の間に介在する非磁性部を有する。ユーザデータ領域は、トラック延び方向に延びる第2磁性部を有する。第1および第2磁性部は垂直磁気異方性を有し、基材と第1磁性部の間、または、基材と第2磁性部の間には、微小凹凸構造層が介在する。
磁性部が積層形成される積層対象面の表面粗さが大きいほど、上述のように、当該積層対象面上に形成される磁性部の保磁力は大きい傾向にある場合がある。したがって、本発明の第3の側面に係る磁気記録媒体においては、所定の微小凹凸構造層上に第1磁性部を設け且つ例えば基材表面上に直に第2磁性部を設けることにより、第1磁性部の保磁力を、第2磁性部の保磁力よりも大きく設定することが可能である。或は、所定の微小凹凸構造層上に第2磁性部を設け且つ例えば基材表面上に直に第1磁性部を設けることにより、第2磁性部の保磁力を、第1磁性部の保磁力よりも大きく設定することが可能である。このような本磁気記録媒体においては、第1または第2の側面に係る磁気記録媒体に関して上述したのと同様に、トラックサーボ情報を効率よく形成することが可能であり、且つ、ユーザデータ領域における磁性部を効率よくアズデポ状態とすることが可能である。
本発明の第4の側面によると、基材および記録層を含む積層構造を有して情報記録時に回転動作を伴う磁気記録媒体が提供される。この磁気記録媒体において、基材は、表面粗化領域を有する。記録層は、並列して回転動作の回転中心まわりを延び且つ各々がトラックサーボ信号領域およびユーザデータ領域を有する複数条の情報トラック、並びに、隣り合う情報トラックの間に介在する非磁性部を含む。トラックサーボ信号領域は、トラック延び方向に並ぶ複数の第1磁性部、および、隣り合う第1磁性部の間に介在する非磁性部を有する。ユーザデータ領域は、トラック延び方向に延びる第2磁性部を有する。第1および第2磁性部は垂直磁気異方性を有し、第1磁性部または第2磁性部は、基材の表面粗化領域上に設けられている。
磁性部が積層形成される積層対象面の表面粗さが大きいほど、上述のように、当該積層対象面上に形成される磁性部の保磁力は大きい傾向にある場合がある。したがって、本発明の第4の側面に係る磁気記録媒体においては、所定の表面粗化領域上に第1磁性部を設け且つ基材において例えば表面粗化処理等が施されていない領域の上に第2磁性部を設けることにより、第1磁性部の保磁力を、第2磁性部の保磁力よりも大きく設定することが可能である。或は、所定の表面粗化領域上に第2磁性部を設け且つ基材において例えば表面粗化処理等が施されていない領域の上に第1磁性部を設けることにより、第2磁性部の保磁力を、第1磁性部の保磁力よりも大きく設定することが可能である。このような本磁気記録媒体においては、第1または第2の側面に係る磁気記録媒体に関して上述したのと同様に、トラックサーボ情報を効率よく形成することが可能であり、且つ、ユーザデータ領域における磁性部を効率よくアズデポ状態とすることが可能である。
本発明の第5の側面によると、基材および記録層を含む積層構造を有して情報記録時に回転動作を伴う磁気記録媒体が提供される。この磁気記録媒体において、記録層は、並列して回転動作の回転中心まわりを延び且つ各々がトラックサーボ信号領域およびユーザデータ領域を有する複数条の情報トラック、並びに、隣り合う情報トラックの間に介在する非磁性部を含む。トラックサーボ信号領域は、トラック延び方向に並ぶ複数の第1磁性部、および、隣り合う第1磁性部の間に介在する非磁性部を有する。ユーザデータ領域は、トラック延び方向に延びる第2磁性部を有する。第1および第2磁性部は垂直磁気異方性を有し、第1磁性部の側壁は粗化されている。このような構成を有する磁気記録媒体においては、第1磁性部の保磁力を第2磁性部の保磁力よりも大きく設定することが可能である。したがって、本磁気記録媒体においては、第2の側面に係る磁気記録媒体に関して上述したのと同様に、トラックサーボ情報を効率よく形成することが可能であり、且つ、ユーザデータ領域における磁性部を効率よくアズデポ状態とすることが可能である。
本発明の第6の側面によると、基材および記録層を含む積層構造を有して情報記録時に回転動作を伴う磁気記録媒体が提供される。この磁気記録媒体において、記録層は、並列して回転動作の回転中心まわりを延び且つ各々がトラックサーボ信号領域およびユーザデータ領域を有する複数条の情報トラック、並びに、隣り合う情報トラックの間に介在する非磁性部を含む。トラックサーボ信号領域は、トラック延び方向に並ぶ複数の第1磁性部、および、隣り合う第1磁性部の間に介在する非磁性部を有する。ユーザデータ領域は、トラック延び方向に延びる第2磁性部を有する。第1および第2磁性部は垂直磁気異方性を有し、第1磁性部が基材の側で接合する部位(第1部位)は、第2磁性部が基材の側で接合する部位(第2部位)より、高い放熱性を有する。
本磁気記録媒体では、例えば、基材と第1磁性部の間には放熱層が介在する。或は、基材と第1磁性部の間には第1放熱層が介在し、基材と第2磁性部の間には第2放熱層が介在し、第1放熱層の熱伝導率は、第2放熱層の熱伝導率より大きくてもよい。或は、基材と第1磁性部の間には第1放熱層が介在し、基材と第2磁性部の間には第2放熱層が介在し、第1放熱層は、第2放熱層より厚くてもよい。これらの構成は、第1磁性部が基材の側で接合する第1部位について、第2磁性部が基材の側で接合する第2部位よりも、高い放熱性を設定するうえで好ましい。
本磁気記録媒体の製造過程においては、トラックサーボ信号領域内に第1磁性部を含み且つユーザデータ領域内に第2磁性部を含む記録層の全体に対し、第1および第2磁性部の保磁力より強い所定の磁界を一括的に印加すると、第1および第2磁性部の磁化方向を同一方向に揃えることが可能である。この磁界印加により、トラックサーボ信号領域において、同一の磁化方向を有する複数の第1磁性部と複数の非磁性部とから構成されるトラックサーボ情報が形成される。この後、例えば、光磁気記録媒体用のバルクイレーザを使用して、複数の情報トラックにわたる径を有するレーザを、基材とは反対の側から記録層に対して所定パワーで照射することにより、第1および第2磁性部が同一磁性材料よりなる場合であっても、第1磁性部の磁化方向を維持しつつ、第2磁性部を熱緩和させてアズデポ状態とすることができる。
本磁気記録媒体において、第1および第2磁性部が同一の磁性材料よりなる場合、同一温度条件のもとでは、第1および第2磁性部は実質的に同一の保磁力を有する。しかしながら、本磁気記録媒体では、第1磁性部が基材の側で接合する第1部位は、第2磁性部が基材の側で接合する第2部位より、高い放熱性を有するため、記録層が基材とは反対の側からレーザ照射を受けると、第1および第2部位の放熱性ないし放熱機能の差に起因して、照射領域内の第2磁性部は照射領域内の第1磁性部よりも昇温する。また、当該昇温の程度差に起因して、照射領域内の第2磁性部の保磁力は、照射領域内の第1磁性部の保磁力よりも小さくなる(高温ほど、磁性材料の保磁力は小さい傾向にある)。したがって、当該レーザ照射工程では、照射領域内において、より低温で且つより大きな保磁力を有する第1磁性部の磁化方向を維持しつつ、より高温で且つより小さな保磁力を有する第2磁性部を熱緩和させてアズデポ状態とすることができる。
本磁気記録媒体においては、記録層の全体に対する一括的な磁界印加によりトラックサーボ信号領域における第1磁性部の磁化方向を同一方向に揃えることができるため、効率よくトラックサーボ情報を形成することができる。また、本磁気記録媒体においては、ユーザデータ領域における第2磁性部をアズデポ状態とするうえで、従来の磁気ディスク90に関して上述したようなACイレース処理を行う必要はない。第1磁性部が基材の側で接合する第1部位と第2磁性部が基材の側で接合する第2部位との放熱性ないし放熱機能の差を利用して、基材とは反対の側からの記録層へのレーザ照射により、第1磁性部の磁化方向を維持しつつ、第2磁性部を熱緩和させてアズデポ状態とすることができるからである。このように、本磁気記録媒体においては、トラックサーボ情報を効率よく形成することが可能であり、且つ、ユーザデータ領域における磁性部を効率よくアズデポ状態とすることが可能なのである。このような磁気記録媒体は、製造効率の向上や製造コストの低減を図りやすい。
本発明の第1から第6の側面において、好ましくは、第1磁性部および第2磁性部は、同一組成の磁性材料よりなる。本発明においては、第1磁性部を構成するための磁性材料と、第2磁性部を構成するための磁性材料とを、異ならせる必要はない。
本発明の第7の側面によると磁気記録媒体製造方法が提供される。この方法は、上述の第1の側面に係る磁気記録媒体における第1および第2磁性部に対し、第1磁性部の保磁力より強く且つ第2磁性部の保磁力より弱い磁界を一括的に加え、第1磁性部の磁化方向を同一方向に揃える工程を含む。このような方法によると、第1の側面に係る磁気記録媒体に関して上述したように、トラックサーボ情報を効率よく形成することが可能であり、且つ、ユーザデータ領域における磁性部を効率よくアズデポ状態とすることが可能である。
本発明の第8の側面によると磁気記録媒体製造方法が提供される。この製造方法は、上述の第2または第5の側面に係る磁気記録媒体における第1および第2磁性部に対し、第1磁性部の保磁力より強い磁界を一括的に加え、第1および第2磁性部の磁化方向を同一方向に揃える工程と、加熱により第2磁性部を熱緩和させる工程とを含む。このような方法によると、第2の側面に係る磁気記録媒体に関して上述したように、トラックサーボ情報を効率よく形成することが可能であり、且つ、ユーザデータ領域における磁性部を効率よくアズデポ状態とすることが可能である。
本発明の第9の側面によると磁気記録媒体製造方法が提供される。この製造方法は、上述の第6の側面に係る磁気記録媒体における第1および第2磁性部に対して一括的に磁界を加えて当該第1および第2磁性部の磁化方向を同一方向に揃える工程と、基材とは反対の側からの記録層に対するレーザ照射により第2磁性部を熱緩和させる工程とを含む。このような方法によると、第6の側面に係る磁気記録媒体に関して上述したように、トラックサーボ情報を効率よく形成することが可能であり、且つ、ユーザデータ領域における磁性部を効率よくアズデポ状態とすることが可能である。
図1から図3は、本発明の第1の実施形態に係るディスクリートトラック(DT)型の磁気ディスクX1を表す。図1は、磁気ディスクX1の平面図であり、図2は、図1の磁気ディスクX1の部分拡大平面図である。また、図3は、図2の線III−IIIに沿った断面図である。
磁気ディスクX1は、ディスク基板11、記録層12、微小凹凸構造層13(図1,2では図示なし)、および保護膜14(図1,2では図示略)を含む積層構造を有し、熱アシスト磁気記録方式による情報記録と情報再生とを実行可能な磁気記録媒体として構成されている。
ディスク基板11は、主に、磁気ディスクX1の剛性を確保するための部位であり、例えば、アルミニウム合金、ガラス、シリコン、またはポリカーボネート樹脂よりなる。
記録層12は、図2に示すように、複数の情報トラック12Aおよび複数の非磁性部12Bを有する。情報トラック12Aは、図1にて一部を模式的に太線で示すように、磁気ディスクX1の回転中心Aを共通中心としてディスク基板11上にて同心円状に配置されている。また、情報トラック12Aは、部分的に図2に示すように、複数のトラックサーボ信号領域TSおよび複数のユーザデータ領域YDに区分される。トラックサーボ信号領域TSは、複数の磁性部12aおよび複数の非磁性部12bを有し、隣り合う磁性部12aは非磁性部12bにより分断されている。複数の磁性部12aは、各々いわゆる垂直磁気異方性を有し、同一方向に磁化されている。磁性部12aの保磁力Hc1は、例えば3〜5kOe(室温)である。このような磁性部12aは、例えばCoCrPt−SiO2よりなる。非磁性部12bは、例えばSiN、C、SiO2などの非磁性材料よりなる。トラックサーボ信号領域TSにおけるこのような複数の磁性部12aおよび複数の非磁性部12bは、トラックサーボ情報を構成する。また、ユーザデータ領域YDは、ユーザデータが書き込まれることとなる、情報トラック12Aの延び方向に延びる磁性部12cを有する。磁性部12cは、磁性部12aと同一の磁性材料により構成されて垂直磁気異方性を有し、初めてユーザデータが書き込まれる前には、上下方向の磁化がランダムかつ均等に生じている、いわゆるアズデポ状態にある。磁性部12cの保磁力Hc2は、磁性部12aの保磁力Hc1より大きい限りにおいて例えば4〜6kOe(室温)である。非磁性部12Bは、情報トラック12A間に介在し、上述の非磁性部12bと同一の非磁性材料よりなる。以上のような記録層12の厚さは例えば10〜20nmである。
微小凹凸構造層13は、情報トラック12Aのユーザデータ領域YDにおける磁性部12cの保磁力を高めるためのものであり、ディスク基板11上において、記録層12のトラックサーボ信号領域TSに対応する領域を除く、少なくともユーザデータ領域YDに対応する領域に設けられている(例えば、ディスク基板11上において、記録層12のトラックサーボ信号領域TSに対応する領域を除く、全面に設けられている)。また、微小凹凸構造層13は、記録層12の側に、ユーザデータ領域YDにおける磁性部12cのピンニング力を高めて実効的な保磁力を高めるピンニング作用を及ぼす微小凹凸構造を有する。微小凹凸構造層13における記録層12の側の表面について、表面粗さRaは例えば0.5〜2nmであり、凹凸形状における凸部(成長粒子)の平均直径(平均粒径)は、例えば5〜10nmである。微小凹凸構造層13の構成材料としては、例えばPt,Au,Pd,Ru,Coを採用することができる。このような微小凹凸構造層13の厚さは例えば3〜10nmである。
トラックサーボ信号領域TSにおける磁性部12aとユーザデータ領域YDにおける磁性部12cとは、上述のように同一の磁性材料よりなるが、本実施形態では、微小凹凸構造層13からのピンニング作用に起因して、磁性部12cは磁性部12aよりも大きな保磁力を有する。図4は、磁性部12aの保磁力Hc1および磁性部12cの保磁力Hc2について、温度依存性の一例を表すグラフである。図4のグラフでは、横軸は温度を示し、縦軸は保磁力を示す。磁性部12a,12cは、同一の磁性材料よりなるが、異なる温度依存性を示す。具体的には、キュリー温度Tcを除く温度範囲において、保磁力Hc2は保磁力Hc1より大きい。
保護膜14は、記録層12や微小凹凸構造層13を外界から物理的および化学的に保護するための部位であり、例えば、SiN、SiO2、またはダイアモンドライクカーボンよりなる。
以上のようなディスク基板11、記録層12、微小凹凸構造層13、および保護膜14を含む磁気ディスクX1の積層構造中には、必要に応じて他の層が含まれてもよい。例えば、ディスク基板11と記録層12の間には、記録用の磁気ヘッドから出力される記録磁界を収束させ、記録マークの形成に必要な実効的な記録磁界を低減させるための、いわゆる軟磁性材料層を設けてもよい。
このような磁気ディスクX1の情報記録時には、磁気ヘッド(図示略)による記録磁界の印加によって、記録層12の一の情報トラック12Aにおけるユーザデータ領域YDの磁性部12cにて、磁化方向が順次反転する複数の記録マーク(磁区)がディスク周方向に連なって形成される。このとき、情報記録進行中であって磁界が順次印加される情報トラック12Aと、これの隣の別の情報トラック12Aとが、非磁性部12Bにより分断されているため、当該隣の情報トラック12Aの記録マークが消失ないし劣化するというクロスライト現象が抑制される。クロスライト現象が抑制される磁気ディスクは、トラックの狭ピッチ化ないし高記録密度化を図るうえで、好ましい。
図5から図7は、磁気ディスクX1の製造方法の一例を表す。図5から図7では、磁気ディスクX1の製造過程における、図3に示す箇所の断面構造の変化を表す。
磁気ディスクX1の製造においては、まず、図5(a)に示すように、ディスク基板11上にレジストパターン15を形成する。レジストパターン15は、本方法では、記録層12におけるトラックサーボ信号領域TSに対応するパターン形状を有する。ディスク基板11上に液状のフォトレジストをスピンコーティングにより成膜した後に、露光処理およびその後の現像処理を経て当該フォトレジスト膜をパターニングすることにより、レジストパターン15を形成することができる。後出のレジストパターンについても、同様の手法により形成することができる。
次に、図5(b)に示すように、ディスク基板11上に微小凹凸構造層13を形成する。微小凹凸構造層13の形成においては、例えば、スパッタリング法により、ディスク基板11の素地よりも表面張力の大きな材料をディスク基板11上にアイランド成長させる。或は、ディスク基板11上に表面張力の比較的小さな材料(例えばSiN)よりなる下地膜を例えばスパッタリング法により形成した後、当該下地膜上に表面張力のより大きな材料(例えばPt)を例えばスパッタリング法により成長させることにより、微小凹凸構造層13を形成してもよい。
次に、図5(c)に示すようにレジストパターン15を除去した後、図5(d)に示すように、垂直磁化膜である磁性膜16を形成する。磁性膜16の形成においては、例えばスパッタリング法により、磁性部12aに関して上述した材料を、微小凹凸構造層13を覆うようにディスク基板11上に成膜する。本工程では、磁性膜16は、上下方向の磁化がランダムかつ略均等に生じているアズデポ状態に形成される。
次に、図6(a)に示すように、磁性膜16上にレジストパターン17を形成する。レジストパターン17は、上述の非磁性部12bのパターン形状に対応する開口部17aを有する。また、レジストパターン17は、上述の非磁性部12Bのパターン形状に対応する開口部(図示なし)も有する。
次に、図6(b)に示すように、レジストパターン17をマスクとして利用して、磁性膜16に対してエッチング処理を施す。エッチング手法としては、例えば、エッチングガスとしてArを用いたドライエッチングを採用することができる。本工程により、アズデポ状態にある磁性部12a,12cが形成される。
次に、図6(c)に示すようにレジストパターン17を除去した後、図6(d)に示すように非磁性材料18を堆積させる。具体的には、例えばスパッタリング法により、非磁性部12bに関して上述した非磁性材料を、磁性部間の溝を少なくとも充填するように堆積させる。
次に、図7(a)に示すように、非磁性材料18の過剰部分を除去する。除去手法としては、例えば機械的研磨を採用することができる。本工程により、非磁性部12bおよび非磁性部12B(図示なし)が形成され、記録層12が形成されることとなる。
次に、図7(b)に示すように、記録層12上に保護膜14を形成する。例えば、スパッタリング法により所定の材料を記録層12上に成膜することによって、保護膜14を形成することができる。
次に、図7(c)に示すように、磁性部12aの保磁力Hc1より強く且つ磁性部12cの保磁力Hc2より弱い所定の磁界Hrを、記録層12の全体に対して一括的に印加することにより、ユーザデータ領域YDにおける磁性部12cのアズデポ状態を維持しつつ、トラックサーボ信号領域TSにおける磁性部12aの磁化方向を同一方向に揃える。この磁界印加により、トラックサーボ信号領域TSにおいて、同一の磁化方向を有する複数の磁性部12aと複数の非磁性部12bとから構成されるトラックサーボ情報が形成される。以上のようにして、記録層12の各情報トラック12Aにおける各トラックサーボ信号領域TSにトラックサーボ情報を有する磁気ディスクX1を作製することができる。
磁気ディスクX1においては、図7(c)を参照して上述したように、記録層12の全体に対する一括的な磁界印加によりトラックサーボ信号領域TSにおける磁性部12aの磁化方向を同一方向に揃えることができるため、効率よくトラックサーボ情報を形成することができる。また、磁気ディスクX1においては、ユーザデータ領域YDにおける磁性部12cをアズデポ状態とするうえで、従来の磁気ディスク90に関して上述したようなACイレース処理を行う必要はない。磁気ディスクX1では、図7(c)を参照して上述した工程において、磁性部12a,12cの保磁力差を利用して、アズデポ状態で先ずは形成されている磁性部12cの当該アズデポ状態を維持することができるからである。このように、磁気ディスクX1においては、トラックサーボ情報を効率よく形成することが可能であり、且つ、ユーザデータ領域YDにおける磁性部12cを効率よくアズデポ状態とすることが可能なのである。このような磁気ディスクX1は、製造効率の向上や製造コストの低減を図りやすい。
図8および図9は、本発明の第2の実施形態に係るDT型の磁気ディスクX2を表す。図8は、磁気ディスクX2の部分平面図であり、図9は、図8の線IX−IXに沿った断面図である。
磁気ディスクX2は、ディスク基板21、記録層12、および保護膜14(図8では図示略)を含む積層構造を有し、熱アシスト磁気記録方式による情報記録と情報再生とを実行可能な磁気記録媒体として構成されている。磁気ディスクX2は、ディスク基板11に代えてディスク基板21を有する点、および、微小凹凸構造層13を有しない点において、磁気ディスクX1と異なる。
ディスク基板21は、主に、磁気ディスクX2の剛性を確保するための部位であり、例えば、アルミニウム合金、ガラス、シリコン、またはポリカーボネート樹脂よりなり、情報トラック12Aのユーザデータ領域YDにおける磁性部12cの保磁力を高めるための表面粗化領域21aを有する。表面粗化領域21aは、ディスク基板21の表面において、記録層12のトラックサーボ信号領域TSに対応する箇所を除く、少なくともユーザデータ領域YDに対応する箇所に設けられている(例えば、ディスク基板21表面において、記録層12のトラックサーボ信号領域TSに対応する箇所を除く、全面に設けられている)。また、表面粗化領域21aは、ユーザデータ領域YDにおける磁性部12cにピンニング作用を及ぼして当該磁性部12cの実効的な保磁力を高める微小凹凸構造を有する。表面粗化領域21aについて、表面粗さRaは例えば0.5〜2nmであり、凹凸形状における凸部(成長粒子)の平均直径(平均粒径)は、例えば5〜10nmである。
トラックサーボ信号領域TSにおける磁性部12aとユーザデータ領域YDにおける磁性部12cとは、同一の磁性材料よりなるが、本実施形態では、表面粗化領域21aからのピンニング作用に起因して、磁性部12cは磁性部12aよりも大きな保磁力を有する。例えば図4に示すように、磁性部12cの保磁力Hc2を磁性部12aの保磁力Hc1より大きく設定することができる。
図10から図12は、磁気ディスクX2の製造方法の一例を表す。図10から図12では、磁気ディスクX2の製造過程における、図9に示す箇所の断面構造の変化を表す。
磁気ディスクX2の製造においては、まず、図10(a)に示すように、ディスク基板21上にレジストパターン25を形成する。レジストパターン25は、本方法では、記録層12におけるトラックサーボ信号領域TSに対応するパターン形状を有する。
次に、図10(b)に示すように、ディスク基板21に表面粗化領域21aを形成する。表面粗化領域21aの形成においては、具体的には、レジストパターン25をマスクとして利用して、ディスク基板21に対してドライエッチング処理を施す。エッチングガスとしてはArを使用することができる。
次に、図10(c)に示すようにレジストパターン25を除去した後、図10(d)に示すように、垂直磁化膜である磁性膜16を形成する。磁性膜16の形成手法については、第1の実施形態における磁性膜16の形成に関して上述したのと同様である。本工程では、磁性膜16は、上下方向の磁化がランダムかつ略均等に生じているアズデポ状態に形成される。
次に、図11(a)に示すように、磁性膜16上にレジストパターン17を形成する。次に、図11(b)に示すように、レジストパターン17をマスクとして利用して、磁性膜16に対してエッチング処理を施す。本工程により、アズデポ状態にある磁性部12a,12cが形成される。次に、図11(c)に示すようにレジストパターン17を除去した後、図11(d)に示すように非磁性材料18を堆積させる。次に、図12(a)に示すように、非磁性材料18の過剰部分を除去する。本工程により、非磁性部12bおよび非磁性部12B(図示なし)が形成される。次に、図12(b)に示すように、記録層12上に保護膜14を形成する。これらの工程の具体的態様については、第1の実施形態におけるレジストパターン17の形成から保護膜14の形成までに関して上述したのと同様である。
次に、図12(c)に示すように、磁性部12aの保磁力Hc1より強く且つ磁性部12cの保磁力Hc2より弱い所定の磁界Hrを、記録層12の全体に対して一括的に印加することにより、ユーザデータ領域YDにおける磁性部12cのアズデポ状態を維持しつつ、トラックサーボ信号領域TSにおける磁性部12aの磁化方向を同一方向に揃える。この磁界印加により、トラックサーボ信号領域TSにおいて、同一の磁化方向を有する複数の磁性部12aと複数の非磁性部12bとから構成されるトラックサーボ情報が形成される。以上のようにして、記録層12の各情報トラック12Aにおける各トラックサーボ信号領域TSにトラックサーボ情報を有する磁気ディスクX2を作製することができる。
磁気ディスクX2においては、図12(c)を参照して上述したように、記録層12の全体に対する一括的な磁界印加によりトラックサーボ信号領域TSにおける磁性部12aの磁化方向を同一方向に揃えることができるため、効率よくトラックサーボ情報を形成することができる。また、磁気ディスクX2においては、ユーザデータ領域YDにおける磁性部12cをアズデポ状態とするうえで、従来の磁気ディスク90に関して上述したようなACイレース処理を行う必要はない。磁気ディスクX2では、図12(c)を参照して上述した工程において、磁性部12a,12cの保磁力差を利用して、アズデポ状態で先ずは形成されている磁性部12cの当該アズデポ状態を維持することができるからである。このように、磁気ディスクX2においては、磁気ディスクX1と同様に、トラックサーボ情報を効率よく形成することが可能であり、且つ、ユーザデータ領域YDにおける磁性部12cを効率よくアズデポ状態とすることが可能なのである。このような磁気ディスクX2は、製造効率の向上や製造コストの低減を図りやすい。
図13および図14は、本発明の第3の実施形態に係るDT型の磁気ディスクX3を表す。図13は、磁気ディスクX3の部分平面図であり、図14は、図13の線XIV−XIVに沿った断面図である。
磁気ディスクX3は、ディスク基板31、記録層32、微小凹凸構造層33(図13では図示なし)、および保護膜34(図13では図示略)を含む積層構造を有し、熱アシスト磁気記録方式による情報記録と情報再生とを実行可能な磁気記録媒体として構成されている。
ディスク基板31は、主に、磁気ディスクX3の剛性を確保するための部位であり、例えば、アルミニウム合金、ガラス、またはポリカーボネート樹脂よりなる。
記録層32は、図13に示すように、複数の情報トラック32Aおよび複数の非磁性部32Bを有する。情報トラック32Aは、磁気ディスクX3の回転中心を共通中心としてディスク基板31上にて同心円状に配置されている。また、情報トラック32Aは、部分的に図13に示すように、複数のトラックサーボ信号領域TSおよび複数のユーザデータ領域YDに区分される。トラックサーボ信号領域TSは、複数の磁性部32aおよび複数の非磁性部32bを有し、隣り合う磁性部32aは非磁性部32bにより分断されている。複数の磁性部32aは、各々いわゆる垂直磁気異方性を有し、同一方向に磁化されている。磁性部32aの保磁力Hc1は、例えば3〜5kOe(室温)である。磁性部32aおよび非磁性部32bの構成材料は、第1の実施形態における磁性部12aおよび非磁性部12bに関して上述した材料を採用することができる。このような複数の磁性部32aおよび複数の非磁性部32bは、トラックサーボ情報を構成する。また、ユーザデータ領域YDは、ユーザデータが書き込まれることとなる、情報トラック32Aの延び方向に延びる磁性部32cを有する。磁性部32cは、磁性部32aと同一の磁性材料により構成されて垂直磁気異方性を有し、初めてユーザデータが書き込まれる前には、上下方向の磁化がランダムかつ均等に生じている、いわゆるアズデポ状態にある。磁性部32cの保磁力Hc2は、磁性部32aの保磁力Hc1より小さい限りにおいて例えば2〜4kOe(室温)である。非磁性部32Bは、情報トラック32A間に介在し、上述の非磁性部32bと同一の非磁性材料よりなる。以上のような記録層32の厚さは例えば15nmである。
微小凹凸構造層33は、情報トラック32Aのトラックサーボ信号領域TSにおける磁性部32aの保磁力を高めるためのものであり、ディスク基板31上において、記録層32のユーザデータ領域YDに対応する領域を除く、少なくともトラックサーボ信号領域TSに対応する領域に設けられている(例えば、ディスク基板31上において、記録層32のユーザデータ領域YDに対応する領域を除く、全面に設けられている)。また、微小凹凸構造層33は、記録層32の側に、トラックサーボ信号領域TSにおける磁性部32aにピンニング作用を及ぼす微小凹凸構造を有する。微小凹凸構造層33の他の構成については、第1の実施形態における微小凹凸構造層13に関して上述したのと同様である。
トラックサーボ信号領域TSにおける磁性部32aとユーザデータ領域YDにおける磁性部32cとは、上述のように同一の磁性材料よりなるが、本実施形態では、微小凹凸構造層33からのピンニング作用に起因して、磁性部32aは磁性部32cよりも大きな保磁力を有する。図15は、磁性部32aの保磁力Hc1および磁性部32cの保磁力Hc2について、温度依存性の一例を表すグラフである。図15のグラフでは、横軸は温度を示し、縦軸は保磁力を示す。磁性部32a,32cは、同一の磁性材料よりなるが、異なる温度依存性を示す。具体的には、キュリー温度Tcを除く温度範囲において、保磁力Hc1は保磁力Hc2より大きい。
保護膜34は、記録層32や微小凹凸構造層33を外界から物理的および化学的に保護するための部位であり、例えば、SiN、SiO2、またはダイアモンドライクカーボンよりなる。
以上のようなディスク基板31、記録層32、微小凹凸構造層33、および保護膜34を含む磁気ディスクX3の積層構造中には、必要に応じて他の層が含まれてもよい。
このような磁気ディスクX3の情報記録時には、磁気ヘッド(図示略)による記録磁界の印加によって、記録層32の一の情報トラック32Aにおけるユーザデータ領域YDの磁性部32cにて、磁化方向が順次反転する複数の記録マーク(磁区)がディスク周方向に連なって形成される。このとき、情報記録進行中であって磁界が順次印加される情報トラック12Aと、これの隣の別の情報トラック32Aとが、非磁性部32Bにより分断されているため、当該隣の情報トラック32Aの記録マークが消失ないし劣化するというクロスライト現象が抑制される。クロスライト現象が抑制される磁気ディスクは、トラックの狭ピッチ化ないし高記録密度化を図るうえで、好ましい。
図16から図18は、磁気ディスクX3の製造方法の一例を表す。図16から図18では、磁気ディスクX3の製造過程における、図14に示す箇所の断面構造の変化を表す。
磁気ディスクX3の製造においては、まず、図16(a)に示すように、ディスク基板31上にレジストパターン35を形成する。レジストパターン35は、本方法では、記録層32におけるユーザデータ領域YDに対応するパターン形状を有する。
次に、図16(b)に示すように、ディスク基板31上に微小凹凸構造層33を形成する。微小凹凸構造層33の形成手法は、第1の実施形態における微小凹凸構造層13の形成手法と同様である。
次に、レジストパターン35を除去した後、図16(c)に示すように、垂直磁化膜である磁性膜36を形成する。磁性膜36の形成においては、例えばスパッタリング法により、微小凹凸構造層33を覆うように所定の磁性材料をディスク基板31上に成膜する。本工程では、磁性膜36は、上下方向の磁化がランダムかつ略均等に生じているアズデポ状態に形成される。
次に、図16(d)に示すように、磁性膜36上にレジストパターン37を形成する。レジストパターン37は、上述の非磁性部32bのパターン形状に対応する開口部37aを有する。また、レジストパターン37は、上述の非磁性部32Bのパターン形状に対応する開口部(図示なし)も有する。
次に、図17(a)に示すように、レジストパターン37をマスクとして利用して、磁性膜36に対してエッチング処理を施す。エッチング手法としては、例えば、エッチングガスとしてArを用いたドライエッチングを採用することができる。本工程により、アズデポ状態にある磁性部32a,32cが形成される。
次に、レジストパターン37を除去した後、図17(b)に示すように非磁性材料38を堆積させる。具体的には、スパッタリング法により、磁性部間の溝を少なくとも充填するように所定の非磁性材料を堆積させる。
次に、図17(c)に示すように、例えば機械研磨により、非磁性材料38の過剰部分を除去する。本工程により、非磁性部32bおよび非磁性部32B(図示なし)が形成される。
次に、図17(d)に示すように、例えばスパッタリング法により所定の材料を記録層32上に成膜することによって、保護膜34を形成する。
次に、図18(a)に示すように、磁性部32aの保磁力Hc1より強い(従って、磁性部32cの保磁力Hc2より強い)所定の磁界Hrを、記録層32の全体に対して一括的に印加することにより、磁性部32a,32cの磁化方向を同一方向に揃える。この磁界印加により、トラックサーボ信号領域TSにおいて、同一の磁化方向を有する複数の磁性部32aと複数の非磁性部32bとから構成されるトラックサーボ情報が形成される。
次に、例えばディスク全体を所定の温度で加熱することにより、図18(b)に示すように、より大きな保磁力Hc1を有する磁性部32aの磁化方向を維持しつつ、より小さな保磁力Hc2を有する磁性部32cを熱緩和させてアズデポ状態とする。以上のようにして、記録層32の各情報トラック32Aにおける各トラックサーボ信号領域TSにトラックサーボ情報を有する磁気ディスクX3を作製することができる。
磁気ディスクX3においては、図18(a)を参照して上述したように、記録層32の全体に対する一括的な磁界印加によりトラックサーボ信号領域TSにおける磁性部32aの磁化方向を同一方向に揃えることができるため、効率よくトラックサーボ情報を形成することができる。また、磁気ディスクX3においては、ユーザデータ領域YDにおける磁性部32cをアズデポ状態とするうえで、従来の磁気ディスク90に関して上述したようなACイレース処理を行う必要はない。磁気ディスクX3では、図18(b)を参照して上述した工程において、磁性部32a,32cの保磁力の差を利用して、磁性部32aの磁化方向を維持しつつ、磁性部32cを熱緩和させてアズデポ状態とすることができるからである。このように、磁気ディスクX3においては、トラックサーボ情報を効率よく形成することが可能であり、且つ、ユーザデータ領域YDにおける磁性部32cを効率よくアズデポ状態とすることが可能なのである。このような磁気ディスクX3は、製造効率の向上や製造コストの低減を図りやすい。
本実施形態における上述の製造方法においては、図17(b)を参照して上述した工程において、磁性部32a,32cに対して所定の程度に大きな応力を作用させる非磁性材料38を堆積させてもよい。当該応力については、非磁性材料38を堆積させるためのスパッタリング時のスパッタリング装置におけるガス圧条件や投入電力条件を調整することにより、制御することができる。堆積される非磁性材料38からの応力作用の影響は、磁性部32cと比べて実際上は相当程度に小さく区画されている各磁性部32aの方が、磁性部32cよりも強く受け、従って、非磁性材料38からの応力作用の影響によって各磁性部32a内に生ずる応力は、磁性部32c内に生ずる正味の応力より大きい。磁性材料よりなる部位の内部応力の増大は、当該部位の保磁力の増大を招来する場合があるところ、上述のような非磁性材料38(または非磁性材料38から形成される非磁性部32B,32b)からの所定程度の有意な応力作用は、磁性部32aの保磁力Hc1を磁性部32cの保磁力Hc2より高めるのに資する場合がある。また、本発明では、微小凹凸構造層33を設けずに、磁性部32cに生ずる正味の内部応力よりも磁性部32aに生ずる内部応力を上述のようにして大きくすることにより、磁性部32aの保磁力Hc1を、磁性部32cの保磁力Hc2よりも大きく設定してもよい。
また、本実施形態における上述の製造方法においては、例えばレジストパターン37を除去した後であって、図17(b)に示すように非磁性材料38を堆積させる前に、エッチングガスとして例えばArを用いて行うドライエッチングにより、磁性部32a,32cの側壁を粗化してもよい。磁性部32a,32cの側壁を粗化したうえで、図17(b)を参照して上述したように非磁性材料38を磁性部間の溝に充填すると、磁性部32a,32c内では、内部応力が発生または増大しやすい。側壁粗化によるこのような影響は、磁性部32cと比べて実際上は相当程度に小さく区画されている各磁性部32aの方が、磁性部32cよりも大きく、従って、側壁粗化の影響によって各磁性部32a内に生ずる応力は、磁性部32c内に生ずる正味の応力より大きい。磁性材料よりなる部位の内部応力の増大は、当該部位の保磁力の増大を招来する場合があるところ、上述のような側壁粗化は、磁性部32aの保磁力Hc1を磁性部32cの保磁力Hc2より高めるのに資する場合がある。また、本発明では、微小凹凸構造層33を設けずに、磁性部32cに生ずる正味の内部応力よりも磁性部32aに生ずる内部応力を上述のようにして側壁粗化を利用して大きくすることにより、磁性部32aの保磁力Hc1を、磁性部32cの保磁力Hc2よりも大きく設定してもよい。
図19および図20は、本発明の第4の実施形態に係るDT型の磁気ディスクX4を表す。図19は、磁気ディスクX4の部分平面図であり、図20は、図19の線XX−XXに沿った断面図である。
磁気ディスクX4は、ディスク基板41、記録層32、および保護膜34(図19では図示略)を含む積層構造を有し、熱アシスト磁気記録方式による情報記録と情報再生とを実行可能な磁気記録媒体として構成されている。磁気ディスクX4は、ディスク基板31に代えてディスク基板41を有する点、および、微小凹凸構造層33を有しない点において、磁気ディスクX3と異なる。
ディスク基板41は、主に、磁気ディスクX4の剛性を確保するための部位であり、例えば、アルミニウム合金、ガラス、シリコン、またはポリカーボネート樹脂よりなり、情報トラック32Aのトラックサーボ信号領域TSにおける磁性部32aの保磁力を高めるための表面粗化領域41aを有する。表面粗化領域41aは、ディスク基板41の表面において、記録層32のユーザデータ領域YDに対応する箇所を除く、少なくともトラックサーボ信号領域TSに対応する箇所に設けられている(例えば、ディスク基板41表面において、記録層32のユーザデータ領域YDに対応する箇所を除く、全面に設けられている)。また、表面粗化領域41aは、トラックサーボ信号領域TSにおける磁性部32aの保磁力を高めるピンニング作用を及ぼす微小凹凸構造を有する。表面粗化領域41aについて、表面粗さRaは例えば0.5〜2nmであり、凹凸形状における凸部(成長粒子)の平均直径(平均粒径)は、例えば5〜10nmである。
トラックサーボ信号領域TSにおける磁性部32aとユーザデータ領域YDにおける磁性部32cとは、同一の磁性材料よりなるが、本実施形態では、表面粗化領域41aからのピンニング作用に起因して、磁性部32aは磁性部32cよりも大きな保磁力を有する。例えば図15に示すように、磁性部32aの保磁力Hc1を磁性部32cの保磁力Hc2より大きく設定することができる。
図21から図23は、磁気ディスクX4の製造方法の一例を表す。図21から図23では、磁気ディスクX4の製造過程における、図20に示す箇所の断面構造の変化を表す。
磁気ディスクX4の製造においては、まず、図21(a)に示すように、ディスク基板41上にレジストパターン45を形成する。レジストパターン45は、本方法では、記録層32におけるユーザデータ領域YDに対応するパターン形状を有する。
次に、図21(b)に示すように、ディスク基板41に表面粗化領域41aを形成する。表面粗化領域41aの形成においては、具体的には、レジストパターン45をマスクとして利用して、ディスク基板41に対してドライエッチング処理を施す。エッチングガスとしてはArを使用することができる。
次に、レジストパターン45を除去した後、図21(c)に示すように、垂直磁化膜である磁性膜36を形成する。磁性膜36の形成においては、例えばスパッタリング法により、ディスク基板41上に所定の磁性材料を成膜する。本工程では、磁性膜36は、上下方向の磁化がランダムかつ略均等に生じているアズデポ状態に形成される。
次に、図21(d)に示すように、磁性膜36上にレジストパターン37を形成する。次に、図22(a)に示すように、レジストパターン37をマスクとして利用して、磁性膜36に対してエッチング処理を施す。本工程により、アズデポ状態にある磁性部32a,32cが形成される。次に、レジストパターン37を除去した後、図22(b)に示すように非磁性材料38を堆積させる。次に、図22(c)に示すように、非磁性材料38の過剰部分を除去する。本工程により、非磁性部32bおよび非磁性部32B(図示せず)が形成される。次に、図22(d)に示すように保護膜34を形成する。これらの工程の具体的態様については、第3の実施形態におけるレジストパターン37の形成から保護膜34の形成までに関して上述したのと同様である。
次に、図23(a)に示すように、磁性部32aの保磁力Hc1より強い(従って、磁性部32cの保磁力Hc2より強い)所定の磁界Hrを、記録層32の全体に対して一括的に印加することにより、磁性部32a,32cの磁化方向を同一方向に揃える。この磁界印加により、トラックサーボ信号領域TSにおいて、同一の磁化方向を有する複数の磁性部32aと複数の非磁性部32bとから構成されるトラックサーボ情報が形成される。
次に、例えばディスク全体を所定の温度で加熱することにより、図23(b)に示すように、より大きな保磁力Hc1を有する磁性部32aの磁化方向を維持しつつ、より小さな保磁力Hc2を有する磁性部32cを熱緩和させてアズデポ状態とする。以上のようにして、記録層32の各情報トラック32Aにおける各トラックサーボ信号領域TSにトラックサーボ情報を有する磁気ディスクX4を作製することができる。
磁気ディスクX4においては、図23(a)を参照して上述したように、記録層32の全体に対する一括的な磁界印加によりトラックサーボ信号領域TSにおける磁性部32aの磁化方向を同一方向に揃えることができるため、効率よくトラックサーボ情報を形成することができる。また、磁気ディスクX4においては、ユーザデータ領域YDにおける磁性部32cをアズデポ状態とするうえで、従来の磁気ディスク90に関して上述したようなACイレース処理を行う必要はない。磁気ディスクX4では、図23(b)を参照して上述した工程において、磁性部32a,32cの保磁力差を利用して、磁性部32aの磁化方向を維持しつつ、磁性部32cを熱緩和させてアズデポ状態とすることができるからである。このように、磁気ディスクX4においては、トラックサーボ情報を効率よく形成することが可能であり、且つ、ユーザデータ領域YDにおける磁性部32cを効率よくアズデポ状態とすることが可能なのである。このような磁気ディスクX4は、製造効率の向上や製造コストの低減を図りやすい。
本実施形態における上述の製造方法においては、図22(b)を参照して上述した工程において、磁性部32a,32cに対して所定の程度に大きな応力を作用させる非磁性材料38を堆積させてもよい。第3の実施形態に関して上述したように、このような非磁性材料38(または非磁性材料38から形成される非磁性部32B,32b)からの所定程度の有意な応力作用は、磁性部32aの保磁力Hc1を磁性部32cの保磁力Hc2より高めるのに資する場合がある。
また、本実施形態における上述の製造方法においては、例えばレジストパターン37を除去した後であって、図22(b)に示すように非磁性材料38を堆積させる前に、エッチングガスとして例えばArを用いて行うドライエッチングにより、磁性部32a,32cの側壁を粗化してもよい。第3の実施形態に関して上述したように、このような側壁粗化は、磁性部32aの保磁力Hc1を磁性部32cの保磁力Hc2より高めるのに資する場合がある。
図24および図25は、本発明の第5の実施形態に係るDT型の磁気ディスクX5を表す。図24は、磁気ディスクX5の部分平面図であり、図25は、図24の線XXV−XXVに沿った断面図である。
磁気ディスクX5は、ディスク基板51、記録層52、放熱層53(図24では図示なし)、および保護膜54(図24では図示略)を含む積層構造を有し、熱アシスト磁気記録方式による情報記録と情報再生とを実行可能な磁気記録媒体として構成されている。
ディスク基板51は、主に、磁気ディスクX5の剛性を確保するための部位であり、例えば、アルミニウム合金、ガラス、またはポリカーボネート樹脂よりなる。
記録層52は、図24に示すように、複数の情報トラック52Aおよび複数の非磁性部52Bを有する。情報トラック52Aは、磁気ディスクX5の回転中心を共通中心としてディスク基板51上にて同心円状に配置されている。また、情報トラック52Aは、部分的に図24に示すように、複数のトラックサーボ信号領域TSおよび複数のユーザデータ領域YDに区分される。トラックサーボ信号領域TSは、複数の磁性部52aおよび複数の非磁性部52bを有し、隣り合う磁性部52aは非磁性部52bにより分断されている。複数の磁性部52aは、各々いわゆる垂直磁気異方性を有し、同一方向に磁化されている。磁性部52aの保磁力Hc1は、例えば3〜5kOe(室温)である。磁性部52aおよび非磁性部52bの構成材料は、第1の実施形態における磁性部12aおよび非磁性部12bに関して上述した材料を採用することができる。このような複数の磁性部52aおよび複数の非磁性部52bは、トラックサーボ情報を構成する。また、ユーザデータ領域YDは、ユーザデータが書き込まれることとなる、情報トラック52Aの延び方向に延びる磁性部52cを有する。磁性部52cは、磁性部52aと同一の磁性材料により構成されて垂直磁気異方性を有し、初めてユーザデータが書き込まれる前には、上下方向の磁化がランダムかつ均等に生じている、いわゆるアズデポ状態にある。磁性部52cの保磁力Hc2は、室温では磁性部52aの保磁力Hc1と同じで例えば3〜5kOeである。非磁性部52Bは、情報トラック52A間に介在し、上述の非磁性部52bと同一の非磁性材料よりなる。以上のような記録層52の厚さは例えば10〜20nmである。
放熱層53は、記録層52におけるトラックサーボ信号領域TSの特に磁性部52aからディスク基板51に熱を伝えるためのものであり、ディスク基板51よりも高い熱伝導率を有する。また、放熱層53は、ディスク基板51上において、記録層52のユーザデータ領域YDに対応する領域を除く、少なくともトラックサーボ信号領域TSに対応する領域に設けられている(例えば、ディスク基板51上において、記録層52のユーザデータ領域YDに対応する領域を除く、全面に設けられている)このような放熱層53は、所定の高熱伝導材料よりなり、放熱層53の厚さは例えば5〜30nmである。高熱伝導材料としては、例えば、Ag,Al,Au,Ptからなる群より選択される金属、または当該金属を含む合金を、採用することができる。
保護膜54は、記録層52や放熱層53を外界から物理的および化学的に保護するための部位であり、例えば、SiN、SiO2、またはダイアモンドライクカーボンよりなる。
以上のようなディスク基板51、記録層52、放熱層53、および保護膜54を含む磁気ディスクX5の積層構造中には、必要に応じて他の層が含まれてもよい。
このような磁気ディスクX5の情報記録時には、磁気ヘッド(図示略)による記録磁界の印加によって、記録層52の一の情報トラック52Aにおけるユーザデータ領域YDの磁性部52cにて、磁化方向が順次反転する複数の記録マーク(磁区)がディスク周方向に連なって形成される。このとき、情報記録進行中であって磁界が順次印加される情報トラック52Aと、これの隣の別の情報トラック52Aとが、非磁性部52Bにより分断されているため、当該隣の情報トラック52Aの記録マークが消失ないし劣化するというクロスライト現象が抑制される。クロスライト現象が抑制される磁気ディスクは、トラックの狭ピッチ化ないし高記録密度化を図るうえで、好ましい。
図26から図28は、磁気ディスクX5の製造方法の一例を表す。図26から図28では、磁気ディスクX5の製造過程における、図25に示す箇所の断面構造の変化を表す。
磁気ディスクX5の製造においては、まず、図26(a)に示すように、ディスク基板51上にレジストパターン55を形成する。レジストパターン55は、本方法では、記録層52におけるユーザデータ領域YDに対応するパターン形状を有する。
次に、図26(b)に示すように、ディスク基板51上に放熱層53を形成する。例えばスパッタリング法により、所定の高熱伝導材料をディスク基板51上に成膜することにより、放熱層53を形成することができる。
次に、レジストパターン55を除去した後、図26(c)に示すように、垂直磁化膜である磁性膜56を形成する。磁性膜56の形成においては、例えばスパッタリング法により、放熱層53を覆うように所定の磁性材料をディスク基板51上に成膜する。本工程では、磁性膜56は、上下方向の磁化がランダムかつ略均等に生じているアズデポ状態に形成される。
次に、図26(d)に示すように、磁性膜56上にレジストパターン57を形成する。レジストパターン57は、上述の非磁性部52bのパターン形状に対応する開口部57aを有する。また、レジストパターン57は、上述の非磁性部52Bのパターン形状に対応する開口部(図示なし)も有する。
次に、図27(a)に示すように、レジストパターン57をマスクとして利用して、磁性膜56に対してエッチング処理を施す。エッチング手法としては、例えば、エッチングガスとしてArを用いたドライエッチングを採用することができる。本工程により、アズデポ状態にある磁性部52a,52cが形成される。
次に、レジストパターン57を除去した後、図27(b)に示すように非磁性材料58を堆積させる。具体的には、スパッタリング法により、非磁性部52bに関して上述した非磁性材料を、磁性部間の溝を少なくとも充填するように堆積させる。
次に、図27(c)に示すように、例えば機械研磨により、非磁性材料58の過剰部分を除去する。本工程により、非磁性部52b,52Bが形成される。
次に、図27(d)に示すように、例えばスパッタリング法により所定の材料を記録層52上に成膜することによって、保護膜54を形成する。
次に、図28(a)に示すように、磁性部52a,52cの保磁力Hc1,Hc2より強い所定の磁界Hrを、磁気ディスクX5ないし記録層52の全体に対して一括的に印加することにより、磁性部52a,52cの磁化方向を同一方向に揃える。この磁界印加により、トラックサーボ信号領域TSにおいて、同一の磁化方向を有する複数の磁性部52aと複数の非磁性部52bとから構成されるトラックサーボ情報が形成される。
次に、図28(b)に示すように、保護膜54の側から記録層52に対して所定パワーのレーザLを照射して記録層52の全体にわたって当該レーザLを掃引することにより、磁性部52aの磁化方向を維持しつつ、磁性部52cを熱緩和させてアズデポ状態とする。本工程では、レーザ照射手段として、例えば、光磁気記録媒体用のバルクイレーザを使用する。その場合、複数の情報トラック52Aにわたる径を有するレーザLを記録層52に対して照射することができ、本工程を効率よく行うことが可能である。
磁気ディスクX5において、同一温度条件のもとでは、磁性部52aの保磁力Hc1と磁性部52cの保磁力Hc2とは実質的に同一である。しかしながら、磁性部52aがディスク基板51の側で接合する放熱層53は、磁性部52cが接合するディスク基板51より、高い熱伝導率(従って高い放熱性)を有するため、本工程において、記録層52が保護膜54の側(即ち、ディスク基板51とは反対の側)からレーザ照射を受けると、放熱層53およびディスク基板51の放熱性ないし放熱機能の差に起因して、照射領域内の磁性部52cは照射領域内の磁性部52aよりも昇温する。また、当該昇温の程度差に起因して、照射領域内の磁性部52cの保磁力Hc2は、照射領域内の磁性部52aの保磁力Hc1よりも小さくなる(高温ほど、磁性材料の保磁力は小さい傾向にある)。したがって、本工程では、照射領域内において、より低温で且つより大きな保磁力Hc1を有する磁性部52aの磁化方向を維持しつつ、より高温で且つより小さな保磁力Hc2を有する磁性部52cを熱緩和させてアズデポ状態とすることができるのである。
以上のようにして、記録層52の各情報トラック52Aにおける各トラックサーボ信号領域TSにトラックサーボ情報を有する磁気ディスクX5を作製することができる。
磁気ディスクX5においては、図28(a)を参照して上述したように、記録層52の全体に対する一括的な磁界印加によりトラックサーボ信号領域TSにおける磁性部52aの磁化方向を同一方向に揃えることができるため、効率よくトラックサーボ情報を形成することができる。また、磁気ディスクX5においては、ユーザデータ領域YDにおける磁性部52cをアズデポ状態とするうえで、従来の磁気ディスク90に関して上述したようなACイレース処理を行う必要はない。磁気ディスクX5では、図28(b)を参照して上述した工程において、磁性部52aが接する放熱層53と磁性部52cが接するディスク基板51との放熱性ないし放熱機能の差を利用して、磁性部52aの磁化方向を維持しつつ、磁性部52cを熱緩和させてアズデポ状態とすることができるからである。このように、磁気ディスクX5においては、トラックサーボ情報を効率よく形成することが可能であり、且つ、ユーザデータ領域YDにおける磁性部52cを効率よくアズデポ状態とすることが可能なのである。このような磁気ディスクX5は、製造効率の向上や製造コストの低減を図りやすい。
磁気ディスクX5においては、放熱層53を設けるのに代えて、図29に示すように放熱層53A,53Bを設けてもよい。放熱層53Aは、記録層52におけるトラックサーボ信号領域TSの特に磁性部52aからディスク基板51に熱を伝えるためのものであり、ディスク基板51および放熱層53Bよりも高い熱伝導率を有し、少なくとも、トラックサーボ信号領域TSの磁性部52aとディスク基板51との間に介在する。一方、放熱層53Bは、記録層52におけるユーザデータ領域YDの磁性部52cからディスク基板51に熱を伝えるためのものであり、ディスク基板51よりも高く且つ放熱層53Aより低い熱伝導率を有し、少なくとも、ユーザデータ領域YDの磁性部52cとディスク基板51との間に介在する。
磁気ディスクX5がこのような構成を有する場合であっても、図28(b)を参照して上述した工程において、保護膜54の側から記録層52に対して所定パワーのレーザLを照射して記録層52の全体にわたって当該レーザLを掃引することにより、磁性部52aの磁化方向を維持しつつ、磁性部52cを熱緩和させてアズデポ状態とすることができる。図29に示す磁気ディスクX5において、同一温度条件のもとでは、磁性部52aの保磁力Hc1と磁性部52cの保磁力Hc2とは実質的に同一である。しかしながら、磁性部52aがディスク基板51の側で接合する放熱層53Aは、磁性部52cがディスク基板51の側で接合する放熱層53Bより、高い熱伝導率(従って高い放熱性)を有するため、記録層52が保護膜54の側(即ち、ディスク基板51とは反対の側)からレーザ照射を受けると、放熱層53A,53Bの放熱性ないし放熱機能の差に起因して、照射領域内の磁性部52cは照射領域内の磁性部52aよりも昇温する。また、当該昇温の程度差に起因して、照射領域内の磁性部52cの保磁力Hc2は、照射領域内の磁性部52aの保磁力Hc1よりも小さくなる。したがって、磁気ディスクX5が図29に示す構成を有する場合であっても、図28(b)を参照して上述した工程では、照射領域内において、より低温で且つより大きな保磁力Hc1を有する磁性部52aの磁化方向を維持しつつ、より高温で且つより小さな保磁力Hc2を有する磁性部52cを熱緩和させてアズデポ状態とすることができるのである。
また、磁気ディスクX5においては、放熱層53を設けるのに代えて、図30に示すように放熱層53Cを設けてもよい。放熱層53Cは、ディスク基板51よりも高い熱伝導率を有し、連続する厚肉部53C’および薄肉部53C’’を有する。厚肉部53C’は、記録層52におけるトラックサーボ信号領域TSの特に磁性部52aからディスク基板51に熱を伝えるためのものであり、少なくとも、トラックサーボ信号領域TSの磁性部52aとディスク基板51との間に介在する。一方、薄肉部53C’’は、記録層52におけるユーザデータ領域YDの磁性部52cからディスク基板51に熱を伝えるためのものであり、少なくとも、ユーザデータ領域YDの磁性部52cとディスク基板51との間に介在する。
磁気ディスクX5がこのような構成を有する場合であっても、図28(b)を参照して上述した工程において、保護膜54の側から記録層52に対して所定パワーのレーザLを照射して記録層52の全体にわたって当該レーザLを掃引することにより、磁性部52aの磁化方向を維持しつつ、磁性部52cを熱緩和させてアズデポ状態とすることができる。図30に示す磁気ディスクX5において、同一温度条件のもとでは、磁性部52aの保磁力Hc1と磁性部52cの保磁力Hc2とは実質的に同一である。しかしながら、磁性部52aがディスク基板51の側で接合する厚肉部53C’は、磁性部52cがディスク基板51の側で接合する薄肉部53C’’より、高い放熱性を有するため、記録層52が保護膜54の側(即ち、ディスク基板51とは反対の側)からレーザ照射を受けると、厚肉部53C’および薄肉部53C’’の放熱性ないし放熱機能の差に起因して、照射領域内の磁性部52cは照射領域内の磁性部52aよりも昇温する。また、当該昇温の程度差に起因して、照射領域内の磁性部52cの保磁力Hc2は、照射領域内の磁性部52aの保磁力Hc1よりも小さくなる。したがって、磁気ディスクX5が図30に示す構成を有する場合であっても、図28(b)を参照して上述した工程では、照射領域内において、より低温で且つより大きな保磁力Hc1を有する磁性部52aの磁化方向を維持しつつ、より高温で且つより小さな保磁力Hc2を有する磁性部52cを熱緩和させてアズデポ状態とすることができるのである。
以上のまとめとして、本発明の構成およびそのバリエーションを以下に付記として列挙する。
(付記1)基材および記録層を含む積層構造を有して情報記録時に回転動作を伴う磁気記録媒体であって、
前記記録層は、並列して前記回転動作の回転中心まわりを延び且つ各々がトラックサーボ信号領域およびユーザデータ領域を有する複数条の情報トラック、並びに、隣り合う情報トラックの間に介在する非磁性部を含み、
前記トラックサーボ信号領域は、トラック延び方向に並ぶ複数の第1磁性部、および、隣り合う第1磁性部の間に介在する非磁性部、を有し、
前記ユーザデータ領域は、トラック延び方向に延びる第2磁性部を有し、
前記第1磁性部の保磁力と前記第2磁性部の保磁力とは異なる、磁気記録媒体。
(付記2)前記第2磁性部の保磁力は、前記第1磁性部の保磁力より大きい、付記1に記載の磁気記録媒体。
(付記3)前記第1磁性部の保磁力は、前記第2磁性部の保磁力より大きい、付記1に記載の磁気記録媒体。
(付記4)前記基材と前記第1磁性部の間、または、前記基材と前記第2磁性部の間には、微小凹凸構造層が介在する、付記1に記載の磁気記録媒体。
(付記5)前記基材は、表面粗化領域を有し、前記第1磁性部または前記第2磁性部は、前記表面粗化領域上に設けられている、付記1に記載の磁気記録媒体。
(付記6)前記第1磁性部の側壁は粗化されている、付記1に記載の磁気記録媒体。
(付記7)基材および記録層を含む積層構造を有して情報記録時に回転動作を伴う磁気記録媒体であって、
前記記録層は、並列して前記回転動作の回転中心まわりを延び且つ各々がトラックサーボ信号領域およびユーザデータ領域を有する複数条の情報トラック、並びに、隣り合う情報トラックの間に介在する非磁性部を含み、
前記トラックサーボ信号領域は、トラック延び方向に並ぶ複数の第1磁性部、および、隣り合う第1磁性部の間に介在する非磁性部、を有し、
前記ユーザデータ領域は、トラック延び方向に延びる第2磁性部を有し、
前記基材と前記第1磁性部の間、または、前記基材と前記第2磁性部の間には、微小凹凸構造層が介在する、磁気記録媒体。
(付記8)基材および記録層を含む積層構造を有して情報記録時に回転動作を伴う磁気記録媒体であって、
前記基材は、表面粗化領域を有し、
前記記録層は、並列して前記回転動作の回転中心まわりを延び且つ各々がトラックサーボ信号領域およびユーザデータ領域を有する複数条の情報トラック、並びに、隣り合う情報トラックの間に介在する非磁性部を含み、
前記トラックサーボ信号領域は、トラック延び方向に並ぶ複数の第1磁性部、および、隣り合う第1磁性部の間に介在する非磁性部、を有し、
前記ユーザデータ領域は、トラック延び方向に延びる第2磁性部を有し、
前記第1磁性部または前記第2磁性部は、前記基材の前記表面粗化領域上に設けられている、磁気記録媒体。
(付記9)基材および記録層を含む積層構造を有して情報記録時に回転動作を伴う磁気記録媒体であって、
前記記録層は、並列して前記回転動作の回転中心まわりを延び且つ各々がトラックサーボ信号領域およびユーザデータ領域を有する複数条の情報トラック、並びに、隣り合う情報トラックの間に介在する非磁性部を含み、
前記トラックサーボ信号領域は、トラック延び方向に並ぶ複数の第1磁性部、および、隣り合う第1磁性部の間に介在する非磁性部、を有し、
前記ユーザデータ領域は、トラック延び方向に延びる第2磁性部を有し、
前記第1磁性部の側壁は粗化されている、磁気記録媒体。
(付記10)基材および記録層を含む積層構造を有して情報記録時に回転動作を伴う磁気記録媒体であって、
前記記録層は、並列して前記回転動作の回転中心まわりを延び且つ各々がトラックサーボ信号領域およびユーザデータ領域を有する複数条の情報トラック、並びに、隣り合う情報トラックの間に介在する非磁性部を含み、
前記トラックサーボ信号領域は、トラック延び方向に並ぶ複数の第1磁性部、および、隣り合う第1磁性部の間に介在する非磁性部、を有し、
前記ユーザデータ領域は、トラック延び方向に延びる第2磁性部を有し、
前記第1磁性部が前記基材の側で接合する部位は、前記第2磁性部が前記基材の側で接合する部位より、高い放熱性を有する、磁気記録媒体。
(付記11)前記基材と前記第1磁性部の間には放熱層が介在する、付記10に記載の磁気記録媒体。
(付記12)前記基材と前記第1磁性部の間には第1放熱層が介在し、前記基材と前記第2磁性部の間には第2放熱層が介在し、前記第1放熱層の熱伝導率は、前記第2放熱層の熱伝導率より大きい、付記10に記載の磁気記録媒体。
(付記13)前記基材と前記第1磁性部の間には第1放熱層が介在し、前記基材と前記第2磁性部の間には第2放熱層が介在し、前記第1放熱層は、前記第2放熱層より厚い、付記10に記載の磁気記録媒体。
(付記14)前記第1磁性部および前記第2磁性部は、同一組成の磁性材料よりなる、付記1から13のいずれか一つに記載の磁気記録媒体。
(付記15)付記2に記載の磁気記録媒体における前記第1および第2磁性部に対し、前記第1磁性部の保磁力より強く且つ前記第2磁性部の保磁力より弱い磁界を一括的に加え、前記第1磁性部の磁化方向を揃える工程を含む、磁気記録媒体製造方法。
(付記16)付記3または9に記載の磁気記録媒体における前記第1および第2磁性部に対し、前記第1磁性部の保磁力より強い磁界を一括的に加え、前記第1および第2磁性部の磁化方向を揃える工程と、
加熱により前記第2磁性部を熱緩和させる工程と、を含む、磁気記録媒体製造方法。
(付記17)
付記10から13のいずれか一つに記載の磁気記録媒体における前記第1および第2磁性部に対して一括的に磁界を加えて当該第1および第2磁性部の磁化方向を揃える工程と、
前記基材とは反対の側からの記録層に対するレーザ照射により前記第2磁性部を熱緩和させる工程と、を含む、磁気記録媒体製造方法。
本発明の第1の実施形態に係る磁気ディスクの平面図である。 図1に示す磁気ディスクの部分拡大平面図である。 図2の線III−IIIに沿った断面図である。 第1の実施形態の磁気ディスクにおける第1磁性部の保磁力および第2磁性部の保磁力について、温度依存性例を表す。 第1の実施形態に係る磁気ディスクの製造方法における一部の工程を表す。 図5の後に続く工程を表す。 図6の後に続く工程を表す。 本発明の第2の実施形態に係る磁気ディスクの部分平面図である。 図8のIX−IXに沿った断面図である。 第2の実施形態に係る磁気ディスクの製造方法における一部の工程を表す。 図10の後に続く工程を表す。 図11の後に続く工程を表す。 本発明の第3の実施形態に係る磁気ディスクの部分平面図である。 図13のXIV−XIVに沿った断面図である。 第3の実施形態の磁気ディスクにおける第1磁性部の保磁力および第2磁性部の保磁力について、温度依存性例を表す。 第3の実施形態に係る磁気ディスクの製造方法における一部の工程を表す。 図16の後に続く工程を表す。 図17の後に続く工程を表す。 本発明の第4の実施形態に係る磁気ディスクの部分平面図である。 図19のXX−XXに沿った断面図である。 第4の実施形態に係る磁気ディスクの製造方法における一部の工程を表す。 図21の後に続く工程を表す。 図22の後に続く工程を表す。 本発明の第5の実施形態に係る磁気ディスクの部分平面図である。 図24のXXV−XXVに沿った断面図である。 第5の実施形態に係る磁気ディスクの製造方法における一部の工程を表す。 図26の後に続く工程を表す。 図27の後に続く工程を表す。 第5の実施形態に係る磁気ディスクの第1変形例のディスク周方向の部分断面図を表す。 第5の実施形態に係る磁気ディスクの第2変形例のディスク周方向の部分断面図を表す。 ディスクリートトラック型の従来の磁気ディスクにおける部分平面図である。 図31の線XXXII−XXXIIに沿った断面図である。 図31に示す従来の磁気ディスクの製造方法における一部の工程を表す。 図33の後に続く工程を表す。
符号の説明
X1,X2,X3,X4,X5,90 磁気ディスク
11,21,31,41,51 ディスク基板
12,32,52,92 記録層
12A,32A,52A,92A 情報トラック
12a,12c,32a,32c,52a,52c,92a,92c 磁性部
12B,12b,32B,32b,52b,52B,92b,92B 非磁性部
13,33 微小凹凸構造層
14,34,54,93 保護膜
21a,41a 表面粗化領域
53,53A,53B,53C 放熱層
53C’ 厚肉部
53C’’ 薄肉部
TS トラックサーボ信号領域
YD ユーザデータ領域

Claims (1)

  1. 基材および記録層を含む積層構造を有して情報記録時に回転動作を伴う磁気記録媒体であって、
    前記記録層は、並列して前記回転動作の回転中心まわりを延び且つ各々がトラックサーボ信号領域およびユーザデータ領域を有する複数条の情報トラック、並びに、隣り合う情報トラックの間に介在する非磁性部を含み、
    前記トラックサーボ信号領域は、トラック延び方向に並ぶ複数の第1磁性部、および、隣り合う第1磁性部の間に介在する非磁性部、を有し、
    前記ユーザデータ領域は、トラック延び方向に延びる第2磁性部を有し、
    前記第1磁性部および第2磁性部は、高温となるほど保力が小さくなる同一の磁性材料からなっており、
    前記第1磁性部が前記基材の側で接合する部位は、前記第2磁性部が前記基材の側で接合する部位より、高い放熱性を有しており、かつ、
    前記第2磁性部は、アズデポ状態とされている、磁気記録媒体。
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