〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図に基づいて説明すると以下の通りである。
図2は、本実施形態に係る印刷システムの構成を示すブロック図である。同図に示すように、本実施形態の印刷システム1においては、端末装置(クライアントPC)2・・・、管理サーバ3、MFP(Multi Function Printer)4・・・がLAN(Local Area Network)に接続されている構成である。この印刷システム1において、端末装置2、管理サーバ3、MFP4は、LANを介して互いに通信可能である。
端末装置2は、MFP4に実行させる印刷処理機能の詳細を設定する印刷機能設定装置であると共に、文書作成ソフト、表計算ソフト、画像編集ソフト等のアプリケーションプログラム、プリンタドライバ、OS(operating system)等がインストールされているコンピュータである。この端末装置2は、上記文書作成ソフト、表計算ソフト、画像編集ソフトによって作成された画像に対応する印刷データ、および、該印刷データに応じた画像を印刷する際に実行する印刷処理に関する機能(例えば、両面印刷等)を示した処理コマンドを生成する。そして、端末装置2は、上記印刷データおよび処理コマンドを含む印刷ジョブをMFP4に送信する。
MFP4は、端末装置2から送信されてくる印刷ジョブに応じて、用紙上に画像を印刷する印刷装置である。つまり、MFP4は、上記印刷ジョブに含まれる処理コマンドに示される印刷処理に関する機能を実現しつつ、印刷ジョブに含まれる印刷データに応じた画像を印刷するものである。
管理サーバ3は、汎用のパーソナルコンピュータであり、印刷システム1全体を統括的に管理するサーバ装置である。
つぎに、端末装置2および管理サーバ3の構成について詳細に説明する。なお、以下では、図2における端末装置2a・2bのうち、端末装置2aを例にして説明するが、端末装置2bも端末装置2aと同一の構成であるものとする。
図1は、端末装置2aおよび管理サーバ3の詳細を示したブロックである。同図に示すように、端末装置2aは、制御装置10、表示部11、入力部12を含む構成である。なお、表示部11および入力部12は制御装置10に接続されている。
表示部11は、CRT(陰極線管)、LCD(液晶表示素子)、PDP(プラズマディスプレィ)、有機EL(electroluminescence)ディスプレィ、無機ELディスプレィなどの表示デバイスによって構成されるブロックである。表示部11は、制御装置10から受信する表示データに基づいて、文字や画像などの各種の情報を表示出力する。
入力部12は、端末装置2aの利用者から各種の入力を受け付けるものであり、入力用ボタン、キーボード、マウスなどのポインティングデバイス、その他の入力デバイスによって構成されている。入力部12は、利用者から入力された情報を入力データに変換して制御装置10に送信する。
制御装置10は、端末装置2aを統括的に制御するものである。この制御装置10は、例えばPCベースのコンピュータによって構成される。そして、上記制御は、プログラムをコンピュータに実行させることによって行われる。このプログラムは、例えばCD−ROMなどのリムーバブルメディアに記録されているものを読み出して使用する形態であってもよいし、ハードディスクなどにインストールされたものを読み出して使用する形態であってもよい。また、この制御装置10がインターネットなどの通信ネットワークに接続された構成とする場合、この通信ネットワークを介して上記プログラムをダウンロードしてハードディスクなどにインストールして実行する形態なども考えられる。
以下、制御装置10を詳細に説明する。制御装置10には、図1に示すように、アプリケーション部13とプリンタドライバ部14とが含まれている。なお、アプリケーション部13およびプリンタドライバ部14は、CPU(central processing unit)などの演算手段が、ROM(read only memory)やRAM(random access memory)などに記憶されたプログラムを実行することによって実現されるブロックであるものとする。
アプリケーション部13は、上述した文書作成ソフト、表計算ソフト、画像編集ソフト等のアプリケーションに従った処理を行い、画像を作成するブロックである。さらに、アプリケーション部13は、入力部12から印刷設定指示(設定コマンド)を受けると、プリンタドライバ部14部にプリンタドライバ起動コマンドを送信する。
プリンタドライバ部14は、上述したプリンタドライバに従った処理を行うブロックである。プリンタドライバ部14は、MFP4に実行させる印刷処理に関する機能(以下、単に「機能」と称する)の入力を利用者に促すためのUI(user interface,図5参照)の表示制御を行う。そして、プリンタドライバ部14は、利用者からの入力に応じて、MFP4に実行させる機能を設定し、設定した機能に応じた処理をMFP4に実行させるための制御コマンドを生成する。
ここで、上述した機能としては、印刷処理における印刷部数、両面/片面印刷、印刷処理における用紙サイズ、両面印刷処理時における印刷形式(横綴じ、縦綴じ、中綴じ)がある。
また、プリンタドライバ部14は、印刷対象とされる画像を示した画像データをアプリケーション部13から取得し、当該画像データをMFP4に適したデータ形式の印刷データに加工する。さらに、プリンタドライバ部14は、上記制御コマンドおよび上記印刷データを含めた印刷ジョブを生成し、当該印刷ジョブをMFP4へ送信する処理を行っている。
つぎに、プリンタドライバ部14の詳細を、管理サーバ3の構成とあわせて説明する。なお、管理サーバ3も、制御装置10と同様、PCベースのコンピュータによって構成されるものである。
プリンタドライバ部14には、図1に示すように、機能制限情報検索部(機能制限制御手段)21、UI表示・機能制限部(機能制限手段、通知手段)23、機能設定部24、ジョブ生成部25が備えられている。また、管理サーバ3には記憶装置30が備えられている。
まず、管理サーバ3における記憶装置30から説明する。記憶装置30は、図4(a)に示すように、端末IDと機能制限情報とを対応付けた端末・制限テーブル、およびMFP−IDと時間帯と機能制限情報とを対応付けた時間・制限テーブルを記憶する記憶装置である。なお、当該記憶装置30としては、書き換え可能な不揮発性メモリ(EEPROM,フラッシュメモリ等)やHD(ハードディスク)が好ましい。
ここで、機能制限情報とは、プリンタドライバ部14において設定が禁止されるMFP4の機能を示した情報、あるいは、プリンタドライバ部14において設定が許可されるMFP4の機能を示した情報である。例えば、図4(a)の番号1の欄の機能制限情報において「両面機能:グレイ表示、選択不可」と記載されているが、これは、両面印刷機能、カラー印刷機能の設定を禁止し、他の機能の設定を許可している事を示したものである。
また、端末IDとは、端末装置2a・2bの各々を識別する識別情報であり、端末装置2毎にユニークに設定されている情報を意味する。図4(a)における「2a」は、図2の端末装置2aの端末IDを意味し、図4(a)における「2b」は、図2の端末装置2bの端末IDを意味する。つまり、図4(a)に示される端末・制限テーブルとは、プリンタドライバ部14において設定が禁止されるMFP4の機能を端末装置毎に規定したテーブルである。
さらに、MFP−IDとは、MFP4を識別する識別情報であり、MFP4毎にユニークに設定されている情報を意味する。なお、図4(a)における「4a」は、図2におけるMFP4aのMFP−IDを意味し、図4(a)における「4b」は、図2におけるMFP4bのMFP−IDを意味する。つまり、図4(a)に示される時間・制限テーブルとは、プリンタドライバ部14において設定が禁止されるMFP4の機能を時間帯毎かつMFP4毎に規定したテーブルである。
なお、以下では、端末装置2aは、自装置の発行する印刷ジョブをMFP4aに送信し、当該印刷ジョブをMFP4aに処理させるものとして説明する。
機能制限情報検索部21は、アプリケーション部13からプリンタドライバ部14にプリンタドライバ起動コマンドが入力されたことを検知すると、管理サーバ3の記憶装置30にアクセスする。そして、機能制限情報検索部21は、記憶装置30に記憶されている端末・制限テーブルの中から、自装置(端末装置2a)の端末IDに対応付けられている機能制限情報を検索し、当該機能制限情報を読み出し、読み出した機能制限情報をUI表示・機能制限部23に伝達する。
また、機能制限情報検索部21は、記憶装置30に記憶されている時間・制限テーブルの中から、MFP4aのMFP−ID(つまり、端末装置2aの印刷ジョブを処理するMFPのID)に対応付けられ、かつ、現在時刻を含んだ時間帯に対応付けられている機能制限情報を検索し、当該機能制限情報を読み出し、読み出した機能制限情報をUI表示・機能制限部23に伝達する。
なお、機能制限情報検索部21は、検索対象となる機能制限情報が各テーブルに存在しない場合(つまり、自装置の端末IDに対応付けられている機能制限情報、MFP4aのMFP−IDと現在時刻を含んだ時間帯とに対応付けられている機能制限情報が存在しない場合)、機能制限無しを示す機能制限情報を生成し、生成した機能制限情報をUI表示・機能制限部23に伝達する。
UI表示・機能制限部23は、MFP4aに実行させる機能の入力を利用者に促すためのUIを表示部11に表示するブロックである。ここで、UI表示・機能制限部23は、機能制限情報検索部21から、設定が禁止されている機能が示された機能制限情報が伝達されてきた場合、当該機能については利用者が入力できないようなUIを作成して表示する。例えば、図5(a)に示すUIにおいては、両面印刷機能の項目の横に、入力禁止を示す機能制限マーク(鍵マーク)aが付され、利用者が両面印刷機能を入力できないようになっている。
これに対し、UI表示・機能制限部23は、機能制限情報検索部21から、機能制限無しを示す機能制限情報が伝達されてきた場合、上記した機能制限マークの表示を行わずに、そのままUIを表示する。
機能設定部24は、入力部12からの入力信号に基づいて、UIを介して利用者によって入力された機能をMFP4aに実行させる機能として設定し、当該設定した機能をMFP4aに実行させるための制御コマンドを生成し、当該制御コマンドをジョブ生成部25へ送信する。
ジョブ生成部25は、印刷対象とされる画像を示した画像データをアプリケーション部13から取得し、当該画像データをMFP4に適したデータ形式の印刷データに加工する。さらに、ジョブ生成部25は、印刷実行命令を入力部12から受け付けると、機能設定部24において生成された制御コマンドおよび上記印刷データを含めた印刷ジョブを生成し、当該印刷ジョブをMFP4へ送信する。これにより、MFP4は、上記制御コマンドに示される機能に応じた印刷処理を実行することとなる。
つぎに、プリンタドライバ部14の処理の流れについて、図3のフローチャートに基づいて説明する。図3は、端末装置2aのプリンタドライバ部14において実行される処理の流れを示したフローチャートである。
端末装置2aにおいて、利用者から印刷設定指示が入力されると(S1)、プリンタドライバ部14が起動し、機能制限情報検索部21は、管理サーバ3の記憶装置30にアクセスする(S2)。
そして、機能制限情報検索部21は、記憶装置30の端末・制限テーブルを参照して、自装置(端末装置2a)の端末IDに対応付けられている機能制限情報を検索し(S3)、検索対象となる機能制限情報がある場合は当該機能制限情報をUI表示・機能制限部23に伝達する。また、機能制限情報検索部21は、記憶装置30の時間・制限テーブルを参照して、自装置の印刷ジョブを処理するMFP4aのMFP−IDに対応付けられ、かつ現在時刻を含んだ時間帯に対応付けられている機能制限情報を検索し(S3)、検索対象となる機能制限情報がある場合は当該機能制限情報をUI表示・機能制限部23に伝達する(S3)。
なお、機能制限情報検索部21は、上記検索対象となる機能制限情報が各テーブルに存在しない場合、機能制限無しを示す機能制限情報を生成し、生成した機能制限情報をUI表示・機能制限部23に伝達する。
そして、UI表示・機能制限部23は、機能制限情報検索部21から、設定の禁止される機能が示された機能制限情報が伝達されてきた場合(つまり、設定が禁止される機能が有る場合,S4においてYES)、当該機能について、入力禁止を示す機能制限マークaを付したうえで、UIを表示する(S6)。
例えば、UI表示・機能制限部23に伝達された機能制限情報に「両面機能不可」が示されている場合、UI表示・機能制限部23は、図5(a)に示すようなUIを表示部11に表示することとなる。
また、UI表示・機能制限部23は、機能制限情報検索部21から、機能制限無しを示す機能制限情報が伝達されてきた場合(つまり、設定が禁止される機能が無い場合,S4においてNO)、機能制限マークを付さずに、そのままUIを表示する(S5)。
そして、UIを介して利用者によって機能の入力が行なわれると、機能設定部24は、入力された機能をMFP4aに実行させる機能として設定することになる。ここで、UI表示・機能制限部23に伝達される機能制限情報に示されている設定が禁止されている機能については、UIにおいて入力禁止になっているため、当該機能がMFP4aに実行させる機能として設定されることはありえない。
そして、利用者によって印刷実行指示が入力されると(S7)、ジョブ生成部25は印刷ジョブをMFP4aに送信することになる(S8)。
以上の構成によれば、UI表示・機能制限部23は、伝達されてくる機能制限情報において示されている設定の禁止されている機能について、当該機能の入力を禁止したUIを表示することによって、プリンタドライバ部14において設定可能なMFP4aの機能を制限していることになる。
そして、機能制限情報検索部21は、図4(a)に示す時間・制限テーブルから機能制限情報を読み出し、UI表示・機能制限部23に伝達している。それゆえ、機能制限情報検索部21は、稼動させるMFPおよび当該MFPの稼動時間帯に応じて、UI表示・機能制限部23に伝達する機能制限情報を変更していることになる。
それゆえ、稼動させるMFPおよび稼動時間帯に応じて、プリンタドライバ部14において設定可能なMFPの機能を変更することが可能になる。これにより、例えば、MFP4aに印刷ジョブが殺到すると考えられる時間帯においては、プリンタドライバ部14において設定可能な機能の種類を制限することによって、MFP4aの処理効率の低下を抑制することが可能になる。
なお、以上示した実施の形態では、稼動させるMFPおよび稼動時間帯に応じて、プリンタドライバ部14において設定可能な機能を変更するようにしているが、印刷システム1の稼動状態(例えば、MFP4aがリアルタイムに保持しているジョブ数、MFP4aにセットされている用紙枚数、MFP4aの残トナー量、等)または稼動履歴(MFP4aが過去に実行した印刷処理の印刷枚数、MFP4aが過去に処理した印刷ジョブ量、MFP4aが消費したトナー量、等)に応じて、UI表示・機能制限部23に伝達する機能制限情報を変更することによって、プリンタドライバ部14において設定可能なMFP4aの機能を変更する形態であれば、印刷システム1の処理効率の低下を抑制することが可能である。それゆえ、本発明は、稼動させるMFPおよび稼動時間帯に応じて上記変更を行う形態に限定されない。
また、以上示した実施形態によれば、端末装置2aの機能制限情報検索部21は、図4(a)の端末・制限テーブルにおいて端末装置2aの端末IDに対応付けられている機能制限情報を取得しているため、UI表示・機能制限部23に伝達される機能制限情報を、端末装置2毎に変更できる。
それゆえ、プリンタドライバ部14において設定可能なMFP4aの機能を端末装置2毎に変更することが可能、言い換えると、印刷システム1の利用者に応じて、プリンタドライバ部14において設定可能なMFP4aの機能を変更することが可能になる。例えば、無駄な印刷をおこないがちな利用者については、複数部数印刷機能の設定を禁止するようにすれば、用紙の無駄使いを抑制することが可能になる。
また、以上の実施形態によれば、UI表示・機能制限部23は、表示部11に表示されるUIにおいて、入力を禁止する機能に対して機能制限マークを付すことによって、当該機能はプリンタドライバ部14において設定禁止とされている事を利用者に通知していることになる。これにより、機能制限されることによってどの機能の設定が禁止されているのかを利用者にわからしめる事が可能になる。
さらに、以上の実施形態によれば、入力部12から印刷設定指示(MFPに実行させる機能の設定処理の開始を指示する設定コマンド)の入力に応じてプリンタドライバ部14が起動し、プリンタドライバ部14は管理サーバ3から機能制限情報を取得していることになる。これにより、プリンタドライバの起動の度に新たに機能制限情報を取得することになるため、プリンタドライバの起動の度に機能制限の内容を異ならせることも可能になる。
また、以上の実施形態によれば、記憶装置30には、図4(a)に示す端末・制限テーブルおよび時間・制限テーブルが記憶されている。しかしながら、記憶装置30に記憶されるテーブルとしては以上の各テーブルに限定されるものではない。例えば、図4(b)に示すように、端末装置2aの利用者の所属する部門(グループ,部署)を識別する部門IDと機能制限情報とが対応付けられた部門・制限テーブル、および、端末IDと部門IDとが対応付けられた端末・部門テーブルを記憶装置30に記憶させていてもよい。この図4(b)に示す各テーブルが記憶装置30に記憶されている場合、機能制限情報検索部21は、自装置(端末装置2a)の端末IDに対応付けられている部門IDを端末・部門テーブルから検出し、検出した部門IDに対応付けられている機能制限情報を部門・制限テーブルから読み出す処理を行うことになる。これにより、職場に設置されている印刷システム等においては、プリンタドライバ部14において設定可能なMFP4aの機能を部門毎に変更することが可能になる。例えば、無駄な印刷をおこないがちな部門について、複数部数印刷機能の設定を禁止するようにすれば、用紙の無駄使いを抑制することが可能になる。
また、以上の実施形態によれば、表示部11に表示されるUIにおいて、入力禁止を示す機能制限マークが表示されているが、当該禁止されている事由に応じて表示される機能制限マークを異ならせてもよい。例えば、MFP4において本来実行可能な機能ではあるが現在の権限では設定が禁止される機能については、図5(a)に示す鍵マーク(参照符a)を表示し、MFP4においてそもそも実行できない(オプション未装着)機能については、図5(b)に示す錠マーク(参照符b)を表示するようにしてもよい。但し、このような表示を行う場合、記憶装置30に記憶されている各テーブルの機能制限情報において、設定が禁止されている機能と、当該機能がMFP4において本来実行可能か否かを示すフラグとを対応付けて記載しておく。このようにしておけば、機能制限情報の内容は、機能制限情報検索部21によってUI表示・機能制限部23に伝達されるため、UI表示・機能制限部23は、プリンタドライバ部14において設定禁止として示されている機能について、MFP4において本来実行可能か否かを認識することができる。これにより、UI表示・機能制限部23は、MFP4において本来実行可能な機能ではあるが現在の権限では設定が禁止される機能については、図5(a)に示すような鍵マークを表示し、MFP4においてそもそも実行できない(オプション未装着)機能については、図5(b)に示す錠マークを表示することが可能になる。
また、以上の印刷システム1によれば、端末・制限テーブルおよび時間・制限テーブルを記憶している記憶装置30は管理サーバ3に備えられているが、図6に示すように、各端末装置2・・・のうちの一つの端末装置2aに記憶装置30を備える形態であってもよい。この図6の構成では、端末装置2aは、自装置に記憶されている端末・制限テーブルおよび時間・制限テーブルを参照することによって、機能制限情報を読み出し、端末装置2bは、端末装置2aにアクセスすることによって、機能制限情報を読み出す。このような構成によれば、印刷システム1に管理サーバ3を備えることなく、各端末装置2a・2bは、端末・制限テーブルおよび時間・制限テーブルを参照することによって機能制限情報を読み出すことが可能になる。
また、以上示した実施の形態において、各制限テーブルを参照して機能制限情報を検索する機能制限情報検索部21と、機能制限情報検索部21から伝達されてきた機能制限情報に従ってUIを作成することによって機能制限を行なっているUI表示・機能制限部23とは、端末装置2aのプリンタドライバ部14に備えられている構成であった。しかしながら、当該機能制限情報検索部21およびUI表示・機能制限部23における機能は、端末装置2にインストールされているプリンタドライバによって実現されるものである必要はなく、管理サーバ3にインストールされているプログラムによって実現されてもよい。そこで、以下において、上述した機能を実現する管理サーバについて説明する。
図14に示すように、管理サーバ3fには、既に説明した記憶装置30の他、機能制限情報検索部(機能制限制御手段)21aおよびUI編集・機能制限部(機能制限手段)28が備えられている。また、この管理サーバ3fに接続される端末装置2fのプリンタドライバ部14fにおいては、既に説明した機能設定部24およびジョブ生成部25の他、ID送信部20および表示制御部27が備えられている。
端末装置2fのID送信部20は、アプリケーション部13からプリンタドライバ部14にプリンタドライバ起動コマンドが入力されたことを検知すると、管理サーバ3に自装置の端末IDとMFP4aのMFP−IDを送信する。
管理サーバ3fの機能制限情報検索部21aは、端末装置2fから端末IDおよびMFP−IDが送信されてくると、記憶装置30の端末制限テーブルのなかから、当該端末IDに対応付けられている機能制限情報を検索し、当該機能制限情報を読み出し、読み出した機能制限情報をUI編集・機能制限部28に伝達する。また、機能制限情報検索部21aは、記憶装置30に記憶されている時間・制限テーブルの中から、受信したMFP−IDに対応付けられ、かつ、現在時刻を含んだ時間帯に対応付けられている機能制限情報を検索し、当該機能制限情報を読み出し、読み出した機能制限情報をUI編集・機能制限部28に伝達する。なお、機能制限情報検索部21aは、検索対象となる機能制限情報が各テーブルに存在しない場合、機能制限無しを示す機能制限情報を生成し、生成した機能制限情報をUI編集・機能制限部28に伝達する。
管理サーバ3fのUI編集・機能制限部28は、MFP4aに実行させる機能の入力を利用者に促すためのUIを編集し、編集したUIを示した画像データを端末装置2fに送信する。ここで、UI編集・機能制限部28は、機能制限情報検索部21aから、設定が禁止されている機能が示された機能制限情報が伝達されてきた場合、当該機能について機能制限マークaを付したUIを編集している(図5参照)。また、UI編集・機能制限部28は、機能制限情報検索部21aから、機能制限無しを示す機能制限情報が伝達されてきた場合、機能制限マークを付さずにUIを編集している。
表示制御部27は、管理サーバ3のUI編集・機能制限部28から画像データを受信し、当該画像データに基づいたUIを表示部11に表示するものである。
つぎに、図14に示した管理サーバ3fと端末装置2fとにおける処理の流れを、図15のフローチャートに基づいて説明する。
端末装置2fにおいて、利用者から印刷設定指示が入力されると(S21)、プリンタドライバ部14fが起動し、ID送信部20は、管理サーバ3に対して、自装置の端末IDと、自装置の印刷ジョブを処理するMFP4aのMFP−IDとを送信する(S22)。
管理サーバ3fが端末IDおよびMFP−IDを受信すると、機能制限情報検索部21aは、記憶装置30の端末・制限テーブルを参照して、当該端末IDに対応付けられている機能制限情報を検索し(S23)、検索対象となる機能制限情報がある場合は当該機能制限情報をUI編集・機能制限部28に伝達する。また、機能制限情報検索部21aは、記憶装置30の時間・制限テーブルを参照して、上記受信したMFP−IDに対応付けられ、かつ現在時刻を含んだ時間帯に対応付けられている機能制限情報を検索し(S23)、検索対象となる機能制限情報がある場合は当該機能制限情報をUI編集・機能制限部28に伝達する(S23)。なお、機能制限情報検索部21aは、上記検索対象となる機能制限情報が各テーブルに存在しない場合、機能制限無しを示す機能制限情報を生成し、生成した機能制限情報をUI編集・機能制限部28に伝達する。
そして、UI編集・機能制限部28は、機能制限情報検索部21aから、設定の禁止される機能が示された機能制限情報が伝達されてきた場合(つまり、設定が禁止される機能が有る場合,S24においてYES)、当該機能について、入力禁止を示す機能制限マークaを付したうえで、UIを編集する(S26)。また、UI編集・機能制限部28は、機能制限情報検索部21aから、機能制限無しを示す機能制限情報が伝達されてきた場合(つまり、設定が禁止される機能が無い場合,S24においてNO)、機能制限マークを付さずにUIを編集する(S25)。
さらに、UI編集・機能制限部28は、編集したUIを示した画像データを端末装置2fに送信する(S27)。そして、当該画像データを受信した端末装置2f側においては、表示制御部27が、当該画像データに応じたUIを表示部11に表示することになる。
以上の構成によれば、管理サーバ3fのUI編集・機能制限部28は、伝達されてくる機能制限情報において示されている設定の禁止されている機能について、当該機能の入力を禁止したUIを編集することによって、端末装置2fのプリンタドライバ部14において設定可能なMFP4aの機能を制限していることになる。
そして、管理サーバ3fの機能制限情報検索部21aは、図4(a)に示す時間・制限テーブルから機能制限情報を読み出し、当該機能制限情報をUI編集・機能制限部28に伝達している。それゆえ、機能制限情報検索部21は、端末装置2fによって稼動されるMFPおよび当該MFPの稼動時間帯に応じて、UI編集・機能制限部28に伝達する機能制限情報を変更していることになる。
それゆえ、稼動させるMFPおよび稼動時間帯に応じて、端末装置2fのプリンタドライバ部14fにおいて設定可能なMFPの機能を変更することが可能になる。これにより、例えば、MFP4aに印刷ジョブが殺到すると考えられる時間帯においては、プリンタドライバ部14fにおいて設定可能な機能の種類を制限することによって、MFP4aの処理効率の低下を抑制することが可能になる。
また、図14の構成によれば、各端末装置2・・・に供される機能制限情報を管理サーバ3fにおいて一元管理しており、また、各端末装置2・・・において表示されるUIの編集を管理サーバ3fにて一元的に行っているため、各端末装置2・・・のリソースを節約できるというメリットがある。
また、端末装置2から管理サーバ3の記憶装置30に記憶されている各テーブルはアクセス可能であるため、利用者が端末装置2の入力部12を操作することによって管理サーバ3の各テーブルの内容を書き換える事が可能になっていてもよい。但し、この場合、端末装置2aの入力部から管理者IDを入力した利用者のみに各テーブルの内容の書き換えを許可するようにすれば、管理者以外の者が自由に機能制限情報を書き換えるといった不都合を回避することが可能になる。
〔実施の形態2〕
実施の形態1の端末装置2aにおいては、プリンタドライバが起動すると、MFP4aに実行させる機能の入力を利用者に促すUIが表示され、利用者によってMFP4aに実行させる機能の入力が行なわれ、その後、利用者から印刷実行指示が入力されることによって、入力された機能に基づいた印刷ジョブがMFP4に送信される形態であった。
しかしながら、端末装置2において、プリンタドライバが起動すると上記UIの表示を行わずに、そのまま印刷ジョブをMFP4に送信するようにしてもよい(要するに、利用者に入力された機能をMFP4に実行させる機能として設定するのではなく、MFP4に実行させる機能は予め設定されている)。本実施形態では、このような端末装置の構成について、図7に基づいて説明する。
図7に示すように、端末装置2cの制御装置10cには、アプリケーション部13cとプリンタドライバ部14cとが含まれ、プリンタドライバ部14cにおいては、機能制限情報検索部(機能制限制御手段)21c、ジョブ生成部25c、初期機能設定部(設定手段)16、機能補正部(補正手段、機能制限手段)17が含まれている。また、制御装置10cには初期機能記憶部15が含まれている。
初期機能記憶部15は、MFP4aに実行させる機能を示した初期機能情報が記憶されている。例えば、本実施形態においては、「用紙サイズA4で印刷」という初期機能情報が記憶されているものとする。
アプリケーション部13cは、入力部12から印刷実行指示(印刷コマンド)を受けると、プリンタドライバ部14c部にプリンタドライバ起動コマンドを送信し、ジョブ生成部25cに印刷対象の画像データを送信する。
また、アプリケーション部13cからプリンタドライバ部14cへプリンタドライバ起動コマンドが送信されると、図1の構成と同様、機能制限情報検索部21cによって機能制限情報の検索が行なわれる。但し、本実施形態においては、機能制限情報検索部21cによって管理サーバ3から読み出された機能制限情報、または、機能制限情報検索部21cによって生成された機能制限情報は、機能補正部17に伝達される。
初期機能設定部16は、アプリケーション部13cからプリンタドライバ部14cへプリンタドライバ起動コマンドが送信されると、初期機能記憶部15から初期機能情報を読み出し、読み出した初期機能情報に示される機能をMFP4aに実行させる機能として設定する。
機能補正部17は、機能制限情報検索部21cによって機能制限情報が伝達されてきた場合、初期機能設定部16によって設定された機能と伝達されてきた機能制限情報とを対比し、初期機能設定部16によって設定された機能が、機能制限情報において設定が禁止されている機能に該当するか否かを判定する。
そして、初期機能設定部16によって設定された機能が機能制限情報において設定が禁止されている機能に該当しない場合、機能補正部17は、初期機能設定部16に設定された機能をMFP4aに実行させるための制御コマンドを生成して、当該制御コマンドをジョブ生成部25cに伝達する。
また、初期機能設定部16によって設定された機能が機能制限情報において設定が禁止されている機能に該当する場合、機能補正部17は、初期機能設定部16によって設定された機能の内容を補正し、補正した機能をMFP4aに実行させる機能として再設定する。そして、機能補正部17は、再設定した機能をMFP4aに実行させるための制御コマンドを生成して、当該制御コマンドをジョブ生成部25cに伝達する。
例えば、初期機能設定部16に設定された機能が「用紙サイズA4で印刷」であり、機能制限情報に「A4印刷禁止」が示されている場合、機能補正部17は、「用紙サイズA4で印刷」を「用紙サイズB5で印刷」または「用紙サイズA3で印刷」に補正する。ここで、どのように補正するかについては種々の方法が考えられるが、所定の優先規則(例えば、用紙サイズの場合、A4→B5→A3の優先順位)を記憶した記憶装置を制御装置10cに含ませておき、機能制限情報において設定が禁止されていない機能のうちの最も優先順位の高い機能を補正後の機能とする方法が挙げられる。
ジョブ生成部25cは、印刷対象とされる画像を示した画像データをアプリケーション部13cから取得し、当該画像データをMFP4aに適したデータ形式の印刷データに加工する。さらに、ジョブ生成部25cは、機能補正部17において生成された制御コマンドおよび印刷データを含めた印刷ジョブを生成し、当該印刷ジョブをMFP4aへ送信する。これにより、MFP4aは、上記制御コマンドに示される機能に応じた印刷処理を実行することとなる。
つぎに、プリンタドライバ部14cの処理の流れについて、図8のフローチャートに基づいて説明する。図8は、端末装置2cのプリンタドライバ部14cにおいて実行される処理の流れを示したフローチャートである。
端末装置2cにおいて、利用者から印刷実行指示が入力されると(S11)、プリンタドライバ部14cが起動し、機能制限情報検索部21cは、管理サーバ3の記憶装置30にアクセスする(S12)。
そして、機能制限情報検索部21cは、記憶装置30の端末・制限テーブルを参照して、自装置(端末装置2a)の端末IDに対応付けられている機能制限情報を検索し(S13)、検索対象となる機能制限情報がある場合は当該機能制限情報を機能補正部17に伝達する。また、機能制限情報検索部21は、記憶装置30の時間・制限テーブルを参照して、自装置の印刷ジョブを処理するMFP4aのMFP−IDに対応付けられ、かつ現在時刻を含んだ時間帯に対応付けられている機能制限情報を検索し(S13)、検索対象となる機能制限情報がある場合は当該機能制限情報を機能補正部17に伝達する。
なお、機能制限情報検索部21は、上記検索対象となる機能制限情報が各テーブルに存在しない場合、機能制限無しを示す機能制限情報を生成し、生成した機能制限無情報を機能補正部17に伝達する。
また、利用者から印刷実行指示が入力された後(S11)、S12〜S13と併行して、初期機能設定部16が、初期機能記憶部15から初期機能情報を読み出し、読み出した初期機能情報に示される機能をMFP4aに実行させる機能として設定する(S14)。
そして、S13およびS14の後、機能補正部17は、初期機能設定部16によって設定された機能が設定禁止とされる機能に該当するか否かを判定する(S15)。具体的に、機能補正部17は、初期機能設定部16によって設定された機能と伝達されてきた機能制限情報とを対比し、初期機能設定部16によって設定された機能が、機能制限情報において設定が禁止されている機能に該当するか否かを判定する。
ここで、初期機能設定部16によって設定された機能が、設定禁止とされる機能に該当する場合(S15においてYES)、機能補正部17は、初期機能設定部16によって設定された機能の内容を補正し、補正した機能をMFP4aに実行させる機能として再設定する(S16)。これにより、ジョブ生成部25cは、補正した機能をMFP4aに実行させるための制御コマンドを含めた印刷ジョブを生成する(S17)。
また、初期機能設定部16によって設定された機能が、設定禁止とされる機能に該当しない場合(S16においてNO)、ジョブ生成部25cは、初期機能設定部16によって設定された機能をMFP4aに実行させるための制御コマンドを含めた印刷ジョブを生成する(S17)。
以上の構成によれば、機能補正部17は、初期機能設定部16によって設定された機能が上記機能制限情報に示されている設定禁止とされる機能に該当する場合、当該設定された機能の内容を補正している。これにより、プリンタドライバが起動するとUIの表示を行わずにそのまま印刷ジョブをMFP4に送信するような端末装置であっても、機能制限情報に基づいてMFP4aに実行させる機能を制限することが可能になる。
また、以上の構成によれば、端末装置2cにおいては、MFP4に印刷処理を実行させる命令である印刷実行指示(印刷コマンド)の入力に応じてプリンタドライバ部14cが起動し、プリンタドライバ部14cは管理サーバ3から機能制限情報を取得していることになる。これにより、印刷処理の実行の度に新たに機能制限情報を取得することになるため、印刷処理毎に機能制限の内容を異ならせることも可能になる。
なお、以上示した実施形態によれば、初期機能設定部16は、初期機能記憶部15に記憶されている初期機能情報に示される機能をMFP4aに実行させる機能として設定しているが、入力部12を介して利用者から入力された機能をMFP4aに実行させる機能として設定するようにしてもよい。このようにすれば、利用者から一旦入力された機能が、機能制限情報において設定禁止として示されている機能に該当する場合、MFP4aに当該機能を実行させる事を禁止する事ができる。
〔実施の形態3〕
つぎに、実施の形態1にて示した各制限テーブルとは異なる制限テーブルを用いた形態について説明する。
図9は、本実施形態における端末装置2dと管理サーバ3dとの構成を示した機能ブロック図である。なお、以下の説明において、端末装置2dは、生成する印刷ジョブをMFP4aに送信するように設定されているものとする。
図9に示すように、管理サーバ3dは、記憶装置31、ジョブ数監視部32を含む構成である。
記憶装置31には、図9および図10に示すように、MFP−IDと投入ジョブ数とを対応付けたジョブ数記録テーブルが記憶されている。ここで、ジョブ数記録テーブルにおける投入ジョブ数とは、MFP4aまたは4bに現在投入されているジョブ数を示したものである。つまり、ジョブ数記録テーブルとは、MFP4毎に、現在投入されているジョブ数がリアルタイムに記録されているテーブルである。
また、記憶装置31には、図9および図10に示すように、MFP−IDとジョブ閾値と機能制限情報とを対応付けたジョブ・制限テーブルが記憶されている。
ジョブ数監視部32は、MFP4a・4bにアクセスすることによってMFP4a・4bにおける投入ジョブ数を監視すると共に、MFP4a・4bの各々について、現在投入されているジョブ数を記憶装置31のジョブ数記録テーブルに書き込む処理を行うものである。つまり、ジョブ数監視部32は、記憶装置31のジョブ数記録テーブルにおいて、MFP4aのMFP−IDに対応付けてMFP4aに現在投入されているジョブ数を書き込み、MFP4bのMFP−IDに対応付けてMFP4bに現在投入されているジョブ数を書き込んでいる。
つぎに、端末装置2d側について説明する。図9に示すように、端末装置2dには、機能制限情報検索部(機能制限制御手段)21d、UI表示・機能制限部23、機能設定部24、ジョブ生成部25が含まれている。なお、UI表示・機能制限部23、機能設定部24、ジョブ生成部25は、各々、実施の形態1におけるUI表示・機能制限部23、機能設定部24、ジョブ生成部25と同様の部材であるため、以下ではその説明を省略する。
機能制限情報検索部21dは、アプリケーション部13からプリンタドライバ部14にプリンタドライバ起動コマンドが入力されたことを検知すると、管理サーバ3dの記憶装置31にアクセスする。
そして、機能制限情報検索部21dは、ジョブ数記録テーブルを参照して、自装置の印刷ジョブを処理するMFP4aのMFP−IDに対応付けられているジョブ数をジョブ数記録テーブルから読み出す。また、機能制限情報検索部21dは、ジョブ・制限テーブルを参照して、自装置の印刷ジョブを処理するMFP4aのMFP−IDに対応付けられているジョブ閾値をジョブ・制限テーブルから読み出す。
そして、機能制限情報検索部21dは、ジョブ数記録テーブルから読み出したジョブ数とジョブ・制限テーブルから読み出したジョブ閾値とを対比し、当該ジョブ数が当該ジョブ閾値を越えている場合、自装置の印刷ジョブを処理するMFP4aのMFP−IDに対応付けられている機能制限情報をジョブ・制限テーブルから読み出している。
また、機能制限情報検索部21dは、ジョブ数記録テーブルから読み出したジョブ数がジョブ・制限テーブルから読み出したジョブ閾値を越えていない場合、機能制限無しを示す機能制限情報を生成している。
なお、機能制限情報検索部21dに読み出された機能制限情報、機能制限情報検索部21dに生成された機能制限情報は、UI表示・機能制限部23に伝達される。
以上の構成によれば、端末装置2dの機能制限情報検索部21dは、MFP4aの所持する印刷ジョブ量に応じて、UI表示・機能制限部23に伝達する機能制限情報を変更している。具体的に、機能制限情報検索部21dは、自装置(端末装置2d)の印刷ジョブを処理するMFP4aのリアルタイムのジョブ数(ジョブ数記録テーブルのジョブ数)が所定の閾値を越えている場合、機能制限情報を読み出して、UI表示・機能制限部23に伝達している。これに対し、機能制限情報検索部21dは、自装置(端末装置2d)の印刷ジョブを処理するMFP4aのリアルタイムのジョブ数(ジョブ数記録テーブルのジョブ数)が所定のジョブ閾値を越えていない場合、機能制限無しを示す機能制限情報をUI表示・機能制限部23に伝達している。
それゆえ、MFP4aに蓄積されているジョブ数が所定の閾値を越えている場合、プリンタドライバ部14dにおいて設定可能なMFP4aの機能を制限し、MFP4aに蓄積されているジョブ数が所定の閾値を越えていない場合は、プリンタドライバ部14dにおいて設定可能なMFP4aの機能を制限しないといった制御が可能になる。
例えば、図10に示すジョブ・制限テーブルにおいて、「部数を一部に制限」を示す機能制限情報がUI表示・機能制限部23に伝達された場合、図11(a)に示すように、表示部11に表示されるUIにおいて、複数部数印刷処理の入力が禁止され、プリンタドライバ部14において複数部数印刷処理の設定が行なわれることはない。このように、MFP4に蓄積されている印刷ジョブが過多の場合、複数部数印刷機能の設定を禁止することによって、MFP4の処理効率の低下を抑制できる。
なお、本実施の形態におけるジョブ・制限テーブルとジョブ数記録テーブルとを記憶した記憶装置31、ジョブ数監視部32を図14に示す管理サーバ3fに適用する構成を採用しても構わない。
〔実施の形態4〕
さらに、実施の形態1,3にて示した各制限テーブルとは異なる制限テーブルを用いた形態について説明する。
図12は、本実施形態における端末装置2eと管理サーバ3eとの構成を示したブロック図である。なお、以下の説明において、端末装置2eの生成する印刷ジョブはMFP4aにおいて処理されるように設定されているものとする。
図12に示すように、管理サーバ3eは、記憶装置31e、印刷頻度監視部33を含む構成である。
記憶装置31eには、図12および図13に示すように、MFP−IDと端末IDと印刷頻度とを対応付けた頻度記録テーブルが記録されている。ここで、印刷頻度とは、MFP4の印刷処理の頻度を示した値であり、印刷枚数で示されるものである。
なお、頻度記録テーブルにおいて、印刷頻度は、端末装置2毎かつMFP4毎に記録されている。つまり、頻度記録テーブルに記録されている印刷頻度は、端末装置2が印刷装置に印刷処理を実行させた頻度を示したものとなる。例えば、図13に示す頻度記録テーブルの番号1の欄においては、「4a」を示すMFP−IDと、「2e」を示す端末IDと、「A4−1000」を示す印刷頻度とが対応付けられて記録されているが、これは、過去において、端末装置2eがMFP4aにA4用紙1000枚分の印刷を行わせたことを示している。
また、記憶装置31には、図12および図13に示すように、MFP−IDと端末IDと印刷頻度閾値と機能制限情報とを対応付けた頻度・制限テーブルが記憶されている。
印刷頻度監視部33は、各端末装置2・・・から各MFP4・・・に送信される印刷ジョブを取得し、当該印刷ジョブ送信先のMFP4と当該印刷ジョブにおける印刷枚数とを識別し、頻度記録テーブルの内容を更新するものである。
例えば、印刷頻度監視部33は、端末装置2eからMFP4aに送信される印刷ジョブを取得すると、図13の頻度記録テーブルにおいて、端末装置2eの端末IDおよびMFP4aのMFP−IDに対応付けられている頻度(印刷枚数)に対して、取得した印刷ジョブにおける印刷枚数を加算し、加算して得られた値を更新後の頻度として記録している。
つぎに、端末装置2e側について説明する。図12に示すように、端末装置2eには、アプリケーション部13eとプリンタドライバ部14eとが含まれており、プリンタドライバ部14eには、機能制限情報検索部(機能制限制御手段)21e、UI表示・機能制限部23、機能設定部24、ジョブ生成部25が含まれている。なお、UI表示・機能制限部23、機能設定部24、ジョブ生成部25は、各々、実施の形態1におけるUI表示・機能制限部23、機能設定部24、ジョブ生成部25と同様の部材であるため、以下ではその説明を省略する。
機能制限情報検索部21eは、アプリケーション部13からプリンタドライバ部14にプリンタドライバ起動コマンドが入力されたことを検知すると、管理サーバ3eの記憶装置31eにアクセスする。
そして、機能制限情報検索部21eは、頻度記録テーブルを参照し、自装置(端末装置2e)の端末IDと、自装置の印刷ジョブを処理するMFP4aのMFP−IDとに対応付けられている印刷頻度を頻度記録テーブルから読み出す。また、機能制限情報検索部21eは、頻度・制限テーブルを参照し、自装置(端末装置2e)の端末IDと、自装置の印刷ジョブを処理するMFP4aのMFP−IDとに対応付けられている印刷頻度閾値を頻度・制限テーブルから読み出す。
その後、機能制限情報検索部21eは、頻度記録テーブルから読み出した印刷頻度と頻度・制限テーブルから読み出した印刷頻度閾値とを対比する。
そして、機能制限情報検索部21eは、頻度記録テーブルから読み出した印刷頻度が頻度・制限テーブルから読み出した印刷頻度閾値を越えている場合、さらに頻度・制限テーブルを参照し、自装置(端末装置2e)の端末IDと、自装置の印刷ジョブを処理するMFP4aのMFP−IDとに対応付けられている機能制限情報を頻度・制限テーブルから読み出している。
また、機能制限情報検索部21eは、頻度記録テーブルから読み出した印刷頻度が頻度・制限テーブルから読み出した印刷頻度閾値を越えていない場合、機能制限無しを示す機能制限情報を生成している。
なお、機能制限情報検索部21eに読み出された機能制限情報、機能制限情報検索部21eに生成された機能制限情報は、UI表示・機能制限部23に伝達される。
以上の構成によれば、端末装置2eの機能制限情報検索部21eは、自装置(端末装置2e)によってMFP4aに印刷処理を実行させた頻度に応じて、UI表示・機能制限部23に伝達する機能制限情報を変更していることになる。具体的に、機能制限情報検索部21eは、自装置(端末装置2e)によってMFP4aに印刷処理を実行させた頻度(印刷枚数)が所定の閾値を越えている場合、機能制限情報を読み出して、UI表示・機能制限部23に伝達している。そして、機能制限情報検索部21eは、自装置(端末装置2e)によってMFP4aに印刷処理を実行させた頻度(印刷枚数)が所定の閾値を越えていない場合、機能無制限情報をUI表示・機能制限部23に伝達している。
これにより、印刷システム1全体の処理効率が悪化しないように、印刷枚数の多い傾向にある利用者の端末装置2については、設定可能な機能を制限するといった制御が可能になる。
例えば、図13に示すように、頻度・制限テーブルの番号1の項目において、端末装置2eの端末IDと、MFP4aのMFP−IDと、「A4−200」の印刷頻度閾値とが対応付けられている。これに対し、頻度記録テーブルの番号1の項目において、端末装置2eの端末IDと、MFP4aのMFP−IDと、「A4−1000」の印刷頻度とが対応付けられている。それゆえ、MFP4aに印刷ジョブを送信するようになっている端末装置2eのプリンタドライバ部14が起動すると、機能制限情報検索部21eによって、頻度・制限テーブルの番号1の項目における機能制限情報「A4印刷不可」が読み出され、当該機能制限情報がUI表示・機能制限部23に伝達される。そして、UI表示・機能制限部23は、図11(b)に示すように、A4印刷の入力を禁止したUIを表示することになる。このように、特定サイズの用紙の印刷が多い利用者の端末装置2に対しては、当該特定サイズの用紙の設定を禁止することが可能になり、特定サイズの用紙ばかりが消費されることによって用紙切れが生じ易くなるという不都合を回避することができる。
なお、本実施の形態における頻度・制限テーブルと頻度記録テーブルとを記憶した記憶装置31e、印刷頻度監視部33を図14に示す管理サーバ3fに適用する構成を採用しても構わない。
また、以上示した各実施の形態におけるプリンタドライバ部14・14c・14d・14eは、ハードウェアロジックによって構成されてもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。すなわち、プリンタドライバ部14・14c・14d・14eは、図16に示されるように、プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)211、上記プログラムを格納したROM(read only memory)212、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)213、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)であるHDD214、LAN・表示部11・入力部12と接続するための各種I/F215・216・217などを備えている。
そして、本発明の目的は、上述したプリンタドライバ部14・14c・14d・14eを実現するプログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、当該記録媒体に記録されているプログラムコードをコンピュータ(またはCPUやMPU)に読み出し実行させることによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、上記プリンタドライバ部14・14c・14d・14eを通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、上述した実施形態において開示された各技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。