JP4675681B2 - 特殊断面レールの連続頭部硬化熱処理方法及び熱処理装置 - Google Patents

特殊断面レールの連続頭部硬化熱処理方法及び熱処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、鉄道用分岐器類の構成部材であるトングレールやクロッシング部のノーズレール等、列車車輪が接触する側だけレール頭部が切削加工されることで一端側から他端側に向かい断面積が増大し断面が変化して一様でないレール(以下、特殊断面レールという)について、そのレール頭部の硬度を一定の硬度にするために行うスラッククエンチ熱処理方法及び熱処理装置に関する。
鉄道分岐器に使用されるトングレール等、列車車輪が接触する側だけレール頭部が切削加工された特殊断面レール1の硬化熱処理を行う場合、図10に示されるように、熱処理装置の走行レール上を移動する2台の台車100上に特殊断面レール1が載置される。台車100のいずれか一台には連結部200を介して送りワイヤ300が接続され、この送りワイヤ300は駆動モータ400の回転速度により速度制御されて台車100を走行レール500上の左側から右側まで移動させる。
そして、熱処理を行うそれぞれの特殊断面レール1の頭部断面形状に最適な速度、例えば、特殊断面レールで頭部断面形状の大きい箇所は比較的遅く、小さい箇所は速い速度で加熱装置600内に導かれる。
加熱装置600内には、アセチレン又はプロパン等の燃料ガスと酸素等を混合して燃焼させる加熱バーナーが配置されている。加熱装置600においては、加熱バーナーの火炎を特殊断面レール1の頭部に直接当てることにより加熱を行っている。
この加熱バーナーは、特殊断面レール1の頭部の横寸法が変化しても、また、特殊断面レール1の頭部幅が順次変化するためにレール頭部の中心位置が変化しても、常に適正な位置での加熱ができるように特殊断面レール1の頭部形状を追従できる構造になっている。この加熱バーナーの加熱により、特殊断面レール1が加熱装置600の出口まで導かれる時点で、特殊断面レール1の頭部表面は約1000℃まで均一に加熱されている。
その後、特殊断面レール1は、空気冷却箱が配置されている冷却装置700内に導かれる。冷却装置700において、特殊断面レール1の頭部表面に相対する面には、細かい穴が多数加工されており、ここから圧縮空気が特殊断面レール1の頭部表面に直接吹き付けられる。これにより、特殊断面レール1の頭部表面では強制空冷が行われる。
この時の冷却速度は特殊断面レールの表面で5〜3℃/秒になるように風圧が調整されている。そして、冷却装置700の出口では特殊断面レール1の頭部温度が300℃以下にまで冷却される。
この冷却装置700は、加熱装置600と同様に、特殊断面レール1の頭部横寸法が変化しても、また、特殊断面レール1の頭部、幅が順次変化するためにレール頭頂の中心位置が変化しても、常に適正な位置での強制空冷ができるように、走行レール500の走行中央部を高く形成して特殊断面レール1の形状に追従できる構造になっている。
その後、300℃以下まで冷却された特殊断面レール1は、水冷装置800により水をかけられ常温まで冷却される。
レール頭部の硬化熱処理を行うに際しては、レール頭部の加熱を行うとその熱によりレール頭部が膨張するが、レール底部は加熱されないため膨張しない。このため、レール全体が頭部を上にして湾曲した形状になる現象が生じる。
これは、特殊断面レール1の場合も同様で、特に15mを越す長い特殊断面レールの場合、硬化熱処理中にレールの長手方向の形状が200mm以上湾曲したり、頭部形状が左右対称でないことから生じるレール横方向の変形が100mm以上発生し、前述の加熱装置600、冷却装置70、水冷装置800による追従が困難になる場合があった。また、この変形は硬化熱処理後も残留し、この変形を冷間で機械矯正する場合には、多大の費用と長時間の作業が必要であった。
更に、硬化処理後の特殊断面レールの変形が大きい場合は、矯正するのにレールを大きく下方向や横方向に曲げる必要があり、場合によっては矯正作業中にレール破断が発生する可能性があった。
また、矯正後の特殊断面レールにはレール矯正時に発生した残留応力が残り、特にレール顎下やレール底部にはレール長手方向にレール疲労強度と同程度の約300MPaの大きな引張残留応力が残る場合があった。
このような場合は、残留応力軽減のため、硬化熱処理と矯正が終了した特殊断面レール全体を大型電気炉等で300〜500℃まで再度加熱して、残留応力低減処理をする必要があった。
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、特殊断面レールの頭部硬化熱処理を行うに際して、熱処理中の特殊断面レールの変形を抑制することが可能な特殊断面レールの連続頭部硬化熱処理方法及び熱処理装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1は、熱処理装置に対して列車車輪が接触する側だけレール頭部が切削加工されることで一端側から他端側に向かい断面積が増大し断面が変化して一様でないレール(特殊断面レール)を相対的に移動して前記レールの硬化熱処理を行う特殊断面レールの連続頭部硬化熱処理方法であって、次の各工程を含むことを特徴としている。
レール頭部加熱工程。このレール頭部加熱工程は、特殊断面レールのレール頭部を硬化熱処理するために加熱するものである。
レール底部加熱工程。このレール底部加熱工程は、レール頭部の加熱により生じる頭部の膨張に対してレール変形防止のためにレール底部を加熱するものである。
空冷工程。この空冷工程は、前記レール頭部の表面温度が500℃以下になるまで5〜3℃/秒の迅速な冷却速度で強制空冷するとともに、前記レール底部を2〜0.5℃/秒のやや遅い冷却速度で強制空冷するものである。
選択冷却工程。この選択冷却工程は、レール頭部表面温度が500℃以下の温度からは、加熱された前記特殊断面レールの湾曲具合に応じて強制空冷するレール部位を選択して冷却するものである。
請求項2の特殊断面レールの連続頭部硬化熱処理方法は、熱処理装置に対して列車車輪が接触する側だけレール頭部が切削加工されることで一端側から他端側に向かい断面積が増大し断面が変化して一様でないレール(特殊断面レール)を相対的に移動して前記レールの硬化熱処理を行う方法であって、次の工程を含むことを特徴としている。
レール頭部加熱工程。このレール頭部加熱工程は、特殊断面レールのレール頭部を硬化熱処理するために加熱するものである。
空冷工程。この空冷工程は、前記レール頭部の表面温度が500℃以下になるまで5〜3℃/秒の迅速な冷却速度で強制空冷するとともに、この空冷工程中において前記レール底部を2〜0.5℃/秒のやや遅い冷却速度で強制空冷するレール底部冷却工程を含むものである。
選択冷却工程。この選択冷却工程は、レール頭部表面温度が500℃以下の温度からは、加熱された前記特殊断面レールの湾曲具合に応じて強制空冷するレール部位を選択して冷却するものである。
請求項3は、列車車輪が接触する側だけレール頭部が切削加工されることで一端側から他端側に向かい断面積が増大し断面が変化して一様でないレール(特殊断面レール)を相対的に移動させて前記レールの硬化熱処理を行う熱処理装置であって、次の構成を含むことを特徴としている。
搬送手段。この搬送手段は、特殊断面レールを水平方向に搬送するものである。
レール頭部加熱手段。このレール頭部加熱手段は、特殊断面レールのレール頭部を硬化熱処理するために加熱するものである。
上下方向寸法測定手段。この上下方向寸法測定手段は、前記レール頭部加熱手段通過後における特殊断面レールの上下方向の湾曲具合を測定するものである。
レール底部加熱手段。このレール底部加熱手段は、上下方向寸法測定手段による測定値により前記特殊断面レールのレール底部を前記レール頭部の加熱により生じる頭部の膨張に対してレール変形防止のために加熱するものである。
レール頭部冷却手段。このレール頭部冷却手段は、前記レール頭部の表面温度が500℃以下になるまで5〜3℃/秒の迅速な冷却速度で強制空冷するものである。
レール底部冷却手段。このレール底部冷却手段は、前記レール底部を2〜0.5℃/秒のやや遅い冷却速度で強制空冷するものである。
左右方向寸法測定手段。この左右方向寸法測定手段は、特殊断面レールの左右方向の湾曲具合を測定するものである。
選択冷却手段。この選択冷却手段は、前記左右方向寸法測定手段による計測値により強制空冷するレール部位を選択して冷却するものである。
上述の特殊断面レールの連続頭部硬化熱処理方法によれば、特殊断面レールの頭部硬化熱処理を行うに際して、レール頭部の加熱中、若しくは加熱を行った後から冷却終了の間に、レール底部の冷却、並びに腹部の冷却を行い、熱処理中のレールの縦方向の変形と、横方向の変形を10mm以内に制御することで、レール矯正後のレールの引張残留応力の大きさを低減することができる。
すなわち、本発明方法によれば、熱処理後のレールの縦と横方向の変形がほとんどなくなるので、機械での矯正が容易になり短時間で矯正作業を行うことができるとともに、矯正中のレール破断の発生も防止することができる。
また、矯正量を少なくすることができるので、矯正後でも特殊断面レールに大きな残留応力が発生しない。このため、残留応力軽減処理を施す必要がない。
熱処理中のレールの変形(曲がり)が少ないので、従前の方法では困難であった15m以上の長さのレールについても支障無く頭部硬化熱処理を行うことが可能となった。
したがって本発明方法および装置によれば、残留応力の少ない高品質の特殊断面の頭部硬化熱処理レールを短時間で経済的に得ることができる。
本発明の実施の形態の一例としての特殊断面レールの連続頭部硬化熱処理方法について、図1〜図3を参照しながら説明する。
初めに、特殊断面レールの連続頭部硬化熱処理方法を行うための熱処理装置の概略構成について説明する。
特殊断面レールの連続頭部硬化熱処理方法を行うための熱処理装置は、特殊断面レール1のレール頭部を加熱する頭部予熱装置10a,頭部加熱装置10bと、レール底部を加熱する底部加熱装置20a,20b,20cと、レール頭部を冷却する頭部冷却装置30a,31aと、レール底部を冷却する底部冷却装置30d,31dと、前記頭部冷却装置31a及び底部冷却装置31dによる強制空冷するレール部位を選択して冷却するための選択冷却手段(第2頭部冷却装置31a,第2腹部右冷却装置31b,第2腹部左冷却装置31c,第2底部冷却装置31d)と、前記頭部加熱手段通過後における特殊断面レールの上下方向の湾曲具合を測定する上下方向寸法測定装置(第1寸法測定器40,第2寸法測定器41,第3寸法測定器42,第5寸法測定器44,第6寸法測定器45,第8寸法測定器47,第10寸法測定器49)と、特殊断面レールの左右方向の湾曲具合を測定する左右方向寸法測定装置(第4寸法測定器43,第7寸法測定器46,第9寸法測定器48,第11寸法測定器50)と、前記各加熱装置、各冷却装置及び各測定装置に対して特殊断面レールを相対的に移動させるための搬送手段と、を有して構成されている。
頭部予熱装置10a,頭部加熱装置10bは、特殊断面レール1の頭部を硬化熱処理するための加熱を目的とするものである。底部加熱装置20a,20b,20cは、頭部加熱により生じた頭部の膨張に対して底部を加熱することで相殺しレール変形の防止を目的とするものである。
第1頭部冷却装置30aは、特殊断面レール1の頭部を硬化処理することを目的とし、5〜3℃/秒の迅速な冷却速度で強制空冷するように設定されている。第1底部冷却装置30d及び第2底部冷却装置31dは、レール底部が硬化しないように、2〜0.5℃/秒のやや遅い冷却速度で強制空冷するように設定されている。
第2頭部冷却装置31aは、特殊断面レール1の頭部を500℃以下の温度から100℃以下の温度に冷却するために、かつ、特殊断面レール1の変形を防止するため、第2底部冷却装置31dと同じ冷却速度(2〜0.5℃/秒)に設定されている。
以下、連続頭部硬化熱処理方法を行うための熱処理装置の各構成について、詳細に説明する。
搬送手段は、特殊断面レール1を搬送するための左右の案内レール2a,2bと、特殊断面レール1を載置して前記案内レール2a,2b上を移動する一対の台車3,3とを有して構成されるとともに、搬送速度が調整可能な制御装置を有して構成されている。案内レール2a,2bは水平に敷設されることで、従来例の図10と異なり、特殊断面レール1は水平方向に搬送されるようになっている。
台車3の底部には、案内レール2上を走行する車輪4が装着され、上面にはパイプ状のコ字型アーム部5が装着され、コ字型アーム部5の上面に特殊断面レール1の端部が置かれることで、一対の台車3,3で特殊断面レール1を架け渡すようになっている。
アーム部5のコ字型で囲まれた部分は、底部加熱装置及び底部冷却装置が支障なく通過できる空間が形成されている。また、パイプ状のアーム部5は、図4に示すように、アーム部下側側面よりアーム部5の温度上昇を避けるために冷却用の水が循環できるパイプ6が挿入された構造になっている。
そして、台車3,3は、一体化されるとともに駆動手段(図示せず)により適宜速度で図中の矢印方向に水平に移動するようになっている。
一対の台車3,3のアーム部5,5上に載置された特殊断面レール1が通過する上側位置に、頭部予熱装置10a、頭部加熱装置10bの順に搬送方向に沿って配置されている。頭部予熱装置10a及び頭部加熱装置10bの両方を必要としたのは、レール表面から内部にかけて温度勾配が付くような加熱を行うためである。
すなわち、後述する冷却工程による冷却は、冷却位置を制御し易いように圧縮空気による強制空冷により行われる。この圧縮空気による冷却能は水冷の場合に比較して低く、頭部全体(表面から内部まで)を1000℃まで加熱すると表層から深くなるほど冷却速度は遅くなり、レール内部の硬化は期待できない。そのため、圧縮空気で冷却する場合は、レール表層から内部に向けて温度勾配が付くような加熱が必要となるからである(なお、レール頭部の硬化熱処理は、頭頂中心の表層下20mm以上まで硬化することを目的としている)。
温度勾配を作る方法としては、頭部予熱装置10aでレール頭部全体を500〜600℃にした後、頭部加熱装置10bでレール頭部表層を急速加熱することにより、レール表面が約1000℃で、レール頭部の頭頂中心の表面下20mmにおける温度を600℃以上にすることができる。また、頭頂中心からその表面下20mmの間に約20℃の温度勾配を付与することができる。
頭部予熱装置10a及び頭部加熱装置10bは、図5に示すように、レール長手方向に並列に連結された複数個の小型加熱バーナー11で構成されている。各小型加熱バーナー11の下方表面には小径孔火口12が規則的に加工され、火口面が同一平面になるように配置されることで、特殊断面レール1の加熱を効率よく行うようになっている。
各小型加熱バーナー11の上面に位置するガス供給元にはガス圧力調整器13が取り付けられ、小型加熱バーナー11に供給するガス圧力を調整するようになっている。また、各小型加熱バーナー11上には冷却水が溜まる冷却室14がそれぞれ形成され、冷却水は両端の冷却室14にそれぞれ装着された水パイプ15により供給されている。
特殊断面レール1が通過する下側位置においては、前記頭部予熱装置10aに対して搬送先位置に第1底部加熱装置20aが配置され、頭部加熱装置に対応する位置に第2底部加熱装置20bがそれぞれ配置され、更に搬送先に第3底部加熱装置20cが配置されている。底部加熱装置として3個設けるのは、弱い火炎で確実に所望の温度まで加熱させるためである。
レール底部加熱の場合、その厚みが薄いので容易に加熱過多になり易いため、常に弱い火炎で加熱する必要がある。しかし、レール底部の厚みは8〜20mmとバラツキがあるため、一つの加熱装置だけでは所定の温度まで加熱できない場合がある。そのため、本実施例では第2底部加熱装置20bを主に使用し、第1底部加熱装置20aは補助的に使用し、第3底部加熱装置20cは変形防止の目的で使用する。
すなわち、頭部予熱装置10a,頭部加熱装置10b,第1底部加熱装置20a,第2底部加熱装置20bの加熱による変形を後述する第5寸法測定器44で測定し、その値が所定の値以上の場合のみレール底部を第3底部過熱装置20cで加熱して所定の変形量内にする。
第1底部加熱装置20a、第2底部加熱装置20b及び第3底部加熱装置20cは、図5に示した頭部加熱装置10と同様に、レール長手方向に並列に連結された複数個の小型加熱バーナー11で構成され、各小型加熱バーナー11の表面に小径孔火口12が規則的に加工し、火口面が同一平面になるように配置されることで、特殊断面レール1の底部の加熱を効率よく行うようになっている。
各加熱装置の配置場所より搬送先側には、加熱された特殊断面レールが通過する際に加熱装置からの熱を効率良く遮断するため、特殊断面レールが通過する周囲位置に、特殊断面レールの上方位置に頭部火炎仕切り26が、特殊断面レール1の腹部を挟む左右側面に腹部右火炎仕切り27及び腹部左火炎仕切り28が、特殊断面レール1の下方位置に底部火炎仕切り29がそれぞれ設置されている。
頭部火炎仕切り26は、水平位置に配置された耐熱材製支柱21に対して、短冊状の細長い耐熱材22をレール幅方向に並列に固定したもので、特殊断面レール1のレール頭部の上方から耐熱材22をレール上に垂らしてレール頭部側面まで覆い、頭部加熱装置10bの火炎を遮る構造となっている。耐熱材製支柱21は、その内部が空洞化され、支柱冷却用の水が循環できる構造となっている。
腹部右火炎仕切り27及び腹部左火炎仕切り28は、耐熱材21を特殊断面レール1のレール頭部下からレール底部上面上に垂らしてレール腹部と底部上面を覆うことで、頭部加熱装置10bの火炎を遮る構造となっている。
底部火炎仕切り29は、耐熱材22を特殊断面レール1のレール底部から下に垂らしてレール底部を覆うことで第3底部加熱装置20cの火炎を遮る構造となっている。
火炎仕切りに対して搬送側のレール頭部の上側には、第1頭部冷却装置30a及び第2頭部冷却装置31aが一定の間隔をおいて設置されている。間隔を置いて2個の冷却装置を設置するのは、冷却途中でレールの変形量を後述する第5寸法測定器47で正確に測定するためである。
なお、測定するときのレール頭頂面の温度は約500℃にしている。これは、レール頭部の硬さが変態点付近の冷却速度で決まり、500℃以下で強制空冷してもレール頭部硬さが変化しないこと、熱変形の大きさは温度の高さに比例するが、500℃は以後の冷却方法によりレールに変形を与えることも変形を抑えることもできる温度であること、との理由による。
また、第1頭部冷却装置30aの下でレール腹部の左右には第1腹部右冷却装置30b、第1腹部左冷却装置30cが、レール底面には第1底部冷却装置30dがそれぞれ配置されている。
同様に、第2頭部冷却装置31aの下でレール腹部の左右には第2腹部右冷却装置31b、第2腹部左冷却装置31cが、レール底面には第2底部冷却装置31dがそれぞれ配置されている。
第1腹部右冷却装置30b、第1腹部左冷却装置30c、第2腹部右冷却装置31b、第2腹部左冷却装置31cには、レール腹面に対して一定の距離に冷却面を位置させるために伸縮シリンダー38を設けることで、冷却面が腹部に追従できるように構成されている。
頭部冷却装置30a,31aは、図6に示されるように、複数(五個)の小型空冷ボックス32をレール長手方向に並列に連結して構成され、それぞれの小型空冷ボックスには、小径圧縮空気吐出孔33が規則的に加工され、それぞれの圧縮空気吐出面は下側に同一平面になるように配置されている。そして、小径圧縮空気吐出孔より吐出された圧縮空気が特殊断面レール1の頭部に当たることにより、レール頭部の強制冷却が行われる。
また、それぞれの小型空冷ボックス32に圧縮空気を供給するパイプ34が接続され、パイプ34の元には電磁開閉弁35と圧縮空気の圧力調整器36が装着され、コンプレッサーや大型ブロワ−(図示せず)から圧縮空気が供給されている。
腹部右冷却装置30b、31b及び腹部左冷却装置30c、31cは、図7に示されるように、二個の小型空冷ボックス32をレール長手方向に並列に連結して構成され、各小型空冷ボックス32には、小径圧縮空気吐出孔33が規則的に加工され、それぞれの圧縮空気吐出面は横側に同一平面になるように配置されている。そして、小径圧縮空気吐出孔より吐出された圧縮空気が特殊断面レールの腹部に当たることにより、レール腹部の強制冷却が行われる。電磁開閉弁35及び圧力調整器36が装着される構成は、上部冷却装置と同様である。
底部冷却装置30d、31dは、図8に示されるように、複数(五個)の小型空冷ボックス32を並列に連結した構成であり、圧縮空気吐出面33が上面に位置する構造のみが頭部冷却装置30a,31aと異なるものである。他の構成は頭部冷却装置と同じ構造であり、小径圧縮空気吐出孔より吐出された圧縮空気が特殊断面レール1の底部に当たることにより、レール底部の強制冷却が行われる。
特殊断面レール1が通過する上方及び下方には、各加熱装置により加熱する範囲を決めるための複数の寸法測定器が順に設置されている。すなわち、搬送される特殊断面レールの位置を正確に把握するために、搬送入口に位置する第1寸法測定器40と、第1寸法測定器40の下方に位置する第2寸法測定器41と、第1寸法測定器40より搬送先側に位置する第3寸法測定器42と、第1寸法測定器40より下側且つ側面側に位置する第4寸法測定器43がそれぞれ設置されている。
また、第1〜第4寸法測定器より搬送先側において、加熱された特殊断面レール1が通過する上方及び下方には、加熱されたレールの湾曲具合を測定するために複数の寸法測定器が順に設置されている。すなわち、搬送される特殊断面レールの頭部の位置を把握するための第5寸法測定器44と、第5寸法測定器44の搬送先側に位置する第6寸法測定器45と、第6寸法測定器45の下側且つ側面側に位置する第7寸法測定器46と、第6寸法測定器45より搬送先側に位置する第8寸法測定器47と、第8寸法測定器47より下側且つ側面側に位置する第9寸法測定器48と、第8寸法測定器47の搬送先側に位置する第10寸法測定器49と、第10寸法測定器49の下側且つ側面側に位置する第11寸法測定器50とがそれぞれ設置されている。
これら各寸法測定器は、図9に示されるように、市販の光距離センサ本体52の端面に装着された光距離センサ53が5〜10mm間隔で並列にレール横断面方向に配置され、各光距離センサ本体52からは光距離センサケーブル54が配線されている。この寸法測定器により、特殊断面レールのレール頭部における「案内レールの位置」「幅」「光距離センサから特殊断面レールまでの距離」等を測定するようになっている。また、各寸法測定器は、加熱火炎の影響を受けない場所に設置されている。
また、頭部予熱装置10aの搬送先位置上側、頭部加熱装置10bの搬送先位置上側、底部加熱装置20bの搬送先位置下側、底部加熱装置20cの搬送先位置下側、第1頭部冷却装置30aの搬送先位置上側、第10寸法測定器49の搬送先下側にそれぞれ放射温度計60,61,62,63,64,65がそれぞれ設置されることで、特殊断面レール1のレール温度の測定が行われるようになっている。
特殊断面レール1の搬送先側のレール上部には、水冷装置51が設置され、冷却水を特殊断面レール1の上面に散布させることにより常温まで冷却するようになっている。
次に、上述の装置を使用した特殊断面レールの連続頭部硬化熱処理方法による加熱及び冷却について説明する。
列車車輪が接触する側だけのレール頭部が切削加工された特殊断面レール1について、切削側と反対側の腹部が右案内レール2aと平行になるように台車3のアーム部5間に架け渡すように配置する。特殊断面レール1は、搬送手段により台車3が案内レール2a,2b上を走行することにより、頭部断面が大きい側から頭部予熱装置10aに搬送される。
頭部予熱装置10aの入口では、第1寸法測定器40により特殊断面レールの頭部幅と頭部位置が、第4寸法測定器43によりレール腹部と第4寸法測定器43との距離が、第2寸法測定器41により底部幅と底部位置がそれぞれ測定される。
頭部予熱装置10aでは、第1寸法測定器40が測定した頭部幅位置に相当する箇所の小型加熱バーナー11(図5)だけが各小型加熱バーナー11の火炎を調整する制御器(図示せず)を介して自動的に又は手動で駆動され、レール頭部箇所を加熱火炎で十分覆うことができる。この加熱により特殊断面レール1の頭部が500〜600℃まで加熱される。予熱温度の測定は、頭部予熱装置10aの出口に設置された非接触型の放射温度計60により行われる。
頭部予熱装置10aを通過した特殊断面レール1は、頭部加熱装置10bの入口で第3寸法測定器42により頭部幅と頭部位置が再度測定される。
頭部加熱装置10bにおいては、第3寸法測定器42が測定した頭部幅位置に相当する箇所の小型加熱バーナー11だけが自動的に又は手動で駆動され、レール頭部箇所を加熱火炎で十分覆うことができる。この加熱により特殊断面レールの頭部表面が1000℃まで加熱される。加熱温度の測定は、頭部加熱装置10bの出口に設置された非接触型の放射温度計61により行われる。加熱温度がやや低い場合には搬送手段の制御装置を介して台車3の搬送速度を遅くし、やや高い場合には搬送速度を速くすることにより加熱温度を調整することもできる。
第3寸法測定器42の位置では、第1寸法測定器40で測定されたレール頭部高さ測定値との比較を行い、測定値の差が10mm以上レール頭部が上方向に湾曲している場合については、第1底部加熱装置20aと第2底部加熱装置20bによりレール底部が300〜500℃まで加熱される。この加熱温度の確認は、第2底部加熱装置20bの出口で放射温度計62により行われる。
第1底部加熱装置20a及び第2底部加熱装置20bにおいては、第2寸法測定器41が測定したレール底部幅位置に対応する小型加熱バーナー11だけが駆動され、レール底部箇所を加熱火炎で十分覆うことができる。
第1底部加熱装置20aおよび第2底部加熱装置20bでの加熱に際しては、底部の肉厚が頭部に比べて薄いため、頭部予熱装置10a及び頭部加熱装置10bのような強い火炎でなく比較的に弱い火炎が用いられる。これは、底部の加熱の目的がレール底部を硬化熱処理することではなく、頭部予熱装置10a及び頭部加熱装置10bの頭部加熱による頭部の上方向の湾曲を、底部を加熱して膨張させることにより相殺してレール全体の変形を少なくすることが目的であるからである。
このため、レール種別が40Nレール〜60kgレールのように、レールの底部断面が大きくない場合で、10mm以上レール頭部が上方向に湾曲した場合は第2底部加熱装置20bだけが用いられる。
また、レール頭部の大半を切削加工した特殊断面レールで、レール頭部での上方向への湾曲が10mm以内の場合には、第1底部加熱装置20a及び第2底部加熱装置20bは使用しない(レール底部の加熱を行わない)。
また、第2底部加熱装置20bだけではレール底部を300℃まで加熱できない底部断面の大きな80Sレール、CR73クレーンレール、CR100クレーンレール、クロッシングノーズレール等の場合には、第1底部加熱装置20aがレール底部の予熱用として用いられる。
放射温度計62で測定された温度が低い場合には、第1底部加熱装置20a及び第2底部加熱装置20bに送られるガス圧力が増加し、レール底部の加熱温度が上げられる。
頭部加熱装置10bを通過した特殊断面レールは第5寸法測定器44によりレール頭部高さ測定値が測定され、この測定値と第1寸法測定器40でのレール頭部高さ測定値との比較を行い、測定値の差が10mm以上ある場合で、底部が既に300〜500℃まで加熱されている場合には、第3底部加熱装置20cの小型バーナー11によりレール底部が700℃まで加熱される。
また、第1底部加熱装置20a及び第2底部加熱装置20bを使用していない場合は、第3底部加熱装置20cの小型加熱バーナー11によりレール底部が300〜500℃まで加熱される。加熱温度の確認は、第3底部加熱装置20cの出口で放射温度計63により行われる。
第3底部加熱装置20cにおいては、第2寸法測定器41が測定したレール底部幅位置に対応する小型加熱バーナー11だけが駆動され、レール底部箇所を加熱火炎で十分覆うことができる。
第1底部加熱装置20a、第2底部加熱装置20b及び第3底部加熱装置20cでは、底部加熱温度を700℃以上にしない。これは加熱後に行われる強制空冷により底部が硬化する可能性を排除するためである。この底部加熱により強制空冷装置に入る特殊断面レール1の頭部上方向の湾曲量は10mm以内になる。
なお、通常の60kg偏断面レールの場合、頭部加熱装置10bの出口において、レール頭部での上方向への湾曲は、長さ10mのレールで頭部と底部の温度差が500℃の場合は約10mm、700℃では14mm、900℃では18mmになる。このため、頭部と底部の温度差はできるだけ少なくする必要がある。
続いて、特殊断面レール1は火炎仕切り26,27,28,29に案内される。各火炎仕切り26,27,28,29は耐熱材で形成され特殊断面レール1の全周を覆う位置に配置されているので、頭部加熱装置10bと第3底部加熱装置20cの火炎が、加熱後に引き続き行われる強制空冷に使用する冷却装置に当たらないように遮断される。
各火炎仕切り26,27,28,29を通過した特殊断面レール1は、第6寸法測定器45によりレール頭部高さ、頭部幅、頭部位置の測定が行われた後に、第1頭部冷却装置30aに案内されて強制空冷が行われる。第1頭部冷却装置30aの小径圧縮空気吐出孔33より吐出された圧縮空気が特殊断面レール1のレール頭部に当たることによりレール頭部の強制空冷が行われる。この時、レール頭部表面における冷却速度は、レール硬化を目的とするため、800℃から500℃間で5〜3℃/秒と非常に早くなるように、高い圧力の圧縮空気が使用される。
また、第1頭部冷却装置30aにおける各小型空冷ボックス32は、第6寸法測定器45で測定されたレール頭部箇所を圧縮空気のシャワーで十分に覆うことができるように、第6寸法測定器45が測定した頭部幅位置に相当する箇所の小型空冷ボックス32だけが強制空冷に使用される。
第6寸法測定器45により測定されたレール頭部高さは、第1寸法測定器40でのレール頭部高さと比較され、レール頭部での上方向への湾曲量が+5mm以下(頭部側に突出している状態が+となる)の場合のみ第1底部冷却装置30dによりレール底部が強制空冷される。
これは、第1頭部冷却装置30aでの強制空冷においては、800℃から500℃間で5〜3℃/秒の早い冷却速度にしているため、レール頭部の収縮量が大きく、特殊断面レール1のレール頭部の大きさにもよるが、800℃から〜500℃に冷却する間に約5〜15mmレールが下側に湾曲するためである。すなわち、このまま頭部の強制空冷を行うとレール頭部は底部側に湾曲した形状になる。
しかし、熱処理後、レールを真っ直ぐになるように矯正する際には、僅かに頭部側に湾曲している方が作業を容易にするので、熱処理に際しては僅かに頭部側を+に湾曲させておく必要がある。
すなわち、レールが上方向(+側)に湾曲している場合は、三点曲げ(底部に支点を二つセットし、その底部間の中央の頭部に力を加える方法)により、レール頭部を圧縮するように曲げてレールを真っ直ぐにするに際して、レール底部は硬くなっていないので曲げ易く、またレール底部の幅は頭部より広いので曲がりを矯正する機械を安定してセットできる。これに対してレールが下方向(−側)に湾曲している場合は、三点曲げ(頭部に支点を二つセットし、その頭部間の中央の底部に力を加える方法)により、レール頭部を引っ張るように曲げてレールを真っ直ぐにするに際して、レール頭部が硬くなっているので曲げ難く、またレール頭部が偏断面のため曲がりを矯正する機械を安定してセットするのが困難である。
したがって、底部を強制空冷して収縮させて頭部を湾曲させることにより、頭部強制空冷時の頭部の下方向への湾曲を若干相殺してレール全体の変形を少なくすることができる。
第1底部冷却装置30dでの強制空冷には、頭部冷却装置で使用されるような高い圧力の圧縮空気ではなく、レール底部が硬化しないように、レール底部の表面での冷却速度が2℃/秒以下(2〜0.5℃/秒)になるような低圧力の圧縮空気が使用される。底部が700℃まで加熱された場合と、300〜500℃まで加熱された場合とでは、第1底部冷却装置30dでの底部強制空冷による頭部を上方向に湾曲させる程度は異なるが、この強制空冷により、レール頭部を上方向に約5mm湾曲することができる。
また、第7寸法測定器46により、特殊断面レール1のレール腹部と第7寸法測定器46間の距離測定を行って、その測定値と第4寸法測定器43の測定値との比較が行われる。
第7寸法測定器46の測定値が+5mmより大きい場合は、第1腹部右冷却装置30bにより特殊断面レール1の腹部が強制空冷される。この場合、第1腹部左冷却装置30cは使用しない。
第1腹部右冷却装置30bの小径圧縮空気吐出孔33より吐出された圧縮空気が特殊断面レール1の腹部に当たることにより、第1腹部右冷却装置30b側の腹部の強制空冷が行われ、その腹部表面が収縮することにより、腹部の横曲がりが修正されて少なくなる。
なお、腹部表面の冷却速度は1℃/秒以下になるように圧縮空気の圧力が調整されている。
この時、第1腹部右冷却装置30bと第1腹部左冷却装置30cの圧縮空気吐出面積位置は、レール腹部の厚みが変化しても常にレール頭部側面より10〜30mm離れた位置になるように、第6寸法測定器45で測定した頭部幅と位置に合わせて、第1腹部右冷却装置30bと第1腹部左冷却装置30cの後ろに設置されている伸縮シリンダー38を伸縮させることで、圧縮空気吐出面がレール腹部に追従するようにしている。
また、第7寸法測定器46の測定値が−5mmより大きい場合は、第1腹部左冷却装置30cにより特殊断面レール1の腹部が強制空冷される。この場合、第1腹部右冷却装置30bは使用しない。
第1腹部左冷却装置30cの小径圧縮空気吐出孔33より吐出された圧縮空気が特殊断面レール1の腹部に当たることにより、腹部冷却装置側の腹部の強制空冷が行われ、その腹部表面が収縮することにより腹部の横曲がりが修正されて少なくなる。
この時の腹部表面の冷却速度は1℃/秒以下になるように圧縮空気の圧力が調整されている。
これにより、第1頭部冷却装置30aの出口で、特殊断面レール1はレール頭部が上方向に10mm以下の湾曲した状態で搬出される。
第1の各冷却装置を出た特殊断面レール1は、放射温度計64でレール頭頂面の温度が測定される。この時の温度が500℃以上の場合は、第1頭部冷却装置30aの圧縮空気圧力が上げられ、レール頭部の強制空冷が促進される。
次に、特殊断面レール1は第8寸法測定器47と第9寸法測定器48によりレール各部の位置等が測定された後、次段(第2)の冷却装置(選択冷却装置)(第2頭部冷却装置31a,第2腹部右冷却装置31b,第2腹部左冷却装置31c,第2底部冷却装置31d)に案内され、500℃以下の温度からの第8寸法測定器47,第9寸法測定器48により測定した湾曲量に応じてレール部位を選択して常温近くまでの強制空冷が行われる。
第2頭部冷却装置31aの各小型空冷ボックス32においては、第8寸法測定器47で測定されたレール頭部箇所を圧縮空気のシャワーで十分に覆うことができるように、第8寸法測定器47が測定した頭部幅位置に相当する箇所の小型空冷ボックス32だけが強制空冷に使用される。
第8寸法測定器47により測定されたレール頭部高さは、第1寸法測定器40でのレール頭部高さと比較されて、レール頭部での上方向への湾曲量が+3mmの場合は、第2頭部冷却装置31aと第2底部冷却装置31dには同じ圧力の圧縮空気が使用され、レール頭部と底部は同じ冷却速度で常温まで冷却される。
湾曲量が+3mmより大きい場合は、その量に応じて第2頭部冷却装置31aの圧力が第2底部冷却装置31dの圧力より上げられる。これにより、底部および頭部の冷却がより促進されて湾曲量が少なくなる。
なお、レール各部の温度は各冷却装置での強制空冷によりレールの過冷変態点600〜650℃を下回っているため、各冷却装置の強制空冷によりレールが硬化することはない。
また、第9寸法測定器48では、特殊断面レール1のレール腹部と第9寸法測定器48間の距離測定を行って、その測定値と第4寸法測定器43の測定値との比較が行われる。
第9寸法測定器48の測定値が+3mmより大きい場合は、第2腹部右冷却装置31bにより特殊断面レール1の腹部が強制空冷される。この場合、第2腹部左冷却装置31cは使用しない。
第2腹部右冷却装置31bの小径圧縮空気吐出孔33より吐出された圧縮空気が特殊断面レール1の腹部に当たることにより、第2腹部右冷却装置側31bの腹部の強制空冷が行われ、その腹部表面が収縮することにより腹部の横曲がりが修正されて少なくなる。
この時の腹部表面の冷却速度は1℃/秒以下になるように圧縮空気の圧力が調整されている。
また、第9寸法測定器48の測定値が−3mmより大きい場合には、第2腹部左冷却装置31cにより特殊断面レールの腹部が強制冷却される。この場合、第2腹部右冷却装置31bは使用しない。
第2腹部右冷却装置31bの小径圧縮空気吐出孔33より吐出された圧縮空気が特殊断面レール1の腹部に当たることにより、第2腹部左冷却装置31c側の腹部の強制空冷が行われ、その腹部表面が収縮することにより腹部の横曲がりが修正されて少なくなる。
また、腹部表面の冷却速度は1℃/秒以下になるように圧縮空気の圧力が調整されている。
この時、第2腹部右冷却装置31bと第2腹部左冷却装置31cの圧縮空気吐出面位置は、レール腹部の厚みが変化しても常にレール頭部側面より10〜30mm離れた位置になるように、第8寸法測定器47で測定した頭部幅と位置に合わせて、第2腹部右冷却装置31bと第2腹部左冷却装置31cの後ろに設置されている伸縮シリンダー38を伸縮させることでレール腹部に追随させている。
各冷却装置から出てきた特殊断面レールの温度は放射温度計65で測定され、100℃以上の温度の時は、第2頭部冷却装置31aの圧縮空気圧力が均等に上げられ、レール全体空冷が推進される。
100℃以下の温度になった特殊断面レール1は水冷装置51により常温まで冷却される。これは100℃以下からの水冷では、レールの湾曲が発生しないとの理由による。また、残留応力の変化も皆無であるためである。
上述した連続頭部硬化熱処理によれば、熱処理後のレール頭部の上方向への湾曲量は、25mの特殊断面レールの場合で、全長で+3〜8mm、横方向の曲がりは±5mm以内となった。
これにより、熱処理後の冷間矯正作業が容易に、且つ短時間で行うことができるようになった。また、曲がり矯正後のレール残留応力値は、レール長手方向の引張応力で最大98MPa以下となり、従来の方法に比べて大幅に低減した。
上述した特殊断面レールの連続頭部硬化熱処理方法によれば、硬化熱処理中に発生する特殊断面レールの変形を常に10mm以下にするように制御を行うことにより、熱処理後の変形量を10mm以内にすることが可能となる。その結果、熱処理後の冷間矯正作業が容易になり、且つ短時間で行うことができる。
また、レールの引張残留応力を低減し品質の高い特殊断面レールを製造することができる。
本発明の特殊断面レールの連続頭部硬化熱処理方法を行うための装置の概略構成を示す斜視構成説明図である。 本発明の特殊断面レールの連続頭部硬化熱処理方法を行うための装置の概略構成を示す正面構成説明図である。 本発明の特殊断面レールの連続頭部硬化熱処理方法を行うための装置の概略構成を示す側面構成説明図である。 アーム部の内部を説明するための構造説明図である。 特殊断面レールの頭部又は底部を加熱する加熱装置の構造説明図である。 特殊断面レールの頭部を強制空冷する頭部冷却装置の構造説明図である。 特殊断面レールの腹部を強制空冷する腹部冷却装置の構造説明図である。 特殊断面レールの底部を強制空冷する底部冷却装置の構造説明図である。 本発明方法で使用される寸法測定器の平面説明図である。 従来の熱処理方法を説明するための構成説明図である。
符号の説明
1 特殊断面レール
2a 右案内レール
2b 左案内レール
3 台車
4 車輪
5 アーム部
6 パイプ
10a 頭部予熱装置
10b 頭部加熱装置
11 小型加熱バーナー
12 小径孔火口
20a 第1底部加熱装置
20b 第2底部加熱装置
20c 第3底部加熱装置
26 頭部火炎仕切り
27 腹部右火炎仕切り
28 腹部左火炎仕切り
29 底部火炎仕切り
30a 第1頭部冷却装置
30b 第1腹部右冷却装置
30c 第1腹部左冷却装置
30d 第1底部冷却装置
31a 第2頭部冷却装置
31b 第2腹部右冷却装置
31c 第2腹部左冷却装置
31d 第2底部冷却装置
32 小型空冷ボックス
33 小径圧縮空気吐出孔
40 第1寸法測定器
41 第2寸法測定器
42 第3寸法測定器
43 第4寸法測定器
44 第5寸法測定器
45 第6寸法測定器
46 第7寸法測定器
47 第8寸法測定器
48 第9寸法測定器
49 第10寸法測定器
50 第11寸法測定器
51 水冷装置
52 光距離センサ本体
53 光距離センサ
54 光距離センサケーブル
60 放射温度計
61 放射温度計
62 放射温度計
63 放射温度計
64 放射温度計
65 放射温度計
100 台車
200 連結部
300 送りワイヤ
400 駆動モータ
500 走行レール
600 加熱装置
700 冷却装置
800 水冷装置

Claims (3)

  1. 熱処理装置に対して列車車輪が接触する側だけレール頭部が切削加工されることで一端側から他端側に向かい断面積が増大し断面が変化して一様でないレール(特殊断面レール)を相対的に移動して前記レールの硬化熱処理を行う方法であって、
    特殊断面レールのレール頭部を硬化熱処理するために加熱するレール頭部加熱工程と、
    レール頭部の加熱により生じる頭部の膨張に対してレール変形防止のためにレール底部を加熱するレール底部加熱工程と、
    前記レール頭部の表面温度が500℃以下になるまで5〜3℃/秒の迅速な冷却速度で強制空冷するとともに、前記レール底部を2〜0.5℃/秒のやや遅い冷却速度で強制空冷する空冷工程と、
    レール頭部表面温度が500℃以下の温度からは、加熱された前記特殊断面レールの湾曲具合に応じて強制空冷するレール部位を選択して冷却する選択冷却工程と
    を具備することを特徴とする特殊断面レールの連続頭部硬化熱処理方法。
  2. 熱処理装置に対して列車車輪が接触する側だけレール頭部が切削加工されることで一端側から他端側に向かい断面積が増大し断面が変化して一様でないレール(特殊断面レール)を相対的に移動して前記レールの硬化熱処理を行う方法であって、
    特殊断面レールのレール頭部を硬化熱処理するために加熱するレール頭部加熱工程と、
    前記レール頭部の表面温度が500℃以下になるまで5〜3℃/秒の迅速な冷却速度で強制空冷する空冷工程と、
    前記空冷工程中において前記レール底部を2〜0.5℃/秒のやや遅い冷却速度で強制空冷するレール底部冷却工程と、
    レール頭部表面温度が500℃以下の温度からは、加熱された前記特殊断面レールの湾曲具合に応じて強制空冷するレール部位を選択して冷却する選択冷却工程と
    を具備することを特徴とする特殊断面レールの連続頭部硬化熱処理方法。
  3. 列車車輪が接触する側だけレール頭部が切削加工されることで一端側から他端側に向かい断面積が増大し断面が変化して一様でないレール(特殊断面レール)を相対的に移動させて前記レールの硬化熱処理を行う熱処理装置であって、
    特殊断面レールを水平方向に搬送する搬送手段と、
    特殊断面レールのレール頭部を硬化熱処理するために加熱するレール頭部加熱手段と、
    前記レール頭部加熱手段通過後における特殊断面レールの上下方向の湾曲具合を測定する上下方向寸法測定手段と、
    該上下方向寸法測定手段による測定値により前記特殊断面レールのレール底部を前記レール頭部の加熱により生じる頭部の膨張に対してレール変形防止のために加熱するレール底部加熱手段と、
    前記レール頭部の表面温度が500℃以下になるまで5〜3℃/秒の迅速な冷却速度で強制空冷するレール頭部冷却手段と、
    前記レール底部を2〜0.5℃/秒のやや遅い冷却速度で強制空冷するレール底部冷却手段と、
    特殊断面レールの左右方向の湾曲具合を測定する左右方向寸法測定手段と、
    該左右方向寸法測定手段による計測値により強制空冷するレール部位を選択して冷却する選択冷却手段と
    を具備することを特徴とする熱処理装置。
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