JP4675668B2 - 自動車用計器板 - Google Patents

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本発明は、自動車用計器板に係り、特に、スクリーン印刷によって形成された金属疑似表面を有する自動車用計器板の新規な構造に関するものである。
一般に、自動車には、スピードメータやタコメータ、水温計等、幾つかの種類の計器が装備されている。これら各種の計器の基板たる自動車用計器板は、通常、合成樹脂材料を用いて作製されているのであるが、近年における自動車の高級化志向の高まりに伴って、例えば、高級乗用車等に装備される計器板は、重厚的な印象や高級感を与え得る金属製であることが望まれるようになってきている。
そこで、金属表面を擬似的に表現した、所謂金属疑似表面がスクリーン印刷によって形成されたスクリーン印刷物にて自動車用計器板を作製し、これを金属製の計器板の代用品として使用することが、一部で行われている。この金属疑似表面を有する計器板は、よく知られているように、ポリカーボネート製やアクリル樹脂製の透明な樹脂平板や透明なガラス平板等からなる被印刷シートの表面や裏面に、アルミニウムや真鍮等の金属色(銀色や金色)を有して、光の反射により金属光沢を発揮するインキをスクリーン印刷にてべた塗りすることにより、被印刷シートの表面側から照射される光を反射して、金属光沢を発するインキ層を形成してなるもので、このインキ層が形成された被印刷シートの表面が、金属疑似表面として構成されている。このような金属疑似表面を有する自動車用計器板にあっては、実際に金属材料を用いて作製された計器板に比して、優れた成形性や軽量性、更にはコスト性等が有利に発揮され得るのである。
かかる状況下、上述の如き金属疑似表面を有するスクリーン印刷物において、よりリアルな質感を出すために、機械加工により切削された金属表面を擬似的に表現する技術が、提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
すなわち、この提案技術は、所定の合成樹脂製の透明な平板からなる被印刷シートの表面と裏面の両方の面上に、同一の幅の多数の同心円が一定のピッチで描かれる同心円状模様(スピン模様)を有する第一のスピンパターンと第二のスピンパターンとを、それぞれ、表面上と裏面上とにおいて対応位置するように、スクリーン印刷により印刷形成すると共に、被印刷シートの裏面上に形成された第二のスピンパターン上に、金属光沢を発するメタリックインキをべた塗りし、メタリックインキ層を形成したものである。そして、このような技術によれば、メタリックインキ層にて発せられる金属光沢と、第一及び第二のスピンパターンのスピン模様とによって、機械加工による切削によりスピン模様が形成された金属表面が、被印刷シートの表面において、十分に高い質感をもって一層リアルに表現され得るのである。
ところが、かくの如き従来の技術を利用して、被印刷シートの表面に金属疑似表面を形成した場合、かかる金属疑似表面上に、実際の金属表面には現れることのない模様のモアレが生ずることが避けられなかった。
従って、そのような従来技術によって金属疑似表面が形成されてなる自動車用計器板にあっては、金属疑似表面において、リアルな質感が表現され得るものの、モアレによる外観不良が不可避的に発生せしめられることとなり、それが極めて大きな問題となっていたのである。
特開2001−113899号公報
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、金属疑似表面を有する自動車用計器板において、機械加工による切削によりスピン模様が形成された金属表面が、金属疑似表面により、十分に高い質感をもって、一層リアルに、しかもモアレによる外観不良を何等生ぜしめることなく、有利に表現され得るようにした新規な構造を提供することにある。
そして、本発明にあっては、かかる課題の解決のために、その要旨とするところは、金属表面を擬似的に表現する金属疑似表面を備えた自動車用計器板において、(a)透明な平板からなる被印刷シートと、(b)該被印刷シートの表面に、光の反射により金属光沢を発するインキがスクリーン印刷によりべた塗りされて形成されたインキ層からなり、該被印刷シートの表面側から照射される光を反射して、金属光沢を発することにより、該被印刷シートの表面を前記金属疑似表面と為す光反射層と、(c)前記被印刷シートの表面における前記光反射層の形成部位に対応する該被印刷シートの裏面部分の全面に、不透明なインキがスクリーン印刷によりべた塗りされて形成されたインキ層からなり、前記被印刷シートの表面側からの照射光が該光反射層を透過することを阻止して、該光反射層による光の反射量を増大せしめる遮光層と、(d)前記光反射層の上に、光透過性を有するインキを用いたスクリーン印刷により印刷形成されたパターンであって、且つ互いに異径の切れ目のない多数の円が、同心上で互いに同一の線幅と一定のピッチとをもって描かれた規則的な同心円状模様を有する第一のスピンパターンと、(e)該第一のスピンパターンの上に重畳するように、光透過性を有するインキを用いたスクリーン印刷により印刷形成されたパターンであって、且つ線幅とピッチの両方が、該第一のスピンパターンの前記規則的な同心円状模様を構成する前記円とは異なる円を含む互いに異径の多数の円か、若しくは1個又は複数個の切れ目を有し且つ線幅とピッチのうちの少なくとも何れか一方が、該規則的な同心円状模様を構成する円とは異なる円を含む互いに異径の多数の円が、同心上に描かれてなる不規則な同心円状模様を有する第二のスピンパターンとを備えると共に、前記第二のスピンパターンの前記不規則な同心円状模様を構成する互いに異径の多数の円のうちの何れか一つからなる基準円の中心が、前記第一のスピンパターンの前記規則的な同心円状模様を構成する互いに異径の多数の円の中心から、その径方向の一方向に偏寄するように位置せしめられた状態で、該第二のスピンパターンを該第一のスピンパターンの上に配設したことを特徴とする自動車用計器板にある。
この本発明に従う自動車用計器板にあっては、光反射層での光の反射作用と、遮光層による光反射層での反射光の増大作用とが相俟って、光反射層において、より鮮やかな金属光沢が発せられ得るようになる。
しかも、かかる自動車用計器板では、被印刷シートの表面上に、第一のスピンパターンと第二のスピンパターンとが、互いに位置ズレした状態で、後者を上側にして積層形成されているところから、第一のスピンパターンの規則的な同心円状模様を構成する多数の円と、第二のスピンパターンの不規則な同心円状模様を構成する多数の円とが、後者を上側にして、部分的に重なり合ったり、互いに交差した状態や、互いに隣り合って近接位置せしめられた状態で、何等の規則性をも有することなく、また互いに重合乃至は交差せしめられた部分とそれ以外の部分との間で、顕著で且つ複雑な高低差をもって描かれるようになる。そして、それによって、そのような多数の円からなる同心円状模様、つまりスピン模様が、より立体的に、しかもモアレの発生を有利に解消乃至は抑制しつつ、有利に形成され得る。
従って、かくの如き本発明に従う自動車用計器板にあっては、より鮮明な金属光沢を発する金属疑似表面が有利に形成され得ると共に、そのような金属疑似表面において、機械加工による切削によりスピン模様が形成された金属表面が、十分に高い質感をもって、一層リアルに、しかもモアレによる外観不良を何等生ぜしめることなく、極めて効果的に表現され得る。そして、その結果として、金属製の自動車用計器板に匹敵する高級感や重厚感が、更に一層有利に得られることとなるのである。
発明の態様
ところで、本発明は、少なくとも、以下に列挙する如き各種の態様において、好適に実施され得るものである。
<1> 金属表面を擬似的に表現する金属疑似表面を備えた自動車用計器板にして、(a)透明な平板からなる被印刷シートと、(b)該被印刷シートの表面に、光の反射により金属光沢を発するインキがスクリーン印刷によりべた塗りされて形成されたインキ層からなり、該被印刷シートの表面側から照射される光を反射して、金属光沢を発することにより、該被印刷シートの表面を前記金属疑似表面と為す光反射層と、(c)前記被印刷シートの表面における前記光反射層の形成部位に対応する該被印刷シートの裏面部分の全面に、不透明なインキがスクリーン印刷によりべた塗りされて形成されたインキ層からなり、前記被印刷シートの表面側からの照射光が該光反射層を透過することを阻止して、該光反射層による光の反射量を増大せしめる遮光層と、(d)前記光反射層の上に、光透過性を有するインキを用いたスクリーン印刷により印刷形成されたパターンであって、且つ互いに異径の切れ目のない多数の円が、同心上で互いに同一の線幅と一定のピッチとをもって描かれた規則的な同心円状模様を有する第一のスピンパターンと、(e)該第一のスピンパターンの上に重畳するように、光透過性を有するインキを用いたスクリーン印刷により印刷形成されたパターンであって、且つ線幅とピッチの両方が、該第一のスピンパターンの前記規則的な同心円状模様を構成する前記円とは異なる円を含む互いに異径の多数の円か、若しくは1個又は複数個の切れ目を有し且つ線幅とピッチのうちの少なくとも何れか一方が、該規則的な同心円状模様を構成する円とは異なる円を含む互いに異径の多数の円が、同心上に描かれてなる不規則な同心円状模様を有する第二のスピンパターンとを備えると共に、前記第二のスピンパターンの前記不規則な同心円状模様を構成する互いに異径の多数の円のうちの何れか一つからなる基準円の中心が、前記第一のスピンパターンの前記規則的な同心円状模様を構成する互いに異径の多数の円の中心から、その径方向の一方向に偏寄するように位置せしめられた状態で、該第二のスピンパターンを該第一のスピンパターンの上に配設したことを特徴とする自動車用計器板。
<2> 上記の態様<1>において、前記被印刷シートの表面における前記光反射層の形成部位の周囲に、光の反射により金属光沢を発することのない色を有する不透明なインキがスクリーン印刷にてべた塗りされることにより、金属光沢を発しないカラー層が形成されると共に、該カラー層の上に、該カラー層を形成するインキとは異なる不透明なインキがスクリーン印刷されることによって、目盛りが設けられていること。このような本態様によれば、目盛りの読取りが反射光によって阻害されるようなことが有利に防止され得て、一層良好な使用性が発揮され得るといった利点が得られる。
以下、本発明をより具体的に明らかにするために、本発明に係る自動車用計器板の構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1及び図2には、本発明に従う構造を有する自動車用計器板の一実施形態としての自動車用タコメータの基板が、その平面形態と縦断面形態とにおいて、それぞれ概略的に示されている。それらの図から明らかなように、本実施形態のタコメータ基板10は、被印刷シート12を有している。この被印刷シート12は、例えば、ポリカーボネートやアクリル樹脂等の樹脂材料やガラス材料等からなる透明な矩形薄肉平板にて、構成されている。
そして、そのような被印刷シート12の表面(図2では、被印刷シート12の上面)上には、カラー層13が、形成されている。このカラー層13は、光の反射により金属光沢を発することのない色を有する不透明なインキが、被印刷シート12の表面に対して、スクリーン印刷により円形にべた塗りされることによって形成されている。即ち、カラー層13は、透明な被印刷シート12の表面における所定大きさの円形領域部分を、所定の厚さをもって完全に覆うにように形成された、金属光沢を発しないインキ層にて、構成されているのである。
また、この円形のカラー層13の外周部には、多数の目盛り15が、形成されている。この目盛り15は、カラー層13を形成するインキとは異なる色を有する不透明なインキを用いて、カラー層13の外周部に、その周方向に等間隔を隔てて点在するようにスクリーン印刷された、放射状に延びる短い直線からなっている。
さらに、かかる被印刷シート12の表面上に設けられたカラー層13の上には、光反射層14が、積層形成されている。この光反射層14は、光の反射により金属光沢を発するインキが、カラー層13の中心部分に対して、スクリーン印刷により、カラー層13よりも小さな円形にべた塗りされることによって形成されている。即ち、光反射層14は、カラー層13の上面における前記多数の目盛り15が形成された外周部を除く円形領域部分を、所定の厚さをもって完全に覆うにように形成された、光の反射により金属光沢を発するインキ層にて、構成されているのである。
一方、被印刷シート12の裏面(図2では、被印刷シート12の下面)上には、遮光層16が、形成されている。この遮光層16は、不透明なインキが、被印刷シート12の裏面の全面、つまり被印刷シート12における光反射層14の形成側とは反対側の面の全面に対して、スクリーン印刷によりべた塗りされて形成された不透明インキ層によって、構成されている。換言すれば、遮光層16は、被印刷シート12の裏面側において、光反射層14を裏打ちする如き状態で、被印刷シート12を介して、光反射層14の裏面の全面を覆うように形成されており、それによって、被印刷シート12の表面側から照射された光が光反射層14を透過して、被印刷シート12の裏面側から漏れ出すのを遮断し得るようになっている。
かくして、ここでは、被印刷シート12の表面側から照射された光が、光反射層14で反射されて、かかる光反射層14において、金属光沢が発せられるようになっている。しかも、そのような光反射層14を透過した光の被印刷シート12の裏面側からの漏れ出しが遮光層16にて遮断されることで、光反射層14で反射される光の反射量が効果的に増大せしめられて、光反射層14上で、金属光沢が、より鮮明に発せられ得るようになっている。そして、これにより、被印刷シート12の表面における光反射層14の形成部位が、金属表面を十分なリアルさをもって擬似的に表現する金属疑似表面部分17とされている。また、このような金属疑似表面部分17の周囲に、それを取り囲むようにして、金属光沢を発しないドーナッツ状のカラー層13が設けられ、このドーナッツ状のカラー層13上に、多数の目盛り15が形成されるようになっているのである。
なお、光反射層14を与えるインキとしては、スクリーン印刷に用いられるスクリーンインキのうち、真鍮の微粉末を混和した金インキや、アルミニウムの微粉末を混和した銀インキ、更には金インキに赤インキや紺インキ、藍インキ等のインキを混ぜ合わせた混合インキ等、光の反射により金色や銀色、ブロンズ色等の金属光沢を発するインキ等が、光反射層14で表現されるべき金属色等に応じて、適宜に用いられる。また、カラー層13や、目盛り15、遮光層16をそれぞれ与えるインキは、各種のスクリーンインキの中から、例えば、白色や黒色等、不透明な色を有するものが適宜に選択されて、使用される。更に、それら光反射層14や遮光層16を与えるインキには、一般に、安価な溶剤型のものが用いられるが、そのようなインキの種別(タイプ)は、特に限定されるものでない。
また、光反射層14の厚さ(図2において、t1 にて示される寸法)や、遮光層16の厚さ(図2において、t2 にて示される寸法)、カラー層13(図2において、t3 にて示される寸法)の厚さも、何等限定されるものではないものの、それら各層14,16,13の厚さ:t1 ,t2 ,t3 は、何れも2μm以上とされていることが、望ましい。これによって、被印刷シート12の裏面側からの光反射層14の透過光の漏れが更に効果的に阻止されて、光反射層14において、より鮮やかな金属光沢が発せられることとなる。なお、それら光反射層14と遮光層16とカラー層13のそれぞれの厚さ:t1 ,t2 ,t3 の上限は、インキの無駄な使用により、各層14,16,13が必要以上に厚くならない程度において、適宜に決定される。
そして、本実施形態のタコメータ基板10にあっては、特に、被印刷シート12の表面に金属疑似表面部分17を形成する光反射層14の上に、互いに異なる同心円状模様を有する第一のスピンパターン18と第二のスピンパターン20とが積層形成されており、そこに、従来品には見られない大きな特徴が存しているのである。
すなわち、図1及び図2と、被印刷シート12の表面上に、第一のスピンパターン18のみが形成されたスクリーン印刷物の平面形態を示す図3とから明らかな如く、ここでは、被印刷シート12の表面上において光反射層14が形成される円形領域の略全体に、多数の同心円が密に描かれてなる同心円状模様が、光透過性を有するインキを用いて、スクリーン印刷されており、この同心円状模様を呈する印刷パターンによって、第一のスピンパターン18が、形成されている。
換言すれば、第一のスピンパターン18は、光透過性を有するインキを用いたスクリーン印刷により、被印刷シート12における円形の金属疑似表面部分17の略全体に形成された、互いに径が異なる、切れ目のない多数の第一円形凸条22を有し、また、それら多数の異径の第一円形凸条22が、円形の光反射層14の中心点を中心:O1 として、その周りに、同心円を描くように位置せしめられることによって、構成されている。
そして、このような第一のスピンパターン18を形成する多数の異径の第一円形凸条22は、何れも、同一の幅(図2において、w1 にて示される寸法)と、極めて狭い、一定のピッチ(図3において、P1 にて示される寸法)とを有しており、以て、そのような多数の第一円形凸条22からなる第一のスピンパターン18が、規則的な同心円状模様を呈するようになっているのである。
また、図1及び図2と、被印刷シート12の表面上に、第二のスピンパターン20のみが形成されたスクリーン印刷物の平面形態を示す図4とから明らかなように、被印刷シート12の金属疑似表面部分17上に形成された第一のスピンパターン18の上には、その全体に、かかる第一のスピンパターン18とは異なる同心円状模様を呈する第二のスピンパターン20が、光透過性を有するインキを用いたスクリーン印刷によって、形成されている。
つまり、この第二のスピンパターン20は、スクリーン印刷によって形成された、互いに径の異なる多数の第二円形凸状24を有している。また、かかる多数の異径の第二円形凸条24は、それらのうちで最も小さな径を有する基準円形凸条24aの中心:O2 を中心点として、その周りに、同心円を描くように位置せしめられることによって、構成されている。
さらに、そのような多数の第二円形凸条24にあっては、何れも、その幅(図2において、w2 にて示される寸法)が、第一のスピンパターン18における各第一円形凸条22の幅:w1 と同一の大きさとされているものの、それぞれのものにおける周上の無作為に選ばれた1個所或いは複数個所に、切れ目26が、不均一な長さで形成されており、また、ピッチ(図4において、P2 にて示される寸法)も、各第一円形凸条22のピッチ:P1 とは異なる大きさのものを含む不均一な大きさとされている。これによって、かかる多数の第二円形凸条24からなる第二のスピンパターン20が、多数の第一円形凸条22からなる第一スピンパターン18とは異なる不規則な同心円状模様を呈するようになっているのである。
そして、図1に示されるように、上記の如き不規則な同心円状模様を有する第二のスピンパターン20における基準円形凸条24aの中心:O2 、即ち、多数の第二円形凸条24の中心:O2 が、規則的な同心円状模様を有する第一のスピンパターン18における多数の第一円形凸条22の中心:O1 から、各第一円形凸条22の径方向における図1中の右側に、mにて示される寸法だけ偏寄して位置せしめられた状態で、第二のスピンパターン20が、第一のスピンパターン18の上に、重畳するように、形成されている。なお、図示されてはいないものの、ここでは、かかる第一のスピンパターン18上に形成された第二のスピンパターン20の上に、前記多数の目盛り15に対応した数字が、例えばそれらの目盛り15を与えるインキを用いた公知のスクリーン印刷によって、更に形成されることとなる。
かくして、ここでは、図1に示される如く、第一のスピンパターン18上への第二のスピンパターン20の積層状態下で、多数の第一円形凸条22と多数の第二円形凸条24とが、互いに交差したり、所定長さに亘って重なり合ったり、或いは径方向に互いに隣り合ったりして位置せしめられ、また、それらのうちで径方向に互いに隣り合うもの同士の間隔が、周方向に徐々に変化せしめられるようになっている。そして、その結果、図2に示されるように、金属疑似表面部分17上の不規則な位置に、第一円形凸条22と第二円形凸条24との重合せ部分が、最も高い高さと、第一円形凸条22の上面からなる段差部28とをもって形成され、また、第二円形凸条24が、かかる重合せ部分よりも低い高さをもって、更には、第一円形凸条22が、第二円形凸条24よりも更に低い高さをもって、それぞれランダムに位置するように形成されている。
このように、本実施形態では、金属疑似表面部分17上に、第一のスピンパターン18と第二のスピンパターン20とが、それぞれの中心:O1 ,O2 が不一致の状態で、積層形成されていることで、より多くの円形凸条22,24が、何等の規則性をも有することなく、しかも顕著で且つ複雑な高低差をもって、それぞれ形成されるようになっている。
それ故、本実施形態のタコメータ基板10においては、スクリーン印刷により積層形成される第一のスピンパターン18と第二のスピンパターン20のそれぞれの同心円状模様、つまり各スピン模様が、金属疑似表面部分17上に、より立体的に、しかもモアレを生ぜしめることなく、一層高い質感をもって形成され得て、かかる金属疑似表面部分17において、金属製品の上面に機械加工により形成されるスピン模様が、モアレによる外観不良を生ずることなく、十分な質感をもって、よりリアルに表現され得る。
従って、かくの如き本実施形態に係るタコメータ基板10にあっては、合成樹脂材料若しくはガラス材料からなる被印刷シート12を用いて形成されているにも拘わらず、機械加工によりスピン模様が表面に形成された金属製のタコメータ基板10に匹敵する高級感や重厚感が、極めて効果的に得られることとなるのである。
また、かかるタコメータ基板10においては、鮮明な金属光沢を発する金属疑似表面部分17の周囲に、金属光沢を発しないカラー層13が、ドーナッツ形状をもって形成されて、このカラー層13上に、多数の目盛り15が形成されているところから、目盛り15の読取りが反射光によって阻害されるようなことが有利に防止され得て、一層良好な使用性が発揮され得ることとなる。
なお、上記せる如き第一のスピンパターン18や第二のスピンパターン20を形成するインキとしては、スクリーン印刷に用いられるスクリーンインキのうち、光透過性を有する無色透明若しくは有色のインキが適宜に選択されて用いられるが、その中でも、例えば、紫外線硬化型の無色透明インキが、好適に使用される。かかるインキを用いることによって、光反射層14で発せられる金属光沢の鮮明性を損なうことなく、紫外線硬化型インキを使用した印刷特有の厚盛り印刷が可能となって、第一のスピンパターン18の各第一円形凸条22と第二のスピンパターン20の各第二円形凸条24とが、共に有利に厚肉化され、その結果として、第一及び第二のスピンパターン18,20におけるスピン模様がより鮮明化されて、金属疑似表面部分17において、金属製品の表面への機械加工によって形成されるスピン模様が、更に一層リアルな質感をもって表現され得ることとなる。
また、第一のスピンパターン18の各第一円形凸条22と第二のスピンパターン20の各円形凸条24の幅、つまり、第一のスピンパターン18におけるスピン模様の線幅:w1 と第二のスピンパターン20におけるスピン模様の線幅:w2 は、何れも、特に限定されるものではないものの、0.2〜0.5ポイント(0.07028〜0.1757mm)程度とされていることが望ましい。何故なら、0.2ポイント(0.07028mm)を下回るような極めて小さな線幅:w1 ,w2 を有する各スピンパターン18,20を印刷形成することは、現在のスクリーン印刷技術では困難であるからであり、また、各スピンパターン18,20の線幅:w1 ,w2 が0.5ポイント(0.1757mm)を上回る場合、各円形凸条22,24の幅が大きくなり過ぎて、金属疑似表面部分17上に、光透過性のインキをべた塗りしたのと同じような状態となり、互いに径の異なる円形凸条22,24が同心円を描いて、密に形成された各スピンパターン18,20のスピン模様が、十分に認識され難くなるからである。
さらに、第一のスピンパターン18の各第一円形凸条22間のピッチ:P1 、つまり第一のスピンパターン18を与える同心円状模様の同心円のピッチは、前記せる如く、一定の値とされるが、その値は、例えば、0.2〜0.8mmの範囲内における値が、選択される。何故なら、かかるピッチ:P1 が0.2mm未満であるようなスピンパターン18をスクリーン印刷によって印刷形成することが難しく、また、かかるピッチ:P1 が0.8mmを越えるようになると、隣り合う第一円形凸条22同士の間の隙間が過大となり、それによって、互いに径の異なる第一円形凸条22が同心円を描いて、密に形成されてなる第一のスピンパターン18のスピン模様の質感が低下せしめられるようになるからである。
また、第二のスピンパターン20の各第二円形凸条24間のピッチ:P2 、つまり第二のスピンパターン20を与える同心円状模様の同心円のピッチは、前記せる如く、不均一な値とされるが、その値は、第一のスピンパターン18の各第一円形凸条22間のピッチ:P1 と同様に、例えば、0.2〜0.8mmの範囲内の値と選択される。これは、上記と同様の理由による。そして、そのような範囲内の値の中から、複数種類の値が適宜に選択されることとなるのである。また、第一のスピンパターン18の多数の第一円形凸条22間のピッチ:P1 に対して、第二のスピンパターン20の多数の第二円形凸条24間のピッチ:P2 の全てのものが異なるようにされていても、或いは一部のもののみが異なるようにされていても良い。
さらに、第一のスピンパターン18の各第一円形凸条22の厚さ(図2において、t4 にて示される寸法)と第二のスピンパターン20の各第二円形凸条24の厚さ(図2において、:t5 にて示される寸法)も、適宜に選定されるところではあるものの、それらは、何れも、5μm以上とされていることが好ましい。それらの厚さ:t4 ,t5 が5μmを下回るようなスピンパターン18,20では、薄過ぎるために、スピン模様の鮮明さが損なわれるからである。また、それら第一のスピンパターン18の各第一円形凸条22の厚さ:t4 と第二のスピンパターン20の各第二円形凸条24の厚さ:t5 の各上限値は、何れも特定されるものでないものの、インキの無駄使いによって、各パターン18,20が必要以上に厚くならない程度において、それぞれ、適宜に定められることとなる。また、第二のスピンパターン20の各第二円形凸条24の厚さ:t5 は、第一のスピンパターン18の各第一円形凸条22の厚さ:t4 よりも大きくされていることが、望ましい。
更にまた、第二のスピンパターン20における各第二円形凸条24の周上の1個所又は複数個所に形成される切れ目26の長さも、特に限定されるものではなく、例えば、金属疑似表面部分17上での第二のスピンパターン20の形成領域の大きさ等によって、適宜に決定されるところではあるものの、かかる切れ目26の長さは、0.1〜30mm程度とされていることが、好ましい。何故なら、切れ目26の長さが0.1mmを下回る長さとされると、切れ目26が短過ぎて、かかる切れ目26の存在、更にはそれにより得られる第一及び第二円形凸条22,24の複雑な高低差が、十分に認識され得なくなってしまうからである。また、切れ目26の長さが30mmを越える長さとされている場合には、切れ目26が長過ぎるために、第二のスピンパターン20に対して繊細なスピン模様を与えることが困難となり、それによって、スピン模様の表現効果が著しく低下するといった不具合が生ずる恐れがあるからである。また、第二のスピンパターン20における多数の第二円形凸条24の全てのものにおいて、切れ目26が設けられていても、或いはそれらのうちの一部のもののみに切れ目26が設けられていても良い。
ところで、前記第一の実施形態では、第二のスピンパターン20の各第二円形凸条24が、第一のスピンパターン18における各第一円形凸条22の幅:w1 と同一の幅:w2 と、それら各第一円形凸条22のピッチ:P1 とは異なる大きさのものを含む不均一なピッチ:P2 と、周上の1個所又は複数個所に不均一な長さで設けられた切れ目26とを有して、構成されていたが、例えば、図5に示されるように、多数の第二円形凸条24が、第一のスピンパターン18における各第一円形凸条22の幅:w1 とは異なる大きさのものを含む不均一な幅:w2 と、周上の1個所又は複数個所に不均一な長さで設けられた切れ目26と、各第一円形凸条22のピッチ:P1 と同じ一定のピッチ:P2 とを有するように構成し、そして、そのような多数の第二円形凸条24にて、第二のスピンパターン20を構成するようにしても良い。かくの如き第二のスピンパターン20が、金属疑似表面部分17上に形成された第一のスピンパターン18の上に、重畳するように形成されることによっても、前記第一の実施形態と同様な作用・効果が有効に享受され得る。なお、ここでは、第一のスピンパターン18の多数の第一円形凸条22の幅:w1 に対して、第二のスピンパターン20の多数の第二円形凸条24の幅:w2 の全てのものが異なるようにされるか、若しくは一部のもののみが異なるようにされる。
また、例えば、図6に示されるように、多数の第二円形凸条24が、切れ目(26)のない円形状と、第一のスピンパターン18における各第一円形凸条22の幅:w1 とは異なる大きさのものを含む不均一な幅:w2 と、各第一円形凸条22のピッチ:P1 とは異なる大きさのものを含む不均一なピッチ:P2 とを有するように構成し、そして、そのような多数の第二円形凸条24にて、第二のスピンパターン20を構成するようにしても良い。なお、ここでは、第一のスピンパターン18の多数の第一円形凸条22の幅:w1 に対して、第二のスピンパターン20の多数の第二円形凸条24の幅:w2 の全てのものが異なるようにされるか、若しくは一部のもののみが異なるようにされる。また、第二のスピンパターン20の多数の第二円形凸条24のピッチ:P2 も、その全て、或いは一部のものが、第一のスピンパターン18の多数の第一円形凸条22のピッチ:P1 と異なるようにされる。
さらに、例えば、図7に示されるように、多数の第二円形凸条24が、第一のスピンパターン18における各第一円形凸条22の幅:w1 とは異なる大きさのものを含む不均一な幅:w2 と、周上の1個所又は複数個所に不均一な長さで設けられた切れ目26と、各第一円形凸条22のピッチ:P1 とは異なる大きさのものを含む不均一なピッチ:P2 とを有するように構成し、そして、そのような多数の第二円形凸条24にて、第二のスピンパターン20を構成するようにしても良い。なお、ここでも、第一のスピンパターン18の多数の第一円形凸条22の幅:w1 に対して、第二のスピンパターン20の多数の第二円形凸条24の幅:w2 の全てのものが異なるようにされるか、若しくは一部のもののみが異なるようにされる。また、第二のスピンパターン20の多数の第二円形凸条24のピッチ:P2 も、その全て、或いは一部のものが、第一のスピンパターン18の多数の第一円形凸条22のピッチ:P1 と異なるようにされる。
そして、図6や図7に示される如き構造を有する第二のスピンパターン20が、金属疑似表面部分17上に形成された第一のスピンパターン18の上に、重畳するように形成されることによっても、前記第一の実施形態と同様な作用・効果が有効に享受され得ることとなる。
なお、前記第一の実施形態では、第二のスピンパターン20における基準円形凸条24aの中心:O2 が、第一のスピンパターン18における多数の第一円形凸条22の中心:O1 から、その径方向における図1中の右側に所定寸法だけ偏寄して位置せしめられた状態で、第二のスピンパターン20が、第一のスピンパターン18の上に積層形成されていたが、そのような第二のスピンパターン20と第一のスピンパターン18の位置ズレ方向は、多数の第一円形凸条22の径方向であれば、何等これに限定されるものではない。また、第二のスピンパターン20を、第一のスピンパターン18の上に、そのような位置ズレなく積層形成するようにしても、何等差し支えない。
また、前記第一の実施形態では、被印刷シート12の表面上に、円形のカラー層13が形成されると共に、このカラー層13の上に、それよりも小さな径を有する円形の光反射層14が積層形成されることで、光反射層14の周囲に、多数の目盛り15を有するドーナッツ状のカラー層13が設けられるようになっていたが、光反射層14の周囲のみに、ドーナッツ状のカラー層13を設けるようにしても良い。なお、このカラー層13は、本発明において、必須のものではない。
さらに、光反射層14や遮光層16の被印刷シート12への形成領域、つまり、それら光反射層14や遮光層16の全体形状は、例示される円形形状に、何等限定されるものではなく、それ以外の形状が適宜に採用され得るのであり、また、第一のスピンパターン18と第二のスピンパターン20の被印刷シート12表面側への形成領域も、被印刷シート12の表面上における光反射層14の形成領域に応じて、適宜に変更されるところである。
加えて、前記第一乃至第四の実施形態では、本発明を、タコメータ基板に対して適用したものの具体例が示されていたが、本発明は、タコメータ基板の他、スピードメータ基板や水温計基板等の自動車用計器板の何れに対しても、有利に適用され得ることは、勿論である。
その他、本発明は、各種の形態において実施され得るものであって、当業者の知識に基づいて採用される本発明についての種々なる変更、修正、改良に係る各種の実施の形態が、何れも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、本発明の範疇に属するものであることが、理解されるべきである。
以下に、本発明の代表的な実施例を示し、本発明の特徴を更に明確にすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。
先ず、被印刷シートとして、ポリカーボネート製で、表面と裏面とが平滑面とされた、0.5mmの厚さの透明な矩形平板からなる被印刷シートを準備した。そして、この準備された被印刷シートの表面の所定大きさの円形領域に、黒色を有する不透明なスクリーンインキ[商品名:MRC黒(株式会社ミノグループ製)]を、250メッシュのスクリーンを用いて、公知のスクリーン印刷手法によりべた塗りし、これを乾燥硬化させて、20μmの厚さを有するカラー層を形成した。
その後、白色を有する不透明なスクリーンインキ[商品名:6100(十条ケミカル株式会社製)]と、250メッシュのスクリーンを用いて、被印刷シートの表面に形成されたカラー層の上面の外周部における周方向に等間隔を隔てた位置に、放射状に延びる短い直線を、公知の手法によりスクリーン印刷した後、これを乾燥硬化させて、20μmの厚さを有する目盛りを多数形成した。
次に、被印刷シートの表面に形成されたカラー層の上面において、多数の目盛りが形成されていない中心部(内周部)に、光の反射により銀色の金属光沢を発するスクリーンインキ[商品名:MRC750シルバー(株式会社ミノグループ製)]を、250メッシュのスクリーンを用いて、公知のスクリーン印刷手法により円形にべた塗りし、これを乾燥硬化させて、20μmの厚さを有する光反射層を形成した。
引き続き、被印刷シートの裏面の全面に、黒色を有する不透明なスクリーンインキ[商品名:MRC黒(株式会社ミノグループ製)]を、250メッシュのスクリーンを用いて、公知のスクリーン印刷手法によりべた塗りし、これを乾燥硬化させて、20μmの厚さを有する遮光層を形成した。
その後、被印刷シートにおける光反射層の上の全体に、無色透明な紫外線硬化型のスクリーンインキ[商品名:6100SLメジウム(十条ケミカル株式会社製)]を用いて、公知のスクリーン印刷手法により、互いに径が異なるものの同一の幅を有する、切れ目のない、図3に示される如き多数の第一円形凸条を、一定のピッチで同心円を描くように印刷形成した。その後、それら多数の第一円形凸条に対して、紫外線を紫外線照射機にて照射することにより、多数の第一円形凸条を硬化せしめて、規則的な同心円状模様を有する第一のスピンパターンを形成した。なお、かくして形成された第一のスピンパターンの線幅、つまり各第一円形凸条の幅を0.15ポイント(0.05271mm)とし、また、その厚さを10μmとした。更に、この第一のスピンパターンの形成に際しては、350メッシュのスクリーンを使用した。
引き続き、被印刷シートの表面に形成された第一のスピンパターンの上に、かかる第一のスピンパターンを与えるインキと同じインキを用いて、公知のスクリーン印刷手法により、図4に示される如き構成、つまり、第一のスピンパターンにおける各第一円形凸条と幅は同じではあるものの、ピッチが異なり、また、長さ方向の1個所又は複数個所に、不均一な長さの切れ目が設けられてなる、多数の第二円形凸条を印刷形成した。また、そのような多数の第二円形凸条は、図1に示される如く、それらの中心が、第一のスピンパターンにおける多数の第一円形凸条の中心から、各第一円形凸条の径方向に0.2mmだけ偏寄して位置せしめられるようにした。なお、これら多数の第二円形凸条のそれぞれに形成された切れ目の長さを、0.1〜30mmの範囲内の不均一な長さとし、また、各第二円形凸条のピッチを、0.3〜2.0mmの範囲内で、各第一円形凸条のピッチとは異なる大きさのものを含む不均一な大きさとした。更に、各第二円形凸条の厚さは、10μmとした。
そして、その後、上記のようにして、第一のスピンパターンの上に積層形成された多数の第二円形凸条に対して、紫外線を紫外線照射機にて照射して、各第二円形凸条を硬化せしめた。これによって、不規則な同心円状模様を有する第二のスピンパターンを、規則的な同心円状模様を呈する第一のスピンパターンの上に、重畳するように形成した。なお、この第二のスピンパターンの形成に際しては、350メッシュのスクリーンを使用した。
かくして、被印刷シートの表面に、光反射層と多数の目盛りを有するカラー層とが積層形成される一方、その裏面に遮光層が形成されて、被印刷シートの表面に、金属疑似表面が設けられる一方、かかる金属疑似表面上に、第一のスピンパターンと第二のスピンパターンとが一体的に積層形成されてなる、目的とする自動車用計器板を得た。
そして、この得られた自動車用計器板を表面から視認により観察したところ、かかる表面において、光の反射により鮮やかな銀色の金属光沢が発せられ、また、そのような金属光沢を発する表面に、金属製品の上面に機械加工により形成されるスピン模様と同様に、より立体的で高い質感を有するスピン模様が形成されていることが認められた。更に、かかる表面には、実際の金属表面には現れない模様のモアレが殆ど発生していないことが、確認された。このことから、本発明に従う構造を有する自動車用計器板において、モアレの発生による外観の低下を何等招くことなく、機械加工により切削された金属表面が、より高い質感をもって、更に一層リアルに表現され得ることが、明確に認識され得るのである。
本発明に従う自動車用計器板の一実施形態を示す平面説明図である。 図1のII−II断面における要部拡大説明図である。 図1に示された自動車用計器板に形成される第一のスピンパターンの一例を説明するための図であって、被印刷シートの表面上に、かかる第一のスピンパターンのみが形成されたスクリーン印刷物の平面説明図である。 図1に示された自動車用計器板に形成される第二のスピンパターンの一例を説明するための図であって、被印刷シートの表面上に、かかる第二のスピンパターンのみが形成されたスクリーン印刷物の平面説明図である。 本発明に従う自動車用計器板に形成される第二のスピンパターンの別の例を説明するための図4に対応する図である。 本発明に従う自動車用計器板に形成される第二のスピンパターンの更に別の例を説明するための図4に対応する図である。 本発明に従う自動車用計器板に形成される第二のスピンパターンの他の例を説明するための図4に対応する図である。
符号の説明
10 タコメータ基板 12 被印刷シート
13 カラー層 14 光反射層
15 目盛り 16 遮光層
17 金属疑似表面部分 18 第一のスピンパターン
20 第二のスピンパターン 22 第一円形凸条
24 第二円形凸条 26 切れ目
28 段差部

Claims (2)

  1. 金属表面を擬似的に表現する金属疑似表面を備えた自動車用計器板にして、
    透明な平板からなる被印刷シートと、
    該被印刷シートの表面に、光の反射により金属光沢を発するインキがスクリーン印刷によりべた塗りされて形成されたインキ層からなり、該被印刷シートの表面側から照射される光を反射して、金属光沢を発することにより、該被印刷シートの表面を前記金属疑似表面と為す光反射層と、
    前記被印刷シートの表面における前記光反射層の形成部位に対応する該被印刷シートの裏面部分の全面に、不透明なインキがスクリーン印刷によりべた塗りされて形成されたインキ層からなり、前記被印刷シートの表面側からの照射光が該光反射層を透過することを阻止して、該光反射層による光の反射量を増大せしめる遮光層と、
    前記光反射層の上に、光透過性を有するインキを用いたスクリーン印刷により印刷形成されたパターンであって、且つ互いに異径の切れ目のない多数の円が、同心上で互いに同一の線幅と一定のピッチとをもって描かれた規則的な同心円状模様を有する第一のスピンパターンと、
    該第一のスピンパターンの上に重畳するように、光透過性を有するインキを用いたスクリーン印刷により印刷形成されたパターンであって、且つ線幅とピッチの両方が、該第一のスピンパターンの前記規則的な同心円状模様を構成する前記円とは異なる円を含む互いに異径の多数の円か、若しくは1個又は複数個の切れ目を有し且つ線幅とピッチのうちの少なくとも何れか一方が、該規則的な同心円状模様を構成する円とは異なる円を含む互いに異径の多数の円が、同心上に描かれてなる不規則な同心円状模様を有する第二のスピンパターンと、
    を備えると共に、前記第二のスピンパターンの前記不規則な同心円状模様を構成する互いに異径の多数の円のうちの何れか一つからなる基準円の中心が、前記第一のスピンパターンの前記規則的な同心円状模様を構成する互いに異径の多数の円の中心から、その径方向の一方向に偏寄するように位置せしめられた状態で、該第二のスピンパターンを該第一のスピンパターンの上に配設したことを特徴とする自動車用計器板。
  2. 前記被印刷シートの表面における前記光反射層の形成部位の周囲に、光の反射により金属光沢を発することのない色を有する不透明なインキがスクリーン印刷にてべた塗りされることにより、金属光沢を発しないカラー層が形成されると共に、該カラー層の上に、該カラー層を形成するインキとは異なる不透明なインキがスクリーン印刷されることによって、目盛りが設けられている請求項1に記載の自動車用計器板。
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