JP4675369B2 - アフターボンド工法での複数pc鋼より線の定着方法、及び使用する器具 - Google Patents
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また、PC鋼より線をスパイラルシース内に貫通して定着具と共に型枠内に配置し、コンクリートの打設硬化後に、PC鋼より線を緊張して定着具で定着し、スパイラルシース内にグラウトモルタルを充填するアフターボンド工法も慣用されている。
本発明の属する、アフターボンド工法による複数PC鋼より線の、代表的な緊張、定着手段としては、図8(A)に示す従来例1、及び図8(B)に示す従来例2がある。
VSL協会、2005年7月1日改訂発行、「プレストレストコンクリートVSL工法設計施工基準」の第21頁3.2緊張定着具の項3.2.1及び図3−1、の記載 VSL協会、2005年7月1日改訂発行、「プレストレストコンクリートVSL工法設計施工基準」の第28頁3.2.2、図3−10、の記載
しかも、アンカーヘッド、くさび、PC鋼より線は、躯体コンクリート表面より突出形態となるため、支圧板前面及びアンカーヘッドを保護する保護コンクリートの打設作業も必要であり、保護コンクリートの形成作業は煩雑であり、突出保護コンクリートは、美観も損なう。
従って、大型、且つ重量の大なキャスティングは、コンクリート型内の配筋間への配置作業が煩雑であると共に、配置部位にも制約が生じ、コンクリート躯体の欠込み(断面欠損)も大きいため、コンクリート欠込みの補修作業も手間がかかる。
また、定着体1の挿入用孔H1は、高張力を負担するアンカーヘッド31を嵌入着座出来れば良く、典型的には、挿入用孔H1は、外径R1が83mmの内方へ縮径する円錐孔であり、アンカーヘッド31は、先端外径dtが75.6mmの円錐筒形態である。
また、ポケットフォーマ18は、コンクリート躯体内に埋設した定着体1の前面に、コンクリート欠込みを形成するものであるため、コンクリート型枠のセット時に、定着体前面と型枠(せき板)との間に仮固定出来れば良く、前端及び後端に取付ピースを備えた円錐筒であっても良い。
しかも、アンカーヘッド31もくさび32も、定着体1内に嵌入内装出来るために、定着体1前面のコンクリート欠込み11A、即ちコンクリート被り厚Sxも、支圧板1Aのみの被り厚Sxの40mm(標準:規定値30mm+余裕10mm)と出来る。
そのため、定着体1のコンクリート型内への配置の自由度が大となり、高張力付与の必要な、配筋の多い、床スラブ内や、梁内への配置も可能となり、アフターボンド工法での、PC鋼より線によるプレストレスト工法の広い分野への適用が可能となる。
従って、図1(A)に示す如く、フランジ18Fの前面には、厚手(標準:10mm厚)の発泡シーリングテープ18Aを貼着し、肩面18Gには薄手(標準:3mm厚)の発泡シーリングテープ18A´を貼着し、小径部18Sを定着体挿入用孔H1内に嵌入して、肩面18Gと定着体前面1Fとを貼着し、フランジ18Fを発泡シーリングテープ18Aを介して型枠13Bに当接貼着することにより、ポケットフォーマ18は、型枠13Bと定着体1間に弾性的に配置出来る。
また、小径部18Sのスリット溝18Cは、小径部18Sに縮径作用を付与するため、ポケットフォーマ18の定着体1内への嵌入作用が容易となる。
また、フランジ18Fの外周端に小寸(標準:1mm)の突出片18Kを起立しておけば、弾性テープ18Aのフランジ18F面への貼着作業も容易となる。
この場合、定着体1の典型例(図5)にあっては、段部1Gは、挿入用孔H1´の後端径(R2)58mmから長さ(LG)3mmで嵌合用孔径(R3)62mmへと拡開し、嵌合用孔H1´は、長さ(L1´)が12mmで径(R3)62mmから径(R4)65mmと緩拡径するものである。
そして、トランペットシース4は、前端径が挿入用孔H1´内に嵌入出来るタイプとしておく。
この場合、くさび32も、アンカーヘッド31内での着座形態では、前面F32が定着体前面1Fより内側とするのが好ましい。
そして、アンカーヘッド31が、肉厚(標準:15.3mm)の円錐筒31Tであるため、定着体1内に着座したアンカーヘッド31の前面F31は、各PC鋼より線6の緊張時のジャッキへの反力付与面、及び各PC鋼より線6の余長PL切断時のカッター当接支持面を提供し、PC鋼より線の緊張、定着作業は、定着体支圧板1Aに直接負担を掛けることなく実施出来るため、支圧板1A厚(12mm)は、従来(図8)の支圧板(キャスティングプレート)の厚さ(25mm)より遥かに薄く出来、定着体1の小型化、軽量化を助長する。
そして、PC鋼より線6の緊張定着状態では、PC鋼より線6の余長PLの切断を、図3に示す如く、切断端が定着体前面1Fから突出しない形態とすることにより、定着体1の前面のコンクリート被り厚Sxは、定着体1のみへの被り厚として設定出来、コンクリート欠込み11Aの深さが小さく(標準:40mm)出来、コンクリート欠込み11Aの、ポケットフォーマ18による形成、及び無収縮モルタル11Bの充填による補修作業も容易となる。
また、くさび32は、JISG4051の機械構造用炭素鋼製であって、典型的には、図6(D)に示す如く、全長L32が40mm、前端径dtが45mm、後端径dbが30mmの円錐体32Tであって、外周面には、前面F32から後面B32に貫通する挿入用溝32Gを4本等間隔に備えたものである。
そして、アンカーヘッド31、くさび32、及びPC鋼より線6の切断端E6を定着体前面1Fから突出させない施工を採用することにより、定着体支圧板1Aの前面のコンクリート欠込み11A、即ち前面被り厚Sxも、定着体自体の被り厚(標準:40mm)と出来るため、定着体1のコンクリート型枠セット内への配置の自由度が大となる。
しかも、引張荷重の変更に際しては、くさび32のみの変更で、PC鋼より線6の、太さ変更、及び使用本数変更に対応出来、定着具Dの準備、管理が合理化出来る。
この場合、支圧板1Aの曲率半径は、あまり小さくすれば、応力破壊面は水平に近づき、圧縮応力度が大となるが、圧縮域が小さくなって周辺のコンクリートの圧縮力が利用出来なくなる。
また、環状突起1Cは、定着体のコンクリート付着力増大、及び、円錐筒部1Tの補強を図るものであるため、高さhcが10mm前後(標準:9mm)の断面半円状突起であれば良い。
また、嵌合用孔H1´は、挿入用孔H1の後端の段部1Gから後方へ拡径形態であるため、図5(D)に示す如く、円錐筒部1Tの縮径形態の末端表面と、拡径形態の嵌合用孔H1´内面とで筒状のテーパー突出片1Dを形成する。
しかも、円錐筒部1T後端のテーパー突出片1Dの外周面からトランペットシース4外周に亘る接着テープ(ビニールテープ)12の巻付け作業も容易となる。
そして、PC鋼より線6の緊張に対する支持力が増大すると共に、円錐筒部1T外周の突起1Cがコンクリート付着強度を増大するため、定着体1の小型化を助長する。
そして、円錐筒部1Tは、後端に、段部1Gを介した緩拡径状の嵌合用孔H1´を備えているため、トランペットシース4の嵌合接続を容易とする。
そして、円錐筒31Tの前面F31が、各PC鋼より線6の緊張、定着作業時に、ジャッキ押圧面を提供し、支圧板1Aへの負担無く、PC鋼より線の緊張、定着、切断作業を可能とし、支圧板1Aの薄肉化及び定着体1の軽量化を助長する。
そのため、くさび32の後面B32の径db(標準:30mm)を、アンカーヘッド31の円筒面挿入用孔H31´の径(標準:30mm)と同一とすれば、くさび32のアンカーヘッド挿入用孔H31´内への浸入が阻止出来る。
この場合、ポケットフォーマ18は、一般肉厚2mmのプラスチック成形品で準備すれば良い。
また、肩面18Gは、ポケットフォーマ18の定着体1への接合時に、定着体挿入用孔H1内への挿入ストッパー機能を発揮し、小径部18Sは、定着体挿入用孔H1内に着座した状態では、挿入用孔H1内周面と小径部18S外周面との間からの打設コンクリートの流入が阻止出来れば良い。
また、小径部18Sには、図7に示す如く、スリット溝18C(標準幅:2mm)を等間隔に複数本(標準:4本)配置しておけば、スリット溝18Cが小径部18Sの円錐筒に縮径作用を付与し、小径部18Sの定着体挿入用孔H1内への弾性嵌合が容易となる。
尚、ポケットフォーマ18の型枠13Bへの貼着時に、図1(B)の如く、必要に応じて、フランジ18Fの1ヶ所を釘n13で止着すれば、型枠13Bと定着体1との相対傾動に際しても、ポケットフォーマ18の脱落の恐れは無い。
また、PC鋼より線6の先端、挿入用孔H1に着座したアンカーヘッド31、くさび32等は、定着体1の前面1Fから突出しない形態で緊張定着出来るため、支圧板1Aの前面1Fは平坦形態となり、支圧板1Aの前面のコンクリート被り厚Sxも小さく出来る。
そして、小型化、軽量化された定着具Dは、アフターボンド工法での、PC鋼より線によるプレストレスト工法の、広い分野への適用が可能となる。
そのため、定着体の、側面(上部又は下部)でのコンクリート被り厚Syは小さく出来、定着体1の前面も平坦形態としてPC鋼より線の定着が可能となるため、前方のコンクリート被り厚Sxも小さく出来る。
また、引張荷重の変更に際しても、949KN(96800kgf)以下の引張荷重で実施する際には、PC鋼より線6の、使用本数、又は太さの変更が生じるが、定着体1とアンカーヘッド31は使用出来て、くさび32のみを変更すれば良く、定着具Dの準備、保管が合理化出来る。
従って、本願請求項1の方法の発明が好適に実施出来、小型化、軽量化した定着体の使用、及び安価な細番手PC鋼より線の複数本の採用によって、プレストレスト建物の設計、施工の自由度が増大し、PC鋼より線での、プレストレスト建物構築の普及に寄与出来る。
この場合、ポケットフォーマ18は、一般肉厚2mmのプラスチック成形品として準備すれば良く、典型的には、フランジ幅Wfは15mm、肩面幅Wgは6mmであり、小径部18Sには、前端から後端へ縮径変位用のスリット溝18Cを、2mm幅で、等間隔(90°間隔)に4本配置したものである。
そして、小径部18Sのスリット溝18Cは、ポケットフォーマ18の定着体挿入用孔H1への弾性嵌入を可能とする。
4本1束のPC鋼より線6のコンクリートプレストレスト建物の床スラブへの適用は、固定端L側にあっては、図2(A)に示す如く、各PC鋼より線6の基端を、定着体1、アンカーヘッド31、及びくさび32から成る定着具Dによって、PC鋼より線6の切断端E6が定着体前面1Fから突出しないように固定し、緊張端P側にあっては、図1(A)に示す如く、PC鋼より線6群は、スパイラルシース5及びトランペットシース4を貫通し、定着体1を貫通して余長PLを型枠13Bから突出させ、打設コンクリートC0の硬化後に、各PC鋼より線6を、アンカーヘッド31及びくさび32を介して余長PL部分での所定緊張の下に、定着体1内に定着する。
図5(A)は、定着体1の前方からの全体斜視図であり、図5(B)は定着体1の側面図、図5(C)は、定着体1の前面図、図5(D)は、定着体1の図5(A)のD−D線縦断面図である。
定着体1は、前面の垂直形態の支圧板1Aと、支圧板1Aの中央部から後方に延出した縮径形態の円錐筒部1Tとから成り、支圧板1Aの中央部からは、円錐筒部1T後部まで貫通するアンカーヘッド着座用の挿入用孔H1を、挿入用孔(円錐孔)H1の後端には、拡径段部1G及び段部に引続く、短寸の嵌合用孔(挿入用孔)H1´を備えたものであり、図5(D)に示す如く、嵌合用孔H1´は、挿入用孔H1の後端から、急拡径段部1Gを介して緩拡径するものである。
そして、図5(D)に示す如く、支圧板1Aの後面から後方へ、縮径形態で引続く円錐筒部1Tは、先端外径Rfが93mm、後端外径Rbが73.1mm、肉厚t1が10mmで、円錐筒部1Tの長手方向中央部の外周には、高さhcが9mmの環状リブ状の断面半円状突起1Cを備えており、定着体1の全長L1は87.7mmである。
アンカーヘッド31は、中央の着座用円錐孔H31でPC鋼より線6を定着するくさび32を着座保持し、円錐筒31Tの外周面で定着体1の円錐形態の挿入用孔H1内に着座する部材であり、図6(A)は全体斜視図、図6(B)は図6(A)のB−B線縦断側面図である。
また、くさびを着座させる円錐孔H31は、前端径R31が45mm、後端径R31´が30mmで、長さLhが45mmであり、円錐孔H31の後端からは、長さLh´が16mmで径R31´が30mmの円筒孔H31´が連通している。
くさび32は、外周に前面F32から後面B32に貫通する挿入用溝32Gを等間隔(90°間隔)に4本配置して、該挿入用溝32G内に、直径15.2mmのPC鋼より線6を嵌合挿入した状態で、アンカーヘッド31内に着座させて、各PC鋼より線6をアンカーヘッド31に強固に定着するための部材であり、JISG4051の機械構造用炭素鋼製である。
くさび32は、長さL32が40mmで、前面F32の径dtが45mm、後面B32の径dbが30mmの円錐体であって、図6(C)は全体斜視図、図6(D)は図6(C)のD−D線縦断面図である。
ポケットフォーマ18は、コンクリート型セット時に、定着体1の前面に配置する型材であって、定着体1の前面に、PC鋼より線6の緊張定着作業用のコンクリート欠込み11Aを形成するものである。
図7(A)は、ポケットフォーマ18の全体斜視図、図7(B)は、図7(A)の矢印B視背面図、図7(C)は側面図、図7(D)は、図7(A)のD−D線縦断面図である。
そして、大径部18Tの前端には、幅Wfが15mmのフランジ18Fを外方に突出し、フランジ18Fには釘孔nhを1個配置したものである。
図1(A)は、複数本のPC鋼より線の緊張端側の型セット状態図であり、図2(A)は、PC鋼より線の固定端側の型セット状態図であり、図2(C)は定着具Dの分解斜視図である。
図1(A)に示す如く、定着体1の円筒部後端の筒状テーパー突出片1Dの内周に、トランペットシース4の前端を嵌入し、トランペットシース4の後端にはスパイラルシース5を嵌合し、定着体1の前面1Fには、フランジ18Fの前面に、10mm厚、15mm幅の発泡シーリングテープ18Aを、肩面18Gの後面に、3mm厚、8mm幅の発泡シーリングテープ18A´を貼着したポケットフォーマ18を、小径部18Sを挿入用孔H1内に嵌入して、肩面18Gと定着体1の前面1Fとを接着して配置する。
そして、定着体1を所定位置に配置し、ポケットフォーマ18の前端のフランジ18Fを型枠13Bに接着する。
この場合、必要に応じて、フランジ18Fの1ヶ所を釘孔nhを介して釘n13で型枠13Bに固定する。
また、ポケットフォーマ18のフランジ18Fは、図1(B)に示す如く、1ヶ所のみ釘n13で型枠13Bに固定する。
また、定着体1の所定位置への配置も、型枠13Bとポケットフォーマのフランジ18F間、及びポケットフォーマ18の肩面18Gと定着体前面1F間、の発泡シーリングテープ18A,18A´による、若干の寸法誤差の弾性吸収によって作業性良く実施出来る。
次いで、慣用の油圧カッターをアンカーヘッド前面F31に当接して、各PC鋼より線6の余長PLを定着体前面1Fから突出しない形態に切落とす。
定着体1は、それ自体慣用の、スパイラル筋(図示せず)で強化保持され、コンクリート欠込み11Aは無収縮モルタル11Bで補修され、且つ、トランペットシース4及びスパイラルシース5内は、グラウトモルタル11Cが充填されて、各PC鋼より線6は、トランペットシース4及びスパイラルシース5内でグラウトモルタル11Cによって防錆機能が付与され、定着形態の固着確保されたPC鋼より線定着構造となった。
そして、各PC鋼より線6の、緊張端P側にあっても、固定端L側にあっても、定着体1の前面1Fからの突出物が存在しないため、コンクリート被り厚Sxは40mm(設計限界値30mm+余裕10mm)と小さく出来た。
また、緊張端P側でのコンクリート欠込み11Aに対する無収縮モルタル11Bでの復元補修も、ポケットフォーマ18に付設採用した10mm厚、15mm幅の発泡シーリングテープによる拡大域Z18の存在により、固着力の増大化の下に、きれいに仕上られた。
1A 支圧板
1C 環状突起(突起)
1D 筒状テーパー突出片(テーパー突出片、突出片)
1F,F31,F32 前面
1G 段部
1T 円錐筒部(円筒部)
4 トランペットシース
4A グラウト注入口(注入口)
4B グラウトホース
5 スパイラルシース
6 PC鋼より線
9 ジャッキ
10 首長チェア
11A コンクリート欠込み(欠込み)
11B 無収縮モルタル
11C グラウトモルタル
12 接着テープ(ビニールテープ)
13B 型枠(せき板)
17A セパレータ
17B フォームタイ
17C Pコン
18 ポケットフォーマ
18A,18A´ 弾性シーリングテープ(弾性テープ、シーリングテープ、発泡シーリングテープ)
18C スリット溝
18F フランジ
18G 肩面
18K 突出片
18S 小径部
18T 大径部
31 アンカーヘッド
31T 円錐筒(円筒)
32 くさび
32G 挿入用溝
32T 円錐体
C0 コンクリート(打設コンクリート、コンクリート躯体)
D 定着具
E6 切断端(端部)
H1,H31 円錐孔(挿入用孔)
H1´ 嵌合用孔(挿入用孔)
H31´ 円筒孔(挿入用孔)
L 固定端
n13 釘
nh 釘孔
P 緊張端
PL 余長
S31 アンカーヘッド外周面(外周面)
S32 くさび外周面(外周面)
Sf 床スラブ表面
Sx,Sy 被り厚
Z18 拡大域
Zb 後側コンクリート域
Zf 前側コンクリート域
Claims (9)
- 前端の正方形板形態で後方へ弯曲した垂直支圧板(1A)と、支圧板(1A)から後方に、水平に引続く縮径形状の円錐筒部(1T)とを備え、且つ、貫通する挿入用孔(H1,H1´)を有する定着体(1)をコンクリート型枠内に配置し、円錐筒部(1T)後端の挿入用孔(H1´)にはトランペットシース(4)を嵌合接続し、定着体(1)と型枠(13B)との間には、ポケットフォーマ(18)を配置し、スパイラルシース(5)及びトランペットシース(4)から貫通するPC鋼より線(6)群の余長(PL)を型枠(13B)から外方に突出してコンクリート型枠をセットし、コンクリート(C0)の打設硬化後に型枠を解体し、次いで、支圧板(1A)の前面に形成したコンクリート欠込み(11A)を介して、アンカーヘッド(31)を定着体円錐孔(H1)内に、PC鋼より線(6)群を外周に嵌合したくさび(32)をアンカーヘッド円錐孔(H31)内にに嵌入して各PC鋼より線(6)を緊張、定着し、次いで、各PC鋼より線(6)の余長(PL)を切除して、トランペットシース(4)及びスパイラルシース(5)内へグラウトモルタル(11C)を充填し、コンクリート欠込み(11A)には無収縮モルタル(11B)を充填する、アフターボンド工法での複数のPC鋼より線の定着方法。
- ポケットフォーマ(18)は、前端にフランジ(18F)を備えた前側の大径部(18T)と、肩面(18G)を介して連続する後側の小径部(18S)とを備え、大径部(18T)の、後端肩面(18G)と支圧板(1A)との間、及び大径部前端のフランジ(18F)と型枠(13B)との間に、弾性テープ(18A,18A´)を介在して配置する、請求項1の複数のPC鋼より線の定着方法。
- 定着体(1)は、前端から縮径する円錐形の挿入用孔(H1)の後端から、拡径段部(1G)を介して後方へと緩拡径する小寸の円錐形嵌合用孔(H1´)を備え、トランペットシース(4)を嵌合用孔(H1´)に嵌合する、請求項1又は2の複数のPC鋼より線の定着方法。
- アンカーヘッド(31)は、くさび(32)挿入用円錐孔(H31)を備え、着座形態では、前面(F31)が定着体前面(1F)より内側であり、且つ、後面(B31)が挿入用孔(H1)の後端の段部(1G)に干渉しない位置を占め、くさび(32)は、円錐体(32T)の外周面の、前面(F32)から後面(B32)に貫通する複数の挿入用溝(32G)に各PC鋼より線(6)を嵌入する、請求項1乃至3のいずれか1項の複数のPC鋼より線の定着方法。
- 請求項1の発明の実施に用いるための定着具(D)であって、定着体(1)と、アンカーヘッド(31)と、くさび(32)とを含み、定着体(1)は、前端の正方形板形態で後方へ弯曲した垂直支圧板(1A)と、支圧板(1A)から後方に、水平に引続く縮径形状の円錐筒部(1T)とを備えると共に、前端からアンカーヘッド(31)着座用の挿入用孔(H1)を備え、アンカーヘッド(31)は、前面(F31)が定着体(1)の前面(1F)より内方位置で定着体挿入用孔(H1)内に着座する円錐筒(31T)であって、くさび(32)着座用の円錐孔(H31)を備え、くさび(32)は、前面(F32)が定着体(1)の前面(1F)より内方位置で、アンカーヘッド円錐孔(H31)内に着座する円錐体(32T)であって、外周面(S32)には、前面(F32)から後面(B32)に貫通するPC鋼より線(6)挿入用溝(32G)を複数備えた定着具。
- 定着体(1)は、支圧板(1A)が、200〜250mmの曲率半径で後方へ弯曲し、円錐筒部(1T)の長さ方向中間外周に、環状突起(1C)を備え、且つ、後方へ縮径する挿入用孔(H1)が、拡開状段部(1G)を介して後端へと緩拡径する短寸の嵌合用孔(H1´)に連通している、請求項5の定着具。
- アンカーヘッド(31)は、円錐筒(31T)の前面(F31)から縮径するくさび(32)着座用の円錐面の挿入用孔(H31)と、挿入用孔(H31)から引続く小寸の円筒面の挿入用孔(H31´)を備え、円錐筒(31T)の長さは、定着体挿入用孔(H1)への着座形態では、円錐筒(31T)の、前面(F31)が定着体前面(1F)より内側であり、後面(B31)が、定着体挿入用孔(H1)後端の段部(1G)に干渉しない長さである、請求項5又は6の定着具。
- くさび(32)は、各挿入用溝(32G)が、PC鋼より線(6)を挿入した状態では、PC鋼より線(6)を小寸法(d32)突出させる深さであり、PC鋼より線(6)の定着状態では、後面(B32)が、アンカーヘッド(31)の円筒面挿入用孔(H31´)に干渉しない位置を占める、請求項5、又は6、又は7の定着具。
- 請求項1の発明の実施に用いるためのポケットフォーマであって、型枠(13B)への取付用フランジ(18F)を備えて後方に縮径する円錐筒の大径部(18T)と、大径部(18T)後端から肩面(18G)を介して後方に縮径する定着体挿入用孔(H1)内へ嵌入するための小径部(18S)とを備えたポケットフォーマ。
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