JP4675367B2 - アンボンド工法に於ける複数のpc鋼より線の定着方法、及び該方法の実施に用いる器具 - Google Patents
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Description
また、被覆PC鋼より線をコンクリート型枠内に配置してコンクリート打設し、コンクリート躯体構築後に、PC鋼より線を緊張定着するアンボンド工法は慣用されている。
しかし、従来、アンボンドPC鋼より線工法は、建築基準法の規定によって、荷重(応力)の小さな床スラブ内のみにしか採用出来なかったが、平成19年5月の法改正により、荷重(応力)の大きな梁などにも採用可能となったため、該工法の施工のための適切な定着具の開発が望まれている。
尚、本発明の属する、アンボンド工法に於けるPC鋼より線の典型的定着方法としては、図9に示す従来例がある。
アンボンドPC鋼より線は、図9(C)に示す如く、より線の表面にグリースを塗布して、防錆・潤滑性付与処理し、ポリエチレンシース内に挿通して準備した慣用品である。
CCLアンボンド、アフターボンドケーブルシステムに用いる定着体は、図9(B)に示す如く、前面のキャスティングプレートと後方に引続く円錐筒形状のキャスティングとを備え、中央にPC鋼より線を挿通し、且つウエッジ(くさび)でPC鋼より線を定着体に保持するものである。
そして、キャスティング(定着体)は、図9(B)に示す如く、円錐筒の長手方向前部に、矩形状垂直片を突設してコンクリート固着力強化を図り、PC鋼より線の真直性を保証するために円錐筒の長さは127mmであり、定着体の総長は192mmで、重量は10.1kgである。
また、ポケットフォーマは、基端径が115mm、前端径が150mm、高さが64mmの円錐筒であって、キャスティングプレート前面の突起面と型枠との間に配置している。
また、ウェッジは、前端から後端へと縮径する裁頭円錐筒で、前端径が60.5mm、長さが100mmであり、中央には長さ方向にPC鋼より線挿入用孔を有し、前端の大径部から長さ方向の2/3に亘って、対面形態に割り溝を配置したものであって、重量は900gである。
この場合、コンクリート欠込み穴は、深さ64mmで、欠込み穴底面は115mm径、表面は150mm径の円錐欠込みである。
(株)シー・シー・エルジャパン2005年発行「CCLアンボンド&アフターボンドケーブルシステム、設計施工指針」の2頁及び6頁の記載
しかも、28.6mm径の太番手のPC鋼より線は、細番手(15.2mm径)のそれより、引張荷重当りのコストが大である。
また、キャスティングプレートは、長方形で長辺部の先端部の支圧力が大きくなり、肉厚を大(65mm)とする必要があるため、及び、PC鋼より線を緊張するジャッキも、PC鋼より線切断カッターも、キャスティングプレートの突起面に当接して振動圧力を付与するため、キャスティングプレートの厚さ(65mm)が大となる。
従って、定着体自体は、大サイズの重量物(28.6mmPC鋼より線用で10.1kg/個)となり、型枠配筋内への取付作業性が悪い。
また、キャスティングプレートの上下先端の水平線から45°上下方向に拡開した長さ300mmの圧縮域(影響範囲)内は、キャスティングプレートの引張り反力機能の保証のため、設備スリーブ、配管、等が配置出来ず(非特許文献1中に開示)、配管の自由性が低い。
また、ジョイントシールの定着体への接続は、ジョイントシール大径部を定着体後端に、単に被冠させるだけであるので、ジョイントシールの前端及び後端に、ビニールテープの巻回固定作業が必要であり、ジョイントシールの定着体への嵌合接続作業は、煩雑で手間が掛かる。
本発明は、荷重の大きな床スラブや梁内に、949KN(96800kgf)の必要引張荷重を、複数本(標準:4本)の、安価な細番手(15.2mm径)のPC鋼より線で負担することにより、従来例(図9)の上述の問題点を一挙に解決、又は改善するものであって、従来(図9)より遥かに小型化、軽量化を達成した定着体を用いて、且つ十分なコンクリート保持力を担保しつつ、複数本のアンボンドPC鋼より線の緊張、定着を可能とする発明であり、低コストで、取扱い容易な細いPC鋼より線を、1個の定着体に複数本採用して、高い引張荷重の必要な部位に適用可能とする技術を提供するものである。
また、PC鋼より線6の固定端L側は、PC鋼より線の基端を強固に固定把持出来れば良いため、例えば図2(A)に示す如く、緊張端P側と同一の、定着体1、アンカーヘッド31、くさび32及びエンドキャップ81を採用し、PC鋼より線6の基端をくさび32から若干突出させ、且つ、定着体支圧板1Aの前面1Fより内方位置とした形態で、PC鋼より線6をくさび32でアンカーヘッド31内に定着させ、アンカーヘッド31は定着体1内に着座させて、定着体1をコンクリート型枠内に配置して定着体1をコンクリート躯体C0と一体化すれば良い。
また、エンドキャップ81の後側保持筒部81Sは、貫入した各アンボンドPC鋼より線6の定着具内での真直性を保証すると共に、アンボンドPC鋼より線の外周の隙間からの、打設コンクリートの定着体内への浸入を阻止するものであって、典型的には、図8に示す如く、複数本のパイプP81(標準内径:20mm)であり、アンボンドPC鋼より線が隙間無く嵌合出来る内径とするのが好ましいが、作業性の観点から、アンボンドPC鋼より線6を後側保持筒部81Sに緩嵌合して、生じる隙間を接着テープ、粘土等で閉止しても良い。
また、ポケットフォーマは、例えば、図1の如く、支圧板1Aの前面で挿入用孔H1の外周に、円錐筒のスリーブパイプを着脱可能に配置すれば良く、支圧板1Aのポケットフォーマ14の外側域はコンクリート内埋設域となるため、支圧板の保持力増大化が得られ、ポケットフォーマ14の、支圧板1Aに当接する径は、小さい程好ましい。
そのため、支圧板1Aの厚さも、単にコンクリート内での支圧力保持(標準:15.2mm径で240KN/本のPC鋼より線4本保持)のサイズ(12mm厚)と出来、従来の、PC鋼より線6の緊張、切断作業時の押圧支持体としてのサイズ(65mm厚)より遥かに薄く出来る。
しかも、各PC鋼より線6の緊張、定着は、定着体1の挿入用孔H1内へのアンカーヘッド31の着座、及びアンカーヘッド31内へのくさび32の定着により達成するため、PC鋼より線6の、太さ、寸法、使用本数の変化に対しても、単一基準の汎用定着体1の使用の下に、くさび32の選択変更のみで対処出来ることとなり、従来(図9)より、定着具Dの単価が低減出来、施工管理及び部材管理も容易となる。
従って、本発明の複数本のPC鋼より線定着工法は、定着体が小型化、軽量化出来、小さなコンクリート欠込みで施工出来るため、床スラブ、梁などの水平部位だけでなく、柱、壁などの垂直部位への適用も可能となり、鉄筋量の多い柱間にも作業性良く適用出来る。
そして、定着体がコストダウン出来、安価な細番手PC鋼より線群の使用により、床スラブ、梁等の大きな荷重の要求される部位への、アンボンドPC鋼より線によるプレストレス導入が、コスト低減の下に可能となる。
この場合、エンドキャップ81の前側円錐筒部81Tは、図1(B)に示す如く、前方へ拡径形態の外側円錐筒81Aと、前方へ縮径形態の内側円錐筒81Cとで環状係合溝81Gを形成した二重筒形態とすれば良く、且つ、外側円錐筒81Aと内側円錐筒81Cとの挟角は、定着体後端の筒状テーパー突出片1Dを弾力挟着する形状とすれば良い。
また、内側円錐筒81Cには、必要に応じて、長手方向に切れ目を付与して弾性変異を容易としても良い。
この場合、くさび32も、図1(A)に示す如く、PC鋼より線6の定着状態では、定着体前面1Fより内側とするのが好ましい。
尚、グラウト溝31Gは、エンドキャップ81内へのグラウトモルタルの充填作業時の流出による充填完了を目視するものであり、典型的には、直径9mmの円形の半円形態溝を1本配置する。
そして、エンドキャップ81内へのグラウト注入による充填完了時には、グラウトモルタル11Cがグラウト溝31Gからアンカーヘッド前面F31に流出するため、エンドキャップ81内へのグラウト充填完了時の目視確認が可能となる。
そして、PC鋼より線6の緊張定着状態では、PC鋼より線6の余長PLの切断を、切断端が定着体前面1Fから突出しない形態とすることにより、定着体1の前面のコンクリート被り厚Sxは、定着体1への被り厚として計算出来、コンクリート欠込み11Aの深さが小さく(標準:40mm)出来、コンクリート欠込み11Aの、ポケットフォーマ14による形成、及びモルタル充填による補修作業が容易となる。
この場合、定着体1は、PC鋼より線6の緊張応力をコンクリート躯体に、コンクリート剪断破壊を生ずることなく伝達するものであり、支圧板1Aは、有効表面で一様に応力を負担するものであるため、例えば、PC鋼より線に、引張荷重が240KN(24500kgf)の15.2mm径を4本採用する場合は、支圧板1Aの標準は、一辺が125mmの正方形板で良く、しかも、曲率半径200mmの弯曲形態としたものである。
しかも、支圧板1Aが正方形であるため、小サイズ(一辺:125mm)であっても、四隅に取付孔(ボルト孔bh)を配置することにより、ポケットフォーマ14の取付けも可能となる。
また、定着体円筒部1Tが外周中間部にリブ状突起1Cを備えたことにより、リブ状突起1Cは、定着体1の保持強度増大と共に、コンクリートC0の保持力の増大も果たし、定着体1の小型化と保持力増大とを助長する。
従って、エンドキャップ81の定着体1後端への接続は、前側円錐筒部81Tの環状係合溝81Gを定着体後端の筒状テーパー突出片1Dに嵌めて、内側円錐筒81Cの先端が段部1Gに当接するまで押し込めば、環状係合溝81Gが筒状テーパー突出片1Dと弾性嵌合し、定着体1とエンドキャップ81との接続部へのビニールテープの巻き付けは不要となる。
そして、図1(A)に示す如く、アンボンドPC鋼より線の被覆シース6Sを切除したシース先端Esは、中間円筒部81M内とすれば良く、後側保持筒部81Sは、PC鋼より線6の真直性保持を担保すると共に、被覆シース6Sの外周面と後側保持筒部81SのパイプP81内周面との、長さLS(20mm)の僅少隙間(標準:0.9mm)からの、打設コンクリートの定着体1の後部への浸入も実質上阻止出来る。
この場合、スリーブパイプ14は、図1(C)に示す如く、前方へ拡径する鋼板の円錐筒14Aを用意し、前端適所には、アングル形態で釘孔nhを備えた取付用ピース14Bを円錐筒14Aから外方に突出形態で、後端適所には、アングル形態でボルト孔bhを備えた取付用ピース14Bを円錐筒14Aから内方に突出形態で付設すれば良い。
勿論、必要に応じて、せき板13B及び円形合板13Aのみを取外して、スリーブパイプ14は取外さなくても良い。
従って、定着体1の前面のコンクリート欠込み11Aは、支圧板1Aのコンクリート埋設形態の下に、簡単に形成出来、円形合板13Aで形成出来る拡開拡大域Z13を備えたコンクリート欠込み11Aは、復元補修のモルタル充填を平滑、且つきれいに仕上ることが出来る。
また、アンカーヘッド31は、JISG4051の機械構造用炭素鋼の規格を満足する鋳鋼品であり、円錐筒31Tが、定着体1の挿入用孔H1内に着座し、内部の円錐孔H31が、PC鋼より線6と共に、くさび32を圧着保持するものである。
また、エンドキャップ81は、一般肉厚2mmのプラスチック成形品であって、典型的には、図8に示す如く、係合溝81Gを備えた2重円錐筒から成る前側円錐筒部81Tと、グラウト注入口4Aを側面から突出した中間円筒部81Mと、PC鋼より線6貫通用の4本の小径の管P81を突出した後側保持筒部81Sとから成るものである。
そして、コンクリート硬化後の、各PC鋼より線6の、緊張延伸と、アンカーヘッド31内へのくさび32を介した定着、及び各PC鋼より線6の余長PLの切断除去は、ジャッキ及び油圧カッターによって、アンカーヘッド31の前面F31を押圧面として、支圧板1Aに負担をかけずに実施出来るため、支圧板1Aの厚さ(12mm)も薄く出来る。
従って、定着具Dは、アンカーヘッド31とエンドキャップ81を備えたことにより、定着体1の小寸化、軽量化が可能となる。
そして、エンドキャップ81内へのグラウトモルタル充填作業は、アンカーヘッド外周のグラウト溝31Gからのグラウトモルタル11Cの流出の確認により、目視可能作業となり、完全な充填が合理的に実施出来る。
そして、くさび32は、外周面の複数本の挿入用溝32Gに各PC鋼より線6を挿入してアンカーヘッド31内に圧接着座するため、くさび32へのPC鋼より線6の配置、及び挿入操作が容易であると共に、各PC鋼より線6の所定間隔での強固な保持を達成する。
尚、挿入用溝32GとPC鋼より線6との寸法関係は、図2(B)に示す如く、PC鋼より線6を挿入用溝32Gに嵌合した状態で、PC鋼より線6がくさび周面S32から若干寸法d32(標準:2mm)突出させれば良い。
そのため、従来のコンクリート欠込みより、遥かに小さなコンクリート欠込み11Aの下に、従来より遥かに小型、且つ軽量の定着体1によって各PC鋼より線6の定着が可能となる。
従って、定着体1、アンカーヘッド31、くさび32及びエンドキャップ81から成る定着体Dは、本願の請求項1の方法の発明を、PC鋼より線6のプレストレスト建物内への配置の自由度向上の下に、作業性良く、好適に実施出来る。
この場合、支圧板1Aの曲率半径は、あまり小さくすれば、応力破壊面は水平に近づき、圧縮応力度が大となるが、圧縮域が小さくなって周辺のコンクリートの圧縮力が利用出来なくなる。
そのため、一辺が125mm正方の支圧板1Aにあっては、曲率半径200〜250mmが現実的であり、典型的には、200mmである。
また、突起1Cは、定着体円筒部1Tの強度増大と、円筒部1Tのコンクリート付着力増大、及び、円筒部1Tの補強を図るものであるため、高さhcが10mm前後(標準:9mm)の断面半円状突起であれば良い。
そのため、筒状のテーパー突出片1Dは、エンドキャップ前端の前側円錐筒部81Tに対する圧接挟着嵌合面を提供し、エンドキャップ前端の前側円錐筒部81Tが図1(B)の如く、外側円錐筒81Aと内側円錐筒81Cとを備えておれば、定着体1の後端のテーパー突出片1Dは、段部1Gが内側円錐筒81Cのストッパー機能を奏し、エンドキャップ81は定着体円筒部1Tに押し込むだけで弾性挟着接続が可能となる。
そして、PC鋼より線6の緊張に対する支持力が増大すると共に、円筒部1T外周の突起1Cがコンクリート付着強度を増大するため、定着体1の小型化を助長する。
そして、円筒部1Tは、後端に、段部1Gを介した拡径状の嵌合用孔H1´を備えているため、前側円錐筒部81Tを備えたエンドキャップ81の嵌合接続を容易とする。
そして、円錐筒31Tの前面F31が、各PC鋼より線6の緊張、定着作業時に、ジャッキ押圧面を提供し、支圧板1Aへの負担無く、PC鋼より線の緊張、定着、切断作業を可能とする。
この場合、くさび32は、外周の各挿入用溝32GにPC鋼より線6を、図2(B)に示す如く、若干(標準:2mm)突出した形態でアンカーヘッド31内に嵌入するため、くさび32の太さ(外周径)は、くさび32自体の外径より若干(標準:2mm)大径となってアンカーヘッド31内に着座する。
そのため、くさび32の後面B32の径db(標準:30mm)を、アンカーヘッド31の円筒面挿入用孔H31´の径(標準:30mm)と同一か、それより大とすれば、くさび32のアンカーヘッド挿入用孔H31´内への浸入が阻止出来る。
そして、くさび32は定着体1の前面1Fより内方での定着であるため、定着体1の前面のコンクリート被り厚Sxは、定着体1のみの被り厚として設計出来るため、最小の被り厚40mm(規定厚:30mm+余裕:10mm)と出来、コンクリート欠込み11Aの小寸化に支障を生じない。
この場合、「アンボンドPC鋼より線」は、PC鋼より線にポリエチレンシース6Sを被覆した慣用品であり、PC鋼より線6自体の径が15.2mmであれば、アンボンドPC鋼より線6の外径は、被覆シース(ポリエチレンシース)6Sを備えているため18.2mmである。
この場合、エンドキャップ81の後側保持筒部81Sは、典型的には、長さLSが20mmで内径が20.2mmの4本の管(パイプ)P81の総称であり、各アンボンドPC鋼より線の外径が18.2mmであるため、アンボンドPC鋼より線6は、管P81に対して、外周に約1mm(標準:0.9mm)の隙間を保つ嵌合となるが、パイプP81が20mm長であるため、該隙間はコンクリート流入を実質上阻止する。
また、環状係合溝81Gの前方への拡開角は、定着体1の円筒部後端の筒状のテーパー突出片1Dを弾性挟着するように、テーパー突出片1Dの拡開角より若干(0.1〜0.3°)狭くしておくと良い。
そして、PC鋼より線6の緊張、定着後には、エンドキャップ81内にグラウトモルタルを充填するため、エンドキャップ81内で被覆シース6Sを剥がした各PC鋼より線6は防錆保護され、各アンボンドPC鋼より線6は位置保持される。
この場合、前端の取付用ピースはアングル形態で外方に突出して釘孔nhを、後端の取付用ピース14Bは内方に突出してボルト孔bhを配置し、且つ、支圧板1Aの対応位置にもボルト孔bhを配置しておけば良い。
従って、スリーブパイプ14の簡単な取付け、及び抜脱により、且つ、周面がテーパーt13を備えた円形合板13Aの併用により、所望のコンクリート欠込み11Aが形成出来、円形合板13Aの併用によって、補修復元がきれいに仕上がる拡大域Z13を備えたコンクリート欠込み11Aが形成出来る。
そのため、支圧板1Aの前面のコンクリート被り厚Sxが小さく出来る。
そして、支圧板1Aが、円筒部1Tと共にコンクリートC0内に埋設されるため、定着体1に対するコンクリートC0の固着支持力が増大し、支圧板1Aと側方のコンクリート表面、例えば床スラブ表面との寸法、即ち、床スラブコンクリートC0の被り厚Syも小さく出来る。
また、コンクリート型内にセットした定着体1の内部への打設コンクリートの流入阻止手段も、エンドキャップ81の、前側円錐筒部81Tを定着体1の後端に嵌合し、後側保持筒部81Sで、貫入したアンボンドPC鋼より線6を嵌合支持させるだけであるから施工が簡単であり、テープ捲回などの隙間処理の煩雑な作業は不要となる。
また、PC鋼より線6の緊張作用の反力は、定着体1内に着座一体化したアンカーヘッドが負担するため、支圧板1Aは、従来(65mm厚)より極端に薄く(12mm厚)出来、定着体は、従来(図9)より極端に小型化、軽量化出来る。
そして、PC鋼より線6の緊張・定着・切断作用は、ジャッキ、油圧カッターの支持体(反力体)をアンカーヘッド31が担当し、支圧板1Aに負担をかけることなく実施出来るため、支圧板1Aの厚さが薄く出来ることと、エンドキャップ81の接続によるアンボンドPC鋼より線の真直性が保持出来ることによる定着体円筒部1Tが短く出来ることにより、定着体1は、従来(図9)の同一引張り応力を負担する定着体より遥かに小型化、軽量化出来る。
従って、小型化、軽量化した定着体及び安価な細番手PC鋼より線の複数本の採用によって、プレストレスト建物の設計、施工の自由度が増大し、アンボンドPC鋼より線でのプレストレスト建物構築の普及に寄与出来る。
図5(A)は、定着体1の前方からの全体斜視図であり、図5(B)は定着体1の側面図、図5(C)は、定着体1の前面図、図5(D)は、定着体1の図5(A)のD−D線縦断面図である。
定着体1は、前面の垂直形態の支圧板1Aと、支圧板1Aの中央部から後方に延出した縮径形態の円筒部1Tとから成り、支圧板1Aの中央部からは、円筒部1T後部まで貫通するアンカーヘッド着座用の挿入用孔H1を、挿入用孔H1の後端には、拡径段部1G及び段部に引続く、短寸の嵌合用孔(挿入用孔)H1´を備えたものであり、図5(D)に示す如く、嵌合用孔H1´は、挿入用孔H1の後端から、急拡径段部1Gを介して緩拡径するものである。
そして、図5(D)に示す如く、支圧板1Aの後面から後方へ、縮径形態で引続く円錐状の円筒部1Tは、先端外径Rfが93mm、後端外径Rbが73.1mm、肉厚t1が10mmで、円筒部1Tの長手方向中央部の外周には、高さhcが9mmの環状リブ状の断面半円状突起1Cを備えており、定着体1の全長L1は87.7mmである。
アンカーヘッド31は、中央の着座用円錐孔H31でPC鋼より線6を定着するくさび32を着座保持し、円錐筒31Tの外周面で定着体1の円錐形態の挿入用孔H1内に着座する部材であり、図6(A)は全体斜視図、図6(B)は正面図、図6(C)は側面図、図6(D)は(A)図のD−D線縦断側面図である。
そして、外周面S31には、前面F31から後面B31に貫通する、内径9mmの円の半円形態のグラウト溝31Gを備えている。
また、くさびを着座させる円錐孔H31は、前端径R31が45mm、後端径R31´が30mmで、長さLhが45mmであり、円錐孔H31の後端からは、長さLh´が16mmで径R31´が30mmの円筒孔H31´が連通している。
くさび32は、外周に前面F32から後面B32に貫通する挿入用溝32Gを等間隔(90°間隔)に4本配置して、該挿入用溝32G内に、直径15.2mmのPC鋼より線6を嵌合挿入した状態で、アンカーヘッド31内に着座させて、各PC鋼より線6をアンカーヘッド31に強固に定着するための部材であり、JISG4051の機械構造用炭素鋼製である。
くさび32は、長さL32が40mmで、前面F32の径dtが45mm、後面B32の径dbが30mmの円錐体であって、図7(A)は全体斜視図、図7(B)は正面図、図7(C)は側面図、図7(D)は、図7(A)のD−D線縦断面図である。
くさび32の挿入用溝32Gは、PC鋼より線6の1本を嵌合挿入するものであり、15.2mm径のPC鋼より線6の1本を嵌合する挿入用溝32Gは、底面がPC鋼より線6を着座させる円弧面であるため、溝幅WGは、PC鋼より線6の嵌入を許容する幅(標準15.3mm)であり、深さは図2(B)に示す如く、PC鋼より線6を着座した状態で、PC鋼より線6の頂部が寸法d32(標準:2mm)だけ突出する寸法とする。
エンドキャップ81は、定着体1の円筒部1T後端に嵌合接続して、コンクリート型内にセットした定着体1の円筒部1T後端からの、及び定着体1内へ貫入したアンボンドPC鋼より線6の外周からの、定着体1内部への打設コンクリートの流入を阻止すると共に、各アンボンドPC鋼より線6の真直性を保持するものであって、図8(A)は全体斜視図、図8(B)は、図8(A)の矢印B視正面図、図8(C)は、図8(A)の矢印C視背面図、図8(D)は図8(A)のD−D線断面図、図8(E)は図8(C)の対応変形例図である。
そして、図8(D)に示す如く、前側円錐筒部81Tは、長さLTが22mmで、前方へ拡径して前端の外径dtが79.9mmの外側円錐筒81Aと、前方へ緩縮径した長さ22mmの内側円錐筒81Cとを、高さ5mmの立上り辺81Dで一体化し、外側円錐筒81Aと内側円錐筒81Cとの間に、前方へ拡開形態の環状係合溝81Gを備えた二重筒形態である。
また、中間円筒部81Mは、長さ方向中間から、外径25mm、高さ30mmのグラウト注入口4Aを突出している。
スリーブパイプ14は、コンクリート型枠のセット時に、定着体1の前面に配置する型材であって、定着体1の前面に、PC鋼より線6の緊張定着作業用のコンクリート欠込み11Aを形成するポケットフォーマである。
図1(C)は、スリーブパイプ14と、スリーブパイプ14の前面に付設する円形合板との分解斜視図である。
スリーブパイプ14は、一般肉厚2.3mmの鋼板成形体であり、図1(C)の如く、円錐筒14Aは、前端径h14が130mm、後端径h14´が120mm、長さL14が28mmである。
また、円形合板13Aは、厚さ12mmで、外面径(d13)が160mm、周側面が、外面側から内面側にテーパー面t13で縮径するもので、内面をスリーブパイプ前端の取付用ピース14Bと釘打ち固定するものである。
図1(A)は、複数本のアンボンドPC鋼より線の緊張端側の型セット状態図であり、図2(A)は、PC鋼より線の固定端側の型セット状態図であり、図2(B)は定着具Dの分解斜視図である。
図1(A)に示す如く、定着体1の円筒部後端の筒状テーパー突出片1Dに、エンドキャップ81の前側円錐筒部81Tを嵌合して、定着体1とエンドキャップ81をコンクリート型内に配置する。
この場合、エンドキャップ81の後側保持筒部81Sを構成する4本のパイプP81の各挿入用孔H81´の内径は20mmであって、アンボンドPC鋼より線外径が18.2mmであるため、若干(標準:0.9 mm)の隙間のある嵌合となるが、内径が20mmのパイプP81の長さLSが20mmであるため、各アンボンドPC鋼より線のシースパイプ6Sと各パイプP81との嵌合は、実質上コンクリート流入が阻止出来る。
この場合、各PC鋼より線6の余長PLは、円形合板13A及びせき板13Bを貫通突出させておく。
この場合、エンドキャップ81の内側円錐筒81Cの前端が、定着体1の円筒部1Tの嵌合用孔H1´の段部1Gに当接し、段部1Gがエンドキャップ61の嵌合のストッパー機能を奏し、エンドキャップ81は、定着体1の後端の筒状テーパー突出片1Dを弾性挟着した形態で、定着体後端に嵌合接続し、必要に応じて、針金で位置保持する。
そして、コンクリート型枠にコンクリートを打設し、コンクリートが硬化したら型枠を解体する。
各PC鋼より線6の緊張定着は、図4(A)に示す如く、くさび32の挿入用溝32Gに嵌合挿通した各PC鋼より線6の余長PLを首長チェア10に挿通し、首長チェア10の先端をアンカーヘッド前面F31に当接して、アンカーヘッド31を支圧面として、PC鋼より線6をジャッキ9の後部で保持して緊張する。
そして、所定張力に緊張が完了した後、くさび32をアンカーヘッド31内に押圧着座させ、PC鋼より線6の余長PLを、先端が定着体前面1Fから突出しない形態に、油圧カッター(図示せず)で切断し、次いで、エンドキャップ81内に、注入口4Aを介してグラウトモルタル11Cを、アンカーヘッド31のグラウト溝31Gから流出するまで充填し、次いで、定着体1の前面のコンクリート欠込み11Aに無収縮モルタル11Bを充填する。
定着体1は、それ自体慣用の、スパイラル筋(図示せず)で強化保持され、コンクリート欠込み11Aは無収縮モルタル11Bで補修され、且つ、エンドキャップ81内では、グラウトモルタル11Cが充填されて、各PC鋼より線6は、被覆シース6Sを除去した剥き出し部に防錆機能が付与され、定着形態の確保されたアンボンドのPC鋼より線定着構造となった。
そして、各PC鋼より線6の、緊張端P側にあっても、固定端L側にあっても、定着体1の前面1Fからの突出物が存在しないため、コンクリート被り厚Sxは40mm(設計限界値30mm+余裕10mm)と小さく出来た。
また、緊張端P側でのコンクリート欠込み11Aに対する無収縮モルタル11Bでの復元補修も、スリーブパイプ14に付設採用した円形合板13Aによる拡大域Z13の存在により、固着力の増大の下にきれいに仕上られた。
図8(E)は、エンドキャップ81の後側保持筒部81Sの変形例の背面図であり、後側保持筒部81Sは、実施例では4本のパイプP81で構成したが、図8(E)に示す如く、実施例(図8(C))の各パイプP81を一体化した断面形状のパイプP´81としても良い。
そして、4本のアンボンドPC鋼より線6を1本のパイプP´81から定着体Dに貫入配置し、パイプP´81とアンボンドPC鋼より線6群との隙間に粘土を充填閉止すれば良い。
この場合は、エンドキャップ81への、各アンボンドPC鋼より線6の挿入作業が容易となる。
勿論、必要に応じてパイプP´81の端部には、ビニールテープを巻き付けても良い。
1A 支圧板
1C リブ状突起(突起)
1D 筒状テーパー突出片(テーパー突出片、突出片)
1F,F31,F32 前面
1G 段部
1T 円筒部
4A グラウト注入口(注入口)
4B グラウトホース
6 PC鋼より線(アンボンドPC鋼より線)
6S 被覆シース(ポリエチレンシース、シースパイプ)
9 ジャッキ
10 首長チェア
11A コンクリート欠込み(欠込み)
11B 無収縮モルタル
11C グラウトモルタル
13A 円形合板(型板)
13B せき板(型板)
14 スリーブパイプ(ポケットフォーマ)
14A 円錐筒
14B 取付用ピース
17A セパレータ
17B フォームタイ
17C Pコン
31 アンカーヘッド
31G グラウト溝
31T 円錐筒(円筒)
32 くさび
32G 挿入用溝
32T 円錐体
81 エンドキャップ
81A 外側円錐筒
81C 内側円錐筒
81D 立上り辺
81G 係合溝(環状係合溝)
81M 中間円筒部
81S 後側保持筒部
81T 前側円錐筒部(円錐筒部)
b13 ボルト
bh ボルト孔
C0 コンクリート(打設コンクリート、コンクリート躯体)
D 定着具
Es 切落とし先端(シース先端、切除端)
H1,H31,H81,H81´,H´81´ 挿入用孔
H1´ 嵌合用孔(挿入用孔)
H31 円錐孔(挿入用孔)
H31´ 円筒孔(挿入用孔)
L 固定端
n13 釘
nh 釘孔
P 緊張端
P81,P´81 管(パイプ)
PL 余長
S31 アンカーヘッド外周面(外周面)
S32 くさび外周面(外周面)
Sx,Sy 被り厚(深さ)
t13 テーパー面
Z13 拡大域
Zb 後側コンクリート域
Zf 前側コンクリート域
Claims (11)
- 前端の垂直形態の正方形支圧板(1A)と、支圧板(1A)から後方に、水平に引続く縮径形状の円筒部(1T)とを備え、且つ、貫通する挿入用孔(H1,H1´)を有する定着体(1)をコンクリート型枠内に配置し、円筒部(1T)後端には、前側円錐筒部(81T)と、グラウト注入口(4A)を備えた中間円筒部(81M)と、アンボンドPC鋼より線保持用の後側保持筒部(81S)とから成るエンドキャップ(81)を、前側円錐筒部(81T)の定着体円筒部(1T)後端への嵌合により接続し、アンカーヘッド(31)を定着体挿入用孔(H1)内に、複数のPC鋼より線(6)を挟着するくさび(32)をアンカーヘッド(31)内に嵌合して、PC鋼より線(6)を、定着具(D)を貫通して余長(PL)を型板(13A,13B)外に突出させ、定着体支圧板(1A)と型板(13A,13B)間にポケットフォーマ(14)を配置して、コンクリート型枠をセットし、コンクリートの打設硬化後にコンクリート型枠を解体し、次いで、支圧板(1A)の前面に形成したコンクリート欠込み(11A)を介して、定着体(1)より突出する各PC鋼より線(6)を緊張して、くさび(32)及びアンカーヘッド(31)で定着体(1)に定着し、次いで、各PC鋼より線(6)の余長(PL)を切除し、エンドキャップ(81)内にはグラウトモルタル(11C)を充填し、コンクリート欠込み(11A)には無収縮モルタル(11B)を充填する、アンボンド工法に於ける複数PC鋼より線の定着方法。
- 定着体(1)が、挿入用孔(H1)の後端から、拡径状段部(1G)を介して後端へと拡径する小寸の嵌合用孔(H1´)によって、円筒部(1T)の後端にテーパー突出片(1D)を備え、エンドキャップ(81)の外側円錐筒(81A)と内側円錐筒(81C)とを備えた前側円錐筒部(81T)を定着体のテーパー突出片(1D)に嵌合する、請求項1の複数PC鋼より線の定着方法。
- アンカーヘッド(31)は、円錐筒(31T)の外周面に、前面(F31)から後面(B31)に貫通するグラウト溝(31G)を備え、着座形態では、前面(F31)が定着体前面(1F)より内側であり、且つ後面(B31)が挿入用孔(H1)の後端の段部(1G)に干渉しない位置を占め、くさび(32)は、円錐体(32T)の外周面に、前面(F32)から後面(B32)に貫通する複数の挿入用溝(32G)を備えている、請求項1又は2の複数PC鋼より線の定着方法。
- 定着体(1)は、正方形板形態の支圧板(1A)が後方へ弯曲し、円筒部(1T)の長さ方向中間の外周にリブ状突起(1C)を備えている、請求項1乃至3のいずれか1項の複数PC鋼より線の定着方法。
- エンドキャップ(81)は、前側円錐筒部(81T)が、前方に拡開する外側円錐筒(81A)と立上り辺(81D)と前方に縮径する内側円錐筒(81C)とで、前方に拡開する環状の係合溝(81G)を備え、外側円錐筒(81A)が、グラウト注入口(4A)を備えた中間円筒部(81M)と接続し、中間円筒部(81M)の後面(B81)から、複数本のアンボンドPC鋼より線(6)を貫通保持するための、後側保持筒部(81S)を突設している、請求項1乃至4のいずれか1項の複数PC鋼より線の定着方法。
- ポケットフォーマとして、前端と後端に取付用ピース(14B)を備えた円錐筒のスリーブパイプ(14)を採用し、前端の取付用ピース(14B)をせき板(13B)の内面に仮固定する円形合板(13A)に、後端の取付用ピース(14B)を支圧板(1A)の前面に取付ける、請求項1乃至5のいずれか1項の複数PC鋼より線の定着方法。
- 請求項1の発明の実施に用いるための、定着体(1)と、アンカーヘッド(31)と、くさび(32)と、エンドキャップ(81)とを含む定着具(D)であって、定着体(1)は、前端の垂直形態で後方に緩弯曲した正方形支圧板(1A)と、支圧板(1A)から後方に引続く縮径形態で、後端にテーパー突出片(1D)を有する円筒部(1T)とを備えると共に、前端から後方へ縮径形態の挿入用孔(H1)を備え、アンカーヘッド(31)は、くさび(32)着座用の円錐孔(H31)を備え、外周面(S31)が、定着体(1)の挿入用孔(H1)に嵌着する縮径形態の円錐筒(31T)であって、前面(F31)から後面(B31)に貫通するグラウト溝(31G)を備えており、くさび(32)は、外周面(S32)が、アンカーヘッド(31)の円錐孔(H31)に着座する円錐面であって、前面(F32)から後面(B32)に貫通するPC鋼より線(6)挿入用溝(32G)を複数本備えており、エンドキャップ(81)は、定着体(1)の円筒部後端のテーパー突出片(1D)に嵌合するための前側円錐筒部(81T)と、グラウト注入口(4A)を備えた中間円筒部(81M)と、貫入アンボンドPC鋼より線(6)を支持する後側保持筒部(81S)とを備えたものである定着具。
- 定着体(1)は、正方形状板体の支圧板(1A)が、後方へ200〜250mmの曲率半径で弯曲し、円筒部(1T)の長さ方向中間外周にリブ状突起(1C)を備え、且つ、後方へ縮径する挿入用孔(H1)が、拡開状段部(1G)を介して後端へと拡径する短寸の嵌合用孔(H1´)に連通している、請求項7の定着具。
- アンカーヘッド(31)は、円錐筒(31T)の前面(F31)から縮径する円錐面の挿入用孔(H31)と、挿入用孔(H31)から引続く円筒面の挿入用孔(H31´)を備え、定着体(1)の挿入用孔(H1)への着座形態では、円錐筒(31T)の最小外径(db)である後面(B31)が、定着体(1)の挿入用孔(H1)の段部(1G)に干渉しない位置を占め、前面(F31)が、定着体(1)の前面(1F)より内方位置を占める、請求項7又は8の定着具。
- くさび(32)は、アンカーヘッド(31)への着座形態では、後面(B32)が、アンカーヘッド(31)の円筒面挿入用孔(H31´)に干渉しない位置を占め、前面(F32)が、定着体(1)の前面(1F)より内方位置を占める、請求項7、又は8、又は9の定着具。
- エンドキャップ(81)は、前側円錐筒部(81T)が、前方への拡径形態の外側円錐筒(81A)と、前方への縮径形態の内側円錐筒(81C)とを立上り辺(81D)で接続して、両円錐筒(81A,81C)間に、前方へ拡開する環状係合溝(81G)を形成すると共に、外側円錐筒(81A)で中間円筒部(81M)と一体化し、中間円筒部(81M)は、中間からグラウト注入口(4A)を側方に突出すると共に、後面(B81)からは、複数本のアンボンドPC鋼より線(6)を保持するための挿入用孔(H81´,H´81´)を備えた後側保持筒部(81S)を延出した、請求項7乃至10のいずれか1項の定着具。
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