JP6120194B1 - 耐震スリット材の取り付け構造及びその施工方法 - Google Patents

耐震スリット材の取り付け構造及びその施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】第一及び第二の型枠構造体に耐震スリット材を強固に固定してコンクリートの圧力による脱落を防止するとともに、作業工程を著しく簡略化でき、かつ、コンクリート面を確実に仕上げることのできる耐震スリット材の取り付け構造及びその施工方法を提供することである。【解決手段】第一及び第二の型枠構造体1、2は、並べて設置された型枠10A、10B(20A、20B)と、耐震スリット材4の取り付け位置において型枠間に固定されたスリット桟木3とを有する。スリット桟木3の断面形状は、台形部と方形部を一体化した六角形状であり、隣接する型枠間に方形部が挟まれて固定されており、台形部に、耐震スリット材4の支持部材5、6が嵌め込まれて取り付けられる。【選択図】図2

Description

本発明は、コンクリート建築物の壁体等に埋設される耐震スリット材を型枠に取り付けるための取り付け構造、及びその施工方法に関する。
鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリート等のコンクリート建築物においては、地震の揺れによる破壊を防止するため、壁体の横断方向に耐震スリット材を埋設して構造的に切り離された部分(耐震スリット)を作る技術が知られている。そのためには、コンクリートの型枠に、予め耐震スリット材を取り付けておく必要がある。耐震スリット材の取り付け構造としては、図7に示すように、型枠91、92に釘等の固定具Nで目地棒Mを固定しておき、この目地棒Mに、スリット材本体95の両端部に装着された支持部材93、94の溝部を嵌合させて取り付ける技術が広く普及している(例えば、下記特許文献1参照)。
しかし、図7に示す取り付け構造によれば、目地棒Mが型枠に固定具Nのみで固定されているため、空間Sにコンクリートを打設すると、流し込まれたコンクリートの圧力で固定具Nが脱落し、支持部材93、94やスリット材本体95が所定位置から移動してしまうという問題があった(一般に、「パンク現象」と呼ばれている)。そのため、1つの目地棒Mに打ち込む固定具の間隔(ピッチ)を狭くして固定箇所を増やしたり、別の固定手段で補強したりしなければならず、作業工程が増えるという問題があった。
そこで、「パンク現象」を防止するための対策として、目地棒の一部を型枠間に挟み込む技術も知られている。例えば、下記特許文献2には、固定部材4(目地棒)に支持板4bを設けて型枠で挟み込む技術が開示されている。また、下記特許文献3には、予め耐震スリット材と一体に組み付けた目地部形成用治具13(目地棒)を、型枠で挟み込む技術が開示されている。
特開2002−194920号公報 特開2001−214634号公報 特開平10−317666号公報
特許文献2に示される技術では、型枠間に挟み込まれる部分(支持板4b)が、固定部材4の他の部分より薄く形成されているため変形しやすく、強度や耐久性の面で不安がある。また、固定部材4に位置決め部19が設けられているため、位置決め部19と型枠表面との間にコンクリートが入り込みやすく、施工不良を起こしやすいという問題がある。
また、特許文献3に示される技術では、目地部形成用治具13、固定用治具14、スリット部材12を事前にボルトで組み付けて一体化する作業が必要となるため、作業工程が増えるという問題がある。
本発明の課題は、耐震スリット材を型枠に強固に固定して「パンク現象」を防止するとともに、作業工程を著しく簡略化することができ、しかも、コンクリート面を確実に仕上げることのできる耐震スリット材の取り付け構造とその施工方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る耐震スリット材の取付け構造は、対向して設置された第一及び第二の型枠構造体1、2と、前記型枠構造体間に横断的に配置された耐震スリット材4とを備える型枠構造における、耐震スリット材4の取り付け構造であって、第一及び第二の型枠構造体1、2は、並べて設置された複数の型枠と、耐震スリット材4の取り付け位置において型枠10A、10B(20A、20B)間に固定されたスリット桟木3とをそれぞれ有しており、各スリット桟木3の断面形状は、頂面3aと、頂面に平行な底面3dと、底面に垂直な2つの側面3c、3c’と、頂面から各側面に向けてハの字状に傾斜した2つの傾斜面3b、3b’とを備えることにより、台形部と方形部とを一体化した六角形状をなしており、各スリット桟木3は、台形部を型枠の内側に向けて突出させ、かつ、方形部を隣接する型枠10A、10B(20A、20B)間に挟まれた状態で、固定具8により型枠10、20と固定されており、耐震スリット材4は、板状のスリット材本体7と、一対の支持部材5、6とを有し、各支持部材は内側溝部51、61と外側溝部52、62を有しており、内側溝部51、61にスリット材本体7の両端部が嵌め込まれているとともに、外側溝部52、62に各スリット桟木3の台形部が嵌め込まれていることを特徴とする。
また、本発明に係る耐震スリット材の施工方法は、対向して設置される第一及び第二の型枠構造体1、2と、前記型枠構造体間に横断的に配置される耐震スリット材4を有する型枠構造における、耐震スリット材4の施工方法であって、第一及び第二の型枠構造体1、2は、並べて設置された複数の型枠と、耐震スリット材4の取り付け位置において型枠10A、10B(20A、20B)間に固定されたスリット桟木3とをそれぞれ有しており、各スリット桟木3の断面形状は、頂面3aと、頂面に平行な底面3dと、底面に垂直な2つの側面3c、3c’と、頂面から各側面に向けてハの字状に傾斜した2つの傾斜面3b、3b’とを備えることにより、台形部と方形部とを一体化した六角形状をなしており、耐震スリット材4は、板状のスリット本体7と、一対の支持部材5、6とを有し、各支持部材5、6は内側溝部51、61と外側溝部52、62を有しており、スリット本体7の両端部が、各支持部材5、6の内側溝部51、61に予め嵌め込まれて一体化されたものであり、前記施工方法は、一の型枠10Aを設置した後、スリット桟木3を、台形部が型枠の内側を向くように配置し、前記スリット桟木3の一方の側面3cを、前記一の型枠10Aの側面に当接させ、固定具8Aを打ち込むことにより、前記スリット桟木3を前記一の型枠10Aに固定する工程と、前記スリット桟木3の他方の側面3c’に、他の型枠10Bの側面を当接させ、固定具8Bを打ち込むことにより、前記他の型枠10Bを前記スリット桟木3に固定する工程と、を含む、第一の型枠構造体設置ステップと、前記第一の型枠構造体1から突出する前記スリット桟木3の台形部に、耐震スリット材4の一方の支持部材5の外側溝部52を取り付けて固定する工程を含む、耐震スリット材設置ステップと、固定された前記耐震スリット材4の他方の支持部材6の外側溝部62に、新たなスリット桟木3の台形部を嵌め込んで位置決めを行うとともに、前記新たなスリット桟木3の一方の側面3cを、第一の型枠構造体1に対向して配置される一の型枠20Aの側面に当接させ、固定具8Cを打ち込むことにより、前記新たなスリット桟木3を前記一の型枠20Aに固定する工程と、前記新たなスリット桟木3の他方の側面3c’に、他の型枠20Bの型枠板11の側面を当接させ、固定具8Dを打ち込むことにより、前記他の型枠20Bを前記新たなスリット桟木3に固定する工程と、を含む、第二の型枠構造体設置ステップを含むことを特徴とする。
また、スリット桟木は、着色された樹脂製フィルムによって予め被覆されていることが望ましい。
本発明によれば、型枠の設置作業とスリット桟木(従来の目地棒に相当)の固定作業が同時に行われるので、スリット桟木の取り付け位置を正しく定めることができるとともに、作業工程を著しく簡略化することができる。また、流し込まれるコンクリートの圧力をスリット桟木を介して型枠全体で受けるため、耐震スリット材が移動するおそれがなく、「パンク現象」を確実に防止することができる。さらに、スリット桟木と型枠の間に隙間が生じるおそれがなく、コンクリートの施工不良をなくすことができる。
また、 スリット桟木を樹脂フィルムで被覆した場合には、スリット桟木の強度と耐久性が向上するとともに、コンクリートの付着を防止することができる。さらに、着色された樹脂フィルムを用いることにより、視認性が高まり、暗い場所での作業がしやすくなるという効果もある。
本発明に係る耐震スリット材の取り付け構造の分解斜視図である。 本発明に係る耐震スリット材の取り付け構造の断面図である。 第一の型枠構造体の設置工程を示す断面図である。 第一の型枠構造体の設置工程(続き)を示す断面図である。 実施例1におけるスリット桟木の拡大断面図である。 実施例2におけるスリット桟木の拡大断面図である。 従来例の取り付け構造の断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例1について詳細に説明する。
本実施例において、コンクリート型枠は、図1、図2に示すように、壁体等を形成するために一定の間隔をおいて対向して設置される第一の型枠構造体1及び第二の型枠構造体2と、その間のコンクリート打設空間Sに横断的に設置される耐震スリット材4とを備える。
耐震スリット材4は、図2に示すように、発泡樹脂(ポリエチレンフォーム等)からなる板状のスリット材本体7の両端部に、硬質樹脂(塩化ビニル等)で形成された一対の支持部材5、6を取り付けて一体化したものであり、「耐震スリット材」等の名称で市販されている既製品を使用することもできる。
各支持部材5、6は長尺形状であり、内側溝部51、61と外側溝部52、62を備える。このうち、内側溝部51、61は、スリット材本体7の端部を嵌め込むことができるように略コの字状とされており、外側溝部52、62は、後述するスリット桟木3を嵌め込むことができるように略テーパ状とされている。そして、現場での施工作業を行う前に、スリット材本体7の両端部を各支持部材5、6の内側溝部51、61に嵌め込んで予め一体化してある。なお、71は耐火材として充填されたロックウール材である。
第一の型枠構造体1と第二の型枠構造体2は、いずれも複数の型枠10A、10B・・・、20A、20B・・・とスリット桟木3を壁体の長さ方向に並べて配置し、釘などの固定具8で固定して構成されている(以下、第一の型枠構造体1の構成要素である型枠を総称して「型枠10」、第二の型枠構造体2の構成要素である型枠を総称して「型枠20」という)。なお、説明を簡略化するため、図1〜4では、各型枠構造体1、2のそれぞれにつき、スリット桟木1個とそれに隣接する型枠2枚の要部のみを示すが、実際には、複数の型枠がこれに連なって配置される。また、壁体が柱や梁と接する部位では、型枠もそれに対応する形状となるように配置されるが、この点は従来どおりであるので詳細な説明は省略する。
第一及び第二の型枠構造体1、2を構成する型枠10、20は、合板等からなる型枠板11と、その裏面(外側面)に固定された複数の型枠桟木12とを備えている。なお、型枠桟木12は、型枠板11の両端部とその中間部に間隔をおいて固定されている(図2)。
次に、本発明の特徴であるスリット桟木3について説明する。スリット桟木3は従来の目地棒に相当するものであり、耐震スリット材4を取り付けるために用いられる。材質はラワン材等の木材で作製することが望ましいが、これに限られるものではない。図5に示すように、スリット桟木3の断面形状は、頂面3aと、頂面に平行な底面3dと、底面に垂直な2つの側面3c、3c’と、頂面から各側面に向けてハの字状に傾斜した2つの傾斜面3b、3b’を備えており、台形部と方形部とを一体化した六角形状となっている。スリット桟木3の各部分の寸法の一例を図5に示す(単位はmm)。スリット桟木3の底面3dの幅寸法Wを25mmとした場合、支持部材5、6の仕様にもよるが、約25〜40mm程度の幅の耐震スリット材4の施工に使用することが可能である。また、スリット桟木3の方形部の高さ(側面3c、3c’の長さ)Lは、図2から明らかであるように、型枠10、20の厚み寸法(型枠板11と型枠桟木12の厚みの合計)と一致させることが望ましい。
図2に示すように、第一及び第二の型枠構造体1、2のいずれにおいても、スリット桟木3は台形部を内側に向けた状態で、隣接する左右の型枠10A、10B間、及び20A、20B間に方形部を挟まれてそれぞれ固定されている。そして、各スリット木3の台形部が耐震スリット材4の取り付け位置に対応しており、各台形部が各支持部材5、6の外側溝部52、62と嵌合することにより、耐震スリット材4が型枠構造体1、2に取り付けられている。
なお、通常、耐震スリット材4の取り付け位置は、建築物の設計段階で事前に決められている。そこで、作業者は、予め構造図面等で耐震スリット材4の位置を確認し、スリット桟木3の位置が耐震スリット材4の取り付け位置と一致するように、型枠10、20の横幅寸法(壁体の長さ方向の寸法)を加工しておく。これにより、現場では、型枠とスリット桟木3を並べて設置していくだけで、耐震スリット材4の取り付け位置を正確に定めることができる。
図示は省略したが、コンクリート打設空間Sには、鉄筋や鉄骨が配置されるほか、型枠間の間隔を一定に保つセパレータ等が設置される。
次に、本実施例の耐震スリット材4の施工方法について、図3ないし図5に基づいて詳細に説明する。
(第一の型枠構造体の設置作業)
最初に、第一の型枠構造体1を構成する型枠10を、壁体の長さ方向に並べて設置していく。そして、耐震スリット材4の取り付け位置に到達したら、以下の手順で型枠間にスリット桟木3を固定する。
まず、図3に示すように、スリット桟木3を、台形部を内側に向けた状態で、先に設置した一の型枠10Aに隣接させて配置し、前記スリット桟木3の一方の側面3cを、前記型枠10Aの型枠板11の木口面と型枠桟木12の側面に当接させる。そして、この状態で釘8A(固定具)を壁体と平行に(すなわち、壁体の長さ方向に)打ち込むことにより、スリット桟木3を型枠10Aに固定する(第一の工程)。その際、釘8Aは、図3のように型枠桟木12側からスリット桟木3に向かって打ち込んでもよいし、反対に、スリット桟木3側から型枠桟木12に向かって打ち込んでもよいが、図3のように型枠桟木12側から打ち込んだ方が、スリット桟木3の表面に傷(打痕)が付くおそれがないため、スリット桟木3をより長持ちさせることができる。
次に、図4に示すように、他の型枠10Bを、先に固定したスリット桟木3に隣接させて配置し、前記型枠10Bの型枠板11の木口面と型枠桟木12の側面を、スリット桟木3の他方の側面3c’に当接させる。この状態で、型枠桟木12側からスリット桟木3に向かって壁体と平行に釘8Bを打ち込むことにより、他の型枠10Bをスリット桟木3に固定する(第二の工程)。これにより、スリット桟木3の方形部は、型枠間10A、10Bに両側を挟まれた状態で強固に固定されるので、釘を打ち込むピッチを気にする必要がない。また、スリット桟木を片手で支えながら釘を打ち込むことができるので、作業者が一人でも簡単に固定作業を行うことができる。
その後、前記型枠10Bに新たな型枠(図示省略)を隣接させて設置する。同様の手順で残りの型枠を設置していき、再び耐震スリット材4の取り付け位置に到達した場合は、前記第一の工程および第二の工程と同様の手順で型枠間にスリット桟木3を固定する。型枠構造体1の設置作業が終了したら、コンクリート打設空間Sに所定の鉄筋や鉄骨を配置して固定する(図示省略)。
(耐震スリット材の設置作業)
第一の型枠構造体1の設置作業を終えた状態では、型枠の表面からスリット桟木3の台形部が内側に突出しており(図4)、これが耐震スリット材4の取り付け位置に対応する。そこで、作業者は、耐震スリット材4の端部に取り付けられている支持部材5の外側溝部52を、スリット桟木3の台形部に嵌合させて固定する。なお、先に説明したように、スリット材本体7と支持部材5、6は予め一体化されているので、これにより耐震スリット材4自体の設置作業が終了する(図1に示す状態となる)。
(第二の型枠構造体の設置作業)
続いて、第二の型枠構造体2を構成する型枠20を、第一の型枠構造体1に対向するように、壁体の長さ方向に並べて設置していく。そして、耐震スリット材4の取り付け位置に到達したら、以下の手順により、型枠間にスリット桟木3を固定する(図2の下側のスリット桟木3と型枠20A、20Bを参照)。
まず、スリット桟木3を、台形部を型枠の内側に向けた状態で、先に設置した一の型枠20Aに隣接させて配置する。このとき、スリット桟木3の台形部付近に、先に設置した耐震スリット材4の支持部材6の外側溝部62が位置しているので、台形部を外側溝部62に嵌め込んで位置決めを行う。そして、このスリット桟木3の一方の側面3c’を、型枠20Aの型枠板11の木口面と型枠桟木12の側面とに当接させた状態で、壁体と平行に釘8Cを打ち込むことにより、スリット桟木3を型枠20Aに固定する(第一の工程)。この場合も、釘8Cは型枠桟木12側からスリット桟木3に向かって打ち込むようにすると、スリット桟木3の表面に傷が付くことを防止できる。なお、上記説明では、先に一の型枠20Aを設置してから、その隣にスリット桟木3を配置するようにしているが、先にスリット桟木3の位置決めを行ってから、その隣に一の型枠20Aを設置するようにしてもよい。
次に、他の型枠20Bを、先に固定したスリット桟木3に隣接させて配置し、前記型枠20Bの型枠板11の木口面と型枠桟木12の側面を、スリット桟木3の他方の側面3cに当接させた状態で、型枠桟木12側からスリット桟木3に向かって壁体と平行に釘8Dを打ち込むことにより、他の型枠20Bをスリット桟木3に固定する(第二の工程)。これにより、スリット桟木3の方形部が型枠間20A、20Bに挟まれて強固に固定された状態になるので、釘を打ち込むピッチを気にする必要がない。また、作業者は、型枠の外側に立った状態で、スリット桟木を片手で支えながら釘を打ち込むことができるので、一人でも簡単に固定作業を行うことができる。
その後、先に設置した型枠20Bに新たな型枠(図示省略)を隣接させて設置する。同様の手順で残りの型枠を設置していき、再び耐震スリット材4の取り付け位置に到達した場合は、前記第一の工程および第二の工程と同様の手順で型枠間にスリット桟木3を固定する。
(コンクリートの打設及び養生)
第二の型枠構造体2の設置作業が終了したら、空間Sにコンクリートを打設する。このとき、流し込まれたコンクリートの圧力は、支持部材5、6を介してスリット桟木3に伝えられるが、スリット桟木3の方形部が型枠10A、10B及び20A、20Bに挟み込まれているので、強い圧力を受けても脱落するおそれがない。また、スリット桟木3と型枠との間に隙間が生じるおそれがないため、コンクリートを確実に充填することができる。
コンクリートの打設後、コンクリートの気泡を除去するとともに隅々まで充填させるために、型枠構造体1、2にバイブレータや木槌で振動を与える作業を行う。このとき、耐震スリット材4の周辺部分は施工不良が生じやすいため、特に入念に振動を与える必要がある。しかるに、本発明では、スリット桟木3の底面3dが型枠構造体1、2の外側に露出しており、その内側に耐震スリット材4が位置しているので(図2参照)、作業者は、型枠の内側を覗き込まなくても、スリット桟木3の底面3dを目印とすることにより、耐震スリット材4が埋設されている位置を外側から目視で把握することができる。そこで、作業者は底面3dの周辺部分に重点的に振動を与えることにより、耐震スリット材4の周辺のコンクリートを確実に充填することが可能となる。
一定期間の養生後、型枠構造体1、2(型枠10、20とスリット桟木3)を解体して取り外す。このとき、耐震スリット材4(支持部材5、6及びスリット材本体7)はコンクリート壁体内に埋設されており、支持部材5、6の外側溝部52、62のみが外部に露出して目地を形成する。そこで、この目地部にシール材を施工することにより、耐震スリットを備えたコンクリート壁体の施工が完了する。なお、取り外された型枠10、20とスリット桟木3は、繰り返して使用することができる。
次に、実施例1により得られる効果について説明する。
(1)型枠構造体1、2の設置作業と同時に、耐震スリット材4の取付け部位となるスリット桟木3を固定することができるので、耐震スリット材4の取り付け位置が正確に定まり、取付け位置を誤るおそれがない。
(2)型枠とスリット桟木3の設置作業、及びスリット桟木3に対する耐震スリット材4の取り付け作業を一人で行うことが可能となり、作業工程が著しく簡略化される。
(3)スリット桟木3の方形部が型枠間に挟まれて固定されるので、固定具の数やピッチによらず、コンクリート打設時の圧力により耐震スリット材が外れてしまうこと(パンク現象)を確実に防止できる。
(4)スリット桟木3と型枠との間に隙間が生じるおそれがなく、また、スリット桟木3の底面3dを目印として耐震スリットの位置を外部から目で見て確認できるので、コンクリートの施工不良を防止し、確実に充填することができる。
次に、実施例2について図6を参照しながら説明する。
実施例2は、スリット桟木に着色された樹脂フィルムを予め巻き付けることにより、スリット桟木の表面を被覆したものである。なお、それ以外の構成は実施例1と同一であるから説明を省略する。
図6において、30はスリット桟木、31は樹脂フィルムである。樹脂フィルム31の材質としては、例えばポリエチレン等を使用することができる。樹脂フィルムの色としては、赤、青、蛍光色等、視認性が高く、夜間でも目立つ色を使用することが望ましい。
実施例2では、実施例1により得られる効果に加えて以下のような効果が得られる。
(1)スリット桟木30に樹脂フィルム31を巻き付けることにより、木材を単体で用いた場合よりも強度と耐久性が向上する。
(2)樹脂フィルム31により、スリット桟木30にコンクリートが付着しにくくなるため、コンクリート養生後にスリット桟木を取り外す作業が容易となり、繰り返しの使用に耐えることができる。
(3)樹脂フィルム31が着色されているので、スリット桟木30の位置が視認しやすく、暗い場所でも施工作業がしやすくなる。
なお、本発明の実施態様は実施例1、2に限られるものではなく、各構成部分の具体的構成は適宜設計し得るものである。
本発明は、壁体に限られず、さまざまな部位に耐震スリット材を埋設するためにも利用することができる。
1 第一の型枠構造体
2 第二の型枠構造体
3、30 スリット桟木
3a 頂面
3b 傾斜面
3c 側面
3d 底面
4 耐震スリット材
5、6 支持部材
7 スリット材本体
8A〜8D 固定具(釘)
10、20 型枠
11 型枠板
12 型枠桟木
31 樹脂フィルム
51、61 内側溝部
52、62 外側溝部
71 ロックウール
S コンクリート打設空間

Claims (2)

  1. 対向して設置された第一及び第二の型枠構造体と、前記型枠構造体間に横断的に配置された耐震スリット材とを備える型枠構造における、耐震スリット材の取り付け構造であって、
    第一及び第二の型枠構造体は、並べて設置された複数の型枠と、耐震スリット材の取り付け位置において型枠間に固定されたスリット桟木とをそれぞれ有しており、
    各スリット桟木の断面形状は、頂面と、頂面に平行な底面と、底面に垂直な2つの側面と、頂面から各側面に向けてハの字状に傾斜した2つの傾斜面とを備えることにより、台形部と方形部とを一体化した六角形状をなしており、
    前記スリット桟木は、着色された樹脂製フィルムによって被覆されており、
    各スリット桟木は、台形部を型枠の内側に向けて突出させ、かつ、方形部を隣接する型枠間に挟まれた状態で、固定具により型枠と固定されており、
    耐震スリット材は、板状のスリット材本体と、一対の支持部材とを有し、各支持部材は内側溝部と外側溝部を有しており、内側溝部にスリット材本体の両端部が嵌め込まれているとともに、外側溝部に各スリット桟木の台形部が嵌め込まれていることを特徴とする、
    耐震スリット材の取り付け構造。
  2. 対向して設置される第一及び第二の型枠構造体と、前記型枠構造体間に横断的に配置される耐震スリット材を有する型枠構造における、耐震スリット材の施工方法であって、
    第一及び第二の型枠構造体は、並べて設置された複数の型枠と、耐震スリット材の取り付け位置において型枠間に固定されたスリット桟木とをそれぞれ有しており、
    各スリット桟木の断面形状は、頂面と、頂面に平行な底面と、底面に垂直な2つの側面と、頂面から各側面に向けてハの字状に傾斜した2つの傾斜面とを備えることにより、台形部と方形部とを一体化した六角形状をなしており、
    前記スリット桟木は、着色された樹脂製フィルムによって予め被覆されており、
    耐震スリット材は、板状のスリット本体と、一対の支持部材とを有し、各支持部材は内側溝部と外側溝部を有しており、スリット本体の両端部が、各支持部材の内側溝部に予め嵌め込まれて一体化されたものであり、
    前記施工方法は、一の型枠を設置した後、スリット桟木を、台形部が型枠の内側を向くように配置し、前記スリット桟木の一方の側面を、前記一の型枠の側面に当接させ、固定具を打ち込むことにより、前記スリット桟木を前記一の型枠に固定する工程と、
    前記スリット桟木の他方の側面に、他の型枠の側面を当接させ、固定具を打ち込むことにより、前記他の型枠を前記スリット桟木に固定する工程と、を含む、第一の型枠構造体設置ステップと、
    前記第一の型枠構造体から突出する前記スリット桟木の台形部に、耐震スリット材の一方の支持部材の外側溝部を取り付けて固定する工程を含む、耐震スリット材設置ステップと、
    固定された前記耐震スリット材の他方の支持部材の外側溝部に、新たなスリット桟木の台形部を嵌め込んで位置決めを行うとともに、前記新たなスリット桟木の一方の側面を、第一の型枠構造体に対向して配置される一の型枠の側面に当接させ、固定具を打ち込むことにより、前記新たなスリット桟木を前記一の型枠に固定する工程と、前記新たなスリット桟木の他方の側面に、他の型枠の型枠板の側面を当接させ、固定具を打ち込むことにより、前記他の型枠を前記新たなスリット桟木に固定する工程と、を含む、第二の型枠構造体設置ステップを含むことを特徴とする、
    耐震スリット材の施工方法。
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