JP4674428B2 - 線材の加工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は線材の加工方法に関し、特に曲げ形状を有し、その曲げ部に接続する先端部が線材より幅広となる製品における線材の加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
先端側に軸部より幅が広い先端部(以下、幅広先端部と呼ぶ)を有する軸部を曲げた製品を製造する方法として、板幅の広い線材から、プレス加工等の打抜き加工により幅広先端部と軸部を形成させ、その後、曲げ加工により曲がった製品にする製造方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述の製造方法では、板幅の広い線材から打抜くため、使用せずに捨てる無駄な材料が発生する。この従来方法では、近年社会的要請となっている省資源の観点において、使用する材料の使用量を減らす配慮が十分されていない。
【0004】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、曲げ形状を有する製品において、幅広先端部の形成に使用する材料の無駄使用量を減らすとともに、曲げ加工による割れ発生を防止できる線材の加工方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1によると、線材の先端側に該線材より幅が広い先端部を形成した後、先端部の近傍に曲げ部を形成する線材の加工方法において、先端部を形成する線材、および曲げ部の外側面を据込んで増肉された部分を形成する工程と、増肉された先端部、および曲げ部を挟み込み、かつ増肉された部分と曲げ部とを一致させて曲げる工程とを含み、曲げる工程は、先端部に突起部を形成するように、曲げ部側に向かって先端部を据込む工程を備えている。
【0006】
まず、上述の方法を用いることで、線材の幅より広い先端部を形成するのに、線材を据込んで増肉させるので、使用せずに無駄となる材料たる線材の使用量をなくすことができる。
【0007】
一方、一般に据込み、鍛造加工等の塑性加工による被加工物は、塑性加工に起因して加工材料たる母材に加工硬化を生じさせて所望の形状に形成するので、増肉工程にて据込んで増肉された先端部を近傍に備える曲げ部は、母材としての線材が加工硬化している。この加工硬化して延びにくい母材となった曲げ部に塑性加工としての曲げ加工を更に施そうとすると、その曲げ部には曲げ方向に母材を延ばそうとする力すなわち引張り応力、特に曲げRの外側となる外側面側ほど増大する引張り応力が、加工硬化していない母材に曲げ加工を加えるとき生じる引張り応力に比べて、過大となる可能性がある。場合によっては、その過大引張り応力が母材の強度限界を超えてしまって割れ、亀裂等が曲げ部の外側に発生する可能性がある。
【0008】
これに対して本発明の線材の加工方法では、曲げ部の外側面を据込んで増肉させておき、曲げ部を形成するときには、先端部と曲げ部とを挟み込んで曲げる。すなわち、外側面を増肉された曲げ部が先端部とともに挟み込まれて曲げられるので、外側面に形成される曲げ部の増肉部分、つまり曲げ部の外側に圧縮応力を発生させることができる。したがって、この圧縮応力により、曲げ部を形成するとき曲げ部の外側に生じる引張り応力の緩和または打消しが可能であるので、曲げ部の割れ等の発生防止が可能である。
【0009】
また、上記曲げる工程は、曲げ部側に向かって先端部を据込む工程を備えていることが望ましい。これにより、外側面が増肉された曲げ部を挟み込んで圧縮応力を発生させようとするとき、増肉された線材の肉厚の増加量の大小、又は増肉時生じる可能性のある外側面の起伏等の有無に係らず、曲げ部側に向かって先端部を据込むので、曲げ部には確実に圧縮応力を生じさせることができる。
更に、曲げる工程は、先端部に突起部を形成するように、曲げ部側に向かって先端部を据込む工程を備えている。これにより、曲げ部側に向かって先端部を据込むことで、曲げ部に圧縮応力を生じさせつつ、先端部に突起部を設けることができる。
【0012】
本発明の請求項2によると、先端部の形状は、据込んで増肉させることにより形成されるものであって、線材の軸方向に一回または複数回線材を据込んで非軸対称に形成される。
【0013】
これにより、先端部の形状を非軸対称に形成する際、先端部を増肉する過程において、先端部を軸対称に増肉するか否かに係わらず、線材の軸方向に一回または複数回線材を据込むことで、非軸対称に形成することができる。このため、先端部を非軸対称に形成するまでの据込み加工が容易にできる。
【0014】
本発明の請求項3によれば、先端部が線材に対して非軸対称の形状、かつ先端部の一部が線材の軸方向にアンダーカットとなる形状に増肉されるアンダーカット付先端部は、線材の軸方向に一回または複数回線材を据込んで先端部を非軸対称に形成した後、軸方向に対して、アンダーカットとなる形状に応じた傾斜角を有する据込み傾斜方向に一回据込むことで形成される。
【0015】
すなわち、先端部が線材に対して非軸対称の形状、かつ先端部の一部が線材の軸方向にアンダーカットとなる形状に増肉されるアンダーカット付先端部を増肉する工程としては、請求項2に記載の工程に加えて、請求項2に記載の工程で形成された非軸対称の先端部を有する線材を、線材の軸方向に向ってアンダーカットとなる形状に応じて軸方向に対し傾斜する傾斜角を有する据込み傾斜方向に一回据込む工程を追加するだけで形成できる。
【0016】
このため、最終的に非軸対称でアンダーカットを有するアンダーカット付先端部を形成するまでの据込み繰返し回数、つまり据込み加工する工程を少なくすることができる。
【0017】
本発明の請求項4によれば、非軸対称の先端部を形成するのに線材の軸方向に一回または複数回据込まれる線材は、増肉する工程の前工程にて、据込まれる線材の先端側が非軸対称側へ偏肉加工されている。
【0018】
これにより、線材の軸方向に対して非軸対称に形成される先端部は、予め増肉する工程の前工程にて、その先端部に対応する線材の先端側をその非軸対称側へ偏肉加工されているので、先端部を非軸対称に形成するまでの据込み繰返し回数を確実に低減できる。
【0020】
本発明の請求項5によれば、回転電機の巻線の一部を、本発明の線材の加工方法により製造した線材を用いて回転電機を製造するのに好適である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の線材の加工方法を、曲げ形状を有し、その曲げ部に接続する先端部が線材より幅広となる製品における線材の加工方法に具体化した実施形態を図面に従って説明する。
【0022】
(第1の実施形態)
図1(A)は、本発明の実施形態の幅広先端部および曲げ部を形成する線材の加工方法を表す工程図である。図1(B)は線材が加工される状態を、図1(A)に示す工程順に表した模式図であって、図1(a)は増肉工程の初期段階の線材の状態を表す断面図、図1(b)は増肉工程の最終段階の線材を表す断面図、図1(c)は曲げ工程のうち、線材が曲げ部の内と外から挟み込まれて曲げられる状態を表す断面図、図1(d)は曲げ部側に向って線材の先端部が据込まれる状態を表す断面図である。図2は、図1中の増肉工程において、先端部および曲げ部の外側を据込んで増肉させた線材を表す断面図であり、図2(a)は正面図、図2(b)は側面図である。図3は、図1中の曲げ工程において、先端部と曲げ部の位置関係を表す模式図であって、図3(a)、図3(b)、図3(c)は、線材の肉厚に係る寸法を用いて曲げ位置を変えたとき、曲げ工程により形成された曲げ部の周りを表す断面図および線材の外観図である。
【0023】
図1に示すように、本発明の線材の加工方法は、線材を増肉させて曲げ形状を有する製品を製造するため、増肉工程P1と曲げ工程P2とを備え、増肉工程P1での据込みを経て曲げ工程P2を実施することで、曲げ部を有する増肉された線材を形成する。
【0024】
すなわち、増肉工程P1にて、線材3は、据込みにより、図2(a)に示すように線材3の幅wより広い幅W(W>t)を有する先端部3aと、曲げ部3bの曲げ外側面に増肉部3bc(線材3の厚さtと増肉部3bの厚さTがt<T)とが形成される。線材3より据込んで先端部3aを増肉するので、使用せずに無駄となる材料たる線材3の使用量をなくすことができる。
【0025】
また、曲げ部3bの曲げ外側面を増肉させて増肉部3bcを形成させることで、線材3を曲げるとき、曲げ部3bの曲げ内側表面に比べて曲げ内側面より延び量が大きくなる外側表面に線材3の材料量を補填することが可能である。このため、据込みにより加工硬化した先端部3aが十分延びなくても増肉部3bcの線材量で延び分を補充できるので、曲げ加工に伴う曲げ外側表面に生じる亀裂等の発生防止が可能である。
【0026】
詳しくは、一般に据込み、鍛造加工等の塑性加工による被加工物は、塑性加工に起因して加工材料たる母材に加工硬化を生じさせて所望の形状に形成するので、増肉工程P1にて据込んで増肉された先端部3aを近傍に備える曲げ部3bは、母材としての線材が増肉工程P1による据込み加工によって加工硬化している。この加工硬化して延びにくい母材となった曲げ部3bに、塑性加工としての曲げ加工を更に施そうとすると、その曲げ部3bには曲げ方向に母材を延ばそうとする力すなわち引張り応力、特に曲げRの外側となる外側面側ほど増大する引張り応力が、加工硬化していない母材に曲げ加工を加える際に生じる引張り応力に比べて、過大となる可能性がある。場合によっては、その過大引張り応力が母材の強度限界を超えてしまって割れ、亀裂等が曲げ部3bの外側に発生する可能性がある。
【0027】
これに対して本発明の線材の加工方法では、、曲げ工程P2にて、後述するように曲げ部3bを曲げ内と外から挟み込んで曲げる。これにより、増肉工程P1にて外側が増肉された曲げ部3b、特に増肉部3bcが挟み込まれて曲げられるので、外側、すなわち増肉部3bcに圧縮応力を生じさせることができる。したがって、この圧縮応力によって、曲げ加工に起因して曲げ部3bの外側に生じる引張り応力の相殺または抑制が可能である。言換えると、この圧縮応力によって引張り応力の打消しまたは緩和ができるので、曲げ加工時に生じる引張り応力に起因する曲げ部3bの亀裂等の発生を防止できる。
【0028】
なお、曲げ加工P2において、曲げ部3b側に向って先端部3aを据込むようにすることが望ましい(この曲げ工程での据込みを以下、据込み整形工程と呼ぶ)。
【0029】
以下具体的に、線材3と、線材3を加工する装置との関係で図1(A)、(B)に従って説明する。まず、本発明の線材の増肉方法は、上述の如く、増肉工程P1と曲げ工程P2を備える。さらに、増肉工程P1は、線材3を繰返し据込んで所望の増肉形状にするものであって、第1回の据込みP11から第N回の据込みP1Nからなる。また、曲げ工程P2は、先端部3aおよび曲げ部3bを曲げ内側と外側から挟み込んで曲げる挟み曲げ工程P21と、上述の据込み整形工程P22とからなる。
【0030】
増肉工程P1は、第1回の増肉工程P11から第N回の増肉工程P1Nにより繰返し据込むことで、座屈が生じない程度の所定の1回当たりの据込み量にて増肉する。なお、この増肉工程P1における線材の増肉量が少ない場合は一回で据込んでもいし、多い場合は繰返し据込む。
【0031】
まず、図1(a)の増肉工程の初期段階にて、線材3は、第1のダイ2により保持され、第1のパンチ1により矢印方向Fsの据込み荷重を加えられる。なお、第1のダイ2は、曲げ外側ダイ2aと曲げ内側ダイ2bからなり、曲げ外側ダイ2aには、曲げ部3bの増肉部3bcを形成するように肉盗み2acがされている。また、第1のパンチ1は、曲げ外側パンチ1aと曲げ内側パンチ1bからなり、曲げ外側パンチ1aは、所望の先端部3aを形成するように内部側面1aaが形成されており、線材3に据込み荷重を加えるように第2のダイ2に進退可能に配置されている。この曲げ外側パンチ1aは、曲げ外側ダイ2aと同様、肉盗み1acがなされ、曲げ外側パンチ1aと曲げ外側ダイ2aとに分割された肉盗みが合わさって増肉部3bcを形成可能とする。さらに、図1(b)の増肉工程の最終段階においては、繰返し据込むことにより所望の増肉された先端部3aおよび増肉部3bcが形成される。したがって、増肉部3bcを先端部3aの端部3abつまり先端部3aの近傍の曲げ部3bまわりに増肉部3bcを形成することが可能である。
【0032】
曲げ工程P2は、増肉工程P1にて形成された先端部3aおよび曲げ部3b(詳しくは増肉部3bc)を備えた線材3を挟み込んで曲げることにより曲げ形状を形成する。まず、図1(c)に示すように、挟み曲げ工程P21では、上述の線材3は、第2のダイ22に保持され、第2のダイ22と第2のパンチ21により、曲げ部3bの曲げ内側と外側が挟み込まれながら、曲げられる。つまり増肉された先端部3aと曲げ部3bに係わる増肉部3bcが挟み込まれながら、曲げられる。なお、このとき、第2のパンチ21は、線材3に対して垂直方向Fmに可動する。なお、この可動方向Fmは、所望の曲げ形状、つまり曲げ角度でありさえすれば、垂直でも鈍角でもよい。
【0033】
これにより、外側が増肉された曲げ部3b、特に増肉部3bcが挟み込んで曲げられるので、外側、すなわち増肉部3bcに圧縮応力を生じさせることができる。
【0034】
なお、先端部3aと曲げ部3bの位置関係についての詳細は後述する。
【0035】
また、挟み曲げ工程P21を実施後、据込み整形工程P22を実施することが望ましい。図1(d)に示すように、据込み整形工程P22では、第3のパンチ31を用いて、曲げ部3b側に向って先端部3aを据込む。これにより、曲げ部に据込むことができるので、曲げ部3bに据込み力Fmsを加えることができ、従って、曲げ部3bには確実に圧縮応力を発生させることができる。したがって、増肉された線材3、特に増肉部3bcの肉厚Tの増加量(T−t)の大小、または先端部3a、増肉部3bc等の増肉時生じる可能性のある外側面の起伏等の有無に係らず、曲げ部3bに圧縮応力を発生させることができるので、引張り応力を確実に抑制することができる。
【0036】
ここで、先端部3aと曲げ部3b(詳しくは後述の曲げ位置B)の位置関係について、以下図3に従って説明する。前述の曲げ工程P2の如く、線材3は、第2のダイ22に保持されている。なお、第2のダイ22は、曲げ外側ダイ22aと曲げ内側ダイ22bからなる。
【0037】
図3中の実線で示す線材3は、増肉工程P1にて増肉された線材3であって、先端部3aと、曲げ部3bの曲げ外側面に増肉された増肉部3bcを有している。これに対して、破線で示す線材3は、曲げ部3bの内側と外側とを、それぞれ第2のダイ22と第2のパンチ21により挟み込まれながら曲げられた状態を表す。
【0038】
ここで、内側ダイ22bの左端面が、先端部3aの端部3abとする曲げ位置BをB=0とすると、先端部3aと曲げ位置Bの関係を、2.3/t>B>−1.2/tとすることが望ましい。
【0039】
すなわち、図3(a)に示すように、B≧2.3/tの場合は、先端部3aの材料がはみ出ることになる。また、図3(c)に示すように、B≦−1.2/tの場合は、据込み整形工程P22にて、増肉部3bcに圧縮応力を及ぼすことはできるが、先端部3aが据込みしきれなくなり、曲げ部3bの全体の曲げ外側面の一部に、曲げR(図3(c)参照)が残る。なお、図3(b)の如く、B=0であるならば、先端部3aのはみ出し、および曲げRが発生しないので望ましいことは言うまでもない。
【0040】
これにより、先端部3aと曲げ部3b、つまり先端部3aと曲げ位置Bの関係を上述の関係とすれば、増肉工程P1から曲げ工程P2に進むとき、増肉用治具から曲げ治具に変更(詳しくは第1のパンチ1およびダイ2を、第2のパンチ21およびダイ22に変更)しても、治具交換によるセッティングが容易である。したがって、治具等の装置に高い精度を要しないので、安価に製造可能である。
【0041】
(変形例)
変形例として、本発明の線材の加工方法は、図4中の変形例1、図5中の変形例2のようにしてもよい。図4は、線材の加工方法のうち、曲げ工程の据込み整形工程を表す工程図である。図5は、線材の加工方法のうちの増肉工程であって、先端部の形状を形成する過程を表す工程図である。
【0042】
まず、変形例1は、図4に示すように、第1の実施形態の据込み整形工程P22を、据込み整形工程P122に代えたものである。この据込み工程P122は、曲げ部3b側に向かって先端部3aを据込むのに加えて、同時に先端部3aに突起部3fを形成する。
【0043】
具体的には、第2のパンチ121に、先端部3aの先端側に対向する位置に肉盗み121fを設け、また、第3のパンチ131にも、突起部3fに相当する肉盗み131fを設けるものである。これにより、図4中の先端部3aの先端左側に突起部3fを形成しつつ、曲げ部3bに圧縮応力を発生させることができる。
【0044】
この突起部3fを備えた本発明の線材の加工方法を、回転電機の巻線の一部であるセグメントに適用すれば、複数結合させることにより巻線を形成することができる。
【0045】
なお、本変形例1では、第2のパンチ121側に肉盗み121fを設ける構成で説明したが、第2のダイ22側に肉盗みを設けることにより、突起部を先端部3aの先端右側に形成することも可能である。
【0046】
次に、変形例2として、図5に示すように、線材3に対して非軸対称の先端部を形成することが可能である。
【0047】
具体的には、増肉工程P1のように単に繰返し据込むのではなく、初期段階の工程P101から中期段階の工程P102は、先端部3aを、線材3の軸Zに軸対称に繰返し据込み(具体的には先端部形状を略二等辺三角形状3a1〜3aNの形状に据込み)、最終段階の工程P212にて、先端部3aを非軸対称(具体的には図5中の右側に傾いた略三角形状3aα)に据込む工程とするものである。これにより、中期段階の工程P101からP102までは、非軸対称に比べて1回の据込み量が大きくできるので、据込みの繰返し回数が低減できる。
【0048】
なお、本発明の線材の増肉方法では、先端部3aを略三角形の形状で説明したが、長方形、半円等でもよい。
【0049】
ここで、本発明の線材の加工方法を、例えば回転電機の巻線に適用する場合において、本発明に係わる先端部3aを回転子の側面に環状配置して回転子の整流子面を製造するとき、巻線の一部としての本発明に係わる曲げ部3bをU字状あるいはL字状に曲げ、かつ先端部3aを溶接による接合等を用いて複数結合させることにより巻線を形成させる必要がある。このため、先端部3aが、線材3の軸方向Zに対して非軸対称、かつねじり角度φ(図12参照)を備えた線材加工製品を加工する加工方法が求められる場合がある。このため、ねじり角度φを有する先端部3aは、第1の実施形態、特に、変形例2における非軸対称の先端部3aを形成する線材の加工方法を適用したとしても、線材3の軸方向Zに据込んでアンダーカットとなる形状を有するねじり角度φを備えた先端部3a(図6(e)参照)を形成することは容易ではない。
【0050】
(第2の実施形態)
そこで、第2の実施形態では、被加工物としての線材3を加工する方法として、線材3の軸方向Zに対して非軸対称かつアンダーカット形状となるねじり角度φを有する先端部3a(以下、アンダーカット付先端部3aと呼ぶ)を備えた製品に加工するのに好適な線材の加工方法を提供することを目的とする。
【0051】
以下、本実施形態を具体化した線材の加工法を、図6から図8に従って説明する。
【0052】
図6は、本実施形態の線材の加工方法のうち、線材の軸方向に対して非軸対称かつアンダーカット形状となるねじり角度を有する先端部を備えた製品に線材の加工方法を適用する場合における増肉工程を示す工程図であって、図6(A)は増肉工程に係わる工程を表わす工程図、図6(B)は被加工物としての線材の先端部および曲げ部が形成される過程を表わす工程模式図である。図7は、図6中の増肉工程のうち、アンダーカット形状に整形する傾斜据込み整形工程に用いる治具および先端部および曲げ部の形成状態を表わす工程模式図である。図8は、本実施形態の線材の加工方法のうち、図6中の増肉工程による線材の加工処理後に実施する曲げ工程を示す工程図であって、図8(A)は曲げ工程に係わる工程を表わす工程図、図8(B)は被加工物としての線材の先端部および曲げ部が形成される過程を表わす工程模式図である。なお、図6において、図6(b)から図6(e)は、据込み回数に対応したそれぞれの被加工物である線材の据込み状態を表わし、その線材の据込み状態ごとに、線材の正面図、側面図を左、右に配置している。
【0053】
まず、図6に示す増肉工程P1を含む工程によるアンダーカット付先端部3aに増肉する線材の加工方法について説明する。
【0054】
図6に示すように、被加工物としての線材3を増肉する方法としては、その増肉方法を工程で表わすと、増肉工程P1の前加工としてのブランク工程P600と、増肉工程P1とを備えている。
【0055】
ここで、増肉工程P1は、第1据込み工程P601(図6(b)参照)と、第2据込み工程P602(図6(c)および(d)参照)と、第1、第2据込み工程P601、P602にて線材3の軸方向Zに据込んで非軸対称の形状に形成された先端部3a(図6(d)参照)を、形成したいアンダーカット形状(詳しくはねじり角度φとする先端部3a)に応じた所定傾斜角θ方向に据込む傾斜据込み工程P61Uとを備えている。
【0056】
なお、第1、第2据込み工程P601、P602は、据込み対象とする線材3の先端側が、第1の実施形態の変形例2で説明した軸対称の形状から、非軸対称にしようとする非軸対称側へ偏肉された形状(図6(a)参照)に置換えているものである。このため、第1据込み工程P601、第2据込み工程P602は、それぞれ、第1の実施形態で説明した増肉工程P11(詳しくは変形例2のP201)、増肉工程P12(詳しくは変形例2のP202、およびP212)に対応するものであるので、詳しい工程説明は省略する。
【0057】
ここでは、増肉工程P1の前加工としてのブランク工程P600と、増肉工程P1の終段となる工程で行われる傾斜据込み工程P61Uを、以下図6、図7に従って説明する。
【0058】
ブランク工程P600は、図6(a)に示すように、据込み対象としての被加工物である線材3の(詳しくは、据込まれて非軸対称となる先端部3a)の先端側を、その先端部3aが据込まれて形成される非軸対称側へ偏肉加工して、偏肉部3sを形成する。
【0059】
これにより、増肉工程P1にて線材3の軸方向に据込むことにより所望の非軸対称の先端部3a(図6(d)参照)を形成する前工程として、ブランク工程P600にて、予め線材3の先端側を、非軸対称側へ偏肉加工して偏肉部3sを形成するので、軸方向に据込む1回当たりの据込み量を大きくしつつ、もしくは据込み荷重が大きい大型の据込み加工装置を用いることなく、線材3の先端側に設けられた偏肉部3sを有する先端部3aを、一回または複数回線材3を据込む過程で非軸対称の形状へ移行させることが可能である。
【0060】
したがって、増肉工程P1の前工程にて、線材3の先端側に非軸対称側へ偏肉加工された偏肉部3sを形成することで、先端部3aを所望の非軸対称の形状に形成するまでの据込み繰返し回数を低減することができる(第2実施形態では3回(図6(b)から図6(d)を参照))。
【0061】
なお、このブランク工程P600は、打抜き加工、切削加工等の除去加工をしたとしても、使用せずに無駄となる線材の除去量が少ないので、除去加工でも、塑性加工等による変形加工でもいずれでもよい。なお、偏肉加工する製造コストが安価な打抜きまたは潰し加工が望ましい。
【0062】
傾斜据込み工程P61Uは、図6(e)に示すように、第3据込み工程P602にて形成された非軸対称の形状を有する先端部3a(図6(d)参照)を、線材3の軸方向Zに対して所定傾斜角θ方向すなわち図6(e)中に示すUC軸方向に据込む。なお、線材3の先端部3Aと所定傾斜角θ方向に据込むために用いる装置(詳しくは治具)との関係の詳細については後述する。
【0063】
すなわち、増肉工程P1における線材3を増肉する工程のうち、線材3の軸方向Zに一回または複数回線材3を据込んで先端部3aを非軸対称に形成した(言換えると、第1、第2据込み工程P601、P602に対応する請求項4に記載の工程)後、線材3の軸方向Zに向ってアンダーカットとなる形状(詳しくは、その先端部3aのアンダーカット状態を表わす図6中のねじり角φを有する先端部3a)に応じて、線材3の軸方向Zに対して所定傾斜角θ方向に据込む。これにより、非軸対称の形状に事前整形された先端部3aを、傾斜据込み工程P61Uにて所定傾斜角θ方向に一回据込むだけで、非軸対称かつアンダーカット形状となるねじり角度φを有するいわゆるアンダーカット付先端部3aを増肉整形できる。
【0064】
したがって、最終的にアンダーカット付先端部3aを形成するまでの据込み繰返し回数、つまり据込み加工する工程を少なくすることができる(第2実施形態では4回(図6(b)から図6(e)を参照))。つまり、線材3を効率的に増肉する線材の加工方法を提供できる。
【0065】
ここで、傾斜据込み工程P61Uにて所定傾斜角θ方向に据込むために用いる治具と先端部3aの関係について、図7に従って説明する。
【0066】
なお、図7は、ダイ2、パンチ1のうち曲げ外側の治具を示すものであって、図7中に示す先端部3aおよび曲げ部3bは紙面の裏側に増肉部3bcが設けられるように、ダイ2aと、据込みパンチ1a1、および据込み用保持パンチ1a2とを備えている。
【0067】
図7に示すように、ダイ2aは、増肉工程P1における初期段階の第1据込み工程P601、第2据込み工程P602に共通するものであって、被加工物としての線材3のうち、一方端である先端部3aに対して、他端である線材3を保持するとともに、パンチ1(詳しくは1a1、および1a2)の据込みによって、先端部3aおよび曲げ部3bが図7の紙面の裏側に、所望の増肉部3bcを形成するように肉盗みがなされているものである。
【0068】
パンチ1は、図7に示すように、所定傾斜方向θの軸UCに沿って先端部3aを据込むように進退可能に配置される据込みパンチ1a1と、この据込みパンチ1a1の軸UCに沿った据込みによる据込み荷重Fsを先端部3aに作用させるために先端部3aを保持する据込み用保持パンチ1a2を備えている。
【0069】
これにり、先端部3aのねじれ角φを表わす一方側面に対して、先端部3aの他側面に、据込みパンチ1a1による据込み荷重Fsを加えることができる。したがって、図7に示すように、先端部3aの他側面の大部分の全側面に据込み荷重Fsを加えながら据込むので、先端部3aは容易に(詳しくは1回の据込みで)ねじり角φを形成できる。
【0070】
なお、このとき、第1の実施形態の変形例1で説明した据込み整形工程P122のように、先端部3aに突起部3fを形成するように、図7に示す先端部3aの突出部3fの相当する他側面の残り部分(ここで言う残り部分とは、全他側面のうち上記大部分に係わる他側面を除いた残りの他側面である)に、据込みパンチ1a1を介して、整形荷重Fms(Fms=Fm)を加えるようにしてもい。
【0071】
これにより、先端部3aに、非軸対称かつアンダーカット形状となるねじり角度φを有する先端部3a(以下、アンダーカット付先端部3aと呼ぶ)を形成する据込み荷重Fmを加えるとともに、先端部3aに突起部3fを形成するように、整形荷重Fms(Fms=Fm)を加えることができる。
【0072】
次に、図8に示す曲げ工程P2によるアンダーカット付先端部3aに近接または重複する曲げ部3bを曲げる線材の加工方法について説明する。
【0073】
図8に示すように、被加工物としての増肉されたアンダーカット付先端部3aおよび曲げ部を備えた線材3に曲げ加工を施す曲げ方法としては、その曲げ方法を工程で表わすと、先端部3aと曲げ部3bを挟み込んで曲げる挟み曲げ工程P821と、曲げ部3bに向って先端部3aを据込む据込み整形工程P22とを備えた曲げ工程P2を用いて実現できる。
【0074】
ここで、曲げ工程P2における挟み曲げ工程P821および据込み整形工程P22は、第1の実施形態で説明した据込み整形工程P22において据込み整形荷重Fmsが線材3の軸Zに対してねじれ角φが零の状態で据込まれたのに対して、本実施形態ではアンダーカット付先端部3aに起因してねじれ角φが所定角度の状態で据込まれることが違うだけである。つまり、所定角度のねじれ角φによる分力計算を考慮して、曲げ加工による曲げ部3bに加わる曲げ方向に母材たる線材を延ばそうとする力、すなわち引張り応力との関係を勘案して据込み整形荷重Fmsを決定すればよい。言換えると、挟み曲げ工程P821および据込み整形工程P22は、それぞれ、第1の実施形態で説明した挟み曲げ工程P21、据込み整形工程P22に対応するものであるので、詳しい工程説明は省略する。
【0075】
なお、挟み込み工程P821、および据込み整形工程P822は、第1の実施形態で説明した曲げ部3b(特に曲げRの外側)に圧縮応力を発生させて、曲げ加工時の生じる引張り応力の緩和または打消しができるとともに、図7(B)の上段に示すように、曲げ部3bの外側面に向って、先端部3aおよび曲げ部3bに形成した増肉部3bcの線材量を延び分として補填できるので、曲げ加工に伴う曲げ外側表面に生じる割れ、亀裂等の発生を、確実に防止できる。
【0076】
ここで、本発明に係わる発明者は、実験等による検証実験を行なって、曲げ加工による割れ、亀裂等の発生を防止できる線材の増肉比率としては、図2(b)の模式図に示す曲げ部3bの外側面に向って据込んで増肉される増肉部3bcの厚さTと、被加工物としての線材3の厚さtの比率T/tが、1.3<T/t<1.6の範囲にあれば、ねじれ角φの大小、および先端部3aの幅広比(W/w)の大小に係わらず、曲げ加工による割れ、亀裂等の発生を防止できることを確認した。
【0077】
比率T/tが1.3以下であれば、曲げ部3bの増肉不足により、増肉部3bcを形成したにもかかわらず、曲げ加工によって割れ、亀裂等が発生する可能性がある。比率T/tが1.6以上であると、曲げ部3bの増肉が過大となり、据込み整形工程P22(P122、P822)において、増肉部3bcの線材量を延び分として補填量が過大となり、先端部3a等へはみ出し等のボリュームオーバーの弊害を生じる可能性がある。
【0078】
(変形例)
なお、変形例3として、第2の実施形態で説明する曲げ工程(図8参照)の前に、図9に示すような先端部3aに設ける突起部3fを整形する先端部打出し工程を追加してもよい。図9は、変形例3の線材の加工方法であって、曲げ工程の前に、先端部に設ける突起部を整形する先端打出し工程における被加工物としての線材の先端部および曲げ部の形成状態を表わす工程模式図である。図9に示すように、前工程である傾斜据込み工程P61Uにて形成された突起部3f(図6および図7参照)をパンチとダイと挟み込んで、パンチによる整形荷重Fmを加えることで、突起部3fの形状が安定して形成できる。
【0079】
以上説明した本発明の線材の加工方法を用いれば、図10に示す回転電気の巻線の一部としてのセグメント50を形成できる。
【0080】
すなわち、図10に示すように、U字状に曲げて形成されたセグメント50のうち、曲げ部の一方端に、本発明の線材の加工方法を適用した先端部3aが線材3より幅広に形成される曲げ部3bを形成できる。
【0081】
なお、図10に示すように、曲げ部の一方端に示すような線材3と同じ幅以下で先端部を形成できるものであれば、従来の線材の加工方法を用いて、被加工物として使用する線材の無駄使用量を抑制できるのは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の幅広先端部および曲げ部を形成する線材の加工方法の工程図であって、図1(A)は線材の加工方法に係わる工程を表わす工程図、図1(B)は線材の加工方法に係わる工程に用いる治具および被加工物としての線材の先端部および曲げ部が形成される過程を表わす工程模式図である。
【図2】図1中の増肉工程において、曲げ外側を増肉させた曲げ部の近傍を表す断面図であり、図2(a)は正面図、図2(b)は側面図である。
【図3】図1中の曲げ工程において、先端部と曲げ部の位置関係を表す模式図であって、図3(a)、図(b)、図(c)は、線材の肉厚に係る寸法を用いて曲げ位置を変えたとき、曲げ工程により形成された曲げ部の周りを表す断面図である。
【図4】変形例1の線材の加工方法のうち、曲げ工程の据込み整形工程を表す工程図である。
【図5】変形例2の線材の加工方法のうちの増肉工程であって、先端部の形状を形成する過程を表す工程図である。
【図6】第2の実施形態の線材の加工方法のうち、線材の軸方向に対して非軸対称かつアンダーカット形状となるねじり角度を有する先端部を備えた製品に線材の加工方法を適用する場合における増肉工程を示す工程図であって、図6(A)は増肉工程に係わる工程を表わす工程図、図6(B)は被加工物としての線材の先端部および曲げ部が形成される過程を表わす工程模式図である。
【図7】図6中の増肉工程のうち、アンダーカット形状に整形する傾斜据込み整形工程に用いる治具および先端部および曲げ部の形成状態を表わす工程模式図である。
【図8】第2の実施形態の線材の加工方法のうち、図6中の増肉工程による線材の加工処理後に実施する曲げ工程を示す工程図であって、図8(A)は曲げ工程に係わる工程を表わす工程図、図8(B)は被加工物としての線材の先端部および曲げ部が形成される過程を表わす工程模式図である。
【図9】変形例3の線材の加工方法であって、曲げ工程の前に、先端部に設ける突起部を整形する先端打出し工程における被加工物としての線材の先端部および曲げ部の形成状態を表わす工程模式図である。
【図10】本発明の線材の加工方法を適用した回転電機の巻線の一部としてのセグメントを表わす模式図である。
【図11】図10のセグメントを複数結合させて巻線を形成した回転子を表わす模式図である。
【図12】図11のXII方向からみた回転子の側面図であって、回転子の整流子面としての先端部の環状配置状態を表わす模式図である。
【符号の説明】
1、2 第1のパンチ、第1のダイ(増肉工程の増肉用治具)
3 線材
3a 先端部
3ab 先端部3aの端部
3b 曲げ部
3bc 増肉部
3f 突起部
3s (線材の先端側に設ける)偏肉部
21、(121)、22 第2のパンチ、第2のダイ(曲げ工程の曲げ用治具)
31、(131) 第3のパンチ(据込み整形工程の据込み用治具
P1、(P201、P202、P212、P601、P602、P61U)
増肉工程
P2 曲げ工程
P22、P122、P822 据込み整形工程
Z 線材の軸
θ アンダーカット形状に応じた所定傾斜角
UC 軸方向Zに対して所定傾斜角θなる据込み傾斜方向の軸
φ アンダーカット付先端部3aの線材の軸Zに対するねじり角度(アンダーカット角度)
Claims (5)
- 線材の先端側に該線材より幅が広い先端部を形成した後、該先端部の近傍に曲げ部を形成する線材の加工方法において、
前記先端部を形成する前記線材、および前記曲げ部の外側面を据込んで増肉された部分を形成する工程と、
該増肉された前記先端部、および前記曲げ部を挟み込み、かつ前記増肉された部分と前記曲げ部とを一致させて曲げる工程とを含み、
前記曲げる工程は、前記先端部に突起部を形成するように、前記曲げ部側に向かって前記先端部を据込む工程を備えていることを特徴とする線材加工方法。 - 前記先端部の形状は、前記据込んで増肉させることにより形成されるものであって、
前記線材の軸方向に一回または複数回前記線材を据込んで非軸対称に形成されることを特徴とする請求項1に記載の線材の加工方法。 - 前記先端部が前記線材に対して前記非軸対称の形状、かつ前記先端部の一部が前記線材の軸方向にアンダーカットとなる形状に増肉されるアンダーカット付先端部は、
前記線材の軸方向に一回または複数回前記線材を据込んで前記先端部を前記非軸対称に形成した後、
軸方向に対して、前記アンダーカットとなる形状に応じた傾斜角を有する据込み傾斜方向に一回据込むことで形成されることを特徴とする請求項2に記載の線材の加工方法。 - 前記非軸対称の前記先端部を形成するのに前記線材の軸方向に一回または複数回据込まれる前記線材は、据込まれる前記線材の先端側が前記増肉する工程の前工程にて前記非軸対称側へ偏肉加工されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の線材の加工方法。
- 請求項1から請求項4に記載の線材の加工方法において、
回転電機の巻線の一部を前記線材として、回転電機を製造する線材の加工方法。
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