JP4322055B2 - ホイールリムの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤを装着するためのホイールを形成するホイールリムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用タイヤは、ホイールに装着される。このホイールは、例えば、円盤状に形成されたディスクと、円筒状に形成されたホイールリム(以下、単にリムと表記することもある)とが溶接等によって接合されて製作されている。このようなホイールは、2ピースホイールと呼称される。
【0003】
このうち、リムは、例えば、以下のようにして製造される。すなわち、まず、長方形状の板材の端面同士を当接させた後、該当接箇所に抵抗溶接、MIG溶接等を施すことによって円筒体が製造される。
【0004】
次に、該円筒体の溶接部位に対するトリミングやエッジカット等の加工が施された後、多段ロール成形加工が施され(例えば、特許文献1参照)、図11に示すように、円筒体1の外周壁略中腹部にドロップ部2と指称される凹部が形成される。なお、図11中の参照符号3は、溶接部位を示す。
【0005】
そして、前記円筒体1の両端部にカール部を設けた後、該円筒体1の内周壁から外周壁側に指向し、かつ円周方向に沿って隆起したハンプ部を設けることにより、リムが得られるに至る。
【0006】
ここで、ドロップ部2を設ける工程を行う際に、特許文献2に記載されているように、溶接部3が破断することがある。このような事態が生じると、破断した溶接部位3の修復のため等の理由により、リムの生産効率が低下してしまう。そこで、特許文献2では、溶接部3に対して熱処理を施すことで該溶接部3の硬度をその他の部位と略同等とし、これにより溶接部3に破断が生起することを回避している。
【0007】
【特許文献1】
特開平2−70304号公報(第1頁右欄第3行〜第19行、第1図)
【特許文献2】
特開昭63−224826号公報(第2頁右下欄第12行〜第17行)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献2に記載された方法では、溶接部3を熱処理するための設備および工程が必要となる。このため、リムの生産設備に要する投資が高騰するとともに、リムの生産効率が低下してしまう。
【0009】
また、ドロップ部2を設ける際には、溶接部3が硬化して延伸し難くなるために該溶接部3の周囲の肉が引き寄せられ、その結果、図12に拡大して示すように、溶接部3を含む円周縁部が溶接方向に指向して陥没するという不具合も生じる。この場合、リムの円周縁部における寸法精度が良好でなくなるため、リムの歩留まりが低下してしまう。この不具合を回避するには、特許文献2に記載されているように熱処理を施すことのみでは困難である。
【0010】
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、熱処理設備等の新たな設備や工程を付加することなく生産効率が向上し、かつ円周縁部の寸法精度が良好なリムを製造することが可能なホイールリムの製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、ワークの端面同士を当接させて円筒体を形成する工程と、前記円筒体の外周壁から内周壁側に指向して陥没しかつ周回する凹部を形成する工程とを有するホイールリムの製造方法であって、
前記円筒体における接合箇所の端部近傍に、接合方向に指向して延在する突出部を設け、次いで、前記円筒体の外周壁を押圧することにより前記凹部を設けることを特徴とする。
【0012】
接合部の結晶粒は、接合されていない部位(非接合部)に比して粒径が大きくなるので、接合部では非接合部に比して延性が小さくなる。したがって、凹部を設けるために円筒体の外周壁を押圧した際、円筒体の軸方向の両端部を押圧部に指向して引き寄せる力が作用すると、接合部では、両端部が比較的大きく引き寄せられる。
【0013】
本発明においては、突出部を設けることにより、接合部の軸方向を非接合部に比して長くするようにしている。このため、接合部の両端部が引き寄せられる際、前記突出部も引き寄せられるので、接合部の軸方向の寸法と、肉が容易に延伸するので両端部が押圧部に指向して引き寄せられることはさほどない非接合部の軸方向の寸法とが略一致する。換言すれば、突出部を設けることによって、凹部を設けた後の円筒体の円周縁部を面一とすることができる。したがって、円筒体の高さ方向の寸法が補償されるので、円周縁部の寸法精度が良好なホイールリムを得ることができる。
【0014】
また、本発明によれば、寸法精度を向上させるために熱処理等を施す必要がない。このため、リムの生産効率が向上する。しかも、熱処理設備を付設する必要もないので、熱処理を施す場合に比して設備投資が低廉となる。
【0015】
突出部は、例えば、ワークの各隅角部に凸部を設け、前記凸部同士を接合することによって設けることができる。
【0016】
または、円筒体に対し円周方向に沿って切削加工を施すことによって突出部を設けるようにしてもよい。
【0017】
ここで、本発明では、ワークの端面同士を接合する手法として摩擦撹拌接合を採用する。摩擦撹拌接合においては、接合前後における結晶粒の粒径の変化が他の接合方法に比して小さいので、接合部における延性が、非接合部における延性に近くなる。このため、突出部の体積を小さくすることができ、結局、突出部の重量を小さくすることができる。したがって、凹部を設けるときに円筒体を回転動作させる際、該円筒体が偏心することを抑制することができ、円周方向に沿う深さが同等の凹部を形成することができる。
【0018】
また、摩擦撹拌接合によれば、接合部の硬度が上昇する度合いが他の接合方法に比して著しく小さいので、摩擦撹拌接合によって設けられた接合部の延性が、他の接合方法によって設けられた接合部に比して大きい。このため、摩擦撹拌接合によってワークの端面同士を接合することで得られたホイールリムでは、凹部形成時に接合部から割れが生じることを回避することもできる。
【0019】
なお、凹部を設ける好適な方法としては、スピニング成形またはロールフォーミング成形を挙げることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るホイールリムの製造方法につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
まず、図1に示すように、ホイールリムを製作するためのワークW1は、略長方形状の板材であり、5000系(JIS記号)のアルミニウム合金からなる。該ワークW1における四方の隅角部には、図1における矢印A方向に指向して突出した第1凸部10a〜第4凸部10dが設けられている。後述するように、この矢印A方向は接合方向である。換言すれば、第1凸部10a〜第4凸部10dは、接合方向に沿って突出形成されている。
【0022】
本実施の形態に係る製造方法においては、ワークW1を図1の矢印B方向に沿って湾曲させ、最終的に、図2に示すように、該ワークW1の端面同士を当接させることによって、矢印A方向に延在する第1突出部12、第2突出部14を有する円筒体W2を形成する。なお、第1突出部12は、第1凸部10aと第3凸部10cの端面同士が互いに当接することによって形成され、一方、第2突出部14は、第2凸部10bと第4凸部10dの端面同士が互いに当接することによって形成される。
【0023】
この円筒体W2は、図示しない治具で支持される。これにより、当接した端面同士が離間すること、換言すれば、円筒体W2が開いて平板材のワークW1に戻ることが阻止されている。
【0024】
この状態で、円筒体W2の当接した端面同士、すなわち、要部を拡大した図3に示す直線状の当接箇所が摩擦撹拌接合用工具20の作用下に一体化される。
【0025】
この摩擦撹拌接合用工具20は、図示しない摩擦撹拌接合装置のスピンドルに固定された円柱状の回転体22と、この回転体22の先端部に設けられて前記当接箇所に埋没されるプローブ24とを有し、このうちのプローブ24が、第1突出部12と第2突出部14との当接箇所の直上に当接される。
【0026】
そして、前記スピンドルを回転付勢することに伴って回転体22と一体的にプローブ24を回転動作させると、第1突出部12または第2突出部14における当接箇所にプローブ24が摺接して、該当接箇所とその近傍に摩擦熱が発生し、その領域の肉が軟化する。この軟化により、プローブ24の先端部が当接箇所に埋没する。
【0027】
この状態で、図3に示すように、プローブ24を当接箇所に沿って矢印A方向に向けて変位させると、軟化した肉がプローブ24で撹拌されることに伴って塑性流動する。この間、プローブ24が円筒体W2の撹拌箇所から離間すると、軟化していた肉が硬化する。このような現象が連続されることにより、当接した端面同士が一体的に固相接合され、その結果、接合部26が形成される。
【0028】
なお、プローブ24による摩擦撹拌接合の場合、形成された接合部26における結晶粒の粒径が、接合前に比して著しく粗大化することはない。また、摩擦撹拌接合においては、接合部26の硬度が接合前に比して過度に大きく上昇することはない。
【0029】
このようにして形成された接合部26につき検査を行い、未接合部や空洞部等の欠陥が存在しないことを確認した後、切削加工によって第1突出部12および第2突出部14を切断する。この際、第1突出部12および第2突出部14を、それぞれ、円筒体W2における第1突出部12および第2突出部14が存在しない部位の長手方向の寸法のおよそ0.2%となるように残留させる。例えば、図4に示すように、円筒体W2において、第1突出部12および第2突出部14が存在しない部位の長手方向の寸法が250mmである場合、第1突出部12および第2突出部14を、円筒体W2の長手方向に沿う寸法が約0.5mm程度となるように残留させればよい。
【0030】
次に、この円筒体W2の側周壁にドロップ部を形成する。具体的には、図5に示すように、金型装置30と、成形ディスク32とを用いるスピニング加工を施す。なお、これら金型装置30および成形ディスク32は、図示しない回転機構の作用下に回転動作させることが可能である。
【0031】
金型装置30は、概略円柱体形状の第1分割金型34および第2分割金型36を有する。このうち、第1分割金型34の図5における下端部近傍には、挟持用フランジ部38が設けられている。また、この第1分割金型34には、大径部40および小径部42が挟持用フランジ部38側からこの順序で連設されている。なお、大径部40と小径部42との間には、テーパ部44が介在されている。そして、小径部42には、挿入用穴部46が設けられている。
【0032】
一方、第2分割金型36は、前記挿入用穴部46に挿入された円柱状凸部48と、挟持用フランジ部50と、円柱状凸部48と挟持用フランジ部50との間に介在された段部52とを有し、段部52と円柱状凸部48との間には、前記テーパ部44に対応する形状のテーパ部54が設けられている。
【0033】
また、成形ディスク32は、小径部56a、56bと、該小径部56a、56bの間に設けられた大径部58とを有する。そして、小径部56aと大径部58との間にはテーパ部60aが設けられており、その一方で、大径部58と小径部56bとの間にはテーパ部60bが設けられている。これらテーパ部60a、60bの形状は、前記テーパ部44、54の形状に対応する。
【0034】
以上のような構成において、円筒体W2の残留した第1突出部12が第1分割金型34の挟持用フランジ部38の図5における上端面に載置されると、次に、第2分割金型36が下降動作される。最終的に、円筒体W2の残留した第2突出部14が第2分割金型36の挟持用フランジ部50に当接し、これにより、円筒体W2が挟持用フランジ部38、50によって挟持される。なお、図5から諒解されるように、この時点では、円筒体W2の端面は、第1突出部12および第2突出部14を除いて第1分割金型34または第2分割金型36に当接しない。
【0035】
次に、第1分割金型34および第2分割金型36と成形ディスク32とが、円筒体W2を間に挟んで互いに逆方向に回転動作される。この際、円筒体W2には第1突出部12および第2突出部14の一部が残留しているが、その残留量は僅かであるため、接合部26近傍の重量は、他の部位(非接合部)に比して若干大きい程度である。このため、円筒体W2が回転動作する際に、該円筒体W2が偏心することはほとんどない。
【0036】
そして、図6に示すように、第2分割金型36を第1分割金型34側に指向して変位させるとともに、仮想線で表す位置において成形ディスク32を円筒体W2に接近させ、大径部58で円筒体W2の外周壁を押圧する。大径部58は、最終的に、円筒体W2を介して第1分割金型34の小径部42およびテーパ部54で形成される陥没部近傍に到達し、これに伴って円筒体W2の外周壁が内周壁側に指向して陥没することにより凹部が形成される。なお、この際、大径部58に連設されたテーパ部62bは、円筒体W2を介してテーパ部54に着座する。これにより、前記凹部に連設するテーパ部71bが設けられる。
【0037】
次に、成形ディスク32は、回転軸に沿って図6における下方に変位される。この変位に伴って前記凹部が連続的に設けられることによって、ドロップ部70が形成される。成形ディスク32の変位は、最終的に、成形ディスク32のテーパ部62aが円筒体W2を介してテーパ部44に着座するまで続行される。そして、この着座により、ドロップ部70に連設するテーパ部71aが設けられる。
【0038】
上記したように、接合部26の結晶粒は、接合されていない部位(非接合部)に比して粒径が著しく粗大化することはない。このため、接合部26は、非接合部に比して延性がやや小さく、したがって、ドロップ部70を形成する際に円筒体W2の外周壁を押圧した際、該円筒体W2の軸方向の両端部をドロップ部70に指向して引き寄せる力が作用すると、非接合部では肉が容易に延伸するので両端部が押圧部に指向して引き寄せられることはさほどないのに対し、接合部26では、両端部が引き寄せられてしまう。
【0039】
しかしながら、本実施の形態においては、第1突出部12および第2突出部14の一部を残留させるようにしている。このため、ドロップ部70を形成する際に接合部26が引き寄せられると、この残留部も引き寄せられる。結果として、図7に示すように、接合部26と非接合部との軸方向の寸法が略一致して、円周縁部が略面一な円筒体W2が得られる。すなわち、ドロップ部70を形成することに伴い、円筒体W2の各端面全体が第1分割金型34または第2分割金型36に当接する(図6参照)。
【0040】
このように、本実施の形態によれば、第1突出部12および第2突出部14の一部を残留させてドロップ部70を形成するようにしている。このため、比較的延伸し難い接合部26では、残留部が引き寄せられることによって、円筒体W2の軸方向の寸法が補償される。これにより、寸法精度に優れたリムを得ることができる。
【0041】
また、円筒体W2の当接箇所を接合する際に摩擦撹拌接合を行うので、接合部26の硬度が上昇する度合いが、他の接合方法を採用した場合に比して著しく小さい。換言すれば、接合部26は、他の接合方法によって設けられた接合部に比して容易に延伸する。このため、凹部形成時に接合部26から割れが生じることが回避される。
【0042】
このようにしてドロップ部70が設けられた円筒体W2に対し、図8において(a)〜(c)として示すように、両端部を折り曲げてカール部72a、72bを形成した後、ドロップ部70とカール部72a、72bとの間に円周方向に沿って隆起したハンプ部74a、74bを設け、最後に、カール部72a、72bとドロップ部70に複数個の貫通孔76を設けることにより、リムRが得られるに至る。
【0043】
以上から諒解されるように、本実施の形態によれば、割れがなくかつ寸法精度が良好なリムを、熱処理を施すことなく製作することができる。このため、熱処理工程を行う必要はなく、必然的に、熱処理設備を付設する必要もない。したがって、熱処理を施す場合に比して設備投資が低廉となり、また、リムの生産効率が向上する。
【0044】
なお、上記した実施の形態においては、ワークW1としてアルミニウム合金製のものを使用したが、特にこれに限定されるものではなく、鋼製またはマグネシウム合金製のものを使用するようにしてもよい。
【0046】
そして、第1突出部12および第2突出部14の残留量は、ワークW1の材質や溶接方法に応じて設定すればよい。例えば、延伸し難い材質を使用してリムを製造する場合や、結晶粒が粗大化することで接合部が延伸し難くなった場合、第1突出部12および第2突出部14の残留量を多くすればよい。
【0047】
いずれの場合においても、ワークに第1凸部10a〜第4凸部10dを予め設けることに代え、真長方形ないし真正方形のワークを湾曲させて円筒体を設け、該円筒体の端部を切削加工することによって突出部を突出形成するようにしてもよい。
【0048】
さらに、ドロップ部70を設ける成形方法として、スピニング成形に代替してロールフォーミング成形を採用するようにしてもよい。この成形法においては、図9および図10に示すように、成形ロール80を有する金型装置82が使用される。この場合、成形ロール80は、円柱体の胴部84と、該胴部84の略中腹部から直径方向に指向して突出した膨出部86とを有する。そして、この膨出部86と胴部84とは、テーパ部60a、60bを介して連設されている。この場合においても、上記金型装置30と同様に、テーパ部60a、60bの形状は、前記テーパ部44、54の形状に対応する。また、膨出部86の長さは、第1分割金型34の小径部42の長さに対応する。
【0049】
金型装置82においては、第1分割金型34および第2分割金型36と成形ロール80とが、円筒体W2を間に挟んで互いに逆方向に回転動作される(図9参照)。そして、図10に示すように、第2分割金型36を第1分割金型34側に指向して変位させるとともに、成形ロール80を円筒体W2に接近させ、膨出部86で円筒体W2の外周壁を押圧する。
【0050】
膨出部86は、最終的に、円筒体W2を介して第1分割金型34の小径部42およびテーパ部44、54で形成される陥没部近傍に到達し、これに伴って円筒体W2の外周壁が内周壁側に指向して陥没して、ドロップ部70が形成される。この際、膨出部86に連設されたテーパ部60a、60bが円筒体W2を介してテーパ部44、54に着座し、これにより、ドロップ部70に連設するテーパ部71a、71bが設けられる。
【0051】
勿論、この場合においても、端面の寸法精度に優れる円筒体W2、ひいてはリムRを得ることができる。
【0052】
なお、スピニング成形またはロールフォーミング成形のいずれにおいても、残留させる第1突出部12および第2突出部14の円筒体W2の長手方向に沿う寸法は、円筒体W2における第1突出部12および第2突出部14が存在しない部位の長手方向の寸法に対して0.1〜0.4%とすることが好ましい。例えば、図4に示す場合、第1突出部12および第2突出部14における円筒体W2の長手方向に沿う寸法を0.3〜1mm程度とする。0.1%未満であると、円筒体W2の円周縁部に陥没が生じることがある。また、0.4%を超えると、ドロップ部70を形成する際に円筒体W2の偏心が起こり易くなる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、円筒体における接合部近傍を含む端部を突出させた状態で、該円筒体に凹部を設けるようにしている。このため、非接合部に比して延伸し難い接合部が引き寄せられた際、突出部によって円筒体の軸方向の寸法が補償される。これにより、特に円周縁部の寸法精度に優れたホイールリムを得ることができる。
【0054】
しかも、この場合、熱処理を施す必要がないのでホイールリムの生産効率が向上するとともに、設備投資を低廉化し、最終的に低価格で品質に優れたホイールリムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各隅角部に凸部を有するホイールリム用のワークの概略全体斜視図である。
【図2】図1のワークを湾曲させるとともに凸部同士を当接させることによって形成された突出部を有する円筒体の概略全体斜視図である。
【図3】図2の円筒体において当接した端面同士を摩擦撹拌接合にて接合している状態を示す要部拡大説明図である。
【図4】当接箇所が接合された円筒体の第1突出部および第2突出部の大部分を切断除去した状態を示す概略全体斜視図である。
【図5】円筒体にドロップ部を設けるための金型装置の一部断面説明図である。
【図6】図5の金型装置にて円筒体にドロップ部を設けている状態を示す一部断面説明図である。
【図7】ドロップ部が設けられる際に第1突出部(第2突出部)が引き寄せられて面一となった円筒体の円周縁部を示す要部拡大説明図である。
【図8】円筒体に対してカール部、ハンプ部および貫通孔を順次設けた状態を示すリムの概略工程説明図である。
【図9】円筒体にドロップ部を設けるための別の金型装置の一部断面説明図である。
【図10】図9の金型装置にて円筒体にドロップ部を設けている状態を示す一部断面説明図である。
【図11】従来技術において、ドロップ部が設けられた円筒体の概略全体斜視図である。
【図12】従来技術において、ドロップ部が設けられる際に端部が引き寄せられて陥没が生じた円筒体の端部を示す要部拡大説明図である。
【符号の説明】
1、W2…円筒体 2、70…ドロップ部(凹部)
10a〜10d…凸部 12、14…突出部
20…摩擦撹拌接合用工具 24…プローブ
26…接合部 30、82…金型装置
32…成形ディスク 34、36…分割金型
38、50…挟持用フランジ部 40、58…大径部
72a、72b…カール部 74a、74b…ハンプ部
80…成形ロール 86…膨出部
R…リム W1…ワーク

Claims (4)

  1. ワークの端面同士を当接させて円筒体を形成する工程と、当接した前記端面同士を摩擦撹拌接合によって接合する工程と、前記円筒体の外周壁から内周壁側に指向して陥没しかつ周回する凹部を形成する工程とを有するホイールリムの製造方法であって、
    前記円筒体における接合箇所の端部近傍に、接合方向に指向して延在する突出部を設け、次いで、前記円筒体の外周壁を押圧することにより前記凹部を設けることを特徴とするホイールリムの製造方法。
  2. 請求項1記載の製造方法において、前記ワークの各隅角部に凸部を設け、前記凸部同士を接合することによって前記突出部を設けることを特徴とするホイールリムの製造方法。
  3. 請求項1記載の製造方法において、前記円筒体に対し円周方向に沿って切削加工を施すことによって前記突出部を設けることを特徴とするホイールリムの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法において、前記凹部を、スピニング成形またはロールフォーミング成形によって設けることを特徴とするホイールリムの製造方法。
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