JP4672319B2 - 有機半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有機半導体装置およびその製造方法に関する。
有機半導体装置のチャネル部に用いられる有機材料は、酸素(酸化)、水素(還元)水分(酸化、還元)に対して弱く、さらに熱、荷電粒子に対しても弱いため、それらの要因によるダメージを防ぐ保護膜が必要である。特許文献1には、前記保護膜としてSiOx膜を用いることが記載されている。しかしながら、SiOx膜は水素や水に対するブロッキング性能が低いために、有機材料の劣化を招く。
また、有機半導体装置の基板に用いられる有機樹脂系フィルム、いわゆるプラスチックフィルムは、水や水素、酸素を透過するためにこの基板からの水分等に侵入(透過)によっても有機材料の劣化を招く。
特開2003−282242
本発明は、チャンネル部の有機樹脂層をプラスチックからなる基板側およびこの基板に対向する表面側から侵入する水、水素、酸素などから保護することが可能な有機半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様によると、ポリイミドまたはポリエチレンテレフタレートからなるプラスチック基板と、
前記基板上に形成されたゲート電極と、
前記ゲート電極を含む前記基板上に形成された窒化ケイ素(SiNx)またはAl23からなるゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に形成されたソース電極およびドレイン電極と、
前記ソース電極およびドレイン電極の間のチャンネル領域を少なくとも含む前記ゲート絶縁膜上に形成された有機半導体層と、
少なくとも前記有機半導体層に形成され、この有機半導体層側から窒化ケイ素(SiN x )層とAlO x 層、SiO x y 層およびSiO x 層から選ばれる少なくとも1つの層とをこの順序で積層した積層膜からなる保護層と
を具備したことを特徴とする有機半導体装置が提供される。
本発明の第2の態様によると、ポリイミドまたはポリエチレンテレフタレートからなるプラスチック基板と、
前記基板上に形成された保護層と、
前記保護層上に形成されたソース電極およびドレイン電極と、
前記ソース電極およびドレイン電極の間のチャンネル領域を少なくとも含む前記保護層上に形成された有機半導体層と、
前記有機半導体層上に形成された窒化ケイ素(SiNx)からなるゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に少なくとも前記チャンネル領域に対向するように形成されたゲート電極と
を具備し
前記保護層は、前記有機半導体層側から窒化ケイ素(SiN x )層とAlO x 層、SiO x y 層およびSiO x から選ばれる少なくとも1つの層とをこの順序で積層した積層膜からなることを特徴とする有機半導体装置が提供される
本発明の第3の態様によると、ポリイミドまたはポリエチレンテレフタレートからなるプラスチック基板上にゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極を含む前記基板上に窒化ケイ素(SiNx)またはAl23からなるゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜上にソース電極およびドレイン電極を形成する工程と、
前記ソース電極およびドレイン電極の間のチャンネル領域を少なくとも含む前記ゲート絶縁膜上に有機半導体層を形成する工程と、
少なくとも前記有機半導体層に窒化ケイ素(SiNx)層を含む保護層を成膜した後、前記SiN x 層に窒素雰囲気中でUVレーザ光を照射することにより表面の窒化を促進し、緻密化する工程と
を含むことを特徴とする有機半導体装置の製造方法が提供される。
本発明の第4の態様によると、ポリイミドまたはポリエチレンテレフタレートからなるプラスチック基板上に窒化ケイ素(SiNx)層またはAl23層を含む保護層を形成する工程と、
前記保護層上にソース電極およびドレイン電極を形成する工程と、
前記ソース電極およびドレイン電極の間のチャンネル領域を少なくとも含む前記保護層上に有機半導体層を形成する工程と、
前記有機半導体層上に窒化ケイ素(SiNx)からなるゲート絶縁膜を成膜した後、前記ゲート絶縁膜に窒素雰囲気中でUVレーザ光を照射することにより表面の窒化を促進し、緻密化する工程と、
前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を少なくとも前記チャンネル領域と対向するように形成する工程と
を含むことを特徴とする有機半導体装置の製造方法が提供される。
本発明によれば、外部からの水、酸素、水素などの浸入を阻止してチャンネル部の有機チャネル層を保護できるため、長寿命で信頼性の高い有機半導体装置およびその製造方法を提供できる。また、従来の封止ガラスや乾燥剤の必要性がなくなり、小型・軽量化の有機半導体装置を実現できる。
以下、本発明に係る有機半導体装置およびその製造方法を図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、この第1実施形態に係る有機半導体装置を示す断面図である。
ポリイミドまたはポリエチレンテレフタレートからなるフィルム状のプラスチック基板1上は、ゲート電極2が形成されている。SiNxまたはAl23からなるゲート絶縁膜3は、前記ゲート電極2を含むプラスチック基板1上に形成されている。互いに電気的に分離されたソース電極4およびドレイン電極5は、前記ゲート絶縁膜3上に形成されている。
有機樹脂層6は、前記ソース電極4およびドレイン電極5の間のチャンネル部に形成されている。保護層であるSiNx層(例えばSi34層)7は、有機樹脂層6、ソース電極4およびドレイン電極5を含む前記ゲート絶縁膜3上に形成されている。
前記ゲート電極2は、例えばAl,In等から作られる。
前記ソース電極4およびドレイン電極5は、例えばCr/Auの積層金属から作られる。
前記有機樹脂としては、例えば低分子系材料ではフタロシアニン、ペンタセンなどが、高分子系材料ではポリチオフェン、ポリアニリンなどが用いられる。
前記SiNx層(例えばSi34層)7は、10〜200nmの厚さを有することが好ましい。
次に、前記構成の有機半導体装置の製造方法を図2(a),(b)および図3を参照して説明する。
まず、図2の(a)に示すように例えばポリイミドのようなプラスチックからなるプラスチック基板1上にゲート電極材料膜を堆積した後、このゲート電極材料膜をリソグラフィ技術によりパターニングしてゲート電極2を形成する。このゲート電極材料膜の堆積は、例えばAl,Inなどの金属を真空蒸着またはスパッタする方法を採用することができる。つづいて、ゲート電極2を含むプラスチック基板1上にCVD法、ALD(Atomic Layer Deposition)法、高周波RFスパッタ法によりSiNxまたはAl23からなるゲート絶縁膜3を堆積する。このゲート絶縁膜3は、この後の工程で形成される有機樹脂層に直接接し、かつ熱処理を受けることから、酸素の供給源となり易いAl23に比べて窒化ケイ素で形成することが好ましい。なお、ゲート絶縁膜3としてSiNx膜を堆積した後においてはUVレーザ光を窒素雰囲気中でそのSiNx層表面に照射し、SiNx層表面の窒化を促進させてSiNx層を緻密化するとともに、組成をストイキオメトリー(Si34)に近づけて、化学的・構造的に安定化したSi34層を形成することが好ましい。
次いで、前記ゲート絶縁膜3上にソース、ドレインの電極材料膜を堆積した後、この電極材料膜をリソグラフィ技術によりパターニングして互いに電気的に分離されたソース電極4およびドレイン電極5を形成する。この電極材料膜の堆積は、例えばCr膜、Au膜をこの順序で真空蒸着する方法等を採用することができる。つづいて、ソース電極4およびドレイン電極5間のチャンネル部に位置する前記ゲート絶縁膜3上に有機樹脂層6を形成する。この有機樹脂層6の成膜方法としては、CVD、PVD、または前述した有機樹脂の溶液を用いる塗布、インクジェットなどの多様な形成手法を適用することができる。
次いで、図2の(b)に示すように前記有機樹脂層6およびソース電極4およびドレイン電極5を含むゲート絶縁膜3上に保護層であるSiNx層7を成膜して有機半導体装置を製造する。このSiNx層7は、10〜200nmの厚さを有することが好ましい。このSiNx層は、通常の高周波スパッタ法等により成膜することができるが、特に以下に説明するレーザアブレーション法により成膜することが好ましい。
図3は、このレーザアブレーション法に用いられる成膜装置を示す概略図である。円筒型の真空容器21には、窒素ガスの導入口22が設けられている。窒化ケイ素(Si34)からなるターゲット23は、前記真空容器21内に配置され、ターゲット材料を均一に消費できるように回転軸24により回転可能に支持されている。このターゲット23は、窒化ケイ素のみをアブレーションする場合には窒化ケイ素単独からなるが、SiNx、酸化アルミニウム(AlOx)、酸化ケイ素(SiOx)など複数の材料を連続して成膜する場合には例えばそれらの材料が一方向に並んで配列された多元ターゲットを用い、かつ多元ターゲットをその複数材料の配列方向に移動可能な構成にすればよい。基板を保持する基板ホルダ25は、前記真空容器21内に前記ターゲット23と対向して配置されている。なお、反射ミラー26は前記基板ホルダ25と対向するターゲット23の表面近傍に移動可能に配置されている。
石英窓27は、前記真空容器21の外周側壁に取り付けられている。エキシマレーザ光発振器28は、前記真空容器21の外部に配置され、その発振器28から出射されるエキシマレーザ光が前記石英窓27に至る光路には反射ミラー29およびレンズ30が配置されている。なお、UVレーザ光を照射する際にはエキシマレーザ光発振器28の位置にUVレーザ光発振器が配置される。真空中に存在する残留元素の分析を行う質量分析計31、アブレーション中に生成する分子の状態を観測するための分光スペクトロメータ32およびターゲットの表面状態を観測するためののぞき窓33は、前記真空容器21の外周側壁にそれぞれ取り付けられている。図示しない排気管は、その一端が前記真空容器21に連結され、かつ他端に真空ポンプのような排気設備に連結されている。
このような成膜装置において、前述した図2(a)図示の有機樹脂層6が形成されたプラスチック基板1を基板ホルダ25に保持する。つづいて、高純度の窒素ガスを導入口22を通して真空容器21内に導入しながら、排気ポンプを作動して真空容器21内のガスを排気管を通して排気することにより所定の真空度にする。
エキシマレーザ光発振器28によりエキシマレーザ光を発振し、そのレーザ光をミラー29で反射させ、レンズ30で絞り、石英窓27を通して窒化ケイ素(Si34)からなるターゲット23に照射することによりアブレーションさせ、その粒子を基板ホルダ25のプラスチック基板の有機樹脂層およびソース電極およびドレイン電極を含むゲート絶縁膜上に堆積させ、SiNx層を形成する。つづいて、反射ミラー26をターゲット23を覆うように移動させた後、エキシマレーザ光発振器28をUVレーザ光発振器に代え、UVレーザ光を前記ミラー29、レンズ30および石英窓27を通して反射ミラー26に照射し、ここで反射させ、UVレーザ光を窒素雰囲気中で基板ホルダに保持されたプラスチック基板のSiNx層表面に照射する。このとき、SiNx層表面の窒化が促進されてSiNx層を緻密化するとともに、組成をストイキオメトリー(Si34)に近づけて、化学的・構造的に安定化したSi34層(保護層)7を形成する。
以上、第1実施形態によればSiNxまたはAl23からなるゲート絶縁膜3のチャンネル部に有機樹脂層6を形成し、この有機樹脂層6上に保護層であるSiNx層7を形成する、つまり有機樹脂層6を水、酸素、水素に対するブロック性の高いSiNxまたはAl23からなるゲート絶縁膜3と同ブロック性の高い保護層であるSiNx層7で挟み込むことによって、有機樹脂層6への外部(表裏面側)からの水、酸素、水素の侵入を阻止することができる。その結果、長寿命で信頼性の高い有機半導体装置を提供できる。
また、第1実施形態の方法によれば長寿命で信頼性の高い有機半導体装置を製造することができる。特に、水、水素、酸素に対するブロッキング性能が高く、成膜時に有機樹脂層を酸素の雰囲気に曝すことのないSiNx層7を保護層として成膜することによって、有機樹脂層の劣化を抑制できる。また、保護層であるSiNx層7を高周波RFスパッタ法に比べて熱・荷電粒子の影響が小さいレーザアブレーション法により成膜することによって、保護層の成膜時において有機樹脂層の劣化も抑制できるため、SiNx層7の成膜後も有機樹脂層6を良好な膜質状態を維持することが可能になる。
なお、第1実施形態では保護層をSiNx層のみにより構成したが、これに限定されない。
例えば、図4に示すようにSiNx層7上にAlOx層、酸窒化ケイ素(SiOxy)層およびSiOx層から選ばれる層8を堆積して2層構造の保護層を形成してもよい。このような層8をSiNx層7上に形成することによって、SiNx層7による有機樹脂層6に対する応力を緩和することができる。特に、層8としてAlOx層を用いれば、外部からの水、酸素、水素の侵入に対するブロック効果をSiNx層7の単層に比べてより一層向上できる。
また、図5に示すようにSiNx層7上にSiOxy層9およびSiOx層10をこの順序で堆積して3層構造の保護層を形成してもよい。このように保護層を3層構造にすることによって、SiNx層7による有機樹脂層6に対する応力をより効果的に緩和することができる。なお、保護層を積層する場合には有機樹脂層6に接するSiNx層7の厚さを5〜50nmと薄膜化することが好ましい。
(第2実施形態)
図6は、この第2実施形態に係る有機半導体装置を示す断面図である。
ポリイミドまたはポリエチレンテレフタレートからなるフィルム状のプラスチック基板41上は、保護層である単一のSiNx層(またはAl23層)42が形成されている。互いに電気的に分離されたソース電極43およびドレイン電極44は、前記SiNx層(またはAl23層)42上に形成されている。有機樹脂層45は、前記ソース電極43およびドレイン電極44の間のチャンネル部に位置するSiNx層(またはAl23層)42上に形成されている。
SiNx(例えばSi34)からなるゲート絶縁膜46は、前記ソース電極43、ドレイン電極44および有機樹脂層45を含むSiNx層(またはAl23層)42上に形成されている。ゲート電極47は、前記ゲート絶縁膜46上に形成されている。
前記SiNx層(またはAl23層)42は、10〜200nmの厚さを有することが好ましい。
前記ソース電極43、ドレイン電極44、有機樹脂層45およびゲート電極は、前記第1実施形態と同様な材料から作られる。
次に、前記構成の有機半導体装置の製造方法を図7(a),(b)を参照して説明する。
まず、図7の(a)に示すように例えばポリイミドのようなプラスチックからなるプラスチック基板41上に例えば高周波スパッタ法により保護層であるSiNx層(またはAl23層)42を形成する。この保護層42は、この後の工程で形成される有機樹脂層に直接接し、かつ熱処理を受けることから、酸素の供給源となり易いAl23に比べて窒化ケイ素で形成することが好ましい。なお、保護層としてSiNx層を堆積した後においてはUVレーザ光を窒素雰囲気中でそのSiNx層表面に照射し、SiNx層表面の窒化を促進させてSiNx層を緻密化するとともに、組成をストイキオメトリー(Si34)に近づけて、化学的・構造的に安定化したSi34層を形成することが好ましい。
次いで、このSiNx層(またはAl23層)42上にソース、ドレインの電極材料膜を前記ゲート絶縁膜3上に堆積した後、この電極材料膜をリソグラフィ技術によりパターニングして互いに電気的に分離されたソース電極43およびドレイン電極44を形成する。この電極材料膜の堆積は、例えばCr膜、Au膜をこの順序で真空蒸着する方法等を採用することができる。つづいて、ソース電極43およびドレイン電極44間のチャンネル部に位置する前記SiNx層(またはAl23層)42上に有機樹脂層45を形成する。この有機樹脂層45の成膜方法としては、CVD、PVD、または前述した有機樹脂の溶液を用いる塗布、インクジェットなどの多様な形成手法を適用することができる。
次いで、図7の(b)に示すように前記有機樹脂層45およびソース電極43、ドレイン電極44を含むSiNx層(またはAl23層)42上にSiNx(例えばSi34)からなるゲート絶縁膜46を形成する。このSiNxからなるゲート絶縁膜46は、通常のスパッタ法等により成膜することができるが、特に第1実施形態で説明したレーザアブレーション法により成膜し、成膜後のSiNxにさらにUVレーザ光をすることが好ましい。この後、ゲート絶縁膜46上にゲート電極材料膜を堆積した後、このゲート電極材料膜をリソグラフィ技術によりパターニングしてゲート電極2を形成することによって有機半導体装置を製造する。このゲート電極材料膜の堆積は、例えば第1実施形態と同様な材料を用いる真空蒸着またはスパッタする方法を採用することができる。
以上、第2実施形態によれば保護層であるSiNx層(またはAl23層)42のチャンネル部上に有機樹脂層45を形成し、この有機樹脂層45上にSiNxからなるゲート絶縁膜46を形成する、つまり有機樹脂層45を水、酸素、水素に対するブロック性の高い保護層であるSiNx層(またはAl23層)42と同ブロック性の高いSiNxからなるゲート絶縁膜46で挟み込むことによって、有機樹脂層45への外部からの水、酸素、水素の侵入を阻止することができる。その結果、長寿命で信頼性の高い有機半導体装置を提供できる。
また、第2実施形態の方法によれば長寿命で信頼性の高い有機半導体装置を製造することができる。特に、水、水素、酸素に対するブロッキング性能が高く、成膜時に有機樹脂層を酸素の雰囲気に曝すことのないSiNxからなるゲート絶縁膜46を成膜することによって、有機樹脂層45の劣化を抑制できる。また、SiNxからなるゲート絶縁膜46を高周波スパッタ法に比べて熱・荷電粒子の影響が小さいレーザアブレーション法により成膜することによって、保護層の成膜時において有機樹脂層の劣化も抑制できるため、ゲート絶縁膜46の成膜後も有機樹脂層46を良好な膜質状態を維持することが可能になる。
なお、第2実施形態では保護層をSiNx層(またはAl23層)のみにより構成したが、これに限定されない。
例えば、図8に示すようにプラスチック基板41にAlOx、SiOxyおよびSiOxから選ばれる層48を堆積し、この層8上にSiNx層42を形成して2層構造の保護層にしてもよい。このような層48をSiNx層42の形成に先立ってプラスチック基板42上に形成することによって、SiNx層42による有機樹脂層45に対する応力を緩和することができる。特に、層48としてAlOx層を用いれば、外部からプラスチック基板41を通過した水、酸素、水素の侵入に対するブロック効果をSiNx層42の単層に比べてより一層向上できる。前記AlOx、SiOxyおよびSiOxから選ばれる層は1層に限らず、2層または3層であってもよい。
また、第1、第2の実施形態においてプラスチック基板に有機エレクトロルミネッセンス、有機太陽電池を有機トランジスタに隣接するように実装してもよい。
以下,本発明の実施例を前述した図面を参照して説明する。
(実施例1)
まず、ポリイミドからなる8インチ角のフィルム状のプラスチック基板1上に、厚さ200nmのAl膜を室温で真空蒸着した後、このゲート電極材料膜をリソグラフィ技術によりパターニングしてゲート電極2を形成した。つづいて、ゲート電極2を含むプラスチック基板1上に150℃の温度下で高周波RFスパッタ法により厚さ300nmのSiNxからなるゲート絶縁膜3を堆積した。このSiNxからなるゲート絶縁膜3の表面にUVランプ(波長:173nm)を窒素雰囲気中で5分間照射してSiNx表面の窒化を促進し組成をSi34に近づけ安定化させ、さらに酸素雰囲気中で30秒間照射して表面のC系コンタミをCOの形で揮散除去した。ひきつづき、前記ゲート絶縁膜3上に真空蒸着法により厚さ15nmのCr膜、厚さ185nmのAu膜をこの順序で堆積した後、この電極材料膜をリソグラフィ技術によりパターニングして互いに電気的に分離されたソース電極4およびドレイン電極5を形成した。この後、ソース電極4およびドレイン電極5間のチャンネル部に位置する前記ゲート絶縁膜3上にポリチオフェンをスピンコータにより塗布し、乾燥することによって厚さ250nmの有機樹脂層6を形成した(図2(a)図示)。
次いで、前述した図2(a)図示の有機樹脂層6が形成されたプラスチック基板1を図3の成膜装置を構成する真空容器21の基板ホルダ25に保持した。つづいて、高純度の窒素ガスを導入口22を通して真空容器21内に導入しながら、真空ポンプを作動して真空容器21内のガスを排気管を通して排気することにより8×10-8Torrの真空度にした。ひきつづき、エキシマレーザ光発振器28により波長193nmのArFレーザ光を出力300mJ、パルス長20nm、繰り返し周波数50Hzの条件で発振し、そのレーザ光をミラー29で反射させ、レンズ30で絞り、石英窓27を通して回転する窒化ケイ素(Si34)からなるターゲット23に照射することによりアブレーションさせ、その粒子を基板ホルダ25のプラスチック基板の有機樹脂層およびソース電極およびドレイン電極を含むゲート絶縁膜上に堆積させ、厚さ30nmのSiNx層を形成した。このとき、ターゲット23上でのレーザフルエンスは、0.5−10J/cm2であった。つづいて、反射ミラー26をターゲット23を覆うように移動させた後、ArFレーザ光(UVレーザ光)を前記ミラー29、レンズ30および石英窓27を通して反射ミラー26に照射し、ここで反射させ、UVレーザ光を窒素雰囲気中でプラスチック基板のSiNx層表面に照射した。ここで、レーザ光はレンズ30によりデフォーカスすることが好ましい。このとき、SiNx層表面の窒化が促進されてSiNx層を緻密化するとともに、組成をストイキオメトリー(Si34)に近づけて、化学的・構造的に安定化したSi34層(保護層)7に変換させた。このように前記有機樹脂層6およびソース電極4およびドレイン電極5を含むゲート絶縁膜3上に保護層であるSi34層7を成膜して有機半導体装置を製造した(図2(b)図示)。
実施例1で製造された有機半導体装置を3日間大気雰囲気に放置後、トランジスタを動作させてしきい値電圧およびリーク電流の有無を調べた。その結果、しきい値電圧は大気雰囲気に放置前の初期値を示し、かつリーク電流の発生も認められなかった。
(実施例2)
まず、ポリイミドからなる8インチ角のフィルム状のプラスチック基板41上に、150℃の温度下で高周波RFスパッタ法により保護層である厚さ30nmのSiNx層を堆積した。このSiNx層42の表面にUVランプ(波長:173nm)を窒素雰囲気中で5分間照射してSiNx表面の窒化を促進し組成をSi34に近づけ安定化させ、さらに酸素雰囲気中で30秒間照射して表面のC系コンタミをCOの形で揮散除去した。つづいて、このSi34層42上に真空蒸着法により厚さ15nmのCr膜、厚さ185nmのAu膜をこの順序で堆積した後、この電極材料膜をリソグラフィ技術によりパターニングして互いに電気的に分離されたソース電極43およびドレイン電極44を形成した。この後、ソース電極43およびドレイン電極44間のチャンネル部に位置する前記SiNx層42上にポリチオフェンをスピンコータにより塗布し、乾燥することによって厚さ250nmの有機樹脂層45を形成した(図7(a)図示)。
次いで、前述した図7(a)図示の有機樹脂層45が形成されたプラスチック基板41を図3の成膜装置を用い、実施例1と同様な条件でArFレーザ光のアブレーションおよび成膜されたSiNx膜のUVレーザ光の照射を行って緻密でかつ組成をストイキオメトリー(Si34)に近づけ、化学的・構造的に安定化した厚さ300nmのSi34層に変換させてゲート絶縁膜46を形成した。つづいて、ゲート絶縁膜46に厚さ200nmのAl膜を室温で真空蒸着した後、このゲート電極材料膜をリソグラフィ技術によりパターニングしてゲート電極47を形成した(第7図(b)図示)。
実施例2で製造された有機半導体装置を3日間大気雰囲気に放置後、トランジスタを動作させてしきい値電圧およびリーク電流の有無を調べた。その結果、しきい値電圧は大気雰囲気に放置前の初期値を示し、かつリーク電流の発生も認められなかった。
本発明の第1実施形態に係る有機半導体装置を示す断面図。 本発明の第1実施形態に係る有機半導体装置の製造工程を示す断面図。 レーザアブレーション法に用いられる成膜装置を示す概略図。 本発明の第1実施形態に係る別の有機半導体装置を示す断面図。 本発明の第1実施形態に係る別の有機半導体装置を示す断面図。 本発明の第1実施形態に係る有機半導体装置を示す断面図。 本発明の第1実施形態に係る有機半導体装置の製造工程を示す断面図。 本発明の第1実施形態に係る別の有機半導体装置を示す断面図。
符号の説明
1、41…プラスチック基板、2、47…ゲート電極、3、46…ゲート絶縁膜、6、45…有機樹脂層、7、42…Si34層。

Claims (6)

  1. ポリイミドまたはポリエチレンテレフタレートからなるプラスチック基板と、
    前記基板上に形成されたゲート電極と、
    前記ゲート電極を含む前記基板上に形成されたSiNxまたはAl23からなるゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜上に形成されたソース電極およびドレイン電極と、
    前記ソース電極およびドレイン電極の間のチャンネル領域を少なくとも含む前記ゲート絶縁膜上に形成された有機半導体層と、
    少なくとも前記有機半導体層に形成され、この有機半導体層側からSiN x 層とAlO x 層、SiO x y 層およびSiO x 層から選ばれる少なくとも1つの層とをこの順序で積層した積層膜からなる保護層と
    を具備したことを特徴とする有機半導体装置。
  2. ポリイミドまたはポリエチレンテレフタレートからなるプラスチック基板と、
    前記基板上に形成された保護層と、
    前記保護層上に形成されたソース電極およびドレイン電極と、
    前記ソース電極およびドレイン電極の間のチャンネル領域を少なくとも含む前記保護層上に形成された有機半導体層と、
    前記有機半導体層上に形成されたSiN x からなるゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜上に少なくとも前記チャンネル領域に対向するように形成されたゲート電極と
    を具備し、
    前記保護層は、前記有機半導体層側からSiN x 層とAlO x 層、SiO x y 層およびSiO x から選ばれる少なくとも1つの層とをこの順序で積層した積層膜からなることを特徴とする有機半導体装置
  3. ポリイミドまたはポリエチレンテレフタレートからなるプラスチック基板上にゲート電極を形成する工程と、
    前記ゲート電極を含む前記基板上にSiN x またはAl 2 3 からなるゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記ゲート絶縁膜上にソース電極およびドレイン電極を形成する工程と、
    前記ソース電極およびドレイン電極の間のチャンネル領域を少なくとも含む前記ゲート絶縁膜上に有機半導体層を形成する工程と、
    少なくとも前記有機半導体層にSiN x 層を含む保護層を成膜した後、前記SiN x 層に窒素雰囲気中でUVレーザ光を照射することにより表面の窒化を促進し、緻密化する工程と
    を含むことを特徴とする有機半導体装置の製造方法。
  4. 前記保護層の前記SiN x 層は、レーザアブレーションにより成膜されることを特徴とする請求項3記載の有機半導体装置の製造方法。
  5. ポリイミドまたはポリエチレンテレフタレートからなるプラスチック基板上にSiN x 層またはAl 2 3 層を含む保護層を形成する工程と、
    前記保護層上にソース電極およびドレイン電極を形成する工程と、
    前記ソース電極およびドレイン電極の間のチャンネル領域を少なくとも含む前記保護層上に有機半導体層を形成する工程と、
    前記有機半導体層上にSiN x からなるゲート絶縁膜を成膜した後、前記ゲート絶縁膜に窒素雰囲気中でUVレーザ光を照射することにより表面の窒化を促進し、緻密化する工程と、
    前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を少なくとも前記チャンネル領域と対向するように形成する工程と
    を含むことを特徴とする有機半導体装置の製造方法。
  6. 前記SiN x からなるゲート絶縁膜は、レーザアブレーションにより成膜されることを特徴とする請求項5記載の有機半導体装置の製造方法。
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