JP4671869B2 - 成形型 - Google Patents

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Description

この発明は、樹脂密度の高いスキン層が表面に形成されるとともに多数の空隙を有し上記スキン層に比べて樹脂密度の低い膨張層が内部に形成された成形体本体の一部に、上記膨張層を有することなく樹脂密度の高いソリッド層のみからなるソリッド部が形成されたパネル状の樹脂成形体をキャビティ内に繊維入り熱可塑性樹脂を射出充填して成形する成形型に関するものである。
特許文献1では、可動型を内部に収容した移動型と固定型とからなる成形型を型閉じした状態で、キャビティ内に繊維入り熱可塑性樹脂を射出充填し、該キャビティ内で上記繊維入り熱可塑性樹脂が固化する過程で、上記移動型内で可動型をキャビティ容積が拡大する方向に後退させて繊維入り熱可塑性樹脂を膨張させることにより、スキン層が表面に形成されるとともに多数の空隙を有する膨張層が内部に形成された樹脂成形体を成形する成形型が開示されている。そして、成形された樹脂成形体では、上記膨張層を樹脂成形体の内部全域に形成することにより軽量化を図っている。
特開平11−156881号公報(第3頁、図1)
ところで、上述の如く膨張層が内部全域に形成されている樹脂成形体に例えば部品を取り付ける場合、部品取付箇所を膨張層を有することなくソリッド層のみからなるソリッド部で形成して剛性を高めることが望ましい。そのやり方として、例えば、固定型に上記ソリッド部形成箇所に対応してスライド型を進退可能に配置し、繊維入り熱可塑性樹脂をキャビティ内に射出充填する際には、上記スライド型を先端成形面が上記キャビティ内に突出するように位置付け、上記キャビティ内に射出充填した繊維入り熱可塑性樹脂の成形型の成形面近傍にスキン層が生成された時点で、可動型をキャビティ容積拡大方向に後退させて繊維入り熱可塑性樹脂を膨張させるとともに、スライド型対応箇所のキャビティ容積が拡大しないように上記スライド型を可動型のキャビティ容積拡大方向への後退動作に追従させてキャビティ内にさらに進出させることにより、スキン層が表面に形成されるとともに膨張層が内部に形成された成形体本体にソリッド部を一体に形成することが考えられる。
しかし、スライド型は硬い金属製や硬質樹脂製で成形面外周縁が鋭く角張っているため、上述のようにして樹脂成形体を成形すると、スライド型がキャビティ内にさらに進出しても、スライド型対応箇所の固化進行状態にある繊維入り熱可塑性樹脂はスライド型に押されないが、スライド型の鋭く角張った成形面外周縁がその周りの固化進行状態にある繊維入り熱可塑性樹脂に切り込んだ状態となり、その結果、ソリッド部とその基部周辺に膨張層を有する成形体本体との境界部に亀裂が発生し、成形された樹脂成形体の剛性強度が低下することになる。
この発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、膨張成形された樹脂成形体において、ソリッド部とその基部周辺に膨張層を有する成形体本体との境界部に亀裂が発生しないようにすることである。
上記の目的を達成するため、この発明は、スライド型の成形面側の先端形状を工夫したことを特徴とし、次のような解決手段を講じた。
具体的には、この発明は、樹脂密度の高いスキン層が表面に形成されるとともに多数の空隙を有し上記スキン層に比べて樹脂密度の低い膨張層が内部に形成された成形体本体の一部に、上記膨張層を有することなく樹脂密度の高いソリッド層のみからなるソリッド部が形成されたパネル状の樹脂成形体をキャビティ内に繊維入り熱可塑性樹脂を射出充填して成形する成形型を対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、請求項1に記載の発明は、上記樹脂成形体のソリッド部に対応するように成形面に開口するスライド型収容部を有する固定型と、該固定型に対して進退可能に対向配置された可動型と、上記固定型のスライド型収容部に進退可能に配置され先端に成形面が形成されるとともに先端外周縁部に面取部が形成されたスライド型とを備え、上記繊維入り熱可塑性樹脂をキャビティ内に射出充填する際には、上記スライド型を該スライド型の面取部が上記キャビティ内に突出するように位置付け、上記キャビティ内に射出充填した繊維入り熱可塑性樹脂の成形型の成形面近傍にスキン層が生成された時点で、上記可動型をキャビティ容積拡大方向に後退させて繊維入り熱可塑性樹脂を膨張させるとともに、スライド型対応箇所のキャビティ容積が拡大しないように上記スライド型を上記可動型のキャビティ容積拡大方向への後退動作に追従させてキャビティ内にさらに進出させるように構成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、面取部は、スライド型外周縁から略均等幅をもって形成されるとともに、スライド型の軸心から面取部外周縁までの寸法(L1)と、上記軸心から面取部内周縁までの寸法(L2)との比(L2/L1)が0.4以上0.9以下に設定されていることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、成形体本体の表面にスキン層が形成されるとともに、内部に多数の空隙を有する膨張層が形成され、樹脂成形体の軽量化を図ることができる。また、ソリッド部が膨張層のない樹脂密度の高いソリッド層のみからなるため、ソリッド部の剛性強度、特に圧縮強度を高めることができる。さらに、射出充填の際キャビティ内に突出したスライド型が膨張成形時にさらにキャビティ内に進出するが、その際、スライド型には面取部が形成されているため、面取部が形成されていないものに比べてスライド型先端近傍の樹脂の射出充填量が多く、これにより膨張成形の際スライド型がさらに進出すると、まだ固化状態にないゲル状の樹脂の一部が拡大したキャビティ内に流出する。この際、ゲル状の樹脂は固化進行状態にある樹脂であり、硬い金属製や硬質樹脂製のスライド型に比べて格段に柔らかいため、ゲル状の樹脂がクッション(緩衝)作用をしてスライド型の先端周辺部の進出力は吸収緩和される。したがって、ソリッド部とその基部周辺に膨張層を有する成形体本体との境界部に亀裂が発生せず、成形された樹脂成形体の剛性強度を確保することができる。また、ソリッド部のスライド型対応箇所には開放口を有する凹部がスライド型の成形面によって形成され、その底面の上記成形面の面取部に対応する箇所では開放口側に向けてソリッド層の肉厚が厚くなるように形成されているため、ソリッド部の剛性強度、特に座屈強度をさらに向上させることができる。さらに、スライド型に面取部を形成するだけで、型構造を大幅に改変することなく簡素な型構造で上述の如き亀裂がなく優れた強度剛性を有する樹脂成形体を安価に成形することができる。
請求項2に係る発明によれば、ソリッド部とその基部周辺に膨張層を有する成形体本体との境界部に亀裂が発生することを確実に防止するとともに、軽量化を促進した樹脂成形体を得ることができる。
以下、この発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
図4は自動車のサイドドア1の断面図である。該サイドドア1はドアアウタパネル3とドアインナパネル5とからなる金属製のドア本体7を備え、該ドア本体7の上記ドアインナパネル5にパネル状の樹脂成形体としての樹脂製キャリアプレート(ドアモジュールプレート)9がシール材11を介して取り付けられ、ドアトリム13が上記キャリアプレート9を車室内側から被うように上記ドアインナパネル5に取り付けられている。
上記キャリアプレート9は、繊維入り熱可塑性樹脂で成形され、その主体をなす成形体本体としてのプレート本体15を備えている。該プレート本体15の一側面(車室外側面)の外周縁部には、図3にも示すように、上記シール材11を収容するシール溝部17が形成されている。また、上記プレート本体15の一部、つまりプレート本体15の外周縁部近傍(シール溝部17内側)には、プレート本体15をドアインナパネル5に取り付ける平面視円形状の取付部19が複数個所定間隔をあけて全周に亘って一体に形成され、該各取付部19には締結用の貫通孔19aがプレート本体15を貫通するように形成されている。そして、キャリアプレート9をドアインナパネル5に重ねて上記各取付部19の貫通孔19aをドアインナパネル5の複数個のボルト挿通孔5aに対応させた状態で、ボルト21を車室内側から各貫通孔19a及びボルト挿通孔5aに挿通し、ドアインナパネル5の車室外側面に溶着されたウェルドナット23に螺合させることにより、キャリアプレート9をドアインナパネル5に取り付けている(図4参照)。さらに、上記プレート本体15の一部、つまりプレート本体15の図3で右上には、図示しないウインドガラス昇降用モータを取り付けるための平面視略三角形の取付部25が形成され、該取付部25には円形状のモータ取付孔25aがプレート本体15を貫通するように形成されているとともに、該モータ取付孔25aの周りには3個のネジ挿通用の貫通孔25bが三角形の頂点の位置に対応してプレート本体15を貫通するように形成されている。
上記プレート本体15は、後述する成形型33のキャビティ43内に射出充填した繊維入り熱可塑性樹脂Rが成形型33(固定型35、可動型37、スライド型39)の成形面35a,37a,39a近傍にスキン層27が生成された時点で、該プレート本体15に対応するキャビティ容積を拡大して上記繊維入り熱可塑性樹脂Rを膨張させることにより、図1(b)に示すように、空隙がなく樹脂密度の高い堅いスキン層27が表面に形成されるとともに、多数の空隙(図示せず)を有し上記スキン層27に比べて樹脂密度の低い膨張層29が内部に形成されている。図4では作図上の都合によりプレート本体15を単一層として表している。これに対し、上記取付部19,25は、図1(b)及び図5に示すように、上記膨張層29を有することなく樹脂密度の高いソリッド層31のみからなるソリッド部である。また、上記取付部19のスライド型対応箇所には開放口32aを有す平面視円形状の凹部32が円柱状のスライド型39の成形面39aによって形成され、その底面には上記成形面39aの面取部39cによって傾斜面32bが形成され、該傾斜面32bに対応するソリッド層31の肉厚が開放口32a側に向けて徐々に厚くなるように形成されている。
このようなキャリアプレート9は、図1及び図2に示すような成形型33を用いて成形される。
この成形型33は、成形面35aがプレート本体15の取付部19,25を除く車室内側面の形状に対応した固定型35と、該固定型35に対して進退可能に対向配置され成形面37aがプレート本体15の車室外側面の形状に対応した可動型37とを備えている。なお、図1及び図2は、キャリアプレート取付用の取付部19の型構造であり、以下、これに基づき説明する。上記固定型35は、上記キャリアプレート9のソリッド部のうち、キャリアプレート取付用の取付部19に対応するように成形面35aに上記取付部19より大きく開口するスライド型収容部35bを有している。上記可動型37の成形面37aには、上記取付部19に対応するように凹部37bが形成され、該凹部37b底面には取付部19の貫通孔19aに対応するように突出部37cが突設されている。上記固定型35のスライド型収容部35bには、先端に成形面39aが形成されたスライド型39が配置され、該スライド型39は、上記スライド型収容部35b内に配置された油圧シリンダ41のピストンロッド41aに連結され、該油圧シリンダ41の伸縮作動により進退可能になっている。また、上記スライド型39の成形面39aには、上記可動型37の突出部37c先端が嵌合する嵌合凹部39bが形成されている。そして、上記成形型33を型閉じした状態で、固定型35、可動型37及びスライド型39の各々の成形面35a,37a,39a間にキャビティ43が形成される。
この発明の特徴として、上記スライド型39の先端外周縁部には、斜めに直線的に切り欠いた傾斜面からなる面取部39cが形成されている。該面取部39cは、スライド型39外周縁から略均等幅をもって形成されるとともに、スライド型39の軸心Oから面取部39c外周縁までの寸法(L1)と、上記軸心Oから面取部39c内周縁までの寸法(L2)との比(L2/L1)が0.4以上0.9以下に設定されている。このように設定したのは、L2/L1が0.4未満では、スライド型39の直径、すなわちスライド型39の外形(断面積)が大きくなってソリッド層31が多くなるため、軽量化が促進されなくなるからである。一方、L2/L1が0.9を超えると、スライド型39先端の面取部39cが小さくなって該面取部39c近傍の射出充填量が少なくなり、取付部19とその基部周辺に膨張層29を有するプレート本体15との境界部に亀裂が発生するからである。そして、上記スライド型39は、繊維入り熱可塑性樹脂Rをキャビティ43内に射出充填する際には、該スライド型39の面取部39cがキャビティ43内に突出するように位置付けられ(図1(a)参照)、上記キャビティ43内に射出充填した繊維入り熱可塑性樹脂Rの成形型33の成形面35a,37a,39a近傍にスキン層27が生成された時点で、スライド型対応箇所のキャビティ容積が拡大しないように上記可動型37のキャビティ容積拡大方向A1への後退動作に矢印A2方向へと追従させてキャビティ43内にさらに進出するように構成されている。なお、固定型35のスライド型収容部35b周りの成形面35aには環状の隆起部35cが形成され、該隆起部35cは、樹脂射出充填時にキャビティ43内に突出しているスライド型39の面取部39cと連続するようになっている(図1(a)参照)。また、図2中、45は固定型35に形成された樹脂通路である。
次に、キャリアプレート9の成形要領について説明する。
まず、図1(a)に示すように、成形型33を型閉じする。この状態で、スライド型39は油圧シリンダ41の伸長作動により進出方向に付勢されているが、可動型37の突出部37c先端がスライド型39の嵌合凹部39bに嵌合して進出動作が規制されているため、スライド型39の面取部39cを含む先端部分がキャビティ43内に突出するように位置付けられている。
次いで、キャビティ43内に射出機(図示せず)から樹脂通路45を経てガラス繊維等の繊維入り熱可塑性樹脂R(例えば繊維入りポリプロピレン樹脂)を射出充填する。
その後、成形型33のキャビティ43内に射出充填された繊維入り熱可塑性樹脂Rが固化する過程で、すなわち、キャビティ43における成形型33の成形面35a,37a,39a近傍にスキン層27が生成された時点で、図1(b)に示すように、可動型37をキャビティ容積拡大方向A1(型開き方向)に後退させる。つまり、可動型37を固定型35から僅かに離れさせ、キャビティ容積を例えば2倍もしくはそれ以上に拡大させる。これに伴い、スライド型39が可動型37の後退動作に矢印A2方向へと追従してキャビティ41内にさらに進出し、このため、スライド型対応箇所のキャビティ容積は拡大しない。この段階で、繊維入り熱可塑性樹脂Rは、成形型33の成形面35a,37a,39aと接触する部分が型温の影響により早期に冷却されているため、空隙がなく堅いスキン層27となって表面層を構成する。一方、繊維入り熱可塑性樹脂Rの内側部分は型温の影響を受け難く、粘度の高いゲル状態になっている。したがって、キャビティ容積の拡大により、それまで固定型35及び可動型37で圧縮されている繊維入り熱可塑性樹脂Rが可動型37の成形面37aに引っ張られて膨張する。この際、繊維入り熱可塑性樹脂R中の繊維も上記圧縮が軽減されて弾性的に復元し、この弾性復元力(スプリングバック現象)によっても上記熱可塑性樹脂Rが膨張する。このことにより、空隙がなく堅いスキン層27が表面に形成されるとともに、内部に多数の空隙(図示せず)を有する膨張層29が形成されたプレート本体15が膨張成形される。また、キャリアプレート取付用の複数個の取付部19に対応するキャビティ43内の繊維入り熱可塑性樹脂Rは、可動型37がキャビティ容積拡大方向A1に後退しても、この後退動作にスライド型39が矢印A2方向へと追従してキャビティ41内に進出するので、当該キャビティ空間は拡大せず、したがって、可動型37の成形面37aに引っ張られずに動かないため、堅いソリッド層31からなる取付部19がプレート本体15に一体に成形され、キャリアプレート9が膨張成形される。そして、上記取付部19のスライド型対応箇所には開放口32aを有する凹部32がスライド型39の成形面39aによって形成され、その底面には上記成形面39aの面取部39cによって傾斜面32bが形成され、該傾斜面32bに対応するソリッド層31の肉厚が開放口32a側に向けて厚くなるように形成されている。
このようにして膨張成形されたキャリアプレート9では、プレート本体15が膨張層29を有しないソリッド層のみからなりかつ本実施形態のプレート本体15と同一肉厚である場合に比べて、軽量化を図ることができる。
また、上記取付部19が膨張層29のない樹脂密度の高いソリッド層31のみからなるため、取付部19の剛性強度を高めることができる。
さらに、射出充填の際キャビティ43内に突出したスライド型39が膨張成形時にさらにキャビティ43内に進出するが、その際、スライド型39には面取部39cが形成されているため、面取部39cが形成されていないものに比べてスライド型39先端近傍の樹脂充填量が多く、これにより膨張成形の際スライド型39がさらに進出すると、まだ固化状態にないゲル状の樹脂の一部が拡大したキャビティ43内に流出する。この際、ゲル状の樹脂は固化進行状態にある樹脂であり、硬い金属製や硬質樹脂製のスライド型に比べて格段に柔らかいため、ゲル状の樹脂がクッション(緩衝)を作用してスライド型39の先端周辺部の進出力は吸収緩和される。したがって、取付部19とその基部周辺に膨張層29を有するプレート本体19との境界部に亀裂が発生せず、成形されたキャリアプレート9の剛性強度を確保することができる。
さらにまた、取付部19のスライド型対応箇所には開放口32aを有する凹部32がスライド型39の成形面39aによって形成され、その底面の上記成形面39aの面取部39cに対応する箇所では開放口32a側に向けてソリッド層31の肉厚が厚くなるように形成されているため、取付部19の剛性強度、特に座屈強度をさらに向上させることができる。
加えて、面取部39cをスライド型39外周縁から略均等幅をもって形成するとともに、スライド型39の軸心Oから面取部39c外周縁までの寸法(L1)と、上記軸心Oから面取部39c内周縁までの寸法(L2)との比(L2/L1)を0.4以上0.9以下に設定しているので、取付部19とその基部周辺に膨張層29を有するプレート本体15との境界部に亀裂が発生することを確実に防止するとともに、軽量化を促進したキャリアプレート9を得ることができる。
また、スライド型39に面取部39cを形成するだけで、型構造を大幅に改変することなく簡素な型構造で上述の如き亀裂がなく優れた剛性強度を有するキャリアプレート9を安価に成形することができる。
なお、上記の実施形態では、キャリアプレート取付用の取付部19のスライド型39に面取部39cを形成して取付部19とその基部周辺に膨張層29を有するプレート本体15との境界部に亀裂が発生しないようにしたが、ウインドガラス昇降用モータ取付け用の取付部25のスライド型39にも同様に面取部39cを形成して取付部25とその基部周辺に膨張層29を有するプレート本体15との境界部に亀裂が発生しないようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、スライド型39の面取部39cを斜めに直線的に切り欠いた傾斜面で構成したが、上記面取部39cは直角に切り欠いた形状にしたり、あるいは凸状湾曲面や凹状湾曲面等で構成してもよい。また、上記スライド型39及びこれにより形成される取付部19は、横断面が円形状以外に楕円形状や矩形状等であってもよく、ウインドガラス昇降用モータ取付用の取付部25も平面視略三角形に限らない。
さらに、上記の実施形態において、繊維入り熱可塑性樹脂Rに発泡材を含有させれば、可動型37の後退量すなわち膨張倍率を大きくしてプレート本体15の可動型37後退方向の肉厚(板厚)を厚くした場合、繊維入り熱可塑性樹脂Rの膨張量が不足しても、発泡材の発泡力(膨張圧)がそれを補完して空隙を確実に形成することができて好ましい。これらの場合、発泡材としては、化学反応によりガスを発生させる化学的発泡材や、二酸化炭素ガス及び窒素ガス等の不活性ガスを用いる物理的発泡材等がある。
さらにまた、上記の実施形態では、樹脂成形体が自動車のサイドドアのキャリアプレート9である場合を示したが、インストルメントパネル、ドアトリム、トランクボード等の他の自動車用パネルや自動車以外の家電製品、住宅用パネル等にも適用することができるものである。
この発明は、樹脂密度の高いスキン層が表面に形成されるとともに多数の空隙を有し上記スキン層に比べて樹脂密度の低い膨張層が内部に形成された成形体本体の一部に、上記膨張層を有することなく樹脂密度の高いソリッド層のみからなるソリッド部が形成されたパネル状の樹脂成形体をキャビティ内に繊維入り熱可塑性樹脂を射出充填して成形する成形型について有用である。
(a)は図2のA部拡大図、(b)は可動型をキャビティ容積が拡大する方向に僅かに後退させた状態を示す図1(a)相当図である。 キャビティ内に繊維入り熱可塑性樹脂を射出充填した状態の成形型を概略的に示す断面図である。 キャリアプレートを車室外側から見た正面図である。 図3のIV−IV線における自動車のサイドドア断面図である。 図3のV−V線における断面図である。
符号の説明
9 キャリアプレート(樹脂成形体)
15 プレート本体(成形体本体)
19 取付部(ソリッド部)
27 スキン層
29 膨張層
31 ソリッド層
33 成形型
35 固定型
35a 成形面
35b スライド型収容部
37 可動型
37a 成形面
39 スライド型
39a 成形面
39c 面取部
43 キャビティ
L1 スライド型の軸心から面取部外周縁までの寸法
L2 スライド型の心から面取部内周縁までの寸法
R 繊維入り熱可塑性樹脂

Claims (2)

  1. 樹脂密度の高いスキン層が表面に形成されるとともに多数の空隙を有し上記スキン層に比べて樹脂密度の低い膨張層が内部に形成された成形体本体の一部に、上記膨張層を有することなく樹脂密度の高いソリッド層のみからなるソリッド部が形成されたパネル状の樹脂成形体をキャビティ内に繊維入り熱可塑性樹脂を射出充填して成形する成形型であって、
    上記樹脂成形体のソリッド部に対応するように成形面に開口するスライド型収容部を有する固定型と、
    該固定型に対して進退可能に対向配置された可動型と、
    上記固定型のスライド型収容部に進退可能に配置され先端に成形面が形成されるとともに先端外周縁部に面取部が形成されたスライド型とを備え、
    上記繊維入り熱可塑性樹脂をキャビティ内に射出充填する際には、上記スライド型を該スライド型の面取部が上記キャビティ内に突出するように位置付け、上記キャビティ内に射出充填した繊維入り熱可塑性樹脂の成形型の成形面近傍にスキン層が生成された時点で、上記可動型をキャビティ容積拡大方向に後退させて繊維入り熱可塑性樹脂を膨張させるとともに、スライド型対応箇所のキャビティ容積が拡大しないように上記スライド型を上記可動型のキャビティ容積拡大方向への後退動作に追従させてキャビティ内にさらに進出させるように構成されていることを特徴とする成形型。
  2. 請求項1に記載の成形型において、
    面取部は、スライド型外周縁から略均等幅をもって形成されるとともに、スライド型の軸心から面取部外周縁までの寸法(L1)と、上記軸心から面取部内周縁までの寸法(L2)との比(L2/L1)が0.4以上0.9以下に設定されていることを特徴とする成形型。
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