JP4671525B2 - インクジェットヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録紙にインク滴を所定パターンに付着させて画像を形成するインクジェットヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、記録紙に画像を形成するための記録デバイスとしてインクジェットヘッドが用いられている。
【0003】
このようなインクジェットヘッドの記録方式には、インク滴を記録紙に向けて吐出させるのに発熱抵抗体の発する熱エネルギーを利用するものや圧電素子の変形を利用するもの,更には電磁波の照射に伴って発生する熱を利用するもの等があり、これらの中でも発熱抵抗体の熱エネルギーを利用するサーマルジェットタイプのものは、発熱抵抗体のパターニングが容易である上に、小さな面積の発熱抵抗体であっても比較的大きな熱エネルギーを発生させることができることから、高密度記録への対応に適したものとして注目されている。
【0004】
かかるサーマルジェットタイプのインクジェットヘッドとしては、例えば図4に示す如く、ベースプレート22の上面に複数個の発熱抵抗体24を直線状に被着・配列させてなるヘッド基板21と、発熱抵抗体24と1対1に対応する複数個のインク吐出孔26を有したノズル部材25とを、間に所定の間隔を空けて配置させた上、この両者間の間隙にインク27を充填した構造のものが知られており、記録紙をノズル部材25の外表面に沿って搬送しなから、発熱抵抗体24を画像データに基づいて個々に選択的に発熱させ、この熱エネルギーによってインク27中に気泡Aを発生させるとともに、該発生した気泡Aによる圧力でもってインク27の一部をノズル部材25のインク吐出孔26より外部に吐出させ、これを記録紙に付着させることによって所定の画像が記録される。
【0005】
尚、前記ベースプレート22としては、アルミナ基板の上面にグレーズ層を被着させたグレーズドアルミナ基板や表面を絶縁膜でコートした単結晶シリコン基板等が用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のインクジェットヘッドによれば、ヘッド基板21−ノズル部材25間のインク27中で発生した気泡Aは、その後、時間の経過と共に萎んで小さくなるようになっており、例えば0.5msec程度の時間が経過すると完全に消滅するようになっている。
【0007】
しかしながら、このような従来のインクジェットヘッドを用いて画像を形成する際、例えば駆動周期0.4msec以下の高速記録に対応すべく発熱抵抗体24を短時間で繰り返し発熱させると、ベースプレート22の内部に多くの熱が蓄積され、このような蓄熱現象によってベースプレート22の温度が高温となることから、発熱抵抗体24の発する熱エネルギーの多くが気泡Aの発生に寄与することとなってインク27中で発生する気泡Aのサイズが過度に大きくなり、次ラインの記録動作を行うまでに気泡Aを完全に消滅させることが難しくなる。このような残留気泡が次ラインの記録動作時に発熱抵抗体24上に残っていると、新たに発生した気泡Aによる圧力が前述の残留気泡により吸収されて、インク27がインク吐出孔26より十分に吐出されなくなり、画像が不鮮明になる欠点を有していた。
【0008】
そこで上記欠点を解消するために、ヘッド基板21−ノズル部材25間のインク27を所定の流速で流動させ、ベースプレート22中に蓄積されている熱の一部を少しずつインク27中へ逃がすことが検討されている。
【0009】
しかしながら、発熱抵抗体24の発した熱はベースプレート22の長手方向中央域に籠もり易くなっていることから、ベースプレート22の両端域と中央域とで温度差を生じることが多い。従って、ヘッド基板21−ノズル部材25間のインク27を上述の如く流動させただけでは、ベースプレート22が全体的に冷却されるだけで、上述の温度差を有効に解消することはできず、このような温度差がベースプレート22の主走査方向に存在していると、インク27中で発生する気泡Aの大きさが発熱抵抗体24の位置によって微妙に異なり、インク27の吐出量にバラツキを生じて、ベースプレート22の温度分布に対応した印画の濃度むらが形成される欠点が誘発される。
【0010】
本発明は上記欠点に鑑み案出されたもので、その目的は、高速で記録動作を行う場合であっても、濃度むらの少ない鮮明な画像を形成することが可能なインクジェットヘッドを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェットヘッドは、ベースプレートの上面に、複数個の発熱抵抗体を直線状に被着・配列したヘッド基板と、前記発熱抵抗体に対応する複数個のインク吐出孔を有したノズル部材とを間に所定の間隔をあけて配置させ、ヘッド基板及びノズル部材間の間隙にインクを充填してなり、該インクを発熱抵抗体の配列と直交する方向に流動させながらその一部をインク吐出孔より吐出させて印画を形成するインクジェットヘッドであって、前記複数個の発熱抵抗体上を流れるインクの流速を、ベースプレートの両端域に比し中央域で速くなすようにしたことを特徴とするものである。
【0012】
本発明のインクジェットヘッドの具体的な第1の態様は、前記ベースプレートに、インクをヘッド基板の下面側よりヘッド基板−ノズル部材間の間隙に供給する複数個のインク供給孔が発熱抵抗体の配列に沿って略一定の間隔をあけて設けられており、且つ該インク供給孔の開口面積がベースプレートの両端域に比し中央域で大となしてあることを特徴とするものである。
【0013】
更に本発明のインクジェットヘッドの具体的な第2の態様は、前記ベースプレートに、インクをヘッド基板の下面側よりヘッド基板−ノズル部材間の間隙に供給する複数個のインク供給孔が略等しい開口面積で、発熱抵抗体の配列に沿って設けられており、且つ該インク供給孔がベースプレートの両端域に比し中央域で高密度に配されていることを特徴とするものである。
【0014】
また更に本発明のインクジェットヘッドは、前記ベースプレートが、上面を{100}面に設定した単結晶シリコンにより形成されていることを特徴とするものである。
【0015】
更にまた本発明のインクジェットヘッドは、前記インク供給孔が、ベースプレートを形成する単結晶シリコンに対する異方性エッチングにて穿設されたものであることを特徴とするものである。
【0016】
本発明のインクジェットヘッドによれば、ヘッド基板−ノズル部材間の間隙に充填されるインクを所定の流速で流動させることにより、インクがベースプレートや発熱抵抗体、或いはこれらを被覆する保護膜等と常に接するようになることから、高速記録に対応すべく発熱抵抗体を短時間で繰り返し発熱させる場合であっても、ベースプレートの内部に蓄積される熱はインク側に少しずつ逃がされ、これによってベースプレートの温度を全体的に冷却せしめ、ベースプレートの温度が過度に高温となるのを有効に防止することができる。
【0017】
また本発明のインクジェットヘッドによれば、複数個の発熱抵抗体上を流れるインクの流速をベースプレートの主走査方向の両端域に比し中央域で速くなしたことから、流動するインクには、熱が籠もり易いベースプレートの中央域においてより多くの熱を吸収されるようになり、ベースプレートの両端域と中央域との間に出来る温度差を極力小さくすることができる。従って、インク中に形成される気泡の大きさ、並びにインク吐出量は略一定に制御されるようになり、濃度むらの少ない鮮明な画像を形成することが可能となる。
【0018】
更に本発明のインクジェットヘッドによれば、上述の如くインクを流動させることにより、発熱抵抗体の発する熱等によってインク中の水分もしくは油分がインク吐出孔から多量に蒸発し、インク吐出孔内のインクの粘度が上昇しようとしても、この部分にはインク吐出孔の直下を流れるインクから水分もしくは油分が順次補給されてインクが固まってしまうことはなく、インク吐出孔の目詰まりが有効に防止される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るインクジェットヘッドの断面図、図2は図1のインクジェットヘッドに用いられるヘッド基板の平面図であり、同図に示すインクジェットヘッドは、大略的に、ヘッド基板1とノズル部材8とで構成され、両者間の間隙にインク10が充填される。
【0020】
前記ヘッド基板1は、ベースプレート2の上面に、発熱抵抗体4や給電配線5,ドライバーIC7等を取着させ、これらの存在しない領域(空白部)に複数個のインク供給孔2aを穿設した構造を有している。
【0021】
前記ベースプレート2としては、アルミナ基板2bの上面に断面円弧状のグレーズ層2cを部分的に被着させたグレーズドアルミナ基板が用いられ、かかるグレーズ層2cの頂部付近に発熱抵抗体4が配設され、グレーズ層2cの存在しない部位にインク供給孔2aやドライバーIC7等が配設される。
【0022】
前記ベースプレート2に穿設された複数個のインク供給孔2aは、図示しないインクタンクからのインク10をヘッド基板1の下面側より上面側に導入するためのものであり、これらインク供給孔2aのヘッド基板下面側の開口部にはインクタンクからのインク10を供給するためのインク供給管11が接続される。
【0023】
これらのインク供給孔2aは、後述する発熱抵抗体4の配列に沿って間に略一定の間隔をあけて配列され、その開口面積はベースプレート2の両端域に比し中央域で大きくなしてあるため、ベースプレート2の中央域に設けたインク供給孔2aからは両端域のものに比し一度に多くのインク10が供給される。
【0024】
尚、前記ベースプレート2のグレーズ層2cは、例えば10μm〜100μmの厚みでガラスを焼き付けたものであり、その表面は極めて平滑に形成されることから、かかるグレーズ層2cの上面に発熱抵抗体4等を従来周知の薄膜手法によって形成する際、パターニングの精度は高く維持される。
【0025】
このようなベースプレート2は、まずアルミナ、シリカ、マグネシア等のセラミックス原料粉末を用いて形成したセラミックグリーンシートを矩形状に打ち抜いて高温で焼成することによってアルミナ基板2bを形成し、次に得られた基板2bの上面にガラスペーストの塗布・焼き付けによってグレーズ層2cを形成し、最後にアルミナ基板2の所定箇所に従来周知のレーザー加工等により孔明けして、インク供給孔2aを穿設することによって製作される。
【0026】
また前記ベースプレート2の上面、具体的には、グレーズ層2cの頂部付近には主走査方向に沿って複数個の発熱抵抗体4が被着・配列されている。
【0027】
前記発熱抵抗体4は、例えば600dpi(dot per inch)の密度で主走査方向に直線状に配列されており、その各々がTaNやTaSiO,TaSiNO,TiSiO,TiSiCO,NbSiO等の電気抵抗材料から成っているため、その両端に接続される給電配線5等を介して電源電力が印加されるとジュール発熱を起こし、インク10中で気泡Aを発生させるのに必要な熱エネルギーを発生する。
【0028】
このような発熱抵抗体4や給電配線5は、従来周知の薄膜手法、具体的には、スパッタリングやフォトリソグラフィー,エッチング等を採用し、前述の電気抵抗材料や給電配線5を形成するアルミニウム等の金属をベースプレート2の上面に所定パターンに被着させることによって形成される。
【0029】
更に前記発熱抵抗体4等の表面は窒化珪素やガラス等の無機質材料から成る保護膜6で被覆され、このような保護膜6によって、発熱抵抗体4や給電配線5をインク10中に含まれているアルカリイオンや水分等の接触による腐食から保護するとともに、インク10中に含まれている染料の固まり等が発熱抵抗体4の表面に付着するのを有効に防止している。
【0030】
そして、前記ベースプレート2の上面に取着させたドライバーIC7は、先に述べたグレーズ層2cより所定の距離だけ離れた位置に並設される。
【0031】
前記ドライバーIC7の各出力端子は給電配線5等を介して対応する発熱抵抗体4に電気的に接続されており、該ドライバーIC7に外部から画像データ等の印画信号が供給されると、これらの信号に基づいて発熱抵抗体4への通電を制御し、複数個の発熱抵抗体4を個々に選択的にジュール発熱させる。
【0032】
尚、前記ドライバーIC7は、従来周知のフェースダウンボンディング等によってベースプレート2の上面に搭載される。
【0033】
一方、前記ノズル部材8は、ヘッド基板1の発熱抵抗体4と1対1に対応する複数個のインク吐出孔9を有し、これらのインク吐出孔9が対応する発熱抵抗体4の真上に位置するようにしてヘッド基板1との間に30μm〜600μmの間隔をあけて配置される。
【0034】
前記ノズル部材8のインク吐出孔9は、発熱抵抗体4と略等しい密度で主走査方向に直線状に配列されており、インクジェットヘッドの記録動作時、インク滴を記録紙に向けて吐出する。
【0035】
このノズル部材8は、感光性のエポキシ樹脂やポリイミド樹脂,或いは、モリブデン,アルミナセラミックス等を所定形状に加工したり、或いは、上記の材料を組み合わせることによって構成され、例えばモリブデンから成る場合、モリブデンのインゴット(塊)を従来周知の金属加工法によって所定厚みの板体と成し、得られた板体の所定箇所に従来周知のレーザー加工によって直径10μm〜100μmのインク吐出孔9を複数個、穿設することにより製作され、得られたノズル部材8を図示しないスペーサを介してヘッド基板1上に載置させることによりノズル部材8がヘッド基板1上の所定位置に固定される。
【0036】
また、ヘッド基板1−ノズル部材8間に充填されるインク10としては、例えば顔料タイプの油性インクや水性染料インク等が使用され、その粘度は例えば0.3mPa・s〜3.0mPa・s(25℃)に調整される。
【0037】
前記インク10は前述したインクタンクからインク供給管11及びインク供給孔2aを介してヘッド基板1−ノズル部材8間に供給され、前述した発熱抵抗体4の熱エネルギーによってインク10中に気泡Aが発生すると、該気泡Aによる圧力でもってインク10の一部がインク吐出孔9より外部に吐出される。
【0038】
また、このようなインク10は、少なくとも発熱抵抗体4とインク吐出孔9との間で副走査方向(発熱抵抗体4の配列と直交する方向)に流動するように、図示しないポンプ等によってインクタンクとの間を循環させている。
【0039】
前記インク10の流速は、例えば50μm/sec〜2000μm/secに設定され、記録動作時、待機状態にかかわらず、常に略等しい流速に保たれる。
【0040】
このように、ヘッド基板1−ノズル部材8間のインク10を流動させることにより、インク10がベースプレート2や発熱抵抗体4を被覆する保護膜6等と常に接するようになることから、例えば駆動周期0.4msec以下の高速記録に対応すべく発熱抵抗体4を短時間で繰り返し発熱させる場合であっても、ベースプレート2の内部に蓄積される熱は、保護膜6上を流動するインク10側に少しずつ逃がされ、これによってベースプレート2の温度を全体的に冷却せしめ、ベースプレート2の温度が過度に高温となるのを有効に防止することができる。
【0041】
しかもこの場合、ベースプレート2に穿設したインク供給孔2aの開口面積はベースプレート2の両端域に比し中央域で大となしてあり、発熱抵抗体4上を流れるインク10の流速はベースプレート2の両端域に比し中央域で速くなることから、熱が籠もり易いベースプレート2の中央域でインク10はより多くの熱を吸収するようになり、ベースプレート2の両端域と中央域との間の温度差を有効に防止することができる。従って、インク10中に形成される気泡Aの大きさ、並びにインク吐出量は略一定に制御されるようになり、濃度むらの少ない鮮明な画像を形成することが可能となる。
【0042】
また上述の如くインク10を流動させることにより、発熱抵抗体4の発する熱等によってインク10中の水分もしくは油分がインク吐出孔9から多量に蒸発し、インク吐出孔9内のインク10の粘度が上昇しようとしても、この部分にはインク吐出孔9の直下を流れるインク10から水分もしくは油分が順次補給されることによりインク10が固まってしまうことはなく、インク吐出孔9の目詰まりが有効に防止される利点もある。
【0043】
かくして上述した本形態のインクジェットヘッドは、記録紙をノズル部材8の外表面に沿って搬送しながら、複数個の発熱抵抗体4をドライバーIC7の駆動に伴って個々に選択的に発熱させ、この熱エネルギーによって発熱抵抗体4上のインク10中に気泡Aを発生させるとともに、該発生した気泡Aによる圧力でもってインク10の一部をノズル部材8のインク吐出孔9より外部に吐出させ、これを記録紙に付着させることによって所定の画像が記録される。
【0044】
尚、本発明は上述の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
【0045】
例えば上述の実施形態においてはヘッド基板1のベースプレート2としてグレーズドアルミナ基板を用いるようにしたが、これに代えて、ベースプレートを単結晶シリコンや金属等により形成するようにしても構わない。その場合、ベースプレート2’の表面を、図3に示す如く、酸化シリコン等から成る厚み1μm〜3μm程度の絶縁膜3で被覆しておく必要があり、このような絶縁膜3によって発熱抵抗体4や給電配線5がベースプレート2’を形成する単結晶シリコン等と確実に絶縁される。また、ベースプレート2’を単結晶シリコンを用いて形成する場合は、その上面を単結晶シリコンの{100}面と合致させておくようにすれば、ヘッド基板1にインク供給孔2aを穿設する際、従来周知の異方性エッチングを採用することによってインク供給孔2aをベースプレート2’の厚み方向に精度良く、しかも容易に形成することができる利点がある。
【0046】
また上述の実施形態においては複数個のインク供給孔2aを発熱抵抗体4の配列に沿って略一定の間隔で配列させ、個々のインク供給孔2aの開口面積をベースプレート2の両端域に比し中央域で大となすことによってベースプレート2の中央域を流れるインクの流速を両端域に比し速くなすようにしたが、これに代えて、複数個のインク供給孔の開口面積を全て略等しくなし、これらをベースプレートの両端域に比し中央域で高密度に配することによってベースプレートの中央域を流れるインクの流速を両端域に比し速くなすようにしても構わない。
【0047】
【発明の効果】
本発明のインクジェットヘッドによれば、ヘッド基板−ノズル部材間の間隙に充填されるインクを所定の流速で流動させることにより、インクがベースプレートや発熱抵抗体、或いはこれらを被覆する保護膜等と常に接するようになることから、高速記録に対応すべく発熱抵抗体を短時間で繰り返し発熱させる場合であっても、ベースプレートの内部に蓄積される熱はインク側に少しずつ逃がされ、これによってベースプレートの温度を全体的に冷却せしめ、ベースプレートの温度が過度に高温となるのを有効に防止することができる。
【0048】
また本発明のインクジェットヘッドによれば、複数個の発熱抵抗体上を流れるインクの流速をベースプレートの主走査方向の両端域に比し中央域で速くなしたことから、流動するインクには、熱が籠もり易いベースプレートの中央域においてより多くの熱を吸収されるようになり、ベースプレートの両端域と中央域との間に出来る温度差を極力小さくすることができる。従って、インク中に形成される気泡の大きさ、並びにインク吐出量は略一定に制御されるようになり、濃度むらの少ない鮮明な画像を形成することが可能となる。
【0049】
更に本発明のインクジェットヘッドによれば、上述の如くインクを流動させることにより、発熱抵抗体の発する熱等によってインク中の水分もしくは油分がインク吐出孔から多量に蒸発し、インク吐出孔内のインクの粘度が上昇しようとしても、この部分にはインク吐出孔の直下を流れるインクから水分もしくは油分が順次補給されてインクが固まってしまうことはなく、インク吐出孔の目詰まりが有効に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るインクジェットヘッドの断面図である。
【図2】図1のインクジェットヘッドに用いられるヘッド基板の平面図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係るインクジェットヘッドの断面図である。
【図4】従来のインクジェットヘッドの断面図である。
【符号の説明】
1・・・ヘッド基板、2・・・ベースプレート、2a・・・インク供給孔、3・・・グレーズ層、4・・・発熱抵抗体、8・・・ノズル部材、9・・・インク吐出孔、10・・・インク
Claims (4)
- ベースプレートの上面に複数個の発熱抵抗体を直線状に被着・配列したヘッド基板と、前記発熱抵抗体に対応する複数個のインク吐出孔を有したノズル部材とを間に所定の間隔をあけて配置させ、ヘッド基板及びノズル部材間の間隙にインクを充填してなり、該インクを発熱抵抗体の配列と直交する方向に流動させながらその一部を前記インク吐出孔より吐出させて印画を形成するインクジェットヘッドであって、前記ベースプレートに、インクをヘッド基板の下面側よりヘッド基板−ノズル部材間の間隙に供給する複数個のインク供給孔が発熱抵抗体の配列に沿って略一定の間隔をあけて設けられており、且つ該インク供給孔の開口面積がベースプレートの両端域に比し中央域で大となしてあることによって、前記複数個の発熱抵抗体上を流れるインクの流速を、ベースプレートの両端域に比し中央域で速くなすようにしたことを特徴とするインクジェットヘッド。
- ベースプレートの上面に複数個の発熱抵抗体を直線状に被着・配列したヘッド基板と、前記発熱抵抗体に対応する複数個のインク吐出孔を有したノズル部材とを間に所定の間隔をあけて配置させ、ヘッド基板及びノズル部材間の間隙にインクを充填してなり、該インクを発熱抵抗体の配列と直交する方向に流動させながらその一部を前記インク吐出孔より吐出させて印画を形成するインクジェットヘッドであって、前記ベースプレートに、インクをヘッド基板の下面側よりヘッド基板−ノズル部材間の間隙に供給する複数個のインク供給孔が略等しい開口面積で、発熱抵抗体の配列に沿って設けられており、且つ該インク供給孔がベースプレートの両端域に比し中央域で高密度に配されていることによって、前記複数個の発熱抵抗体上を流れるインクの流速を、ベースプレートの両端域に比し中央域で速くなすようにしたことを特徴とするインクジェットヘッド。
- 前記ベースプレートが、上面を{100}面に設定した単結晶シリコンにより形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットヘッド。
- 前記インク供給孔が、ベースプレートを形成する単結晶シリコンに対する異方性エッチングにて穿設されたものであることを特徴とする請求項3に記載のインクジェットヘッド。
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Citations (2)
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JPH01258958A (ja) * | 1988-04-08 | 1989-10-16 | Ricoh Co Ltd | 記録装置 |
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