JP2002192725A

JP2002192725A - インクジェットヘッド

Info

Publication number: JP2002192725A
Application number: JP2000398614A
Authority: JP
Inventors: Yoichi Moto; 洋一元
Original assignee: Kyocera Corp
Current assignee: Kyocera Corp
Priority date: 2000-12-27
Filing date: 2000-12-27
Publication date: 2002-07-10

Abstract

(57)【要約】【課題】インク滴を記録紙の所定位置に正確に着弾させ
ることが可能な高性能のインクジェットヘッドを提供す
る。【解決手段】絶縁基板２の上面に複数個の発熱抵抗体４
及び保護膜６を順次被着させたヘッド基板１と、前記発
熱抵抗体４と対応する複数個のインク吐出孔８を有した
ノズル部材７とを、間に所定の間隔をあけて配置させる
とともに、前記ヘッド基板１及びノズル部材７間の隙間
にインク９を充填してなり、前記発熱抵抗体４の発する
熱エネルギーによってインク９中に気泡Ａを発生させ、
該発生した気泡Ａによる圧力でもってインク吐出孔８よ
りインク滴ｉを吐出させることにより記録動作を行うよ
うにしたインクジェットヘッドであって、前記発熱抵抗
体４上の保護膜表面に、発熱抵抗体４と１対１に対応す
る複数個の窪み６ａが形成されており、記録動作時、前
記窪み６ａ内のインク９中で前記気泡Ａを発生させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、記録紙にインク滴
を所定パターンに付着させて画像を記録するインクジェ
ットヘッドに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、記録紙に画像を形成するため
の記録デバイスとしてインクジェットヘッドが用いられ
ている。

【０００３】インクジェットヘッドの記録方式には、イ
ンク滴を記録紙に向けて吐出・飛翔させるのに発熱抵抗
体の発する熱エネルギーを利用するものや圧電素子の変
形を利用するもの、更には電磁波の照射に伴って発生す
る熱を利用するもの等があり、これらの中でも発熱抵抗
体の熱エネルギーを利用するサーマルジェットタイプの
ものは、発熱抵抗体のパターニングが容易である上に、
小さな面積の発熱抵抗体であっても比較的大きな熱エネ
ルギーを発生させることができることから、高密度記録
への対応に適したものとして注目されている。

【０００４】かかるサーマルジェットタイプのインクジ
ェットヘッドとしては、例えば図４に示す如く、絶縁基
板１２の上面に発熱抵抗体１３及び保護膜１４を順次被
着させたヘッド基板１１と、前記発熱抵抗体１３上にイ
ンク吐出孔１６を有するノズル部材１５とを、間に所定
の間隔をあけて配置させるとともに、ヘッド基板１１及
びノズル部材１５間の隙間にインク１７を充填した構造
のものが知られており、記録紙をノズル部材１５の外表
面に沿って搬送しながら、ヘッド基板１１の発熱抵抗体
１３を外部からの画像データに基づき選択的にジュール
発熱させてインク１７中に気泡Ａを発生させるととも
に、該発生した気泡Ａによる圧力でもって発熱抵抗体１
３上のインク１７を上方に押し上げ、インク１７の一部
をインク吐出孔１６より外部に吐出させることによって
記録紙に画像が記録される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のインクジェットヘッドにおいては、インク１７
中で発生した気泡Ａの拡がりを抑制するものが発熱抵抗
体１３の周囲に何ら存在していないことから、発熱抵抗
体１３をジュール発熱させてインク１７中で気泡Ａを発
生させると、気泡Ａからの圧力は四方に分散し、気泡Ａ
からの圧力をインク吐出孔１６側に効率良く伝達するこ
とができない。このため、インク滴ｉの吐出速度が低下
し、記録紙に対するインク滴ｉの着弾位置にズレを生じ
るという欠点を有していた。

【０００６】本発明は上記欠点に鑑み案出されたもの
で、その目的は、インク滴を記録紙の所定位置に正確に
着弾させることが可能な高性能のインクジェットヘッド
を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
ヘッドは、絶縁基板の上面に複数個の発熱抵抗体及び保
護膜を順次被着させたヘッド基板と、前記発熱抵抗体と
対応する複数個のインク吐出孔を有したノズル部材と
を、間に所定の間隔をあけて配置させるとともに、前記
ヘッド基板及びノズル部材間の隙間にインクを充填して
なり、前記発熱抵抗体の発する熱エネルギーによってイ
ンク中に気泡を発生させ、該発生した気泡による圧力で
もって前記インク吐出孔よりインク滴を吐出させること
により記録動作を行うようにしたインクジェットヘッド
であって、前記発熱抵抗体上の保護膜表面に、発熱抵抗
体と１対１に対応する複数個の窪みが形成されており、
記録動作時、前記窪み内のインク中で前記気泡を発生さ
せるようになしたことを特徴とするものである。

【０００８】また本発明のインクジェットヘッドは、前
記絶縁基板と各発熱抵抗体との間に、上面に発熱抵抗体
に対応した複数個の凹部を有するグレーズ層を介在させ
るとともに、該グレーズ層の各凹部内に対応する発熱抵
抗体を埋設したことを特徴とするものである。

【０００９】更に本発明のインクジェットヘッドは、前
記ヘッド基板−ノズル部材間のインクが流動するよう
に、インクを循環させることを特徴とするものである。

【００１０】本発明のインクジェットヘッドによれば、
ヘッド基板の発熱抵抗体上に被着させた保護膜の表面に
発熱抵抗体と１対１に対応する窪みを形成し、記録動作
時、前記窪み内のインク中でインク吐出用の気泡を発生
させるようになしたことから、インク中で発生した気泡
がその周囲に拡がろうとしても、その拡がりは気泡を囲
繞するように配されている窪みの内壁でもって確実に抑
えられ、気泡の発生に伴う圧力の分散が有効に防止され
る。これにより、気泡からの圧力はインク吐出孔側に効
率良く伝達されることとなり、インク滴の吐出速度を高
速に維持して、インク滴を記録紙の所定位置に正確に着
弾させることができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づい
て詳細に説明する。（第1の実施形態）図１は本発明の第1の実施形態に係る
インクジェットヘッドの斜視図、図２（ａ）は図１のイ
ンクジェットヘッドの主走査方向の断面図、図２（ｂ）
は図１のインクジェットヘッドの副走査方向の断面図で
あり、１はヘッド基板、７はノズル部材、９はインクで
ある。

【００１２】前記ヘッド基板１は、矩形状をなすように
形成された絶縁基板２の上面に、頂部に複数個の凹部３
ａを有した断面山状のグレーズ層３を主走査方向（絶縁
基板２の長手方向）に帯状に被着させるとともに、該グ
レーズ層３の各凹部３ａ内に発熱抵抗体４を１個ずつ埋
設し、これらを保護膜６で被覆した構造を有している。

【００１３】前記絶縁基板２は、その上面でグレーズ層
３や発熱抵抗体４，保護膜６等を支持するための支持母
材として機能するものであり、例えばアルミナセラミッ
クスから成る場合、アルミナ、シリカ、マグネシア等の
セラミックス原料粉末に適当な有機溶剤、溶媒を添加・
混合して泥漿状に成すとともに、これを従来周知のドク
ターブレード法やカレンダーロール法等を採用すること
によってセラミックグリーンシートを形成し、しかる
後、前記セラミックグリーンシートを所定形状に打ち抜
いた上、高温で焼成することによって製作される。

【００１４】また前記絶縁基板２の上面に被着されるグ
レーズ層３は、ガラス等の低熱伝導性材料によって１０
μｍ〜１００μｍの厚みに形成されており、その内部で
発熱抵抗体４の発する熱の一部を蓄積及び放散すること
によって発熱抵抗体４の温度を短時間でインク９の吐出
に必要な所定の温度まで上昇させる蓄熱層としての作用
を為す。

【００１５】更に前記グレーズ層３の頂部に設けられて
いる複数個の凹部３ａは、グレーズ層３の長手方向に一
定の間隔で並んでおり、その深さは、グレーズ層３の厚
みの２％〜４０％、具体的には、グレーズ層３の厚みが
５０μｍの場合、１μｍ〜２０μｍに設定される。

【００１６】従って、前記凹部３ａの内面に沿って発熱
抵抗体４及び保護膜６を順次、略一定の厚みで被着させ
ると、保護膜６の表面には発熱抵抗体４と１対１に対応
する大きな窪み６ａが形成されることとなる。

【００１７】尚、前記グレーズ層３は、ガラス粉末に適
当な有機溶剤を添加・混合して得た所定のガラスペース
トを従来周知のスクリーン印刷等によって絶縁基板２の
上面に帯状に印刷・塗布し、これを高温で焼き付けるこ
とによって断面円弧状のガラス層を形成し、しかる後、
得られたガラス層の頂部を所定の深さまでエッチング
し、ガラス層の上面に複数個の凹部３ａを設けることに
よって形成される。

【００１８】また前記グレーズ層３の凹部３ａ内に埋設
される発熱抵抗体４は、ＴａＮやＴａＳｉＯ，ＴａＳｉ
ＮＯ，ＴｉＳｉＯ，ＴｉＳｉＣＯ，ＮｂＳｉＯ等の電気
抵抗材料によって例えば０．１μｍ以下の厚みで極めて
薄く形成されており、その上面をグレーズ層３の上面よ
りも下方に位置させてある。

【００１９】前記発熱抵抗体４は、上述の如き電気抵抗
材料により形成されているため、その両端に接続される
電極５等を介して電源電力が印加されると、インク９中
で気泡Ａを発生させるのに必要な所定の熱エネルギーを
発生する。

【００２０】尚、前記発熱抵抗体４及び電極５は、従来
周知の薄膜形成技術、具体的には、スパッタリングやフ
ォトリソグラフィー，エッチング等を採用し、前述の電
気抵抗材料やアルミニウム等の金属を絶縁基板２の上面
やグレーズ層３の上面，凹部３ａ内に所定厚み、所定パ
ターンに被着させることにより形成される。

【００２１】更に前述したグレーズ層３や発熱抵抗体
４，電極５等の上面には保護膜６が被着され、この保護
膜６でもってグレーズ層３や発熱抵抗体４，電極５等が
設けられている絶縁基板２の上面を被覆している。

【００２２】前記保護膜６は、例えば窒下珪素（Ｓｉ₃
Ｎ₄）やガラス等の無機質材料により５μｍ〜２０μｍ
程度の厚みに形成され、インク９中に含まれているアル
カリイオンや水分等が発熱抵抗体４や電極５等に接触し
てこれらを腐食したり、或いは、インク９中に含まれて
いる染料の固まり等が発熱抵抗体４の表面に付着しよう
とするのを有効に防止する作用を為す。

【００２３】前記保護膜６は、例えば従来周知のスパッ
タリングや真空蒸着法等を採用することによってグレー
ズ層３や発熱抵抗体４，電極５等の上面に被着・形成さ
れる。

【００２４】尚、このようにして得られる保護膜６の厚
みは略一定（±０．１μｍ以内）で、その表面は下地に
応じた形状となることから、凹部３ａ内に設けられる保
護膜６の表面には、前述した如く、大きな窪み６ａが形
成されることとなる。

【００２５】また一方、前記ノズル部材７は、上述した
ヘッド基板１上に、例えば２５μｍ〜２００μｍの間隙
を設けるようにして略平行に配設される。

【００２６】前記ノズル部材７は、発熱抵抗体４と１対
１に対応する複数個のインク吐出孔８を有しており、各
インク吐出孔８を対応する発熱抵抗体４の上方に位置さ
せてある。

【００２７】前記ノズル部材７のインク吐出孔８は、イ
ンクジェットヘッドの記録動作時、インク滴を記録紙に
向けて吐出するためのものであり、各々の直径は１０μ
ｍ〜１００μｍ程度の大きさに設定され、発熱抵抗体４
と同じ密度で主走査方向に配列される。

【００２８】尚、前記ノズル部材７は、感光性のエポキ
シ樹脂やポリイミド樹脂，モリブデン，アルミナセラミ
ックス等を所定形状に加工したり、或いは、上記の材料
を組み合わせることによって形成され、例えばモリブデ
ンから成る場合、モリブデンのインゴット（塊）を従来
周知の金属加工法によって所定厚みの板体と成し、得ら
れた板体に従来周知のレーザー加工を施し、インク吐出
孔８を複数個、穿設することによって製作され、得られ
たノズル部材７を図示しないスペーサ等を介してヘッド
基板１上に載置させることによりノズル部材７がヘッド
基板１上の所定位置に固定される。

【００２９】そして前記ヘッド基板１及びノズル部材７
間に充填されるインク９としては、例えば顔料タイプの
油性インクや水性染料インク等が使用され、その粘度は
例えば０．３ｍＰａ・ｓ〜３．０ｍＰａ・ｓ（２５℃）に
調整される。

【００３０】前記インク９は図示しないインクタンクか
らヘッド基板１−ノズル部材７間の間隙に供給されるよ
うになっており、前述した発熱抵抗体４の熱エネルギー
によってインク９中に気泡Ａが発生すると、該発生した
気泡Ａによる圧力でもってインク９の一部がインク滴と
なり、インク吐出孔８より外部に吐出される。

【００３１】この場合、インク９は保護膜６の表面に形
成されている各窪み６ａの内部にも充填されており、発
熱抵抗体４をジュール発熱させると、気泡Ａは窪み６ａ
の内側で発生するようになっている。

【００３２】従って、インク９中で発生した気泡Ａがそ
の周囲に拡がろうとしても、その拡がりは気泡Ａを囲繞
するように配されている窪み６ａの内壁でもって確実に
抑えられ、気泡Ａの発生に伴う圧力の分散が有効に防止
される。これにより、気泡Ａからの圧力はインク吐出孔
８側に効率良く伝達されることとなり、インク滴ｉの吐
出速度を高速に維持して、インク滴ｉを記録紙の所定位
置に正確に着弾させることができる。

【００３３】しかも前述の窪み６ａは、発熱抵抗体４や
保護膜６を形成する前に、発熱抵抗体４が配されるグレ
ーズ層３の頂部に凹部３ａを形成しておくだけで簡単に
形成することができるため、インクジェットヘッドの製
造プロセスが著しく複雑化することはなく、生産性を高
く維持することもできる。

【００３４】かくして上述した本形態のインクジェット
ヘッドは、記録紙をノズル部材７の外表面に沿ってイン
ク吐出孔８の穿設方向と直交する方向に搬送しながら、
複数個の発熱抵抗体４を外部からの画像データに基づい
て個々に選択的にジュール発熱させ、この熱エネルギー
によって発熱抵抗体４上に設けられている窪み６ａ内の
インク９中で気泡Ａを発生させるとともに、該発生した
気泡Ａによる圧力でもってインク滴ｉをノズル部材７の
インク吐出孔８より外部に吐出させ、これを記録紙に付
着させることによって所定の画像が記録される。

【００３５】（第２の実施形態）次に本発明の第２の実
施形態について図３を用いて説明する。尚、第1の実施
形態と同様の構成には同一の参照符を付し、重複する説
明を省略する。

【００３６】この第２実施形態のインクジェットヘッド
が先に述べた第1実施形態のものと相違する点は、第1実
施形態では保護膜６の表面に窪み６ａを形成するのにグ
レーズ層３の上面に発熱抵抗体４が埋設される凹部３ａ
を設けるようにしたのに対し、この第２実施形態ではグ
レーズ層３’には凹部を設けず、発熱抵抗体４上に被着
される保護膜６’の厚みを発熱抵抗体４上で薄くするこ
とによって保護膜６’の上面に発熱抵抗体４と１対１に
対応する複数個の窪み６ａ’を設けるようにした点であ
る。

【００３７】前記保護膜６’は、その平均厚みが４μｍ
〜２５μｍと比較的厚く形成されており、各窪み６ａ’
の深さは保護膜６’の最大厚みの７５％〜８０％程度、
即ち、３μｍ〜２０μｍ程度に設定されている。

【００３８】かかる構成のインクジェットヘッドにおい
ても、記録動作時、発熱抵抗体４上に発生する気泡Ａは
保護膜上面の窪み６ａ’内に充填されたインク９中で発
生することから、気泡Ａが周囲に拡がろうとしても、そ
の拡がりは窪み６ａ’の内壁で確実に抑えられ、気泡Ａ
の発生に伴う圧力の分散が有効に防止される。これによ
り、インク９中で発生した気泡Ａからの圧力はインク吐
出孔８側に効率良く伝達されることとなり、インク滴ｉ
の吐出速度を高速に維持して、インク滴ｉを記録紙の所
定位置に正確に着弾させることができる。

【００３９】尚、保護膜６ａの上面に設けた大きな窪み
６ａ’は、保護膜６’を従来周知のスパッタリング等で
形成した後、その一部上面、具体的には発熱抵抗体４の
真上に位置する部位を従来周知のフォトリソグラフィー
技術及びエッチング技術によって所定の深さまで浸食す
ることにより形成される。

【００４０】尚、本発明は上述した第1、第２の実施形
態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しな
い範囲において種々の変更、改良等が可能である。

【００４１】例えば上述の第１、第２の実施形態におい
てヘッド基板１−ノズル部材７間のインク９が５０μｍ
／ｓｅｃ〜２０００μｍ／ｓｅｃの流速で副走査方向へ
流動するように、インク９を循環ポンプ等によってイン
クタンクとの間で循環させるようにしても良い。この場
合、グレーズ層３は循環するインク９によって良好に冷
却されることから、グレーズ層３の温度は記録動作に適
した温度状態に維持されて、インク滴ｉの吐出量を略一
定に保つことができる上に、発熱抵抗体４の発した熱等
によってインク９中の水分もしくは油分がインク吐出孔
８から多量に蒸発し、インク吐出孔８内のインク９の粘
度が上昇しようとしても、この部分にはインク吐出孔８
の直下を流れるインク９から水分もしくは油分が順次補
給されるようになるのでインク９が固まってしまうこと
はなく、インク吐出孔８の目詰まりを有効に防止するこ
とができる利点もある。

【００４２】また上述した第１、第２の実施形態におい
てはグレーズ層３の上面に凹部３ａを設けたり、保護膜
６’の上面に窪み６ａ’を設けるのにグレーズ層３や保
護膜６’の上面を所定の深さまでエッチングするように
したが、これに代えてグレーズ層３や保護膜６’を２層
以上の積層体により形成し、その上層に凹部３ａや窪み
６ａ’に対応した穴部を設けることによって凹部３ａや
窪み６ａ'を形成するようにしても良いし、或いは、従
来周知のレーザー加工等によってグレーズ層３や保護膜
６’の上面に凹部３ａや窪み６ａ'を形成するようにし
ても良い。

【００４３】

【発明の効果】本発明のインクジェットヘッドによれ
ば、ヘッド基板の発熱抵抗体上に被着させた保護膜の表
面に発熱抵抗体と１対１に対応する窪みを形成し、記録
動作時、前記窪み内のインク中でインク吐出用の気泡を
発生させるようになしたことから、インク中で発生した
気泡がその周囲に拡がろうとしても、その拡がりは気泡
を囲繞するように配されている窪みの内壁でもって確実
に抑えられ、気泡の発生に伴う圧力の分散が有効に防止
される。これにより、気泡からの圧力はインク吐出孔側
に効率良く伝達されることとなり、インク滴の吐出速度
を高速に維持して、インク滴を記録紙の所定位置に正確
に着弾させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第1の実施形態に係るインクジェット
ヘッドの分解斜視図である。

【図２】（ａ）は図１のインクジェットヘッドの主走査
方向の断面図、（ｂ）は図１のインクジェットヘッドの
副走査方向の断面図である。

【図３】本発明の第２の実施形態に係るインクジェット
ヘッドを示し、（ａ）は主走査方向の断面図、（ｂ）は
副走査方向の断面図である。

【図４】従来のインクジェットヘッドを示し、（ａ）は
主走査方向の断面図、（ｂ）は副走査方向の断面図であ
る。

【符号の説明】

１・・・ヘッド基板、２・・・絶縁基板、３，３'・・
・グレーズ層、３ａ・・・凹部、４・・・発熱抵抗体、
６，６’・・・保護膜、６ａ，６ａ'・・・窪み、７・
・・ノズル部材、８・・・インク吐出孔、９・・・イン
ク、Ａ・・・気泡、ｉ・・・インク滴

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】絶縁基板の上面に複数個の発熱抵抗体及び
保護膜を順次被着させたヘッド基板と、前記発熱抵抗体
と対応する複数個のインク吐出孔を有したノズル部材と
を、間に所定の間隔をあけて配置させるとともに、前記
ヘッド基板及びノズル部材間の間隙にインクを充填して
なり、前記発熱抵抗体の発する熱エネルギーによってイ
ンク中に気泡を発生させ、該発生した気泡による圧力で
もって前記インク吐出孔よりインク滴を吐出させること
により記録動作を行うようにしたインクジェットヘッド
であって、前記発熱抵抗体上の保護膜表面に、発熱抵抗体と１対１
に対応する複数個の窪みが形成されており、記録動作
時、前記窪み内のインク中で前記気泡を発生させるよう
になしたことを特徴とするインクジェットヘッド。
【請求項２】前記絶縁基板と各発熱抵抗体との間に、上
面に発熱抵抗体に対応した複数個の凹部を有するグレー
ズ層を介在させるとともに、該グレーズ層の各凹部内に
対応する発熱抵抗体を埋設したことを特徴とする請求項
１に記載のインクジェットヘッド。
【請求項３】前記ヘッド基板−ノズル部材間のインクが
流動するように、インクを循環させることを特徴とする
請求項１に記載のインクジェットヘッド。