JP2001205811A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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JP2001205811A
JP2001205811A JP2000024808A JP2000024808A JP2001205811A JP 2001205811 A JP2001205811 A JP 2001205811A JP 2000024808 A JP2000024808 A JP 2000024808A JP 2000024808 A JP2000024808 A JP 2000024808A JP 2001205811 A JP2001205811 A JP 2001205811A
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ink
substrate
top plate
jet head
bubbles
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JP2000024808A
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English (en)
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Takuji Hashiguchi
拓二 橋口
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Kyocera Corp
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インク滴を高速で吐出させて、正確な位置に着
弾させることが可能なインクジェットヘッドを提供す
る。 【解決手段】直線状に配列した複数個の発熱抵抗体2を
有する基板1上に、複数個のインク吐出孔5を有する天
板4を、前記インク吐出孔5が隣接する発熱抵抗体2,
2の間に位置するようにして所定の間隔を空けて配置さ
せるとともに、前記基板1及び天板4間に形成される隙
間にインク7を充填してなり、隣接する発熱抵抗体2,
2を同時に発熱させて各発熱抵抗体2,2上のインク7
中で気泡Aを発生させるとともに該発生した気泡Aの圧
力により前記インク7の一部をインク吐出孔5より吐出
させて画像を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録紙にインク滴
を所定パターンに付着させて画像を形成するインクジェ
ットヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、記録紙に画像を形成するため
の記録デバイスとしてインクジェットヘッドが用いられ
ている。
【0003】インクジェットヘッドの記録方式には、イ
ンク滴を記録紙に向けて吐出・飛翔させるのに発熱抵抗
体の発する熱エネルギーを利用するものや圧電素子の変
形を利用するもの,更には電磁波の照射に伴って発生す
る熱を利用するもの等があり、これらの中でも発熱抵抗
体の熱エネルギーを利用するタイプのものは、発熱抵抗
体のパターニングが容易である上に、小さな面積の発熱
抵抗体であっても比較的大きな熱エネルギーを発生させ
ることができることから、高密度記録への対応に適した
ものとして注目されている。
【0004】かかる従来のインクジェットヘッドとして
は、例えば図5に示す如く、TaN等から成る複数個の
発熱抵抗体12が直線状に被着・配列されている基板1
1上に、複数個のインク吐出孔16を有する天板15
を、前記インク吐出孔16が対応する発熱抵抗体12の
真上に位置するようにして所定の間隔を空けて配置させ
るとともに、前記基板11及び天板15間にインク17
を充填した構造のものが知られており、記録紙を前記天
板15の上面に沿って搬送しながら、発熱抵抗体12を
外部からの画像データに基づいて個々に選択的に発熱さ
せ、この熱エネルギーによってインク17を急沸させて
気泡Aを発生させるとともに、該発生した気泡Aによる
圧力でもって発熱抵抗体12上のインク17を上方に押
し上げ、インク17の一部を天板15のインク吐出孔1
6より外部に吐出させて記録紙に付着させることにより
所定の画像が記録される。
【0005】かかる従来のインクジェットヘッドにおい
ては、隣り合う発熱抵抗体12間にインク室を仕切るた
めの隔壁が不要であることから、隔壁を設ける場合に比
べてインクジェットヘッドの構造、並びに製造プロセス
が大幅に簡略化され、生産性の高いインクジェットヘッ
ドが得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のインクジェットヘッドにおいては、個々のイン
ク吐出孔16が発熱抵抗体12の真上に位置しているこ
とから、発熱抵抗体12の熱エネルギーによってインク
17中に気泡Aを発生させた際、気泡Aによる圧力は周囲
に分散し易く、インク吐出孔16内のインク17に効率
良く伝わらない。この場合、インク滴の吐出に多くの熱
エネルギーを寄与させることができないため、インク滴
の吐出速度が低下して記録紙に対するインク滴の着弾位
置にズレを生じる欠点を有している。
【0007】また上述した従来のインクジェットヘッド
においては、発熱抵抗体12の熱エネルギーによってイン
ク滴を吐出させた後、基板11−天板15間に出来た気泡A
はインクタンク(図示せず)からのインク17の補給によ
ってその大部分が消滅するものの、細かな気泡がいくつ
か残ってしまうことがある。このような残留気泡は、次
ラインの記録動作が開始されるまでの間、そのまま同じ
場所にあるため、発熱抵抗体12を再び発熱させて新たな
気泡Aを発生させると、インク17が細かな気泡を含んだ
まま外部に吐出されてしまったり、或いは、新たに発生
した気泡Aと残留気泡とが合体することにより大きな気
泡を形成する等してインク17の吐出量を不均一になし、
画像の濃度むらを形成する欠点を有していた。
【0008】更に上述した従来のインクジェットヘッド
の基板11−天板15間に充填されているインク17
は、気泡発生時やインク17の補給時を除けば流動する
ことが殆どなく、それ故、発熱抵抗体12の発した熱等
によってインク17中の水分もしくは油分がインク吐出
孔16を介して多量に蒸発し、インク17の粘度が上昇
すると、特に粘度上昇が著しいインク吐出孔16付近で
インク17が固まって目詰まりを生じ、記録紙に画像デ
ータに対応した正確な画像を形成することが不可となる
欠点も有していた。
【0009】また更に上述した従来のインクジェットヘ
ッドにおいては、前述した如く基板11−天板15間で
インク17が殆ど流動しないことから、インク17や基
板11中に熱がこもり易く、インクジェットヘッドを長
時間にわたって使用すると、基板11の温度が過度に高
温となり、インク17の吐出量にバラツキを生じて濃度
むらを発生したり、或いは不要なインク17が外部に吐
出される等の不具合を生じる欠点があり、またこれを避
けるために各ラインの記録動作の間に十分な冷却時間を
設けると、記録に要する時間が長くなって高速記録に供
しなくなる欠点が誘発される。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記欠点に鑑み
案出されたもので、本発明のインクジェットヘッドは、
直線状に配列した複数個の発熱抵抗体を有する基板上
に、複数個のインク吐出孔を有する天板を、前記インク
吐出孔が隣接する発熱抵抗体の間に位置するようにして
所定の間隔を空けて配置させるとともに、前記基板及び
天板間に形成される隙間にインクを充填してなり、隣接
する発熱抵抗体を同時に発熱させて各発熱抵抗体上のイ
ンク中で気泡を発生させるとともに該発生した気泡の圧
力により前記インクの一部をインク吐出孔より吐出させ
て画像を形成することを特徴とするものである。
【0011】また本発明のインクジェットヘッドは、前
記インク吐出孔の両側に配されている発熱抵抗体の発熱
量を個別に制御し得るように発熱抵抗体への印加電力を
調整することを特徴とするものである。
【0012】更に本発明のインクジェットヘッドは、前
記基板及び天板間のインクがインク吐出孔の配列と直交
する方向に流動するようにインクを循環させることを特
徴とするものである。
【0013】また更に本発明のインクジェットヘッド
は、前記基板及び天板間のインクが、全てのインク吐出
孔の直下領域で流動するようにインクを循環させること
を特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づい
て詳細に説明する。図1は本発明の一形態に係るインク
ジェットヘッドの斜視図、図2は図1のインクジェット
ヘッドの横断面図であり、1は基板、2は発熱抵抗体、
5は天板、6はインク吐出孔、7はインクである。
【0015】前記基板1は、アルミナセラミックス等の
電気絶縁性材料から成り、その上面で複数個の発熱抵抗
体2等を支持するための支持母材として機能する。
【0016】尚、前記基板1は、例えばアルミナセラミ
ックスから成る場合、アルミナ、シリカ、マグネシア等
のセラミックス原料粉末に適当な有機溶剤、溶媒を添加
・混合して泥漿状に成すとともに、これを従来周知のド
クターブレード法やカレンダーロール法等を採用するこ
とによってセラミックグリーンシートを得、しかる後、
前記セラミックグリーンシートを所定形状に打ち抜いた
上、高温で焼成することによって製作される。
【0017】また前記基板1上には複数個の発熱抵抗体
2が直線状に被着・配列される。前記複数個の発熱抵抗
体2は、例えば600dpiのドット密度で直線状に配
列されており、各々がTaNやTaSiO,TaSiN
O,TiSiO,TiSiCO,NbSiO等の電気抵
抗材料から成っているため、各発熱抵抗体2の両端に電
気的に接続される電極層3,3等を介して電源電力が印
加されるとジュール発熱を起こし、インク7を急沸させ
て気泡Aを形成するのに必要な所定の熱エネルギーを発
生する作用を為す。
【0018】また前記複数個の発熱抵抗体2は、後述す
るインク吐出孔6の両側に配される2個の発熱抵抗体2
には同じ画像データが与えられて両者が同時に発熱・駆
動されるようになっており、この熱エネルギーによって
形成される気泡A,Aもそれぞれの発熱抵抗体2,2上
で同時に発生するようになっている。
【0019】尚、前記発熱抵抗体2は、従来周知の薄膜
手法、具体的にはスパッタリング、フォトリソグラフィ
ー及びエッチング等によって、前述の電気抵抗材料を基
板1の上面に所定厚み、所定パターンに被着させること
により形成される。
【0020】そして前記基板1上には、複数個のインク
吐出孔6を有する天板5が、前記インク吐出孔6が隣接
する発熱抵抗体2,2の間に位置するようにして、間に
所定の間隔を空けて略平行に配置される。
【0021】前記天板5は、例えば前述した基板1と3
0μm〜600μmだけ離れるように、図示しないスペ
ーサを介して基板1上に載置されており、これによって
基板1−天板5間にはスペーサの厚みに対応した所定の
隙間が形成される。
【0022】また前記天板5のインク吐出孔6は、イン
クジェットヘッドの記録動作時、インク滴を記録紙に向
けて吐出するためのものであり、隣接する2個の発熱抵
抗体2,2に対して1個ずつ、本形態においては発熱抵
抗体2の半分の密度、即ち、発熱抵抗体2の密度が60
0dpiの場合、300dpiのドット密度で直線状に
配列される。
【0023】尚、前記天板5はモリブデン等の金属やア
ルミナセラミックス等の電気絶縁性材料から成り、例え
ばモリブデンから成る場合、モリブデンのインゴット
(塊)を従来周知の金属加工法によって所定厚みの板体
と成し、得られた板体に従来周知のレーザー加工やエッ
チング加工により直径50μm〜110μmのインク吐
出孔6を複数個、穿設することによって製作される。
【0024】そして更に前記基板1−天板5間の隙間に
はインク7が充填される。前記インク7は図示しないイ
ンクタンクより基板1−天板5間に供給されるようにな
っており、かかるインク7としては例えば顔料タイプの
油性インクや水性染料インク等が使用され、該インク7
に発熱抵抗体2からの熱エネルギーが印加されると、発
熱抵抗体2の近傍でインク7が急沸し、気泡Aが発生す
るようになっている。
【0025】本形態によれば、インク吐出孔6の両側に
配されている2個の発熱抵抗体2,2は前述した如く同
時に発熱し、該発熱の直後、気泡A,Aも同時に発生す
るようになっていることから、これら気泡A,Aの間に
位置するインク7は主走査方向の両側から気泡A,Aに
よる圧力を受け、その上方に位置するインク吐出孔6よ
りインク7の一部が吐出される。
【0026】この場合、各インク吐出孔6は隣接する発
熱抵抗体2,2の間に位置しており、発熱抵抗体2の真
上には天板5の下面が対面配置されているため、発熱抵
抗体2の熱エネルギーによってインク7中に気泡Aを発生
させた際、気泡Aからの圧力はインク吐出孔6の直下領
域のインク7を介してインク吐出孔6内のインク7に効
率的に伝えられ、発熱抵抗体2の発した熱エネルギーの
多くがインク滴の吐出に寄与されるようになる。これに
より、インク滴の吐出速度が高速に維持され、インク滴
を記録紙に対して正確な位置に着弾させることができる
ようになる。
【0027】またこの場合、インク吐出孔6の両側に配
されている2個の発熱抵抗体2,2の発熱量を個別に制
御し得るようになしておけば、隣接する発熱抵抗体2,
2の電気抵抗値が製造バラツキ等に起因して異なる値を
とる場合であっても、記録動作時、各発熱抵抗体2への
印加電力を調整することによって、各発熱抵抗体2,2
の発する熱エネルギーを略等しくなし、インク吐出孔6
の両側に形成される気泡A,Aの大きさを略等しく設定
することができる。これにより、インク7に印加される
気泡Aによる圧力が主走査方向の両側で略等しくなるた
め、インク滴の吐出方向が略一定の方向に揃えられ、イ
ンク滴をより正確な位置に着弾させることができるよう
になる。
【0028】更に本形態においては、前記基板1及び天
板5間に充填されたインク7が、インク吐出孔6の配列
と直交する方向(副走査方向)に流動するように、図示
しない循環ポンプ等によってインクタンクとの間で循環
される。
【0029】前記インク7は、発熱抵抗体2とインク吐
出孔6の間の領域において、例えば50μm/sec〜
2000μm/secの流速となるように制御されてお
り、かかるインク7の流れは、発熱抵抗体2の駆動状態
にかかわらず、発熱抵抗体2が発熱しているときも、発
熱していないときも常に略等しい流速に保たれる。
【0030】これにより、発熱抵抗体2の熱エネルギー
によってインク滴を吐出させた後、基板1−天板5間に
いくつかの細かな気泡aが残留したとしても、これらの
気泡aは基板1−天板5間を流動するインク7と共にイ
ンク吐出孔6の配列と直交する方向に移動して、次ライ
ンの記録動作が開始されるまでの間に、発熱抵抗体2と
インク吐出孔6との間の領域から速やかに排除されるよ
うになる。従って、次ラインの記録動作に伴い発熱抵抗
体2を再び発熱させて新たな気泡Aを発生させた際、イ
ンク吐出孔6より吐出されるインク滴の中に細かな気泡
が含まれたり、新たに発生した気泡Aと残留気泡とが合
体することにより大きな気泡を形成したりすることは殆
どなく、これによりインク7の吐出量を一定として濃度
むらの少ない良好な画像を形成することが可能となる。
【0031】尚、インク7の流動方向を副走査方向以外
の方向、例えばインク吐出孔6の配列と平行な主走査方
向に設定した場合、インク7の流動に伴って残留気泡が
移動する方向には他のインク吐出孔6が多数配置されて
いるので、全ての残留気泡を発熱抵抗体2とインク吐出
孔6との間の領域から排除するには次ラインの記録動作
が開始されるまでの間にインク7を主走査方向にわたっ
て流動させる必要があり、この場合、次ラインの記録動
作を開始するまでに極めて長時間を要し、高速記録に供
しなくなる。
【0032】これに対し、本形態においてはインク7の
流動方向が副走査方向と合致させてあるため、インク7
の流動に伴って残留気泡が移動する方向には他のインク
吐出孔6等は一切存在せず、それ故、インク7をインク
吐出孔6の直径に相当する距離だけ流動させることによ
り全ての残留気泡を発熱抵抗体2とインク吐出孔6との
間の領域から良好に排除して短時間で次ラインの記録動
作を開始することができる。
【0033】よって、基板1及び天板5間を流れるイン
ク7の流動方向は、インク吐出孔6の配列と直交する方
向(副走査方向)に設定することが好ましい。
【0034】また更に本形態によれば、基板1−天板5
間のインク7は全てのインク吐出孔6の直下領域で流動
するようになっている。このため、発熱抵抗体2の発し
た熱等によってインク7中の水分もしくは油分がインク
吐出孔6から多量に蒸発し、インク吐出孔6内のインク
7の粘度が上昇しようとしても、この部分にはインク吐
出孔6の直下を流れるインク7から水分もしくは油分が
順次補給されることによりインク7が固まってしまうこ
とはなく、インク吐出孔6の目詰まりを有効に防止する
ことができる。従って、画像データに対応した正確な画
像を形成することができ、インクジェットヘッドの信頼
性を向上させることが可能となる。
【0035】更にこの場合、インク吐出孔6の直下領域
を流動するインク7は常に発熱抵抗体2や基板1、或い
はこれらを被覆する保護膜4等と常に接していることか
ら、インクジェットヘッドを長時間にわたって使用する
場合に発熱抵抗体2や基板1中に蓄積される熱はその上
を流動するインク7によって良好に吸収され、基板1の
温度が記録動作に適した温度に維持されるようになる。
従って、各ラインの記録動作の間に十分な冷却時間を設
けることなく、各インク吐出孔6からのインク7の吐出
量を常に略一定となすことができ、濃度むらの少ない鮮
明な画像を高速で記録することが可能となる。
【0036】尚、前記インク7は、基板1と天板5との
間を通過した後、一旦、前述のインクタンクに戻って、
再度、基板1と天板5との間に供給されるようになって
おり、これによってインク7が基板1−天板5間の領域
とインクタンクとの間を繰り返し循環することとなる。
【0037】この場合、基板1−天板5間を流動するイ
ンク7が吸収した熱は、前述の如き循環経路を流動する
過程で外部に放散され、再び基板1−天板5間に供給さ
れるまでの間に十分に低い温度まで冷却される。
【0038】かくして上述したインクジェットヘッド
は、記録紙を天板5の上面に沿ってインク吐出孔6の配
列方向と直交する方向に搬送しながら、複数個の発熱抵
抗体2を外部からの画像データに基づいて隣接する2個
の発熱抵抗体毎に選択的に発熱させ、この熱エネルギー
によって各発熱抵抗体2上でインク7中に気泡Aを発生
させるとともに、該発生した気泡Aによる圧力でもって
気泡A,A間に位置するインク吐出孔6よりインク滴を
外部に吐出させ、これを記録紙に付着させることによっ
て所定の画像が形成される。
【0039】尚、本発明は上述の形態に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々
の変更、改良等が可能である。
【0040】例えば上述の形態においては隣接するイン
ク吐出孔6,5間に発熱抵抗体2を2個ずつ配置させる
ようにしたが、これに代えて図3に示す如く、隣接する
インク吐出孔6,5間に発熱抵抗体2を1個ずつ配置さ
せるようにしても構わない。この場合、インク吐出孔6
が上述した形態の2倍の密度で穿設されるため、画像の
記録密度も2倍となり、より精彩な画像表現が可能とな
る。
【0041】また上述した図1〜図3の形態において、
個々の発熱抵抗体2を図4に示す如く2個に分割した
上、これらを副走査方向に配列させて直列接続し、更に
この2個の発熱抵抗体2a,2bの間にインク吐出孔6
が位置するように基板1及び天板5を配設させるように
しても構わない。この場合、インク吐出孔6は4個の発
熱抵抗体の中央に位置することとなるため、各発熱抵抗
体上に形成される気泡の大きさを小さくしてインク滴を
効率良く吐出させることができるようになる。
【0042】
【発明の効果】本発明のインクジェットヘッドによれ
ば、間にインクが充填される基板及び天板を該天板のイ
ンク吐出孔が前記基板上の隣接する発熱抵抗体の間に位
置するようにして配設し、隣接する発熱抵抗体を同時に
発熱させて各発熱抵抗体上のインク中で気泡を発生させ
るとともに該発生した気泡の圧力により前記インクの一
部をインク吐出孔より吐出させて画像を形成するように
なしたことから,発熱抵抗体の熱エネルギーによってイ
ンク中に気泡を発生させた際、気泡からの圧力はインク
吐出孔の直下領域のインクを介してインク吐出孔内のイ
ンクに効率的に伝えられ、発熱抵抗体の発する熱エネル
ギーの多くがインク滴の吐出に寄与されるようになる。
これにより、インク滴の吐出速度が高速に維持され、イ
ンク滴を記録紙に対し正確な位置に着弾させることがで
きるようになる。
【0043】また本発明のインクジェットヘッドによれ
ば、インク吐出孔の両側に配されている2個の発熱抵抗
体の発熱量を個別に制御し得るようになしておけば、隣
接する発熱抵抗体の電気抵抗値が製造バラツキ等に起因
して異なる値をとる場合であっても、記録動作時、各発
熱抵抗体への印加電力を調整することによって、各発熱
抵抗体より発生する熱エネルギーを略等しくなし、イン
ク吐出孔の両側に形成される気泡の大きさを略等しくす
ることができる。これにより、インクに印加される気泡
からの圧力が主走査方向の両側で略等しくなるため、イ
ンク滴の吐出方向が略一定の方向に揃えられ、インク滴
をより正確な位置に着弾させることができるようにな
る。
【0044】更に本発明のインクジェットヘッドによれ
ば、基板及び天板間のインクが、インク吐出孔の配列と
直交する方向に流動するようにインクを循環させること
により、発熱抵抗体の熱エネルギーによってインク滴を
吐出させた後、基板−天板間にいくつかの細かな気泡が
残留したとしても、これらの気泡は基板−天板間を流動
するインクと共にインク吐出孔の配列と直交する方向に
移動して、次ラインの記録動作が開始されるまでの間
に、発熱抵抗体とインク吐出孔との間の領域から速やか
に排除される。従って、次ラインの記録動作に伴い発熱
抵抗体を再び発熱させて新たな気泡を発生させた際、イ
ンク吐出孔より吐出されるインク滴の中に細かな気泡が
含まれたり、新たに発生した気泡と残留気泡とが合体す
ることにより大きな気泡を形成したりすることは殆どな
く、これによりインクの吐出量を一定として濃度むらの
少ない良好な画像を形成することが可能となる。
【0045】また更に本発明のインクジェットヘッドに
よれば、基板及び天板間のインクを全てのインク吐出孔
の直下領域で流動させることにより、インク中の水分も
しくは油分がインク吐出孔から多量に蒸発し、インク吐
出孔内のインクの粘度が上昇しようとしても、この部分
にはインク吐出孔の直下を流れるインクから水分もしく
は油分が順次補給されることによりインクが固まってし
まうことはなく、インク吐出孔の目詰まりを有効に防止
することができる。従って、画像データに対応した正確
な画像を長期にわたって形成することが可能となり、イ
ンクジェットヘッドの信頼性が向上する。
【0046】更にまた本発明のインクジェットヘッドに
よれば、インク吐出孔の直下領域を流動するインクは常
に発熱抵抗体や基板等と常に接していることから、イン
クジェットヘッドを長時間にわたって使用する場合に発
熱抵抗体や基板中に蓄積される熱はその上を流動するイ
ンクによって良好に吸収され、基板の温度を記録動作に
適した温度に維持することができる。従って、各ライン
の記録動作の間に十分な冷却時間を設けることなく、各
インク吐出孔からのインクの吐出量を常に略一定となし
て濃度むらの少ない鮮明な画像を高速で記録することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一形態に係るインクジェットヘッドの
斜視図である。
【図2】図1のインクジェットヘッドの横線断面図であ
る。
【図3】本発明の他の形態に係るインクジェットヘッド
の横断面図である。
【図4】本発明の他の形態に係るインクジェットヘッド
の縦断面図である。
【図5】従来のインクジェットヘッドの横断面図であ
る。
【符号の説明】
1・・・基板、2・・・発熱抵抗体、5・・・天板、6
・・・インク吐出孔、7・・・インク

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直線状に配列した複数個の発熱抵抗体を有
    する基板上に、複数個のインク吐出孔を有する天板を、
    前記インク吐出孔が隣接する発熱抵抗体の間に位置する
    ようにして所定の間隔を空けて配置させるとともに、前
    記基板及び天板間に形成される隙間にインクを充填して
    なり、 隣接する発熱抵抗体を同時に発熱させて各発熱抵抗体上
    のインク中で気泡を発生させるとともに該発生した気泡
    の圧力により前記インクの一部をインク吐出孔より吐出
    させて画像を形成することを特徴とするインクジェット
    ヘッド。
  2. 【請求項2】前記インク吐出孔の両側に配されている2
    個の発熱抵抗体の発熱量を個別に制御し得るように各発
    熱抵抗体への印加電力を調整することを特徴とする請求
    項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】前記基板及び天板間のインクがインク吐出
    孔の配列と直交する方向に流動するようにインクを循環
    させることを特徴とする請求項1に記載のインクジェッ
    トヘッド。
  4. 【請求項4】前記基板及び天板間のインクが全てのイン
    ク吐出孔の直下領域で流動するようにインクを循環させ
    ることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘ
    ッド。
JP2000024808A 2000-01-28 2000-01-28 インクジェットヘッド Pending JP2001205811A (ja)

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JP2006088711A (ja) * 2002-04-16 2006-04-06 Sony Corp 液体吐出装置及び液体吐出方法

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