JP2003039681A - インクジェットヘッド - Google Patents
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- JP2003039681A JP2003039681A JP2001230661A JP2001230661A JP2003039681A JP 2003039681 A JP2003039681 A JP 2003039681A JP 2001230661 A JP2001230661 A JP 2001230661A JP 2001230661 A JP2001230661 A JP 2001230661A JP 2003039681 A JP2003039681 A JP 2003039681A
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- head
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- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】濃度むらの殆どない良好な画像を記録すること
が可能な、高性能のインクジェットヘッドを提供する。 【解決手段】単結晶シリコンから成るベースプレート2
の上面に、絶縁層2aを形成するとともに該絶縁層2a
上に多数の発熱抵抗体3及び一対の電極4を被着・配列
させたヘッド基板1と、前記発熱抵抗体3に対応した多
数のインク吐出孔7を有する天板6とを、間に所定の間
隙を形成するように配設するとともに、前記ヘッド基板
1−天板6間の間隙にインク8を充填してなるインクジ
ェットヘッドにおいて、前記絶縁層2aを単結晶シリコ
ンよりも小さな熱伝導率を有した無機質材料により形成
するとともに該絶縁層2aの厚みを、発熱抵抗体3の配
列方向中央域で両端域に比し薄く成すように形成する。
が可能な、高性能のインクジェットヘッドを提供する。 【解決手段】単結晶シリコンから成るベースプレート2
の上面に、絶縁層2aを形成するとともに該絶縁層2a
上に多数の発熱抵抗体3及び一対の電極4を被着・配列
させたヘッド基板1と、前記発熱抵抗体3に対応した多
数のインク吐出孔7を有する天板6とを、間に所定の間
隙を形成するように配設するとともに、前記ヘッド基板
1−天板6間の間隙にインク8を充填してなるインクジ
ェットヘッドにおいて、前記絶縁層2aを単結晶シリコ
ンよりも小さな熱伝導率を有した無機質材料により形成
するとともに該絶縁層2aの厚みを、発熱抵抗体3の配
列方向中央域で両端域に比し薄く成すように形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録紙にインク滴
を所定パターンに付着させて画像を記録するインクジェ
ットヘッドに関するものである。
を所定パターンに付着させて画像を記録するインクジェ
ットヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、記録紙に画像を記録するため
の記録デバイスとしてインクジェットヘッドが用いられ
ている。
の記録デバイスとしてインクジェットヘッドが用いられ
ている。
【0003】このようなインクジェットヘッドの記録方
式には、インク滴を記録紙に向けて吐出させるのに発熱
抵抗体の発する熱エネルギーを利用するものや圧電素子
の変形を利用するもの、更には電磁波の照射に伴って発
生する熱を利用するもの等があり、これらの中でも発熱
抵抗体の熱エネルギーを利用するサーマルジェットタイ
プのものは、発熱抵抗体のパターン形成が容易である上
に、小さな面積の発熱抵抗体であっても比較的大きな熱
エネルギーを発生させることができることから、高密度
記録への対応に適したものとして注目されている。
式には、インク滴を記録紙に向けて吐出させるのに発熱
抵抗体の発する熱エネルギーを利用するものや圧電素子
の変形を利用するもの、更には電磁波の照射に伴って発
生する熱を利用するもの等があり、これらの中でも発熱
抵抗体の熱エネルギーを利用するサーマルジェットタイ
プのものは、発熱抵抗体のパターン形成が容易である上
に、小さな面積の発熱抵抗体であっても比較的大きな熱
エネルギーを発生させることができることから、高密度
記録への対応に適したものとして注目されている。
【0004】かかるサーマルジェットタイプのインクジ
ェットヘッドとしては、例えば図5に示す如く、単結晶
シリコンから成るベースプレート12の上面全体に、酸
化シリコン等からなる絶縁層12aを形成するとともに
該絶縁層12a上に多数の発熱抵抗体13及び一対の電
極を被着・配列させたヘッド基板11と、前記発熱抵抗
体13と1対1に対応するインク吐出孔17を有する天
板16とを間に所定の間隙を形成するように配設すると
ともに、前記ヘッド基板11−天板16間の間隙にイン
ク18を充填した構造のものが知られており、記録紙M
を天板16の上面に沿って搬送しながら、ヘッド基板1
1の一対の電極間に所定の電力を印加し、発熱抵抗体1
3を選択的にジュール発熱させるとともに、該発熱した
熱により発熱抵抗体13上のインク18中に気泡Aを発
生させ、この気泡発生の際の圧力でもってインク吐出孔
17よりインク滴iを外部に吐出させて記録紙Mに付着
させることにより所定の画像が記録される。
ェットヘッドとしては、例えば図5に示す如く、単結晶
シリコンから成るベースプレート12の上面全体に、酸
化シリコン等からなる絶縁層12aを形成するとともに
該絶縁層12a上に多数の発熱抵抗体13及び一対の電
極を被着・配列させたヘッド基板11と、前記発熱抵抗
体13と1対1に対応するインク吐出孔17を有する天
板16とを間に所定の間隙を形成するように配設すると
ともに、前記ヘッド基板11−天板16間の間隙にイン
ク18を充填した構造のものが知られており、記録紙M
を天板16の上面に沿って搬送しながら、ヘッド基板1
1の一対の電極間に所定の電力を印加し、発熱抵抗体1
3を選択的にジュール発熱させるとともに、該発熱した
熱により発熱抵抗体13上のインク18中に気泡Aを発
生させ、この気泡発生の際の圧力でもってインク吐出孔
17よりインク滴iを外部に吐出させて記録紙Mに付着
させることにより所定の画像が記録される。
【0005】尚、前記絶縁層12aは、ベースプレート
12と発熱抵抗体13,一対の電極等とを電気的に絶縁
するためのものであり、その厚みはベースプレート12
の上面全体にわたり略均一の厚み(2.0μm〜3.0
μm)に形成されていた。
12と発熱抵抗体13,一対の電極等とを電気的に絶縁
するためのものであり、その厚みはベースプレート12
の上面全体にわたり略均一の厚み(2.0μm〜3.0
μm)に形成されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のインクジェットヘッドにおいては、絶縁層12
aを形成する酸化シリコンの熱伝導率が、ベースプレー
ト12を形成する単結晶シリコンの熱伝導率に比し極め
て小さい(酸化シリコンの熱伝導率:0.90W/m・
K、単結晶シリコンの熱伝導率:168W/m・K)こ
とから、記録動作時、発熱抵抗体13の発する熱の一部
は、絶縁層12aの内部に蓄積されるようになってお
り、特に発熱抵抗体13の配列方向中央域で熱が籠もる
傾向がある。そのため、長時間にわたって記録動作を繰
り返すと、絶縁層12aの両端域と中央域とで温度差を
生じ、インク18中で発生する気泡Aの大きさ、インク
18の吐出量にバラツキを発生するとともに絶縁層12
aの温度分布に対応した印画の濃度むらが形成される欠
点を有していた。
た従来のインクジェットヘッドにおいては、絶縁層12
aを形成する酸化シリコンの熱伝導率が、ベースプレー
ト12を形成する単結晶シリコンの熱伝導率に比し極め
て小さい(酸化シリコンの熱伝導率:0.90W/m・
K、単結晶シリコンの熱伝導率:168W/m・K)こ
とから、記録動作時、発熱抵抗体13の発する熱の一部
は、絶縁層12aの内部に蓄積されるようになってお
り、特に発熱抵抗体13の配列方向中央域で熱が籠もる
傾向がある。そのため、長時間にわたって記録動作を繰
り返すと、絶縁層12aの両端域と中央域とで温度差を
生じ、インク18中で発生する気泡Aの大きさ、インク
18の吐出量にバラツキを発生するとともに絶縁層12
aの温度分布に対応した印画の濃度むらが形成される欠
点を有していた。
【0007】本発明は上記欠点に鑑み案出されたもの
で、その目的は、濃度むらの殆どない良好な画像を記録
することが可能な、高性能のインクジェットヘッドを提
供することにある。
で、その目的は、濃度むらの殆どない良好な画像を記録
することが可能な、高性能のインクジェットヘッドを提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
ヘッドは、単結晶シリコンから成るベースプレートの上
面に、絶縁層を形成するとともに該絶縁層上に多数の発
熱抵抗体及び一対の電極を被着・配列させたヘッド基板
と、前記発熱抵抗体に対応した多数のインク吐出孔を有
する天板とを、間に所定の間隙を形成するように配設す
るとともに、前記ヘッド基板−天板間の間隙にインクを
充填してなるインクジェットヘッドにおいて、前記絶縁
層を単結晶シリコンよりも小さな熱伝導率を有した無機
質材料により形成するとともに該絶縁層の厚みを、発熱
抵抗体の配列方向中央域で両端域に比し薄く成したこと
を特徴とするものである。
ヘッドは、単結晶シリコンから成るベースプレートの上
面に、絶縁層を形成するとともに該絶縁層上に多数の発
熱抵抗体及び一対の電極を被着・配列させたヘッド基板
と、前記発熱抵抗体に対応した多数のインク吐出孔を有
する天板とを、間に所定の間隙を形成するように配設す
るとともに、前記ヘッド基板−天板間の間隙にインクを
充填してなるインクジェットヘッドにおいて、前記絶縁
層を単結晶シリコンよりも小さな熱伝導率を有した無機
質材料により形成するとともに該絶縁層の厚みを、発熱
抵抗体の配列方向中央域で両端域に比し薄く成したこと
を特徴とするものである。
【0009】また、本発明のインクジェットヘッドは、
単結晶シリコンから成るベースプレートの上面に、絶縁
層を形成するとともに該絶縁層上に多数の発熱抵抗体及
び一対の電極を被着・配列させたヘッド基板と、天板と
を、間にインク吐出孔を有するノズル部材を介して配設
するとともに、前記ヘッド基板−天板の間隙にインクを
充填してなるインクジェットヘッドにおいて、前記絶縁
層を単結晶シリコンよりも小さな熱伝導率を有した無機
質材料により形成するとともに該絶縁層の厚みを、発熱
抵抗体の配列方向中央域で両端域に比し薄く成したこと
を特徴とするものである。
単結晶シリコンから成るベースプレートの上面に、絶縁
層を形成するとともに該絶縁層上に多数の発熱抵抗体及
び一対の電極を被着・配列させたヘッド基板と、天板と
を、間にインク吐出孔を有するノズル部材を介して配設
するとともに、前記ヘッド基板−天板の間隙にインクを
充填してなるインクジェットヘッドにおいて、前記絶縁
層を単結晶シリコンよりも小さな熱伝導率を有した無機
質材料により形成するとともに該絶縁層の厚みを、発熱
抵抗体の配列方向中央域で両端域に比し薄く成したこと
を特徴とするものである。
【0010】更に、本発明のインクジェットヘッドは、
前記絶縁層が、酸化シリコンから成ることを特徴とする
ものである。
前記絶縁層が、酸化シリコンから成ることを特徴とする
ものである。
【0011】また更に、本発明のインクジェットヘッド
は、前記絶縁層が、略平坦に形成されたベースプレート
の上面を熱酸化法より所定の深さ領域まで酸化すること
により形成されていることを特徴とするものである。
は、前記絶縁層が、略平坦に形成されたベースプレート
の上面を熱酸化法より所定の深さ領域まで酸化すること
により形成されていることを特徴とするものである。
【0012】本発明のインクジェットヘッドによれば、
単結晶シリコンから成るベースプレートの上面に単結晶
シリコンよりも小さな熱伝導率を有した無機質材料から
なる絶縁層を形成するとともに該絶縁層の厚みを、発熱
抵抗体の配列方向中央域で両端域に比し薄く成したこと
から、絶縁膜の熱容量は中央域に比し両端域で大きくな
る。従って、絶縁層の中央域に熱が籠もろうとしても、
絶縁層中の熱量はその全域にわたって均一化され、発熱
抵抗体の発熱温度及びインク中に形成される気泡の大き
さを略一定に揃えることにより濃度むらの殆どない鮮明
な画像を形成することが可能となる。
単結晶シリコンから成るベースプレートの上面に単結晶
シリコンよりも小さな熱伝導率を有した無機質材料から
なる絶縁層を形成するとともに該絶縁層の厚みを、発熱
抵抗体の配列方向中央域で両端域に比し薄く成したこと
から、絶縁膜の熱容量は中央域に比し両端域で大きくな
る。従って、絶縁層の中央域に熱が籠もろうとしても、
絶縁層中の熱量はその全域にわたって均一化され、発熱
抵抗体の発熱温度及びインク中に形成される気泡の大き
さを略一定に揃えることにより濃度むらの殆どない鮮明
な画像を形成することが可能となる。
【0013】また、本発明のインクジェットヘッドによ
れば、前記絶縁層を、略平坦に形成されたベースプレー
トの上面を熱酸化法より所定の深さ領域まで酸化するこ
とにより、ベースプレート上面の絶縁膜を簡単に形成す
ることができる。従って、ベースプレート上に絶縁層を
別途膜付けする場合に比べ、製造工程を簡略化でき、イ
ンクジェットヘッドの生産性が向上する。
れば、前記絶縁層を、略平坦に形成されたベースプレー
トの上面を熱酸化法より所定の深さ領域まで酸化するこ
とにより、ベースプレート上面の絶縁膜を簡単に形成す
ることができる。従って、ベースプレート上に絶縁層を
別途膜付けする場合に比べ、製造工程を簡略化でき、イ
ンクジェットヘッドの生産性が向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づい
て詳細に説明する。図1は本発明の一形態にかかるイン
クジェットヘッドの分解斜視図、図2は図1のインクジ
ェットヘッドの縦断面図、図3は図1のインクジェット
ヘッドの横断面図であり、図1に示すインクジェットヘ
ッドは、大略的にヘッド基板1と天板6とで構成され、
この両部材の間にはインク8が充填されている。
て詳細に説明する。図1は本発明の一形態にかかるイン
クジェットヘッドの分解斜視図、図2は図1のインクジ
ェットヘッドの縦断面図、図3は図1のインクジェット
ヘッドの横断面図であり、図1に示すインクジェットヘ
ッドは、大略的にヘッド基板1と天板6とで構成され、
この両部材の間にはインク8が充填されている。
【0015】前記ヘッド基板1は、ベースプレート2の
上面に発熱抵抗体3や一対の電極4等を被着・形成した
構造を有している。
上面に発熱抵抗体3や一対の電極4等を被着・形成した
構造を有している。
【0016】前記ベースプレート2は、単結晶シリコン
により矩形状に形成されており、その略平坦な上面で発
熱抵抗体3や一対の電極4等を支持する支持母材として
機能するものである。
により矩形状に形成されており、その略平坦な上面で発
熱抵抗体3や一対の電極4等を支持する支持母材として
機能するものである。
【0017】また、前記ベースプレート2の上面には、
絶縁層2aが形成され、該絶縁層2a上には多数の発熱
抵抗体3及び該発熱抵抗体3の両端に接続される一対の
電極4が被着・配列されている。
絶縁層2aが形成され、該絶縁層2a上には多数の発熱
抵抗体3及び該発熱抵抗体3の両端に接続される一対の
電極4が被着・配列されている。
【0018】前記絶縁層2aは、ベースプレート2と発
熱抵抗体3,一対の電極4等とを電気的に絶縁するため
のものであり、ベースプレート2を形成する単結晶シリ
コンよりも小さな熱伝導率を有した無機質材料、例えば
酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(Si3N4)
等により形成され、酸化シリコンの熱伝導率は単結晶シ
リコンの熱伝導率に比し極めて小さい(酸化シリコンの
熱伝導率:0.9W/m・K、単結晶シリコンの熱伝導
率:168W/m・K)ため、発熱抵抗体3の発する熱
の一部が絶縁層2aの内部に蓄積されるようになってい
る。
熱抵抗体3,一対の電極4等とを電気的に絶縁するため
のものであり、ベースプレート2を形成する単結晶シリ
コンよりも小さな熱伝導率を有した無機質材料、例えば
酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(Si3N4)
等により形成され、酸化シリコンの熱伝導率は単結晶シ
リコンの熱伝導率に比し極めて小さい(酸化シリコンの
熱伝導率:0.9W/m・K、単結晶シリコンの熱伝導
率:168W/m・K)ため、発熱抵抗体3の発する熱
の一部が絶縁層2aの内部に蓄積されるようになってい
る。
【0019】また、前記絶縁層2aは、その厚みが前記
発熱抵抗体3の配列方向の両端域に比し中央域で薄く成
すように形成されており(両端域の厚みが1.1μm〜
3.0μmの場合、中央域の厚みは両端域の厚みの71
%〜93%に形成される)、絶縁膜2aの熱容量は中央
域に比し両端域で大きくなっている。従って、絶縁層2
aに蓄積される熱量を発熱抵抗体3の配列方向全域にわ
たって略均一となる。
発熱抵抗体3の配列方向の両端域に比し中央域で薄く成
すように形成されており(両端域の厚みが1.1μm〜
3.0μmの場合、中央域の厚みは両端域の厚みの71
%〜93%に形成される)、絶縁膜2aの熱容量は中央
域に比し両端域で大きくなっている。従って、絶縁層2
aに蓄積される熱量を発熱抵抗体3の配列方向全域にわ
たって略均一となる。
【0020】尚、前記ベースプレート2は、従来周知の
チョコラルスキー法(引き上げ法)等によって形成した
単結晶シリコンのインゴット(塊)を、所定厚みにスラ
イスすることにより製作される。また、前記絶縁層2a
は、従来周知の熱酸化法を採用することによりベースプ
レート2の上面に形成され、より具体的にはベースプレ
ート2の発熱抵抗体3の配列方向中央域にマスクを被着
させた状態で、従来周知の熱酸化法を採用することによ
り露出したベースプレート2の上面を所定の深さ領域ま
で酸化した後、上記マスクを取り外し、再度、従来周知
の熱酸化法を採用することによりベースプレート2の上
面全体を所定の深さ領域まで酸化することにより形成さ
れる。このように、絶縁層2aを熱酸化法よりベースプ
レート2の上面を所定の深さ領域まで酸化することによ
り、ベースプレート上面の絶縁膜2aを簡単に形成する
ことができる。従って、ベースプレート2上に絶縁層2
aを別途膜付けする場合に比べ、製造工程が簡単で済
み、インクジェットヘッドの生産性が向上する。
チョコラルスキー法(引き上げ法)等によって形成した
単結晶シリコンのインゴット(塊)を、所定厚みにスラ
イスすることにより製作される。また、前記絶縁層2a
は、従来周知の熱酸化法を採用することによりベースプ
レート2の上面に形成され、より具体的にはベースプレ
ート2の発熱抵抗体3の配列方向中央域にマスクを被着
させた状態で、従来周知の熱酸化法を採用することによ
り露出したベースプレート2の上面を所定の深さ領域ま
で酸化した後、上記マスクを取り外し、再度、従来周知
の熱酸化法を採用することによりベースプレート2の上
面全体を所定の深さ領域まで酸化することにより形成さ
れる。このように、絶縁層2aを熱酸化法よりベースプ
レート2の上面を所定の深さ領域まで酸化することによ
り、ベースプレート上面の絶縁膜2aを簡単に形成する
ことができる。従って、ベースプレート2上に絶縁層2
aを別途膜付けする場合に比べ、製造工程が簡単で済
み、インクジェットヘッドの生産性が向上する。
【0021】前記絶縁層2a上に被着されている多数の
発熱抵抗体3は、例えば600dpi(dot per inch)
の密度でベースプレート2の長手方向にわたって直線状
に配列されており、その各々がTaNやTaSiO,T
aSiNO,TiSiO,TiSiCO,NbSiO等
の電気抵抗材料により形成されているため、この両端に
接続される一対の電極4介して電源電力が印加されると
ジュール発熱を起こし、インク8中に気泡Aを発生させ
るのに必要な所定の温度となる。
発熱抵抗体3は、例えば600dpi(dot per inch)
の密度でベースプレート2の長手方向にわたって直線状
に配列されており、その各々がTaNやTaSiO,T
aSiNO,TiSiO,TiSiCO,NbSiO等
の電気抵抗材料により形成されているため、この両端に
接続される一対の電極4介して電源電力が印加されると
ジュール発熱を起こし、インク8中に気泡Aを発生させ
るのに必要な所定の温度となる。
【0022】前記一対の電極4は、アルミニウム、銅等
の金属材料により所定パターンに形成されており、各発
熱抵抗体3にジュール発熱を起こさせるために必要な所
定の電力を印加する作用を為す。
の金属材料により所定パターンに形成されており、各発
熱抵抗体3にジュール発熱を起こさせるために必要な所
定の電力を印加する作用を為す。
【0023】尚、前記発熱抵抗体3及び一対の電極4
は、従来周知の薄膜形成技術、具体的には、スパッタリ
ング、フォトリソグラフィー技術及びエッチング技術等
を採用し、前述の電気抵抗材料や金属材料を所定パター
ンに被着させることにより形成される。
は、従来周知の薄膜形成技術、具体的には、スパッタリ
ング、フォトリソグラフィー技術及びエッチング技術等
を採用し、前述の電気抵抗材料や金属材料を所定パター
ンに被着させることにより形成される。
【0024】一方、前記天板6は、前記ヘッド基板1上
に、間に所定の間隙(例えば20μm〜300μm)を
形成するようにして略平行に配設される。
に、間に所定の間隙(例えば20μm〜300μm)を
形成するようにして略平行に配設される。
【0025】前記天板6は、発熱抵抗体3と1対1に対
応する略円形状のインク吐出孔7を多数有しており、こ
れらのインク吐出孔7が前記発熱抵抗体3の真上に位置
するようにしてスペーサを介してヘッド基板1上に固定
される。
応する略円形状のインク吐出孔7を多数有しており、こ
れらのインク吐出孔7が前記発熱抵抗体3の真上に位置
するようにしてスペーサを介してヘッド基板1上に固定
される。
【0026】また、前記多数のインク吐出孔7は、各々
が直径10μm〜100μmの大きさに設定されてお
り、インクジェットヘッドの記録動作時、発熱抵抗体3
の発熱に伴いインク8中に気泡Aが発生すると、この気
泡発生時の圧力でもってインク滴iをインク吐出孔7よ
り記録紙Mに向けて吐出するようになっている。
が直径10μm〜100μmの大きさに設定されてお
り、インクジェットヘッドの記録動作時、発熱抵抗体3
の発熱に伴いインク8中に気泡Aが発生すると、この気
泡発生時の圧力でもってインク滴iをインク吐出孔7よ
り記録紙Mに向けて吐出するようになっている。
【0027】尚、前記天板6は、モリブデン等の金属や
アルミナセラミックス等の電気絶縁性材料あるいは感光
性樹脂から成り、例えばモリブデンから成る場合、モリ
ブデンのインゴット(塊)を従来周知の金属加工法によ
って所定厚みの板体と成し、得られた板体に従来周知の
レーザー加工によってインク吐出孔7を厚み方向に穿設
することにより製作され、得られた天板6をヘッド基板
1上にスペーサを介して載置することで固定される。
アルミナセラミックス等の電気絶縁性材料あるいは感光
性樹脂から成り、例えばモリブデンから成る場合、モリ
ブデンのインゴット(塊)を従来周知の金属加工法によ
って所定厚みの板体と成し、得られた板体に従来周知の
レーザー加工によってインク吐出孔7を厚み方向に穿設
することにより製作され、得られた天板6をヘッド基板
1上にスペーサを介して載置することで固定される。
【0028】そして、ヘッド基板1−天板6間に形成さ
れる隙間にはインク8が充填される。
れる隙間にはインク8が充填される。
【0029】前記インク8としては、例えば顔料タイプ
の水性インクや水性染料インク等が使用され、該インク
8は図示しないインクタンクからヘッド基板1−天板6
間に供給され、前述した発熱抵抗体3の発熱に伴う熱エ
ネルギーによってインク8中に気泡Aが発生すると、該
気泡Aによる圧力でもってインク8の一部がインク滴i
となってインク吐出孔7より外部に吐出される。
の水性インクや水性染料インク等が使用され、該インク
8は図示しないインクタンクからヘッド基板1−天板6
間に供給され、前述した発熱抵抗体3の発熱に伴う熱エ
ネルギーによってインク8中に気泡Aが発生すると、該
気泡Aによる圧力でもってインク8の一部がインク滴i
となってインク吐出孔7より外部に吐出される。
【0030】かくして上述したインクジェットヘッド
は、記録紙Mを天板6の上面に沿ってインク吐出孔7上
に搬送しながら、多数の発熱抵抗体3を外部からの画像
データに基づいて個々に選択的に発熱させ、この熱エネ
ルギーによって発熱抵抗体3上に気泡Aを発生させると
ともに、該発生した気泡Aによる圧力でもってインク8
の一部を天板6のインク吐出孔7より外部に吐出させ、
吐出したインク滴iを記録紙Mに付着させることによっ
て所定の画像が記録される。
は、記録紙Mを天板6の上面に沿ってインク吐出孔7上
に搬送しながら、多数の発熱抵抗体3を外部からの画像
データに基づいて個々に選択的に発熱させ、この熱エネ
ルギーによって発熱抵抗体3上に気泡Aを発生させると
ともに、該発生した気泡Aによる圧力でもってインク8
の一部を天板6のインク吐出孔7より外部に吐出させ、
吐出したインク滴iを記録紙Mに付着させることによっ
て所定の画像が記録される。
【0031】以上のような本実施形態のインクジェット
ヘッドにおいては、単結晶シリコンから成るベースプレ
ート2の上面に、単結晶シリコンよりも小さな熱伝導率
を有した無機質材料から成る絶縁層2aを形成するとと
もに該絶縁層2aの厚みを、発熱抵抗体3の配列方向両
端域に比し中央域で薄く成したことから、上述した如
く、絶縁膜2aの熱容量は中央域に比し両端域で大きく
なり、絶縁層2aの中央域に熱が籠もろうとしても、絶
縁層2a中の熱量はその全域にわたって均一化され、発
熱抵抗体3の発熱温度及びインク8中に形成される気泡
Aの大きさを略一定に揃えることにより、濃度むらの殆
どない鮮明な画像を形成することが可能となる。
ヘッドにおいては、単結晶シリコンから成るベースプレ
ート2の上面に、単結晶シリコンよりも小さな熱伝導率
を有した無機質材料から成る絶縁層2aを形成するとと
もに該絶縁層2aの厚みを、発熱抵抗体3の配列方向両
端域に比し中央域で薄く成したことから、上述した如
く、絶縁膜2aの熱容量は中央域に比し両端域で大きく
なり、絶縁層2aの中央域に熱が籠もろうとしても、絶
縁層2a中の熱量はその全域にわたって均一化され、発
熱抵抗体3の発熱温度及びインク8中に形成される気泡
Aの大きさを略一定に揃えることにより、濃度むらの殆
どない鮮明な画像を形成することが可能となる。
【0032】尚、本発明は上述の形態に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々
の変更、改良等が可能である。
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々
の変更、改良等が可能である。
【0033】例えば、上述の実施形態においては、イン
ク吐出孔7を天板6に設け、インク吐出孔7を発熱抵抗
体3の真上に配置させるようにしたが、これに代えて、
インク吐出孔7を発熱抵抗体3に対してずらして配置さ
せるようにしても良いし、或いは、図4に示すような、
インク滴iをヘッド基板1のエッジより吐出させるエッ
ジシュータータイプのインクジェットヘッドに本発明を
適用するにあたり、インク吐出孔7’を天板6には設け
ず、ヘッド基板1の一端側で天板6’と直交する方向に
配設されるノズル部材9に穿設するようにしても構わな
い。
ク吐出孔7を天板6に設け、インク吐出孔7を発熱抵抗
体3の真上に配置させるようにしたが、これに代えて、
インク吐出孔7を発熱抵抗体3に対してずらして配置さ
せるようにしても良いし、或いは、図4に示すような、
インク滴iをヘッド基板1のエッジより吐出させるエッ
ジシュータータイプのインクジェットヘッドに本発明を
適用するにあたり、インク吐出孔7’を天板6には設け
ず、ヘッド基板1の一端側で天板6’と直交する方向に
配設されるノズル部材9に穿設するようにしても構わな
い。
【0034】また、上述の実施形態において、ベースプ
レート2上に発熱抵抗体3の発熱を制御するドライバー
ICを搭載したり、或いは、前記発熱抵抗体3や前記一
対の電極4等を窒化珪素等からなる保護膜によって被覆
するようにしても良いことは言うまでもない。
レート2上に発熱抵抗体3の発熱を制御するドライバー
ICを搭載したり、或いは、前記発熱抵抗体3や前記一
対の電極4等を窒化珪素等からなる保護膜によって被覆
するようにしても良いことは言うまでもない。
【0035】
【発明の効果】本発明のインクジェットヘッドによれ
ば、単結晶シリコンから成るベースプレートの上面に単
結晶シリコンよりも小さな熱伝導率を有した無機質材料
からなる絶縁層を形成するとともに該絶縁層の厚みを、
発熱抵抗体の配列方向中央域で両端域に比し薄く成した
ことから、絶縁膜の熱容量は中央域に比し両端域で大き
くなる。従って、絶縁層の中央域に熱が籠もろうとして
も、絶縁層中の熱量はその全域にわたって均一化され、
発熱抵抗体の発熱温度及びインク中に形成される気泡の
大きさを略一定に揃えることにより濃度むらの殆どない
鮮明な画像を形成することが可能となる。
ば、単結晶シリコンから成るベースプレートの上面に単
結晶シリコンよりも小さな熱伝導率を有した無機質材料
からなる絶縁層を形成するとともに該絶縁層の厚みを、
発熱抵抗体の配列方向中央域で両端域に比し薄く成した
ことから、絶縁膜の熱容量は中央域に比し両端域で大き
くなる。従って、絶縁層の中央域に熱が籠もろうとして
も、絶縁層中の熱量はその全域にわたって均一化され、
発熱抵抗体の発熱温度及びインク中に形成される気泡の
大きさを略一定に揃えることにより濃度むらの殆どない
鮮明な画像を形成することが可能となる。
【0036】また、本発明のインクジェットヘッドによ
れば、前記絶縁層を、略平坦に形成されたベースプレー
トの上面を熱酸化法より所定の深さ領域まで酸化するこ
とにより、ベースプレート上面の絶縁膜を簡単に形成す
ることができる。従って、ベースプレート上に絶縁層を
別途膜付けする場合に比べ、製造工程を簡略化でき、イ
ンクジェットヘッドの生産性が向上する。
れば、前記絶縁層を、略平坦に形成されたベースプレー
トの上面を熱酸化法より所定の深さ領域まで酸化するこ
とにより、ベースプレート上面の絶縁膜を簡単に形成す
ることができる。従って、ベースプレート上に絶縁層を
別途膜付けする場合に比べ、製造工程を簡略化でき、イ
ンクジェットヘッドの生産性が向上する。
【図1】本発明の一形態にかかるインクジェットヘッド
の斜視図である。
の斜視図である。
【図2】図1のインクジェットヘッドの縦断面図であ
る。
る。
【図3】図1のインクジェットヘッドの横断面図であ
る。
る。
【図4】本発明の他の形態にかかるインクジェットヘッ
ドの横断面図である。
ドの横断面図である。
【図5】従来のインクジェットヘッドの縦断面図であ
る。
る。
1・・・ヘッド基板、2・・・ベースプレート、2a・
・・絶縁層、3・・・発熱抵抗体、4・・・一対の電
極、6,6’・・・天板、7・・・インク吐出孔、8・
・・インク、9・・・ノズル部材
・・絶縁層、3・・・発熱抵抗体、4・・・一対の電
極、6,6’・・・天板、7・・・インク吐出孔、8・
・・インク、9・・・ノズル部材
Claims (4)
- 【請求項1】単結晶シリコンから成るベースプレートの
上面に、絶縁層を形成するとともに該絶縁層上に多数の
発熱抵抗体及び一対の電極を被着・配列させたヘッド基
板と、前記発熱抵抗体に対応した多数のインク吐出孔を
有する天板とを、間に所定の間隙を形成するように配設
するとともに、前記ヘッド基板−天板間の間隙にインク
を充填してなるインクジェットヘッドにおいて、前記絶
縁層を単結晶シリコンよりも小さな熱伝導率を有した無
機質材料により形成するとともに該絶縁層の厚みを、発
熱抵抗体の配列方向中央域で両端域に比し薄く成したこ
とを特徴とするインクジェットヘッド。 - 【請求項2】単結晶シリコンから成るベースプレートの
上面に、絶縁層を形成するとともに該絶縁層上に多数の
発熱抵抗体及び一対の電極を被着・配列させたヘッド基
板と、天板とを、間にインク吐出孔を有するノズル部材
を介して配設するとともに、前記ヘッド基板−天板の間
隙にインクを充填してなるインクジェットヘッドにおい
て、前記絶縁層を単結晶シリコンよりも小さな熱伝導率
を有した無機質材料により形成するとともに該絶縁層の
厚みを、発熱抵抗体の配列方向中央域で両端域に比し薄
く成したことを特徴とするインクジェットヘッド。 - 【請求項3】前記絶縁層が、酸化シリコンから成ること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジ
ェットヘッド。 - 【請求項4】前記絶縁層が、略平坦に形成されたベース
プレートの上面を熱酸化法より所定の深さ領域まで酸化
することにより形成されていることを特徴とする請求項
3に記載のインクジェットヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001230661A JP2003039681A (ja) | 2001-07-30 | 2001-07-30 | インクジェットヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001230661A JP2003039681A (ja) | 2001-07-30 | 2001-07-30 | インクジェットヘッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003039681A true JP2003039681A (ja) | 2003-02-13 |
Family
ID=19062834
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001230661A Pending JP2003039681A (ja) | 2001-07-30 | 2001-07-30 | インクジェットヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003039681A (ja) |
-
2001
- 2001-07-30 JP JP2001230661A patent/JP2003039681A/ja active Pending
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