JP2003127379A - インクジェットヘッド - Google Patents
インクジェットヘッドInfo
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- JP2003127379A JP2003127379A JP2001330398A JP2001330398A JP2003127379A JP 2003127379 A JP2003127379 A JP 2003127379A JP 2001330398 A JP2001330398 A JP 2001330398A JP 2001330398 A JP2001330398 A JP 2001330398A JP 2003127379 A JP2003127379 A JP 2003127379A
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- Japan
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- ink
- layer
- cavitation
- head substrate
- head
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- Pending
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- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】ヘッド基板の保護層を耐キャビテーション層で
もって長期にわたり良好に被覆しておくことが可能な耐
久性に優れたインクジェットヘッドを提供する。 【解決手段】ベースプレート2の上面に複数個の発熱抵
抗体3、保護層5及び耐キャビテーション層6を順次被
着させたヘッド基板1と、ヘッド基板1の上方に配設さ
れる天板8とを具備し、ヘッド基板1−天板8間の間隙
に充填されるインク10中に、発熱抵抗体3の発する熱
によって気泡Aを発生させるとともに、該気泡Aの発生
に伴いインク吐出孔9よりインク滴iを吐出させること
により印画を形成するインクジェットヘッドにおいて、
前記ヘッド基板1の耐キャビテーション層6を、厚み
0.15μm〜0.25μmの基層部6aと、前記発熱
抵抗体3の外周に沿って基層部6a上に一体的に設けら
れる環状の隆起部6bとで形成する。
もって長期にわたり良好に被覆しておくことが可能な耐
久性に優れたインクジェットヘッドを提供する。 【解決手段】ベースプレート2の上面に複数個の発熱抵
抗体3、保護層5及び耐キャビテーション層6を順次被
着させたヘッド基板1と、ヘッド基板1の上方に配設さ
れる天板8とを具備し、ヘッド基板1−天板8間の間隙
に充填されるインク10中に、発熱抵抗体3の発する熱
によって気泡Aを発生させるとともに、該気泡Aの発生
に伴いインク吐出孔9よりインク滴iを吐出させること
により印画を形成するインクジェットヘッドにおいて、
前記ヘッド基板1の耐キャビテーション層6を、厚み
0.15μm〜0.25μmの基層部6aと、前記発熱
抵抗体3の外周に沿って基層部6a上に一体的に設けら
れる環状の隆起部6bとで形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンタに組み込まれ、記録紙にインク滴を所定パターン
に付着させることにより画像を記録するインクジェット
ヘッドに関するものである。
リンタに組み込まれ、記録紙にインク滴を所定パターン
に付着させることにより画像を記録するインクジェット
ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、記録紙に画像を形成するため
の記録デバイスとしてインクジェットヘッドが用いられ
ている。
の記録デバイスとしてインクジェットヘッドが用いられ
ている。
【0003】インクジェットヘッドの記録方式には、イ
ンク滴を記録紙に向けて吐出させるのに発熱抵抗体の発
する熱エネルギーを利用するものや圧電素子の変形を利
用するもの、更には電磁波の照射に伴って発生する熱を
利用するもの等があり、これらの中でも発熱抵抗体の熱
エネルギーを利用するサーマルジェットタイプのもの
は、発熱抵抗体のパターニングが容易である上に、小さ
な面積の発熱抵抗体であっても比較的大きな熱エネルギ
ーを発生させることができることから、高密度記録への
対応に適したものとして注目されている。
ンク滴を記録紙に向けて吐出させるのに発熱抵抗体の発
する熱エネルギーを利用するものや圧電素子の変形を利
用するもの、更には電磁波の照射に伴って発生する熱を
利用するもの等があり、これらの中でも発熱抵抗体の熱
エネルギーを利用するサーマルジェットタイプのもの
は、発熱抵抗体のパターニングが容易である上に、小さ
な面積の発熱抵抗体であっても比較的大きな熱エネルギ
ーを発生させることができることから、高密度記録への
対応に適したものとして注目されている。
【0004】かかるサーマルジェットタイプのインクジ
ェットヘッドとしては、例えば図4に示す如く、単結晶
シリコン等から成るベースプレート22の上面に複数個
の発熱抵抗体23を直線状に被着・配列させるととも
に、これら発熱抵抗体23上に保護層24及び耐キャビ
テーション層25を順次被着させたヘッド基板21上
に、前記発熱抵抗体23と1対1に対応する複数個のイ
ンク吐出孔27を有する天板26を、間に所定の間隙を
形成するようにして配設せしめ、ヘッド基板21−天板
26間の間隙にインク28を充填した構造のものが知ら
れており、記録紙を天板26の外表面に沿って搬送しな
がら、発熱抵抗体23を外部からの画像データに基づい
て個々に選択的にジュール発熱させ、発熱抵抗体23上
のインク28中で気泡Aを発生させるとともに、該発生
した気泡Aによる圧力でもって発熱抵抗体23上のイン
ク28をインク吐出孔27側へ押し上げ、インク28の
一部をインク吐出孔27より記録紙に向かって吐出させ
ることにより所定の画像が記録される。
ェットヘッドとしては、例えば図4に示す如く、単結晶
シリコン等から成るベースプレート22の上面に複数個
の発熱抵抗体23を直線状に被着・配列させるととも
に、これら発熱抵抗体23上に保護層24及び耐キャビ
テーション層25を順次被着させたヘッド基板21上
に、前記発熱抵抗体23と1対1に対応する複数個のイ
ンク吐出孔27を有する天板26を、間に所定の間隙を
形成するようにして配設せしめ、ヘッド基板21−天板
26間の間隙にインク28を充填した構造のものが知ら
れており、記録紙を天板26の外表面に沿って搬送しな
がら、発熱抵抗体23を外部からの画像データに基づい
て個々に選択的にジュール発熱させ、発熱抵抗体23上
のインク28中で気泡Aを発生させるとともに、該発生
した気泡Aによる圧力でもって発熱抵抗体23上のイン
ク28をインク吐出孔27側へ押し上げ、インク28の
一部をインク吐出孔27より記録紙に向かって吐出させ
ることにより所定の画像が記録される。
【0005】尚、前記ヘッド基板21の耐キャビテーシ
ョン層25は、インク28中で発生した気泡Aが消滅す
る際の衝撃によって保護層24の表面が磨耗するのを防
止するためのものであり、例えば、従来周知の真空蒸着
法やスパッタリング法,CVD(Chemical Vapor Depos
ition)法等の薄膜手法を採用し、タンタル(Ta)を
保護層24の上面に略一定の厚み(約0.2μm)に被
着させることで形成されていた。
ョン層25は、インク28中で発生した気泡Aが消滅す
る際の衝撃によって保護層24の表面が磨耗するのを防
止するためのものであり、例えば、従来周知の真空蒸着
法やスパッタリング法,CVD(Chemical Vapor Depos
ition)法等の薄膜手法を採用し、タンタル(Ta)を
保護層24の上面に略一定の厚み(約0.2μm)に被
着させることで形成されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のインクジェットヘッドのヘッド基板21には、保護
層24の磨耗防止を目的とした耐キャビテーション層2
5が設けてあるものの、耐キャビテーション層25の厚
みは約0.2μmと極めて薄く、この耐キャビテーショ
ン層自体も気泡消滅時の衝撃によって少しずつ削られ
る。特に、衝撃の強さが最も強い発熱抵抗体23の外周
部付近では耐キャビテーション層25の磨耗が著しいこ
とから、インクジェットヘッドを繰り返し使用している
うちに、耐キャビテーション層25の一部が環状に削り
取られ、その下に存する保護層24の表面が比較的早期
に露出するという欠点を有していた。
来のインクジェットヘッドのヘッド基板21には、保護
層24の磨耗防止を目的とした耐キャビテーション層2
5が設けてあるものの、耐キャビテーション層25の厚
みは約0.2μmと極めて薄く、この耐キャビテーショ
ン層自体も気泡消滅時の衝撃によって少しずつ削られ
る。特に、衝撃の強さが最も強い発熱抵抗体23の外周
部付近では耐キャビテーション層25の磨耗が著しいこ
とから、インクジェットヘッドを繰り返し使用している
うちに、耐キャビテーション層25の一部が環状に削り
取られ、その下に存する保護層24の表面が比較的早期
に露出するという欠点を有していた。
【0007】そこで上記欠点を解消するために、耐キャ
ビテーション層25の厚みを全体的に厚くすることで、
より長い時間、保護層24を耐キャビテーション層25
で覆っておくことが考えられる。
ビテーション層25の厚みを全体的に厚くすることで、
より長い時間、保護層24を耐キャビテーション層25
で覆っておくことが考えられる。
【0008】しかしながら、耐キャビテーション層25
を形成するタンタルを前述の薄膜手法によって例えば
0.5μm程度の厚みに成膜した場合、耐キャビテーシ
ョン層25の内部には大きな応力が蓄積されており、こ
のようなインクジェットヘッドを用いて記録動作を行な
うと、耐キャビテーション層25が発熱抵抗体23の発
する熱等によって保護層24の表面より容易に剥離する
という欠点が誘発される。
を形成するタンタルを前述の薄膜手法によって例えば
0.5μm程度の厚みに成膜した場合、耐キャビテーシ
ョン層25の内部には大きな応力が蓄積されており、こ
のようなインクジェットヘッドを用いて記録動作を行な
うと、耐キャビテーション層25が発熱抵抗体23の発
する熱等によって保護層24の表面より容易に剥離する
という欠点が誘発される。
【0009】本発明は上記欠点に鑑み案出されたもの
で、その目的は、ヘッド基板の保護層を耐キャビテーシ
ョン層でもって長期にわたり良好に被覆しておくことが
可能な耐久性に優れたインクジェットヘッドを提供する
ことにある。
で、その目的は、ヘッド基板の保護層を耐キャビテーシ
ョン層でもって長期にわたり良好に被覆しておくことが
可能な耐久性に優れたインクジェットヘッドを提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
ヘッドは、ベースプレートの上面に複数個の発熱抵抗体
を直線状に被着・配列させ、これら発熱抵抗体上に保護
層及び耐キャビテーション層を順次被着させたヘッド基
板と、前記ヘッド基板の上方に、間に所定の間隙を形成
するようにして配設される天板とを具備し、ヘッド基板
−天板間の間隙に充填されるインク中に、発熱抵抗体の
発する熱によって気泡を発生させるとともに、該気泡の
発生に伴いインク吐出孔よりインク滴を吐出させること
により印画を形成するインクジェットヘッドにおいて、
前記ヘッド基板の耐キャビテーション層が、厚み0.1
5μm〜0.25μmの基層部と、前記発熱抵抗体の外
周に沿って基層部上に一体的に設けられる環状の隆起部
とで形成されていることを特徴とするものである。
ヘッドは、ベースプレートの上面に複数個の発熱抵抗体
を直線状に被着・配列させ、これら発熱抵抗体上に保護
層及び耐キャビテーション層を順次被着させたヘッド基
板と、前記ヘッド基板の上方に、間に所定の間隙を形成
するようにして配設される天板とを具備し、ヘッド基板
−天板間の間隙に充填されるインク中に、発熱抵抗体の
発する熱によって気泡を発生させるとともに、該気泡の
発生に伴いインク吐出孔よりインク滴を吐出させること
により印画を形成するインクジェットヘッドにおいて、
前記ヘッド基板の耐キャビテーション層が、厚み0.1
5μm〜0.25μmの基層部と、前記発熱抵抗体の外
周に沿って基層部上に一体的に設けられる環状の隆起部
とで形成されていることを特徴とするものである。
【0011】また本発明のインクジェットヘッドは、前
記耐キャビテーション層が、タンタルを主成分とする無
機質材料から成ることを特徴とするものである。
記耐キャビテーション層が、タンタルを主成分とする無
機質材料から成ることを特徴とするものである。
【0012】更に本発明のインクジェットヘッドは、前
記隆起部の厚みが、0.10μm〜0.20μmに設定
されていることを特徴とするものである。
記隆起部の厚みが、0.10μm〜0.20μmに設定
されていることを特徴とするものである。
【0013】また更に本発明のインクジェットヘッド
は、インク中で発生した気泡の消滅に伴い、耐キャビテ
ーション層に印加される衝撃の強さが極大となる部位と
前記隆起部の形成部位とが合致させてあることを特徴と
するものである。
は、インク中で発生した気泡の消滅に伴い、耐キャビテ
ーション層に印加される衝撃の強さが極大となる部位と
前記隆起部の形成部位とが合致させてあることを特徴と
するものである。
【0014】本発明のインクジェットヘッドによれば、
ヘッド基板の保護層上に設けられる耐キャビテーション
層が、厚み0.15μm〜0.25μmの基層部と、発
熱抵抗体の外周に沿って前記基層部上に一体的に設けら
れる環状の隆起部とで形成されており、耐キャビテーシ
ョン層の厚みは、インク中で発生した気泡の消滅に伴う
衝撃が最も強くなる発熱抵抗体の外周部付近で他の部位
よりも厚く設定されているため、インクジェットヘッド
を繰り返し使用した際に耐キャビテーション層が発熱抵
抗体の外周部付近で著しく磨耗したとしても、この部分
が早期に消失してしまうことはなく、保護層を耐キャビ
テーション層でもって長期にわたり良好に被覆しておく
ことができる。従って、耐久性に優れたインクジェット
ヘッドが得られるようになる。
ヘッド基板の保護層上に設けられる耐キャビテーション
層が、厚み0.15μm〜0.25μmの基層部と、発
熱抵抗体の外周に沿って前記基層部上に一体的に設けら
れる環状の隆起部とで形成されており、耐キャビテーシ
ョン層の厚みは、インク中で発生した気泡の消滅に伴う
衝撃が最も強くなる発熱抵抗体の外周部付近で他の部位
よりも厚く設定されているため、インクジェットヘッド
を繰り返し使用した際に耐キャビテーション層が発熱抵
抗体の外周部付近で著しく磨耗したとしても、この部分
が早期に消失してしまうことはなく、保護層を耐キャビ
テーション層でもって長期にわたり良好に被覆しておく
ことができる。従って、耐久性に優れたインクジェット
ヘッドが得られるようになる。
【0015】また本発明のインクジェットヘッドによれ
ば、耐キャビテーション層の磨耗が著しい発熱抵抗体の
外周部付近でのみ耐キャビテーション層の厚みを厚く
し、その他の部位を0.15μm〜0.25μmの厚み
で薄く形成するようにしたことから、耐キャビテーショ
ン層を形成するタンタル等を従来周知の薄膜手法によっ
て成膜した際に耐キャビテーション層の内部に蓄積され
る応力は比較的小さく抑えられるようになり、耐キャビ
テーション層が保護層より剥離しようとするのを有効に
防止することができるようになる。従って、耐キャビテ
ーション層を保護層の上面に対し長期にわたって強固に
被着させておくことが可能となり、これによってもイン
クジェットヘッドの耐久性が向上される。
ば、耐キャビテーション層の磨耗が著しい発熱抵抗体の
外周部付近でのみ耐キャビテーション層の厚みを厚く
し、その他の部位を0.15μm〜0.25μmの厚み
で薄く形成するようにしたことから、耐キャビテーショ
ン層を形成するタンタル等を従来周知の薄膜手法によっ
て成膜した際に耐キャビテーション層の内部に蓄積され
る応力は比較的小さく抑えられるようになり、耐キャビ
テーション層が保護層より剥離しようとするのを有効に
防止することができるようになる。従って、耐キャビテ
ーション層を保護層の上面に対し長期にわたって強固に
被着させておくことが可能となり、これによってもイン
クジェットヘッドの耐久性が向上される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づい
て詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に係るイ
ンクジェットヘッドの斜視図、図2(a)は図1のイン
クジェットヘッドの縦断面図、図2(b)は図1のイン
クジェットヘッドの横断面図、図3は図1のインクジェ
ットヘッドに使用されるヘッド基板の平面図であり、1
はヘッド基板、7は隔壁部材、8は天板、10はインク
である。
て詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に係るイ
ンクジェットヘッドの斜視図、図2(a)は図1のイン
クジェットヘッドの縦断面図、図2(b)は図1のイン
クジェットヘッドの横断面図、図3は図1のインクジェ
ットヘッドに使用されるヘッド基板の平面図であり、1
はヘッド基板、7は隔壁部材、8は天板、10はインク
である。
【0017】前記ヘッド基板1は、矩形状をなすように
形成されたベースプレート2の上面に、複数個の発熱抵
抗体3を直線状に被着・配列させるとともに、該発熱抵
抗体3の両端に通電用の電極4を接続し、これら発熱抵
抗体3等の上に保護層5と耐キャビテーション層6とを
順次被着させた構造を有している。
形成されたベースプレート2の上面に、複数個の発熱抵
抗体3を直線状に被着・配列させるとともに、該発熱抵
抗体3の両端に通電用の電極4を接続し、これら発熱抵
抗体3等の上に保護層5と耐キャビテーション層6とを
順次被着させた構造を有している。
【0018】前記ベースプレート2は、単結晶シリコン
等の半導体材料、或いは、アルミナセラミックス等の電
気絶縁性材料によって形成されており、その上面で発熱
抵抗体3等を支持するための支持母材として機能する。
等の半導体材料、或いは、アルミナセラミックス等の電
気絶縁性材料によって形成されており、その上面で発熱
抵抗体3等を支持するための支持母材として機能する。
【0019】このようなベースプレート2は、例えば単
結晶シリコンから成る場合、従来周知のチョコラルスキ
ー法(引き上げ法)等を採用することによって単結晶シ
リコンのインゴット(塊)を形成し、これを所定厚みに
スライスした上、外形加工することによって製作され
る。尚、この場合、得られたベースプレート2の表面に
は、例えば、酸化シリコン(SiO2)等の電気絶縁性
材料から成る絶縁膜(図示せず)が1μm〜3μmの厚
みに設けられ、このような絶縁膜によってベースプレー
ト2を形成する単結晶シリコンと発熱抵抗体3等とが電
気的に絶縁されている。
結晶シリコンから成る場合、従来周知のチョコラルスキ
ー法(引き上げ法)等を採用することによって単結晶シ
リコンのインゴット(塊)を形成し、これを所定厚みに
スライスした上、外形加工することによって製作され
る。尚、この場合、得られたベースプレート2の表面に
は、例えば、酸化シリコン(SiO2)等の電気絶縁性
材料から成る絶縁膜(図示せず)が1μm〜3μmの厚
みに設けられ、このような絶縁膜によってベースプレー
ト2を形成する単結晶シリコンと発熱抵抗体3等とが電
気的に絶縁されている。
【0020】また前記ベースプレート2の上面に設けら
れている複数個の発熱抵抗体3は、例えば600dpi
(dot per inch)の密度で主走査方向に直線状に配列さ
れており、その各々がTaNやTaSiO,TaSiN
O,TiSiO,TiSiCO,NbSiO等の電気抵
抗材料により形成されているため、通電用の電極4を介
して電源電力が供給されるとジュール発熱を起こし、イ
ンク10中で気泡Aを発生させるのに必要な所定の熱エ
ネルギーを発生する。
れている複数個の発熱抵抗体3は、例えば600dpi
(dot per inch)の密度で主走査方向に直線状に配列さ
れており、その各々がTaNやTaSiO,TaSiN
O,TiSiO,TiSiCO,NbSiO等の電気抵
抗材料により形成されているため、通電用の電極4を介
して電源電力が供給されるとジュール発熱を起こし、イ
ンク10中で気泡Aを発生させるのに必要な所定の熱エ
ネルギーを発生する。
【0021】更に前記発熱抵抗体3の両端に接続される
電極4は、先に述べた発熱抵抗体3に電源電力を印加す
るための給電配線として機能するものであり、図示しな
いドライバーICやフレキシブル配線板等の外部電気回
路を介して外部電源と電気的に接続され、ドライバーI
C内に設けられているスイッチング素子のオン・オフを
制御することによって電源電圧が発熱抵抗体3に選択的
に印加される。
電極4は、先に述べた発熱抵抗体3に電源電力を印加す
るための給電配線として機能するものであり、図示しな
いドライバーICやフレキシブル配線板等の外部電気回
路を介して外部電源と電気的に接続され、ドライバーI
C内に設けられているスイッチング素子のオン・オフを
制御することによって電源電圧が発熱抵抗体3に選択的
に印加される。
【0022】尚、上述した発熱抵抗体3や電極4は、従
来周知の薄膜手法、具体的には、TaN等の電気抵抗材
料とアルミニウム等の金属とを従来周知のスパッタリン
グ法てベースプレート2の上面に順次被着させ、これら
をフォトリソグラフィー及びエッチング技術を採用し、
微細加工することによって所定パターンに形成される。
来周知の薄膜手法、具体的には、TaN等の電気抵抗材
料とアルミニウム等の金属とを従来周知のスパッタリン
グ法てベースプレート2の上面に順次被着させ、これら
をフォトリソグラフィー及びエッチング技術を採用し、
微細加工することによって所定パターンに形成される。
【0023】また上述した発熱抵抗体3や電極4上には
設けられる保護層5は、インク10中に含まれているイ
オン(OH-,K+等)や水分等が発熱抵抗体3や電極4
等に接触してこれらを腐食するのを有効に防止するため
のものであり、Si3N4(窒化珪素)やSiO2(酸化
珪素),SiON等の無機質材料によって例えば0.2
μm〜2.0μmの厚みに形成される。
設けられる保護層5は、インク10中に含まれているイ
オン(OH-,K+等)や水分等が発熱抵抗体3や電極4
等に接触してこれらを腐食するのを有効に防止するため
のものであり、Si3N4(窒化珪素)やSiO2(酸化
珪素),SiON等の無機質材料によって例えば0.2
μm〜2.0μmの厚みに形成される。
【0024】このような保護層5は、従来周知のスパッ
タリング法やCVD法,真空蒸着法等の薄膜手法を採用
し、発熱抵抗体3や電極4等を被着させたベースプレー
ト2の上面に上述の無機質材料を所定厚みに被着させる
ことにより形成される。
タリング法やCVD法,真空蒸着法等の薄膜手法を採用
し、発熱抵抗体3や電極4等を被着させたベースプレー
ト2の上面に上述の無機質材料を所定厚みに被着させる
ことにより形成される。
【0025】更にまた前記保護層5上に被着される耐キ
ャビテーション層6は、タンタル(Ta)を主成分とす
る無機質材料によって各発熱抵抗体3上に1個ずつ独立
して形成されており、その各々は、厚み0.15μm〜
0.25μmの基層部6aと、発熱抵抗体3の外周に沿
って基層部6a上に一体的に設けられる環状の隆起部6
bとで形成されている。
ャビテーション層6は、タンタル(Ta)を主成分とす
る無機質材料によって各発熱抵抗体3上に1個ずつ独立
して形成されており、その各々は、厚み0.15μm〜
0.25μmの基層部6aと、発熱抵抗体3の外周に沿
って基層部6a上に一体的に設けられる環状の隆起部6
bとで形成されている。
【0026】前記耐キャビテーション層6は、インク1
0中で発生した気泡Aが消滅する際の衝撃によって保護
層5の表面が磨耗するのを防止するためのものであり、
インク10中で発生した気泡Aの消滅に伴い、耐キャビ
テーション層6に印加される衝撃の強さが極大となる部
位に上述の隆起部6bが例えば0.10μm〜0.20
μmの厚みに形成されている。
0中で発生した気泡Aが消滅する際の衝撃によって保護
層5の表面が磨耗するのを防止するためのものであり、
インク10中で発生した気泡Aの消滅に伴い、耐キャビ
テーション層6に印加される衝撃の強さが極大となる部
位に上述の隆起部6bが例えば0.10μm〜0.20
μmの厚みに形成されている。
【0027】このような耐キャビテーション層6は、イ
ンク10中で発生する気泡Aの消滅に伴う衝撃の強さが
最も強い発熱抵抗体3の外周部付近で他の部位よりも厚
く形成されているため、インクジェットヘッドを繰り返
し使用した際に耐キャビテーション層6が発熱抵抗体3
の外周部付近で著しく磨耗したとしても、この部分だけ
が早期に消失してしまうことはなく、保護層5を耐キャ
ビテーション層6で長期にわたり良好に被覆しておくこ
とができる。これにより、耐久性に優れたインクジェッ
トヘッドが得られる。
ンク10中で発生する気泡Aの消滅に伴う衝撃の強さが
最も強い発熱抵抗体3の外周部付近で他の部位よりも厚
く形成されているため、インクジェットヘッドを繰り返
し使用した際に耐キャビテーション層6が発熱抵抗体3
の外周部付近で著しく磨耗したとしても、この部分だけ
が早期に消失してしまうことはなく、保護層5を耐キャ
ビテーション層6で長期にわたり良好に被覆しておくこ
とができる。これにより、耐久性に優れたインクジェッ
トヘッドが得られる。
【0028】また前記耐キャビテーション層6は、気泡
消滅時の衝撃による磨耗が著しい発熱抵抗体3の外周部
付近でのみ厚く形成され、その他の部位は0.15μm
〜0.25μm程度の膜厚で薄く形成されているため、
耐キャビテーション層6を形成するタンタルを従来周知
の薄膜手法によって保護層5上に成膜する際、耐キャビ
テーション層6の内部に蓄積される応力は極めて小さく
抑えられ、記録動作に際して発熱抵抗体3の発する熱等
によって耐キャビテーション層6が保護層5より剥離す
るのを有効に防止することができる。従って、耐キャビ
テーション層6を保護層5の上面に対して長期にわたり
強固に被着させておくことが可能となり、これによって
もインクジェットヘッドの耐久性が向上されるようにな
る。
消滅時の衝撃による磨耗が著しい発熱抵抗体3の外周部
付近でのみ厚く形成され、その他の部位は0.15μm
〜0.25μm程度の膜厚で薄く形成されているため、
耐キャビテーション層6を形成するタンタルを従来周知
の薄膜手法によって保護層5上に成膜する際、耐キャビ
テーション層6の内部に蓄積される応力は極めて小さく
抑えられ、記録動作に際して発熱抵抗体3の発する熱等
によって耐キャビテーション層6が保護層5より剥離す
るのを有効に防止することができる。従って、耐キャビ
テーション層6を保護層5の上面に対して長期にわたり
強固に被着させておくことが可能となり、これによって
もインクジェットヘッドの耐久性が向上されるようにな
る。
【0029】尚、上述のような耐キャビテーション層6
は、従来周知の薄膜手法によって所定形状をなすように
形成される。具体的には、まず真空蒸着法やスパッタリ
ング法等を採用し、保護層5の上面にタンタルを0.1
5μm〜0.25μmの厚みに被着させることにより基
層部6aを形成し、その上に真空蒸着法やフォトリソグ
ラフィー,エッチング技術等によってタンタルを0.1
0μm〜0.20μmの厚みで環状に被着させることに
より隆起部6bが形成される。かかる環状隆起部6bの
幅wは発熱抵抗体3の長辺が30μmの場合、その15
%〜25%に相当する4.5μm〜7.5μmに設定し
ておくことが好ましい。
は、従来周知の薄膜手法によって所定形状をなすように
形成される。具体的には、まず真空蒸着法やスパッタリ
ング法等を採用し、保護層5の上面にタンタルを0.1
5μm〜0.25μmの厚みに被着させることにより基
層部6aを形成し、その上に真空蒸着法やフォトリソグ
ラフィー,エッチング技術等によってタンタルを0.1
0μm〜0.20μmの厚みで環状に被着させることに
より隆起部6bが形成される。かかる環状隆起部6bの
幅wは発熱抵抗体3の長辺が30μmの場合、その15
%〜25%に相当する4.5μm〜7.5μmに設定し
ておくことが好ましい。
【0030】そして、上述したヘッド基板1上には、所
定形状にパターンニングされた樹脂製の隔壁部材7と、
複数個のインク吐出孔9を有する天板8とが順次、載置
され、ヘッド基板1−天板8間で、隔壁部材7の存在し
ない領域にインク10が充填される。
定形状にパターンニングされた樹脂製の隔壁部材7と、
複数個のインク吐出孔9を有する天板8とが順次、載置
され、ヘッド基板1−天板8間で、隔壁部材7の存在し
ない領域にインク10が充填される。
【0031】前記隔壁部材7は、隣接する発熱抵抗体間
に両者を隔てるように配置される複数個の隔壁部と、発
熱抵抗体3の配列領域よりも個別電極4側に発熱抵抗体
3の配列に沿って帯状に配置される帯状部とで構成され
ており、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂
等の比較的硬質の樹脂により例えば5μm〜50μmの
厚みに形成され、その下面をヘッド基板1の上面(保護
層5の上面)に、上面を天板8の内表面にそれぞれ接着
させた状態でヘッド基板1−天板8間に介在されてい
る。
に両者を隔てるように配置される複数個の隔壁部と、発
熱抵抗体3の配列領域よりも個別電極4側に発熱抵抗体
3の配列に沿って帯状に配置される帯状部とで構成され
ており、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂
等の比較的硬質の樹脂により例えば5μm〜50μmの
厚みに形成され、その下面をヘッド基板1の上面(保護
層5の上面)に、上面を天板8の内表面にそれぞれ接着
させた状態でヘッド基板1−天板8間に介在されてい
る。
【0032】この隔壁部材7は、隣接する発熱抵抗体間
を隔てるように所定の厚みをもって形成されているた
め、ヘッド基板1−天板8間の間隔を一定に保つスペー
サとして機能するとともに、インク10中で発生する気
泡Aからの圧力が主走査方向(発熱抵抗体3の配列方
向)に分散するのを有効に防止する作用を為し、これに
よって気泡生成時に発生する圧力の多くをインク滴iの
吐出に寄与させている。
を隔てるように所定の厚みをもって形成されているた
め、ヘッド基板1−天板8間の間隔を一定に保つスペー
サとして機能するとともに、インク10中で発生する気
泡Aからの圧力が主走査方向(発熱抵抗体3の配列方
向)に分散するのを有効に防止する作用を為し、これに
よって気泡生成時に発生する圧力の多くをインク滴iの
吐出に寄与させている。
【0033】このような隔壁部材7は、例えば、液状に
成したエポキシ樹脂の前駆体を従来周知のスピンコート
法等によってヘッド基板1の上面全体に所定厚みに塗布
し、これを加熱・重合した後、従来周知のフォトリソグ
ラフィーやエッチング等を採用し、所定パターンに加工
することによって形成される。
成したエポキシ樹脂の前駆体を従来周知のスピンコート
法等によってヘッド基板1の上面全体に所定厚みに塗布
し、これを加熱・重合した後、従来周知のフォトリソグ
ラフィーやエッチング等を採用し、所定パターンに加工
することによって形成される。
【0034】また一方、前記天板8は、ヘッド基板1の
上面と隔壁部材7の壁面とで囲まれた領域に設けられる
インク流路を塞ぐためのものであり、該天板8のインク
吐出孔9は、ヘッド基板1上の発熱抵抗体3と1対1に
対応するようにして設けられ、対応する発熱抵抗体3の
真上に位置設定される。
上面と隔壁部材7の壁面とで囲まれた領域に設けられる
インク流路を塞ぐためのものであり、該天板8のインク
吐出孔9は、ヘッド基板1上の発熱抵抗体3と1対1に
対応するようにして設けられ、対応する発熱抵抗体3の
真上に位置設定される。
【0035】前記インク吐出孔9は、インクジェットヘ
ッドの記録動作時、インク滴iを記録紙に向けて吐出す
るためのものであり、各々のインク吐出孔9の直径は1
0μm〜100μm程度の大きさに設定され、発熱抵抗
体3と同じ密度で主走査方向に配列される。
ッドの記録動作時、インク滴iを記録紙に向けて吐出す
るためのものであり、各々のインク吐出孔9の直径は1
0μm〜100μm程度の大きさに設定され、発熱抵抗
体3と同じ密度で主走査方向に配列される。
【0036】尚、前記天板8は、モリブデン等から成る
金属製の板体、アルミナセラミックス等から成るセラミ
ック製の板体、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の樹脂
製の板体、或いは、上記の材料を組み合わせることによ
って形成され、例えばモリブデンから成る場合、モリブ
デンのインゴット(塊)を従来周知の金属加工法により
板状に成形するとともに該板体の所定箇所に従来周知の
エッチング技術等により孔あけを行ってインク吐出孔9
を穿設することにより製作され、得られた天板8を隔壁
部材7等を介してヘッド基板1上に載置・接着させるこ
とにより天板8がヘッド基板1上の所定位置に固定され
る。
金属製の板体、アルミナセラミックス等から成るセラミ
ック製の板体、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の樹脂
製の板体、或いは、上記の材料を組み合わせることによ
って形成され、例えばモリブデンから成る場合、モリブ
デンのインゴット(塊)を従来周知の金属加工法により
板状に成形するとともに該板体の所定箇所に従来周知の
エッチング技術等により孔あけを行ってインク吐出孔9
を穿設することにより製作され、得られた天板8を隔壁
部材7等を介してヘッド基板1上に載置・接着させるこ
とにより天板8がヘッド基板1上の所定位置に固定され
る。
【0037】このとき、耐キャビテーション層6は個々
の発熱抵抗体3上に1個ずつ独立して設けられており、
隔壁部材7が載置される領域に耐キャビテーション層6
は存在していないため、隔壁部材7はヘッド基板1に対
して極めて良好に接着されることとなる。
の発熱抵抗体3上に1個ずつ独立して設けられており、
隔壁部材7が載置される領域に耐キャビテーション層6
は存在していないため、隔壁部材7はヘッド基板1に対
して極めて良好に接着されることとなる。
【0038】そして前記ヘッド基板1の上面、天板8の
内表面及び隔壁部材7の壁面で囲まれる領域に充填され
るインク10としては、例えば水性染料インク等が好適
に使用され、その粘度は、例えば0.3mPa・s〜
3.0mPa・s(25℃)に調整される。
内表面及び隔壁部材7の壁面で囲まれる領域に充填され
るインク10としては、例えば水性染料インク等が好適
に使用され、その粘度は、例えば0.3mPa・s〜
3.0mPa・s(25℃)に調整される。
【0039】このようなインク10は、図示しないイン
クタンクからヘッド基板1−天板8間の間隙に供給され
るようになっており、前述した発熱抵抗体3からの熱エ
ネルギーによってインク10中に気泡Aが発生すると、
気泡発生時の圧力によってインク10がインク吐出孔9
側に押し上げられ、インク滴iがインク吐出孔9より外
部に吐出される。そして、これらのインク滴iを天板8
の外表面に沿って搬送される記録紙に付着させることに
よって所定の印画が形成される。
クタンクからヘッド基板1−天板8間の間隙に供給され
るようになっており、前述した発熱抵抗体3からの熱エ
ネルギーによってインク10中に気泡Aが発生すると、
気泡発生時の圧力によってインク10がインク吐出孔9
側に押し上げられ、インク滴iがインク吐出孔9より外
部に吐出される。そして、これらのインク滴iを天板8
の外表面に沿って搬送される記録紙に付着させることに
よって所定の印画が形成される。
【0040】尚、本発明は上述した実施形態に限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て種々の変更、改良等が可能である。
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て種々の変更、改良等が可能である。
【0041】例えば上述の実施形態においては、耐キャ
ビテーション層6を個々の発熱抵抗体3上に1個ずつ独
立して設けるようにしたが、これに代えて、耐キャビテ
ーション層6の基層部6aを発熱抵抗体3の配列方向に
わたり連続的に繋げて形成するようにしても構わない。
ビテーション層6を個々の発熱抵抗体3上に1個ずつ独
立して設けるようにしたが、これに代えて、耐キャビテ
ーション層6の基層部6aを発熱抵抗体3の配列方向に
わたり連続的に繋げて形成するようにしても構わない。
【0042】また上述の実施形態においては、隔壁部材
7と天板8とを別々に形成し、これらをヘッド基板1上
に順次、載置させることによってインクジェットヘッド
を構成するようにしたが、これに代えて、隔壁部材と天
板とを同一の樹脂材料等で一体的に形成するようにして
も構わない。
7と天板8とを別々に形成し、これらをヘッド基板1上
に順次、載置させることによってインクジェットヘッド
を構成するようにしたが、これに代えて、隔壁部材と天
板とを同一の樹脂材料等で一体的に形成するようにして
も構わない。
【0043】更に上述の実施形態においては、天板8の
インク吐出孔9を対応する発熱抵抗体3の真上に位置さ
せるようにしたが、これに代えて、インク吐出孔を発熱
抵抗体の真上よりずらして配置させてたり、或いは、ヘ
ッド基板1の上面と平行な方向にインクを吐出させる
“エッジシュータータイプ”のインクジェットヘッドに
適用しても良い。
インク吐出孔9を対応する発熱抵抗体3の真上に位置さ
せるようにしたが、これに代えて、インク吐出孔を発熱
抵抗体の真上よりずらして配置させてたり、或いは、ヘ
ッド基板1の上面と平行な方向にインクを吐出させる
“エッジシュータータイプ”のインクジェットヘッドに
適用しても良い。
【0044】
【発明の効果】本発明のインクジェットヘッドによれ
ば、ヘッド基板の保護層上に設けられる耐キャビテーシ
ョン層が、厚み0.15μm〜0.25μmの基層部
と、発熱抵抗体の外周に沿って前記基層部上に一体的に
設けられる環状の隆起部とで形成されており、耐キャビ
テーション層の厚みは、インク中で発生した気泡の消滅
に伴う衝撃が最も強くなる発熱抵抗体の外周部付近で他
の部位よりも厚く設定されているため、インクジェット
ヘッドを繰り返し使用した際に耐キャビテーション層が
発熱抵抗体の外周部付近で著しく磨耗したとしても、こ
の部分が早期に消失してしまうことはなく、保護層を耐
キャビテーション層でもって長期にわたり良好に被覆し
ておくことができる。従って、耐久性に優れたインクジ
ェットヘッドが得られるようになる。
ば、ヘッド基板の保護層上に設けられる耐キャビテーシ
ョン層が、厚み0.15μm〜0.25μmの基層部
と、発熱抵抗体の外周に沿って前記基層部上に一体的に
設けられる環状の隆起部とで形成されており、耐キャビ
テーション層の厚みは、インク中で発生した気泡の消滅
に伴う衝撃が最も強くなる発熱抵抗体の外周部付近で他
の部位よりも厚く設定されているため、インクジェット
ヘッドを繰り返し使用した際に耐キャビテーション層が
発熱抵抗体の外周部付近で著しく磨耗したとしても、こ
の部分が早期に消失してしまうことはなく、保護層を耐
キャビテーション層でもって長期にわたり良好に被覆し
ておくことができる。従って、耐久性に優れたインクジ
ェットヘッドが得られるようになる。
【0045】また本発明のインクジェットヘッドによれ
ば、耐キャビテーション層の磨耗が著しい発熱抵抗体の
外周部付近でのみ耐キャビテーション層の厚みを厚く
し、その他の部位を0.15μm〜0.25μmの厚み
で薄く形成するようにしたことから、耐キャビテーショ
ン層を形成するタンタル等を従来周知の薄膜手法によっ
て成膜した際に耐キャビテーション層の内部に蓄積され
る応力は比較的小さく抑えられるようになり、耐キャビ
テーション層が保護層より剥離しようとするのを有効に
防止することができるようになる。従って、耐キャビテ
ーション層を保護層の上面に対し長期にわたって強固に
被着させておくことが可能となり、これによってもイン
クジェットヘッドの耐久性が向上される。
ば、耐キャビテーション層の磨耗が著しい発熱抵抗体の
外周部付近でのみ耐キャビテーション層の厚みを厚く
し、その他の部位を0.15μm〜0.25μmの厚み
で薄く形成するようにしたことから、耐キャビテーショ
ン層を形成するタンタル等を従来周知の薄膜手法によっ
て成膜した際に耐キャビテーション層の内部に蓄積され
る応力は比較的小さく抑えられるようになり、耐キャビ
テーション層が保護層より剥離しようとするのを有効に
防止することができるようになる。従って、耐キャビテ
ーション層を保護層の上面に対し長期にわたって強固に
被着させておくことが可能となり、これによってもイン
クジェットヘッドの耐久性が向上される。
【図1】本発明の一実施形態に係るインクジェットヘッ
ドの斜視図である。
ドの斜視図である。
【図2】(a)は図1のインクジェットヘッドの縦断面
図、(b)は図1のインクジェットヘッドの横断面図で
ある。
図、(b)は図1のインクジェットヘッドの横断面図で
ある。
【図3】図1のインクジェットヘッドに使用されるヘッ
ド基板の平面図である。
ド基板の平面図である。
【図4】従来のインクジェットヘッドの断面図である。
1・・・ヘッド基板、2・・・ベースプレート、3・・
・発熱抵抗体、4・・・電極、5・・・保護層、6・・
・耐キャビテーション層、6a・・・基層部、6b・・
・隆起部、7・・・隔壁部材、8・・・天板8・・・イ
ンク吐出孔9・・・インク、A・・・気泡、i・・・イ
ンク滴
・発熱抵抗体、4・・・電極、5・・・保護層、6・・
・耐キャビテーション層、6a・・・基層部、6b・・
・隆起部、7・・・隔壁部材、8・・・天板8・・・イ
ンク吐出孔9・・・インク、A・・・気泡、i・・・イ
ンク滴
Claims (4)
- 【請求項1】ベースプレートの上面に複数個の発熱抵抗
体を直線状に被着・配列させ、これら発熱抵抗体上に保
護層及び耐キャビテーション層を順次被着させたヘッド
基板と、 前記ヘッド基板の上方に、間に所定の間隙を形成するよ
うにして配設される天板とを具備し、 ヘッド基板−天板間の間隙に充填されるインク中に、発
熱抵抗体の発する熱によって気泡を発生させるととも
に、該気泡の発生に伴いインク吐出孔よりインク滴を吐
出させることにより印画を形成するインクジェットヘッ
ドにおいて、 前記ヘッド基板の耐キャビテーション層が、厚み0.1
5μm〜0.25μmの基層部と、前記発熱抵抗体の外
周に沿って基層部上に一体的に設けられる環状の隆起部
とで形成されていることを特徴とするインクジェットヘ
ッド。 - 【請求項2】前記耐キャビテーション層が、タンタルを
主成分とする無機質材料から成ることを特徴とする請求
項1に記載のインクジェットヘッド。 - 【請求項3】前記隆起部の厚みが、0.10μm〜0.
20μmに設定されていることを特徴とする請求項1ま
たは請求項2に記載のインクジェットヘッド。 - 【請求項4】インク中で発生した気泡の消滅に伴い、耐
キャビテーション層に印加される衝撃の強さが極大とな
る部位と前記隆起部の形成部位とが合致させてあること
を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の
インクジェットヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001330398A JP2003127379A (ja) | 2001-10-29 | 2001-10-29 | インクジェットヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001330398A JP2003127379A (ja) | 2001-10-29 | 2001-10-29 | インクジェットヘッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003127379A true JP2003127379A (ja) | 2003-05-08 |
Family
ID=19146121
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001330398A Pending JP2003127379A (ja) | 2001-10-29 | 2001-10-29 | インクジェットヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003127379A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1547778A3 (en) * | 2003-12-26 | 2006-05-31 | Canon Kabushiki Kaisha | Ink jet head, method for driving the same, and ink jet recording apparatus |
-
2001
- 2001-10-29 JP JP2001330398A patent/JP2003127379A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1547778A3 (en) * | 2003-12-26 | 2006-05-31 | Canon Kabushiki Kaisha | Ink jet head, method for driving the same, and ink jet recording apparatus |
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