JP2907956B2 - 液体噴射記録ヘッド用基体、該基体を用いた液体噴射記録ヘッド及び該液体噴射記録ヘッドを備えた液体噴射記録装置 - Google Patents

液体噴射記録ヘッド用基体、該基体を用いた液体噴射記録ヘッド及び該液体噴射記録ヘッドを備えた液体噴射記録装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、熱エネルギーによって液体中に気泡を形成
し、そのとき生じる圧力によって吐出口から液体を吐出
させて飛翔的液滴を形成し、この液滴を被記録面に付着
させて文字・画像等の情報の記録を行う液体噴射記録ヘ
ッド装置に関し、さらに、該装置に用いる液体噴射記録
ヘッド及び該液体噴射記録ヘッド形成用の基体に関す
る。
〔従来の技術〕
熱エネルギーを液体の吐出に利用する液体噴射記録ヘ
ッドの構造としては、例えば、第7図(A)、(B)に
示すものが知られている。
この記録ヘッド1は、支持体2上に、下部層3、発熱
抵抗層4、電極層11、12および上部層5とを設けた構成
を有する基体15上に、熱発生部6上方の熱作用面8に対
応させて、少なくとも吐出口14、及び該吐出口に連通す
る液路13を設けた構成を有する。
この記録ヘッドにおける、熱エネルギー発生体は、発
熱抵抗層4及び電極層11、12により熱発生部6を形成し
た構成を有する電気熱変換体である。
この電気熱変換体は、記録用の液滴の形成のための熱
エネルギー作用部である熱作用部7において、エネルギ
ー作用面としての熱作用面8を介して、矢印A方向から
溝付板部材9で形成された液吐出部10に導入される液体
と接触している。
このような構成は、発生される液滴形成エネルギーと
しての熱エネルギーを熱作用部7にある液体に有効に、
且つ効率良く作用させる目的から採用されているもので
ある。
特に下部層3は、発熱抵抗層4で発生した熱エネルギ
ーを熱作用面8を介して効率よく液体に作用させる為
に、熱伝導性の低い材料であることが好ましい。
すなわち、下部層3は、発熱抵抗層4の熱発生部6で
発生した熱が、支持体2側へ逃げるのをある程度防ぐ役
割を持っている。この様な材料として例えば、SiO2等の
無機酸化物、酸化チタン、酸化ニオプ等の遷移金属酸化
物等が用いられている。
また、使用される記録用の液体の種類にもよるが、水
を液媒体とするような記録液を使用する場合には、その
記録液を通じた電極11、12間の電気的リークの防止、発
熱抵抗層4の記録液からの保護、記録液と接触すること
による発熱抵抗層4の熱的酸化の防止などの目的から、
少なくとも発熱抵抗層4上に上部層5が設けられる。
この記録ヘッド1での液滴形成は、以下のようにして
行われる。
電極11、12によって、発熱抵抗層4のこれらの電極の
端部間に配置された熱発生部6に通電すると、液滴形成
のために利用されるエネルギーとしての熱エネルギーが
発生し、熱作用面8から熱作用部7にある記録液に伝え
られる。この熱エネルギーの作用を受けた熱作用部7に
ある記録液は急激な体積の増大を伴う状態変化、即ち、
熱作用部7にある記録液が数μsec程度という非常に瞬
時間の中に気化状態に達する状態変化を起こし、熱作用
部7において、瞬時の内に気泡の発生とその成長が起
り、その結果記録液が液滴として吐出口14から吐出され
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来例では、熱伝導率の低い下部層3が支持体2
上の全面に設けられていることによって、液滴を吐出さ
せる為に熱発生部で生じさせた熱エネルギーは、熱作用
面8側に伝導され易くなり、熱作用部7にある液体に効
率よく作用させることが可能となった。
ところが、このような効果が得られる反面、支持体2
側への放熱が悪くなるため、吐出周波数を上げたり、液
路をマルチ化した場合に、ヘッド内での蓄熱が起き、ヘ
ッドの駆動時間に応じてヘッド温度が上昇して充分な特
性が得られなくなったり、吐出液滴の容量や吐出速度が
変わる為に充分な画像品位が安定して得られなくなる等
の問題を生じる場合があった。
この蓄熱現象は、液滴を吐出させる為に発生する熱量
が、放熱する熱量よりも大きくなった際に生じるものと
考えられる。
このような蓄熱による問題を有する記録ヘッドは、高
吐出周波数を使用する記録方法や、液路の高マルチ化に
十分対応できるものとは言えなかった。
本発明の目的は、熱エネルギーを液体の吐出に利用す
るタイプの液体噴射記録ヘッドにおける上述の蓄熱現象
に起因する問題を解決し得る構造を有する液体噴射記録
ヘッド、該記録ヘッド形成用基体及び該記録ヘッドを備
えた液体噴射記録装置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の液体噴射記録ヘッド用基体は、液体を吐出す
るために利用される熱エネルギーを熱発生部から発生す
る熱エネルギー発生体と、該熱エネルギー発生体を備え
る支持体と、を有する液体噴射記録ヘッド用基体におい
て、前記熱エネルギー発生体と前記支持体との間の前記
熱発生部の下部領域のみに設けられ、且つ前記支持体よ
りも熱伝導率の低い材料からなる蓄熱部と、該蓄熱部の
周囲にて隣接する前駆蓄熱部より熱伝導率が高い周囲部
と、を有していることを特徴とする。また、本発明の液
体噴射記録ヘッドは、上記構成の液体噴射記録ヘッド用
基体上に、該基体が有する熱発生部に対応して、液体の
吐出口に連通する液路を設けた構成を有し、該熱発生部
で発生する熱エネルギーを前記吐出口から液体を吐出す
るために利用することを特徴とする。更に、本発明の液
体噴射記録装置は、上記構成の液体噴射記録ヘッドと、
該ヘッドを載置する部材とを有することを特徴とする。
前記熱発生部の下部領域に相当する前記蓄熱部の熱伝
導率は、液滴吐出に際しての良好な熱効率が得られる程
度に設定され、熱発生部の面積や発熱量によっても異な
るが、例えば0.5W/m・k〜500W/m・k(300k)とされ
る。
また熱発生部下部領域である蓄熱部の熱伝導率とその
他の領域の熱伝導率の差は、上述した蓄熱現象を効果的
に防止できる程度に設定すれば良く、例えば熱発生部の
面積、発熱量等に応じて適宜設定する。
例えば、前記熱発生部下部領域である蓄熱部の熱伝導
率をA、その周囲の熱伝導率をBとしたときに、1.5×
A≧Bであることが望ましい。
熱発生部下部領域である蓄熱部とそれ以外の領域の熱
伝導率を異ならせるには、例えば、 a)熱伝導率の高い支持体の熱発生部下部領域と成る部
分に、支持体よりも低い熱伝導率を有する下部層を更に
設ける、あるいは、 b)熱発生部下部領域とそれ以外の領域で異なる熱伝導
率を有する下部層を支持体上に設ける等の方法を用いる
ことができる。
上記方法a)で用いる下部層は、例えば、SiO2等の無
機酸化物、酸化チタン、酸化ニオブ等の遷移金属酸化物
等から構成することができ、また、その際に用いる支持
体としては、SiウエハやSiC,アモルファスシリコン,ポ
リクリスタルシリコン等からなる支持体などを利用する
ことができる。
なお、この場合、支持体は、効果的な放熱を得るため
の熱伝導率を有する部分を少なくとも熱発生部の下の熱
伝導率の小さい領域の周囲にて隣接して有していれば良
いが、支持体全体が効果的な放熱に寄与できる高い熱伝
導率を有する十分な厚さのものが良い。
上記方法b)で用いる下部層は、熱発生部下部領域に
おいては前述の方法a)で述べたのと同じ材料を用いる
ことができ、それ以外の領域の下部層としては、熱伝導
性の良い材料例えば、ルチル(TiO2)、酸化ニッケル
(NiO)、シリコン(Si)などから構成することができ
る。その際に用いる支持体としては、Siウエハやアモル
ファスシリコン,セラミックス,ガラス,ポリクリスタ
ルシリコン等からなる支持体などを利用することができ
る。
方法b)を採用する場合は、熱発生部下部領域以外の
下部層は、熱伝導性の良い材料からなるので、支持体の
熱伝導率は、必ずしも高くなくとも良い。
上記構成の基体を用いて作製した液体噴射記録ヘッド
においては、熱エネルギー発生体の熱発生部から液体の
吐出のための熱エネルギーを発生させた際には、その下
部領域が、液体への効率良い熱エネルギーの伝達を可能
とする熱伝導率を有するので、熱効率良い液体の吐出操
作が行なえる。
更に、熱発生部から熱エネルギーを発生させていない
状態では、熱発生部及びその付近の熱が、熱伝導率の低
い熱発生部下部領域とその周囲にて隣接する熱伝導率の
高い領域へ周囲方向へ効果的に放熱され、熱発生部及び
その付近での先に述べた問題の原因となり得る蓄熱が防
止される。
本発明は、被記録部材の記録領域の全幅にわたって吐
出口が複数設けられた所謂フルラインタイプのインクジ
ェットヘッドに適用された場合に、その効果を最大限に
発揮することができる。このフルラインヘッドの代表例
は、複数の吐出口に対応して熱発生部が設けられた液路
が平行に複数設けられたものである。
〔実施例〕
以下、図面を参照し、液体吐出のための熱エネルギー
の発生に電気熱変換体を利用するものを代表例として本
発明の実施例を詳細に説明する。
まず、本発明の参考例について説明する。
第1図〜第3図は本発明の参考例に係る基体作製の工
程を示し、第4図は参考例に係る液体噴射記録ヘッドの
構成例を示す。
ここで、101は記録ヘッド用基体、111は熱発生部、10
3、104 は電極である。
本参考例による電気熱変換体を有する基体の作製工程
の一例を説明すると、まず、Siウェハ(熱伝導率、148W
/m・k(300k))からなる支持体105上にSiO2層(熱伝
導率、1.38W/m・k(300k))をCVD(化学的気相成長)
で 0.2μm厚に形成する。
なお、SiO2層の層厚は、0.1μm〜50μmの範囲とす
ることができる。
次に、フォトリソ(フォトリソグラフィ)工程によ
り、幅34μm、長さ154μmの島状のSiO2層106[第1図
及び第2図(A)で破線で囲まれた部分]を熱発生部
(ヒ一夕)111と同じピッチに形成されるように他のSiO
2層部分を取り除く。
次に、この下部層106上にスパッタリングにより発熱
抵抗層107形成用のHfB2層を1300Åの厚みに形成する。
続いて、電子ビーム蒸着によりTi層50Å、Al層5000Å
を連続的に堆積して共通電極103及び選択電極104形成用
の層を積層する。
次に、これらの層をフォトリソ工程によりパターニン
グして第1図に示すような回路パターンを形成し、熱発
生部111の熱発生面102の寸法を30μm幅で、150μm長
にし、Al電極103、104の抵抗を含めて100Ωの抵抗値に
する。
次に、第2図(B)に示すように第1の上部保護層10
8としてSiO2を1.0μm厚にスパッタ法によって基板101
の全面上に積層する。
続いて、第2図(A)、(B)に示す熱作用面112を
構成する第2の上部保護層110形成用の0.3μm厚のTa層
をスパッタ法により積層した後、これをフォトリソ工程
により熱発生部分102の上部を覆う所定のパターンに形
成する。
次に、第3図(A),(B)に示す第3の上部保護層
109形成のための感光性ポリイミド(商品名フォトニー
ス、東レ(株)社製)を基板101の第1の上部保護層108
上に塗布し、フォトリソ工程により所定の形状にパター
ンニングし、第3図に示す構成の基体101を得る。
なお、保護層の構成は図示した例に限定されず、必要
に応じて種々変更しうる。
このようにして液体噴射記録ヘッド用の基体101を作
製することができる。
更に、基体101上に厚さ50μmの感光性樹脂ドライフ
ィルム400を積層して所定のパターンマスクによる露光
と現像を行うことにより第4図に示すように、熱作用面
112に対応して、吐出口402、液路401及び共通液室404を
形成し、更にそのフィルム400上にエポキシ系接着剤を
介してガラス製の天板405を積層して液体噴射記録ヘッ
ドを作製することができる。
なお、吐出口402の形成は、液路401及び共通液室404
を形成した基体101に天板405を構層した段階で、熱作用
面112の液滴吐出時における液体の流れにおける下流側
所定位置を切断して行ってもよい。
なお、403は液路壁、406はインク供給口である。
以上説明した構成を有する液体噴射記録ヘッドにおい
ては、発熱抵抗層107の熱発生部111にμsec〜数10μsec
程度と常に短い時間で電流を印加して瞬間的な発熱を起
こした場合、支持体105上の熱発生部111の下側に熱伝導
率の低い下部層106がある為、支持体105側への熱の逃げ
を押えて、熱発生部111で発生した熱エネルギーを熱作
用部にある液体に有効かつ効率よく作用させることが可
能となる。
即ち、上記参考例によれば、熱伝導性の低い下部層10
6が設けられていることによって、発熱部111における数
μsec〜数10μsec程度の非常に短い時間での発熱時(液
滴吐出のための発熱過程)には、支持体105側への放熱
が阻止され、効率良い熱作用面112側への熱伝導が行わ
れ易くなる。
更に、下部層106の下部には熱伝導率の高い支持体が
在るので、数10μsec〜数msec程度の比較的長い時間で
の放熱が行われる。
実施例 第5図及び第6図は、本発明による実施例を示すもの
である。
本実施例における電気熱変換体を有する基体の作製
は、例えば以下に述べる方法によって行なうことができ
る。
まず、支持体105であるSiウェハ(熱伝導率、148W/m
・k(300k))上にSiO2層(熱伝導率、1.38W/m・k(3
00k))をCVD(化学的気相成長)で1μm厚に形成す
る。
この場合のSiO2層の層厚は、0.1μm〜50μmの範囲
とすることができる。
次にフォトリソ(フォトリソグラフィ)工程により、
幅34μm、長さ154μmの島状のSiO2層106(第5図に破
線で示す)を熱発生部(ヒータ)111と同じピッチに形
成する。
次に、上述の島状のSiO2層106をフォトレジストでマ
スキングし、SiO2よりも熱伝導性の良い材料、例えばSi
Cの層106'(熱伝導率、70W/m・k(300k))をCVD(化
学的気相成長)で1μm厚に形成する。その後、前述の
島状のSiO2にマスキングしたフォトレジストを現像液で
除去する。
更に、下部層106及び106'上に前記参考例と同じ方法
により、HfB2の発熱抵抗層107、続いてTi層、Al層から
なる共通電極103と選択電極104とを形成する。
以下前述した参考例と同じ方法により記録ヘッドを作
製できる。
以上説明した構成を有する液体噴射記録ヘッドにおい
ては、発熱抵抗層107の熱発生部111にμsec〜数10μsec
程度と常に短い時間で電流を印加して瞬間的な発熱を起
こした場合、支持体105上の熱発生部111の下側にのみ熱
伝導率の低い下部層106がある為、支持体105側への熱の
逃げを押えて、熱発生部111で発生した熱エネルギーを
熱作用部にある液体に有効かつ効率よく作用させること
が可能となる。
他方、熱伝導性の低い下部層(蓄熱部)106の領域が
最小限に構成され、かつ蓄熱部に周囲にて隣接する下層
部106'の熱伝導率が高いので、熱発生部111及びその近
傍に残された熱の支持体105側への放熱性は、従来に比
べ格段に優れたものとなっており、先に述べた問題の原
因となる蓄熱を防止することができる。
即ち、本発明によれば、熱伝導性の低い下部層106が
設けられていることによって、熱発生部111における数
μsec〜数10μsec程度の非常に短い時間での発熱時(液
体吐出のための発熱過程)には、支持体105側への放熱
が阻止され、効率良い熱作用面l12側への熱伝導が行わ
れ易くなる。
更に、下部層106の周囲にて熱伝導率の高い下部層10
6'が隣接しているので、数10μsec〜数msec程度の比較
的長い時間での放熱が周囲方向へも効果的に行われ、記
録ヘッド全体の放熱性が格段に向上している。
このように、この構成の記録ヘッドでは、熱発生部11
1及びその近傍からの放熱は、下部層106'を有する支持
体側に効果的に行われる。
なお、本発明の液体噴射記録ぺッド及び該記録ヘッド
用基体の構成は、熱発生部の下部に位置する支持体の領
域の熱伝導率と、それ以外の領域の熱伝導率とを異なら
せる構成以外は、上述の図示した例に限定されず、種々
の構成を取り得る。
例えば、上記の例は、熱発生部に液体が供給される方
向と、吐出口から液体が吐出される方向とがほぼ同一な
構成を有しているが、これらの方向が、例えば直角等、
異なるものであってもよい。
本発明の液体噴射記録ヘッドを搭載した液体噴射記録
装置の一例を第8図に示す。
図において、20はプラテン24上に送紙されてきた記録
紙の記録面に対向してインク吐出を行う吐出口群を備え
た液体噴射記録ヘッド(インクジェットヘッドカートリ
ッジ:IJC)である。
16は記録ヘッド20を保持するキャリッジ(HC)であ
り、駆動モータ17の駆動力を伝達する駆動ベルト18の一
部と連結し、互いに平行に配設された2本のガイドシャ
フト19Aおよび19Bと摺動可能とすることにより、記録ヘ
ッド20の記録紙の全幅にわたる往復運動が可能となる。
26はヘッド回復装置であり、記録ヘッド20の移動経路
の一端、例えばホームポジションと対向する位置に配設
される。伝導機構23を介したモータ22の駆動力によっ
て、ヘッド回復装置26を作動させ、記録ヘッド20のキャ
ッピングを行う。このヘッド回復装置26のキャップ部26
Aによる記録ヘッド20へのキャッピングに関連させて、
ヘッド回復装置26内に設けた適宜の吸引手段によるイン
ク吸引もしくは記録ヘッド20へのインク供給経路に設け
た適宜の加圧手段によるインク圧送を行い、インクを吐
出ロより強制的に排出させることにより記録ヘッドの吐
出口や液路内からの増粘インクの除去等の吐出回復処理
を行う。また、記録終了時等にキャッピングを施すこと
により記録ヘッドが保護される。
31はヘッド回復装置26の側面に配設され、シリコンゴ
ムで形成されるワイピング部材としてのブレードであ
る。ブレード31はブレード保持部材31Aにカンチレバー
形態で保持され、記録ヘッド回復装置26と同様、モータ
22及び伝導機構23によって動作し、記録ヘッド20の吐出
面との係合が可能となる。これにより、記録ヘッド20の
記録動作における適切なタイミングで、あるいはヘッド
回復装置26を用いた吐出回復処理後に、ブレード31を記
録ヘッド20の移動経路中に突出させ、記録ヘッド20の移
動動作にともなって記録ヘッド20の吐出面における結
露、濡れあるいは塵埃等をふき取る。
本発明は、液体噴射記録方式のなかでも、特にキヤノ
ン株式会社が提唱するところのバブルジェット方式の記
録ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもの
である。
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特
許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示され
ている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この
方式は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のいず
れにも通用可能出あるが、特に、オンデマンド型の場合
には、液体(インク)が保持されているシートや液路に
対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対
応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少な
くとも一つの駆動信号を印加することによって電気熱変
換体に熱エネルギーを発生させ、記録ヘッドの熱作用面
に膜沸騰させて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応
した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効出あ
る。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液
体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの液滴を形
成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切
に気泡の成長、収縮が行われるので、特に応答性に優れ
た液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。こ
のパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359
号明細書、同第4345262号明細書に記載されているよう
なものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率
に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載され
ている条件を採用すると、更に優れた記録を行うことが
できる。
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示さ
れているような吐出口、液路、電気熱変換体の組合せ構
成(直線状液路または直角液路)の他に熱作用部が屈曲
する領域に配置されている構成を開示する米国特許第45
58333号明細書、同第4459600号明細書の構成も本発明に
適用可能である。加えて、複数の電気熱変換体に対し
て、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構
成を開示する特開昭59-123670号公報や熱エネルギーの
圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させた構成を開示
する特開昭59-138461号公報に基いた構成としても本発
明は有効である。
更に、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅に対応
した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとして
は、上述した明細書に開示されているような複数の記録
ヘッドの組合せによって、その長さを満たす構成や、一
体的に形成された一個の記録ヘッドとしての構成のいず
れでもよいが、何れの構成においても本発明は上述した
効果を一層有効に発揮することができる。
加えて、装置本体に装着されることで、装置本体との
電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能にな
る交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録
ヘッド自体にインクタンクが一体的に設けられたカート
リッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有
効である。
また、本発明の記録装置の構成として設けることがで
きる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手
段等を付加することは本発明の効果を一層安定できるの
で好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記
録ヘッドに対しての、キャッピング手段、クリーニング
手段、加圧または吸引手段、電気熱変換体またはこれと
は別の加熱素子、あるいはこれらの組合せによる予備加
熱手段等があり、また、記録とは別の吐出を行う予備吐
出モードを行う構成を付加することも安定した記録を行
うために有効である。
更に、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色
のみの記録モードだけではなく、1つの記録ヘッド中に
異なる色の印字を行うヘッド部の複数を一体的に構成す
ることにより、あるいは異なる色を印字する複数個の記
録ヘッドを組合せることにより、異なる色の複色カラー
または、混色によるフルカラーの少なくとも1つを備え
た装置にも本発明は極めて有効である。
以上説明した本発明の実施例においては、インクを液
体として説明しているが、インクは固体状態や軟化状態
にある、あるいはこれらの状態を取り得るもので、記録
信号付与時等の必要時に液状となるものであってもよ
い。
例えば、室温やそれ以下の温度で固化あるいは軟化状
態にあり、液体噴射記録において一般的に行われている
温度調整における30℃〜70℃の温度範囲で液滴吐出に必
要な液状となるものなどが利用できる。
なお、熱エネルギーの付与によって液化するインクと
しては、、例えば、熱エネルギーによる記録ヘッドの昇
温を、昇温の原因となる熱エネルギーをインクの固形状
態から液体状態への態変化のエネルギーとして積極的に
転用することによってさらに確実に防止するためのに用
いるインクや、インクの蒸発防止を目的として放置状態
で固化するインク、記録信号に応じた熱エネルギーの付
与によって液化して吐出されるインク、記録媒体に到達
する時点ではすでに固化するインクなどを挙げることが
できる。
このような場合において、インクは、特開昭54-56847
号公報、あるいは特開昭60-71260号公報に記載されてい
るような多孔質シートの凹部または貫通孔に液状または
固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して
対向するような形態としても良い。本発明においては、
上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した
膜沸騰方式を実行するものである。
〔発明の効果〕
本発明によれば、熱発生部の下にのみ熱伝導率の低い
下部層が設けられていることによって、熱エネルギー発
生体の熱発生部から液体の吐出のための熱エネルギーを
発生させた際には、基体の支持体側への熱の逃げが効果
的に阻止され、熱作用面側に効率良くこれを伝導させ、
記録ヘッドの熱作用部にある液体に有効かつ効率よく作
用させることができる。
また、ヘッド内での蓄熱によるヘッド温度の昇温に関
しては、熱伝導性の低い下部層の面積を熱発生部の下の
領域のみと必要最小限とし、かつ下部層(蓄熱部)に周
囲にて隣接する支持体領域の熱伝導率を高くしたことに
より、記録ヘッドの支持体側への放熱性が格段に良くな
り、ヘッド温度の上昇を極めて低くおさえることが可能
となる。
この様に、記録ヘッド内での蓄熱による記録ヘッド温
度の上昇がない、あるいは十分に低く抑えられた記録ヘ
ッドでは、液滴を吐出させる駆動周波数を高くしても、
ヘッド温度の上昇が十分に小さく、従来の記録ヘッドに
おけるような発泡過大による不吐出等を防ぐことがで
き、高周波数駆動においても、安定した記録が可能とな
る。
また、従来のヘッドでは、熱エネルギー発生体の熱発
生部(ヒーター)への印加パルス数に比例してヘッド温
度の上昇が著しい為に、行の「書き始め」と「書き終わ
り」で液滴吐出体積が異なっていたり、またマルチノズ
ルヘッドでは、1本だけ吐出している場合と全ノズル吐
出している場合とで液滴吐出体積が異なり、印字濃度
(オプティカルデンシティ)が変わり、それが印字品位
を損ねる原因となっていた。
これに対し、本発明では、前述の如くヘッド温度の上
昇を極めて低くおさえることが出来る為に、安定した液
滴吐出体積が得られ、濃度ムラ等のない高品位の画像を
得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は本発明に係る参考例の基板作成の工程
を示し、第1図、第2図(A)、第3図(A)はその平
面図、第2図(B)、第3図(B)は対応する各図
(A)のX-Y線に沿う断面図、第4図は参考例の液体噴
射記録へッドの完成時の内部構成を示す斜視図、第5図
は本発明の実施例の基板作成工程の平面図、第6図は実
施例の基板作成工程の断面図。第7図(A)は従来の液
体噴射記録ヘッドの一例の構成を示す要部正面図、第7
図(B)は第7図(A)のX-Y線に沿う要部断面図、第
8図は液体噴射記録の一例の斜視図である。 101、15……基体、102……熱発生面 11,103……共通電極、12,104……選択電極 2,105……支持体、3,106,106'……下部層 4,107……発熱抵抗層 5,108……第1の上部保護層 109……第3の上部保護層 110……第2の上部保護層 6,111……熱発生部 401……液路 402……吐出口、403……液路壁 404……共通液室、405……天板 406……液体供給口 1……記録ヘッド、7……熱作用部 8、112……熱作用面、9……溝付板部材 10……液吐出部、13……吐出口

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体を吐出するために利用される熱エネル
    ギーを熱発生部から発生する熱エネルギー発生体と、該
    熱エネルギー発生体を備える支持体と、を有する液体噴
    射記録ヘッド用基体において、前記熱エネルギー発生体
    と前記支持体との間の前記熱発生部の下部領域のみに設
    けられ、且つ前記支持体よりも熱伝導率の低い材料から
    なる蓄熱部と、該蓄熱部の周囲にて隣接する前駆蓄熱部
    より熱伝導率が高い周囲部と、を有していることを特徴
    とする液体噴射記録ヘッド用基体。
  2. 【請求項2】前記周囲部は、前記支持体の熱伝導率より
    も高い熱伝導率である請求項1に記載の液体噴射記録ヘ
    ッド用基体。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の液体噴射記録ヘッド用基
    体上に、該基体が有する熱発生部に対応して、液体の吐
    出口に連通する液路を設けた構成を有し、該熱発生部で
    発生する熱エネルギーを前記吐出口から液体を吐出する
    ために利用することを特徴とする液体噴射記録ヘッド。
  4. 【請求項4】被記録部材の記録領域の全幅にわたって前
    記吐出口、前記熱エネルギー発生体、前記蓄熱部及び前
    記周囲部の組が複数設けられている請求項3に記載の液
    体噴射記録ヘッド。
  5. 【請求項5】請求項3に記載の液体噴射記録ヘッドと該
    ヘッドを載置する部材とを有することを特徴とする液体
    噴射記録装置。
JP14086190A 1989-05-30 1990-05-30 液体噴射記録ヘッド用基体、該基体を用いた液体噴射記録ヘッド及び該液体噴射記録ヘッドを備えた液体噴射記録装置 Expired - Fee Related JP2907956B2 (ja)

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