JP4583089B2 - インクジェット記録ヘッド及びインクジェットプリンタ - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット方式の記録装置に搭載されるインクジェット記録ヘッド及びインクジェットプリンタに関するものである。
従来、記録紙にカラーの文字や画像を印刷する手段としてインクジェット方式の記録装置が用いられているが、近年、画像出力の高精度化とともに、印字密度の高密度化が求められるようになっている。
ところで、インクジェット方式の記録装置に搭載されるインクジェット記録ヘッド支持部材には、インク滴を記録紙に向けて吐出、飛翔させる加圧機構として、発熱抵抗体の発する熱エネルギーを利用したものや、圧電素子の変形を利用したもの、更には電磁波の照射に伴って発生する熱を利用したもの等がある。
例えば、図7の断面図に示す如く、加圧機構として発熱抵抗体の熱エネルギーを利用したインクジェット記録ヘッド支持部材31は、複数のインク室34を有し、各インク室34内にインクを加圧するための発熱抵抗体35を備えた記録素子基板33と、上記各インク室34と連通するインク吐出孔38を備えたノズル板39とからなるインクジェット記録ヘッド32と、このインクジェット記録ヘッド32を支持し、かつ上記記録素子基板33のインク室34と連通するインク供給穴41を有する支持部材40とからなり、上記インク供給穴41は、インクジェット記録ヘッド32側に開口する、中央に向かって深くなる傾斜底面43を備えた長穴42と、これに連通する小径穴44とから構成したものがあった。
そして、このインクジェット記録ヘッド支持部材31を用いて記録紙に印刷するには、インク供給穴41よりインク室34にインクを供給した状態で、発熱抵抗体35を発熱させてインク室34内に気泡Aを発生させることによりインク室34内のインクを加圧し、インク吐出孔38よりインク滴Bを吐出させることにより記録紙に印刷するようになっていた(特許文献1参照)。
ところで、図7に示すような支持部材40の材質としては、従来よりコスト面を考慮してアルミナ質焼結体が用いられていた。そして、中央に向かって深くなる傾斜斜面43を備えた長穴42とそれに連通する小径穴44を有する支持部材40を製造する方法としては、原料粉体を粉末プレス法により成形したものか、あるいは射出成形法により成形したものを焼成することにより製造されていた。
また、特許文献2には、圧電素子の変形を利用したインクジェット記録ヘッド支持部材のインク室に用いられる絶縁性アルミナ基板として、アルミナ含有率が96〜99.8%、SiO、CaO、及びMgOの三成分を含有してなるアルミナ質焼結体を用いることで、インクに曝されたとしても、アルミナ質焼結体中におけるガラス成分の溶出を抑え、インク粘度上昇やインク中の顔料が凝集することを防ぐことができるようになっていた。
特許文献3は、インクを流路としないアモルファスカーボンを用いているが、線膨張係数が記録素子基板である単結晶Siと近傍しているため、熱膨張による歪みを抑制できる特許文献4、特許文献5には、カーボングラファイト、すなわち黒鉛を支持部材に使うことによって、同様に線膨張係数を記録素子基板である単結晶Siと近傍させることにより、熱膨張による歪みを抑制できるとなっていた。

特開2001−130004参照 特開2001−179968参照 特開2000−351215参照 特開2002−67330参照 特開2003−136727参照
ところで、近年、印字速度の高速化に伴い、図1に示すようにインクジェット記録ヘッド支持部材1において、一走査毎の印字幅を大きくするために、インクジェット記録ヘッド2は長尺化もしくはフルライン化する傾向にある。
つまり、一回の走査での記録面積を増大させ、しかも解像度を向上させるために、発熱抵抗体5が高密度に多数形成されるようになっている。
また、インクジェット記録ヘッド支持部材1の走査における印字サイクルを短くするため、駆動周波数が非常に高くなっており、特に膜沸騰方式におけるインクジェット記録支持部材1において、吐出に関する熱エネルギーが支持部材10に蓄熱してしまうため、インク温度が高温化する傾向にある。
しかし、一般的に、インクの温度が上昇するとインク粘性変化が発生するために画像の濃度ムラとして現れてしまうので、インクの温度をインク粘性変化が始まる60℃以上にならないように印字サイクルの時間を制御しなければならない。
従来、支持部材10としては、主にアルミナであったが、熱伝導率が24W/(m・K)と十分に高くすることができないため、蓄積される熱エネルギーを十分に放熱させることはできず、冷却時間が必要であり、高速化することが非常に困難であった。
また、上記にあるようにインクジェット記録ヘッド2は長尺化、もしくはフルライン化する傾向にあり、これに伴い記録素子基板3と支持部材10の接合時における歪みが無視できなくなっている。一般的に熱硬化型接着剤にて接合するが、接合時との温度差が生じるため、その歪みによる応力が顕著となっている。従来の記録素子基板3の材料として用いられる単結晶Siの線膨張係数は4.2×10−6(1/℃)であり、支持部材10のアルミナは7.2×10−6(1/℃)である。また、従来の記録素子基板3の長さは15mm程度であったが、フルラインタイプは310mm程度であった。従来は歪み差が大きくても接合には問題は生じなかったが、更なる長尺化やフルライン化にあたり、歪みによる応力によって、記録素子基板3と支持部材10とが剥離するといった問題があった。
なお、近年、問題視されている環境問題等に配慮するため、インクジェット記録ヘッド支持部材10用のインクとして非溶媒系の需要が高まっているが、非溶媒系のインクは顔料の分散性が悪いため、インクを強アルカリ性(pH10〜12)にして顔料の分散性を改善したものが用いられている。
ところが、例えば、図7示すインクジェット記録ヘッド支持部材31のように、インクに曝される表面の一部にアルミナ質焼結体を用いたものでは、上述した強アルカリ性のインクに長時間曝されると、部材が溶出し、インク中に析出するためにインク粘度が高くなるともに、インク中の顔料が凝縮して粗な部分と密な部分ができ、インク滴の大きさが安定せず、ドットのばらつきが発生することから、印刷画像に悪影響を及ぼすといった課題があった。
また、特許文献2には、アルミナ含有率96〜99.8%で嵩比重3.7以上の緻密なアルミナ質焼結体を用いることが記載されている。しかし、いくらアルミナ含有率が高くて緻密質で形成されていても、特に複雑な三次元構造の支持部材では、全体を均一に緻密な構造にするのは困難で、開気孔にバラツキがあり、表面開気孔率が大きい場合や、部分的に開気孔が大きい場合が多くみられ、強アルカリ性のインクがアルミナの内部に入り込みやすく、化学的溶出、脱粒に対しては非常に不利となっていた。
更に、加圧機構として発熱抵抗体の熱エネルギーを利用したインクジェット記録ヘッド支持部材31の場合、発熱抵抗体35の温度が瞬間的に数百度の温度に昇温されるとインク成分の熱分解物等が発熱抵抗体35の表面に堆積するコゲーションの問題が生じていた。
同時に、アルミナ質焼結体中のガラス成分であるSi、Mg、Ca成分がインクに多く溶出していると発熱抵抗体35の表面へのガラス堆積物の発生が多くなり、この堆積物は、発熱抵抗体からインクへの熱伝導を阻害する原因となるため、インクの発砲が正常に行われなくなり、その結果、印字に欠陥が発生することあった。インクジェット記録ヘッド支持部材31の高耐久化のためには、このような発熱抵抗体35の表面への堆積物を少なくする課題があった。
更にまた、画質の高精度化に伴って小さな孔径を有するインク吐出孔38を備えたものが用いられるようになっているが、上記支持部材40の長穴42、傾斜底面43、小径穴44に開口する気孔や凹部には加工屑やゴミ等が入り込んでおり、これらの加工屑やゴミ等は洗浄処理しても十分に除去することができず、そのまま使用するとインク供給穴41にインクを供給した際に、インクに曝される表面に開口する気孔や凹部に入り込んでいた加工屑やゴミ等がインク中に流出し、小さな孔径のインク吐出孔38を目詰まりされる恐れもあった。
また、特許文献2に示すインク記録ヘッドのように、アルミナ質焼結体からなる絶縁性アルミナ基板にインク吐出孔を加工する場合、レーザー加工が用いられるのであるが、レーザー加工にてアルミナ質焼結体にインク吐出孔を形成すると、その周辺にバリのように盛り上がったガラス成分からなるヒュームが形成され、このヒュームが強アルカリ性のインクに曝されて腐食するとインク中に脱落し、微細なインク吐出孔を目詰まりさせ、インク滴の吐出を妨げるといった課題もあった。
本発明は上記課題に鑑み、複数のインク室を有し、各インク室内のインクを加熱して発泡させるための発熱抵抗体を備えたインクジェット記録ヘッドと、このインクジェット記録ヘッドを支持し、かつ前記インク室と連通するインク供給穴を有する支持部材と、を備
えたインクジェットプリンタであって、前記支持部材は、平均粒径0.1〜3.0μmの炭素粉末を主成分とする炭素粉末顆粒を粉末プレス成形法によってプレス成形して炭素質成形体を得た後、前記炭素質成形体を非酸化性雰囲気にて1000〜1500℃の焼成温度にて炭化し、更に黒鉛化炉に移して2500℃以上で焼成することで得られた、炭素を99.9重量%以上含有して成る熱伝導率が50W/(m・K)以上の黒鉛材と、前記黒鉛材の表面に設けられた、CVD法によって成膜された熱分解炭素被膜と、を有して構成されることを特徴とするインクジェットプリンタを提供する。なお、前記支持部材の前記インク供給穴は、前記インクジェット記録ヘッド側に開口する、中央に向かって深くなる傾斜底面を備えた長穴と、前記インクジェット記録ヘッドと反対側に開口し、前記長穴と連通する小径穴とを有して構成されていてもよい。

上記支持部材は400℃以下における線膨張係数が2.0×10−6〜5.0×10−6(1/℃)であること特徴とする。
上記支持部材の表面に、1〜300μmの熱分解炭素被膜黒鉛材を形成したことを特徴とする。
上記支持部材の表面に、1〜300μmの炭化珪素被膜が形成されていることを特徴とする。
本発明のインクジェット記録ヘッドによれば、支持部材への蓄熱をすみやかに放熱させ、インク温度を一定に維持することができる。また、炭化珪素は150W/(m・K)と熱伝導率が高いので放熱が促進され、印刷の高速化が可能となる。また、強アルカリ性のインクに長時間曝されたとしても黒鉛材及び炭化珪素は強い共有結合を有するため、不純物がインク中へ溶出することが減少しインク粘度が安定する。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明のインクジェット記録ヘッド支持部材の一例を示す図で、(a)はその斜視図、(b)は一部を破断した斜視図である。また、図2(a)〜(c)は本発明のインクジェット記録ヘッド支持部材の一例を示す分解斜視図であり、図3(a)は図2(c)に示す支持部材の一例を示す斜視図、(b)はその一部を破断した斜視図である。そして、図4は図1(a)のX−X線断面図、(b)は図1(a)のY−Y断面図である。
このインクジェット記録ヘッド支持部材1は、複数のインク室4を有し、各インク室4内にインクを加圧するための発熱抵抗体5を備えた記録素子基板3と、上記各インク室4と連通するインク吐出孔8を備えたノズル板9とからなるインクジェット記録ヘッド2と、このインクジェット記録ヘッド2を支持し、かつ上記記録素子基板3のインク室4と連通するインク供給穴11を有する黒鉛材で熱分解炭素被膜黒鉛材もしくは炭化珪素被膜を有する支持部材10とからなる。
インクジェット記録ヘッド2を形成する記録素子基板3は、例えばシリコン基板に複数本の段付き溝6を並設してなり、段付き溝6の段差部7に複数個の発熱抵抗体5を所定間隔で並設したもので、各発熱抵抗体5と対向する位置にインク吐出孔8が位置するように記録素子基板3上にノズル板9を配置することによりインクジェット記録ヘッド2を構成してある。また、記録素子基板3は、シリコン基板からなり、異方性エッチングによって流路部を形成する。
黒鉛材は、金属や樹脂などのその他の材料と比較すると耐薬品性に優れており、強アルカリのインクに曝されても浸食されにくいという特徴がある。更に熱伝導率も高いためにインク室4付近の放熱特性を高めることができ印字サイクルを短時間化することができる。
更に黒鉛材に熱分解被膜や炭化珪素被膜を施したものは更に特性が優れる。熱分解被膜を施したものは、熱エネルギーの面方向への放熱が促進されるため、インク温度が上がりにくく、高速化に適する。また、炭化珪素も熱伝導率が優れることから放熱性が促進される。
インク吐出孔8は、印字する画素数が300dpiであれば約30μm程度で良いが、高画質の印字に用いるためにはインク吐出孔8は5〜25μmとすることが好ましい。なぜならば300dpi程度では目視にて印字面の液滴粒状を確認できるため、銀塩写真と著しい画質差が生じた。また、インクジェットプリンタでは液滴粒の疎密により、同一色の濃淡の階調を表現するが、この点においても液滴粒が微細である方が明確に印字できるからである。
なお、インク吐出孔8の孔径は、要求される画素数によって決定されるため、それに応じてインクジェット記録ヘッド支持部材1に用いる炭素質焼結体の平均結晶粒径を決定すればよい。つまり、インク吐出孔8の孔径が小さくなるほど、用いる黒鉛材の平均結晶粒径を小さくすれば目詰まりを抑制することができる。
また、支持部材10は、板状の黒鉛材にインクジェット記録ヘッド2の各インク室4と連通する複数本のインク供給穴11を穿設したもので、各インク供給穴11は、インクジェット記録ヘッド2側に開口する、中央に向かって深くなる傾斜底面13を備えた長穴12と、インクジェット記録ヘッド2と反対側に開口し、上記長穴12と連通する小径穴14とからなる。
そして、このインクジェット記録ヘッド支持部材1を用いて記録紙に印刷するには、インク供給穴11よりインク室4にインクを供給した状態で、発熱抵抗体5を発熱させてインク室4内に気泡を発生させることによりインク室4内のインクを加圧し、インク吐出孔8よりインク滴を吐出させることにより記録紙に印刷するようになっている。
そして、本発明によれば、支持部材10、ノズル板9、記録素子基板3のうち少なくともインクに曝される表面を、黒鉛含有率99.9重量%以上含有して成る黒鉛材により形成することで、強アルカリのインクに曝されて表面成分が溶出したとしても、その析出量が極少量であるため、インクと反応する水酸化物の生成が少なく、インクの粘度上昇を抑えることができるとともに、インク中の顔料が凝集する割合も低減することができる。
その為、インク吐出孔8から吐出されるインク滴の大きさが安定し、ドットばらつきを防ぐことができるため、高精度で高画質の画像を印刷することができる。
また、上述の黒鉛材は更に熱分解炭素被膜黒鉛材もしくは、炭化珪素被膜を施すことによって、開気孔内部から脱粒するパーティクルを低減することができ、インク吐出孔8ノズル詰まりの発生を抑えることができる。
そして、強アルカリ性のインクとの化学的反応は、インク温度により変化することから、上記インクに曝される表面からのインク温度20〜60℃の環境下における溶出量の合計が0.1ppm/(cm・日)以下であることが好ましい。
これにより、黒鉛材のインクへの溶出を極端に少なくすることができ、発熱抵抗体の表面へのガラス堆積物が無くなり、インクジェット記録ヘッド支持部材を長寿命化することが可能となる。
また溶出量を制限することで、支持部材のインク供給孔の周りに発生する、炭素粒子の凝集を抑制することができ、インク吐出孔8のノズル詰まりを抑えることができる。
この溶出量の合計は、水温20℃の強アルカリ性(pH12)のインクに支持部材を投入し3日間放置して得られたインク溶液をICP発光分光分析装置(セイコー電子工業製JY38P2型)にて、定量分析を行った値である。
次に、このようなインクジェット記録ヘッド支持部材1の支持部材10を製造する方法について説明する。
本発明に係る炭素質焼結体からなる支持部材10を製造するため、平均粒径0.1〜3.0μmの炭素粉末を99.9重量%以上に対し、均一な球状形状の粉末顆粒を得る。
この粉末顆粒を段押し構造を備えた粉末プレス法にて支持部材10の形状に成形し、非酸化性雰囲気にて1000〜1500℃の焼成温度にて炭化し、更に黒鉛化炉に移して2500℃以上で焼成することにより、炭素含有率99.9重量%以上の黒鉛材を形成する。
即ち、段押し構造を備えた粉末プレス法にて支持部材10の形状に成形することは焼結体表面の表面開気孔の発生を抑えるのに重要であり、インク供給穴11の形状を一体化した金型パンチを作成し、該金型パンチを浮動パンチとして固定パンチと独立制御させ、成形体の圧縮完了直前に浮動パンチを強制的に若干降下さて加圧することにより、支持部材10の成形密度を均一化すると同時に成形体のクラック発生を防止することができ、精度の高い形状を形成することができる。
段押し構造を備えた粉末プレス法について、図5、図6の模式図を用いて説明する。図5(a)〜(d)は粉末プレス装置の金型構造を説明するための側面から見た模式断面図、図6は粉末プレス法の各金型構成部材の作動を示すタイムチャート図である。
この段押し構造を備えた粉末プレス装置は、支持部材10のインク供給穴11のような傾斜底面12を備えた長穴12と該長穴12に連通する小径穴14の形状を一体的に成形するためのもので、図5の21はダイ、22は上パンチ、23は固定パンチ、24は浮動パンチである。
ここで、ダイ21は成形体Sとなる支持部材10の外形を形成するための役割をなし、第一の貫通孔21aを有している。固定パンチ23は炭素原料粉末を加圧する役割をなし、ダイ21の第一の貫通孔21a内に挿入されるとともに、第二の貫通孔23aを有している。浮動パンチ24は成形体Sとなる支持部材10の内形を形成する役割をなし、固定パンチ23の第二の貫通孔23a内に挿入されるとともに、その先端には支持部材10の傾斜底面12に対応したテーパ面24bと、小径穴14に対応した突出部24aを有している。上パンチ22は固定パンチ23と同様に炭素粉末顆粒を加圧する役割をなし、ダイ21の第一の貫通孔21a内に挿入されるとともに、浮動パンチ24の突出部24aが挿入される第三の貫通孔22aを有している。
また、これらダイ21、上パンチ22、固定パンチ23、及び浮動パンチ24は、不図示の回転軸によって一連の動作を行うようになっており、上記回転軸に備えるカムの回転角によって各構成部材の動きを管理するようになっている。
この段押し構造を備えた粉体プレス装置にて支持部材10に示す炭素質成形体を一体的に成形するには、まず、図6の1領域において図5(a)に示すように、ダイ21に形成された第一の貫通孔21a内に固定パンチ23の一部を挿入するとともに、固定パンチ23の第二の貫通孔23a内に浮動パンチ24の一部を挿入し、これらダイ21、固定パンチ23、及び浮動2パンチ4で段付き凹部Pを形成する。
また、この段階では、浮動パンチ24の突出部24aがダイ21の上面より若干低く位置するように配置され、また上パンチ22は段付き凹部Pの上方に配置されている。
そして、段付き凹部P内に平均粒径0.1〜3.0μmの炭素粉末を主成分とする炭素粉末顆粒を供給し、ダイ21上面まで充填する。
ここで、炭素粉末の平均粒径を0.1〜3.0μmとしたのは、平均粒径が0.1μmより小さいと、成形時の圧力が粉体の摩擦によって分散され、成形体の内部まで圧力が伝搬されにくいといった問題があるからである。また、3.0μmより大きいと焼結性が悪くなり緻密な焼結体が得られにくく、表面開気孔率が高く、開気孔径が大きくなるからである。なお、炭素粉末の平均粒径は、レーザー回折散乱法で求めた値である。
次に、図6の2領域にて、図5(b)に示すように、浮動パンチ24を若干上昇させ、浮動パンチ24の突出部24aの一部を炭素粉末顆粒上面より突出させる。この時、同時に上パンチ22を下降させ始める。
次いで、上パンチ24を更に降下させて上パンチ22の第三の貫通孔22aに浮動パンチ24の突出部24aを挿入させるとともに、更に上パンチ22を徐々に降下させ、炭素粉末顆粒を徐々に加圧する。この時、浮動パンチ24も上パンチ22の降下とともに徐々に降下させる。
そして、図6の3領域である上パンチ23が圧縮完了手前(下死点手前)まで来た時に、図5(c)に示すように、浮動パンチ24を強制的に若干降下させた後、上パンチ23を圧縮完了位置(下死点)まで降下させることにより成形を完了する。
このように、上パンチ23の圧縮完了手前(下死点手前)で浮動パンチ24を若干降下させ、更に上パンチ23の圧縮完了位置(下死点)まで降下させることにより、支持部材の傾斜底面13周辺における炭素粉末顆粒を流動化させて炭素粉末顆粒の詰まりを良くすることができるため、複雑な形状をした支持部材10となる炭素質成形体S全体の成形密度を均一化させることができる。
しかる後、図6の4領域において、図5(d)に示すように、上パンチ23を上昇させるとともに、ダイ21を下降させることにより炭素質成形体Sを取り出すようになっている。
なお、このような段押し構造を備えた粉末プレス法に用いることにより、80〜150MPaの成形圧力で炭素質成形体Sを加圧しても、炭素質成形体Sにクラックの発生を防止することができ、焼結体の表面の表面開気孔を抑制することができる。
ここで、成形圧力を80〜150MPaとしたのは、80MPa以下の圧力であると、炭素粉末顆粒の詰まりが悪くなり緻密な焼結体が得られにくくなるからである。焼結体が緻密でないと、表面開気孔率が高く、開気孔径が大きくなり、インクに侵されることにより、脱粒するなどの問題がある。また、150MPaより大きくなると、特に複雑な三次元構造をしている支持部材10などでは、成形体にラミネーションクラックが発生するなどの不具合があるからである。
本発明の製造方法に用いる炭素粉末の比表面積が0.5×10〜15.0×10/kgの範囲であることが好ましい。
比表面積が15.0×10/kgより大きいと、炭素粉末の一次粒径が小さくなりすぎるために圧力伝達が分散されるため、緻密な成形体が得られにくくなり緻密な焼結体が得られないからである。また、比表面積が0.5×10/kgより小さくなると、焼結の活性度が低下し緻密な焼結体が得られにくくなるからである。
ここで、炭素粉末の比表面積はJIS R1626に準拠で求められる。
なお、粉末プレス法により形成した炭素質成形体を、非酸化性雰囲気にて1000〜1500℃の焼成温度にて炭化し、更に黒鉛化炉に移して2500℃以上で焼成するので、結晶粒径を小さく形成することができ、これにより脱落が起きてもインク吐出孔の目づまりを抑えることが出来る。
更に、このような段押し構造を備えた粉体プレス法を用いれば、支持部材10のような段付き凹部Pがあり、部材の厚み寸法に変化のある形状であっても成形密度のバラツキを抑え、精度良く製作することができる。
次に、焼成後に支持部材10のインクジェット記録ヘッド2と合わせる面およびインクタンク(不図示)と合わさる面をダイヤモンド砥石を用いて研削し、その平面度を2.0μm以内に維持する。そして、超音波洗浄にて油分汚れや研削液、研削屑を除去して支持部材10が製造される。
また、上記のようにして得られる黒鉛材に熱分解炭素被膜黒鉛材をコーティングするには化学気相蒸着法(以下、CVD法)によって行われる。原料にはメタンガスを使い、気相反応温度は1800℃、炉内圧力は1torrの条件で処理した。
また、炭化珪素被膜をコーティングは、同様にCVD法によって実施した。気相反応温度は1300℃、炉内圧力は1torr、原料にはメチルトリクロロシランを用いて処理した。
このようにして得られた炭素質焼結体からなる支持部材10は、全体が見掛け比重1.7以上、ヤング率で10GPa以上、熱伝導率50W/mK以上、線膨張係数2.0×10―61/℃〜5.0×10―61/℃とすることができる。これらの特性値は、アルキメデス法により見掛密度を測定し、超音波パルス法によりヤング率を測定し、φ10mm×1.5mmに加工した炭素質焼結体を用いレーザーフラッシュ法により熱伝導率を測定することにより求めることができる。
そして、本発明のインクジェット記録ヘッド支持部材1を搭載したインクジェットプリンタを用いると、インクジェット記録ヘッドを固定した場合、120〜180dpiでパターン印刷を行って印刷後の印字ドットの位置を画像測定機にて計測すると、インク滴の着弾位置が±10μmの範囲内とすることができ、高精度な印画が可能である。
以上、本発明の実施形態について示したが、本発明は上述した実施形態だけに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で改良したものや変更したものにも適用できることは言う迄もない。
また、従来のアルミナよりも黒鉛質焼結体は比重が小さいために、ヘッドの軽量化も可能となり、高速化により適した形態となる。
(実施例1)
まず、インクジェット記録ヘッド支持部材の支持部材を形成するのに好的な黒鉛質炭素焼結体と、熱分解炭素被膜黒鉛材、炭化珪素被膜を施したものを製作した。次に比較例として従来使われている純度96%のアルミナ支持部材を製作した。それらの支持部材、インクの放熱特性を調べる実験を行った。
炭素含有量を99.9重量%の粉末顆粒を作製し、段押し構造を備えた粉末プレス法にて成形圧100MPaの条件で成形した後、非酸化性雰囲気にて1000〜1500℃の焼成温度にて炭化し、更に黒鉛化炉に移して2500℃以上で焼成して支持部材10の黒鉛材を製作した。
また、上記黒鉛材を、熱分解炭素被膜黒鉛材をCVD法にて0.5μmから400μmまで成膜した。同様に炭化珪素被膜をCVD法にて0.5μm〜400μmまで成膜した。
次にアルミナ含有量を96重量%とし、焼成助剤としてSiO、MgO、及びCaOを用い、これらを混合した後に更に有機バインダーを添加しスラリーを作製し、スプレードライヤーにて瞬時に噴霧乾燥した後、粉末顆粒を作製し、段押し構造を備えた粉末プレス法にて成形圧100MPaの条件で成形した後、1600℃にて焼成し、支持部材10のアルミナ質焼結体を作製した。
そして、発熱抵抗対を備えた記録素子基板を封止接合しインクを流入した。その後ON、OFFの切り替えによって発熱抵抗体から2.0Wを投入し、ON、OFFのタイミングを30msecとし、インクの温度特性を温度センサーにて計測した。その結果を表1に示す。
Figure 0004583089
アルミナよりも黒鉛質焼結体、熱分解炭素被膜黒鉛材や炭化珪素被膜の方がインクの放熱特性がよいということが示されるが、熱分解炭素被膜黒鉛材や、炭化珪素被膜の膜厚みが300μmを越えると膜の剥離が認められ、放熱効果は確認できなかった。
熱分解炭素被膜黒鉛材は炭化珪素被膜よりも放熱効果が認められた。両者の熱伝導率と逆の結果となった理由としては、次のようなことが考えられる。熱分解炭素被膜黒鉛材は黒鉛結晶構造と同様の性質を持つため、膜方向に関しては共有結合性が強く格子振動による熱散乱が極めて小さい。つまり、他の多くの場合が、厚み方向(流路方向)に熱拡散するのに対し、熱分解炭素被膜黒鉛材は膜方向に熱拡散が広がるため、インク温度の上昇を抑制することができると考えられる。

(実施例2)
炭素含有量を99.9重量%の粉末顆粒を作製し、段押し構造を備えた粉末プレス法にて成形圧100MPaの条件で成形した後、非酸化性雰囲気にて1000〜1500℃の焼成温度にて炭化し、更に黒鉛化炉に移して2500℃以上で焼成して支持部材10の黒鉛材を製作した。
また、上記黒鉛材を、熱分解炭素被膜黒鉛材をCVD法にて50μmを成膜した。同様に炭化珪素被膜をCVD法にて50μmを成膜した。
次にアルミナ含有量を96重量%とし、焼成助剤としてSiO、MgO、及びCaOを用い、これらを混合した後に更に有機バインダーを添加しスラリーを作製し、スプレードライヤーにて瞬時に噴霧乾燥した後、粉末顆粒を作製し、段押し構造を備えた粉末プレス法にて成形圧100MPaの条件で成形した後、1600℃にて焼成し、支持部材10のアルミナ質焼結体を作製した。このアルミナ質焼結体は従来の研磨方法と粗砥石研削の2種類のサンプルを製作した。
次に、熱機械分析(Thermomechanical Analysis)にて400℃以下の線膨張係数を求めた。また、ダイヤモンドを触針とする表面粗さ計にて、断面曲線を求め表面粗さを算出した。その結果を表2にあらわす。
次に、得られた黒鉛質焼結体と、熱分解炭素被膜黒鉛材、炭化珪素被膜材、アルミナ質焼結体に5×30ミリに切断したシリコン基板各100個を、200℃にてシリコン基板にエポキシ樹脂にて封止し、20℃まで自然冷却した。全く接着はがれのない好適なものは◎、接着はがれが1〜5個のものは△、5個以上のものは×とする。その結果を表2にあらわす。
Figure 0004583089
シリコン基板を従来よりも2倍の長さにしたことがら、従来材質のアルミナについては接着はがれが認められた。しかし、線膨張係数がシリコン基板に近傍している黒鉛質焼結体、熱分解炭素被膜黒鉛材、炭化珪素被膜材は接着はがれが認められなかった。また、黒鉛質焼結体、熱分解炭素被膜黒鉛材、炭化珪素被膜材は表面粗さが大きいため、アンカー効果による接着力が強化されていることも一つの要因と考えられる。アルミナに関しては緻密質であることから、表面粗度が上がらないため、これ以上の接着力強化は困難と考えられる。

(実施例3)
炭素含有量を99.9重量%の粉末顆粒を作製し、段押し構造を備えた粉末プレス法にて成形圧100MPaの条件で成形した後、非酸化性雰囲気にて1000〜1500℃の焼成温度にて炭化し、更に黒鉛化炉に移して2500℃以上で焼成して支持部材10の黒鉛材を製作した。
また、上記黒鉛材を、熱分解炭素被膜黒鉛材をCVD法にて0.5μmから400μmまで成膜した。同様に炭化珪素被膜をCVD法にて0.5μm〜400μmまで成膜した。
次にアルミナ含有量を96重量%とし、焼成助剤としてSiO、MgO、及びCaOを用い、これらを混合した後に更に有機バインダーを添加しスラリーを作製し、スプレードライヤーにて瞬時に噴霧乾燥した後、粉末顆粒を作製し、段押し構造を備えた粉末プレス法にて成形圧100MPaの条件で成形した後、1600℃にて焼成し、支持部材10のアルミナ質焼結体を作製した。
以上の黒鉛質焼結体、熱分解炭素被膜黒鉛材、炭化珪素被膜材、アルミナについてパーティクル量について調べる実験をおこなった。
支持部材10を1000mlの純水中に浸し、出力50kHz、180Wにて1分間超音波洗浄をした後、洗浄水中を38ml取り出し、その洗浄水中に残った粒径2μm以上のパーティクル数をレーザーダイオード光遮断型センサー試験装置にて採取し、パーティクル量の調査を行った。
結果は3にそれぞれ示す通りである。
Figure 0004583089
既存材質のアルミナと比較して、黒鉛質焼結体や熱分解炭素被膜黒鉛材、炭化珪素被膜の方がパーティクルの発生は少ない。成形圧を低くすると、粉末顆粒の潰れ性が悪化し、大きな空孔が発生し、パーティクルの発生が多くなる。成型圧を高くすればパーティクルの発生は低くなるが、150MPa以上では金型への負担が大きく金型破損に至る可能性が大きい。また、熱分解炭素被膜黒鉛材や炭化珪素被膜はパーティクルが非常に少ないことがわかる。これは熱分解炭素被膜黒鉛材や炭化珪素被膜によってパーティクルが封止されていると考えられる。特に微小径ノズルを有する支持部材において、支持部材のパーティクルによって、ノズル吐出穴を閉塞するといった不具合を抑制できると考えられる。

(実施例4)
炭素含有量を99.9重量%の粉末顆粒を作製し、段押し構造を備えた粉末プレス法にて成形圧100MPaの条件で成形した後、非酸化性雰囲気にて1000〜1500℃の焼成温度にて炭化し、更に黒鉛化炉に移して2500℃以上で焼成して支持部材10の黒鉛材を製作した。また、上記黒鉛材を、熱分解炭素被膜黒鉛材をCVD法にて0.5μmから400μmまで成膜した。同様に炭化珪素被膜をCVD法にて0.5μm〜400μmまで成膜した。
また、pH12の強アルカリ性のインクを準備し、支持部材を水温20℃のインクに投入し3日間放置して得られたインク溶液をICP発光分光分析装置(セイコー電子工業製JY38P2型)にて、C、Ca、Si、Mgの定量分析を行った。その後、そのインク溶液を濾過した後に500倍でSEM写真を撮影し脱粒物質の有無およびその脱粒物の最大サイズを確認し、脱粒物質を特定するために金蒸着を施した後、エネルギー分散型X線分析装置(EDS)にて定性分析を行った。
そして、ICP発光分光分析による定量分析にて得られたC、Si、Mg、Caの溶出量の合計が、0.1ppm/(cm・日)以下であったものを好適として◎で表し、0.1ppm/(cm・日)より多く0.14未満であるものを良好として○で示し、0.14ppm/(cm・日)以上0.20ppm/(cm・日)未満であるものを不良として△で示し、0.20ppm/(cm・日)以上であるものを更に不適な×で示した。
結果は表4にそれぞれ示す通りである。
Figure 0004583089
結果より、70MPaの黒鉛質焼結体や熱分解炭素被膜黒鉛材、炭化珪素被膜材の一部は、インク温度が20〜60℃のいずれの範囲においてもC、Si、Mg、Caの成分溶出量が0.1ppm/(cm2・日)より多くなり、また脱粒物は5μmより大きいサイズとなり、ノズル吐出孔の閉塞化の原因になりうるものである。
本発明の炭素含有率が99.9%以上で成型圧力80〜150MPaの炭素質焼結体では、インク温度が20〜60℃のいずれの範囲においてもC、Si、Mg、Caの成分溶出量が0.1ppm/(cm・日)以下で、脱粒物は5μm以下となっており、直接ノズル吐出孔を閉塞する要因とはなり得ないと考えられる。これは成型圧の低下による粒子の開気孔が減少し、インクに曝される表面積が減少したためと考えられる。
本発明のインクジェット記録ヘッド支持部材の一例で(a)はその斜視図、(b)は一部を破断した斜視図である。 (a)〜(c)は本発明のインクジェット記録ヘッド支持部材の一例を示す分解斜視図である。 本発明のインクジェット記録ヘッド支持部材に用いる支持部材の一例で(a)は斜視図、(b)は一部を破断した斜視図である。 (a)は図1(a)のX−X線断面図、(b)は図1(a)のY−Y線断面図である。 (a)〜(d)は粉末プレス装置の成形工程を説明するための断面図である。 粉末プレス装置における各構成部材の作動を示すタイムチャート図である。 従来のインクジェット記録ヘッド支持部材を示す断面図である。
符号の説明
1:インクジェット記録ヘッド支持部材
2:インクジェット記録ヘッド
3:記録素子基板
4:インク室
5:発熱抵抗体
6:段付き溝
7:段差部
8:インク吐出孔
9:ノズル板
10:支持部材
11:インク供給穴
12:長穴
13:傾斜底面
14:小径穴

Claims (4)

  1. 複数のインク室を有し、各インク室内のインクを加熱して発泡させるための発熱抵抗体を備えたインクジェット記録ヘッドと、このインクジェット記録ヘッドを支持し、かつ前記インク室と連通するインク供給穴を有する支持部材と、を備えたインクジェットプリンタであって、
    前記支持部材は、平均粒径0.1〜3.0μmの炭素粉末を主成分とする炭素粉末顆粒を粉末プレス成形法によってプレス成形して炭素質成形体を得た後、前記炭素質成形体を非酸化性雰囲気にて1000〜1500℃の焼成温度にて炭化し、更に黒鉛化炉に移して2500℃以上で焼成することで得られた、炭素を99.9重量%以上含有して成る熱伝導率が50W/(m・K)以上の黒鉛材と、
    前記黒鉛材の表面に設けられた、CVD法によって成膜された熱分解炭素被膜と、を有して構成されることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 前記支持部材の前記インク供給穴は、前記インクジェット記録ヘッド側に開口する、中央に向かって深くなる傾斜底面を備えた長穴と、前記インクジェット記録ヘッドと反対側に開口し、前記長穴と連通する小径穴とを有して構成されていることを特徴とする、請求項1記載のインクへットプリンタ。
  3. 上記支持部材は400℃以下における線膨張係数が2.0×10−6〜5.0×10−6(1/℃)であること特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 前記熱分解炭素被膜の厚さが、1〜300μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
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