JP2003039685A - インクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッドの製造方法

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JP2003039685A
JP2003039685A JP2001230639A JP2001230639A JP2003039685A JP 2003039685 A JP2003039685 A JP 2003039685A JP 2001230639 A JP2001230639 A JP 2001230639A JP 2001230639 A JP2001230639 A JP 2001230639A JP 2003039685 A JP2003039685 A JP 2003039685A
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洋一 元
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Abstract

(57)【要約】 【課題】保護膜表面に付着したインクの焦げを、発熱抵
抗体を破損させることなく、良好、かつ容易に取り除く
ことができるインクジェットヘッドを得ることが可能な
インクジェットヘッドの製造方法を提供する。 【解決手段】ヘッド基板の各発熱抵抗体3に電力パルス
を印加して発熱抵抗体3をジュール発熱させて、その上
に設けた保護膜の表面温度を複数箇所で測定することに
より個々の発熱抵抗体毎に温度分布を得る工程1と、前
記温度分布中のピーク温度と所定の目標温度とを比較し
て、その温度差に相当する抵抗値補正幅を求める工程2
と、前記抵抗値補正幅に対応するトリミングパルスを求
め、これを対応する発熱抵抗体3に印加してパルストリ
ミングを行うことにより発熱抵抗体3の抵抗値を調整す
る工程3とを経てサーマルジェット型インクジェットヘ
ッドを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、記録紙にインク滴
を所定パターンに付着させて画像を記録するインクジェ
ットヘッドの製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、記録紙に画像を記録するため
の記録デバイスとしてインクジェットヘッドが用いられ
ている。 【0003】インクジェットヘッドの記録方式には、イ
ンク滴を記録紙に向けて吐出させるのに発熱抵抗体の発
する熱エネルギーを利用するものや圧電素子の変形を利
用するもの、更には電磁波の照射に伴って発生する熱を
利用するもの等があり、これらの中でも発熱抵抗体の熱
エネルギーを利用するサーマルジェットタイプのもの
は、発熱抵抗体のパターニングが容易である上に、小さ
な面積の発熱抵抗体であっても比較的大きな熱エネルギ
ーを発生させることができることから、高密度記録への
対応に適したものとして注目されている。 【0004】かかるサーマルジェットタイプのインクジ
ェットヘッドとしては、例えば図5に示す如く、単結晶
シリコン等から成るベースプレート12の上面に、複数
個の発熱抵抗体13と保護膜14とを順次被着させたヘ
ッド基板11と、前記発熱抵抗体13と1対1に対応す
る多数のインク吐出孔16を有する天板15とを、間に
所定の間隙を形成するようにして配設するとともに前記
ヘッド基板11−天板15間の間隙にインク17を充填
した構造のものが知られており、記録紙を天板15の外
表面に沿って搬送しながら、多数の発熱抵抗体13を外
部からの画像データに基づいて個々に選択的に発熱さ
せ、この熱エネルギーによってインク17中に気泡Aを
発生させるとともに、該発生した気泡Aによる圧力でも
ってインク吐出孔16内のインク17をインク吐出孔1
6より外部に吐出させ、このようなインク滴iを記録紙
に付着させることにより所定の画像が記録される。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のインクジェットヘッドにおいては、その使用
時、インク17中に含まれる染料や顔料,金属イオン等
が高濃度に濃縮されて、これらが保護膜14の表面に焦
げ付いてしまうことがある。このような場合、発熱抵抗
体13の発した熱がインク17に伝わりにくくなること
から、インク吐出孔16より吐出されるインク滴の吐出
速度や吐出量にバラツキを生じ、記録紙に良好な画像を
形成することが不可となる欠点を有していた。 【0006】そこで上記欠点を解消するために、発熱抵
抗体13に大きな電力パルスを印加し、インク17中に
発生した大きな気泡が消滅する際の衝撃によってインク
の焦げを保護膜表面より剥離させることが提案されてい
る。 【0007】ところが、インクジェットヘッドの発熱抵
抗体13には、通常、抵抗値バラツキがあり、電力パル
ス印加時の発熱状態(温度分布等)は発熱抵抗体毎に異
なっている。それ故、全ての発熱抵抗体13に同じ電力
パルスを印加しても、インク17中で発生する気泡の大
きさが異なり、焦げに印加される衝撃の大きさも異なる
ことから、保護膜表面より剥離するものと剥離しないも
のとがあり、上述の課題を十分に解決するレベルには至
っていない。 【0008】また、全ての発熱抵抗体13上で大きな気
泡を発生させるべく全ての発熱抵抗体13に十分に大き
な電力パルスを印加することでインクの焦げを確実に取
り除くことも考えられるが、その場合、一部の発熱抵抗
体13が過度に高温となって発熱抵抗体13に破損を生
じる恐れがあり、発熱抵抗体13が一個でも破損してし
まうとインクジェットヘッドを正しく動作させることが
不可となる欠点が誘発される。 【0009】本発明は上記欠点に鑑み案出されたもの
で、その目的は、保護膜表面に付着したインクの焦げ
を、発熱抵抗体を破損させることなく、良好、かつ容易
に取り除くことができるインクジェットヘッドを得るこ
とが可能なインクジェットヘッドの製造方法を提供す
る。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
ヘッドの製造方法は、ベースプレート上に複数個の発熱
抵抗体と保護膜とを順次被着させたヘッド基板と、天板
とを具備し、前記ヘッド基板−天板間に充填されたイン
クを発熱抵抗体の発熱によってインク吐出孔より吐出さ
せるインクジェットヘッドであって、前記発熱抵抗体の
抵抗値が下記工程1乃至工程3により調整されることを
特徴とするものである。 工程1:前記ヘッド基板の各発熱抵抗体に電力パルスを
印加して発熱抵抗体をジュール発熱させるとともに該発
熱した発熱抵抗体上に位置する保護膜の表面温度を複数
箇所で測定することにより個々の発熱抵抗体毎に温度分
布を得る。 工程2:工程1で得た温度分布中のピーク温度と所定の
目標温度とを比較して、その温度差に相当する抵抗値補
正幅を求める。 工程3:工程2で得た抵抗値補正幅に対応するトリミン
グパルスを求め、これを対応する発熱抵抗体に印加して
パルストリミングを行うことにより発熱抵抗体の抵抗値
を調整する。 【0011】本発明によれば、発熱抵抗体に同一の電力
パルスを印加した際の保護膜表面のピーク温度が略一定
となるように発熱抵抗体にパルストリミングを施したこ
とから、インクジェットヘッドの使用に伴い保護膜表面
にインクの焦げが付着した際、全ての発熱抵抗体に適度
な大きさの電力パルスを一斉に印加することで、発熱抵
抗体を破損させることなく、インク中に略等しい大きさ
の気泡を発生させることができ、インクの焦げに対して
略等しい強さの衝撃を与え、インクの焦げを保護膜表面
より良好、かつ容易に除去することができるようにな
る。従って、発熱抵抗体の発する熱を常に良好にインク
へ伝導させることができるようになり、インク吐出孔よ
り吐出されるインク滴の吐出速度や吐出量を略一定とな
して、記録紙に良好な画像を形成することが可能とな
る。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づい
て詳細に説明する。図1は本発明の製造方法によって製
作したインクジェットヘッドの斜視図、図2は図1のイ
ンクジェットヘッドの断面図であり、1はヘッド基板、
6は天板、8はヘッド基板1−天板6間に充填されるイ
ンクである。 【0013】前記ヘッド基板1は、矩形状をなすように
形成されたベースプレート2の上面に、その長手方向に
わたり直線状に配列する多数の発熱抵抗体3と該発熱抵
抗体3に電気的に接続される電極パターン4とを被着さ
せ、これらを保護膜5で被覆した構造を有している。 【0014】前記ベースプレート2は、単結晶シリコン
から成り、その表面には酸化珪素等から成る絶縁膜(図
示せず)が例えば1μm〜3μmの厚みに被着され、こ
の絶縁膜によってベースプレート2と後述する発熱抵抗
体3等とを電気的に絶縁している。 【0015】前記ベースプレート2は、従来周知のチョ
コラルスキー法(引き上げ法)等によって単結晶シリコ
ンのインゴット(塊)を形成し、これを所定厚みにスラ
イスすることによって製作され、得られたベースプレー
ト2の表面を従来周知の熱酸化法により所定の深さ領域
まで酸化することにより前記絶縁膜が所定の厚みに形成
される。 【0016】また前記ベースプレート2の上面に設けら
れている多数の発熱抵抗体3は、例えば600dpi
(dot per inch)の密度で主走査方向(ベースプレート
2の長手方向)に直線状に配列されており、その各々が
TaNやTaSiO,TaSiNO,TiSiO,Ti
SiCO,NbSiO等の電気抵抗材料により形成され
ているため、電極パターン4等を介して電源電力が供給
されるとジュール発熱を起こし、発熱抵抗体3上のイン
ク8中で気泡Aが発生するようになっている。 【0017】更に前記ベースプレート2上の電極パター
ン4は、アルミニウムを主成分とするスパッタ膜により
所定パターンをなすように例えば0.1μm〜0.7μ
mの厚みに形成されており、先に述べた発熱抵抗体3等
に電源電力等を供給する給電配線としての作用を為す。 【0018】尚、前記発熱抵抗体3及び電極パターン4
は、従来周知の薄膜形成技術、具体的には、先に述べた
TaSiO等の電気抵抗材料とアルミニウムを主成分と
する金属材料とを従来周知のスパッタリング法によって
ベースプレート2の上面に順次、被着させ、これを従来
周知のフォトリソグラフィー及びエッチング技術を採用
し所定パターンに加工することによって形成される。 【0019】そして、これらの発熱抵抗体3は、後述す
るパルストリミングによって電気抵抗値の調整がなされ
ており、発熱抵抗体3に所定の電力パルスを印加してジ
ュール発熱させた際の保護膜表面のピーク温度が略一定
となるようになしてある。 【0020】また更に前記発熱抵抗体3や電極パターン
4を被覆する保護膜5は、インク8中に含まれているア
ルカリイオンや水分等が発熱抵抗体3や電極パターン4
等に接触してこれらを腐食するのを有効に防止するため
のものであり、窒化珪素、酸化珪素、サイアロン等の無
機質材料により例えば0.2μm〜1.2μmの厚みに
形成される。 【0021】尚、前記保護膜5は、従来周知のCVD
(化学蒸気蒸着)法、スパッタリング法等の薄膜形成技
術を採用し、窒化珪素等の無機質材料を発熱抵抗体3や
電極パターン4上に所定の厚みに堆積させることによっ
て形成される。 【0022】また一方、前記天板6は、上述したヘッド
基板1の上面(保護膜5の表面)との間に例えば25μ
m〜200μmの間隙を部分的に形成するようにして、
ヘッド基板1上に配設される。 【0023】前記天板6は、発熱抵抗体3と1対1に対
応する複数個のインク吐出孔7を有しており、これらの
インク吐出孔7を対応する発熱抵抗体3の真上に位置さ
せるようにしてヘッド基板1に対して固定される。 【0024】前記天板6のインク吐出孔7は、インクジ
ェットヘッドの記録動作時、インク滴iを記録紙に向け
て吐出するためのものであり、各々のインク吐出孔7の
直径は10μm〜100μm程度の大きさに設定され、
発熱抵抗体3と同じ密度で主走査方向に直線状に配列さ
れる。 【0025】尚、前記天板6は、感光性のエポキシ樹脂
やポリイミド樹脂,モリブデン,アルミナセラミックス
等を所定形状に加工したり、或いは、上記の材料を組み
合わせることによって形成され、例えばモリブデンから
成る場合、モリブデンのインゴット(塊)を従来周知の
金属加工法により板状に成形するとともに該板体の所定
箇所に従来周知のレーザー加工により孔あけを行ってイ
ンク吐出孔7を穿設することにより製作され、得られた
天板6を図示しないスペーサ等を介してヘッド基板1上
に載置させることにより天板6がヘッド基板1上の所定
位置に固定される。 【0026】そして前記ヘッド基板1―天板6間に充填
されるインク8としては、例えば顔料タイプの油性イン
クや水性染料インク等が使用され、その粘度は例えば
0.3mPa・s〜3.0mPa・s(25℃)に調整さ
れる。 【0027】前記インク8は図示しないインクタンクか
らヘッド基板1−天板6間の間隙に供給されるようにな
っており、このようなインク8中に発熱抵抗体3の熱エ
ネルギーによって気泡Aが発生すると、該気泡発生時の
圧力によってインク8の一部がインク滴iとなってイン
ク吐出孔7より外部に吐出される。 【0028】かくして上述したインクジェットヘッド
は、記録紙を天板6の外表面に沿ってインク吐出孔7の
配列方向と直交する方向に搬送しながら、多数の発熱抵
抗体3を外部からの画像データに基づいて個々に選択的
に発熱させ、この熱エネルギーによって対応する発熱抵
抗体3上のインク8中で気泡Aを発生させるとともに、
該発生した気泡Aによる圧力でもってインク8をインク
吐出孔7側に押し上げ、インク滴iをインク吐出孔7よ
り記録紙に向けて吐出させることによって記録紙に所定
の画像が記録される。 【0029】次に上述したインクジェットヘッドのヘッ
ド基板1上に設けられる多数の発熱抵抗体3の抵抗値を
調整する方法について図3のフローチャートに従って説
明する。 【0030】(工程1)まず、発熱抵抗体3及び保護膜
5を従来周知の薄膜形成技術にて被着・形成したヘッド
基板1を準備し、該ヘッド基板1の各発熱抵抗体3に電
力パルスを印加して発熱抵抗体3をジュール発熱させる
とともに該発熱した発熱抵抗体3上に位置する保護膜5
の表面温度を複数箇所で測定することにより個々の発熱
抵抗体毎の温度分布を作成する。 【0031】この工程で発熱抵抗体3に印加される電力
パルスとしては、例えば印加エネルギー3.2mJ/m
2、パルス幅0.01mSの電力パルスが用いられ、
全ての発熱抵抗体3に同一の電力パルスが印加される。 【0032】また、保護膜表面の温度測定には、発熱抵
抗体3よりも十分に小さな微小部分の熱解析を行うこと
ができる温度計、例えば、発熱抵抗体3のサイズが55
μm×55μmの場合、2μm□以下の微小領域の赤外
線輻射温度計測を可能とする赤外線顕微鏡型温度計が用
いられる。 【0033】そして発熱抵抗体3に上述の電力パルスを
印加して発熱抵抗体3をジュール発熱させながら、保護
膜5の表面温度を上述の温度計を用いて発熱抵抗体1個
につき例えば25箇所ずつ全体にわたり満遍なく観測す
ることにより、所定の温度分布が得られる(図4参
照)。 【0034】(工程2)次に工程1で得た温度分布中の
ピーク温度と所定の目標温度とを比較して、その温度差
に相当する抵抗値補正幅を発熱抵抗体毎に求める。 【0035】上述の目標温度は、通常の記録動作を行う
際の60%〜80%程度に定められ、例えば250℃に
設定される。 【0036】また上述のピーク温度とは、赤外線顕微鏡
型温度計によって測定された微小領域の温度の中で最も
高温であった温度のことであり、このピーク温度は発熱
抵抗体毎に求められる。 【0037】そして、“ピーク温度−目標温度間の温度
差”も発熱抵抗体毎に求められ、抵抗値補正幅は発熱抵
抗体3の材質、厚み、形状等に基づいて予め作成された
“温度差−抵抗値補正幅の校正曲線(温度差と抵抗値補
正幅との関係を示すグラフ)”を参照することにより求
められる。 【0038】(工程3)次に工程2で得た発熱抵抗体毎
の抵抗値補正幅に対応するトリミングパルスを求め、し
かる後、得られたトリミングパルスを対応する発熱抵抗
体3に印加して全ての発熱抵抗体3、もしくは一部の発
熱抵抗体3の抵抗値を上昇もしくは下降させることによ
り発熱抵抗体3の抵抗値調整が行なわれ、製品としての
サーマルヘッドが得られる。 【0039】このような抵抗値の調整手法は一般にパル
ストリミングと呼ばれており、発熱抵抗体3にパルス幅
(通電時間)が短く、振幅(電圧値)が大きなトリミン
グパルスを印加し、発熱抵抗体3を低温で長時間加熱・
アニールすることによって発熱抵抗体3の抵抗値を下降
させ、またパルス幅が長く、振幅が小さなトリミングパ
ルスを発熱抵抗体3に印加し、発熱抵抗体3の一部(表
面付近)を大気中の酸素や保護膜5中の酸素等と反応さ
せることによって発熱抵抗体3の抵抗値を上昇させる。 【0040】このとき、個々の発熱抵抗体3に印加され
るトリミングパルスの大きさや長さは、発熱抵抗体3の
材質等に基づいて予め作成された“抵抗値補正幅−トリ
ミングパルスの変換テーブル(抵抗値補正幅とトリミン
グパルスとの関係を示す表)”を参照して所定のパルス
幅、電圧値のものが選択・決定され、該選択されたトリ
ミングパルスを発熱抵抗体3に印加することにより発熱
抵抗体3のトリミングが行なわれる。 【0041】以上のようなトリミングを発熱抵抗体3に
施しておくことにより、発熱抵抗体3に同一の電力パル
スを印加した際の保護膜表面のピーク温度を略一定とな
すことができることから、インクジェットヘッドの使用
に伴い保護膜表面にインク8中に含まれる染料や顔料,
金属イオン等が高濃度に濃縮されて、保護膜表面に焦げ
が付着したとしても、全ての発熱抵抗体3に適度な大き
さの電力パルスを一斉に印加することで、インク8中に
略等しい大きさの気泡を発生させることができ、インク
8中に発生する気泡が消滅する際の衝撃を保護膜表面の
焦げに対して略等しい強さで印加せしめ、全ての発熱抵
抗体3上に存在する焦げを保護膜表面より良好、かつ容
易に除去することができるようになる。 【0042】従って、このようなクリーニング作業を定
期的に行うことにより、記録動作時、発熱抵抗体3の発
する熱を常に良好にインク8へ伝導させることができる
ようになり、インク吐出孔7より吐出されるインク滴i
の吐出速度や吐出量を略一定になして、記録紙に良好な
画像を形成することが可能となる。 【0043】またこの場合、保護膜表面のピーク温度は
略一定になしてあり、適度な大きさの電力パルスを全て
の発熱抵抗体3に印加することで全ての発熱抵抗体3上
よりインクの焦げを良好に除去することができることか
ら、上述した焦げの除去作業に伴い発熱抵抗体3が過度
の温度上昇により破損するのを有効に防止することがで
き、インクジェットヘッドの製造歩留まりを向上させる
ことが可能である。 【0044】尚、本発明は上述の実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において
種々の変更、改良等が可能である。 【0045】例えば上述の実施形態においては、工程2
でピーク温度と目標温度とを比較し、その温度差に相当
する抵抗値補正幅を求めた後で抵抗値補正幅に対応する
トリミングパルスを求めるようにしたが、これに代え
て、抵抗値補正幅とトリミングパルスとの関係を予め求
めておき、ピーク温度と目標温度との温度差から直接、
トリミングパルスを求めるようにしても構わない。 【0046】また上述の実施形態においては、インク吐
出孔7を発熱抵抗体3の真上に配置させたインクジェッ
トヘッドを例に説明したが、インク吐出孔7を発熱抵抗
体3の真上よりずらして配置させたり、或いは、インク
吐出孔7を天板6には設けず、ヘッド基板1の端部付近
に別途取り付けられるノズル板等に設けるようにしても
構わない。 【0047】更に上述の実施形態においては、発熱抵抗
体3の抵抗値を上昇・下降させることにより調整するよ
うにしたが、これに代えて、発熱抵抗体3の抵抗値調整
を抵抗値の下降のみによって行うようにしても構わな
い。 【0048】また更に上述の実施形態において、個々の
発熱抵抗体3に印加するトリミングパルスは1個であっ
ても複数個であっても良い。 【0049】 【発明の効果】本発明によれば、発熱抵抗体に同一の電
力パルスを印加した際の保護膜表面のピーク温度が略一
定となるように発熱抵抗体にパルストリミングを施した
ことから、インクジェットヘッドの使用に伴い保護膜表
面にインクの焦げが付着した際、全ての発熱抵抗体に適
度な大きさの電力パルスを一斉に印加することで、発熱
抵抗体を破損させることなく、インク中に略等しい大き
さの気泡を発生させることができ、インクの焦げに対し
て略等しい強さの衝撃を与え、インクの焦げを保護膜表
面より良好、かつ容易に除去することができるようにな
る。従って、発熱抵抗体の発する熱を常に良好にインク
へ伝導させることができるようになり、インク吐出孔よ
り吐出されるインク滴の吐出速度や吐出量を略一定とな
して、記録紙に良好な画像を形成することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の製造方法によって製作したインクジェ
ットヘッドの斜視図である。 【図2】図1のインクジェットヘッドの断面図である。 【図3】本発明の製造方法を説明するためのフローチャ
ートである。 【図4】保護膜表面の温度分布を示す図である。 【図5】従来のインクジェットヘッドの断面図である。 【符号の説明】 1・・・ヘッド基板、2・・・ベースプレート、3・・
・発熱抵抗体、5・・・保護膜、6・・・天板、7・・
・インク吐出孔、8・・・インク

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】ベースプレート上に複数個の発熱抵抗体と
    保護膜とを順次被着させたヘッド基板と、天板とを具備
    し、前記ヘッド基板−天板間に充填されたインクを発熱
    抵抗体の発熱によってインク吐出孔より吐出させるイン
    クジェットヘッドであって、 前記発熱抵抗体の抵抗値が下記工程1乃至工程3により
    調整されることを特徴とするインクジェットヘッドの製
    造方法。 工程1:前記ヘッド基板の各発熱抵抗体に電力パルスを
    印加して発熱抵抗体をジュール発熱させるとともに該発
    熱した発熱抵抗体上に位置する保護膜の表面温度を複数
    箇所で測定することにより個々の発熱抵抗体毎に温度分
    布を得る。 工程2:工程1で得た温度分布中のピーク温度と所定の
    目標温度とを比較して、その温度差に相当する抵抗値補
    正幅を求める。 工程3:工程2で得た抵抗値補正幅に対応するトリミン
    グパルスを求め、これを対応する発熱抵抗体に印加して
    パルストリミングを行うことにより発熱抵抗体の抵抗値
    を調整する。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101355352B1 (ko) 2010-01-21 2014-01-23 캐논 가부시끼가이샤 잉크젯 기록 장치 및 액체 토출 헤드의 이상 검출 방법

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