JP2002355969A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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JP2002355969A
JP2002355969A JP2001163897A JP2001163897A JP2002355969A JP 2002355969 A JP2002355969 A JP 2002355969A JP 2001163897 A JP2001163897 A JP 2001163897A JP 2001163897 A JP2001163897 A JP 2001163897A JP 2002355969 A JP2002355969 A JP 2002355969A
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ink
common electrode
heating resistors
protective film
conductor layer
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JP2001163897A
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Takuji Hashiguchi
拓二 橋口
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インク滴の吐出量や吐出速度を略一定に保つこ
とができ、しかも全体構造を小型に維持することが可能
なインクジェットヘッドを提供する。 【解決手段】ベースプレート2の上面に複数個の発熱抵
抗体3を被着・配列させるとともに該発熱抵抗体3の各
一端に共通電極4を、各他端に個別電極5を接続し、こ
れらを保護膜6で被覆してなるヘッド基板1上に、発熱
抵抗体3の配列領域よりも個別電極5側に発熱抵抗体3
の配列に沿って配され、一部が隣接する発熱抵抗体間を
介して共通電極4上まで延在された隔壁部材8と、ヘッ
ド基板1の上面及び隔壁部材8の壁面で囲まれるインク
流路を塞ぐための天板9とを順次配設し、前記発熱抵抗
体3と1対1に対応する複数個のインク吐出孔10を備
えたインクジェットヘッドであって、前記保護膜6の上
面に、保護膜6中のビアホール6aを介して共通電極4
に電気的に接続される補強導体層7を被着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録紙にインク滴
を所定パターンに付着させて画像を記録するインクジェ
ットヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、記録紙に画像を形成するため
の記録デバイスとしてインクジェットヘッドが用いられ
ている。
【0003】インクジェットヘッドの記録方式には、イ
ンク滴を記録紙に向けて吐出させるのに発熱抵抗体の発
する熱エネルギーを利用するものや圧電素子の変形を利
用するもの、更には電磁波の照射に伴って発生する熱を
利用するもの等があり、これらの中でも発熱抵抗体の熱
エネルギーを利用するサーマルジェットタイプのもの
は、発熱抵抗体のパターニングが容易である上に、小さ
な面積の発熱抵抗体であっても比較的大きな熱エネルギ
ーを発生させることができることから、高密度記録への
対応に適したものとして注目されている。
【0004】かかるサーマルジェットタイプのインクジ
ェットヘッドとしては、例えば図5に示す如く、シリコ
ン等から成るベースプレート21の上面に複数個の発熱
抵抗体22を直線状に被着・配列させるとともに該発熱
抵抗体22の各一端に共通電極23を、各他端に個別電
極24をそれぞれ接続し、これらを更に保護膜25で被
覆してなるヘッド基板20上に、前記発熱抵抗体22と
1対1に対応する複数個のインク吐出孔27を有する天
板26を、間に所定の間隙を形成するようにして配設し
た上、ヘッド基板20−天板26間の間隙にインク28
を充填した構造のものが知られており、記録紙を天板2
6の外表面に沿って搬送しながら、複数個の発熱抵抗体
22に外部からの画像データに基づいて共通電極23及
び個別電極24を介して電源電力を供給することにより
発熱抵抗体22を個々に選択的にジュール発熱させ、発
熱した発熱抵抗体22上のインク28中で気泡Aを発生
させるとともに該発生した気泡Aによる圧力でもって発
熱抵抗体22上のインク28をインク吐出孔27側へ押
し上げ、インク28の一部をインク吐出孔27より外部
に吐出させることによって記録紙に所定の画像が記録さ
れる。
【0005】尚、前記ヘッド基板20と天板26との間
には、インク流路を形成するために、隣接する発熱抵抗
体22を隔てるようにして隔壁部材29が介在されてお
り、この隔壁部材29でもってインク28中で発生した
気泡からの圧力が周囲に分散するのを防止するようにし
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のインクジェットヘッドにおいては、発熱抵抗体
22の各一端に共通電極23を共通接続させてあること
から、例えば全ての発熱抵抗体22を同時に発熱させる
場合等には、共通電極23に極めて大きな電流が流れ込
んで、共通電極23内で大きな電圧降下を発生すること
がある。このような場合、発熱抵抗体22に供給される
電流量は不均一になってしまうため、インク28の吐出
量や吐出速度にバラツキを生じ、所望する画像が得られ
なくなる欠点を有していた。
【0007】また上述の欠点を解消するために、共通電
極23の電極幅を十分に広く確保することも考えられる
が、その場合、ベースプレート21の上面には大きな共
通電極23を配置させるための広いスペースが必要とな
り、インクジェットヘッドの小型化に供することが不可
となる上に、発熱抵抗体22の位置が共通電極23を広
げた分だけヘッド基板20のエッジより離れてしまうた
め、インク滴をヘッド基板20の端部付近より吐出させ
るエッジシュータータイプのインクジェットヘッドには
適さなくなる不都合がある。
【0008】本発明は上述の欠点に鑑み案出されたもの
で、その目的は、インク滴の吐出量や吐出速度を略一定
に保つことができ、しかも全体構造を小型に維持するこ
とが可能なインクジェットヘッドを提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
ヘッドは、ベースプレートの上面に複数個の発熱抵抗体
を被着・配列させるとともに該発熱抵抗体の各一端に共
通電極を、各他端に個別電極を接続し、これらを保護膜
で被覆してなるヘッド基板上に、発熱抵抗体の配列領域
よりも個別電極側に発熱抵抗体の配列に沿って配され、
一部が隣接する発熱抵抗体間を介して共通電極上まで延
在された隔壁部材と、前記ヘッド基板の上面及び隔壁部
材の壁面で囲まれるインク流路を塞ぐための天板とを順
次配設し、前記発熱抵抗体と1対1に対応する複数個の
インク吐出孔を備えたインクジェットヘッドであって、
前記保護膜の上面に、保護膜中に設けたビアホールを介
して前記共通電極に電気的に接続され、かつ外周を前記
隔壁部材の外周よりも内側に位置させた補強導体層を被
着させたことを特徴とするものである。
【0010】また本発明のインクジェットヘッドは、前
記補強導体層の一部が発熱抵抗体の配列に沿って帯状に
配設されていることを特徴とするものである。
【0011】本発明のインクジェットヘッドによれば、
ヘッド基板の保護膜上に補強導体層を被着させるととも
に該補強導体層を保護膜中に設けたビアホールを介して
共通電極に電気的に接続させるようにしたことから、共
通電極を上述の補強導体層でもって電気的に補強するこ
とができるようになる。従って、例えば全ての発熱抵抗
体を同時に発熱させる際等に共通電極に極めて大きな電
流が流れ込んでも、その一部は補強導体層を流れるので
共通電極内で大きな電圧降下が発生することはなく、発
熱抵抗体に供給される電流量を略一定に保つことにより
インクの吐出量や吐出速度を安定させ、画像を良好に記
録することができる。
【0012】しかもこの場合、共通電極そのものの幅は
狭くてもよいことから、その分、共通電極が配設される
ベースプレートの面積を縮小して、インクジェットヘッ
ドの小型化に供することができる上に、共通電極の電極
幅を幅狭にすることで発熱抵抗体をヘッド基板のエッジ
に近づけることができるようになるため、インク滴をヘ
ッド基板の端部付近より吐出させるエッジシュータータ
イプのインクジェットヘッドへの適用も容易になる。
【0013】また本発明のインクジェットヘッドによれ
ば、前記補強導体層は、その外周を隔壁部材の外周より
も内側に位置させてあることから、補強導体層全体が隔
壁部材の下に隠れるようになっており、補強導体層がイ
ンクと直に接するのを有効に防止することができる。従
って、補強導体層を形成する金属等がインク中に含まれ
ているCl-イオン、OH-イオン等と接触して腐食され
ることはなく、補強導体層を長期にわたって良好に機能
させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づい
て詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に係るイ
ンクジェットヘッドの分解斜視図、図2(a)(b)は
図1のインクジェットヘッドの断面図、図3は図1のイ
ンクジェットヘッドに使用されるヘッド基板の平面図で
あり、1はヘッド基板、8は隔壁部材、9は天板、10
は天板に設けたインク吐出孔、12はインクである。
【0015】前記ヘッド基板1は、矩形状をなすように
形成されたベースプレート2の上面に、複数個の発熱抵
抗体3を直線状に被着・配列させるとともに該発熱抵抗
体4の各一端に共通電極4を、各他端に個別電極5をそ
れぞれ接続し、これらを単一の保護膜6で被覆した構造
を有している。
【0016】前記ベースプレート2は、単結晶シリコン
等の半導体材料、或いは、アルミナセラミックス等の電
気絶縁性材料によって形成されており、その上面で発熱
抵抗体3や共通電極4,個別電極5,保護膜6等を支持
するための支持母材として機能する。
【0017】このようなベースプレート2は、例えば単
結晶シリコンから成る場合、従来周知のチョコラルスキ
ー法(引き上げ法)等を採用することによって単結晶シ
リコンのインゴット(塊)を形成し、これを所定厚みに
スライスした上、外形加工することによって製作され
る。尚、この場合、得られたベースプレート2の表面に
は酸化シリコン(SiO2)等の電気絶縁性材料から成
る絶縁膜(図示せず)が例えば1μm〜3μmの厚みに
設けられ、このような絶縁膜によってベースプレート2
を形成する単結晶シリコンと発熱抵抗体3等とが電気的
に絶縁される。
【0018】また前記ベースプレート2の上面に設けら
れている複数個の発熱抵抗体3は、例えば600dpi
(dot per inch)の密度で主走査方向に直線状に配列さ
れており、その各々がTaNやTaSiO,TaSiN
O,TiSiO,TiSiCO,NbSiO等の電気抵
抗材料から成っているため、後述する共通電極4及び個
別電極5を介して電源電力が供給されるとジュール発熱
を起こし、インク12中で気泡Aを発生させるのに必要
な所定の熱エネルギーを発生する作用を為す。
【0019】更にまた前記発熱抵抗体3の両端に接続さ
れる共通電極4及び個別電極5は、先に述べた発熱抵抗
体3に電源電力を印加するためのものであり、共通電極
4は全ての発熱抵抗体3に共通接続され、個別電極5は
各発熱抵抗体3に1個ずつ個別に接続されている。
【0020】本実施形態においては、共通電極4の一部
が発熱抵抗体3の配列に沿って帯状に配置されており、
この部分で全ての発熱抵抗体3と共通接続され、その両
端部を所定方向へ導出して外部電源の一方の端子に接続
させてある。
【0021】一方、前記個別電極5は発熱抵抗体3の配
列と直交する方向に導出された上、図示しないドライバ
ーIC内のスイッチング素子等を介して外部電源の他方
の端子に接続させてあり、上記スイッチング素子等のオ
ン・オフに基づいて共通電極4との間に所定の電圧が選
択的に印加される。
【0022】尚、上述した発熱抵抗体3や共通電極4,
個別電極5は、従来周知の薄膜形成技術、具体的には、
TaN等の電気抵抗材料とアルミニウム等の金属とを従
来周知のスパッタリング法によってベースプレート2の
上面に順次被着させ、これらをフォトリソグラフィー及
びエッチング技術を採用し所定パターンに加工すること
によって形成される。
【0023】そして、これらの発熱抵抗体3や共通電極
4,個別電極5を被覆する保護膜6は、Si34(窒化
珪素)やSiO2(酸化珪素),SiON等の無機質材
料によって例えば0.2μm〜2.0μmの厚みに形成
されており、該保護膜6のうち共通電極4上に配されて
いる部位には、複数個のビアホール6aが主走査方向に
わたって配列するように、例えば隣接する発熱抵抗体間
の領域に1個ずつ設けられている。
【0024】前記保護膜6は、インク12中に含まれて
いるアルカリイオンや水分等が発熱抵抗体3や共通電極
4,個別電極5等に接触してこれらを腐食したり、或い
は、インク12中に含まれている染料の固まり等が発熱
抵抗体3の表面に付着するのを有効に防止するためのも
のであり、また保護膜6中のビアホール6aはその上下
に配される共通電極4と後述する補強導体層7とを電気
的に接続するためのものである。
【0025】尚、前記保護膜6は、従来周知のスパッタ
リングや真空蒸着法等を採用し、発熱抵抗体3や電極
4,5等が設けられているベースプレート2上に前述の
無機質材料を所定厚み(例えば0.2μm〜2μm)に
被着させることにより形成され、得られた保護膜6の所
定箇所に従来周知のフォトリソグラフィーやエッチング
技術によって直径5μm〜20μm程度の貫通孔を主走
査方向に複数個形成し、各々の貫通孔の内部に従来周知
のスパッタリング等によってアルミニウム等の導電材料
を充填することによりビアホール6aが形成される。
【0026】更に前記保護膜6の上面には、薄膜状の補
強導体層7が所定パターンをなすように被着され、該補
強導体層7は保護膜6中に設けた複数個のビアホール6
aを介して共通電極4に電気的に接続されている。
【0027】前記補強導体層7は、共通電極4や個別電
極5と同様の金属材料、例えばアルミニウム等から成
り、その一部は、個別電極5の形成領域上で発熱抵抗体
3の配列に沿って帯状に配設される。
【0028】また前記補強導体層7は、隣接する発熱抵
抗体間の部位が上述したビアホール6a上まで延在され
ており、この延在部で複数個のビアホール6a介して共
通電極4と電気的に接続することにより、共通電極4を
電気的に補強する作用、具体的には、全ての発熱抵抗体
3を同時に発熱させる際等に共通電極4に極めて大きな
電流が流れ込んでも、その一部を補強導体層7に流すこ
とで共通電極4における大きな電圧降下の発生を有効に
防止し、これによって各発熱抵抗体3に供給される電流
量を略一定に保つようになっている。
【0029】また、このような補強導体層7で共通電極
4が電気的に補強されていれば、共通電極4そのものの
幅は狭くてもよいことから、その分、共通電極4が配設
されるベースプレート2の面積を縮小して、インクジェ
ットヘッドの小型化に供することができる上に、共通電
極4の電極幅を幅狭にすることで発熱抵抗体3をヘッド
基板1のエッジに近づけることができるようになり、イ
ンク滴iをヘッド基板1の端部付近より吐出させるエッ
ジシュータータイプのインクジェットヘッドへの適用も
容易になる。
【0030】尚、前記補強導体層7は、従来周知の薄膜
形成技術、具体的には、アルミニウム等の金属を従来周
知のスパッタリング法によって保護膜6の上面に所定厚
みに被着させ、これらをフォトリソグラフィー及びエッ
チング技術を採用して所定パターンに加工すること、具
体的には、補強導体層7が発熱抵抗体3の真上に存在し
ないように発熱抵抗体3の位置を避けて、また補強導体
層7の外周が後述する隔壁部材8の外周よりも内側に位
置するようにパターニングすることにより補強導体層7
が形成される。
【0031】そして、上述したヘッド基板1上には、隔
壁部材8と天板9とが順次、配設されており、ヘッド基
板1の上面と天板9の下面と隔壁部材8の壁面とで囲ま
れる領域にインク12が充填される。
【0032】前記隔壁部材8は、発熱抵抗体3の配列領
域よりも個別電極5側に発熱抵抗体3の配列に沿って帯
状に配置された上、一部を隣接する発熱抵抗体間を介し
て共通電極4上まで延在させた構造を有しており、その
外周は前述した補強導体層7の外周よりも外側に位置す
るように配設されている。
【0033】この隔壁部材8は、エポキシ樹脂、ポリイ
ミド樹脂、アクリル樹脂等の比較的硬質の樹脂により例
えば5μm〜50μmの厚みに形成され、上記延在部が
ヘッド基板1−天板8間で隣接する発熱抵抗体3,3を
隔てる形となっているため、記録動作時、発熱抵抗体3
上のインク12中で発生する気泡Aからの圧力が主走査
方向へ分散するのを有効に防止することができ、このよ
うな気泡Aからの圧力の多くがインク滴iの吐出に寄与
されるようになっている。
【0034】しかもこの場合、前記隔壁部材8の外周は
補強導体層7の外周よりも外側に位置させてあり、補強
導体層全体が隔壁部材8の下に隠れるようになっている
ため、補強導体層7がインク12と直に接するのが有効
に防止され、補強導体層7を形成する金属等がインク1
2中に含まれているCl-イオン、OH-イオン等と接触
して腐食されることはない。従って、補強導体層7を長
期にわたって良好に機能させることができ、インクジェ
ットヘッドの信頼性が高く維持される。
【0035】尚、前記補強導体層7は、例えば、液状に
成したエポキシ樹脂の前駆体を従来周知のスピンコート
法等によってヘッド基板1の上面全体に所定厚みに塗布
し、これを加熱・重合した後、従来周知のフォトリソグ
ラフィーやエッチング技術等を採用し、所定パターンに
加工することによって補強導体層7の被着領域を完全に
被覆するように形成される。
【0036】また一方、前記天板9は、ヘッド基板1の
上面と隔壁部材8の壁面とで囲まれる領域に形成される
インク流路を塞ぐためのものであり、上述したヘッド基
板1の上面との間に例えば5μm〜50μmの間隙を形
成するようにして、隔壁部材8上に配設される。
【0037】また前記天板9は、発熱抵抗体3と1対1
に対応する複数個のインク吐出孔10を有しており、本
実施形態においては、これらのインク吐出孔10を対応
する発熱抵抗体3の真上に位置させるようにしてヘッド
基板1等に対して固定させてある。
【0038】前記天板9のインク吐出孔10は、インク
ジェットヘッドの記録動作時、インク滴iを記録紙に向
けて吐出するためのものであり、各々のインク吐出孔1
0の直径は10μm〜100μm程度の大きさに設定さ
れ、発熱抵抗体3と同じ密度で主走査方向に配列され
る。
【0039】尚、前記天板9は、モリブデン等から成る
金属製の板体、アルミナセラミックス等から成るセラミ
ック製の板体、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の樹脂
製の板体、或いは、上記の材料を組み合わせることによ
って形成され、例えばモリブデンから成る場合、モリブ
デンのインゴット(塊)を従来周知の金属加工法により
板状に成形するとともに該板体の所定箇所に従来周知の
エッチング技術等により孔あけを行ってインク吐出孔1
0を穿設することにより製作され、得られた天板9を隔
壁部材8等を介してヘッド基板1上に載置・接着させる
ことにより天板9がヘッド基板1上の所定位置に固定さ
れる。
【0040】そして前記ヘッド基板1の上面、天板9の
下面及び隔壁部材8の壁面で囲まれる領域に充填される
インク12としては、例えば顔料タイプの油性インクや
水性染料インク等が使用され、その粘度は、インク12
の一部が保護膜表面の凹部6a内にも良好に充填される
ように、例えば0.3mPa・s〜3.0mPa・s(2
5℃)に調整される。
【0041】このインク12は、図示しないインクタン
クからヘッド基板1−天板9間の間隙に供給されるよう
になっており、前述した発熱抵抗体3からの熱エネルギ
ーによってインク12中に気泡Aが発生すると、該気泡
発生時の圧力によってインク12の一部がインク吐出孔
9よりインク滴iとなって外部に吐出される。
【0042】この場合、インク12中で発生する気泡A
からの圧力は、上述したように、隔壁部材8によって主
走査方向への分散が有効に防止されるため、気泡Aから
の圧力の多くはインク滴iの吐出に寄与されるようにな
っており、これによってインク12の吐出量や吐出速度
を安定させて、画像を良好に記録することができる。
【0043】かくして上述したインクジェットヘッド
は、記録紙を天板9の外表面に沿ってインク吐出孔10
の配列方向と直交する方向に搬送しながら、複数個の発
熱抵抗体3を外部からの画像データに基づいて個々に選
択的に発熱させ、この熱エネルギーによって保護膜6上
のインク12中で気泡Aを発生させるとともに、該発生
した気泡Aによる圧力でもってインク12をインク吐出
孔10側に押し上げ、インク滴iをインク吐出孔10よ
り記録紙に向けて吐出させることによって記録紙にイン
クが付着され、所定の画像が記録される。
【0044】尚、本発明は上述した実施形態に限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て種々の変更、改良等が可能である。
【0045】例えば上述の実施形態においては、隔壁部
材8と天板9とを別々に形成した上、これらをヘッド基
板1上に順次、載置させることによってインクジェット
ヘッドを構成するようにしたが、これに代えて、隔壁部
材と天板とを同一の樹脂材料等で一体的に形成するよう
にしても構わない。
【0046】また上述の実施形態においては、天板9の
インク吐出孔10を対応する発熱抵抗体3の真上に位置
させるようにしたが、これに代えて、インク吐出孔を発
熱抵抗体の真上よりずらして配置させたり、或いは、図
4に示す如く、インク吐出孔を天板に設けるのではな
く、ヘッド基板の上面と直交する方向に別途、配される
ノズル部材等に設けるようにした“エッジシュータータ
イプ”のインクジェットヘッドに適用しても構わない。
この場合、インク滴iはヘッド基板の端部付近よりヘッ
ド基板と略平行な方向に向けて吐出されるようになって
おり、本発明のインクジェットヘッドにおいては、上述
した如く、共通電極の電極幅を幅狭にして発熱抵抗体を
ヘッド基板のエッジに近づけることができるので、エッ
ジシュータータイプのインクジェットヘッドとして最適
な構造が得られる。またこの場合、天板とノズル部材と
を一体的に形成するようにしても構わない。
【0047】
【発明の効果】本発明のインクジェットヘッドによれ
ば、ヘッド基板の保護膜上に補強導体層を被着させると
ともに該補強導体層を保護膜中に設けたビアホールを介
して共通電極に電気的に接続させるようにしたことか
ら、共通電極を上述の補強導体層でもって電気的に補強
することができるようになる。従って、全ての発熱抵抗
体を同時に発熱させる際等に共通電極に極めて大きな電
流が流れ込んでも、その一部は補強導体層を流れるので
共通電極内で大きな電圧降下が発生することはなく、発
熱抵抗体に供給される電流量を略一定に保つことにより
インクの吐出量や吐出速度を安定させ、画像を良好に記
録することができる。
【0048】しかもこの場合、共通電極そのものの幅は
狭くてもよいことから、その分、共通電極が配設される
ベースプレートの面積を縮小して、インクジェットヘッ
ドの小型化に供することができる上に、共通電極の電極
幅を幅狭にすることで発熱抵抗体をヘッド基板のエッジ
に近づけることができるようになるため、インク滴をヘ
ッド基板の端部付近より吐出させるエッジシュータータ
イプのインクジェットヘッドへの適用も容易になる。
【0049】また本発明のインクジェットヘッドによれ
ば、前記補強導体層は、その外周を隔壁部材の外周より
も内側に位置させてあることから、補強導体層全体が隔
壁部材の下に隠れるようになっており、補強導体層がイ
ンクと直に接するのを有効に防止することができる。従
って、補強導体層を形成する金属等がインク中に含まれ
ているCl-イオン、OH-イオン等と接触して腐食され
ることはなく、補強導体層を長期にわたって良好に機能
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るインクジェット
ヘッドの分解斜視図である。
【図2】(a)及び(b)は図1のインクジェットヘッ
ドの断面図である。
【図3】図1のインクジェットヘッドに使用されるヘッ
ド基板の平面図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係るインクジェットヘ
ッドの横断面図である。
【図5】従来のインクジェットヘッドの断面図である。
【符号の説明】
1・・・ヘッド基板、2・・・ベースプレート、3・・
・発熱抵抗体、4・・・共通電極、5・・・個別電極、
6・・・保護膜、7・・・補強導体層、8・・・隔壁部
材、9・・・天板、10・・・インク吐出孔、12・・
・インク、A・・・気泡、i・・・インク滴

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベースプレートの上面に複数個の発熱抵抗
    体を被着・配列させるとともに該発熱抵抗体の各一端に
    共通電極を、各他端に個別電極を接続し、これらを保護
    膜で被覆してなるヘッド基板上に、発熱抵抗体の配列領
    域よりも個別電極側に発熱抵抗体の配列に沿って配さ
    れ、一部が隣接する発熱抵抗体間を介して共通電極上ま
    で延在された隔壁部材と、前記ヘッド基板の上面及び隔
    壁部材の壁面で囲まれるインク流路を塞ぐための天板と
    を順次配設し、前記発熱抵抗体と1対1に対応する複数
    個のインク吐出孔を備えたインクジェットヘッドであっ
    て、 前記保護膜の上面に、保護膜中に設けたビアホールを介
    して前記共通電極に電気的に接続され、かつ外周を前記
    隔壁部材の外周よりも内側に位置させた補強導体層を被
    着させたことを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】前記補強導体層の一部が発熱抵抗体の配列
    に沿って帯状に配設されていることを特徴とする請求項
    1に記載のインクジェットヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10340439B2 (en) * 2004-05-19 2019-07-02 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Method for manufacturing piezoelectric actuator

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