JP4671371B2 - 脊椎動物Smoothenedタンパク質 - Google Patents

脊椎動物Smoothenedタンパク質 Download PDF

Info

Publication number
JP4671371B2
JP4671371B2 JP51672198A JP51672198A JP4671371B2 JP 4671371 B2 JP4671371 B2 JP 4671371B2 JP 51672198 A JP51672198 A JP 51672198A JP 51672198 A JP51672198 A JP 51672198A JP 4671371 B2 JP4671371 B2 JP 4671371B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vertebrate
vsmo
smoothened
sequence
antibody
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP51672198A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001501476A (ja
Inventor
ソヴァージュ, フレデリック ジェイ ドヴ
ローゼンサル,アーノン
エム ストーン,ドンナ
Original Assignee
ジェネンテック, インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=24894172&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP4671371(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by ジェネンテック, インコーポレイテッド filed Critical ジェネンテック, インコーポレイテッド
Publication of JP2001501476A publication Critical patent/JP2001501476A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4671371B2 publication Critical patent/JP4671371B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/46Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates
    • C07K14/47Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01KANIMAL HUSBANDRY; CARE OF BIRDS, FISHES, INSECTS; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
    • A01K2217/00Genetically modified animals
    • A01K2217/05Animals comprising random inserted nucleic acids (transgenic)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01KANIMAL HUSBANDRY; CARE OF BIRDS, FISHES, INSECTS; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
    • A01K2217/00Genetically modified animals
    • A01K2217/07Animals genetically altered by homologous recombination
    • A01K2217/075Animals genetically altered by homologous recombination inducing loss of function, i.e. knock out
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide

Description

発明の分野
本発明は一般的に、細胞増殖及び分化に関与するHedgehog及びPatchedシグナリング分子と相互作用する新規なSmoothenedタンパク質に関する。特に本発明は、ラット及びヒトSmoothenedを含む新たに同定され単離された脊椎動物Smoothenedタンパク質及びそれをコードするDNAに関し、並びにこれらのタンパク質の様々な修飾形態、脊椎動物Smoothened抗体、及びそれらの様々な使用に関する。
発明の背景
多細胞生物の発生は少なくとも一部は、細胞、組織または器官をパターン化する位置的情報を特異化し、それに向けられており、またはそれを維持している機構に依存する。トランスフォーミング増殖因子−β(”TGF-β”)、Wnt腺維芽細胞増殖因子(”FGF”)、及びhedgehogファミリーのメンバーのような様々な分泌シグナリング分子が、Drosophilaと同様に脊椎動物においてもさまざまな細胞のパターニング活性及び構造と関連している[Perrimon,Cell,80:517-520(1995)]。
Drosophila胚の研究により、細胞胚盤葉及び発達の後期の段階で、シグナル伝達経路によって情報が細胞の境界を通過して維持されることが明らかになった。上記経路は、Wingless(”Wg”)及びHedgehog(”Hh”)のような細胞外シグナルによって開始されると考えられている。細胞外シグナルHhは、TGF-β、Wnt及びFGFシグナリング分子の発現をコントロールし、短期的及び長期的シグナリング機能の両者を開始することが示されている。例えばDrosophilaにおけるHhの短期的機能は腹表皮において見出され、そこではHhは隣接細胞がwingless(wg)発現を維持することを引き起こすことと関連している[Perrimon,Cell,76:781-784(1984)]。例えば脊椎動物中枢神経系において、Sonic hedgehog(”SHh”;dHhの分泌脊椎動物ホモローグ)は脊索細胞において発現され、接触依存性の方式において隣接神経管内に底板形成を誘導することと関連する[Roelink et al.,Cell,76:761-775(1994)]。Perrimon,Cell,80:517-520(1995)は、Hhと関連するいくつかの長期的機能の一般的なレビューを提供する。
DrosophilaにおけるHhタンパク質(”dHh”)の研究により、hhは46kDaの完全なタンパク質をコードし、それはシグナル配列の切断に引き続き39kDa形態に切断され、引き続き19kDaアミノ末端形態及び26kDaカルボキシ末端形態に切断される[Lee et al.,Science,266:1528-1537(1994)]。Lee et al.は19kDa及び26kDa形態が異なる生物学的性質を有し、別々に配置されることを報告している。Dinardo et al.及び他の者は、dHhタンパク質がwg[DiNardo et al.,Nature,332:604-609(1988);Hidaigo and Ingham,Development,110:291-301(1990);Ingham and Hidalgo,Development,117:283-291(1993)]、及び少なくとももう一つの分節局在化遺伝子patched(ptc)[Hidaigo and Ingham,上記参照;Tabata and Kornberg,Cell,76:89-102(1994)]を活性化するシグナル伝達カスケードの引き金を引くことを開示している。dHhの性質及び特徴はまた、Ingham et al.,Curr.Opin.Genet.Dev.,5:492-498(1995)及びLumsden and Graham et al.,Curr.Biol.,5:1347-1350(1995)によるレビューにおいて記載されている。dHhの脊椎動物ホモローグ、Sonic hedgehogの性質及び特徴は、Echelard et al.,Cell,75:1417-1430(1993);Krauss et al.,Cell,75:1431-1444(1993);Riddle et al.,Cell,75:1401-1416(1993);Johnson et al.,Cell,79:1165-1173(1994);Fan et al.,Cell,81:457-465(1995);Roberts et al.,Development,121:3163-3174(1995);及びHynes et al.,Cell,80:95-101(1995)に記載されている。
Perrimon,Cell,80:517-520(1995)において、Wg及びHhのようなシグナリング分子が二次シグナルトランスデューサの活性、転写またはその両者を調節する生物学的機構及びレセプターは、一般的によく理解されていないことが報告された。Drosophilaにおいては遺伝学的証拠により、Frizzled(”Fz”)が毛及び剛毛発達の間の表皮細胞における極性シグナルを伝達及び変換するように機能することが示される。Gタンパク質結合レセプタースーパーファミリーのメンバーと構造的類似性を有するFzラットホモローグが、Chan et al.,J.Biol.Chem.,267:25202-25207(1992)に記載されている。特異的にChan et al.は、ラット細胞ライブラリーから2の異なるcDNAを単離することを記載し、第一のcDNAはDrosophilaFzと46%のホモロジーを有する予測される641残基のタンパク質Fz-1をコードし、第二のcDNAはFz-1と80%のホモロジーを有する570アミノ酸のタンパク質Fz-2をコードする。Chan et al.は哺乳動物fzは組織形態形成の間または分化した組織において極性情報の伝達及び細胞内変換に重要である遺伝子ファミリーを構成しているであろうと主張している。最近Bhanot et al.はDrosophila遺伝子frizzled2(Dfz2)の同定と予想Dfz2タンパク質を記載し、それは培養細胞においてWgレセプターとして機能し得ることを記載した[Bhanot et al.,Nature,382:225-230(1996)]。しかしながらBhanot et al.はDfz2がWgシグナリングに必要であることを示すin vivoの証拠は存在しないと開示している。
dHhに対する細胞応答は膜貫通タンパク質、smoothened(dSmo)に依存し[Nusslein-Volhard et al.,Wilhelm Roux’s Arch.Dev.Biol.,193:267-282(1984);Jurgens et al.,Wilhelm Roux’s Arch.Dev.Biol.,193:283-295(1984);Alcedo et al.,Cell,86:221-232(1996.7.26);van den Heuvel and Ingham,Nature,382:547-551(1996.8.8)]、膜貫通タンパク質、”Patched”によってネガティブに調節される[Hooper and Scott,Cell,59:751-765(1989);Nakano et al.,Nature,341:508-513(1989);Hidalgo and Ingham,上記参照;Ingham et al.,Nature,353:184-187(1991)]ということを示唆する証拠が存在するが、Hhタンパク質に対するレセプターは以前には生化学的に特徴付けられていない。Patchedタンパク質、転写因子cubitus interruptus、セリン/トレオニンキナーゼ”fused”、及びCastal-2,Smoothened(smo)とSuppressor of fused(Su(fu))の遺伝子産物を含む様々な遺伝子産物が、Hhシグナリング経路の推定の構成要素として考えられている。
Drosophilaにおける以前の研究は、ptcがHhレセプターをコードするという仮説を導いた[Ingham et al.,Nature,353:184-187(1991)]。Patched[Hooper and Scott,上記参照]としていわれている複数の膜貫通細胞表面タンパク質であるptc産物の活性はwg及びptc遺伝子を表し、Hhシグナルによって拮抗される。PatchedはIngham et al.によってHhを結合によって不活性化され、それによってHh応答性遺伝子の転写を許容する構成的な活性レセプターであると提案された。しかしながらBejsovec and Wieschaus,Development,119:501-517(1993)によって報告されたように、Hhはptc無存在Drosophila胚において効果を有し、それ故唯一のHhレセプターではないはずである。したがってHhシグナリングにおけるPatchedの役割は十分に理解されていない。
Goodrich et al.は、ネズミpatched遺伝子を単離した[Goodrich et al.,Genes Dev.,10:301-312(1996)]。ヒトpatchedホモローグもまた最近印刷された文献に記載されている。例えばHahn et al.,Cell,85:841-851(1996)は、Drosophila ptcのヒトホモローグの単離を記載する。該遺伝子はDrosophila遺伝子とヌクレオチドレベルで67%の配列同一性を、アミノ酸レベルで60%の同一性を示す[Hahn et al.,上記参照]。Johnson et al.もまたヒトPatchedタンパク質の予想されるアミノ酸配列を提供する[Johnson et al.,Science,272:1668-1671(1996)]。johnson et al.は、1447アミノ酸タンパク質がマウス及びDrosophila Patchedのそれぞれと96%及び40%の同一性を有することを開示する。これら研究者由来のヒト及びマウスのデータは、patchedが哺乳動物において単一コピーであることを示唆する。Hahn et al.,Cell,85:841-851(1996)にしたがって、分析によりそのヒトptc遺伝子に対する3の異なる5’末端の存在が明らかにされた。Hahn et al.は、哺乳動物細胞におけるPatchedタンパク質の少なくとも3のことなる形態:ネズミ配列によって表される子孫形態、及び2のヒト形態が存在することを説明する。Patchedはさらに、Marigo et al.,Development,122:1225(1996)による最近のレビューにおいても議論されている。
Drosophilaにおける研究はまた、SmoがHhに対する候補のレセプターであるという仮説を導いている[Alcedo et al.,上記参照;van der Heuvel and Ingham,上記参照]。smoothened(smo)遺伝子は分節極性遺伝子として同定され、初めにsmoothと名付けられた[Nusslein-Volhard et al.,上記参照]。その名前は既に他のローカスに記載されていたため、該分節極性遺伝子はsmoothendと名付け変えられた[Lindsley and Zimm,”The Genome of Drosophila melanogaster,”San Diego,CA:Academic Press(1992)]。Nusslein-Volhard et al.,上記参照に最初に報告されたように、smo遺伝子はDrosophila胚における分節化の維持に必要とされる。Alcedo et al.,上記参照は最近、Drosophila Smoothened遺伝子を記載している[vanden Heuvel and Ingham,上記参照もまた参照]。Alcedo et al.は、ハイドロパシー分析により推定のSmoタンパク質は7の膜貫通アルファヘリックス、N末端近傍の疎水性部分及び親水性C末端テールを有する膜内タンパク質である。それ故Smoは曲がりくねったレセプターファミリーに属し、そのメンバーはGタンパク質に全て結合する。Alcedo et al.,上記参照はまた、smoがHhシグナリングに必要であり、それはhh及びptcの下流で機能することを報告する。
Pennisi,Science,272:1583-1584(1996)に議論されているように、特定の発達遺伝子は細胞成長及び特異化をコントロールするため、いくつかの役割を演じると考えられる。最近の研究により、patchedは腫瘍サプレッサーであり、その欠損または不活性化は過剰なガン細胞の成長に寄与する遺伝子であることが示唆されている。特異的にHahn et al.及び他の研究者は、patchedがヒトにおける基底細胞ガンのいくつかの共通の形態でミューテートされていることを見出した[Hahn et al.,Cell,85:841-851(1996);Johnson et al.,上記参照;Gailani et al.,手紙中,Nature Genetics,13:1996年9月]。Hahn et al.は、patshed遺伝子産物を不活性化することが予想される改変が基底細胞母斑症候群(”BCNS”)、ガンと発達異常の親密な複合体を有する6の非関連の患者において見出されたことを報告する。Hahn et al.はまた、pts経路が膵臓腫瘍サプレッサー遺伝子、DPC4のクローニングによって腫瘍形成に関連していることを報告する。2の他のDrosophila分節極性遺伝子の脊椎動物ホモローグ、ネズミ乳房Wntl[Rijsewijk et al.,Cell,50:649(1987)]及びヒト神経膠芽細胞腫GLI[Kinzler et al.,Science,236:70(1987)]もまたガンに関連している。
発明の概要
出願人はここで”vSmo”と名付けられた新規な脊椎動物Smoothenedタンパク質をコードするcDNAクローンを同定した。特にラットSmoothened及びヒトSmoothenedをコードするcDNAクローンを同定した。本発明のvSmoタンパク質は驚くべきことに、patchedタンパク質と共発現されpatchedと物理的複合体を形成していることが見出された。出願人はまた、vSmo単独ではSonic hedgehogを結合しないが、脊椎動物Patchedホモローグは比較的高アフィニティーでSonic hedgehogを結合することを発見した。Sonic hedgehogはvSmoがシグナリング構成要素でありPatchedがリガンド結合構成要素であると同時にvSmoのリガンド調節サプレッサーであるマルチサブユニットレセプターを通じてその生物学的活性を介在すると考えられる。したがって、いかなる理論にも限定されるわけではないが、不活性化(またはミューテートされた)Patchedと関連した基底細胞ガンのような病理学的条件は、vSmoの構成的活性またはPatchedによるネガティブな調節から引き続くvSmoのシグナリングの結果であろう。
一つの実施態様として、本発明は単離した脊椎動物Smoothenedを提供する。欲に本発明は単離した天然配列脊椎動物Smoothenedを提供し、それには一つの実施態様として図1の1から793残基を含むアミノ酸配列が含まれる(配列番号2)。本発明はまた、図4の1から787残基を含むアミノ酸配列を含む単離した天然配列脊椎動物Smoothenedを提供する(配列番号4)。他の実施態様として、単離した脊椎動物Smoothenedは図4の1から787残基を含む天然配列脊椎動物Smoothenedと少なくとも約80%の同一性を含む(配列番号4)。
もう一つの実施態様として、本発明は異種ポリペプチドまたはアミノ酸配列と融合した脊椎動物Smoothenedを含むキメラ分子を提供する。上記キメラ分子の例としては、エピトープタグ配列と融合した脊椎動物Smoothenedが含まれる。
もう一つの実施態様として、本発明は脊椎動物Smoothenedをコードする単離した核酸分子を提供する。一つの面として、核酸分子は脊椎動物SmoothenedをコードするRNAまたはDNAであり、あるいは上記コード化核酸配列に相補的なものであり、厳しい条件下でそれに対して安定に結合するものである。一つの実施態様として、該核酸配列は以下のものから選択される:
(a)残基1から残基793まで(即ち核酸450-452から2826-2828まで)をコードする図1(配列番号1)の核酸配列のコード領域;
(b)残基1から残基787まで(即ち核酸13-15から2371-2373まで)をコードする図4(配列番号3)の核酸配列のコード領域;または
(c)遺伝学的コードの縮重の範囲で(a)または(b)の配列に相当する配列。
さらなる実施態様として、本発明は脊椎動物Smoothenedをコードする核酸分子を含むベクターを提供する。該ベクターまたは核酸分子を含む宿主細胞もまた提供される。脊椎動物Smoothenedを提供する方法もさらに提供される。
もう一つの実施態様として、本発明は脊椎動物Smoothenedに特異的に結合する抗体を提供する。該抗体はアゴニスト、アンタゴニストまたは中和抗体である。
もう一つの実施態様として、本発明は非ヒト、トランスジェニックまたはノックアウト動物を提供する。
本発明のもう一つの実施態様として、脊椎動物Smoothenedまたは脊椎動物Smoothened抗体を含む製造品及びキットが提供される。
本発明のさらなる実施態様として、脊椎動物Smoothenedタンパク質及び脊椎動物patchedタンパク質を含むタンパク質複合体が提供される。一つの実施態様として該複合体は、さらに脊椎動物Hedgehogタンパク質を含む。本発明はまた、脊椎動物Smoothenedに結合する脊椎動物Patchedを提供する。場合により脊椎動物Patchedは天然配列脊椎動物Patchedの誘導体または断片である配列を含む。
【図面の簡単な説明】
図1は天然配列ラットSmoothenedのヌクレオチド配列(配列番号1)及び推定のアミノ酸配列(配列番号2)を示す。
図2はラットSmo(rSmo)及びDrosophila Smo(dsmo)の一次構造を示す。シグナルペプチド配列は下線が引かれており、保存されたアミノ酸は囲まれており、システインは星印でマークされており、潜在的なグリコシル化部位は点線で囲まれており、そして7の疎水性膜貫通ドメインは陰がつけられている。
図3は胚及び成人ラット組織におけるSHH、Smo及びPatchedの組織配置を示す。ラット組織に対するSHH(左欄);Smo(中央欄)及びPatched(右欄、挿入物を含まない)のin situハイブリダイゼーションである。列E15Sagは、E15ラット胚を貫通する矢印方向の断面である。列E9,E10,E12及びE15は、E9神経ひだ、E10神経管及び体節、E12とE15神経管を貫通するそれぞれ冠状断面である。列E12の挿入物はE12ラット胚の前肢を貫通する断面を示す。レジェンド−ht=心臓;st=皮膚;bl=膀胱;ts=睾丸;lu=肺;to=舌;vtc=脊柱;nf=神経ひだ;nc=脊索;so=体節;fp=底板;vh=前角;vz=心室空間;cm=噴門中胚葉及びvm=腹側中脳。
図4は天然配列ヒトSmoothenedに対するヌクレオチド配列(配列番号3)及び推定のアミノ酸配列(配列番号4)を示す。
図5はヒトSmo(hSmo)及びラットSmo(rat,Smo)の一次構造並びにDrosophila Smo(dros.smo)に対するホモロジーを示す。保存されたアミノ酸は囲まれている。
図6はmPatchedに結合するがrSmoには結合しないSHH-Nを示す結合の結果及び共免疫学的沈降アッセイの結果を説明する。(a)Flag(Smo)抗体;(c)Myc(mPatched)抗体;(b及びd)IgG-SHH-N;または(e)Fladタグ化SHH-Nを用いた、Flagタグ化rSmo(a及びb)またはMycタグ化mPatched(c,d及びe)を発現する細胞の染色。(f)一G-SHH-Nを用いたエピトープタグ化mPatched(Patched)またはエピトープタグ化rSmo(Smo)の共免疫学的沈降。(g)非ラベル化SHH-Nの不存在かまたは存在下でのmPatchedまたはrSmoを発現する細胞に対する1251I-SHH-N(125I-SHH)の架橋。(h)エピトープタグ化mPatched(Patched)またはエピトープタグ化rSmo(Smo)による125I-SHHの共免疫学的沈降。(i)mPatchedまたはmPatchedプラスrSmoを発現する細胞に対する125I-SHHの競合的結合。
図7は(a)トランスフェクト細胞におけるPatched(赤)及びSmo(緑)の二重免疫組織化学的染色を示す。黄色は2のタンパク質の共発現を示す。(b及びc)免疫学的沈降によるPatched-Smo Complexの検出。(b)エピトープタグ化Patchedに対する抗体を用いた免疫学的沈降、及びエピトープタグ化Smoに対する抗体を用いたウエスタンブロットの分析。(c)エピトープタグ化Smoに対する抗体を用いた免疫学的沈降、及びエピトーブタグ化Patchedに対する抗体を用いたウエスタンブロットの分析。(d及びe)Smo(d)またはPatched(e)エピトープタグのそれぞれに対する抗体を用いたSmo及びPatchedの両者を発現する細胞に結合した125I-SHHの共免疫学的沈降。
図8は野生型(WT)及びミューテートされたPatched(mutant)の発現レベルを示すSDSゲル由来のウエスタンブロットを示す。
図9は推定のSHHレセプター及びSHHによる提案された活性化を記載するモデルを示す。該モデルに示されるように、Patchedはリガンド結合構成成分であり、vSmoはマルチサブユニットSHHレセプターにおけるシグナリング構成成分である。
好ましい実施態様の詳細な説明
I.定義
ここで用いられる「脊椎動物Smoothened」、「脊椎動物Smoothenedタンパク質」及び「vSmo」なる語は、天然配列脊椎動物smooth及び脊椎動物smooth変異体(それぞれがここで定義される)を包含する。これらの語は哺乳動物を含む脊椎動物として分類される様々な動物由来のSmoothenedを包含する。好ましい実施態様として、該脊椎動物SmoothenedはラットSmoothened(rSmo)またはヒトSmoothened(hSmo)である。脊椎動物Smoothenedは、ヒト組織タイプまたは別のソースのような様々なソースから単離され、組換え法または合成法によって調製され得る。
「天然配列脊椎動物Smoothened」には、天然から由来する脊椎動物Smoothenedと同じアミノ酸配列を有するタンパク質が含まれる。それ故、天然配列脊椎動物Smoothenedは、天然で生じるヒトSmoothened、ラットSmoothenedまたはいかなる他の脊椎動物由来のSmoothenedのアミノ酸配列を有することが可能である。上記天然配列Smoothenedは天然から単離され得、または組換え法や合成法によって生産され得る。「天然配列脊椎動物Smoothened」なる語は、脊椎動物Smoothenedの天然で生じる切断形態、脊椎動物Smoothenedの天然で生じる変異体形態(例えば選択的スプライシング形態)及び天然で生じる対立遺伝子変異体を特異的に包含する。本発明の一つの実施態様として、天然配列脊椎動物Smoothenedには、配列番号2のアミノ酸配列を含む成熟天然配列Smoothenedが含まれる。
「脊椎動物Smoothened変異体」は、ヒトSmoothenedに対する配列番号4またはラットSmoothenedに対する配列番号2に示される推定のアミノ酸配列を有する脊椎動物Smoothenedと100%より小さい配列同一性を有する以下に定義される脊椎動物Smoothenedを意味する。上記脊椎動物Smoothened変異体には、例えば一つ以上のアミノ酸残基が配列番号4または配列番号2の配列のNまたはC末端あるいは配列内に加えられたもの;約1から30のアミノ酸残基が欠失されたもの、または場合により一つ以上のアミノ酸残基によって置換されたもの;及びそれらの誘導体;生成産物が非天然で生じるアミノ酸を有するようにアミノ酸が共有結合修飾されたものといった脊椎動物Smoothenedタンパク質が含まれる。もともと脊椎動物Smoothened変異体は、配列番号4または配列番号2の配列と少なくとも約80%の配列同一性、より好ましくは少なくとも約90%の配列同一性、及びさらに好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有するであろう。
ここにおいて使用される場合「エピトープ標識される」なる用語は、抗体が生じ得る様なエピトープを与えるに充分な残基を有し、しかも脊椎動物Smoothenedの活性を妨害しない程度に十分短いタグポリペプチドをいう。標識ポリペプチドは、好ましくはそれに対する抗体が他のエピトープと実質的に交差反応しない程度に十分固有なものでもある。好適な標識ポリペプチドは、一般的には少なくとも6個のアミノ酸残基、通常は8-50個のアミノ酸残基を有する(好ましくは約9-30残基の間)。
ここで開示される様々なタンパク質を記載するために用いられる「単離された」なる語は、その天然環境の構成要素から同定された及び分離された及び/または回収されたタンパク質を意味する。その天然環境の入り交じった構成要素は該タンパク質に対する診断用途または治療用途を典型的に妨害する物質であり、それらには酵素、ホルモン及び他のタンパク質性または非タンパク質性物質が含まれる。好ましい実施態様として、該タンパク質は(1)スピニングカップシークエネーターの使用によってN末端の少なくとも15残基または内部アミノ酸配列を得るのに十分な程度に、(2)クマシーブルーまたは好ましくは銀染色を用いて非還元または還元条件下でSDS-PAGEによって均質な程度に精製されるであろう。単離されたタンパク質には、vSmo天然環境の少なくとも一つの構成要素が存在しないであろうため、組換え細胞内でのin situのタンパク質が含まれる。しかしながら場合により、単離されたタンパク質は少なくとも一つの精製工程で調製されるであろう。
「単離された」vSmo核酸分子は、それが普通vSmo核酸の天然のソースにおいて会合している少なくとも一つの混じり合った核酸分子から同定され分離された核酸分子である。単離されたvSmo核酸分子は、それが天然で見出される形態または状態以外でのものである。それ故単離されたvSmo核酸分子は、それが天然の細胞で存在しているようなvSmo核酸分子から区別される。しかしながら単離されたvSmo核酸分子には、例えば核酸分子が天然細胞のものから区別される染色体位置に存在する通常vSmoを発現する細胞内に含まれるvSmo核酸分子が含まれる。
「制御配列」なる表現は、特定の宿主中で機能的に連結されたコード配列を発現するために必要なDNA配列を指す。原核生物に好適な制御配列は、例えばプロモータ、場合によりオペレータ配列、リボソーム結合部位を含む。真核性細胞は、プロモータ、ポリアデニル化シグナル、及びエンハンサーを使用することが知られている。
核酸は、他の核酸配列と機能的に関連して配置される場合に、「機能的に連結されている」。例えば、先行配列または分泌リーダーのDNAは、それがポリペプチドの分泌に関与する先行タンパク質として発現される場合にポリペプチドのDNAに機能的に連結され;またプロモータ若しくはエンハンサーは、それが配列の転写に影響する場合にコード配列に対して機能的に連結され;またリボソーム結合部位は、それが翻訳を促進するように位置する場合にコード配列に機能的に連結されている。一般的に、「機能的に連結」とは、DNA配列が連続し、分泌リーダーの場合には連続かつ読み取りの位相内に連結されることを意味する。しかしながら、エンハンサーは連続する必要はない。連活は、慣用の制限部位においての連結により達成される。そのような部位が存在しない場合には、合成オリゴヌクレオチドアダプタまたはリンカーが慣用の方法により使用される。
「抗体」なる語は、最も広い意味で用いられ、単一の抗vSmoモノクローナル抗体(アゴニスト、アンタゴニスト及び中和抗体を含む)及びポリエピトープ特性を有する抗vSmo抗体組成物を特異的にカバーする。
ここにおいて使用される「モノクローナル抗体」なる用語は、実質的に均質な抗体、すなわち母集団を含むそれぞれの抗体がわずかに存在してもよい天然に生じ得る変異を除いて同等であるような母集団から得られる抗体を指す。モノクローナル抗体は高度に特異的であり、単一の抗原性部位を指向する。更に、典型的には異なる決定基(エピトープ)に向けられた異なる抗体を含む慣用の(ポリクローナル)抗体調製物とは対照的に、各モノクローナル抗体は抗原上の単一の決定基に向けられている。
ここでのモノクローナル抗体には、定常ドメインを有する抗vSmo抗体の可変ドメイン(超可変ドメインを含む)をスプライスすることによって生産されたハイブリッド及び組換え抗体(例えば「ヒト化」抗体)、または重鎖を有する軽鎖、またはもう一つの種由来の鎖を有する一つの種由来の鎖、または起源の種またはイムノグロブリンクラスあるいはサブクラスデザインに関わらず、異種タンパク質との融合物、同様に望ましい活性を示す限りで抗体断片(例えばFab,F(ab’)2及びFv)が含まれる。米国特許第4,816,567号及びMage et al.,in Monoclonal Antibody Production Technique and Application,pp.79-97(marcel Dekker,Inc.:New York,1987)参照。
「モノクローナル」なる修飾語は、実質的に均質な抗体の母集団から得られ、いずれかの特定方法による産生を要求するものとも解されない抗体の特徴を示す。例えば、本発明に従って使用されるべきモノクローナル抗体は、Kohler and Milstein, Nature 256:495(1975)により最初に記述されたハイブリドーマ法により調製されてよく、あるいは組換えDNA法により調製されてもよい。「モノクローナル抗体」は、例えばMcCafferty et al., Nature 348:552-554(1990)に記述される技術を使用してファージ抗体ライブラリーからも単離されうる。
非ヒト(例えばネズミ)抗体の「ヒト化」形態は、非ヒトイムノグロブリンから誘導された最小の配列を含むキメラ性イムノグロブリン、イムノグロブリン鎖、またはその断片(Fv、Fab、Fab’F(ab’)2若しくは抗体の他の抗原結合配列等)である。ほとんどの部分についてヒト化抗体はヒトイムノグロブリン(受容抗体)であり、そのレセプターの相補性決定領域(CDR)の残基は、所望の特異性、親和性、及び容量を持ったマウス、ラットまたはウサギ等の非ヒト種(提供側抗体)のCDRの残基により置換されている。ある例においては、ヒトイムノグロブリンのFvフレームワーク領域(FR)は、対応する非ヒト残基により置換されている。更に、ヒト化抗体は、受容抗体にも、あるいは導入されるCDRまたはフレームワーク配列にも見出されない残基を含んでもよい。これらの修飾は、抗体の性能を更に洗練させるかまたは最適化させるために行われる。一般的に、ヒト化抗体は実質的に全て、または少なくとも1つ、典型的には2つの可変領域を有し、全てまたは実質的に全てのCDR領域が非ヒトイムノグロブリンのものに対応したものであり、全てまたは実質的に全てのFR領域がヒトイムノグロブリンコンセンサス配列のものである。ヒト化抗体は、最適にはイムノグロブリンの定常領域またはドメイン(Fc)、典型的にはヒトイムノグロブリンのものの少なくとも一部をも含んでよい。
ここで用いられる「脊椎動物」なる語は、特定のクラスの魚類、爬虫類、鳥類及び哺乳類を含む脊椎動物として分類されるいかなる動物をもいう。ここで用いられる「哺乳類」なる語は、ヒト、ウシ、ラット、マウス、ウマ、イヌ及びネコを含む哺乳動物として分類されるいかなる動物をもいう。
II.発明の実施の形態
本発明は脊椎動物Smoothenedホモローグの発見に基づく。特に出願人は、ヒト及びラットSmoothenedを同定し単離した。ヒト及びラットSmoothenedの性質及び特徴は、以下の実施例にさらに詳細に記載される。ここで開示されるヒト及びラットSmoothenedの性質及び特徴に基づいて、脊椎動物SmoothenedはマルチサブユニットHedgehog(特にSonic Hedgehog”SHH”)レセプターであるということが出願人の現在の信念である。
どのように脊椎動物Smoothenedが調製されるかということに関する記載が以下につづく。
A.vSmoの調製
vSmoの生産に適した方法は本分野で周知であり、ポリペプチドの内因性のソースからのvSmoの単離、ペプチド合成(ペプチドシンセサイザーを用いて)及び組換え法(またはいかなるこれらの方法の組み合わせ)を含む。以下の記載はvSmo核酸を含むベクターを用いてトランスフォームまたはトランスフェクトされた細胞を培養することによるvSmoの生産に主に関する。もちろん本分野で周知である代わりの方法もvSmoを調製するために用いることが可能であることも企図される。
1.vSmoをコードするDNAの単離
vSmoをコードするDNAは、vSmomRNAを有し、かつそれを検出可能な水準で発現すると考えられる組織から調製されるcDNAライブラリーから得ることが出来る。従って、ヒトSmoDNAは、実施例3に記載されているようにヒト胚肺cDNAのライブラリーのようなヒト組織から調製されたcDNAライブラリーから都合よく得られうる。ラットSmoDNAは、実施例1に記載されているようにラット組織から調製されたcDNAライブラリーから簡便に得られ得る。vSmoコード遺伝子は、ゲノムライブラリーまたはオリゴヌクレオチド合成からも得られ得る。
ライブラリーは、興味ある遺伝子またはそれによりコードされるタンパク質を同定すべく設計されたプローブ(vSmoに対する抗体または実施例に記載されたようなオリゴヌクレオチドまたはポリペプチド)を用いてスクリーニングされる。該プローブは、それらがスクリーニングされるライブラリーにおけるDNAとのハイブリダイズについて検出されるように好ましくはラベルされる。cDNAまたはゲノムライブラリーの選択されたプローブを用いるスクリーニングは、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual(New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press)に記述されるような標準的方法を使用して行われうる。vSmoをコードする遺伝子を単離するための別の手段は、PCR方法を使用することである(Sambrook et al.,前出文献:Dieffenbach et al.,PCR Primer:A Laboratory Manual(Cold Spring Harber Laboratory Press,1995))。
全てのタンパクコード配列を有する核酸は、ここで開示される推定のアミノ酸配列を用いて、もし必要であればSambrook et al.,上記参照のような簡便なプライマー伸張法を用いて、cDNAに逆転写されていないmRNAの前駆体またはプロセッシング中間体を検出するために、選択されたcDNAまたはゲノムライブラリーをスクリーニングすることによって得られ得る。
vSmo変異体は、vSmoDNA内に適切なヌクレオチド変化を導入することによって、または望ましいvSmoポリペプチドの合成によって調製され得る。当業者には、アミノ酸変化(天然配列vSmoと比較して)がグリコシル化部位の数及び位置を変えることのようなvSmoの翻訳後プロセスを変化させることは明らかであろう。
上述の天然配列の変化は、米国特許第5,364,934号に示される保存的及び非保存的変異生成についての技術及びガイドラインの何れかを使用して行われうる。これらは、オリゴヌクレオチド−媒介(部位−特異的)変異生成、アラニン走査、及びPCR変異生成を含む。
2.複製可能なベクターへの核酸の挿入
vSmoをコードする核酸(例えばcDNAまたはゲノムDNA)は、更なるクローニング(DNAの増幅)または発現のために複製可能なベクターに挿入される。様々なベクターが一般的に利用可能である。ベクターの成分は、限定されるものではないが、一般に次の1種以上を含む:シグナル配列、複製のオリジン、1種以上のマーカー遺伝子、エンハンサー要素、プロモーター、及び転写停止配列。そしてそれらのそれぞれが以下に記載される。
(i).シグナル配列成分
vSmoは組換え的に直接に産生されうるのみならず、シグナル配列、または成熟タンパク質若しくはポリペプチドのN−末端に特異的切断部位を有する他のポリペプチドである異種的ポリペプチドとの融合ポリペプチドとしても産生されうる。一般的に、シグナル配列は、ベクターの成分であってよく、あるいはベクターに挿入されるvSmoDNAの一部であってもよい。選択される異種的シグナル配列は、好ましくは宿主細胞により認識され、処理(すなわち、シグナルペプチダーゼにより切断)されるものである。
(ii).複製成分のオリジン
発現及びクローニングベクターの両者は、1種以上の選択される宿主細胞内で複製を可能とする核酸配列を含む。一般的に、クローニングベクター内でこの配列は、宿主の染色体DNAとは独立してベクターの複製を可能とするもので、複製のオリジンまたは自動的複製配列を含んでいる。この配列は、種々の細菌、酵母及びウイルスについて周知である。
ほとんどの発現ベクターは、「シャトル」ベクターであり、即ちそれらは少なくとも1種の生物において複製可能であり、他の生物に発現のためにトランスフェクトされうる。例えば、ベクターはE.coli中でクローニングされ、次いでそれは宿主細胞染色体と独立して複製することは出来ないが、同じベクターが酵母または哺乳動物細胞に発現のためにトランスフェクトされる。
DNAは、宿主ゲノム中への挿入によっても増幅されうる。このことは、例えば宿主としてBacillus種を使用し、BacillusゲノムDNAに見出される配列に相補的なDNA配列をベクター中に含ませることにより達成される。Bacillusのこのベクターによるトランスフェクションは、ゲノムとの相同的組換え及びvSmoDNAの挿入を生じる。
(iii).選択遺伝子成分
発現及びクローニングベクターは典型的には、選択可能マーカーとも称される選択遺伝子を含まなければならない。この遺伝子は、選択培養培地中で形質転換された宿主細胞が生存または生育するために必要なタンパク質をコードする。選択遺伝子を含むベクターにより形質転換されていない宿主細胞は、培養培地中で生存しないであろう。典型的な選択遺伝子は、(a)例えばアンピシリン、ネオマイシン、メトトレキセートまたはテトラサイクリン等の抗生物質または他のトキシンに対する抵抗性を与える、(b)栄養素要求株の欠陥を補充する、あるいは(c)例えばBacilliに対するD−アラニンラセミ化酵素をコードする遺伝子等、複合媒体から入手できない重要な栄養素を供給するタンパク質をコードする。
選択スキームの一例は、宿主細胞の生育を阻止する薬剤を使用する。異種遺伝子により成功裏に形質転換されたそれらの細胞は、薬剤耐性を付与するタンパク質を産生し、選択処方を生き延びる。このような主要な選択の例は、薬剤ネオマイシン(Southern et al.,J.Molec.Appl.Genet.,1:327(1982))、マイコフェノール酸(Mulligan et al.,Science,209:1422(1980))及びハイグロマイシン(Sugden et al.,Mol.Cell.Biol.,5:410-413(1985))を使用する。上記記載の3の例は、適切な薬剤G418またはネオマイシン(ゲネチシン)、xgpt(ミコフェノール酸)またはハイグロマイシンのそれぞれに対する耐性を運ぶ真核生物コントロールの下での細菌遺伝子を用いる。
哺乳動物細胞についての好適な選択マーカーの別の例は、DHFRまたはチミジンキナーゼ等のvSmo核酸を取り上げるために細胞成分の同定を可能とするものである。哺乳動物細胞形質転換体は、形質転換体のみがマーカーの取り込みによって固有に生存に適合する選択圧の下におかれる。選択圧は、培地中の選択試薬の濃度が順次変化し、これによって選択遺伝子とWntポリペプチドをコードするDNAの両者の増幅をもたらす条件下で、形質転換体を培養することにより付加される。増幅は、生育のために重要なタンパク質の産生に対する要求がより大きい遺伝子が、組換え細胞の引き続く世代の染色体中で、縦列に反復される工程である。増大した量のvSmoが、増幅DNAから合成される。
DHFR選択遺伝子により形質転換された細胞は、全ての形質転換体をDHFRの競合的拮抗剤であるメトレキセート(Mtx)を含む培養培地中で培養することにより最初に同定される。天然型のDHFRが採用される場合に適切な宿主細胞は、Urlaub et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4216(1980)により記述されるように調製され、繁殖された、DHFR欠損のモルモット卵巣(CHO)細胞である。次いで形質転換細胞は、増大された濃度のメトトレキセートに曝される。これは、DHFR遺伝子の複数コピーの合成を誘導し、また、これに付随してvSmoをコードするDNA等の発現ベクターを含む他のDNAの複数コピーの合成を誘導する。
(iv).プロモーター成分
通常、発現及びクローニングベクターは、宿主生物により認識され、vSmo核酸配列に機能的に連結されるプロモーターを含む。プロモーターは、構造遺伝子の開始コドンの上流(5’)(一般に約100〜1000bp内)に位置する非翻訳配列であり、機能的に連結されるvSmo核酸配列等の特定の核酸配列の転写及び翻訳を制御する。このようなプロモーターは、典型的には2つの種類、誘導性及び構成性に分けられる。誘導性プロモーターは、培養条件の何らかの変化、例えば栄養素の存在または不在、または温度変化に応答して、その制御下で増大したレベルのDNAからの転写を開始するプロモーターである。この時点において、種々の可能性ある宿主により認識される多くのプロモーターが周知である。これらのプロモーターは、制限酵素消化により供給源のDNAからプロモーターを除去し、単離されたプロモーターをベクター中に挿入することにより、vSmoコードDNAに機能的に連結される。
原核性宿主と共に使用する為に好適なプロモーターは、β−ラクタマーゼ及びラクトースプロモーター系(Chang et al., Nature 275:615(1978); Goeddel et al., Nature 281:544(1979))、アルカリホスファターゼ、トリプトファン(trp)プロモーター系(Goeddel, Nucleic Acid Res. 8:4057(1980); EP 36,776)及びtacプロモーター等のハイブリッドプロモーターを含む。deBoer et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:21-25(1983)。
プロモーター配列は、真核性細胞について知られている。実質上、全ての真核性遺伝子は転写開始部位からおよそ25〜30塩基上流に位置するAT−富裕領域を有している。多くの遺伝子の転写開始から70〜80塩基上流に見出される他の配列は、Xが任意のヌクレオチドであり得るCXCAAT領域である。ほとんどの真核性遺伝子の3’末端はAATAAA配列であり、これはコード配列の3’末端にポリAテールを付加するシグナルであり得る。これらの配列の全ては、真核性発現ベクターに適切に挿入される。
酵母宿主と共に使用するための適当な促進配列の例は、3−ホスホグリセレートキナーゼ(Hitzeman et al., J. Biol. Chem. 255:2073(1980))、またはエノラーゼ、グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルベートデカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース−6−ホスフェートイソメラーゼ、3−ホスホグリセレートムターゼ、ピルベートキナーゼ、トリオースホスフェートイソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、及びグルコキナーゼ等の糖分解酵素(Hess et al., J. Adv. Enzyme Reg. 7:149(1968); Holland, Biochemistry 17:4900(1978))のプロモーターを含む。酵母発現系における使用のための適したベクター及びプロモーターは、EP 73,657にさらに記載されている。
哺乳動物宿主細胞におけるベクターからのvSmoの転写は、プロモーターが宿主細胞系と適合性を有する限り、例えば、ポリオーマウイルス、フォウルポックスウイルス(1989年7月5日発行のUK 2,211,504)、アデノウイルス(アデノウイルス2等)、ウシパピローマウイルス、トリ肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルス及び最も好ましくはシミアンウイルス40(SV40)等のゲノムに由来するか、例えばアクチンプロモーターまたはイムノグロブリンプロモーター等の異種的哺乳動物プロモーターにより調節される。
SV40ウイルスの早期及び後期プロモーターは、SV40制限断片として都合よく得られ、それは複製のSV40ウイルスオリジンを含む。Fiers et al., Nature 273:113(1978); Mulligan et al., Science 209:1422-1427(1980); Pavlakis et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:7398-7403(1981)。ヒトサイトメガロウイルスの直前プロモーターは、Hind III E制限断片として都合よく得られる。Greenaway et al., Gene 18:355-360(1982)。ウシパピローマウイルスをベクターとして使用する哺乳動物宿主におけるDNA発現系は、米国特許第4,419,446号に開示されている。この系の修飾は、米国特許第4,601,978号に記述されている。免疫インターフェロンをコードするcDNAのサル細胞における発現についてはGray et al., Nature 295:503-508(1982); 単純ヘルペスウイルス由来のチミジンキナーゼプロモーターの制御下における、マウス細胞中でのヒトβ−インターフェロンcDNAの発現についてはReyes et al., Nature 297:598-601(1982); 培養マウス及びウサギ細胞中でのヒトインターフェロンβ1遺伝子の発現についてはCanaani et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79:5166-5170(1982); ラウス肉腫ウイルスの長末端反復をプロモーターとして使用する、CV−1サル腎細胞、ニワトリ胚線維芽細胞、モルモット卵巣細胞、HeLa細胞、及びマウスNIH-3T3細胞における細菌CAT配列の発現に関してはGorman et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79:6777-6781(1982)参照。
(v).エンハンサー要素成分
高等真核性細胞によるvSmoをコードするDNAの転写は、ベクター中にエンハンサー配列を挿入することによりしばしば増大される。エンハンサーは、DNAのcis−作用要素であり、通常約10〜300bpであり、プロモーターに作用して転写を増大させる。エンハンサーは、相対的に配向及び位置に非依存的であり、転写単位に対して5’側(Laimins et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:993(1981))及び3’側(Lusky et al., Mol. Cell Bio. 3:1108(1983))、イントロン内(Banerji et al., Cell 33:729(1983))並びにコード配列それ自体の内部に見出されている。Osborne et al., Mol. Cell Bio. 4:1293(1984)。今では多くのエンハンサー配列が哺乳動物遺伝子から知られている(グロブリン、エラスターゼ、アルブミン、α−フェトタンパク質、及びインスリン)。しかしながら、典型的には真核性細胞ウイルスからのエンハンサーが使用されるであろう。例としては、複製オリジンの後方側のSV40エンハンサー(bp 100−270)、サイトメガロウイルスの初期プロモーターエンハンサー、複製オリジンの後方側のポリオーマエンハンサー、及びアデノウイルスのエンハンサーを含む。真核性プロモーター活性化のための増強因子については、Yaniv, Nature 297:17-18(1982)も参照。
(vi).転写停止成分
真核性宿主細胞(酵母、カビ、昆虫、植物、動物、ヒトまたは他の多細胞生物からの有核細胞)において使用される発現ベクターは、転写の停止及びmRNAの安定化のために必要な配列も典型的に含むであろう。このような配列は、真核性またはウイルス性DNAまたはcDNAの5’及び場合により3’非翻訳領域から一般的に入手可能である。これらの領域は、vSmoをコードするmRNAの非翻訳部分において、ポリアデニル化断片として転写されるヌクレオチド分節を含む。
(vii).ベクターの構築及び分析
上記に掲げた成分の1種以上を含む適当なベクターの構築は、標準的連結技術を採用する。単離されたプラスミドまたはDNA断片は、切断され、修復され、所望の形態をもって再連結されて必要なプラスミドを生成させる。
構築されたプラスミドにおける正しい配列を確認するための分析には、連結混合物がE. coli K12 294株(ATCC 31,446)を形質転換するために使用され、成功した形質転換体が、適切な場合にはアンピシリンまたはテトラサイクリン耐性により選択される。形質転換体からプラスミドが調製され、制限エンドヌクレアーゼ消化により分析されるか、及び/またはMessing et al., Nucleic Acids Res. 9:309(1981)の方法若しくはMaxam et al., Methods in Enzymology 65:499(1980)の方法により配列決定される。
(viii).一時的発現ベクター
vSmoをコードするDNAの哺乳動物細胞における一時的発現を与える発現ベクターが用いられる。一般に一時的発現は、宿主細胞が多数の発現ベクターのコピーを蓄積し、従って、該発現ベクターによりコードされる所望のポリペプチドを高水準で合成するように、宿主細胞において効率的に複製することが出来る発現ベクターの使用を含む。Sambrook et al.,前出文献。適当な発現ベクター及び宿主細胞を有してなる一時的発現系は、クローン化されたDNAによりコードされるポリペプチドの都合よい陽性の同定を可能とし、所望の性質についてそのようなポリペプチドの迅速なスクリーニングも可能とする。
(ix).好適な例としての脊椎動物細胞ベクター
組換え脊椎動物細胞培養物におけるvSmoの合成に適合される好適な別の方法、ベクター及び宿主細胞は、Gething et al., Nature 293:620-625(1981); Mantei et al. Nature 281:40-46(1979); EP 117,060及びEP 117,058に記述されている。
3.宿主細胞の選択及び形質転換
ここにおいてベクター中のDNAのクローニングまたは発現の為に好適な宿主細胞は、上述した原核性細胞、酵母、またはより高等な真核性細胞である。この目的のために好適な原核性細胞は、グラム−陰性またはグラム−陽性生物等の真正細菌、例えばE. coli等のEscherichiaが制限されることなく含まれる。好ましくは宿主細胞は、最小量のタンパク質分解酵素を分泌するものである。
原核性細胞に加えて、糸状菌または酵母等の真核性微生物も、vSmo−コードベクターの好適なクローニングまたは発現宿主である。Saccharomyces cerevisiaeまたは通常のベーカーズイーストは、下等真核性宿主微生物の内では最も通常に使用されている。しかしながら、多くの他の属、種及び株が一般的に入手可能であり、また有用である。
グリコシル化Wntポリペプチドの発現のために好適な宿主細胞は、多細胞生物から誘導される。このような宿主細胞は、複雑な処理及びグリコシル化活性が可能である。原理的には、脊椎動物または無脊椎動物のいずれから誘導されようが、任意の高等真核性細胞培養物が利用可能である。無脊椎動物細胞の例は、植物及び昆虫細胞である。
培養物(組織培養物)中での脊椎動物細胞の増殖もまた本分野で周知である。例えば、Tissue Culture, Academic Press Kruse and Patterson, 編(1973)参照。有用な哺乳動物細胞系の例は、SV40により形質転換されたサル腎臓CV1系(COS-7, ATCC CRL 1651);ヒト胚腎細胞系(293または懸濁培養中の生育についてサブクローンされた293細胞、Graham et al., J. Gen. Virol. 36:59(1977));仔ハムスター腎細胞(BHK, ATCC CCL 10);モルモット卵巣細胞/−DHFR(CHO, Urlaub et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4216(1980));マウスセルトリ細胞(TM4, Mather, Biol. Reprod. 23:243-251(1980));サル腎細胞(CV1 ATCC CCL 70);アフリカミドリザル腎細胞(VERO-76, ATCC CRL-1587);ヒト頸部腫瘍細胞(HELA, ATCC CCL 2);イヌ腎細胞(MDCK, ATCC CCL 34);バッファローラット肝細胞(BRL 3A, ATCC CRL 1442);ヒト肺細胞(W138, ATCC CCL 75);ヒト肝細胞(Hep G2, HB 8065);マウス乳癌(MMT 060562, ATCC CCL 51);TRI細胞(Mather et al., Annal. N. Y. Acad. Sci. 383:44-68(1982));MRC5細胞;FS4細胞である。
宿主細胞は、vSmo産生のための上述した発現またはクローニングベクターによりトランスフェクト、好ましくは形質転換され、プロモーターの誘発、形質転換体の選択または所望の配列をコードする遺伝子の増幅のために適切に修飾された慣用の栄養媒体中で培養される。
トランスフェクションは、何れかのコード配列が実際に発現されるか否かには関わらず、宿主細胞により発現ベクターが取り入れられることを指す。例えばCaPO4及びエレクトロポレーション等の多くのトランスフェクション方法が当業者に知られている。成功したトランスフェクションは、このベクターの作用の何れかの兆候が宿主細胞内で起こることにより、一般に認識される。
形質転換は、DNAが、染色体外要素として、あるいは染色体組み込みによりDNAが複製可能となるように、DNAを生体内に導入することを意味する。使用される宿主細胞に依存して、形質転換はこのような細胞に適当な標準的方法を使用して行われる。Sambrook et al.,前出文献1.82節に記述されるようにして塩化カルシウムを使用するカルシウム処理、またはエレクトロポレーションが、原核細胞または実質的に細胞壁障害を有する他の細胞について一般に使用される。Agrobacteriumu tumefacienceを用いる感染が、Shaws et al., Gene 23: 315(1983)及び1989年6月29日発行のWO89/05859に記述されるようにある種の植物細胞の形質転換のために使用される。更に、植物は、1991年1月10日発行のWO91/00358に記述されるように超音波処理を使用してトランスフェクトされてもよい。
そのような細胞壁を有さない哺乳動物細胞については、Graham et al., Virology 52:456-457(1978)のリン酸カルシウム沈殿法が好ましい。哺乳動物細胞宿主形質転換の一般的側面に関しては、米国特許第4,399,216号に記述されている。酵母への形質転換は、典型的には、Van Solingen et al., J. Bact. 130:946(1977)及びHsiao et al., Proc Natl. Acad, Sci. USA 76:3829(1979)の方法に従って行われる。しかしながら、細胞への他のDNA導入方法、例えば、核マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、真細胞との細菌性プロトプラスト融合、例えばポリブレン、ポリオミチン等の多価陽イオン等も使用され得る。哺乳動物細胞を形質転換するための種々の技術については、Keown et al., Methods in Enzymology 185:527-537(1990)及びMansour et al., Nature 336:348-352(1988)参照。
4.宿主細胞の培養
本発明にしたがって有用なvSmoの産生に使用される原核性細胞は、一般にSambrook et al., 前出文献に記述されるように適当な培地中で培養される。
vSmoを産生するために使用される哺乳動物宿主細胞は、種々の媒体中で培養されうる。商業的に入手可能な培地の例としては、Ham’s F10(Sigma)、最小必須培地((MEM), Sigma)、RPMI−1640(Sigma)及び、ダルベッコ修飾イーグル培地((DMEM)、Sigma)が含まれる。これらのいずれの培地も、必要に応じてホルモン類及び/または多の成長因子(インスリン、トランスフェリン、または表皮成長因子等)、塩類(塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウム及びリン酸等)、緩衝剤(HEPES等)、ヌクレオシド(アデノシン及びチミジン等)、抗生物質(ゲンタマイシンTM等)、微量元素(通常マイクロモルの最終濃度で存在する無機化合物として定義される)、並びにグルコースまたは他の同等なエネルギー源が補充されてもよい。その他の必要な補充物が、当業者に知られている適当な濃度をもって含まれてもよい。温度、pH等の培養条件は、発現のために選択された宿主について従来使用されているとおりで、当業者には明らかであろう。
一般的に、哺乳動物細胞の生産性を最大にする為の原理、プロトコール及び実際的技術は、Mammalian Cell Biotechnology: a Practical Approach, M. Butler, ed. (IRL Press, 1991)に見出される。
この開示において引用される宿主細胞は、培養物中の細胞、並びに宿主動物内にある細胞を含む。
5.遺伝子増幅/発現の検出
遺伝子増幅及び/または発現は、試料中において例えば慣用のサザンブロッティング、mRNAの転写を定量するノーサンブロッティング(Thomas, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:5201-5205(1980))、ドットブロッティング(DNA分析)、またはインサイツ・ハイブリダイゼーションにより、ここに提供される配列に基づいた適当な標識プローブを使用して直接に測定されうる。種々の標識が使用され得、最も普通には放射性同位体、特に32Pである。しかしながら、ポリヌクレオチドに導入するためのビオチン修飾ヌクレオチドの使用等、他の技術も採用されうる。次いでビオチンは、放射性核種、蛍光体、酵素等の広範囲の種々の標識により標識されたアビジンまたは抗体に対する結合部位として作用する。別法として、DNA二重体、RNA二重体、DNA−RNAハイブリッド二重体またはDNA−タンパク質二重体等の特定の二重体を認識する抗体が採用されうる。次いで抗体は、標識され、またアッセイが実行され、ここにおいて二重体は表面に結合され、該表面の二重体形成により該二重体に結合する抗体が検出されうる。
別法として、遺伝子発現は組織断面の免疫組織化学的染色、及び細胞培養物または体液のアッセイ等の免疫学的方法により、遺伝子生成物の発現を直接に定量して測定されうる。免疫組織化学的染色技術によれば、細胞試料が典型的には脱水及び固定化により調製され、次いで結合される遺伝子生成物に対して特異的な標識抗体が反応に付され、ここにおいて標識は、一般に酵素標識、蛍光標識、発光正標識の目視検出可能なものである。
免疫組織化学的染色及び/または試料液体のアッセイのために有用な抗体は、モノクローナルまたはポリクローナルのいずれでもよく、いかなる動物においても調製されうる。簡便には、該抗体は天然配列vSmoタンパク質に対して、またはここで提供されるDNA配列に基づいた合成ペプチドに対して調製される。
6.vSmoの精製
vSmoとして実質的に均質な調製物を得るためには、組換え細胞タンパク質またはポリペプチドからある形態のvSmoを精製することが望まれる。第一の工程として、培養培地または溶解物は遠心分離されて粒状細胞破砕物が除去される。その後に、vSmoが、可溶性タンパク質またはポリペプチド夾雑物から、好適な精製方法の例である次の方法により精製される:イオン交換カラムによる分画;エタノール沈殿;逆相HPLC;シリカ上またはDEAE等の陽イオン交換樹脂上のクロマトグラフィー;クロマトフォーカシング;SDS−PAGE;硫酸アンモニウム沈殿;例えばセファデックスG−75を使用するゲル濾過;並びにIgG等の夾雑を除去するタンパク質Aセファロースカラム。vSmo変異体は天然配列vSmoと同じ方式で回収され、該変異体をもたらす性質におけるいかなる実質的変化をも説明する。
フェニルメチルスルホニルフルオライド(PMSF)等のプロテアーゼ阻害剤は、精製の間のタンパク質分解を阻害するために有用であり、また抗生物質は、外因性の夾雑の生育を防止するために含まれてよい。
7.共有性修飾
vSmoの共有性修飾物は、本発明の範囲内に含まれる。本発明の範囲内に含まれるvSmoの一つの型の共有性修飾は、該タンパク質の天然のグリコシル化パターンの改変を含む。「天然のグリコシル化パターンの改変」とは、天然vSmoに見出される炭化水素残基の一つ以上の除去、及び/または天然のvSmoには存在しない一つ以上のグリコシル化部位の付加を意味するここでの目的を企図する。
ポリペプチドのグリコシル化は、典型的にはN−結合またはO−結合の何れかである。N−結合は、アスパラギン残基の側鎖への炭水化物残基の結合を指す。Xがプロリン以外のアミノ酸であるトリペプチド配列アスパラギン−X−セリン及びアスパラギン−X−スレオニンは、炭水化物残基のアスパラギン側鎖への酵素的結合について、認識配列である。而して、ポリペプチド中の、これらのトリペプチド配列の何れかの存在は、可能性あるグリコシル化部位を創成する。O−結合グリコシル化は、N−アセチルグルコサミン、ガラクトースまたはキシロース等の糖類の一つがヒドロキシルアミノ酸、最も一般的にはセリンまたはスレオニンに結合することを指すが、5−ヒドロキシプロリン及び5−ヒドロキシリジンも使用され得る。
vSmoへのグリコシル化部位の付加は、それが上述したトリペプチド配列(N−結合グリコシル化部位)を一つ以上含むようにアミノ酸配列を改変することによって都合よく達成される。改変は、1個以上のセリンまたはスレオニン残基を天然のvSmoに付加するか、またはこれらにより置換することによってもなされうる(O−結合グリコシル化部位)。簡単には、vSmoアミノ酸配列は、DNAレベルの変化を介して、特にvSmoタンパク質をコードするDNAを、予め選択した塩基においてコドンが所望のアミノ酸に翻訳されるように生成されるよう変異させることによって改変される。DNAの変異は、上記の米国特許第5,364,934号に記述される方法を使用して行われてよい。
vSmo上に炭水化物残基の数を増大させる他の手段は、ポリペプチドに対するグリコシドの化学的または酵素的結合による。使用されるカップリングの態様に依存して、糖類は(a)アルギニン及びヒスチジン、(b)遊離のカルボキシル基、(c)システインのもの等の遊離のスルフィドリル基、(d)セリン、スレオニンまたはヒドロキシルプロリンのもの等の遊離のヒドロキシル基、(e)フェニルアラニン、チロシン、またはトリプトファンのもの等の芳香族残基、あるいは(f)グルタミンのアミド基に結合する。これらの方法は、1987年9月11日発行のWO 87/05330及びAplin et al., CRC Crit. Rec. Biochem. 259-306(1981)に記述されている。
vSmoタンパク質に存在する炭水化物残基の除去は、化学的または酵素的またはグリコシル化に対するターゲットとして機能するアミノ酸残基をコードするコドンのミューテーションによる置換により行いうる。例えば、化合物トリフルオロメタンスルホン酸または同等な化合物に対してポリペプチドをさらすことによる化学的脱グリコシル化は、結合糖(N−アセチルグルコサミンまたはN−アセチルガラクトサミン)を除いてほとんどまたは全ての糖類の切断をもたらし、その一方でポリペプチドを無傷のまま残す。化学的脱グリコシル化は、Hakimuddin, et al., Arch. Biochem. Biophys. 259:52(1987)及びEdge et al., Anal. Biochem. 118:131(1981)に記述されている。ポリペプチドの炭水化物残基の酵素的切断は、Thotakura et al., Meth. Enzymol. 138:350(1987)に記述されているように種々のエンド−及びエキソ−グリコシダーゼの使用により行われうる。
可能性あるグリコシル化部位におけるグリコシル化は、Duskin et al., J. Biol. Chem. 257:3105(1982)に記述されるように化合物チュニカマイシン(tunicamycin)の使用により阻止されうる。チュニカマイシンは、タンパク質−N−グリコシド結合の形成を阻止する。
8.vSmoキメラ
本発明はまた、もう一つの異種アミノ酸配列またはポリペプチドに融合したvSmoを含むキメラ分子を提供する。一つの実施態様において、キメラ分子は、抗−標識抗体が選択的に結合可能なエピトープを与える標識ポリペプチドとの、vSmoの融合体を含む。エピトープ標識は、一般的にはvSmoのアミノ−またはカルボキシル−末端に与えられる。このようなvSmoのエピトープ標識形態は、その存在が標識ポリペプチドに対する標識抗体を使用して検出可能であるため、望ましい。また、エピトープ標識の提供は、vSmoを、抗−標識抗体を使用してアフィニティ精製により容易に精製することを可能とする。抗体に関与するアフィニティ精製及び診断アッセイは、ここにおいて後述される。
標識ポリペプチド類及びそれぞれに対する抗体は、この技術では周知である。例としては、flu HA標識ポリペプチド及びその抗体12CA5(Field et al., Mol. Cell Biol. 8:2159-2165(1988));c−myc標識及びそれに対する8F9, 3C7, 6E10, G4, B7及び9E10抗体(Evan et al., Molecular and Cellular Biology 5:3610-3616(1985);単純ヘルペスウイルス糖タンパク質D(gD)標識及びその抗体(Paborsky et al., Protein Engineering 3(6):547-553(1990))が含まれる。他の標識ポリペプチドが開示されている。例としては、Flag-ペプチド(Hopp et al., BioTechnology 6:1204-1210(1988));KT3エピトープペブチド(Mart in et al., Science 255:192-194(1992));α−ツブリンエピトープペプチド(Skinner et al., J. Biol. Chem. 266:15163-15166(1991));及びT7遺伝子10ペプチド標識を含む。Lutz-Freyermuth et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:6393-6397(1990)。標識ポリペプチドが一旦選択されたならば、それに対する抗体はここに開示される技術により生成されうる。
エピトープ標識vSmoの構築及び産生のために好適な一般的方法は、先に開示した方法と同様である。vSmo−標識ポリペプチド融合体は、vSmo部分をコードするcDNA配列を、読枠において、標識ポリペプチドDNAに融合し、得られたDNA融合構築物を適切な宿主細胞にて発現させることにより、最も都合よく構築される。通常には、本発明のvSmo−標識ポリペプチドキメラを調製する場合には、vSmoをコードする核酸が、標識ポリペプチドのN−末端をコードする核酸の3’末端に融合されるであろうが、5’融合もまた可能である。
9.vSmoの使用方法
本明細書で開示されるvSmoは、治療上及び非治療上の応用での有用性を有する。治療薬としてはvSmo(または同じものをコードする核酸)は、in vivoまたはex vivoでの遺伝子治療法において用いられ得る。非治療上の応用としては、vSmoをコードする核酸配列は組織特異的タイビングに対する診断薬として用いられ得る。例えばin situハイブリダイゼーション、ノーザン及びサザンブロッティング、及びPCR分析のような方法は、vSmoをコードするDNA及び/またはRNAが評価される細胞タイプ(類)に存在するかどうかを測定するために用いられ得る。vSmo核酸もまたここに記載する組換え法によるvSmoの調製に対して有用であろう。
単離したvSmoは、vSmoの未知の性質を含むサンプルを調製することに対するコントロールとして定量的な診断アッセイにおいて用いられ得る。vSmo調製物はまた、抗体を生産する際に、vSmoに対するアッセイにおけるスタンダードとして(例えばラジオイムノアッセイ、ラジオレセプターアッセイ、または酵素結合イムノアッセイにおけるスタンダードとしての使用のためのラベル化vSmoによって)及びアフィニティー精製法においても有用である。
ここで開示されるラットvSmoのようなvSmoをコードする核酸もまた、治療上の有用な試薬を形成及びスクリーニングするのに有用であるトランスジェニック動物または「ノックアウト」動物のそれぞれを生産するために用いられ得る。トランスジェニック動物(例えばマウスまたはラット)はトランスジーンを含む細胞を有する動物であり、該トランスジーンは例えば胚段階といった出生前に動物または動物の祖先内に導入されるものである。トランスジーンは、トランスジェニック動物が発達する細胞のゲノム内に導入されるDNAである。一つの実施態様として、rSmoまたは適切なその配列をコードするラットcDNAを、確立した方法にしたがってSmoをコードするゲノムDNA、及びSmoをコードするDNAを発現する細胞を含むトランスジェニック動物を生産するために用いられるゲノム配列をクローン化するために用い得る。トランスジェニック動物、特にマウスまたはラットのような動物を生産するための方法は本分野で一般的になってきており、例えば米国特許第4,736,866号及び第4,870,009号に記載されている。典型的には特定の細胞を、組織特異的エンハンサーを用いてvSmoトランスジーン取り込みに対してターゲット化する。胚段階での動物の生殖細胞系内に導入されたvSmoをコードするトランスジーンの一コピーを含むトランスジェニック動物を、vSmoをコードするDNAの増大した発現の効果を調べるために用い得る。上記動物は、例えば基底細胞ガン、基底細胞母斑症候群、及び膵臓ガンのような、vSmoまたはHedgehogから引き起こされるある形態のガンを含む、例えばvSmoまたはHedgehogの構成的な活性と関連する病理学上の病気からの保護を確認するための試薬の試験動物として用い得る。本発明のこの面にしたがって、動物は該試薬を用いて処理され、トランスジーンを有する非処理動物と比較して病理学上の病気の減少した発生率が該病理学上の病気に対する潜在的な治療の介入を示すであろう。
代わりにvSmoの非ヒトホモローグが、vSmoをコードする内因性遺伝子と、該動物の胚細胞内に導入されたvSmoをコードする改変されたゲノムDNAの間の相同的組換えの結果として、vSmoをコードする改変された遺伝子または該遺伝子の欠失を有するvSmo「ノックアウト」動物を構築するために用いられ得る。例えばSmoをコードするラットcDNAは、確立した方法にしたがってSmoをコードするゲノムDNAをクローン化するために用いられ得る。SmoをコードするゲノムDNAの一部分を欠失、またはインテグレーションをモニターするために用いられ得る選択マーカーをコードする遺伝子のようなもう一つの遺伝子と置換しうる。典型的には数キロベースの非改変フランキングDNA(5’及び3’の両者)が該ベクター内に含まれる(相同的組換えベクターの記載についてはThomas and Capecchi,Cell,51:503(1987)参照)。該ベクターを胚幹細胞系内に導入し(例えばエレクトロポレーションによって)、そして導入されたDNAが内因性DNAと相同的に組み換えた細胞を選択する(例えばLi et al.,Cell,69:915(1992)参照)。それから選択された細胞を、集団キメラを形成するために動物(例えばマウスまたはラット)の胚盤胞内に注射する(例えばBradley,in Teratocarcimnomas and Embryonic Stem Cells: A Practical Approach,E.J.Robertsom,編(IRL,Oxford,1987),pp.113-152)。それからキメラ胚を適切な偽妊娠メス里親動物内に移植し、該胚は「ノックアウト」動物の作製をもたらす。その生殖細胞に相同的組換えDNAを有する子孫は標準的な方法によって同定され、該動物の全ての細胞が相同的組換えDNAを含む動物を出産するために用いられる。ノックアウト動物は、例えば特定の病理学上の病気に対する保護能力に対して特徴付けられ、分子のHedgehogファミリーがマイトジェン効果、分化効果及び形態形成効果を発揮する機構の研究において用いられ得る。
B.抗vSmo抗体調製
本発明はさらに抗vSmo抗体を提供する。vSmoに対する抗体は以下のように調製される。例示的な抗体にはポリクローナル、モノクローナル、ヒト化、二重特異性、及びヘテロ接合の各抗体が含まれる。
1.ポリクローナル抗体
vSmo抗体にはポリクローナル抗体が含まれる。ポリクローナル抗体を調製する方法は当業者に周知である。ポリクローナル抗体は、例えば免疫化試薬、及び必要であればアジュバントの一度以上の注射によって哺乳動物において生産される。典型的には免疫化試薬及び/またはアジュバントは、複数回の皮下または腹膜内の注射によって哺乳動物に注射されるであろう。該免疫化試薬には、vSmoタンパク質またはその融合タンパク質が含まれる。免疫化される哺乳動物において免疫原性であることが知られているタンパク質に免疫化試薬を接合することは有用である。用いることが可能な上記免疫原性試薬の例としては、キーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン、ウシチログロブリン、及びダイズトリプシンインヒビターが制限されることなく含まれる。明礬のような凝集化試薬もまた、哺乳動物の免疫応答を増強するために用い得る。用いられるアジュバントの例としては、フロイント完全アジュバント及びMPL-TDMアジュバント(モノホスホリルリピドA、合成トレハロースミコリノジコレート)が含まれる。免疫化プロトコールは実験によって当業者に選択される。それから哺乳動物から採血し、血清を抗体力価についてアッセイする。必要であれば該哺乳動物を抗体力価が増大または一定化するまで追加免役する。
2.モノクローナル抗体
代わりにvSmo抗体はモノクローナル抗体でもよい。モノクローナル抗体は、Kohler and Milstein,上記参照に記載されたようなハイブリドーマ法を用いて調製される。ハイブリドーマ法においては、マウス、ハムスターまたは適切な他の宿主動物が、免疫化試薬に特異的に結合するであろう抗体を生産するまたは生産しうるリンパ球を引き出すために免疫化試薬を用いて典型的に免疫化される(上記記載のように)。代わりにリンパ球を、in vitroで免疫化してもよい。
免疫化試薬には典型的に、vSmoタンパク質またはその融合タンパク質が含まれる。その表面でvSmoを発現する細胞もまた用いられ得る。一般的に、もしヒト起源の細胞が望まれるのであれば末梢血リンパ球(”PBL”)が用いられ、もし非ヒト哺乳動物ソースが望まれるのであれば脾臓細胞またはリンパ節細胞が用いられる。それからリンパ球をハイブリドーマ細胞を形成するために、ポリエチレングリコールのような適切な融合試薬を用いて不朽化細胞系と融合する(Goding,Monoclonal Antibodies:Principle and Practice,Academic Press,(1986)pp.59-103)。不朽化細胞系は通常トランスフォームされた哺乳動物細胞であり、特にネズミ、ウシ及びヒト起源のミエローマ細胞である。通常ラットまたはマウスミエローマ細胞型が用いられる。該ハイブリドーマ細胞は、融合していない不朽化細胞の成育または生存を阻害する一つ以上の物質を好ましくは含む適切な培地で培養される。例えば親ミエローマ細胞が酵素ハイポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRTまたはHPRT)を欠く場合には、ハイブリドーマのための培地は、典型的にはHGPRT-欠損細胞の生育を阻害する物質であるハイポキサンチン、アミノプテリン及びチミジン(HAT培地)を含むであろう。
好ましいミエローマ細胞は、効率的に融合し、選択された抗体発現細胞により安定した高水準の抗体産生を支持し、かつHAT培地等の培地に感受性のものである。より好ましい不朽化細胞系は、例えばSalk Institute Cell Distribution Center, San Diego, California USA及びAmerican Type Culture Collection, Rockville, Maryland USAから入手可能なネズミミエローマ系である。ヒトミエローマ及びマウス−ヒトヘテロミエローマも、ヒトモノクローナル抗体の産生に関して記述されている(Kozbor et al., J. Immunol. 133:3001(1984); Brodeur et al., Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications, pp. 51-63(Marcel Dekker, Inc. New York, 1987))。
ハイブリドーマ細胞が生育する培養培地は、vSmoに対して向けられたモノクローナル抗体の存在についてアッセイされる。好ましくは、ハイブリドーマ細胞により産生されるモノクローナル抗体の結合特異性が、免疫沈殿または放射免疫アッセイ(RIA)若しくは酵素結合免疫吸着剤アッセイ(ELISA)等のインビトロ結合アッセイにより測定される。上記方法及びアッセイは本分野で周知である。モノクローナル抗体の結合親和性は、例えばMunson et al., Anal. Biochem. 107:220(1980)のスキャッチャード(Scatchard)アッセイにより測定されうる。
望ましいハイブリドーマが同定された後は、該クローンは限定希釈法によりサブクローン化され得、標準法により育成される(Goding, 前出文献)。この目的のために適当な培地は、Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium及びRPMI−1640培地を含む。加えて、ハイブリドーマ細胞は、動物内で腹水腫瘍としてインビボにおいて生育されうる。
サブクローンから分泌されたモノクローナル抗体は、例えばタンパク質A−セファロース、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析またはアフィニティクロマトグラフィー等の慣用のイムノグロブリン精製方法により、培養培地、腹水または血清から好適に単離され精製される。
モノクローナル抗体はまた、米国特許第4,816,567号に記載されているように組み換えDNA法によって作製されうる。モノクローナル抗体をコードするDNAは、慣用方法により容易に単離され、配列決定される(例えばネズミ抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合しうるオリゴヌクレオチドプローブの使用により)。本発明のハイブリドーマ細胞は、このようなDNAの好ましい供給源として働く。一旦単離されれば、DNAは発現ベクターに入れられ、これは次いで、霊長類COS細胞、モルモット卵巣(CHO)細胞、またはイムノグロブリンタンパク質を別途産生しないミエローマ細胞にトランスフェクトさせ、組換え宿主細胞においてモノクローナル抗体の合成を得る。DNAも同種的ネズミ配列に代えて、ヒト重鎖及び軽鎖定常領域コード配列を置換することにより(米国特許第4,816,567号;Morrison et al., 上記参照)、あるいはイムノグロブリンコード配列に非イムノグロブリンポリペブチドの全てまたは一部のコード配列を共有的に結合することにより修飾されうる。このような非イムノグロブリンポリペプチドは、本発明の抗体の定常領域を置換するか、またはそれらは本発明の抗体の一方の抗原結合部位の可変領域を置換して、抗原に対して特異性を有する一つの抗原結合部位及び異なる抗原に特異性を有する他の抗原結合部位を有するキメラ性二価抗体を創生する。
該抗体は一価抗体である。一価抗体を調製する方法は本分野で周知である。例えば一つの方法には、イムノグロブリン軽鎖と修飾重鎖の組換え発現が含まれる。該重鎖は重鎖の架橋を妨げるためにFc領域のいかなる点かで一般的に切り詰められている。代わりに関連するシステイン残基をもう一つのアミノ酸残基で置換する、または架橋を妨げるために欠失させる。
in vitro法もまた一価抗体を調製するのに適している。その断片、特にFab断片を生産するための抗体の切断は、本分野で周知の一般的な方法を用いて達成される。例えば切断はパパインを用いて実施されうる。パパイン切断の例は、12/22/94に印刷されたWO 94/29348及び米国特許第4,342,566号に記載されている。抗体のパパイン切断は典型的に、それぞれが単一の抗原結合部位を有するFab断片と呼ばれる2の同一の抗原結合断片と残りのFc断片を生産する。ペプシン切断は2の抗原結合部位を有し、未だ抗原を架橋しうるF(ab’)2断片を生産する。
抗体切断によって生産されるFab断片はまた、軽鎖の定常ドメインと重鎖の第一の定常ドメイン(CH1)を含む。Fab’断片は、抗体ヒンジ領域由来の一つ以上のシステインを含む重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端でのいくつかの残基の添加によって、Fab断片と区別される。Fab’-SHは、定常領域のシステイン残基(類)が遊離チオール基を有するFab’をここで表す。F(ab’)2抗体断片はもともと、それらの間にヒンジシステインを有するFab’断片のペアとして生産された。抗体断片の他の化学的結合もまた周知である。
3.ヒト化抗体
本発明の抗体は、さらにヒト化抗体もしくはヒト抗体であってもよい。ヒト化された形態の非ヒト(例えばネズミ)抗体とは、非ヒト免疫グロブリン由来の最小限の配列を含むキメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖もしくは(Fv、Fab、Fab’、F(ab’)2もしくは他の抗体の抗原結合サブ配列のごとき)それらの断片である。ヒト化抗体としては、受容者の相補的決定領域(CDR)由来の残基が、所望の特異性、親和性、および能力を有するマウス、ラット、もしくはウサギのごとき非ヒト種のCDR(供与抗体)CDR由来の残基と置換されているヒト免疫グロブリン(受容抗体)が挙げられる。いくつかの例においては、ヒト免疫グロブリンのFv骨格残基は、相当する非ヒト残基と置換されている。また、ヒト化抗体は、受容抗体にも、導入されたCDRまたは骨格配列の何れにも認められない残基を含有してもよい。一般的には、ヒト化抗体は、CDR領域の全てまたは実質的に全てが非ヒト免疫グロブリンのそれに相当し、かつFR領域の全てまたは実質的に全てがヒト免疫グロブリン共通配列のそれである、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含むと考えられる。また、最適には、ヒト化抗体は少なくとも免疫グロブリン定常領域(Fc)の一部、典型的にはヒト免疫グロブリンのそれらを包含すると考えられる[Jonesら, Nature, 321;522-525(1986); Riechimannら, Nature, 322:323-327(1988); Presta, Curr.Op.Struct.Biol., 2:593-596(1992)]。
非ヒト抗体をヒト化する方法は当該技術分野において公知である。一般的には、ヒト化抗体は、ヒトではない供給源から導入した1以上のアミノ酸残基を有している。これらの非ヒトアミノ酸残基は、しばしば「移入」残基と呼ばれ、典型的には「移入」可変ドメインから得られる。本質的には、ヒト化はWinterおよび共同研究者らの方法[Jonesら, Nature, 321:522-525(1986); Riechmannら, Nature, 322;323-327(1988); Verhoeyenら, Science, 239:1534-1536(1988)]に従って、ヒト抗体の相当配列と、齧歯類のCDRsもしくはCDR配列を置換することによってなされる。従って、かかる「ヒト化」抗体は、キメラ抗体(米国特許第4,816,567号)であり、実質的には完全ヒト可変ドメインより小さいものが、非ヒト種由来の相当配列により置換されている。実際には、ヒト化抗体は、典型的にいくつかのCDR残基および恐らくはいくつかのFR残基が、齧歯類抗体の類似部位由来の残基により置換されているヒト抗体である。
ヒト化抗体を作製する際に使用される軽鎖および重鎖双方のヒト可変ドメインの選択は、抗原性を減じるために大変重要である。「最適」な方法に従って、齧歯類抗体の可変ドメインの配列を、公知のヒト可変ドメイン配列の全ライブラリーに対してスクリーニングする。次いで、齧歯類の配列に一番近いヒト配列が、ヒト化抗体のヒト骨格(FR)として受容させる[Simsら, J.Immunol., 151:2296(1993); ChothiaおよびLesk, J.Mol.Biol., 196:901(1987)]。別の方法では、軽鎖または重鎖の特定のサブグループのヒト抗体の全ての共通配列由来の特定骨格を用いる。いくつかの異なるヒト化抗体に、同一の骨格を用いてもよい[Carterら, Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 89:4285(1992); Prestaら, J.Immunol., 151:2623(1993)]。
さらに、抗体は抗原に対する高親和性および他の好ましい生物学的特性を保持したままヒト化されることが重要である。この目的を達成するために、好ましい方法に従い、親配列およびヒト化配列の三次元モデルを用いて、親配列および種々の概念上のヒト化産物の分析のプロセスにより、ヒト化抗体を調製する。免疫グロブリンの三次元モデルは、当業者において通常に利用可能であり広く用いられている。選択された候補免疫グロブリン配列の予想される三次元コンホメーション構造を描示し、表示するコンピュータープログラムが利用可能である。これらの表示の調査により、候補免疫グロブリン配列の機能における残基のあり得る役割の分析、すなわち候補免疫グロブリンの抗原結合能力に影響を及ぼす残基の分析が可能となる。この方法で、共通配列および移入配列からFR残基を選択および組み合わせることができ、その結果、標的抗原に対する親和性の増大のごとき所望の抗体特性が達成される。一般的には、CDR残基は直接的にそしてほとんど実質的に、抗原結合に及ぼす影響に関与している[1994年3月2日公開WO94/04679を参照]。
免疫感作において、内生免疫グロブリンを産生することなく、ヒト抗体の全レパートリーを産生する能力のあるトランスジェニック動物(例えば、マウス)を使用できる。例えば、キメラおよび生殖細胞系変異体マウスにおける抗体重鎖結合領域(JH)遺伝子の相同欠失の結果、内生抗体産生の完全な阻害が起こることが記載されている。かかる生殖細胞系変異体マウスへのヒト生殖細胞系免疫グロブリン遺伝子配列の導入の結果、抗原投与により、ヒト抗体が産生されるであろう[例えば、Jakobovitsら, Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 90:2551-255(1993); Jakobovitsら, Nature, 362:255-258(1993); Bruggemannら, Year in Immuno., 7:33(1993)参照]。また、ヒト抗体はファージ展示ライブラリーにおいても産生される[HoogenboomおよびWinter, J.Mol.Biol., 227:381(1991); Marksら, J.Mol.Biol., 222:581(1991)]。ColeらおよびBoernerらの技術も、ヒトモノクローナル抗体を調製するために利用可能である[Coleら, Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, p.77(1985)およびBoernerら, J.Immunol., 147(1):86-95(1991)]。
4.二重特異的抗体
二重特異的抗体は、モノクローナルであり、少なくとも2つの異なる抗原に対する結合特異性を有するヒトもしくはヒト化抗体が好ましい。この場合、結合特異性の一方はApo-3またはApo-2LIに対するものであり、他方は何れの抗原に対するものでもよいが、細胞表面蛋白質または受容体または受容体サブユニットに対するものが好ましい。
二重特異的抗体を作製する方法は当該技術分野において公知である。従来は、二重特異的抗体の組換え体の生産は、二つの重鎖が異なる特異性を有する、二つの免疫グロブリン重鎖/軽鎖対の同時発現に基づいている[MilsteinおよびCuello, Nature, 305:537-539(1983)]。免疫グロブリン重鎖および軽鎖の無作為な分類のために、これらのハイブリドーマ(クアッドローマ)は、可能性として10個の異なる抗体分子の混合物を生産するが、そのうちのただ一つが正確な二重特異的抗体の構造を有する。通常、正確な分子の精製は、アフィニティークロマトグラフィー法を用いて達成される。同様の方法が1993年5月13日公開のWO93/08829およびTrauneckerら,EMBO J., 10:3655-3659(1991)に開示されている。
異なった、より好ましい試みに従って、所望の結合特異性を有する抗体可変ドメイン(抗体−抗原結合部位)を免疫グロブリン不変ドメイン配列に融合させた。好ましくは、融合は少なくともヒンジ、CH2およびCH3領域の一部を含む免疫グロブリン重鎖不変ドメインとのものである。融合体の内少なくとも一つに存在する軽鎖結合に必要な部位を含む第一重鎖不変ドメイン(CH1)を有していることが好ましい。免疫グロブリン重鎖融合体および所望により免疫グロブリン軽鎖をコードしているDNAを別個の発現ベクターに挿入し、次いで適切な宿主生物中で同時形質転換する。このことは、構築に使用される3つのポリペプチド鎖の等しくない比率が最適な収率を与える場合、具体例における3つのポリペプチド断片の相互比率を調整する際に、著しい柔軟性を与える。しかしながら、少なくとも二つのポリペプチド鎖が等しい比率で、高収率で発現する場合、もしくは該比率に特に重要性が認められない場合、2つもしくは3つ全てのポリペプチド鎖に関するコーディング配列を一つの発現ベクターに挿入することが可能である。この試みの好ましい具体例として、二重特異的抗体は、片方の腕が第一の結合特異性を有するハイブリッド免疫グロブリン重鎖、もう一方の腕が(第二の結合特異性を与える)ハイブリッド免疫グロブリン重鎖/軽鎖対から構成される。二重特異的分子の僅か二分の一の免疫グロブリン軽鎖の存在が容易な分離法を供するので、この非対称構造が、所望されない免疫グロブリン鎖の組み合わせからの、所望の二重特異的化合物の分離を容易にする。この試みは、1994年3月3日公開のWO94/04690に開示されており、二重特異的抗体の作製のさらなる詳細については、例えばSureshら, Methods in Enzymology, 121:210(1986)を参照のこと。
5.異種結合抗体
異種結合抗体も本発明の範囲内にある。異種結合抗体は、二つの共有結合した抗体から成る。かかる抗体は、例えば、所望されない細胞に対して免疫系細胞を標的とするように[米国特許第4,676,980号]およびHIV感染の治療のために[WO91/00360;WO92/20373;EP03089]提案されてきた。該抗体はin vitroで、これらの関与する架橋剤を含む、合成蛋白質化学における公知の方法を用いて調製されてよいと考察されている。例えば、免疫毒素はジスルフィド交換反応を用いるか、もしくはチオエーテル結合を形成することにより構築されてよい。この目的のための適切な試薬の例としては、イミノチオレートおよびメチル−4−メルカプトブチルイミデートおよび、例えば米国特許第4,676,980号に開示されているものが挙げられる。
6.vSmo抗体の使用
vSmo抗体は、例えば特異的細胞または組織におけるその発現の検出といったvSmoに対する診断アッセイにおいて用いられ得る。競合結合アッセイ、直接または間接サンドイッチアッセイ、および異質相または同質相何れかにおいて行われる免疫沈降定量法のごとき、当該技術分野において公知の種々の診断アッセイの技術が用いられてよい[Zola, Monoclonal Antibodies: A Manual of Techniques, CRC Press, Inc.(1987)pp.147-158]。診断アッセイにおいて使用される抗体は、検出可能な部分で標識することができる。検出可能な部分は、直接的または間接的に、検出可能なシグナルを生産する能力を有しているべきである。例えば、検出可能な部分は、3H、14C、32P、35S、もしくは125Iのごとき放射性同位元素、フルオレスセインイソチオシアネート、ローダミンまたはルシフェリンのごとき蛍光または化学発光化合物、もしくはアルカリフォスファターゼ、β−ガラクトシダーゼまたはホースラディッシュパーオキシダーゼのごとき酵素であってもよい。Hunterら, Nature, 144:945(1962); Davidら, Biochemistry, 13:1014(1974); Painら, J.Immunol.Meth., 40:219(1981); およびNygren, J.Histochem.and Cytochem., 30:407(1982)に記載されている方法を始めとする、該抗体を検出可能な部分を結合させるためには当該技術分野において公知の何れの方法を用いてもよい。
また、vSmo抗体は、組換え細胞培養または天然の供給源由来のvSmoのアフィニティー精製においても有用である。このプロセスにおいて、当該技術分野において十分に公知の方法を用いて、Sephadex樹脂または濾紙ごとき適切な支持体の上に抗体を固定化する。次いで固定化抗体を、精製されるべきvSmoを含有するサンプルと接触させ、その後、固定化抗体に結合しているvSmo以外のサンプル中の実質的に全ての物質を除去する適切な溶媒で支持体を洗浄する。最後に、vSmoを抗体から遊離させる別の適切な溶媒で支持体を洗浄する。
vSmo抗体はまた治療薬としても用いられる。例えばvSmo抗体を、ミュータントまたは不活性化Patchedから引き起こされる過剰なvSmoシグナリングをブロックまたは中和するために用い得る。したがってvSmo抗体は、過剰なvSmoまたはvSmoシグナリングから引き起こされるまたはそれらと関連する病理学上の病気の治療、またはそれによって引き起こされる症状の改善に用いられる。場合によりアゴニストvSmo抗体が、皮膚組織、肺組織、筋肉(心筋または骨格筋のような)、神経組織(セロトニンニューロン、運動ニューロンまたは微小ニューロン)、骨組織または腸組織の再生産のような、組織再生産の形成の誘導、増大または刺激するために用いられ得る。このvSmo抗体治療は、疾患、老化またはトラウマによって損傷されている組織の場合でも有用であろう。
vSmo抗体は、製薬学的に許容されるキャリアーにおいて患者に投与されるために用いられ得る。適切なキャリアー及びその処方は、Remington’s Pharmaceutical Science,第16版,1980,Mark Publishing Co.,Oslo et al.編に記載されている。もしvSmo抗体が患者に投与されるとしたら、該抗体は注射(例えば静脈内、腹膜内、皮下、筋肉内)によって、または有効形態の血流内へのその輸送を確保するための点滴のような他の方法によって投与されうる。vSmo抗体を投与するための有効な投与量及びスケジュールは経験的に決定され、上記決定は当業者の手中にあるであろう。当業者は投与されなければならないvSmo抗体の投与量は例えば該抗体を受け取る患者、投与経路、及び哺乳動物に投与される他の治療試薬に依存して変化しうるであろうことを理解しているであろう。上記vSmo抗体の適切な投与量を選択する際のガイドラインは、例えばHandbook of Monoclonal Antibodies,Ferrone et al.,編,Noges Publications,Park Ridge,N.J.,(1985)ch.22及びpp.303-357;Smith et al.,Antibodies in Human Diagnosis and Therapy,Haber et al.,編,Raven Press,New York(1977)pp.365-389といった抗体の治療上の使用に関する文献に見出される。単独で用いられるvSmo抗体の典型的な毎日の投与量は、一日当たり約1μg/体重のkgから100mg/体重のkgの範囲である。
C.vSmoまたはvSmo抗体
本発明のもう一つの実施態様において、vSmoまたはvSmo抗体を含有する製造品およびキットが提供される。製造品はラベル付き容器を含む。適切な容器としては、例えばボトル、バイアルおよび試験管が挙げられる。該容器はガラスまたはプラスチックのごとき種々の材料で形成されてよい。該容器はvSmoまたはvSmo抗体を保持している。容器のラベルは、前記のごときin vivoもしくはin vitro何れの用途かという指示も表してよい。
本発明のキットは、典型的には、前記の容器および、緩衝液、希釈液、フィルター、注射針、シリンジ、および使用上の注意を記載した添付文書を含む、商業的観点および使用者の観点から所望される材料から構成される1以上の容器で構成されるであろう。
D.物質の付加的な組成物
本発明のさらなる実施態様として、脊椎動物Smoothenedタンパク質及び脊椎動物patchedタンパク質を含むタンパク質複合体が提供される。実施例に記載されるように、脊椎動物Smoothened及び脊椎動物Patchedは複合体を形成する。脊椎動物Smoothened及び脊椎動物Patchedを含むタンパク質複合体はまた、脊椎動物Hedgehogタンパク質を含む。典型的には上記複合体においては、脊椎動物Hedgehogは脊椎動物Patchedには結合するが、脊椎動物Smoothenedには結合しない。好ましい実施態様として、脊椎動物Smoothened及び脊椎動物Patchedを含む複合体は、脊椎動物Hedgehogに対するレセプターである。
本発明はまた、脊椎動物Smoothenedに結合する脊椎動物Patchedを提供する。場合により脊椎動物Patchedは、天然配列脊椎動物Patchedの誘導体または断片である配列を含む。脊椎動物Patchedは典型的に、天然配列脊椎動物Patchedと100%より小さい配列同一性を有する配列よりなるであろう。一つの実施態様として、脊椎動物Patchedは脊椎動物Smoothenedを直接及び特異的に結合する。代わりに、脊椎動物Patchedは脊椎動物Smoothenedを間接的に結合することが企図される。
以下の実施例は、例示のために供するものであり、如何なる場合も本発明の範囲を制限するものではない。本明細書における引用は全て、出典明示して本明細書の一部とみなされる。
実施例
実施例中に言及されている全ての市販試薬は、特に指示しない限り製造者の指図に従って使用した。以下の実施例において、また本明細書を通じて、それらの細胞の供給源は、ATCC登録番号、すなわち、American Type Culture Collection, Rockville, Marylandによって同定される。
実施例1
ラットSmoothenedcDNAの単離及びクローニング
フルレングスラットSmoothened cDNAを、プローブとしてDrosophila Smoothenedの完全なコード領域を用いて(Alcedo et al.,上記参照)(32P-dCTPでラベルされている)、9-10日目の胚ラットcDNAライブラリー(>1500ベースペアのサイズ選択cDNAを含む)の1.2×106プラークの低強度ハイブリダイゼーションスクリーニングによって単離した。該ライブラリーをラムダRK18ベクター(Klein et al.,Proc Natl Acad Sci.,93:7108-7113(1996))のNotI部位内にcDNA挿入物をクローニングし、引き続きXmnIアダプターライゲーションにより調製した。ハイブリダイゼーション条件は以下の通りであった:5 x SSC,30% ホルムアミド,5 x Denhard‘s,50mM リン酸ナトリウム(pH6.5),5% 硫酸デキストラン,0.1% SDS及び50μg/ml サケ精子DNAで42℃でオーバーナイト。ニトロセルロースフィルターを42℃で1 x SSCの強度で洗浄し、Kodak X-ARフィルムにオーバーナイトでさらした。8のポジティブプラークのうち3がさらなる精製のために選択された。プラーク精製ファージの増幅後、ファージミド抽出産物を、M13ヘルパーファージ(M13K07;New England Biolabsから得た)、細菌(BB4;Stratageneから得た)及び100:10:1の割合で共に精製されたファージを成育することによって生産した。プラスミドDNAを、抽出精製ファージミドを用いたBB4の感染に引き続きアンピシリン耐性コロニーからQiagen精製によって回収した。
3のcDNAの配列によりそれらが、2が部分的コード配列のみを含むことを除いて同一であることが示され、一方で第三のものは449及び1022ヌクレオチド、5’及び3’非翻訳配列のそれぞれ、及びポリAテールを含むラットSmoothenedの完全なオープンリーディングフレームを含んだ。このcDNAはクローンは両鎖とも完全にシークエンスされた。
ラットSmoothened(rSmo)の完全なヌクレオチド配列が図1(配列番号1)に示されている(参考に、pRK5.rsmo.AR140におけるラットSmoothenedの出願人のATCC寄託がなされ、ATCC寄託番号は98165である)。cDNAはヌクレオチド450-452でATGコドンにつながる翻訳開始部位を有するオープンリーディングフレームを含んだ。該オープンリーディングフレームはヌクレオチド2829-2831位で終結コドンで終わる。
ラットSmoothened(rSmo)の推定のアミノ酸配列は、図1(配列番号2)に示されるように793アミノ酸(32アミノ酸シグナルペプチドを含む)を含む。rSmoは、4の潜在的なグリコシル化部位、及び13の同間隔のシステインを含む203アミノ酸長の推定の細胞外アミノ末端ドメインを含む、典型的な7の膜貫通(7TM)、Gタンパク質結合レセプターであるようである(図2参照)。
rSmoに対する配列をdSmo、winglessレセプター及び脊椎動物Frizzledに対する配列と並べることにより、rSmoがAlcedo et al.,上記参照に報告されたdSmo配列と33%同一(膜貫通ドメインでは50%同一);Bhanot et al.,上記参照に報告されたwinglessレセプター配列と23%同一;及びChan et al.,上記参照に報告された脊椎動物Frizzled配列と25%同一であることが明らかにされた。
実施例2
in situハイブリダイゼーション及びノーザンブロッティング
in situハイブリダイゼーション及びノーザンブロット分析を、胚及び大人のラット組織におけるSmo,Patched及びSHHの組織配置を調べるために実施した。
in situハイブリダイゼーションのために、E9-E15.5ラット胚(Hollister Labs)を、4% パラホルムアルデヒドにおいて4℃でオーバーナイトで浸液固定し、それから20%スクロースでオーバーナイトで凍結防止した。大人のラット脳及び脊髄を新鮮なまま凍結した。全ての組織を16μmに断片化し、Treanor et al.,Nature,382:80-83(1996)に記載されているように33P-UTPラベル化RNAプローブを用いてin situハイブリダイゼーションのために加工した。センス及びアンチセンスプローブを、T7ポリメラーゼを用いてrSmoのN末端領域から派生させた。SHHを検出するために用いられるプローブは、マウスSHH(Echelard et al.,Cell,75:1417-1430(1993))の604-1314ベースに対するアンチセンスであった。Patchedを検出するために用いられるプローブは、マウスPatched(Goodrich et al.,上記参照)の502-1236ベースに対するアンチセンスであった。逆転写ポリメラーゼ連鎖反応分析をTreanor et al.,上記参照に記載されているように実施した。
ノーザンブロット分析のため、ラット複数組織ノーザンブロット(Clontech)を完全なrSmoコード領域を包含する32P-dCTPラベル化プローブを用いて、製品のプロトコールにしたがって高強度でハイブリダイズさせ洗浄した。
該結果は図3に示されている。in situハイブリダイゼーション及びノーザンブロット分析により、rSmo mRNAの発現を、神経ひだ及び早期神経管(Echelard et al.,上記参照,Krauss et al.,上記参照;Roelink et al.,上記参照)、プレ体節中胚葉及び体節(Johnson et al.,上記参照;Fan et al.,上記参照)、及び発達肢芽(Riddle et al.,上記参照)、腸(Roberts et al.,上記参照)及び眼(Krauss et al.,上記参照)のようなSHH応答組織におけるE9E9以降で検出した。ラットSmo転写産物もまた、その発達が精巣(デザートHH)(Bitgood et al.,Curr.Biol.,6:298-304(1996))、軟骨(インディアンHH)(Vortkamp et al.,Science,273:613-622(1996))及び筋肉(ゼブラ=ダニオ,echinida HH)(Currie and Ingham,Nature,382:452-455(1996))のような脊椎動物Hhタンパク質ファミリーの他のメンバーに調節されている組織において見出された(例えば図3参照;他のデータは示されていない)。上記掲げた組織の全てにおいて、rSmoはrPatchedと共発現されているようであった。
rSmo及びrPatched mRNAはまた、胚の肺、喉頭蓋、胸腺、脊柱、舌、顎、味蕾及び歯(図3)におけるSHH発現細胞内またはその周囲で見出された。胚神経系においては、rSmo及びrPatchedは初めに神経板を通じて発現される;しかしながらE12によって、その発現は神経管の外側の部分で減少し、P1によって脳室部に比較的近接した細胞に制限された(図3)。大人のラット組織においては、rSmo発現は、脳、肺、腎臓、精巣、心臓及び脾臓に維持されていた(データは示されていない)。
実施例3
ヒトSmoothened cDNAの単離及びクローニング
ラットSmoothened遺伝子(上記実施例1に記載されている)のコード領域に相当するcDNAプローブを、ランダムヘキサヌクレオチド法によってラベルし、lgt10におけるヒト胚肺cDNAライブラリー(Clontech,Inc)の106クローンをスクリーニングするために用いた。二重のフィルターを、50% ホルムアミド,5 x SSC,10 x Denhard’s,0.05M リン酸ナトリウム(pH6.5),0.1% ピロリン酸ナトリウム,50mg/mlのソニケートサケ精子DNA中で42℃でハイブリダイズした。フィルターを2 x SSCでリンスし、それから0.5 x SSC,0.1% SDSで42℃で一度洗浄した。ハイブリダイズしたファージをプラーク精製し、cDNA挿入物をpUC118(New England Biolabs)内にサブクローン化した。2のクローン、5及び14はそれぞれおよそ2及び2.8kbのオーバーラップ挿入物を有し、完全なヒトSmoothenedコード配列をカバーする(図4参照)。クローン5及び14は、それぞれpuc.118.hsmo.5及びpuc.118.hsmo.14として出願人によってATCCに寄託され、それぞれATCC寄託番号98162及び98163と名付けられた。両鎖は、ABI377自動シークエンサー上で標準的な蛍光法によってシークエンスされた。
ヒトSmoothenedの完全なヌクレオチド配列が図4に示されている(配列番号3)。該cDNAはヌクレオチド13-15位でATGコドンに並んだ翻訳開始部位を有する一つのオープンリーディングフレームを含んだ。該オープンリーディングフレームは、ヌクレオチド2374-2376位の終止コドンで終結する。
ヒトSmoothened(hSmo)の推定のアミノ酸配列は、図4(配列番号4)に示されるように787アミノ酸(29アミノ酸シグナルペプチドを含む)を含む。hSmoは、5の潜在的なグリコシル化部位、及び13の同間隔のシステインを含む202アミノ酸長の推定の細胞外アミノ末端ドメインを含む、典型的な7の膜貫通(7TM)、Gタンパク質結合レセプターであるようである。
予想されるhSmoアミノ酸配列とrSmo配列(実施例1参照)を並べることにより、94%のアミノ酸同一性が明らかにされた。hSmoに対する配列をdSmo、winglessレセプター及び脊椎動物Frizzledに対する配列と並べることにより、hSmoがAlcedo et al.,上記参照に報告されたdSmo配列と33%同一(膜貫通ドメインでは50%同一);Bhanot et al.,上記参照に報告されたwinglessレセプター配列と23%同一;及びChan et al.,上記参照に報告された脊椎動物Frizzled配列と25%同一であることが明らかにされた。ヒトSmo、ラットSmo及びDrosophila Smoの一次配列の比較に対する図5参照。
実施例4
競合的結合、共免疫学的沈降、及び架橋アッセイ
競合的結合、共免疫学的沈降、及び架橋アッセイを、SHHとrSmoの間、及びSHHの特定の生物学的活性形態とrSmo、mPatched、またはrSmoとmPatchedの両者を発現する細胞の間の物理的会合または結合を特徴付けるために実施した。
1.物質と方法
rSmo(実施例1に記載されている);dSmo(Alcedo et al.,上記参照に記載されている);Desert HH(Echelard et al.,上記参照に記載されている);及びネズミPatched(Goodrich et al.,上記参照に記載されている)に対する相補的DNAをpRK5ベクター内にクローン化し、エピトープタグ(Flagエピトープタグ(Kodak/IBI)及びMycエピトープタグ(9E10エピトープ;In Vitrogen))をPCRベースミュータジェネシスによって極端なC末端に加えた。
SHH-NはSHHの生物学的活性アミノ末端部分である(Lee et al.,Science,266:1528-1537(1994))。SHH-NをHynes et al.,上記参照に記載されているように生産した。SHH-Nのラジオラベル形態、125ISHH-Nを用いた。
IgG-SHH-N生産のため、ヒト肺腎293細胞を、フレーム中にアミノ酸残基198以降とヒトIgGガンマのFc部分を融合したSHH-Nコード発現ベクターを用いて一過的にトランスフェクトした。
細胞を48時間血清フリー培地(OptiMEM;Gibco BRL)に維持した。それから該培地を集め、セントリコン-10メンブレンを用いて10倍に濃縮した。調製培地を2倍の濃縮で用いた。
結合アッセイをrSmoまたはdSmo及び(1)エピトープタグ化SHH-N、(2)一G-SHH-Nキメラ、及び(3)エピトープタグ化Desert HHを発現する細胞の間の結合を試験するために実施した。
SHH結合を顕視化するために、rSmoまたはmPatched(ネズミPatched)を一過的に発現するCOS-7細胞(Genentech,Inc.)を、エピトープタグ化SHH-Nにさらし(4℃で2時間)、PBSを用いて4回洗浄し、それから固定してcy3接合抗ヒトIgG(Jackson Immuno Research)(IgG-SHH-Nに対して)または抗Flag M2抗体(Kodak/IBI)(Flagタグ化SHH-Nに対して)を用いて染色した。
免疫組織化学のために、発現構築物を用いて一過的にトランスフェクトされたCOS-7細胞を固定し(2% パラホルムアルデヒド/0.2% Triton-X 100において10分)、そしてモノクローナル抗Flag M2抗体(IBI)または抗Myc抗体(In Vitrogen)、引き続きcy3-接合抗マウスIgG(Jackson Imunoresearch)を用いて染色した。
架橋のため、細胞を0.1% BSA及び50pM 125Iラベル化SHH(非ラベル化SHHの1000倍過剰の存在下または不存在下)を含む氷冷L15培地において1-2 x 106/mlの密度で再懸濁し、2時間4℃でインキュベートした。10mM 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドHCl及び5mM N-ヒドロキシスルホスクシンイミド(Pierce Chemical)を該サンプルに加え、室温で30分インキュベートした。それから細胞を1mlのPBSで3回洗浄した。それから細胞を溶解バッファー(1% Brij-96(Sigma),50mM Tris,pH8.0,150mM NaCl,1mM PMSF,10μM アプロチニン,10μM ロイペプチン)に溶解し、タンパク質複合体を示されたようにエピトープタグに対して抗体を用いて免疫沈降した。免疫沈降化タンパク質をサンプルバッファー(80mM Tris-HCl(pH6.8),10%(v/v)グリセロール,1%(w/v)SDS,0.025% Bromophenol Blue)に再懸濁し、4% SDS-ポリアクリルアミドゲルで変性して流し、該ゲルを乾燥してフィルムにさらした。
平衡化結合アッセイのため、細胞を上記のような加工し、50pM 125I-SHH及び様々な濃度の冷却SHH-N(Cold Ligand)を用いてインキュベートした。IGORプログラムをKdを測定するために用いた。
2.結果
該結果が図6に示されている。rSmoまたはdSmoを発現する細胞に対するエピトープタグ化SHH-N、IgG-SHH-Nキメラタンパク質、またはエピトープタグ化Desert HHのそれぞれの結合は観察されなかった(図6a-b及びデータは示されていない)。このデータ(及び以下に記載されるデータ)は、単独で機能するrSmoはSHHまたはDesert HHに対するレセプターではなさそうであることを示した。しかしながら、rSmoがマルチサブユニットSHHレセプター複合体における構成要素であること、及びこのレセプター複合体のリガンド結合機能はPatchedのようなもう一つの膜タンパク質によって提供されるであろうことが仮説化されている。
rSmoまたはネズミpatchedを発現する細胞と、(1)エピトープタグ化SHH及び(2)IgG-SHH-Nキメラの間の結合を試験するために結合アッセイもまた実施された。該データにより、エピトーブタグ化SHH-Nと同様にIgG-SHH-Nキメラタンパク質はマウスPatched(mPatched)を発現する細胞に特異的に及び可逆的に結合することが示される(mPatchedはDrosophila Patchedに33%同一である)(図6c−e)。さらにmPatchedのみがIgG-SHH-Nタンパク質によって共沈降され(図6f)、そしてエピトープタグ化mPatchedに対する抗体は容易に125I-SHH-Nを共沈降した(図6h)(エピトープタグ化rSmoに対する抗体は125I-SHH-Nを共沈降せず、IgG-SHH-NキメラはrSmoを共沈降しない)。
図6gに示されているように、冷却SHH-Nの存在下または不存在下でrSmoまたはmPatchedを発現する細胞に対する125I-SHH-Nキメラの架橋アッセイにより、125I-SHH-NはmPatched発現細胞のみを共することが明らかにされた。
125I-SHH-N及びmPatchedまたはmPatchedプラスrSmoを発現する細胞の競合的結合アッセイもまた、mPatched及びSHH-Nが相互作用に対する比較的高アフィニティーを有することを示した(およそ460pMのKd)(図6i)。これは複数の系における生物学的応答を引き出すのに必要とされるSHH-Nの濃度によく一致する(Fan et al.,上記参照;Hynes et al.,上記参照;Roelink et al.,上記参照)。rSmo単独を発現する細胞に対する結合は観察されず(データは示されていない)、rSmoの存在下でmPatchedに対する結合アフィニティーの増大は存在しなかった。
実施例5
共免疫沈降アッセイ
Patched及びSmoが物理的複合体を形成または相互作用するかどうかを測定するために、共免疫沈降実験を実施した。
1.物質と方法
二重免疫組織化学のために、発現構築物を用いて一過的にトランスフェクトされたCOS-7細胞を、0.2% Triton-x 100を用いて可溶化した。該細胞を固定し(2% パラホルムアルデヒド/0.2% Triton-X 100中で10分)、モノクローナル抗Flag M2抗体(IBI)及びウサギポリクローナル抗Myc一次抗体(santa Cruz Biotech)を用いて染色し、引き続きcy3接合抗マウスIgG(jackson Immunoresearch)及びbodipy接合抗ウサギIgG二次抗体(Molecular Probes,Inc.)を用いて染色した。
ヒト胚腎293細胞を、エピトープタグ化rSmo(Flagエピトープ)及びmPatched(Mycエピトープ)に対する発現ベクターを用いて一過的にトランスフェクトし、生成タンパク質複合体を該エプトープの一つに対する抗体を用いて免疫沈降し、それからウエスタンブロットで分析した。
共免疫沈降アッセイのため、Flagタグ化rSmo、Mycタグ化mPatched、または該2のタンパク質の組み合わせを一過的に発現する293胚腎細胞由来の溶解物を、IgG-SHH-Nキメラ(1μg/ml,37℃で30分)の存在下または不存在か、あるいは過剰な冷却SHH-Nと共のまたはそれ無しでの125I-SHH-Nの存在下で(4℃で2時間)インキュベートした(トランスフェクション後48時間)。それから該インキュベートサンプルをPBSを用いて3回洗浄し、Davis et al.,Science,259:1736-1739(1993)に記載されたような溶解バッファー(実施例4参照)で溶解した。該細胞溶解物を10分10,000rpmで遠心分離し、溶解タンパク質複合体をプロテインAセファロース(IgG-SHH-Nに対して)または抗Flagあるいは抗Myc抗体、引き続きプロテインAセファロース(エピトープタグ化rSmoまたはmPatchedのそれぞれに対して)を用いて免疫沈降した。
該サンプルを変性SDSサンプルバッファー(125mM Tris,pH6.8,2% SDS,10% グリセロール,100mM B-メルカプトエタノール,0.05% ブロモフェノールブルー)において5分100℃で熱し、SDS-PAGEにかけた。該タンパク質をフィルムに対して乾燥したゲルをさらすことにより(125I-SHH-Nに対して)、またはニトロセルロースにブロッティングし、ECL検出系(Amersham)を用いてFlagまたはMycエピトープに対する抗体を用いてプローブすることによって検出した。
2.結果
該結果が図7に示されている。mPatched単独またはrSmo単独を発現する細胞においては、共免疫沈降タンパク質複合体は検出されなかった。対照的に、mPatched及びrSmoの両者を発現する細胞においては(図7a)、rSmoはエピトープタグ化mPatchedに対する抗体によって容易に共免疫沈降され、mPatchedはエピトープタグ化rSmoに対する抗体によって共免疫沈降された(図7c)。
125I-SHH-NはrSmo及びmPatchedの両者を発現する細胞由来のエピトープタグ化rSmoまたはmPatchedに対する抗体によって容易に共免疫沈降されるが、rSmo単独を発現する細胞由来のものにはされなかった(図7d及び7e)。これらの結果はSHH-N、rSmo及びmPatchedが同じ物理的複合体において存在すること、そしてrSmo-SHH複合体はmPatchedの不存在下では形成されないことを示す。十分に理解されておらずいかなる特定の理論とも結びつけられていないが、Patchedはリガンド結合構成要素であり、vSmoはマルチサブユニットSHHレセプターにおけるシグナリング構成要素であると考えられる(図9参照)。PatchedはまたvSmoのネガティブレギュレーターであると考えられる。
実施例6
Hahn et al.,上記参照、Johnson et al.,上記参照、及びGailani et al.,上記参照は、PatchedミューテーションがBCNS及び散発性基底細胞ガン(”BCC”)と関連していることを報告している。これらの研究者はまた、BCMSにおけるPatchedミューテーションのほとんどが機能的なタンパク質を生産しないトランケーションであると報告している。BCNS及びBCCがvSmoの構成的な活性化を引き起こしまたはそれと関連しており、引き続きPatchedによるネガティブな調節から解放されていることが考えられる。
野生型(天然)ネズミPatched及びミュータントPatchedの発現レベルを調べた。Patchedミュータントは野生型マウスPatched cDNAのサイトディレクトミュータジェネシスによって生産され(実施例4に記載されている)、シークエンシングによって確認された。ミュータントPatchedはアミノ酸残基815の後に3のアミノ酸挿入を含んでいた(Pro-Asn-Ile)(このミュータントはBCNSファミリーにおいて見出された、Hahn et al.,上記参照を参照)。タンパク質発現の分析のために、野生型またはミュータントPatchedを含む等量のpRK5発現ベクターを293細胞内にトランスフェクトし、等量の細胞(2 x 106)をサンプル当たり溶解した。タンパク質はPatchedエピトープタグ(myc)に対する抗体によって細胞溶解物から免疫沈降され、同じ抗体を用いてウエスタンブロット上で検出された。
出願人はミュータントPatched(それは完全なオープンリーディングフレームを維持している)がその野生型カウンターパートと比較して少なくとも10倍減少していることを見出した。図8参照。
材料の寄託
以下の材料を、American Type Culture Collection, 12301 Parklawn Drive, Rockville, MD, USA(ATCC)に寄託している。
Figure 0004671371
この寄託は、特許条約上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約に基づく規則(ブダペスト条約)の規定のもとに行われた。これは、寄託された生存培養物の維持を寄託の日から30年間保証するものである。ブダペスト条約の約定、およびGenentech. Inc,とATTCとの間の協定の課題の下、ATCCによって利用できる寄託がなされよう。それは、米国特許法第122条及びこれに関する特許庁長官の定める規則(米国特許法施行規則§1.14及び特に886 OG 638を参照)に基づき、適切な米国特許の発行することで、または米国もしくは外国特許出願の何れであっても最初に実現されたものを公開することで公的に寄託された培養物の後代が永続的かつ制限なく有効であることを保証し、また地位を与えられた米国特許商標庁長官によって決定されたものに対する後代が有効であることを保証する。
本出願の受託者は、寄託した材料の培養を適切な条件下で培養し、もし死滅するか、または喪失するか、または破壊されるかした場合は、該材料を通知によって即座に同一物の別のものと交換するということを合意している。寄託した材料の有効性を、その特許法に従って政府当局の下、授与された権利に違反してその発明の実施を許可されるものと解釈すべきではない。
前述の明細書は、当業者が本発明を実施できるに十分であるとみなされる。寄託された具体例は本発明の特定の態様を単に例示しようとするものであって、機能的に同等である如何なる構築体も本発明の範囲内にあるので、本発明は、寄託した構築体によってその範囲が限定されるべきではない。本明細書における材料の寄託は、本明細書に含まれている記載が本発明の如何なる態様の実施を可能にするには十分でないということを承認せず、その最良の形態を含み、それが表す特定の例示についての請求の範囲を制限するものと解釈すべきではない。実際に、本明細書に示されおよび記載されたものに加えて、本発明の種々の改変は当業者にとっては先の記載から明白であり、添付した請求の範囲内にある。
配列表
(1)一般情報:
(i)出願人: Genentech, Inc.
(ii)発明の名称: 脊椎動物Smoothenedタンパク質
(iii)配列数: 4
(iv)連絡先:
(A)宛名: Genentech, Inc.
(B)通り: 460 Point San Bruno Blvd
(C)市: South San Francisco
(D)州: California
(E)国: USA
(F)郵便番号: 94080
(v)コンピューター読み取り形態:
(A)メディアタイプ: 3.5インチ, 1.44 Mb フロッピーディスク
(B)コンピューター: IBM PC 互換機
(C)オペレーティング・システム: PC-DOS/MS-DOS
(D)ソフトウェア: WinPatin(Genentech)
(vi)現在の出願データ:
(A)出願番号:
(B)出願日:
(C)分類:
(viii)弁理士/代理人情報:
(A)氏名: Svoboda, Craig G.
(B)登録番号: 39,044
(C)参照/登録番号: P1050PCT
(ix)遠距離通信情報:
(A)電話: 415/225-1489
(B)テレファックス: 415/952-9881
(C)テレックス: 910/371-7168
(2)配列番号1に関する情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ: 3854ベースペア
(B)タイプ: 核酸
(C)鎖状態: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(xi)配列の記載: 配列番号1:
Figure 0004671371
Figure 0004671371
Figure 0004671371
Figure 0004671371
Figure 0004671371
Figure 0004671371
Figure 0004671371
Figure 0004671371
Figure 0004671371
Figure 0004671371
Figure 0004671371
(2)配列番号2に関する情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ: 793 アミノ酸
(B)タイプ: アミノ酸
(D)トポロジー: 直鎖状
(xi)配列の記載: 配列番号2:
Figure 0004671371
Figure 0004671371
Figure 0004671371
Figure 0004671371
Figure 0004671371
Figure 0004671371
(2)配列番号3に関する情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ: 2972 ベースペア
(B)タイプ: 核酸
(C)鎖状態: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(xi)配列の記載: 配列番号3:
Figure 0004671371
Figure 0004671371
Figure 0004671371
Figure 0004671371
Figure 0004671371
Figure 0004671371
Figure 0004671371
Figure 0004671371
Figure 0004671371
Figure 0004671371
(2)配列番号4に関する情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ: 787 アミノ酸
(B)タイプ: アミノ酸
(D)トポロジー: 直鎖状
(xi)配列の記載: 配列番号4:
Figure 0004671371
Figure 0004671371
Figure 0004671371
Figure 0004671371
Figure 0004671371
Figure 0004671371

Claims (22)

  1. 配列番号4のアミノ酸配列を含む単離した天然配列脊椎動物Smoothened。
  2. 配列番号2のアミノ酸配列を含む単離した天然配列脊椎動物Smoothened。
  3. 異種アミノ酸配列と融合した請求項1又は2の脊椎動物Smoothenedを含むキメラ分子。
  4. 上記異種アミノ酸配列がエピトープタグ配列である請求項3のキメラ分子。
  5. 請求項1又は2の脊椎動物Smoothenedに特異的に結合する抗体。
  6. 上記抗体がモノクローナル抗体である請求項5の抗体。
  7. 請求項1又は2の脊椎動物Smoothenedをコードする単離した核酸。
  8. 上記核酸が配列番号4のアミノ酸配列を含む天然配列脊椎動物Smoothenedをコードする請求項7の核酸。
  9. 上記核酸が配列番号2のアミノ酸配列を含む天然配列脊椎動物Smoothenedをコードする請求項7の核酸。
  10. 請求項7の核酸を含むベクター。
  11. 該ベクターを用いてトランスフォームされたホスト細胞によって認識される制御配列に機能的に連結されている請求項10のベクター。
  12. 請求項10のベクターを含む宿主細胞。
  13. 請求項12の宿主細胞を培養することを含む、脊椎動物Smoothenedの生産に効果的な、請求項1又は2の脊椎動物Smoothenedをコードする核酸を用いる方法。
  14. さらに宿主細胞カルチャーから脊椎動物Smoothenedを回収することを含む請求項13の方法。
  15. 請求項1又は2の脊椎動物Smoothenedをコードする核酸を発現する細胞を含む非ヒトトランスジェニック動物。
  16. マウスまたはラットである請求項15の動物。
  17. 請求項1又は2の脊椎動物Smoothenedをコードする改変された遺伝子を有する細胞を含む非ヒトノックアウト動物。
  18. マウスまたはラットである請求項17の動物。
  19. 請求項1又は2の脊椎動物Smoothenedタンパク質及び脊椎動物Patchedタンパク質を含むタンパク質複合体。
  20. さらに脊椎動物Hedgehogタンパク質を含む請求項19のタンパク質複合体。
  21. 脊椎動物Hedgehogタンパク質が脊椎動物Patchedタンパク質に結合するが脊椎動物Smoothenedタンパク質には結合しない請求項20のタンパク質複合体。
  22. 脊椎動物Hedgehogタンパク質に対するレセプターである請求項19のタンパク質複合体。
JP51672198A 1996-09-30 1997-09-29 脊椎動物Smoothenedタンパク質 Expired - Lifetime JP4671371B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/720,484 1996-09-30
US08/720,484 US5990281A (en) 1996-09-30 1996-09-30 Vertebrate smoothened proteins
PCT/US1997/017433 WO1998014475A1 (en) 1996-09-30 1997-09-29 Vertebrate smoothened proteins

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001501476A JP2001501476A (ja) 2001-02-06
JP4671371B2 true JP4671371B2 (ja) 2011-04-13

Family

ID=24894172

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP51672198A Expired - Lifetime JP4671371B2 (ja) 1996-09-30 1997-09-29 脊椎動物Smoothenedタンパク質

Country Status (12)

Country Link
US (2) US5990281A (ja)
EP (1) EP0939769B1 (ja)
JP (1) JP4671371B2 (ja)
AT (1) ATE309270T1 (ja)
AU (1) AU725701B2 (ja)
CA (1) CA2267181A1 (ja)
DE (1) DE69734596T2 (ja)
DK (1) DK0939769T3 (ja)
ES (1) ES2252795T3 (ja)
IL (1) IL129139A (ja)
WO (1) WO1998014475A1 (ja)
ZA (1) ZA978503B (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU8173098A (en) 1997-06-27 1999-01-19 Ontogeny, Inc. Neuroprotective methods and reagents
US7144997B2 (en) 1997-07-24 2006-12-05 Curis, Inc. Vertebrate embryonic patterning-inducing proteins, compositions and uses related therto
US7361336B1 (en) * 1997-09-18 2008-04-22 Ivan Bergstein Methods of cancer therapy targeted against a cancer stem line
US6639051B2 (en) 1997-10-20 2003-10-28 Curis, Inc. Regulation of epithelial tissue by hedgehog-like polypeptides, and formulations and uses related thereto
AU1716599A (en) 1997-12-08 1999-06-28 Curis, Inc. Human patched genes and proteins, and uses related thereto
US6884770B1 (en) 1998-11-06 2005-04-26 Curis, Inc. Methods and compositions for treating or preventing peripheral neuropathies
WO2008030538A2 (en) * 2006-09-07 2008-03-13 Stemline Therapeutics, Inc. Cancer stem cell-targeted cancer therapy
US9321823B2 (en) 2009-09-02 2016-04-26 Genentech, Inc. Mutant smoothened and methods of using the same
BR112021000340A2 (pt) * 2018-07-11 2021-04-13 Hedgehog, Inc. Epítopo específico para proteína smo, anticorpo ou fragmento do mesmo, molécula de ácido nucléico, vetor, célula hospedeira, composição de vacina, composição farmacêutica, uso do anticorpo, método para quantificar proteína smo, método para prover informação quanto ao diagnóstico de doença e kit para quantificar proteína smo

Family Cites Families (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2413974A1 (fr) * 1978-01-06 1979-08-03 David Bernard Sechoir pour feuilles imprimees par serigraphie
US4342566A (en) * 1980-02-22 1982-08-03 Scripps Clinic & Research Foundation Solid phase anti-C3 assay for detection of immune complexes
US4399216A (en) * 1980-02-25 1983-08-16 The Trustees Of Columbia University Processes for inserting DNA into eucaryotic cells and for producing proteinaceous materials
JPS57500445A (ja) 1980-03-21 1982-03-11
ZA811368B (en) * 1980-03-24 1982-04-28 Genentech Inc Bacterial polypedtide expression employing tryptophan promoter-operator
US4419446A (en) * 1980-12-31 1983-12-06 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Recombinant DNA process utilizing a papilloma virus DNA as a vector
NZ201705A (en) * 1981-08-31 1986-03-14 Genentech Inc Recombinant dna method for production of hepatitis b surface antigen in yeast
US4870009A (en) * 1982-11-22 1989-09-26 The Salk Institute For Biological Studies Method of obtaining gene product through the generation of transgenic animals
US4601978A (en) * 1982-11-24 1986-07-22 The Regents Of The University Of California Mammalian metallothionein promoter system
US4713339A (en) * 1983-01-19 1987-12-15 Genentech, Inc. Polycistronic expression vector construction
AU2353384A (en) * 1983-01-19 1984-07-26 Genentech Inc. Amplification in eukaryotic host cells
US4816567A (en) * 1983-04-08 1989-03-28 Genentech, Inc. Recombinant immunoglobin preparations
US4736866A (en) * 1984-06-22 1988-04-12 President And Fellows Of Harvard College Transgenic non-human mammals
US4676980A (en) * 1985-09-23 1987-06-30 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Department Of Health And Human Services Target specific cross-linked heteroantibodies
EP0272253A4 (en) * 1986-03-07 1990-02-05 Massachusetts Inst Technology METHOD FOR IMPROVING GLYCOPROTE INSTABILITY.
GB8724885D0 (en) * 1987-10-23 1987-11-25 Binns M M Fowlpox virus promotors
ATE105585T1 (de) * 1987-12-21 1994-05-15 Univ Toledo Transformation von keimenden pflanzensamen mit hilfe von agrobacterium.
DK168302B1 (da) * 1989-06-29 1994-03-07 Danisco Fremgangsmåde til indføring af molekyler, især genetisk materiale i planteceller
WO1991000360A1 (en) * 1989-06-29 1991-01-10 Medarex, Inc. Bispecific reagents for aids therapy
US5206161A (en) * 1991-02-01 1993-04-27 Genentech, Inc. Human plasma carboxypeptidase B
JPH06507398A (ja) * 1991-05-14 1994-08-25 リプリジェン コーポレーション Hiv感染治療のための異種複合抗体
WO1994004679A1 (en) * 1991-06-14 1994-03-03 Genentech, Inc. Method for making humanized antibodies
WO1993008829A1 (en) * 1991-11-04 1993-05-13 The Regents Of The University Of California Compositions that mediate killing of hiv-infected cells
EP0656064B1 (en) * 1992-08-17 1997-03-05 Genentech, Inc. Bispecific immunoadhesins
ES2138662T3 (es) * 1993-06-03 2000-01-16 Therapeutic Antibodies Inc Produccion de fragmentos de anticuerpos.
US6136958A (en) * 1996-09-30 2000-10-24 Genentech, Inc. Antibodies to vertebrate smoothened proteins

Also Published As

Publication number Publication date
ATE309270T1 (de) 2005-11-15
AU4600597A (en) 1998-04-24
DK0939769T3 (da) 2006-03-13
CA2267181A1 (en) 1998-04-09
ZA978503B (en) 1999-03-23
US6407216B1 (en) 2002-06-18
AU725701B2 (en) 2000-10-19
DE69734596D1 (de) 2005-12-15
IL129139A0 (en) 2000-02-17
EP0939769A1 (en) 1999-09-08
ES2252795T3 (es) 2006-05-16
US5990281A (en) 1999-11-23
WO1998014475A1 (en) 1998-04-09
EP0939769B1 (en) 2005-11-09
JP2001501476A (ja) 2001-02-06
DE69734596T2 (de) 2006-07-20
IL129139A (en) 2007-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
FI121366B (fi) Uusia siiliperäisiä polypeptidejä
JP5425244B2 (ja) ヒトトール相同体
US6299877B1 (en) Type I interferons
AU769166B2 (en) Fizz proteins
JP2007330258A (ja) Notchタンパク質およびDeltaタンパク質中の結合ドメイン
JPH10509149A (ja) 感覚および運動ニューロンにより誘導される因子(smdf)
JP2003116587A (ja) ポリペプチド及び同じものをコードしている核酸
JP4671371B2 (ja) 脊椎動物Smoothenedタンパク質
US6492139B1 (en) Vertebrate smoothened proteins
ES2253320T3 (es) Polipeptido y acido nucleico que lo codifica.
JP4314386B2 (ja) Bcl−2調節因子(BMF)配列及びアポトーシスの調節におけるそれらの使用
JP3349514B2 (ja) Icam−4物質及び方法
KR20010085816A (ko) 면역 관련 질환 치료용 조성물 및 치료 방법
US7091178B2 (en) Guanylate-binding protein
JP4709383B2 (ja) Ucp4
JP2005518820A (ja) Gdnfrと配列類似性を有する新規ポリペプチド及びこれをコードする核酸
EP0939814A1 (en) Fringe proteins and notch signalling
EP1209168B1 (en) PRO243 polypeptides and nucleic acids encoding the same
CA2225126A1 (en) Mammalian brainiac and egghead genes
US20030077749A1 (en) Ucp5
JP2005502317A (ja) ボールカインポリペプチド及び核酸

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20040420

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20040420

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061107

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20070205

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20070326

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070507

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070703

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071001

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20071031

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20071220

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20080313

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101104

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110117

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140128

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term