JP2005518820A - Gdnfrと配列類似性を有する新規ポリペプチド及びこれをコードする核酸 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、一般に、ここで「PRO34128」ポリペプチドと命名された、グリア細胞株由来神経栄養因子レセプター(GDNFR)と配列類似性を有する新規なポリペプチドの新規なDNAの同定と単離並びにその組換え生産に関する。
膜結合タンパク質とレセプターは、とりわけ、多細胞生物の形成、分化及び維持において重要な役割を担っている。多くの個々の細胞の運命、例えば増殖、移動、分化又は他の細胞との相互作用は、典型的には他の細胞及び/又は直近の環境から受け取る情報に支配される。この情報は、しばしば分泌ポリペプチド(例えば、分裂促進因子、生存因子、細胞障害性因子、分化因子、神経ペプチド、及びホルモン)により伝達され、これが次に多様な細胞レセプター又は膜結合タンパク質により受け取られ解釈される。このような膜結合タンパク質と細胞レセプターは、これらに限定されるものではないが、サイトカインレセプター、レセプターキナーゼ、レセプターホスファターゼ、細胞-細胞間相互作用に関与するレセプター、並びにセレクチン及びインテグリンのような細胞接着分子を含む。例えば、細胞の増殖及び分化を調節するシグナルの伝達は、様々な細胞タンパク質のリン酸化により部分的に調節される。そのプロセスを触媒する酵素であるプロテインチロシンキナーゼはまた成長因子レセプターとしても作用しうる。具体例には、線維芽細胞成長因子レセプター及び神経成長因子レセプターが含まれる。
膜結合タンパク質とレセプター分子は、製薬及び診断薬を含む、様々な産業的用途を有している。例えば、レセプターイムノアドヘシンはレセプター-リガンド間相互作用を阻止する治療薬として使用することができる。膜結合タンパク質はまた、関連するレセプター/リガンド間相互作用の可能性のあるペプチド又は小分子インヒビターをスクリーニングするために使用することもできる。
新規な未変性のレセプター又は膜結合タンパク質を同定するための努力が産業界と学術界の双方によってなされている。多くの努力が、新規なレセプター又は膜結合タンパク質のコード配列を同定するために、哺乳動物組換えDNAライブラリーのスクリーニングに注がれている。
ここで我々は、PRO34128ポリペプチドと命名したGDNFRと配列類似性を有する新規ポリペプチドの同定及び特徴付けについて記載する。
GDNFRをコードする核酸と相同性を有し、本出願において「PRO34128」と命名された新規ポリペプチドをコードするcDNAクローン(ここではDNA194917-3044と命名する)を同定した。
一実施態様では、本発明は、PRO34128ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んでなる、単離された核酸分子を提供する。
一態様では、単離された核酸分子は、(a)ここに開示された完全長アミノ酸配列、ここに開示されたシグナルペプチドを欠くアミノ酸配列、ここに開示されたシグナルペプチドを伴うか伴わない膜貫通タンパク質の細胞外ドメイン、又はここに開示された完全長アミノ酸配列の任意の他の特に定められた断片を有するPRO34128ポリペプチドをコードするDNA分子、又は(b)(a)のDNA分子の相補鎖に対して、少なくとも約80%の核酸配列同一性、又は少なくとも約81%の核酸配列同一性、又は少なくとも約82%の核酸配列同一性、又は少なくとも約83%の核酸配列同一性、又は少なくとも約84%の核酸配列同一性、又は少なくとも約85%の核酸配列同一性、又は少なくとも約86%の核酸配列同一性、又は少なくとも約87%の核酸配列同一性、又は少なくとも約88%の核酸配列同一性、又は少なくとも約89%の核酸配列同一性、又は少なくとも約90%の核酸配列同一性、又は少なくとも約91%の核酸配列同一性、又は少なくとも約92%の核酸配列同一性、又は少なくとも約93%の核酸配列同一性、又は少なくとも約94%の核酸配列同一性、又は少なくとも約95%の核酸配列同一性、又は少なくとも約96%の核酸配列同一性、又は少なくとも約97%の核酸配列同一性、又は少なくとも約98%の核酸配列同一性、又は少なくとも約99%の核酸配列同一性を有しているヌクレオチド配列を含んでなる。
他の実施態様は、例えば、ハイブリダイゼーションプローブとして、又は場合によっては抗PRO34128抗体に対する結合部位を含むポリペプチドをコードするPRO34128ポリペプチドの断片をコードするために、又はアンチセンスオリゴヌクレオチドプローブとしての用途が見いだされるPRO34128ポリペプチドコード配列の断片、又はその相補鎖に関する。そのような核酸断片は通常は少なくとも約20のヌクレオチド長、又は少なくとも約30のヌクレオチド長、又は少なくとも約40のヌクレオチド長、又は少なくとも約50のヌクレオチド長、又は少なくとも約60のヌクレオチド長、又は少なくとも約70のヌクレオチド長、又は少なくとも約80のヌクレオチド長、又は少なくとも約90のヌクレオチド長、又は少なくとも約100のヌクレオチド長、又は少なくとも約110のヌクレオチド長、又は少なくとも約120のヌクレオチド長、又は少なくとも約130のヌクレオチド長、又は少なくとも約140のヌクレオチド長、又は少なくとも約150のヌクレオチド長、又は少なくとも約160のヌクレオチド長、又は少なくとも約170のヌクレオチド長、又は少なくとも約180のヌクレオチド長、又は少なくとも約190のヌクレオチド長、又は少なくとも約200のヌクレオチド長、又は少なくとも約250のヌクレオチド長、又は少なくとも約300のヌクレオチド長、又は少なくとも約350のヌクレオチド長、又は少なくとも約400のヌクレオチド長、又は少なくとも約450のヌクレオチド長、又は少なくとも約500のヌクレオチド長、又は少なくとも約600のヌクレオチド長、又は少なくとも約700のヌクレオチド長、又は少なくとも約800のヌクレオチド長、又は少なくとも約900のヌクレオチド長、又は少なくとも約1000のヌクレオチド長であり、ここで、「約」という用語は、その言及した長さのプラス又はマイナス10%の言及ヌクレオチド配列長を意味する。PRO34128ポリペプチドコード化ヌクレオチド配列の新規な断片は、多くのよく知られた配列アラインメントプログラムの任意のものを使用して、PRO34128ポリペプチドコードヌクレオチド配列を他の既知のヌクレオチド配列にアラインメントさせ、どのPRO34128ポリペプチドコードヌクレオチド配列断片(群)が新規であるかを決定するといった常套的方法により決定することができることに留意される。そのようなPRO34128ポリペプチドコードヌクレオチド配列の全てがここで考慮される。また考慮されるものは、これらのヌクレオチド分子断片によりコードされるPRO34128ポリペプチド断片、好ましくは抗PRO34128抗体に対する結合部位を含んでなるそれらのPRO34128ポリペプチド断片である。
或る態様では、本発明は、ここに開示された完全長アミノ酸配列、ここに開示されたシグナルペプチドを欠くアミノ酸配列、ここに開示されたシグナルペプチドを伴うか伴わない膜貫通タンパク質の細胞外ドメイン、又はここに開示された完全長アミノ酸配列の任意の他の特に定められた断片を有するPRO34128ポリペプチドに対して、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約81%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約82%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約83%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約84%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約85%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約86%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約87%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約88%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約89%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約90%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約91%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約92%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約93%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約94%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約95%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約96%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約97%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約98%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約99%のアミノ酸配列同一性を有しているアミノ酸配列を含んでなる、単離されたPRO34128ポリペプチドに関する。
他の態様では、本発明は、膜貫通ドメインが欠失されたか膜貫通ドメインが不活性化された単離されたPRO34128ポリペプチドを提供する。これを生産する方法もまたここに記載され、ここで、これらの方法はPRO34128ポリペプチドの発現に適した条件下で適当なコード化核酸分子を含むベクターを含んでなる宿主細胞を培養し、細胞培養物からPRO34128ポリペプチドを回収することを含んでなる。
さらに他の実施態様では、本発明は、ここで形成される天然PRO34128ポリペプチドに対するアゴニスト及びアンタゴニストに関する。特定の実施態様では、アゴニスト又はアンタゴニストは抗PRO34128抗体又は小分子である。
またさらなる実施態様では、本発明は、PRO34128ポリペプチド、又はここに記載するPRO34128ポリペプチドに対するアゴニスト又はアンタゴニスト、又は抗PRO34128抗体を、担体と組み合わせて含有する物質の組成物に関する。場合によっては、担体は製薬的に許容される担体である。
本発明の他の実施態様は、PRO34128ポリペプチド、又は上記したようなそのアゴニスト又はアンタゴニスト、又は抗PRO34128抗体の、PRO34128ポリペプチド、そのアゴニスト又はアンタゴニスト又は抗PRO34128抗体に起因する状態の治療において有用な医薬の調製のための使用に関する。
他の実施態様では、本発明は、異種ポリペプチド又はアミノ酸配列に融合した、ここに記載したポリペプチドの任意のものを含んでなるキメラ分子を提供する。そのようなキメラ分子の例は、エピトープタグ配列又は免疫グロブリンのFc領域に融合したここに記載の任意のポリペプチドを含む。
他の実施態様では、本発明は、上記又は下記のポリペプチドの任意のものに、好ましくは特異的に、結合する抗体を提供する。場合によっては、抗体はモノクローナル抗体、ヒト化抗体、抗体断片又は単鎖抗体である。
さらに他の実施態様では、本発明は、ゲノム及びcDNAヌクレオチド配列の単離、関連する遺伝子発現の測定又は検出、又はアンチセンスプローブとして有用なオリゴヌクレオチドプローブを提供し、それらのプローブは上記又は下記のヌクレオチド配列の任意のものから誘導されうる。好ましくはプローブ長は上述したものである。
他の態様では、本発明は、膜貫通ドメインが欠失されているか膜貫通ドメインが不活性化されているPRO34128ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子を提供し、又はそのようなコード化ヌクレオチド配列に相補的であり、ここでそのような膜貫通ドメインは、図2の配列(配列番号:2)において、アミノ酸位置約352〜アミノ酸位置約372まで伸びていると仮に同定された。よって、ここで記載されたPRO34128ポリペプチドの可溶性細胞外ドメインが考慮される。
これに関し、本発明の他の態様は、(a)Xが、図2(配列番号:2)の347〜377の任意のアミノ酸である図2(配列番号:2)のアミノ酸1〜XをコードするDNA分子、又は(b)(a)のDNA分子の相補鎖に対して、少なくとも約80%の核酸配列同一性、又は少なくとも約81%の核酸配列同一性、又は少なくとも約82%の核酸配列同一性、又は少なくとも約83%の核酸配列同一性、又は少なくとも約84%の核酸配列同一性、又は少なくとも約85%の核酸配列同一性、又は少なくとも約86%の核酸配列同一性、又は少なくとも約87%の核酸配列同一性、又は少なくとも約88%の核酸配列同一性、又は少なくとも約89%の核酸配列同一性、又は少なくとも約90%の核酸配列同一性、又は少なくとも約91%の核酸配列同一性、又は少なくとも約92%の核酸配列同一性、又は少なくとも約93%の核酸配列同一性、又は少なくとも約94%の核酸配列同一性、又は少なくとも約95%の核酸配列同一性、又は少なくとも約96%の核酸配列同一性、又は少なくとも約97%の核酸配列同一性、又は少なくとも約98%の核酸配列同一性、そして、又は少なくとも約99%の核酸配列同一性を有しているヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子に関する。
このように、本発明の一態様は、Xが図2(配列番号:2)の347〜377の任意のアミノ酸である図2(配列番号:2)のアミノ酸1〜Xに対して、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約81%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約82%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約83%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約84%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約85%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約86%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約87%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約88%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約89%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約90%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約91%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約92%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約93%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約94%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約95%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約96%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約97%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約98%のアミノ酸配列同一性、そして、又は少なくとも約99%のアミノ酸配列同一性を有しているアミノ酸配列を含んでなる単離された可溶性PRO34128ポリペプチドに関する。好ましい態様では、単離された可溶性PRO34128ポリペプチドは、図2(配列番号:2)のアミノ酸1〜Xを含み、ここでXは図2(配列番号:2)の347〜377の任意のアミノ酸である。
さらに他の態様では、本発明は、図2(配列番号:2)の約1〜約394のアミノ酸残基の配列を含む単離されたPRO34128ポリペプチド、又は抗PRO34128抗体への結合部位を提供するのに十分な、又は生物学的に活性のあるその断片に関し、ここで抗PRO34128抗体への結合部位を提供するか又は生物学的活性を有するPRO34128ポリペプチド断片の同定は、当該技術でよく知られている技術を使用し、常套的な方法で達成されうる。好ましくは、PRO34128断片は天然PRO34128ポリペプチドの定性的な生物学的活性を保持している。
I.定義
ここで使用される際の「PRO34128ポリペプチド」、「PRO34128タンパク質」及び「PRO34128」なる用語には、天然配列PRO34128及びPRO34128ポリペプチド変異体(ここでさらに定義される)が含まれる。PRO34128ポリペプチドは、ヒト組織型又は他の供給源といった種々の供給源から単離されてもよく、あるいは組換え及び/又は合成法によって調製されてもよい。
「天然配列PRO34128」は、天然由来のPRO34128と同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含んでいる。このような天然配列PRO34128は、自然から単離することもできるし、組換え及び/又は合成手段により生産することもできる。「天然配列PRO34128」という用語には、特に、自然に生じる切断又は分泌形態(例えば、細胞外ドメイン配列)、自然に生じる変異形態(例えば、選択的にスプライシングされた形態)及びPRO34128の自然に生じる対立遺伝子変異体が含まれる。本発明の種々の実施態様において、天然配列PRO34128は、図2(配列番号:2)のアミノ酸1〜394を含む成熟又は完全長天然配列PRO34128である。しかし、図2(配列番号:2)に開示したPRO34128ポリペプチドは、アミノ酸位置1としてここに命名されるメチオニン残基で始まるように示されているが、図2(配列番号:2)におけるアミノ酸位置1の上流又は下流に位置する他のメチオニン残基をPRO34128ポリペプチドの開始アミノ酸残基として用いることも考えられるし可能でもある。
分率X/Yの100倍
ここで、Xは配列アラインメントプログラムALIGN−2のA及びBのプログラムアラインメントによって同一であると一致したスコアのアミノ酸残基の数であり、YはBの全アミノ酸残基数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと異なる場合、AのBに対する%アミノ酸配列同一性は、BのAに対する%アミノ酸配列同一性とは異なると認識されよう。%アミノ酸配列同一性の計算の例として、表2ないし5は、「比較タンパク質」と称されるアミノ酸配列の「PRO」と称されるアミノ酸配列に対する%アミノ酸配列同一性の計算方法を示し、ここで「PRO」は、関心ある仮想のPROポリペプチドのアミノ酸配列を表し、「比較タンパク質」は関心ある「PRO」ポリペプチドが比較されるポリペプチドのアミノ酸配列を表し、「X」、「Y」及び「Z」はそれぞれ異なった仮のアミノ酸残基を表す。
分率X/Yの100倍
ここで、Xは配列アラインメントプログラムNCBI−BLAST2のA及びBのプログラムアラインメントによって同一であると一致したスコアのアミノ酸残基の数であり、YはBの全アミノ酸残基数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと異なる場合、AのBに対する%アミノ酸配列同一性は、BのAに対する%アミノ酸配列同一性とは異なると評価されよう。
分率W/Zの100倍
ここで、Wは配列アラインメントプログラムALIGN−2のC及びDのプログラムアラインメントによって同一であると一致したスコアのヌクレオチドの数であり、ZはDの全ヌクレオチド数である。核酸配列Cの長さが核酸配列Dの長さと異なる場合、CのDに対する%核酸配列同一性は、DのCに対する%核酸配列同一性とは異なると評価されよう。%核酸配列同一性の計算の例として、図3C-Dは「比較DNA」と称される核酸配列の「PRO-DNA」と称される核酸配列に対する%核酸配列同一性の計算方法を示し、ここで「PRO-DNA」は、関心ある仮想のPRO-コード化核酸配列を表し、「比較DNA」は関心ある「PRO-DNA」核酸分子が比較されている核酸分子のヌクレオチド配列を表し、「N」、「L」及び「V」はそれぞれ異なった仮のヌクレオチドを表す。
特に断らない限りは、ここで使用される全ての%核酸配列同一性値は上記のようにALIGN−2配列比較コンピュータプログラムを用いて得られる。しかしながら、%核酸配列同一性は、配列比較プログラムNCBI−BLAST2(Altschul等, Nucleic Acids Res. 25: 3389-3402 (1997))を用いて決定してもよい。NCBI−BLAST2配列比較プログラムは、http://www.ncbi.nlm.nih.govからダウンロードしてもよく、別にNational Institute of Health, Bethesda, MDから得てもよい。NCBI-BLAST2は幾つかの検索パラメータを使用し、それら検索パラメータの全てはデフォルト値に設定され、例えば、アンマスク=はい、ストランド=全て、予測される発生数=10、最小低複合長=15/5、マルチパスe-値=0.01、マルチパスの定数=25、最終ギャップアラインメントのドロップオフ=25、及びスコアリングマトリクス=BLOSUM62を含む。
分率W/Zの100倍
ここで、Wは配列アラインメントプログラムNCBI−BLAST2のC及びDのプログラムアラインメントによって同一であると一致したスコアのヌクレオチドの数であり、ZはDの全ヌクレオチド数である。核酸配列Cの長さが核酸配列Dの長さと異なる場合、CのDに対する%核酸配列同一性は、DのCに対する%核酸配列同一性とは異なると評価されよう。
「単離された」PRO34128ポリペプチドコード化核酸又は他のポリペプチドコード化核酸は、同定され、PRO34128コード化核酸の天然源に通常付随している少なくとも一の汚染核酸分子から分離された核酸分子である。好ましくは、単離された核酸には、それに天然に付随するあらゆる成分が付随していない。単離されたPRO34128コード化核酸分子は、天然に見出される形態あるいは設定以外のものである。ゆえに、単離された核酸分子は、天然の細胞中に存在するPRO34128コード化核酸分子とは区別される。しかし、PRO34128ポリペプチドをコードする単離された核酸分子は、例えば、核酸分子が天然細胞のものとは異なった染色体位置にあるPRO34128を通常発現する細胞に含まれるPRO34128コード化核酸分子を含む。
核酸は、他の核酸配列と機能的な関係に置かれるときに「作用可能に関連している」。例えば、プレ配列あるいは分泌リーダーのDNAは、ポリペプチドの分泌に寄与するプレタンパク質として発現されているなら、ポリペプチドのDNAに作用可能に関連している;プロモーター又はエンハンサーは、配列の転写に影響を及ぼすならば、コード配列に作用可能に関連している;又はリボソーム結合部位は、もしそれが翻訳を容易にするような位置にあるなら、コード配列と作用可能に関連している。一般に、「作用可能に関連している」とは、関連したDNA配列が近接しており、分泌リーダーの場合には近接していて読みフェーズにあることを意味する。しかし、エンハンサーは必ずしも近接している必要はない。関連は簡便な制限部位でのライゲーションにより達成される。そのような部位が存在しない場合は、従来の手法に従って、合成オリゴヌクレオチドアダプターあるいはリンカーが使用される。
ここで定義される「ストリンジェントな条件」又は「高度にストリンジェントな条件」は、(1)洗浄のために低イオン強度及び高温度、例えば、50℃において0.015Mの塩化ナトリウム/0.0015Mのクエン酸ナトリウム/0.1%のドデシル硫酸ナトリウムを用いるもの;(2)ハイブリダイゼーション中にホルムアミド等の変性剤、例えば、42℃において50%(v/v)ホルムアミドと0.1%ウシ血清アルブミン/0.1%のフィコール/0.1%のポリビニルピロリドン/50mMのpH6.5のリン酸ナトリウムバッファー、及び750mMの塩化ナトリウム、75mMクエン酸ナトリウムを用いるもの;又は(3)42℃における50%ホルムアミド、5xSSC(0.75MのNaCl、0.075Mのクエン酸ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH6.8)、0.1%のピロリン酸ナトリウム、5xデンハート液、超音波処理サケ精子DNA(50μg/ml)、0.1%SDS、及び10%のデキストラン硫酸と、42℃における0.2xSSC(塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム)中の洗浄及び55℃での50%ホルムアミド、ついで55℃におけるEDTAを含む0.1xSSCからなる高度にストリンジェントな洗浄を用いるものによって同定され得る。
「中程度にストリンジェントな条件」は、Sambrook等, Molecular Cloning: A Laboratory Manual.New York: Cold Spring Harbor Press, 1989に記載されているように同定され、上記のストリンジェンシーのより低い洗浄溶液及びハイブリダイゼーション条件(例えば、温度、イオン強度及び%SDS)の使用を含む。中程度にストリンジェントな条件の例は、20%ホルムアミド、5xSSC(150mMのNaCl、15mMのクエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH7.6)、5xデンハート液、10%デキストラン硫酸、及び20mg/mlの変性剪断サケ精子DNAを含む溶液中の37℃での終夜インキュベーション、ついで1xSSC中37−50℃でのフィルターの洗浄といったものである。当業者であれば、プローブ長等の因子に適合させる必要に応じて、どのようにして温度、イオン強度等を調節するかは分かっていよう。
ここで用いられる「イムノアドヘシン」なる用語は、異種タンパク質(「アドヘシン」)の結合特異性と免疫グロブリン定常ドメインのエフェクター機能とを結合した抗体様分子を指す。構造的には、イムノアドヘシンは、所望の結合特異性を持ち、抗体の抗原認識及び結合部位以外である(即ち「異種の」)アミノ酸配列と、免疫グロブリン定常ドメイン配列との融合物を含む。イムノアドヘシン分子のアドへシン部分は、典型的には少なくともレセプター又はリガンドの結合部位を含む隣接アミノ酸配列である。イムノアドヘシンの免疫グロブリン定常ドメイン配列は、IgG-1、IgG-2、IgG-3又はIgG-4サブタイプ、IgA(IgA-1及びIgA-2を含む)、IgE、IgD又はIgM等の任意の免疫グロブリンから得ることができる。
「慢性」投与とは、急性様式とは異なり連続的な様式で薬剤を投与し、初期の治療効果(活性)を長時間に渡って維持することを意味する。「間欠」投与とは、中断無く連続的になされるのではなく、むしろ本質的に周期的になされる処置である。
治療の目的のための「哺乳動物」は、ヒト、家庭及び農業用動物、及び動物園、スポーツ、又はペット動物、例えばイヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウサギなどを含む哺乳動物に分類される任意の動物を称する。好ましくは、哺乳動物はヒトである。
一又は複数の治療薬と「組合せた」投与とは、同時(同時期)及び任意の順序での連続した投与を含む。
抗体のパパイン消化は、「Fab」断片と呼ばれる2つの同一の抗体結合断片を生成し、その各々は単一の抗原結合部位を持ち、残りは容易に結晶化する能力を反映して「Fc」断片と命名される。ペプシン処理はF(ab')2断片を生じ、それは2つの抗原結合部位を持ち、抗原を交差結合することができる。
「Fv」は、完全な抗原認識及び結合部位を含む最小の抗体断片である。この領域は、密接に非共有結合した1本の重鎖と1本の軽鎖の可変領域の二量体からなる。この配置において各可変ドメインの3つのCDRが相互作用してVH-VL二量体の表面に抗原結合部位を決定する。集合的には、6つのCDRsが抗体に対する抗原結合特異性を付与する。しかしながら、単一の可変ドメイン(又は抗原に特異的な3つのCDRのみを含んでなるFvの半分)でさえ、結合部位全体よりは低い親和性であるが、抗原を認識し結合する能力を持つ。
またFab断片は、軽鎖の定常ドメイン及び重鎖の第1の定常ドメイン(CH1)も含む。Fab断片は、抗体ヒンジ領域からの一又は複数のシステインを含む重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端に幾つかの残基が付加されていることによりFab'断片と相違する。ここで、Fab'-SHは、定常ドメインのシステイン残基が遊離のチオール基を持つFab’を表す。F(ab')2抗体断片は、通常はFab’断片の対として生成され、それらの間にヒンジシステインを有する。抗体断片の他の化学的結合も知られている。
重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンは異なるクラスに割り当てることができる。免疫グロブリンには5つの主たるクラス:IgA、IgD、IgE、IgG及びIgMがあり、それらのいくつかは更にサブクラス(アイソタイプ)、例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA及びIgA2に分割される。
「ダイアボディ(diabodies)」なる用語は、二つの抗原結合部位を持つ小型の抗体断片を指し、その断片は同じポリペプチド鎖(VH-VL)内で軽鎖可変ドメイン(VL)に結合した重鎖可変ドメイン(VH)を含む。同じ鎖の二つのドメイン間に対形成するには短すぎるリンカーを用いることにより、ドメインは強制的に他の鎖の相補的ドメインと対形成して二つの抗原結合部位を生成する。ダイアボディは、例えば、欧州特許第404097号;国際公開第93/11161号; 及びHollinger等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90: 6444-6448 (1993)により十分に記載されている。
「標識」なる語は、ここで用いられる場合、抗体に直接又は間接的に結合して「標識」抗体を生成する検出可能な化合物又は組成物を意味する。標識は、それ自身検出可能でもよく(例えば、放射性標識又は蛍光標識)、又は酵素標識の場合、検出可能な基質化合物又は組成物の化学変換を触媒してもよい。
「固相」とは、本発明の抗体がそれに付着することのできる非水性マトリクスを意味する。ここに含まれる固相の例は、部分的又は全体的に、ガラス(例えば、孔制御ガラス)、多糖類(例えばアガロース)、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール及びシリコーンから形成されたものを含む。或る種の実施態様では、内容に応じて、固相はアッセイプレートのウェルを構成することができ;その他では精製カラム(例えばアフィニティクロマトグラフィーカラム)とすることもできる。また、この用語は、米国特許第4275149号に記載されたような、別個の粒子の不連続な固相も包含する。
「リポソーム」は、種々の型の脂質、リン脂質及び/又は界面活性剤からなる小型の小胞であり、哺乳動物への薬物(PRO34128ポリペプチド又はその抗体など)の輸送に有用である。リポソームの成分は、通常は、生体膜の脂質配列に類似する二層形式に配列される。
「小分子」とは、ここで、約500ダルトン未満の分子量を持つと定義される。
ここで開示されたポリペプチド、又はそのアゴニスト又はアンタゴニストの「有効量」とは、特に述べられた目的を実施するのに十分な量である。「有効量」は、述べられた目的に関連して、常套的な形で、経験的に決定することができる。
PRO XXXXXXXXXXXXXXX (長さ=15アミノ酸)
比較タンパク質 XXXXXYYYYYYY (長さ=12アミノ酸)
%アミノ酸配列同一性 =
(ALIGN-2によって決定された2つのポリペプチド配列の間で同一であったアミノ酸残基の数) ÷ (PROポリペプチドの全アミノ酸残基数)
= 5÷15 = 33.3%
表3
PRO XXXXXXXXXX (長さ=10アミノ酸)
比較タンパク質 XXXXXYYYYYYZZYZ (長さ=15アミノ酸)
%アミノ酸配列同一性 =
(ALIGN-2によって決定された2つのポリペプチド配列の間で同一であったアミノ酸残基の数) ÷ (PROポリペプチドの全アミノ酸残基数)
= 5÷10=50%
表4
PRO−DNA NNNNNNNNNNNNNN (長さ=14ヌクレオチド)
比較DNA NNNNNNLLLLLLLLLL (長さ=16ヌクレオチド)
%核酸配列同一性 =
(ALIGN-2によって決定された2つの核酸配列の間で同一であったヌクレオチドの数) ÷ (PRO−DNA核酸配列のヌクレオチドの数)
= 6÷14=42.9%
表5
PRO−DNA NNNNNNNNNNNN (長さ=12ヌクレオチド)
比較DNA NNNNLLLVV (長さ=9ヌクレオチド)
%核酸配列同一性 =
(ALIGN-2によって決定された2つの核酸配列の間で同一であったヌクレオチドの数) ÷ (PRO−DNA核酸配列のヌクレオチドの数)
= 4÷12=33.3%
A.完全長PRO34128ポリペプチド
本発明は、本出願でPRO34128と称されるポリペプチドをコードする新規に同定され単離されたヌクレオチド配列を提供する。特に下記の実施例でさらに詳細に開示されるように、PRO34128ポリペプチドをコードするcDNAが同定され単離された。別々の発現ラウンドで生成されたタンパク質には異なるPRO番号が与えられるが、UNQ番号は任意の与えられたDNA及びコード化タンパク質に独特であり、変わることはないことを記しておく。しかしながら、単純化のために、本明細書において、DNA194917-3044にコードされるタンパク質並びに上記のPRO34128の定義に含まれるさらなる天然相同体及び変異体は、それらの起源又は調製形式に関わらず、「PRO34128」と称する。
下記の実施例に開示するように、DNA194917-3044としてここに示されるcDNAクローンはATCCに寄託している。これらのクローンの実際のヌクレオチド配列は、この分野で日常的な方法を用いて寄託されたクローンを配列決定することにより、当業者によって容易に決定することができる。予測されるアミノ酸配列は、ヌクレオチド配列から常套的技量を用いて決定できる。ここに記載したPRO34128ポリペプチド及びコード化核酸について、本出願人は、現時点で入手可能な配列情報と最も良く一致するリーディングフレームであると考えられるものを同定した。
上で参照したALIGN-2配列アラインメントコンピュータプログラムを使用して、(図2及び配列番号:2に示された)完全長天然配列PRO34128は、AF045162_1と所定のアミノ酸配列同一性を有していることが見いだされた。従って、本出願に開示されたPRO34128ポリペプチドはGDNFRタンパク質ファミリーの新規に同定されたメンバーであり、そのタンパク質ファミリーに典型的な一又は複数の生物学的及び/又は免疫学的活性又は性質を保有しうる。
ここに記載した完全長天然配列PRO34128ポリペプチドに加えて、PRO34128変異体も調製できると考えられる。PRO34128変異体は、PRO34128DNAに適当なヌクレオチド変化を導入することにより、及び/又は所望のPRO34128ポリペプチドを合成することにより調製できる。当業者は、グリコシル化部位の数又は位置の変化あるいは膜固着特性の変化などのアミノ酸変化がPRO34128の翻訳後プロセスを変えうると認識するであろう。
天然完全長配列PRO34128又はここに記載したPRO34128の種々のドメインにおける変異は、例えば、米国特許第5364934号に記載されている保存的及び非保存的変異についての技術及び指針の任意のものを用いてなすことができる。変異は、結果として天然配列PRO34128と比較してPRO34128のアミノ酸配列が変化するPRO34128をコードする一又は複数のコドンの置換、欠失又は挿入であってよい。場合によっては、変異は少なくとも一のアミノ酸のPRO34128の一又は複数のドメインの任意の他のアミノ酸による置換である。アミノ酸残基が所望の活性に悪影響を与えることなく挿入、置換又は欠失されるかの指針は、PRO34128の配列を相同性の知られたタンパク質分子の配列と比較し、相同性の高い領域内でなされるアミノ酸配列変化の数を最小にすることによって見出される。アミノ酸置換は、一のアミノ酸の類似した構造及び/又は化学特性を持つ他のアミノ酸との置換、例えばロイシンのセリンでの置換、即ち保存的アミノ酸置換の結果とすることができる。挿入又は欠失は、場合によっては約1から5のアミノ酸の範囲内とすることができる。許容される変異は、配列においてアミノ酸の挿入、欠失又は置換を系統的に作成し、得られた変異体を完全長又は成熟天然配列によって提示された活性について試験することにより決定される。
PRO34128断片は、多くの従来技術の任意のものによって調製することができる。所望のペプチド断片は化学的に合成しうる。代替的方法は、酵素的消化、例えば特定のアミノ酸残基によって決定される部位のタンパク質を切断することが知られた酵素でタンパク質を処理することにより、あるいは適当な制限酵素でDNAを消化して所望の断片を単離することによるPRO34128断片の生成を含む。さらに他の好適な技術は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により、所望のポリペプチド断片をコードするDNA断片を単離し増幅することを含む。DNA断片の所望の末端を決定するオリゴヌクレオチドは、PCRの5’及び3’プライマーで用いられる。好ましくは、PRO34128ポリペプチド断片は、図2(配列番号:2)に示す天然PRO34128ポリペプチドと少なくとも一の生物学的及び/又は免疫学的活性を共有する。
表6
元の残基 例示的置換 好ましい置換
Ala(A) val; Leu; ile val
Arg(R) lys; gln; asn lys
Asn(N) gln; his; lys; arg gln
Asp(D) glu glu
Cys(C) ser ser
Gln(Q) asn asn
Glu(E) asp asp
Gly(G) pro; ala ala
His(H) asn; gln; lys; arg arg
Ile(I) leu; val; met; ala; phe;
ノルロイシン leu
Leu(L) ノルロイシン; ile; val;
met; ala; phe ile
Lys(K) arg; gln; asn arg
Met(M) leu; phe; ile leu
Phe(F) leu; val; ile; ala; tyr leu
Pro(P) ala ala
Ser(S) thr thr
Thr(T) ser ser
Trp(W) tyr; phe tyr
Tyr(Y) trp; phe; thr; ser phe
Val(V) ile; leu; met; phe;
ala; ノルロイシン leu
(1)疎水性:ノルロイシン, met, ala, val, leu, ile;
(2)中性の親水性:cys, ser, thr;
(3)酸性:asp, glu;
(4)塩基性:asn, gln, his, lys, arg;
(5)鎖配向に影響する残基:gly, pro; 及び
(6)芳香族:trp, tyr, phe。
変異は、オリゴヌクレオチド媒介(部位特異的)突然変異誘発、アラニンスキャンニング、及びPCR突然変異誘発等のこの分野で知られた方法を用いてなすことができる。部位特異的突然変異誘発[Carter等, Nucl. Acids Res., 13: 4331 (1986); Zoller等, Nucl. Acids Res., 10: 6487 (1987)]、カセット突然変異誘発[Wells等, Gene, 34: 315 (1985)]、制限的選択突然変異誘発[Wells等, Philos. Trans. R. Soc. London SerA, 317: 415 (1986)]、又は他の知られた技術をクローニングしたDNAに実施してPRO34128変異体DNAを作成することもできる。
また、隣接配列に沿って一又は複数のアミノ酸を同定するのにスキャンニングアミノ酸分析を用いることができる。好ましいスキャンニングアミノ酸は比較的小さく、中性のアミノ酸である。そのようなアミノ酸は、アラニン、グリシン、セリン、及びシステインを含む。アラニンは、ベータ炭素を越える側鎖を排除し変異体の主鎖構造を変化させにくいので、この群の中で典型的に好ましいスキャンニングアミノ酸である[Cunningham及びWells, Science, 244: 1081-1085 (1989)]。また、アラニンは最もありふれたアミノ酸であるため典型的には好ましい。さらに、それは埋もれた位置及び露出した位置の両方に頻繁に見られることが多い[Creighton, The Proteins, (W.H. Freeman & Co., N.Y.); Chothia, J. Mol. Biol., 150: 1 (1976)]。アラニン置換が十分な量の変異体を生じない場合は、アイソテリック(isoteric)なアミノ酸を用いることができる。
PRO34128の共有結合的修飾は本発明の範囲内に含まれる。共有結合的修飾の一つのタイプは、PRO34128ポリペプチドの標的とするアミノ酸残基を、PRO34128の選択された側鎖又はN末端又はC末端残基と反応できる有機誘導体化試薬と反応させることを含む。二官能性試薬での誘導体化が、例えばPRO34128を水不溶性支持体マトリクスあるいは抗PRO34128抗体の精製方法、及びその逆で用いるための表面に架橋させるのに有用である。通常用いられる架橋剤は、例えば、1,1-ビス(ジアゾアセチル)-2-フェニルエタン、グルタルアルデヒド、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、例えば4-アジドサリチル酸とのエステル、3,3’-ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)等のジスクシンイミジルエステルを含むホモ二官能性イミドエステル、ビス-N-マレイミド-1,8-オクタン等の二官能性マレイミド、及びメチル-3-[(p-アジドフェニル)ジチオ]プロピオイミダート等の試薬を含む。
他の修飾は、グルタミニル及びアスパラギニル残基の各々対応するグルタミル及びアスパルチル残基への脱アミノ化、プロリン及びリシンのヒドロキシル化、セリル又はトレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リシン、アルギニン、及びヒスチジン側鎖のα-アミノ基のメチル化[T.E. Creighton, Proteins: Structure and Molecular Properties, W.H. Freeman & Co., San Francisco, pp.79-86 (1983)]、N末端アミンのアセチル化、及び任意のC末端カルボキシル基のアミド化を含む。
PRO34128ポリペプチドへのグリコシル化部位の付加はアミノ酸配列の変更を伴ってもよい。この変更は、例えば、一又は複数のセリン又はトレオニン残基の天然配列PRO34128(O-結合グリコシル化部位)への付加、又は置換によってなされてもよい。PRO34128アミノ酸配列は、場合によっては、DNAレベルでの変化、特に、PRO34128ポリペプチドをコードするDNAを予め選択された塩基において変異させ、所望のアミノ酸に翻訳されるコドンを生成させることを通して変更されてもよい。
PRO34128ポリペプチド上に存在する炭水化物部分の除去は、化学的又は酵素的に、あるいはグリコシル化の標的として提示されたアミノ酸残基をコードするコドンの変異的置換によってなすことができる。化学的脱グリコシル化技術は、この分野で知られており、例えば、Hakimuddin等, Arch. Biochem. Biophys., 259:52 (1987)により、及びEdge等, Anal. Biochem., 118: 131 (1981)により記載されている。ポリペプチド上の炭水化物部分の酵素的切断は、Thotakura等, Meth. Enzymol. 138:350 (1987)に記載されているように、種々のエンド-及びエキソ-グリコシダーゼを用いることにより達成することができる。
また、本発明のPRO34128は、他の異種ポリペプチド又はアミノ酸配列に融合したPRO34128を含むキメラ分子を形成する方法で修飾されてもよい。
一実施態様では、このようなキメラ分子は、抗タグ抗体が選択的に結合できるエピトープを提供するタグポリペプチドとPRO34128との融合を含む。エピトープタグは、一般的にはPRO34128のアミノ又はカルボキシル末端に位置する。このようなPRO34128のエピトープタグ形態の存在は、タグポリペプチドに対する抗体を用いて検出することができる。また、エピトープタグの提供は、抗タグ抗体又はエピトープタグに結合する他の型の親和性マトリクスを用いたアフィニティ精製によってPRO34128を容易に精製できるようにする。種々のタグポリペプチド及びそれら各々の抗体はこの分野で良く知られている。例としては、ポリ-ヒスチジン(poly-his)又はポリ-ヒスチジン-グリシン(poly-his-gly)タグ;flu HAタグポリペプチド及びその抗体12CA5[Field等, Mol. Cell. Biol., 8:2159-2165 (1988)];c-mycタグ及びそれに対する8F9、3C7、6E10、G4、B7及び9E10抗体[Evan等, Molecular and Cellular Biology, 5:3610-3616 (1985)];及び単純ヘルペスウイルス糖タンパク質D(gD)タグ及びその抗体[Paborsky等, Protein Engineering, 3(6):547-553 (1990)]を含む。他のタグポリペプチドは、フラッグペプチド[Hopp等, BioTechnology, 6:1204-1210 (1988)];KT3エピトープペプチド[Martin等, Science, 255:192-194 (1992)];α-チューブリンエピトープペプチド[Skinner等, J. Biol. Chem., 266:15163-15166 (1991)];及びT7遺伝子10タンパク質ペプチドタグ[Lutz-Freyermuth等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87:6393-6397 (1990)]を含む。
以下の記述は、主として、PRO34128核酸を含むベクターで形質転換又は形質移入された細胞を培養することによりPRO34128を生産することに関する。もちろん、当該分野においてよく知られている他の方法を用いてPRO34128を調製することができると考えられる。例えば、PRO34128配列、又はその一部は、固相技術を用いた直接ペプチド合成によって生産してもよい[例えば、Stewart等, Solid-Phase Peptide Synthesis, W.H. Freeman Co., San Francisco, CA (1969);Merrifield, J. Am. Chem. Soc., 85:2149-2154 (1963)参照]。手動技術又は自動によるインビトロタンパク質合成を行ってもよい。自動合成は、例えば、アプライド・バイオシステムズ・ペプチド合成機(Foster City, CA)を用いて、製造者の指示により実施してもよい。PRO34128の種々の部分は別々に化学的に合成され、化学的又は酵素的方法を用いて結合させて完全長PRO34128を生産してもよい。
PRO34128をコードするDNAは、PRO34128mRNAを保有していてそれを検出可能なレベルで発現すると考えられる組織から調製されたcDNAライブラリーから得ることができる。従って、ヒトPRO34128DNAは、実施例に記載されるように、ヒトの組織から調製されたcDNAライブラリーから簡便に得ることができる。またPRO34128コード化遺伝子は、ゲノムライブラリー、又は他の既知の合成方法(例えば、自動化核酸合成)により得ることもできる。
ライブラリーは、関心ある遺伝子あるいはそれによりコードされるタンパク質を同定するために設計されたプローブ(例えば、PRO34128に対する抗体又は少なくとも約20-80塩基のオリゴヌクレオチド)によってスクリーニングできる。選択されたプローブによるcDNA又はゲノムライブラリーのスクリーニングは、例えばSambrook等, Molecular Cloning: A Laboratory Manual(New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)に記載されている標準的な手順を使用して実施することができる。PRO34128をコードする遺伝子を単離する他の手段はPCR法を使用するものである[Sambrook等,上掲;Dieffenbach等, PCR Primer:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1995)]。
下記の実施例には、cDNAライブラリーのスクリーニング技術を記載している。プローブとして選択されたオリゴヌクレオチド配列は、充分な長さで、疑陽性が最小化されるよう充分に明瞭でなければならない。オリゴヌクレオチドは、スクリーニングされるライブラリー内のDNAとのハイブリダイゼーション時に検出可能であるように標識されていることが好ましい。標識化の方法は当該分野において良く知られており、32P標識されたATPのような放射線標識、ビオチニル化あるいは酵素標識の使用が含まれる。中程度の緊縮性及び高度の緊縮性を含むハイブリダイゼーション条件は、上掲のSambrook等に与えられている。
タンパク質コード化配列を有する核酸は、初めてここで開示された推定アミノ酸配列を使用し、必要ならば、cDNAに逆転写されなかったmRNAの生成中間体及び先駆物質を検出する上掲のSambrook等に記述されているような従来のプライマー伸展法を使用し、選択されたcDNA又はゲノムライブラリーをスクリーニングすることにより得られる。
宿主細胞を、ここに記載したPRO34128生産のための発現又はクローニングベクターで形質移入又は形質転換し、プロモーターを誘導し、形質転換体を選択し、又は所望の配列をコードする遺伝子を増幅するために適当に変性された従来の栄養培地で培養する。培養条件、例えば培地、温度、pH等々は、過度の実験をすることなく当業者が選ぶことができる。一般に、細胞培養の生産性を最大にするための原理、プロトコール、及び実用技術は、Mammalian Cell Biotechnology: a Practical Approach, M.Butler編 (IRL Press, 1991)及び上掲のSambrook等に見出すことができる。
真核生物細胞形質移入及び原核生物細胞形質転換の方法、例えば、CaCl2、CaPO4、リポソーム媒介及びエレクトロポレーションは、通常、当業者に知られている。用いられる宿主細胞に応じて、その細胞に対して適した標準的な方法を用いて形質転換はなされる。上掲のSambrook等に記載された塩化カルシウムを用いるカルシウム処理又はエレクトロポレーションが、一般的に原核生物に対して用いられる。アグロバクテリウム・トゥメファシエンスによる感染が、Shaw等, Gene, 23:315 (1983)及び1989年6月29日公開の国際公開第89/05859号に記載されているように、或る種の植物細胞の形質転換に用いられる。このような細胞壁のない哺乳動物の細胞に対しては、Graham及びvan der Eb, Virology, 52:456-457 (1978)のリン酸カルシウム沈降法を使用することができる。哺乳動物細胞の宿主系形質転換の一般的な態様は米国特許第4399216号に記載されている。酵母菌中への形質転換は、典型的には、Van Solingen等, J. Bact., 130:946 (1977)及びHsiao等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 76:3829 (1979)の方法に従って実施される。しかしながら、DNAを細胞中に導入する他の方法、例えば、核マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、無傷の細胞、又はポリカチオン、例えばポリブレン、ポリオルニチン等を用いる細菌プロトプラスト融合もまた用いられる。哺乳動物細胞を形質転換するための種々の技術については、Keown等, Methods in Enzymology, 185:527-537 (1990)及び Mansour等, Nature, 336:348-352 (1988)を参照のこと。
PRO34128をコードする核酸(例えば、cDNA又はゲノムDNA)は、クローニング(DNAの増幅)又は発現のために複製可能なベクター内に挿入され得る。様々なベクターが公的に入手可能である。ベクターは、例えば、プラスミド、コスミド、ウイルス粒子又はファージの形態であってよい。適切な核酸配列が、種々の手法によってベクターに挿入される。一般に、DNAはこの分野で周知の技術を用いて適当な制限エンドヌクレアーゼ部位に挿入される。ベクター成分としては、一般に、これらに制限されるものではないが、一又は複数のシグナル配列、複製開始点、一又は複数のマーカー遺伝子、エンハンサーエレメント、プロモーター、及び転写終結配列を含む。これらの成分の一又は複数を含む適当なベクターの作成には、当業者に知られた標準的なライゲーション技術が用いられる。
PRO34128は直接的に組換え手法によって生産されるだけではなく、シグナル配列あるいは成熟タンパク質あるいはポリペプチドのN末端に特異的切断部位を有する他のポリペプチドであってよい異種性ポリペプチドとの融合ペプチドとしても生産される。一般に、シグナル配列はベクターの成分であるか、ベクターに挿入されるPRO34128コード化DNAの一部である。シグナル配列は、例えばアルカリホスファターゼ、ペニシリナーゼ、lppあるいは熱安定性エンテロトキシンIIリーダーの群から選択される原核生物シグナル配列であってよい。酵母菌の分泌に関しては、シグナル配列は、例えば酵母インベルターゼリーダー、アルファ因子リーダー(酵母菌属(Saccharomyces)及びクルイベロマイシス(Kluyveromyces)α因子リーダーを含み、後者は米国特許第5010182号に記載されている)、又は酸ホスフォターゼリーダー、白体(C.albicans)グルコアミラーゼリーダー(1990年4月4日公開の欧州特許第362179号)、又は1990年11月15日に公開された国際公開第90/13646号に記載されているシグナルであり得る。哺乳動物細胞の発現においては、哺乳動物シグナル配列は、同一あるいは関連ある種の分泌ポリペプチド由来のシグナル配列並びにウイルス分泌リーダーのようなタンパク質の直接分泌に使用してもよい。
発現及びクローニングベクターは、典型的には、選択可能マーカーとも称される選択遺伝子を含む。典型的な選択遺伝子は、(a)アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキセートあるいはテトラサイクリンのような抗生物質あるいは他の毒素に耐性を与え、(b)栄養要求性欠陥を補い、又は(c)例えばバシリに対する遺伝子コードD-アラニンラセマーゼのような、複合培地から得られない重要な栄養素を供給するタンパク質をコードする。
哺乳動物細胞に適切な選択可能なマーカーの例は、DHFRあるいはチミジンキナーゼのように、PRO34128コード化核酸を取り込むことのできる細胞成分を同定することのできるものである。野生型DHFRを用いた場合の好適な宿主細胞は、Urlaub 等により, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77:4216 (1980)に記載されているようにして調製され増殖されたDHFR活性に欠陥のあるCHO株化細胞である。酵母菌中での使用に好適な選択遺伝子は酵母プラスミドYRp7に存在するtrp1遺伝子である[Stinchcomb等, Nature, 282:39(1979);Kingsman等, Gene, 7:141(1979);Tschemper等, Gene, 10:157(1980)]。trp1遺伝子は、例えば、ATCC番号44076あるいはPEP4-1のようなトリプトファン内で成長する能力を欠く酵母菌の突然変異株に対する選択マーカーを提供する[Jones, Genetics, 85:12 (1977)]。
酵母宿主と共に用いて好適なプロモーター配列の例には、3-ホスホグリセラートキナーゼ[Hitzeman 等, J. Biol. Chem., 255:2073 (1980)]又は他の糖分解酵素[Hess 等, J. Adv. Enzyme Reg., 7:149 (1968);Holland, Biochemistry, 17:4900(1987)]、例えばエノラーゼ、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース-6-リン酸イソメラーゼ、3-ホスホグリセレートムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオセリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、及びグルコキナーゼが含まれる。
他の酵母プロモーターとしては、成長条件によって転写が制御される付加的効果を有する誘発的プロモーターであり、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソチトクロムC、酸ホスファターゼ、窒素代謝と関連する分解性酵素、メタロチオネイン、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、及びマルトース及びガラクトースを利用する酵素のプロモーター領域がある。酵母菌での発現に用いられる適切なベクターとプロモータは欧州特許第73657号に更に記載されている。
より高等な真核生物によるPRO34128をコードするDNAの転写は、ベクター中にエンハンサー配列を挿入することによって増強され得る。エンハンサーは、通常は約10から300塩基対で、プロモーターに作用してその転写を増強するDNAのシス作動要素である。哺乳動物遺伝子由来の多くのエンハンサー配列が現在知られている(グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α-フェトプロテイン及びインスリン)。しかしながら、典型的には、真核細胞ウィルス由来のエンハンサーが用いられるであろう。例としては、複製開始点の後期側のSV40エンハンサー(100−270塩基対)、サイトメガロウィルス初期プロモーターエンハンサー、複製開始点の後期側のポリオーマエンハンサー及びアデノウィルスエンハンサーが含まれる。エンハンサーは、PRO34128コード化配列の5'又は3'位でベクター中にスプライシングされ得るが、好ましくはプロモーターから5'位に位置している。
組換え脊椎動物細胞培養でのPRO34128の合成に適応化するのに適切な他の方法、ベクター及び宿主細胞は、Gething等, Nature, 293:620-625 (1981); Mantei等, Nature, 281:40-46 (1979); 欧州特許第117060号;及び欧州特許第117058号に記載されている。
遺伝子増幅及び/又は発現は、ここで提供された配列に基づき、適切に標識されたプローブを用い、例えば、一般的なサザンブロッティング法、mRNAの転写を定量化するノーザンブロット法[Thomas, Proc. Natl. Acad. Sci. USA,77:5201-5205 (1980)]、ドットブロット法(DNA分析)、又はインサイツハイブリダイゼーション法によって、直接的に試料中で測定することができる。あるいは、DNA二本鎖、RNA二本鎖及びDNA-RNAハイブリッド二本鎖又はDNA-タンパク二本鎖を含む、特異的二本鎖を認識することができる抗体を用いてもよい。ついで、抗体を標識し、アッセイを実施してよく、ここで二本鎖は表面に結合しており、その結果二本鎖の表面での形成の時点でその二本鎖に結合した抗体の存在を検出することができる。
あるいは、遺伝子の発現は、遺伝子産物の発現を直接的に定量する免疫学的な方法、例えば細胞又は組織切片の免疫組織化学的染色及び細胞培養又は体液のアッセイによって測定することもできる。試料液の免疫組織化学的染色及び/又はアッセイに有用な抗体は、モノクローナルでもポリクローナルでもよく、任意の哺乳動物で調製することができる。簡便には、抗体は、天然配列PRO34128ポリペプチドに対して、又はここで提供されるDNA配列をベースとした合成ペプチドに対して、又は特異的抗体エピトープをコードし、PRO34128DNAに融合した外因性配列に対して調製され得る。
PRO34128の形態は、培養培地又は宿主細胞の溶菌液から回収することができる。膜結合性であるならば、適切な洗浄液(例えばトリトン-X100)又は酵素的切断を用いて膜から引き離すことができる。PRO34128の発現に用いられる細胞は、凍結融解サイクル、超音波処理、機械的破壊、又は細胞溶解剤などの種々の化学的又は物理的手段によって破壊することができる。
PRO34128を、組換え細胞タンパク質又はポリペプチドから精製することが望ましい。次の手順が適切な精製手順の例である:すなわち、イオン交換カラムでの分画;エタノール沈殿;逆相HPLC;シリカ又はカチオン交換樹脂、例えばDEAEによるクロマトグラフィー;クロマトフォーカシング;SDS-PAGE;硫酸アンモニウム沈殿;例えばセファデックスG-75を用いるゲル濾過;IgGのような汚染物を除くプロテインAセファロースカラム;及びPRO34128のエピトープタグ形態を結合させる金属キレート化カラムである。この分野で知られ、例えば、Deutscher, Methodes in Enzymology, 182 (1990);Scopes, Protein Purification: Principles and Practice, Springer-Verlag, New York (1982)に記載された種々のタンパク質精製方法を用いることができる。選ばれる精製過程は、例えば、用いられる生産方法及び特に生産されるPRO34128の性質に依存する。
PRO34128をコードするヌクレオチド配列(及び/又はそれらの相補鎖)は、ハイブリダイゼーションプローブとしての使用を含む分子生物学の分野において、染色体及び遺伝子マッピングにおいて、及びアンチセンスRNA及びDNAの生成において種々の用途を有している。また、PRO34128核酸も、ここに記載される組換え技術によるPRO34128ポリペプチドの調製に有用であろう。
完全長天然配列PRO34128遺伝子(配列番号:1)又はその一部は、完全長PRO34128cDNAの単離、又は図1に開示されたPRO34128配列(配列番号:1)に対して所望の配列同一性を持つ更に他のcDNA(例えば、PRO34128の天然に生じる変異体又は他の種からのPRO34128をコードするもの)の単離のためのcDNAライブラリー用のハイブリダイゼーションプローブとして使用することができる。場合によっては、プローブの長さは約20〜約50塩基である。ハイブリダイゼーションプローブは、少なくとも部分的に、配列番号:1のヌクレオチド配列の新規な領域から誘導してもよく、それらの領域は、過度の実験をすることなく、天然配列PRO34128のプロモーター、エンハンサー成分及びイントロンを含むゲノム配列から決定され得る。例えば、スクリーニング法は、PRO34128遺伝子のコード化領域を周知のDNA配列を用いて単離して約40塩基の選択されたプローブを合成することを含む。ハイブリダイゼーションプローブは、32P又は35S等の放射性ヌクレオチド、又はアビディン/ビオチン結合系を介してプローブに結合したアルカリホスファターゼ等の酵素標識を含む種々の標識で標識されうる。本発明のPRO34128遺伝子に相補的な配列を有する標識されたプローブは、ヒトcDNA、ゲノムDNA又はmRNAのライブラリーをスクリーニングし、そのライブラリーの何れのメンバーがプローブにハイブッド形成するかを決定するのに使用できる。ハイブリダイゼーション技術は、以下の実施例において更に詳細に記載する。
PRO34128核酸の他の有用な断片は、標的PRO34128mRNA(センス)又はPRO34128DNA(アンチセンス)配列に結合できる一本鎖核酸配列(RNA又はDNAのいずれか)を含むアンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドを含む、アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドは、本発明によると、PRO34128 DNAのコード化領域の断片を含む。このような断片は、一般的には少なくとも約14ヌクレオチド、好ましくは約14から30ヌクレオチドを含む。与えられたタンパク質をコードするcDNA配列に基づく、アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドを誘導する能力は、例えば、Stein及びCohen(Cancer Res. 48: 2659: 1988)及び van der Krol等(BioTechniques 6: 958, 1988)に記載されている。
アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドの標的核酸配列への結合は二重鎖の形成をもたらし、それは、二重鎖の分解の促進、転写又は翻訳の期外停止を含む幾つかの方法の一つ、又は他の方法により、標的配列の転写又は翻訳を阻止する。よって、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、PRO34128タンパク質の発現を阻止するのに用いられる。アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドは、修飾糖-ホスホジエステル骨格(又は他の糖結合、国際公開第91/06629号に記載のもの等)を有するオリゴヌクレオチドをさらに含み、そのような糖結合は内因性ヌクレアーゼ耐性である。そのような耐性糖結合を持つオリゴヌクレオチドは、インビボで安定であるが(即ち、酵素分解に耐えうるが)、標的ヌクレオチド配列に結合できる配列特異性は保持している。
アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、CaPO4-媒介DNA形質移入、エレクトロポレーションを含む任意の遺伝子転換方法により、又はエプスタイン-バーウイルスなどの遺伝子転換ベクターを用いることにより、標的核酸配列を含む細胞に導入され得る。好ましい方法では、アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドは、適切なレトロウイルスベクターに挿入される。標的核酸配列を含む細胞は、インビボ又はエキソビボで組換えレトロウイルスベクターに接触させる。好適なレトロウイルスベクターは、これらに限られないが、マウスレトロウイルスM-MuLVから誘導されるもの、N2(M-MuLVから誘導されたレトロウイルス)、又はDCT5A、DCT5B及びDCT5Cと命名されたダブルコピーベクター(国際公開第90/13641号を参照)を含む。
また、センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドは、国際公開第91/04753号に記載されているように、リガンド結合分子との複合体の形成により標的ヌクレオチド配列を含む細胞に導入してもよい。適切なリガンド結合分子は、これらに限られないが、細胞表面レセプター、成長因子、他のサイトカイン、又は細胞表面レセプターに結合する他のリガンドを含む。好ましくは、リガンド結合分子の複合体形成は、リガンド結合分子がその対応する分子又はレセプターに結合する、あるいはセンス又はアンチセンスオリゴヌクレオチド又はその複合体の細胞への侵入を阻止する能力を実質的に阻害しない。
あるいは、センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドは、国際公開第90/10448号に記載されたように、オリゴヌクレオチド-脂質複合体の形成により標的核酸配列を含む細胞に導入してもよい。センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチド-脂質複合体は、好ましくは内因性リパーゼにより細胞内で分解される。
また、プローブは、PCR技術に用いて、密接に関連したPRO34128コード配列の同定のための配列のプールを作成することができる。
また、PRO34128をコードするヌクレオチド配列は、そのPRO34128をコードする遺伝子のマッピングのため、及び遺伝子疾患を持つ個体の遺伝子分析のためのハイブリダイゼーションプローブの作成にも用いることができる。ここに提供されるヌクレオチド配列は、インサイツハイブリダイゼーション、既知の染色体マーカーに対する結合分析、及びライブラリーでのハイブリダイゼーションスクリーニング等の周知の技術を用いて、染色体及び染色体の特定領域にマッピングすることができる。
PRO34128のコード配列が他のタンパク質に結合するタンパク質をコードする場合(例えば、PRO34128がレセプターである場合)、PRO34128は、結合性相互作用に関与する他のタンパク質又は分子を同定するアッセイに用いることができる。このような方法により、レセプター/リガンド結合性相互作用のインヒビターを同定することができる。このような結合性相互作用に含まれるタンパク質も、ペプチド又は小分子阻害剤又は結合性相互作用のアゴニストのスクリーニングに用いることができる。また、レセプターPRO34128は関連するリガンドの単離にも使用できる。スクリーニングアッセイは、天然PRO34128又はPRO34128のレセプターの生物学的活性に似たリード化合物の発見のために設計することができる。このようなスクリーニングアッセイは、化学的ライブラリーの高スループットスクリーニングに適したアッセイを含み、小分子候補薬剤の同定に特に適したものである。考慮される小分子は、合成有機又は無機化合物を含む。アッセイは、この分野で良く特徴付けられているタンパク質-タンパク質結合アッセイ、生化学的スクリーニングアッセイ、免疫検定及び細胞ベースのアッセイを含む種々の型式で実施可能である。
生存可能な細胞に核酸を導入するための種々の技術が存在する。これらの技術は、核酸が培養細胞にインビトロで、あるいは意図する宿主の細胞においてインビボで移入されるかに応じて変わる。核酸を哺乳動物細胞にインビトロで移入するのに適した技術は、リポソーム、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、細胞融合、DEAE-デキストラン、リン酸カルシウム沈殿法などを含む。現在好ましいインビボ遺伝子移入技術は、ウイルス(典型的にはレトロウイルス)ベクターでの形質移入及びウイルス被覆タンパク質-リポソーム媒介形質移入である(Dzau等, Trends, in Biotechnology 11, 205-210[1993])。幾つかの状況では、核酸供給源を、細胞表面膜タンパク質又は標的細胞に特異的な抗体、標的細胞上のレセプターに対するリガンド等の標的細胞を標的化する薬剤とともに提供するのが望ましい。リポソームを用いる場合、エンドサイトーシスを伴って細胞表面膜タンパク質に結合するタンパク質、例えば、特定の細胞型向性のカプシドタンパク質又はその断片、サイクルにおいて内部移行を受けるタンパク質に対する抗体、細胞内局在化を標的とし細胞内半減期を向上させるタンパク質が、標的化及び/又は取り込みの促進のために用いられ得る。レセプター媒介エンドサイトーシスの技術は、例えば、Wu等, J. Biol. Chem. 262, 4429-2232 (1987); 及びWagner等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87, 3410-3414 (1990)によって記述されている。遺伝子マーキング及び遺伝子治療のプロトコールの概説については、Anderson等, Science 256, 808-813 (1992)を参照のこと。
ここに記載したPRO34128ポリペプチド又はその断片をコードする核酸分子は染色体同定に有用である。この点において、実際の配列に基づく染色体マーキング試薬は、現在殆ど利用可能ではないため、新規な染色体マーカーの同定の必要性が存在している。本発明の各PRO34128核酸分子は染色体マーカーとして使用できる。
また本発明のPRO34128ポリペプチド及び核酸分子は組織タイピングに使用でき、本発明のPRO34128ポリペプチドは一方の組織で他方に比較して異なる発現をする。PRO34128核酸分子は、PCR、ノーザン分析、サザン分析及びウェスタン分析のプローブ生成のための用途が見出されよう。
また、ここに記載したPRO34128ポリペプチドは治療薬として用いてもよい。本発明のPRO34128ポリペプチドは、製薬的に有用な組成物を調製するのに知られた方法に従って製剤され、それにより、このPRO34128生成物は製薬的に許容される担体媒体と混合される。治療用製剤は、凍結乾燥された製剤又は水性溶液の形態で、任意的な生理学的に許容可能な担体、賦形剤又は安定剤と、所望の精製度を有する活性成分とを混合することにより(Remington's Pharmaceutical Sciences, 16th edition, A. Osol, Ed., (1980))、調製され保管される。許容される担体、賦形剤又は安定剤は、用いる投与量及び濃度ではレシピエントに対して無毒性であり、リン酸、クエン酸及び他の有機酸等の緩衝液;アスコルビン酸を含む抗酸化剤;低分子量(残基数10個未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン又は免疫グロブリン等のタンパク質;ポリビニルピロリドン等の親水性重合体;グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン又はリシン等のアミノ酸;グルコース、マンノース又はデキストリン等の単糖類、二糖類及び他の炭水化物;EDTA等のキレート剤;マンニトール又はソルビトール等の糖アルコール類;ナトリウム等の塩形成対イオン;及び/又はTWEENTM、PLURONICSTM又はPEG等の非イオン性界面活性剤を含む。
ここで、治療用組成物は一般に、無菌のアクセスポートを具備する容器、例えば、皮下注射針で貫通可能なストッパーを持つ静脈内溶液バッグ又はバイアル内に配される。
投与経路は周知の方法、例えば、静脈内、腹膜内、脳内、筋肉内、眼内、動脈内又は病巣内経路での注射又は注入、局所投与、又は徐放系による。
本発明の製薬組成物の用量及び望ましい薬物濃度は、意図する特定の用途に応じて変化する。適切な用量又は投与経路の決定は、通常の内科医の技量の範囲内である。動物実験は、ヒト治療のための有効量の決定についての信頼できるガイダンスを提供する。有効量の種間スケーリングは、Toxicokinetics and New Drug Development, Yacobi等, 編, Pergamon Press, New York 1989, pp. 42-96のMordenti, J. 及びChappell, W.「The use of interspecies scaling in toxicokinetics」に記載された原理に従って実施できる。
PRO34128ポリペプチド又はそのアゴニスト又はアンタゴニストのインビボ投与が用いられる場合、正常な投与量は、投与経路に応じて、哺乳動物の体重当たり1日に約10ng/kgから100mg/kgまで、好ましくは約1μg/kg/日から10mg/kg/日で変化する。特定の用量及び輸送方法の指針は文献に与えられている;例えば、米国特許第4657760号、同第5206344号、又は同第5225212号参照。異なる製剤が異なる治療用化合物及び異なる疾患に有効であること、例えば一つの器官又は組織を標的とする投与には他の器官又は組織とは異なる方式で輸送することは必要であることが予想される。
PRO34128ポリペプチドの投与を必要とする任意の疾患又は疾病の治療に適した放出特性を持つ製剤でPRO34128ポリペプチドの持続放出が望まれる場合、PRO34128ポリペプチドのマイクロカプセル化が考えられる。持続放出のための組換えタンパク質のマイクロカプセル化は、ヒト成長ホルモン(rhGH)、インターフェロン(rhIFN-)、インターロイキン-2、及びMNrgp120で成功裏に実施されている。Johnson等, Nat. Med., 2: 795-799 (1996); Yasuda, Biomed. Ther., 27: 1221-1223 (1993); Hora等, Bio/Technology, 8: 755-758 (1990); Cleland, 「Design and Production of Single Immunization Vaccines Using Polyactide Polyglycolide Microsphere Systems」Vaccine Design: The Subunit and Adjuvant Approach, Powell 及び Newman編, (Plenum Press: New York, 1995), p. 439-462; 国際公開第97/03692号,国際公開第96/40072号,国際公開第96/07399号;及び米国特許第5654010号。
本発明は、PRO34128ポリペプチドに類似する(アゴニスト)又はPRO34128ポリペプチドの効果を阻害する(アンタゴニスト)ものを同定するための化合物のスクリーニング方法も包含する。アンタゴニスト候補薬のスクリーニングアッセイは、ここに同定した遺伝子にコードされるPRO34128ポリペプチドと結合又は複合体形成する化合物、又はコード化ポリペプチドと他の細胞性タンパク質との相互作用を阻害する化合物を同定するために設計される。このようなスクリーニングアッセイは、それを特に小分子候補薬の同定に適したものにする、化学的ライブラリーの高スループットスクリーニングに適用可能なアッセイを含む。
このアッセイは、タンパク質-タンパク質結合アッセイ、生化学的スクリーニングアッセイ、イムノアッセイ、及び細胞ベースのアッセイで、この分野で知られたものを含む種々の方式で実施することができる。
アンタゴニストについての全てのアッセイは、それらが候補薬をここで同定された核酸にコードされるPRO34128ポリペプチドと、これら2つの成分が相互作用するのに十分な条件下及び時間で接触させることを必要とすることにおいて共通する。
潜在的なアンタゴニストのより特別な例は、免疫グロブリンとPRO34128ポリペプチドとの融合体に結合するオリゴヌクレオチド、特に、限られないが、ポリ-及びモノクローナル抗体及び抗体断片、単鎖抗体、抗-イディオタイプ抗体、及びこれらの抗体又は断片のキメラ又はヒト化形態、並びにヒト抗体及び抗体断片を含む抗体を含んでいる。あるいは、潜在的アンタゴニストは、密接に関連したタンパク質、例えば、レセプターを認識するが効果を与えず、従ってPRO34128ポリペプチドの作用を競合的に阻害するPRO34128ポリペプチドの変異形態であってもよい。
リボザイムは、RNAの特異的切断を触媒できる酵素的RNA分子である。リボザイムは、相補的標的RNAへの配列特異的ハイブリダイゼーション、ついでヌクレオチド鎖切断的切断により作用する。潜在的RNA標的内の特異的リボザイム切断部位は、既知の技術で同定できる。更なる詳細は、例えば、Rossi, Current Biology 4: 469-471 (1994)及びPCT公開番号国際公開第97/33551号(1997年9月18日公開)を参照。
転写阻害に用いられるトリプルヘリックス形成における核酸分子は一本鎖でデオキシヌクレオチドからなる。これらのオリゴヌクレオチドの基本組成は、フーグスチン塩基対則を介するトリプルヘリックス形成を促進するように設計され、それは一般に二重鎖の一方の鎖上のプリン又はピリミジンのサイズ変更可能な伸展を必要とする。さらなる詳細は、例えば、上掲のPCT公開番号国際公開第97/33551号を参照。
これらの小分子は、上で議論したスクリーニングアッセイの一又は複数の任意のものにより及び/又は当業者に良く知られた他の任意のスクリーニング技術により同定できる。
また、ここで開示された分子の診断的及び治療適用途は、以下に開示し記載するポジティブアッセイデータに基づくこともできる。
本発明は抗PRO34128抗体を更に提供する。抗体の例としては、ポリクローナル、モノクローナル、ヒト化、二重特異性及びヘテロ結合体抗体が含まれる。
抗PRO34128抗体はポリクローナル抗体を含んでよい。ポリクローナル抗体の調製方法は当業者に知られている。哺乳動物においてポリクローナル抗体は、例えば免疫化剤、及び所望するのであればアジュバントを、一又は複数回注射することで発生させることができる。典型的には、免疫化剤及び/又はアジュバントを複数回皮下又は腹腔内注射により、哺乳動物に注射する。免疫化剤は、PRO34128ポリペプチド又はその融合タンパク質を含みうる。免疫化剤を免疫化された哺乳動物において免疫原性が知られているタンパク質に結合させるのが有用である。このような免疫原タンパク質の例は、これらに限られないが、キーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン、ウシサイログロブリン及び大豆トリプシンインヒビターが含まれる。使用され得るアジュバントの例には、フロイント完全アジュバント及びMPL-TDMアジュバント(モノホスホリル脂質A、合成トレハロースジコリノミコラート)が含まれる。免疫化プロトコールは、過度の実験なく当業者により選択されよう。
あるいは、抗PRO34128抗体はモノクローナル抗体であってもよい。モノクローナル抗体は、Kohler及びMilstein, Nature, 256:495 (1975)に記載されているようなハイブリドーマ法を使用することで調製することができる。ハイブリドーマ法では、マウス、ハムスター又は他の適切な宿主動物を典型的には免疫化剤により免疫化することで、免疫化剤に特異的に結合する抗体を生成するかあるいは生成可能なリンパ球を誘発する。また、リンパ球をインビトロで免疫化することもできる。
免疫化剤は、典型的にはPRO34128ポリペプチド又はその融合タンパク質を含む。一般にヒト由来の細胞が望まれる場合には末梢血リンパ球(「PBL」)が使用され、あるいは非ヒト哺乳動物源が望まれている場合は、脾臓細胞又はリンパ節細胞が使用される。ついで、ポリエチレングリコール等の適当な融合剤を用いてリンパ球を不死化株化細胞と融合させ、ハイブリドーマ細胞を形成する[Goding, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, Academic Press, (1986) pp. 59-103]。不死化株化細胞は、通常は、形質転換した哺乳動物細胞、特に齧歯動物、ウシ、及びヒト由来の骨髄腫細胞である。通常、ラット又はマウスの骨髄腫株化細胞が使用される。ハイブリドーマ細胞は、好ましくは、未融合の不死化細胞の生存又は成長を阻害する一又は複数の物質を含有する適切な培地で培養される。例えば、親細胞が、酵素のヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT又はHPRT)を欠いていると、ハイブリドーマの培地は、典型的には、ヒポキサチン、アミノプテリン及びチミジンを含み(「HAT培地」)、この物質がHGPRT欠乏性細胞の増殖を阻止する。
好ましい不死化株化細胞は、効率的に融合し、選択された抗体生成細胞による安定した高レベルの抗体発現を支援し、HAT培地のような培地に対して感受性である。より好ましい不死化株化細胞はマウス骨髄腫株であり、これは例えばカリフォルニア州サンディエゴのSalk Institute Cell Distribution Centerやバージニア州マナッサスのアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションより入手可能である。ヒトモノクローナル抗体を生成するためのヒト骨髄腫及びマウス-ヒト異種骨髄腫株化細胞も記載されている[Kozbor, J. Immunol., 133:3001 (1984);Brodeur等, Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications, Marcel Dekker, Inc., New York, (1987) pp. 51-63]。
所望のハイブリドーマ細胞が同定された後、クローンを制限希釈工程によりサブクローニングし、標準的な方法で成長させることができる[Goding, 上掲]。この目的のための適当な培地には、例えば、ダルベッコの改変イーグル培地及びRPMI-1640倍地が含まれる。あるいは、ハイブリドーマ細胞は哺乳動物においてインビボで腹水として成長させることもできる。
サブクローンによって分泌されたモノクローナル抗体は、例えばプロテインA−セファロース法、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー法、ゲル電気泳動法、透析法又はアフィニティークロマトグラフィー等の従来の免疫グロブリン精製方法によって培養培地又は腹水液から単離又は精製され得る。
抗体は一価抗体であってもよい。一価抗体の調製方法は当該分野においてよく知られてる。例えば、一つの方法は免疫グロブリン軽鎖と修飾重鎖の組換え発現を含む。重鎖は一般的に、重鎖の架橋を防止するようにFc領域の任意の点で切断される。あるいは、関連するシステイン残基を他のアミノ酸残基で置換するか欠失させて架橋を防止する。
一価抗体の調製にはインビトロ法がまた適している。抗体の消化による、その断片、特にFab断片の生成は、当該分野において知られている慣用的技術を使用して達成できる。
本発明の抗PRO34128抗体は、さらにヒト化抗体又はヒト抗体を含み得る。非ヒト(例えばマウス)抗体のヒト化形とは、キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖あるいはその断片(例えばFv、Fab、Fab'、F(ab')2あるいは抗体の他の抗原結合サブ配列)であって、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含むものである。ヒト化抗体はレシピエントの相補性決定領域(CDR)の残基が、マウス、ラット又はウサギのような所望の特異性、親和性及び能力を有する非ヒト種(ドナー抗体)のCDRの残基によって置換されたヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)を含む。幾つかの例では、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基は、対応する非ヒト残基によって置換されている。また、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にも、移入されたCDRもしくはフレームワーク配列にも見出されない残基を含んでいてもよい。一般に、ヒト化抗体は、全てあるいはほとんど全てのCDR領域が非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、全てあるいはほとんど全てのFR領域がヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものである、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含む。ヒト化抗体は、最適には免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にはヒトの免疫グロブリンの定常領域の少なくとも一部を含んでなる[Jones等, Nature, 321:522-525 (1986); Riechmann等, Nature, 332:323-329 (1988); 及びPresta, Curr. Op Struct. Biol., 2:593-596 (1992)]。
非ヒト抗体をヒト化する方法はこの分野でよく知られている。一般的に、ヒト化抗体には非ヒト由来の一又は複数のアミノ酸残基が導入される。これら非ヒトアミノ酸残基は、しばしば、典型的には「移入」可変ドメインから得られる「移入」残基と称される。ヒト化は基本的に、Winter及び共同研究者[Jones等, Nature, 321:522-525 (1986);Riechmann等, Nature, 332:323-327 (1988);Verhoeyen等, Science, 239:1534-1536 (1988)]の方法に従って、齧歯類CDR又はCDR配列をヒト抗体の対応する配列に置換することにより実施される。よって、このような「ヒト化」抗体は、無傷のヒト可変ドメインより実質的に少ない分が非ヒト種由来の対応する配列で置換されたキメラ抗体(米国特許第4,816,567号)である。実際には、ヒト化抗体は典型的には幾つかのCDR残基及び場合によっては幾つかのFR残基が齧歯類抗体の類似する部位からの残基によって置換されたヒト抗体である。
二重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる抗原に対して結合特異性を有するモノクローナル抗体、好ましくはヒトもしくはヒト化抗体である。本ケースにおいて、結合特異性の一方はPRO34128に対してであり、他方は任意の他の抗原、好ましくは細胞表面タンパク質又はレセプター又はレセプターサブユニットに対してである。
二重特異性抗体を作成する方法は当該技術分野において周知である。伝統的には、二重特異性抗体の組換え生産は、二つの重鎖が異なる特異性を持つ二つの免疫グロブリン重鎖/軽鎖対の同時発現に基づく[Milstein及びCuello, Nature, 305:537-539 (1983)]。免疫グロブリンの重鎖と軽鎖を無作為に取り揃えるため、これらハイブリドーマ(クアドローマ)は10種の異なる抗体分子の潜在的混合物を生成し、その内一種のみが正しい二重特異性構造を有する。正しい分子の精製は、アフィニティークロマトグラフィー工程によって通常達成される。同様の手順が1993年5月13日公開の国際公開第93/08829号、及びTraunecker等, EMBO J.,10:3655-3656 (1991)に開示されている。
所望の結合特異性(抗体-抗原結合部位)を有する抗体可変ドメインを免疫グロブリン定常ドメイン配列に融合できる。融合は、好ましくは少なくともヒンジ部、CH2及びCH3領域の一部を含む免疫グロブリン重鎖定常ドメインとのものである。少なくとも一の融合には軽鎖結合に必要な部位を含む第一の重鎖定常領域(CH1)が存在することが望ましい。免疫グロブリン重鎖融合をコードするDNA、及び望むのであれば免疫グロブリン軽鎖を、別々の発現ベクターに挿入し、適当な宿主生物に同時形質移入する。二重特異性抗体を作成するための更なる詳細については、例えばSuresh等, Methods in Enzymology, 121:210(1986)を参照されたい。
二重特異性抗体は、完全長抗体又は抗体断片(例えば、F(ab')2二重特異性抗体)として調製できる。抗体断片から二重特異性抗体を産生する技術もまた文献に記載されている。例えば、化学結合を使用して二重特異性抗体を調製することができる。Brennan等, Science, 229:81(1985) は無傷の抗体をタンパク分解的に切断してF(ab')2断片を産生する手順を記述している。これらの断片は、ジチオール錯体形成剤亜砒酸ナトリウムの存在下で還元して近接ジチオールを安定化させ、分子間ジスルフィド形成を防止する。産生されたFab'断片はついでチオニトロベンゾアート(TNB)誘導体に転換される。Fab'-TNB誘導体の一つをついでメルカプトエチルアミンでの還元によりFab'-チオールに再転換し、他のFab'-TNB誘導体の等モル量と混合して二重特異性抗体を形成する。作られた二重特異性抗体は酵素の選択的固定化用の薬剤として使用することができる。
大腸菌からFab'断片を直接回収でき、これは化学的に結合して二重特異性抗体を形成することができる。Shalaby等, J. Exp. Med., 175:217-225 (1992)は完全にヒト化された二重特異性抗体F(ab')2分子の製造を記述している。各Fab'断片は大腸菌から別個に分泌され、インビトロで定方向化学結合を受けて二重特異性抗体を形成する。このようにして形成された二重特異性抗体は、正常なヒトT細胞及びErbB2レセプターを過剰発現する細胞に結合可能で、ヒト乳房腫瘍標的に対するヒト細胞障害性リンパ球の細胞溶解活性の誘因となる。
二価より多い抗体も考えられる。例えば、三重特異性抗体を調製することができる。Tuttら J.Immunol. 147:60(1991)。
例示的な二重特異性抗体は、ここに与えられたPRO34128ポリペプチドの2つの異なるエピトープに結合し得る。あるいは、抗PRO34128ポリペプチドのアームは、特定のPRO34128ポリペプチド発現細胞に細胞防御メカニズムを集中させるように、T細胞レセプター分子(例えばCD2、CD3、CD28、又はB7)等の白血球上のトリガー分子、又はFcγRI(CD64)、FcγRII(CD32)及びFcγRIII(CD16)等のIgG(FcγR)に対するFcレセプターに結合するアームと結合しうる。また、二重特異性抗体は特定のPRO34128ポリペプチドを発現する細胞に細胞障害薬を局在化させるためにも使用されうる。これらの抗体はPRO34128結合アーム及び細胞障害薬又は放射性キレート化剤、例えばEOTUBE、DPTA、DOTA、又はTETAと結合するアームを有する。関心ある他の二重特異性抗体はPRO34128ポリペプチドに結合し、そしてさらに組織因子(TF)に結合する。
ヘテロ結合抗体もまた本発明の範囲に入る。ヘテロ結合抗体は、2つの共有結合した抗体からなる。このような抗体は、例えば、免疫系細胞を不要な細胞に対してターゲティングさせるため[米国特許第4676980号]及びHIV感染の治療のために[国際公開第91/00360号;国際公開第92/200373号;欧州特許第03089号]提案されている。この抗体は、架橋剤に関連したものを含む合成タンパク化学における既知の方法を使用して、インビトロで調製することができると考えられる。例えば、ジスルフィド交換反応を使用するか又はチオエーテル結合を形成することにより、免疫毒素を作成することができる。この目的に対して好適な試薬の例には、イミノチオレート及びメチル-4-メルカプトブチルイミデート、及び例えば米国特許第4676980号に開示されているものが含まれる。
本発明の抗体をエフェクター機能について改変し、例えば癌治療における抗体の有効性を向上させるのが望ましい。例えば、システイン残基をFc領域に導入し、それにより、この領域に鎖間ジスルフィド結合を形成させるようにしてもよい。そのようにして生成された同種二量体抗体は、向上した内部移行能力及び/又は増加した相補鎖媒介細胞殺傷及び抗体-依存性細胞性細胞毒性(ADCC)を有しうる。Caron等, J. Exp. Med. 176: 1191-1195 (1992)及びShopes, J. Immunol. 148: 2918-2922 (1992)参照。向上した抗腫瘍活性を持つ同種二量体抗体はまた、Wolff等, Cancer research 53: 2560-2565 (1993)に記載されたような異種二官能性架橋を用いても調製しうる。あるいは、抗体は、2つのFc領域を有するように加工して、それにより相補鎖溶解及びADCC能力を向上させることもできる。Stevenson等, Anti-Cancer Drug Design 3: 219-230 (1989)参照。
本発明はまた、化学治療薬、毒素(例えば、細菌、真菌、植物又は動物由来の酵素活性毒素、又はその断片)などの細胞障害薬、あるいは放射性同位体(即ち、放射性結合)に結合された抗体を含む免疫結合体にも関する。
このような免疫結合体の生成に有用な化学治療薬は上記している。用いることのできる酵素活性毒素及びその断片は、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性断片、(緑膿菌からの)外毒素A鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデクシン(modeccin)A鎖、α-サルシン、アレウリテス・フォーディ(Aleurites fordii)タンパク質、ジアンチン(dianthin)タンパク質、フィトラカ・アメリカーナ(Phytolaca americana)タンパク質(PAPI、PAPII、及びPAP-S)、モモルディカ・チャランチア(momordica charantia)インヒビター、クルシン(curcin)、クロチン(crotin)、サパオナリア・オフィシナリス(sapaonaria officinalis)インヒビター、ゲロニン(gelonin)、ミトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン(restrictocin)、フェノマイシン(phenomycin)、エノマイシン(enomycin)及びトリコテセン(tricothecene)を含む。様々な放射性ヌクレオチドが放射性結合抗体の生成に利用可能である。例として、212Bi、131I、131In、90Y及び186Reを含む。
抗体及び細胞障害薬の結合体は、種々の二官能性タンパク質カップリング剤、例えば、N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオール)プロピオネート(SPDP)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの二官能性誘導体(ジメチルアジピミデートHCL等)、活性エステル(ジスクシンイミジルスベレート等)、アルデヒド(グルタルアルデヒド等)、ビス-アジド化合物(ビス(p-アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン等)、ビス-ジアゾニウム誘導体(ビス-(p-ジアゾニウムベンゾイル)-エチレンジアミン等)、ジイソシアネート(トリエン2,6-ジイソシアネート等)、及びビス-活性フッ素化合物(1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼン等)を用いて作成できる。例えば、リシン免疫毒素は、Vitetta等, Science 238: 1098 (1987)に記載されたように調製することができる。カーボン-14-標識1-イソチオシアナトベンジル-3-メチルジエチレントリアミン五酢酸(MX-DTPA)は、放射性ヌクレオチドの抗体への結合のためのキレート剤の例である。国際公開第94/11026号参照。
他の実施態様では、腫瘍の予備標的化で使用するために、抗体は「レセプター」(ストレプトアビジン等)に結合されてもよく、抗体-レセプター結合体は患者に投与され、ついで清澄化剤を用いて未結合複合体を循環から除去し、次に細胞障害薬(例えば、放射性ヌクレオチド等)に結合した「リガンド」(アビジン等)を投与する。
また、ここに開示する抗体は、免疫リポソームとして調製してもよい。抗体を含むリポソームは、Epstein等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 82: 3688 (1985); Hwang等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77: 4030 (1980); 及び米国特許第4485045号及び第4544545号に記載されたような、この分野で知られた方法で調製される。向上した循環時間を持つリポソームは、米国特許第5013556号に開示されている。
特に有用なリポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロール及びPEG-誘導ホスファチジルエタノールアミン(PEG-PE)を含む脂質組成物での逆相蒸発法によって生成される。リポソームは、所定の孔サイズのフィルターを通して押し出され、所望の径を有するリポソームが生成される。本発明の抗体のFab’断片は、Martin等, J. Biol. Chem. 257: 286-288 (1982)に記載されているように、ジスルフィド交換反応を介してリポソームに結合され得る。化学治療薬(ドキソルビシン等)は、場合によってはリポソーム内に包含される。Gabizon等, J. National Cancer Inst. 81(19) 1484 (1989)参照。
ここで同定されるPRO34128ポリペプチドに特異的に結合する抗体、並びに上記に開示したスクリーニングアッセイで同定された他の分子は、種々の疾患の治療のために、製薬組成物の形態で投与することができる。
PRO34128ポリペプチドが細胞内であり、全抗体がインヒビターとして用いられる場合、内在化抗体が好ましい。しかし、リポフェクション又はリポソームも抗体、又は抗体断片を細胞に送達するのに使用できる。抗体断片が用いられる場合、標的タンパク質の結合ドメインに特異的に結合する最小阻害断片が好ましい。例えば、抗体の可変領域配列に基づいて、標的タンパク質配列に結合する能力を保持したペプチド分子が設計できる。このようなペプチドは、化学的に合成でき、及び/又は組換えDNA技術によって生成できる。例えば、Marasco等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90, 7889-7893 (1993)参照。
ここでの製剤は、治療される特定の徴候に必要な場合に1以上の活性化合物、好ましくは互いに悪影響を及ぼさない相補的活性を持つものも含んでよい。あるいは、又はそれに加えて、組成物は、その機能を増強させる薬剤、例えば細胞障害薬、サイトカイン、化学治療薬又は成長阻害剤を含んでもよい。これらの分子は、適切には、意図する目的に有効な量の組み合わせで存在する。
また、活性成分は、例えばコアセルベーション技術により又は界面重合により調製されたマイクロカプセル、例えば、各々ヒドロキシメチルセルロース又はゼラチン-マイクロカプセル及びポリ(メタクリル酸メチル)マイクロカプセル中、コロイド状薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミン小球、マイクロエマルション、ナノ粒子及びナノカプセル)中、又はマイクロエマルション中に包括されていてもよい。これらの技術は上掲のRemington's Pharmaceutical Scienceに開示されている。
徐放性製剤を調製してもよい。徐放性製剤の好適な例は、抗体を含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリクスを含み、このマトリクスは成形された物品、例えばフィルム、又はマイクロカプセルの形状である。除放性マトリクスの例は、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリラート)、又はポリ(ビニルアルコール))、ポリアクチド(米国特許第3,773,919号)、L-グルタミン酸及びγ-エチル-L-グルタマートのコポリマー、非分解性エチレン-酢酸ビニル、LUPRON DEPOTTM(乳酸-グリコール酸コポリマーと酢酸リュープロリドの注射可能な小球)などの分解性乳酸-グリコール酸コポリマー、及びポリ-D-(-)-3-ヒドロキシブチル酸を含む。エチレン-酢酸ビニル及び乳酸-グリコール酸などのポリマーは分子を100日に渡って放出することができるが、ある種のヒドロゲルはより短時間でタンパク質を放出してしまう。カプセル化された抗体が身体内に長時間残ると、それらは37℃の水分に露出されることにより変性又は凝集し、その結果、生物学的活性の喪失及び起こりうる免疫原性の変化をもたらす。合理的な方法は、含まれる機構に依存する安定化について工夫することができる。例えば、凝集機構がチオ−ジスルフィド交換を通した分子間S−S結合形成であると発見された場合、安定化はスルフヒドリル残基の修飾、酸性溶液からの凍結乾燥、水分含有量の制御、適切な添加剤の使用、及び特異的ポリマーマトリクス組成物の開発によって達成されうる。
本発明の抗PRO34128抗体は様々な有用性を有している。例えば、抗PRO34128抗体は、PRO34128の診断アッセイ、例えばその特定細胞、組織、又は血清での発現の検出に用いられる。競合的結合アッセイ、直接又は間接サンドウィッチアッセイ及び不均一又は均一相で行われる免疫沈降アッセイ[Zola, Monoclonal Antibodies: A Manual of Techniques, CRC Press, Inc. (1987) pp. 147-158]等のこの分野で知られた種々の診断アッセイ技術が使用される。診断アッセイで用いられる抗体は、検出可能な部位で標識可能である。検出可能な部位は、直接又は間接に、検出可能なシグナルを発生しなければならない。例えば、検出可能な部位は、3H、14C、32P、35S又は125I等の放射性同位体、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン又はルシフェリン等の蛍光又は化学発光化合物、あるいはアルカリホスファターゼ、ベータ-ガラクトシダーゼ又はセイヨウワサビペルオキシダーゼ等の酵素であってよい。抗体に検出可能な部位を結合させるためにこの分野で知られた任意の方法が用いられ、それにはHunter等 Nature, 144:945 (1962);David等, Biochemistry, 13: 1014 (1974);Pain等, J. Immunol. Meth., 40:219 (1981) ;及びNygren, J. Histochem. and Cytochem., 30:407 (1982)に記載された方法が含まれる。
また、抗PRO34128抗体は組換え細胞培養又は天然供給源からのPRO34128のアフィニティー精製にも有用である。この方法においては、PRO34128に対する抗体を、当該分野でよく知られている方法を使用して、セファデックス樹脂や濾紙のような適当な支持体に固定化する。次に、固定化された抗体を、精製するPRO34128を含む試料と接触させた後、固定化された抗体に結合したPRO34128以外の試料中の物質を実質的に全て除去する適当な溶媒で支持体を洗浄する。最後に、PRO34128を抗体から脱離させる他の適当な溶媒で支持体を洗浄する。
以下の実施例は例示目的でのみ提供されるものであって、本発明の範囲を決して限定することを意図するものではない。
本明細書で引用した全ての特許及び参考文献の全体を出典明示によりここに取り込む。
Swiss-Prot公的データベースからの約950の既知の分泌タンパク質からの細胞外ドメイン(ECD)配列(あれば、分泌シグナル配列を含む)を、配列データベースの検索に使用した。データベースは、公的データベース(例えばGenBank)を含む。この場合、GenBankからのゲノムDNA配列は、スタンフォード大学にライセンス供与されている遺伝子予測プログラムGENSCANを使用して分析した。GENSCAN分析は遺伝子コード領域を予測し、ECD探索にかけることのできる配列を生み出すものである。検索は、コンピュータプログラムBLAST又はBLAST−2(Altschul等, Methods in Enzymology 266: 460-480 (1996))を用いて、ECDタンパク質配列の配列の6フレーム翻訳との比較として実施した。既知のタンパク質をコードせず、BLASTスコア70(90の場合もある)又はそれ以上を持つ比較物は、必要であれば、プログラム「phrap」(Phil Green, University of Washington, Seattle, WA)で集団化してコンセンサスDNA配列に構築した。コンセンサスDNA配列を構築した。
上記のコンセンサス配列に基づいて、ついでオリゴヌクレオチドを:1)PCRにより関心ある配列を含むcDNAライブラリーを同定するため、及び2)PRO34128の完全長コード配列のクローンを単離するプローブとして用いるために合成した。正方向及び逆方向PCRプライマーは一般的に20から30ヌクレオチドの範囲であり、しばしば約100-1000bp長のPCR産物を与えるために設計される。プローブ配列は、典型的に40-55bp長である。或る場合には、コンセンサス配列が約1−1.5kbpより大きいときに付加的なオリゴヌクレオチドが合成される。完全長クローンについて幾つかのライブラリーをスクリーニングするために、ライブラリーからのDNAを、Ausubel等, Current Protocols in Molecular Biologyに従って、PCRプライマー対でのPCR増幅によりスクリーニングした。ポジティブライブラリーを、ついで、プローブオリゴヌクレオチド及びプライマー対の一方を用いて関心ある遺伝子をコードするクローンの単離に使用した。
上述したようにして単離されたDNA配列化は、完全長PRO34128ポリペプチド(ここではDNA194917-3044と表される[図1、配列番号:1])のための完全長DNA配列、及びPRO34128ポリペプチドの誘導タンパク質配列を付与した。
上で同定された完全長クローンは、ヌクレオチド位置88-90に見かけの翻訳開始部位と、ヌクレオチド位置1270-1272に停止シグナル(図1、配列番号:1)を有する単一のオープンリーディングフレームを含んでいた。予測ポリペプチド前駆物質は394アミノ酸長であり、約44528ダルトンの算出分子量と、約8.34の推定pIを有する。図2(配列番号:2)に示す完全長PRO34128配列の分析により、図2に示すように、多様な重要ポリペプチドドメインの存在、さらにはそれらの重要なポリペプチドドメインに付与される位置が、上述したものに近似していることが証明された。クローンDNA194917-3044は2001年1月30日にATCCに寄託され、ATCC寄託番号PTA-2985が割り当てられている。
以下の方法は、PRO34128をコードするヌクレオチド配列のハイブリダイゼーションプローブとしての使用を記載する。
完全長又は成熟PRO34128のコード配列を含むDNAは、ヒト組織cDNAライブラリー又はヒト組織ゲノムライブラリーにおける相同性DNA類(PRO34128の天然に生じる変異体をコードするものなど)のスクリーニングのためのプローブとして用いられる。
いずれかのライブラリーDNAを含むフィルターのハイブリダイゼーション及び洗浄は、以下の高緊縮条件で実施する。放射標識PRO34128誘導プローブのフィルターへのハイブリダイゼーションは、50%ホルムアミド、5xSSC、0.1%SDS、0.1%ピロリン酸ナトリウム、50mMリン酸ナトリウム、pH6.8、2xデンハート液、及び10%デキストラン硫酸の溶液中で、42℃において20時間行う。フィルターの洗浄は、0.1xSSC及び0.1%SDSの水溶液中、42℃で行う。
ついで、完全長天然配列PRO34128をコードするDNAと所望の配列同一性を有するDNAは、この分野で知られた標準的な方法を用いて同定できる。
この実施例は、大腸菌における組み換え発現によるPRO34128の非グリコシル化形態の調製を例示する。
PRO34128をコードするDNA配列は、選択されたPCRプライマーを用いて最初に増幅する。プライマーは、選択された発現ベクターの制限酵素部位に対応する制限酵素部位を持たなければならない。種々の発現ベクターを用いることができる。好適なベクターの例は、pBR322(大腸菌から誘導されたもの;Bolivar等, Gene, 2:95 (1977)を参照)であり、アンピシリン及びテトラサイクリン耐性についての遺伝子を含む。ベクターは、制限酵素で消化され、脱リン酸化される。PCR増幅した配列は、ついで、ベクターに結合させる。ベクターは、好ましくは抗生物質耐性遺伝子、trpプロモーター、polyhisリーダー(最初の6つのSTIIコドン、polyhis配列、及びエンテロキナーゼ切断部位を含む)、PRO34128コード化領域、ラムダ転写終結区、及びargU遺伝子を含む。
ライゲーション混合物は、ついで、上掲のSambrook等に記載された方法を用いた選択した大腸菌株の形質転換に使用される。形質転換体は、それらのLBプレートで成長する能力により同定され、ついで抗生物質耐性クローンが選択される。プラスミドDNAが単離され、制限分析及びDNA配列分析で確認される。
選択されたクローンは、抗生物質を添加したLBブロスなどの液体培地で終夜成長させることができる。終夜培養は、続いて大規模培養の播種に用いられる。次に細胞を最適光学密度まで成長させ、その間に発現プロモーターが作動する。
更に数時間の細胞培養の後、細胞は遠心分離により採集することができる。遠心分離で得られた細胞ペレットは、この分野で知られた種々の薬剤を用いて可溶化され、ついで可溶化PRO34128タンパク質を金属キレート化カラムを用いてタンパク質を緊密に結合させる条件下で精製することができる。
所望の折りたたまれたPRO34128ポリペプチドを含有する画分をプールし、溶液に向けた窒素の弱い気流を用いてアセトニトリルを除去した。タンパク質を、透析又は調製バッファーで平衡化したG25 Superfine(Pharmacia)樹脂でのゲル濾過及び滅菌濾過により、0.14Mの塩化ナトリウム及び4%のマンニトールを含む20mMのHepes、pH6.8に処方する。
哺乳動物細胞中でのPRO34128の発現
この実施例は、哺乳動物細胞における組み換え発現による潜在的にグリコシル化した形態のPRO34128の調製を例示する。
発現ベクターとしてベクターpRK5(1989年3月15日公開の欧州特許第307247号を参照)を用いる。場合によっては、PRO34128 DNAを選択した制限酵素を持つpRK5に結合させ、上掲のSambrook等に記載されたようなライゲーション方法を用いてPRO34128 DNAを挿入させることができる。得られたベクターは、pRK5-PRO34128と呼ばれる。
一実施態様では、選択された宿主細胞は293細胞とすることができる。ヒト293細胞(ATCC CCL 1573)は、ウシ胎児血清及び場合によっては滋養成分及び/又は抗生物質を添加したDMEMなどの培地中で組織培養プレートにおいて成長させて集密化する。約10μgのpRK5-PRO34128 DNAを約1μgのVA RNA遺伝子コード化DNA[Thimmappaya等, Cell, 31:543 (1982))]と混合し、500μlの1mMトリス-HCl、0.1mMEDTA、0.227MCaCl2に溶解させる。この混合物に、滴状の、500μlの50mM HEPES(pH7.35)、280mMのNaCl、1.5mMのNaPO4を添加し、25℃で10分間析出物を形成させる。析出物を懸濁し、293細胞に加えて37℃で約4時間定着させる。培養培地を吸引し、PBS中2mlの20%グリセロールを30秒間添加する。293細胞をついで無血清培地で洗浄し、新鮮な培地を添加し、細胞を約5日間インキュベートする。
これに換わる技術において、PRO34128は、Somparyrac等, Proc. Natl. Acad. Sci., 12:7575 (1981)に記載されたデキストラン硫酸法を用いて293細胞に一過的に導入されてよい。293細胞をスピナーフラスコ内で最大密度まで成長させ、700μgのpRK5-PRO34128 DNAを添加する。細胞を、まずスピナーフラスコから遠心分離によって濃縮し、PBSで洗浄する。DNA-デキストラン沈殿物を細胞ペレット上で4時間インキュベートする。細胞を20%グリセロールで90秒間処理し、組織培地で洗浄し、組織培地、5μg/mlウシインシュリン及び0.1μg/mlウシトランスフェリンを含むスピナーフラスコに再度導入する。約4日後に、条件培地を遠心分離して濾過し、細胞及び細胞片を除去する。ついで発現されたPRO34128を含む試料を濃縮し、透析及び/又はカラムクロマトグラフィー等の任意の選択した方法によって精製する。
また、エピトープタグPRO34128は、宿主CHO細胞において発現させてもよい。PRO34128はpRK5ベクターからサブクローニングしてもよい。サブクローン挿入物は、PCRを施してバキュロウイルス発現ベクター中のポリ-hisタグ等の選択されたエピトープタグを持つ枠に融合できる。ポリ-hisタグPRO34128挿入物は、ついで、安定なクローンの選択のためのDHFR等の選択マーカーを含むSV40誘導ベクターにサブクローニングできる。最後に、CHO細胞をSV40誘導ベクターで(上記のように)形質移入することができる。発現を確認するために、上記のように標識化を行ってもよい。発現されたポリ-HisタグPRO34128を含む培養培地は、ついで濃縮し、Ni2+-キレートアフィニティクロマトグラフィー等の選択された任意の方法により精製できる。
またPRO34128は、一過性発現法によりCHO及び/又はCOS細胞で、他の安定な発現方法によりCHO細胞で発現させてもよい。
PCR増幅に続いて、それぞれのDNAを、Ausubel等, Current Protocols of Molecular Biology, Unit 3.16, John Wiley and Sons (1997)に記載されたような標準的技術を用いてCHO発現ベクターにサブクローニングする。CHO発現ベクターは、関心あるDNAの5’及び3’に適合する制限部位を有し、cDNAの便利なシャトル化ができるように作成される。ベクターは、Lucas等, Nucl. Acids Res. 24: 9, 1774-1779 (1996)に記載されたようにCHO細胞での発現を用い、関心のあるcDNA及びジヒドロフォレートレダクターゼ(DHFR)の発現の促進にSV40初期プロモーター/エンハンサーを用いる。DHFR発現は、形質移入に続くプラスミドの安定な維持のための選択を可能にする。
所望のプラスミドDNAの12マイクログラムを、市販の形質移入試薬Superfect(登録商標)(Quiagen), Dosper(登録商標)及びFugene(登録商標)(Boehringer Mannheim)を使用し約一千万のCHO細胞に導入する。細胞は、上掲のLucas等に記載されているように成長させる。約3x107細胞を、下記のような更なる成長及び生産のためにアンプル中で凍結させる。
イムノアドヘシン(Fc含有)作成物を以下のようにして条件培地から精製する。条件培地を、20mMのリン酸ナトリウムバッファー、pH6.8で平衡化した5mlのプロテインAカラム(Pharmacia)に汲み上げる。充填後、100mMのクエン酸、pH3.5で溶離する前に、カラムを平衡バッファーで強く洗浄する。溶離したタンパク質を、1mlの画分を275μlの1Mトリスバッファー、pH9を含む管に回収することにより即座に中性化する。高度に精製されたタンパク質を、続いてポリ-Hisタグタンパク質について上記した貯蔵バッファー中で脱塩する。均一性はSDSポリアクリルアミドゲルとエドマン(Edman)分解によるN末端アミノ酸配列決定により評価する。
以下の方法は、酵母菌中でのPRO34128の組換え発現を記載する。
第1に、ADH2/GAPDHプロモーターからのPRO34128の細胞内生産又は分泌のための酵母菌発現ベクターを作成する。PRO34128をコードするDNA及びプロモーターを選択したプラスミドの適当な制限酵素部位に挿入してPRO34128の細胞内発現を指示する。分泌のために、PRO34128をコードするDNAを選択したプラスミドに、ADH2/GAPDHプロモーターをコードするDNA、天然PRO34128シグナルペプチド又は他の哺乳動物シグナルペプチド、又は、例えば酵母菌α因子又はインベルターゼ分泌シグナル/リーダー配列、及び(必要ならば)PRO34128の発現のためのリンカー配列とともにクローニングすることができる。
酵母菌株AB110等の酵母菌は、ついで上記の発現プラスミドで形質転換し、選択された発酵培地中で培養できる。形質転換した酵母菌上清は、10%トリクロロ酢酸での沈降及びSDS−PAGEによる分離で分析し、ついでクーマシーブルー染色でゲルの染色をすることができる。
続いて組換えPRO34128は、発酵培地から遠心分離により酵母菌細胞を除去し、ついで選択されたカートリッジフィルターを用いて培地を濃縮することによって単離及び精製できる。PRO34128を含む濃縮物は、選択されたカラムクロマトグラフィー樹脂を用いてさらに精製してもよい。
以下の方法は、バキュロウイルス感染昆虫細胞中におけるPRO34128の組換え発現を記載する。
PRO34128コードする配列を、バキュロウイルス発現ベクターに含まれるエピトープタグの上流に融合させる。このようなエピトープタグは、ポリ-hisタグ及び免疫グロブリンタグ(IgGのFc領域など)を含む。pVL1393(Navogen)などの市販されているプラスミドから誘導されるプラスミドを含む種々のプラスミドを用いることができる。簡単には、PRO34128コード配列又はPRO34128コード配列の所望の部分、例えば膜貫通タンパク質の細胞外ドメインをコードする配列又はタンパク質が細胞外である場合の成熟タンパク質をコードする配列などが、5’及び3’領域に相補的なプライマーでのPCRにより増幅される。5’プライマーは、隣接する(選択された)制限酵素部位を包含していてもよい。生産物は、ついで、選択された制限酵素で消化され、発現ベクターにサブクローニングされる。
組換えバキュロウイルスは、上記のプラスミド及びBaculoGoldTMウイルスDNA(Pharmingen)を、Spodoptera frugiperda(「Sf9」)細胞(ATCC CRL 1711)中にリポフェクチン(GIBCO-BRLから市販)を用いて同時形質移入することにより作成される。28℃で4−5日インキュベートした後、放出されたウイルスを回収し、更なる増幅に用いた。ウイルス感染及びタンパク質発現は、O'Reilley等, Baculovirus expression vectors: A laboratory Manual, Oxford: Oxford University Press (1994)に記載されているように実施する。
あるいは、IgGタグ(又はFcタグ)PRO34128の精製は、例えば、プロテインA又はプロテインGカラムクロマトグラフィーを含む公知のクロマトグラフィー技術を用いて実施できる。
この実施例は、PRO34128に特異的に結合できるモノクローナル抗体の調製を例示する。
モノクローナル抗体の生産のための技術はこの分野で知られており、例えば、上掲のGodingに記載されている。用いられ得る免疫原は、精製PRO34128、PRO34128を含む融合タンパク質、及び細胞表面に組換えPRO34128を発現する細胞を含む。免疫原の選択は当業者が過度の実験をすることなくなすことができる。
Balb/c等のマウスを、完全フロイントアジュバントに乳化して皮下又は腹腔内に1-100マイクログラムで注入したPRO34128免疫原で免疫化する。あるいは、免疫原をMPL-TDMアジュバント(Ribi Immunochemical Research, Hamilton, MT)に乳化し、動物の後足蹠に注入してもよい。免疫化したマウスは、ついで10から12日後に、選択したアジュバント中に乳化した付加的免疫源で追加免疫する。その後、数週間、マウスをさらなる免疫化注射で追加免疫してよい。抗PRO34128抗体の検出のためのELISAアッセイで試験するために、レトロオービタル出血からの血清試料をマウスから周期的に採取してもよい。
ハイブリドーマ細胞は、PRO34128に対する反応性についてのELISAでスクリーニングされる。PRO34128に対する所望のモノクローナル抗体を分泌する「ポジティブ(陽性)」ハイブリドーマ細胞の決定は、技術常識の範囲内である。
陽性ハイブリドーマ細胞を同系のBalb/cマウスに腹腔内注入し、抗PRO34128モノクローナル抗体を含む腹水を生成させる。あるいは、ハイブリドーマ細胞を、組織培養フラスコ又はローラーボトルで成長させることもできる。腹水中に生成されたモノクローナル抗体の精製は、硫酸アンモニウム沈降、それに続くゲル排除クロマトグラフィーを用いて行うことができる。あるいは、抗体のプロテインA又はプロテインGへの結合に基づくアフィニティクロマトグラフィーを用いることもできる。
天然又は組換えPRO34128ポリペプチドは、この分野の種々のタンパク質精製方法の標準的な技術によって精製できる。例えば、プロ-PRO34128ポリペプチド、成熟PRO34128ポリペプチド、又はプレ-PRO34128ポリペプチドは、関心あるPRO34128ポリペプチドに特異的な抗体を用いた免疫親和性クロマトグラフィーによって精製される。一般に、免疫親和性カラムは抗PRO34128ポリペプチド抗体を活性化クロマトグラフィー樹脂に共有結合させて作成される。
ポリクローナル免疫グロブリンは、硫酸アンモニウムでの沈殿又は固定化プロテインA(Pharmacia LKB Biotechnology, Piscataway, N.J.)での精製のいずれかにより免疫血清から調製される。同様に、モノクローナル抗体は、硫酸アンモニウム沈殿又は固定化プロテインAでのクロマトグラフィーによりマウス腹水液から調製される。部分的に精製された免疫グロブリンは、CnBr-活性化セファロースTM(Pharmacia LKB Biotechnology)等のクロマトグラフィー樹脂に共有結合される。抗体が樹脂に結合され、樹脂がブロックされ、誘導体樹脂は製造者の指示に従って洗浄される。
このような免疫親和性カラムは、可溶化形態のPRO34128ポリペプチドを含有する細胞からの画分を調製することによるPRO34128ポリペプチドの精製において利用される。この調製物は、洗浄剤の添加又はこの分野で公知の他の方法により微分遠心分離を介して得られる全細胞又は細胞成分画分の可溶化により誘導される。あるいは、シグナル配列を含む可溶化PRO34128ポリペプチドは、細胞が成長する培地中に有用な量で分泌され得る。
可溶化PRO34128ポリペプチド含有調製物は、免疫親和性カラムを通され、カラムはPRO34128ポリペプチドの好ましい吸着をさせる条件下(例えば、洗浄剤存在下の高イオン強度バッファー)で洗浄される。ついで、カラムは、抗体/PRO34128ポリペプチド結合を分解する条件下(例えば、約2−3といった低pHバッファー、又は高濃度の尿素又はチオシアン酸イオン等のカオトロープ)で溶離され、PRO34128ポリペプチドが回収される。
本発明は、PRO34128ポリペプチド又はその結合断片を種々の薬物スクリーニング技術において使用することによる化合物のスクリーニングに特に有用である。そのような試験に用いられるPRO34128ポリペプチド又は断片は、溶液中の遊離状態でも、固体支持体に固定されても、細胞表面に担持されていても、又は細胞内に位置していてもよい。薬剤スクリーニングの1つの方法は、PRO34128ポリペプチド又は断片を発現する組換え核酸で安定に形質移入される真核生物又は原核生物宿主細胞を利用する。薬剤は、そのような形質移入細胞に対して、競合的結合アッセイにおいてスクリーニングされる。そのような細胞は、生存可能又は固定化形態のいずれかにおいて、標準的な結合アッセイに使用できる。例えば、PRO34128ポリペプチド又は断片と試験される試薬の間での複合体の形成を測定してよい。あるいは、試験する試薬によって生ずるPRO34128ポリペプチドとその標的細胞又は標的レセプターとの間の複合体形成における減少を試験することもできる。
しかして、本発明は、PRO34128ポリペプチド関連疾患又は疾病に影響を与えうる薬剤又は任意の他の試薬のスクリーニング方法を提供する。これらの方法は、その試薬をPRO34128ポリペプチド又は断片に接触させ、(i)試薬とPRO34128ポリペプチド又は断片との間の複合体の存在について、又は(ii)PRO34128ポリペプチド又は断片と細胞との間の複合体の存在について、当該技術でよく知られた方法でアッセイすることを含む。これらの競合結合アッセイでは、PRO34128ポリペプチド又は断片が典型的には標識される。適切なインキュベーションの後、自由なPRO34128ポリペプチド又は断片を結合形態のものから分離し、自由又は未複合の標識の量が、特定の試薬がPRO34128ポリペプチドに結合する又はPRO34128ポリペプチド/細胞複合体を阻害する能力の尺度となる。
また、本発明は、PRO34128ポリペプチドに結合可能な中和抗体がPRO34128ポリペプチド又はその断片について試験化合物と特異的に競合する競合薬剤スクリーニングアッセイの使用も考慮する。この方法において、抗体は、PRO34128ポリペプチドで、一又は複数の抗原決定基を持つ任意のペプチドの存在を検出するのに使用できる。
合理的薬物設計の目的は、関心ある生物学的活性ポリペプチド(例えば、PRO34128ポリペプチド)又はそれらが相互作用する小分子、例えばアゴニスト、アンタゴニスト、又はインヒビターの構造的類似物を製造することである。これらの例の任意のものが、PRO34128ポリペプチドのより活性で安定な形態又はインビボでPRO34128ポリペプチドの機能を向上又は阻害する薬物の創製に使用できる(参考、Hodgson, Bio/Technology, 9: 19-21 (1991))。
一つのアプローチ法では、PRO34128ポリペプチド、又はPRO34128ポリペプチド-インヒビター複合体の三次元構造が、x線結晶学により、コンピュータモデル化により、最も典型的には2つの方法の組み合わせにより決定される。分子の構造を解明し活性部位を決定するためには、PRO34128ポリペプチドの形状及び電荷の両方が確認されなければならない。数は少ないが、PRO34128ポリペプチドの構造に関する有用な情報が相同タンパク質の構造に基づいたモデル化によって得られることもある。両方の場合において、関連する構造情報は、類似PRO34128ポリペプチド様分子の設計又は効果的なインヒビターの同定に使用される。合理的な薬剤設計の有用な例は、Braxton及びWells, Biochemistry, 31: 7796-7801 (1992)に示されているような向上した活性又は安定性を持つ分子、又はAthauda等, J. Biochem., 113: 742-746 (1993)に示されているような天然ペプチドのインヒビター、アゴニスト、又はアンタゴニストとして作用する分子を含む。
本発明により、十分な量のPRO34128ポリペプチドがX線結晶学などの分析実験を実施するために入手可能である。さらに、ここに提供したPRO34128ポリペプチドアミノ酸配列の知識は、x線結晶学に換える、又はそれに加えるコンピュータモデル化技術で用いられる指針を提供する。
オリゴヌクレオチドプローブを、定量PCR増幅反応での使用のために、図1に示すPRO34128ポリペプチドコード化ヌクレオチド配列から構成した。オリゴヌクレオチドプローブを、標準的PCR反応に関連したテンプレートの3'末端から、約200−600塩基対の増幅された断片が付与されるように選択した。オリゴヌクレオチドプローブを、異なるヒト成人及び/又は胎児の組織源から単離されたcDNAライブラリーを用いた標準的な定量PCR増幅反応に使用し、アガロースゲル電気泳動により分析し、試験した種々の組織におけるPRO34128ポリペプチドコード化核酸の発現レベルを定量的に決定した。種々の異なるヒト組織型におけるPRO34128ポリペプチドコード化核酸の発現パターン又は異なる発現の知識により、転移腫瘍等の一次組織源、疾患診断等を決定するために、他の組織特異的マーカーを用いて又は用いずに、組織分類分けに有用な診断用マーカーが提供される。このアッセイの結果を図3A−Bに示す。
DNA分子 有意な発現のある組織(正常な組織)
DNA194917-3044 成人(図3A)−成人肝臓、成人小腸、成人肺、成人膵臓
胎児(図3B)−胎児脳、胎児肺、胎児骨格筋
DNA分子 有意な発現のない組織(正常な組織)
DNA194917-3044 成人(図3A)−成人心臓、成人脳、成人胎盤、成人腎臓、成人膵臓、成人前立腺、成人卵巣、成人結腸、成人胸腺、成人骨格筋、成人精巣、成人PBL
胎児(図3B)−胎児肝臓、胎児心臓、胎児脾臓、胎児腎臓、胎児胸腺
DNA分子 腫瘍パネル発現(データを示さない)
DNA194917-3044 正常な食道で発現、食道腫瘍では発現なし;正常な胃で発現、胃腫瘍で発現なし;正常な腎臓で発現なし、腎臓腫瘍で発現なし;正常な肺で発現、肺腫瘍で発現なし;正常な直腸で発現、直腸腫瘍で発現;正常な肝臓で発現、肝臓腫瘍で発現なし。
一時的に形質移入されたCOS-7細胞におけるFLAG-タグGFRアルファ1(図4A)及びFLAG-タグPRO34128(図4B)の発現を、ビオチン結合した抗FLAG抗体及びcy3-結合ストレプトアビジンを使用して検出した。CMV-14ベクター(Sigma)(図4B)又は空のベクター(図4C、D)でのプリプロ-トリプシンシグナル配列上でスプライシングされるPRO34128又はGFRアルファ1(図4A)をコードするプラスミドを、製造者の指示に従い、Fugene6TM(Roche Biosystems)を使用し、35mmの皿において、COS-7(1x10−5細胞)に形質移入した。細胞を1mlの4%パラホルムアルデヒドに固定し、形質移入48時間後に10分間染色し、5%の子ウシ血清及び2μgの抗-FLAG-M2-ビオチン抗体(Sigma)を含有する1mlのPBS中で1時間インキュベートした。ついで、細胞を3xPBSで洗浄し、5%の子ウシ血清及び10μgのストレプトアビジン-cy3(Jackson Immunolabs)を含有する、1mlのPBS中で1時間インキュベートした。細胞をPBSで2回洗浄し、染色された表面を、適切な波長のUV光を使用し、Nikon TE300TM顕微鏡で視覚化した。この実験の結果、PRO34128は、細胞膜において効率的に発現され、局在化していることが実証された。
RETは、最初はプロト癌遺伝子として発見された(Airaksinenら,(2002) Nat Rev Neurosci.(8)383-394及びTakahashi M.,(2001)Cytokine Growth Factor Rev.(12), 361-373)。その正常な機能において、RETはGFRファミリーのメンバーと結合した場合にのみ活性化される。構造的には、RETは、その細胞外ドメインの4つのカドヘリン様の繰り返しからなるシングルパス膜貫通タンパク質であり、その細胞内ドメインはチロシンキナーゼドメインを含む。GNDF-GFR1とRETのECDとの相互作用により、RETチロシンキナーゼドメインの自己リン酸化に至る。一度リン酸化されると、RETの細胞内ドメインにおけるチロシン残基は、Shc等の他の細胞内シグナルタンパク質の高親和性ドッキング部位として作用し、シグナル形質導入を容易にする。
この実験では、PRO34128を発現したプラスミドで一過性に形質移入したCOS-7細胞を、293T細胞で生産されたRET-Fc融合タンパク質で染色した。細胞に結合したRET-Fcを、ビオチン結合抗ヒトFc抗体(Jackson Immuno labs)及びcy3-結合ストレプトアビジン(Jackson Immunolabs)を使用して検出した。Fugene6TM(Roche)を使用するCMVプロモータの制御下、RET-Fcを発現した構造物を形質移入することにより、RET-Fcを293T細胞で作製した。形質移入された細胞からの条件培地を、形質移入48時間後に収集し、RET-Fc源として使用した。製造者の指示に従い、Fugene6TM(Roche)を使用し、PRO34128を発現したプラスミド(図5A、5B)又は空のベクター(図5C、5D)で、35mm皿のCOS-7細胞(1x105細胞)を形質移入した。COS-7細胞からの培地を形質移入1時間後、48時間後に、RET-Fcを含有する条件培地と置き換える。ついで、細胞をPBSで2回洗浄し、5%の子ウシ血清及び2μgのビオチン結合抗ヒトFc抗体(Jackson Immuno labs)を含有する1mlのPBSで1時間インキュベートした。細胞をPBSで2回洗浄し、1mlの4%パラホルムアルデヒドで10分間固定した。再度、細胞をPBSで2回洗浄し、5%の子ウシ血清及び10μgのストレプトアビジン-cy3(Jackson Immunolabs)を含有するPBSでインキュベートした。細胞をPBSで2回洗浄し、染色された表面を、適切な波長のUV光の存在下、Nikon TE300TM顕微鏡で視覚化した。図5Aには、RETがPRO34128と相互作用し、細胞内シグナル形質導入を活性化する可能性を有していることが示されている。
GFR1-Fc、GFR2-Fc、GFR3-Fc、GFR4-Fc及びPRO34128-Fc融合タンパク質を、Fugene6TM(Roche Biosciences)を使用し、適切な発現コンストラクトを形質移入することにより作製した。また、Fugene6TMを使用し、293T細胞において、適切な発現コンストラクトを形質移入することにより、C末端FLAG-タグGDNF、NRTN、ARTN、PSPN及びLEFTY-Bを作製した。全ての発現コンストラクトはCMVプロモータ制御下にある。形質移入48時間後に、条件培地を収集し、適切なFc融合タンパク質(図6Aに示すように)をリガンドと混合し、相互作用複合体をプロテイン-Aビーズ(Sigma)を使用して免疫沈降させた。免疫沈降したタンパク質をSDS-PAGEにて分解させ、ウエスタンブロット法で検出した。同時沈降したFLAG-タグタンパク質を、1μg/mlの最終濃度で、抗FLAG抗体(Sigma)、HRP結合抗マウス抗体(ICN Biosciences)及び化学発光基質(Amersham)を使用して検出した。FLAGタグGDNFをGFR1-Fc及びPRO34128-Fcにより同時沈降させ(図6A−それぞれ1、5レーン)、これはPRO34128がGDNF、GFR1の公知のリガンドと相互作用することを示しており、NRTN、ARTN及びPSPNとの相互作用は検出されなかった。
次の材料をアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション,10801 ユニバーシティ・ブルバード、マナッサス、バージニア20110-2209米国(ATCC)に寄託した:
材料 ATCC寄託番号 寄託日
DNA194917-3044 PTA-2985 2001年1月30日
これらの寄託は、特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約及びその規則(ブダペスト条約)の規定に従って行われた。これは、寄託の日付から30年間、寄託の生存培養物が維持されることを保証するものである。寄託物はブダペスト条約の条項に従い、またジェネンテック社とATCCとの間の合意に従い、ATCCから入手することができ、これは、何れが最初に来ようとも、関連した米国特許の発行時又は任意の米国又は外国特許出願の公開時に、寄託培養物の後代を永久かつ非制限的に入手可能とすることを保証し、米国特許法第122条及びそれに従う特許庁長官規則(特に886OG638を参照しての37CFR第1.14条を含む)に従って権利を有すると米国特許庁長官が決定した者に子孫を入手可能とすることを保証するものである。
本出願の譲受人は、寄託した材料の培養物が、適切な条件下で培養されていた場合に死亡もしくは損失又は破壊されたならば、材料は通知時に同一の他のものと速やかに取り替えることに同意する。寄託物質の入手可能性は、特許法に従いあらゆる政府の権限下で認められた権利に違反して、本発明を実施するライセンスであるとみなされるものではない。
上記の文書による明細書は、当業者に本発明を実施できるようにするために十分であると考えられる。寄託した態様は、本発明のある側面の一つの説明として意図されており、機能的に等価なあらゆる作成物がこの発明の範囲内にあるため、寄託された作成物により、本発明の範囲が限定されるものではない。ここでの材料の寄託は、ここに含まれる文書による説明が、そのベストモードを含む、本発明の任意の側面の実施を可能にするために不十分であることを認めるものではないし、それが表す特定の例証に対して請求の範囲を制限するものと解釈されるものでもない。実際、ここに示し記載したものに加えて、本発明を様々に変形することは、前記の記載から当業者にとっては明らかなものであり、添付の請求の範囲内に入るものである。
Claims (44)
- (a)図2(配列番号:2)の約1〜約394のアミノ酸残基の配列を含んでなるPRO34128ポリペプチドをコードするDNA分子、又は(b)(a)のDNA分子の相補鎖に対して、少なくとも約80%の配列同一性を有するDNAを含んでなる単離された核酸分子。
- 図1(配列番号:1)の約88〜約1269のヌクレオチド位置の配列を含んでなる、請求項1に記載の単離された核酸分子。
- 図1(配列番号:1)のヌクレオチド配列を含んでなる、請求項1に記載の単離された核酸分子。
- 図2(配列番号:2)の約1〜約394のアミノ酸残基の配列をコードするヌクレオチド配列を含んでなる、請求項1に記載の単離された核酸分子。
- (a)ATCC寄託番号PTA-2985(DNA194917-3044)で、2001年1月30日にATCCに寄託されたヒトタンパク質cDNAによりコードされる同じ成熟ポリペプチドをコードするDNA分子、又は(b)(a)のDNA分子の相補鎖に対して、少なくとも約80%の配列同一性を有するDNAを含んでなる単離された核酸分子。
- ATCC寄託番号PTA-2985(DNA194917-3044)で、2001年1月30日にATCCに寄託されたヒトタンパク質cDNAによりコードされる同じ成熟ポリペプチドをコードするDNAを含んでなる、請求項5に記載の単離された核酸分子。
- (a)ATCC寄託番号PTA-2985(DNA194917-3044)で、2001年1月30日にATCCに寄託されたヒトタンパク質cDNAの完全長ポリペプチドコード配列、又は(b)(a)のコード配列の相補鎖に対して、少なくとも約80%の配列同一性を有するDNAを含んでなる単離された核酸分子。
- ATCC寄託番号PTA-2985(DNA194917-3044)で、2001年1月30日にATCCに寄託されたヒトタンパク質cDNAの完全長ポリペプチドコード配列を含んでなる、請求項7に記載の単離された核酸分子。
- 図2(配列番号:2)のアミノ酸1〜約394をコードする核酸配列の相補鎖に対してハイブリダイズするDNAを含んでなるPRO34128ポリペプチドをコードする単離された核酸分子。
- 図2(配列番号:2)のアミノ酸1〜約394をコードする核酸が、図1(配列番号:1)のヌクレオチド88〜約1269を含んでなる、請求項9に記載の単離された核酸分子。
- ハイブリダイゼーションがストリンジェントなハイブリダイゼーション及び洗浄条件下で生じる、請求項9に記載の単離された核酸分子。
- 少なくとも約707ヌクレオチドを含み、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下、試験DNA分子を、(a)図2(配列番号:2)の1〜約394のアミノ酸残基の配列を含んでなるPRO34128ポリペプチドをコードするDNA分子、又は(b)(a)のDNA分子の相補鎖とハイブリダイゼーションさせ、試験DNA分子を単離することにより作製される、単離された核酸分子。
- (a)又は(b)に対して少なくとも約80%の配列同一性を有する、請求項12に記載の単離された核酸分子。
- 請求項1に記載の核酸分子を含んでなるベクター。
- 前記核酸分子がベクターで形質転換した宿主細胞により認識されるコントロール配列に作用可能に関連した請求項14に記載のベクター。
- 受託番号PTA-2985(DNA194917-3044)でATCCに寄託された核酸分子。
- 請求項14に記載のベクターを含んでなる宿主細胞。
- 前記細胞がCHO細胞である請求項17に記載の宿主細胞。
- 前記細胞が大腸菌である請求項17に記載の宿主細胞。
- 前記細胞が酵母細胞である請求項17に記載の宿主細胞。
- PRO34128ポリペプチドの生産方法であって、前記PRO34128ポリペプチドの発現に適した条件下で、請求項17に記載の宿主細胞を培養し、細胞培養物から前記PRO34128ポリペプチドを回収することを含んでなる方法。
- 図2(配列番号:2)の約1〜約394のアミノ酸残基の配列に対して少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなる単離されたPRO34128ポリペプチド。
- 図2(配列番号:2)のアミノ酸残基1〜約394を含んでなる、請求項22に記載の単離されたPRO34128ポリペプチド。
- ATCC寄託番号PTA-2985(DNA194917-3044)として、2001年1月30日にATCCに寄託されたベクターのcDNA挿入物によりコードされるポリペプチドに対して、少なくとも約80%の配列同一性を有する単離されたPRO34128ポリペプチド。
- ATCC寄託番号PTA-2985(DNA194917-3044)として、2001年1月30日にATCCに寄託されたベクターのcDNA挿入物によりコードされた、請求項24に記載の単離されたPRO34128ポリペプチド。
- 図2(配列番号:2)の1〜約394のアミノ酸残基の配列、又は抗PRO34128抗体への結合部位を提供するのに十分なその断片を含んでなる単離されたPRO34128ポリペプチド。
- (i)ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下、試験DNA分子を、(a)図2(配列番号:2)の1〜約394のアミノ酸残基の配列を含んでなるPRO34128ポリペプチドをコードするDNA分子、又は(b)(a)のDNA分子の相補鎖とハイブリダイゼーションさせ、(ii)前記ポリペプチドの発現に適した条件下で、前記試験DNA分子を含んでなる宿主細胞を培養し、(iii)細胞培養物から前記ポリペプチドを回収することにより生産される単離されたポリペプチド。
- 前記試験DNAが(a)又は(b)に対して少なくとも約80%の配列同一性を有する、請求項27に記載の単離されたポリペプチド。
- 異種性アミノ酸配列に融合したPRO34128ポリペプチドを含んでなるキメラ分子。
- 前記異種性アミノ酸配列がエピトープタグ配列である請求項29に記載のキメラ分子。
- 前記異種性アミノ酸配列が免疫グロブリンのFc領域である請求項29に記載のキメラ分子。
- PRO34128ポリペプチドに特異的に結合する抗体。
- 前記抗体がモノクローナル抗体である請求項32に記載の抗体。
- 前記抗体がヒト化抗体である請求項32に記載の抗体。
- 前記抗体が抗体断片である請求項32に記載の抗体。
- PRO34128ポリペプチドに対するアゴニスト。
- PRO34128ポリペプチドに対するアンタゴニスト。
- 製薬的に許容可能な担体と混合せしめられて、(a)PRO34128ポリペプチド、(b)PRO34128ポリペプチドに対するアゴニスト、(c)PRO34128ポリペプチドに対するアンタゴニスト、又は(d)抗PRO34128抗体を含有してなる物質の組成物。
- (a)Xが図2(配列番号:2)の347〜377の任意のアミノ酸である、図2(配列番号:2)のアミノ酸1〜XをコードするDNA分子、又は(b)(a)のDNA分子の相補鎖に対して少なくとも約80%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子。
- (a)Xが図2(配列番号:2)の347〜377の任意のアミノ酸である、図2(配列番号:2)のアミノ酸1〜Xをコードするヌクレオチド配列、又は(b)(a)のヌクレオチド配列の相補鎖を含んでなる、請求項39に記載の単離された核酸。
- (a)Xが図2(配列番号:2)の347〜377の任意のアミノ酸である、図2(配列番号:2)の約1〜Xのアミノ酸残基の配列と比較した場合に、少なくとも約80%ポジティブのスコアとなるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、又は(b)(a)のヌクレオチド配列の相補鎖を含んでなる単離された核酸分子。
- Xが図2(配列番号:2)の347〜377の任意のアミノ酸である、図2(配列番号:2)のアミノ酸1〜Xに対して少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなる単離された可溶性PRO34128ポリペプチド。
- Xが図2(配列番号:2)の347〜377の任意のアミノ酸である、図2(配列番号:2)のアミノ酸1〜Xを含んでなる、請求項42に記載の単離された可溶性PRO34128ポリペプチド。
- Xが図2(配列番号:2)の347〜377の任意のアミノ酸である、図2(配列番号:2)のアミノ酸1〜Xのアミノ酸配列と比較した場合に、少なくとも約80%ポジティブのスコアとなるアミノ酸配列を含んでなる単離された可溶性PRO34128ポリペプチド。
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