JP4670705B2 - 電極段差吸収ペースト及びセラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

電極段差吸収ペースト及びセラミック電子部品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電極段差吸収ペースト及びセラミック電子部品の製造方法に関する。
積層セラミックコンデンサ等のセラミック電子部品を製造する工程には、所定の導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートを複数層重ねた積層体を作製する工程が含まれる。このような技術として、例えば特許文献1に記載のセラミック電子部品の製造方法がある。この従来のセラミック電子部品の製造方法では、金属薄膜(導電パターン部分)を含む樹脂層上にセラミック粉末分散層を形成してなるセラミックグリーンシートをベースフィルム上に形成した後、ベースフィルムを剥離しながらセラミックグリーンシートを順次積層している。
特開2004−87823号公報
上述したようなセラミックグリーンシートを順次積層する際には、セラミックグリーンシート上の導電パターンは、当該セラミックグリーンシートに積層されるセラミックグリーンシートの裏側に密着させられる。ところが、従来では、電極段差吸収パターン自体の接着性については十分な考慮がなされていなかった。そのため、セラミックグリーンシートを積層してベースフィルムを剥離しようとする際に、ベースフィルム上に導電パターンとグリーンシートとが残ってしまう不良(剥離不良)が生じるおそれがあった。このような剥離不良は、セラミックグリーンシートの表面を占める電極段差吸収パターンの面積が大きくなる程顕著に発生する。
電極段差吸収パターン自体の接着性を高めるためには、電極段差吸収パターンを形成する電極段差吸収ペーストの軟化点を下げることが有効である。しかしながら、電極段差吸収ペーストの軟化点を下げることのみを追及すると、電極段差吸収パターンの裏写り不良が新たに問題となる。例えば、電極段差吸収パターンを形成したグリーンシートを、保管等の目的のためにベースフィルムごと巻き取るような場合、ベースフィルムの裏側に電極段差吸収パターンが貼り付いてしまうことがある。そこで、電極段差吸収ペーストの接着性を好適化し、セラミックグリーンシートからベースフィルムを剥離する際の剥離不良、及び電極段差吸収パターンの裏写りを効果的に抑制できる技術が望まれていた。
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、セラミックグリーンシートからベースフィルムを剥離する際の剥離不良を効果的に抑制できる電極段差吸収ペースト、及びこのような電極段差吸収ペーストを用いたセラミック電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題の解決のため、本発明に係る電極段差吸収ペーストは、セルロース樹脂、アクリル樹脂、及びブチラール樹脂のいずれか一種を主成分とするバインダと、アルキド樹脂と、可塑剤と、セラミック粉末とを含有することを特徴としている。
この電極段差吸収ペーストでは、セラミック粉末及びバインダに加えて、アルキド樹脂と可塑剤とを併せて含有させたことにより、電極段差吸収ペーストの樹脂強度を十分に確保しつつ軟化点の調整を行うことが可能となる。したがって、この電極段差吸収ペーストの軟化点を、例えばセラミックグリーンシートの仮圧着時の温度以下に下げることにより、電極段差吸収パターン自体に十分な接着性を持たせることが可能となる。これにより、セラミックグリーンシートと、このセラミックグリーンシートに積層されるセラミックグリーンシート上の導電パターンとの接着性が向上し、セラミックグリーンシートからベースフィルムを剥離する際の剥離不良を効果的に抑制できる。また、バインダの主成分として、セルロース樹脂、アクリル樹脂、及びブチラール樹脂のいずれか一種を用いることで、アルキド樹脂との優れた相溶性が確保される。
また、可塑剤の含有率が、アルキド樹脂の全体積を基準として、50体積%〜200体積%であることが好ましく、可塑剤の含有率が、バインダの主成分の全体積を基準として、10体積%〜200体積%であることも好ましい。この範囲では、電極段差吸収ペーストの接着力が好適なものとなり、ベースフィルムの剥離不良を一層確実に抑制できる。
また、アルキド樹脂の含有率が、バインダの主成分の全体積を基準として、10体積%〜100体積%であることも好ましい。この場合、電極段差吸収ペーストに良好なハンドリング性を持たせることができる。また、アルキド樹脂の含有率が、バインダの主成分の全体積を基準として、25体積%〜50体積%であることもより好ましい。
また、バインダの主成分の含有率が、セラミック粉末の全体積を基準として、5体積%〜100体積%であることも好ましい。これにより、電極段差吸収ペーストを乾燥して得られる電極段差吸収パターンの強度を十分に確保できる。
本発明に係るセラミック電子部品の製造方法は、ベースフィルム上に形成したセラミックグリーンシートを複数枚用意し、セラミックグリーンシートの表面に、上述した電極段差吸収ペーストを塗布して所定の電極段差吸収パターンをそれぞれ形成する工程と、電極段差吸収ペーストを乾燥させ、電極段差吸収パターンをセラミックグリーンシートの表面に定着させる工程と、セラミックグリーンシートと、次に積層するセラミックグリーンシートとを重ね合わせた後、セラミックグリーンシートからベースフィルムを剥離する工程を繰り返し、セラミックグリーンシートの積層体を形成する工程と、積層体を所定の温度で焼成する工程とを備えたことを特徴としている。
このセラミック電子部品の製造方法では、セラミック粉末及びバインダに加え、電極段差吸収ペーストにアルキド樹脂と可塑剤とを併せて含有させたことにより、電極段差吸収ペーストの樹脂強度を十分に確保しつつ軟化点の調整を行うことが可能となる。したがって、この電極段差吸収ペーストの軟化点を、例えばセラミックグリーンシートの仮圧着時の温度以下に下げることにより、電極段差吸収パターン自体に十分な接着性を持たせることが可能となる。これにより、セラミックグリーンシートと、このセラミックグリーンシートに積層されるセラミックグリーンシート上の電極段差吸収パターンとの接着性が向上し、セラミックグリーンシートからベースフィルムを剥離する際の剥離不良を効果的に抑制できる。
以上説明したように、本発明に係る電極段差吸収ペースト及びセラミック電子部品の製造方法によれば、セラミックグリーンシートからベースフィルムを剥離する際の剥離不良を効果的に抑制できる。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る電極段差吸収ペースト及びセラミック電子部品の製造方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係るセラミック電子部品の製造方法の一実施形態によって製造されるセラミックコンデンサの構成を示す斜視図である。また、図2は、図1におけるII−II線断面図である。図1及び図2に示すように、セラミックコンデンサ1は、略直方体形状をなす素子部2と、素子部2の長手方向の両端部に形成された1対の端子電極3,3とを備えている。
素子部2は、図2に示すように、誘電体層4と内部電極層5とが交互に積層されて構成されている。このような素子部2は、図3に示すように、矩形の内部電極層5が形成された誘電体層4を順次積層することによって形成される。また、素子部2の積層方向の両端には、内部電極層5が形成されていない誘電体層6が保護層としてそれぞれ積層されている。なお、図2では簡略化されているが、誘電体層4は、実際には約300層程度積層されている。
上下に隣り合う内部電極層5,5同士は、一定の面積で対向していると共に、誘電体層4によって互いに電気的に絶縁されている。また、内部電極層5,5は、誘電体層4の端まで延在し、互いに異なる一方の端子電極3,3に電気的に接続されている。したがって、端子電極3,3に所定の電圧を印加すると、上下で対向する内部電極層5,5間に、対向面積に比例する電荷が蓄えられる。
次に、上述した構成を有するセラミックコンデンサ1の製造方法について説明する。
セラミックコンデンサ1を製造するにあたり、まず、図4(a)に示すように、ベースフィルム10と、セラミックグリーンシート20の形成に用いる誘電体ペースト30とを準備する。ベースフィルム10は、例えばPET(ポリエチレンテレフタラート)のような可撓性を有する樹脂によって形成されている。
また、誘電体ペースト30は、例えばBaTiO3を主成分とする誘電体粉末と、ブチラール樹脂を主成分とする有機バインダとを混合してスラリー化したものが用いられる。この誘電体ペースト30をベースフィルム10上に塗布し、例えばドクターブレード法によって誘電体ペースト30をシート状に成形した後、適宜乾燥することにより、同図に示すように、ベースフィルム10上にセラミックグリーンシート20を形成する。このとき、同様の手順により、誘電体層6(図2参照)用のセラミックグリーンシート20も別途形成する。
次に、導電パターン40の形成に用いる導電性ペースト50を準備する。この導電性ペースト50は、例えばNi粉末(導電性粉末)を、エチルセルロース(セルロース系樹脂)を主成分とするバインダ、及び例えばターピネオールなどの有機溶剤に分散させてペースト状にしたものである。この導電性ペースト50において、エチルセルロースの含有率は、Ni粉末の全体積を基準として、5体積%〜100体積%となっており、好ましくは20体積%〜50体積%となっている。
また、導電性ペースト50は、上述したNi粉末、バインダ、及び有機溶剤に加えて、アルキド樹脂と可塑剤とを更に含有している。アルキド樹脂は、バインダの主成分であるエチルセルロースとの間で優れた相溶性を有しており、例えばフタルキッド(日立化成工業株式会社製、商品名)を用いることができる。また、可塑剤としては、例えばフタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチルを用いることが好ましく、その他、アジピン酸ジオクチル、フタル酸ブチルブチレングリコール、フタル酸ジドデシル、フタル酸ベンジルブチル、セバシン酸ジブチル等を用いることができる。
可塑剤の含有率は、アルキド樹脂の全体積を基準として、50体積%〜200体積%となっている。また、可塑剤の含有率は、エチルセルロースの全体積を基準として、10体積%〜200体積%となっており、好ましくは30体積%〜150体積%となっている。一方、アルキド樹脂の含有率は、エチルセルロースの全体積を基準として、10体積%〜100体積%となっており、好ましくは25体積%〜50体積%となっている。
このような導電性ペースト50を、図4(b)に示すように、例えばスクリーン印刷によってセラミックグリーンシート20上に矩形に印刷する。そして、この導電性ペースト50を適宜乾燥させることにより、導電パターン40をセラミックグリーンシート20に定着させる。
セラミックグリーンシート20上において、導電パターン40を形成しない部分には、電極段差吸収ペースト70を印刷して適宜乾燥させることにより、電極段差吸収層60を形成する。
電極段差吸収ペースト70は、例えばBaTiOを主成分とする誘電体粉末(セラミック粉末)を、エチルセルロース(セルロース系樹脂)を主成分とするバインダ、及び例えばターピネオールなどの有機溶剤に分散させてペースト状にしたものである。この電極段差吸収ペースト70において、エチルセルロースの含有率は、誘電体粉末の全体積を基準として、5体積%〜100体積%となっており、好ましくは20体積%〜50体積%となっている。
また、電極段差吸収ペースト70は、上述した誘電体粉末、バインダ、及び有機溶剤に加えて、アルキド樹脂と可塑剤とを更に含有している。アルキド樹脂は、バインダの主成分であるエチルセルロースとの間で優れた相溶性を有しており、例えばフタルキッド(日立化成工業株式会社製、商品名)を用いることができる。また、可塑剤としては、例えばフタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチルを用いることが好ましく、その他、アジピン酸ジオクチル、フタル酸ブチルブチレングリコール、フタル酸ジドデシル、フタル酸ベンジルブチル、セバシン酸ジブチル等を用いることができる。
可塑剤の含有率は、アルキド樹脂の全体積を基準として、50体積%〜200体積%となっている。また、可塑剤の含有率は、エチルセルロースの全体積を基準として、10体積%〜200体積%となっており、好ましくは30体積%〜150体積%となっている。一方、アルキド樹脂の含有率は、エチルセルロースの全体積を基準として、5体積%〜200体積%となっており、好ましくは20体積%〜100体積%となっている。
尚、バインダとしては、セルロース樹脂の他、アクリル樹脂やブチラール樹脂を用いても良い。
以下、同様の手順を繰り返し、導電パターン40を有するセラミックグリーンシート20を順次作製する。
次に、図4(c)に示すように、セラミックグリーンシート20の裏面側からベースフィルム10を剥離する。そして、図5(a)に示すように、ベースフィルム10を剥離したセラミックグリーンシート20の裏面と、次に積層されるセラミックグリーンシート20の導電パターン40とが密着するようにして、セラミックグリーンシート20,20を重ね合わせる。セラミックグリーンシート20,20を重ね合わせた後、図5(b)に示すように、下層のセラミックグリーンシート20からベースフィルム10を剥離する。以下、同様の手順を繰り返し、セラミックグリーンシート20を順次積層する。
セラミックグリーンシート20の積層が完了した後、誘電体層6用のセラミックグリーンシート20を積層方向の両端面にそれぞれ積層すると、図6に示すように、セラミックグリーンシート20,20の積層体80が完成する。そして、この積層体80をプレス圧着した後チップ化し、チップ化した積層体80を焼成する。これにより、図1〜図2に示したセラミックコンデンサ1の素子部2が得られる。そして、素子部2の両端部に端子電極3,3をそれぞれ形成し、この端子電極3,3に所定のめっき処理を施すことにより、セラミックコンデンサ1が完成する。
以上説明したように、このセラミック電子部品の製造方法では、誘電体粉末及びバインダに加え、電極段差吸収ペースト70にアルキド樹脂と可塑剤とを併せて含有させている。そのため、電極段差吸収ペースト70の樹脂強度を十分に確保しつつ軟化点の調整を行うことが可能となる。
したがって、この電極段差吸収ペースト70の軟化点を、例えばセラミックグリーンシート20の仮圧着時の温度(約50℃〜約150℃)以下に下げることにより、電極段差吸収パターン60自体に十分な接着性を持たせることができる。これにより、セラミックグリーンシート20と、このセラミックグリーンシート20に積層されるセラミックグリーンシート20上の電極段差吸収パターン60との接着性が向上し、セラミックグリーンシート20からベースフィルム10を剥離する際の剥離不良を効果的に抑制できる。また、バインダの主成分として、エチルセルロースを用いることで、アルキド樹脂との優れた相溶性が確保されている。
また、電極段差吸収ペースト70において、エチルセルロースの含有率は、誘電体粉末の全体積を基準として、5体積%〜100体積%となっている。これにより、電極段差吸収ペーストを乾燥して得られる電極段差吸収パターンの強度を十分に確保できる。一方、アルキド樹脂の含有率は、エチルセルロースの全体積を基準として、5体積%〜200体積%となっている。かかる範囲でアルキド樹脂を含有させることにより、ハンドリング性が良好となる。
さらに、可塑剤の含有率は、アルキド樹脂の全体積を基準として、50体積%〜200体積%となっており、エチルセルロースの全体積を基準として、10体積%〜200体積%となっている。これにより、電極段差吸収ペースト70の接着力が好適なものとなり、ベースフィルム10の剥離不良の発生を一層確実に抑制できる。
続いて、上述した電極段差吸収ペーストを用いたセラミック電子部品の製造方法において、ベースフィルムを剥離する際の剥離不良を抑制する効果を検証するために行った実験について説明する。
本実験は、誘電体粉末、バインダ、アルキド樹脂、及び可塑剤をそれぞれ含有する試験用の電極段差吸収ペーストについて各材料の含有率を変化させ、電極段差吸収ペーストの接着力と、この電極段差吸収ペーストを用いて電極段差吸収パターンを形成した場合におけるベースフィルムの剥離不良の発生の有無とを検証したものである。
誘電体粉末にはBaTiO粉末を用い、バインダの主成分にはエチルセルロースを用いた。また、アルキド樹脂にはフタルキッド(日立化成工業株式会社製、商品名)を用い、可塑剤にはフタル酸ジオクチルを用いた。そして、BaTiO粉末の含有率を基準(100体積%)とした場合に、エチルセルロースの含有率を3体積%〜150体積%の範囲で変化させた。また、フタルキッドの含有率を1.05体積%〜87.5%の範囲で変化させ、フタル酸ジオクチルの含有率を1.75体積%〜150体積%の範囲で変化させた。
図7は、その実験結果を示す図である。図7に示すように、エチルセルロースの含有率がBaTiO粉末の全体積の5体積%〜100体積%の範囲では、約50N〜約200Nの接着力が得られ、剥離不良の発生は生じなかった(図7上段参照)。また、エチルセルロースの含有率及びフタル酸ジオクチルの含有率をBaTiO粉末の全体積の35体積%に固定した場合、フタルキッドの含有率がBaTiO粉末の全体積の1.75体積%〜70体積%(エチルセルロースの全体積の5体積%〜200体積%)の範囲では、約70N〜約170Nの接着力が得られ、剥離不良の発生は生じなかった(図7中段参照)。
そして、エチルセルロースの含有率をBaTiO粉末の全体積の35体積%に固定し、フタルキッドの含有率をBaTiO粉末の全体積の17.5体積%に固定した場合、フタル酸ジオクチルの含有率がBaTiO粉末の全体積の3.5体積%〜70体積%(エチルセルロースの全体積の10体積%〜200体積%)の範囲では、約80N〜約130Nの接着力が得られ、剥離不良の発生は生じなかった(図7下段参照)。
これらの結果から、誘電体粉末及びエチルセルロースを主成分とするバインダに、アルキド樹脂と可塑剤とを更に含有させ、これらの材料の含有率を規定した本発明に係る電極段差吸収ペーストが、ベースフィルムの剥離不良の発生を効果的に抑制できることが確認できた。
本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば上述した実施形態では、電極段差吸収パターン60を有するセラミックグリーンシート20を順次積層して積層体80を形成しているが、素子部2における内部電極層5,5間の間隔を調整するため、セラミックグリーンシート20,20の間に、電極段差吸収パターン60を形成していないセラミックグリーンシートを適宜積層してもよい。
また、上述した実施形態では、導電性ペースト50の導電性粉末としてBaTiO粉末を用いているが、BaTiO粉末の他、CaTiO,SrTiO等を用いることができる。さらに、上記実施形態では、アルキド樹脂との相溶性を考慮して、バインダの主成分としてセルロース樹脂を用いているが、バインダの主成分にはアクリル樹脂やブチラール樹脂を用いることもできる。
本発明の一実施形態に係るセラミック電子部品の製造方法によって製造されるセラミックコンデンサの構成を示す斜視図である。 図1におけるII−II線断面図である。 各誘電体層に形成される内部電極層の構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係るセラミック電子部品の製造方法を示す図である。 図4の後続の工程を示す図である。 図5の後続の工程を示す図である。 本実施形態に係る電極段差吸収ペーストによるベースフィルムの剥離不良の発生の抑制効果を実証した実験の実験結果を示す図である。
符号の説明
1…セラミックコンデンサ、10…ベースフィルム、20…セラミックグリーンシート、40…導電パターン、50…導電性ペースト、60…電極段差吸収パターン、70…電極段差吸収ペースト、80…積層体。

Claims (6)

  1. セルロース樹脂、アクリル樹脂、及びブチラール樹脂のいずれか一種を主成分とするバインダと、アルキド樹脂と、可塑剤と、セラミック粉末とを含有し、
    前記可塑剤の含有率が、前記アルキド樹脂の全体積を基準として、50体積%〜200体積%であり、
    前記可塑剤の含有率が、前記バインダの主成分の全体積を基準として、10体積%〜200体積%である電極段差吸収ペースト。
  2. 前記アルキド樹脂の含有率が、前記バインダの主成分の全体積を基準として、10体積%〜100体積%である請求項1に記載の電極段差吸収ペースト。
  3. 前記バインダの主成分の含有率が、前記セラミック粉末の全体積を基準として、5体積%〜100体積%である請求項1又は2に記載の電極段差吸収ペースト。
  4. 前記可塑剤が、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、フタル酸ブチルブチレングリコール、フタル酸ジドデシル、フタル酸ベンジルブチル、又はセバシン酸ジブチルである請求項1〜のいずれか一項記載の電極段差吸収ペースト。
  5. ベースフィルム上に形成したセラミックグリーンシートを複数枚用意し、前記セラミックグリーンシートの表面に、請求項1〜のいずれか一項記載の電極段差吸収ペーストを塗布して所定の電極段差吸収パターンをそれぞれ形成する工程と、
    前記電極段差吸収ペーストを乾燥させ、前記電極段差吸収パターンを前記セラミックグリーンシートの表面に定着させる工程と、
    前記セラミックグリーンシートと、次に積層するセラミックグリーンシートとを重ね合わせた後、前記セラミックグリーンシートから前記ベースフィルムを剥離する工程を繰り返し、前記セラミックグリーンシートの積層体を形成する工程と、
    前記積層体を所定の温度で焼成する工程とを備えたセラミック電子部品の製造方法。
  6. 前記セラミックグリーンシートの表面に、アルキド樹脂と可塑剤とを含む導電性ペーストを用いて導電パターンを形成する工程を更に備えたことを特徴とする請求項に記載のセラミック電子部品の製造方法。
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