JP2005159099A - 積層電子部品用の積層体ユニットの製造方法、積層体ユニットを含む積層電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法および積層電子部品の製造装置 - Google Patents

積層電子部品用の積層体ユニットの製造方法、積層体ユニットを含む積層電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法および積層電子部品の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 セラミックグリーンシートの変形および破壊を防止するとともに、電極ペースト中の溶剤がセラミックグリーンシート中に染み込むことを防止することができ、セラミックグリーンシートと電極層とが積層された積層体ユニットを製造することができる積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法を提供する。
【解決手段】 第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg+α)以下に設定する(ここに、Tgは第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、第二の支持シートの温度が、Tg未満に保持可能で、かつ、接着層10と電極層6およびスペーサ層7との接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)ことを特徴とする積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法。
【選択図】図6

Description

本発明は、セラミックグリーンシートと電極層とが積層された積層電子部品用の積層体ユニットの製造方法および積層体ユニットを含む積層電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法に関するものであり、さらに詳細には、セラミックグリーンシートの変形および破壊を防止するとともに、電極ペースト中の溶剤がセラミックグリーンシート中に染み込むことを効果的に防止することができ、セラミックグリーンシートと電極層とが積層された積層体ユニットを、所望のように、製造することができる積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法および積層体ユニットを含む積層電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法に関するものである。
本発明はまた、セラミックグリーンシートと電極層とが積層された積層体ユニットを含む積層電子部品を、所望のように、製造することができる積層電子部品の製造装置に関するものである。
近年、各種電子機器の小型化にともなって、電子機器に実装される電子部品の小型化および高性能化が要求されるようになっており、積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック電子部品においても、積層数の増加、積層単位の薄層化が強く要求されている。
積層セラミックコンデンサによって代表される積層セラミック電子部品を製造するためには、まず、セラミック粉末と、アクリル樹脂、ブチラール樹脂などのバインダと、フタル酸エステル類、グリコール類、アジピン酸、燐酸エステル類などの可塑剤と、トルエン、メチルエチルケトン、アセトンなどの有機溶媒を混合分散して、誘電体ペーストを調製する。
次いで、誘電体ペーストを、エクストルージョンコーターやグラビアコーターを用いて、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリプロピレン(PP)などによって形成された支持シート上に、塗布し、加熱して、塗膜を乾燥させ、セラミックグリーンシートを作製する。
さらに、セラミックグリーンシート上に、ニッケルなどの電極ペーストを、スクリーン印刷機などによって、所定のパターンで、印刷し、乾燥させて、電極層を形成する。
電極層が形成されると、電極層が形成されたセラミックグリーンシートを支持シートから剥離して、セラミックグリーンシートと電極層を含む積層体ユニットを形成し、所望の数の積層体ユニットを積層して、加圧し、得られた積層体を、チップ状に切断して、グリーンチップを作製する。
最後に、グリーンチップからバインダを除去して、グリーンチップを焼成し、外部電極を形成することによって、積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック電子部品が製造される。
電子部品の小型化および高性能化の要請によって、現在では、積層セラミックコンデンサの層間厚さを決定するセラミックグリーンシートの厚さを3μmあるいは2μm以下にすることが要求され、300以上のセラミックグリーンシートと電極層を含む積層体ユニットを積層することが要求されている。
しかしながら、きわめて薄いセラミックグリーンシートに、内部電極用の電極ペーストを印刷して、電極層を形成する場合には、電極ペースト中の溶剤が、セラミックグリーンシートのバインダ成分を溶解または膨潤させ、その一方で、セラミックグリーンシート中に、電極ペーストが染み込むという不具合があり、短絡不良の原因になるという問題があった。
そこで、特開昭63−51616号公報および特開平3−250612号公報は、内部電極パターンペーストを、別の支持シートに印刷して、電極層を形成した後に、電極層を乾燥させ、乾燥した電極層を、セラミックグリーンシートの表面に熱転写する方法を提案している。
特開昭63−51616号公報 特開平3−250612号公報
しかしながら、この方法では、セラミックグリーンシートの表面に転写された電極層から、支持シートを剥離することが難しいという問題があった。
また、乾燥した電極層を、セラミックグリーンシートの表面に熱転写して、接着するためには、高温下で、高い圧力を加える必要があり、したがって、セラミックグリーンシートおよび電極層が変形し、場合によっては、セラミックグリーンシートが部分的に破壊するという問題があった。
したがって、本発明は、セラミックグリーンシートの変形および破壊を防止するとともに、電極ペースト中の溶剤がセラミックグリーンシート中に染み込むことを防止することができ、セラミックグリーンシートと電極層とが積層された積層体ユニットを、所望のように、製造することができる積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法、積層体ユニットを含む積層電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法および積層電子部品の製造装置を提供することを目的とするものである。
本発明の別の目的は、セラミックグリーンシートと電極層とが積層された積層体ユニットを含む積層電子部品を、所望のように、製造することができる積層電子部品の製造装置を提供することにある。
本発明のかかる目的は、その表面に、接着層が形成された第一の支持シートと、その表面に、剥離層、電極層および前記電極層と相補的なパターンで形成されたスペーサ層が積層された第二の支持シートを、互いに対向し、温度制御された第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの間に、前記第一の支持シートが前記第一の加圧ローラに接触し、前記第二の支持シートが前記第二の加圧ローラに接触するように供給し、前記第一の加圧ローラおよび前記第二の加圧ローラによって、前記第一の支持シートおよび前記第二の支持シートを加圧して、前記接着層と前記電極層および前記スペーサ層とを接着し、前記第一の支持シートを前記接着層から剥離して、前記接着層を前記電極層および前記スペーサ層の表面に転写し、積層セラミック電子部品用の積層体ユニットを製造する方法であって、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)以下に設定する(ここに、Tgは前記第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、前記第二の支持シートの温度が、前記第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、前記接着層と前記電極層および前記スペーサ層との接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)ことを特徴とする積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法によって達成される。
本発明によれば、電極層およびスペーサ層の表面に接着された接着層を介して、セラミックグリーンシートを、電極層およびスペーサ層の表面に転写して、積層体ユニットを作製することが可能になるから、低い圧力で、セラミックグリーンシートを、電極層およびスペーサ層の表面に転写することができ、したがって、セラミックグリーンシートの変形および破壊を確実に防止して、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層を含む積層体ユニットを製造することが可能になる。
また、本発明によれば、電極層およびスペーサ層を、第二の支持シートの表面に形成して、乾燥させた後に、接着層を介して、セラミックグリーンシートの表面に接着させることが可能になるから、電極ペースト中の溶剤が、セラミックグリーンシートのバインダ成分を溶解または膨潤させることを確実に防止することができ、同時に、セラミックグリーンシート中に、電極ペーストが染み込むことを確実に防止して、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層を含む積層体ユニットを製造することが可能になる。
さらに、本発明によれば、接着層を、第一の支持シートの表面に形成し、乾燥させた後に、電極層およびスペーサ層の表面に転写することが可能になるから、接着剤溶液が、電極層およびスペーサ層に染み込むことを確実に防止して、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層を含む積層体ユニットを製造することが可能になる。
また、本発明によれば、接着層を、第一の支持シートの表面に形成して、乾燥させた後に、電極層およびスペーサ層の表面に転写し、接着層を介して、電極層およびスペーサ層と、セラミックグリーンシートを接着することが可能になるから、接着剤溶液が、セラミックグリーンシートに染み込むことを確実に防止して、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層を含む積層体ユニットを製造することが可能になる。
さらに、セラミックグリーンシート上に、所定のパターンで、電極層が形成された多数の積層体ユニットを積層する場合には、電極層の表面と、電極層が形成されていないセラミックグリーンシートの表面との間に、段差が形成されているため、多数の積層体ユニットが積層された積層体が変形し、あるいは、デラミネーションが発生することがあるが、本発明によれば、剥離層の表面に、電極層と相補的なパターンで、スペーサ層が形成されているから、こうして得られた多数の積層体ユニットを積層して、作製された積層体が変形を起こすことを効果的に防止することが可能になるとともに、デラミネーションの発生を効果的に防止することが可能になる。
また、本発明によれば、第一の加圧ローラの温度がT1に設定され、第二の加圧ローラの温度が(Tg+α)以下に設定されている(ここに、Tgは第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、第二の支持シートの温度が、第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、接着層と電極層およびスペーサ層との接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)から、第二の支持シートの温度を第二の支持シートのガラス転移点温度Tg未満に保持しつつ、接着層と、電極層およびスペーサ層との接触面を、十分な接着強度が得られる温度に加熱することができ、したがって、第二の支持シートに皺が発生することを防止しつつ、接着層と、電極層およびスペーサ層とを、所望の接着強度で、接着することが可能になるから、接着層の表面に、さらに、セラミックグリーンシートおよび第二の接着層を、順次、転写して、第二の支持シートの表面に、剥離層、電極層、スペーサ層、接着層、セラミックグリーンシートおよび第二の接着層が積層された積層体ユニットを形成し、第二の支持シートの表面に形成された積層体ユニット上に、次々に、第二の支持シートの表面に形成された積層体ユニットを積層して、積層セラミック部品を作製する際に、第二の支持シートに形成された皺に起因する不具合が生じることを効果的に防止することが可能になる。
本発明の前記目的はまた、その表面に、セラミックグリーンシートが形成された第一の支持シートと、その表面に、剥離層、電極層、前記電極層と相補的なパターンで形成されたスペーサ層および接着層が積層された第二の支持シートを、互いに対向し、温度制御された第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの間に、前記第一の支持シートが前記第一の加圧ローラに接触し、前記第二の支持シートが前記第二の加圧ローラに接触するように供給し、前記第一の加圧ローラおよび前記第二の加圧ローラによって、前記第一の支持シートおよび前記第二の支持シートを加圧して、前記セラミックグリーンシートと前記接着層とを接着し、前記第一の支持シートを前記セラミックグリーンシートから剥離して、前記セラミックグリーンシートを前記接着層の表面に転写し、積層セラミック電子部品用の積層体ユニットを製造する方法であって、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)以下に設定する(ここに、Tgは前記第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、前記第二の支持シートの温度が、前記第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、前記セラミックグリーンシートと前記接着層との接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)ことを特徴とする積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法によって達成される。
本発明によれば、電極層およびスペーサ層の表面に接着された接着層を介して、セラミックグリーンシートが、電極層およびスペーサ層の表面に転写されて、積層体ユニットが作製されているから、低い圧力で、セラミックグリーンシートを、電極層およびスペーサ層の表面に転写することができ、したがって、セラミックグリーンシートの変形および破壊を確実に防止して、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層を含む積層体ユニットを製造することが可能になる。
また、本発明によれば、電極層およびスペーサ層を、第二の支持シートの表面に形成して、乾燥させた後に、接着層を介して、セラミックグリーンシートの表面に接着させることが可能になるから、電極ペースト中の溶剤が、セラミックグリーンシートのバインダ成分を溶解または膨潤させることを確実に防止することができ、同時に、セラミックグリーンシート中に、電極ペーストが染み込むことを確実に防止して、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層を含む積層体ユニットを製造することが可能になる。
さらに、本発明によれば、接着層を、第一の支持シートの表面に形成して、乾燥させた後に、電極層およびスペーサ層の表面に転写し、接着層を介して、電極層およびスペーサ層と、セラミックグリーンシートを接着することが可能になるから、接着剤溶液が、セラミックグリーンシートに染み込むことを確実に防止して、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層を含む積層体ユニットを製造することが可能になる。
また、セラミックグリーンシート上に、所定のパターンで、電極層が形成された多数の積層体ユニットを積層する場合には、電極層の表面と、電極層が形成されていないセラミックグリーンシートの表面との間に、段差が形成されているため、多数の積層体ユニットが積層された積層体が変形し、あるいは、デラミネーションが発生することがあるが、本発明によれば、剥離層の表面に、電極層と相補的なパターンで、スペーサ層が形成されているから、こうして得られた多数の積層体ユニットを積層して、作製された積層体が変形を起こすことを効果的に防止することが可能になるとともに、デラミネーションの発生を効果的に防止することが可能になる。
さらに、本発明によれば、第一の加圧ローラの温度がT1に設定され、第二の加圧ローラの温度が(Tg+α)以下に設定されている(ここに、Tgは第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、第二の支持シートの温度が、第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、セラミックグリーンシートと接着層との接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)から、第二の支持シートの温度を第二の支持シートのガラス転移点温度Tg未満に保持しつつ、セラミックグリーンシートと、接着層との接触面を、十分な接着強度が得られる温度に加熱することができ、したがって、第二の支持シートに皺が発生することを防止しつつ、セラミックグリーンシートと、接着層とを、所望の接着強度で、接着することが可能になるから、セラミックグリーンシートの表面に、さらに、第二の接着層を転写して、第二の支持シートの表面に、剥離層、電極層、スペーサ層、接着層、セラミックグリーンシートおよび第二の接着層が積層された積層体ユニットを形成し、第二の支持シートの表面に形成された積層体ユニット上に、次々に、第二の支持シートの表面に形成された積層体ユニットを積層して、積層セラミック部品を作製する際に、第二の支持シートに形成された皺に起因する不具合が生じることを効果的に防止することが可能になる。
本発明の前記目的はまた、その表面に、第一の接着層が形成された第一の支持シートと、その表面に、剥離層、電極層、前記電極層と相補的なパターンで形成されたスペーサ層、第二の接着層およびセラミックグリーンシートが積層されて形成された積層体ユニットを備えた第二の支持シートを、互いに対向し、温度制御された第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの間に、前記第一の支持シートが前記第一の加圧ローラに接触し、前記第二の支持シートが前記第二の加圧ローラに接触するように供給し、前記第一の加圧ローラおよび前記第二の加圧ローラによって、前記第一の支持シートおよび前記第二の支持シートを加圧して、前記第一の接着層と前記セラミックグリーンシートとを接着し、前記第一の支持シートを前記第一の接着層から剥離して、前記第一の接着層を前記セラミックグリーンシートの表面に転写し、少なくとも1つの積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットを製造する方法であって、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)以下に設定する(ここに、Tgは前記第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、前記第二の支持シートの温度が、前記第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、前記接着層と前記セラミックグリーンシートとの接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)ことを特徴とする少なくとも1つの積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法によって達成される。
本発明によれば、電極層およびスペーサ層の表面に接着された第二の接着層を介して、セラミックグリーンシートが、電極層およびスペーサ層の表面に転写され、さらに、セラミックグリーンシートの表面に、第一の接着層が転写されて、積層体ユニットが作製されているから、低い圧力で、セラミックグリーンシートを、電極層およびスペーサ層の表面に転写することができ、したがって、セラミックグリーンシートの変形および破壊を確実に防止して、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層を含む積層体ユニットを製造することが可能になる。
また、本発明によれば、電極層およびスペーサ層を、第二の支持シートの表面に形成して、乾燥させた後に、第二の接着層を介して、セラミックグリーンシートの表面に接着させることが可能になるから、電極ペースト中の溶剤が、セラミックグリーンシートのバインダ成分を溶解あるいは膨潤させることを確実に防止することができ、同時に、セラミックグリーンシート中に、電極ペーストが染み込むことを確実に防止して、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層を含む積層体ユニットを製造することが可能になる。
さらに、本発明によれば、第一の接着層を、第一の支持シートの表面に形成し、乾燥させた後に、セラミックグリーンシートの表面に転写することが可能になるから、接着剤溶液が、セラミックグリーンシートに染み込むことを確実に防止して、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層を含む積層体ユニットを製造することが可能になる。
また、セラミックグリーンシート上に、所定のパターンで、電極層が形成された多数の積層体ユニットを積層する場合には、電極層の表面と、電極層が形成されていないセラミックグリーンシートの表面との間に、段差が形成されているため、多数の積層体ユニットが積層された積層体が変形し、あるいは、デラミネーションが発生することがあるが、本発明によれば、剥離層の表面に、電極層と相補的なパターンで、スペーサ層が形成されているから、こうして得られた多数の積層体ユニットを積層して、作製された積層体が変形を起こすことを効果的に防止することが可能になるとともに、デラミネーションの発生を効果的に防止することが可能になる。
さらに、本発明によれば、第一の加圧ローラの温度がT1に設定され、第二の加圧ローラの温度が(Tg+α)以下に設定されている(ここに、Tgは第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、第二の支持シートの温度が、第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、接着層とセラミックグリーンシートとの接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)から、第二の支持シートの温度を第二の支持シートのガラス転移点温度Tg未満に保持しつつ、接着層とセラミックグリーンシートとの接触面を、十分な接着強度が得られる温度に加熱することができ、したがって、第二の支持シートに皺が発生することを防止しつつ、接着層とセラミックグリーンシートとを、所望の接着強度で、接着して、積層体ユニットを作製することが可能になるから、第二の支持シートの表面に形成された剥離層、電極層、スペーサ層、第二の接着層、セラミックグリーンシートおよび第一の接着層が積層された積層体ユニット上に、次々に、第二の支持シートの表面に形成された積層体ユニットを積層して、積層セラミック部品を作製する際に、第二の支持シートに形成された皺に起因する不具合が生じることを効果的に防止することが可能になる。
本発明の前記目的はまた、その表面に、第一の剥離層、第一の電極層および前記第一の電極層と相補的なパターンで形成された第一のスペーサ層が形成された第一の支持シートと、その表面に、第二の剥離層、第二の電極層、前記第二の電極層と相補的なパターンで形成された第二のスペーサ層、第一の接着層およびセラミックグリーンシートが積層された積層体ユニットと、第二の接着層とが形成された第二の支持シートを、互いに対向し、温度制御された第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの間に、前記第一の支持シートが前記第一の加圧ローラに接触し、前記第二の支持シートが前記第二の加圧ローラに接触するように供給し、前記第一の加圧ローラおよび前記第二の加圧ローラによって、前記第一の支持シートおよび前記第二の支持シートを加圧して、前記第一の電極層および前記第一のスペーサ層と前記第二の接着層とを接着し、前記第一の支持シートを前記第一の剥離層から剥離して、前記第一の電極層、前記第一のスペーサ層および前記第一の剥離層を前記第二の接着層の表面に転写し、少なくとも1つの積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットを製造する方法であって、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)以下に設定する(ここに、Tgは前記第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、前記第二の支持シートの温度が、前記第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、前記第一の電極層および前記第一のスペーサ層と前記第二の接着層との接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)ことを特徴とする少なくとも1つの積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法によって達成される。
本発明によれば、第一の加圧ローラの温度がT1に設定され、第二の加圧ローラの温度が、(Tg+α)以下に設定されている(ここに、Tgは第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、第二の支持シートの温度が、第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、第一の電極層および第一のスペーサ層と第二の接着層との接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)から、第二の支持シートの温度を第二の支持シートのガラス転移点温度Tg未満に保持しつつ、第一の支持シートの表面に形成された第一の電極層および第一のスペーサ層と、第二の接着層との接触面を、十分な接着強度が得られる温度に加熱することができ、したがって、第二の支持シートに皺が発生することを防止しつつ、第一の支持シートの表面に形成された第一の電極層および第一のスペーサ層と、第二の接着層とを、所望の接着強度で、接着することが可能になるから、第一の剥離層の表面に、さらに、接着層を転写し、接着層の表面に、セラミックグリーンシートを転写し、セラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写し、接着層の表面に、電極層、スペーサ層および剥離層を転写し、剥離層の表面に、接着層を転写し、接着層の表面に、セラミックグリーンシートを転写する工程を繰り返して、所定の数の積層体ユニットを含む積層体ユニットセットを、第二の支持シート上に形成し、積層体ユニットセットの表面側に位置するセラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写した後に、第二の支持シートを積層体ユニットセットから剥離し、あるいは、2つの積層体ユニットを含む積層体ユニットセットを、第二の支持シート上に形成し、積層体ユニットセットの表面側に位置するセラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写した後に、第二の支持シートを積層体ユニットセットから剥離し、積層体ユニットセットを、所定のサイズに裁断して、積層体ブロックを作製し、多数の積層体ブロックを加圧し、積層して、積層セラミック部品を作製する際に、第二の支持シートに形成された皺に起因する不具合が生じることを効果的に防止することが可能になる。
本発明の前記目的はまた、その表面に、第一の接着層が形成された第一の支持シートと、その表面に、第一の剥離層、第一の電極層、前記第一の電極層と相補的なパターンで形成された第一のスペーサ層、第二の接着層およびセラミックグリーンシートが積層された積層体ユニットと、第三の接着層と、第二の電極層と、前記第二の電極層と相補的なパターンで形成された第二のスペーサ層と、第二の剥離層とが形成された第二の支持シートとを、互いに対向し、温度制御された第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの間に、前記第一の支持シートが前記第一の加圧ローラに接触し、前記第二の支持シートが前記第二の加圧ローラに接触するように供給し、前記第一の加圧ローラおよび前記第二の加圧ローラによって、前記第一の支持シートおよび前記第二の支持シートを加圧して、前記第一の接着層と前記第二の剥離層とを接着し、前記第一の支持シートを前記第一の接着層から剥離して、前記第一の接着層を前記第二の剥離層の表面に転写し、少なくとも1つの積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットを製造する方法であって、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)以下に設定する(ここに、Tgは前記第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、前記第二の支持シートの温度が、前記第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、前記第一の接着層と前記第二の剥離層との接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)ことを特徴とする少なくとも1つの積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法によって達成される。
本発明によれば、第一の加圧ローラの温度がT1に設定され、第二の加圧ローラの温度が、(Tg+α)以下に設定されている(ここに、Tgは第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、第二の支持シートの温度が、第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、第一の接着層と第二の剥離層との接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)から、第二の支持シートの温度を第二の支持シートのガラス転移点温度Tg未満に保持しつつ、第一の支持シートの表面に形成された第一の接着層と第二の剥離層との接触面を、十分な接着強度が得られる温度に加熱することができ、したがって、第二の支持シートに皺が発生することを防止しつつ、第一の支持シートの表面に形成された第一の接着層と第二の剥離層とを、所望の接着強度で、接着することが可能になるから、第一の接着層の表面に、さらに、セラミックグリーンシートを転写し、セラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写し、接着層の表面に、電極層、スペーサ層および剥離層を転写し、剥離層の表面に、接着層を転写し、接着層の表面に、セラミックグリーンシートを転写する工程を繰り返して、所定の数の積層体ユニットを含む積層体ユニットセットを、第二の支持シート上に形成し、積層体ユニットセットの表面側に位置するセラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写した後に、第二の支持シートを積層体ユニットセットから剥離し、あるいは、2つの積層体ユニットを含む積層体ユニットセットを、第二の支持シート上に形成し、積層体ユニットセットの表面側に位置するセラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写した後に、第二の支持シートを積層体ユニットセットから剥離し、積層体ユニットセットを、所定のサイズに裁断して、積層体ブロックを作製し、多数の積層体ブロックを加圧し、積層して、積層セラミック部品を作製する際に、第二の支持シートに形成された皺に起因する不具合が生じることを効果的に防止することが可能になる。
本発明の前記目的はまた、その表面に、第一のセラミックグリーンシートが形成された第一の支持シートと、その表面に、第一の剥離層、第一の電極層、前記第一の電極層と相補的なパターンで形成された第一のスペーサ層、第一の接着層および第二のセラミックグリーンシートが積層された積層体ユニットと、第二の接着層と、第二の電極層と、前記第二の電極層と相補的なパターンで形成された第二のスペーサ層と、第二の剥離層と、第三の接着層が形成された第二の支持シートとを、互いに対向し、温度制御された第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの間に、前記第一の支持シートが前記第一の加圧ローラに接触し、前記第二の支持シートが前記第二の加圧ローラに接触するように供給し、前記第一の加圧ローラおよび前記第二の加圧ローラによって、前記第一の支持シートおよび前記第二の支持シートを加圧して、前記第一のセラミックグリーンシートと前記第三の接着層とを接着し、前記第一の支持シートを前記第一のセラミックグリーンシートから剥離して、前記第一のセラミックグリーンシートを前記第三の接着層の表面に転写し、前記第二の接着層を介して、2つの積層体ユニットが積層された積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットを製造する方法であって、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)以下に設定する(ここに、Tgは前記第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、前記第二の支持シートの温度が、前記第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、前記第一のセラミックグリーンシートと前記第三の接着層との接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)ことを特徴とする2つの積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法によって達成される。
本発明によれば、第一の加圧ローラの温度がT1に設定され、第二の加圧ローラの温度が、(Tg+α)以下に設定されている(ここに、Tgは第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、第二の支持シートの温度が、第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、第一のセラミックグリーンシートと第三の接着層との接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)から、第二の支持シートの温度を第二の支持シートのガラス転移点温度Tg未満に保持しつつ、第一の支持シートの表面に形成された第一のセラミックグリーンシートと第三の接着層との接触面を、十分な接着強度が得られる温度に加熱することができ、したがって、第二の支持シートに皺が発生することを防止しつつ、第一の支持シートの表面に形成された第一のセラミックグリーンシートと第三の接着層とを、所望の接着強度で、接着することが可能になるから、第一のセラミックグリーンシートの表面に、さらに、接着層を転写し、接着層の表面に、電極層、スペーサ層および剥離層を転写し、剥離層の表面に、接着層を転写し、接着層の表面に、セラミックグリーンシートを転写する工程を繰り返して、所定の数の積層体ユニットを含む積層体ユニットセットを、第二の支持シート上に形成し、積層体ユニットセットの表面側に位置するセラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写した後に、第二の支持シートを積層体ユニットセットから剥離し、あるいは、2つの積層体ユニットを含む積層体ユニットセットを、第二の支持シート上に形成し、積層体ユニットセットの表面側に位置するセラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写した後に、第二の支持シートを積層体ユニットセットから剥離し、積層体ユニットセットを、所定のサイズに裁断して、積層体ブロックを作製し、多数の積層体ブロックを加圧し、積層して、積層セラミック部品を作製する際に、第二の支持シートに形成された皺に起因する不具合が生じることを効果的に防止することが可能になる。
本発明の前記目的はまた、その表面に、第一の接着層が形成された第一の支持シートと、その表面に、それぞれが、剥離層、電極層、前記電極層と相補的なパターンで形成されたスペーサ層、第二の接着層およびセラミックグリーンシートが、この順に積層されて、形成された少なくとも2つの積層体ユニットが、第三の接着層を介して、積層されて、2つの積層体ユニットを含む積層体ユニットセットが形成された第二の支持シートとを、互いに対向し、温度制御された第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの間に、前記第一の支持シートが前記第一の加圧ローラに接触し、前記第二の支持シートが前記第二の加圧ローラに接触するように供給し、前記第一の加圧ローラおよび前記第二の加圧ローラによって、前記第一の支持シートおよび前記第二の支持シートを加圧して、前記第一の接着層と前記積層体ユニットセットの表面に位置する前記セラミックグリーンシートとを接着し、前記第一の支持シートを前記第一の接着層から剥離して、前記第一の接着層を前記積層体ユニットセットの表面に位置する前記セラミックグリーンシートの表面に転写し、複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットを製造する方法であって、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)以下に設定する(ここに、Tgは前記第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、前記第二の支持シートの温度が、前記第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、前記第一の接着層と前記積層体ユニットセットの表面に位置する前記セラミックグリーンシートとの接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)ことを特徴とする複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法によって達成される。
本発明によれば、第一の加圧ローラの温度がT1に設定され、第二の加圧ローラの温度が、(Tg+α)以下に設定されている(ここに、Tgは第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、第二の支持シートの温度が、第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、第一の接着層と積層体ユニットセットの表面に位置するセラミックグリーンシートとの接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)から、第二の支持シートの温度を第二の支持シートのガラス転移点温度Tg未満に保持しつつ、第一の支持シートの表面に形成された第一の接着層と積層体ユニットセットの表面に位置するセラミックグリーンシートとの接触面を、十分な接着強度が得られる温度に加熱することができ、したがって、第二の支持シートに皺が発生することを防止しつつ、第一の支持シートの表面に形成された第一の接着層と積層体ユニットセットの表面に位置するセラミックグリーンシートとを、所望の接着強度で、接着することが可能になるから、第一の接着層の表面に、さらに、電極層、スペーサ層および剥離層を転写し、剥離層の表面に、接着層を転写し、接着層の表面に、セラミックグリーンシートを転写する工程を繰り返して、所定の数の積層体ユニットを含む積層体ユニットセットを、第二の支持シート上に形成し、積層体ユニットセットの表面側に位置するセラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写した後に、第二の支持シートを積層体ユニットセットから剥離し、あるいは、2つの積層体ユニットを含む積層体ユニットセットを、第二の支持シート上に形成し、積層体ユニットセットの表面側に位置するセラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写した後に、第二の支持シートを積層体ユニットセットから剥離し、積層体ユニットセットを、所定のサイズに裁断して、積層体ブロックを作製し、多数の積層体ブロックを加圧し、積層して、積層セラミック部品を作製する際に、第二の支持シートに形成された皺に起因する不具合が生じることを効果的に防止することが可能になる。
本発明の前記目的はまた、その表面に、第一の剥離層、第一の電極層および前記第一の電極層と相補的なパターンで形成された第一のスペーサ層が形成された第一の支持シートと、その表面に、それぞれが、第二の剥離層、第二の電極層、前記第二の電極層と相補的なパターンで形成された第二のスペーサ層、第一の接着層およびセラミックグリーンシートが、この順に積層されて、形成された少なくとも2つの積層体ユニットが、第二の接着層を介して、積層された積層体ユニットセットと、第三の接着層とが形成された第二の支持シートとを、互いに対向し、温度制御された第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの間に、前記第一の支持シートが前記第一の加圧ローラに接触し、前記第二の支持シートが前記第二の加圧ローラに接触するように供給し、前記第一の加圧ローラおよび前記第二の加圧ローラによって、前記第一の支持シートおよび前記第二の支持シートを加圧して、前記第一の電極層および前記第一のスペーサ層と前記第三の接着層とを接着し、前記第一の支持シートを前記第一の剥離層から剥離して、前記第一の電極層、前記第一のスペーサ層および前記第一の剥離層を前記第三の接着層の表面に転写し、複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットを製造する方法であって、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)以下に設定する(ここに、Tgは前記第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、前記第二の支持シートの温度が、前記第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、前記第一の電極層および前記第一のスペーサ層と前記第三の接着層との接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)ことを特徴とする複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法によって達成される。
本発明によれば、第一の加圧ローラの温度がT1に設定され、第二の加圧ローラの温度が、(Tg+α)以下に設定されている(ここに、Tgは第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、第二の支持シートの温度が、第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、第一の電極層および第一のスペーサ層と第三の接着層との接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)から、第二の支持シートの温度を第二の支持シートのガラス転移点温度Tg未満に保持しつつ、第一の支持シートの表面に形成された第一の電極層および第一のスペーサ層と、第三の接着層との接触面を、十分な接着強度が得られる温度に加熱することができ、したがって、第二の支持シートに皺が発生することを防止しつつ、第一の支持シートの表面に形成された第一の電極層および第一のスペーサ層と、第三の接着層とを、所望の接着強度で、接着することが可能になるから、第一の剥離層の表面に、さらに、接着層を転写し、接着層の表面に、セラミックグリーンシートを転写し、セラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写し、接着層の表面に、電極層、スペーサ層および剥離層を転写し、剥離層の表面に、接着層を転写し、接着層の表面に、セラミックグリーンシートを転写する工程を繰り返して、所定の数の積層体ユニットを含む積層体ユニットセットを、第二の支持シート上に形成し、積層体ユニットセットの表面側に位置するセラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写した後に、第二の支持シートを積層体ユニットセットから剥離し、あるいは、2つの積層体ユニットを含む積層体ユニットセットを、第二の支持シート上に形成し、積層体ユニットセットの表面側に位置するセラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写した後に、第二の支持シートを積層体ユニットセットから剥離し、積層体ユニットセットを、所定のサイズに裁断して、積層体ブロックを作製し、多数の積層体ブロックを加圧し、積層して、積層セラミック部品を作製する際に、第二の支持シートに形成された皺に起因する不具合が生じることを効果的に防止することが可能になる。
本発明の前記目的はまた、その表面に、第一の接着層が形成された第一の支持シートと、その表面に、それぞれが、第一の剥離層、第一の電極層、前記第一の電極層と相補的なパターンで形成された第一のスペーサ層、第二の接着層およびセラミックグリーンシートが、この順に積層されて、形成された少なくとも2つの積層体ユニットが、第三の接着層を介して、積層された積層体ユニットセットと、第四の接着層と、第二の電極層と、前記第二の電極層と相補的なパターンで形成された第二のスペーサ層と、第二の剥離層とが形成された第二の支持シートとを、互いに対向し、温度制御された第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの間に、前記第一の支持シートが前記第一の加圧ローラに接触し、前記第二の支持シートが前記第二の加圧ローラに接触するように供給し、前記第一の加圧ローラおよび前記第二の加圧ローラによって、前記第一の支持シートおよび前記第二の支持シートを加圧して、前記第一の接着層と前記第二の剥離層とを接着し、前記第一の支持シートを前記第一の接着層から剥離して、前記第一の接着層を前記第二の剥離層の表面に転写し、複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットを製造する方法であって、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)以下に設定する(ここに、Tgは前記第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、前記第二の支持シートの温度が、前記第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、前記第一の接着層と前記第二の剥離層との接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)ことを特徴とする複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法によって達成される。
本発明によれば、第一の加圧ローラの温度がT1に設定され、第二の加圧ローラの温度が、(Tg+α)以下に設定されている(ここに、Tgは第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、第二の支持シートの温度が、第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、第一の接着層と第二の剥離層との接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)から、第二の支持シートの温度を第二の支持シートのガラス転移点温度Tg未満に保持しつつ、第一の支持シートの表面に形成された第一の接着層と第二の剥離層との接触面を、十分な接着強度が得られる温度に加熱することができ、したがって、第二の支持シートに皺が発生することを防止しつつ、第一の支持シートの表面に形成された第一の接着層と第二の剥離層とを、所望の接着強度で、接着することが可能になるから、第一の接着層の表面に、さらに、セラミックグリーンシートを転写し、セラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写し、接着層の表面に、電極層、スペーサ層および剥離層を転写し、剥離層の表面に、接着層を転写し、接着層の表面に、セラミックグリーンシートを転写する工程を繰り返して、所定の数の積層体ユニットを含む積層体ユニットセットを、第二の支持シート上に形成し、積層体ユニットセットの表面側に位置するセラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写した後に、第二の支持シートを積層体ユニットセットから剥離し、あるいは、2つの積層体ユニットを含む積層体ユニットセットを、第二の支持シート上に形成し、積層体ユニットセットの表面側に位置するセラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写した後に、第二の支持シートを積層体ユニットセットから剥離し、積層体ユニットセットを、所定のサイズに裁断して、積層体ブロックを作製し、多数の積層体ブロックを加圧し、積層して、積層セラミック部品を作製する際に、第二の支持シートに形成された皺に起因する不具合が生じることを効果的に防止することが可能になる。
本発明の前記目的はまた、その表面に、第一のセラミックグリーンシートが形成された第一の支持シートと、その表面に、それぞれが、第一の剥離層、第一の電極層、前記第一の電極層と相補的なパターンで形成された第一のスペーサ層、第一の接着層および第二のセラミックグリーンシートが、この順に積層されて、形成された少なくとも2つの積層体ユニットが、第二の接着層を介して、積層された積層体ユニットセットと、第三の接着層と、第二の電極層と、前記第二の電極層と相補的なパターンで形成された第二のスペーサ層と、第二の剥離層と、第四の接着層とが形成された第二の支持シートとを、互いに対向し、温度制御された第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの間に、前記第一の支持シートが前記第一の加圧ローラに接触し、前記第二の支持シートが前記第二の加圧ローラに接触するように供給し、前記第一の加圧ローラおよび前記第二の加圧ローラによって、前記第一の支持シートおよび前記第二の支持シートを加圧して、前記第一のセラミックグリーンシートと前記第四の接着層とを接着し、前記第一の支持シートを前記第一のセラミックグリーンシートから剥離して、前記第一のセラミックグリーンシートを前記第四の接着層の表面に転写し、複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットを製造する方法であって、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)以下に設定する(ここに、Tgは前記第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、前記第二の支持シートの温度が、前記第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、前記第一のセラミックグリーンシートと前記第四の接着層との接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)ことを特徴とする複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法によって達成される。
本発明によれば、第一の加圧ローラの温度がT1に設定され、第二の加圧ローラの温度が、(Tg+α)以下に設定されている(ここに、Tgは第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、第二の支持シートの温度が、第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、第一のセラミックグリーンシートと第四の接着層との接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)から、第二の支持シートの温度を第二の支持シートのガラス転移点温度Tg未満に保持しつつ、第一の支持シートの表面に形成された第一のセラミックグリーンシートと第四の接着層との接触面を、十分な接着強度が得られる温度に加熱することができ、したがって、第二の支持シートに皺が発生することを防止しつつ、第一の支持シートの表面に形成された第一のセラミックグリーンシートと第四の接着層とを、所望の接着強度で、接着することが可能になるから、第一のセラミックグリーンシートの表面に、さらに、接着層を転写し、接着層の表面に、電極層、スペーサ層および剥離層を転写し、剥離層の表面に、接着層を転写し、接着層の表面に、セラミックグリーンシートを転写する工程を繰り返して、所定の数の積層体ユニットを含む積層体ユニットセットを、第二の支持シート上に形成し、積層体ユニットセットの表面側に位置するセラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写した後に、第二の支持シートを積層体ユニットセットから剥離し、あるいは、2つの積層体ユニットを含む積層体ユニットセットを、第二の支持シート上に形成し、積層体ユニットセットの表面側に位置するセラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写した後に、第二の支持シートを積層体ユニットセットから剥離し、積層体ユニットセットを、所定のサイズに裁断して、積層体ブロックを作製し、多数の積層体ブロックを加圧し、積層して、積層セラミック部品を作製する際に、第二の支持シートに形成された皺に起因する不具合が生じることを効果的に防止することが可能になる。
本発明の前記目的はまた、その表面に、第一のセラミックグリーンシート、第一の接着層、第一の電極層、前記第一の電極層と相補的なパターンで形成された第一のスペーサ層および第一の剥離層が積層されて、第一の積層体ユニットが形成された第一の支持シートと、その表面に、第二の剥離層、第二の電極層、前記第二の電極層と相補的なパターンで形成された第二のスペーサ層、第二の接着層、第二のセラミックグリーンシートが積層された第二の積層体ユニットと、第三の接着層が積層された第二の支持シートを、互いに対向し、温度制御された第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの間に、前記第一の支持シートが前記第一の加圧ローラに接触し、前記第二の支持シートが前記第二の加圧ローラに接触するように供給し、前記第一の加圧ローラおよび前記第二の加圧ローラによって、前記第一の支持シートおよび前記第二の支持シートを加圧して、前記第一の積層体ユニットの前記第一の剥離層と前記第三の接着層とを接着し、前記第一の支持シートを前記第一の積層体ユニットの前記第一のセラミックグリーンシートから剥離して、前記第一の支持シートの表面に形成された前記第一の積層体ユニットを、前記第三の接着層の表面に転写し、前記第一の積層体ユニットと前記第二の積層体ユニットが、前記第三の接着層を介して、積層し、2つの積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットを製造する方法であって、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)以下に設定する(ここに、Tgは前記第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、前記第二の支持シートの温度が、前記第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、前記第一の積層体ユニットの前記第一の剥離層と前記第三の接着層との接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)ことを特徴とする2つの積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法によって達成される。
本発明によれば、第一の加圧ローラの温度がT1に設定され、第二の加圧ローラの温度が、(Tg+α)以下に設定されている(ここに、Tgは第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、第二の支持シートの温度が、第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、第一の積層体ユニットの第一の剥離層と第三の接着層との接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)から、第二の支持シートの温度を第二の支持シートのガラス転移点温度Tg未満に保持しつつ、第一の積層体ユニットの第一の剥離層と第三の接着層との接触面を、十分な接着強度が得られる温度に加熱することができ、したがって、第二の支持シートに皺が発生することを防止しつつ、第一の積層体ユニットの第一の剥離層と第三の接着層とを、所望の接着強度で、接着して、第一の積層体ユニットと第二の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットを作製することが可能になるから、第一の積層体ユニットの第一のセラミックグリーンシート上に、さらに、接着層を転写し、接着層の表面に、支持シートの表面に形成された剥離層、電極層、スペーサ層、接着層およびセラミックグリーンシートを含む積層体を転写する工程を繰り返して、所定の数の積層体ユニットを含む積層体ユニットセットを、第二の支持シート上に形成し、積層体ユニットセットの表面側に位置するセラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写した後に、第二の支持シートを積層体ユニットセットから剥離し、積層体ユニットセットを、所定のサイズに裁断して、積層体ブロックを作製し、多数の積層体ブロックを加圧し、積層して、積層セラミック部品を作製する際に、第二の支持シートに形成された皺に起因する不具合が生じることを効果的に防止することが可能になる。
本発明の前記目的はまた、その表面に、第一の接着層が形成された第一の支持シートと、その表面に、それぞれが、剥離層、電極層、前記電極層と相補的なパターンで形成されたスペーサ層、第二の接着層およびセラミックグリーンシートが、この順に積層されて、形成された少なくとも2つの積層体ユニットが、第三の接着層を介して、積層されて、2つの積層体ユニットを含む積層体ユニットセットが形成された第二の支持シートとを、互いに対向し、温度制御された第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの間に、前記第一の支持シートが前記第一の加圧ローラに接触し、前記第二の支持シートが前記第二の加圧ローラに接触するように供給し、前記第一の加圧ローラおよび前記第二の加圧ローラによって、前記第一の支持シートおよび前記第二の支持シートを加圧して、前記第一の支持シートの表面に形成された前記第一の接着層と、前記第二の支持シートの表面に形成された前記積層体ユニットセットの表面に位置する前記セラミックグリーンシートとを接着し、前記第一の支持シートを前記第一の接着層から剥離して、前記第一の接着層を前記積層体ユニットセットの前記セラミックグリーンシートの表面に転写し、複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットを製造する方法であって、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)以下に設定する(ここに、Tgは前記第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、前記第二の支持シートの温度が、前記第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、前記第一の接着層と前記セラミックグリーンシートとの接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)ことを特徴とする複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法によって達成される。
本発明によれば、第一の加圧ローラの温度がT1に設定され、第二の加圧ローラの温度が、(Tg+α)以下に設定されている(ここに、Tgは第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、第二の支持シートの温度が、第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、第一の接着層とセラミックグリーンシートとの接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)から、第二の支持シートの温度を第二の支持シートのガラス転移点温度Tg未満に保持しつつ、第一の接着層と、積層体ユニットセットのセラミックグリーンシートとの接触面を、十分な接着強度が得られる温度に加熱することができ、したがって、第二の支持シートに皺が発生することを防止しつつ、第一の接着層と積層体ユニットセットのセラミックグリーンシートとを、所望の接着強度で、接着して、複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットを作製することが可能になるから、第一の接着層の表面に、さらに、支持シートの表面に形成された剥離層、電極層、スペーサ層、接着層およびセラミックグリーンシートを含む積層体を転写し、セラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写する工程を繰り返して、所定の数の積層体ユニットを含む積層体ユニットセットを、第二の支持シート上に形成し、積層体ユニットセットの表面側に位置するセラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写した後に、第二の支持シートを積層体ユニットセットから剥離し、積層体ユニットセットを、所定のサイズに裁断して、積層体ブロックを作製し、多数の積層体ブロックを加圧し、積層して、積層セラミック部品を作製する際に、第二の支持シートに形成された皺に起因する不具合が生じることを効果的に防止することが可能になる。
本発明の前記目的はまた、その表面に、第一のセラミックグリーンシート、第一の接着層、第一の電極層、前記第一の電極層と相補的なパターンで形成された第一のスペーサ層および第一の剥離層が積層されて、積層体ユニットが形成された第一の支持シートと、その表面に、それぞれが、第二の剥離層、第二の電極層、前記第二の電極層と相補的なパターンで形成された第二のスペーサ層、第二の接着層および第二のセラミックグリーンシートが、この順に積層されて、形成された少なくとも2つの積層体ユニットが、第三の接着層を介して、積層された積層体ユニットセットと、第四の接着層とが形成された第二の支持シートとを、互いに対向し、温度制御された第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの間に、前記第一の支持シートが前記第一の加圧ローラに接触し、前記第二の支持シートが前記第二の加圧ローラに接触するように供給し、前記第一の加圧ローラおよび前記第二の加圧ローラによって、前記第一の支持シートおよび前記第二の支持シートを加圧して、前記第一の支持シートの表面に形成された前記積層体ユニットの前記第一の剥離層と、前記第二の支持シートの表面に形成された前記積層体ユニットセットの表面に位置する前記第四の接着層とを接着し、前記第一の支持シートを、前記積層体ユニットの前記第一のセラミックグリーンシートから剥離して、前記第一の支持シートの表面に形成された前記積層体ユニットを、前記積層体ユニットセットの表面に位置する前記第四の接着層の表面に転写し、複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットを製造する方法であって、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)以下に設定する(ここに、Tgは前記第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、前記第二の支持シートの温度が、前記第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、前記第一の剥離層と前記第三の接着層との接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)ことを特徴とする複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法によって達成される。
本発明によれば、第一の加圧ローラの温度がT1に設定され、第二の加圧ローラの温度が、(Tg+α)以下に設定されている(ここに、Tgは第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、第二の支持シートの温度が、第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、第一の剥離層と第三の接着層との接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)から、第二の支持シートの温度を第二の支持シートのガラス転移点温度Tg未満に保持しつつ、第一の支持シートの表面に形成された積層体ユニットの第一の剥離層と、第二の支持シートの表面に形成された積層体ユニットセットの第四の接着層との接触面を、十分な接着強度が得られる温度に加熱することができ、したがって、第二の支持シートに皺が発生することを防止しつつ、第一の支持シートの表面に形成された積層体ユニットの第一の剥離層と第二の支持シートの表面に形成された積層体ユニットセットの第四の接着層とを、所望の接着強度で、接着して、複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットを作製することが可能になるから、第一のセラミックグリーンシート上に、さらに、接着層を転写し、接着層の表面に、支持シートの表面に形成された剥離層、電極層、スペーサ層、接着層およびセラミックグリーンシートを含む積層体を転写する工程を繰り返して、所定の数の積層体ユニットを含む積層体ユニットセットを、第二の支持シート上に形成し、積層体ユニットセットの表面側に位置するセラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写した後に、第二の支持シートを積層体ユニットセットから剥離し、積層体ユニットセットを、所定のサイズに裁断して、積層体ブロックを作製し、多数の積層体ブロックを加圧し、積層して、積層セラミック部品を作製する際に、第二の支持シートに形成された皺に起因する不具合が生じることを効果的に防止することが可能になる。
本発明において、セラミックグリーンシートを形成するために用いる誘電体ペーストは、通常、誘電体材料と、有機溶剤中にバインダを溶解させた有機ビヒクルを混練して、調製される。
誘電体材料としては、複合酸化物や酸化物となる各種化合物、たとえば、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物などから適宜選択され、これらを混合して、用いることができる。誘電体材料は、通常、平均粒子径が約0.1μmないし約3.0μm程度の粉末として用いられる。誘電体材料の粒径は、セラミックグリーンシートの厚さより小さいことが好ましい。
有機ビヒクルに用いられるバインダは、とくに限定されるものではなく、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂などの通常の各種バインダが用いることができるが、セラミックグリーンシートを薄層化するためには、ポリビニルブチラールなどのブチラール系樹脂が、好ましく用いられる。
有機ビヒクルに用いられる有機溶剤も、とくに限定されるものではなく、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエンなどの有機溶剤が用いられる。
本発明において、誘電体ペーストは、誘電体材料と、水中に水溶性バインダを溶解させたビヒクルを混練して、生成することもできる。
水溶性バインダは、とくに限定されるものではなく、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、水溶性アクリル樹脂、エマルジョンなどが用いられる。
誘電体ペースト中の各成分の含有量は、とくに限定されるものではなく、たとえば、約1重量%ないし約5重量%のバインダと、約10重量%ないし約50重量%の溶剤を含むように、誘電体ペーストを調製することができる。
誘電体ペースト中には、必要に応じて、各種分散剤、可塑剤、誘電体、副成分化合物、ガラスフリット、絶縁体などから選択される添加物が含有されていてもよい。誘電体ペースト中に、これらの添加物を添加する場合には、総含有量を、約10重量%以下にすることが望ましい。バインダ樹脂として、ブチラール系樹脂を用いる場合には、可塑剤の含有量は、バインダ樹脂100重量部に対して、約25重量部ないし約100重量部であることが好ましい。可塑剤が少なすぎると、生成されたセラミックグリーンシートが脆くなる傾向があり、多すぎると、可塑剤が滲み出して、取り扱いが困難になり、好ましくない。
本発明において、セラミックグリーンシートは、それぞれ、誘電体ペーストを、支持シート上に塗布し、乾燥して、作製される。
誘電体ペーストは、エクストルージョンコーターやワイヤーバーコーターなどを用いて、支持シート上に塗布され、塗膜が形成される。
その表面に、セラミックグリーンシートが形成される支持シートとしては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられ、剥離性を改善するために、その表面に、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされる。支持シートの厚さは、とくに限定されるものではないが、好ましくは、約5μmないし約100μmである。
こうして形成された塗膜は、たとえば、約50℃ないし約100°Cの温度で、約1分ないし約20分にわたって、乾燥され、支持シート上に、セラミックグリーンシートが形成される。
本発明において、乾燥後におけるセラミックグリーンシートの厚さは、それぞれ、3μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは、1.5μm以下である。
本発明において、電極層およびスペーサ層は、それぞれ、支持シート上に、スクリーン印刷機やグラビア印刷機などの印刷機を用いて、印刷される。
その表面に、電極層およびスペーサ層が形成される支持シートとしては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられ、剥離性を改善するために、その表面に、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされる。支持シートの厚さは、とくに限定されるものではなく、セラミックグリーンシートが形成される支持シートの厚さと同じであっても、異なっていてもよいが、好ましくは、約5μmないし約100μmである。
本発明において、支持シート上に、電極層およびスペーサ層を形成するのに先立って、まず、誘電体ペーストが調製され、誘電体ペーストが支持シート上に塗布されて、剥離層が、支持シート上に形成される。
剥離層を形成するための誘電体ペーストは、好ましくは、セラミックグリーンシートに含まれている誘電体材料と実質的に同一組成の誘電体材料の粒子を含んでいる。
剥離層を形成するための誘電体ペーストは、誘電体材料の粒子以外に、バインダと、任意成分として、可塑剤および剥離剤とを含んでいる。誘電体材料の粒子の粒径は、セラミックグリーンシートに含まれる誘電体材料の粒子の粒径と同じでもよいが、より小さいことが好ましい。
バインダとしては、たとえば、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスチレン、または、これらの共重合体、または、これらのエマルジョンを用いることができる。
剥離層を形成するための誘電体ペーストに含まれているバインダは、セラミックグリーンシートに含まれているバインダを同系であっても、同系でなくてもよいが、同系のバインダであることが好ましい。
剥離層を形成するための誘電体ペーストは、誘電体材料の粒子100重量部に対して、好ましくは、約2.5重量部ないし約200重量部、さらに好ましくは、約5重量部ないし約30重量部、とくに好ましくは、約8重量部ないし約30重量部のバインダを含んでいる。
可塑剤は、とくに限定されるものではなく、たとえば、フタル酸エステル、アジピン酸、燐酸エステル、グリコール類などを挙げることができる。剥離層を形成するための誘電体ペーストに含まれる可塑剤は、セラミックグリーンシートに含まれる可塑剤と同系であっても、同系でなくてもよい。
剥離層を形成するための誘電体ペーストは、バインダ100重量部に対して、約0重量部ないし約200重量部、好ましくは、約20重量部ないし約200重量部、さらに好ましくは、約50重量部ないし約100重量部の可塑剤を含んでいる。
剥離層を形成するための誘電体ペーストに含まれる剥離剤は、とくに限定されるものではなく、たとえば、パラフィン、ワックス、シリコーン油などを挙げることができる。
剥離層を形成するための誘電体ペーストは、バインダ100重量部に対して、約0重量部ないし約100重量部、好ましくは、約2重量部ないし約50重量部、さらに好ましくは、約5重量部ないし約20重量部の剥離剤を含んでいる。
本発明において、剥離層に含まれる誘電体材料に対するバインダの含有割合が、セラミックグリーンシートに含まれる誘電体材料に対するバインダの含有割合と同等、あるいは、それよりも低いことが好ましい。また、剥離層に含まれる誘電体材料に対する可塑剤の含有割合が、セラミックグリーンシートに含まれる誘電体材料に対する可塑剤の含有割合と同等、あるいは、高いことが好ましい。さらに、剥離層に含まれる誘電体材料に対する離型剤の含有割合が、セラミックグリーンシートに含まれる誘電体材料に対する離型剤の含有割合よりも高いことが好ましい。
このような組成を有する剥離層を形成することにより、セラミックグリーンシートをきわめて薄層化しても、剥離層の強度を、セラミックグリーンシートの破壊強度よりも低くすることができ、剥離層から、支持シートを剥離する際に、セラミックグリーンシートが破壊されることを確実に防止することが可能になる。
剥離層は、ワイヤーバーコーターなどを用いて、支持シート上に、誘電体ペーストを塗布することによって、形成される。
剥離層の厚さは、その上に形成される電極層の厚さ以下であることが好ましく、好ましくは、電極層の厚さの約60%以下、さらに好ましくは、電極層の厚さの約30%以下である。
剥離層の形成後、剥離層は、たとえば、約50℃ないし約100℃で、約1分ないし約10分にわたって、乾燥される。
剥離層が乾燥された後、剥離層の表面上に、焼成後に、内部電極層を構成する電極層が、所定パターンで形成される。
本発明において、電極層を形成するために用いられる電極ペーストは、各種導電性金属や合金からなる導電体材料、焼成後に、各種導電性金属や合金からなる導電体材料となる各種酸化物、有機金属化合物、または、レジネートなどと、有機溶剤中にバインダを溶解させた有機ビヒクルとを混練して、調製される。
電極ペーストを製造する際に用いる導電体材料としては、Ni、Ni合金あるいはこれらの混合物が、好ましく用いられる。導電体材料の形状は、とくに限定されるものではなく、球状でも、鱗片状でも、あるいは、これらの形状のものが混合されていてもよい。また、導電体材料の平均粒子径は、とくに限定されるものではないが、通常、約0.1μmないし約2μm、好ましくは、約0.2μmないし約1μmの導電性材料が用いられる。
有機ビヒクルに用いられるバインダは、とくに限定されるものではなく、エチルセルロース、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスチレン、あるいはは、これらの共重合体などを用いることができるが、とくに、ポリビニルブチラールなどのブチラール系バインダが好ましく用いられる。
電極ペーストは、導電体材料100重量部に対して、好ましくは、約2.5重量部ないし約20重量部のバインダを含んでいる。
溶剤としては、たとえば、テルピネオール、ブチルカルビトール、ケロシンなど、公知の溶剤を用いることができる。溶剤の含有量は、電極ペースト全体に対して、好ましくは、約20重量%ないし約55重量%である。
接着性を改善するために、電極ペーストが、可塑剤を含んでいることが好ましい。
電極ペーストに含まれる可塑剤は、とくに限定されるものではなく、たとえば、フタル酸ベンジルブチル(BBP)などのフタル酸エステル、アジピン酸、燐酸エステル、グリコール類などを挙げることができる。電極ペーストは、バインダ100重量部に対して、好ましくは、約10重量部ないし約300重量部、さらに好ましくは、約10重量部ないし約200重量部の可塑剤を含んでいることが好ましい。
可塑剤の添加量が多すぎると、電極層の強度が著しく低下する傾向があり、好ましくない。
電極層は、スクリーン印刷機やグラビア印刷機などの印刷機を用いて、支持シート上に形成された剥離層の表面に、電極ペーストを印刷することによって、形成される。
電極層の厚さは、約0.1μmないし約5μmの厚さに形成されることが好ましく、より好ましくは、約0.1μmないし約1.5μmである。
支持シート上に形成された剥離層の表面の電極層が形成されていない部分には、さらに、スクリーン印刷機やグラビア印刷機などの印刷機を用いて、電極層と相補的なパターンによって、誘電体ペーストが印刷されて、スペーサ層が形成される。
電極層の形成に先立って、支持シート上に形成された剥離層の表面に、電極層と相補的なパターンで、スペーサ層を形成することもできる。
本発明において、スペーサ層を形成するために用いる誘電体ペーストは、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストと同様にして、調製される。
スペーサ層を形成するための誘電体ペーストは、セラミックグリーンシートに含まれている誘電体と実質的に同一組成の誘電体材料の粒子を含んでいる。
スペーサ層を形成するための誘電体ペーストは、誘電体材料の粒子以外に、バインダと、任意成分として、可塑剤および剥離剤を含んでいる。
スペーサ層に含まれる誘電体材料の粒子の粒径は、セラミックグリーンシートに含まれる誘電体材料の粒子の粒径と同じでもよいが、とくに限定されるものではない。
バインダとしては、たとえば、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスチレン、または、これらの共重合体、または、これらのエマルジョンを用いることができる。
スペーサ層を形成するための誘電体ペーストに含まれているバインダは、セラミックグリーンシートに含まれているバインダと同系であっても、同系でなくてもよいが、同系であることが好ましい。
スペーサ層を形成するための誘電体ペーストは、誘電体材料の粒子100重量部に対して、好ましくは、約2.5重量部ないし約200重量部、さらに好ましくは、約4重量部ないし約15重量部、とくに好ましくは、約6重量部ないし約10重量部のバインダを含んでいる。
スペーサ層を形成するための誘電体ペーストに含まれている可塑剤は、とくに限定されるものではなく、たとえば、フタル酸エステル、アジピン酸、燐酸エステル、グリコール類などを挙げることができるスペーサ層を形成するための誘電体ペーストに含まれる可塑剤は、セラミックグリーンシートに含まれる可塑剤と同系であっても、同系でなくてもよい。
スペーサ層を形成するための誘電体ペーストは、バインダ100重量部に対して、約0重量部ないし約200重量部、好ましくは、約20重量部ないし約200重量部、さらに好ましくは、約50重量部ないし約100重量部の可塑剤を含んでいる。
スペーサ層を形成するための誘電体ペーストに含まれる剥離剤は、とくに限定されるものではなく、たとえば、パラフィン、ワックス、シリコーン油などを挙げることができる。
スペーサ層を形成するための誘電体ペーストは、バインダ100重量部に対して、約0重量部ないし約100重量部、好ましくは、約2重量部ないし約50重量部、より好ましくは、約5重量部ないし約20重量部の剥離剤を含んでいる。
本発明において、電極層およびスペーサ層は、0.7≦ts/te≦1.3(tsは、スペーサ層の厚さであり、teは、電極層の厚さである。)を満たすように形成されることが好ましく、より好ましくは、0.8≦ts/te≦1.2、さらに好ましくは、0.9≦ts/te≦1.2を満たすように形成される。
電極層およびスペーサ層は、たとえば、約70℃ないし120℃の温度で、約5分ないし約15分にわたって、乾燥される。電極層およびスペーサ層の乾燥条件は、とくに限定されるものではない。
セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層は、接着層を介して、接着され、接着層を形成するために、別の支持シートが用意される。
接着層を形成するための支持シートとしては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられ、剥離性を改善するために、その表面に、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされる。支持シートの厚さは、とくに限定されるものではないが、好ましくは、約5μmないし約100μmである。
接着層は、支持シート上に、接着剤溶液が塗布されて、形成される。
本発明において、接着層を形成するための接着剤溶液は、バインダと、任意成分として、帯電防止剤、可塑剤、剥離剤およびセラミックグリーンシートに含まれている誘電体と実質的に同一組成の誘電体材料の粒子とを含んでいる。
接着剤溶液中の誘電体材料の粒子のバインダ重量に対する割合は、セラミックグリーンシートに含まれている誘電体材料の粒子のバインダ重量に対する割合より小さいことが好ましく、好ましくは、接着剤溶液は、バインダ重量に対して、0.5重量%ないし25重量%の誘電体材料の粒子を含んでいる。
本発明において、接着剤溶液中の誘電体材料の粒径は、接着層の厚さ以下であることが好ましい。
接着剤溶液に含まれるバインダは、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストに含まれるバインダと同系であることが好ましいが、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストに含まれるバインダと同系でなくてもよい。
接着剤溶液に含まれる可塑剤は、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストに含まれる可塑剤と同系であることが好ましいが、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストに含まれる可塑剤と同系でなくてもよい。
可塑剤の含有量は、バインダ100重量部に対して、約0重量部ないし約200重量部、好ましくは、約20重量部ないし約200重量部、さらに好ましくは、約50重量部ないし約100重量部である。
本発明において、好ましくは、接着剤溶液は、バインダ重量の0.01重量%ないし15重量%の帯電防止剤を含み、さらに好ましくは、0.01重量%ないし10重量%の帯電防止剤を含んでいる。
本発明において、接着剤溶液に含まれる帯電防止剤は、吸湿性を有する有機溶剤であればよく、たとえば、エチレングリコール;ポリエチレングリコール;2−3ブタンジオール;グリセリン;イミダゾリン系界面活性剤、ポリアルキレングリコール誘導体系界面活性剤、カルボン酸アミジン塩系界面活性剤などの両性界面活性剤などが、接着剤溶液に含まれる帯電防止剤として使用することができる。
これらの帯電防止剤の中では、少量で、静電気を防止することが可能であるとともに、小さい剥離力で、接着層から、支持シートを剥離することが可能であるため、イミダゾリン系界面活性剤、ポリアルキレングリコール誘導体系界面活性剤、カルボン酸アミジン塩系界面活性剤などの両性界面活性剤が好ましく、イミダゾリン系界面活性剤は、とくに小さな剥離力で、接着層から、支持シートを剥離することができるため、とくに好ましい。
接着剤溶液は、たとえば、バーコータ、エクストルージョンコータ、リバースコータ、ディップコーター、キスコーターなどによって、支持シート上に塗布される。
本発明において、接着層は、好ましくは、約0.3μm以下、より好ましくは、約0.02μmないし約0.3μm、さらに好ましくは、約0.02μmないし約0.2μmの厚さを有するように、支持シート上に、形成される。接着層の厚さが、約0.02μm未満の場合には、接着力が低下し、一方、接着層の厚さが、約0.3μmを越えると、欠陥(隙間)の発生原因となり、好ましくない。
接着層は、たとえば、室温(25℃)ないし約80℃の温度で、約1分ないし約5分にわたって、乾燥される。接着層の乾燥条件は、とくに限定されるものではない。
支持シート上に形成された接着層は、支持シート上に形成された電極層およびスペーサ層の表面に転写される。
支持シート上に形成された接着層を、支持シート上に形成された電極層およびスペーサ層の表面に転写するにあたっては、その温度が制御された第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラとの間に、接着層が形成された支持シートと、電極層およびスペーサ層が形成された支持シートとを、接着層が形成された支持シートが第一の加圧ローラに接触し、電極層およびスペーサ層が形成された支持シートが第二の加圧ローラに接触するように供給し、第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラとによって、接着層が形成された支持シートと、電極層およびスペーサ層が形成された支持シートとを加圧することによって、接着層と電極層およびスペーサ層とが接着され、その後に、支持シートが接着層から剥離される。
本発明においては、第一の加圧ローラの温度がT1に設定され、第二の加圧ローラの温度が(Tg+α)以下に設定される。ここに、Tgは電極層およびスペーサ層が形成された支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、電極層およびスペーサ層が形成された支持シートの温度が、電極層およびスペーサ層が形成された支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、接着層と電極層およびスペーサ層との接触面の温度が、接着層と電極層およびスペーサ層とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。
本発明において、接着層と電極層およびスペーサ層は、約0.2MPaないし約15MPaの圧力で、好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaの圧力で、加圧されて、接着層と電極層およびスペーサ層が接着される。
こうして、接着層が、支持シート上に形成された電極層およびスペーサ層の表面に転写された後に、支持シートを巻き取るときは、支持シートの巻き取りに先立って、中間シートを、接着層の表面に付着させることが好ましい。
中間シートとしては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどを用いることができるが、後の工程において、接着層からの中間シートの剥離を容易にさせるためには、中間シートとして、接着層を形成した支持シートと実質的に同一の物性を有するシートを用いることが好ましい。
本発明において、さらに好ましくは、中間シートの接着層に付着させるべき表面に、剥離性を改善するために、接着層を形成した支持シートの表面と同等の表面処理が施され、たとえば、中間シートの表面に、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされる。
本発明において、中間シートを接着層に付着させたときに、中間シートと接着層との間に、エアが保持されて、中間シートに皺が生じたり、あるいは、長尺状の支持シート上に、剥離層、電極層、スペーサ層、接着層および中間シートが積層された積層体を巻き取る際に、積層体が蛇行することを防止するために、接着層を形成した支持シートと実質的に同一の物性を有するシートに代えて、少なくとも接着層に付着されるべき表面に、高さ1μmないし10μmの凹凸が形成されている中間シートを用いることもでき、かかる中間シートとしては、少なくとも接着層に付着されるべき表面に、高さ1μmないし5μmの凹凸が形成されていることが、より好ましい。
本発明において、少なくとも接着層に付着されるべき表面に、凹凸が形成されている中間シートを用いる場合には、少なくとも中間シートの接着層に付着されるべき表面に、高さ1μmないし5μmの凹凸が、1mmあたりに、800個以上形成されていることがより好ましい。
本発明において、さらに、中間シートを接着層に付着させたときに、中間シートと接着層との間に、エアが保持されて、中間シートに皺が生じたり、あるいは、長尺状の支持シート上に、剥離層、電極層、スペーサ層、接着層および中間シートが積層された積層体を巻き取る際に、積層体が蛇行することを防止するために、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シートを用いることもできる。
中間シートのガーレー透気度は、JIS P8117に準拠して、測定され、本明細書においては、中間シートを、50mlのエアが透過するのに要する秒数によって定義される。
本発明において、少なくとも接着層に付着されるべき表面に、凹凸が形成されている中間シートを用いる場合あるいはガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シートを用いる場合においても、中間シートの接着層に付着させるべき表面に、剥離性を改善するために、接着層を形成した支持シートの表面と同等の表面処理が施されていることが好ましく、たとえば、中間シートの表面に、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされる。
本発明において、中間シートを接着層の表面に付着させる場合、中間シートの厚さは、とくに限定されるものではないが、好ましくは、約5μmないし約100μmである。
中間シートを、接着層の表面に付着させるにあたっては、接着層が形成された支持シートと、中間シートとを、プレス機を用いて、加圧しても、一対の加圧ローラを用いて、加圧してもよいが、一対の加圧ローラによって、支持シートと中間シートとを加圧することが好ましい。
中間シートが、接着層の表面に付着されると、長尺状の支持シート上に、剥離層、電極層、スペーサ層、接着層および中間シートが積層された積層体が、ローラによって巻き取られる。
このように、中間シートを、接着層の表面に付着させることによって、接着層が支持シートに付着することを確実に防止して、長尺状の支持シート上に、剥離層、電極層、スペーサ層、接着層および中間シートが積層された積層体を、ローラによって巻き取ることができ、したがって、製造ラインが徒に長くなることを防止することが可能になる。
次いで、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層とが、接着層を介して、接着される。
セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層を、接着層を介して、接着するにあたっては、まず、長尺状の支持シート上に、剥離層、電極層、スペーサ層、接着層および中間シートが積層された積層体が巻回されたローラが、接着装置にセットされる。
次いで、ローラから、長尺状の支持シート上に、剥離層、電極層、スペーサ層、接着層および中間シートが積層された積層体が繰り出されて、接着層の表面に付着された中間シートが接着層から剥離され、その結果、接着層が露出される。
ローラから、長尺状の支持シート上に、剥離層、電極層、スペーサ層、接着層および中間シートが積層された積層体が繰り出され、中間シートが接着層から剥離されるのと同期して、表面にセラミックグリーンシートが形成され、ローラに巻回された支持シートが、ローラから繰り出されて、温度制御された第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラとの間に、セラミックグリーンシートが形成された支持シートが、第一の加圧ローラに接触し、剥離層、電極層およびスペーサ層が形成された支持シートが第二の加圧ローラに接触するように供給される。
本発明においては、第一の加圧ローラの温度がT1に設定され、第二の加圧ローラの温度が(Tg+α)以下に設定される。Tgは電極層およびスペーサ層が形成された支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、第二の加圧ローラの温度が(Tg+α)に設定したときに、電極層およびスペーサ層が形成された支持シートの温度が、電極層およびスペーサ層が形成された支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層の表面に転写された接着層との接触面の温度が、セラミックグリーンシートと接着層とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。
本発明において、セラミックグリーンシートと接着層は、約0.2MPaないし約15MPaの圧力で、好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaの圧力で、加圧されて、セラミックグリーンシートと接着層が接着される。
セラミックグリーンシートと接着層が接着された後、セラミックグリーンシートから、支持シートが剥離される。
こうして、支持シート上に、剥離層、電極層、スペーサ層、接着層およびセラミックグリーンシートが積層された積層体ユニットが作製され、作製された積層体ユニットは、ローラによって巻き取られる。
以上のようにして、積層体ユニットが作製され、さらに、多数の積層体ユニットが、接着層を介して、積層されて、多数の積層体ユニットを含む積層体ブロックが作製され、あるいは、支持シート上に、接着層を介して、さらに、多数の積層体ユニットが形成されて、積層体ブロックが作製される。
多数の積層体ユニットを含む積層体ブロックを作製するにあたっては、まず、電極層およびスペーサ層の表面に、支持シートの表面に形成された接着層を転写したのと同様にして、積層体ユニットのセラミックグリーンシートの表面に、接着層が転写される。
積層体ユニットのセラミックグリーンシートの表面に、接着層が転写された積層体ユニットを、ローラによって巻き取る場合には、さらに、接着層に表面に、中間シートが付着された後、積層体ユニットが、ローラによって巻き取られる。
多数の積層体ユニットを積層して、多数の積層体ユニットを含む積層体ブロックを作製する場合には、次いで、積層体ユニットが巻回されたローラが、裁断装置あるいは積層装置にセットされる。
積層体ユニットが巻回されたローラが、裁断装置にセットされた場合には、積層体ユニットが、ローラから繰り出され、接着層の表面に付着された中間シートが接着層から剥離され、表面に接着層が形成された積層体ユニットが、所定のサイズに、裁断される。
所定のサイズに、裁断された多数の積層体ユニットは、接着層を介して、積層されて、積層体ブロックが作製される。
多数の積層体ユニットの積層にあたっては、まず、支持体が、基板上に固定され、支持体の表面に、接着層が密着するように、積層体ユニットが位置決めされて、積層体ユニット上に圧力が加えられる。
支持体としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられる。
支持体の厚さは、積層体ユニットを支持可能な厚さであれば、とくに限定されるものではない。
支持体の表面に、接着層が接着されると、積層体ユニットの剥離層から、支持シートが剥離される。
さらに、セラミックグリーンシートの表面に、接着層が転写された新たな積層体ユニットが、接着層が、支持体に接着された積層体ユニットの剥離層に密着するように、支持体に接着された積層体ユニット上に位置決めされて、新たな積層体ユニットが、基板に向けて、加圧され、支持体に接着された積層体ユニット上に、新たな積層体ユニットが積層される。
次いで、新たに積層された積層体ユニットの剥離層から、支持シートが剥離される。
同様にして、所定の数の積層体ユニットが積層されて、積層体ブロックが作製され、所定の数の積層体ブロックが積層されて、積層セラミック電子部品が製造される。
これに対して、積層体ユニットが巻回されたローラが、積層体ユニット積層装置にセットされた場合には、まず、積層体ユニットが、ローラから繰り出され、接着層の表面に付着された中間シートが接着層から剥離される。
中間シートが積層体ユニットの接着層から剥離されるのと同期して、支持シート上に、セラミックグリーンシート、接着層、電極層、スペーサ層および剥離層が積層された新たに積層すべき別の積層体ユニットが、ローラから繰り出され、温度制御された第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラとの間に、新たに積層すべき積層体ユニットが形成された支持シートが第一の加圧ローラに接触し、積層体ユニットが形成された支持シートが第二の加圧ローラに接触するように供給される。
本発明においては、第一の加圧ローラの温度がT1に設定され、第二の加圧ローラの温度が(Tg+α)以下に設定される。ここに、Tgは、第二の加圧ローラに接触する支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、第二の加圧ローラの温度が(Tg+α)に設定したときに、第二の加圧ローラに接触する支持シートの温度が、その支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、新たに積層すべき積層体ユニットの剥離層と、積層体ユニットの接着層との接触面の温度が、剥離層と接着層とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。
本発明において、2つの積層体ユニットは、約0.2MPaないし約15MPaの圧力で、好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaの圧力で、加圧されて、剥離層と接着層が接着される。
次いで、新たに積層された積層体ユニットのセラミックグリーンシートから、支持シートが剥離され、2つの積層体ユニットが積層された積層体ユニットセットが作製される。
こうして作製された積層体ユニットセットは、ローラによって、巻き取られる。
さらに、積層体ユニットセットが、ローラから繰り出され、セラミックグリーンシートの表面に、支持シートの表面に形成された接着層を転写したのと同様にして、積層体ユニットセットのセラミックグリーンシートの表面に、接着層が転写され、次いで、接着層が転写されるのと同期して、支持シート上に、セラミックグリーンシート、接着層、電極層、スペーサ層および剥離層が積層された新たに積層すべき別の積層体ユニットが、ローラから繰り出され、積層体ユニットのセラミックグリーンシートと、別の積層体ユニットの剥離層とを、接着層を介して、接着したのと同様にして、積層体ユニットセットのセラミックグリーンシートと、新たに積層すべき積層体ユニットの剥離層が、接着層を介して、加圧されて、積層体ユニットセットのセラミックグリーンシートと、新たに積層すべき積層体ユニットの剥離層が、接着層を介して、接着される。
同様にして、次々に、積層体ユニットが積層され、所定の数の積層体ユニットが積層された積層体ユニットセットが作製されると、積層体ユニットセットが、所定のサイズに裁断されて、積層体ブロックが作製される。
こうして作製された積層体ブロックが積層されて、積層セラミック電子部品が製造される。
一方、支持シート上に形成された積層体ユニット上に、接着層を介して、さらに、多数の積層体ユニットを形成して、多数の積層体ユニットを含む積層体ブロックを作製する場合には、積層体ユニットのセラミックグリーンシートの表面に、接着層が転写され、接着層の表面に、中間シートが付着された積層体ユニットが巻回されたローラが積層装置にセットされる。
次いで、積層体ユニットが、ローラから繰り出され、接着層の表面に付着された中間シートが接着層から剥離される。
中間シートが積層体ユニットの接着層から剥離されるのと同期して、表面に、剥離層、電極層およびスペーサ層が形成された支持シートが、ローラから繰り出され、支持シート上に形成された積層体ユニットの表面に転写された接着層上に、支持シート上に形成された電極層、スペーサ層および剥離層が転写される。
支持シート上に形成された電極層、スペーサ層および剥離層を、支持シート上に形成された積層体ユニットの表面に転写された接着層上に転写するにあたっては、その温度が制御された第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラとの間に、剥離層、電極層およびスペーサ層が形成された支持シートと、積層体ユニットが形成された支持シートとを、剥離層、電極層およびスペーサ層が形成された支持シートが第一の加圧ローラに接触し、積層体ユニットが形成された支持シートが第二の加圧ローラに接触するように供給し、第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラとによって、剥離層、電極層およびスペーサ層が形成された支持シートと、積層体ユニットが形成された支持シートとを加圧することによって、支持シート上に形成された電極層およびスペーサ層と、支持シート上に形成された積層体ユニットの表面に転写された接着層とが接着され、その後に、支持シートが剥離層から剥離される。
本発明においては、第一の加圧ローラの温度がT1に設定され、第二の加圧ローラの温度が(Tg+α)以下に設定される。ここに、Tgは、積層体ユニットが形成された支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、積層体ユニットが形成された支持シートの温度が、積層体ユニットが形成された支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、電極層およびスペーサ層と積層体ユニットの表面に転写された接着層との接触面の温度が、電極層およびスペーサ層と積層体ユニットの表面に転写された接着層とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。
本発明において、支持シート上に形成された電極層およびスペーサ層と、支持シートに形成された積層体ユニットの表面に転写された接着層は、約0.2MPaないし約15MPaの圧力で、好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaの圧力で、加圧されて、支持シート上に形成された電極層およびスペーサ層と、支持シートに形成された積層体ユニットの表面に転写された接着層が接着される。
こうして、剥離層から、支持シートが剥離され、支持シート上に、剥離層、電極層、スペーサ層、接着層、セラミックグリーンシート、接着層、電極層、スペーサ層および剥離層が積層された積層体が作製され、ローラによって巻き取られる。
さらに、支持シート上に、剥離層、電極層、スペーサ層、接着層、セラミックグリーンシート、接着層、電極層、スペーサ層および剥離層が積層された積層体が巻回されたローラが、積層装置にセットされ、積層体ユニットの電極層およびスペーサ層の表面に、支持シートの表面に形成された接着層を転写したのと同様にして、積層体の剥離層の表面に、接着層が転写される。
剥離層の表面に、接着層が転写された積層体を、ローラによって巻き取る場合には、さらに、接着層に表面に、中間シートが付着された後、積層体が、ローラによって巻き取られる。
次いで、支持シート上に、剥離層、電極層、スペーサ層、接着層、セラミックグリーンシート、接着層、電極層、スペーサ層、剥離層、接着層および中間シートが積層された積層体が巻回されたローラが積層装置にセットされて、積層体が、ローラから繰り出され、接着層の表面に付着された中間シートが接着層から剥離される。
中間シートが積層体の接着層から剥離されるのと同期して、セラミックグリーンシートが形成された支持シートが、ローラから繰り出され、支持シート上に、剥離層、電極層、スペーサ層、接着層、セラミックグリーンシート、接着層、電極層、スペーサ層、剥離層および接着層が積層された積層体の接着層上に、支持シート上に形成されたセラミックグリーンシートが転写される。
支持シート上に形成されたセラミックグリーンシートを、支持シート上に、剥離層、電極層、スペーサ層、接着層、セラミックグリーンシート、接着層、電極層、スペーサ層、剥離層および接着層が積層された積層体の接着層上に転写するにあたっては、その温度が制御された第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラとの間に、セラミックグリーンシートが形成された支持シートと、積層体が形成された支持シートとを、セラミックグリーンシートが形成された支持シートが第一の加圧ローラに接触し、積層体が形成された支持シートが第二の加圧ローラに接触するように供給し、第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラとによって、セラミックグリーンシートが形成された支持シートと、積層体が形成された支持シートとを加圧することによって、支持シート上に形成されたセラミックグリーンシートと、支持シート上に、剥離層、電極層、スペーサ層、接着層、セラミックグリーンシート、接着層、電極層、スペーサ層、剥離層および接着層が積層された積層体の接着層とが接着され、その後に、支持シートがセラミックグリーンシートから剥離される。
本発明においては、第一の加圧ローラの温度がT1以下に設定され、第二の加圧ローラの温度が(Tg+α)以下に設定される。ここに、Tgは、積層体が形成された支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、積層体が形成された支持シートの温度が、積層体が形成された支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、セラミックグリーンシートと接着層との接触面の温度が、セラミックグリーンシートと接着層とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。
本発明において、支持シート上に形成されたセラミックグリーンシートと、支持シートに形成された積層体の接着層は、約0.2MPaないし約15MPaの圧力で、好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaの圧力で、加圧されて、支持シート上に形成されたセラミックグリーンシートと、支持シートに形成された積層体の接着層が接着される。
支持シートに形成された積層体の接着層と、支持シート上に形成されたセラミックグリーンシートとが接着されると、接着層に接着したセラミックグリーンシートから、支持シートが剥離される。
こうして、支持シート上に、剥離層、電極層、スペーサ層、接着層、セラミックグリーンシートからなる積層体ユニットと、電極層、スペーサ層、剥離層、接着層およびセラミックグリーンシートからなる積層体ユニットが、接着層を介して、積層され、2つの積層体ユニットを含む積層体ユニットセットが作製され、作製された積層体ユニットは、ローラによって巻き取られる。
さらに、2つの積層体ユニットが、接着層を介して、積層された積層体ユニットセットが巻回されたローラが、積層装置にセットされ、電極層およびスペーサ層の表面に、支持シートの表面に形成された接着層を転写したのと同様にして、積層体ユニットセットの表面のセラミックグリーンシートの表面に、接着層が転写される。
こうして、支持シート上に、2つの積層体ユニットが積層されて、積層体ユニットセットが作製され、積層体ユニットセットの表面のセラミックグリーンシートの表面に、接着層が転写されると、積層体ユニットセットが、所定のサイズに裁断されて、積層体ブロックが作製される。
あるいは、同様にして、次々に、積層体ユニットが、支持シート上の積層体ユニットセット上に積層されて、所定の数の積層体ユニットが積層された積層体ユニットセットが作製されると、積層体ユニットセットが、所定のサイズに裁断されて、積層体ブロックが作製される。
こうして作製された積層体ブロックが積層されて、積層セラミック電子部品が製造される。
本発明によれば、セラミックグリーンシートの変形および破壊を防止するとともに、電極ペースト中の溶剤がセラミックグリーンシート中に染み込むことを防止することができ、セラミックグリーンシートと電極層とが積層された積層体ユニットを、所望のように、製造することができる積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法、積層体ユニットを含む積層電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法および積層電子部品の製造装置を提供することが可能になる。
また、本発明によれば、セラミックグリーンシートと電極層とが積層された積層体ユニットを含む積層電子部品を、所望のように、製造することができる積層電子部品の製造装置を提供することが可能になる。
以下、添付図面に基づいて、本発明の好ましい実施態様にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法につき、詳細に説明を加える。
積層セラミックコンデンサを製造するにあたっては、まず、セラミックグリーンシートを製造するために、誘電体ペーストが調製される。
誘電体ペーストは、通常、誘電体材料と、有機溶剤中にバインダを溶解させた有機ビヒクルを混練して、調製される。
調製された誘電体ペーストは、たとえば、エクストルージョンコーターやワイヤーバーコーターなどを用いて、支持シート上に塗布され、塗膜が形成される。
誘電体ペーストを塗布する支持シートとしては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられ、剥離性を改善するために、その表面に、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされる。支持シートの厚さは、とくに限定されるものではないが、好ましくは、約5μmないし約100μmである。
次いで、塗膜が、たとえば、約50℃ないし約100℃の温度で、約1分ないし約20分にわたって、乾燥され、支持シート上に、セラミックグリーンシートが形成される。
乾燥後におけるセラミックグリーンシートの厚さは3μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは、1.5μm以下である。
また、セラミックグリーンシートが形成される支持シートの幅は、通常、100mmないし400mm程度である。
図1は、支持シートの表面上に、セラミックグリーンシートが形成された状態を示す略断面図である。
実際には、支持シート1は、長尺状をなし、セラミックグリーンシート2は、長尺状の支持シート1の表面に、連続的に形成される。
セラミックグリーンシート2が形成された後、支持シート1は、ローラ(図示せず)によって、巻き取られる。
一方、セラミックグリーンシート2を形成する支持シート1とは別の支持シートが用意されて、別の支持シート上に、剥離層、電極層およびスペーサ層が形成される。
図2は、その表面上に、剥離層および電極層が形成された支持シートの略一部断面図である。
実際には、支持シート4は、長尺状をなし、剥離層5は、長尺状の支持シート4の表面に、連続的に形成され、剥離層5の表面に、電極層6が、所定のパターンで形成される。
支持シート4の表面に、剥離層5を形成するにあたっては、まず、セラミックグリーンシート2を形成する場合と同様にして、剥離層5を形成するための誘電体ペーストが調製される。
剥離層5を形成するための誘電体ペーストは、好ましくは、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料と実質的に同一組成の誘電体材料の粒子を含んでいる。
剥離層5を形成するための誘電体ペーストに含まれているバインダは、セラミックグリーンシート2に含まれているバインダと同系であっても、同系でなくてもよいが、同系であることが好ましい。
こうして、誘電体ペーストが調製されると、たとえば、ワイヤーバーコーター(図示せず)を用いて、支持シート4上に、誘電体ペーストが塗布され、剥離層5が形成される。
剥離層5の厚さは、電極層6の厚さ以下であることが好ましく、好ましくは、電極層6の厚さの約60%以下、さらに好ましくは、電極層6の厚さの約30%以下である。
剥離層5を形成すべき支持シート4としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられ、剥離性を改善するために、その表面に、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされる。支持シート4の厚さは、とくに限定されるものではなく、セラミックグリーンシート2を形成すべき支持シート1の厚さと同じであっても、異なっていてもよいが、好ましくは、約5μmないし約100μmである。
剥離層5の形成後、剥離層5は、たとえば、約50℃ないし約100℃で、約1分ないし約10分にわたって、乾燥される。
剥離層5が乾燥された後、剥離層5の表面上に、焼成後に、内部電極層を構成する電極層6が、所定のパターンで形成される。
電極層6は、約0.1μmないし約5μmの厚さに形成されることが好ましく、より好ましくは、約0.1μmないし約1.5μmである。
電極層6を、剥離層5上に形成するに際しては、まず、各種導電性金属や合金からなる導電体材料、焼成後に、各種導電性金属や合金からなる導電体材料となる各種酸化物、有機金属化合物、または、レジネートなどと、有機溶剤中にバインダを溶解させた有機ビヒクルとを混練して、電極ペーストが調製される。
電極ペーストを製造する際に用いる導電体材料としては、Ni、Ni合金あるいはこれらの混合物が、好ましく用いられる。
導電体材料の平均粒子径は、とくに限定されるものではないが、通常、約0.1μmないし約2μm、好ましくは、約0.2μmないし約1μmの導電性材料が用いられる。
電極層6は、スクリーン印刷機やグラビア印刷機などの印刷機を用いて、電極ペーストを、剥離層5上に印刷することによって形成される。
剥離層5の表面上に、所定パターンの有する電極層6を、スクリーン印刷法やグラビア印刷法によって、形成した後に、電極層6が形成されていない剥離層5の表面に、電極層6と相補的なパターンで、スペーサ層が形成される。
図3は、剥離層5の表面上に、電極層6およびスペーサ層が形成された状態を示す略一部断面図である。
スペーサ層7は、剥離層5の表面に、電極層6を形成するのに先立って、電極層6が形成されるべき部分を除く剥離層5の表面に形成することもできる。
スペーサ層7を形成するにあたっては、セラミックグリーンシート2を作製したときに用いた誘電体ペーストと、実質的に同一組成の誘電体材料の粉末を含む同様な組成の誘電体ペーストが調製され、スクリーン印刷法やグラビア印刷法により、誘電体ペーストが、電極層6が形成されていない剥離層5の表面に、電極層6と相補的なパターンで、印刷される。
本実施態様においては、スペーサ層7は、ts/te=1.1になるように、剥離層5上に形成される。ここに、tsはスペーサ層7の厚さであり、teは電極層6の厚さである。
剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が形成された後、支持シート4は、ローラ(図示せず)によって巻き取られる。
本実施態様においては、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7は、接着層を介して、接着されるように構成されており、さらに、セラミックグリーンシート2が形成された支持シート1ならびに電極層6およびスペーサ層7が形成された支持シート4とは別の支持シートが用意され、新たに用意された支持シート上に、接着層が形成されて、接着シートが作製される。
図4は、支持シートの表面上に、接着層が形成された接着シートの略一部断面図である。
実際には、支持シート9は、長尺状をなし、接着層10は、長尺状の支持シート9の表面に、連続的に形成される。
接着層10を形成すべき支持シート9としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられ、その両表面に、剥離性を改善するために、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされる。支持シート9の厚さは、とくに限定されるものではないが、好ましくは、約5μmないし約100μmである。
接着層10を形成するにあたっては、まず、接着剤溶液が調製される。
本実施態様においては、接着剤溶液は、バインダ、誘電体材料の粉末、可塑剤および帯電防止剤と、任意成分として、剥離剤とを含んでいる。
接着剤溶液に含まれるバインダは、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストに含まれるバインダと同系のバインダであることが好ましいが、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストに含まれるバインダと同系でないバインダであってもよい。
本実施態様においては、接着剤溶液は、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粒子と実質的に同一の組成を有し、その粒径が、接着層10の厚さ以下の誘電体材料の粒子を含んでいる。
接着剤溶液中の誘電体材料の粒子のバインダ重量に対する割合は、セラミックグリーンシートに含まれている誘電体材料の粒子のバインダ重量に対する割合より小さいことが好ましく、接着剤溶液中の誘電体材料の粒子の含有量は、バインダ重量の0.5重量%ないし25重量%であることが好ましい。
接着剤溶液に含まれる可塑剤は、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストに含まれる可塑剤と同系の可塑剤であることが好ましいが、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストに含まれるバインダと同系でない可塑剤であってもよい。
可塑剤の含有量は、バインダ100重量部に対して、約0重量部ないし約200重量部、好ましくは、約20重量部ないし約200重量部、さらに好ましくは、約50重量部ないし約100重量部である。
本実施態様において、接着剤溶液は、バインダの0.01重量%ないし15重量%の帯電防止剤を含んでいる。
本実施態様においては、帯電防止剤として、イミダゾリン系界面活性剤が用いられている。
こうして調製された接着剤溶液は、たとえば、バーコータ、エクストルージョンコータ、リバースコータ、ディップコーター、キスコーターなどによって、支持シート9の表面上に塗布され、好ましくは、約0.3μm以下、より好ましくは、約0.02μmないし約0.3μm、さらに好ましくは、約0.02μmないし約0.2μmの厚さを有する接着層10が形成される。接着層10の厚さが、約0.02μm未満の場合には、接着力が低下し、一方、接着層10の厚さが、約0.3μmを越えると、欠陥(隙間)の発生原因となり、好ましくない。
接着層10は、たとえば、室温(25℃)ないし約80℃の温度で、約1分ないし約5分にわたって、乾燥される。接着層10の乾燥条件は、とくに限定されるものではない。
支持シート9の表面に、接着層10が形成されて形成された接着シート11は、ローラ(図示せず)によって巻き取られる。本実施態様においては、支持シート9は、その両表面に、剥離性を改善するために、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされているから、ローラによって巻き取ったときに、接着層10が支持シート9の裏面に接着することが防止される。
こうして、支持シート9上に形成された接着層10は、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写される。
図5は、支持シート9上に形成された接着層10を、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写する転写装置の略断面図である。
図5に示されるように、支持シート9上に形成された接着層10を、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写する転写装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、中間シート巻き取りローラ14と、第一の加圧ローラ15と、第二の加圧ローラ16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ21と、支持シート9の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22a、22bと、中間シート19の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22c、22fと、支持シート4の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22d、22eと、支持シート4のテンションを調整するシートテンション調整ローラ23a、23b、23c、23d、23e、23fとを備えている。
図5には図示されていないが、転写装置のシート蛇行修正デバイス22a、22b、シート蛇行修正デバイス22c、22fおよびシート蛇行修正デバイス22d、22eは、それぞれ、支持シート9、中間シート19および支持シート4の一縁部を検出するセンサと、支持シート9、中間シート19および支持シート4の幅方向に沿って、配置され、支持シート9、中間シート19および支持シート4の長手方向に垂直な面内で、揺動可能なローラを備えており、センサが検出した支持シート9、中間シート19および支持シート4の一縁部の位置に応じて、ローラを揺動させることによって、支持シート9、中間シート19および支持シート4の蛇行を修正することができるように構成されている。
図5には図示されていないが、シートテンション調整ローラ23eは、長手方向に沿った断面が略H字状をなし、支持シート4の両縁部を支持しつつ、支持シート4を搬送可能に構成されている。
本実施態様においては、上方に配置された第一の加圧ローラ15は、金属ローラによって構成され、下方に配置された第二の加圧ローラ16は、ゴムローラによって構成されている。
第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16には、それぞれ、加熱機構(図示せず)が設けられ、第一の加圧ローラ15の温度および第二の加圧ローラ16の温度が、独立して、制御可能に構成されている。
支持シート9上に形成された接着層10を、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写するにあたっては、第一の繰り出しローラ12として、接着シート11が巻回されたローラが転写装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、表面に、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が積層された支持シート4が巻回されたローラがセットされる。
さらに、中間シート19が巻回された中間シート繰り出しローラ21が転写装置にセットされる。
中間シート19は、電極層6およびスペーサ層7の表面に転写された接着層10の表面に付着され、接着層10が電極層6およびスペーサ層7の表面に転写された支持シート4を、第二の巻き取りローラ18によって巻き取った際に、接着層11が支持シート4の表面に接着することを防止するものであり、本実施態様においては、接着層10が形成された支持シート9を同じ材料によって形成され、支持シート9を同一の厚さを有し、中間シート19の接着層10に付着される表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成される支持シート9と同じ表面処理が施されている。
支持シート9上に形成された接着層10を、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12から、接着シート11が繰り出される。
第一の繰り出しローラ12から繰り出された接着シート11は、シート蛇行修正デバイス22aによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整される。
第一の繰り出しローラ12からの接着シート11の繰り出しに同期して、第二の繰り出しローラ13から、表面に、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が積層された支持シート4が繰り出される。
第二の繰り出しローラ13から繰り出された支持シート4は、シートテンション調整ローラ23a、23bおよび23cによって、そのテンションが調整される。
支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に、十分に高い接着強度を有するように、接着層10を貼り合わせるためには、接着層10と電極層6およびスペーサ層7との接触面の温度Tが、所望の接着温度以上になるように、接着層10と電極層6およびスペーサ層7を加熱することが必要である。したがって、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16を加熱し、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16から伝達される熱のみによって、接着層10と電極層6およびスペーサ層7との接触面の温度Tが、所望の接着温度以上になるように、接着層10と電極層6およびスペーサ層7を加熱する場合には、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16をきわめて高い温度に設定することが必要になる。しかしながら、本発明者の研究によれば、第二の加圧ローラ16をきわめて高い温度に設定し、支持シート4の温度が支持シート4のガラス転移温度Tg1を越えたときには、支持シート4が変形しやすくなって、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16から加えられる圧力によって、支持シート4に皺が発生しやすくなり、支持シート4上に、形成された剥離層5、電極層6およびスペーサ層7上に、接着層10およびセラミックグリーンシート2を積層して、積層体ユニットを形成し、多数の積層体ユニットを積層して、積層体ブロックを作製する際に、多数の積層体ユニットの積層のために加えられる圧力によって、支持シート4に形成された皺が、剥離層5の表面に転写され、さらに、多数の積層体ブロックを積層して、積層セラミックコンデンサを作製する際に、積層体ブロック50の剥離層5の表面に転写された皺に、エアが保持され、所望のように、多数の積層体ブロック50を積層することが困難になり、その一方で、第一の加圧ローラ15の温度をきわめて高い温度に設定した結果、支持シート9に皺が発生しても、支持シート9は、接着層10の転写後に、接着層10から剥離されるため、積層体ブロックを作製する際に、不具合が生じることはないということが見出された。
そこで、図5に示された転写装置においては、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度を比較的低い温度に設定して、支持シート4が、支持シート4のガラス転移点温度Tg1以上に加熱されることを防止する一方で、第一の加圧ローラ15の温度をきわめて高い温度T1に設定して、接着層10と電極層6およびスペーサ層7との接触面の温度が、接着層10と電極層6およびスペーサ層7とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、接着層10と電極層6およびスペーサ層7を加熱するように構成されている。
すなわち、図5に示された転写装置においては、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定され(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、接着層10と電極層6およびスペーサ層7との接触面の温度が、接着層10と電極層6およびスペーサ層7とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、それによって、第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、接着層10と電極層6およびスペーサ層7の接着強度の向上が図られている。第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4がポリエチレンテレフタレートによって形成されている場合には、αは、たとえば、5ないし10℃に設定される。
接着シート11および支持シート4は、それぞれ、支持シート9が上方の第一の加圧ローラ15に接触し、支持シート4が下方の第二の加圧ローラ16に接触するように、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間に供給される。
支持シート9に形成された接着層10を、電極層6およびスペーサ層7の表面に転写する場合には、中間シート巻き取りローラ14は駆動されない。
図6は、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の近傍の略拡大断面図である。
図5および図6に示された転写装置においては、上述のように、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)以下に設定されている。
また、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
表面に、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が積層された支持シート4および表面に、接着層10が形成された支持シート9の供給速度は、たとえば、2m/分に設定される。
図6に示されるように、接着層10が形成された支持シート9は、支持シート9に加えられる引張り力によって、支持シート9が、上方に位置する第一の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間に供給され、電極層6およびスペーサ層7が形成された支持シート4は、支持シート4が、下方に位置する第二の加圧ローラ16に接触し、電極層6およびスペーサ層7が、支持シート9上に形成された接着層10の表面に接触するように、略水平方向に、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間に供給される。
その結果、支持シート9上に形成された接着層10が、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に接着される。
図5および図6に示された転写装置においては、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定されているから(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、接着層10と電極層6およびスペーサ層7との接触面の温度が、接着層10と電極層6およびスペーサ層7とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16によって、第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4をガラス転移温度Tg1以上に加熱することなく、接着層10と電極層6およびスペーサ層7との接触面の温度Tが、所望の接着温度以上になるように制御することができ、したがって、支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、接着層10と電極層6およびスペーサ層7の接着強度を向上させることが可能になる。
一方、図6に示されるように、接着層10が形成された支持シート9は、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間から、斜め上方に向けて、搬送され、したがって、支持シート9は、電極層6およびスペーサ層7の表面に接着した接着層10から剥離されて、シート蛇行修正デバイス22bによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整され、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られる。
接着層10から、支持シート9を剥離する際、静電気が発生し、塵埃が付着したり、接着層10が、支持シート9に引き付けられ、所望のように、支持シート9を、接着層10から剥離することが困難になることがあるが、本実施態様においては、接着層10が、バインダに対して、0.01重量%ないし15重量%のイミダゾリン系界面活性剤を含んでいるから、静電気の発生を効果的に防止することが可能になる。
こうして、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に、接着層10が接着され、接着層10から、支持シート9が剥離されると、図5に示されるように、支持シート4は、シート蛇行修正デバイス22eに送られ、シート蛇行修正デバイス22eによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整され、さらに、シートテンション調整ローラ23d、23e、23fに送られて、そのテンションが調整される。
本実施態様においては、シートテンション調整ローラ23eは、長手方向に沿った断面が略H字状をなし、支持シート4の両縁部を支持しつつ、支持シート4を搬送可能に構成されているから、接着層10がシートテンション調整ローラ23eに付着することを効果的に防止することが可能になる。
次いで、図5に示されるように、中間シート繰り出しローラ21から、中間シート19が繰り出され、必要に応じて、シート蛇行修正デバイス22fによって、その幅方向の位置が調整された後、接着層10の表面に付着され、その表面に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10および中間シート19が積層された支持シート4が、第二の巻き取りローラ18によって巻き取られる。
本実施態様においては、スペーサ層7および接着層10には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、接着層10とスペーサ層7との接着性を向上させることができ、支持シート9を、接着層10から剥離する際に、支持シート9とともに、接着層10が電極層6およびスペーサ層7から剥離することを確実に防止することが可能になる。
また、本実施態様においては、中間シート19は、接着層10が形成された支持シート9と同じ材料によって形成され、支持シート9と同一の厚さを有し、中間シート19の接着層10に付着される表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成された支持シート9と同じ表面処理が施されているから、中間シート19を、所望のように、接着層10の表面に付着させることができる。
このように、本実施態様においては、接着層10の表面に、中間シート19が付着された後に、その表面に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10および中間シート19が積層された支持シート4が、第二の巻き取りローラ18によって巻き取られるように構成されているから、支持シート4の巻き取りに際して、接着層10が支持シート4に接着することがない。
次いで、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2が、接着層10を介して、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写される。
図7は、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2を、接着層10を介して、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写する転写装置の略断面図である。
図7に示されるように、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2を、接着層10を介して、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写する転写装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、中間シート巻き取りローラ14と、第一の加圧ローラ15と、第二の加圧ローラ16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ21と、支持シート1の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22a、22bと、中間シート19の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22c、22fと、支持シート4の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22d、22eと、支持シート4のテンションを調整するシートテンション調整ローラ23a、23b、23c、23d、23e、23fとを備え、図5に示された転写装置と同一の構成を有している。
支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2を、接着層10を介して、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12として、表面に、セラミックグリーンシート2が形成された支持シート1が巻回されたローラが、転写装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、表面に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10および中間シート19が積層された支持シート4が巻回された第二の巻き取りローラ18が、転写装置にセットされる。
次いで、第二の繰り出しローラ13から、表面に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10および中間シート19が積層された支持シート4が繰り出され、接着層10の表面に付着した中間シート19が剥離され、剥離された中間シート19は、シート蛇行修正デバイス22cによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整されて、中間シート巻き取りローラ14によって巻き取られる。
本実施態様においては、中間シート19の表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成された支持シート9と同じ表面処理が施されているから、中間シート19を接着層10から、所望のように、剥離させて、中間シート巻き取りローラ14によって巻き取ることができる。
中間シート19が接着層10から剥離された支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7および接着層10からなる積層体は、テンション調整ローラ22a、22bおよび22cによって、そのテンションが調整される。
一方、第二の繰り出しローラ13からの支持シート4の繰り出しに同期して、第一の繰り出しローラ12から、表面に、セラミックグリーンシート2が形成された支持シート1が繰り出され、第一の繰り出しローラ12から繰り出された支持シート1は、蛇行修正デバイス22aによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整される。
図7に示された転写装置においては、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度を比較的低い温度に設定して、支持シート4が、支持シート4のガラス転移点温度Tg1以上に加熱されることを防止する一方で、第一の加圧ローラ15の温度をきわめて高い温度T1に設定して、セラミックグリーンシート2と接着層10との接触面の温度が、セラミックグリーンシート2と接着層10とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、セラミックグリーンシート2と接着層10を加熱するように構成されている。
すなわち、図7に示された転写装置においては、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定され(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、セラミックグリーンシート2と接着層10との接触面の温度が、セラミックグリーンシート2と接着層10とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、それによって、第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着強度の向上が図られている。第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4がポリエチレンテレフタレートによって形成されている場合には、αは、たとえば、5ないし10℃に設定される。
支持シート1および支持シート4は、それぞれ、支持シート1が上方に位置する第一の加圧ローラ15に接触し、支持シート4が下方に位置する第二の加圧ローラ16に接触するように、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間に供給される。
図8は、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の近傍の略拡大断面図である。
図7および図8に示された転写装置においては、上述のように、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)以下に設定されている。
また、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
その表面に、セラミックグリーンシート2が形成された支持シート1およびその表面に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7および接着層10が積層された支持シート4の供給速度は、たとえば、2m/分に設定される。
図8に示されるように、セラミックグリーンシート2が形成された支持シート1は、支持シート1に加えられる引張り力によって、支持シート1が、上方に位置する第一の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16間に供給され、電極層6およびスペーサ層7が形成された支持シート4は、支持シート4が、下方に位置する第二の加圧ローラ16に接触し、電極層6およびスペーサ層7が、接着層を介して、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に接触するように、略水平方向に、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16間に供給される。
その結果、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に、接着層10を介して、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2が接着され、その一方で、図8に示されるように、セラミックグリーンシート2が形成された支持シート1は、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間から、斜め上方に向けて、搬送されるから、支持シート1が、電極層6およびスペーサ層7の表面に接着したセラミックグリーンシート2から剥離される。
図7および図8に示された転写装置においては、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定されているから(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、セラミックグリーンシート2と接着層10との接触面の温度が、セラミックグリーンシート2と接着層10とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16によって、第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4をガラス転移温度Tg1以上に加熱することなく、セラミックグリーンシート2と接着層10との接触面の温度Tが、所望の接着温度以上になるように制御することができ、したがって、支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着強度を向上させることが可能になる。
セラミックグリーンシート2から剥離された支持シート1は、シート蛇行修正デバイス22bによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整されて、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られ、一方、接着層10を介して、セラミックグリーンシート2が電極層6およびスペーサ層7の表面に接着した支持シート4は、シート蛇行修正デバイス22eによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整され、シートテンション調整ローラ23d、23e、23fによって、そのテンションが調整されて、第二の巻き取りローラ18によって巻き取られる。
本実施態様においては、シートテンション調整ローラ23eは、長手方向に沿った断面が略H字状をなし、支持シート4の両縁部を支持しつつ、支持シート4を搬送可能に構成されているから、セラミックグリーンシート2がシートテンション調整ローラ23eに付着することを効果的に防止することが可能になる。
さらに、本実施態様においては、スペーサ層7および接着層10には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、スペーサ層7と接着層10との接着性および接着層10とセラミックグリーンシート2との接着性を向上させることができ、したがって、セラミックグリーンシート2から、支持シート1を剥離する際に、セラミックグリーンシート2が、支持シート1とともに、接着層10から剥離することを確実に防止することが可能になる。
また、本実施態様においては、接着層10を、電極層6およびスペーサ層7の表面に転写した後に、接着層10の表面に、中間シート19を付着させるように構成されているから、その表面に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10および中間シート19が積層された支持シート4を、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取っても、接着層10が、支持シート4の表面に付着することがなく、したがって、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを、接着層10を介して、接着して、積層体ユニットを作製する転写装置を、支持シート4の表面に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に、接着層10を転写するための転写装置と並列的に配置することができるから、製造ラインが徒に長くなることを防止することが可能になる。
さらに、本実施態様においては、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とは、接着層10を介して、接着され、従来のように、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7に含まれているバインダの粘着力や、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の変形を利用して、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを接着してはいないから、たとえば、約0.2MPaないし約15MPaの低い圧力で、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを接着することができる。
したがって、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の変形を防止することが可能になるから、こうして得られたセラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の積層体を積層して、積層セラミックコンデンサを作製する際の積層精度を向上させることが可能になる。
さらに、本実施態様においては、電極層6および電極層6よりも密度が小さく、圧縮率が高いスペーサ層7が、ts/te=1.1となるように形成されているから、電極層6およびスペーサ層7を、接着層10を介して、セラミックグリーンシート2上に転写する際に、加圧によって、スペーサ層7が圧縮され、接着層10を介して、電極層6およびスペーサ層7と、セラミックグリーンシート2とを確実に接着させることができ、したがって、剥離層5から、支持シート4を剥離するときに、電極層6が、支持シート4とともに、剥離することを確実に防止することが可能になる。
また、本実施態様においては、支持シート4上に形成された電極層6が乾燥した後に、接着層10を介して、セラミックグリーンシート2の表面に接着するように構成されているから、セラミックグリーンシート2の表面に、電極ペーストを印刷して、電極層6を形成する場合のように、電極ペーストが、セラミックグリーンシート2に含まれているバインダを溶解させ、あるいは、膨潤させることがなく、また、電極ペーストがセラミックグリーンシート2中に染み込むこともなく、所望のように、セラミックグリーンシート2の表面に、電極層6を形成することが可能になる。
以上のようにして、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に、接着層10を介して、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2が接着され、セラミックグリーンシート2から、支持シート1が剥離された後、その表面に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2が積層された支持シート4が、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取られる。
こうして、支持シート4の表面に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2が積層された積層体ユニット20が形成される。
次いで、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に、接着シート11の接着層10を転写したのと全く同様にして、支持シート4上に形成された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着シート11の接着層10が転写される。
図9は、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着シート11の接着層10を転写する転写装置の略断面図である。
図9に示されるように、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着シート11の接着層10を転写する転写装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、中間シート巻き取りローラ14と、第一の加圧ローラ15、第二の加圧ローラ16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ21と、支持シート9の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22a、22bと、中間シート19の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22c、22fと、支持シート4の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22d、22eと、支持シート4のテンションを調整するシートテンション調整ローラ23a、23b、23c、23d、23e、23fとを備え、図5に示された転写装置および図7に示された転写装置と同一の構成を有している。
積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、支持シート9の表面に形成された接着層10を転写するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12として、接着シート11が巻回されたローラが転写装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、表面に、積層体ユニット20が形成された支持シート4が巻回された第二の巻き取りローラ18がセットされる。
次いで、第一の繰り出しローラ12から、接着シート11が繰り出され、蛇行修正デバイス22aによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整される。
第一の繰り出しローラ12からの接着シート11の繰り出しに同期して、第二の繰り出しローラ13から、表面に、積層体ユニット20が形成された支持シート4が繰り出され、テンション調整ローラ22a、22bおよび22cによって、そのテンションが調整される。
図9に示された転写装置においては、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度を比較的低い温度に設定して、支持シート4が、支持シート4のガラス転移点温度Tg1以上に加熱されることを防止する一方で、第一の加圧ローラ15の温度をきわめて高い温度T1に設定して、接着層10とセラミックグリーンシート2との接触面の温度が、接着層10とセラミックグリーンシート2とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、接着層10とセラミックグリーンシート2を加熱するように構成されている。
すなわち、図9に示された転写装置においては、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定され(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、接着層10とセラミックグリーンシート2との接触面の温度が、接着層10とセラミックグリーンシート2とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、それによって、第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、接着層10とセラミックグリーンシート2との接着強度の向上が図られている。第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4がポリエチレンテレフタレートによって形成されている場合には、αは、たとえば、5ないし10℃に設定される。
接着シート11および支持シート4は、それぞれ、支持シート9が上方に位置する第一の加圧ローラ15に接触し、支持シート4が下方に位置する第二の加圧ローラ16に接触するように、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間に供給される。
支持シート9に形成された接着層10を、セラミックグリーンシート2の表面に転写する場合には、中間シート巻き取りローラ14は駆動されない。
図10は、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の近傍の略拡大断面図である。
図9および図10に示された転写装置においては、上述のように、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)以下に設定されている。
また、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
その表面に、積層体ユニット20が形成された支持シート4およびその表面に、接着層10が形成された支持シート9の供給速度は、たとえば、2m/分に設定される。
図10に示されるように、接着層10が形成された支持シート9は、支持シート9に加えられる引張り力によって、支持シート9が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16間に供給され、その表面に、積層体ユニット20が形成された支持シート4は、支持シート4が、下方の加圧ローラ16に接触し、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2が、支持シート9上に形成された接着層10の表面に接触するように、略水平方向に、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16間に供給される。
その結果、支持シート9上に形成された接着層10が、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に接着される。
図9および図10に示された転写装置においては、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定されているから(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、接着層10とセラミックグリーンシート2との接触面の温度が、接着層10とセラミックグリーンシート2とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16によって、第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4をガラス転移温度Tg1以上に加熱することなく、接着層10とセラミックグリーンシート2との接触面の温度Tが、所望の接着温度以上になるように制御することができ、したがって、支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、接着層10とセラミックグリーンシート2との接着強度を向上させることが可能になる。
一方、図10に示されるように、接着層10が形成された支持シート9は、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間から、斜め上方に向けて、搬送され、その結果、支持シート9が、セラミックグリーンシート2の表面に接着した接着層10から剥離され、シート蛇行修正デバイス22bによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整され、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られる。
支持シート9上に形成された接着層10が、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に接着され、接着層10から、支持シート9が剥離されると、図9に示されるように、支持シート4は、シート蛇行修正デバイス22eに送られ、シート蛇行修正デバイス22eによって、必要に応じて、その幅方向に位置が調整され、さらに、シートテンション調整ローラ23d、23e、23fに送られて、そのテンションが調整される。
本実施態様においては、シートテンション調整ローラ23eは、長手方向に沿った断面が略H字状をなし、支持シート4の両縁部を支持しつつ、支持シート4を搬送可能に構成されているから、接着層10がシートテンション調整ローラ23eに付着することを効果的に防止することが可能になる。
次いで、図9に示されるように、中間シート繰り出しローラ21から、中間シート19が繰り出され、必要に応じて、シート蛇行修正デバイス22fによって、その幅方向の位置が調整された後、接着層10の表面に付着され、次いで、積層体ユニット20が形成された支持シート4が、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取られる。
本実施態様においては、接着層10には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、接着層10とセラミックグリーンシート2との接着性を向上させることができ、したがって、接着層10から支持シート9を剥離する際に、接着層10が、支持シート9とともに、セラミックグリーンシート2から剥離することを確実に防止することが可能になる。
以上のようにして得られた積層体ユニット20が、裁断装置(図示せず)によって、所定のサイズに裁断されて、支持シート4の表面上に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10、セラミックグリーンシート2および接着層10が積層された所定のサイズを有する積層体ユニット20が作製される。
図11は、こうして、裁断装置によって、所定のサイズに裁断された積層体ユニット20の略断面図である。
図11に示されるように、積層体ユニット20は、支持シート4の表面上に形成され、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を備え、セラミックグリーンシート2上には、接着層10が転写されている。
同様にして、支持シート4の表面上に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を積層し、セラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を転写して、それぞれが、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10をセラミックグリーンシート2含み、セラミックグリーンシート2上に、接着層10が転写された多数の積層体ユニット20が作製される。
こうして作製された多数の積層体ユニット20を、セラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10を介して、積層することによって、積層セラミックコンデンサが作製される。
図12は、積層体ユニット20の積層プロセスの第一のステップを示す略一部断面図である。
図12に示されるように、積層体ユニット20の積層にあたっては、まず、多数の孔36が形成された基板35上に、支持体38がセットされる。
支持体38としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられる。
支持体38は、基板35に形成された多数の孔36を介して、エアにより吸引され、基板35上の所定の位置に固定される。
図13は、積層体ユニット20の積層プロセスの第二のステップを示す略一部断面図である。
次いで、図13に示されるように、セラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10の表面が、支持体38の表面に接触するように、積層体ユニット20が位置決めされて、積層体ユニット20の支持シート4が、プレス機などによって、加圧される。
その結果、積層体ユニット20が、セラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10を介して、基板35上に固定された支持体38上に接着されて、積層される。
図14は、積層体ユニット20の積層プロセスの第三のステップを示す略一部断面図である。
積層体ユニット20が、セラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10を介して、基板35上に固定された支持体38上に接着されて、積層されると、図14に示されるように、支持シート4が、積層体ユニット20の剥離層5から剥離される。
本実施態様においては、電極層6およびスペーサ層7が、ts/te=1.1となるように形成されているので、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16によって、スペーサ層7が圧縮されて、スペーサ層7のみならず、電極層6も、接着層10を介して、セラミックグリーンシート2の表面に接着され、したがって、積層体ユニット20の剥離層5から、支持シート4を剥離するときに、電極層6が、支持シート4とともに、セラミックグリーンシート2から剥離することを効果的に防止することができる。
こうして、セラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10を介して、基板35上に固定されている支持体38上に積層された積層体ユニット20の剥離層5上に、さらに、積層体ユニット20が積層される。
図15は、積層体ユニット20の積層プロセスの第四のステップを示す略一部断面図である。
次いで、図15に示されるように、セラミックグリーンシート2上に転写された接着層10の表面が、基板35に固定された支持体38に接着された積層体ユニット20の剥離層5の表面に接触するように、新たな積層体ユニット20が位置決めされて、新たな積層体ユニット20の支持シート4が、プレス機などによって、加圧される。
その結果、新たな積層体ユニット20が、セラミックグリーンシート2上に形成された接着層10を介して、基板35上に固定されている支持体38上に接着された積層体ユニット20上に、積層される。
積層体ユニット20を作製する過程で、積層体ユニット20の支持シート4に皺が形成された場合には、積層体ユニット20を、基板35上に固定された支持体38上に積層するために、プレス機などによって、積層体ユニット20の支持シート4が加圧されたときに、支持シート4の皺が、剥離層5の表面に転写され、さらに、支持体38上に積層された積層体ユニット20の剥離層5上に、別の積層体ユニット20を積層するために、プレス機などによって、積層体ユニット20の支持シート4が加圧されたときに、支持体38上に積層された積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写された皺が、積層すべき積層体ユニット20の接着層10やセラミックグリーンシート2の表面に転写されて、多数の積層体ユニット20を積層する際に、剥離層5や、接着層10あるいはセラミックグリーンシート2の表面に転写された皺に、エアが保持されるため、多数の積層体ユニット20を、所望のように、積層して、積層コンデンサを作製することが困難なるが、本実施態様においては、図5および図6に示された転写装置を用いて、接着層10を、電極層6およびスペーサ層7の表面に転写する際には、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定するとともに、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)以下に設定し、図7および図8に示された転写装置を用いて、セラミックグリーンシート2を、接着層10の表面に転写する際には、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定するとともに、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)以下に設定し、図9および図10に示された転写装置を用いて、接着層10を、セラミックグリーンシート2の表面に転写する際に、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定するとともに、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)以下に設定し、支持シート4の温度が支持シート4のガラス転移温度Tg1以上にならないように制御し、支持シート4に、皺が生じることが効果的に防止されているから、多数の積層体ユニット20を、所望のように、積層して、積層コンデンサを作製することができる。
図16は、積層体ユニット20の積層プロセスの第五のステップを示す略一部断面図である。
新たな積層体ユニット20が、接着層10を介して、基板35上に固定されている支持体38上に接着された積層体ユニット20上に、積層されると、図16に示されるように、新たに積層された積層体ユニット20の支持シート4が、積層体ユニット20の剥離層5から剥離される。
本実施態様においては、接着層10、スペーサ層7および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着性、接着層10とスペーサ層7との接着性および剥離層5と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、支持シート4のみを、積層体ユニット20の剥離層5から、確実に剥離することが可能になる。
同様にして、積層体ユニット20が、次々に積層されて、所定の数の積層体ユニット20が、基板35に固定された支持体38上に積層されて、積層体ブロックが作製される。
所定の数の積層体ユニット20が、基板35に固定されている支持体38上に積層されて、積層体ブロックが作製されると、基板35に固定されている支持体38上に、所定の数の積層体ユニット20が積層された積層体ブロックが、積層セラミックコンデンサの外層上に積層される。
図17は、基板35に固定されている支持体38上に積層された積層体ブロック50を、積層セラミックコンデンサの外層上に積層する積層プロセスの第一のステップを示す略一部断面図である。
図17に示されるように、まず、多数の孔41が形成された基台40上に、接着層42が形成された外層43がセットされる。
外層43は、基台40に形成された多数の孔41を介して、エアにより吸引され、基台40上の所定の位置に固定される。
次いで、図17に示されるように、多数の孔36を介して、エアにより吸引され、基板35上の所定の位置に固定されている支持体38上に積層された積層体ブロック50が、最後に積層された積層体ユニット20の剥離層5の表面が、外層43上に形成された接着層42の表面に接触するように、位置決めされる。
次いで、エアによる支持体38の吸引が停止されて、基板35が、積層体ブロック50を支持している支持体38から取り去られる。
基板35が、支持体38から取り去られると、プレス機などによって、支持体38が加圧される。
その結果、積層体ブロック50が、接着層42を介して、基台40上に固定された外層43上に接着されて、積層される。
図18は、基板35に固定されている支持体38上に積層された積層体ブロック50を、積層セラミックコンデンサの外層上に積層する積層プロセスの第二のステップを示す略一部断面図である。
積層体ブロック50が、接着層42を介して、基台40上に固定された外層43上に接着されて、積層されると、図18に示されるように、支持体38が、積層体ブロック50の接着層10から剥離される。
こうして、接着層42を介して、基台40上に固定されている外層43上に、所定の数の積層体ユニット20が積層された積層体ブロック50が積層される。
接着層42を介して、基台40上に固定されている外層43上に、積層体ブロック50が積層されると、基台40上に固定されている外層43上に積層された積層体ブロック50の最上の積層体ユニット20の接着層10上に、さらに、図12ないし図16に示されたステップにしたがって、基板35に固定されている支持体38上に、所定の数の積層体ユニット20が積層されて、作製された新たな積層体ブロック50が積層される。
図19は、基板35に固定されている支持体38上に積層された積層体ブロック50を、積層セラミックコンデンサの外層上に積層する積層プロセスの第三のステップを示す略一部断面図である。
図19に示されるように、多数の孔36を介して、エアにより吸引され、基板35上の所定の位置に固定されている支持体38上に新たに積層された積層体ブロック50が、最後に積層された積層体ユニット20の剥離層5の表面が、基台40上に固定されている外層43上に積層された積層体ブロック50の最上の積層体ユニット20の接着層10の表面に接触するように、位置決めされる。
次いで、エアによる支持体38の吸引が停止されて、基板35が、積層体ブロック50を支持している支持体38から取り去られる。
基板35が、支持体38から取り去られると、プレス機などによって、支持体38が加圧される。
その結果、新たに積層された積層体ブロック50が、接着層10を介して、基台40上に固定されている外層43上に積層された積層体ブロック50に接着されて、積層される。
図20は、基板35に固定されている支持体38上に積層された積層体ブロック50を、積層セラミックコンデンサの外層上に積層する積層プロセスの第四のステップを示す略一部断面図である。
新たに積層された積層体ブロック50が、接着層10を介して、基台40上に固定されている外層43上に積層された積層体ブロック50に接着されて、積層されると、図20に示されるように、支持体38が、新たに積層された積層体ブロック50の接着層10から剥離される。
こうして、基台40上に固定されている外層43上に積層された積層体ブロック50上に、接着層10を介して、新たに積層された積層体ブロック50が接着されて、積層される。
同様にして、基板35に固定されている支持体38上に積層された積層体ブロック50が、次々に積層されて、所定の数の積層体ブロック50、したがって、所定の数の積層体ユニット20が、積層セラミックコンデンサの外層43上に積層される。
こうして、積層セラミックコンデンサの外層43上に、所定の数の積層体ユニット20が積層されると、他方の外層(図示せず)が、接着層を介して、接着されて、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体が作成される。
本実施態様においては、接着層10、スペーサ層7および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着性、接着層10とスペーサ層7との接着性および剥離層5と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、多数の積層体ブロック50を積層して、積層体を作製する積層プロセス中に、セラミックグリーンシート2と接着層10との間、接着層10と電極層6およびスペーサ層7との間あるいは剥離層5と接着層10との間で、デラミネーションが発生することを効果的に防止することが可能になる。
次いで、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体が、所定のサイズに裁断されて、多数のセラミックグリーンチップが作製される。
こうして作製されたセラミックグリーンチップは、還元ガス雰囲気下に置かれて、バインダが除去され、さらに、焼成される。
本実施態様においては、接着層10、スペーサ層7および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着性、接着層10とスペーサ層7との接着性および剥離層5と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、セラミックグリーンチップの焼成プロセス中に、セラミックグリーンシート2と接着層10との間、接着層10と電極層6およびスペーサ層7との間あるいは剥離層5と接着層10との間で、デラミネーションが発生することを効果的に防止することが可能になる。
次いで、焼成されたセラミックグリーンチップに、必要な外部電極などが取り付けられて、積層セラミックコンデンサが作製される。
本実施態様によれば、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とは、接着層10を介して、接着され、従来のように、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7に含まれているバインダの粘着力や、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の変形を利用して、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを接着してはいないから、たとえば、約0.2MPaないし約15MPaの低い圧力で、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを接着することができる。
したがって、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の変形を防止することが可能になるから、こうして得られたセラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の積層体を積層して、積層セラミックコンデンサを作製する際の積層精度を向上させることが可能になる。
また、本実施態様によれば、支持シート4上に形成された電極層6が乾燥した後に、接着層10を介して、セラミックグリーンシート2の表面に接着するように構成されているから、セラミックグリーンシート2の表面に、電極ペーストを印刷して、電極層6を形成する場合のように、電極ペーストが、セラミックグリーンシート2に含まれているバインダを溶解させ、あるいは、膨潤させることがなく、また、電極ペーストがセラミックグリーンシート2中に染み込むこともなく、所望のように、セラミックグリーンシート2の表面に、電極層6を形成することが可能になる。
さらに、接着層10から、支持シート9を剥離する際、静電気が発生し、塵埃が付着したり、接着層10が、支持シート9に引き付けられ、所望のように、支持シート9を、接着層10から剥離することが困難になることがあるが、本実施態様によれば、接着層10が、バインダに対して、0.01重量%ないし15重量%のイミダゾリン系界面活性剤を含んでいるから、静電気の発生を、効果的に防止することが可能になる。
また、本実施態様によれば、支持シート9に形成された接着層10を、支持シート4に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写する際に、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定されているから(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、接着層10と電極層6およびスペーサ層7との接触面の温度が、接着層10と電極層6およびスペーサ層7とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16により、支持シート4を、支持シート4のガラス転移温度Tg1以上に加熱することなく、接着層10と電極層6およびスペーサ層7との接触面の温度Tが、所望の接着温度以上になるように制御することができ、したがって、支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、接着層10と電極層6およびスペーサ層7の接着強度を向上させることが可能になる。
さらに、本実施態様によれば、支持シート1に形成されたセラミックグリーンシート2を、電極層6およびスペーサ層7の表面に転写された接着層10の表面に転写する際に、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定されているから(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、セラミックグリーンシート2と接着層10との接触面の温度が、セラミックグリーンシート2と接着層10とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16により、支持シート4を、支持シート4のガラス転移温度Tg1以上に加熱することなく、セラミックグリーンシート2と接着層10との接触面の温度Tが、所望の接着温度以上になるように制御することができ、したがって、支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着強度を向上させることが可能になる。
また、本実施態様によれば、支持シート9に形成された接着層10を、支持シート4に形成された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写する際に、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定されているから(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、セラミックグリーンシート2と接着層10との接触面の温度が、セラミックグリーンシート2と接着層10とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16により、支持シート4を、支持シート4のガラス転移温度Tg1以上に加熱することなく、接着層10と積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2との接触面の温度Tが、所望の接着温度以上になるように制御することができ、したがって、支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、接着層10とセラミックグリーンシート2との接着強度を向上させることが可能になる。
したがって、積層体ユニット20を作製する過程で、積層体ユニット20の支持シート4に皺が形成された場合には、積層体ユニット20を、基板35上に固定された支持体38上に積層するために、プレス機などによって、積層体ユニット20の支持シート4が加圧されたときに、支持シート4の皺が、剥離層5の表面に転写され、さらに、支持体38上に積層された積層体ユニット20の剥離層5上に、別の積層体ユニット20を積層するために、プレス機などによって、積層体ユニット20の支持シート4が加圧されたときに、支持体38上に積層された積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写された皺が、積層すべき積層体ユニット20の接着層10やセラミックグリーンシート2の表面に転写されて、多数の積層体ユニット20を積層する際に、剥離層5や、接着層10あるいはセラミックグリーンシート2の表面に転写された皺に、エアが保持されるため、多数の積層体ユニット20を、所望のように、積層して、積層コンデンサを作製することが困難なるが、本実施態様によれば、積層体ユニット20を作製する過程で、支持シート4に、皺が生じることが効果的に防止されているから、多数の積層体ユニット20を、所望のように、積層して、積層コンデンサを作製することができる。
さらに、本実施態様によれば、電極層6および電極層6よりも密度が小さく、圧縮率が高いスペーサ層7が、ts/te=1.1を満たすように形成されているから、セラミックグリーンシート2を、接着層10を介して、電極層6およびスペーサ層7上に転写する際に、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16によって、スペーサ層7が圧縮されて、スペーサ層7のみならず、電極層6も、接着層10を介して、セラミックグリーンシート2の表面に確実に接着され、したがって、剥離層5から、支持シート4を剥離するときに、電極層6が、第二の支持シート4とともに、セラミックグリーンシート2から剥離することを効果的に防止することができる。
また、本実施態様によれば、スペーサ層7および接着層10には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、接着層10とスペーサ層7との接着性を向上させることができ、接着層10を、電極層6およびスペーサ層7の表面に接着させた後、支持シート9を、接着層10から剥離する際に、支持シート9とともに、接着層10が電極層6およびスペーサ層7から剥離することを確実に防止することが可能になる。
さらに、本実施態様によれば、スペーサ層7および接着層10には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、スペーサ層7と接着層10との接着性および接着層10とセラミックグリーンシート2との接着性を向上させることができ、したがって、セラミックグリーンシート2を接着層10に接着させた後に、セラミックグリーンシート2から、支持シート1を剥離する際に、セラミックグリーンシート2が、支持シート1とともに、接着層10から剥離することを確実に防止することが可能になる。
また、本実施態様によれば、接着層10には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、接着層10とセラミックグリーンシート2との接着性を向上させることができ、したがって、接着層10をセラミックグリーンシート2に接着させた後に、接着層10から支持シート9を剥離する際に、接着層10が、支持シート9とともに、セラミックグリーンシート2から剥離することを確実に防止することが可能になる。
さらに、本実施態様によれば、接着層10、スペーサ層7および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着性、接着層10とスペーサ層7との接着性および剥離層5と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、多数の積層体ユニット20を積層する際に、支持シート4のみを、積層体ユニット20の剥離層5から、確実に剥離することが可能になる。
また、本実施態様によれば、接着層10、スペーサ層7および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着性、接着層10とスペーサ層7との接着性および剥離層5と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、多数の積層体ブロック50を積層して、積層体を作製する積層プロセス中に、セラミックグリーンシート2と接着層10との間、接着層10と電極層6およびスペーサ層7との間あるいは剥離層5と接着層10との間で、デラミネーションが発生することを効果的に防止することが可能になる。
さらに、本実施態様によれば、接着層10、スペーサ層7および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着性、接着層10とスペーサ層7との接着性および剥離層5と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、セラミックグリーンチップの焼成プロセス中に、セラミックグリーンシート2と接着層10との間、接着層10と電極層6およびスペーサ層7との間あるいは剥離層5と接着層10との間で、デラミネーションが発生することを効果的に防止することが可能になる。
また、本実施態様によれば、接着層10を、電極層6およびスペーサ層7の表面に転写した後に、接着層10の表面に、中間シート19を付着させるように構成されているから、その表面に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10および中間シート19が積層された支持シート4を、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取っても、接着層10が、支持シート4の表面に付着することがなく、したがって、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを、接着層10を介して、接着して、積層体ユニットを作製する転写装置を、支持シート4の表面に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に、接着層10を転写するための転写装置と並列的に配置することができるから、製造ラインが徒に長くなることを防止することが可能になる。
さらに、図5、図7および図9に示されるように、支持シート9上に形成された接着層10を、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写する転写装置、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2を、接着層10を介して、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写する転写装置および積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着シート11の接着層10を転写する転写装置は、同一の構成を有しているから、支持シート9上に形成された接着層10を、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写するステップ、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2を、接着層10を介して、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写するステップおよび積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着シート11の接着層10を転写するステップを、一つの転写装置を用いて、実行することができ、したがって、製造設備のスペースを大幅に縮小させることが可能になる。
また、本実施態様によれば、中間シート19の表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成されるべき支持シート9と同じ表面処理が施されているから、中間シート12を接着層10から、所望のように、剥離させて、中間シート巻き取りローラ14によって巻き取ることができる。
図21は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法に用いられる転写装置の略断面図である。
本実施態様にかかる転写装置は、図7に示された転写装置によって作製され、支持シート4の表面に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2が積層された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着シート11の接着層10を転写し、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10に、中間シートを付着させて、巻き取るように構成されている。
図21に示されるように、本実施態様にかかる転写装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、中間シート巻き取りローラ14と、第一の加圧ローラ15、第二の加圧ローラ16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ21と、支持シート9の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22a、22bと、中間シート19の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22c、22fと、支持シート4の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22d、22eと、支持シート4のテンションを調整するシートテンション調整ローラ23a、23b、23c、23d、23e、23fとを備え、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置および図9に示された転写装置と同一の構成を有している。
支持シート4の表面に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2が積層された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着シート11の接着層10を転写するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12として、接着シート11が巻回されたローラが転写装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、表面に、積層体ユニット20が形成された支持シート4が巻回されたローラがセットされる。
さらに、中間シート19が巻回された中間シート繰り出しローラ21が転写装置にセットされる。
中間シート19は、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10の表面に付着され、セラミックグリーンシート2の表面に、接着層10が転写された積層体ユニット20を、第二の巻き取りローラ18によって巻き取った際に、接着層11が支持シート4の表面に接着することを防止するものであり、接着層10が形成された支持シート9を同じ材料によって形成され、支持シート9を同一の厚さを有し、接着層10に付着される表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成されるべき支持シート9と同じ表面処理が施されている。
次いで、第一の繰り出しローラ12から、接着シート11が繰り出され、シート蛇行修正デバイス22aによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整される。
第一の繰り出しローラ12からの接着シート11の繰り出しに同期して、第二の繰り出しローラ13から、表面に、積層体ユニット20が形成された支持シート4が繰り出される。
第二の繰り出しローラ13から繰り出された支持シート4は、シートテンション調整ローラ23a、23bおよび23cによって、そのテンションが調整される。
図21に示された転写装置においては、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度を比較的低い温度に設定して、支持シート4が、支持シート4のガラス転移点温度Tg1以上に加熱されることを防止する一方で、第一の加圧ローラ15の温度をきわめて高い温度T1に設定して、接着層10とセラミックグリーンシート2との接触面の温度が、接着層10とセラミックグリーンシート2とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、接着層10とセラミックグリーンシート2を加熱するように構成されている。
すなわち、図21に示された転写装置においては、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定され(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、セラミックグリーンシート2と接着層10との接触面の温度が、セラミックグリーンシート2と接着層10とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、それによって、第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着強度の向上が図られている。第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4がポリエチレンテレフタレートによって形成されている場合には、αは、たとえば、5ないし10℃に設定される。
支持シート9および支持シート4は、それぞれ、支持シート9が上方に位置する第一の加圧ローラ15に接触し、支持シート4が下方に位置する第二の加圧ローラ16に接触するように、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間に供給される。
接着層10を、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写する場合には、中間シート巻き取りローラ14は駆動されない。
図22は、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の近傍の略拡大断面図である。
図21および図22に示された転写装置においては、上述のように、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)以下に設定されている。
また、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
表面に、積層体ユニット20が形成された支持シート4および表面に、接着層10が形成された支持シート9の供給速度は、たとえば、2m/分に設定される。
図22に示されるように、接着層10が形成された支持シート9は、支持シート9に加えられる引張り力によって、支持シート9が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16間に供給され、その表面に、積層体ユニット20が形成された支持シート4は、支持シート4が、下方の加圧ローラ16に接触し、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2が、支持シート9上に形成された接着層10の表面に接触するように、略水平方向に、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16間に供給される。
その結果、支持シート9上に形成された接着層10が、積層体ユニット20のグリーンシート2の表面に接着される。
図21および図22に示された転写装置においては、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定されているから(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、セラミックグリーンシート2と接着層10との接触面の温度が、セラミックグリーンシート2と接着層10とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16によって、第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4をガラス転移温度Tg1以上に加熱することなく、セラミックグリーンシート2と接着層10との接触面の温度Tが、所望の接着温度以上になるように制御することができ、したがって、支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、セラミックグリーンシート2と接着層10の接着強度を向上させることが可能になる。
図22に示されるように、接着層10が形成された支持シート9は、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間から、斜め上方に向けて、搬送され、したがって、支持シート9が、セラミックグリーンシート2の表面に接着した接着層10から剥離される。
接着層10から、支持シート9を剥離する際、静電気が発生し、塵埃が付着したり、接着層10が、支持シート9に引き付けられ、所望のように、支持シート9を、接着層10から剥離することが困難になることがあるが、本実施態様においては、接着層10が、バインダに対して、0.01重量%ないし15重量%のイミダゾリン系界面活性剤を含んでいるから、静電気の発生を効果的に防止することが可能になる。
接着層10から剥離された支持シート9は、シート蛇行修正デバイス22bによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整されて、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られる。
一方、セラミックグリーンシート2の表面に接着層10が転写された支持シート4は、図22に示されるように、シート蛇行修正デバイス22eに送られ、シート蛇行修正デバイス22eによって、必要に応じて、その幅方向に位置が調整され、さらに、シートテンション調整ローラ23d、23e、23fに送られて、そのテンションが調整される。
本実施態様においては、シートテンション調整ローラ23eは、長手方向に沿った断面が略H字状をなし、支持シート4の両縁部を支持しつつ、支持シート4を搬送可能に構成されているから、接着層10がシートテンション調整ローラ23eに付着することを効果的に防止することが可能になる。
次いで、図21に示されるように、中間シート繰り出しローラ21から、中間シート19が繰り出され、必要に応じて、シート蛇行修正デバイス22fによって、その幅方向の位置が調整された後、接着層10の表面に付着され、次いで、支持シート4上に、積層体ユニット20、接着層10および中間シート19が、この順に積層された積層体が、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取られる。
本実施態様においては、接着層10には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、接着層10とセラミックグリーンシート2との接着性を向上させることができ、したがって、接着層10をセラミックグリーンシート2の表面に接着させた後に、接着層10から、支持シート9を剥離する際に、支持シート9とともに、接着層10がセラミックグリーンシート2から剥離することを確実に防止することが可能になる。
また、本実施態様においても、中間シート19は、接着層10が形成された支持シート9を同じ材料によって形成され、支持シート9を同一の厚さを有し、接着層10に付着される表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成されるべき支持シート9と同じ表面処理が施されている。
このように、本実施態様においては、接着層10の表面に、中間シート19が付着された後に、支持シート4上に、積層体ユニット20、接着層10および中間シート19が、この順に積層された積層体が、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取られるように構成されているから、接着層10が積層体ユニット20の支持シート4に接着することがない。
こうして、支持シート4上に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2が、この順に積層されて、形成された積層体ユニット20の表面に、接着層10が転写され、接着層10の表面に、中間シート19が付着されて、形成された積層体が、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取られる。
一方、こうして作製された積層体とは別に、支持シート1上に、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5が、この順に積層されて、別の積層体ユニット20が作製される。
支持シート1上に、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5が、この順に積層された積層体ユニット20を作製するにあたっては、まず、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に、支持シート9上に形成された接着層10が転写される。
図23は、支持シート9上に形成された接着層10を、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に転写する転写装置の略断面図である。
図23に示されるように、支持シート9上に形成された接着層10を、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に転写する転写装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、中間シート巻き取りローラ14と、第一の加圧ローラ15と、第二の加圧ローラ16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ21と、支持シート9の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22a、22bと、中間シート19の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22c、22fと、支持シート4の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22d、22eと、支持シート4のテンションを調整するシートテンション調整ローラ23a、23b、23c、23d、23e、23fとを備え、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置、図9に示された転写装置および図21に示された転写装置を同一の構成を有している。
支持シート9上に形成された接着層10を、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に転写するにあたっては、第一の繰り出しローラ12として、接着シート11が巻回されたローラが転写装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、表面に、セラミックグリーンシート2が形成された支持シート1が巻回されたローラがセットされる。
さらに、中間シート19が巻回された中間シート繰り出しローラ21が転写装置にセットされる。
中間シート19は、セラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10の表面に付着され、接着層10がセラミックグリーンシート2の表面に転写された支持シート1を、第二の巻き取りローラ18によって巻き取った際に、接着層10が支持シート1の表面に接着することを防止するものであり、接着層10が形成された支持シート9を同じ材料によって形成され、支持シート9を同一の厚さを有し、接着層10に付着される表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成されるべき支持シート9と同じ表面処理が施されている。
支持シート9上に形成された接着層10を、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に転写するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12から、接着シート11が繰り出され、シート蛇行修正デバイス22aによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整される。
第一の繰り出しローラ12からの接着シート11の繰り出しに同期して、第二の繰り出しローラ13から、表面に、セラミックグリーンシート2が形成された支持シート1が繰り出される。
第二の繰り出しローラ13から繰り出された支持シート1は、テンション調整ローラ22a、22bおよび22cによって、そのテンションが調整される。
図23に示された転写装置においては、支持シート1に接触する第二の加圧ローラ16の温度を比較的低い温度に設定して、支持シート1が、支持シート1のガラス転移点温度Tg2以上に加熱されることを防止する一方で、第一の加圧ローラ15の温度をきわめて高い温度T1に設定して、接着層10とセラミックグリーンシート2との接触面の温度が、接着層10とセラミックグリーンシート2とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、接着層10とセラミックグリーンシート2を加熱するように構成されている。
すなわち、図23に示された転写装置においては、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート1に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg2+α)に設定され(ここに、Tg2は、支持シート1のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg2+α)に設定したときに、支持シート1の温度が、支持シート1のガラス転移温度Tg2未満に保持可能で、かつ、セラミックグリーンシート2と接着層10との接触面の温度が、セラミックグリーンシート2と接着層10とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、それによって、第二の加圧ローラ16に接触する支持シート1に皺が発生することを防止しつつ、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着強度の向上が図られている。第二の加圧ローラ16に接触する支持シート1がポリエチレンテレフタレートによって形成されている場合には、αは、たとえば、5ないし10℃に設定される。
接着シート11および支持シート1は、それぞれ、支持シート9が上方の第一の加圧ローラ15に接触し、支持シート1が下方の第二の加圧ローラ16に接触するように、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間に送られる。
接着層10を、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に転写する場合には、中間シート巻き取りローラ14は駆動されない。
図24は、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の近傍の略拡大断面図である。
図23および図24に示された転写装置においては、上述のように、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、第二の加圧ローラ16の温度が(Tg2+α)以下に設定されている。
また、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
表面に、セラミックグリーンシート2が形成された支持シート1および表面に、接着層10が形成された支持シート9の供給速度は、たとえば、2m/分に設定される。
図24に示されるように、接着層10が形成された支持シート9は、支持シート9に加えられる引張り力によって、支持シート9が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16間に供給され、セラミックグリーンシート2が形成された支持シート1は、支持シート1が、下方の加圧ローラ16に接触し、セラミックグリーンシート2の表面が、支持シート9上に形成された接着層10の表面に接触するように、略水平方向に、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16間に供給される。
その結果、支持シート9上に形成された接着層10が、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に接着される。
図23および図24に示された転写装置においては、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート1に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg2+α)に設定されているから(ここに、Tg2は、支持シート1のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg2+α)に設定したときに、支持シート1の温度が、支持シート1のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、セラミックグリーンシート2と接着層10との接触面の温度が、セラミックグリーンシート2と接着層10とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16によって、第二の加圧ローラ16に接触する支持シート1をガラス転移温度Tg2以上に加熱することなく、セラミックグリーンシート2と接着層10との接触面の温度Tが、所望の接着温度以上になるように制御することができ、したがって、支持シート1に皺が発生することを防止しつつ、セラミックグリーンシート2と接着層10の接着強度を向上させることが可能になる。
一方、図24に示されるように、接着層10が形成された支持シート9は、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間から、斜め上方に向けて、搬送され、したがって、支持シート9が、セラミックグリーンシート2の表面に接着した接着層10から剥離され、シート蛇行修正デバイス22bによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整されて、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られる。
接着層10から、支持シート9を剥離する際、静電気が発生し、塵埃が付着したり、接着層10が、支持シート9に引き付けられ、所望のように、支持シート9を、接着層10から剥離することが困難になることがあるが、本実施態様においても、接着層10が、バインダに対して、0.01重量%ないし15重量%のイミダゾリン系界面活性剤を含んでいるから、静電気の発生を効果的に防止することが可能になる。
こうして、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10が接着され、接着層10から、支持シート9が剥離されると、図23に示されるように、支持シート1は、シート蛇行修正デバイス22eに送られ、シート蛇行修正デバイス22eによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整され、さらに、シートテンション調整ローラ23d、23e、23fに送られて、そのテンションが調整される。
本実施態様においては、シートテンション調整ローラ23eは、長手方向に沿った断面が略H字状をなし、支持シート1の両縁部を支持しつつ、支持シート1を搬送可能に構成されているから、接着層10がシートテンション調整ローラ23eに付着することを効果的に防止することが可能になる。
次いで、図23に示されるように、中間シート繰り出しローラ21から、中間シート19が繰り出され、シート蛇行修正デバイス22fによって、その幅方向の位置が調整された後、接着層10の表面に付着され、セラミックグリーンシート2が形成された支持シート1が、第二の巻き取りローラ18によって巻き取られる。
本実施態様においては、接着層10には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、接着層10とセラミックグリーンシート2との接着性を向上させることができ、したがって、接着層10をセラミックグリーンシート2の表面に接着させた後に、接着層10から、支持シート9を剥離する際に、支持シート9とともに、接着層10がセラミックグリーンシート2から剥離することを確実に防止することが可能になる。
また、本実施態様においても、中間シート19は、接着層10が形成された支持シート9を同じ材料によって形成され、支持シート9を同一の厚さを有し、接着層10に付着される表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成されるべき支持シート9と同じ表面処理が施されているから、中間シート19を、所望のように、接着層10の表面に付着させることができる。
このように、本実施態様においては、接着層10の表面に、中間シート19が付着された後に、その表面に、セラミックグリーンシート2、接着層10および中間シート19が積層された支持シート1が、第二の巻き取りローラ18に巻き取られるように構成されているから、接着層10が支持シート1に接着することがない。
次いで、支持シート4上に形成された剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が、接着層10を介して、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に転写される。
図25は、支持シート4上に形成された剥離層5、電極層6およびスペーサ層7を、接着層10を介して、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に転写する転写装置の略断面図である。
図25に示されるように、支持シート4上に形成された剥離層5、電極層6およびスペーサ層7を、接着層10を介して、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に転写する転写装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、中間シート巻き取りローラ14と、第一の加圧ローラ15、第二の加圧ローラ16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ21と、支持シート4の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22a、22bと、中間シート19の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22c、22fと、支持シート1の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22d、22eと、支持シート1のテンションを調整するシートテンション調整ローラ23a、23b、23c、23d、23e、23fとを備え、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置、図9に示された転写装置、図21に示された転写装置および図23に示された転写装置と同一の構成を有している。
支持シート4上に形成された剥離層5、電極層6およびスペーサ層7を、接着層10を介して、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に転写するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12として、表面に、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が形成された支持シート4が巻回されたローラが、転写装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、表面に、セラミックグリーンシート2、接着層10および中間シート19が積層された支持シート1が巻回された第二の巻き取りローラ18が、転写装置にセットされる。
次いで、第二の繰り出しローラ13から、表面に、セラミックグリーンシート2、接着層10および中間シート19が積層された支持シート1が繰り出され、接着層10の表面に付着した中間シート19が剥離され、シート蛇行修正デバイス22cによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整されて、中間シート巻き取りローラ14によって巻き取られる。
本実施態様においては、中間シート19の表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成されるべき支持シート9と同じ表面処理が施されているから、中間シート19を接着層10から、所望のように、剥離させて、中間シート巻き取りローラ14によって巻き取ることができる。
中間シート19が接着層10から剥離された支持シート1、セラミックグリーンシート2および接着層10からなる積層体は、テンション調整ローラ22a、22bおよび22cにより、そのテンションが調整される。
一方、第二の繰り出しローラ13からの支持シート1の繰り出しに同期して、第一の繰り出しローラ12から、表面に、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が積層された支持シート4が繰り出され、蛇行修正デバイス22aによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整される。
図25に示された転写装置においては、支持シート1に接触する第二の加圧ローラ16の温度を比較的低い温度に設定して、支持シート1が、支持シート1のガラス転移点温度Tg2以上に加熱されることを防止する一方で、第一の加圧ローラ15の温度をきわめて高い温度T1に設定して、電極層6およびスペーサ層7と接着層10との接触面の温度が、電極層6およびスペーサ層7と接着層10とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、電極層6およびスペーサ層7と接着層10とを加熱するように構成されている。
すなわち、図25に示された転写装置においては、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート1に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg2+α)に設定され(ここに、Tg2は、支持シート1のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg2+α)に設定したときに、支持シート1の温度が、支持シート1のガラス転移温度Tg2未満に保持可能で、かつ、電極層6およびスペーサ層7と接着層10との接触面の温度が、電極層6およびスペーサ層7と接着層10とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、それによって、第二の加圧ローラ16に接触する支持シート1に皺が発生することを防止しつつ、電極層6およびスペーサ層7と接着層10との接着強度の向上が図られている。第二の加圧ローラ16に接触する支持シート1がポリエチレンテレフタレートによって形成されている場合には、αは、たとえば、5ないし10℃に設定される。
支持シート4および支持シート1は、それぞれ、支持シート4が上方に位置する第一の加圧ローラ15に接触し、支持シート1が下方に位置する第二の加圧ローラ16に接触するように、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間に供給される。
図26は、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の近傍の略拡大断面図である。
図25および図26に示された転写装置においては、上述のように、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、第二の加圧ローラ16の温度が(Tg2+α)以下に設定されている。
また、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
表面に、セラミックグリーンシート2および接着層10が積層された支持シート1および表面に、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が積層された支持シート4の供給速度は、たとえば、2m/分に設定される。
図26に示されるように、表面に、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が積層された支持シート4は、支持シート4に加えられる引張り力によって、支持シート4が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16間に供給され、表面に、セラミックグリーンシート2および接着層10が積層された支持シート1は、支持シート1が、下方の加圧ローラ16に接触し、接着層10の表面が、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に接触するように、略水平方向に、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16間に供給される。
その結果、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を介して、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7が接着され、その一方で、図26に示されるように、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が積層された支持シート4は、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間から、斜め上方に向けて、搬送されるから、支持シート4が、セラミックグリーンシート2の表面に接着した電極層6およびスペーサ層7ならびに剥離層5から剥離される。
図25および図26に示された転写装置においては、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート1に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg2+α)に設定されているから(ここに、Tg2は、支持シート1のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg2+α)に設定したときに、支持シート1の温度が、支持シート1のガラス転移温度Tg2未満に保持可能で、かつ、電極層6およびスペーサ層7と接着層10との接触面の温度が、電極層6およびスペーサ層7と接着層10とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16によって、第二の加圧ローラ16に接触する支持シート1をガラス転移温度Tg2以上に加熱することなく、電極層6およびスペーサ層7と接着層10との接触面の温度Tが、所望の接着温度以上になるように制御することができ、したがって、支持シート1に皺が発生することを防止しつつ、電極層6およびスペーサ層7と接着層10との接着強度を向上させることが可能になる。
電極層6およびスペーサ層7ならびに剥離層5から剥離された支持シート4は、シート蛇行修正デバイス22bによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整されて、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られる。
一方、接着層10を介して、電極層6およびスペーサ層7がセラミックグリーンシート2の表面に接着した支持シート1は、シート蛇行修正デバイス22eによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整され、シートテンション調整ローラ23d、23e、23fによって、そのテンションが調整されて、第二の巻き取りローラ18によって巻き取られる。
本実施態様においては、シートテンション調整ローラ23eは、長手方向に沿った断面が略H字状をなし、支持シート1の両縁部を支持しつつ、支持シート1を搬送可能に構成されているから、剥離層5がシートテンション調整ローラ23eに付着することを効果的に防止することが可能になる。
さらに、本実施態様においては、スペーサ層7および接着層10には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、スペーサ層7と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、電極層6およびスペーサ層7が接着層10に接着された後に、剥離層5から、支持シート4を剥離する際に、支持シート4とともに、電極層6およびスペーサ層7ならびに剥離層5が、接着層10から剥離することを確実に防止することが可能になる。
また、本実施態様においては、接着層10を、セラミックグリーンシート2の表面に転写した後に、接着層10の表面に、中間シート52を付着させるように構成されているから、その表面に、セラミックグリーンシート2、接着層10および中間シート52が積層された支持シート1を、ローラ54によって、巻き取っても、接着層10が、支持シート1の表面に付着することがなく、したがって、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを、接着層10を介して、接着して、積層体ユニットを作製する転写装置を、支持シート1の表面に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を転写するための転写装置と並列的に配置することができるから、製造ラインが徒に長くなることを防止することが可能になる。
さらに、本実施態様においては、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とは、接着層10を介して、接着され、従来のように、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7に含まれているバインダの粘着力や、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の変形を利用して、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを接着してはいないから、たとえば、約0.2MPaないし約15MPaの低い圧力で、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを接着することができる。
したがって、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の変形を防止することが可能になるから、こうして得られたセラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の積層体を積層して、積層セラミックコンデンサを作製する際の積層精度を向上させることが可能になる。
また、本実施態様においては、電極層6および電極層6よりも密度が小さく、圧縮率が高いスペーサ層7が、ts/te=1.1となるように形成されているから、電極層6およびスペーサ層7を、接着層10を介して、セラミックグリーンシート2上に転写する際に、加圧によって、スペーサ層7が圧縮され、接着層10を介して、電極層6およびスペーサ層7と、セラミックグリーンシート2とを確実に接着させることができ、したがって、剥離層5から、支持シート4を剥離するときに、電極層6が、支持シート4とともに、剥離することを確実に防止することが可能になる。
さらに、本実施態様においては、支持シート4上に、形成された電極層6が乾燥した後に、接着層10を介して、セラミックグリーンシート2の表面に接着するように構成されているから、セラミックグリーンシート2の表面に、電極ペーストを印刷して、電極層6を形成する場合のように、電極ペーストが、セラミックグリーンシート2に含まれているバインダを溶解させ、あるいは、膨潤させることがなく、また、電極ペーストがセラミックグリーンシート2中に染み込むこともなく、所望のように、セラミックグリーンシート2の表面に、電極層6を形成することが可能になる。
以上のようにして、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を介して、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7が接着され、電極層6およびスペーサ層7ならびに剥離層5から、支持シート4が剥離された後、その表面に、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5が積層された支持シート1が、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取られる。
こうして、支持シート1の表面に、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5が積層された積層体ユニット20が作製される。
次いで、こうして作製された積層体ユニット20が、図21および図22に示された転写装置によって、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2上に転写された接着層10に、接着されて、2つの積層体ユニット20が積層され、積層体ユニットセットが作製される。
図27は、図21および図22に示された転写装置によって、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2上に転写された接着層10に、図25および図26に示された転写装置によって作製された別の積層体ユニット20を接着して、2つの積層体ユニット20を積層し、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットを作製する積層装置の略断面図である。
図27に示されるように、積層装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、中間シート巻き取りローラ14と、第一の加圧ローラ15、第二の加圧ローラ16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ21と、支持シート9の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22a、22bと、中間シート19の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22c、22fと、支持シート4の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22d、22eと、支持シート4のテンションを調整するシートテンション調整ローラ23a、23b、23c、23d、23e、23fとを備え、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置、図9に示された転写装置および図21に示された転写装置、図23に示された転写装置および図25に示された転写装置と同一の構成を有している。
図21および図22に示された転写装置によって、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2上に転写された接着層10に、図25および図26に示された転写装置によって作製され、支持シート1上に、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5が積層された別の積層体ユニット20を接着して、2つの積層体ユニット20を積層し、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットを作製するにあたっては、第一の繰り出しローラ12として、図25および図26に示された転写装置によって作製され、支持シート1上に、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5が積層された新たに積層すべき積層体ユニット20が巻回されたローラが、積層装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、図21および図22に示された転写装置によって、作製され、支持シート4上に、積層体ユニット20、接着層10および中間シート19が積層された積層体が巻回されたローラが、積層装置にセットされる。
次いで、第二の繰り出しローラ13から、図21および図22に示された転写装置によって、作製され、支持シート4上に、積層体ユニット20、接着層10および中間シート19が積層された積層体が繰り出されて、接着層10の表面に付着した中間シート19が剥離され、剥離された中間シート19は、シート蛇行修正デバイス22cによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整されて、中間シート巻き取りローラ14によって巻き取られる。
本実施態様においては、中間シート19の表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成されるべき支持シート9と同じ表面処理が施されているから、中間シート19を接着層10から、所望のように、剥離させて、中間シート巻き取りローラ14によって巻き取ることができる。
中間シート19が接着層10から剥離された積層体ユニット20を含む積層体は、テンション調整ローラ22a、22bおよび22cによって、そのテンションが調整される。
一方、第二の繰り出しローラ13からの支持シート4の繰り出しに同期して、第一の繰り出しローラ12から、支持シート1と、その上に、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5が積層された新たに積層すべき積層体ユニット20よりなる積層体が繰り出され、蛇行修正デバイス22aにより、必要に応じて、その幅方向の位置が調整される。
図27に示された積層装置においては、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度を比較的低い温度に設定して、支持シート4が、支持シート4のガラス転移点温度Tg1以上に加熱されることを防止する一方で、第一の加圧ローラ15の温度をきわめて高い温度T1に設定して、剥離層5と接着層10との接触面の温度が、剥離層5と接着層10とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、剥離層5と接着層10を加熱するように構成されている。
すなわち、図27に示された積層装置においては、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定され(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、剥離層5と接着層10との接触面の温度が、剥離層5と接着層10とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、それによって、第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、剥離層5と接着層10との接着強度の向上が図られている。第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4がポリエチレンテレフタレートによって形成されている場合には、αは、たとえば、5ないし10℃に設定される。
支持シート1および新たに積層すべき積層体ユニット20からなる積層体ならびに支持シート4、積層体ユニット20および接着層10が積層された積層体は、それぞれ、支持シート1が上方に位置する第一の加圧ローラ15に接触し、支持シート4が下方に位置する第二の加圧ローラ16に接触するように、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間に供給される。
図28は、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の近傍の略拡大断面図である。
図27および図28に示された積層装置においては、上述のように、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)以下に設定されている。
また、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
支持シート1および新たに積層すべき積層体ユニット20からなる積層体ならびに支持シート4、積層体ユニット20および接着層10からなる積層体の供給速度は、たとえば、2m/分に設定される。
図28に示されるように、支持シート1および新たに積層すべき積層体ユニット20からなる積層体は、支持シート1に加えられる引張り力によって、支持シート1が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16間に供給され、支持シート4、積層体ユニット20および接着層10からなる積層体は、支持シート4が、下方の加圧ローラ16に接触し、接着層を介して、セラミックグリーンシート2が、支持シート1上に形成された積層体ユニット20の剥離層5の表面に接触するように、略水平方向に、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16間に供給される。
その結果、支持シート4上に形成された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を介して、支持シート1上に形成された積層体ユニット20の剥離層5が接着されて、支持シート4上に形成された積層体ユニット20上に、支持シート1上に形成された積層体ユニット20が積層され、その一方で、図28に示されるように、支持シート1は、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間から、斜め上方に向けて、搬送されるから、支持シート1が、支持シート4上に形成された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に接着した積層体ユニット20から剥離される。
図27および図28に示された積層装置においては、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定されているから(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、剥離層5と接着層10との接触面の温度が、剥離層5と接着層10とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16によって、第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4をガラス転移温度Tg1以上に加熱することなく、剥離層5と接着層10との接触面の温度Tが、所望の接着温度以上になるように制御することができ、したがって、支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、剥離層5と接着層10との接着強度を向上させることが可能になる。
接着層10に接着された積層体ユニット20から剥離された支持シート1は、シート蛇行修正デバイス22bによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整されて、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られる。
一方、接着層10を介して、2つの積層体ユニット20が積層された積層体ユニットセットが、その表面に形成された支持シート4は、シート蛇行修正デバイス22eによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整され、シートテンション調整ローラ23d、23e、23fによって、そのテンションが調整されて、第二の巻き取りローラ18によって巻き取られる。
本実施態様においては、シートテンション調整ローラ23eは、長手方向に沿った断面が略H字状をなし、支持シート4の両縁部を支持しつつ、支持シート4を搬送可能に構成されているから、セラミックグリーンシート2がシートテンション調整ローラ23eに付着することを効果的に防止することが可能になる。
さらに、本実施態様においては、接着層10には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、接着層10とセラミックグリーンシート2との接着性を向上させることが可能になり、したがって、接着層10にセラミックグリーンシート2を接着させた後、セラミックグリーンシート2から、支持シート1を剥離する際に、セラミックグリーンシート2が、支持シート1とともに、接着層10から剥離することを、確実に防止することが可能になる。
また、本実施態様においては、接着層10を、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写した後に、接着層10の表面に、中間シート19を付着させるように構成されているから、その表面に、積層体ユニット20、接着層10および中間シート19が積層された支持シート4を、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取っても、接着層10が、支持シート4の表面に付着することがなく、したがって、積層体ユニット20を積層する積層装置を、支持シート4の表面に形成された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を転写するための転写装置と並列的に配置することができるから、製造ラインが徒に長くなることを防止することが可能になる。
次いで、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着シート11の接着層10を転写したのと全く同様にして、支持シート4の表面に形成された積層体ユニットセットのセラミックグリーンシート2の表面に、接着シート11の接着層10が転写される。
図29は、支持シート4の表面に形成された積層体ユニットセットのセラミックグリーンシート2の表面に、支持シート9上に形成された接着層10を転写する転写装置の略断面図である。
図29に示されるように、支持シート4の表面に形成された積層体ユニットセットのセラミックグリーンシート2の表面に、支持シート9上に形成された接着層10を転写する転写装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、中間シート巻き取りローラ14と、第一の加圧ローラ15、第二の加圧ローラ16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ21と、支持シート9の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22a、22bと、中間シート19の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22c、22fと、支持シート4の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22d、22eと、支持シート4のテンションを調整するシートテンション調整ローラ23a、23b、23c、23d、23e、23fとを備え、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置、図9に示された転写装置、図21に示された転写装置、図23に示された転写装置、図25に示された転写装置および図27に示された積層装置と同一の構成を有している。
支持シート4の表面に形成された積層体ユニットセットのセラミックグリーンシート2の表面に、接着シート11の接着層10を転写するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12として、接着シート11が巻回されたローラが転写装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、支持シート4と、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットよりなる積層体が巻回された第二の巻き取りローラ18がセットされる。
次いで、第一の繰り出しローラ12から、接着シート11が繰り出され、蛇行修正デバイス22aによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整される。
第一の繰り出しローラ12からの接着シート11の繰り出しに同期して、第二の繰り出しローラ13から、支持シート4と、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットよりなる積層体が繰り出される。
第二の繰り出しローラ13から繰り出された支持シート4と、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットよりなる積層体は、テンション調整ローラ22a、22bおよび22cによって、そのテンションが調整される。
図29に示された転写装置においては、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度を比較的低い温度に設定して、支持シート4が、支持シート4のガラス転移点温度Tg1以上に加熱されることを防止する一方で、第一の加圧ローラ15の温度をきわめて高い温度T1に設定して、接着層10とセラミックグリーンシート2との接触面の温度が、接着層10とセラミックグリーンシート2とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、接着層10とセラミックグリーンシート2を加熱するように構成されている。
すなわち、図29に示された転写装置においては、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定され(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、接着層10とセラミックグリーンシート2との接触面の温度が、接着層10とセラミックグリーンシート2とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、それによって、第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、接着層10とセラミックグリーンシート2との接着強度の向上が図られている。第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4がポリエチレンテレフタレートによって形成されている場合には、αは、たとえば、5ないし10℃に設定される。
接着シート11および支持シート4と、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットよりなる積層体は、それぞれ、支持シート9が上方に位置する第一の加圧ローラ15に接触し、支持シート4が下方に位置する第二の加圧ローラ16に接触するように、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間に供給される。
支持シート9に形成された接着層10を、セラミックグリーンシート2の表面に転写する場合には、中間シート巻き取りローラ14は駆動されない。
図30は、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の近傍の略拡大断面図である。
図29および図30に示された転写装置においては、上述のように、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)以下に設定されている。
また、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
支持シート4と、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットよりなる積層体および接着シート11の供給速度は、たとえば、2m/分に設定される。
図30に示されるように、接着シート11は、支持シート9に加えられる引張り力によって、支持シート9が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16間に供給され、支持シート4と、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットよりなる積層体は、支持シート4が、下方の加圧ローラ16に接触し、表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面が、支持シート9上に形成された接着層10の表面に接触するように、略水平方向に、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16間に供給される。
その結果、支持シート9上に形成された接着層10が、表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に接着される。
図29および図30に示された転写装置においては、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定されているから(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、接着層10とセラミックグリーンシート2との接触面の温度が、接着層10とセラミックグリーンシート2とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16によって、第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4をガラス転移温度Tg1以上に加熱することなく、接着層10とセラミックグリーンシート2との接触面の温度Tが、所望の接着温度以上になるように制御することができ、したがって、支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、接着層10とセラミックグリーンシート2との接着強度を向上させることが可能になる。
一方、図30に示されるように、接着シート11は、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間から、斜め上方に向けて、搬送され、したがって、支持シート9が、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に接着した接着層10から剥離され、シート蛇行修正デバイス22bによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整されて、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られる。
支持シート9上に形成された接着層10が、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に接着され、接着層10から、支持シート9が剥離されると、図30に示されるように、支持シート4、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットおよび接着層10からなる積層体は、シート蛇行修正デバイス22eに送られ、シート蛇行修正デバイス22eによって、必要に応じて、その幅方向に位置が調整され、さらに、シートテンション調整ローラ23d、23e、23fに送られて、そのテンションが調整される。
本実施態様においては、シートテンション調整ローラ23eは、長手方向に沿った断面が略H字状をなし、支持シート4の両縁部を支持しつつ、支持シート4を搬送可能に構成されているから、接着層10がシートテンション調整ローラ23eに付着することを効果的に防止することが可能になる。
また、本実施態様においては、接着層10には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、接着層10とセラミックグリーンシート2との接着性を向上させることが可能になり、したがって、セラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を接着させた後、接着層10から、支持シート9を剥離する際に、接着層10が、支持シート9とともに、セラミックグリーンシート2から剥離することを確実に防止することが可能になる。
次いで、図29に示されるように、中間シート繰り出しローラ21から、中間シート19が繰り出され、必要に応じて、シート蛇行修正デバイス22fによって、その幅方向の位置が調整された後、接着層10の表面に付着され、次いで、支持シート4、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットおよび接着層10よりなる積層体が、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取られる。
さらに、支持シート4上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットのセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を介して、支持シート1上に形成され、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む新たに積層すべき積層体ユニット20の剥離層5が接着されて、3つの積層体ユニット20が積層された積層体ユニットセットが、支持シート4上に形成される。
図31は、支持シート4上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットのセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を介して、支持シート1上に形成され、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む新たに積層すべき積層体ユニット20を積層する積層装置の略断面図である。
図31に示されるように、支持シート4上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットのセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を介して、支持シート1上に形成され、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む新たに積層すべき積層体ユニット20を積層する積層装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、中間シート巻き取りローラ14と、第一の加圧ローラ15、第二の加圧ローラ16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ21と、支持シート1の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22a、22bと、中間シート19の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22c、22fと、支持シート4の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22d、22eと、支持シート4のテンションを調整するシートテンション調整ローラ23a、23b、23c、23d、23e、23fを備え、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置、図9に示された転写装置、図21に示された転写装置、図23に示された転写装置、図25に示された転写装置、図27に示された積層装置および図29に示された転写装置と同一の構成を有している。
支持シート4上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットのセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を介して、支持シート1上に形成され、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む新たに積層すべき積層体ユニット20を積層するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12として、支持シート1と、新たに積層すべき積層体ユニット20よりなる積層体が巻回されたローラが、積層装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、支持シート4、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセット、接着層10および中間シート19よりなる積層体が巻回されたローラが、積層装置にセットされる。
次いで、第二の繰り出しローラ13から、支持シート4、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセット、接着層10および中間シート19よりなる積層体が繰り出され、接着層10の表面に付着した中間シート19が剥離され、剥離された中間シート19は、シート蛇行修正デバイス22cによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整されて、中間シート巻き取りローラ14によって巻き取られる。
本実施態様においては、中間シート19の表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成されるべき支持シート9と同じ表面処理が施されているから、中間シート19を接着層10から、所望のように、剥離させて、中間シート巻き取りローラ14によって巻き取ることができる。
中間シート19が接着層10から剥離された支持シート4、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットおよび接着層10よりなる積層体は、テンション調整ローラ22a、22bおよび22cによって、そのテンションが調整される。
一方、第二の繰り出しローラ13からの支持シート4の繰り出しに同期して、第一の繰り出しローラ12から、支持シート1と、新たに積層すべき積層体ユニット20よりなる積層体が繰り出され、蛇行修正デバイス22aにより、必要に応じて、その幅方向の位置が調整される。
図31に示された積層装置においては、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度を比較的低い温度に設定して、支持シート4が、支持シート4のガラス転移点温度Tg1以上に加熱されることを防止する一方で、第一の加圧ローラ15の温度をきわめて高い温度T1に設定して、剥離層5と接着層10との接触面の温度が、剥離層5と接着層10とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、剥離層5と接着層10を加熱するように構成されている。
すなわち、図31に示された積層装置においては、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定され(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、剥離層5と接着層10との接触面の温度が、剥離層5と接着層10とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、それによって、第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、剥離層5と接着層10との接着強度の向上が図られている。第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4がポリエチレンテレフタレートによって形成されている場合には、αは、たとえば、5ないし10℃に設定される。
支持シート1と、新たに積層すべき積層体ユニット20よりなる積層体ならびに支持シート4、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットおよび接着層10よりなる積層体は、それぞれ、支持シート1が上方に位置する第一の加圧ローラ15に接触し、支持シート4が下方に位置する第二の加圧ローラ16に接触するように、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間に供給される。
図32は、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の近傍の略拡大断面図である。
図31および図32に示された積層装置においては、上述のように、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)以下に設定されている。
また、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
支持シート1と、新たに積層すべき積層体ユニット20よりなる積層体ならびに支持シート4、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットおよび接着層10よりなる積層体の供給速度は、たとえば、2m/分に設定される。
図32に示されるように、支持シート1と、新たに積層すべき積層体ユニット20よりなる積層体は、支持シート1に加えられる引張り力によって、支持シート1が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16間に供給され、支持シート4、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットおよび接着層10よりなる積層体は、支持シート4が、下方の加圧ローラ16に接触し、接着層を介して、表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2が、支持シート1上に形成された積層体ユニット20の剥離層5の表面に接触するように、略水平方向に、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16間に供給される。
その結果、支持シート4上に形成された表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を介して、支持シート1上に形成された積層体ユニット20の剥離層5が接着され、支持シート4上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットに、支持シート1上に形成された積層体ユニット20が積層され、その一方で、図32に示されるように、支持シート1は、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間から、斜め上方に向けて、搬送されるから、支持シート1が、積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に接着した積層体ユニット20から剥離される。
本実施態様においては、接着層10、スペーサ層7および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着性、接着層10とスペーサ層7との接着性および剥離層5と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、多数の積層体ユニット20を積層する際に、支持シート1のみを、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2から、確実に剥離することが可能になる。
図31および図32に示された積層装置においては、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定されているから(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、剥離層5と接着層10との接触面の温度が、剥離層5と接着層10とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16によって、第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4をガラス転移温度Tg1以上に加熱することなく、剥離層5と接着層10との接触面の温度Tが、所望の接着温度以上になるように制御することができ、したがって、支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、剥離層5と接着層10との接着強度を向上させることが可能になる。
接着層10に接着した積層体ユニット20から剥離された支持シート1は、シート蛇行修正デバイス22bによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整されて、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られる。
一方、接着層10を介して、互いに積層された3つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットが、その表面に形成された支持シート4は、シート蛇行修正デバイス22eによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整され、シートテンション調整ローラ23d、23e、23fによって、そのテンションが調整されて、第二の巻き取りローラ18によって巻き取られる。
本実施態様においては、シートテンション調整ローラ23eは、長手方向に沿った断面が略H字状をなし、支持シート4の両縁部を支持しつつ、支持シート4を搬送可能に構成されているから、セラミックグリーンシート2がシートテンション調整ローラ23eに付着することを効果的に防止することが可能になる。
また、本実施態様においては、接着層10を、積層体ユニットセットのセラミックグリーンシート2の表面に転写した後に、接着層10の表面に、中間シート19を付着させるように構成されているから、その表面に、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセット、接着層10および中間シート19が積層された支持シート4を、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取っても、接着層10が、支持シート4の表面に付着することがなく、したがって、積層体ユニット20を積層して、積層体ユニットセットを作製する積層装置を、支持シート4の表面に形成された積層体ユニットセットのセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を転写するための転写装置と並列的に配置することができるから、製造ラインが徒に長くなることを防止することが可能になる。
次いで、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着シート11の接着層10を転写したのと全く同様にして、積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着シート11の接着層10が転写される。
さらに、支持シート4上に形成された積層体ユニットセット上への積層体ユニット20の積層および積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面への接着層10の転写が繰り返され、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットが、支持シート4上に形成されると、積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10が転写された後、支持シート4が積層体ユニットセットから剥離され、さらに、裁断装置(図示せず)によって、積層体ユニットセットが、所定のサイズに裁断されて、積層体ブロック50が形成される。
こうして形成された積層体ブロック50は、多数の孔36が形成された基板35上に固定された支持体38上にセットされ、図17ないし図20と全く同様にして、積層セラミックコンデンサの外層上に、所定の数の積層体ブロック50が積層されて、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体が形成される。
積層体ユニット20を作製する過程で、支持シート4に皺が形成された場合には、多数の積層体ユニット20を積層して、支持シート4上に、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットを形成する際に、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16によって加えられる圧力によって、支持シート4に形成された皺が、剥離層5の表面に転写され、多数の積層体ブロック50を積層する際に、積層体ブロック50の剥離層5の表面に転写された皺に、エアが保持され、所望のように、多数の積層体ブロック50を積層することが困難になるが、本実施態様においては、図5および図6に示された転写装置を用いて、接着層10を、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写する際には、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定するとともに、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)以下に設定し、図7および図8に示された転写装置を用いて、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2を、接着層10を介して、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7上に転写する際には、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定するとともに、第二の加圧ローラ16の温度T2を(Tg1+α)以下に設定し、図9および図10に示された転写装置を用いて、接着層10を、支持シート4上に形成された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写する際には、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定するとともに、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)以下に設定し、図21および図22に示された転写装置を用いて、接着層10を、支持シート4上に形成された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写する際には、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定するとともに、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)以下に設定し、図27および図28に示された積層装置を用いて、支持シート1上に形成された積層すべき積層体ユニット20を、支持シート4上に形成された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2上に転写された接着層10に接着させて、2つの積層体ユニット20を積層し、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットを作製するに際しては、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定するとともに、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)以下に設定し、図29および図30に示された転写装置を用いて、接着層10を、支持シート4の表面に形成された積層体ユニットセットのセラミックグリーンシート2の表面に転写する際には、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定するとともに、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)以下に設定し、図31および図32に示された積層装置を用いて、支持シート1上に形成され、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む新たに積層すべき積層体ユニット20を、接着層10を介して、支持シート4上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットのセラミックグリーンシート2上に積層して、3つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットを作製するに際しては、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定するとともに、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)以下に設定して、支持シート4の温度が支持シート4のガラス転移温度Tg1以上にならないように制御し、支持シート4に、皺が生じることが効果的に防止されているから、所望のように、多数の積層体ブロック50を積層して、積層コンデンサを作製することが可能になる。
本実施態様においては、接着層10、スペーサ層7および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着性、接着層10とスペーサ層7との接着性および剥離層5と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、多数の積層体ブロック50を積層して、積層体を作製する積層プロセス中に、セラミックグリーンシート2と接着層10との間、接着層10と電極層6およびスペーサ層7との間あるいは剥離層5と接着層10との間で、デラミネーションが発生することを効果的に防止することが可能になる。
次いで、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体が、所定のサイズに裁断されて、多数のセラミックグリーンチップが作製される。
こうして作製されたセラミックグリーンチップは、還元ガス雰囲気下に置かれて、バインダが除去され、さらに、焼成される。
本実施態様においては、接着層10、スペーサ層7および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着性、接着層10とスペーサ層7との接着性および剥離層5と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、セラミックグリーンチップの焼成プロセス中に、セラミックグリーンシート2と接着層10との間、接着層10と電極層6およびスペーサ層7との間あるいは剥離層5と接着層10との間で、デラミネーションが発生することを効果的に防止することが可能になる。
次いで、焼成されたセラミックグリーンチップに、必要な外部電極などが取り付けられて、積層セラミックコンデンサが作製される。
本実施態様によれば、長尺状の支持シート4上に、積層体ユニット20を次々に積層して、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットを作製し、その後に、積層体ユニットセットを所定のサイズに裁断して、積層体ブロック50を作成しているから、所定のサイズに裁断された積層体ユニット20を1つづつ、積層して、積層体ブロック50を作製する場合に比して、積層体ブロック50の製造効率を大幅に向上させることが可能になる。
また、本実施態様によれば、支持シート9に形成された接着層10を、支持シート4の表面に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2が積層された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写する際に、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定されているから(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、接着層10とセラミックグリーンシート2との接触面の温度が、接着層10とセラミックグリーンシート2とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16により、支持シート4を、支持シート4のガラス転移温度Tg1以上に加熱することなく、接着層10と積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2との接触面の温度Tが、所望の接着温度以上になるように制御することができ、したがって、支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、接着層10と積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の接着強度を向上させることが可能になる。
さらに、本実施態様によれば、支持シート4上の積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10に、支持シート1上に、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5が積層された別の積層体ユニット20を接着して、2つの積層体ユニット20を積層する際に、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定されているから(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、剥離層5と接着層10との接触面の温度が、剥離層5と接着層10とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16により、支持シート4を、支持シート4のガラス転移温度Tg1以上に加熱することなく、新たに積層すべき積層体ユニット20の剥離層5と、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10との接触面の温度Tが、所望の接着温度以上になるように制御することができ、したがって、支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、新たに積層すべき積層体ユニット20の剥離層5と、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10との接着強度を向上させることが可能になる。
また、本実施態様によれば、接着シート11の接着層10を、支持シート4の表面に形成された積層体ユニットセットのセラミックグリーンシート2の表面に転写する際に、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定されているから(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度であり、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、接着層10とセラミックグリーンシート2との接触面の温度が、接着層10とセラミックグリーンシート2とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16によって、支持シート4を、支持シート4のガラス転移温度Tg1以上に加熱することなく、接着シート11の接着層10と、支持シート4の表面に形成された積層体ユニットセットのセラミックグリーンシート2との接触面の温度Tが、所望の接着温度以上になるように制御することができ、したがって、支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、接着シート11の接着層10と、積層体ユニットセットのセラミックグリーンシート2との接着強度を向上させることが可能になる。
さらに、本実施態様によれば、支持シート4上の積層体ユニットセットのセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10の表面に、支持シート1上に形成された新たに積層されるべき積層体ユニット20を積層する際に、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定されているから(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、剥離層5と接着層10との接触面の温度が、剥離層5と接着層10とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16により、支持シート4を、支持シート4のガラス転移温度Tg1以上に加熱することなく、新たに積層されるべき積層体ユニット20の剥離層5と、積層体ユニットセットのセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10との接触面の温度Tが、所望の接着温度以上になるように制御することができ、したがって、支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、新たに積層されるべき積層体ユニット20の剥離層5と、積層体ユニットセットのセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10との接着強度を向上させることが可能になる。
したがって、積層体ユニット20を作製する過程で、支持シート4に皺が形成された場合には、多数の積層体ユニット20を積層して、支持シート4上に、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットを形成する際に、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16によって加えられる圧力によって、支持シート4に形成された皺が、剥離層5の表面に転写され、多数の積層体ブロック50を積層する際に、積層体ブロック50の剥離層5の表面に転写された皺に、エアが保持され、所望のように、多数の積層体ブロック50を積層することが困難になるが、本実施態様によれば、積層体ユニット20を作製する過程で、支持シート4に、皺が生じることが効果的に防止されているから、所望のように、多数の積層体ブロック50を積層して、積層コンデンサを作製することが可能になる。
また、本実施態様によれば、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を転写した後、接着層10の表面に、中間シート19を付着させているから、表面に、接着層10が転写された積層体ユニット20を備えた支持シート4を、第二の巻き取りローラ18によって巻き取っても、接着層10が支持シート4に接着することがなく、したがって、積層体ユニット20を積層する積層装置を、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を転写する転写装置を並列的に配置することができるから、製造ラインが徒に長くなることを防止することが可能になる。
さらに、図21、図23、図25、図27、図29および図31に示されるように、支持シート4の表面に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2が積層された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着シート11の接着層10を転写する転写装置、支持シート9上に形成された接着層10を、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に転写する転写装置、支持シート4上に形成された剥離層5、電極層6およびスペーサ層7を、接着層10を介して、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に転写する転写装置、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2上に転写された接着層10に、別の積層体ユニット20を接着して、2つの積層体ユニット20を積層し、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットを作製する積層装置、支持シート4の表面に形成された積層体ユニットセットのセラミックグリーンシート2の表面に、支持シート9上に形成された接着層10を転写する転写装置および支持シート4上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットのセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を介して、支持シート1上に形成され、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む新たに積層すべき積層体ユニット20を積層する積層装置は、同一の構成を有しているから、これらのステップを、一つの装置を用いて、実行することができ、したがって、製造設備のスペースを大幅に縮小させることが可能になる。
図33は、本発明の他の好ましい実施態様にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法に用いられる転写装置の略断面図である。
本実施態様にかかる転写装置は、図21および図22に示された転写装置によって作製された支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20ならびに接着層10からなる積層体の接着層10上に、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7を接着させた後に、剥離層5から、支持シート4を剥離して、支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20、接着層10、電極層6、スペーサ層7ならびに剥離層5よりなる積層体を作製し、積層体を巻き取るように構成されている。
図33に示されるように、本実施態様にかかる転写装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、中間シート巻き取りローラ14と、第一の加圧ローラ15と、第二の加圧ローラ16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ21と、支持シート1の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22a、22bと、中間シート19の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22c、22fと、支持シート4の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22d、22eと、支持シート4のテンションを調整するシートテンション調整ローラ23a、23b、23c、23d、23e、23fを備え、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置、図9に示された転写装置、図21に示された転写装置、図23に示された転写装置、図25に示された転写装置、図27に示された積層装置、図29に示された転写装置および図31に示された積層装置と同一の構成を有している。
図21および図22に示された転写装置によって作製された支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20ならびに接着層10からなる積層体の接着層10上に、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7を接着させるにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12として、表面に、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が形成された支持シート4が巻回されたローラが、積層装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20、接着層10ならびに中間シート19からなる積層体が巻回されたローラが、転写装置にセットされる。
次いで、第二の繰り出しローラ13から、支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20、接着層10ならびに中間シート19からなる積層体が繰り出され、接着層10の表面に付着した中間シート19が剥離され、剥離された中間シート19は、シート蛇行修正デバイス22cによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整されて、中間シート巻き取りローラ14によって巻き取られる。
本実施態様においては、中間シート19の表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成されるべき支持シート9と同じ表面処理が施されているから、中間シート19を接着層10から、所望のように、剥離させて、中間シート巻き取りローラ14によって巻き取ることができる。
中間シート19が接着層10から剥離された支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20ならびに接着層10からなる積層体は、テンション調整ローラ22a、22bおよび22cによって、そのテンションが調整される。
一方、第二の繰り出しローラ13からの支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20ならびに接着層10からなる積層体の繰り出しに同期して、第一の繰り出しローラ12から、表面に、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が形成された支持シート4が繰り出され、蛇行修正デバイス22aによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整される。
図33に示された転写装置においては、その表面に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20ならびに接着層10からなる積層体が形成された支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度を比較的低い温度に設定して、第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4が、支持シート4のガラス転移点温度Tg1以上に加熱されることを防止する一方で、第一の加圧ローラ15の温度をきわめて高い温度T1に設定して、電極層6およびスペーサ層7と接着層10との接触面の温度が、電極層6およびスペーサ層7と接着層10とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、電極層6およびスペーサ層7と接着層10とを加熱するように構成されている。
すなわち、図33に示された転写装置においては、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定され(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、電極層6およびスペーサ層7と接着層10との接触面の温度が、電極層6およびスペーサ層7と接着層10とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、それによって、第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、電極層6およびスペーサ層7と接着層10との接着強度の向上が図られている。第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4がポリエチレンテレフタレートによって形成されている場合には、αは、たとえば、5ないし10℃に設定される。
表面に、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が形成された支持シート4ならびに支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20と接着層10からなる積層体は、それぞれ、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が形成された支持シート4が上方に位置する第一の加圧ローラ15に接触し、積層体の支持シート4が下方に位置する第二の加圧ローラ16に接触するように、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間に供給される。
図34は、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の近傍の略拡大断面図である。
図33および図34に示された転写装置においては、上述のように、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)以下に設定されている。
また、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20ならびに接着層10からなる積層体と、表面に、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が形成された支持シート4の供給速度は、たとえば、2m/分に設定される。
図34に示されるように、表面に、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が形成された支持シート4は、支持シート4に加えられる引張り力によって、支持シート4が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間に供給され、支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20ならびに接着層10からなる積層体は、支持シート4が、下方の加圧ローラ16に接触し、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10が、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に接触するように、略水平方向に、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間に供給される。
その結果、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10の表面に、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7が接着され、一方で、図34に示されるように、支持シート4は、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間から、斜め上方に向けて、搬送されるから、支持シート4が、剥離層5から剥離される。
図33および図34に示された転写装置においては、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定されているから(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、電極層6およびスペーサ層7と接着層10との接触面の温度が、電極層6およびスペーサ層7と接着層10とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16によって、第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4をガラス転移温度Tg1以上に加熱することなく、電極層6およびスペーサ層7と接着層10との接触面の温度Tが、所望の接着温度以上になるように制御することができ、したがって、支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、電極層6およびスペーサ層7と接着層10との接着強度を向上させることが可能になる。
剥離層5から剥離された支持シート4は、シート蛇行修正デバイス22bによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整されて、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られ、一方、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10の表面に、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7が接着されて、形成された支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20、接着層10、電極層6、スペーサ層7ならびに剥離層5からなる積層体は、シート蛇行修正デバイス22eによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整され、シートテンション調整ローラ23d、23e、23fによって、そのテンションが調整されて、第二の巻き取りローラ18によって巻き取られる。
本実施態様においては、シートテンション調整ローラ23eは、長手方向に沿った断面が略H字状をなし、支持シート4の両縁部を支持しつつ、支持シート4を搬送可能に構成されているから、電極層6およびスペーサ層7がシートテンション調整ローラ23eに付着することを効果的に防止することが可能になる。
さらに、本実施態様においては、接着層10、スペーサ層7および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着性、接着層10とスペーサ層7との接着性および剥離層5と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、支持シート4のみを、剥離層5から、確実に剥離することが可能になる。
次いで、支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20、接着層10、電極層6、スペーサ層7ならびに剥離層5からなる積層体の剥離層5の表面に、接着シート11の接着層10が転写される。
図35は、支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20、接着層10、電極層6、スペーサ層7ならびに剥離層5からなる積層体の剥離層5の表面に、接着シート11の接着層10を転写する転写装置の略断面図である。
図35に示されるように、支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20、接着層10、電極層6、スペーサ層7ならびに剥離層5からなる積層体の剥離層5の表面に、接着シート11の接着層10を転写する転写装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、中間シート巻き取りローラ14と、第一の加圧ローラ15、第二の加圧ローラ16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ21と、支持シート9の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22a、22bと、中間シート19の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22c、22fと、支持シート4の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22d、22eと、支持シート4のテンションを調整するシートテンション調整ローラ23a、23b、23c、23d、23e、23fとを備え、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置、図9に示された転写装置、図21に示された転写装置、図23に示された転写装置、図25に示された転写装置、図27に示された積層装置、図29に示された転写装置、図31に示された積層装置および図33に示された転写装置と同一の構成を有している。
支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20、接着層10、電極層6、スペーサ層7ならびに剥離層5からなる積層体の剥離層5の表面に、接着シート11の接着層10を転写するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12として、接着シート11が巻回されたローラが転写装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20、接着層10、電極層6、スペーサ層7ならびに剥離層5からなる積層体が巻回された第二の巻き取りローラ18が、積層装置にセットされる。
さらに、中間シート19が巻回された中間シート繰り出しローラ19aが転写装置にセットされる。
中間シート19は、積層体の剥離層5の表面に転写された接着層10の表面に付着され、剥離層5の表面に、接着層10が転写された積層体を、第二の巻き取りローラ18によって巻き取った際に、接着層11が支持シート4の表面に接着することを防止するものであり、接着層10が形成された支持シート9を同じ材料によって形成され、支持シート9を同一の厚さを有し、接着層10に付着される表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成されるべき支持シート9と同じ表面処理が施されている。
次いで、第一の繰り出しローラ12から、接着シート11が繰り出され、蛇行修正デバイス22aによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整される。
第一の繰り出しローラ12からの接着シート11の繰り出しに同期して、第二の繰り出しローラ13から、支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20、接着層10、電極層6、スペーサ層7ならびに剥離層5からなる積層体が繰り出される。
第二の繰り出しローラ13から繰り出された支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20、接着層10、電極層6、スペーサ層7ならびに剥離層5からなる積層体は、テンション調整ローラ22a、22bおよび22cによって、必要に応じて、そのテンションが調整される。
図35に示された転写装置においては、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度を比較的低い温度に設定して、支持シート4が、支持シート4のガラス転移点温度Tg1以上に加熱されることを防止する一方で、第一の加圧ローラ15の温度をきわめて高い温度T1に設定して、接着層10と剥離層5との接触面の温度が、接着層10と剥離層5とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、接着層10と剥離層5を加熱するように構成されている。
すなわち、図35に示された転写装置においては、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定され(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、接着層10と剥離層5との接触面の温度が、接着層10と剥離層5とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、それによって、第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、接着層10と剥離層5の接着強度の向上が図られている。第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4がポリエチレンテレフタレートによって形成されている場合には、αは、たとえば、5ないし10℃に設定される。
接着シート11ならびに支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20、接着層10、電極層6、スペーサ層7ならびに剥離層5からなる積層体は、それぞれ、支持シート9が上方に位置する第一の加圧ローラ15に接触し、支持シート4が下方に位置する第二の加圧ローラ16に接触するように、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間に供給される。
支持シート9に形成された接着層10を、セラミックグリーンシート2の表面に転写する場合には、中間シート巻き取りローラ14は駆動されない。
図36は、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の近傍の略拡大断面図である。
図35および図36に示された転写装置においては、上述のように、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)以下に設定されている。
また、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
支持シート4、積層体ユニット20、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5からなる積層体ならびに接着シート11の供給速度は、たとえば、2m/分に設定される。
図36に示されるように、接着シート11は、支持シート9に加えられる引張り力によって、支持シート9が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間に供給され、支持シート4、積層体ユニット20、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5からなる積層体は、支持シート4が、下方の加圧ローラ16に接触し、積層体の表面の剥離層5が、支持シート9上に形成された接着層10の表面に接触するように、略水平方向に、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間に供給される。
その結果、支持シート9上に形成された接着層10が、積層体の表面の剥離層5の表面に接着される。
図35および図36に示された転写装置においては、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定されているから(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、接着層10と剥離層5との接触面の温度が、接着層10と剥離層5とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16によって、第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4をガラス転移温度Tg1以上に加熱することなく、接着層10と剥離層5との接触面の温度Tが、所望の接着温度以上になるように制御することができ、したがって、支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、接着層10と剥離層5との接着強度を向上させることが可能になる。
一方、図36に示されるように、接着層10が形成された支持シート9は、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間から、斜め上方に向けて、搬送され、その結果、支持シート9が、積層体の剥離層5の表面に接着した接着層10から剥離され、シート蛇行修正デバイス22bによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整され、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られる。
本実施態様においては、スペーサ層7、接着層10および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、スペーサ層7と接着層10との接着性および接着層10と剥離層5との接着性を向上させることができ、したがって、積層体の剥離層5の表面に、接着層10を接着した後、接着層10から、支持シート9を剥離する際に、支持シート9とともに、接着層10が積層体の剥離層5から剥離し、あるいは、積層体の電極層6およびスペーサ層7ならびに剥離層5が、積層体の接着層10から剥離することを確実に防止することが可能になる。
支持シート9上に形成された接着層10が、積層体の剥離層5の表面に接着され、剥離層5の表面に接着した接着層10から、支持シート9が剥離されると、図35に示されるように、接着層10が転写された積層体は、シート蛇行修正デバイス22eに送られ、シート蛇行修正デバイス22eによって、必要に応じて、その幅方向に位置が調整され、さらに、シートテンション調整ローラ23d、23e、23fに送られて、そのテンションが調整される。
本実施態様においては、シートテンション調整ローラ23eは、長手方向に沿った断面が略H字状をなし、支持シート4の両縁部を支持しつつ、支持シート4を搬送可能に構成されているから、接着層10がシートテンション調整ローラ23eに付着することを効果的に防止することが可能になる。
さらに、図35に示されるように、中間シート繰り出しローラ21から、中間シート19が繰り出され、必要に応じて、シート蛇行修正デバイス22fによって、その幅方向の位置が調整された後、接着層10の表面に付着され、次いで、支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20、接着層10、電極層6、スペーサ層7、剥離層5、接着層10ならびに中間シート19からなる積層体が、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取られる。
さらに、支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20、接着層10、電極層6、スペーサ層7、剥離層5および接着層10からなる積層体の接着層10の表面に、支持シート1の表面に形成されたセラミックグリーンシート2が接着され、接着層10に接着したセラミックグリーンシート2から、支持シート1が剥離されて、セラミックグリーンシート2が接着層10の表面に転写される。
図37は、支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20、接着層10、電極層6、スペーサ層7、剥離層5および接着層10からなる積層体の接着層10の表面に、支持シート1の表面に形成されたセラミックグリーンシート2を接着し、接着層10に接着したセラミックグリーンシート2から、支持シート1を剥離して、セラミックグリーンシート2を接着層10の表面に転写する転写装置の略断面図である。
図37に示されるように、支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20、接着層10、電極層6、スペーサ層7、剥離層5および接着層10からなる積層体の接着層10の表面に、支持シート1の表面に形成されたセラミックグリーンシート2を接着し、接着層10に接着したセラミックグリーンシート2から、支持シート1を剥離して、セラミックグリーンシート2を接着層10の表面に転写する転写装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、中間シート巻き取りローラ14と、第一の加圧ローラ15、第二の加圧ローラ16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ21と、支持シート4の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22a、22bと、中間シート19の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22c、22fと、支持シート1の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22d、22eと、支持シート1のテンションを調整するシートテンション調整ローラ23a、23b、23c、23d、23e、23fとを備え、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置、図9に示された転写装置、図21に示された転写装置、図23に示された転写装置、図25に示された転写装置、図27に示された積層装置、図29に示された転写装置、図31に示された積層装置、図33に示された転写装置および図35に示された転写装置と同一の構成を有している。
支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20、接着層10、電極層6、スペーサ層7、剥離層5および接着層10からなる積層体の接着層10の表面に、支持シート1の表面に形成されたセラミックグリーンシート2を接着するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12として、表面に、セラミックグリーンシート2が形成された支持シート1が巻回されたローラが、転写装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20、接着層10、電極層6、スペーサ層7、剥離層5、接着層10ならびに中間シート19からなる積層体が巻回された第二の巻き取りローラ18が、転写装置にセットされる。
次いで、第二の繰り出しローラ13から、支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20、接着層10、電極層6、スペーサ層7、剥離層5、接着層10ならびに中間シート19からなる積層体が繰り出され、接着層10の表面に付着した中間シート19が剥離され、剥離された中間シート19は、シート蛇行修正デバイス22cによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整されて、中間シート巻き取りローラ14によって巻き取られる。
本実施態様においては、中間シート19の表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成されるべき支持シート9と同じ表面処理が施されているから、中間シート19を接着層10から、所望のように、剥離させて、中間シート巻き取りローラ14によって巻き取ることができる。
中間シート19が接着層10から剥離された支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20、接着層10、電極層6、スペーサ層7、剥離層5ならびに接着層10からなる積層体は、テンション調整ローラ22a、22bおよび22cにより、そのテンションが調整され、予熱器24内に送られて、支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7、剥離層5および接着層10が予熱される。
一方、第二の繰り出しローラ13からの支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20、接着層10、電極層6、スペーサ層7、剥離層5、接着層10ならびに中間シート19からなる積層体の繰り出しに同期して、第一の繰り出しローラ12から、表面に、セラミックグリーンシート2が形成された支持シート1が繰り出され、蛇行修正デバイス22aによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整される。
図37に示された転写装置においては、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度を比較的低い温度に設定して、支持シート4が、支持シート4のガラス転移点温度Tg1以上に加熱されることを防止する一方で、第一の加圧ローラ15の温度をきわめて高い温度T1に設定して、セラミックグリーンシート2と接着層10との接触面の温度が、セラミックグリーンシート2と接着層10とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、セラミックグリーンシート2と接着層10を加熱するように構成されている。
すなわち、図37に示された転写装置においては、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定され(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、セラミックグリーンシート2と接着層10との接触面の温度が、セラミックグリーンシート2と接着層10とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、それによって、第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着強度の向上が図られている。第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4がポリエチレンテレフタレートによって形成されている場合には、αは、たとえば、5ないし10℃に設定される。
支持シート1ならびに支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20、接着層10、電極層6、スペーサ層7、剥離層5ならびに接着層10からなる積層体は、それぞれ、支持シート1が上方に位置する第一の加圧ローラ15に接触し、支持シート4が下方に位置する第二の加圧ローラ16に接触するように、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間に供給される。
図38は、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の近傍の略拡大断面図である。
図37および図38に示された転写装置においては、上述のように、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)以下に設定されている。
また、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
支持シート4、積層体ユニット20、接着層10、電極層6、スペーサ層7、剥離層5および接着層10からなる積層体ならびに表面に、セラミックグリーンシート2が形成された支持シート1の供給速度は、たとえば、2m/分に設定される。
図38に示されるように、表面に、セラミックグリーンシート2が形成された支持シート1は、支持シート1に加えられる引張り力によって、支持シート1が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間に供給され、支持シート4、積層体ユニット20、接着層10、電極層6、スペーサ層7、剥離層5および接着層10からなる積層体は、支持シート4が、下方の加圧ローラ16に接触し、剥離層5の表面に転写された接着層10が、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に接触するように、略水平方向に、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間に供給される。
その結果、剥離層5の表面に転写された接着層10に、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2が接着され、その一方で、図38に示されるように、支持シート1は、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間から、斜め上方に向けて、搬送されるから、支持シート1が、接着層10に接着したセラミックグリーンシート2から剥離される。
こうして、支持シート4上に、それぞれ、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む2つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層された積層体ユニットセットが作製される。
本実施態様においては、接着層10、スペーサ層7および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着性、接着層10とスペーサ層7との接着性および剥離層5と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、支持シート1のみを、セラミックグリーンシート2から、確実に剥離することが可能になる。
また、図37および図38に示された転写装置においては、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定されているから(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、セラミックグリーンシート2と接着層10との接触面の温度が、セラミックグリーンシート2と接着層10とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16によって、第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4をガラス転移温度Tg1以上に加熱することなく、セラミックグリーンシート2と接着層10との接触面の温度Tが、所望の接着温度以上になるように制御することができ、したがって、支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着強度を向上させることが可能になる。
接着層10に接着したセラミックグリーンシート2から剥離された支持シート1は、シート蛇行修正デバイス22bによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整されて、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られる。
一方、支持シート4上に、それぞれ、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む2つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層された積層体ユニットセットは、シート蛇行修正デバイス22eによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整され、シートテンション調整ローラ23d、23e、23fによって、そのテンションが調整されて、第二の巻き取りローラ18によって巻き取られる。
本実施態様においては、シートテンション調整ローラ23eは、長手方向に沿った断面が略H字状をなし、支持シート1の両縁部を支持しつつ、支持シート4を搬送可能に構成されているから、セラミックグリーンシート2がシートテンション調整ローラ23eに付着することを効果的に防止することが可能になる。
さらに、本実施態様においては、接着層10を、積層体の剥離層5の表面に転写した後に、接着層10の表面に、中間シート19を付着させるように構成されているから、剥離層5の表面に、接着層10が転写された積層体を第二の巻き取りローラ18によって、巻き取っても、接着層10が、支持シート4の表面に付着することがなく、したがって、積層体の接着層10に、セラミックグリーンシート2を転写する転写装置を、積層体の剥離層5の表面に、接着層10を転写するための転写装置と並列的に配置することができるから、製造ラインが徒に長くなることを防止することが可能になる。
こうして、支持シート4上に、それぞれ、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む2つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層されて、作製された積層体ユニットセットの表面側に位置するセラミックグリーンシート2の表面に、さらに、接着シート11の接着層10が転写される。
図39は、支持シート4上に、それぞれ、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む2つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層された積層体ユニットセットの表面側に位置するセラミックグリーンシート2の表面に、接着シート11の接着層10を転写する転写装置の略断面図である。
図39に示されるように、支持シート4上に、それぞれ、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む2つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層された積層体ユニットセットの表面側に位置するセラミックグリーンシート2の表面に、接着シート11の接着層10を転写する転写装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、中間シート巻き取りローラ14と、第一の加圧ローラ15、第二の加圧ローラ16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ21と、支持シート9の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22a、22bと、中間シート19の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22c、22fと、支持シート4の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22d、22eと、支持シート4のテンションを調整するシートテンション調整ローラ23a、23b、23c、23d、23e、23fとを備え、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置、図9に示された転写装置、図21に示された転写装置、図23に示された転写装置、図25に示された転写装置、図27に示された積層装置、図29に示された転写装置、図31に示された積層装置、図33に示された転写装置、図35に示された転写装置および図37に示された転写装置と同一の構成を有している。
支持シート4上に、それぞれ、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む2つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層された積層体ユニットセットの表面側に位置するセラミックグリーンシート2の表面に、接着シート11の接着層10を転写するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12として、接着シート11が巻回されたローラが転写装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、支持シート4上に、それぞれ、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む2つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層されて、作製された積層体ユニットセットが巻回された第二の巻き取りローラ18が、積層装置にセットされる。
さらに、中間シート19が巻回された中間シート繰り出しローラ19aが転写装置にセットされる。
中間シート19は、積層体ユニットセットの表面側に位置するセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10の表面に付着され、表面側に位置するセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10が転写された積層体ユニットセットを、第二の巻き取りローラ18によって巻き取った際に、接着層11が支持シート4の表面に接着することを防止するものであり、接着層10が形成された支持シート9を同じ材料によって形成され、支持シート9を同一の厚さを有し、接着層10に付着される表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成されるべき支持シート9と同じ表面処理が施されている。
次いで、第一の繰り出しローラ12から、支持シート9上に接着層10が形成された接着シート11が繰り出され、蛇行修正デバイス22aによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整される。
第一の繰り出しローラ12からの接着シート11の繰り出しに同期して、第二の繰り出しローラ13から、支持シート4と、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットよりなる積層体が繰り出される。
第二の繰り出しローラ13から繰り出された支持シート4と、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットよりなる積層体は、テンション調整ローラ22a、22bおよび22cによって、必要に応じて、そのテンションが調整される。
図39に示された転写装置においては、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度を比較的低い温度に設定して、支持シート4が、支持シート4のガラス転移点温度Tg1以上に加熱されることを防止する一方で、第一の加圧ローラ15の温度をきわめて高い温度T1に設定して、接着層10とセラミックグリーンシート2との接触面の温度が、接着層10とセラミックグリーンシート2とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、接着層10とセラミックグリーンシート2を加熱するように構成されている。
すなわち、図39に示された転写装置においては、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定され(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、接着層10とセラミックグリーンシート2との接触面の温度が、接着層10とセラミックグリーンシート2とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、それによって、第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、接着層10とセラミックグリーンシート2との接着強度の向上が図られている。第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4がポリエチレンテレフタレートによって形成されている場合には、αは、たとえば、5ないし10℃に設定される。
接着シート11および支持シート4と、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットよりなる積層体は、それぞれ、支持シート9が上方に位置する第一の加圧ローラ15に接触し、支持シート4が下方に位置する第二の加圧ローラ16に接触するように、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間に供給される。
支持シート9に形成された接着層10を、積層体ユニットセットの表面に転写する場合には、中間シート巻き取りローラ14は駆動されない。
図40は、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の近傍の略拡大断面図である。
図39および図40に示された転写装置においては、上述のように、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)以下に設定されている。
また、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
支持シート4と、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットよりなる積層体および接着シート11の供給速度は、たとえば、2m/分に設定される。
図40に示されるように、接着シート11は、支持シート9に加えられる引張り力によって、支持シート9が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間に供給され、支持シート4と、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットよりなる積層体は、支持シート4が、下方の加圧ローラ16に接触し、表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面が、支持シート9上に形成された接着層10の表面に接触するように、略水平方向に、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間に供給される。
その結果、支持シート9上に形成された接着層10が、表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に接着される。
図39および図40に示された転写装置においては、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定されているから(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、接着層10とセラミックグリーンシート2との接触面の温度が、接着層10とセラミックグリーンシート2とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16によって、第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4をガラス転移温度Tg1以上に加熱することなく、接着層10とセラミックグリーンシート2との接触面の温度Tが、所望の接着温度以上になるように制御することができ、したがって、支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、接着層10とセラミックグリーンシート2との接着強度を向上させることが可能になる。
一方、図40に示されるように、接着層10が形成された支持シート9は、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間から、斜め上方に向けて、搬送され、その結果、支持シート9が、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に接着した接着層10から剥離され、シート蛇行修正デバイス22bによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整されて、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られる。
本実施態様においては、接着層10には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、接着層10とセラミックグリーンシート2との接着性を向上させることが可能になり、したがって、セラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を接着させた後、接着層10から、支持シート9を剥離する際に、接着層10が、支持シート9とともに、セラミックグリーンシート2から剥離することを確実に防止することが可能になる。
支持シート9上に形成された接着層10が、積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に接着され、接着層10から、支持シート9が剥離されると、図40に示されるように、支持シート4、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットおよび接着層10からなる積層体は、シート蛇行修正デバイス22eに送られ、シート蛇行修正デバイス22eによって、必要に応じて、その幅方向に位置が調整され、さらに、シートテンション調整ローラ23d、23e、23fに送られて、そのテンションが調整される。
本実施態様においては、シートテンション調整ローラ23eは、長手方向に沿った断面が略H字状をなし、支持シート4の両縁部を支持しつつ、支持シート4を搬送可能に構成されているから、接着層10がシートテンション調整ローラ23eに付着することを効果的に防止することが可能になる。
さらに、図39に示されるように、中間シート繰り出しローラ21から、中間シート19が繰り出され、必要に応じて、シート蛇行修正デバイス22fによって、その幅方向の位置が調整された後、接着層10の表面に付着され、次いで、支持シート4、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットおよび接着層10よりなる積層体が、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取られる。
さらに、支持シート4上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10に、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7が接着され、次いで、剥離層5から支持シート4が剥離されて、支持シート4上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10上に、支持シート4上に形成された剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が転写される。
図41は、支持シート4上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10に、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7を接着し、次いで、剥離層5から支持シート4を剥離して、支持シート4上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10上に、支持シート4上に形成された剥離層5、電極層6およびスペーサ層7を転写する転写装置の略断面図である。
図41に示されるように、支持シート4上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10に、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7を接着し、次いで、剥離層5から支持シート4を剥離して、支持シート4上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10上に、支持シート4上に形成された剥離層5、電極層6およびスペーサ層7を転写する転写装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、中間シート巻き取りローラ14と、第一の加圧ローラ15、第二の加圧ローラ16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ21と、支持シート1の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22a、22bと、中間シート19の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22c、22fと、支持シート4の蛇行を修正するシート蛇行修正デバイス22d、22eと、支持シート4のテンションを調整するシートテンション調整ローラ23a、23b、23c、23d、23e、23fとを備え、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置、図9に示された転写装置、図21に示された転写装置、図23に示された転写装置、図25に示された転写装置、図27に示された積層装置、図29に示された転写装置、図31に示された積層装置、図33に示された転写装置、図35に示された転写装置、図37に示された転写装置および図39に示された転写装置と同一の構成を有している。
支持シート4上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10に、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7を接着するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12として、表面に、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が形成された支持シート4が巻回されたローラが、積層装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、支持シート4上に、それぞれ、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む2つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層されて、作製された積層体ユニットセットと、積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10と、接着層10の表面に付着された中間シート19とからなる積層体が巻回された第二の巻き取りローラ18が、転写装置にセットされる。
次いで、第二の繰り出しローラ13から、支持シート4上に、それぞれ、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む2つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層されて、作製された積層体ユニットセットと、積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10と、接着層10の表面に付着された中間シート19とからなる積層体が繰り出され、接着層10の表面に付着した中間シート19が剥離され、剥離された中間シート19は、シート蛇行修正デバイス22cによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整されて、中間シート巻き取りローラ14によって巻き取られる。
本実施態様においては、中間シート19の表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成されるべき支持シート9と同じ表面処理が施されているから、中間シート19を接着層10から、所望のように、剥離させて、中間シート巻き取りローラ14によって巻き取ることができる。
中間シート19が接着層10から剥離された支持シート4上に、それぞれ、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む2つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層された積層体ユニットセットと、積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10とからなる積層体は、テンション調整ローラ22a、22bおよび22cによって、そのテンションが調整され、予熱器24内に送られて、支持シート4、積層体ユニットセットおよび接着層10が予熱される。
一方、第二の繰り出しローラ13からの支持シート4上に、それぞれ、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む2つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層された積層体ユニットセットと、積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10とからなる積層体の繰り出しに同期して、第一の繰り出しローラ12から、表面に、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が形成された支持シート4が繰り出され、蛇行修正デバイス22aにより、必要に応じて、その幅方向の位置が調整される。
図41に示された転写装置においては、その表面に、それぞれ、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む2つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層された積層体ユニットセットと、積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10とからなる積層体が形成された支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度を比較的低い温度に設定して、第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4が、支持シート4のガラス転移点温度Tg1以上に加熱されることを防止する一方で、第一の加圧ローラ15の温度をきわめて高い温度T1に設定して、電極層6およびスペーサ層7と接着層10との接触面の温度が、電極層6およびスペーサ層7と接着層10とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、電極層6およびスペーサ層7と接着層10とを加熱するように構成されている。
すなわち、図41に示された転写装置においては、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定され(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、電極層6およびスペーサ層7と接着層10との接触面の温度が、電極層6およびスペーサ層7と接着層10とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、それによって、第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、電極層6およびスペーサ層7と接着層10との接着強度の向上が図られている。第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4がポリエチレンテレフタレートによって形成されている場合には、αは、たとえば、5ないし10℃に設定される。
表面に、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が形成された支持シート4と、支持シート4上に、それぞれ、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む2つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層された積層体ユニットセットと、積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10とからなる積層体は、それぞれ、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が形成された支持シート4が上方に位置する第一の加圧ローラ15に接触し、積層体の支持シート4が下方に位置する第二の加圧ローラ16に接触するように、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間に供給される。
図42は、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の近傍の略拡大断面図である。
図41および図42に示された転写装置においては、上述のように、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)以下に設定されている。
また、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
支持シート4上に、それぞれ、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む2つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層されて、作製された積層体ユニットセットと、積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10とからなる積層体ならびに表面に、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が形成された支持シート4の供給速度は、たとえば、2m/分に設定される。
図42に示されるように、表面に、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が形成された支持シート4は、支持シート4に加えられる引張り力によって、支持シート4が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間に供給され、一方、支持シート4上に、それぞれ、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む2つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層されて、作製された積層体ユニットセットと、積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10とからなる積層体は、支持シート4が、下方の加圧ローラ16に接触し、積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10が、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に接触するように、略水平方向に、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間に供給される。
その結果、積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10の表面に、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7が接着され、一方で、図42に示されるように、支持シート4は、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16の間から、斜め上方に向けて、搬送されるから、支持シート4が、剥離層5から剥離される。
本実施態様においては、接着層10、スペーサ層7および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着性、接着層10とスペーサ層7との接着性および剥離層5と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、支持シート4のみを、剥離層5から、確実に剥離することが可能になる。
図41および図42に示された転写装置においては、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定されているから(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、電極層6およびスペーサ層7と接着層10との接触面の温度が、電極層6およびスペーサ層7と接着層10とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16によって、第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4をガラス転移温度Tg1以上に加熱することなく、電極層6およびスペーサ層7と接着層10との接触面の温度Tが、所望の接着温度以上になるように制御することができ、したがって、支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、電極層6およびスペーサ層7と接着層10との接着強度を向上させることが可能になる。
剥離層5から剥離された支持シート4は、シート蛇行修正デバイス22bによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整されて、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られる。
一方、積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10の表面に、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7が接着されて、形成された支持シート4、積層体ユニット20、接着層10、積層体ユニット20、接着層10、電極層5、スペーサ層7および剥離層5からなる積層体は、シート蛇行修正デバイス22eによって、必要に応じて、その幅方向の位置が調整され、シートテンション調整ローラ23d、23e、23fによって、そのテンションが調整されて、第二の巻き取りローラ18によって巻き取られる。
本実施態様においては、シートテンション調整ローラ23eは、長手方向に沿った断面が略H字状をなし、支持シート4の両縁部を支持しつつ、支持シート4を搬送可能に構成されているから、剥離層5がシートテンション調整ローラ23eに付着することを効果的に防止することが可能になる。
さらに、図35および図36に示された転写装置を用いて、支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20、接着層10、電極層6、スペーサ層7ならびに剥離層5からなる積層体の剥離層5の表面に、接着シート11の接着層10を転写したのと同様にして、支持シート4、積層体ユニット20、接着層10、積層体ユニット20、接着層10、電極層5、スペーサ層7および剥離層5からなる積層体の剥離層5の表面に、接着シート11の接着層10が転写され、図37および図38に示された転写装置を用いて、支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20、接着層10、電極層6、スペーサ層7ならびに剥離層5からなる積層体の剥離層5の表面に転写された接着層10の表面に、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2を転写したのと同様にして、支持シート4、積層体ユニット20、接着層10、積層体ユニット20、接着層10、電極層5、スペーサ層7および剥離層5からなる積層体の剥離層5の表面に転写された接着層10の表面に、さらに、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2が転写されて、支持シート4上に、それぞれ、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む3つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層された積層体ユニットセットが作製され、図39および図40に示された転写装置を用いて、支持シート4上に、それぞれ、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む2つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層された積層体ユニットセットの表面側に位置するセラミックグリーンシート2の表面に、接着シート11の接着層10を転写したのと同様にして、支持シート4上に、それぞれ、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む3つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層された積層体ユニットセットの表面側に位置するセラミックグリーンシート2の表面に、さらに、接着シート11の接着層10が転写される。
さらに、同様にして、支持シート4上に形成された積層体ユニットセット上への積層体ユニット20の積層および積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面への接着層10の転写が繰り返され、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットが、支持シート4上に形成されると、積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10が転写され、次いで、裁断装置(図示せず)によって、支持シート4および積層体ユニットセットが、所定のサイズに裁断され、積層体ブロック50が形成される。
こうして形成された積層体ブロック50は、図17ないし図20と全く同様にして、多数の孔36が形成された基板35上に固定された支持体38上にセットされ、積層セラミックコンデンサの外層上に、所定の数の積層体ユニット20が積層されて、積層体が形成される。
積層体ユニット20を作製する過程で、支持シート4に皺が形成された場合には、多数の積層体ユニット20を積層して、支持シート4上に、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットを形成する際に、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16によって加えられる圧力によって、支持シート4に形成された皺が、剥離層5の表面に転写され、多数の積層体ブロック50を積層する際に、積層体ブロック50の剥離層5の表面に転写された皺に、エアが保持され、所望のように、多数の積層体ブロック50を積層することが困難になるが、本実施態様においては、図5および図6に示された転写装置を用いて、接着層10を、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写する際には、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定するとともに、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)以下に設定し、図7および図8に示された転写装置を用いて、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2を、接着層10を介して、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7上に転写する際には、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定するとともに、第二の加圧ローラ16の温度T2を(Tg1+α)以下に設定し、図9および図10に示された転写装置を用いて、接着層10を、支持シート4上に形成された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写する際には、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定するとともに、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)以下に設定し、図21および図22に示された転写装置を用いて、接着層10を、支持シート4上に形成された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写する際には、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定するとともに、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)以下に設定し、図33および図34に示された転写装置を用いて、支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20ならびに接着層10からなる積層体の接着層10上に、支持シート4上に形成された電極層6、スペーサ層7および剥離層5を転写する際には、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定するとともに、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)以下に設定し、図35および図36に示された転写装置を用いて、支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20、接着層10、電極層6、スペーサ層7ならびに剥離層5からなる積層体の剥離層5の表面に、接着シート11の接着層10を転写するに際しては、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定するとともに、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)以下に設定し、図37および図38に示された転写装置を用いて、支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20、接着層10、電極層6、スペーサ層7、剥離層5および接着層10からなる積層体の接着層10の表面に、支持シート1の表面に形成されたセラミックグリーンシート2を転写するに際しては、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定するとともに、第二の加圧ローラ16の温度T2を(Tg1+α)以下に設定し、図39および図40に示された転写装置を用いて、支持シート4上に、それぞれ、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む2つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層された積層体ユニットセットの表面側に位置するセラミックグリーンシート2の表面に、接着シート11の接着層10を転写するに際しては、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定するとともに、第二の加圧ローラ16の温度T2を(Tg1+α)以下に設定し、図41および図42に示された転写装置を用いて、支持シート4上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10に、支持シート4上に形成された電極層6、スペーサ層7および剥離層5を転写する際には、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定するとともに、第二の加圧ローラ16の温度T2を(Tg1+α)以下に設定して、支持シート4の温度が支持シート4のガラス転移温度Tg1以上にならないように制御し、支持シート4に、皺が生じることが効果的に防止されているから、所望のように、多数の積層体ブロック50を積層して、積層コンデンサを作製することが可能になる。
本実施態様においては、接着層10、スペーサ層7および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着性、接着層10とスペーサ層7との接着性および剥離層5と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、多数の積層体ブロック50を積層して、積層体を作製する積層プロセス中に、セラミックグリーンシート2と接着層10との間、接着層10と電極層6およびスペーサ層7との間あるいは剥離層5と接着層10との間で、デラミネーションが発生することを効果的に防止することが可能になる。
次いで、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体が、所定のサイズに裁断されて、多数のセラミックグリーンチップが作製される。
こうして作製されたセラミックグリーンチップは、還元ガス雰囲気下に置かれて、バインダが除去され、さらに、焼成される。
本実施態様においては、接着層10、スペーサ層7および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着性、接着層10とスペーサ層7との接着性および剥離層5と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、セラミックグリーンチップの焼成プロセス中に、セラミックグリーンシート2と接着層10との間、接着層10と電極層6およびスペーサ層7との間あるいは剥離層5と接着層10との間で、デラミネーションが発生することを効果的に防止することが可能になる。
次いで、焼成されたセラミックグリーンチップに、必要な外部電極などが取り付けられて、積層セラミックコンデンサが作製される。
本実施態様によれば、長尺状の支持シート4上に形成された積層体ユニット20の表面上に、接着層10の転写、電極層6、スペーサ層7および剥離層5の転写、接着層10の転写ならびにセラミックグリーンシート2の転写を繰り返して、積層体ユニット20を次々に積層して、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットを作製し、その後に、積層体ユニットセットを所定のサイズに裁断して、積層体ブロック50を作成しているから、所定のサイズに裁断された積層体ユニット20を1つづつ、積層して、積層体ブロック50を作製する場合に比して、積層体ブロック50の製造効率を大幅に向上させることが可能になる。
さらに、本実施態様によれば、支持シート4上の積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10に、支持シート4上に形成された電極層5、スペーサ層7および剥離層5を転写する際に、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定されているから(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、電極層6およびスペーサ層7と接着層10との接触面の温度が、電極層6およびスペーサ層7と接着層10とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16により、第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4を、支持シート4のガラス転移温度Tg1以上に加熱することなく、支持シート4上に形成された電極層5およびスペーサ層7と、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10との接触面の温度Tが、所望の接着温度以上になるように制御することができ、したがって、支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、支持シート4上に形成された電極層5およびスペーサ層7と、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10との接着強度を向上させることが可能になる。
また、本実施態様によれば、接着シート11の接着層10を、支持シート4の表面に形成された積層体の剥離層5の表面に転写する際に、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定されているから(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、接着層10と剥離層5との接触面の温度が、接着層10と剥離層5とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16により、支持シート4を、支持シート4のガラス転移温度Tg1以上に加熱することなく、接着シート11の接着層10と、支持シート4の表面に形成された積層体の剥離層5との接触面の温度Tが、所望の接着温度以上になるように制御することができ、したがって、支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、接着シート11の接着層10と、積層体の剥離層5との接着強度を向上させることが可能になる。
さらに、本実施態様によれば、支持シート4上に形成された積層体の剥離層5の表面に転写された接着層10の表面に、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2を転写する際に、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定されているから(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、セラミックグリーンシート2と接着層10との接触面の温度が、セラミックグリーンシート2と接着層10とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16により、支持シート4を、支持シート4のガラス転移温度Tg1以上に加熱することなく、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2と、積層体の剥離層5の表面に転写された接着層10との接触面の温度Tが、所望の接着温度以上になるように制御することができ、したがって、支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2と、積層体の剥離層5の表面に転写された接着層10との接着強度を向上させることが可能になる。
また、本実施態様によれば、接着シート11の接着層10を、支持シート4上に、接着層10を介して、積層された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットの表面側に位置するセラミックグリーンシート2の表面に転写する際に、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定されているから(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、接着層10とセラミックグリーンシート2との接触面の温度が、接着層10とセラミックグリーンシート2とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16により、支持シート4を、支持シート4のガラス転移温度Tg1以上に加熱することなく、接着シート11の接着層10と、支持シート4の表面に形成された積層体ユニットセットのセラミックグリーンシート2との接触面の温度Tが、所望の接着温度以上になるように制御することができ、したがって、支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、接着シート11の接着層10と、支持シート4の表面に形成された積層体ユニットセットのセラミックグリーンシート2との接着強度を向上させることが可能になる。
さらに、本実施態様によれば、支持シート4上に形成された剥離層5、電極層6およびスペーサ層7を、支持シート4上に、接着層10を介して、積層された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットと、接着層10からなる積層体の接着層10の表面に転写する際に、第一の加圧ローラ15の温度がT1に設定されるとともに、支持シート4に接触する第二の加圧ローラ16の温度が(Tg1+α)に設定されているから(ここに、Tg1は、支持シート4のガラス転移点温度で、T1およびαは、第一の加圧ローラ15の温度をT1に設定し、第二の加圧ローラ16の温度を(Tg1+α)に設定したときに、支持シート4の温度が、支持シート4のガラス転移温度Tg1未満に保持可能で、かつ、電極層6およびスペーサ層7と接着層10との接触面の温度が、電極層6およびスペーサ層7と接着層10とを所定の接着強度で接着するのに必要な接着温度以上になるように、決定される。)、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16により、第二の加圧ローラ16に接触する支持シート4を、支持シート4のガラス転移温度Tg1以上に加熱することなく、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7と、支持シート4上に、接着層10を介して、積層された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットと接着層10からなる積層体の接着層10との接触面の温度Tが、所望の接着温度以上になるように制御することができ、したがって、支持シート4に皺が発生することを防止しつつ、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7と、支持シート4上に、接着層10を介して、積層された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットと接着層10からなる積層体の接着層10との接着強度を向上させることが可能になる。
したがって、積層体ユニット20を作製する過程で、支持シート4に皺が形成された場合には、多数の積層体ユニット20を積層して、支持シート4上に、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットを形成する際に、第一の加圧ローラ15および第二の加圧ローラ16によって加えられる圧力によって、支持シート4に形成された皺が、剥離層5の表面に転写され、多数の積層体ブロック50を積層する際に、積層体ブロック50の剥離層5の表面に転写された皺に、エアが保持され、所望のように、多数の積層体ブロック50を積層することが困難になるが、本実施態様によれば、積層体ユニット20を作製する過程で、支持シート4に、皺が生じることが効果的に防止されているから、所望のように、多数の積層体ブロック50を積層して、積層コンデンサを作製することが可能になる。
また、本実施態様によれば、積層体の表面に、接着層10を転写した後、接着層10の表面に、中間シート19を付着させているから、表面に、接着層10が転写された積層体を備えた支持シート4を、第二の巻き取りローラ18によって巻き取っても、接着層10が支持シート4に接着することがなく、したがって、積層体ユニット20を積層する転写装置を、積層体の表面に、接着層10を転写する転写装置を並列的に配置することができるから、製造ラインが徒に長くなることを防止することが可能になる。
さらに、図33、図35、図37、図39、図41に示されるように、支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20ならびに接着層10からなる積層体の接着層10上に、支持シート4上に形成された剥離層5、電極層6およびスペーサ層7を転写する転写装置、支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20、接着層10、電極層6、スペーサ層7ならびに剥離層5からなる積層体の剥離層5の表面に、接着シート11の接着層10を転写する転写装置、支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む積層体ユニット20、接着層10、電極層6、スペーサ層7、剥離層5および接着層10からなる積層体の接着層10の表面に、支持シート1の表面に形成されたセラミックグリーンシート2を転写する転写装置、支持シート4上に、それぞれ、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む2つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層された積層体ユニットセットの表面側に位置するセラミックグリーンシート2の表面に、接着シート11の接着層10を転写する転写装置ならびに支持シート4上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10に、支持シート4上に形成された剥離層5、電極層6およびスペーサ層7を転写する転写装置は、同一の構成を有しているから、これらのステップを、一つの装置を用いて、実行することができ、したがって、製造設備のスペースを大幅に縮小させることが可能になる。
以下、本発明の効果をより明瞭なものとするため、実施例および比較例を掲げる。
実施例
セラミックグリーンシート用の誘電体ペーストの調製
以下の組成を有する誘電体粉末を調製した。
BaTiO粉末(堺化学工業株式会社製:商品名「BT−02」)
100重量部
MgCO0.72重量部
MnO 0.13重量部
(Ba0.6Ca0.4)SiO 1.5重量部
1.0重量部
こうして調製した誘電体粉末100重量部に対して、以下の組成を有する有機ビヒクルを加え、ボールミルを用いて、20時間にわたって、混合し、セラミックグリーンシート用の誘電体ペーストを調製した。
ポリビニルブチラール樹脂(バインダ) 6重量部
フタル酸ビス(2エチルヘキシル) 3重量部
(DOP:可塑剤)
エタノール 78重量部
n−プロパノール 78重量部
キシレン 14重量部
ミネラルスピリット 7重量部
分散剤 0.7重量部
剥離層用の誘電体ペーストの調製
BaTiO粉末(堺化学工業株式会社製:商品名「BT−01」)を用いた以外は、セラミックグリーンシート用の誘電体ペーストを調製したのと、全く同様にして、誘電体ペーストを調製し、エタノールと、プロパノールと、キシレンの混合溶液(混合比42.5:42.5:15)によって、誘電体ペーストを希釈して、剥離層用の誘電体ペーストを調製した。
接着剤ペーストの調製
以下の組成を有する有機ビヒクルを調製し、得られた有機ビヒクルを、メチルエチルケトンによって、10倍に希釈して、接着剤用のペーストを調製した。
ポリビニルブチラール樹脂(バインダ) 100重量部
フタル酸ビス(2エチルヘキシル) 50重量部
(DOP:可塑剤)
メチルエチルケトン 900重量部
電極用のペーストの調製
100重量部の平均粒径が0.2μmのNi粒子に対して、以下の組成の溶液を加え、ボールミルによって、20時間にわたり、混合して、スラリーを得た。
BaTiO粉末(堺化学工業株式会社製:商品名「BT−01」)
20重量部
有機ビヒクル 58重量部
フタル酸ビス(2エチルヘキシル) 50重量部
(DOP:可塑剤)
ターピネオール 5重量部
分散剤 1重量部
アセトン 45重量部
ここに、有機ビヒクルは、8重量部のポリビニルブチラール樹脂を、92重量部のターピネオールに溶解して、調製した。
こうして得られたスラリーを、40℃で、加熱し、攪拌して、余剰のアセトンを揮発させ、電極層用のペーストを調製した。
スペーサ層用の誘電体ペーストの調製
セラミックグリーンシート用の誘電体ペーストを調製するのに用いた誘電体粉末100重量部に対して、以下の組成を有する溶液を加え、ボールミルを用いて、20時間にわたり、混合して、スラリーを得た。
有機ビヒクル 71重量部
フタル酸ビス(2エチルヘキシル) 50重量部
(DOP:可塑剤)
ターピネオール 5重量部
分散剤 1重量部
アセトン 64重量部
ここに、有機ビヒクルは、8重量部のポリビニルブチラール樹脂を、92重量部のターピネオールに溶解して、調製した。
こうして得られたスラリーを、40℃で、加熱し、攪拌して、余剰のアセトンを揮発させ、スペーサ層用のペーストを調製した。
セラミックグリーンシートの作製
ワイヤーバーコーターを用いて、第一のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、セラミックグリーンシート用の誘電体ペーストを塗布し、乾燥させ、1.0μmの厚さのセラミックグリーンシートを作製した。
剥離層、電極層およびスペーサ層の形成
ワイヤーバーコーターを用いて、第二のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、剥離層用の誘電体ペーストを塗布して、乾燥させ、0.2μmの厚さの剥離層を形成した。
こうして形成された剥離層の表面に、スクリーン印刷法を用いて、所定のパターンで、電極層用のペーストを印刷し、1.0μmの厚さの電極層を形成した。
次いで、電極層が形成されていない剥離層の表面に、スクリーン印刷法を用いて、電極層と相補的なパターンで、スペーサ層用の誘電体ペーストを印刷して、1.2μmの厚さのスペーサ層を形成した。
接着層の形成
第三のポリエチレンテレフタレートフィルムの両表面に、シリコン樹脂を塗布して、剥離性改善処理を施した後、ワイヤーバーコーターを用いて、第三のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、接着剤ペーストを塗布し、0.1μmの厚さの接着層を形成した。
接着層の転写
図5および図6に示された転写装置を用いて、電極層およびスペーサ層の表面に、第三のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に形成された接着層を接着し、第三のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離して、電極層およびスペーサ層の表面に、接着層を転写した。
第一の加圧ローラの温度は110℃に設定し、第二の加圧ローラの温度は85℃に設定した。
第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラのニップ圧力は、1MPaであった。
このとき、接着層の表面の中央部および両縁部に、サーモラベルを貼着し、接着層と、電極層およびスペーサ層との接触面の温度を測定したところ、80℃であった。
電極層およびスペーサ層の表面へのセラミックグリーンシートの転写
図7および図8に示された転写装置を用いて、電極層およびスペーサ層の表面に形成された接着層を介して、電極層およびスペーサ層と、セラミックグリーンシートを接着するとともに、セラミックグリーンシートから、第一のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した。
第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラのニップ圧力は5MPaで、第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの温度は、接着層の転写時と同様に設定した。
接着層の転写時と同様に、セラミックグリーンシートの表面の中央部および両縁部に、サーモラベルを貼着し、セラミックグリーンシートと接着層との接触面の温度を測定したところ、80℃であった。
接着層の転写
さらに、ワイヤーバーコーターを用いて、両表面に、シリコン樹脂を塗布して、剥離性改善処理を施した第三のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、接着剤ペーストを塗布して、0.1μmの厚さの接着層を形成し、図9および図10に示された転写装置を用いて、接着層を介して、電極層およびスペーサ層上に転写されたセラミックグリーンシートの表面に、第三のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に形成された接着層を接着し、第三のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離して、セラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写し、第二のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、剥離層、電極層、スペーサ層、接着層、セラミックグリーンシートおよび接着層が積層された積層体ユニットを作製した。
第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラのニップ圧力は5MPaで、第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの温度は、電極層およびスペーサ層の表面に、接着層を転写したときと同様に設定した。
電極層およびスペーサ層の表面に、接着層を転写したときと同様に、接着層の表面の中央部および両縁部に、サーモラベルを貼着し、接着層とセラミックグリーンシートとの接触面の温度を測定したところ、80℃であった。
表面粗さ計を用いて、こうして得られた積層体ユニットの第二のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面のろ波中心線うねり(Wca)を、JIS B0610にしたがって、測定したところ、2.36で、第二のポリエチレンテレフタレートフィルムに皺の発生はほとんど認められなかった。
さらに、積層体ユニットから、10mm×10mmの試験片を切り出し、第二のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面および接着層の表面に、両面テープを貼着して、8mm/分の速度で、2枚の両面テープを引き離して、積層体ユニットの接着強度を測定したところ、34.22N/cmで、十分な接着強度が得られていることが判明した。
比較例1
電極層およびスペーサ層の表面に、接着層を転写した際、電極層およびスペーサ層の表面に形成された接着層上に、セラミックグリーンシートを転写した際ならびにセラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写した際に、第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの温度を100℃に設定した点を除き、実施例と同様にして、積層体ユニットを作成した。
電極層およびスペーサ層の表面に、接着層を転写した際の接着層と、電極層およびスペーサ層との接触面の温度、電極層およびスペーサ層の表面に形成された接着層上に、セラミックグリーンシートを転写した際のセラミックグリーンシートと接着層との接触面の温度ならびにセラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写した際の接着層とセラミックグリーンシートとの接触面の温度は、いずれも、80℃であった。
実施例と同様にして、得られた積層体ユニットの第二のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面のろ波中心線うねり(Wca)を、JIS B0610にしたがって、測定したところ、13.89で、第二のポリエチレンテレフタレートフィルムに、きわめて多くの皺が発生したことが認められた。
さらに、実施例と同様の方法によって、積層体ユニットの接着強度を測定したところ、35.75N/cmで、十分な接着強度が得られていることが判明した。
比較例1においては、電極層およびスペーサ層の表面に、接着層を転写した際の接着層と、電極層およびスペーサ層との接触面の温度、電極層およびスペーサ層の表面に形成された接着層上に、セラミックグリーンシートを転写した際のセラミックグリーンシートと接着層との接触面の温度ならびにセラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写した際の接着層とセラミックグリーンシートとの接触面の温度は、いずれも、80℃で、十分に高かったため、積層体ユニットの接着強度が十分に高くなったが、その一方で、第二の加圧ローラの温度を100℃に設定したため、電極層およびスペーサ層の表面に、接着層を転写した際、電極層およびスペーサ層の表面に形成された接着層上に、セラミックグリーンシートを転写した際ならびにセラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写した際に、第二のポリエチレンテレフタレートフィルムの温度がガラス転移温度Tgを越え、その結果、第二のポリエチレンテレフタレートフィルムに、きわめて多くの皺が発生したものと考えられる。
比較例2
電極層およびスペーサ層の表面に、接着層を転写した際、電極層およびスペーサ層の表面に形成された接着層上に、セラミックグリーンシートを転写した際ならびにセラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写した際に、第一の加圧ローラの温度を85℃に設定し、第二の加圧ローラの温度を110℃に設定した点を除き、実施例1と同様にして、積層体ユニットを作成した。
電極層およびスペーサ層の表面に、接着層を転写した際の接着層と、電極層およびスペーサ層との接触面の温度、電極層およびスペーサ層の表面に形成された接着層上に、セラミックグリーンシートを転写した際のセラミックグリーンシートと接着層との接触面の温度ならびにセラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写した際の接着層とセラミックグリーンシートとの接触面の温度は、いずれも、80℃であった。
実施例と同様にして、得られた積層体ユニットの第二のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面のろ波中心線うねり(Wca)を、JIS B0610にしたがって、測定したところ、21.43で、第二のポリエチレンテレフタレートフィルムに、きわめて多くの皺が発生したことが認められた。
さらに、実施例と同様の方法によって、積層体ユニットの接着強度を測定したところ、35.49N/cmで、十分な接着強度が得られていることが判明した。
比較例2においては、電極層およびスペーサ層の表面に、接着層を転写した際の接着層と、電極層およびスペーサ層との接触面の温度、電極層およびスペーサ層の表面に形成された接着層上に、セラミックグリーンシートを転写した際のセラミックグリーンシートと接着層との接触面の温度ならびにセラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写した際の接着層とセラミックグリーンシートとの接触面の温度は、いずれも、80℃で、十分に高かったため、積層体ユニットの接着強度が十分に高くなったが、その一方で、第二の加圧ローラの温度を110℃に設定したため、電極層およびスペーサ層の表面に、接着層を転写した際、電極層およびスペーサ層の表面に形成された接着層上に、セラミックグリーンシートを転写した際ならびにセラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写した際に、第二のポリエチレンテレフタレートフィルムの温度がガラス転移温度Tgを越え、その結果、第二のポリエチレンテレフタレートフィルムに、きわめて多くの皺が発生したものと考えられる。
比較例3
電極層およびスペーサ層の表面に、接着層を転写した際、電極層およびスペーサ層の表面に形成された接着層上に、セラミックグリーンシートを転写した際ならびにセラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写した際に、第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの温度を90℃に設定した点を除き、実施例と同様にして、積層体ユニットを作成した。
電極層およびスペーサ層の表面に、接着層を転写した際の接着層と、電極層およびスペーサ層との接触面の温度、電極層およびスペーサ層の表面に形成された接着層上に、セラミックグリーンシートを転写した際のセラミックグリーンシートと接着層との接触面の温度ならびにセラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写した際の接着層とセラミックグリーンシートとの接触面の温度は、いずれも、72.5℃であった。
実施例と同様にして、得られた積層体ユニットの第二のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面のろ波中心線うねり(Wca)を、JIS B0610にしたがって、測定したところ、1.92で、第二のポリエチレンテレフタレートフィルムに皺の発生はほとんど認められなかった。
さらに、実施例と同様の方法によって、積層体ユニットの接着強度を測定したところ、32.27N/cmで、接着強度が不十分であることが判明した。
これは、電極層およびスペーサ層の表面に、接着層を転写した際の接着層と、電極層およびスペーサ層との接触面の温度、電極層およびスペーサ層の表面に形成された接着層上に、セラミックグリーンシートを転写した際のセラミックグリーンシートと接着層との接触面の温度ならびにセラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写した際の接着層とセラミックグリーンシートとの接触面の温度が、いずれも、72.5℃で、低すぎたためと考えられる。
本発明は、以上の実施態様および実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
たとえば、図33ないし図42に示された実施態様においては、3以上の積層体ユニット20が積層された積層体ユニットセットの表面に、接着層10を転写した後、裁断装置(図示せず)によって、支持シート4および積層体ユニットセットを、所定のサイズに裁断し、積層体ブロック50を形成して、3以上の積層体ユニット20を含む積層体ブロック50を、積層セラミックコンデンサの外層上に、積層するように構成されているが、図39および図40に示された転写装置によって、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットの表面に、接着層10を形成した後、支持シート4および積層体ユニットセットを、所定のサイズに裁断し、積層体ブロック50を形成して、2つの積層体ユニット20を含む積層体ブロック50を、積層セラミックコンデンサの外層上に、積層するように構成することもできる。
さらに、図5および図6に示された転写装置、図9および図10に示された転写装置、図21および図22に示された転写装置、図23および図24に示された転写装置、図29および図30に示された転写装置、図35および図36に示された転写装置ならびに図39および図40に示された転写装置は、それぞれ、支持シート9の表面に形成された接着層10を、電極層6およびスペーサ層7、セラミックグリーンシート2あるいは剥離層5の表面に接着した後、ただちに、支持シート9を、接着層10から剥離するように構成されているが、支持シート9の表面に形成された接着層10を、電極層6およびスペーサ層7、セラミックグリーンシート2あるいは剥離層5の表面に接着した後、ただちに、支持シート9を、接着層10から剥離することは必ずしも必要でなく、接着装置を用いて、支持シート9の表面に形成された接着層10を、電極層6およびスペーサ層7、セラミックグリーンシート2あるいは剥離層5の表面に接着して、積層体を形成し、積層体をローラに巻き取った後、積層体をローラから繰り出す際に、中間シート19を、中間シート巻き取りローラ14によって、接着層10から剥離させて、巻き取ったのと同様にして、支持シート9を、接着層10から剥離するように構成することもできる。
また、図7および図8に示された転写装置ならびに図37および図38に示された転写装置は、支持シート1の表面に形成されたセラミックグリーンシート2を、接着層10に接着した後、ただちに、支持シート1を、セラミックグリーンシート2から剥離するように構成されているが、支持シート1の表面に形成されたセラミックグリーンシート2を、接着層10に接着した後、ただちに、支持シート1を、セラミックグリーンシート2から剥離することは必ずしも必要でなく、接着装置を用いて、支持シート1の表面に形成されたセラミックグリーンシート2を、接着層10に接着して、積層体を形成し、積層体をローラに巻き取った後、積層体をローラから繰り出す際に、中間シート19を、中間シート巻き取りローラ14によって、接着層10から剥離させて、巻き取ったのと同様にして、支持シート1を、セラミックグリーンシート2から剥離するように構成することもできる。
さらに、図25および図26に示された転写装置、図33および図34に示された転写装置ならびに図41および図42に示された転写装置は、それぞれ、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7を、接着層10に接着した後、ただちに、支持シート4を、剥離層5から剥離するように構成されているが、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7を、接着層10に接着した後、ただちに、支持シート4を、剥離層5から剥離することは必ずしも必要でなく、接着装置を用いて、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7を、接着層10に接着して、積層体を形成し、積層体をローラに巻き取った後、積層体をローラから繰り出す際に、中間シート19を、中間シート巻き取りローラ14によって、接着層10から剥離させて、巻き取ったのと同様にして、支持シート4を、剥離層5から剥離するように構成することもできる。
また、図27および図28に示された積層装置ならびに図31および図32に示された積層装置は、支持シート1の表面に形成された積層体ユニット20の剥離層5を、接着層10に接着した後、ただちに、支持シート1を、積層体ユニット20から剥離するように構成されているが、支持シート1の表面に形成された積層体ユニット20の剥離層5を、接着層10に接着した後、ただちに、支持シート1を、積層体ユニット20から剥離することは必ずしも必要でなく、接着装置を用いて、支持シート1の表面に形成された積層体ユニット20の剥離層5を、接着層10に接着して、積層体を形成し、積層体をローラに巻き取った後、積層体をローラから繰り出す際に、中間シート19を、中間シート巻き取りローラ14によって、接着層10から剥離させて、巻き取ったのと同様にして、支持シート1を、積層体ユニット20から剥離するように構成することもできる。
さらに、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置、図9に示された転写装置、図21に示された転写装置、図23に示された転写装置、図25に示された転写装置、図27に示された積層装置、図29に示された転写装置、図31に示された積層装置、図33に示された転写装置、図35に示された転写装置、図37に示された転写装置、図39に示された転写装置および図41に示された転写装置は、シート蛇行修正デバイス22a、22b、シート蛇行修正デバイス22c、22fおよびシート蛇行修正デバイス22d、22eを備えているが、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置、図9に示された転写装置、図21に示された転写装置、図23に示された転写装置、図25に示された転写装置、図27に示された積層装置、図29に示された転写装置、図31に示された積層装置、図33に示された転写装置、図35に示された転写装置、図37に示された転写装置、図39に示された転写装置および図41に示された転写装置が、シート蛇行修正デバイス22a、22b、シート蛇行修正デバイス22c、22fおよびシート蛇行修正デバイス22d、22eを備えていることは必ずしも必要でなく、シート蛇行修正デバイス22a、22b、シート蛇行修正デバイス22c、22fまたはシート蛇行修正デバイス22d、22eは、支持シート1、支持シート4、支持シート9あるいは中間シート19の搬送経路が長く、支持シート1、支持シート4、支持シート9あるいは中間シート19の蛇行が生じやすい部分に設けられていれば足りる。
さらに、前記実施態様においては、接着層10が形成された支持シート9と同じ材料によって形成され、支持シート9と同一の厚さを有し、その表面に、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成された支持シート9と同じ表面処理が施されている中間シート19が用いられているが、接着層10が形成された支持シート9と同じ材料によって形成され、支持シート9と同一の厚さを有し、その表面に、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成された支持シート9と同じ表面処理が施されている中間シート19を用いることは必ずしも必要でなく、接着層10に付着されるべき表面に、高さ1μmないし10μmの凹凸が形成されたシートを、中間シート19として用い、あるいは、ガーレー透気度が10000s/50ml未満のシートを、中間シート19として用いて、エアを、接着層10と中間シート19の間の空間から速やかに排出させるようにして、中間シート19に皺が生じることを防止するとともに、中間シート19が付着された積層体が巻き取り時に蛇行することを防止することもできる。
さらに、前記実施態様においては、セラミックグリーンシート2あるいは電極層6およびスペーサ層7の表面に、接着層10を転写した後に、接着層10の表面に、中間シート19を付着させて、積層体を巻き取り、同一の構成を有する転写装置を用いて、積層体ユニット20あるいは積層体ユニットセットを作製するように構成されているが、十分に長い製造ラインを設けるスペースが存在する場合には、接着層10の表面に、中間シート19を付着させて、積層体を巻き取ることなく、連続的に、転写操作および接着操作を繰り返して、積層体ユニット20あるいは積層体ユニットセットを作製することもでき、あるいは、製造ラインを設けるべきスペースの長さに応じて、二またはそれ以上の転写装置を一ラインに配置し、一ラインの転写装置における接着層10の転写完了時にのみ、接着層10の表面に、中間シート19を付着させて、積層体をローラに巻き取り、別のラインの転写装置に、巻き取ったローラをセットして、次の転写操作および接着操作を実行するようにしてもよい。
また、前記実施態様においては、接着層10が、バインダの0.01重量%ないし15重量%のイミダゾリン系界面活性剤を含んでいるが、接着層10が、バインダの0.01重量%ないし15重量%のイミダゾリン系界面活性剤を含んでいることは必ずしも必要でない。本発明において、接着層10のための帯電防止剤として、イミダゾリン系界面活性剤を用いることが最も好ましいが、ポリアルキレングリコール誘導体系界面活性剤、カルボン酸アミジン塩系界面活性剤などの他の両性界面活性剤も、接着層10のための帯電防止剤として、好ましく用いることができ、さらに、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、2−3ブタンジオール、グリセリンなどを、接着層10のための帯電防止剤として、用いることもできる。
さらに、前記実施態様においては、接着剤溶液中に、イミダゾリン系界面活性剤を添加しているが、接着剤溶液中に、イミダゾリン系界面活性剤などの帯電防止剤を添加することは必ずしも必要でない。
また、前記実施態様においては、剥離層5の表面に、電極層6およびスペーサ層7を、ts/te=1.1となるように形成している(tsはスペーサ層7の厚さであり、teは電極層6の厚さである。)が、0.7≦ts/te≦1.3となるように、好ましくは、0.8≦ts/te≦1.1、さらに好ましくは、0.9≦ts/te≦1.1となるように、電極層6およびスペーサ層7を形成すればよく、電極層6およびスペーサ層7を、ts/te=1.1となるように形成することは必ずしも必要でない。
図1は、支持シートの表面上に、セラミックグリーンシートが形成された状態を示す略一部断面図である。 図2は、その表面上に、剥離層および電極層が形成された支持シートの略一部断面図である。 図3は、剥離層の表面上に、電極層およびスペーサ層が形成された状態を示す略一部断面図である。 図4は、支持シートの表面上に、接着層が形成された接着シートの略一部断面図である。 図5は、支持シート上に形成された接着層を、支持シート上に形成された電極層およびスペーサ層の表面に転写する転写装置の略断面図である。 図6は、図5に示された転写装置の第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの近傍の略拡大断面図である。 図7は、支持シート上に形成されたセラミックグリーンシートを、接着層を介して、支持シート上に形成された電極層およびスペーサ層の表面に転写する転写装置の略断面図である。 図8は、図7に示された転写装置の第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの近傍の略拡大断面図である。 図9は、積層体ユニットのセラミックグリーンシートの表面に、接着シートの接着層を転写する転写装置の略断面図である。 図10は、図9に示された転写装置の第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの近傍の略拡大断面図である。 図11は、裁断装置によって、所定のサイズに裁断された積層体ユニットの略断面図である。 図12は、積層体ユニットの積層プロセスの第一のステップを示す略一部断面図である。 図13は、積層体ユニットの積層プロセスの第二のステップを示す略一部断面図である。 図14は、積層体ユニットの積層プロセスの第三のステップを示す略一部断面図である。 図15は、積層体ユニットの積層プロセスの第四のステップを示す略一部断面図である。 図16は、積層体ユニットの積層プロセスの第五のステップを示す略一部断面図である。 図17は、基板に固定されている支持体上に積層された積層体ブロックを、積層セラミックコンデンサの外層上に積層する積層プロセスの第一のステップを示す略一部断面図である。 図18は、基板に固定されている支持体上に積層された積層体ブロックを、積層セラミックコンデンサの外層上に積層する積層プロセスの第二のステップを示す略一部断面図である。 図19は、基板に固定されている支持体上に積層された積層体ブロックを、積層セラミックコンデンサの外層上に積層する積層プロセスの第三のステップを示す略一部断面図である。 図20は、基板に固定されている支持体上に積層された積層体ブロックを、積層セラミックコンデンサの外層上に積層する積層プロセスの第四のステップを示す略一部断面図である。 図21は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法に用いられる転写装置の略断面図である。 図22は、図21に示された転写装置の第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの近傍の略拡大断面図である。 図23は、接着シートの接着層を、支持シート上に形成されたセラミックグリーンシートの表面に転写する転写装置の略断面図である。 図24は、図23に示された転写装置の第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの近傍の略拡大断面図である。 図25は、支持シート上に形成された剥離層、電極層およびスペーサ層を、接着層を介して、支持シート上に形成されたセラミックグリーンシートの表面に転写する転写装置の略断面図である。 図26は、図24に示された転写装置の第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの近傍の略拡大断面図である。 図27は、図21および図22に示された転写装置によって、積層体ユニットのセラミックグリーンシート上に転写された接着層上に、図25および図26に示された転写装置によって作製された別の積層体ユニットを接着して、2つの積層体ユニットを積層し、2つの積層体ユニットを含む積層体ユニットセットを作製する積層装置の略断面図である。 図28は、図27に示された積層装置の第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの近傍の略拡大断面図である。 図29は、支持シートの表面に形成された積層体ユニットセットのセラミックグリーンシートの表面に、支持シート上に形成された接着層を転写する転写装置の略断面図である。 図30は、図29に示された転写装置の第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの近傍の略拡大断面図である。 図31は、支持シート上に形成された2つの積層体ユニットを含む積層体ユニットセットのセラミックグリーンシートの表面に、接着層を介して、支持シート上に形成され、セラミックグリーンシート、接着層、電極層、スペーサ層および剥離層を含む新たに積層すべき積層体ユニットを積層する積層装置の略断面図である。 図32は、図31に示された積層装置の第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの近傍の略拡大断面図である。 図33は、本発明の他の好ましい実施態様にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法に用いられる転写装置の略断面図である。 図34は、図33に示された転写装置の第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの近傍の略拡大断面図である。 図35は、支持シート、剥離層、電極層、スペーサ層、接着層およびセラミックグリーンシートを含む積層体ユニット、接着層、電極層、スペーサ層ならびに剥離層からなる積層体の剥離層の表面に、接着シートの接着層を転写する転写装置の略断面図である。 図36は、図35に示された転写装置の第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの近傍の略拡大断面図である。 図37は、支持シート、剥離層、電極層、スペーサ層、接着層およびセラミックグリーンシートを含む積層体ユニット、接着層、電極層、スペーサ層、剥離層および接着層からなる積層体の接着層の表面に、支持シートの表面に形成されたセラミックグリーンシートを接着し、接着層に接着したセラミックグリーンシートから、支持シートを剥離する転写装置の略断面図である。 図38は、図37に示された転写装置の第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの近傍の略拡大断面図である。 図39は、支持シート上に、それぞれ、剥離層、電極層、スペーサ層、接着層およびセラミックグリーンシートを含む2つの積層体ユニットが、接着層を介して、積層された積層体ユニットセットの表面側に位置するセラミックグリーンシートの表面に、接着シートの接着層を転写する転写装置の略断面図である。 図40は、図39に示された転写装置の第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの近傍の略拡大断面図である。 図41は、支持シート上に形成された2つの積層体ユニットを含む積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニットのセラミックグリーンシートの表面に転写された接着層に、支持シート上に形成された電極層およびスペーサ層を接着し、次いで、剥離層から支持シートを剥離して、支持シート上に形成された2つの積層体ユニットを含む積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニットのセラミックグリーンシートの表面に転写された接着層上に、支持シート上に形成された剥離層、電極層およびスペーサ層を転写する転写装置の略断面図である。 図42は、図41に示された転写装置の第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの近傍の略拡大断面図である。
符号の説明
1 第一の支持シート
2 セラミックグリーンシート
3 第二の支持シート
5 剥離層
6 電極層
7 スペーサ層
9 第三の支持シート
10 接着層
11 接着シート
12 第一の繰り出しローラ
13 第二の繰り出しローラ
14 中間シート巻き取りローラ
15、16 加圧ローラ
17 第一の巻き取りローラ
18 第二の巻き取りローラ
19 中間シート
20 積層体ユニット
21 中間シート繰り出しローラ
22a、22b、22c、22d、22e、22f シート蛇行修正デバイス
23a、23b、23c、23d、23e、23f シートテンション調整ローラ
35 基板
36 孔
38 支持体
40 基台
41 孔
42 接着層
43 積層セラミックコンデンサの外層
50 積層体ブロック

Claims (13)

  1. その表面に、接着層が形成された第一の支持シートと、その表面に、剥離層、電極層および前記電極層と相補的なパターンで形成されたスペーサ層が積層された第二の支持シートを、互いに対向し、温度制御された第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの間に、前記第一の支持シートが前記第一の加圧ローラに接触し、前記第二の支持シートが前記第二の加圧ローラに接触するように供給し、前記第一の加圧ローラおよび前記第二の加圧ローラによって、前記第一の支持シートおよび前記第二の支持シートを加圧して、前記接着層と前記電極層および前記スペーサ層とを接着し、前記第一の支持シートを前記接着層から剥離して、前記接着層を前記電極層および前記スペーサ層の表面に転写し、積層セラミック電子部品用の積層体ユニットを製造する方法であって、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)以下に設定する(ここに、Tgは前記第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、前記第二の支持シートの温度が、前記第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、前記接着層と前記電極層および前記スペーサ層との接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)ことを特徴とする積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法。
  2. その表面に、セラミックグリーンシートが形成された第一の支持シートと、その表面に、剥離層、電極層、前記電極層と相補的なパターンで形成されたスペーサ層および接着層が積層された第二の支持シートを、互いに対向し、温度制御された第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの間に、前記第一の支持シートが前記第一の加圧ローラに接触し、前記第二の支持シートが前記第二の加圧ローラに接触するように供給し、前記第一の加圧ローラおよび前記第二の加圧ローラによって、前記第一の支持シートおよび前記第二の支持シートを加圧して、前記セラミックグリーンシートと前記接着層とを接着し、前記第一の支持シートを前記セラミックグリーンシートから剥離して、前記セラミックグリーンシートを前記接着層の表面に転写し、積層セラミック電子部品用の積層体ユニットを製造する方法であって、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)以下に設定する(ここに、Tgは前記第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、前記第二の支持シートの温度が、前記第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、前記セラミックグリーンシートと前記接着層との接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)ことを特徴とする積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法。
  3. その表面に、第一の接着層が形成された第一の支持シートと、その表面に、剥離層、電極層、前記電極層と相補的なパターンで形成されたスペーサ層、第二の接着層およびセラミックグリーンシートが積層されて形成された積層体ユニットを備えた第二の支持シートを、互いに対向し、温度制御された第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの間に、前記第一の支持シートが前記第一の加圧ローラに接触し、前記第二の支持シートが前記第二の加圧ローラに接触するように供給し、前記第一の加圧ローラおよび前記第二の加圧ローラによって、前記第一の支持シートおよび前記第二の支持シートを加圧して、前記第一の接着層と前記セラミックグリーンシートとを接着し、前記第一の支持シートを前記第一の接着層から剥離して、前記第一の接着層を前記セラミックグリーンシートの表面に転写し、少なくとも1つの積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットを製造する方法であって、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)以下に設定する(ここに、Tgは前記第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、前記第二の支持シートの温度が、前記第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、前記接着層と前記セラミックグリーンシートとの接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)ことを特徴とする少なくとも1つの積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
  4. その表面に、第一の剥離層、第一の電極層および前記第一の電極層と相補的なパターンで形成された第一のスペーサ層が形成された第一の支持シートと、その表面に、第二の剥離層、第二の電極層、前記第二の電極層と相補的なパターンで形成された第二のスペーサ層、第一の接着層およびセラミックグリーンシートが積層された積層体ユニットと、第二の接着層とが形成された第二の支持シートを、互いに対向し、温度制御された第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの間に、前記第一の支持シートが前記第一の加圧ローラに接触し、前記第二の支持シートが前記第二の加圧ローラに接触するように供給し、前記第一の加圧ローラおよび前記第二の加圧ローラによって、前記第一の支持シートおよび前記第二の支持シートを加圧して、前記第一の電極層および前記第一のスペーサ層と前記第二の接着層とを接着し、前記第一の支持シートを前記第一の剥離層から剥離して、前記第一の電極層、前記第一のスペーサ層および前記第一の剥離層を前記第二の接着層の表面に転写し、少なくとも1つの積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットを製造する方法であって、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)以下に設定する(ここに、Tgは前記第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、前記第二の支持シートの温度が、前記第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、前記第一の電極層および前記第一のスペーサ層と前記第二の接着層との接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)ことを特徴とする少なくとも1つの積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
  5. その表面に、第一の接着層が形成された第一の支持シートと、その表面に、第一の剥離層、第一の電極層、前記第一の電極層と相補的なパターンで形成された第一のスペーサ層、第二の接着層およびセラミックグリーンシートが積層された積層体ユニットと、第三の接着層と、第二の電極層と、前記第二の電極層と相補的なパターンで形成された第二のスペーサ層と、第二の剥離層とが形成された第二の支持シートとを、互いに対向し、温度制御された第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの間に、前記第一の支持シートが前記第一の加圧ローラに接触し、前記第二の支持シートが前記第二の加圧ローラに接触するように供給し、前記第一の加圧ローラおよび前記第二の加圧ローラによって、前記第一の支持シートおよび前記第二の支持シートを加圧して、前記第一の接着層と前記第二の剥離層とを接着し、前記第一の支持シートを前記第一の接着層から剥離して、前記第一の接着層を前記第二の剥離層の表面に転写し、少なくとも1つの積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットを製造する方法であって、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)以下に設定する(ここに、Tgは前記第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、前記第二の支持シートの温度が、前記第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、前記第一の接着層と前記第二の剥離層との接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)ことを特徴とする少なくとも1つの積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
  6. その表面に、第一のセラミックグリーンシートが形成された第一の支持シートと、その表面に、第一の剥離層、第一の電極層、前記第一の電極層と相補的なパターンで形成された第一のスペーサ層、第一の接着層および第二のセラミックグリーンシートが積層された積層体ユニットと、第二の接着層と、第二の電極層と、前記第二の電極層と相補的なパターンで形成された第二のスペーサ層と、第二の剥離層と、第三の接着層が形成された第二の支持シートとを、互いに対向し、温度制御された第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの間に、前記第一の支持シートが前記第一の加圧ローラに接触し、前記第二の支持シートが前記第二の加圧ローラに接触するように供給し、前記第一の加圧ローラおよび前記第二の加圧ローラによって、前記第一の支持シートおよび前記第二の支持シートを加圧して、前記第一のセラミックグリーンシートと前記第三の接着層とを接着し、前記第一の支持シートを前記第一のセラミックグリーンシートから剥離して、前記第一のセラミックグリーンシートを前記第三の接着層の表面に転写し、前記第二の接着層を介して、2つの積層体ユニットが積層された積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットを製造する方法であって、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)以下に設定する(ここに、Tgは前記第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、前記第二の支持シートの温度が、前記第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、前記第一のセラミックグリーンシートと前記第三の接着層との接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)ことを特徴とする2つの積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
  7. その表面に、第一の接着層が形成された第一の支持シートと、その表面に、それぞれが、剥離層、電極層、前記電極層と相補的なパターンで形成されたスペーサ層、第二の接着層およびセラミックグリーンシートが、この順に積層されて、形成された少なくとも2つの積層体ユニットが、第三の接着層を介して、積層されて、2つの積層体ユニットを含む積層体ユニットセットが形成された第二の支持シートとを、互いに対向し、温度制御された第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの間に、前記第一の支持シートが前記第一の加圧ローラに接触し、前記第二の支持シートが前記第二の加圧ローラに接触するように供給し、前記第一の加圧ローラおよび前記第二の加圧ローラによって、前記第一の支持シートおよび前記第二の支持シートを加圧して、前記第一の接着層と前記積層体ユニットセットの表面に位置する前記セラミックグリーンシートとを接着し、前記第一の支持シートを前記第一の接着層から剥離して、前記第一の接着層を前記積層体ユニットセットの表面に位置する前記セラミックグリーンシートの表面に転写し、複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットを製造する方法であって、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)以下に設定する(ここに、Tgは前記第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、前記第二の支持シートの温度が、前記第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、前記第一の接着層と前記積層体ユニットセットの表面に位置する前記セラミックグリーンシートとの接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)ことを特徴とする複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
  8. その表面に、第一の剥離層、第一の電極層および前記第一の電極層と相補的なパターンで形成された第一のスペーサ層が形成された第一の支持シートと、その表面に、それぞれが、第二の剥離層、第二の電極層、前記第二の電極層と相補的なパターンで形成された第二のスペーサ層、第一の接着層およびセラミックグリーンシートが、この順に積層されて、形成された少なくとも2つの積層体ユニットが、第二の接着層を介して、積層された積層体ユニットセットと、第三の接着層とが形成された第二の支持シートとを、互いに対向し、温度制御された第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの間に、前記第一の支持シートが前記第一の加圧ローラに接触し、前記第二の支持シートが前記第二の加圧ローラに接触するように供給し、前記第一の加圧ローラおよび前記第二の加圧ローラによって、前記第一の支持シートおよび前記第二の支持シートを加圧して、前記第一の電極層および前記第一のスペーサ層と前記第三の接着層とを接着し、前記第一の支持シートを前記第一の剥離層から剥離して、前記第一の電極層、前記第一のスペーサ層および前記第一の剥離層を前記第三の接着層の表面に転写し、複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットを製造する方法であって、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)以下に設定する(ここに、Tgは前記第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、前記第二の支持シートの温度が、前記第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、前記第一の電極層および前記第一のスペーサ層と前記第三の接着層との接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)ことを特徴とする複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
  9. その表面に、第一の接着層が形成された第一の支持シートと、その表面に、それぞれが、第一の剥離層、第一の電極層、前記第一の電極層と相補的なパターンで形成された第一のスペーサ層、第二の接着層およびセラミックグリーンシートが、この順に積層されて、形成された少なくとも2つの積層体ユニットが、第三の接着層を介して、積層された積層体ユニットセットと、第四の接着層と、第二の電極層と、前記第二の電極層と相補的なパターンで形成された第二のスペーサ層と、第二の剥離層とが形成された第二の支持シートとを、互いに対向し、温度制御された第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの間に、前記第一の支持シートが前記第一の加圧ローラに接触し、前記第二の支持シートが前記第二の加圧ローラに接触するように供給し、前記第一の加圧ローラおよび前記第二の加圧ローラによって、前記第一の支持シートおよび前記第二の支持シートを加圧して、前記第一の接着層と前記第二の剥離層とを接着し、前記第一の支持シートを前記第一の接着層から剥離して、前記第一の接着層を前記第二の剥離層の表面に転写し、複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットを製造する方法であって、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)以下に設定する(ここに、Tgは前記第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、前記第二の支持シートの温度が、前記第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、前記第一の接着層と前記第二の剥離層との接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)ことを特徴とする複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
  10. その表面に、第一のセラミックグリーンシートが形成された第一の支持シートと、その表面に、それぞれが、第一の剥離層、第一の電極層、前記第一の電極層と相補的なパターンで形成された第一のスペーサ層、第一の接着層および第二のセラミックグリーンシートが、この順に積層されて、形成された少なくとも2つの積層体ユニットが、第二の接着層を介して、積層された積層体ユニットセットと、第三の接着層と、第二の電極層と、前記第二の電極層と相補的なパターンで形成された第二のスペーサ層と、第二の剥離層と、第四の接着層とが形成された第二の支持シートとを、互いに対向し、温度制御された第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの間に、前記第一の支持シートが前記第一の加圧ローラに接触し、前記第二の支持シートが前記第二の加圧ローラに接触するように供給し、前記第一の加圧ローラおよび前記第二の加圧ローラによって、前記第一の支持シートおよび前記第二の支持シートを加圧して、前記第一のセラミックグリーンシートと前記第四の接着層とを接着し、前記第一の支持シートを前記第一のセラミックグリーンシートから剥離して、前記第一のセラミックグリーンシートを前記第四の接着層の表面に転写し、複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットを製造する方法であって、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)以下に設定する(ここに、Tgは前記第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、前記第二の支持シートの温度が、前記第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、前記第一のセラミックグリーンシートと前記第四の接着層との接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)ことを特徴とする複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
  11. その表面に、第一のセラミックグリーンシート、第一の接着層、第一の電極層、前記第一の電極層と相補的なパターンで形成された第一のスペーサ層および第一の剥離層が積層されて、第一の積層体ユニットが形成された第一の支持シートと、その表面に、第二の剥離層、第二の電極層、前記第二の電極層と相補的なパターンで形成された第二のスペーサ層、第二の接着層、第二のセラミックグリーンシートが積層された第二の積層体ユニットと、第三の接着層が積層された第二の支持シートを、互いに対向し、温度制御された第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの間に、前記第一の支持シートが前記第一の加圧ローラに接触し、前記第二の支持シートが前記第二の加圧ローラに接触するように供給し、前記第一の加圧ローラおよび前記第二の加圧ローラによって、前記第一の支持シートおよび前記第二の支持シートを加圧して、前記第一の積層体ユニットの前記第一の剥離層と前記第三の接着層とを接着し、前記第一の支持シートを前記第一の積層体ユニットの前記第一のセラミックグリーンシートから剥離して、前記第一の支持シートの表面に形成された前記第一の積層体ユニットを、前記第三の接着層の表面に転写し、前記第一の積層体ユニットと前記第二の積層体ユニットが、前記第三の接着層を介して、積層し、2つの積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットを製造する方法であって、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)以下に設定する(ここに、Tgは前記第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、前記第二の支持シートの温度が、前記第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、前記第一の積層体ユニットの前記第一の剥離層と前記第三の接着層との接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)ことを特徴とする2つの積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
  12. その表面に、第一の接着層が形成された第一の支持シートと、その表面に、それぞれが、剥離層、電極層、前記電極層と相補的なパターンで形成されたスペーサ層、第二の接着層およびセラミックグリーンシートが、この順に積層されて、形成された少なくとも2つの積層体ユニットが、第三の接着層を介して、積層されて、2つの積層体ユニットを含む積層体ユニットセットが形成された第二の支持シートとを、互いに対向し、温度制御された第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの間に、前記第一の支持シートが前記第一の加圧ローラに接触し、前記第二の支持シートが前記第二の加圧ローラに接触するように供給し、前記第一の加圧ローラおよび前記第二の加圧ローラによって、前記第一の支持シートおよび前記第二の支持シートを加圧して、前記第一の支持シートの表面に形成された前記第一の接着層と、前記第二の支持シートの表面に形成された前記積層体ユニットセットの表面に位置する前記セラミックグリーンシートとを接着し、前記第一の支持シートを前記第一の接着層から剥離して、前記第一の接着層を前記積層体ユニットセットの前記セラミックグリーンシートの表面に転写し、複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットを製造する方法であって、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)以下に設定する(ここに、Tgは前記第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、前記第二の支持シートの温度が、前記第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、前記第一の接着層と前記セラミックグリーンシートとの接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)ことを特徴とする複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
  13. その表面に、第一のセラミックグリーンシート、第一の接着層、第一の電極層、前記第一の電極層と相補的なパターンで形成された第一のスペーサ層および第一の剥離層が積層されて、積層体ユニットが形成された第一の支持シートと、その表面に、それぞれが、第二の剥離層、第二の電極層、前記第二の電極層と相補的なパターンで形成された第二のスペーサ層、第二の接着層および第二のセラミックグリーンシートが、この順に積層されて、形成された少なくとも2つの積層体ユニットが、第三の接着層を介して、積層された積層体ユニットセットと、第四の接着層とが形成された第二の支持シートとを、互いに対向し、温度制御された第一の加圧ローラおよび第二の加圧ローラの間に、前記第一の支持シートが前記第一の加圧ローラに接触し、前記第二の支持シートが前記第二の加圧ローラに接触するように供給し、前記第一の加圧ローラおよび前記第二の加圧ローラによって、前記第一の支持シートおよび前記第二の支持シートを加圧して、前記第一の支持シートの表面に形成された前記積層体ユニットの前記第一の剥離層と、前記第二の支持シートの表面に形成された前記積層体ユニットセットの表面に位置する前記第四の接着層とを接着し、前記第一の支持シートを、前記積層体ユニットの前記第一のセラミックグリーンシートから剥離して、前記第一の支持シートの表面に形成された前記積層体ユニットを、前記積層体ユニットセットの表面に位置する前記第四の接着層の表面に転写し、複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットを製造する方法であって、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)以下に設定する(ここに、Tgは前記第二の支持シートのガラス転移温度であり、T1およびαは、前記第一の加圧ローラの温度をT1に設定し、前記第二の加圧ローラの温度を(Tg+α)に設定したときに、前記第二の支持シートの温度が、前記第二の支持シートのガラス転移温度Tg未満に保持可能で、かつ、前記第一の剥離層と前記第三の接着層との接触面の温度が所定の温度以上になるように、決定される。)ことを特徴とする複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
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