JP2005079229A - 積層電子部品用の積層体ユニットの製造方法および少なくとも1つの積層体ユニットを含む積層電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】セラミックグリーンシート(以下、グリーンシート)の変形、破壊と、電極ペースト溶剤がグリーンシートに染み込むことを防止できる積層体ユニットの製造方法。
【解決手段】第一支持シート1にグリーンシート2を形成し、第二支持シートに剥離層5と電極層6とスペーサ層7を形成し、第三支持シート表面に接着層10を形成し、電極層、スペーサ層とを密着加圧し、接着層を電極層およびスペーサ層に転写し、接着層から第三支持シートを剥離し、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シートを接着層に付着させ、第二支持シートに、剥離層、電極層、スペーサ層、接着層、中間シートが積層された積層体ロールを形成し、積層体ロールから積層体を繰り出し、中間シートを剥離し、第一支持シートに形成されたグリーンシートと積層体の接着層を密着、加圧、接着させ、グリーンシートから第一支持シートを剥離する積層体ユニットの製造方法。
【選択図】図8
【解決手段】第一支持シート1にグリーンシート2を形成し、第二支持シートに剥離層5と電極層6とスペーサ層7を形成し、第三支持シート表面に接着層10を形成し、電極層、スペーサ層とを密着加圧し、接着層を電極層およびスペーサ層に転写し、接着層から第三支持シートを剥離し、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シートを接着層に付着させ、第二支持シートに、剥離層、電極層、スペーサ層、接着層、中間シートが積層された積層体ロールを形成し、積層体ロールから積層体を繰り出し、中間シートを剥離し、第一支持シートに形成されたグリーンシートと積層体の接着層を密着、加圧、接着させ、グリーンシートから第一支持シートを剥離する積層体ユニットの製造方法。
【選択図】図8
Description
本発明は、セラミックグリーンシートと電極層とが積層された積層電子部品用の積層体ユニットの製造方法および少なくとも1つの積層体ユニットを含む積層電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法に関するものであり、さらに詳細には、セラミックグリーンシートの変形および破壊を防止するとともに、電極ペースト中の溶剤がセラミックグリーンシート中に染み込むことを防止することができ、セラミックグリーンシートと電極層とが積層された積層体ユニットを、所望のように、製造することができる積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法および少なくとも1つの積層体ユニットを含む積層電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法に関するものである。
近年、各種電子機器の小型化にともなって、電子機器に実装される電子部品の小型化および高性能化が要求されるようになっており、積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック電子部品においても、積層数の増加、積層単位の薄層化が強く要求されている。
積層セラミックコンデンサによって代表される積層セラミック電子部品を製造するには、まず、セラミック粉末と、アクリル樹脂、ブチラール樹脂などのバインダと、フタル酸エステル類、グリコール類、アジピン酸、燐酸エステル類などの可塑剤と、トルエン、メチルエチルケトン、アセトンなどの有機溶媒を混合分散して、誘電体ペーストを調製する。
次いで、誘電体ペーストを、エクストルージョンコーターやグラビアコーターを用いて、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリプロピレン(PP)などによって形成された支持シート上に、塗布し、加熱して、塗膜を乾燥させ、セラミックグリーンシートを作製する。
さらに、セラミックグリーンシート上に、ニッケルなどの電極ペーストを、スクリーン印刷機などによって、所定のパターンで、印刷し、乾燥させて、電極層を形成する。
電極層が形成されると、電極層が形成されたセラミックグリーンシートを支持シートから剥離して、セラミックグリーンシートと電極層を含む積層体ユニットを形成し、所望の数の積層体ユニットを積層して、加圧し、得られた積層体を、チップ状に切断して、グリーンチップを作製する。
最後に、グリーンチップからバインダを除去して、グリーンチップを焼成し、外部電極を形成することによって、積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック電子部品が製造される。
電子部品の小型化および高性能化の要請によって、現在では、積層セラミックコンデンサの層間厚さを決定するセラミックグリーンシートの厚さを3μmあるいは2μm以下にすることが要求され、300以上のセラミックグリーンシートと電極層を含む積層体ユニットを積層することが要求されている。
しかしながら、きわめて薄いセラミックグリーンシートに、内部電極用の電極ペーストを印刷して、電極層を形成する場合には、電極ペースト中の溶剤が、セラミックグリーンシートのバインダ成分を溶解または膨潤させ、その一方で、セラミックグリーンシート中に、電極ペーストが染み込むという不具合があり、短絡不良の原因になるという問題があった。
そこで、特開昭63−51616号公報および特開平3−250612号公報は、内部電極パターンペーストを、別の支持シートに印刷して、電極層を形成した後に、電極層を乾燥させ、乾燥した電極層を、セラミックグリーンシートの表面に熱転写する方法を提案している。
特開昭63−51616号公報
特開平3−250612号公報
しかしながら、この方法では、セラミックグリーンシートの表面に転写された電極層から、支持シートを剥離することが難しいという問題があった。
また、乾燥した電極層を、セラミックグリーンシートの表面に熱転写して、接着するためには、高温下で、高い圧力を加える必要があり、したがって、セラミックグリーンシートおよび電極層が変形し、場合によっては、セラミックグリーンシートが部分的に破壊するという問題があった。
したがって、本発明は、セラミックグリーンシートの変形および破壊を防止するとともに、電極ペースト中の溶剤がセラミックグリーンシート中に染み込むことを防止することができ、セラミックグリーンシートと電極層とが積層された積層体ユニットを、所望のように、製造することができる積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法および少なくとも1つの積層体ユニットを含む積層電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明のかかる目的は、第一の支持シートの表面に、セラミックグリーンシートを形成する工程と、第二の支持シートの表面に、剥離層を形成する工程と、前記剥離層の表面に、所定のパターンで、電極層を形成するとともに、前記電極層と相補的なパターンで、スペーサ層を形成する工程と、第三の支持シートの表面に、接着層を形成する工程と、前記第三の支持シート上に形成された前記接着層の表面と、前記電極層および前記スペーサ層の表面とを密着させて、加圧し、前記接着層を、前記電極層および前記スペーサ層の表面に転写する工程と、前記接着層から、前記第三の支持シートを剥離する工程と、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シートを、前記接着層の表面に付着させる工程と、前記第二の支持シートの表面に、前記剥離層、前記電極層、前記スペーサ層、前記接着層および前記中間シートが積層された積層体を巻き取り、積層体ロールを形成する工程と、前記積層体ロールから、前記積層体を繰り出す工程と、前記積層体ロールから繰り出された前記積層体の前記接着層から、前記中間シートを剥離する工程と、前記第一の支持シートの表面に形成された前記セラミックグリーンシートの表面と、前記積層体の前記接着層の表面とを密着させて、加圧し、接着させる工程と、前記セラミックグリーンシートから、前記第一の支持シートを剥離して、前記電極層および前記スペーサ層とが積層された積層体ユニットを作製する工程を含むことを特徴とする積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法によって達成される。
中間シートのガーレー透気度は、JIS P8117に準拠して、測定され、本明細書においては、中間シートを、50mlのエアが透過するのに要する秒数によって定義される。
本発明によれば、電極層およびスペーサ層の表面に接着された接着層を介して、セラミックグリーンシートを、電極層およびスペーサ層の表面に転写するように構成されているから、低い圧力で、セラミックグリーンシートを、電極層およびスペーサ層の表面に転写することができ、したがって、セラミックグリーンシートの変形および破壊を確実に防止して、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層を含む積層体ユニットを製造することが可能になる。
また、本発明によれば、電極層およびスペーサ層を、第二の支持シートの表面に形成し、乾燥させた後に、接着層を介して、セラミックグリーンシートの表面に接着させることができるから、電極ペースト中の溶剤が、セラミックグリーンシートのバインダ成分を溶解または膨潤させることを確実に防止することができ、同時に、セラミックグリーンシート中に、電極ペーストが染み込むことを確実に防止して、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層を含む積層体ユニットを製造することが可能になる。
さらに、本発明によれば、接着層を、第三の支持シートの表面に形成し、乾燥させた後に、電極層およびスペーサ層の表面に転写することができるから、接着剤溶液が、電極層およびスペーサ層に染み込むことを確実に防止して、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層を含む積層体ユニットを製造することが可能になる。
また、本発明によれば、接着層を、第三の支持シートの表面に形成し、乾燥させた後に、電極層およびスペーサ層の表面に転写し、接着層を介して、電極層およびスペーサ層と、セラミックグリーンシートを接着することができるから、接着剤溶液が、セラミックグリーンシートに染み込むことを確実に防止して、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層を含む積層体ユニットを製造することが可能になる。
さらに、セラミックグリーンシート上に、所定のパターンで、電極層が形成された多数の積層体ユニットを積層する場合には、電極層の表面と、電極層が形成されていないセラミックグリーンシートの表面との間に、段差が形成されているため、多数の積層体ユニットが積層された積層体が変形し、あるいは、層間剥離が発生することがあるが、本発明によれば、剥離層の表面に、電極層と相補的なパターンで、スペーサ層が形成されているから、こうして得られた多数の積層体ユニットを積層して、作製された積層体が変形を起こすことを効果的に防止することが可能になるとともに、層間剥離の発生を効果的に防止することが可能になる。
また、本発明によれば、接着層を、電極層およびスペーサ層の表面に転写した後に、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シートを、接着層の表面に付着させるように構成されているから、第二の支持シートの表面に、剥離層、電極層、スペーサ層、接着層および中間シートが積層された積層体を巻き取っても、接着層が、第二の支持シートの表面に付着することがなく、したがって、積層体ロールから、積層体を繰り出し、積層体ロールから繰り出された積層体の接着層から、中間シートを剥離し、第一の支持シートの表面に形成されたセラミックグリーンシートの表面と、積層体の接着層の表面とを密着させて、加圧し、接着させて、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層とが積層された積層体ユニットを作製するための設備を、第二の支持シートの表面に形成された電極層およびスペーサ層の表面に、接着層を転写するための設備と並列的に配置することができるから、製造ラインが徒に長くなることを防止することが可能になる。
さらに、本発明によれば、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シートを、接着層に付着させて、長尺状の第二の支持シートの表面に、剥離層、電極層、スペーサ層、接着層および中間シートが積層された積層体を巻き取るように構成されているから、エアが接着層と中間シートとの間の空間から、速やかに排出され、エアが、接着層と中間シートとの間に保持されることがなく、したがって、接着層に付着した中間シートに皺が生じたり、長尺状の第二の支持シートの表面に、剥離層、電極層、スペーサ層、接着層および中間シートが積層された積層体を巻き取る際に、積層体が蛇行することを効果的に防止することができる。
また、本発明によれば、第三の支持シート上に形成された接着層の表面と、電極層およびスペーサ層の表面とを密着させて、加圧して、接着層を、電極層およびスペーサ層の表面に転写し、接着層から、第三の支持シートを剥離し、中間シートを、接着層の表面に付着させ、第二の支持シートの表面に、剥離層、電極層、スペーサ層、接着層および中間シートが積層された積層体を巻き取って、積層体ロールを形成した後に、積層体ロールから、積層体を繰り出し、積層体ロールから繰り出された積層体の接着層から、中間シートを剥離し、第一の支持シートの表面に形成されたセラミックグリーンシートの表面と、積層体の接着層の表面とを密着させて、加圧して、接着させ、セラミックグリーンシートから、第一の支持シートを剥離して、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層とが積層された積層体ユニットを作製するように構成されているから、第三の支持シート上に形成された接着層の表面と、電極層およびスペーサ層の表面とを密着させて、加圧して、接着層を、電極層およびスペーサ層の表面に転写し、接着層から、第三の支持シートを剥離するプロセスを実行するための製造設備を用いて、積層体ロールから、積層体を繰り出し、積層体ロールから繰り出された積層体の接着層から、中間シートを剥離し、第一の支持シートの表面に形成されたセラミックグリーンシートの表面と、積層体の接着層の表面とを密着させて、加圧し、接着させて、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層とが積層された積層体ユニットを作製するプロセスを実行することができ、製造設備のスペースが過大になることを効果的に防止することが可能になる。
さらに、本発明によれば、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シートを、接着層の表面に付着させているから、後の工程で、所望のように、中間シートを接着層から剥離させることができる。
本発明の前記目的はまた、第一の支持シートの表面に、セラミックグリーンシートを形成する工程と、第二の支持シートの表面に、剥離層を形成する工程と、前記剥離層の表面に、所定のパターンで、電極層を形成するとともに、前記電極層と相補的なパターンで、スペーサ層を形成する工程と、第三の支持シートの表面に、接着層を形成する工程と、前記第三の支持シート上に形成された前記接着層の表面と、前記第一の支持シートの表面に形成されたセラミックグリーンシートの表面とを密着させて、加圧し、前記接着層を、前記セラミックグリーンシートの表面に転写する工程と、前記接着層から、前記第三の支持シートを剥離する工程と、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シートを、前記接着層の表面に付着させる工程と、前記第一の支持シートの表面に、前記セラミックグリーンシート、前記接着層および前記中間シートが積層された積層体を巻き取り、積層体ロールを形成する工程と、前記積層体ロールから、前記積層体を繰り出す工程と、前記積層体ロールから繰り出された前記積層体の前記接着層から、前記中間シートを剥離する工程と、前記第二の支持シートの表面に形成された前記電極層および前記スペーサ層の表面と、前記積層体の前記接着層の表面とを密着させて、加圧し、接着させる工程と、前記剥離層から、前記第二の支持シートを剥離して、前記セラミックグリーンシートと、前記電極層および前記スペーサ層とが積層された積層体ユニットを作製する工程を含むことを特徴とする積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法によって達成される。
本発明によれば、セラミックグリーンシートの表面に接着された接着層を介して、電極層およびスペーサ層を、電極層およびスペーサ層の表面に転写するように構成されているから、低い圧力で、電極層およびスペーサ層を、セラミックグリーンシートの表面に転写することができ、したがって、セラミックグリーンシートの変形および破壊を確実に防止して、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層を含む積層体ユニットを製造することが可能になる。
また、本発明によれば、電極層およびスペーサ層を、第二の支持シートの表面に形成し、乾燥させた後に、接着層を介して、セラミックグリーンシートに転写することができるから、電極ペースト中の溶剤が、セラミックグリーンシートのバインダ成分を溶解または膨潤させることを確実に防止することができ、同時に、セラミックグリーンシート中に、電極ペーストが染み込むことを確実に防止して、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層を含む積層体ユニットを製造することが可能になる。
さらに、本発明によれば、接着層を、第三の支持シートの表面に形成し、乾燥させた後に、セラミックグリーンシートの表面に転写することができるから、接着剤溶液が、セラミックグリーンシートに染み込むことを確実に防止して、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層を含む積層体ユニットを製造することが可能になる。
また、本発明によれば、接着層を、第三の支持シートの表面に形成し、乾燥させた後に、セラミックグリーンシートの表面に転写し、接着層を介して、電極層およびスペーサ層と、セラミックグリーンシートを接着することができるから、接着剤溶液が、電極層およびスペーサ層に染み込むことを確実に防止して、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層を含む積層体ユニットを製造することが可能になる。
さらに、セラミックグリーンシート上に、所定のパターンで、電極層が形成された多数の積層体ユニットを積層する場合には、電極層の表面と、電極層が形成されていないセラミックグリーンシートの表面との間に、段差が形成されているため、多数の積層体ユニットが積層された積層体が変形し、あるいは、層間剥離が発生することがあるが、本発明によれば、剥離層の表面に、電極層と相補的なパターンで、スペーサ層が形成されているから、こうして得られた多数の積層体ユニットを積層して、作製された積層体が変形を起こすことを効果的に防止することが可能になるとともに、層間剥離の発生を効果的に防止することが可能になる。
また、本発明によれば、接着層を、セラミックグリーンシートの表面に転写した後に、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シートを、接着層の表面に付着させるように構成されているから、第一の支持シートの表面に、セラミックグリーンシート、接着層および中間シートが積層された積層体を巻き取っても、接着層が、第一の支持シートの表面に付着することがなく、したがって、積層体ロールから、積層体を繰り出し、積層体ロールから繰り出された積層体の接着層から、中間シートを剥離し、電極層およびスペーサ層の表面と、積層体の接着層の表面とを密着させて、加圧して、接着させ、剥離層から、第二の支持シートを剥離して、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層とが積層された積層体ユニットを作製するための設備を、第一の支持シートの表面に形成されたセラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写するための設備と並列的に配置することができるから、製造ラインが徒に長くなることを防止することが可能になる。
さらに、本発明によれば、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シートを、接着層に付着させて、長尺状の第一の支持シートの表面に、セラミックグリーンシート、接着層および中間シートが積層された積層体を巻き取るように構成されているから、エアが、接着層と中間シートとの間の空間から、速やかに排出され、エアが、接着層と中間シートとの間に保持されることがなく、したがって、接着層に付着した中間シートに皺が生じたり、長尺状の第一の支持シートの表面に、セラミックグリーンシート、接着層および中間シートが積層された積層体を巻き取る際に、積層体が蛇行することを効果的に防止することができる。
また、本発明によれば、第三の支持シート上に形成された接着層の表面と、第一の支持シートの表面に形成されたセラミックグリーンシートの表面とを密着させて、加圧し、接着層を、セラミックグリーンシートの表面に転写し、接着層から、第三の支持シートを剥離し、中間シートを、接着層の表面に付着させ、第一の支持シートの表面に、セラミックグリーンシート、接着層および中間シートが積層された積層体を巻き取って、積層体ロールを形成した後に、積層体ロールから、積層体を繰り出し、積層体ロールから繰り出された積層体の接着層から、中間シートを剥離し、第二の支持シートの表面に形成された電極層およびスペーサ層の表面と、積層体の接着層の表面とを密着させて、加圧して、接着し、剥離層から、第二の支持シートを剥離して、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層とが積層された積層体ユニットを作製するように構成されているから、第三の支持シート上に形成された接着層の表面と、第一の支持シートの表面に形成されたセラミックグリーンシートの表面とを密着させて、加圧し、接着層を、セラミックグリーンシートの表面に転写し、接着層から、第三の支持シートを剥離するプロセスを実行するための製造設備を用いて、積層体ロールから、積層体を繰り出し、積層体ロールから繰り出された積層体の接着層から、中間シートを剥離し、第二の支持シートの表面に形成された電極層およびスペーサ層の表面と、積層体の接着層の表面とを密着させ、加圧して、接着し、剥離層から、第二の支持シートを剥離して、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層とが積層された積層体ユニットを作製するプロセスを実行することができ、製造設備のスペースが過大になることを効果的に防止することが可能になる。
さらに、本発明によれば、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シートを、接着層に付着させているから、後の工程で、所望のように、中間シートを接着層から剥離させることができる。
本発明の前記目的はまた、第一の支持シートの表面に、剥離層、電極層、前記電極層と相補的なパターンを有するスペーサ層、接着層およびセラミックグリーンシートを積層して、前記剥離層、前記電極層、前記スペーサ層、前記接着層および前記セラミックグリーンシートを含む積層体ユニットを形成する工程と、第二の支持シートの表面に、接着層を形成する工程と、前記第二の支持シート上に形成された前記接着層の表面と、前記積層体ユニットの前記セラミックグリーンシートの表面とを密着させて、加圧し、前記接着層を、前記セラミックグリーンシートの表面に転写する工程と、前記接着層から、前記第二の支持シートを剥離する工程と、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シートを、前記接着層の表面に付着させる工程と、前記グリーンシートの表面に、前記接着層および前記中間シートが積層された前記積層体ユニットを巻き取り、積層体ユニットロールを形成する工程を含むことを特徴とする少なくとも1つの積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法によって達成される。
本発明によれば、接着層を、積層体ユニットのセラミックグリーンシートの表面に転写した後に、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シートを、接着層の表面に付着させるように構成されているから、セラミックグリーンシートの表面に、接着層が転写された積層体ユニットを巻き取っても、接着層が、第一の支持シートの表面に付着することがなく、したがって、積層体ユニットロールから、積層体ユニットを繰り出し、積層体ユニットロールから繰り出された積層体ユニットの接着層から、中間シートを剥離し、積層体ユニットを所定のサイズに裁断する裁断装置を、積層体ユニットのセラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写するための設備と並列的に配置することができるから、製造ラインが徒に長くなることを防止することが可能になる。
本発明の前記目的はまた、第一の支持シートの表面に、セラミックグリーンシート、接着層、電極層、前記電極層と相補的なパターンを有するスペーサ層および剥離層を積層して、前記セラミックグリーンシート、前記接着層、前記電極層、前記スペーサ層および前記剥離層を含む積層体ユニットを形成する工程と、第二の支持シートの表面に、接着層を形成する工程と、前記第二の支持シート上に形成された前記接着層の表面と、前記積層体ユニットの前記剥離層の表面とを密着させて、加圧し、前記接着層を、前記剥離層の表面に転写する工程と、前記接着層から、前記第二の支持シートを剥離する工程と、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シートを、前記接着層の表面に付着させる工程と、前記剥離層の表面に、前記接着層および前記中間シートが積層された前記積層体ユニットを巻き取り、積層体ユニットロールを形成する工程を含むことを特徴とする少なくとも1つの積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法によって達成される。
本発明によれば、接着層を、積層体ユニットの剥離層の表面に転写した後に、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シートを、接着層の表面に付着させるように構成されているから、剥離層の表面に、接着層が転写された積層体ユニットを巻き取っても、接着層が、第一の支持シートの表面に付着することがなく、したがって、積層体ユニットロールから、積層体ユニットを繰り出し、積層体ユニットロールから繰り出された積層体ユニットの接着層から、中間シートを剥離し、積層体ユニットを所定のサイズに裁断する裁断装置を、積層体ユニットの剥離層の表面に、接着層を転写するための設備と並列的に配置することができるから、製造ラインが徒に長くなることを防止することが可能になる。
本発明の前記目的はまた、第一の支持シートの表面に、接着層を形成する工程と、剥離層、電極層、前記電極層と相補的なパターンを有するスペーサ層、接着層およびセラミックグリーンシートが積層されて、形成された少なくとも1つの積層体ユニットを第二の支持シート上に備えた積層体ユニットセットの表面に位置するセラミックグリーンシートの表面と、前記第一の支持シートの表面に形成された前記接着層とを密着させて、加圧し、前記接着層を、前記セラミックグリーンシートの表面に転写する工程と、前記接着層から、前記第一の支持シートを剥離する工程と、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シートを、前記接着層の表面に付着させる工程と、前記グリーンシートの表面に、前記接着層および前記中間シートが積層された前記積層体ユニットセットを巻き取り、積層体ユニットセットロールを形成する工程と、前記積層体ユニットセットロールから、前記積層体ユニットセットを繰り出す工程と、前記積層体ユニットセットロールから繰り出された前記積層体ユニットセットの前記接着層から、前記中間シートを剥離する工程と、第三の支持シートの表面に、グリーンシートシート、接着層、電極層、前記電極層と相補的なパターンを有するスペーサ層および剥離層が、この順に積層された積層体ユニットの前記剥離層の表面と、前記積層体ユニットセットの前記接着層とを密着させて、加圧し、前記接着層を、前記積層体ユニットの前記剥離層の表面に接着させる工程と、前記積層体ユニットの前記グリーンシートから、前記第三の支持シートを剥離して、前記第二の支持シート上に、少なくとも2つの積層体ユニットを含む積層体ユニットセットを作製する工程と、こうして作製された前記積層体ユニットセットを巻き取る工程を含むことを特徴とする少なくとも2つの積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法によって達成される。
本発明によれば、剥離層、電極層、電極層と相補的なパターンを有するスペーサ層、接着層およびセラミックグリーンシートが積層されて、形成された少なくとも1つの積層体ユニットを第二の支持シート上に備えた積層体ユニットセットの表面に位置するセラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写し、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シートを、接着層の表面に付着させた後に、グリーンシートの表面に、接着層および中間シートが積層された積層体ユニットセットを巻き取って、積層体ユニットセットロールを形成し、さらに、積層体ユニットセットロールから、積層体ユニットセットを繰り出し、積層体ユニットセットロールから繰り出された積層体ユニットセットの接着層から、中間シートを剥離し、第三の支持シートの表面に、グリーンシートシート、接着層、電極層、電極層と相補的なパターンを有するスペーサ層および剥離層が、この順に積層された積層体ユニットの剥離層の表面と、積層体ユニットセットの接着層とを密着させて、加圧し、接着層を、積層体ユニットの剥離層の表面に接着させ、積層体ユニットのグリーンシートから、第三の支持シートを剥離して、第二の支持シート上に、少なくとも2つの積層体ユニットを含む積層体ユニットセットを作製し、こうして作製された積層体ユニットセットを巻き取るように構成されているから、剥離層、電極層、電極層と相補的なパターンを有するスペーサ層、接着層およびセラミックグリーンシートが積層されて、形成された少なくとも1つの積層体ユニットを第二の支持シート上に備えた積層体ユニットセットの表面に位置するセラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写し、接着層の表面に、中間シートを付着させた後に、グリーンシートの表面に、接着層および中間シートが積層された積層体ユニットセットを巻き取って、積層体ユニットセットロールを形成する装置と、積層体ユニットセットロールから、積層体ユニットセットを繰り出し、積層体ユニットセットロールから繰り出された積層体ユニットセットの接着層から、中間シートを剥離し、第三の支持シートの表面に、グリーンシートシート、接着層、電極層、電極層と相補的なパターンを有するスペーサ層および剥離層が、この順に積層された積層体ユニットの剥離層の表面と、積層体ユニットセットの接着層とを密着させて、加圧し、接着層を、積層体ユニットの剥離層の表面に接着させ、積層体ユニットのグリーンシートから、第三の支持シートを剥離して、第二の支持シート上に、少なくとも2つの積層体ユニットを含む積層体ユニットセットを作製し、こうして作製された積層体ユニットセットを巻き取る装置とを設けるだけで、所望の数の積層体ユニットが積層された積層体ユニットセットを作製することができ、製造スペースを大幅に削減することが可能になる。
本発明の前記目的はまた、第一の支持シートの表面に、接着層を形成する工程と、セラミックグリーンシート、接着層、電極層、前記電極層と相補的なパターンを有するスペーサ層および剥離層が積層されて、形成された少なくとも1つの積層体ユニットを第二の支持シート上に備えた積層体ユニットセットの表面に位置する剥離層の表面と、前記第一の支持シートの表面に形成された前記接着層とを密着させて、加圧し、前記接着層を、前記剥離層の表面に転写する工程と、前記接着層から、前記第一の支持シートを剥離する工程と、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シートを、前記接着層の表面に付着させる工程と、前記剥離層の表面に、前記接着層および前記中間シートが積層された前記積層体ユニットセットを巻き取り、積層体ユニットセットロールを形成する工程と、前記積層体ユニットセットロールから、前記積層体ユニットセットを繰り出す工程と、前記積層体ユニットセットロールから繰り出された前記積層体ユニットセットの前記接着層から、前記中間シートを剥離する工程と、第三の支持シートの表面に、剥離層、電極層、前記電極層と相補的なパターンを有するスペーサ層、接着層およびグリーンシートシートが、この順に積層された積層体ユニットの前記セラミックグリーンシートの表面と、前記積層体ユニットセットの前記接着層とを密着させて、加圧し、前記接着層を、前記積層体ユニットの前記セラミックグリーンシートの表面に接着させる工程と、前記積層体ユニットの前記剥離層から、前記第三の支持シートを剥離して、前記第二の支持シート上に、少なくとも2つの積層体ユニットを含む積層体ユニットセットを作製する工程と、こうして作製された前記前記積層体ユニットセットを巻き取る工程を含むことを特徴とする少なくとも2つの積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法によって達成される。
本発明によれば、セラミックグリーンシート、接着層、電極層、電極層と相補的なパターンを有するスペーサ層および剥離層が積層されて、形成された少なくとも1つの積層体ユニットを第二の支持シート上に備えた積層体ユニットセットの表面に位置する剥離層の表面に、接着層を転写し、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シートを、接着層の表面に付着させた後に、剥離層の表面に、接着層および中間シートが積層された積層体ユニットセットを巻き取って、積層体ユニットセットロールを形成し、さらに、積層体ユニットセットロールから、積層体ユニットセットを繰り出し、積層体ユニットセットロールから繰り出された積層体ユニットセットの接着層から、中間シートを剥離し、第三の支持シートの表面に、剥離層、電極層、前記電極層と相補的なパターンを有するスペーサ層、接着層およびグリーンシートシートが、この順に積層された積層体ユニットのセラミックグリーンシートの表面と、積層体ユニットセットの接着層とを密着させて、加圧し、接着層を、積層体ユニットのセラミックグリーンシートの表面に接着させ、積層体ユニットの剥離層から、第三の支持シートを剥離して、第二の支持シート上に、少なくとも2つの積層体ユニットを含む積層体ユニットセットを作製し、こうして作製された積層体ユニットセットを巻き取るように構成されているから、セラミックグリーンシート、接着層、電極層、電極層と相補的なパターンを有するスペーサ層および剥離層が積層されて、形成された少なくとも1つの積層体ユニットを第二の支持シート上に備えた積層体ユニットセットの表面に位置する剥離層の表面に、接着層を転写し、接着層の表面に、中間シートを付着させた後に、剥離層の表面に、接着層および中間シートが積層された積層体ユニットセットを巻き取って、積層体ユニットセットロールを形成する装置と、積層体ユニットセットロールから、積層体ユニットセットを繰り出し、積層体ユニットセットロールから繰り出された積層体ユニットセットの接着層から、中間シートを剥離し、第三の支持シートの表面に、剥離層、電極層、前記電極層と相補的なパターンを有するスペーサ層、接着層およびグリーンシートシートが、この順に積層された積層体ユニットのセラミックグリーンシートの表面と、積層体ユニットセットの接着層とを密着させて、加圧し、接着層を、積層体ユニットのセラミックグリーンシートの表面に接着させ、積層体ユニットの剥離層から、第三の支持シートを剥離して、第二の支持シート上に、少なくとも2つの積層体ユニットを含む積層体ユニットセットを作製し、こうして作製された積層体ユニットセットを巻き取る装置とを設けるだけで、所望の数の積層体ユニットが積層された積層体ユニットセットを作製することができ、製造スペースを大幅に削減することが可能になる。
本発明において、セラミックグリーンシートを形成するために用いる誘電体ペーストは、通常、誘電体原料と、有機溶剤中にバインダを溶解させた有機ビヒクルを混練して、調製される。
誘電体原料としては、複合酸化物や酸化物となる各種化合物、たとえば、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物などから適宜選択され、これらを混合して、用いることができる。誘電体原料は、通常、平均粒子径が約0.1μmないし約3.0μm程度の粉末として用いられる。誘電体原料の粒径は、セラミックグリーンシートの厚さより小さいことが好ましい。
有機ビヒクルに用いられるバインダは、とくに限定されるものではなく、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂などの通常の各種バインダが用いることができるが、セラミックグリーンシートを薄層化するためには、ポリビニルブチラールなどのブチラール系樹脂が、好ましく用いられる。
有機ビヒクルに用いられる有機溶剤も、とくに限定されるものではなく、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエンなどの有機溶剤が用いられる。
本発明において、誘電体ペーストは、誘電体原料と、水中に水溶性バインダを溶解させたビヒクルを混練して、生成することもできる。
水溶性バインダは、とくに限定されるものではなく、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、水溶性アクリル樹脂、エマルジョンなどが用いられる。
誘電体ペースト中の各成分の含有量は、とくに限定されるものではなく、たとえば、約1重量%ないし約5重量%のバインダと、約10重量%ないし約50重量%の溶剤を含むように、誘電体ペーストを調製することができる。
誘電体ペースト中には、必要に応じて、各種分散剤、可塑剤、誘電体、副成分化合物、ガラスフリット、絶縁体などから選択される添加物が含有されていてもよい。誘電体ペースト中に、これらの添加物を添加する場合には、総含有量を、約10重量%以下にすることが望ましい。バインダ樹脂として、ブチラール系樹脂を用いる場合には、可塑剤の含有量は、バインダ樹脂100重量部に対して、約25重量部ないし約100重量部であることが好ましい。可塑剤が少なすぎると、生成されたセラミックグリーンシートが脆くなる傾向があり、多すぎると、可塑剤が滲み出して、取り扱いが困難になり、好ましくない。
本発明において、セラミックグリーンシートは、誘電体ペーストを、第一の支持シート上に塗布し、乾燥して、作製される。
誘電体ペーストは、エクストルージョンコーターやワイヤーバーコーターなどを用いて、第一の支持シート上に塗布され、塗膜が形成される。
第一の支持シートとしては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられ、剥離性を改善するために、その表面に、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされる。第一の支持シートの厚さは、とくに限定されるものではないが、好ましくは、約5μmないし約100μmである。
こうして形成された塗膜は、たとえば、約50℃ないし約100°Cの温度で、約1分ないし約20分にわたって、乾燥され、支持シート上に、セラミックグリーンシートが形成される。
本発明において、乾燥後におけるセラミックグリーンシートの厚さが3μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは、1.5μm以下である。
本発明において、電極層およびスペーサ層は、第二の支持シート上に、スクリーン印刷機やグラビア印刷機などの印刷機を用いて、印刷される。
第二の支持シートとしては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられ、剥離性を改善するために、その表面に、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされる。第二の支持シートの厚さは、とくに限定されるものではなく、セラミックグリーンシートが形成される支持シートの厚さと同じであっても、異なっていてもよいが、好ましくは、約5μmないし約100μmである。
本発明において、第二の支持シート上に、電極層およびスペーサ層を形成するのに先立って、まず、誘電体ペーストが調製され、第二の支持シート上に塗布されて、剥離層が、第二の支持シート上に形成される。
剥離層を形成するための誘電体ペーストは、好ましくは、セラミックグリーンシートに含まれている誘電体と同一組成の誘電体の粒子を含んでいる。
剥離層を形成するための誘電体ペーストは、誘電体粒子以外に、バインダと、任意成分として、可塑剤および剥離剤とを含んでいる。誘電体粒子の粒径は、セラミックグリーンシートに含まれる誘電体粒子の粒径と同じでもよいが、より小さいことが好ましい。
バインダとしては、たとえば、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスチレン、または、これらの共重合体、または、これらのエマルジョンを用いることができる。
剥離層を形成するための誘電体ペーストに含まれているバインダは、セラミックグリーンシートに含まれているバインダを同系であっても、同系でなくてもよいが、同系のバインダであることが好ましい。
剥離層を形成するための誘電体ペーストは、誘電体粒子100重量部に対して、好ましくは、約2.5重量部ないし約200重量部、さらに好ましくは、約5重量部ないし約30重量部、とくに好ましくは、約8重量部ないし約30重量部のバインダを含んでいる。
可塑剤は、とくに限定されるものではなく、たとえば、フタル酸エステル、アジピン酸、燐酸エステル、グリコール類などを挙げることができる。剥離層を形成するための誘電体ペーストに含まれる可塑剤は、セラミックグリーンシートに含まれる可塑剤と同系であっても、同系でなくてもよい。
剥離層を形成するための誘電体ペーストは、バインダ100重量部に対して、約0重量部ないし約200重量部、好ましくは、約20重量部ないし約200重量部、さらに好ましくは、約50重量部ないし約100重量部の可塑剤を含んでいる。
剥離層を形成するための誘電体ペーストに含まれる剥離剤は、とくに限定されるものではなく、たとえば、パラフィン、ワックス、シリコーン油などを挙げることができる。
剥離層を形成するための誘電体ペーストは、バインダ100重量部に対して、約0重量部ないし約100重量部、好ましくは、約2重量部ないし約50重量部、さらに好ましくは、約5重量部ないし約20重量部の剥離剤を含んでいる。
本発明において、剥離層に含まれる誘電体に対するバインダの含有割合が、セラミックグリーンシートに含まれる誘電体に対するバインダの含有割合と同等、あるいは、それよりも低いことが好ましい。また、剥離層に含まれる誘電体に対する可塑剤の含有割合が、セラミックグリーンシートに含まれる誘電体に対する可塑剤の含有割合と同等、あるいは、高いことが好ましい。さらに、剥離層に含まれる誘電体に対する離型剤の含有割合が、セラミックグリーンシートに含まれる誘電体に対する離型剤の含有割合よりも高いことが好ましい。
このような組成を有する剥離層を形成することにより、セラミックグリーンシートをきわめて薄層化しても、剥離層の強度を、グリーンシートの破壊強度よりも低くすることができ、第二の支持シートを剥離する際に、セラミックグリーンシートが破壊されることを確実に防止することが可能になる。
剥離層は、ワイヤーバーコーターなどを用いて、第二の支持シート上に、誘電体ペーストを塗布することによって、形成される。
剥離層の厚さは、その上に形成される電極層の厚さ以下であることが好ましく、好ましくは、電極層の厚さの約60%以下、さらに好ましくは、電極層の厚さの約30%以下である。
剥離層の形成後、剥離層は、たとえば、約50℃ないし約100℃で、約1分ないし約10分にわたって、乾燥される。
剥離層が乾燥された後、剥離層の表面上に、焼成後に、内部電極層を構成する電極層が、所定パターンで形成される。
本発明において、電極層を形成するために用いられる電極ペーストは、各種導電性金属や合金からなる導電体材料、焼成後に、各種導電性金属や合金からなる導電体材料となる各種酸化物、有機金属化合物、または、レジネートなどと、有機溶剤中にバインダを溶解させた有機ビヒクルとを混練して、調製される。
電極ペーストを製造する際に用いる導電体材料としては、Ni、Ni合金あるいはこれらの混合物が、好ましく用いられる。導電体材料の形状は、とくに限定されるものではなく、球状でも、鱗片状でも、あるいは、これらの形状のものが混合されていてもよい。また、導電体材料の平均粒子径は、とくに限定されるものではないが、通常、約0.1μmないし約2μm、好ましくは、約0.2μmないし約1μmの導電性材料が用いられる。
有機ビヒクルに用いられるバインダは、とくに限定されるものではなく、エチルセルロース、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスチレン、あるいはは、これらの共重合体などを用いることができるが、とくに、ポリビニルブチラールなどのブチラール系バインダが好ましく用いられる。
電極ペーストは、導電体材料100重量部に対して、好ましくは、約2.5重量部ないし約20重量部のバインダを含んでいる。
溶剤としては、たとえば、テルピネオール、ブチルカルビトール、ケロシンなど、公知の溶剤を用いることができる。溶剤の含有量は、電極ペースト全体に対して、好ましくは、約20重量%ないし約55重量%である。
接着性を改善するために、電極ペーストが、可塑剤を含んでいることが好ましい。
電極ペーストに含まれる可塑剤は、とくに限定されるものではなく、たとえば、フタル酸ベンジルブチル(BBP)などのフタル酸エステル、アジピン酸、燐酸エステル、グリコール類などを挙げることができる。電極ペーストは、バインダ100重量部に対して、好ましくは、約10重量部ないし約300重量部、さらに好ましくは、約10重量部ないし約200重量部の可塑剤を含んでいることが好ましい。
可塑剤の添加量が多すぎると、電極層の強度が著しく低下する傾向があり、好ましくない。
電極層は、スクリーン印刷機やグラビア印刷機などの印刷機を用いて、第二の支持シート上に形成された剥離層の表面に、電極ペーストを印刷することによって、形成される。
電極層の厚さは、約0.1μmないし約5μmの厚さに形成されることが好ましく、より好ましくは、約0.1μmないし約1.5μmである。
第二の支持シート上に形成された剥離層の表面の電極層が形成されていない部分には、さらに、スクリーン印刷機やグラビア印刷機などの印刷機を用いて、電極層と相補的なパターンで、誘電体ペーストが印刷されて、スペーサ層が形成される。
電極層の形成に先立って、第二の支持シート上に形成された剥離層の表面に、電極層と相補的なパターンで、スペーサ層を形成することもできる。
本発明において、スペーサ層を形成するために用いる誘電体ペーストは、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストと同様にして、調製される。
スペーサ層を形成するための誘電体ペーストは、好ましくは、セラミックグリーンシートに含まれている誘電体と同一組成の誘電体の粒子を含んでいる。
スペーサ層を形成するための誘電体ペーストは、誘電体粒子以外に、バインダと、任意成分として、可塑剤および剥離剤とを含んでいる。誘電体粒子の粒径は、セラミックグリーンシートに含まれる誘電体粒子の粒径と同じでもよいが、より小さいことが好ましい。
バインダとしては、たとえば、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスチレン、または、これらの共重合体、または、これらのエマルジョンを用いることができる。
スペーサ層を形成するための誘電体ペーストに含まれているバインダは、セラミックグリーンシートに含まれているバインダと同系であっても、同系でなくてもよいが、同系であることが好ましい。
スペーサ層を形成するための誘電体ペーストは、誘電体粒子100重量部に対して、好ましくは、約2.5重量部ないし約200重量部、さらに好ましくは、約4重量部ないし約15重量部、とくに好ましくは、約6重量部ないし約10重量部のバインダを含んでいる。
スペーサ層を形成するための誘電体ペーストに含まれている可塑剤は、とくに限定されるものではなく、たとえば、フタル酸エステル、アジピン酸、燐酸エステル、グリコール類などを挙げることができる。スペーサ層を形成するための誘電体ペーストに含まれる可塑剤は、セラミックグリーンシートに含まれる可塑剤と同系であっても、同系でなくてもよい。
スペーサ層を形成するための誘電体ペーストは、バインダ100重量部に対して、約0重量部ないし約200重量部、好ましくは、約20重量部ないし約200重量部、さらに好ましくは、約50重量部ないし約100重量部の可塑剤を含んでいる。
スペーサ層を形成するための誘電体ペーストに含まれる剥離剤は、とくに限定されるものではなく、たとえば、パラフィン、ワックス、シリコーン油などを挙げることができる。
スペーサ層を形成するための誘電体ペーストは、バインダ100重量部に対して、約0重量部ないし約100重量部、好ましくは、約2重量部ないし約50重量部、より好ましくは、約5重量部ないし約20重量部の剥離剤を含んでいる。
本発明において、電極層およびスペーサ層は、0.7≦ts/te≦1.3(tsは、スペーサ層の厚さであり、teは、電極層の厚さである。)を満たすように形成されることが好ましく、より好ましくは、0.8≦ts/te≦1.2、さらに好ましくは、0.9≦ts/te≦1.2を満たすように形成される。
電極層およびスペーサ層は、たとえば、約70℃ないし120℃の温度で、約5分ないし約15分にわたって、乾燥される。電極層およびスペーサ層の乾燥条件は、とくに限定されるものではない。
セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層は、接着層を介して、接着され、接着層を形成するために、第三の支持シートが用意される。
第三の支持シートとしては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられ、剥離性を改善するために、その表面に、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされる。第三の支持シートの厚さは、とくに限定されるものではないが、好ましくは、約5μmないし約100μmである。
接着層は、第三の支持シート上に、接着剤溶液が塗布されて、形成される。
本発明において、接着剤溶液は、バインダと、任意成分として、帯電防止剤、可塑剤および剥離剤とを含んでいる。
接着剤溶液は、セラミックグリーンシートに含まれている誘電体粒子と同一組成の誘電体粒子を含んでいてもよい。接着剤溶液が、誘電体粒子を含んでいる場合には、誘電体粒子のバインダ重量に対する割合が、セラミックグリーンシートに含まれている誘電体粒子のバインダ重量に対する割合より小さいことが好ましい。
接着剤溶液に含まれるバインダは、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストに含まれるバインダと同系であることが好ましいが、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストに含まれるバインダと同系でなくてもよい。
接着剤溶液に含まれる可塑剤は、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストに含まれる可塑剤と同系であることが好ましいが、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストに含まれる可塑剤と同系でなくてもよい。
可塑剤の含有量は、バインダ100重量部に対して、約0重量部ないし約200重量部、好ましくは、約20重量部ないし約200重量部、さらに好ましくは、約50重量部ないし約100重量部である。
本発明において、このましくは、接着剤溶液は、バインダの0.01重量%ないし15重量%の帯電防止剤を含み、さらに好ましくは、0.01重量%ないし10重量%の帯電防止剤を含んでいる。
本発明において、接着剤溶液に含まれる帯電防止剤は、吸湿性を有する有機溶剤であればよく、たとえば、エチレングリコール;ポリエチレングリコール;2−3ブタンジオール;グリセリン;イミダゾリン系界面活性剤、ポリアルキレングリコール誘導体系界面活性剤、カルボン酸アミジン塩系界面活性剤などの両性界面活性剤などが、接着剤溶液に含まれる帯電防止剤として使用することができる。
これらの帯電防止剤の中では、少量で、静電気を防止することが可能であるとともに、小さい剥離力で、接着層から、第三の支持シートを剥離することが可能であるため、イミダゾリン系界面活性剤、ポリアルキレングリコール誘導体系界面活性剤、カルボン酸アミジン塩系界面活性剤などの両性界面活性剤が好ましく、イミダゾリン系界面活性剤は、とくに小さな剥離力で、接着層から、第三の支持シートを剥離することができるため、とくに好ましい。
接着剤溶液は、たとえば、バーコータ、エクストルージョンコータ、リバースコータ、ディップコーター、キスコーターなどによって、第三の支持シート上に塗布され、好ましくは、約0.02μmないし約0.3μm、より好ましくは、約0.02μmないし約0.1μmの厚さの接着層が形成される。接着層の厚さが、約0.02μm未満の場合には、接着力が低下し、一方、接着層の厚さが、約0.3μmを越えると、欠陥(隙間)の発生原因となり、好ましくない。
接着層は、たとえば、室温(25℃)ないし約80℃の温度で、約1分ないし約5分にわたって、乾燥される。接着層の乾燥条件は、とくに限定されるものではない。
第三の支持シート上に形成された接着層は、第二の支持シート上に形成された電極層およびスペーサ層の表面あるいは第一の支持シート上に形成されたセラミックグリーンシートの表面に転写される。
接着層を、第二の支持シート上に形成された電極層およびスペーサ層の表面に転写する場合には、接着層が、第二の支持シート上に形成されたスペーサ層および電極層の表面に接触した状態で、約40℃ないし約100℃の温度下で、接着層と、電極層およびスペーサ層とが、約0.2MPaないし約15MPaの圧力で、好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaの圧力で、加圧されて、接着層が、電極層およびスペーサ層の表面上に転写され、その後、第三の支持シートが接着層から剥離される。
接着層を、電極層およびスペーサ層の表面に転写するにあたっては、電極層およびスペーサ層が形成された第二の支持シートと、接着層が形成された第三の支持シートを、プレス機を用いて、加圧しても、一対の加圧ローラを用いて、加圧してもよいが、一対の加圧ローラによって、第二の支持シートと第三の支持シートを加圧することが好ましい。
接着層を、第一の支持シート上に形成されたセラミックグリーンシートの表面に転写する場合には、接着層が、第一の支持シート上に形成されたセラミックグリーンシートの表面に接触した状態で、約40℃ないし約100℃の温度下で、接着層と、セラミックグリーンシートとが、約0.2MPaないし約15MPaの圧力で、好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaの圧力で、加圧されて、接着層が、セラミックグリーンシートの表面上に転写され、その後、第三の支持シートが接着層から剥離される。
接着層を、セラミックグリーンシートの表面に転写するにあたっては、セラミックグリーンシートが形成された第一の支持シートと、接着層が形成された第三の支持シートを、プレス機を用いて、加圧しても、一対の加圧ローラを用いて、加圧してもよいが、一対の加圧ローラによって、第一の支持シートと第三の支持シートを加圧することが好ましい。
次いで、中間シートが、接着層の表面に付着される。
中間シートとしては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどを用いることができるが、中間シートを接着層に付着させたときに、中間シートと接着層との間に、エアが保持されて、中間シートに皺が生じたり、あるいは、長尺状の第二の支持シート上に、剥離層、電極層、スペーサ層、接着層および中間シートを巻き取る際に、積層体が蛇行することを防止するために、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シートが用いられる。
中間シートのガーレー透気度は、JIS P8117に準拠して、測定され、本明細書においては、中間シートを、50mlのエアが透過するのに要する秒数によって定義される。
本発明において、中間シートは、後の工程で、接着層から剥離されるから、中間シートの接着層に付着させるべき表面に、剥離性を改善するために、第三の支持シートの接着層を形成した表面と同等の表面処理を施すことが好ましく、たとえば、中間シートの表面に、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされる。
本発明において、中間シートの厚さは、とくに限定されるものではないが、好ましくは、約5μmないし約100μmである。
中間シートを、接着層の表面に付着させるにあたっては、接着層が形成された第二の支持シートあるいは第一の支持シートと、中間シートを、プレス機を用いて、加圧しても、一対の加圧ローラを用いて、加圧してもよいが、一対の加圧ローラによって、第二の支持シートあるいは第一の支持シートと中間シートを加圧することが好ましい。
中間シートが、接着層の表面に付着されると、第二の支持シートあるいは第一の支持シートが、ローラによって巻き取られる。
次いで、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層とが、接着層を介して、接着される。
セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層を、接着層を介して、接着するにあたっては、まず、第二の支持シートあるいは第一の支持シートが巻回されたローラが、接着装置にセットされる。
次いで、ローラから、第二の支持シートあるいは第一の支持シートが繰り出されて、接着層の表面に付着された中間シートが接着層から剥離され、その結果、接着層が露出される。
接着層が、電極層およびスペーサ層の表面に転写された場合には、ローラから第二の支持シートが繰り出され、中間シートが接着層から剥離されるのと同期して、表面にセラミックグリーンシートが形成され、ローラに巻回された第一の支持シートが、ローラから繰り出されて、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層が接着層を介して、約40℃ないし約100℃の温度下で、約0.2MPaないし約15MPaの圧力で、好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaの圧力で、加圧されて、セラミックグリーンシートと、スペーサ層および電極層が、接着層を介して、接着される。
これに対して、接着層が、セラミックグリーンシートの表面に転写された場合には、ローラから第一の支持シートが繰り出され、中間シートが接着層から剥離されるのと同期して、表面に、剥離層、電極層およびスペーサ層が形成され、ローラに巻回された第二の支持シートが、ローラから繰り出されて、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層が接着層を介して、約40℃ないし約100℃の温度下で、約0.2MPaないし約15MPaの圧力で、好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaの圧力で、加圧されて、セラミックグリーンシートと、スペーサ層および電極層が、接着層を介して、接着される。
好ましくは、一対の加圧ローラを用いて、セラミックグリーンシートと、接着層、電極層およびスペーサ層とが加圧されて、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層が、接着層を介して、接着される。
接着層が、電極層およびスペーサ層の表面に転写された場合には、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層とが、接着層を介して、接着されると、第一の支持シートが、セラミックグリーンシートから剥離される。
こうして、第二の支持シート上に、剥離層、電極層、スペーサ層、接着層およびセラミックグリーンシートが積層された積層体ユニットが作製され、作製された積層体ユニットは、ローラによって巻き取られる。
一方、接着層が、セラミックグリーンシートの表面に転写された場合には、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層とが、接着層を介して、接着されると、第二の支持シートが、剥離層から剥離される。
こうして、第一の支持シート上に、セラミックグリーンシート、接着層、電極層、スペーサ層および剥離層が積層された積層体ユニットが作製され、作製された積層体ユニットは、ローラによって巻き取られる。
以上のようにして、作製された多数の積層体ユニットが、接着層を介して、積層される。
積層体ユニットの積層にあたっては、電極層およびスペーサ層の表面あるいはセラミックグリーンシートの表面に、第三の支持シートの表面に形成された接着層を転写したのと同様にして、第二の支持シート上に形成された積層体ユニットのセラミックグリーンシートの表面あるいは第一の支持シート上に形成された積層体ユニットの剥離層の表面に、接着層が転写され、さらに、接着層に表面に、中間シートが付着された後、積層体ユニットが、ローラによって巻き取られる。
次いで、積層体ユニットが巻回されたローラが、裁断装置あるいは積層体ユニット積層装置にセットされる。
積層体ユニットが巻回されたローラが、裁断装置にセットされた場合には、積層体ユニットが、ローラから繰り出され、接着層の表面に付着された中間シートが接着層から剥離され、表面に接着層が形成された積層体ユニットが、所定のサイズに、裁断される。
所定のサイズに、裁断された多数の積層体ユニットは、接着層を介して、積層されて、積層体ブロックが作製される。
多数の積層体ユニットの積層にあたっては、まず、支持体が、基板上に固定され、支持体の表面に、接着層が密着するように、積層体ユニットが位置決めされて、積層体ユニット上に圧力が加えられる。
支持体としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられる。
支持体の厚さは、積層体ユニットを支持可能な厚さであれば、とくに限定されるものではない。
接着層が、積層体ユニットのセラミックグリーンシートの表面に転写されている場合には、支持体の表面に、接着層が接着されると、第二の支持シートが剥離層から剥離される。
さらに、セラミックグリーンシートの表面に、接着層が転写された新たな積層体ユニットが、接着層が、支持体に接着された積層体ユニットの剥離層に密着するように、支持体に接着された積層体ユニット上に位置決めされて、新たな積層体ユニットが、基板に向けて、加圧され、支持体に接着された積層体ユニット上に、新たな積層体ユニットが積層される。
次いで、新たに積層された積層体ユニットの第二の支持シートが剥離層から剥離される。
同様にして、所定の数の積層体ユニットが積層されて、積層体ブロックが作製され、所定の数の積層体ブロックが積層されて、積層セラミック電子部品が製造される。
一方、接着層が、積層体ユニットの剥離層の表面に転写されている場合には、支持体の表面に、接着層が接着されると、第一の支持シートがセラミックグリーンシートから剥離される。
さらに、剥離層の表面に、接着層が転写された新たな積層体ユニットが、接着層が、支持体に接着された積層体ユニットのセラミックグリーンシートに密着するように、支持体に接着された積層体ユニット上に位置決めされて、新たな積層体ユニットが、基板に向けて、加圧され、支持体に接着された積層体ユニット上に、新たな積層体ユニットが積層される。
次いで、新たに積層された積層体ユニットの第一の支持シートがセラミックグリーンシートから剥離される。
同様にして、所定の数の積層体ユニットが積層されて、積層体ブロックが作製され、所定の数の積層体ブロックが積層されて、積層セラミック電子部品が製造される。
これに対して、積層体ユニットが巻回されたローラが、積層体ユニット積層装置にセットされた場合には、まず、積層体ユニットが、ローラから繰り出され、接着層の表面に付着された中間シートが接着層から剥離される。
接着層が、積層体ユニットのセラミックグリーンシートの表面に転写されている場合には、中間シートが積層体ユニットの接着層から剥離されるのと同期して、第一の支持シート上に、セラミックグリーンシート、接着層、電極層、スペーサ層および剥離層が積層された新たに積層すべき別の積層体ユニットが、ローラから繰り出され、積層体ユニットのセラミックグリーンシートと、新たに積層すべき積層体ユニットの剥離層が、接着層を介して、約40℃ないし約100℃の温度下で、約0.2MPaないし約15MPaの圧力で、好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaの圧力で、加圧されて、積層体ユニットのセラミックグリーンシートと、新たに積層すべき積層体ユニットの剥離層が、接着層を介して、接着される。
好ましくは、一対の加圧ローラを用いて、2つの積層体ユニットが加圧されて、積層体ユニットのセラミックグリーンシートと、新たに積層すべき積層体ユニットの剥離層が、接着層を介して、接着される。
次いで、新たに積層された積層体ユニットのセラミックグリーンシートから、第一の支持シートが剥離され、2つの積層体ユニットが積層された積層体ユニットセットが作製される。
こうして作製された積層体ユニットセットは、ローラによって、巻き取られる。
さらに、積層体ユニットセットが、ローラから繰り出され、セラミックグリーンシートの表面に、第三の支持シートの表面に形成された接着層を転写したのと同様にして、積層体ユニットセットのセラミックグリーンシートの表面に、接着層が転写され、次いで、接着層が転写されるのと同期して、第一の支持シート上に、セラミックグリーンシート、接着層、電極層、スペーサ層および剥離層が積層された新たに積層すべき別の積層体ユニットが、ローラから繰り出され、積層体ユニットのセラミックグリーンシートと、別の積層体ユニットの剥離層とを、接着層を介して、接着したのと同様にして、積層体ユニットセットのセラミックグリーンシートと、新たに積層すべき積層体ユニットの剥離層が、接着層を介して、加圧されて、積層体ユニットセットのセラミックグリーンシートと、新たに積層すべき積層体ユニットの剥離層が、接着層を介して、接着される。
同様にして、所定の数の積層体ユニットが積層されて、積層体ユニットセットが作製され、所定の数の積層体ユニットが積層されると、積層体ユニットセットが、所定のサイズに裁断されて、積層体ブロックが作製される。
こうして作製された積層体ブロックが積層されて、積層セラミック電子部品が製造される。
一方、接着層が、積層体ユニットの剥離層の表面に転写されている場合には、中間シートが積層体ユニットの接着層から剥離されるのと同期して、第二の支持シート上に、剥離層、電極層、スペーサ層およびセラミックグリーンシートが積層された新たに積層すべき別の積層体ユニットが、ローラから繰り出され、積層体ユニットの剥離層と、新たに積層すべき積層体ユニットのセラミックグリーンシートが、接着層を介して、約40℃ないし約100℃の温度下で、約0.2MPaないし約15MPaの圧力で、好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaの圧力で、加圧されて、積層体ユニットの剥離層と、新たに積層すべき積層体ユニットのセラミックグリーンシートとが、接着層を介して、接着される。
好ましくは、一対の加圧ローラを用いて、2つの積層体ユニットが加圧されて、積層体ユニットの剥離層と、新たに積層すべき積層体ユニットのセラミックグリーンシートが、接着層を介して、接着される。
次いで、新たに積層された積層体ユニットの剥離層から、第二の支持シートが剥離され、2つの積層体ユニットが積層された積層体ユニットセットが作製される。
こうして作製された積層体ユニットセットは、ローラによって、巻き取られる。
さらに、積層体ユニットセットが、ローラから繰り出され、剥離層の表面に、第三の支持シートの表面に形成された接着層を転写したのと同様にして、積層体ユニットセットの剥離層の表面に、接着層が転写され、次いで、接着層が転写されるのと同期して、第二の支持シート上に、剥離層、電極層、スペーサ層およびセラミックグリーンシートが積層された新たに積層すべき別の積層体ユニットが、ローラから繰り出され、積層体ユニットの剥離層と、別の積層体ユニットのセラミックグリーンシートを、接着層を介して、接着したのと同様にして、積層体ユニットセットの剥離層と、新たに積層すべき積層体ユニットのセラミックグリーンシートが、接着層を介して、加圧されて、積層体ユニットセットの剥離層と、新たに積層すべき積層体ユニットのセラミックグリーンシートが、接着層を介して、接着される。
同様にして、所定の数の積層体ユニットが積層されて、積層体ユニットセットが作製され、所定の数の積層体ユニットが積層されると、積層体ユニットセットが、所定のサイズに裁断されて、積層体ブロックが作製される。
こうして作製された積層体ブロックが積層されて、積層セラミック電子部品が製造される。
本発明によれば、セラミックグリーンシートの変形および破壊を防止するとともに、電極ペースト中の溶剤がセラミックグリーンシート中に染み込むことを防止することができ、セラミックグリーンシートと電極層とが積層された積層体ユニットを、所望のように、製造することができる積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法および少なくとも1つの積層体ユニットを含む積層電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法を提供することが可能になる。
以下、添付図面に基づいて、本発明の好ましい実施態様にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法につき、詳細に説明を加える。
積層セラミックコンデンサを製造するにあたっては、まず、セラミックグリーンシートを製造するために、誘電体ペーストが調製される。
誘電体ペーストは、通常、誘電体原料と、有機溶剤中にバインダを溶解させた有機ビヒクルを混練して、調製される。
調製された誘電体ペーストは、たとえば、エクストルージョンコーターやワイヤーバーコーターなどを用いて、第一の支持シート上に塗布され、塗膜が形成される。
第一の支持シートとしては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられ、剥離性を改善するために、その表面に、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされる。第一の支持シートの厚さは、とくに限定されるものではないが、好ましくは、約5μmないし約100μmである。
次いで、塗膜が、たとえば、約50℃ないし約100℃の温度で、約1分ないし約20分にわたって、乾燥され、第一の支持シート上に、セラミックグリーンシートが形成される。
乾燥後におけるセラミックグリーンシート2の厚さは3μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは、1.5μm以下である。
また、第一の支持シートの幅は、通常、100mmないし400mm程度である。
図1は、第一の支持シートの表面上に、セラミックグリーンシートが形成された状態を示す略断面図である。
実際には、第一の支持シート1は、長尺状をなし、セラミックグリーンシート2は、長尺状の第一の支持シート1の表面に、連続的に形成される。
セラミックグリーンシート2が形成された後、第一の支持シート1は、ローラ(図示せず)に巻き取られる。
一方、セラミックグリーンシート2とは別に、第二の支持シートが用意されて、第二の支持シート上に、剥離層、電極層およびスペーサ層が形成される。
図2は、その表面上に、剥離層5および電極層6が形成された第二の支持シート4の略一部断面図である。
実際には、第二の支持シート4は、長尺状をなし、剥離層5は、長尺状の第二の支持シート4の表面に、連続的に形成され、剥離層5の表面に、電極層6が、所定のパターンで形成される。
第二の支持シート4の表面に、剥離層5を形成するにあたっては、まず、セラミックグリーンシート2を形成する場合と同様にして、剥離層5を形成するための誘電体ペーストが調製される。
剥離層5を形成するための誘電体ペーストは、好ましくは、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体と同一組成の誘電体の粒子を含んでいる。
剥離層5を形成するための誘電体ペーストに含まれているバインダは、セラミックグリーンシート2に含まれているバインダと同系であっても、同系でなくてもよいが、同系であることが好ましい。
こうして、誘電体ペーストが調製されると、たとえば、ワイヤーバーコーター(図示せず)を用いて、第二の支持シート4上に、誘電体ペーストが塗布され、剥離層5が形成される。
剥離層5の厚さは、電極層6の厚さ以下であることが好ましく、好ましくは、電極層6の厚さの約60%以下、さらに好ましくは、電極層6の厚さの約30%以下である。
第二の支持シート4としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられ、剥離性を改善するために、その表面に、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされる。第二の支持シート4の厚さは、とくに限定されるものではなく、第一の支持シート1の厚さと同じであっても、異なっていてもよいが、好ましくは、約5μmないし約100μmである。
剥離層5の形成後、剥離層5は、たとえば、約50℃ないし約100℃で、約1分ないし約10分にわたって、乾燥される。
剥離層5が乾燥された後、剥離層5の表面上に、焼成後に、内部電極層を構成する電極層6が、所定のパターンで形成される。
電極層6は、約0.1μmないし約5μmの厚さに形成されることが好ましく、より好ましくは、約0.1μmないし約1.5μmである。
電極層6を、剥離層5上に形成するに際しては、まず、各種導電性金属や合金からなる導電体材料、焼成後に、各種導電性金属や合金からなる導電体材料となる各種酸化物、有機金属化合物、または、レジネートなどと、有機溶剤中にバインダを溶解させた有機ビヒクルとを混練して、電極ペーストが調製される。
電極ペーストを製造する際に用いる導電体材料としては、Ni、Ni合金あるいはこれらの混合物が、好ましく用いられる。
導電体材料の平均粒子径は、とくに限定されるものではないが、通常、約0.1μmないし約2μm、好ましくは、約0.2μmないし約1μmの導電性材料が用いられる。
電極層6は、スクリーン印刷機やグラビア印刷機などの印刷機を用いて、電極ペーストを、剥離層5上に印刷することによって形成される。
剥離層5の表面上に、所定パターンの有する電極層6を、スクリーン印刷法やグラビア印刷法によって、形成した後に、電極層6が形成されていない剥離層5の表面に、電極層6と相補的なパターンで、スペーサ層が形成される。
図3は、剥離層5の表面上に、電極層6およびスペーサ層7が形成された状態を示す略一部断面図である。
スペーサ層7は、剥離層5の表面に、電極層6を形成するのに先立って、電極層6が形成されるべき部分を除く剥離層5の表面に形成することもできる。
スペーサ層7を形成するにあたっては、セラミックグリーンシート2を作製したときに用いた誘電体ペーストと同様な組成の誘電体ペーストが調製され、スクリーン印刷法やグラビア印刷法により、誘電体ペーストが、電極層6が形成されていない剥離層5の表面に、電極層6と相補的なパターンで、印刷される。
本実施態様においては、スペーサ層7は、ts/te=1.1になるように、剥離層5上に形成される。ここに、tsはスペーサ層7の厚さであり、teは電極層6の厚さである。
剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が形成された後、第二の支持シート4は、ローラ(図示せず)によって巻き取られる。
本実施態様においては、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7は、接着層を介して、接着されるように構成されており、セラミックグリーンシート2が形成された第一の支持シート1ならびに電極層6およびスペーサ層7が形成された第二の支持シート4とは別に、さらに、第三の支持シートが用意され、第三の支持シート上に、接着層が形成されて、接着層シートが作製される。
図4は、第三の支持シート9の表面上に、接着層10が形成された接着層シート11の略一部断面図である。
実際には、第三の支持シート9は、長尺状をなし、接着層10は、長尺状の第三の支持シート9の表面に、連続的に形成される。
第三の支持シート9としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられ、その両表面に、剥離性を改善するために、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされる。第三の支持シート9の厚さは、とくに限定されるものではないが、好ましくは、約5μmないし約100μmである。
接着層10を形成するにあたっては、まず、接着剤溶液が調製される。
本実施態様においては、接着剤溶液は、バインダ、可塑剤および帯電防止剤と、任意成分として、剥離剤とを含んでいる。
接着剤溶液は、セラミックグリーンシートに含まれている誘電体粒子と同一組成の誘電体粒子を含んでいてもよい。接着剤溶液が、誘電体粒子を含んでいる場合には、誘電体粒子のバインダ重量に対する割合が、セラミックグリーンシートに含まれている誘電体粒子のバインダ重量に対する割合より小さいことが好ましい。
接着剤溶液に含まれるバインダは、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストに含まれるバインダと同系のバインダであることが好ましいが、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストに含まれるバインダと同系でないバインダであってもよい。
接着剤溶液に含まれる可塑剤は、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストに含まれる可塑剤と同系の可塑剤であることが好ましいが、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストに含まれるバインダと同系でない可塑剤であってもよい。
可塑剤の含有量は、バインダ100重量部に対して、約0重量部ないし約200重量部、好ましくは、約20重量部ないし約200重量部、さらに好ましくは、約50重量部ないし約100重量部である。
本実施態様において、接着剤溶液は、バインダの0.01重量%ないし15重量%の帯電防止剤を含んでいる。
本実施態様においては、帯電防止剤として、イミダゾリン系界面活性剤が用いられている。
こうして調製された接着剤溶液は、たとえば、バーコータ、エクストルージョンコータ、リバースコータ、ディップコーター、キスコーターなどによって、第三の支持シート9上に塗布され、好ましくは、約0.02μmないし約0.3μm、より好ましくは、約0.02μmないし約0.1μmの厚さの接着層10が形成される。接着層10の厚さが、約0.02μm未満の場合には、接着力が低下し、一方、接着層10の厚さが、約0.3μmを越えると、欠陥(隙間)の発生原因となり、好ましくない。
接着層10は、たとえば、室温(25℃)ないし約80℃の温度で、約1分ないし約5分にわたって、乾燥される。接着層10の乾燥条件は、とくに限定されるものではない。
第三の支持シート9の表面に、接着層10が形成された接着シート11は、ローラ(図示せず)によって巻き取られる。本実施態様においては、第三の支持シート9は、その両表面に、剥離性を改善するために、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされているから、ローラで巻き取ったときに、接着層10が第三の支持シート9の裏面に接着することが防止される。
こうして、第三の支持シート9上に形成された接着層10は、第二の支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写される。
図5は、第三の支持シート9上に形成された接着層10を、第二の支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写する転写装置の略断面図である。
図5に示されるように、第三の支持シート9上に形成された接着層10を、第二の支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写する転写装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、剥離ローラ14と、一対の加圧ローラ15、16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ19aとを備えている。
本実施態様においては、上方に配置された加圧ローラ15は金属ローラによって構成され、下方に配置された加圧ローラ16はゴムローラによって構成されている。
第三の支持シート9上に形成された接着層10を、第二の支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写するにあたっては、第一の繰り出しローラ12として、接着シート11が巻回されたローラが転写装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、表面に、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が積層された第二の支持シート4が巻回されたローラがセットされる。
さらに、中間シート19が巻回された中間シート繰り出しローラ19aが転写装置にセットされる。
中間シート19は、電極層6およびスペーサ層7の表面に転写された接着層10の表面に付着され、接着層10が電極層6およびスペーサ層7の表面に転写された第二の支持シート4を、第二の巻き取りローラ18によって巻き取った際に、接着層11が第二の支持シート4の表面に接着することを防止するものである。
中間シート19としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどを用いることができるが、本実施態様においては、中間シート19として、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シート19が用いられる。
このように、接着層10の表面に付着させる中間シート19として、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シート19を用いるときは、エアが、接着層10と中間シート19との間の空間から、速やかに排出され、エアが、接着層10と中間シート19との間に保持されることがなく、したがって、接着層10に付着した中間シート19に皺が生じたり、その表面に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10および中間シート19が積層された長尺状の第二の支持シート4を巻き取る際に、第二の支持シート4が蛇行することを効果的に防止することができる。
好ましくは、中間シート19は、第三の支持シート9を同じ材料によって形成され、中間シート19の接着層10に付着されるべき表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、第三の支持シート9と同じ表面処理が施されている。
第三の支持シート9上に形成された接着層10を、第二の支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12から、接着シート11が繰り出され、接着シート11が、一対の加圧ローラ15、16の間に供給される。
第一の繰り出しローラ12からの接着シート11の繰り出しに同期して、第二の繰り出しローラ13から、表面に、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が積層された第二の支持シート4が繰り出され、第二の支持シート4が、一対の加圧ローラ15、16の間に供給される。
接着層10を、電極層6およびスペーサ層7の表面に転写する場合には、剥離ローラ14は駆動されない。
図6は、一対の加圧ローラ15、16の近傍の略拡大断面図である。
一対の加圧ローラ15、16は、約40℃ないし約100℃の温度に保持され、一対の加圧ローラ15、16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
第二の支持シート4および第三の支持シート9の供給速度は、たとえば、2m/秒に設定される。
図6に示されるように、接着層10が形成された第三の支持シート9は、第三の支持シート9に加えられる引張り力によって、第三の支持シート9が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、一対の加圧ローラ15、16間に供給され、電極層6およびスペーサ層7が形成された第二の支持シート4は、第二の支持シート4が、下方の加圧ローラ16に接触し、電極層6およびスペーサ層7が、第三の支持シート9上に形成された接着層10の表面に接触するように、略水平方向に、一対の加圧ローラ15、16間に供給される。
その結果、第三の支持シート9上に形成された接着層10が、第二の支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に接着される。
一方、図6に示されるように、接着層10が形成された第三の支持シート9は、一対の加圧ローラ15、16の間から、斜め上方に向けて、搬送され、したがって、第三の支持シート9が、電極層6およびスペーサ層7の表面に接着した接着層10から剥離されて、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られる。
接着層10から、第三の支持シート9を剥離する際、静電気が発生し、塵埃が付着したり、接着層が、第三の支持シートに引き付けられ、所望のように、第三の支持シートを、接着層から剥離することが困難になることがあるが、本実施態様においては、接着層10が、バインダに対して、0.01重量%ないし15重量%のイミダゾリン系界面活性剤を含んでいるから、静電気の発生を効果的に防止することが可能になる。
こうして、第二の支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に、接着層10が接着され、接着層10から、第三の支持シート9が剥離されると、図5に示されるように、中間シート繰り出しローラ19aから、繰り出された中間シート19が、接着層10の表面に付着され、第二の支持シート4が、第二の巻き取りローラ18によって巻き取られる。
本実施態様においては、中間シート19として、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シート19が用いられているから、エアが、接着層10と中間シート19との間の空間から、速やかに排出され、エアが、接着層10と中間シート19との間に保持されることがなく、したがって、接着層10に付着した中間シート19に皺が生じたり、第二の巻き取りローラ18によって、その表面に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10および中間シート19が積層された長尺状の第二の支持シート4を巻き取る際に、第二の支持シート4が蛇行することを効果的に防止することができる。
このように、本実施態様においては、接着層10の表面に、中間シート19が付着された後に、その表面に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10および中間シート19が積層された第二の支持シート4が、第二の巻き取りローラ18によって巻き取られるように構成されているから、接着層10が第二の支持シート4に接着することがない。
次いで、第一の支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2が、接着層10を介して、第二の支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写される。
図7は、第一の支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2を、接着層10を介して、第二の支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写する転写装置の略断面図である。
図7に示されるように、第一の支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2を、接着層10を介して、第二の支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写する転写装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、剥離ローラ14と、一対の加圧ローラ15、16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ19aとを備え、図5に示された転写装置と同一の構成を有している。
第一の支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2を、接着層10を介して、第二の支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12として、表面に、セラミックグリーンシート2が形成された第一の支持シート1が巻回されたローラが、転写装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、表面に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10および中間シート19が積層された第二の支持シート4が巻回された第二の巻き取りローラ18が、転写装置にセットされる。
次いで、第二の繰り出しローラ13から、表面に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10および中間シート19が積層された第二の支持シート4が繰り出され、接着層10の表面に付着した中間シート19が剥離されて、剥離ローラ14によって巻き取られる。
本実施態様においては、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シート19が用いられているから、中間シート19を接着層10から、所望のように、剥離させて、剥離ローラ14によって巻き取ることができる。
中間シート19が接着層10から剥離された第二の支持シート4は、第二の支持シート4が下方の加圧ローラ16に接触するように、一対の加圧ローラ15、16の間に供給され、一方、第二の繰り出しローラ13からの第二の支持シート4の繰り出しに同期して、第一の繰り出しローラ12から、表面に、セラミックグリーンシート2が形成された第一の支持シート1が繰り出され、第一の支持シート1が上方の加圧ローラ15に接触するように、一対の加圧ローラ15、16の間に供給される。
図8は、一対の加圧ローラ15、16の近傍の略拡大断面図である。
図7および図8に示された転写装置においても、一対の加圧ローラ15、16は、約40℃ないし約100℃の温度に保持され、一対の加圧ローラ15、16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
第一の支持シート1および第二の支持シート4の供給速度は、たとえば、2m/秒に設定される。
図8に示されるように、セラミックグリーンシート2が形成された第一の支持シート1は、第一の支持シート1に加えられる引張り力によって、第一の支持シート1が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、一対の加圧ローラ15、16間に供給され、電極層6およびスペーサ層7が形成された第二の支持シート4は、第二の支持シート4が、下方の加圧ローラ16に接触し、電極層6およびスペーサ層7が、接着層を介して、第一の支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に接触するように、略水平方向に、一対の加圧ローラ15、16間に供給される。
その結果、第二の支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に、接着層10を介して、第一の支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2が接着され、その一方で、図8に示されるように、セラミックグリーンシート2が形成された第一の支持シート1は、一対の加圧ローラ17、18の間から、斜め上方に向けて、搬送されるから、第一の支持シート1が、電極層6およびスペーサ層7の表面に接着したセラミックグリーンシート2から剥離される。
セラミックグリーンシート2から剥離された第一の支持シート1は、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られ、一方、セラミックグリーンシート2が電極層6およびスペーサ層7の表面に接着した第二の支持シート4は、第二の巻き取りローラ18によって巻き取られる。
本実施態様においては、接着層10を、電極層6およびスペーサ層7の表面に転写した後に、接着層10の表面に、中間シート19を付着させるように構成されているから、その表面に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10および中間シート19が積層された第二の支持シート4を、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取っても、接着層10が、第二の支持シート4の表面に付着することがなく、したがって、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを、接着層10を介して、接着して、積層体ユニットを作製する転写装置を、第二の支持シート4の表面に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に、接着層10を転写するための転写装置と並列的に配置することができるから、製造ラインが徒に長くなることを防止することが可能になる。
また、本実施態様においては、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とは、接着層10を介して、接着され、従来のように、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7に含まれているバインダの粘着力や、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の変形を利用して、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを接着してはいないから、たとえば、約0.2MPaないし約15MPaの低い圧力で、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを接着することができる。
したがって、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の変形を防止することが可能になるから、こうして得られたセラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の積層体を積層して、積層セラミックコンデンサを作製する際の積層精度を向上させることが可能になる。
さらに、本実施態様においては、電極層6および電極層6よりも密度が小さく、圧縮率が高いスペーサ層7が、ts/te=1.1となるように形成されているから、電極層6およびスペーサ層7を、接着層10を介して、セラミックグリーンシート2上に転写する際に、加圧によって、スペーサ層7が圧縮され、接着層10を介して、電極層6およびスペーサ層7と、セラミックグリーンシート2とを確実に接着させることができ、したがって、第二の支持シート4を剥離するときに、電極層6が、第二の支持シート4とともに、剥離することを確実に防止することが可能になる。
また、本実施態様においては、第二の支持シート4上に、形成された電極層6が乾燥した後に、接着層10を介して、セラミックグリーンシート2の表面に接着するように構成されているから、セラミックグリーンシート2の表面に、電極ペーストを印刷して、電極層6を形成する場合のように、電極ペーストが、セラミックグリーンシート2に含まれているバインダを溶解させ、あるいは、膨潤させることがなく、また、電極ペーストがセラミックグリーンシート2中に染み込むこともなく、所望のように、セラミックグリーンシート2の表面に、電極層6を形成することが可能になる。
以上のようにして、第二の支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に、接着層10を介して、第一の支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2が接着され、セラミックグリーンシート2から、第一の支持シート1が剥離された後、その表面に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2が積層された第二の支持シート4が、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取られる。
こうして、第二の支持シート4の表面に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2が積層された積層体ユニット20が形成される。
次いで、第二の支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に、接着層シート11の接着層10を転写したのと全く同様にして、第二の支持シート4上に形成された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着シート11の接着層10が転写される。
図9は、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着層シート11の接着層10を転写する転写装置の略断面図である。
図9に示されるように、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着層シート11の接着層10を転写する転写装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、剥離ローラ14と、一対の加圧ローラ15、16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ19aとを備え、図5に示された転写装置および図7に示された転写装置と同一の構成を有している。
積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、第三の支持シート9の表面に形成された接着層10を転写するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12として、接着シート11が巻回されたローラが転写装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、表面に、積層体ユニット20が形成された第二の支持シート4が巻回された第二の巻き取りローラ18がセットされる。
次いで、第一の繰り出しローラ12から、接着シート11が繰り出され、一対の加圧ローラ15、16の間に、供給される。
第一の繰り出しローラ12からの接着シート11の繰り出しに同期して、第二の繰り出しローラ13から、表面に、積層体ユニット20が形成された第二の支持シート4が繰り出され、一対の加圧ローラ15、16の間に、供給される。
図10は、一対の加圧ローラ15、16の近傍の略拡大断面図である。
一対の加圧ローラ15、16は、約40℃ないし約100℃の温度に保持され、一対の加圧ローラ15、16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
第二の支持シート4および第三の支持シート9の供給速度は、たとえば、2m/秒に設定される。
図10に示されるように、接着層10が形成された第三の支持シート9は、第三の支持シート9に加えられる引張り力によって、第三の支持シート9が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、一対の加圧ローラ15、16間に供給され、その表面に、積層体ユニット20が形成された第二の支持シート4は、第二の支持シート4が、下方の加圧ローラ16に接触し、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2が、第三の支持シート9上に形成された接着層10の表面に接触するように、略水平方向に、一対の加圧ローラ15、16間に供給される。
その結果、第三の支持シート9上に形成された接着層10が、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に接着される。
一方、図10に示されるように、接着層10が形成された第三の支持シート9は、一対の加圧ローラ15、16の間から、斜め上方に向けて、搬送され、したがって、第三の支持シート9が、セラミックグリーンシート2の表面に接着した接着層10から剥離されて、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られる。
第三の支持シート9上に形成された接着層10が、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に接着され、第三の支持シート9が接着層10から剥離された後、中間シート繰り出しローラ19aから、中間シート19が繰り出されて、接着層10の表面に付着され、次いで、第二の支持シート4が、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取られる。
以上のようにして得られた積層体ユニット20が、裁断装置(図示せず)によって、所定のサイズに裁断されて、第二の支持シート4の表面上に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10、セラミックグリーンシート2および接着層10が積層された所定のサイズを有する積層体ユニット20が作製される。
図11は、こうして、裁断装置によって、所定のサイズに裁断された積層体ユニット20の略断面図である。
図11に示されるように、積層体ユニット20は、第二の支持シート4の表面上に形成され、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を備え、セラミックグリーンシート2上には、接着層10が転写されている。
同様にして、第二の支持シート4の表面上に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を積層し、セラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を転写して、それぞれが、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10をセラミックグリーンシート2含み、セラミックグリーンシート2上に、接着層10が転写された多数の積層体ユニット20が作製される。
こうして作製された多数の積層体ユニット20を、セラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10を介して、積層することによって、積層セラミックコンデンサが作製される。
図12は、積層体ユニット20の積層プロセスの第一のステップを示す略一部断面図である。
図12に示されるように、積層体ユニット20の積層にあたっては、まず、多数の孔26が形成された基板25上に、支持体28がセットされる。
支持体28としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられる。
支持体28は、基板25に形成された多数の孔26を介して、エアにより吸引され、基板25上の所定の位置に固定される。
図13は、積層体ユニット20の積層プロセスの第二のステップを示す略一部断面図である。
次いで、図13に示されるように、セラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10の表面が、支持体28の表面に接触するように、積層体ユニット20が位置決めされて、積層体ユニット20の第二の支持シート4が、プレス機などによって、加圧される。
その結果、積層体ユニット20が、セラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10を介して、基板25上に固定された支持体28上に接着されて、積層される。
図14は、積層体ユニット20の積層プロセスの第三のステップを示す略一部断面図である。
積層体ユニット20が、セラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10を介して、基板25上に固定された支持体28上に接着されて、積層されると、図11に示されるように、第二の支持シート4が、積層体ユニット20の剥離層5から剥離される。
本実施態様においては、電極層6およびスペーサ層7が、ts/te=1.1となるように形成されているので、一対の加圧ローラ17、18によって、スペーサ層7が圧縮されて、スペーサ層7のみならず、電極層6も、接着層10を介して、セラミックグリーンシート2の表面に接着され、したがって、第二の支持シート4を剥離するときに、電極層6が、第二の支持シート4とともに、セラミックグリーンシート2から剥離することを効果的に防止することができる。
こうして、セラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10を介して、基板25上に固定されている支持体28上に積層された積層体ユニット20の剥離層5上に、さらに、積層体ユニット20が積層される。
図15は、積層体ユニット20の積層プロセスの第四のステップを示す略一部断面図である。
次いで、図15に示されるように、セラミックグリーンシート2上に転写された接着層10の表面が、基板25に固定された支持体28に接着された積層体ユニット20の剥離層5の表面に接触するように、新たな積層体ユニット20が位置決めされて、新たな積層体ユニット20の第二の支持シート4が、プレス機などによって、加圧される。
その結果、新たな積層体ユニット20が、セラミックグリーンシート2上に形成された接着層10を介して、基板25上に固定されている支持体28上に接着された積層体ユニット20上に、積層される。
図16は、積層体ユニット20の積層プロセスの第五のステップを示す略一部断面図である。
新たな積層体ユニット20が、接着層10を介して、基板25上に固定されている支持体28上に接着された積層体ユニット20上に、積層されると、図16に示されるように、新たに積層された積層体ユニット20の第二の支持シート4が、積層体ユニット20の剥離層5から剥離される。
同様にして、積層体ユニット20が、次々に積層されて、所定の数の積層体ユニット20が、基板25に固定された支持体28上に積層されて、積層体ブロックが作製される。
所定の数の積層体ユニット20が、基板25に固定されている支持体28上に積層されて、積層体ブロックが作製されると、基板25に固定されている支持体28上に、所定の数の積層体ユニット20が積層された積層体ブロックが、積層セラミックコンデンサの外層上に積層される。
図17は、基板25に固定されている支持体28上に積層された積層体ブロック40を、積層セラミックコンデンサの外層上に積層する積層プロセスの第一のステップを示す略一部断面図である。
図17に示されるように、まず、多数の孔31が形成された基台30上に、接着層32が形成された外層33がセットされる。
外層33は、基台30に形成された多数の孔31を介して、エアにより吸引され、基台30上の所定の位置に固定される。
次いで、図17に示されるように、多数の孔26を介して、エアにより吸引され、基板25上の所定の位置に固定されている支持体28上に積層された積層体ブロック40が、最後に積層された積層体ユニット20の剥離層5の表面が、外層33上に形成された接着層32の表面に接触するように、位置決めされる。
次いで、エアによる支持体28の吸引が停止されて、基板25が、積層体ブロック40を支持している支持体28から取り去られる。
基板25が、支持体28から取り去られると、プレス機などによって、支持体28が加圧される。
その結果、積層体ブロック40が、接着層32を介して、基台30上に固定された外層33上に接着されて、積層される。
図18は、基板25に固定されている支持体28上に積層された積層体ブロック40を、積層セラミックコンデンサの外層上に積層する積層プロセスの第二のステップを示す略一部断面図である。
積層体ブロック40が、接着層32を介して、基台30上に固定された外層33上に接着されて、積層されると、図18に示されるように、支持体28が、積層体ブロック40の接着層10から剥離される。
こうして、接着層32を介して、基台30上に固定されている外層33上に、所定の数の積層体ユニット20が積層された積層体ブロック40が積層される。
接着層32を介して、基台30上に固定されている外層33上に、積層体ブロック40が積層されると、基台30上に固定されている外層33上に積層された積層体ブロック40の最上の積層体ユニット20の接着層10上に、さらに、図12ないし図16に示されたステップにしたがって、基板25に固定されている支持体28上に、所定の数の積層体ユニット20が積層されて、作製された新たな積層体ブロック40が積層される。
図19は、基板25に固定されている支持体28上に積層された積層体ブロック40を、積層セラミックコンデンサの外層上に積層する積層プロセスの第三のステップを示す略一部断面図である。
図19に示されるように、多数の孔26を介して、エアにより吸引され、基板25上の所定の位置に固定されている支持体28上に新たに積層された積層体ブロック40が、最後に積層された積層体ユニット20の剥離層5の表面が、基台30上に固定されている外層33上に積層された積層体ブロック40の最上の積層体ユニット20の接着層10の表面に接触するように、位置決めされる。
次いで、エアによる支持体28の吸引が停止されて、基板25が、積層体ブロック40を支持している支持体28から取り去られる。
基板25が、支持体28から取り去られると、プレス機などによって、支持体28が加圧される。
その結果、新たに積層された積層体ブロック40が、接着層10を介して、基台30上に固定されている外層33上に積層された積層体ブロック40に接着されて、積層される。
図20は、基板25に固定されている支持体28上に積層された積層体ブロック40を、積層セラミックコンデンサの外層上に積層する積層プロセスの第四のステップを示す略一部断面図である。
新たに積層された積層体ブロック40が、接着層10を介して、基台30上に固定されている外層33上に積層された積層体ブロック40に接着されて、積層されると、図20に示されるように、支持体28が、新たに積層された積層体ブロック40の接着層10から剥離される。
こうして、基台30上に固定されている外層33上に積層された積層体ブロック40上に、接着層10を介して、新たに積層された積層体ブロック40が接着されて、積層される。
同様にして、基板25に固定されている支持体28上に積層された積層体ブロック40が、次々に積層されて、所定の数の積層体ブロック40、したがって、所定の数の積層体ユニット20が、積層セラミックコンデンサの外層33上に積層される。
こうして、積層セラミックコンデンサの外層33上に、所定の数の積層体ユニット20が積層されると、他方の外層(図示せず)が、接着層を介して、接着されて、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体が作成される。
次いで、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体が、所定のサイズに裁断されて、多数のセラミックグリーンチップが作製される。
こうして作製されたセラミックグリーンチップは、還元ガス雰囲気下に置かれて、バインダが除去され、さらに、焼成される。
次いで、焼成されたセラミックグリーンチップに、必要な外部電極などが取り付けられて、積層セラミックコンデンサが作製される。
本実施態様によれば、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とは、接着層10を介して、接着され、従来のように、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7に含まれているバインダの粘着力や、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の変形を利用して、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを接着してはいないから、たとえば、約0.2MPaないし約15MPaの低い圧力で、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを接着することができる。
したがって、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の変形を防止することが可能になるから、こうして得られたセラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の積層体を積層して、積層セラミックコンデンサを作製する際の積層精度を向上させることが可能になる。
また、本実施態様によれば、第二の支持シート4上に形成された電極層6が乾燥した後に、接着層10を介して、セラミックグリーンシート2の表面に接着するように構成されているから、セラミックグリーンシート2の表面に、電極ペーストを印刷して、電極層6を形成する場合のように、電極ペーストが、セラミックグリーンシート2に含まれているバインダを溶解させ、あるいは、膨潤させることがなく、また、電極ペーストがセラミックグリーンシート2中に染み込むこともなく、所望のように、セラミックグリーンシート2の表面に、電極層6を形成することが可能になる。
さらに、接着層10から、第三の支持シート9を剥離する際、静電気が発生し、塵埃が付着したり、接着層10が、第三の支持シート9に引き付けられ、所望のように、第三の支持シート9を、接着層10から剥離することが困難になることがあるが、本実施態様によれば、接着層10が、バインダに対して、0.01重量%ないし15重量%のイミダゾリン系界面活性剤を含んでいるから、静電気の発生を、効果的に防止することが可能になる。
さらに、本実施態様によれば、電極層6および電極層6よりも密度が小さく、圧縮率が高いスペーサ層7が、ts/te=1.1を満たすように形成されているから、セラミックグリーンシート2を、接着層10を介して、電極層6およびスペーサ層7上に転写する際に、一対の加圧ローラ17、18によって、スペーサ層7が圧縮されて、スペーサ層7のみならず、電極層6も、接着層10を介して、セラミックグリーンシート2の表面に確実に接着され、したがって、第二の支持シート4を剥離するときに、電極層6が、第二の支持シート4とともに、セラミックグリーンシート2から剥離することを効果的に防止することができる。
また、本実施態様によれば、接着層10を、電極層6およびスペーサ層7の表面に転写した後に、接着層10の表面に、中間シート19を付着させるように構成されているから、その表面に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10および中間シート19が積層された第二の支持シート4を、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取っても、接着層10が、第二の支持シート4の表面に付着することがなく、したがって、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを、接着層10を介して、接着して、積層体ユニットを作製する転写装置を、第二の支持シート4の表面に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に、接着層10を転写するための転写装置と並列的に配置することができるから、製造ラインが徒に長くなることを防止することが可能になる。
さらに、図5、図7および図9に示されるように、第三の支持シート9上に形成された接着層10を、第二の支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写する転写装置、第一の支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2を、接着層10を介して、第二の支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写する転写装置および積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着層シート11の接着層10を転写する転写装置は、同一の構成を有しているから、第三の支持シート9上に形成された接着層10を、第二の支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写するステップ、第一の支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2を、接着層10を介して、第二の支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写するステップおよび積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着層シート11の接着層10を転写するステップを、一つの転写装置を用いて、実行することができ、したがって、製造設備のスペースを大幅に縮小させることが可能になる。
また、本実施態様によれば、中間シート19として、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シート19が用いられているから、エアが、接着層10と中間シート19との間の空間から、速やかに排出され、エアが、接着層10と中間シート19との間に保持されることがなく、したがって、接着層10に付着した中間シート19に皺が生じたり、第二の巻き取りローラ18によって、その表面に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10および中間シート19が積層された長尺状の第二の支持シート4を巻き取る際に、第二の支持シート4が蛇行することを効果的に防止することができる。
さらに、本実施態様によれば、中間シート19として、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シート19が用いられているから、中間シート19を接着層10から、所望のように、剥離させて、剥離ローラ14によって巻き取ることができる。
図21は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法に用いられる転写装置の略断面図である。
本実施態様にかかる転写装置は、第三の支持シート9上に形成された接着層10を、第一の支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に接着させ、接着層10から第三の支持シート9を剥離するとともに、接着層10の表面に、中間シートを付着させるように構成されている。
図21に示されるように、本実施態様にかかる転写装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、剥離ローラ14と、一対の加圧ローラ15、16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ19aとを備え、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置および図9に示された転写装置と同一の構成を有している。
第三の支持シート9上に形成された接着層10を、第一の支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に転写するにあたっては、第一の繰り出しローラ12として、接着シート11が巻回されたローラが転写装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、表面に、セラミックグリーンシート2が形成された第一の支持シート1が巻回されたローラがセットされる。
さらに、中間シート19が巻回された中間シート繰り出しローラ19aが転写装置にセットされる。
中間シート19は、セラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10の表面に付着され、接着層10がセラミックグリーンシート2の表面に転写された第一の支持シート1を、第二の巻き取りローラ18によって巻き取った際に、接着層11が第一の支持シート1の表面に接着することを防止するものである。
中間シート19としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどを用いることができるが、本実施態様においては、中間シート19として、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シート19が用いられる。
このように、接着層10の表面に付着させる中間シート19として、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シート19を用いるときは、エアが、接着層10と中間シート19との間の空間から、速やかに排出され、エアが、接着層10と中間シート19との間に保持されることがなく、したがって、接着層10に付着した中間シート19に皺が生じたり、その表面に、セラミックグリーンシート2、接着層10および中間シート19が積層された長尺状の第一の支持シート1を巻き取る際に、第一の支持シート1が蛇行することを効果的に防止することができる。
好ましくは、中間シート19は、第三の支持シート9を同じ材料によって形成され、中間シート19の接着層10に付着されるべき表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、第三の支持シート9と同じ表面処理が施されている。
次いで、第一の繰り出しローラ12から、接着シート11が繰り出されて、一対の加圧ローラ15、16の間に供給され、第一の繰り出しローラ12からの接着シート11の繰り出しに同期して、第二の繰り出しローラ13から、表面に、セラミックグリーンシート2が形成された第一の支持シート1が繰り出されて、一対の加圧ローラ15、16の間に供給される。
接着層10を、セラミックグリーンシート2の表面に転写する場合には、剥離ローラ14は駆動されない。
図22は、一対の加圧ローラ15、16の近傍の略拡大断面図である。
一対の加圧ローラ15、16は、約40℃ないし約100℃の温度に保持され、一対の加圧ローラ15、16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
第一の支持シート1および第三の支持シート9の供給速度は、たとえば、2m/秒に設定される。
図22に示されるように、接着層10が形成された第三の支持シート9は、第三の支持シート9に加えられる引張り力によって、第三の支持シート9が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、一対の加圧ローラ15、16間に供給され、セラミックグリーンシート2が形成された第一の支持シート1は、第一の支持シート1が、下方の加圧ローラ16に接触し、セラミックグリーンシート2の表面が、第三の支持シート9上に形成された接着層10の表面に接触するように、略水平方向に、一対の加圧ローラ15、16間に供給される。
その結果、第三の支持シート9上に形成された接着層10が、第一の支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に接着される。
図22に示されるように、接着層10が形成された第三の支持シート9は、一対の加圧ローラ15、16の間から、斜め上方に向けて、搬送され、したがって、第三の支持シート9が、セラミックグリーンシート2の表面に接着した接着層10から剥離される。
接着層10から、第三の支持シート9を剥離する際、静電気が発生し、塵埃が付着したり、接着層が、第三の支持シートに引き付けられ、所望のように、第三の支持シートを、接着層から剥離することが困難になることがあるが、本実施態様においても、接着層10が、バインダに対して、0.01重量%ないし15重量%のイミダゾリン系界面活性剤を含んでいるから、静電気の発生を効果的に防止することが可能になる。
こうして、第一の支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10が接着され、接着層10から、第三の支持シート9が剥離されると、図22に示されるように、中間シート繰り出しローラ19aから、繰り出された中間シート19が、接着層10の表面に付着され、第一の支持シート1が、第二の巻き取りローラ18によって巻き取られる。
本実施態様においては、中間シート19として、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シート19が用いられているから、エアが、接着層10と中間シート19との間の空間から、速やかに排出され、エアが、接着層10と中間シート19との間に保持されることがなく、したがって、接着層10に付着した中間シート19に皺が生じたり、第二の巻き取りローラ18によって、その表面に、セラミックグリーンシート2、接着層10および中間シート19が積層された長尺状の第一の支持シート1を巻き取る際に、第一の支持シート1が蛇行することを効果的に防止することができる。
このように、本実施態様においては、接着層10の表面に、中間シート19が付着された後に、その表面に、セラミックグリーンシート2、接着層10および中間シート19が積層された第一の支持シート1が、第二の巻き取りローラ18に巻き取られるように構成されているから、接着層10が第一の支持シート1に接着することがない。
次いで、第二の支持シート1上に形成された剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が、接着層10を介して、第一の支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に転写される。
図23は、第二の支持シート1上に形成された剥離層5、電極層6およびスペーサ層7を、接着層10を介して、第一の支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に転写する転写装置の略断面図である。
図23に示されるように、第二の支持シート1上に形成された剥離層5、電極層6およびスペーサ層7を、接着層10を介して、第一の支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に転写する転写装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、剥離ローラ14と、一対の加圧ローラ15、16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ19aとを備え、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置、図9に示された転写装置および図21に示された転写装置と同一の構成を有している。
第二の支持シート1上に形成された剥離層5、電極層6およびスペーサ層7を、接着層10を介して、第一の支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に転写するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12として、表面に、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が形成された第二の支持シート4が巻回されたローラが、転写装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、表面に、セラミックグリーンシート2、接着層10および中間シート19が積層された第一の支持シート1が巻回された第二の巻き取りローラ18が、転写装置にセットされる。
次いで、第二の繰り出しローラ13から、表面に、セラミックグリーンシート2、接着層10および中間シート19が積層された第一の支持シート1が繰り出され、接着層10の表面に付着した中間シート19が剥離されて、剥離ローラ14によって巻き取られる。
本実施態様においては、中間シート19として、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シート19が用いられているから、中間シート19を接着層10から、所望のように、剥離させて、剥離ローラ14によって巻き取ることができる。
中間シート19が接着層10から剥離された第一の支持シート1は、第一の支持シート1が下方の加圧ローラ16に接触するように、一対の加圧ローラ15、16の間に供給され、一方、第二の繰り出しローラ13からの第一の支持シート1の繰り出しに同期して、第一の繰り出しローラ12から、表面に、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が形成された第二の支持シート4が繰り出され、第二の支持シート4が上方の加圧ローラ15に接触するように、一対の加圧ローラ15、16の間に供給される。
図24は、一対の加圧ローラ15、16の近傍の略拡大断面図である。
図23および図24に示された転写装置においても、一対の加圧ローラ15、16は、約40℃ないし約100℃の温度に保持され、一対の加圧ローラ15、16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
第一の支持シート1および第二の支持シート4の供給速度は、たとえば、2m/秒に設定される。
図24に示されるように、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が形成された第二の支持シート4は、第二の支持シート4に加えられる引張り力によって、第二の支持シート4が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、一対の加圧ローラ15、16間に供給され、セラミックグリーンシート2が形成された第一の支持シート1は、第一の支持シート1が、下方の加圧ローラ16に接触し、セラミックグリーンシート2の表面が、第二の支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に接触するように、略水平方向に、一対の加圧ローラ15、16間に供給される。
その結果、第一の支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を介して、第二の支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7が接着され、その一方で、図24に示されるように、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が形成された第二の支持シート4は、一対の加圧ローラ17、18の間から、斜め上方に向けて、搬送されるから、第二の支持シート4が、セラミックグリーンシート2の表面に接着した電極層6およびスペーサ層7から剥離される。
電極層6およびスペーサ層7から剥離された第二の支持シート4は、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られ、一方、電極層6およびスペーサ層7がセラミックグリーンシート2の表面に接着した第一の支持シート1は、第二の巻き取りローラ18によって巻き取られる。
本実施態様においては、接着層10を、セラミックグリーンシート2の表面に転写した後に、接着層10の表面に、中間シート52を付着させるように構成されているから、その表面に、セラミックグリーンシート2、接着層10および中間シート52が積層された第一の支持シート1を、ローラ54によって、巻き取っても、接着層10が、第一の支持シート1の表面に付着することがなく、したがって、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを、接着層10を介して、接着して、積層体ユニットを作製する転写装置を、第一の支持シート1の表面に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を転写するための転写装置と並列的に配置することができるから、製造ラインが徒に長くなることを防止することが可能になる。
本実施態様においては、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とは、接着層10を介して、接着され、従来のように、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7に含まれているバインダの粘着力や、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の変形を利用して、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを接着してはいないから、たとえば、約0.2MPaないし約15MPaの低い圧力で、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを接着することができる。
したがって、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の変形を防止することが可能になるから、こうして得られたセラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の積層体を積層して、積層セラミックコンデンサを作製する際の積層精度を向上させることが可能になる。
また、本実施態様においては、電極層6および電極層6よりも密度が小さく、圧縮率が高いスペーサ層7が、ts/te=1.1となるように形成されているから、電極層6およびスペーサ層7を、接着層10を介して、セラミックグリーンシート2上に転写する際に、加圧によって、スペーサ層7が圧縮され、接着層10を介して、電極層6およびスペーサ層7と、セラミックグリーンシート2とを確実に接着させることができ、したがって、第二の支持シート4を剥離するときに、電極層6が、第二の支持シート4とともに、剥離することを確実に防止することが可能になる。
また、本実施態様においては、電極層6および電極層6よりも密度が小さく、圧縮率が高いスペーサ層7が、ts/te=1.1となるように形成されているから、電極層6およびスペーサ層7を、接着層10を介して、セラミックグリーンシート2上に転写する際に、加圧によって、スペーサ層7が圧縮され、接着層10を介して、電極層6およびスペーサ層7と、セラミックグリーンシート2とを確実に接着させることができ、したがって、第二の支持シート4を剥離するときに、電極層6が、第二の支持シート4とともに、剥離することを確実に防止することが可能になる。
さらに、本実施態様においては、第二の支持シート4上に、形成された電極層6が乾燥した後に、接着層10を介して、セラミックグリーンシート2の表面に接着するように構成されているから、セラミックグリーンシート2の表面に、電極ペーストを印刷して、電極層6を形成する場合のように、電極ペーストが、セラミックグリーンシート2に含まれているバインダを溶解させ、あるいは、膨潤させることがなく、また、電極ペーストがセラミックグリーンシート2中に染み込むこともなく、所望のように、セラミックグリーンシート2の表面に、電極層6を形成することが可能になる。
以上のようにして、第一の支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を介して、第二の支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7が接着され、電極層6およびスペーサ層7から、第二の支持シート4が剥離された後、その表面に、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5が積層された第一の支持シート1が、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取られる。
こうして、第一の支持シート1の表面に、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5が積層された積層体ユニット20が形成される。
次いで、第一の支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に、接着層シート11の接着層10を転写したのと全く同様にして、第一の支持シート1上に形成された積層体ユニット20の電極層6およびスペーサ層7の表面に、接着シート11の接着層10が転写される。
図25は、積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着シート11の接着層10を転写する転写装置の略断面図である。
図25に示されるように、積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着シート11の接着層10を転写する転写装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、剥離ローラ14と、一対の加圧ローラ15、16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ19aとを備え、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置、図9に示された転写装置、図21に示された転写装置および図23に示された転写装置と同一の構成を有している。
積層体ユニット20の電極層6およびスペーサ層7の表面に、接着シート11の接着層10を転写するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12として、接着シート11が巻回されたローラが転写装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、表面に、積層体ユニット20が形成された第一の支持シート1が巻回された第二の巻き取りローラ18がセットされる。
次いで、第一の繰り出しローラ12から、接着シート11が繰り出され、一対の加圧ローラ15、16の間に、供給される。
第一の繰り出しローラ12からの接着シート11の繰り出しに同期して、第二の繰り出しローラ13から、表面に、積層体ユニット20が形成された第一の支持シート1が繰り出され、一対の加圧ローラ15、16の間に、供給される。
図26は、一対の加圧ローラ15、16の近傍の略拡大断面図である。
一対の加圧ローラ15、16は、約40℃ないし約100℃の温度に保持され、一対の加圧ローラ15、16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
第一の支持シート1および第三の支持シート9の供給速度は、たとえば、2m/秒に設定される。
図26に示されるように、接着層10が形成された第三の支持シート9は、第三の支持シート9に加えられる引張り力によって、第三の支持シート9が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、一対の加圧ローラ15、16間に供給され、その表面に、積層体ユニット20が形成された第一の支持シート1は、第一の支持シート1が、下方の加圧ローラ16に接触し、積層体ユニット20の電極層6およびスペーサ層7が、第三の支持シート9上に形成された接着層10の表面に接触するように、略水平方向に、一対の加圧ローラ15、16間に供給される。
その結果、第三の支持シート9上に形成された接着層10が、積層体ユニット20の電極層6およびスペーサ層7の表面に接着される。
一方、図26に示されるように、接着層10が形成された第三の支持シート9は、一対の加圧ローラ15、16の間から、斜め上方に向けて、搬送され、したがって、第三の支持シート9が、電極層6およびスペーサ層7の表面に接着した接着層10から剥離されて、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られる。
第三の支持シート9上に形成された接着層10が、積層体ユニット20の電極層6およびスペーサ層7の表面に接着され、第三の支持シート9が接着層10から剥離された後、中間シート繰り出しローラ19aから、中間シート19が繰り出されて、接着層10の表面に付着され、次いで、第一の支持シート1が、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取られる。
以上のようにして得られた積層体ユニット20が、裁断装置(図示せず)によって、所定のサイズに裁断されて、第一の支持シート4の表面上に、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5が積層された所定のサイズを有する積層体ユニット20が作製される。
図27は、こうして、裁断装置により、所定のサイズに裁断された積層体ユニット20の略断面図である。
図27に示されるように、積層体ユニット20は、第一の支持シート1の表面上に形成され、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含み、剥離層5上には、接着層10が転写されている。
同様にして、第一の支持シート1の表面上に、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を積層し、剥離層5の表面に、接着層10を転写して、それぞれが、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含み、剥離層5上に、接着層10が転写された多数の積層体ユニット20が作製される。
こうして作製された多数の積層体ユニット20を、剥離層5の表面に転写された接着層10を介して、積層することによって、積層セラミックコンデンサが作製される。
図28は、積層体ユニット20の積層プロセスの第一のステップを示す略一部断面図である。
図28に示されるように、積層体ユニット20の積層にあたっては、まず、多数の孔26が形成された基板25上に、支持体28がセットされる。
支持体28としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられる。
支持体28は、基板25に形成された多数の孔26を介して、エアにより吸引され、基板25上の所定の位置に固定される。
図29は、積層体ユニット20の積層プロセスの第二のステップを示す略一部断面図である。
次いで、図29に示されるように、剥離層5の表面に転写された接着層10の表面が、支持体28の表面に接触するように、積層体ユニット20が位置決めされて、積層体ユニット20の第一の支持シート1が、プレス機などによって、加圧される。
その結果、積層体ユニット20が、剥離層5の表面に転写された接着層10を介して、基板25上に固定された支持体28上に接着されて、積層される。
図30は、積層体ユニット20の積層プロセスの第三のステップを示す略一部断面図である。
積層体ユニット20が、剥離層5の表面に転写された接着層10を介して、基板25上に固定された支持体28上に接着されて、積層されると、図30に示されるように、第一の支持シート1が、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2から剥離される。
こうして、剥離層5の表面に転写された接着層10を介して、基板25上に固定されている支持体28上に積層された積層体ユニット20の剥離層5上に、さらに、積層体ユニット20が積層される。
図31は、積層体ユニット20の積層プロセスの第四のステップを示す略一部断面図である。
次いで、図31に示されるように、剥離層5の表面に転写された接着層10の表面が、基板25に固定された支持体28に接着された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に接触するように、新たな積層体ユニット20が位置決めされて、新たな積層体ユニット20の第一の支持シート1が、プレス機などによって、加圧される。
その結果、新たな積層体ユニット20が、剥離層5の表面に転写された接着層10を介して、基板25上に固定されている支持体28上に接着された積層体ユニット20上に、積層される。
図32は、積層体ユニット20の積層プロセスの第五のステップを示す略一部断面図である。
新たな積層体ユニット20が、接着層10を介して、基板25上に固定されている支持体28上に接着された積層体ユニット20上に、積層されると、図32に示されるように、新たに積層された積層体ユニット20の第一の支持シート1が、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2から剥離される。
同様にして、積層体ユニット20が、次々に積層されて、所定の数の積層体ユニット20が、基板25に固定された支持体28上に積層されて、積層体ブロック40が作製される。
所定の数の積層体ユニット20が、基板25に固定されている支持体28上に積層されて、積層体ブロックが作製されると、基板25に固定されている支持体28上に、所定の数の積層体ユニット20が積層された積層体ブロック40が、図17ないし図20と全く同様にして、積層セラミックコンデンサの外層上に積層される。
こうして、積層セラミックコンデンサの外層33上に、所定の数の積層体ユニット20が積層されると、他方の外層(図示せず)が、接着層を介して、接着されて、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体が作成される。
次いで、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体が、所定のサイズに裁断されて、多数のセラミックグリーンチップが作製される。
こうして作製されたセラミックグリーンチップは、還元ガス雰囲気下に置かれて、バインダが除去され、さらに、焼成される。
次いで、焼成されたセラミックグリーンチップに、必要な外部電極などが取り付けられて、積層セラミックコンデンサが作製される。
本実施態様によれば、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とは、接着層10を介して、接着され、従来のように、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7に含まれているバインダの粘着力や、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の変形を利用して、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを接着してはいないから、たとえば、約0.2MPaないし約15MPaの低い圧力で、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを接着することができる。
したがって、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の変形を防止することが可能になるから、こうして得られたセラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の積層体を積層して、積層セラミックコンデンサを作製する際の積層精度を向上させることが可能になる。
また、本実施態様によれば、第二の支持シート4上に形成された電極層6が乾燥した後に、接着層10を介して、セラミックグリーンシート2の表面に接着するように構成されているから、セラミックグリーンシート2の表面に、電極ペーストを印刷して、電極層6を形成する場合のように、電極ペーストが、セラミックグリーンシート2に含まれているバインダを溶解させ、あるいは、膨潤させることがなく、また、電極ペーストがセラミックグリーンシート2中に染み込むこともなく、所望のように、セラミックグリーンシート2の表面に、電極層6を形成することが可能になる。
さらに、接着層10から、第三の支持シート9を剥離する際、静電気が発生し、塵埃が付着したり、接着層10が、第三の支持シート9に引き付けられ、所望のように、第三の支持シート9を、接着層10から剥離することが困難になることがあるが、本実施態様によれば、接着層10が、バインダに対して、0.01重量%ないし15重量%のイミダゾリン系界面活性剤を含んでいるから、静電気の発生を、効果的に防止することが可能になる。
さらに、本実施態様によれば、電極層6および電極層6よりも密度が小さく、圧縮率が高いスペーサ層7が、ts/te=1.1を満たすように形成されているから、電極層6およびスペーサ層7を、接着層10を介して、セラミックグリーンシート2上に転写する際に、一対の加圧ローラ17、18によって、スペーサ層7が圧縮されて、スペーサ層7のみならず、電極層6も、接着層10を介して、セラミックグリーンシート2の表面に確実に接着され、したがって、第二の支持シート4を剥離するときに、電極層6が、第二の支持シート4とともに、セラミックグリーンシート2から剥離することを効果的に防止することができる。
また、本実施態様によれば、接着層10を、セラミックグリーンシート2の表面に転写した後に、接着層10の表面に、中間シート52を付着させるように構成されているから、その表面に、セラミックグリーンシート2、接着層10および中間シート52が積層された第一の支持シート1を、第二巻き取りローラ18によって巻き取っても、接着層10が、第一の支持シート1の表面に付着することがなく、したがって、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを、接着層10を介して、接着して、積層体ユニットを作製する転写装置を、第一の支持シート1の表面に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を転写するための転写装置と並列的に配置することができるから、製造ラインが徒に長くなることを防止することが可能になる。
さらに、図21、図23および図25に示されるように、第三の支持シート9上に形成された接着層10を、第一の支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に転写する転写装置、第二の支持シート4上に形成された剥離層5、電極層6およびスペーサ層7を、接着層10を介して、第一の支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に転写する転写装置および積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着層シート11の接着層10を転写する転写装置は、同一の構成を有しているから、第三の支持シート9上に形成された接着層10を、第一の支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に転写するステップ、第二の支持シート4上に形成された剥離層5、電極層6およびスペーサ層7を、接着層10を介して、第一の支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に転写するステップおよび積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着層シート11の接着層10を転写するステップを、一つの転写装置を用いて、実行することができ、したがって、製造設備のスペースを大幅に縮小させることが可能になる。
また、本実施態様によれば、中間シート19として、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シート19が用いられているから、エアが、接着層10と中間シート19との間の空間から、速やかに排出され、エアが、接着層10と中間シート19との間に保持されることがなく、したがって、接着層10に付着した中間シート19に皺が生じたり、第二の巻き取りローラ18によって、その表面に、セラミックグリーンシート2、接着層10および中間シート19が積層された長尺状の第一の支持シート1を巻き取る際に、第一の支持シート1が蛇行することを効果的に防止することができる。
さらに、本実施態様によれば、中間シート19として、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シート19が用いられているから、中間シート19を接着層10から、所望のように、剥離させて、剥離ローラ14によって巻き取ることができる。
図33は、本発明の他の好ましい実施態様にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法に用いられる転写装置の略断面図である。
本実施態様にかかる転写装置は、図7に示された転写装置によって作製され、第二の支持シート4の表面に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2が積層された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着シート11の接着層10を転写し、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10に、中間シートを付着させて、巻き取るように構成されている。
図33に示されるように、本実施態様にかかる転写装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、剥離ローラ14と、一対の加圧ローラ15、16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ19aとを備え、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置、図9に示された転写装置、図21に示された転写装置、図23に示された転写装置および図25に示された転写装置と同一の構成を有している。
第二の支持シート4の表面に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2が積層された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着シート11の接着層10を転写するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12として、接着シート11が巻回されたローラが転写装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、表面に、積層体ユニット20が形成された第二の支持シート4が巻回されたローラがセットされる。
さらに、中間シート19が巻回された中間シート繰り出しローラ19aが転写装置にセットされる。
中間シート19は、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10の表面に付着され、接着層10がセラミックグリーンシート2の表面に転写された積層体ユニット20を備えた第二の支持シート4を、第二の巻き取りローラ18によって巻き取った際に、接着層11が第二の支持シート4の表面に接着することを防止するものである。
中間シート19としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどを用いることができるが、本実施態様においては、中間シート19として、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シート19が用いられる。
このように、接着層10の表面に付着させる中間シート19として、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シート19を用いるときは、エアが、接着層10と中間シート19との間の空間から、速やかに排出され、エアが、接着層10と中間シート19との間に保持されることがなく、したがって、接着層10に付着した中間シート19に皺が生じたり、その表面に、積層体ユニット20、接着層10および中間シート19が積層された長尺状の第二の支持シート4を巻き取る際に、第二の支持シート4が蛇行することを効果的に防止することができる。
好ましくは、中間シート19は、第三の支持シート9を同じ材料によって形成され、中間シート19の接着層10に付着されるべき表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、第三の支持シート9と同じ表面処理が施されている。
次いで、第一の繰り出しローラ12から、接着シート11が繰り出されて、一対の加圧ローラ15、16の間に供給され、第一の繰り出しローラ12からの接着シート11の繰り出しに同期して、第二の繰り出しローラ13から、表面に、積層体ユニット20が形成された第二の支持シート4が繰り出されて、一対の加圧ローラ15、16の間に供給される。
接着層10を、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写する場合には、剥離ローラ14は駆動されない。
図34は、一対の加圧ローラ15、16の近傍の略拡大断面図である。
一対の加圧ローラ15、16は、約40℃ないし約100℃の温度に保持され、一対の加圧ローラ15、16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
第二の支持シート4および第三の支持シート9の供給速度は、たとえば、2m/秒に設定される。
図34に示されるように、接着層10が形成された第三の支持シート9は、第三の支持シート9に加えられる引張り力によって、第三の支持シート9が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、一対の加圧ローラ15、16間に供給され、その表面に、積層体ユニット20が形成された第二の支持シート4は、第二の支持シート4が、下方の加圧ローラ16に接触し、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2が、第三の支持シート9上に形成された接着層10の表面に接触するように、略水平方向に、一対の加圧ローラ15、16間に供給される。
その結果、第三の支持シート9上に形成された接着層10が、積層体ユニット20のグリーンシート2の表面に接着される。
図34に示されるように、接着層10が形成された第三の支持シート9は、一対の加圧ローラ15、16の間から、斜め上方に向けて、搬送され、したがって、第三の支持シート9が、セラミックグリーンシート2の表面に接着した接着層10から剥離される。
接着層10から、第三の支持シート9を剥離する際、静電気が発生し、塵埃が付着したり、接着層が、第三の支持シートに引き付けられ、所望のように、第三の支持シートを、接着層から剥離することが困難になることがあるが、本実施態様においては、接着層10が、バインダに対して、0.01重量%ないし15重量%のイミダゾリン系界面活性剤を含んでいるから、静電気の発生を効果的に防止することが可能になる。
こうして、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10が接着され、接着層10から、第三の支持シート9が剥離されると、図34に示されるように、中間シート繰り出しローラ19aから、中間シート19が繰り出されて、中間シート19が、接着層10の表面に付着され、その表面に、積層体ユニット20、接着層10および中間シート19が積層された第二の支持シート4が、第二の巻き取りローラ18によって巻き取られる。
本実施態様においては、中間シート19として、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シート19が用いられているから、エアが、接着層10と中間シート19との間の空間から、速やかに排出され、エアが、接着層10と中間シート19との間に保持されることがなく、したがって、接着層10に付着した中間シート19に皺が生じたり、第二の巻き取りローラ18によって、その表面に、積層体ユニット20、接着層10および中間シート19が積層された長尺状の第二の支持シート4を巻き取る際に、第二の支持シート4が蛇行することを効果的に防止することができる。
このように、本実施態様においては、接着層10の表面に、中間シート19が付着された後に、その表面に、積層体ユニット20、接着層10および中間シート19が積層された第二の支持シート4が、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取られるように構成されているから、接着層10が積層体ユニット20の第二の支持シート4に接着することがない。
次いで、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10に、図25に示される転写装置によって作製され、第一の支持シート1上に、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5が形成された別の積層体ユニット20が接着されて、2つの積層体ユニット20が積層される。
図35は、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10に、第一の支持シート1上に、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5が形成された別の積層体ユニット20を接着して、2つの積層体ユニット20を積層し、複数の積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットを作製する積層装置の略断面図である。
図35に示されるように、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10に、第一の支持シート1上に、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5が形成された別の積層体ユニット20を接着して、2つの積層体ユニット20を積層し、複数の積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットを作製する積層装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、剥離ローラ14と、一対の加圧ローラ15、16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ19aとを備え、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置、図9に示された転写装置、図21に示された転写装置、図23に示された転写装置、図25に示された転写装置および図33に示された転写装置と同一の構成を有している。
積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10に、第一の支持シート1上に、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5が形成された別の積層体ユニット20を接着して、2つの積層体ユニット20を積層し、複数の積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットを作製するにあたっては、第一の繰り出しローラ12として、図25に示される転写装置によって作製され、その表面に、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5が積層されて形成された新たに積層すべき積層体ユニット20を備えた第一の支持シート1が巻回されたローラが、積層装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、その表面に、積層体ユニット20、接着層10および中間シート19が積層された第二の支持シート4が巻回されたローラが、積層装置にセットされる。
次いで、第二の繰り出しローラ13から、その表面に、積層体ユニット20、接着層10および中間シート19が積層された第二の支持シート4が繰り出され、接着層10の表面に付着した中間シート19が剥離されて、剥離ローラ14によって巻き取られる。
本実施態様においては、中間シート19として、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シート19が用いられているから、中間シート19を接着層10から、所望のように、剥離させて、剥離ローラ14によって巻き取ることができる。
中間シート19が接着層10から剥離された積層体ユニット20を備えた第二の支持シート4は、第二の支持シート4が下方の加圧ローラ16に接触するように、一対の加圧ローラ15、16の間に供給され、一方、第二の繰り出しローラ13からの第二の支持シート4の繰り出しに同期して、第一の繰り出しローラ12から、表面に、積層すべき積層体ユニット20が形成された第一の支持シート1が繰り出され、第一の支持シート1が上方の加圧ローラ15に接触するように、一対の加圧ローラ15、16の間に供給される。
図36は、一対の加圧ローラ15、16の近傍の略拡大断面図である。
図35および図36に示された積層装置においては、一対の加圧ローラ15、16は、約40℃ないし約100℃の温度に保持され、一対の加圧ローラ15、16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
第一の支持シート1および第二の支持シート4の供給速度は、たとえば、2m/秒に設定される。
図36に示されるように、その表面に、積層すべき積層体ユニットが形成された第一の支持シート1は、第一の支持シート1に加えられる引張り力によって、第一の支持シート1が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、一対の加圧ローラ15、16間に供給され、中間シート19が接着層10から剥離された積層体ユニット20を備えた第二の支持シート4は、第二の支持シート4が、下方の加圧ローラ16に接触し、接着層を介して、セラミックグリーンシート2が、第一の支持シート1上に形成された積層体ユニット20の剥離層5の表面に接触するように、略水平方向に、一対の加圧ローラ15、16間に供給される。
その結果、第二の支持シート4上に形成された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を介して、第一の支持シート1上に形成された積層体ユニット20の剥離層5が接着されて、第二の支持シート4上に形成された積層体ユニット20上に、第一の支持シート1上に形成された積層体ユニット20が積層され、その一方で、図36に示されるように、第一の支持シート1は、一対の加圧ローラ17、18の間から、斜め上方に向けて、搬送されるから、第一の支持シート1が、第二の支持シート4上に形成された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に接着した積層体ユニット20から剥離される。
積層体ユニット20から剥離された第一の支持シート1は、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られ、一方、接着層10を介して、2つの積層体ユニット20が積層された積層体ユニットセットが、その表面に形成された第二の支持シート4は、第二の巻き取りローラ18によって巻き取られる。
本実施態様においては、接着層10を、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写した後に、接着層10の表面に、中間シート19を付着させるように構成されているから、その表面に、積層体ユニット20、接着層10および中間シート19が積層された第二の支持シート4を、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取っても、接着層10が、第二の支持シート4の表面に付着することがなく、したがって、積層体ユニット20を積層する積層装置を、第二の支持シート4の表面に形成された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を転写するための転写装置と並列的に配置することができるから、製造ラインが徒に長くなることを防止することが可能になる。
次いで、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着層シート11の接着層10を転写したのと全く同様にして、第二の支持シート4の表面に形成された積層体ユニットセットのセラミックグリーンシート2の表面に、接着層シート11の接着層10が転写される。
図37は、第二の支持シート4の表面に形成された積層体ユニットセットのセラミックグリーンシート2の表面に、接着層シート11の接着層10を転写する転写装置の略断面図である。
図37に示されるように、第二の支持シート4の表面に形成された積層体ユニットセットのセラミックグリーンシート2の表面に、接着層シート11の接着層10を転写する転写装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、剥離ローラ14と、一対の加圧ローラ15、16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ19aとを備え、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置、図9に示された転写装置、図21に示された転写装置、図23に示された転写装置、図25に示された転写装置、図33に示された転写装置および図35に示された積層装置と同一の構成を有している。
第二の支持シート4の表面に形成された積層体ユニットセットのセラミックグリーンシート2の表面に、接着層シート11の接着層10を転写するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12として、接着シート11が巻回されたローラが転写装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、表面に、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットが形成された第二の支持シート4が巻回された第二の巻き取りローラ18がセットされる。
次いで、第一の繰り出しローラ12から、接着シート11が繰り出され、一対の加圧ローラ15、16の間に、供給される。
第一の繰り出しローラ12からの接着シート11の繰り出しに同期して、第二の繰り出しローラ13から、表面に、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットが形成された第二の支持シート4が繰り出され、一対の加圧ローラ15、16の間に、供給される。
図38は、一対の加圧ローラ15、16の近傍の略拡大断面図である。
一対の加圧ローラ15、16は、約40℃ないし約100℃の温度に保持され、一対の加圧ローラ15、16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
第二の支持シート4および第三の支持シート9の供給速度は、たとえば、2m/秒に設定される。
図38に示されるように、接着層10が形成された第三の支持シート9は、第三の支持シート9に加えられる引張り力によって、第三の支持シート9が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、一対の加圧ローラ15、16間に供給され、その表面に、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットが形成された第二の支持シート4は、第二の支持シート4が、下方の加圧ローラ16に接触し、表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面が、第三の支持シート9上に形成された接着層10の表面に接触するように、略水平方向に、一対の加圧ローラ15、16間に供給される。
その結果、第三の支持シート9上に形成された接着層10が、表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に接着される。
一方、図38に示されるように、接着層10が形成された第三の支持シート9は、一対の加圧ローラ15、16の間から、斜め上方に向けて、搬送され、したがって、第三の支持シート9が、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に接着した接着層10から剥離されて、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られる。
第三の支持シート9上に形成された接着層10が、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に接着され、第三の支持シート9が接着層10から剥離された後、中間シート繰り出しローラ19aから、中間シート19が繰り出されて、接着層10の表面に付着され、次いで、第二の支持シート4が、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取られる。
さらに、第二の支持シート4上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットのセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を介して、図25に示される転写装置によって作製された新たに積層されるべき積層体ユニット20の剥離層5が接着されて、3つの積層体ユニット20が積層された積層体ユニットセットが、第二の支持シート4上に形成される。
図39は、第二の支持シート4上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットのセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を介して、図25に示される転写装置によって作製された新たに積層されるべき積層体ユニット20を積層する積層装置の略断面図である。
図39に示されるように、第二の支持シート4上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットのセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を介して、図25に示される転写装置によって作製された新たに積層されるべき積層体ユニット20を積層する積層装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、剥離ローラ14と、一対の加圧ローラ15、16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ19aとを備え、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置、図9に示された転写装置、図21に示された転写装置、図23に示された転写装置、図25に示された転写装置、図33に示された転写装置、図35に示された積層装置および図37に示された転写装置と同一の構成を有している。
第二の支持シート4上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットのセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を介して、図25に示される転写装置によって作製された積層体ユニット20を積層するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12として、図25に示される転写装置によって作製された積層すべき積層体ユニット20を備えた第一の支持シート1が巻回されたローラが、積層装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、その表面に、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセット、接着層10および中間シート19が積層された第二の支持シート4が巻回されたローラが、積層装置にセットされる。
次いで、第二の繰り出しローラ13から、その表面に、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセット、接着層10および中間シート19が積層された第二の支持シート4が繰り出され、接着層10の表面に付着した中間シート19が剥離されて、剥離ローラ14によって巻き取られる。
本実施態様においては、中間シート19として、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シート19が用いられているから、中間シート19を接着層10から、所望のように、剥離させて、剥離ローラ14によって巻き取ることができる。
中間シート19が接着層10から剥離された第二の支持シート4は、第二の支持シート4が下方の加圧ローラ16に接触するように、一対の加圧ローラ15、16の間に供給され、一方、第二の繰り出しローラ13からの第二の支持シート4の繰り出しに同期して、第一の繰り出しローラ12から、表面に、積層すべき積層体ユニット20が形成された第一の支持シート1が繰り出され、第一の支持シート1が上方の加圧ローラ15に接触するように、一対の加圧ローラ15、16の間に供給される。
図40は、一対の加圧ローラ15、16の近傍の略拡大断面図である。
一対の加圧ローラ15、16は、約40℃ないし約100℃の温度に保持され、一対の加圧ローラ15、16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
第一の支持シート1および第二の支持シート4の供給速度は、たとえば、2m/秒に設定される。
図40に示されるように、その表面に、積層すべき積層体ユニットが形成された第一の支持シート1は、第一の支持シート1に加えられる引張り力によって、第一の支持シート1が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、一対の加圧ローラ15、16間に供給され、表面に接着層10を備えた積層体ユニットセットが形成された第二の支持シート4は、第二の支持シート4が、下方の加圧ローラ16に接触し、接着層を介して、表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2が、第一の支持シート1上に形成された積層体ユニット20の剥離層5の表面に接触するように、略水平方向に、一対の加圧ローラ15、16間に供給される。
その結果、第二の支持シート4上に形成された表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を介して、第一の支持シート1上に形成された積層体ユニット20の剥離層5が接着され、積層体ユニットセットに、第一の支持シート1上に形成された積層体ユニット20が積層され、その一方で、図40に示されるように、第一の支持シート1は、一対の加圧ローラ17、18の間から、斜め上方に向けて、搬送されるから、第一の支持シート1が、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に接着した積層体ユニット20から剥離される。
積層体ユニット20から剥離された第一の支持シート1は、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られ、一方、接着層10を介して、積層された3つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットが、その表面に形成された第二の支持シート4は、第二の巻き取りローラ18によって巻き取られる。
本実施態様においては、接着層10を、積層体ユニットセットのセラミックグリーンシート2の表面に転写した後に、接着層10の表面に、中間シート19を付着させるように構成されているから、その表面に、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセット、接着層10および中間シート19が積層された第二の支持シート4を、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取っても、接着層10が、第二の支持シート4の表面に付着することがなく、したがって、積層体ユニット20を積層して、積層体ユニットセットを作製する積層装置を、第二の支持シート4の表面に形成された積層体ユニットセットのセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を転写するための転写装置と並列的に配置することができるから、製造ラインが徒に長くなることを防止することが可能になる。
次いで、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着層シート11の接着層10を転写したのと全く同様にして、積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着層シート11の接着層10が転写される。
さらに、第二の支持シート4上に形成された積層体ユニットセット上への積層体ユニット20の積層および積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面への接着層10の転写が繰り返され、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットが、第二の支持シート4上に形成されると、積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10が転写された後、裁断装置(図示せず)によって、第二の支持シート4および積層体ユニットセットが、所定のサイズに裁断され、積層体ブロック40が形成される。
こうして形成された積層体ブロック40は、多数の孔26が形成された基板25上に固定された支持体28上にセットされ、図17ないし図20と全く同様にして、積層セラミックコンデンサの外層上に、所定の数の積層体ユニット20が積層されて、積層体が形成される。
次いで、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体が、所定のサイズに裁断されて、多数のセラミックグリーンチップが作製される。
こうして作製されたセラミックグリーンチップは、還元ガス雰囲気下に置かれて、バインダが除去され、さらに、焼成される。
次いで、焼成されたセラミックグリーンチップに、必要な外部電極などが取り付けられて、積層セラミックコンデンサが作製される。
本実施態様によれば、長尺状の第二の支持シート4上に、積層体ユニット20を次々に積層して、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットを作製し、その後に、積層体ユニットセットを所定のサイズに裁断して、積層体ブロック40を作成しているから、所定のサイズに裁断された積層体ユニット20を1つづつ、積層して、積層体ブロック40を作製する場合に比して、積層体ユニット20の製造効率を大幅に向上させることが可能になる。
また、本実施態様によれば、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を転写した後、接着層10の表面に、中間シート19を付着させているから、表面に、接着層10が転写された積層体ユニット20を含む第二の支持シート4を、第二の巻き取りローラ18によって巻き取っても、接着層10が第二の支持シート4に接着することがなく、したがって、積層体ユニット20を積層する積層装置を、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を転写する転写装置を並列的に配置することができるから、製造ラインが徒に長くなることを防止することが可能になる。
さらに、図33、図35、図37および図39に示されるように、第三の支持シート9上に形成された接着層10を、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写する転写装置および積層体ユニット20を積層する積層装置は、同一の構成を有しているから、第三の支持シート9上に形成された接着層10を、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に転写するステップおよび積層体ユニット20を積層するステップを、一つの転写装置を用いて、実行することができ、したがって、製造設備のスペースを大幅に縮小させることが可能になる。
また、本実施態様によれば、中間シート19として、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シート19が用いられているから、エアが、接着層10と中間シート19との間の空間から、速やかに排出され、エアが、接着層10と中間シート19との間に保持されることがなく、したがって、接着層10に付着した中間シート19に皺が生じたり、第二の巻き取りローラ18によって、その表面に、積層体ユニット20、接着層10および中間シート19が積層された長尺状の第二の支持シート4あるいはその表面に、積層体ユニットセット、接着層10および中間シート19が積層された長尺状の第二の支持シート4を巻き取る際に、第二の支持シート4が蛇行することを効果的に防止することができる。
さらに、本実施態様によれば、中間シート19として、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シート19が用いられているから、中間シート19を接着層10から、所望のように、剥離させて、剥離ローラ14によって巻き取ることができる。
図41は、本発明のさらに他の好ましい実施態様にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法に用いられる転写装置の略断面図である。
本実施態様にかかる転写装置は、図25に示された転写装置によって作製され、第一の支持シート1の表面に、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5が積層された積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着シート11の接着層10を転写し、積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写された接着層10に、中間シートを付着させて、巻き取るように構成されている。
図41に示されるように、図25に示された転写装置によって作製された積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着シート11の接着層10を転写する本実施態様にかかる転写装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、剥離ローラ14と、一対の加圧ローラ15、16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ19aとを備え、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置、図9に示された転写装置、図21に示された転写装置、図23に示された転写装置、図25に示された転写装置、図33に示された転写装置、図35に示された積層装置、図37に示された転写装置および図39に示された積層装置と同一の構成を有している。
第一の支持シート1の表面に、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5が積層された積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着シート11の接着層10を転写するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12として、接着シート11が巻回されたローラが転写装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、表面に、積層体ユニット20が形成された第一の支持シート1が巻回されたローラがセットされる。
さらに、中間シート19が巻回された中間シート繰り出しローラ19aが転写装置にセットされる。
中間シート19は、積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写された接着層10の表面に付着され、接着層10が剥離層5の表面に転写された積層体ユニット20を備えた第一の支持シート1を、第二の巻き取りローラ18によって巻き取った際に、接着層11が第一の支持シート1の表面に接着することを防止するものである。
中間シート19としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどを用いることができるが、本実施態様においては、中間シート19として、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シートが用いられる。
このように、接着層10の表面に付着させる中間シート19として、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シート19を用いるときは、エアが、接着層10と中間シート19との間の空間から、速やかに排出され、エアが、接着層10と中間シート19との間に保持されることがなく、したがって、接着層10に付着した中間シート19に皺が生じたり、その表面に、積層体ユニット20、接着層10および中間シート19が積層された長尺状の第一の支持シート1を巻き取る際に、第一の支持シート1が蛇行することを効果的に防止することができる。
好ましくは、中間シート19は、第三の支持シート9を同じ材料によって形成され、中間シート19の接着層10に付着されるべき表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、第三の支持シート9と同じ表面処理が施されている。
次いで、第一の繰り出しローラ12から、接着シート11が繰り出されて、一対の加圧ローラ15、16の間に供給され、第一の繰り出しローラ12からの接着シート11の繰り出しに同期して、第二の繰り出しローラ13から、表面に、積層体ユニット20が形成された第一の支持シート1が繰り出されて、一対の加圧ローラ15、16の間に供給される。
接着層10を、積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写する場合には、剥離ローラ14は駆動されない。
図42は、一対の加圧ローラ15、16の近傍の略拡大断面図である。
一対の加圧ローラ15、16は、約40℃ないし約100℃の温度に保持され、一対の加圧ローラ15、16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
第一の支持シート1および第三の支持シート9の供給速度は、たとえば、2m/秒に設定される。
図42に示されるように、接着層10が形成された第三の支持シート9は、第三の支持シート9に加えられる引張り力によって、第三の支持シート9が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、一対の加圧ローラ15、16間に供給され、その表面に、積層体ユニット20が形成された第一の支持シート1は、第一の支持シート1が、下方の加圧ローラ16に接触し、積層体ユニット20の剥離層5が、第三の支持シート9上に形成された接着層10の表面に接触するように、略水平方向に、一対の加圧ローラ15、16間に供給される。
その結果、第三の支持シート9上に形成された接着層10が、積層体ユニット20の剥離層5の表面に接着される。
図42に示されるように、接着層10が形成された第三の支持シート9は、一対の加圧ローラ15、16の間から、斜め上方に向けて、搬送され、したがって、第三の支持シート9が、剥離層5の表面に接着した接着層10から剥離される。
接着層10から、第三の支持シート9を剥離する際、静電気が発生し、塵埃が付着したり、接着層が、第三の支持シートに引き付けられ、所望のように、第三の支持シートを、接着層から剥離することが困難になることがあるが、本実施態様においては、接着層10が、バインダに対して、0.01重量%ないし15重量%のイミダゾリン系界面活性剤を含んでいるから、静電気の発生を効果的に防止することが可能になる。
こうして、積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着層10が接着され、接着層10から、第三の支持シート9が剥離されると、図42に示されるように、中間シート繰り出しローラ19aから、中間シート19が繰り出されて、中間シート19が、接着層10の表面に付着され、その表面に、積層体ユニット20、接着層10および中間シート19が積層された第一の支持シート1が、第二の巻き取りローラ18によって巻き取られる。
本実施態様においては、中間シート19として、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シート19が用いられているから、エアが、接着層10と中間シート19との間の空間から、速やかに排出され、エアが、接着層10と中間シート19との間に保持されることがなく、したがって、接着層10に付着した中間シート19に皺が生じたり、第二の巻き取りローラ18によって、その表面に、積層体ユニット20、接着層10および中間シート19が積層された長尺状の第一の支持シート1を巻き取る際に、第一の支持シート1が蛇行することを効果的に防止することができる。
このように、本実施態様においては、接着層10の表面に、中間シート19が付着された後に、その表面に、積層体ユニット20、接着層10および中間シート19が積層された第一の支持シート1が、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取られるように構成されているから、接着層10が積層体ユニット20の第一の支持シート1に接着することがない。
次いで、積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写された接着層10に、図7に示される転写装置によって作製され、第二の支持シート4上に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2が形成された別の積層体ユニット20が接着されて、2つの積層体ユニット20が積層される。
図43は、積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写された接着層10に、第二の支持シート4上に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2が形成された別の積層体ユニット20を接着して、2つの積層体ユニット20を積層し、複数の積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットを作製する積層装置の略断面図である。
図43に示されるように、積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写された接着層10に、第二の支持シート4上に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2が形成された別の積層体ユニット20を接着して、2つの積層体ユニット20を積層し、複数の積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットを作製する積層装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、剥離ローラ14と、一対の加圧ローラ15、16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ19aとを備え、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置、図9に示された転写装置、図21に示された転写装置、図23に示された転写装置、図25に示された転写装置、図33に示された転写装置、図35に示された積層装置、図37に示された転写装置、図39に示された積層装置および図41に示された転写装置と同一の構成を有している。
積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写された接着層10に、第二の支持シート4上に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2が形成された別の積層体ユニット20を接着して、2つの積層体ユニット20を積層し、複数の積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットを作製するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12として、図7に示される転写装置によって作製され、第二の支持シート4上に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2が積層されて形成された新たに積層すべき積層体ユニット20を備えた第二の支持シート4が巻回されたローラが、積層装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、その表面に、積層体ユニット20、接着層10および中間シート19が積層された第一の支持シート1が巻回されたローラが、積層装置にセットされる。
次いで、第二の繰り出しローラ13から、その表面に、積層体ユニット20、接着層10および中間シート19が積層された第一の支持シート1が繰り出され、接着層10の表面に付着した中間シート19が剥離されて、剥離ローラ14によって巻き取られる。
本実施態様においては、中間シート19として、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シート19が用いられているから、中間シート19を接着層10から、所望のように、剥離させて、剥離ローラ14によって巻き取ることができる。
中間シート19が接着層10から剥離された積層体ユニット20を備えた第一の支持シート1は、第一の支持シート1が下方の加圧ローラ16に接触するように、一対の加圧ローラ15、16の間に供給され、一方、第二の繰り出しローラ13からの第一の支持シート1の繰り出しに同期して、第一の繰り出しローラ12から、表面に、積層すべき積層体ユニット20が形成された第二の支持シート4が繰り出され、第二の支持シート4が上方の加圧ローラ15に接触するように、一対の加圧ローラ15、16の間に供給される。
図44は、一対の加圧ローラ15、16の近傍の略拡大断面図である。
一対の加圧ローラ15、16は、約40℃ないし約100℃の温度に保持され、一対の加圧ローラ15、16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
第一の支持シート1および第二の支持シート4の供給速度は、たとえば、2m/秒に設定される。
図44に示されるように、その表面に、積層すべき積層体ユニットが形成された第二の支持シート4は、第二の支持シート4に加えられる引張り力によって、第二の支持シート4が上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、一対の加圧ローラ15、16間に供給され、中間シート19が接着層10から剥離された積層体ユニット20を備えた第一の支持シート1は、第一の支持シート1が、下方の加圧ローラ16に接触し、接着層を介して、剥離層5が、第二の支持シート2上に形成された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に接触するように、略水平方向に、一対の加圧ローラ15、16間に供給される。
その結果、第一の支持シート1上に形成された積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着層10を介して、第二の支持シート4上に形成された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2が接着されて、第一の支持シート1上に形成された積層体ユニット20上に、第二の支持シート4上に形成された積層体ユニット20が積層され、その一方で、図44に示されるように、第二の支持シート4は、一対の加圧ローラ17、18の間から、斜め上方に向けて、搬送されるから、第二の支持シート4が、第一の支持シート1上に形成された積層体ユニット20の剥離層5の表面に接着した積層体ユニット20から剥離される。
積層体ユニット20から剥離された第二の支持シート4は、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られ、一方、接着層10を介して、2つの積層体ユニット20が積層された積層体ユニットセットが、その表面に形成された第一の支持シート1は、第二の巻き取りローラ18によって巻き取られる。
本実施態様においては、接着層10を、積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写した後に、接着層10の表面に、中間シート19を付着させるように構成されているから、その表面に、積層体ユニット20、接着層10および中間シート19が積層された第一の支持シート1を、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取っても、接着層10が、第一の支持シート1の表面に付着することがなく、したがって、積層体ユニット20を積層する積層装置を、第一の支持シート1の表面に形成された積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着層10を転写するための転写装置と並列的に配置することができるから、製造ラインが徒に長くなることを防止することが可能になる。
次いで、積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着層シート11の接着層10を転写したのと全く同様にして、第一の支持シート1の表面に形成された積層体ユニットセットの剥離層5の表面に、接着層シート11の接着層10が転写される。
図45は、第一の支持シート1の表面に形成された積層体ユニットセットの剥離層5の表面に、接着層シート11の接着層10を転写する転写装置の略断面図である。
図45に示されるように、第一の支持シート1の表面に形成された積層体ユニットセットの剥離層5の表面に、接着層シート11の接着層10を転写する転写装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、剥離ローラ14と、一対の加圧ローラ15、16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ19aとを備え、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置、図9に示された転写装置、図21に示された転写装置、図23に示された転写装置、図25に示された転写装置、図33に示された転写装置、図35に示された積層装置、図37に示された転写装置、図39に示された積層装置、図41に示された転写装置および図43に示された転写装置と同一の構成を有している。
第一の支持シート1の表面に形成された積層体ユニットセットの剥離層5の表面に、接着層シート11の接着層10を転写するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12として、接着シート11が巻回されたローラが転写装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、、表面に、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットが形成された第一の支持シート1が巻回された第二の巻き取りローラ18がセットされる。
次いで、第一の繰り出しローラ12から、接着シート11が繰り出され、一対の加圧ローラ15、16の間に、供給される。
第一の繰り出しローラ12からの接着シート11の繰り出しに同期して、第二の繰り出しローラ13から、表面に、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットが形成された第一の支持シート1が繰り出され、一対の加圧ローラ15、16の間に、供給される。
図46は、一対の加圧ローラ15、16の近傍の略拡大断面図である。
一対の加圧ローラ15、16は、約40℃ないし約100℃の温度に保持され、一対の加圧ローラ15、16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
第一の支持シート1および第三の支持シート9の供給速度は、たとえば、2m/秒に設定される。
図46に示されるように、接着層10が形成された第三の支持シート9は、第三の支持シート9に加えられる引張り力によって、第三の支持シート9が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、一対の加圧ローラ15、16間に供給され、その表面に、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットが形成された第一の支持シート1は、第一の支持シート1が、下方の加圧ローラ16に接触し、表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面が、第三の支持シート9上に形成された接着層10の表面に接触するように、略水平方向に、一対の加圧ローラ15、16間に供給される。
その結果、第三の支持シート9上に形成された接着層10が、表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面に接着される。
一方、図46に示されるように、接着層10が形成された第三の支持シート9は、一対の加圧ローラ15、16の間から、斜め上方に向けて、搬送され、したがって、第三の支持シート9が、積層体ユニット20の剥離層5の表面に接着した接着層10から剥離されて、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られる。
第三の支持シート9上に形成された接着層10が、積層体ユニット20の剥離層5の表面に接着され、第三の支持シート9が接着層10から剥離された後、中間シート繰り出しローラ19aから、中間シート19が繰り出されて、接着層10の表面に付着され、次いで、第一の支持シート1が、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取られる。
さらに、第一の支持シート1上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットの剥離層5の表面に、接着層10を介して、図7に示される転写装置によって作製された新たに積層されるべき積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2が接着されて、3つの積層体ユニット20が積層された積層体ユニットセットが、第一の支持シート1上に形成される。
図47は、第一の支持シート1上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットの剥離層5の表面に、接着層10を介して、図7に示される転写装置によって作製された新たに積層されるべき積層体ユニット20を積層する積層装置の略断面図である。
図47示されるように、第一の支持シート1上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットの剥離層5の表面に、接着層10を介して、図7に示される転写装置によって作製された新たに積層されるべき積層体ユニット20を積層する積層装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、剥離ローラ14と、一対の加圧ローラ15、16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ19aとを備え、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置、図9に示された転写装置、図21に示された転写装置、図23に示された転写装置、図25に示された転写装置、図33に示された転写装置、図35に示された積層装置、図37に示された転写装置、図39に示された積層装置、図41に示された転写装置、図43に示された転写装置および図45に示された転写装置と同一の構成を有している。
第一の支持シート1上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットの剥離層5の表面に、接着層10を介して、図7に示される転写装置によって作製された新たに積層されるべき積層体ユニット20を積層するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12として、図7に示される転写装置によって作製された積層すべき積層体ユニット20を備えた第二の支持シート4が巻回されたローラが、積層装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、その表面に、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセット、接着層10および中間シート19が積層された第一の支持シート1が巻回されたローラが、積層装置にセットされる。
次いで、第二の繰り出しローラ13から、その表面に、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセット、接着層10および中間シート19が積層された第一の支持シート1が繰り出され、接着層10の表面に付着した中間シート19が剥離されて、剥離ローラ14によって巻き取られる。
本実施態様においては、中間シート19として、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シート19が用いられているから、中間シート19を接着層10から、所望のように、剥離させて、剥離ローラ14によって巻き取ることができる。
中間シート19が接着層10から剥離された第一の支持シート1は、第一の支持シート1が下方の加圧ローラ16に接触するように、一対の加圧ローラ15、16の間に供給され、一方、第二の繰り出しローラ13からの第一の支持シート1の繰り出しに同期して、第一の繰り出しローラ12から、表面に、積層すべき積層体ユニット20が形成された第二の支持シート4が繰り出され、第二の支持シート4が上方の加圧ローラ15に接触するように、一対の加圧ローラ15、16の間に供給される。
図48は、一対の加圧ローラ15、16の近傍の略拡大断面図である。
一対の加圧ローラ15、16は、約40℃ないし約100℃の温度に保持され、一対の加圧ローラ15、16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
第一の支持シート1および第二の支持シート4の供給速度は、たとえば、2m/秒に設定される。
図48に示されるように、その表面に、積層すべき積層体ユニットが形成された第二の支持シート4は、第二の支持シート4に加えられる引張り力によって、第二の支持シート4が上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、一対の加圧ローラ15、16間に供給され、表面に接着層10を備えた積層体ユニットセットが形成された第一の支持シート1は、第一の支持シート1が、下方の加圧ローラ16に接触し、接着層を介して、表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5が、第二の支持シート4上に形成された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に接触するように、略水平方向に、一対の加圧ローラ15、16間に供給される。
その結果、第一の支持シート1上に形成された表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着層10を介して、第二の支持シート4上に形成された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2が接着され、積層体ユニットセットに、第二の支持シート4上に形成された積層体ユニット20が積層され、その一方で、図48に示されるように、第二の支持シート4は、一対の加圧ローラ17、18の間から、斜め上方に向けて、搬送されるから、第二の支持シート4が、積層体ユニット20の剥離層5の表面に接着した積層体ユニット20から剥離される。
積層体ユニット20から剥離された第二の支持シート4は、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られ、一方、接着層10を介して、積層された3つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットが、その表面に形成された第一の支持シート1は、第二の巻き取りローラ18によって巻き取られる。
本実施態様においては、接着層10を、積層体ユニットセットの剥離層5の表面に転写した後に、接着層10の表面に、中間シート19を付着させるように構成されているから、その表面に、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセット、接着層10および中間シート19が積層された第一の支持シート1を、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取っても、接着層10が、第一の支持シート1の表面に付着することがなく、したがって、積層体ユニット20を積層して、積層体ユニットセットを作製する積層装置を、第一の支持シート1の表面に形成された積層体ユニットセットの剥離層5の表面に、接着層10を転写するための転写装置と並列的に配置することができるから、製造ラインが徒に長くなることを防止することが可能になる。
次いで、積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着層シート11の接着層10を転写したのと全く同様にして、積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着層シート11の接着層10が転写される。
さらに、第一の支持シート1上に形成された積層体ユニットセット上への積層体ユニット20の積層および積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面への接着層10の転写が繰り返され、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットが、第一の支持シート1上に形成されると、積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着層10が転写された後、裁断装置(図示せず)によって、第一の支持シート1および積層体ユニットセットが、所定のサイズに裁断され、積層体ブロック40が形成される。
こうして形成された積層体ブロック40は、多数の孔26が形成された基板25上に固定された支持体28上にセットされ、図17ないし図20と全く同様にして、積層セラミックコンデンサの外層上に、所定の数の積層体ユニット20が積層されて、積層体が形成される。
次いで、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体が、所定のサイズに裁断されて、多数のセラミックグリーンチップが作製される。
こうして作製されたセラミックグリーンチップは、還元ガス雰囲気下に置かれて、バインダが除去され、さらに、焼成される。
次いで、焼成されたセラミックグリーンチップに、必要な外部電極などが取り付けられて、積層セラミックコンデンサが作製される。
本実施態様によれば、長尺状の第一の支持シート1上に、積層体ユニット20を次々に積層して、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットを作製し、その後に、積層体ユニットセットを所定のサイズに裁断して、積層体ブロック40を作成しているから、所定のサイズに裁断された積層体ユニット20を1つづつ、積層して、積層体ブロック40を作製する場合に比して、積層体ユニット20の製造効率を大幅に向上させることが可能になる。
また、本実施態様によれば、積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着層10を転写した後、接着層10の表面に、中間シート19を付着させているから、表面に、接着層10が転写された積層体ユニット20を含む第一の支持シート1を、第二の巻き取りローラ18によって巻き取っても、接着層10が第一の支持シート1に接着することがなく、したがって、積層体ユニット20を積層する積層装置を、積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着層10を転写する転写装置を並列的に配置することができるから、製造ラインが徒に長くなることを防止することが可能になる。
さらに、図41、図43、図45および図47に示されるように、第三の支持シート9上に形成された接着層10を、積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写する転写装置および積層体ユニット20を積層する積層装置は、同一の構成を有しているから、第三の支持シート9上に形成された接着層10を、積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写するステップおよび積層体ユニット20を積層するステップを、一つの転写装置を用いて、実行することができ、したがって、製造設備のスペースを大幅に縮小させることが可能になる。
また、本実施態様によれば、中間シート19として、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シート19が用いられているから、エアが、接着層10と中間シート19との間の空間から、速やかに排出され、エアが、接着層10と中間シート19との間に保持されることがなく、したがって、接着層10に付着した中間シート19に皺が生じたり、第二の巻き取りローラ18によって、その表面に、積層体ユニット20、接着層10および中間シート19が積層された長尺状の第一の支持シート1あるいはその表面に、積層体ユニットセット、接着層10および中間シート19が積層された長尺状の第一の支持シート1を巻き取る際に、第二の支持シート1が蛇行することを効果的に防止することができる。
さらに、本実施態様によれば、中間シート19として、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シート19が用いられているから、中間シート19を接着層10から、所望のように、剥離させて、剥離ローラ14によって巻き取ることができる。
以下、本発明の効果をより明瞭なものとするため、実施例を掲げる。
電極用のペーストの調製
100重量部の平均粒径が0.2μmのNi粒子に対して、以下の組成の溶液を加え、ボールミルによって、20時間にわたり、混合して、スラリーを得た。
100重量部の平均粒径が0.2μmのNi粒子に対して、以下の組成の溶液を加え、ボールミルによって、20時間にわたり、混合して、スラリーを得た。
BaTiO3粉末(堺化学工業株式会社製:商品名「BT−005」)
20重量部
有機ビヒクル 58重量部
フタル酸ビス(2エチルヘキシル) 50重量部
(DOP:可塑剤)
ターピネオール 5重量部
分散剤 1重量部
アセトン 45重量部
ここに、有機ビヒクルは、8重量部のポリビニルブチラール樹脂を、92重量部のターピネオールに溶解して、調製した。
20重量部
有機ビヒクル 58重量部
フタル酸ビス(2エチルヘキシル) 50重量部
(DOP:可塑剤)
ターピネオール 5重量部
分散剤 1重量部
アセトン 45重量部
ここに、有機ビヒクルは、8重量部のポリビニルブチラール樹脂を、92重量部のターピネオールに溶解して、調製した。
こうして得られたスラリーを、40℃で、加熱し、攪拌して、余剰のアセトンを揮発させ、電極層用のペーストを調製した。
スペーサ層用の誘電体ペーストの調製
セラミックグリーンシート用の誘電体ペーストを調製するのに用いた誘電体粉末100重量部に対して、以下の組成を有する溶液を加え、ボールミルを用いて、20時間にわたり、混合して、スラリーを得た。
セラミックグリーンシート用の誘電体ペーストを調製するのに用いた誘電体粉末100重量部に対して、以下の組成を有する溶液を加え、ボールミルを用いて、20時間にわたり、混合して、スラリーを得た。
有機ビヒクル 71重量部
フタル酸ビス(2エチルヘキシル) 50重量部
(DOP:可塑剤)
ターピネオール 5重量部
分散剤 1重量部
アセトン 64重量部
ここに、有機ビヒクルは、8重量部のポリビニルブチラール樹脂を、92重量部のターピネオールに溶解して、調製した。
フタル酸ビス(2エチルヘキシル) 50重量部
(DOP:可塑剤)
ターピネオール 5重量部
分散剤 1重量部
アセトン 64重量部
ここに、有機ビヒクルは、8重量部のポリビニルブチラール樹脂を、92重量部のターピネオールに溶解して、調製した。
こうして得られたスラリーを、40℃で、加熱し、攪拌して、余剰のアセトンを揮発させ、スペーサ層用のペーストを調製した。
剥離層用の誘電体ペーストの調製
以下の組成を有する誘電体粉末を調製した。
以下の組成を有する誘電体粉末を調製した。
BaTiO3粉末(堺化学工業株式会社製:商品名「BT−01」)
100重量部
MgCO3 0.72重量部
MnO 0.13重量部
(Ba0.6Ca0.4)SiO3 1.5重量部
Y2O3 1.0重量部
こうして調製した誘電体粉末100重量部に対して、以下の組成を有する有機ビヒクルを加え、ボールミルを用いて、20時間にわたって、混合し、誘電体ペーストを調製した。
100重量部
MgCO3 0.72重量部
MnO 0.13重量部
(Ba0.6Ca0.4)SiO3 1.5重量部
Y2O3 1.0重量部
こうして調製した誘電体粉末100重量部に対して、以下の組成を有する有機ビヒクルを加え、ボールミルを用いて、20時間にわたって、混合し、誘電体ペーストを調製した。
ポリビニルブチラール樹脂(バインダ) 6重量部
フタル酸ビス(2エチルヘキシル) 3重量部
(DOP:可塑剤)
エタノール 78重量部
n−プロパノール 78重量部
キシレン 14重量部
ミネラルスピリット 7重量部
分散剤 0.7重量部
こうして得られた誘電体ペーストを、エタノールと、プロパノールと、キシレンの混合溶液(混合比42.5:42.5:15)によって、希釈して、剥離層用の誘電体ペーストを調製した。
フタル酸ビス(2エチルヘキシル) 3重量部
(DOP:可塑剤)
エタノール 78重量部
n−プロパノール 78重量部
キシレン 14重量部
ミネラルスピリット 7重量部
分散剤 0.7重量部
こうして得られた誘電体ペーストを、エタノールと、プロパノールと、キシレンの混合溶液(混合比42.5:42.5:15)によって、希釈して、剥離層用の誘電体ペーストを調製した。
接着剤ペーストの調製
以下の組成を有する有機ビヒクルを調製し、得られた有機ビヒクルを、メチルエチルケトンによって、10倍に希釈して、接着剤用のペーストを調製した。
以下の組成を有する有機ビヒクルを調製し、得られた有機ビヒクルを、メチルエチルケトンによって、10倍に希釈して、接着剤用のペーストを調製した。
ポリビニルブチラール樹脂(バインダ) 100重量部
フタル酸ビス(2エチルヘキシル) 50重量部
(DOP:可塑剤)
メチルエチルケトン 900重量部
剥離層、電極層およびスペーサ層の形成
ワイヤーバーコーターを用いて、第一のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、剥離層用の誘電体ペーストを塗布し、乾燥させて、0.2μmの厚さの剥離層を形成した。
フタル酸ビス(2エチルヘキシル) 50重量部
(DOP:可塑剤)
メチルエチルケトン 900重量部
剥離層、電極層およびスペーサ層の形成
ワイヤーバーコーターを用いて、第一のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、剥離層用の誘電体ペーストを塗布し、乾燥させて、0.2μmの厚さの剥離層を形成した。
こうして形成された剥離層の表面に、スクリーン印刷法を用いて、所定のパターンで、電極層用のペーストを印刷し、1.0μmの厚さの電極層を形成した。
次いで、電極層が形成されていない剥離層の表面に、スクリーン印刷法を用いて、電極層と相補的なパターンで、スペーサ層用の誘電体ペーストを印刷して、0.8μmの厚さのスペーサ層を形成した。
接着層の形成
第二のポリエチレンテレフタレートフィルムの両表面に、シリコン樹脂を塗布して、剥離性改善処理を施した後、第二のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、ワイヤーバーコーターを用いて、接着剤ペーストを塗布し、0.1μmの厚さの接着層を形成した。
第二のポリエチレンテレフタレートフィルムの両表面に、シリコン樹脂を塗布して、剥離性改善処理を施した後、第二のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、ワイヤーバーコーターを用いて、接着剤ペーストを塗布し、0.1μmの厚さの接着層を形成した。
接着層の転写
図5および図6に示された転写装置を用いて、電極層およびスペーサ層の表面に、第二のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に形成された接着層を接着し、第二のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離して、電極層およびスペーサ層の表面に、接着層を転写した。
図5および図6に示された転写装置を用いて、電極層およびスペーサ層の表面に、第二のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に形成された接着層を接着し、第二のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離して、電極層およびスペーサ層の表面に、接着層を転写した。
一対の加圧ローラのニップ圧力は、1MPaで、温度は、50℃であった。
中間シートの付着
次いで、ガーレー透気度が1s/50mlの第三のポリエチレンテレフタレートフィルムを中間シートとして用いて、中間シートを、接着層の表面に付着させて、巻き取り、積層体サンプル#1を作製し、その表面を目視によって観察したところ、中間シートに皺の発生は認められなかった。
中間シートの付着
次いで、ガーレー透気度が1s/50mlの第三のポリエチレンテレフタレートフィルムを中間シートとして用いて、中間シートを、接着層の表面に付着させて、巻き取り、積層体サンプル#1を作製し、その表面を目視によって観察したところ、中間シートに皺の発生は認められなかった。
また、ガーレー透気度が3s/50mlの第三のポリエチレンテレフタレートフィルムを中間シートとして用いて、中間シートを、接着層の表面に付着させて、巻き取り、積層体サンプル#2を作製し、その表面を目視によって観察したところ、中間シートに皺の発生は認められなかった。
一方、ガーレー透気度が60s/50mlの第三のポリエチレンテレフタレートフィルムを中間シートとして用いて、中間シートを、接着層の表面に付着させて、巻き取り、積層体サンプル#3を作製し、その表面を目視によって観察したところ、中間シートに皺の発生は認められなかった。
さらに、ガーレー透気度が150s/50mlの第三のポリエチレンテレフタレートフィルムを中間シートとして用いて、中間シートを、接着層の表面に付着させて、巻き取り、積層体サンプル#3を作製し、その表面を目視によって観察したところ、中間シートに皺の発生は認められなかった。
これに対して、ガーレー透気度が12000s/50mlの第三のポリエチレンテレフタレートフィルムを中間シートとして用いて、中間シートを、接着層の表面に付着させて、巻き取り、積層体比較サンプルを作製し、その表面を目視によって観察したところ、中間シートに皺の発生が認められた。
これは、積層体サンプル#1、#2および#3においては、中間シートのガーレー透気度が10000s/50ml未満であったため、エアが、接着層と中間シートとの間の空間から、速やかに排出されて、エアが、接着層10と中間シート19との間に保持されなかったのに対して、積層体比較サンプルにおいては、中間シートのガーレー透気度が12000s/50mlで、エアの通気性が低く、その結果、接着層と中間シートとの間の空間から、エアが排出されずに、接着層10と中間シート19との間にとどまったためと考えられる。
したがって、電極層およびスペーサ層の表面に転写された接着層の表面に、中間シートを付着させて、巻き取る場合に、中間シートに皺が発生することを防止するためには、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シートを用いる必要があることが判明した。
本発明は、以上の実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
たとえば、前記実施態様においては、接着層10が、バインダの0.01重量%ないし15重量%のイミダゾリン系界面活性剤を含んでいるが、接着層10が、バインダの0.01重量%ないし15重量%のイミダゾリン系界面活性剤を含んでいることは必ずしも必要でない。本発明において、接着層10のための帯電防止剤として、イミダゾリン系界面活性剤を用いることが最も好ましいが、ポリアルキレングリコール誘導体系界面活性剤、カルボン酸アミジン塩系界面活性剤などの他の両性界面活性剤も、接着層10のための帯電防止剤として、好ましく用いることができ、さらに、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、2−3ブタンジオール、グリセリンなどを、接着層10のための帯電防止剤として、用いることもできる。
また、前記実施態様においては、接着剤溶液中に、イミダゾリン系界面活性剤を添加しているが、接着剤溶液中に、イミダゾリン系界面活性剤などの帯電防止剤を添加することは必ずしも必要でない。
さらに、前記実施態様においては、剥離層5の表面に、電極層6およびスペーサ層7を、ts/te=1.1となるように形成している(tsはスペーサ層7の厚さであり、teは電極層6の厚さである。)が、0.7≦ts/te≦1.3となるように、好ましくは、0.8≦ts/te≦1.1、さらに好ましくは、0.9≦ts/te≦1.1となるように、電極層6およびスペーサ層7を形成すればよく、電極層6およびスペーサ層7を、ts/te=1.1となるように形成することは必ずしも必要でない。
1 第一の支持シート
2 セラミックグリーンシート
3 第二の支持シート
5 剥離層
6 電極層
7 スペーサ層
9 第三の支持シート
10 接着層
11 接着層シート
12 中間シート
13 ローラ
14 ローラ
15、16 加圧ローラ
17、18 加圧ローラ
19 剥離ローラ
20 積層体ユニット
25 基板
26 孔
28 支持体
30 基台
31 孔
32 接着層
33 積層セラミックコンデンサの外層
40 積層体ブロック
2 セラミックグリーンシート
3 第二の支持シート
5 剥離層
6 電極層
7 スペーサ層
9 第三の支持シート
10 接着層
11 接着層シート
12 中間シート
13 ローラ
14 ローラ
15、16 加圧ローラ
17、18 加圧ローラ
19 剥離ローラ
20 積層体ユニット
25 基板
26 孔
28 支持体
30 基台
31 孔
32 接着層
33 積層セラミックコンデンサの外層
40 積層体ブロック
Claims (15)
- 第一の支持シートの表面に、セラミックグリーンシートを形成する工程と、第二の支持シートの表面に、剥離層を形成する工程と、前記剥離層の表面に、所定のパターンで、電極層を形成するとともに、前記電極層と相補的なパターンで、スペーサ層を形成する工程と、第三の支持シートの表面に、接着層を形成する工程と、前記第三の支持シート上に形成された前記接着層の表面と、前記電極層および前記スペーサ層の表面とを密着させて、加圧し、前記接着層を、前記電極層および前記スペーサ層の表面に転写する工程と、前記接着層から、前記第三の支持シートを剥離する工程と、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シートを、前記接着層の表面に付着させる工程と、前記第二の支持シートの表面に、前記剥離層、前記電極層、前記スペーサ層、前記接着層および前記中間シートが積層された積層体を巻き取り、積層体ロールを形成する工程と、前記積層体ロールから、前記積層体を繰り出す工程と、前記積層体ロールから繰り出された前記積層体の前記接着層から、前記中間シートを剥離する工程と、前記第一の支持シートの表面に形成された前記セラミックグリーンシートの表面と、前記積層体の前記接着層の表面とを密着させて、加圧し、接着させる工程と、前記セラミックグリーンシートから、前記第一の支持シートを剥離して、前記電極層および前記スペーサ層とが積層された積層体ユニットを作製する工程を含むことを特徴とする積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法。
- 第一の支持シートの表面に、セラミックグリーンシートを形成する工程と、第二の支持シートの表面に、剥離層を形成する工程と、前記剥離層の表面に、所定のパターンで、電極層を形成するとともに、前記電極層と相補的なパターンで、スペーサ層を形成する工程と、第三の支持シートの表面に、接着層を形成する工程と、前記第三の支持シート上に形成された前記接着層の表面と、前記第一の支持シートの表面に形成されたセラミックグリーンシートの表面とを密着させて、加圧し、前記接着層を、前記セラミックグリーンシートの表面に転写する工程と、前記接着層から、前記第三の支持シートを剥離する工程と、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シートを、前記接着層の表面に付着させる工程と、前記第一の支持シートの表面に、前記セラミックグリーンシート、前記接着層および前記中間シートが積層された積層体を巻き取り、積層体ロールを形成する工程と、前記積層体ロールから、前記積層体を繰り出す工程と、前記積層体ロールから繰り出された前記積層体の前記接着層から、前記中間シートを剥離する工程と、前記第二の支持シートの表面に形成された前記電極層および前記スペーサ層の表面と、前記積層体の前記接着層の表面とを密着させて、加圧し、接着させる工程と、前記剥離層から、前記第二の支持シートを剥離して、前記セラミックグリーンシートと、前記電極層および前記スペーサ層とが積層された積層体ユニットを作製する工程を含むことを特徴とする積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法。
- 前記第三の支持シートの前記接着層が形成されるべき表面に、剥離性を改善するための表面処理を施し、前記中間シートの前記接着層に付着されるべき表面に、前記第三の支持シートの表面に施されたのと同等の表面処理を施すことを特徴とする請求項1または2に記載の積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法。
- 前記第三の支持シートの前記接着層が形成されるべき表面に、シリコン樹脂またはアルキド樹脂をコーティングして、剥離性を改善するための表面処理を施し、前記中間シートの前記接着層に付着されるべき表面に、シリコン樹脂またはアルキド樹脂をコーティングして、剥離性を改善するための表面処理を施すことを特徴とする請求項3に記載の積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法。
- 前記接着層が、バインダに対して、0.01重量%ないし15重量%の帯電防止剤を含んでいることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法。
- 第一の支持シートの表面に、剥離層、電極層、前記電極層と相補的なパターンを有するスペーサ層、接着層およびセラミックグリーンシートを積層して、前記剥離層、前記電極層、前記スペーサ層、前記接着層および前記セラミックグリーンシートを含む積層体ユニットを形成する工程と、第二の支持シートの表面に、接着層を形成する工程と、前記第二の支持シート上に形成された前記接着層の表面と、前記積層体ユニットの前記セラミックグリーンシートの表面とを密着させて、加圧し、前記接着層を、前記セラミックグリーンシートの表面に転写する工程と、前記接着層から、前記第二の支持シートを剥離する工程と、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シートを、前記接着層の表面に付着させる工程と、前記グリーンシートの表面に、前記接着層および前記中間シートが積層された前記積層体ユニットを巻き取り、積層体ユニットロールを形成する工程を含むことを特徴とする少なくとも1つの積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
- 第一の支持シートの表面に、セラミックグリーンシート、接着層、電極層、前記電極層と相補的なパターンを有するスペーサ層および剥離層を積層して、前記セラミックグリーンシート、前記接着層、前記電極層、前記スペーサ層および前記剥離層を含む積層体ユニットを形成する工程と、第二の支持シートの表面に、接着層を形成する工程と、前記第二の支持シート上に形成された前記接着層の表面と、前記積層体ユニットの前記剥離層の表面とを密着させて、加圧し、前記接着層を、前記剥離層の表面に転写する工程と、前記接着層から、前記第二の支持シートを剥離する工程と、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シートを、前記接着層の表面に付着させる工程と、前記剥離層の表面に、前記接着層および前記中間シートが積層された前記積層体ユニットを巻き取り、積層体ユニットロールを形成する工程を含むことを特徴とする少なくとも1つの積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
- 前記第二の支持シートの前記接着層が形成されるべき表面に、剥離性を改善するための表面処理を施し、前記中間シートの前記接着層に付着されるべき表面に、前記第二の支持シートの表面に施されたのと同等の表面処理を施すことを特徴とする請求項6または7に記載の積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
- 前記第二の支持シートの前記接着層が形成されるべき表面に、シリコン樹脂またはアルキド樹脂をコーティングして、剥離性を改善するための表面処理を施し、前記中間シートの前記接着層に付着されるべき表面に、シリコン樹脂またはアルキド樹脂をコーティングして、剥離性を改善するための表面処理を施すことを特徴とする請求項8に記載の積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
- 前記接着層が、バインダに対して、0.01重量%ないし15重量%の帯電防止剤を含んでいることを特徴とする請求項6ないし9のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
- 第一の支持シートの表面に、接着層を形成する工程と、剥離層、電極層、前記電極層と相補的なパターンを有するスペーサ層、接着層およびセラミックグリーンシートが積層されて、形成された少なくとも1つの積層体ユニットを第二の支持シート上に備えた積層体ユニットセットの表面に位置するセラミックグリーンシートの表面と、前記第一の支持シートの表面に形成された前記接着層とを密着させて、加圧し、前記接着層を、前記セラミックグリーンシートの表面に転写する工程と、前記接着層から、前記第一の支持シートを剥離する工程と、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シートを、前記接着層の表面に付着させる工程と、前記グリーンシートの表面に、前記接着層および前記中間シートが積層された前記積層体ユニットセットを巻き取り、積層体ユニットセットロールを形成する工程と、前記積層体ユニットセットロールから、前記積層体ユニットセットを繰り出す工程と、前記積層体ユニットセットロールから繰り出された前記積層体ユニットセットの前記接着層から、前記中間シートを剥離する工程と、第三の支持シートの表面に、グリーンシートシート、接着層、電極層、前記電極層と相補的なパターンを有するスペーサ層および剥離層が、この順に積層された積層体ユニットの前記剥離層の表面と、前記積層体ユニットセットの前記接着層とを密着させて、加圧し、前記接着層を、前記積層体ユニットの前記剥離層の表面に接着させる工程と、前記積層体ユニットの前記グリーンシートから、前記第三の支持シートを剥離して、前記第二の支持シート上に、少なくとも2つの積層体ユニットを含む積層体ユニットセットを作製する工程と、こうして作製された前記積層体ユニットセットを巻き取る工程を含むことを特徴とする少なくとも2つの積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
- 第一の支持シートの表面に、接着層を形成する工程と、セラミックグリーンシート、接着層、電極層、前記電極層と相補的なパターンを有するスペーサ層および剥離層が積層されて、形成された少なくとも1つの積層体ユニットを第二の支持シート上に備えた積層体ユニットセットの表面に位置する剥離層の表面と、前記第一の支持シートの表面に形成された前記接着層とを密着させて、加圧し、前記接着層を、前記剥離層の表面に転写する工程と、前記接着層から、前記第一の支持シートを剥離する工程と、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シートを、前記接着層の表面に付着させる工程と、前記剥離層の表面に、前記接着層および前記中間シートが積層された前記積層体ユニットセットを巻き取り、積層体ユニットセットロールを形成する工程と、前記積層体ユニットセットロールから、前記積層体ユニットセットを繰り出す工程と、前記積層体ユニットセットロールから繰り出された前記積層体ユニットセットの前記接着層から、前記中間シートを剥離する工程と、第三の支持シートの表面に、剥離層、電極層、前記電極層と相補的なパターンを有するスペーサ層、接着層およびグリーンシートシートが、この順に積層された積層体ユニットの前記セラミックグリーンシートの表面と、前記積層体ユニットセットの前記接着層とを密着させて、加圧し、前記接着層を、前記積層体ユニットの前記セラミックグリーンシートの表面に接着させる工程と、前記積層体ユニットの前記剥離層から、前記第三の支持シートを剥離して、前記第二の支持シート上に、少なくとも2つの積層体ユニットを含む積層体ユニットセットを作製する工程と、こうして作製された前記積層体ユニットセットを巻き取る工程を含むことを特徴とする少なくとも2つの積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
- 前記第一の支持シートの前記接着層が形成されるべき表面に、剥離性を改善するための表面処理を施し、前記中間シートの前記接着層に付着されるべき表面に、前記第一の支持シートの表面に施されたのと同等の表面処理を施すことを特徴とする請求項11または12に記載の積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
- 前記第一の支持シートの前記接着層が形成されるべき表面に、シリコン樹脂またはアルキド樹脂をコーティングして、剥離性を改善するための表面処理を施し、前記中間シートの前記接着層に付着されるべき表面に、シリコン樹脂またはアルキド樹脂をコーティングして、剥離性を改善するための表面処理を施すことを特徴とする請求項13に記載の積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
- 前記接着層が、バインダに対して、0.01重量%ないし15重量%の帯電防止剤を含んでいることを特徴とする請求項11ないし14のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
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WO2006126271A1 (ja) * | 2005-05-26 | 2006-11-30 | Tdk Corporation | 内部電極を持つ電子部品の製造方法 |
-
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---|---|---|---|---|
WO2006126271A1 (ja) * | 2005-05-26 | 2006-11-30 | Tdk Corporation | 内部電極を持つ電子部品の製造方法 |
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