JP2005150593A - 積層電子部品用の積層体ユニット、積層電子部品用の積層体ユニットの製造方法および積層体ユニットを含む積層電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法 - Google Patents

積層電子部品用の積層体ユニット、積層電子部品用の積層体ユニットの製造方法および積層体ユニットを含む積層電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 セラミックグリーンシートの変形および破壊を防止するとともに、電極ペースト中の溶剤がセラミックグリーンシート中に染み込むことを防止すること。
【解決手段】 第一の支持シート1の表面に、誘電体材料を含むセラミックグリーンシート2を形成する工程と、第二の支持シート4の表面に、剥離層5を形成する工程と、剥離層の表面に、所定のパターンで、電極層6を形成するとともに、電極層と相補的なパターンで、セラミックグリーンシートに含まれた誘電体材料と実質的に同じ組成を有する誘電体材料を含むスペーサ層7を形成する工程と、第三の支持シートの表面に、セラミックグリーンシートに含まれた誘電体材料と実質的に同じ組成を有する誘電体材料を含む接着層10を形成する工程からなることを特徴とする積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法。
【選択図】図8

Description

本発明は、セラミックグリーンシートと電極層とが積層された積層電子部品用の積層体ユニット、セラミックグリーンシートと電極層とが積層された積層電子部品用の積層体ユニットの製造方法および積層体ユニットを含む積層電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法に関するものであり、さらに詳細には、セラミックグリーンシートの変形および破壊を防止するとともに、電極ペースト中の溶剤がセラミックグリーンシート中に染み込むことを効果的に防止することができるセラミックグリーンシートと電極層とが積層された積層体ユニット、セラミックグリーンシートの変形および破壊を防止するとともに、電極ペースト中の溶剤がセラミックグリーンシート中に染み込むことを効果的に防止することができ、セラミックグリーンシートと電極層とが積層された積層体ユニットを、所望のように、製造することができる積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法および積層体ユニットを含む積層電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法に関するものである。
近年、各種電子機器の小型化にともなって、電子機器に実装される電子部品の小型化および高性能化が要求されるようになっており、積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック電子部品においても、積層数の増加、積層単位の薄層化が強く要求されている。
積層セラミックコンデンサによって代表される積層セラミック電子部品を製造するためには、まず、セラミック粉末と、アクリル樹脂、ブチラール樹脂などのバインダと、フタル酸エステル類、グリコール類、アジピン酸、燐酸エステル類などの可塑剤と、トルエン、メチルエチルケトン、アセトンなどの有機溶媒を混合分散して、誘電体ペーストを調製する。
次いで、誘電体ペーストを、エクストルージョンコーターやグラビアコーターを用いて、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリプロピレン(PP)などによって形成された支持シート上に、塗布し、加熱して、塗膜を乾燥させ、セラミックグリーンシートを作製する。
さらに、セラミックグリーンシート上に、ニッケルなどの電極ペーストを、スクリーン印刷機などによって、所定のパターンで、印刷し、乾燥させて、電極層を形成する。
電極層が形成されると、電極層が形成されたセラミックグリーンシートを支持シートから剥離して、セラミックグリーンシートと電極層を含む積層体ユニットを形成し、所望の数の積層体ユニットを積層して、加圧し、得られた積層体を、チップ状に切断して、グリーンチップを作製する。
最後に、グリーンチップからバインダを除去して、グリーンチップを焼成し、外部電極を形成することによって、積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック電子部品が製造される。
電子部品の小型化および高性能化の要請によって、現在では、積層セラミックコンデンサの層間厚さを決定するセラミックグリーンシートの厚さを3μmあるいは2μm以下にすることが要求され、300以上のセラミックグリーンシートと電極層を含む積層体ユニットを積層することが要求されている。
しかしながら、きわめて薄いセラミックグリーンシートに、内部電極用の電極ペーストを印刷して、電極層を形成する場合には、電極ペースト中の溶剤が、セラミックグリーンシートのバインダ成分を溶解または膨潤させ、その一方で、セラミックグリーンシート中に、電極ペーストが染み込むという不具合があり、短絡不良の原因になるという問題があった。
そこで、特開昭63−51616号公報および特開平3−250612号公報は、内部電極パターンペーストを、別の支持シートに印刷して、電極層を形成した後に、電極層を乾燥させ、乾燥した電極層を、セラミックグリーンシートの表面に熱転写する方法を提案している。
特開昭63−51616号公報 特開平3−250612号公報
しかしながら、この方法では、セラミックグリーンシートの表面に転写された電極層から、支持シートを剥離することが難しいという問題があった。
また、乾燥した電極層を、セラミックグリーンシートの表面に熱転写して、接着するためには、高温下で、高い圧力を加える必要があり、したがって、セラミックグリーンシートおよび電極層が変形し、場合によっては、セラミックグリーンシートが部分的に破壊するという問題があった。
したがって、本発明は、セラミックグリーンシートの変形および破壊を防止するとともに、電極ペースト中の溶剤がセラミックグリーンシート中に染み込むことを防止することができ、セラミックグリーンシートと電極層とが積層された積層体ユニットを、所望のように、製造することができる積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法、積層体ユニットを含む積層電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法およびセラミックグリーンシートと電極層とが積層された積層体ユニットを提供することを目的とするものである。
本発明のかかる目的は、第一の支持シートの表面に、誘電体材料を含むセラミックグリーンシートを形成する工程と、第二の支持シートの表面に、剥離層を形成する工程と、前記剥離層の表面に、所定のパターンで、電極層を形成するとともに、前記電極層と相補的なパターンで、前記セラミックグリーンシートに含まれた誘電体材料と実質的に同じ組成を有する誘電体材料を含むスペーサ層を形成する工程と、第三の支持シートの表面に、前記セラミックグリーンシートに含まれた誘電体材料と実質的に同じ組成を有する誘電体材料を含む接着層を形成する工程と、前記第三の支持シート上に形成された前記接着層の表面と、前記第一の支持シートの表面に形成されたセラミックグリーンシートの表面とを密着させて、加圧し、前記接着層を、前記セラミックグリーンシートの表面に接着させる工程と、前記接着層から、前記第三の支持シートを剥離する工程と、前記第二の支持シートの表面に形成された前記電極層および前記スペーサ層の表面と、前記セラミックグリーンシートの表面に転写された前記接着層の表面とを密着させて、加圧し、接着させる工程とを含むことを特徴とする積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法によって達成される。
本発明によれば、セラミックグリーンシートの表面に接着された接着層を介して、電極層およびスペーサ層を、電極層およびスペーサ層の表面に転写するように構成されているから、低い圧力で、電極層およびスペーサ層を、セラミックグリーンシートの表面に転写することができ、したがって、セラミックグリーンシートの変形および破壊を確実に防止して、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層を含む積層体ユニットを製造することが可能になる。
また、本発明によれば、電極層およびスペーサ層を、第二の支持シートの表面に形成し、乾燥させた後に、接着層を介して、セラミックグリーンシートに転写することができるから、電極ペースト中の溶剤が、セラミックグリーンシートのバインダ成分を溶解または膨潤させることを確実に防止することができ、同時に、セラミックグリーンシート中に、電極ペーストが染み込むことを確実に防止して、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層を含む積層体ユニットを製造することが可能になる。
さらに、本発明によれば、接着層を、第三の支持シートの表面に形成し、乾燥させた後に、セラミックグリーンシートの表面に転写することができるから、接着剤溶液が、セラミックグリーンシートに染み込むことを確実に防止して、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層を含む積層体ユニットを製造することが可能になる。
また、本発明によれば、接着層を、第三の支持シートの表面に形成し、乾燥させた後に、セラミックグリーンシートの表面に転写し、接着層を介して、電極層およびスペーサ層と、セラミックグリーンシートを接着することができるから、接着剤溶液が、電極層およびスペーサ層に染み込むことを確実に防止して、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層を含む積層体ユニットを製造することが可能になる。
さらに、セラミックグリーンシート上に、所定のパターンで、電極層が形成された多数の積層体ユニットを積層する場合には、電極層の表面と、電極層が形成されていないセラミックグリーンシートの表面との間に、段差が形成されているため、多数の積層体ユニットが積層された積層体が変形し、あるいは、デラミネーションが発生することがあるが、本発明によれば、剥離層の表面に、電極層と相補的なパターンで、スペーサ層が形成されているから、こうして得られた多数の積層体ユニットを積層して、作製された積層体が変形を起こすことを効果的に防止することが可能になるとともに、デラミネーションの発生を効果的に防止することが可能になる。
また、本発明によれば、接着層およびスペーサ層が、セラミックグリーンシートに含まれた誘電体材料と実質的に同じ組成を有する誘電体材料を含んでいるから、セラミックグリーンシートと接着層との接着性および接着層とスペーサ層との接着性を向上させることができ、セラミックグリーンシートと接着層との間ならびに接着層と電極層およびスペーサ層との間で、積層体ユニットにデラミネーションが発生することを、確実に防止することが可能になる。
本発明の前記目的はまた、第一の支持シートの表面に、誘電体材料を含む第一の接着層を形成する工程と、第二の支持シートの表面に、誘電体材料を含むセラミックグリーンシート、誘電体材料を含む第二の接着層、電極層、前記電極層と相補的なパターンを有し、誘電体材料を含むスペーサ層および誘電体材料を含む剥離層が積層されて形成された積層体ユニットの前記剥離層の表面と、前記第一の接着層の表面とを密着させて、加圧し、前記第一の接着層を、前記剥離層の表面に接着させる工程と、前記第一の接着層から、前記第二の支持シートを剥離する工程を含み、前記第一の接着層、前記第二の接着層、前記剥離層および前記スペーサ層が、前記セラミックグリーンシートに含まれている誘電体材料と実質的に同じ組成を有する誘電体材料を含んでいることを特徴とする少なくとも1つの積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法によって達成される。
本発明によれば、第一の接着層、第二の接着層、剥離層およびスペーサ層が、セラミックグリーンシートに含まれた誘電体材料と実質的に同じ組成を有する誘電体材料を含んでいるから、第一の接着層と剥離層との接着性、スペーサ層と第二の接着層との接着性および第二の接着層とセラミックグリーンシートとの接着性を向上させることができ、セラミックグリーンシートと第二の接着層との間、第二の接着層と電極層およびスペーサ層との間ならびに剥離層と第一の接着層との間で、積層体ユニットセットにデラミネーションが発生することを、確実に防止することが可能になる。
本発明の前記目的はまた、第一の支持シートの表面に、誘電体材料を含む第一の接着層を形成する工程と、第二の支持シートの表面に、誘電体材料を含む第一のセラミックグリーンシート、誘電体材料を含む第二の接着層、第一の電極層、前記第一の電極層と相補的なパターンを有し、誘電体材料を含む第一のスペーサ層および第一の剥離層が積層されて、形成された第一の積層体ユニットの前記第一の剥離層の表面と、前記第一の支持シートの表面に形成された前記第一の接着層とを密着させて、加圧し、前記第一の接着層を、前記第一の剥離層の表面に接着させる工程と、前記第一の接着層から、前記第一の支持シートを剥離する工程と、前記第一の接着層の表面と、第三の支持シートの表面に、第二の剥離層、第二の電極層、前記第二の電極層と相補的なパターンを有し、誘電体材料を含む第二のスペーサ層、誘電体材料を含む第三の接着層および誘電体材料を含む第二のセラミックグリーンシートが積層されて、形成された第二の積層体ユニットの前記第二のセラミックグリーンシートとを密着させて、加圧し、前記第二の積層体ユニットの前記第二のセラミックグリーンシートを、前記第一の接着層に接着させる工程と、前記第二の積層体ユニットの前記第二の剥離層から、前記第三の支持シートを剥離する工程を含み、前記第一の接着層、前記第二の接着層、前記第三の接着層、前記第一のスペーサ層および前記第二のスペーサ層が、前記第一のセラミックグリーンシートおよび前記第二のセラミックグリーンシートに含まれている誘電体材料と実質的に同じ組成を有する誘電体材料を含んでいることを特徴とする複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法によって達成される。
本発明によれば、第一の接着層、第二の接着層、第三の接着層、第一のスペーサ層および第二のスペーサ層が、第一のセラミックグリーンシートおよび第二のセラミックグリーンシートに含まれている誘電体材料と実質的に同じ組成を有する誘電体材料を含んでいるから、第一の接着層と第二のセラミックグリーンシートとの接着性、第一のセラミックグリーンシートと第二の接着層との接着性、第二の接着層と第一のスペーサ層との接着性、第二のスペーサ層と第三の接着層との接着性および第三の接着層と第二のセラミックグリーンシートとの接着性を向上させることができ、したがって、
第一の接着層と第二のセラミックグリーンシートとの間、第一のセラミックグリーンシートと第二の接着層との間、第二の接着層と第一のスペーサ層および第一の電極層との間、第二の電極層および第二のスペーサ層と第三の接着層との間ならびに第三の接着層と第二のセラミックグリーンシートとの間で、デラミネーションが発生することを、確実に防止することが可能になる。
本発明の前記目的はまた、第一の支持シートの表面に、誘電体材料を含む第一の接着層を形成する工程と、それぞれが、誘電体材料を含む第一のセラミックグリーンシート、誘電体材料を含む第二の接着層、第一の電極層、前記第一の電極層と相補的なパターンを有し、誘電体材料を含む第一のスペーサ層および誘電体材料を含む第一の剥離層が積層されて、形成された複数の積層体ユニットを第二の支持シート上に備えた積層体ユニットセットの表面に位置する第一の剥離層の表面と、前記第一の支持シートの表面に形成された前記第一の接着層とを密着させて、加圧し、前記第一の接着層を、前記第一の剥離層の表面に接着させる工程と、前記第一の接着層から、前記第一の支持シートを剥離する工程を含み、前記第一の接着層、前記第二の接着層、前記第一のスペーサ層および前記第一の剥離層が、前記第一のセラミックグリーンシートに含まれている誘電体材料と実質的に同じ組成を有する誘電体材料を含んでいることを特徴とする複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法によって達成される。
本発明によれば、第一の接着層、第二の接着層、第一のスペーサ層および第一の剥離層が、第一のセラミックグリーンシートに含まれている誘電体材料と実質的に同じ組成を有する誘電体材料を含んでいるから、第一の接着層と第一の剥離層との接着性、第一のスペーサ層と第二の接着層との接着性および第二の接着層と第一のセラミックグリーンシートとの接着性を向上させることができ、第一のセラミックグリーンシートと第二の接着層との間、第二の接着層と第一の電極層および第一のスペーサ層との間ならびに第一の剥離層と第一の接着層との間で、積層体ユニットセットにデラミネーションが発生することを、確実に防止することが可能になる。
本発明の好ましい実施態様において、積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法は、さらに、第三の支持シートの表面に、誘電体材料を含む第二の剥離層、第二の電極層、前記第二の電極層と相補的なパターンを有し、誘電体材料を含む第二のスペーサ層、誘電体材料を含む第三の接着層および誘電体材料を含む第二のセラミックグリーンシートが、この順に積層された積層体ユニットの前記第二のセラミックグリーンシートの表面と、前記積層体ユニットセットの前記第一の接着層とを密着させて、加圧し、前記第一の接着層を、前記積層体ユニットの前記第二のセラミックグリーンシートの表面に接着させる工程と、前記積層体ユニットの前記第二の剥離層から、前記第三の支持シートを剥離する工程を含み、前記第一の接着層、前記第二の接着層、前記第三の接着層、前記第二のスペーサ層が、前記第一のセラミックグリーンシートおよび前記第二のセラミックグリーンシートに含まれている誘電体材料と実質的に同じ組成を有する誘電体材料を含んでいる。
本発明の好ましい実施態様によれば、第一の接着層、第二の接着層、第三の接着層および第二のスペーサ層が、第一のセラミックグリーンシートおよび第二のセラミックグリーンシートに含まれている誘電体材料と実質的に同じ組成を有する誘電体材料を含んでいるから、第一のセラミックグリーンシートと第二の接着層との間、第二の接着層と第一の電極層および第一のスペーサ層との間、第一の剥離層と第一の接着層との間、第一の接着層と第二のセラミックグリーンシートとの間、第二のセラミックグリーンシートと第三の接着層との間ならびに第三の接着層と第二の電極層および第二のスペーサ層との間で、積層体ユニットセットにデラミネーションが発生することを、確実に防止することが可能になる。
本発明の前記目的はまた、少なくとも、第一の支持シートの表面に、誘電体材料を含む第一の接着層を形成する工程と、第二の支持シートの表面に、誘電体材料を含む第一のセラミックグリーンシート、誘電体材料を含む第二の接着層、第一の電極層、前記第一の電極層と相補的なパターンを有し、誘電体材料を含む第一のスペーサ層および第一の剥離層が積層されて、形成された積層体ユニットの前記第一の剥離層の表面と、前記第一の支持シートの表面に形成された前記第一の接着層とを密着させて、加圧し、前記第一の接着層を、前記第一の剥離層の表面に接着させる工程と、前記第一の接着層から、前記第一の支持シートを剥離する工程と、前記第一の接着層の表面と、第三の支持シートの表面に形成された誘電体材料を含む第二のセラミックグリーンシートとを密着させて、加圧し、前記第二のセラミックグリーンシートを、前記第一の接着層の表面に接着させる工程と、前記第二のセラミックグリーンシートから、前記第三の支持シートを剥離する工程と、第四の支持シートの表面に、誘電体材料を含む第三の接着層を形成する工程と、前記第二のセラミックグリーンシートの表面と、前記第四の支持シートの表面に形成された前記第三の接着層とを密着させて、加圧し、前記第三の接着層を、前記第二のセラミックグリーンシートの表面に接着させる工程と、前記第三の接着層から、前記第四の支持シートを剥離する工程と、前記第三の接着層の表面と、第五の支持シートの表面に、第二の剥離層、第二の電極層および前記第二の電極層と相補的なパターンを有し、誘電体材料を含む第二のスペーサ層が形成された積層体の前記第二の電極層および前記第二のスペーサ層とを密着させて、加圧し、前記第二の電極層および前記第二のスペーサ層を、前記第三の接着層に接着させる工程と、前記第二の電極層および前記第二のスペーサ層から、前記第五の支持シートを剥離して、前記積層体ユニットが、前記第一の接着層を介して、積層された積層体ユニットセットを形成する工程と、第六の支持シートの表面に、誘電体材料を含む第四の接着層を形成する工程と、前記積層体ユニットセットの前記第二の電極層および前記第二のスペーサ層の表面と、前記第六の支持シートの表面に形成された前記第四の接着層とを密着させて、加圧し、前記第四の接着層を、前記第二の電極層および前記第二のスペーサ層の表面に接着させる工程と、前記第四の接着層から、前記第六の支持シートを剥離する工程とを含み、前記第一の接着層、前記第二の接着層、前記第三の接着層、前記第四の接着層、前記第一のスペーサ層および前記第二のスペーサ層が、前記第一のセラミックグリーンシートおよび前記第二のセラミックグリーンシートに含まれている誘電体材料と実質的に同じ組成を有する誘電体材料を含んでいることを特徴とする複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法によって達成される。
本発明によれば、第一の剥離層の表面に接着された第一の接着層を介して、第二のセラミックグリーンシートを、第一の剥離層の表面に転写し、第二のセラミックグリーンシートの表面に接着された第三の接着層を介して、第二の電極層および第二のスペーサ層を、第二のセラミックグリーンシートの表面に転写するように構成されているから、低い圧力で、第二のセラミックグリーンシートを、第一の剥離層の表面に転写し、第二の電極層および第二のスペーサ層を、第二のセラミックグリーンシートの表面に転写することができ、したがって、第二のセラミックグリーンシートの変形および破壊を確実に防止して、それぞれが、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層を含む複数の積層体ユニットが積層された積層体ユニットセットを製造することが可能になる。
また、本発明によれば、第二のセラミックグリーンシートと、第一の剥離層、第一の電極層および第一のスペーサ層を乾燥させた後に、第一の接着層を介して、第一の剥離層上に、第二のセラミックグリーンシートを転写することができるから、電極ペースト中の溶剤が、第二のセラミックグリーンシートのバインダ成分を溶解または膨潤させることを確実に防止することができ、同時に、第二のセラミックグリーンシート中に、電極ペーストが染み込むことを確実に防止して、それぞれが、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層を含む積層体ユニットが積層された積層体ユニットセットを製造することが可能になる。
さらに、本発明によれば、第一の接着層を、第一の支持シートの表面に形成し、乾燥させた後に、第一の剥離層の表面に転写することができ、また、第三の接着層を、第四の支持シートの表面に形成し、乾燥させた後に、第二のセラミックグリーンシートの表面に転写することができ、さらに、第四の接着層を、第六の支持シートの表面に形成し、乾燥させた後に、第二の電極層およ第二のスペーサ層の表面に転写することができるから、接着剤溶液が、第一の電極層および第二のスペーサ層、第二のセラミックグリーンシート、第二の電極層および第二のスペーサ層に染み込むことを確実に防止して、それぞれが、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層を含む積層体ユニットが積層された積層体ユニットセットを製造することが可能になる。
また、本発明によれば、第一の接着層、第二の接着層、第三の接着層、第四の接着層、第一のスペーサ層および第二のスペーサ層が、第一のセラミックグリーンシートおよび第二のセラミックグリーンシートに含まれている誘電体材料と実質的に同じ組成を有する誘電体材料を含んでいるから、第一の接着層と第二のセラミックグリーンシートとの接着性、第一のセラミックグリーンシートと第二の接着層との接着性、第二の接着層と第一のスペーサ層との接着性、第二のセラミックグリーンシートと第三の接着層との接着性、第三の接着層と第二のスペーサ層との接着性および第二のスペーサ層と第四の接着層との接着性を向上させることができ、したがって、第一の接着層と第二のセラミックグリーンシートとの間、第一のセラミックグリーンシートと第二の接着層との間、第二の接着層と第一に電極層および第一のスペーサ層との間、第二のセラミックグリーンシートと第三の接着層との間、第三の接着層と第二の電極層および第二のスペーサ層との間ならびに第二の電極層および第二のスペーサ層と第四の接着層との間で、積層体ユニットセットにデラミネーションが発生することを、確実に防止することが可能になる。
本発明の好ましい実施態様においては、積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法は、さらに、前記積層体ユニットセットの前記第二の電極層および前記第二のスペーサ層の表面に接着された前記第四の接着層の表面と、第七の支持シートの表面に形成された誘電体材料を含む第三のセラミックグリーンシートとを密着させて、加圧し、前記第三のセラミックグリーンシートを、前記第四の接着層の表面に接着させる工程と、前記第三のセラミックグリーンシートから、前記第七の支持シートを剥離する工程と、第八の支持シートの表面に、誘電体材料を含む第五の接着層を形成する工程と、前記第三のセラミックグリーンシートの表面と、前記第八の支持シートの表面に形成された前記第五の接着層とを密着させて、加圧し、前記第五の接着層を、前記第三のセラミックグリーンシートの表面に接着させる工程と、前記第五の接着層から、前記第八の支持シートを剥離する工程と、前記第五の接着層の表面と、第九の支持シートの表面に、第三の剥離層、第三の電極層および前記第三の電極層と相補的なパターンを有し、誘電体材料を含む第三のスペーサ層が形成された積層体の前記第三の電極層および前記第三のスペーサ層とを密着させて、加圧し、前記第三の電極層および前記第三のスペーサ層を、前記第五の接着層に接着させる工程と、前記第三の剥離層から、前記第九の支持シートを剥離する工程と、第十の支持シートの表面に、誘電体材料を含む第六の接着層を形成する工程と、前記第三の剥離層の表面と、前記第十の支持シートの表面に形成された前記第六の接着層とを密着させて、加圧し、前記第六の接着層を、前記第三の剥離層の表面に接着させる工程と、前記第六の接着層から、前記第十の支持シートを剥離する工程とを繰り返して、前記第二の支持シート上に、複数の積層体ユニットを積層する工程を含み、前記第五の接着層、前記第六の接着層、前記第三のスペーサ層が、前記第一のセラミックグリーンシート、前記第二のセラミックグリーンシートおよ前記第三のセラミックグリーンシートに含まれている誘電体材料と実質的に同じ組成を有する誘電体材料を含んでいる。
本発明において、セラミックグリーンシートを形成するために用いる誘電体ペーストは、通常、誘電体材料と、有機溶剤中にバインダを溶解させた有機ビヒクルを混練して、調製される。
誘電体材料としては、複合酸化物や酸化物となる各種化合物、たとえば、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物などから適宜選択され、これらを混合して、用いることができる。誘電体材料は、通常、平均粒子径が約0.1μmないし約3.0μm程度の粉末として用いられる。誘電体材料の粒径は、セラミックグリーンシートの厚さより小さいことが好ましい。
有機ビヒクルに用いられるバインダは、とくに限定されるものではなく、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂などの通常の各種バインダが用いることができるが、セラミックグリーンシートを薄層化するためには、ポリビニルブチラールなどのブチラール系樹脂が、好ましく用いられる。
有機ビヒクルに用いられる有機溶剤も、とくに限定されるものではなく、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエンなどの有機溶剤が用いられる。
本発明において、誘電体ペーストは、誘電体材料と、水中に水溶性バインダを溶解させたビヒクルを混練して、生成することもできる。
水溶性バインダは、とくに限定されるものではなく、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、水溶性アクリル樹脂、エマルジョンなどが用いられる。
誘電体ペースト中の各成分の含有量は、とくに限定されるものではなく、たとえば、約1重量%ないし約5重量%のバインダと、約10重量%ないし約50重量%の溶剤を含むように、誘電体ペーストを調製することができる。
誘電体ペースト中には、必要に応じて、各種分散剤、可塑剤、誘電体、副成分化合物、ガラスフリット、絶縁体などから選択される添加物が含有されていてもよい。誘電体ペースト中に、これらの添加物を添加する場合には、総含有量を、約10重量%以下にすることが望ましい。バインダ樹脂として、ブチラール系樹脂を用いる場合には、可塑剤の含有量は、バインダ樹脂100重量部に対して、約25重量部ないし約100重量部であることが好ましい。可塑剤が少なすぎると、生成されたセラミックグリーンシートが脆くなる傾向があり、多すぎると、可塑剤が滲み出して、取り扱いが困難になり、好ましくない。
本発明において、セラミックグリーンシートは、それぞれ、誘電体ペーストを、支持シート上に塗布し、乾燥して、作製される。
誘電体ペーストは、エクストルージョンコーターやワイヤーバーコーターなどを用いて、支持シート上に塗布され、塗膜が形成される。
その表面に、セラミックグリーンシートが形成される支持シートとしては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられ、剥離性を改善するために、その表面に、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされる。支持シートの厚さは、とくに限定されるものではないが、好ましくは、約5μmないし約100μmである。
こうして形成された塗膜は、たとえば、約50℃ないし約100°Cの温度で、約1分ないし約20分にわたって、乾燥され、支持シート上に、セラミックグリーンシートが形成される。
本発明において、乾燥後におけるセラミックグリーンシートの厚さは、それぞれ、3μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは、1.5μm以下である。
本発明において、電極層およびスペーサ層は、それぞれ、支持シート上に、スクリーン印刷機やグラビア印刷機などの印刷機を用いて、印刷される。
その表面に、電極層およびスペーサ層が形成される支持シートとしては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられ、剥離性を改善するために、その表面に、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされる。支持シートの厚さは、とくに限定されるものではなく、セラミックグリーンシートが形成される支持シートの厚さと同じであっても、異なっていてもよいが、好ましくは、約5μmないし約100μmである。
本発明において、支持シート上に、電極層およびスペーサ層を形成するのに先立って、まず、誘電体ペーストが調製され、誘電体ペーストが支持シート上に塗布されて、剥離層が、支持シート上に形成される。
剥離層を形成するための誘電体ペーストは、好ましくは、セラミックグリーンシートに含まれている誘電体材料と実質的に同一組成の誘電体材料の粒子を含んでいる。
剥離層を形成するための誘電体ペーストは、誘電体材料の粒子以外に、バインダと、任意成分として、可塑剤および剥離剤とを含んでいる。誘電体材料の粒子の粒径は、セラミックグリーンシートに含まれる誘電体材料の粒子の粒径と同じでもよいが、より小さいことが好ましい。
バインダとしては、たとえば、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスチレン、または、これらの共重合体、または、これらのエマルジョンを用いることができる。
剥離層を形成するための誘電体ペーストに含まれているバインダは、セラミックグリーンシートに含まれているバインダを同系であっても、同系でなくてもよいが、同系のバインダであることが好ましい。
剥離層を形成するための誘電体ペーストは、誘電体材料の粒子100重量部に対して、好ましくは、約2.5重量部ないし約200重量部、さらに好ましくは、約5重量部ないし約30重量部、とくに好ましくは、約8重量部ないし約30重量部のバインダを含んでいる。
可塑剤は、とくに限定されるものではなく、たとえば、フタル酸エステル、アジピン酸、燐酸エステル、グリコール類などを挙げることができる。剥離層を形成するための誘電体ペーストに含まれる可塑剤は、セラミックグリーンシートに含まれる可塑剤と同系であっても、同系でなくてもよい。
剥離層を形成するための誘電体ペーストは、バインダ100重量部に対して、約0重量部ないし約200重量部、好ましくは、約20重量部ないし約200重量部、さらに好ましくは、約50重量部ないし約100重量部の可塑剤を含んでいる。
剥離層を形成するための誘電体ペーストに含まれる剥離剤は、とくに限定されるものではなく、たとえば、パラフィン、ワックス、シリコーン油などを挙げることができる。
剥離層を形成するための誘電体ペーストは、バインダ100重量部に対して、約0重量部ないし約100重量部、好ましくは、約2重量部ないし約50重量部、さらに好ましくは、約5重量部ないし約20重量部の剥離剤を含んでいる。
本発明において、剥離層に含まれる誘電体材料に対するバインダの含有割合が、セラミックグリーンシートに含まれる誘電体材料に対するバインダの含有割合と同等、あるいは、それよりも低いことが好ましい。また、剥離層に含まれる誘電体材料に対する可塑剤の含有割合が、セラミックグリーンシートに含まれる誘電体材料に対する可塑剤の含有割合と同等、あるいは、高いことが好ましい。さらに、剥離層に含まれる誘電体材料に対する離型剤の含有割合が、セラミックグリーンシートに含まれる誘電体材料に対する離型剤の含有割合よりも高いことが好ましい。
このような組成を有する剥離層を形成することにより、セラミックグリーンシートをきわめて薄層化しても、剥離層の強度を、セラミックグリーンシートの破壊強度よりも低くすることができ、剥離層から、支持シートを剥離する際に、セラミックグリーンシートが破壊されることを確実に防止することが可能になる。
剥離層は、ワイヤーバーコーターなどを用いて、支持シート上に、誘電体ペーストを塗布することによって、形成される。
剥離層の厚さは、その上に形成される電極層の厚さ以下であることが好ましく、好ましくは、電極層の厚さの約60%以下、さらに好ましくは、電極層の厚さの約30%以下である。
剥離層の形成後、剥離層は、たとえば、約50℃ないし約100℃で、約1分ないし約10分にわたって、乾燥される。
剥離層が乾燥された後、剥離層の表面上に、焼成後に、内部電極層を構成する電極層が、所定パターンで形成される。
本発明において、電極層を形成するために用いられる電極ペーストは、各種導電性金属や合金からなる導電体材料、焼成後に、各種導電性金属や合金からなる導電体材料となる各種酸化物、有機金属化合物、または、レジネートなどと、有機溶剤中にバインダを溶解させた有機ビヒクルとを混練して、調製される。
電極ペーストを製造する際に用いる導電体材料としては、Ni、Ni合金あるいはこれらの混合物が、好ましく用いられる。導電体材料の形状は、とくに限定されるものではなく、球状でも、鱗片状でも、あるいは、これらの形状のものが混合されていてもよい。また、導電体材料の平均粒子径は、とくに限定されるものではないが、通常、約0.1μmないし約2μm、好ましくは、約0.2μmないし約1μmの導電性材料が用いられる。
有機ビヒクルに用いられるバインダは、とくに限定されるものではなく、エチルセルロース、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスチレン、あるいはは、これらの共重合体などを用いることができるが、とくに、ポリビニルブチラールなどのブチラール系バインダが好ましく用いられる。
電極ペーストは、導電体材料100重量部に対して、好ましくは、約2.5重量部ないし約20重量部のバインダを含んでいる。
溶剤としては、たとえば、テルピネオール、ブチルカルビトール、ケロシンなど、公知の溶剤を用いることができる。溶剤の含有量は、電極ペースト全体に対して、好ましくは、約20重量%ないし約55重量%である。
接着性を改善するために、電極ペーストが、可塑剤を含んでいることが好ましい。
電極ペーストに含まれる可塑剤は、とくに限定されるものではなく、たとえば、フタル酸ベンジルブチル(BBP)などのフタル酸エステル、アジピン酸、燐酸エステル、グリコール類などを挙げることができる。電極ペーストは、バインダ100重量部に対して、好ましくは、約10重量部ないし約300重量部、さらに好ましくは、約10重量部ないし約200重量部の可塑剤を含んでいることが好ましい。
可塑剤の添加量が多すぎると、電極層の強度が著しく低下する傾向があり、好ましくない。
電極層は、スクリーン印刷機やグラビア印刷機などの印刷機を用いて、支持シート上に形成された剥離層の表面に、電極ペーストを印刷することによって、形成される。
電極層の厚さは、約0.1μmないし約5μmの厚さに形成されることが好ましく、より好ましくは、約0.1μmないし約1.5μmである。
支持シート上に形成された剥離層の表面の電極層が形成されていない部分には、さらに、スクリーン印刷機やグラビア印刷機などの印刷機を用いて、電極層と相補的なパターンによって、誘電体ペーストが印刷されて、スペーサ層が形成される。
電極層の形成に先立って、支持シート上に形成された剥離層の表面に、電極層と相補的なパターンで、スペーサ層を形成することもできる。
本発明において、スペーサ層を形成するために用いる誘電体ペーストは、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストと同様にして、調製される。
スペーサ層を形成するための誘電体ペーストは、セラミックグリーンシートに含まれている誘電体と実質的に同一組成の誘電体材料の粒子を含んでいる。
スペーサ層に含まれる誘電体材料の粒子の粒径は、セラミックグリーンシートに含まれる誘電体材料の粒子の粒径と同じでもよいが、とくに限定されるものではない。
スペーサ層を形成するための誘電体ペーストは、誘電体材料の粒子以外に、バインダと、任意成分として、可塑剤および剥離剤を含んでいる。誘電体材料の粒子の粒径は、セラミックグリーンシートに含まれる誘電体材料の粒子の粒径と同じでもよいが、より小さいことが好ましい。
バインダとしては、たとえば、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスチレン、または、これらの共重合体、または、これらのエマルジョンを用いることができる。
スペーサ層を形成するための誘電体ペーストに含まれているバインダは、セラミックグリーンシートに含まれているバインダと同系であっても、同系でなくてもよいが、同系であることが好ましい。
スペーサ層を形成するための誘電体ペーストは、誘電体材料の粒子100重量部に対して、好ましくは、約2.5重量部ないし約200重量部、さらに好ましくは、約4重量部ないし約15重量部、とくに好ましくは、約6重量部ないし約10重量部のバインダを含んでいる。
スペーサ層を形成するための誘電体ペーストに含まれている可塑剤は、とくに限定されるものではなく、たとえば、フタル酸エステル、アジピン酸、燐酸エステル、グリコール類などを挙げることができるスペーサ層を形成するための誘電体ペーストに含まれる可塑剤は、セラミックグリーンシートに含まれる可塑剤と同系であっても、同系でなくてもよい。
スペーサ層を形成するための誘電体ペーストは、バインダ100重量部に対して、約0重量部ないし約200重量部、好ましくは、約20重量部ないし約200重量部、さらに好ましくは、約50重量部ないし約100重量部の可塑剤を含んでいる。
スペーサ層を形成するための誘電体ペーストに含まれる剥離剤は、とくに限定されるものではなく、たとえば、パラフィン、ワックス、シリコーン油などを挙げることができる。
スペーサ層を形成するための誘電体ペーストは、バインダ100重量部に対して、約0重量部ないし約100重量部、好ましくは、約2重量部ないし約50重量部、より好ましくは、約5重量部ないし約20重量部の剥離剤を含んでいる。
本発明において、電極層およびスペーサ層は、0.7≦ts/te≦1.3(tsは、スペーサ層の厚さであり、teは、電極層の厚さである。)を満たすように形成されることが好ましく、より好ましくは、0.8≦ts/te≦1.2、さらに好ましくは、0.9≦ts/te≦1.2を満たすように形成される。
電極層およびスペーサ層は、たとえば、約70℃ないし120℃の温度で、約5分ないし約15分にわたって、乾燥される。電極層およびスペーサ層の乾燥条件は、とくに限定されるものではない。
セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層は、接着層を介して、接着され、接着層を形成するために、別の支持シートが用意される。
接着層を形成するための支持シートとしては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられ、剥離性を改善するために、その表面に、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされる。支持シートの厚さは、とくに限定されるものではないが、好ましくは、約5μmないし約100μmである。
接着層は、支持シート上に、接着剤溶液が塗布されて、形成される。
本発明において、接着層を形成するための接着剤溶液は、バインダおよびセラミックグリーンシートに含まれている誘電体と実質的に同一組成の誘電体材料の粒子と、任意成分として、帯電防止剤、可塑剤および剥離剤とを含んでいる。
本発明において、接着剤溶液中の誘電体材料の粒径は、接着層の厚さ以下であることが好ましい。
接着剤溶液中の誘電体材料の粒子のバインダ重量に対する割合は、セラミックグリーンシートに含まれている誘電体材料の粒子のバインダ重量に対する割合より小さいことが好ましく、好ましくは、接着剤溶液は、バインダ重量に対して、0.5重量%ないし25重量%の誘電体材料の粒子を含んでいる。
接着剤溶液に含まれるバインダは、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストに含まれるバインダと同系であることが好ましいが、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストに含まれるバインダと同系でなくてもよい。
接着剤溶液に含まれる可塑剤は、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストに含まれる可塑剤と同系であることが好ましいが、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストに含まれる可塑剤と同系でなくてもよい。
可塑剤の含有量は、バインダ100重量部に対して、約0重量部ないし約200重量部、好ましくは、約20重量部ないし約200重量部、さらに好ましくは、約50重量部ないし約100重量部である。
本発明において、好ましくは、接着剤溶液は、バインダ重量の0.01重量%ないし15重量%の帯電防止剤を含み、さらに好ましくは、0.01重量%ないし10重量%の帯電防止剤を含んでいる。
本発明において、接着剤溶液に含まれる帯電防止剤は、吸湿性を有する有機溶剤であればよく、たとえば、エチレングリコール;ポリエチレングリコール;2−3ブタンジオール;グリセリン;イミダゾリン系界面活性剤、ポリアルキレングリコール誘導体系界面活性剤、カルボン酸アミジン塩系界面活性剤などの両性界面活性剤などが、接着剤溶液に含まれる帯電防止剤として使用することができる。
これらの帯電防止剤の中では、少量で、静電気を防止することが可能であるとともに、小さい剥離力で、接着層から、支持シートを剥離することが可能であるため、イミダゾリン系界面活性剤、ポリアルキレングリコール誘導体系界面活性剤、カルボン酸アミジン塩系界面活性剤などの両性界面活性剤が好ましく、イミダゾリン系界面活性剤は、とくに小さな剥離力で、接着層から、支持シートを剥離することができるため、とくに好ましい。
接着剤溶液は、たとえば、バーコータ、エクストルージョンコータ、リバースコータ、ディップコーター、キスコーターなどによって、支持シート上に塗布される。
本発明において、接着層は、好ましくは、約0.3μm以下、より好ましくは、約0.02μmないし約0.3μm、さらに好ましくは、約0.02μmないし約0.2μmの厚さを有するように、支持シート上に、形成される。接着層の厚さが、約0.02μm未満の場合には、接着力が低下し、一方、接着層の厚さが、約0.3μmを越えると、欠陥(隙間)の発生原因となり、好ましくない。
接着層は、たとえば、室温(25℃)ないし約80℃の温度で、約1分ないし約5分にわたって、乾燥される。接着層の乾燥条件は、とくに限定されるものではない。
支持シート上に形成された接着層は、支持シート上に形成されたセラミックグリーンシートの表面に転写される。
接着層を、支持シート上に形成されたセラミックグリーンシートの表面に転写する場合には、接着層が、支持シート上に形成されたセラミックグリーンシートの表面に接触した状態で、約40℃ないし約100℃の温度下で、接着層と、セラミックグリーンシートとが、約0.2MPaないし約15MPaの圧力で、好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaの圧力で、加圧されて、接着層が、セラミックグリーンシートの表面上に接着され、その後、支持シートが接着層から剥離される。
接着層を、セラミックグリーンシートの表面に転写するにあたっては、セラミックグリーンシートが形成された支持シートと、接着層が形成された支持シートを、プレス機を用いて、加圧しても、一対の加圧ローラを用いて、加圧してもよいが、一対の加圧ローラによって、セラミックグリーンシートが形成された支持シートと接着層が形成された支持シートを加圧することが好ましい。
本発明においては、スペーサ層および接着層には、セラミックグリーンシートに含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、接着層とセラミックグリーンシートとの接着性を向上させることができ、後の工程で、接着層とセラミックグリーンシートとの間で、デラミネーションが発生することを効果的に防止することが可能になる。
こうして、接着層が、支持シート上に形成されたセラミックグリーンシートの表面に転写された後に、支持シートを巻き取るときは、支持シートの巻き取りに先立って、中間シートを、接着層の表面に付着させることが好ましい。
中間シートとしては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどを用いることができるが、後の工程において、接着層からの中間シートの剥離を容易にさせるためには、中間シートとして、接着層を形成した支持シートと実質的に同一の物性を有するシートを用いることが好ましい。
本発明において、さらに好ましくは、中間シートの接着層に付着させるべき表面に、剥離性を改善するために、接着層を形成した支持シートの表面と同等の表面処理が施され、たとえば、中間シートの表面に、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされる。
本発明において、中間シートを接着層に付着させたときに、中間シートと接着層との間に、エアが保持されて、中間シートに皺が生じたり、あるいは、長尺状の支持シート上に、セラミックグリーンシート、接着層および中間シートが積層された積層体を巻き取る際に、積層体が蛇行することを防止するために、接着層を形成した支持シートと実質的に同一の物性を有するシートに代えて、少なくとも接着層に付着されるべき表面に、高さ1μmないし10μmの凹凸が形成されている中間シートを用いることもでき、かかる中間シートとしては、少なくとも接着層に付着されるべき表面に、高さ1μmないし5μmの凹凸が形成されていることが、より好ましい。
本発明において、少なくとも接着層に付着されるべき表面に、凹凸が形成されている中間シートを用いる場合には、少なくとも中間シートの接着層に付着されるべき表面に、高さ1μmないし5μmの凹凸が、1mmあたりに、800個以上形成されていることがより好ましい。
本発明において、さらに、中間シートを接着層に付着させたときに、中間シートと接着層との間に、エアが保持されて、中間シートに皺が生じたり、あるいは、長尺状の支持シート上に、セラミックグリーンシート、接着層および中間シートが積層された積層体を巻き取る際に、積層体が蛇行することを防止するために、ガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シートを用いることもできる。
中間シートのガーレー透気度は、JIS P8117に準拠して、測定され、本明細書においては、中間シートを、50mlのエアが透過するのに要する秒数によって定義される。
本発明において、少なくとも接着層に付着されるべき表面に、凹凸が形成されている中間シートを用いる場合あるいはガーレー透気度が10000s/50ml未満の中間シートを用いる場合においても、中間シートの接着層に付着させるべき表面に、剥離性を改善するために、接着層を形成した支持シートの表面と同等の表面処理が施されていることが好ましく、たとえば、中間シートの表面に、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされる。
本発明において、中間シートを接着層の表面に付着させる場合、中間シートの厚さは、とくに限定されるものではないが、好ましくは、約5μmないし約100μmである。
中間シートを、接着層の表面に付着させるにあたっては、接着層が形成された支持シートと、中間シートとを、プレス機を用いて、加圧しても、一対の加圧ローラを用いて、加圧してもよいが、一対の加圧ローラによって、支持シートと中間シートとを加圧することが好ましい。
中間シートが、接着層の表面に付着されると、長尺状の支持シート上に、セラミックグリーンシート、接着層および中間シートが積層された積層体が、ローラによって巻き取られる。
このように、中間シートを、接着層の表面に付着させることによって、接着層が支持シートに付着することを確実に防止して、長尺状の支持シート上に、セラミックグリーンシート、接着層および中間シートが積層された積層体を、ローラによって巻き取ることができ、したがって、製造ラインが徒に長くなることを防止することが可能になる。
次いで、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層とが、接着層を介して、接着される。
セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層を、接着層を介して、接着するにあたっては、まず、長尺状の支持シート上に、セラミックグリーンシート、接着層および中間シートが積層された積層体が巻回されたローラが、接着装置にセットされる。
次いで、ローラから、長尺状の支持シート上に、セラミックグリーンシート、接着層および中間シートが積層された積層体が繰り出されて、接着層の表面に付着された中間シートが接着層から剥離され、その結果、接着層が露出される。
ローラから、長尺状の支持シート上に、セラミックグリーンシート、接着層および中間シートが積層された積層体が繰り出され、中間シートが接着層から剥離されるのと同期して、表面に、剥離層、電極層およびスペーサ層が形成され、ローラに巻回された支持シートが、ローラから繰り出されて、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層が接着層を介して、約40℃ないし約100℃の温度下で、約0.2MPaないし約15MPaの圧力で、好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaの圧力で、加圧されて、セラミックグリーンシートと、スペーサ層および電極層が、接着層を介して、接着される。
好ましくは、一対の加圧ローラを用いて、セラミックグリーンシートと、接着層、電極層およびスペーサ層とが加圧されて、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層が、接着層を介して、接着される。
セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層とが、接着層を介して、接着されると、剥離層から、支持シートが剥離される。
こうして、支持シート上に、セラミックグリーンシート、接着層、電極層、スペーサ層および剥離層が積層された積層体ユニットが作製され、作製された積層体ユニットは、ローラによって巻き取られる。
以上のようにして、積層体ユニットが作製され、さらに、多数の積層体ユニットが、接着層を介して、積層されて、多数の積層体ユニットを含む積層体ブロックが作製され、あるいは、支持シート上に、接着層を介して、さらに、多数の積層体ユニットが形成されて、積層体ブロックが作製される。
本発明においては、スペーサ層および接着層には、セラミックグリーンシートに含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、接着層とスペーサ層との接着性および接着層とセラミックグリーンシートとの接着性を向上させることが可能になり、多数の積層体ユニットを積層して、多数の積層体ユニットを含む積層体ブロックを作製する工程で、あるいは、支持シート上に、接着層を介して、さらに、多数の積層体ユニットを形成して、多数の積層体ユニットを含む積層体ブロックを作製する工程で、接着層と電極層およびスペーサ層との間あるいは接着層とセラミックグリーンシートとの間で、デラミネーションが発生することを効果的に防止することが可能になる。
多数の積層体ユニットを含む積層体ブロックを作製するにあたっては、まず、電極層およびスペーサ層の表面に、支持シートの表面に形成された接着層を転写したのと同様にして、積層体ユニットのセラミックグリーンシートの表面に、接着層が転写される。
積層体ユニットのセラミックグリーンシートの表面に、接着層が転写された積層体ユニットを、ローラによって巻き取る場合には、さらに、接着層に表面に、中間シートが付着された後、積層体ユニットが、ローラによって巻き取られる。
多数の積層体ユニットを積層して、多数の積層体ユニットを含む積層体ブロックを作製する場合には、次いで、積層体ユニットが巻回されたローラが、裁断装置あるいは積層装置にセットされる。
積層体ユニットが巻回されたローラが、裁断装置にセットされた場合には、積層体ユニットが、ローラから繰り出され、接着層の表面に付着された中間シートが接着層から剥離され、表面に接着層が形成された積層体ユニットが、所定のサイズに、裁断される。
所定のサイズに、裁断された多数の積層体ユニットは、接着層を介して、積層されて、積層体ブロックが作製される。
多数の積層体ユニットの積層にあたっては、まず、支持体が、基板上に固定され、支持体の表面に、接着層が密着するように、積層体ユニットが位置決めされて、積層体ユニット上に圧力が加えられる。
支持体としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられる。
支持体の厚さは、積層体ユニットを支持可能な厚さであれば、とくに限定されるものではない。
支持体の表面に、接着層が接着されると、積層体ユニットのセラミックグリーンシートから、支持シートが剥離される。
さらに、剥離層の表面に、接着層が転写された新たな積層体ユニットが、接着層が、支持体に接着された積層体ユニットのセラミックグリーンシートに密着するように、支持体に接着された積層体ユニット上に位置決めされて、新たな積層体ユニットが、基板に向けて、加圧され、支持体に接着された積層体ユニット上に、新たな積層体ユニットが積層される。
次いで、新たに積層された積層体ユニットのセラミックグリーンシートから、支持シートが剥離される。
同様にして、所定の数の積層体ユニットが積層されて、積層体ブロックが作製され、所定の数の積層体ブロックが積層されて、積層セラミック電子部品が製造される。
これに対して、積層体ユニットが巻回されたローラが、積層装置にセットされた場合には、まず、積層体ユニットが、ローラから繰り出され、接着層の表面に付着された中間シートが接着層から剥離される。
中間シートが積層体ユニットの接着層から剥離されるのと同期して、支持シート上に、剥離層、電極層、スペーサ層およびセラミックグリーンシートが積層された新たに積層すべき別の積層体ユニットが、ローラから繰り出され、積層体ユニットの剥離層と、新たに積層すべき積層体ユニットのセラミックグリーンシートが、接着層を介して、約40℃ないし約100℃の温度下で、約0.2MPaないし約15MPaの圧力で、好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaの圧力で、加圧されて、積層体ユニットの剥離層と、新たに積層すべき積層体ユニットのセラミックグリーンシートとが、接着層を介して、接着される。
好ましくは、一対の加圧ローラを用いて、2つの積層体ユニットが加圧されて、積層体ユニットの剥離層と、新たに積層すべき積層体ユニットのセラミックグリーンシートが、接着層を介して、接着される。
次いで、新たに積層された積層体ユニットの剥離層から、支持シートが剥離され、2つの積層体ユニットが積層された積層体ユニットセットが作製される。
こうして作製された積層体ユニットセットは、ローラによって、巻き取られる。
さらに、積層体ユニットセットが、ローラから繰り出され、剥離層の表面に、支持シートの表面に形成された接着層を転写したのと同様にして、積層体ユニットセットの剥離層の表面に、接着層が転写され、次いで、接着層が転写されるのと同期して、支持シート上に、剥離層、電極層、スペーサ層およびセラミックグリーンシートが積層された新たに積層すべき別の積層体ユニットが、ローラから繰り出され、積層体ユニットの剥離層と、別の積層体ユニットのセラミックグリーンシートを、接着層を介して、接着したのと同様にして、積層体ユニットセットの剥離層と、新たに積層すべき積層体ユニットのセラミックグリーンシートが、接着層を介して、加圧されて、積層体ユニットセットの剥離層と、新たに積層すべき積層体ユニットのセラミックグリーンシートが、接着層を介して、接着される。
同様にして、次々に、積層体ユニットが積層され、所定の数の積層体ユニットが積層された積層体ユニットセットが作製されると、積層体ユニットセットが、所定のサイズに裁断されて、積層体ブロックが作製される。
こうして作製された積層体ブロックが積層されて、積層セラミック電子部品が製造される。
一方、支持シート上に、接着層を介して、さらに、多数の積層体ユニットを形成して、多数の積層体ユニットを含む積層体ブロックを作製する場合には、剥離層の表面に、接着層が転写され、接着層の表面に、中間シートが付着された積層体ユニットが巻回されたローラが積層装置にセットされる。
次いで、積層体ユニットが、ローラから繰り出され、接着層の表面に付着された中間シートが接着層から剥離される。
中間シートが積層体ユニットの接着層から剥離されるのと同期して、支持シート上に、セラミックグリーンシートが形成された積層体が、ローラから繰り出され、積層体ユニットの剥離層と、支持シート上に形成されたセラミックグリーンシートとが、接着層を介して、約40℃ないし約100℃の温度下で、約0.2MPaないし約15MPaの圧力で、好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaの圧力で、加圧されて、積層体ユニットの剥離層と、支持シート上に形成されたセラミックグリーンシートとが、接着層を介して、接着される。
好ましくは、一対の加圧ローラを用いて、積層体ユニットと、支持シート上に形成されたセラミックグリーンシートとが加圧されて、積層体ユニットの剥離層と、支持シート上に形成されたセラミックグリーンシートとが、接着層を介して、接着される。
次いで、接着層に接着したセラミックグリーンシートから、支持シートが剥離され、支持シート上に、セラミックグリーンシート、接着層、電極層、スペーサ層、剥離層、接着層およびセラミックグリーンシートが積層された積層体が作製され、ローラによって巻き取られる。
さらに、支持シート上に、セラミックグリーンシート、接着層、電極層、スペーサ層、剥離層、接着層およびセラミックグリーンシートが積層された積層体が巻回されたローラが、積層装置にセットされ、電極層およびスペーサ層の表面に、支持シートの表面に形成された接着層を転写したのと同様にして、積層体のセラミックグリーンシートの表面に、接着層が転写される。
セラミックグリーンシートの表面に、接着層が転写された積層体を、ローラによって巻き取る場合には、さらに、接着層に表面に、中間シートが付着された後、積層体が、ローラによって巻き取られる。
次いで、支持シート上に、セラミックグリーンシート、接着層、電極層、スペーサ層、剥離層、接着層、セラミックグリーンシート、接着層および中間シートが積層された積層体が巻回されたローラが積層装置にセットされて、積層体が、ローラから繰り出され、接着層の表面に付着された中間シートが接着層から剥離される。
中間シートが積層体の接着層から剥離されるのと同期して、剥離層、電極層およびスペーサ層が形成された支持シートが、ローラから繰り出され、積層体のセラミックグリーンシートと、支持シート上に形成された電極層およびスペーサ層とが、接着層を介して、約40℃ないし約100℃の温度下で、約0.2MPaないし約15MPaの圧力で、好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaの圧力で、加圧されて、積層体のセラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層とが、接着層を介して、接着される。
好ましくは、一対の加圧ローラを用いて、支持シート上に、セラミックグリーンシート、接着層、電極層、スペーサ層、剥離層、接着層、セラミックグリーンシートおよび接着層が積層された積層体と、剥離層、電極層およびスペーサ層が形成された支持シートとが加圧されて、積層体のセラミックグリーンシートと、支持シート上に形成された電極層およびスペーサ層とが、接着層を介して、接着される。
積層体のセラミックグリーンシートと、支持シート上に形成された電極層およびスペーサ層とが、接着層を介して、接着されると、剥離層から、支持シートが剥離される。
こうして、支持シート上に、セラミックグリーンシート、接着層、電極層、スペーサ層、剥離層からなる積層体ユニットと、セラミックグリーンシート、接着層、電極層、スペーサ層、剥離層からなる積層体ユニットが、接着層を介して、積層され、2つの積層体ユニットを含む積層体ユニットセットが作製され、作製された積層体ユニットは、ローラによって巻き取られる。
さらに、2つの積層体ユニットが、接着層を介して、積層された積層体ユニットセットが巻回されたローラが、積層装置にセットされ、電極層およびスペーサ層の表面に、支持シートの表面に形成された接着層を転写したのと同様にして、積層体ユニットセットの表面の剥離層の表面に、接着層が転写される。
こうして、支持シート上に、2つの積層体ユニットが積層されて、積層体ユニットセットが作製され、積層体ユニットセットの表面の剥離層の表面に、接着層が転写されると、積層体ユニットセットが、所定のサイズに裁断されて、積層体ブロックが作製される。
あるいは、同様にして、次々に、積層体ユニットが、支持シート上の積層体ユニットセット上に積層されて、所定の数の積層体ユニットが積層された積層体ユニットセットが作製されると、積層体ユニットセットが、所定のサイズに裁断されて、積層体ブロックが作製される。
こうして作製された積層体ブロックが積層されて、積層セラミック電子部品が製造される。
本発明によれば、セラミックグリーンシートの変形および破壊を防止するとともに、電極ペースト中の溶剤がセラミックグリーンシート中に染み込むことを防止することができ、セラミックグリーンシートと電極層とが積層された積層体ユニットを、所望のように、製造することができる積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法、積層体ユニットを含む積層電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法およびセラミックグリーンシートと電極層とが積層された積層体ユニットを提供することが可能になる。
以下、添付図面に基づいて、本発明の好ましい実施態様にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法につき、詳細に説明を加える。
積層セラミックコンデンサを製造するにあたっては、まず、セラミックグリーンシートを製造するために、誘電体ペーストが調製される。
誘電体ペーストは、通常、誘電体材料と、有機溶剤中にバインダを溶解させた有機ビヒクルを混練して、調製される。
調製された誘電体ペーストは、たとえば、エクストルージョンコーターやワイヤーバーコーターなどを用いて、支持シート上に塗布され、塗膜が形成される。
誘電体ペーストを塗布する支持シートとしては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられ、剥離性を改善するために、その表面に、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされる。支持シートの厚さは、とくに限定されるものではないが、好ましくは、約5μmないし約100μmである。
次いで、塗膜が、たとえば、約50℃ないし約100℃の温度で、約1分ないし約20分にわたって、乾燥され、支持シート上に、セラミックグリーンシートが形成される。
乾燥後におけるセラミックグリーンシートの厚さは3μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは、1.5μm以下である。
また、セラミックグリーンシートが形成される支持シートの幅は、通常、100mmないし400mm程度である。
図1は、支持シートの表面上に、セラミックグリーンシートが形成された状態を示す略断面図である。
実際には、支持シート1は、長尺状をなし、セラミックグリーンシート2は、長尺状の支持シート1の表面に、連続的に形成される。
セラミックグリーンシート2が形成された後、支持シート1は、ローラ(図示せず)によって、巻き取られる。
一方、セラミックグリーンシート2を形成する支持シート1とは別の支持シートが用意されて、別の支持シート上に、剥離層、電極層およびスペーサ層が形成される。
図2は、その表面上に、剥離層および電極層が形成された支持シートの略一部断面図である。
実際には、支持シート4は、長尺状をなし、剥離層5は、長尺状の支持シート4の表面に、連続的に形成され、剥離層5の表面に、電極層6が、所定のパターンで形成される。
支持シート4の表面に、剥離層5を形成するにあたっては、まず、セラミックグリーンシート2を形成する場合と同様にして、剥離層5を形成するための誘電体ペーストが調製される。
剥離層5を形成するための誘電体ペーストは、好ましくは、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料と実質的に同一組成の誘電体材料の粒子を含んでいる。
剥離層5を形成するための誘電体ペーストに含まれているバインダは、セラミックグリーンシート2に含まれているバインダと同系であっても、同系でなくてもよいが、同系であることが好ましい。
こうして、誘電体ペーストが調製されると、たとえば、ワイヤーバーコーター(図示せず)を用いて、支持シート4上に、誘電体ペーストが塗布され、剥離層5が形成される。
剥離層5の厚さは、電極層6の厚さ以下であることが好ましく、好ましくは、電極層6の厚さの約60%以下、さらに好ましくは、電極層6の厚さの約30%以下である。
剥離層5を形成すべき支持シート4としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられ、剥離性を改善するために、その表面に、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされる。支持シート4の厚さは、とくに限定されるものではなく、セラミックグリーンシート2を形成すべき支持シート1の厚さと同じであっても、異なっていてもよいが、好ましくは、約5μmないし約100μmである。
剥離層5の形成後、剥離層5は、たとえば、約50℃ないし約100℃で、約1分ないし約10分にわたって、乾燥される。
剥離層5が乾燥された後、剥離層5の表面上に、焼成後に、内部電極層を構成する電極層6が、所定のパターンで形成される。
電極層6は、約0.1μmないし約5μmの厚さに形成されることが好ましく、より好ましくは、約0.1μmないし約1.5μmである。
電極層6を、剥離層5上に形成するに際しては、まず、各種導電性金属や合金からなる導電体材料、焼成後に、各種導電性金属や合金からなる導電体材料となる各種酸化物、有機金属化合物、または、レジネートなどと、有機溶剤中にバインダを溶解させた有機ビヒクルとを混練して、電極ペーストが調製される。
電極ペーストを製造する際に用いる導電体材料としては、Ni、Ni合金あるいはこれらの混合物が、好ましく用いられる。
導電体材料の平均粒子径は、とくに限定されるものではないが、通常、約0.1μmないし約2μm、好ましくは、約0.2μmないし約1μmの導電性材料が用いられる。
電極層6は、スクリーン印刷機やグラビア印刷機などの印刷機を用いて、電極ペーストを、剥離層5上に印刷することによって形成される。
剥離層5の表面上に、所定パターンの有する電極層6を、スクリーン印刷法やグラビア印刷法によって、形成した後に、電極層6が形成されていない剥離層5の表面に、電極層6と相補的なパターンで、スペーサ層が形成される。
図3は、剥離層5の表面上に、電極層6およびスペーサ層が形成された状態を示す略一部断面図である。
スペーサ層7は、剥離層5の表面に、電極層6を形成するのに先立って、電極層6が形成されるべき部分を除く剥離層5の表面に形成することもできる。
スペーサ層7を形成するにあたっては、セラミックグリーンシート2を作製したときに用いた誘電体ペーストと、実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末を含む誘電体ペーストが調製され、スクリーン印刷法やグラビア印刷法により、誘電体ペーストが、電極層6が形成されていない剥離層5の表面に、電極層6と相補的なパターンで、印刷される。
本実施態様においては、スペーサ層7は、ts/te=1.1になるように、剥離層5上に形成される。ここに、tsはスペーサ層7の厚さであり、teは電極層6の厚さである。
剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が形成された後、支持シート4は、ローラ(図示せず)によって巻き取られる。
本実施態様においては、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7は、接着層を介して、接着されるように構成されており、さらに、セラミックグリーンシート2が形成された支持シート1ならびに電極層6およびスペーサ層7が形成された支持シート4とは別の支持シートが用意され、新たに用意された支持シート上に、接着層が形成されて、接着シートが作製される。
図4は、支持シートの表面上に、接着層が形成された接着シートの略一部断面図である。
実際には、支持シート9は、長尺状をなし、接着層10は、長尺状の支持シート9の表面に、連続的に形成される。
接着層10を形成すべき支持シート9としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられ、その両表面に、剥離性を改善するために、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされる。支持シート9の厚さは、とくに限定されるものではないが、好ましくは、約5μmないし約100μmである。
接着層10を形成するにあたっては、まず、接着剤溶液が調製される。
本実施態様においては、接着剤溶液は、バインダ、誘電体材料の粉末、可塑剤および帯電防止剤と、任意成分として、剥離剤とを含んでいる。
接着剤溶液に含まれるバインダは、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストに含まれるバインダと同系のバインダであることが好ましいが、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストに含まれるバインダと同系でないバインダであってもよい。
接着剤溶液は、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粒子と実質的に同一の組成を有し、その粒径が、接着層10の厚さ以下の誘電体材料の粒子を含んでいる。
接着剤溶液中の誘電体材料の粒子のバインダ重量に対する割合は、セラミックグリーンシートに含まれている誘電体材料の粒子のバインダ重量に対する割合より小さいことが好ましく、接着剤溶液中の誘電体材料の粒子の含有量は、バインダ重量の0.5重量%ないし25重量%であることが好ましい。
接着剤溶液に含まれる可塑剤は、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストに含まれる可塑剤と同系の可塑剤であることが好ましいが、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストに含まれるバインダと同系でない可塑剤であってもよい。
可塑剤の含有量は、バインダ100重量部に対して、約0重量部ないし約200重量部、好ましくは、約20重量部ないし約200重量部、さらに好ましくは、約50重量部ないし約100重量部である。
本実施態様において、接着剤溶液は、バインダの0.01重量%ないし15重量%の帯電防止剤を含んでいる。
本実施態様においては、帯電防止剤として、イミダゾリン系界面活性剤が用いられている。
こうして調製された接着剤溶液は、たとえば、バーコータ、エクストルージョンコータ、リバースコータ、ディップコーター、キスコーターなどによって、支持シート9の表面上に塗布され、好ましくは、約0.3μm以下、より好ましくは、約0.02μmないし約0.3μm、さらに好ましくは、約0.02μmないし約0.2μmの厚さを有する接着層10が形成される。接着層10の厚さが、約0.02μm未満の場合には、接着力が低下し、一方、接着層10の厚さが、約0.3μmを越えると、欠陥(隙間)の発生原因となり、好ましくない。
接着層10は、たとえば、室温(25℃)ないし約80℃の温度で、約1分ないし約5分にわたって、乾燥される。接着層10の乾燥条件は、とくに限定されるものではない。
支持シート9の表面に、接着層10が形成されて形成された接着シート11は、ローラ(図示せず)によって巻き取られる。本実施態様においては、支持シート9は、その両表面に、剥離性を改善するために、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされているから、ローラによって巻き取ったときに、接着層10が支持シート9の裏面に接着することが防止される。
こうして、支持シート9上に形成された接着層10は、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に転写される。
図5は、支持シート9上に形成された接着層10を、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に転写する転写装置の略断面図である。
図5に示されるように、支持シート9上に形成された接着層10を、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に転写する転写装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、中間シート巻き取りローラ14と、一対の加圧ローラ15、16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ19aとを備えている。
本実施態様においては、上方に配置された加圧ローラ15は金属ローラによって構成され、下方に配置された加圧ローラ16はゴムローラによって構成されている。
支持シート9上に形成された接着層10を、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に転写するにあたっては、第一の繰り出しローラ12として、接着シート11が巻回されたローラが転写装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、表面に、セラミックグリーンシート2が形成された支持シート1が巻回されたローラがセットされる。
さらに、中間シート19が巻回された中間シート繰り出しローラ19aが転写装置にセットされる。
中間シート19は、セラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10の表面に付着され、接着層10がセラミックグリーンシート2の表面に転写された支持シート1を、第二の巻き取りローラ18によって巻き取った際に、接着層11が支持シート1の表面に接着することを防止するものであり、接着層10が形成された支持シート9を同じ材料によって形成され、支持シート9を同一の厚さを有し、接着層10に付着される表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成されるべき支持シート9と同じ表面処理が施されている。
支持シート9上に形成された接着層10を、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に転写するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12から、接着シート11が繰り出され、接着シート11が、一対の加圧ローラ15、16の間に供給される。
第一の繰り出しローラ12からの接着シート11の繰り出しに同期して、第二の繰り出しローラ13から、表面に、セラミックグリーンシート2が形成された支持シート1が繰り出されて、一対の加圧ローラ15、16の間に供給される。
接着層10を、セラミックグリーンシート2の表面に転写する場合には、中間シート巻き取りローラ14は駆動されない。
図6は、一対の加圧ローラ15、16の近傍の略拡大断面図である。
一対の加圧ローラ15、16は、約40℃ないし約100℃の温度に保持され、一対の加圧ローラ15、16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
表面に、セラミックグリーンシート2が形成された支持シート1および表面に、接着層10が形成された支持シート9の供給速度は、たとえば、2m/分に設定される。
図6に示されるように、接着層10が形成された支持シート9は、支持シート9に加えられる引張り力によって、支持シート9が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、一対の加圧ローラ15、16間に供給され、セラミックグリーンシート2が形成された支持シート1は、支持シート1が、下方の加圧ローラ16に接触し、セラミックグリーンシート2が、支持シート9上に形成された接着層10の表面に接触するように、略水平方向に、一対の加圧ローラ15、16間に供給される。
その結果、支持シート9上に形成された接着層10が、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に接着される。
一方、図6に示されるように、接着層10が形成された支持シート9は、一対の加圧ローラ15、16の間から、斜め上方に向けて、搬送され、したがって、支持シート9が、セラミックグリーンシート2の表面に接着した接着層10から剥離されて、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られる。
接着層10から、支持シート9を剥離する際、静電気が発生し、塵埃が付着したり、接着層10が、支持シート9に引き付けられ、所望のように、支持シート9を、接着層10から剥離することが困難になることがあるが、本実施態様においては、接着層10が、バインダに対して、0.01重量%ないし15重量%のイミダゾリン系界面活性剤を含んでいるから、静電気の発生を効果的に防止することが可能になる。
こうして、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10が接着され、接着層10から、支持シート9が剥離されると、図5に示されるように、中間シート繰り出しローラ19aから、繰り出された中間シート19が、接着層10の表面に付着され、その表面に、セラミックグリーンシート2、接着層10および中間シート19が積層された支持シート1が、第二の巻き取りローラ18によって巻き取られる。
本実施態様においては、接着層10には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、接着層10とセラミックグリーンシート2との接着性を向上させることができ、したがって、接着層10をセラミックグリーンシート2の表面に接着させた後に、接着層10から、支持シート9を剥離する際に、支持シート9とともに、接着層10がセラミックグリーンシート2から剥離することを確実に防止することが可能になる。
また、本実施態様においても、中間シート19は、接着層10が形成された支持シート9を同じ材料によって形成され、支持シート9を同一の厚さを有し、接着層10に付着される表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成されるべき支持シート9と同じ表面処理が施されているから、中間シート19を、所望のように、接着層10の表面に付着させることができる。
このように、本実施態様においては、接着層10の表面に、中間シート19が付着された後に、その表面に、セラミックグリーンシート2、接着層10および中間シート19が積層された支持シート1が、第二の巻き取りローラ18に巻き取られるように構成されているから、接着層10が支持シート1に接着することがない。
次いで、支持シート1上に形成された剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が、接着層10を介して、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に転写される。
図7は、支持シート1上に形成された剥離層5、電極層6およびスペーサ層7を、接着層10を介して、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に転写する転写装置の略断面図である。
図7に示されるように、支持シート1上に形成された剥離層5、電極層6およびスペーサ層7を、接着層10を介して、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に転写する転写装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、中間シート巻き取りローラ14と、一対の加圧ローラ15、16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ19aとを備え、図5に示された転写装置と同一の構成を有している。
支持シート1上に形成された剥離層5、電極層6およびスペーサ層7を、接着層10を介して、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に転写するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12として、表面に、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が形成された支持シート4が巻回されたローラが、転写装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、表面に、セラミックグリーンシート2、接着層10および中間シート19が積層された支持シート1が巻回された第二の巻き取りローラ18が、転写装置にセットされる。
次いで、第二の繰り出しローラ13から、表面に、セラミックグリーンシート2、接着層10および中間シート19が積層された支持シート1が繰り出され、接着層10の表面に付着した中間シート19が剥離されて、中間シート巻き取りローラ14によって巻き取られる。
本実施態様においては、中間シート19の表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成さえるべき支持シート9と同じ表面処理が施されているから、中間シート19を接着層10から、所望のように、剥離させて、中間シート巻き取りローラ14によって巻き取ることができる。
中間シート19が接着層10から剥離された支持シート1、セラミックグリーンシート2および接着層10からなる積層体は、支持シート1が下方の加圧ローラ16に接触するように、一対の加圧ローラ15、16の間に供給され、一方、第二の繰り出しローラ13からの支持シート1の繰り出しに同期して、第一の繰り出しローラ12から、表面に、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が積層された支持シート4が繰り出され、第二の支持シート4が上方の加圧ローラ15に接触するように、一対の加圧ローラ15、16の間に供給される。
図8は、一対の加圧ローラ15、16の近傍の略拡大断面図である。
図7および図8に示された転写装置においても、一対の加圧ローラ15、16は、約40℃ないし約100℃の温度に保持され、一対の加圧ローラ15、16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
表面に、セラミックグリーンシート2および接着層10が積層された支持シート1および表面に、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が積層された支持シート4の供給速度は、たとえば、2m/分に設定される。
図8に示されるように、表面に、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が積層された支持シート4は、支持シート4に加えられる引張り力によって、支持シート4が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、一対の加圧ローラ15、16間に供給され、セラミックグリーンシート2および接着層10が積層された支持シート1は、支持シート1が、下方の加圧ローラ16に接触し、接着層10の表面が、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に接触するように、略水平方向に、一対の加圧ローラ15、16間に供給される。
その結果、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を介して、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7が接着され、その一方で、図24に示されるように、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が積層された支持シート4は、一対の加圧ローラ17、18の間から、斜め上方に向けて、搬送されるから、支持シート4が、セラミックグリーンシート2の表面に接着した電極層6およびスペーサ層7ならびに剥離層5から剥離される。
電極層6およびスペーサ層7ならびに剥離層5から剥離された支持シート4は、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られ、一方、接着層10を介して、電極層6およびスペーサ層7がセラミックグリーンシート2の表面に接着した支持シート1は、第二の巻き取りローラ18によって巻き取られる。
本実施態様においては、スペーサ層7および接着層10には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、スペーサ層7と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、電極層6およびスペーサ層7が接着層10に接着された後に、剥離層5から、支持シート4を剥離する際に、支持シート4とともに、電極層6およびスペーサ層7ならびに剥離層5が、接着層10から剥離することを確実に防止することが可能になる。
また、本実施態様においては、接着層10を、セラミックグリーンシート2の表面に転写した後に、接着層10の表面に、中間シート52を付着させるように構成されているから、その表面に、セラミックグリーンシート2、接着層10および中間シート52が積層された支持シート1を、ローラ54によって、巻き取っても、接着層10が、支持シート1の表面に付着することがなく、したがって、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを、接着層10を介して、接着して、積層体ユニットを作製する転写装置を、支持シート1の表面に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を転写するための転写装置と並列的に配置することができるから、製造ラインが徒に長くなることを防止することが可能になる。
本実施態様においては、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とは、接着層10を介して、接着され、従来のように、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7に含まれているバインダの粘着力や、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の変形を利用して、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを接着してはいないから、たとえば、約0.2MPaないし約15MPaの低い圧力で、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを接着することができる。
したがって、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の変形を防止することが可能になるから、こうして得られたセラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の積層体を積層して、積層セラミックコンデンサを作製する際の積層精度を向上させることが可能になる。
また、本実施態様においては、電極層6および電極層6よりも密度が小さく、圧縮率が高いスペーサ層7が、ts/te=1.1となるように形成されているから、電極層6およびスペーサ層7を、接着層10を介して、セラミックグリーンシート2上に転写する際に、加圧によって、スペーサ層7が圧縮され、接着層10を介して、電極層6およびスペーサ層7と、セラミックグリーンシート2とを確実に接着させることができ、したがって、剥離層5から、支持シート4を剥離するときに、電極層6が、支持シート4とともに、剥離することを確実に防止することが可能になる。
さらに、本実施態様においては、支持シート4上に、形成された電極層6が乾燥した後に、接着層10を介して、セラミックグリーンシート2の表面に接着するように構成されているから、セラミックグリーンシート2の表面に、電極ペーストを印刷して、電極層6を形成する場合のように、電極ペーストが、セラミックグリーンシート2に含まれているバインダを溶解させ、あるいは、膨潤させることがなく、また、電極ペーストがセラミックグリーンシート2中に染み込むこともなく、所望のように、セラミックグリーンシート2の表面に、電極層6を形成することが可能になる。
以上のようにして、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を介して、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7が接着され、電極層6およびスペーサ層7ならびに剥離層5から、支持シート4が剥離された後、その表面に、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5が積層された支持シート1が、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取られる。
こうして、支持シート1の表面に、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5が積層された積層体ユニット20が形成される。
次いで、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に、接着シート11の接着層10を転写したのと全く同様にして、支持シート1上に形成された積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着シート11の接着層10が転写される。
図9は、積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着シート11の接着層10を転写する転写装置の略断面図である。
図9に示されるように、積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着シート11の接着層10を転写する転写装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、中間シート巻き取りローラ14と、一対の加圧ローラ15、16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ19aとを備え、図5に示された転写装置および図7に示された転写装置と同一の構成を有している。
積層体ユニット20の電極層6およびスペーサ層7の表面に、接着シート11の接着層10を転写するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12として、接着シート11が巻回されたローラが転写装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、表面に、積層体ユニット20が形成された支持シート1が巻回された第二の巻き取りローラ18がセットされる。
次いで、第一の繰り出しローラ12から、接着シート11が繰り出され、一対の加圧ローラ15、16の間に、供給される。
第一の繰り出しローラ12からの接着シート11の繰り出しに同期して、第二の繰り出しローラ13から、表面に、積層体ユニット20が形成された支持シート1が繰り出され、一対の加圧ローラ15、16の間に、供給される。
図10は、一対の加圧ローラ15、16の近傍の略拡大断面図である。
一対の加圧ローラ15、16は、約40℃ないし約100℃の温度に保持され、一対の加圧ローラ15、16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
表面に、積層体ユニット20が形成された支持シート1および表面に、接着層10が形成された支持シート9の供給速度は、たとえば、2m/分に設定される。
図10に示されるように、接着層10が形成された支持シート9は、支持シート9に加えられる引張り力によって、支持シート9が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、一対の加圧ローラ15、16間に供給され、その表面に、積層体ユニット20が形成された支持シート1は、支持シート1が、下方の加圧ローラ16に接触し、積層体ユニット20の電極層6およびスペーサ層7が、支持シート9上に形成された接着層10の表面に接触するように、略水平方向に、一対の加圧ローラ15、16間に供給される。
その結果、支持シート9上に形成された接着層10が、積層体ユニット20の電極層6およびスペーサ層7の表面に接着される。
一方、図10に示されるように、接着層10が形成された支持シート9は、一対の加圧ローラ15、16の間から、斜め上方に向けて、搬送され、したがって、支持シート9が、電極層6およびスペーサ層7の表面に接着した接着層10から剥離されて、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られる。
支持シート9上に形成された接着層10が、積層体ユニット20の電極層6およびスペーサ層7の表面に接着され、接着層10から、支持シート9が剥離された後、中間シート繰り出しローラ19aから、中間シート19が繰り出されて、接着層10の表面に付着され、次いで、その表面に、積層体ユニット20が形成された支持シート1が、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取られる。
本実施態様においては、スペーサ層7および接着層10には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、スペーサ層7と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、接着層10を電極層6およびスペーサ層7の表面に接着させた後、接着層10から、支持シート9を剥離する際に、支持シート9とともに、接着層10が、電極層6およびスペーサ層7から剥離することを確実に防止することが可能になる。
以上のようにして得られた積層体ユニット20が、裁断装置(図示せず)によって、所定のサイズに裁断されて、支持シート4の表面上に、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5が積層された所定のサイズを有する積層体ユニット20が作製される。
図11は、こうして、裁断装置によって、所定のサイズに裁断された積層体ユニット20の略断面図である。
図11に示されるように、積層体ユニット20は、支持シート1の表面上に形成され、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含み、剥離層5上には、接着層10が転写されている。
同様にして、支持シート1の表面上に、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を積層し、剥離層5の表面に、接着層10を転写して、それぞれが、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含み、剥離層5上に、接着層10が転写された多数の積層体ユニット20が作製される。
こうして作製された多数の積層体ユニット20を、剥離層5の表面に転写された接着層10を介して、積層することによって、積層セラミックコンデンサが作製される。
図12は、積層体ユニット20の積層プロセスの第一のステップを示す略一部断面図である。
図12に示されるように、積層体ユニット20の積層にあたっては、まず、多数の孔26が形成された基板25上に、支持体28がセットされる。
支持体28としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられる。
支持体28は、基板25に形成された多数の孔26を介して、エアにより吸引され、基板25上の所定の位置に固定される。
図13は、積層体ユニット20の積層プロセスの第二のステップを示す略一部断面図である。
次いで、図13に示されるように、剥離層5の表面に転写された接着層10の表面が、支持体28の表面に接触するように、積層体ユニット20が位置決めされて、積層体ユニット20の支持シート1が、プレス機などによって、加圧される。
その結果、積層体ユニット20が、剥離層5の表面に転写された接着層10を介して、基板25上に固定された支持体28上に接着されて、積層される。
図14は、積層体ユニット20の積層プロセスの第三のステップを示す略一部断面図である。
積層体ユニット20が、剥離層5の表面に転写された接着層10を介して、基板25上に固定された支持体28上に接着されて、積層されると、図14に示されるように、支持シート1が、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2から剥離される。
こうして、剥離層5の表面に転写された接着層10を介して、基板25上に固定されている支持体28上に積層された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2上に、さらに、積層体ユニット20が積層される。
図15は、積層体ユニット20の積層プロセスの第四のステップを示す略一部断面図である。
次いで、図15に示されるように、剥離層5の表面に転写された接着層10の表面が、基板25に固定された支持体28に接着された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に接触するように、新たな積層体ユニット20が位置決めされて、新たな積層体ユニット20の支持シート1が、プレス機などによって、加圧される。
その結果、新たな積層体ユニット20が、剥離層5の表面に転写された接着層10を介して、基板25上に固定されている支持体28上に接着された積層体ユニット20上に、積層される。
図16は、積層体ユニット20の積層プロセスの第五のステップを示す略一部断面図である。
新たな積層体ユニット20が、接着層10を介して、基板25上に固定されている支持体28上に接着された積層体ユニット20上に、積層されると、図16に示されるように、新たに積層された積層体ユニット20の支持シート1が、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2から剥離される。
本実施態様においては、接着層10、スペーサ層7および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着性、接着層10とスペーサ層7との接着性および剥離層5と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、多数の積層体ユニット20を積層する際に、支持シート1のみを、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2から、確実に剥離することが可能になる。
同様にして、積層体ユニット20が、次々に積層されて、所定の数の積層体ユニット20が、基板25に固定された支持体28上に積層されて、積層体ブロック40が作製される。
所定の数の積層体ユニット20が、基板25に固定されている支持体28上に積層されて、積層体ブロックが作製されると、基板25に固定されている支持体28上に、所定の数の積層体ユニット20が積層された積層体ブロックが、積層セラミックコンデンサの外層上に積層される。
図17は、基板25に固定されている支持体28上に積層された積層体ブロック40を、積層セラミックコンデンサの外層上に積層する積層プロセスの第一のステップを示す略一部断面図である。
図17に示されるように、まず、多数の孔31が形成された基台30上に、接着層32が形成された外層33がセットされる。
外層33は、基台30に形成された多数の孔31を介して、エアにより吸引され、基台30上の所定の位置に固定される。
次いで、図17に示されるように、多数の孔26を介して、エアにより吸引され、基板25上の所定の位置に固定されている支持体28上に積層された積層体ブロック40が、最後に積層された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面が、外層33上に形成された接着層32の表面に接触するように、位置決めされる。
次いで、エアによる支持体28の吸引が停止されて、基板25が、積層体ブロック40を支持している支持体28から取り去られる。
基板25が、支持体28から取り去られると、プレス機などによって、支持体28が加圧される。
その結果、積層体ブロック40が、接着層32を介して、基台30上に固定された外層33上に接着されて、積層される。
図18は、基板25に固定されている支持体28上に積層された積層体ブロック40を、積層セラミックコンデンサの外層上に積層する積層プロセスの第二のステップを示す略一部断面図である。
積層体ブロック40が、接着層32を介して、基台30上に固定された外層33上に接着されて、積層されると、図18に示されるように、支持体28が、積層体ブロック40の接着層10から剥離される。
こうして、接着層32を介して、基台30上に固定されている外層33上に、所定の数の積層体ユニット20が積層された積層体ブロック40が積層される。
接着層32を介して、基台30上に固定されている外層33上に、積層体ブロック40が積層されると、基台30上に固定されている外層33上に積層された積層体ブロック40の最上の積層体ユニット20の接着層10上に、さらに、図12ないし図16に示されたステップにしたがって、基板25に固定されている支持体28上に、所定の数の積層体ユニット20が積層されて、作製された新たな積層体ブロック40が積層される。
図19は、基板25に固定されている支持体28上に積層された積層体ブロック40を、積層セラミックコンデンサの外層上に積層する積層プロセスの第三のステップを示す略一部断面図である。
図19に示されるように、多数の孔26を介して、エアにより吸引され、基板25上の所定の位置に固定されている支持体28上に新たに積層された積層体ブロック40が、最後に積層された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面が、基台30上に固定されている外層33上に積層された積層体ブロック40の最上の積層体ユニット20の接着層10の表面に接触するように、位置決めされる。
次いで、エアによる支持体28の吸引が停止されて、基板25が、積層体ブロック40を支持している支持体28から取り去られる。
基板25が、支持体28から取り去られると、プレス機などによって、支持体28が加圧される。
その結果、新たに積層された積層体ブロック40が、接着層10を介して、基台30上に固定されている外層33上に積層された積層体ブロック40に接着されて、積層される。
図20は、基板25に固定されている支持体28上に積層された積層体ブロック40を、積層セラミックコンデンサの外層上に積層する積層プロセスの第四のステップを示す略一部断面図である。
新たに積層された積層体ブロック40が、接着層10を介して、基台30上に固定されている外層33上に積層された積層体ブロック40に接着されて、積層されると、図20に示されるように、支持体28が、新たに積層された積層体ブロック40の接着層10から剥離される。
こうして、基台30上に固定されている外層33上に積層された積層体ブロック40上に、接着層10を介して、新たに積層された積層体ブロック40が接着されて、積層される。
同様にして、基板25に固定されている支持体28上に積層された積層体ブロック40が、次々に積層されて、所定の数の積層体ブロック40、したがって、所定の数の積層体ユニット20が、積層セラミックコンデンサの外層33上に積層される。
こうして、積層セラミックコンデンサの外層33上に、所定の数の積層体ユニット20が積層されると、他方の外層(図示せず)が、接着層を介して、接着されて、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体が作成される。
本実施態様においては、接着層10、スペーサ層7および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着性、接着層10とスペーサ層7との接着性および剥離層5と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、多数の積層体ブロック40を積層して、積層体を作製する積層プロセス中に、セラミックグリーンシート2と接着層10との間、接着層10と電極層6およびスペーサ層7との間あるいは剥離層5と接着層10との間で、デラミネーションが発生することを効果的に防止することが可能になる。
次いで、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体が、所定のサイズに裁断されて、多数のセラミックグリーンチップが作製される。
こうして作製されたセラミックグリーンチップは、還元ガス雰囲気下に置かれて、バインダが除去され、さらに、焼成される。
本実施態様においては、接着層10、スペーサ層7および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着性、接着層10とスペーサ層7との接着性および剥離層5と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、セラミックグリーンチップの焼成プロセス中に、セラミックグリーンシート2と接着層10との間、接着層10と電極層6およびスペーサ層7との間あるいは剥離層5と接着層10との間で、デラミネーションが発生することを効果的に防止することが可能になる。
次いで、焼成されたセラミックグリーンチップに、必要な外部電極などが取り付けられて、積層セラミックコンデンサが作製される。
本実施態様によれば、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とは、接着層10を介して、接着され、従来のように、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7に含まれているバインダの粘着力や、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の変形を利用して、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを接着してはいないから、たとえば、約0.2MPaないし約15MPaの低い圧力で、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを接着することができる。
したがって、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の変形を防止することが可能になるから、こうして得られたセラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の積層体を積層して、積層セラミックコンデンサを作製する際の積層精度を向上させることが可能になる。
また、本実施態様によれば、支持シート4上に形成された電極層6が乾燥した後に、接着層10を介して、セラミックグリーンシート2の表面に接着するように構成されているから、セラミックグリーンシート2の表面に、電極ペーストを印刷して、電極層6を形成する場合のように、電極ペーストが、セラミックグリーンシート2に含まれているバインダを溶解させ、あるいは、膨潤させることがなく、また、電極ペーストがセラミックグリーンシート2中に染み込むこともなく、所望のように、セラミックグリーンシート2の表面に、電極層6を形成することが可能になる。
さらに、接着層10から、支持シート9を剥離する際、静電気が発生し、塵埃が付着したり、接着層10が、支持シート9に引き付けられ、所望のように、支持シート9を、接着層10から剥離することが困難になることがあるが、本実施態様によれば、接着層10が、バインダに対して、0.01重量%ないし15重量%のイミダゾリン系界面活性剤を含んでいるから、静電気の発生を、効果的に防止することが可能になる。
さらに、本実施態様によれば、電極層6および電極層6よりも密度が小さく、圧縮率が高いスペーサ層7が、ts/te=1.1を満たすように形成されているから、電極層6およびスペーサ層7を、接着層10を介して、セラミックグリーンシート2上に転写する際に、一対の加圧ローラ17、18によって、スペーサ層7が圧縮されて、スペーサ層7のみならず、電極層6も、接着層10を介して、セラミックグリーンシート2の表面に確実に接着され、したがって、剥離層5から、支持シート4を剥離するときに、電極層6が、支持シート4とともに、セラミックグリーンシート2から剥離することを効果的に防止することができる。
また、本実施態様によれば、接着層10には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、接着層10とセラミックグリーンシート2との接着性を向上させることができ、したがって、接着層10をセラミックグリーンシート2の表面に接着させた後に、接着層10から、支持シート9を剥離する際に、支持シート9とともに、接着層10がセラミックグリーンシート2から剥離することを確実に防止することが可能になる。
さらに、本実施態様によれば、スペーサ層7および接着層10には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、スペーサ層7と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、電極層6およびスペーサ層7が接着層10に接着された後に、剥離層5から、支持シート4を剥離する際に、支持シート4とともに、電極層6およびスペーサ層7ならびに剥離層5が、接着層10から剥離することを確実に防止することが可能になる。
また、本実施態様によれば、スペーサ層7および接着層10には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、スペーサ層7と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、接着層10を電極層6およびスペーサ層7の表面に接着させた後、接着層10から、支持シート9を剥離する際に、支持シート9とともに、接着層10が、電極層6およびスペーサ層7から剥離することを確実に防止することが可能になる。
さらに、本実施態様によれば、接着層10、スペーサ層7および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着性、接着層10とスペーサ層7との接着性および剥離層5と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、多数の積層体ユニット20を積層する際に、支持シート1のみを、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2から、確実に剥離することが可能になる。
また、本実施態様によれば、接着層10、スペーサ層7および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着性、接着層10とスペーサ層7との接着性および剥離層5と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、多数の積層体ブロック40を積層して、積層体を作製する積層プロセス中に、セラミックグリーンシート2と接着層10との間、接着層10と電極層6およびスペーサ層7との間あるいは剥離層5と接着層10との間で、デラミネーションが発生することを効果的に防止することが可能になる。
さらに、本実施態様によれば、接着層10、スペーサ層7および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着性、接着層10とスペーサ層7との接着性および剥離層5と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、セラミックグリーンチップの焼成プロセス中に、セラミックグリーンシート2と接着層10との間、接着層10と電極層6およびスペーサ層7との間あるいは剥離層5と接着層10との間で、デラミネーションが発生することを効果的に防止することが可能になる。
また、本実施態様によれば、接着層10を、セラミックグリーンシート2の表面に転写した後に、接着層10の表面に、中間シート19を付着させるように構成されているから、その表面に、セラミックグリーンシート2、接着層10および中間シート19が積層された支持シート1を、第二巻き取りローラ18によって巻き取っても、接着層10が、支持シート1の表面に付着することがなく、したがって、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを、接着層10を介して、接着して、積層体ユニットを作製する転写装置を、支持シート1の表面に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を転写するための転写装置と並列的に配置することができるから、製造ラインが徒に長くなることを防止することが可能になる。
さらに、図5、図7および図9に示されるように、支持シート9上に形成された接着層10を、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に転写する転写装置、支持シート4上に形成された剥離層5、電極層6およびスペーサ層7を、接着層10を介して、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に転写する転写装置および積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着シート11の接着層10を転写する転写装置は、同一の構成を有しているから、支持シート9上に形成された接着層10を、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に転写するステップ、支持シート4上に形成された剥離層5、電極層6およびスペーサ層7を、接着層10を介して、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に転写するステップおよび積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着シート11の接着層10を転写するステップを、一つの転写装置を用いて、実行することができ、したがって、製造設備のスペースを大幅に縮小させることが可能になる。
また、本実施態様によれば、中間シート19の表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成されるべき支持シート9と同じ表面処理が施されているから、中間シート19を接着層10から、所望のように、剥離させて、中間シート巻き取りローラ14によって巻き取ることができる。
図21は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法に用いられる転写装置の略断面図である。
本実施態様にかかる転写装置は、図7に示された転写装置によって作製され、支持シート1の表面に、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5が積層された積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着シート11の接着層10を転写し、積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写された接着層10に、中間シートを付着させて、巻き取るように構成されている。
図21に示されるように、本実施態様にかかる転写装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、中間シート巻き取りローラ14と、一対の加圧ローラ15、16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ19aとを備え、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置および図9に示された転写装置と同一の構成を有している。
支持シート1の表面に、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5が積層された積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着シート11の接着層10を転写するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12として、接着シート11が巻回されたローラが転写装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、表面に、積層体ユニット20が形成された支持シート1が巻回されたローラがセットされる。
さらに、中間シート19が巻回された中間シート繰り出しローラ19aが転写装置にセットされる。
本実施態様において、中間シート19は、積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写された接着層10の表面に付着され、接着層10が剥離層5の表面に転写された積層体ユニット20を備えた支持シート1を、第二の巻き取りローラ18によって巻き取った際に、接着層11が支持シート1の表面に接着することを防止するものであり、接着層10が形成された支持シート9を同じ材料によって形成され、支持シート9を同一の厚さを有し、接着層10に付着される表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成されるべき支持シート9と同じ表面処理が施されている。
次いで、第一の繰り出しローラ12から、接着シート11が繰り出されて、一対の加圧ローラ15、16の間に供給され、第一の繰り出しローラ12からの接着シート11の繰り出しに同期して、第二の繰り出しローラ13から、表面に、積層体ユニット20が形成された支持シート1が繰り出されて、一対の加圧ローラ15、16の間に供給される。
接着層10を、積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写する場合には、中間シート巻き取りローラ14は駆動されない。
図22は、一対の加圧ローラ15、16の近傍の略拡大断面図である。
一対の加圧ローラ15、16は、約40℃ないし約100℃の温度に保持され、一対の加圧ローラ15、16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
表面に、積層体ユニット20が形成された支持シート1および表面に、接着層10が形成された支持シート9の供給速度は、たとえば、2m/分に設定される。
図22に示されるように、接着層10が形成された支持シート9は、支持シート9に加えられる引張り力によって、支持シート9が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、一対の加圧ローラ15、16間に供給され、その表面に、積層体ユニット20が形成された支持シート1は、支持シート1が、下方の加圧ローラ16に接触し、積層体ユニット20の剥離層5が、支持シート9上に形成された接着層10の表面に接触するように、略水平方向に、一対の加圧ローラ15、16間に供給される。
その結果、支持シート9上に形成された接着層10が、積層体ユニット20の剥離層5の表面に接着される。
図22に示されるように、接着層10が形成された支持シート9は、一対の加圧ローラ15、16の間から、斜め上方に向けて、搬送され、したがって、支持シート9が、剥離層5の表面に接着した接着層10から剥離される。
接着層10から、支持シート9を剥離する際、静電気が発生し、塵埃が付着したり、接着層10が、支持シート9に引き付けられ、所望のように、支持シート9を、接着層10から剥離することが困難になることがあるが、本実施態様においては、接着層10が、バインダに対して、0.01重量%ないし15重量%のイミダゾリン系界面活性剤を含んでいるから、静電気の発生を効果的に防止することが可能になる。
こうして、積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着層10が接着され、接着層10から、支持シート9が剥離されると、図21に示されるように、中間シート繰り出しローラ19aから、中間シート19が繰り出されて、中間シート19が、接着層10の表面に付着され、支持シート1上に、その表面に、積層体ユニット20、接着層10および中間シート19が、この順に積層された積層体が、第二の巻き取りローラ18によって巻き取られる。
本実施態様においては、剥離層5および接着層10には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、剥離層5と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着層10を接着した後、接着層10から、支持シート9を剥離する際に、接着層10が、支持シート9とともに、剥離層5から剥離することを確実に防止することが可能になる。
また、本実施態様においても、中間シート19は、接着層10が形成された支持シート9を同じ材料によって形成され、支持シート9を同一の厚さを有し、接着層10に付着される表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成されるべき支持シート9と同じ表面処理が施されている。
このように、本実施態様においては、接着層10の表面に、中間シート19が付着された後に、支持シート1上に、積層体ユニット20、接着層10および中間シート19が、この順に積層された積層体が、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取られるように構成されているから、支持シート1の巻き取りに際して、接着層10が積層体ユニット20の支持シート1に接着することがない。
こうして、支持シート1上に、セラミックグリーンシート2、接着層、電極層6、スペーサ層7および剥離層5が、この順に積層されて、形成された積層体ユニット20の表面に、接着層10が転写され、接着層10の表面に、中間シート19が付着されて、形成された積層体が、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取られる。
一方、こうして作製された積層体とは別に、支持シート4上に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2が、この順に積層されて、別の積層体ユニット20が作製される。
支持シート4上に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2が、この順に積層された積層体ユニット20を作製するにあたっては、まず、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に、支持シート9上に形成された接着層10が転写される。
図23は、支持シート9上に形成された接着層10を、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写する転写装置の略断面図である。
図23に示されるように、支持シート9上に形成された接着層10を、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写する転写装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、中間シート巻き取りローラ14と、一対の加圧ローラ15、16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ19aとを備え、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置、図9に示された転写装置および図21に示された転写装置を同一の構成を有している。
支持シート9上に形成された接着層10を、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写するにあたっては、第一の繰り出しローラ12として、接着シート11が巻回されたローラが転写装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、表面に、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が形成された支持シート4が巻回されたローラがセットされる。
さらに、中間シート19が巻回された中間シート繰り出しローラ19aが転写装置にセットされる。
中間シート19は、電極層6およびスペーサ層7の表面に転写された接着層10の表面に付着され、接着層10が電極層6およびスペーサ層7の表面に転写された支持シート4を、第二の巻き取りローラ18によって巻き取った際に、接着層11が支持シート4の表面に接着することを防止するものであり、本実施態様においては、接着層10が形成された支持シート9を同じ材料によって形成され、支持シート9を同一の厚さを有し、中間シート19の接着層10に付着される表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成される支持シート9と同じ表面処理が施されている。
支持シート9上に形成された接着層10を、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12から、接着シート11が繰り出されて、一対の加圧ローラ15、16の間に供給される。
第一の繰り出しローラ12からの接着シート11の繰り出しに同期して、第二の繰り出しローラ13から、表面に、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が形成された支持シート4が繰り出されて、一対の加圧ローラ15、16の間に供給される。
接着層10を、支持シート9上に形成された接着層10を、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写する場合には、中間シート巻き取りローラ14は駆動されない。
図24は、一対の加圧ローラ15、16の近傍の略拡大断面図である。
一対の加圧ローラ15、16は、約40℃ないし約100℃の温度に保持され、一対の加圧ローラ15、16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
表面に、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が形成された支持シート4および表面に、接着層10が形成された支持シート9の供給速度は、たとえば、2m/分に設定される。
図24に示されるように、接着層10が形成された支持シート9は、支持シート9に加えられる引張り力によって、支持シート9が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、一対の加圧ローラ15、16間に供給され、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が形成された支持シート4は、支持シート4が、下方の加圧ローラ16に接触し、電極層6およびスペーサ層7の表面が、支持シート9上に形成された接着層10の表面に接触するように、略水平方向に、一対の加圧ローラ15、16間に供給される。
その結果、支持シート9上に形成された接着層10が、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に接着される。
一方、図24に示されるように、接着層10が形成された支持シート9は、一対の加圧ローラ15、16の間から、斜め上方に向けて、搬送され、したがって、支持シート9が、電極層6およびスペーサ層7の表面に接着した接着層10から剥離されて、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られる。
接着層10から、支持シート9を剥離する際、静電気が発生し、塵埃が付着したり、接着層10が、支持シート9に引き付けられ、所望のように、支持シート9を、接着層10から剥離することが困難になることがあるが、本実施態様においては、接着層10が、バインダに対して、0.01重量%ないし15重量%のイミダゾリン系界面活性剤を含んでいるから、静電気の発生を効果的に防止することが可能になる。
こうして、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に、接着層10が接着され、接着層10から、支持シート9が剥離されると、図23に示されるように、中間シート繰り出しローラ19aから、中間シート19が繰り出されて、接着層10の表面に付着され、次いで、その表面に、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が形成された支持シート4が、第二の巻き取りローラ18によって巻き取られる。
本実施態様においては、スペーサ層7および接着層10には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、接着層10とスペーサ層7との接着性を向上させることができ、支持シート9を、接着層10から剥離する際に、支持シート9とともに、接着層10が電極層6およびスペーサ層7から剥離することを確実に防止することが可能になる。
また、本実施態様においても、中間シート19は、接着層10が形成された支持シート9を同じ材料によって形成され、支持シート9を同一の厚さを有し、接着層10に付着される表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成されるべき支持シート9と同じ表面処理が施されているから、中間シート19を、所望のように、接着層10の表面に付着させることができる。
このように、本実施態様においては、接着層10の表面に、中間シート19が付着された後に、その表面に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10および中間シート19が積層された支持シート4が、第二の巻き取りローラ18に巻き取られるように構成されているから、接着層10が支持シート4に接着することがない。
次いで、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2が、接着層10を介して、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写される。
図25は、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2を、接着層10を介して、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写する転写装置の略断面図である。
図25に示されるように、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2を、接着層10を介して、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写する転写装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、中間シート巻き取りローラ14と、一対の加圧ローラ15、16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ19aとを備え、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置、図9に示された転写装置、図21に示された転写装置および図23に示された転写装置と同一の構成を有している。
支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2を、接着層10を介して、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12として、表面に、セラミックグリーンシート2が形成された支持シート1が巻回されたローラが、転写装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、表面に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10および中間シート19が積層された支持シート4が巻回された第二の巻き取りローラ18が、転写装置にセットされる。
次いで、第二の繰り出しローラ13から、表面に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10および中間シート19が積層された支持シート4が繰り出され、接着層10の表面に付着した中間シート19が剥離されて、中間シート巻き取りローラ14によって巻き取られる。
本実施態様においては、中間シート19の表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成されるべき支持シート9と同じ表面処理が施されているから、中間シート19を接着層10から、所望のように、剥離させて、中間シート巻き取りローラ14によって巻き取ることができる。
中間シート19が接着層10から剥離された支持シート4、剥離層5、電極層6、スペーサ層7および接着層10からなる積層体は、支持シート4が下方の加圧ローラ16に接触するように、一対の加圧ローラ15、16の間に供給され、一方、第二の繰り出しローラ13からの支持シート1の繰り出しに同期して、第一の繰り出しローラ12から、表面に、セラミックグリーンシート2が形成された支持シート1が繰り出され、支持シート1が上方の加圧ローラ15に接触するように、一対の加圧ローラ15、16の間に供給される。
図26は、一対の加圧ローラ15、16の近傍の略拡大断面図である。
図25および図26に示された転写装置においても、一対の加圧ローラ15、16は、約40℃ないし約100℃の温度に保持され、一対の加圧ローラ15、16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
その表面に、セラミックグリーンシート2が形成された支持シート1およびその表面に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7および接着層10が積層された支持シート4の供給速度は、たとえば、2m/分に設定される。
図26に示されるように、その表面に、セラミックグリーンシート2が形成された支持シート1は、支持シート1に加えられる引張り力によって、支持シート1が、上方に位置する加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、一対の加圧ローラ15、16間に供給され、その表面に、電極層6およびスペーサ層7が形成された支持シート4は、支持シート4が、下方に位置する加圧ローラ16に接触し、電極層6およびスペーサ層7が、接着層を介して、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に接触するように、略水平方向に、一対の加圧ローラ15、16間に供給される。
その結果、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に、接着層10を介して、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2が接着され、その一方で、図26に示されるように、セラミックグリーンシート2が形成された支持シート1は、一対の加圧ローラ15、16の間から、斜め上方に向けて、搬送されるから、支持シート1が、電極層6およびスペーサ層7の表面に接着したセラミックグリーンシート2から剥離される。
セラミックグリーンシート2から剥離された支持シート1は、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られ、一方、接着層10を介して、セラミックグリーンシート2が電極層6およびスペーサ層7の表面に接着した支持シート4は、第二の巻き取りローラ18によって巻き取られる。
本実施態様においては、スペーサ層7および接着層10には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、スペーサ層7と接着層10との接着性および接着層10とセラミックグリーンシート2との接着性を向上させることができ、したがって、セラミックグリーンシート2から、支持シート1を剥離する際に、セラミックグリーンシート2が、支持シート1とともに、接着層10から剥離することを確実に防止することが可能になる。
また、本実施態様においては、接着層10を、電極層6およびスペーサ層7の表面に転写した後に、接着層10の表面に、中間シート19を付着させるように構成されているから、その表面に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10および中間シート19が積層された支持シート4を、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取っても、接着層10が、支持シート4の表面に付着することがなく、したがって、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを、接着層10を介して、接着して、積層体ユニットを作製する転写装置を、支持シート4の表面に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に、接着層10を転写するための転写装置と並列的に配置することができるから、製造ラインが徒に長くなることを防止することが可能になる。
さらに、本実施態様においては、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とは、接着層10を介して、接着され、従来のように、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7に含まれているバインダの粘着力や、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の変形を利用して、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを接着してはいないから、たとえば、約0.2MPaないし約15MPaの低い圧力で、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを接着することができる。
したがって、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の変形を防止することが可能になるから、こうして得られたセラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の積層体を積層して、積層セラミックコンデンサを作製する際の積層精度を向上させることが可能になる。
さらに、本実施態様においては、電極層6および電極層6よりも密度が小さく、圧縮率が高いスペーサ層7が、ts/te=1.1となるように形成されているから、電極層6およびスペーサ層7を、接着層10を介して、セラミックグリーンシート2上に転写する際に、加圧によって、スペーサ層7が圧縮され、接着層10を介して、電極層6およびスペーサ層7と、セラミックグリーンシート2とを確実に接着させることができ、したがって、剥離層5から、支持シート4を剥離するときに、電極層6が、支持シート4とともに、剥離することを確実に防止することが可能になる。
また、本実施態様においては、支持シート4上に形成された電極層6が乾燥した後に、接着層10を介して、セラミックグリーンシート2の表面に接着するように構成されているから、セラミックグリーンシート2の表面に、電極ペーストを印刷して、電極層6を形成する場合のように、電極ペーストが、セラミックグリーンシート2に含まれているバインダを溶解させ、あるいは、膨潤させることがなく、また、電極ペーストがセラミックグリーンシート2中に染み込むこともなく、所望のように、セラミックグリーンシート2の表面に、電極層6を形成することが可能になる。
以上のようにして、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に、接着層10を介して、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2が接着され、セラミックグリーンシート2から、支持シート1が剥離された後、その表面に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2が積層された支持シート4が、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取られる。
こうして、支持シート4の表面に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2が積層された積層体ユニット20が作製される。
次いで、こうして作製された積層体ユニット20が、図21および図22に示された転写装置によって、積層体ユニット20の剥離層52上に転写された接着層10に、接着されて、2つの積層体ユニット20が積層され、積層体ユニットセットが作製される。
図27は、図21および図22に示された転写装置によって、積層体ユニット20の剥離層5上に転写された接着層10に、図25および図26に示された転写装置によって作製された別の積層体ユニット20を接着して、2つの積層体ユニット20を積層し、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットを作製する積層装置の略断面図である。
図27に示されるように、積層体ユニット20の剥離層5上に転写された接着層10に、支持シート4上に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2が形成された別の積層体ユニット20を接着して、2つの積層体ユニット20を積層し、複数の積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットを作製する積層装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、中間シート巻き取りローラ14と、一対の加圧ローラ15、16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ19aとを備え、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置、図9に示された転写装置、図21に示された転写装置、図23に示された転写装置および図25に示された転写装置と同一の構成を有している。
図21および図22に示された転写装置によって、積層体ユニット20の剥離層52上に転写された接着層10に、図25および図26に示された転写装置によって作製され、支持シート4上に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2が積層された別の積層体ユニット20を接着して、2つの積層体ユニット20を積層し、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットを作製するにあたっては、第一の繰り出しローラ12として、図25および図26に示された転写装置によって作製され、支持シート4上に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2が積層された新たに積層すべき積層体ユニット20が巻回されたローラが、積層装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、図21および図22に示された転写装置によって、作製され、支持シート1上に、積層体ユニット20、接着層10および中間シート19が積層された積層体が巻回されたローラが、積層装置にセットされる。
次いで、第二の繰り出しローラ13から、図21および図22に示された転写装置によって、作製され、支持シート1上に、積層体ユニット20、接着層10および中間シート19が積層された積層体が繰り出されて、接着層10の表面に付着した中間シート19が剥離され、剥離された中間シート19は、中間シート巻き取りローラ14によって巻き取られる。
本実施態様においては、中間シート19の表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成されるべき支持シート9と同じ表面処理が施されているから、中間シート19を接着層10から、所望のように、剥離させて、中間シート巻き取りローラ14によって巻き取ることができる。
中間シート19が接着層10から剥離された積層体ユニット20を含む積層体は、支持シート1が下方の加圧ローラ16に接触するように、一対の加圧ローラ15、16の間に供給される。
一方、第二の繰り出しローラ13からの支持シート4の繰り出しに同期して、第一の繰り出しローラ12から、支持シート4と、その上に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2が積層された新たに積層すべき積層体ユニット20よりなる積層体が繰り出されて、支持シート4が上方の加圧ローラ15に接触するように、一対の加圧ローラ15、16の間に供給される。
図28は、一対の加圧ローラ15、16の近傍の略拡大断面図である。
図27および図28に示された積層装置においては、一対の加圧ローラ15、16は、約40℃ないし約100℃の温度に保持され、一対の加圧ローラ15、16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
支持シート4および新たに積層すべき積層体ユニット20よりなる積層体ならびに支持シート1、積層体ユニット20および接着層10が積層された積層体の供給速度は、たとえば、2m/分に設定される。
図28に示されるように、支持シート4および新たに積層すべき積層体ユニット20よりなる積層体は、支持シート4に加えられる引張り力によって、支持シート4が上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、一対の加圧ローラ15、16間に供給され、支持シート1、積層体ユニット20および接着層10が積層された積層体は、支持シート1が、下方の加圧ローラ16に接触し、接着層を介して、剥離層5が、支持シート4上に形成された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に接触するように、略水平方向に、一対の加圧ローラ15、16間に供給される。
その結果、支持シート1上に形成された積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着層10を介して、支持シート4上に形成された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2が接着されて、支持シート1上に形成された積層体ユニット20上に、支持シート4上に形成された積層体ユニット20が積層され、その一方で、図24に示されるように、支持シート4は、一対の加圧ローラ17、18の間から、斜め上方に向けて、搬送されるから、支持シート4が、支持シート1上に形成された積層体ユニット20の剥離層5の表面に接着した積層体ユニット20から剥離される。
接着層10に接着された積層体ユニット20から剥離された支持シート4は、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られ、一方、接着層10を介して、2つの積層体ユニット20が積層された積層体ユニットセットが、その表面に形成された支持シート1は、第二の巻き取りローラ18によって巻き取られる。
本実施態様においては、スペーサ層7および接着層10には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、スペーサ層7と接着層10との接着性および接着層10とセラミックグリーンシート2との接着性を向上させることが可能になり、したがって、接着層10の表面に、セラミックグリーンシート2を接着させた後、積層体ユニット20の剥離層5から、支持シート4を剥離する際に、電極層6およびスペーサ層7ならびに剥離層5が、支持シート4とともに、接着層10から、剥離することを確実に防止することが可能になる。
また、本実施態様においては、接着層10を、積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写した後に、接着層10の表面に、中間シート19を付着させるように構成されているから、その表面に、積層体ユニット20、接着層10および中間シート19が積層された支持シート1を、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取っても、接着層10が、支持シート1の表面に付着することがなく、したがって、積層体ユニット20を積層する積層装置を、支持シート1の表面に形成された積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着層10を転写するための転写装置と並列的に配置することができるから、製造ラインが徒に長くなることを防止することが可能になる。
次いで、積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着シート11の接着層10を転写したのと全く同様にして、支持シート1の表面に形成された積層体ユニットセットの剥離層5の表面に、接着シート11の接着層10が転写される。
図29は、支持シート1の表面に形成された積層体ユニットセットの剥離層5の表面に、支持シート9上に形成された接着層10を転写する転写装置の略断面図である。
図29に示されるように、支持シート1の表面に形成された積層体ユニットセットの剥離層5の表面に、接着シート11の接着層10を転写する転写装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、中間シート巻き取りローラ14と、一対の加圧ローラ15、16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ19aとを備え、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置、図9に示された転写装置、図21に示された転写装置、図23に示された転写装置、図25に示された転写装置および図27に示された積層装置と同一の構成を有している。
支持シート1の表面に形成された積層体ユニットセットの剥離層5の表面に、接着シート11の接着層10を転写するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12として、接着シート11が巻回されたローラが転写装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、支持シート1と、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットよりなる積層体が巻回された第二の巻き取りローラ18がセットされる。
さらに、中間シート19が巻回された中間シート繰り出しローラ19aが転写装置にセットされる。
次いで、第一の繰り出しローラ12から、接着シート11が繰り出され、一対の加圧ローラ15、16の間に、供給される。
第一の繰り出しローラ12からの接着シート11の繰り出しに同期して、第二の繰り出しローラ13から、支持シート1と、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットよりなる積層体が繰り出され、一対の加圧ローラ15、16の間に、供給される。
図30は、一対の加圧ローラ15、16の近傍の略拡大断面図である。
一対の加圧ローラ15、16は、約40℃ないし約100℃の温度に保持され、一対の加圧ローラ15、16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
支持シート1と、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットよりなる積層体および接着シート11の供給速度は、たとえば、2m/分に設定される。
図30に示されるように、接着シート11は、支持シート9に加えられる引張り力によって、支持シート9が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、一対の加圧ローラ15、16間に供給され、支持シート1と、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットよりなる積層体は、支持シート1が、下方の加圧ローラ16に接触し、表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面が、支持シート9上に形成された接着層10の表面に接触するように、略水平方向に、一対の加圧ローラ15、16間に供給される。
その結果、支持シート9上に形成された接着層10が、表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面に接着される。
一方、図30に示されるように、接着層10が形成された支持シート9は、一対の加圧ローラ15、16の間から、斜め上方に向けて、搬送され、したがって、支持シート9が、積層体ユニット20の剥離層5の表面に接着した接着層10から剥離されて、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られる。
本実施態様においては、スペーサ層7、接着層10および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、スペーサ層7と接着層10との接着性および接着層10と剥離層5との接着性を向上させることができ、したがって、積層体ユニットセットの剥離層5の表面に、接着層10を接着した後、接着層10から、支持シート9を剥離する際に、支持シート9とともに、接着層10が積層体ユニットセットの剥離層5から剥離し、あるいは、積層体ユニットセットの電極層6およびスペーサ層7ならびに剥離層5が、積層体ユニットセットの接着層10から剥離することを確実に防止することが可能になる。
支持シート9上に形成された接着層10が、積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面に接着され、支持シート9が接着層10から剥離された後、中間シート繰り出しローラ19aから、中間シート19が繰り出されて、接着層10の表面に付着され、次いで、支持シート1、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットおよび接着層10よりなる積層体が、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取られる。
さらに、支持シート1上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットの剥離層5の表面に転写された接着層10に、支持シート4上に形成され、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む新たに積層すべき積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2が接着されて、3つの積層体ユニット20が積層された積層体ユニットセットが、支持シート1上に形成される。
図31は、支持シート1上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットの剥離層5の表面に、接着層10を介して、支持シート4上に形成され、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む新たに積層すべき積層体ユニット20を積層する積層装置の略断面図である。
図31に示されるように、支持シート1上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットの剥離層5の表面に、接着層10を介して、支持シート4上に形成され、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む新たに積層すべき積層体ユニット20を積層する積層装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、中間シート巻き取りローラ14と、一対の加圧ローラ15、16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ19aとを備え、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置、図9に示された転写装置、図21に示された転写装置、図23に示された転写装置、図25に示された転写装置、図27に示された積層装置および図29に示された転写装置と同一の構成を有している。
支持シート1上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットの剥離層5の表面に、接着層10を介して、支持シート4上に形成され、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む新たに積層すべき積層体ユニット20を積層するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12として、支持シート4と、新たに積層すべき積層体ユニット20よりなる積層体が巻回されたローラが、積層装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、支持シート1、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセット、接着層10および中間シート19よりなる積層体が巻回されたローラが、積層装置にセットされる。
次いで、第二の繰り出しローラ13から、支持シート1、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセット、接着層10および中間シート19よりなる積層体が繰り出され、接着層10の表面に付着した中間シート19が剥離され、剥離された中間シート19は、中間シート巻き取りローラ14によって巻き取られる。
本実施態様においては、中間シート19の表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成されるべき支持シート9と同じ表面処理が施されているから、中間シート19を接着層10から、所望のように、剥離させて、中間シート巻き取りローラ14によって巻き取ることができる。
中間シート19が接着層10から剥離された支持シート1、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットおよび接着層10よりなる積層体は、支持シート1が下方の加圧ローラ16に接触するように、一対の加圧ローラ15、16の間に供給され、一方、第二の繰り出しローラ13からの支持シート1の繰り出しに同期して、第一の繰り出しローラ12から、支持シート4と、新たに積層すべき積層体ユニット20よりなる積層体が繰り出され、支持シート4が上方の加圧ローラ15に接触するように、一対の加圧ローラ15、16の間に供給される。
図32は、一対の加圧ローラ15、16の近傍の略拡大断面図である。
一対の加圧ローラ15、16は、約40℃ないし約100℃の温度に保持され、一対の加圧ローラ15、16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
支持シート4および新たに積層すべき積層体ユニット20よりなる積層体ならびに支持シート1、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットおよび接着層10よりなる積層体の供給速度は、たとえば、2m/分に設定される。
図32に示されるように、支持シート4および新たに積層すべき積層体ユニット20よりなる積層体は、支持シート4に加えられる引張り力によって、支持シート4が上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、一対の加圧ローラ15、16間に供給され、支持シート1、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットおよび接着層10よりなる積層体は、支持シート1が、下方の加圧ローラ16に接触し、接着層を介して、表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5が、支持シート4上に形成された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面に接触するように、略水平方向に、一対の加圧ローラ15、16間に供給される。
その結果、支持シート1上に形成された表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写された接着層10に、支持シート4上に形成された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2が接着され、支持シート1上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットに、支持シート4上に形成された積層体ユニット20が積層され、その一方で、図32に示されるように、支持シート4は、一対の加圧ローラ17、18の間から、斜め上方に向けて、搬送されるから、支持シート4が、積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面に接着した積層体ユニット20から剥離される。
本実施態様においては、スペーサ層7、剥離層5および接着層10には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着性、接着層10と剥離層5との接着性および接着層10とスペーサ層7との接着性を向上させることができ、したがって、積層体ユニットセットの接着層10の表面に、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2を接着させた後、積層体ユニット20の剥離層5から、支持シート4を剥離する際に、支持シート4とともに、接着層10が積層体ユニットセットの剥離層5から剥離し、あるいは、積層体ユニット20の接着層10から、電極層6およびスペーサ層7ならびに剥離層5が剥離することを確実に防止することが可能になる。
接着層10に接着した積層体ユニット20から剥離された支持シート4は、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られ、一方、接着層10を介して、互いに積層された3つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットが、その表面に形成された支持シート1は、第二の巻き取りローラ18によって巻き取られる。
本実施態様においては、接着層10を、積層体ユニットセットの剥離層5の表面に転写した後に、接着層10の表面に、中間シート19を付着させるように構成されているから、その表面に、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセット、接着層10および中間シート19が積層された支持シート1を、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取っても、支持シート1の巻き取りに際して、接着層10が、支持シート1の表面に付着することがなく、したがって、積層体ユニット20を積層して、積層体ユニットセットを作製する積層装置を、支持シート1の表面に形成された積層体ユニットセットの剥離層5の表面に、接着層10を転写するための転写装置と並列的に配置することができるから、製造ラインが徒に長くなることを防止することが可能になる。
次いで、積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着シート11の接着層10を転写したのと全く同様にして、積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着シート11の接着層10が転写される。
さらに、支持シート1上に形成された積層体ユニットセット上への積層体ユニット20の積層および積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面への接着層10の転写が繰り返され、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットが、支持シート1上に形成されると、積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着層10が転写された後、裁断装置(図示せず)によって、支持シート1および積層体ユニットセットが、所定のサイズに裁断され、積層体ブロック40が形成される。
こうして形成された積層体ブロック40は、多数の孔26が形成された基板25上に固定された支持体28上にセットされ、図17ないし図20と全く同様にして、積層セラミックコンデンサの外層上に、所定の数の積層体ユニット20が積層されて、積層体が形成される。
本実施態様においては、接着層10、スペーサ層7および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着性、接着層10とスペーサ層7との接着性および剥離層5と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、多数の積層体ブロック40を積層して、積層体を作製する積層プロセス中に、セラミックグリーンシート2と接着層10との間、接着層10と電極層6およびスペーサ層7との間あるいは剥離層5と接着層10との間で、デラミネーションが発生することを効果的に防止することが可能になる。
次いで、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体が、所定のサイズに裁断されて、多数のセラミックグリーンチップが作製される。
こうして作製されたセラミックグリーンチップは、還元ガス雰囲気下に置かれて、バインダが除去され、さらに、焼成される。
本実施態様においては、接着層10、スペーサ層7および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着性、接着層10とスペーサ層7との接着性および剥離層5と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、セラミックグリーンチップの焼成プロセス中に、セラミックグリーンシート2と接着層10との間、接着層10と電極層6およびスペーサ層7との間あるいは剥離層5と接着層10との間で、デラミネーションが発生することを効果的に防止することが可能になる。
次いで、焼成されたセラミックグリーンチップに、必要な外部電極などが取り付けられて、積層セラミックコンデンサが作製される。
本実施態様によれば、長尺状の支持シート1上に、積層体ユニット20を次々に積層して、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットを作製し、その後に、積層体ユニットセットを所定のサイズに裁断して、積層体ブロック40を作成しているから、所定のサイズに裁断された積層体ユニット20を1つづつ、積層して、積層体ブロック40を作製する場合に比して、積層体ユニット20の製造効率を大幅に向上させることが可能になる。
また、本実施態様によれば、剥離層5および接着層10には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、剥離層5と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着層10を接着した後、接着層10から、支持シート9を剥離する際に、接着層10が、支持シート9とともに、剥離層5から剥離することを確実に防止することが可能になる。
さらに、本実施態様によれば、スペーサ層7および接着層10には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、スペーサ層7と接着層10との接着性および接着層10とセラミックグリーンシート2との接着性を向上させることが可能になり、したがって、接着層10の表面に、セラミックグリーンシート2を接着させた後、積層体ユニット20の剥離層5から、支持シート4を剥離する際に、電極層6およびスペーサ層7ならびに剥離層5が、支持シート4とともに、接着層10から、剥離することを確実に防止することが可能になる。
また、本実施態様によれば、スペーサ層7、接着層10および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、スペーサ層7と接着層10との接着性および接着層10と剥離層5との接着性を向上させることができ、したがって、積層体ユニットセットの剥離層5の表面に、接着層10を接着した後、接着層10から、支持シート9を剥離する際に、支持シート9とともに、接着層10が積層体ユニットセットの剥離層5から剥離し、あるいは、積層体ユニットセットの電極層6およびスペーサ層7ならびに剥離層5が、積層体ユニットセットの接着層10から剥離することを確実に防止することが可能になる。
さらに、本実施態様によれば、スペーサ層7、剥離層5および接着層10には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着性、接着層10と剥離層5との接着性および接着層10とスペーサ層7との接着性を向上させることができ、したがって、積層体ユニットセットの接着層10の表面に、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2を接着させた後、積層体ユニット20の剥離層5から、支持シート4を剥離する際に、支持シート4とともに、接着層10が積層体ユニットセットの剥離層5から剥離し、あるいは、積層体ユニット20の接着層10から、電極層6およびスペーサ層7ならびに剥離層5が剥離することを確実に防止することが可能になる。
また、本実施態様によれば、接着層10、スペーサ層7および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着性、接着層10とスペーサ層7との接着性および剥離層5と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、多数の積層体ブロック40を積層して、積層体を作製する積層プロセス中に、セラミックグリーンシート2と接着層10との間、接着層10と電極層6およびスペーサ層7との間あるいは剥離層5と接着層10との間で、デラミネーションが発生することを効果的に防止することが可能になる。
さらに、本実施態様によれば、接着層10、スペーサ層7および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着性、接着層10とスペーサ層7との接着性および剥離層5と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、セラミックグリーンチップの焼成プロセス中に、セラミックグリーンシート2と接着層10との間、接着層10と電極層6およびスペーサ層7との間あるいは剥離層5と接着層10との間で、デラミネーションが発生することを効果的に防止することが可能になる。
また、本実施態様によれば、積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着層10を転写した後、接着層10の表面に、中間シート19を付着させているから、表面に、接着層10が転写された積層体ユニット20を含む支持シート1を、第二の巻き取りローラ18によって巻き取っても、接着層10が支持シート1に接着することがなく、したがって、積層体ユニット20を積層する積層装置を、積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着層10を転写する転写装置を並列的に配置することができるから、製造ラインが徒に長くなることを防止することが可能になる。
さらに、本実施態様によれば、図21、図23、図25、図27、図29および図31に示されるように、支持シート1の表面に、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5が積層された積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着シート11の接着層10を転写する転写装置、支持シート9上に形成された接着層10を、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写する転写装置、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2を、接着層10を介して、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7上に転写する転写装置、積層体ユニット20の剥離層5上に転写された接着層10に、別の積層体ユニット20を接着して、2つの積層体ユニット20を積層し、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットを作製する積層装置、支持シート1の表面に形成された積層体ユニットセットの剥離層5の表面に、支持シート9上に形成された接着層10を転写する転写装置および支持シート1上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットの剥離層5上に、接着層10を介して、支持シート1上に形成され、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を含む新たに積層すべき積層体ユニット20を積層する積層装置は、同一の構成を有しているから、これらのステップを、一つの装置を用いて、実行することができ、したがって、製造設備のスペースを大幅に縮小させることが可能になる。
図33は、本発明の他の好ましい実施態様にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法に用いられる転写装置の略断面図である。
本実施態様にかかる転写装置は、図21および図22に示された転写装置によって作製された支持シート1、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む積層体ユニット20ならびに接着層10からなる積層体の接着層10上に、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2を接着させた後に、セラミックグリーンシート2から、支持シート1を剥離して、支持シート1、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7、剥離層5を含む積層体ユニット20、接着層10ならびにセラミックグリーンシート2よりなる積層体を作製し、積層体を巻き取るように構成されている。
図33に示されるように、本実施態様にかかる転写装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、中間シート巻き取りローラ14と、一対の加圧ローラ15、16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ19aとを備え、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置、図9に示された転写装置、図21に示された転写装置、図23に示された転写装置、図25に示された転写装置、図27に示された積層装置、図29に示された転写装置および図31に示された積層装置と同一の構成を有している。
図21および図22に示された転写装置によって作製された支持シート1、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む積層体ユニット20ならびに接着層10からなる積層体の接着層10上に、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2を接着させるにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12として、表面に、セラミックグリーンシート2が形成された支持シート1が巻回されたローラが、積層装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、支持シート1、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む積層体ユニット20、接着層10ならびに中間シート19からなる積層体が巻回されたローラが、転写装置にセットされる。
次いで、第二の繰り出しローラ13から、支持シート1、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む積層体ユニット20、接着層10ならびに中間シート19からなる積層体が繰り出され、接着層10の表面に付着した中間シート19が剥離され、剥離された中間シート19は、中間シート巻き取りローラ14によって巻き取られる。
本実施態様においては、中間シート19の表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成されるべき支持シート9と同じ表面処理が施されているから、中間シート19を接着層10から、所望のように、剥離させて、中間シート巻き取りローラ14によって巻き取ることができる。
中間シート19が接着層10から剥離された支持シート1、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む積層体ユニット20ならびに接着層10からなる積層体は、支持シート1が下方の加圧ローラ16に接触するように、一対の加圧ローラ15、16の間に供給される。
一方、第二の繰り出しローラ13からの支持シート4の繰り出しに同期して、第一の繰り出しローラ12から、表面に、セラミックグリーンシート2が形成された支持シート1が繰り出され、支持シート1が上方の加圧ローラ15に接触するように、一対の加圧ローラ15、16の間に供給される。
図34は、一対の加圧ローラ15、16の近傍の略拡大断面図である。
一対の加圧ローラ15、16は、約40℃ないし約100℃の温度に保持され、一対の加圧ローラ15、16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
支持シート1、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む積層体ユニット20ならびに接着層10からなる積層体と、表面に、セラミックグリーンシート2が形成された支持シート1の供給速度は、たとえば、2m/分に設定される。
図34に示されるように、表面に、セラミックグリーンシート2が形成された支持シート1は、支持シート1に加えられる引張り力によって、支持シート1が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、一対の加圧ローラ15、16間に供給され、支持シート1、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む積層体ユニット20ならびに接着層10からなる積層体は、支持シート1が、下方の加圧ローラ16に接触し、積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写された接着層10が、支持シート1に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に接触するように、略水平方向に、一対の加圧ローラ15、16間に供給される。
その結果、積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写された接着層10の表面に、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2が接着され、一方で、図34に示されるように、支持シート1は、一対の加圧ローラ15、16の間から、斜め上方に向けて、搬送されるから、支持シート1が、セラミックグリーンシート2から剥離される。
本実施態様においては、接着層10、スペーサ層7および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、接着層10と剥離層5との接着性、剥離層5とその表面に転写された接着層10との接着性および接着層10とセラミックグリーンシート2との接着性を向上させることができ、したがって、支持シート1のみを、セラミックグリーンシート2から、確実に剥離することが可能になる。
セラミックグリーンシート2から剥離された支持シート1は、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られ、一方、積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写された接着層10の表面に、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2が接着されて、形成された支持シート1、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む積層体ユニット20、接着層10ならびにセラミックグリーンシート2からなる積層体は、第二の巻き取りローラ18によって巻き取られる。
次いで、支持シート1、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む積層体ユニット20、接着層10ならびにセラミックグリーンシート2からなる積層体の接着層10に転写されたセラミックグリーンシート2の表面に、接着シート11の接着層10が転写される。
図35は、支持シート1、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む積層体ユニット20、接着層10ならびにセラミックグリーンシート2からなる積層体の接着層10に転写されたセラミックグリーンシート2の表面に、接着シート11の接着層10を転写する転写装置の略断面図である。
図35に示されるように、支持シート1、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む積層体ユニット20、接着層10ならびにセラミックグリーンシート2からなる積層体の接着層10に転写されたセラミックグリーンシート2の表面に、接着シート11の接着層10を転写する転写装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、中間シート巻き取りローラ14と、一対の加圧ローラ15、16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ19aとを備え、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置、図9に示された転写装置、図21に示された転写装置、図23に示された転写装置、図25に示された転写装置、図27に示された積層装置、図29に示された転写装置、図31に示された積層装置および図33に示された転写装置と同一の構成を有している。
支持シート1、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む積層体ユニット20、接着層10ならびにセラミックグリーンシート2からなる積層体の接着層10に転写されたセラミックグリーンシート2の表面に、接着シート11の接着層10を転写するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12として、接着シート11が巻回されたローラが転写装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、支持シート1、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む積層体ユニット20、接着層10ならびにセラミックグリーンシート2からなる積層体が巻回された第二の巻き取りローラ18が、積層装置にセットされる。
さらに、中間シート19が巻回された中間シート繰り出しローラ19aが転写装置にセットされる。
中間シート19は、積層体のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10の表面に付着され、セラミックグリーンシート2の表面に、接着層10が転写された積層体を、第二の巻き取りローラ18によって巻き取った際に、接着層11が支持シート1の表面に接着することを防止するものであり、接着層10が形成された支持シート9を同じ材料によって形成され、支持シート9を同一の厚さを有し、接着層10に付着される表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成されるべき支持シート9と同じ表面処理が施されている。
次いで、第一の繰り出しローラ12から、接着シート11が繰り出され、一対の加圧ローラ15、16の間に、供給される。
第一の繰り出しローラ12からの接着シート11の繰り出しに同期して、第二の繰り出しローラ13から、支持シート1、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む積層体ユニット20、接着層10ならびにセラミックグリーンシート2からなる積層体が繰り出され、一対の加圧ローラ15、16の間に、供給される。
図36は、一対の加圧ローラ15、16の近傍の略拡大断面図である。
一対の加圧ローラ15、16は、約40℃ないし約100℃の温度に保持され、一対の加圧ローラ15、16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
支持シート1、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む積層体ユニット20、接着層10ならびにセラミックグリーンシート2からなる積層体と、接着シート11の供給速度は、たとえば、2m/分に設定される。
図36に示されるように、接着シート11は、支持シート9に加えられる引張り力によって、支持シート9が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、一対の加圧ローラ15、16間に供給され、支持シート1、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む積層体ユニット20、接着層10ならびにセラミックグリーンシート2からなる積層体は、支持シート1が、下方の加圧ローラ16に接触し、積層体の表面のセラミックグリーンシート2が、支持シート9上に形成された接着層10の表面に接触するように、略水平方向に、一対の加圧ローラ15、16間に供給される。
その結果、支持シート9上に形成された接着層10が、積層体の表面のセラミックグリーンシート2の表面に接着される。
一方、図36に示されるように、接着層10が形成された支持シート9は、一対の加圧ローラ15、16の間から、斜め上方に向けて、搬送され、したがって、支持シート9が、積層体の表面のセラミックグリーンシート2の表面に接着した接着層10から剥離されて、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られる。
本実施態様においては、スペーサ層7、接着層10および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、スペーサ層7と接着層10との接着性、接着層10と剥離層5との接着性およびセラミックグリーンシート2と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、積層体のセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を接着した後、接着層10から、支持シート9を剥離する際に、支持シート9とともに、接着層10が積層体のセラミックグリーンシート2から剥離し、あるいは、積層体の電極層6およびスペーサ層7ならびに剥離層5が、積層体の接着層10から剥離することを確実に防止することが可能になる。
支持シート9上に形成された接着層10が、積層体のセラミックグリーンシート2の表面に接着され、セラミックグリーンシート2の表面に接着した接着層10から、支持シート9が剥離された後、中間シート繰り出しローラ19aから、中間シート19が繰り出されて、接着層10の表面に付着され、次いで、支持シート1、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む積層体ユニット20、接着層10、セラミックグリーンシート2、接着層10ならびに中間シート19からなる積層体が、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取られる。
さらに、支持シート1、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む積層体ユニット20、接着層10、セラミックグリーンシート2ならびに接着層10からなる積層体の接着層10の表面に、支持シート4の上の剥離層5の表面に形成された電極層6およびスペーサ層7が接着され、剥離層5から、支持シート4が剥離されて、電極層6、スペーサ層7および剥離層5が接着層10の表面に転写される。
図37は、支持シート1、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む積層体ユニット20、接着層10、セラミックグリーンシート2ならびに接着層10からなる積層体の接着層10の表面に、支持シート4上の剥離層5の表面に形成された電極層6およびスペーサ層7を接着し、剥離層5から、支持シート4を剥離して、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を接着層10の表面に転写する転写装置の略断面図である。
図37に示されるように、支持シート1、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む積層体ユニット20、接着層10、セラミックグリーンシート2ならびに接着層10からなる積層体の接着層10の表面に、支持シート4の上の剥離層5の表面に形成された電極層6およびスペーサ層7を接着し、剥離層5から、支持シート4が剥離して、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を接着層10の表面に転写する転写装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、中間シート巻き取りローラ14と、一対の加圧ローラ15、16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ19aとを備え、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置、図9に示された転写装置、図21に示された転写装置、図23に示された転写装置、図25に示された転写装置、図27に示された積層装置、図29に示された転写装置、図31に示された積層装置、図33に示された転写装置および図35に示された転写装置と同一の構成を有している。
支持シート1、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む積層体ユニット20、接着層10、セラミックグリーンシート2ならびに接着層10からなる積層体の接着層10の表面に、支持シート4の上の剥離層5の表面に形成された電極層6およびスペーサ層7を接着するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12として、表面に、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が形成された支持シート4が巻回されたローラが、転写装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、支持シート1、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む積層体ユニット20、接着層10、セラミックグリーンシート2、接着層10ならびに中間シート19からなる積層体が巻回された第二の巻き取りローラ18が、転写装置にセットされる。
次いで、第二の繰り出しローラ13から、支持シート1、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む積層体ユニット20、接着層10、セラミックグリーンシート2、接着層10ならびに中間シート19からなる積層体が繰り出され、接着層10の表面に付着した中間シート19が剥離され、剥離された中間シート19は、中間シート巻き取りローラ14によって巻き取られる。
本実施態様においては、中間シート19の表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成されるべき支持シート9と同じ表面処理が施されているから、中間シート19を接着層10から、所望のように、剥離させて、中間シート巻き取りローラ14によって巻き取ることができる。
中間シート19が接着層10から剥離された支持シート1、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む積層体ユニット20、接着層10、セラミックグリーンシート2ならびに接着層10からなる積層体は、支持シート1が下方の加圧ローラ16に接触するように、一対の加圧ローラ15、16の間に供給される。
一方、第二の繰り出しローラ13からの支持シート4の繰り出しに同期して、第一の繰り出しローラ12から、表面に、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が形成された支持シート4が繰り出され、支持シート4が上方の加圧ローラ15に接触するように、一対の加圧ローラ15、16の間に供給される。
図38は、一対の加圧ローラ15、16の近傍の略拡大断面図である。
一対の加圧ローラ15、16は、約40℃ないし約100℃の温度に保持され、一対の加圧ローラ15、16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
支持シート1、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む積層体ユニット20、接着層10、セラミックグリーンシート2ならびに接着層10からなる積層体と、表面に、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が形成された支持シート4の供給速度は、たとえば、2m/分に設定される。
図38に示されるように、表面に、剥離層5、電極層6およびスペーサ層7が形成された支持シート4は、支持シート4に加えられる引張り力によって、支持シート1が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、一対の加圧ローラ15、16間に供給され、支持シート1、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む積層体ユニット20、接着層10、セラミックグリーンシート2ならびに接着層10からなる積層体は、支持シート1が、下方の加圧ローラ16に接触し、セラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10が、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7に接触するように、略水平方向に、一対の加圧ローラ15、16間に供給される。
その結果、セラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10に、支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7が接着され、その一方で、図38に示されるように、支持シート4は、一対の加圧ローラ17、18の間から、斜め上方に向けて、搬送されるから、支持シート4が、剥離層5から剥離される。
こうして、支持シート1上に、それぞれ、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む2つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層された積層体ユニットセットが作製される。
本実施態様においては、接着層10、スペーサ層7および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、剥離層5と接着層10との接着性、接着層10とセラミックグリーンシート2との接着性およびセラミックグリーンシート2と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、支持シート4のみを、剥離層5から、確実に剥離することが可能になる。
剥離層5から剥離した支持シート4は、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られ、一方、支持シート1上に、それぞれ、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む2つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層された積層体ユニットセットは、第二の巻き取りローラ18によって巻き取られる。
本実施態様においては、接着層10を、積層体のセラミックグリーンシート2の表面に転写した後に、接着層10の表面に、中間シート19を付着させるように構成されているから、セラミックグリーンシート2の表面に、接着層10が転写された積層体を第二の巻き取りローラ18によって、巻き取っても、接着層10が、支持シート1の表面に付着することがなく、したがって、積層体の接着層10に、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を転写する転写装置を、積層体のセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を転写するための転写装置と並列的に配置することができるから、製造ラインが徒に長くなることを防止することが可能になる。
こうして、支持シート1上に、それぞれ、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む2つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層されて、作製された積層体ユニットセットの表面側に位置する剥離層5の表面に、さらに、接着シート11の接着層10が転写される。
図39は、支持シート1上に、それぞれ、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む2つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層されて、作製された積層体ユニットセットの表面側に位置する剥離層5の表面に、支持シート9上に形成された接着層10を転写する転写装置の略断面図である。
図39に示されるように、支持シート1上に、それぞれ、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む2つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層されて、作製された積層体ユニットセットの表面側に位置する剥離層5の表面に、支持シート9上に形成された接着層10を転写する転写装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、中間シート巻き取りローラ14と、一対の加圧ローラ15、16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ19aとを備え、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置、図9に示された転写装置、図21に示された転写装置、図23に示された転写装置、図25に示された転写装置、図27に示された積層装置、図29に示された転写装置、図31に示された積層装置、図33に示された転写装置、図35に示された転写装置および図37に示された転写装置と同一の構成を有している。
支持シート1上に、それぞれ、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む2つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層されて、作製された積層体ユニットセットの表面側に位置する剥離層5の表面に、支持シート9上に形成された接着層10を転写するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12として、接着シート11が巻回されたローラが転写装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、支持シート1上に、それぞれ、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む2つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層されて、作製された積層体ユニットセットが巻回された第二の巻き取りローラ18が、積層装置にセットされる。
さらに、中間シート19が巻回された中間シート繰り出しローラ19aが転写装置にセットされる。
中間シート19は、積層体ユニットセットの表面側に位置する剥離層5の表面に転写された接着層10の表面に付着され、表面側に位置する剥離層5の表面に、接着層10が転写された積層体ユニットセットを、第二の巻き取りローラ18によって巻き取った際に、接着層11が支持シート1の表面に接着することを防止するものであり、接着層10が形成された支持シート9を同じ材料によって形成され、支持シート9を同一の厚さを有し、接着層10に付着される表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成されるべき支持シート9と同じ表面処理が施されている。
次いで、第一の繰り出しローラ12から、接着シート11が繰り出され、一対の加圧ローラ15、16の間に、供給される。
第一の繰り出しローラ12からの接着シート11の繰り出しに同期して、第二の繰り出しローラ13から、支持シート1と、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットよりなる積層体が繰り出され、一対の加圧ローラ15、16の間に、供給される。
図40は、一対の加圧ローラ15、16の近傍の略拡大断面図である。
一対の加圧ローラ15、16は、約40℃ないし約100℃の温度に保持され、一対の加圧ローラ15、16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
支持シート1と、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットよりなる積層体および接着シート11の供給速度は、たとえば、2m/分に設定される。
図40に示されるように、接着シート11は、支持シート9に加えられる引張り力によって、支持シート9が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、一対の加圧ローラ15、16間に供給され、支持シート1と、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットよりなる積層体は、支持シート1が、下方の加圧ローラ16に接触し、表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面が、支持シート9上に形成された接着層10の表面に接触するように、略水平方向に、一対の加圧ローラ15、16間に供給される。
その結果、支持シート9上に形成された接着層10が、表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面に接着される。
一方、図40に示されるように、接着層10が形成された支持シート9は、一対の加圧ローラ15、16の間から、斜め上方に向けて、搬送され、その結果、支持シート9が、積層体ユニット20の剥離層5の表面に接着した接着層10から剥離されて、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られる。
本実施態様においては、接着層10および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、接着層10と剥離層5との接着性を向上させることが可能になり、したがって、剥離層5の表面に、接着層10を接着させた後、接着層10から、支持シート9を剥離する際に、接着層10が、支持シート9とともに、剥離層5から剥離することを確実に防止することが可能になる。
支持シート9上に形成された接着層10が、積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面に接着され、接着層10から、支持シート9が剥離された後、中間シート繰り出しローラ19aから、中間シート19が繰り出されて、接着層10の表面に付着され、次いで、支持シート1、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセット、接着層10および中間シート19よりなる積層体が、第二の巻き取りローラ18によって、巻き取られる。
さらに、支持シート1上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写された接着層10に、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2が接着され、次いで、セラミックグリーンシート2から支持シート4が剥離されて、支持シート1上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写された接着層10上に、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2が転写される。
図41は、支持シート1上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写された接着層10に、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2を接着させ、セラミックグリーンシート2から支持シート4を剥離して、支持シート1上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写された接着層10上に、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2を転写する転写装置の略断面図である。
図41に示されるように、支持シート1上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写された接着層10に、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2を接着させ、セラミックグリーンシート2から支持シート4を剥離して、支持シート1上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写された接着層10上に、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2を転写する転写装置は、第一の繰り出しローラ12と、第二の繰り出しローラ13と、中間シート巻き取りローラ14と、一対の加圧ローラ15、16と、第一の巻き取りローラ17と、第二の巻き取りローラ18と、中間シート19を繰り出す中間シート繰り出しローラ19aとを備え、図5に示された転写装置、図7に示された転写装置、図9に示された転写装置、図21に示された転写装置、図23に示された転写装置、図25に示された転写装置、図27に示された積層装置、図29に示された転写装置、図31に示された積層装置、図33に示された転写装置、図35に示された転写装置、図37に示された転写装置および図39に示された転写装置と同一の構成を有している。
支持シート1上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写された接着層10に、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2を接着するにあたっては、まず、第一の繰り出しローラ12として、表面に、セラミックグリーンシート2が形成された支持シート1が巻回されたローラが、積層装置にセットされ、第二の繰り出しローラ13として、支持シート1上に、それぞれ、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む2つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層されて、作製された積層体ユニットセットと、積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写された接着層10と、接着層10の表面に付着された中間シート19とからなる積層体が巻回された第二の巻き取りローラ18が、転写装置にセットされる。
次いで、第二の繰り出しローラ13から、支持シート1上に、それぞれ、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む2つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層されて、作製された積層体ユニットセットと、積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写された接着層10と、接着層10の表面に付着された中間シート19とからなる積層体が繰り出され、接着層10の表面に付着した中間シート19が剥離され、剥離された中間シート19は、中間シート巻き取りローラ14によって巻き取られる。
本実施態様においては、中間シート19の表面には、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成されるべき支持シート9と同じ表面処理が施されているから、中間シート19を接着層10から、所望のように、剥離させて、中間シート巻き取りローラ14によって巻き取ることができる。
中間シート19が接着層10から剥離された支持シート1上に、それぞれ、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む2つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層されて、作製された積層体ユニットセットと、積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写された接着層10とからなる積層体は、支持シート1が下方の加圧ローラ16に接触するように、一対の加圧ローラ15、16の間に供給される。
一方、第二の繰り出しローラ13からの積層体の繰り出しに同期して、第一の繰り出しローラ12から、表面に、セラミックグリーンシート2が形成された支持シート1が繰り出され、支持シート1が上方の加圧ローラ15に接触するように、一対の加圧ローラ15、16の間に供給される。
図42は、一対の加圧ローラ15、16の近傍の略拡大断面図である。
一対の加圧ローラ15、16は、約40℃ないし約100℃の温度に保持され、一対の加圧ローラ15、16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
支持シート1上に、それぞれ、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む2つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層されて、作製された積層体ユニットセットと、積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写された接着層10とからなる積層体ならびに表面に、セラミックグリーンシート2が形成された支持シート1の供給速度は、たとえば、2m/分に設定される。
図42に示されるように、表面に、セラミックグリーンシート2が形成された支持シート1は、支持シート1に加えられる引張り力によって、支持シート1が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、一対の加圧ローラ15、16間に供給され、一方、支持シート1上に、それぞれ、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む2つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層されて、作製された積層体ユニットセットと、積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写された接着層10とからなる積層体は、支持シート1が、下方の加圧ローラ16に接触し、積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写された接着層10が、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に接触するように、略水平方向に、一対の加圧ローラ15、16間に供給される。
その結果、積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写された接着層10の表面に、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート5が接着され、一方で、図42に示されるように、支持シート1は、一対の加圧ローラ17、18の間から、斜め上方に向けて、搬送されるから、支持シート1が、セラミックグリーンシート2から剥離される。
本実施態様においては、接着層10および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、剥離層5と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、支持シート1のみを、セラミックグリーンシート2から確実に剥離することが可能になる。
セラミックグリーンシート2から剥離された支持シート1は、第一の巻き取りローラ17によって巻き取られ、一方、積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写された接着層10の表面に、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2が接着されて、形成された支持シート1、積層体ユニット20、接着層10、積層体ユニット20、接着層10およびセラミックグリーンシート2からなる積層体は、第二の巻き取りローラ18によって巻き取られる。
さらに、図35および図36に示された転写装置を用いて、支持シート1、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む積層体ユニット20、接着層10ならびにセラミックグリーンシート2からなる積層体のセラミックグリーンシート2の表面に、接着シート11の接着層10を転写したのと同様にして、支持シート1、積層体ユニット20、接着層10、積層体ユニット20、接着層10およびセラミックグリーンシート2からなる積層体のセラミックグリーンシート2の表面に、接着シート11の接着層10が転写され、図37および図38に示された転写装置を用いて、支持シート1、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む積層体ユニット20、接着層10ならびにセラミックグリーンシート2からなる積層体のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10の表面に、支持シート4上に形成された電極層6、スペーサ層7および剥離層5を転写したのと同様にして、支持シート1、積層体ユニット20、接着層10、積層体ユニット20、接着層10およびセラミックグリーンシート2からなる積層体のセラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10の表面に、さらに、支持シート4上に形成された電極層6、スペーサ層7および剥離層5が転写されて、支持シート1上に、それぞれ、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む3つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層された積層体ユニットセットが作製され、図39および図40に示された転写装置を用いて、支持シート1上に、それぞれ、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む2つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層された積層体ユニットセットの表面側に位置する剥離層5の表面に、接着シート11の接着層10を転写したのと同様にして、支持シート1上に、それぞれ、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む3つの積層体ユニット20が、接着層10を介して、積層された積層体ユニットセットの表面側に位置する剥離層5の表面に、さらに、接着シート11の接着層10が転写される。
さらに、同様にして、支持シート1上に形成された積層体ユニットセット上への積層体ユニット20の積層および積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面への接着層10の転写が繰り返され、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットが、支持シート1上に形成されると、積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面に、接着層10が転写され、次いで、裁断装置(図示せず)によって、支持シート1および積層体ユニットセットが、所定のサイズに裁断され、積層体ブロック40が形成される。
こうして形成された積層体ブロック40は、図17ないし図20と全く同様にして、多数の孔26が形成された基板25上に固定された支持体28上にセットされ、積層セラミックコンデンサの外層上に、所定の数の積層体ユニット20が積層されて、積層体が形成される。
本実施態様においては、接着層10、スペーサ層7および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着性、接着層10とスペーサ層7との接着性および剥離層5と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、多数の積層体ブロック40を積層して、積層体を作製する積層プロセス中に、セラミックグリーンシート2と接着層10との間、接着層10と電極層6およびスペーサ層7との間あるいは剥離層5と接着層10との間で、デラミネーションが発生することを効果的に防止することが可能になる。
次いで、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体が、所定のサイズに裁断されて、多数のセラミックグリーンチップが作製される。
こうして作製されたセラミックグリーンチップは、還元ガス雰囲気下に置かれて、バインダが除去され、さらに、焼成される。
本実施態様においては、接着層10、スペーサ層7および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着性、接着層10とスペーサ層7との接着性および剥離層5と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、セラミックグリーンチップの焼成プロセス中に、セラミックグリーンシート2と接着層10との間、接着層10と電極層6およびスペーサ層7との間あるいは剥離層5と接着層10との間で、デラミネーションが発生することを効果的に防止することが可能になる。
次いで、焼成されたセラミックグリーンチップに、必要な外部電極などが取り付けられて、積層セラミックコンデンサが作製される。
本実施態様によれば、長尺状の支持シート1上に形成された積層体ユニット20の表面上に、接着層10の転写、セラミックグリーンシート2の転写、接着層10の転写ならびに電極層6、スペーサ層7および剥離層5の転写を繰り返して、積層体ユニット20を次々に積層して、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットを作製し、その後に、積層体ユニットセットを所定のサイズに裁断して、積層体ブロック40を作成しているから、所定のサイズに裁断された積層体ユニット20を1つづつ、積層して、積層体ブロック40を作製する場合に比して、積層体ユニット20の製造効率を大幅に向上させることが可能になる。
また、本実施態様によれば、接着層10には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、接着層10とセラミックグリーンシート2との接着性を向上させることができ、したがって、接着層10をセラミックグリーンシート2の表面に接着させた後に、接着層10から、支持シート9を剥離する際に、支持シート9とともに、接着層10がセラミックグリーンシート2から剥離することを確実に防止することが可能になる。
さらに、本実施態様によれば、接着層10には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、接着層10とセラミックグリーンシート2との接着性を向上させることが可能になり、したがって、接着層10にセラミックグリーンシート2を接着させた後、セラミックグリーンシート2から、支持シート1を剥離する際に、セラミックグリーンシート2が、支持シート1とともに、接着層10から剥離することを確実に防止することが可能になる。
また、本実施態様によれば、接着層10、スペーサ層7および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着性、接着層10とスペーサ層7との接着性および剥離層5と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、多数の積層体ユニット20を積層する際に、支持シート1のみを、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2から、確実に剥離することが可能になる。
さらに、本実施態様によれば、接着層10、スペーサ層7および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着性、接着層10とスペーサ層7との接着性および剥離層5と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、多数の積層体ブロック40を積層して、積層体を作製する積層プロセス中に、セラミックグリーンシート2と接着層10との間、接着層10と電極層6およびスペーサ層7との間あるいは剥離層5と接着層10との間で、デラミネーションが発生することを効果的に防止することが可能になる。
また、本実施態様によれば、接着層10、スペーサ層7および剥離層5には、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体材料の粉末と実質的に同一組成を有する誘電体材料の粉末が含まれているから、セラミックグリーンシート2と接着層10との接着性、接着層10とスペーサ層7との接着性および剥離層5と接着層10との接着性を向上させることができ、したがって、セラミックグリーンチップの焼成プロセス中に、セラミックグリーンシート2と接着層10との間、接着層10と電極層6およびスペーサ層7との間あるいは剥離層5と接着層10との間で、デラミネーションが発生することを効果的に防止することが可能になる。
さらに、本実施態様によれば、支持シート1上に形成された積層体の表面に、接着層10を転写した後、接着層10の表面に、中間シート19を付着させているから、表面に、接着層10が転写された積層体を、第二の巻き取りローラ18によって巻き取っても、接着層10が支持シート1に接着することがなく、したがって、各転写装置を、それぞれ、並列的に配置することができるから、製造ラインが徒に長くなることを防止することが可能になる。
また、本実施態様によれば、図33、図35、図37、図39および図41に示されるように、支持シート1、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む積層体ユニット20ならびに接着層10からなる積層体の接着層10上に、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2を転写する転写装置、支持シート1、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む積層体ユニット20、接着層10ならびにセラミックグリーンシート2からなる積層体の接着層10に転写されたセラミックグリーンシート2の表面に、接着シート11の接着層10を転写する転写装置、支持シート1、セラミックグリーンシート2、接着層10、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を含む積層体ユニット20、接着層10、セラミックグリーンシート2ならびに接着層10からなる積層体の接着層10の表面に、支持シート4の上の剥離層5の表面に形成された電極層6およびスペーサ層7を接着し、剥離層5から、支持シート4が剥離して、電極層6、スペーサ層7および剥離層5を接着層10の表面に転写する転写装置ならびに支持シート1上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写された接着層10に、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2を接着させ、セラミックグリーンシート2から支持シート4を剥離して、支持シート1上に形成された2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニット20の剥離層5の表面に転写された接着層10上に、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2を転写する転写装置は、同一の構成を有しているから、これらのステップを、一つの装置を用いて、実行することができ、したがって、製造設備のスペースを大幅に縮小させることが可能になる。
以下、本発明の効果をより明瞭なものとするため、実施例および比較例を掲げる。
実施例1
セラミックグリーンシート用の誘電体ペーストの調製
以下の組成を有する誘電体粉末を調製した。
BaTiO粉末(堺化学工業株式会社製:商品名「BT−02」)
100重量部
MgCO0.72重量部
MnO 0.13重量部
(Ba0.6Ca0.4)SiO 1.5重量部
1.0重量部
こうして調製した誘電体粉末100重量部に対して、以下の組成を有する有機ビヒクルを加え、ボールミルを用いて、20時間にわたって、混合し、セラミックグリーンシート用の誘電体ペーストを調製した。
ポリビニルブチラール樹脂(バインダ) 6重量部
フタル酸ビス(2エチルヘキシル) 3重量部
(DOP:可塑剤)
エタノール 78重量部
n−プロパノール 78重量部
キシレン 14重量部
ミネラルスピリット 7重量部
分散剤 0.7重量部
剥離層用の誘電体ペーストの調製
BaTiO粉末(堺化学工業株式会社製:商品名「BT−01」)を用いた以外は、セラミックグリーンシート用の誘電体ペーストを調製したのと、全く同様にして、誘電体ペーストを調製し、エタノールと、プロパノールと、キシレンの混合溶液(混合比42.5:42.5:15)によって、誘電体ペーストを希釈して、剥離層用の誘電体ペーストを調製した。
接着剤ペーストの調製
以下の組成を有する有機ビヒクルを調製し、得られた有機ビヒクルを、メチルエチルケトンによって、10倍に希釈して、接着剤用のペーストを調製した。
ポリビニルブチラール樹脂(バインダ) 100重量部
フタル酸ビス(2エチルヘキシル) 50重量部
(DOP:可塑剤)
メチルエチルケトン 900重量部
BaTiO粉末(堺化学工業株式会社製:商品名「BT−02」)
0.5重量部
電極用のペーストの調製
100重量部の平均粒径が0.2μmのNi粒子に対して、以下の組成の溶液を加え、ボールミルによって、20時間にわたり、混合して、スラリーを得た。
BaTiO粉末(堺化学工業株式会社製:商品名「BT−01」)
20重量部
有機ビヒクル 58重量部
フタル酸ビス(2エチルヘキシル) 50重量部
(DOP:可塑剤)
ターピネオール 5重量部
分散剤 1重量部
アセトン 45重量部
ここに、有機ビヒクルは、8重量部のポリビニルブチラール樹脂を、92重量部のターピネオールに溶解して、調製した。
こうして得られたスラリーを、40℃で、加熱し、攪拌して、余剰のアセトンを揮発させ、電極層用のペーストを調製した。
スペーサ層用の誘電体ペーストの調製
セラミックグリーンシート用の誘電体ペーストを調製するのに用いた誘電体粉末100重量部に対して、以下の組成を有する溶液を加え、ボールミルを用いて、20時間にわたり、混合して、スラリーを得た。
有機ビヒクル 71重量部
フタル酸ビス(2エチルヘキシル) 50重量部
(DOP:可塑剤)
ターピネオール 5重量部
分散剤 1重量部
アセトン 64重量部
ここに、有機ビヒクルは、8重量部のポリビニルブチラール樹脂を、92重量部のターピネオールに溶解して、調製した。
こうして得られたスラリーを、40℃で、加熱し、攪拌して、余剰のアセトンを揮発させ、スペーサ層用のペーストを調製した。
セラミックグリーンシートの作製
ワイヤーバーコーターを用いて、第一のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、セラミックグリーンシート用の誘電体ペーストを塗布し、乾燥させ、1.0μmの厚さのセラミックグリーンシートを作製した。
剥離層、電極層およびスペーサ層の形成
ワイヤーバーコーターを用いて、第二のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、剥離層用の誘電体ペーストを塗布して、乾燥させ、0.2μmの厚さの剥離層を形成した。
こうして形成された剥離層の表面に、スクリーン印刷法を用いて、所定のパターンで、電極層用のペーストを印刷し、1.0μmの厚さの電極層を形成した。
次いで、電極層が形成されていない剥離層の表面に、スクリーン印刷法を用いて、電極層と相補的なパターンで、スペーサ層用の誘電体ペーストを印刷して、1.2μmの厚さのスペーサ層を形成した。
接着層の形成
第三のポリエチレンテレフタレートフィルムの両表面に、シリコン樹脂を塗布して、剥離性改善処理を施した後、ワイヤーバーコーターを用いて、第三のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、接着剤ペーストを塗布し、0.1μmの厚さの接着層を形成した。
接着層の転写
図5および図6に示された転写装置を用いて、セラミックグリーンシートの表面に、第三のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に形成された接着層を接着し、第三のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離して、セラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写した。
一対の加圧ローラのニップ圧力は、1MPaで、温度は、50℃であった。
セラミックグリーンシートの表面への電極層およびスペーサ層の転写
図7および図8に示された転写装置を用いて、セラミックグリーンシートの表面に形成された接着層を介して、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層とを接着するとともに、電極層およびスペーサ層から、第二のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した。
一対の加圧ローラのニップ圧力は、5MPaで、温度は、100℃であった。
接着層の転写
さらに、ワイヤーバーコーターを用いて、両表面に、シリコン樹脂を塗布して、剥離性改善処理を施した第三のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、接着剤ペーストを塗布して、0.1μmの厚さの接着層を形成し、図9および図10に示された転写装置を用いて、剥離層の表面に、第三のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に形成された接着層を接着し、第三のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離して、剥離層の表面に、接着層を転写し、第一のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、セラミックグリーンシート、接着層、電極層、スペーサ層、剥離層および接着層が積層された積層体ユニットを作製した。
積層体ユニットの積層
ポリエチレンテレフタレートフィルムによって形成された支持体の表面に、剥離層の表面に転写された接着層が接触するように、積層体ユニットを位置決めし、加圧して、積層体ユニットを、支持体の表面に積層した。
圧力は、2MPaであった。
次いで、積層体ユニットのセラミックグリーンシートから、第一のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した。
積層体ブロックの作製
さらに、剥離層の表面に転写された接着層の表面が、支持体上に積層された積層体ユニットのセラミックグリーンシートの表面に接触するように、新たな積層体ユニットを位置決めして、加圧し、支持体上に積層された積層体ユニットに、新たな積層体ユニットを積層した。
積層後、新たに積層した積層体ユニットのセラミックグリーンシートから、第一のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した。
同様にして、合計30の積層体ユニットを、支持体上に積層して、積層体ブロックを作製した。
同様にして、それぞれが、30の積層体ユニットを含む3つの積層体ブロックを作製した。
セラミックグリーンチップの作製
積層セラミックコンデンサの蓋部分を形成し、その表面に、約0.1μmの厚さの接着層が形成された外層上に、接着層の表面に、積層体ブロックの剥離層が接触するように、積層体ブロックを位置決めし、加圧して、外層上に、積層体ブロックを積層した。
積層後、積層体ブロックから、支持体を剥離した。
さらに、外層上に積層された積層体ブロックの表面に、約1μmの厚さの接着層を形成し、外層上に積層された積層体ブロックの接着層の表面に、新たな積層体ブロックの剥離層が接触するように、新たな積層体ブロックを位置決めし、加圧して、外層上に積層された積層体ブロック上に、新たな積層体ブロックを積層した。
同様にして、外層上に、合計3つの積層体ブロックを積層し、最上に積層体ブロックの表面に、約1μmの厚さの接着層を形成し、積層セラミックコンデンサの蓋部分を形成する外層を、接着層に接着した。
こうして得られた90の積層体ユニットを含む積層体を、70℃の温度下で、100MPaの圧力で加圧して、プレス成形し、ダイシング加工機によって、所定のサイズに裁断し、セラミックグリーンチップを作製した。
積層セラミックコンデンサの作製
こうして作製されたセラミックグリーンチップを、窒素ガスの雰囲気下において、以下の条件で処理し、バインダを除去した。
昇温温度:50℃/時間
保持温度:250℃
保持時間:2時間
バインダを除去した後、セラミックグリーンチップを、露点20℃に制御された窒素ガスと水素ガスの混合ガスの雰囲気下において、以下の条件で処理し、焼成した。
昇温温度:300℃/時間
保持温度:1200℃
保持時間:3時間
冷却速度:300℃/時間
さらに、焼成したセラミックグリーンチップに、露点20℃に制御された窒素ガスの雰囲気下において、以下の条件で、アニール処理を施した。
保持時間:2時間
冷却速度:300℃/時間
こうして得られた燒結体に、端面研磨を施した後、露点20℃に制御された窒素ガスと水素ガスの混合ガスの雰囲気下において、以下の条件で、端子電極用ペーストを焼き付けて、端子電極を形成した。
昇温温度:500℃/時間
保持温度:700℃
保持時間:10分
冷却速度:500℃/時間
さらに、端子電極上に、めっきを施して、積層セラミックコンデンサを作成した。
以上のようにして得られた積層セラミックコンデンサのサンプルは、セラミックグリーンシートの積層数が90層であり、サイズは、長さが1.6mmで、幅が0.8mmであった。
全く同様にして、合計100個の積層セラミックコンデンサのサンプルを作製した。
こうして得られた合計100個の積層セラミックコンデンサのサンプルを、顕微鏡によって観察したところ、12個の積層セラミックコンデンサのサンプルに、デラミネーションの発生が認められた。
実施例2
以下の組成を有する有機ビヒクルを調製し、得られた有機ビヒクルを、メチルエチルケトンによって、10倍に希釈して、接着剤用のペーストを調製した点を除き、実施例1と同様にして、合計100個の積層セラミックコンデンサのサンプルを作製した。
ポリビニルブチラール樹脂(バインダ) 100重量部
フタル酸ビス(2エチルヘキシル) 50重量部
(DOP:可塑剤)
メチルエチルケトン 900重量部
BaTiO粉末(堺化学工業株式会社製:商品名「BT−02」)
0.8重量部
こうして得られた合計100個の積層セラミックコンデンサのサンプルを、顕微鏡によって観察したところ、5個の積層セラミックコンデンサのサンプルに、デラミネーションの発生が認められた。
実施例3
以下の組成を有する有機ビヒクルを調製し、得られた有機ビヒクルを、メチルエチルケトンによって、10倍に希釈して、接着剤用のペーストを調製した点を除き、実施例1と同様にして、合計100個の積層セラミックコンデンサのサンプルを作製した。
ポリビニルブチラール樹脂(バインダ) 100重量部
フタル酸ビス(2エチルヘキシル) 50重量部
(DOP:可塑剤)
メチルエチルケトン 900重量部
BaTiO粉末(堺化学工業株式会社製:商品名「BT−02」)
10重量部
こうして得られた合計100個の積層セラミックコンデンサのサンプルを、顕微鏡によって観察したところ、2個の積層セラミックコンデンサのサンプルに、デラミネーションの発生が認められた。
実施例4
以下の組成を有する有機ビヒクルを調製し、得られた有機ビヒクルを、メチルエチルケトンによって、10倍に希釈して、接着剤用のペーストを調製した点を除き、実施例1と同様にして、合計100個の積層セラミックコンデンサのサンプルを作製した。
ポリビニルブチラール樹脂(バインダ) 100重量部
フタル酸ビス(2エチルヘキシル) 50重量部
(DOP:可塑剤)
メチルエチルケトン 900重量部
BaTiO粉末(堺化学工業株式会社製:商品名「BT−02」)
25重量部
こうして得られた合計100個の積層セラミックコンデンサのサンプルを、顕微鏡によって観察したところ、いずれの積層セラミックコンデンサのサンプルにも、デラミネーションの発生が認められなかった。
比較例1
以下の組成を有する有機ビヒクルを調製し、得られた有機ビヒクルを、メチルエチルケトンによって、10倍に希釈して、接着剤用のペーストを調製した点を除き、実施例1と同様にして、合計100個の積層セラミックコンデンサのサンプルを作製した。
ポリビニルブチラール樹脂(バインダ) 100重量部
フタル酸ビス(2エチルヘキシル) 50重量部
(DOP:可塑剤)
メチルエチルケトン 900重量部
こうして得られた合計100個の積層セラミックコンデンサのサンプルを、顕微鏡によって観察したところ、30個の積層セラミックコンデンサのサンプルに、デラミネーションの発生が認められた。
比較例2
以下の組成を有する有機ビヒクルを調製し、得られた有機ビヒクルを、メチルエチルケトンによって、10倍に希釈して、接着剤用のペーストを調製した点を除き、実施例1と同様にして、第三のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、接着層を形成し、セラミックグリーンシートの表面に、第三のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に形成された接着層を転写し、第三のポリエチレンテレフタレートフィルムを接着層から剥離したところ、第三のポリエチレンテレフタレートフィルムとともに、接着層が剥離した。
ポリビニルブチラール樹脂(バインダ) 100重量部
フタル酸ビス(2エチルヘキシル) 50重量部
(DOP:可塑剤)
メチルエチルケトン 900重量部
BaTiO粉末(堺化学工業株式会社製:商品名「BT−02」)
50重量部
実施例5
以下の組成を有する有機ビヒクルを調製し、得られた有機ビヒクルを、メチルエチルケトンによって、10倍に希釈して、接着剤用のペーストを調製し、第三のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、0.3μmの厚さの接着層を形成した点を除き、実施例1と同様にして、合計100個の積層セラミックコンデンサのサンプルを作製した。
ポリビニルブチラール樹脂(バインダ) 100重量部
フタル酸ビス(2エチルヘキシル) 50重量部
(DOP:可塑剤)
メチルエチルケトン 900重量部
BaTiO粉末(堺化学工業株式会社製:商品名「BT−02」)
25重量部
こうして得られた合計100個の積層セラミックコンデンサのサンプルを、顕微鏡によって観察したところ、23個の積層セラミックコンデンサのサンプルに、デラミネーションの発生が認められた。
比較例3
以下の組成を有する有機ビヒクルを調製し、得られた有機ビヒクルを、メチルエチルケトンによって、10倍に希釈して、接着剤用のペーストを調製し、第三のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、0.5μmの厚さの接着層を形成した点を除き、実施例1と同様にして、合計100個の積層セラミックコンデンサのサンプルを作製した。
ポリビニルブチラール樹脂(バインダ) 100重量部
フタル酸ビス(2エチルヘキシル) 50重量部
(DOP:可塑剤)
メチルエチルケトン 900重量部
BaTiO粉末(堺化学工業株式会社製:商品名「BT−02」)
25重量部
こうして得られた合計100個の積層セラミックコンデンサのサンプルを、顕微鏡によって観察したところ、94個の積層セラミックコンデンサのサンプルに、デラミネーションの発生が認められた。
本発明は、以上の実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
たとえば、図33ないし図42に示された実施態様においては、3以上の積層体ユニット20が積層された積層体ユニットセットの表面に、接着層10を転写した後、裁断装置(図示せず)によって、支持シート1および積層体ユニットセットを、所定のサイズに裁断し、積層体ブロック40を形成して、3以上の積層体ユニット20を含む積層体ブロック40を、積層セラミックコンデンサの外層上に、積層するように構成されているが、図39および図40に示された転写装置によって、2つの積層体ユニット20を含む積層体ユニットセットの表面に、接着層10を形成した後、支持シート1および積層体ユニットセットを、所定のサイズに裁断し、積層体ブロック40を形成して、2つの積層体ユニット20を含む積層体ブロック40を、積層セラミックコンデンサの外層上に、積層するように構成することもできる。
さらに、図5および図6に示された転写装置、図9および図10に示された転写装置、図21および図22に示された転写装置、図23および図24に示された転写装置、図29および図30に示された転写装置、図35および図36に示された転写装置ならびに図39および図40に示された転写装置は、それぞれ、支持シート9の表面に形成された接着層10を、電極層6およびスペーサ層7、セラミックグリーンシート2あるいは剥離層5の表面に接着した後、ただちに、支持シート9を、接着層10から剥離するように構成されているが、支持シート9の表面に形成された接着層10を、電極層6およびスペーサ層7、セラミックグリーンシート2あるいは剥離層5の表面に接着した後、ただちに、支持シート9を、接着層10から剥離することは必ずしも必要でなく、接着装置を用いて、支持シート9の表面に形成された接着層10を、電極層6およびスペーサ層7、セラミックグリーンシート2あるいは剥離層5の表面に接着して、積層体を形成し、積層体をローラに巻き取った後、積層体をローラから繰り出す際に、中間シート19を、中間シート巻き取りローラ14によって、接着層10から剥離させて、巻き取ったのと同様にして、支持シート9を、接着層10から剥離するように構成することもできる。
また、図7および図8に示された転写装置および図37および図38に示された転写装置は、支持シート4の表面に形成された電極層6およびスペーサ層7を、接着層10に接着した後、ただちに、支持シート4を、剥離層5から剥離するように構成されているが、支持シート4の表面に形成されたされた電極層6およびスペーサ層7を、接着層10に接着した後、ただちに、支持シート4を、剥離層5から剥離することは必ずしも必要でなく、接着装置を用いて、支持シート4の表面に形成されたされた電極層6およびスペーサ層7を、接着層10に接着して、積層体を形成し、積層体をローラに巻き取った後、積層体をローラから繰り出す際に、中間シート19を、中間シート巻き取りローラ14によって、接着層10から剥離させて、巻き取ったのと同様にして、支持シート4を、剥離層5から剥離するように構成することもできる。
さらに、図25および図26に示された転写装置、図33および図34に示された転写装置ならびに図41および図42に示された転写装置は、それぞれ、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2を、接着層10に接着した後、ただちに、支持シート1を、セラミックグリーンシート2から剥離するように構成されているが、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2を、接着層10に接着した後、ただちに、支持シート1を、セラミックグリーンシート2から剥離することは必ずしも必要でなく、接着装置を用いて、支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2を、接着層10に接着して、積層体を形成し、積層体をローラに巻き取った後、積層体をローラから繰り出す際に、中間シート19を、中間シート巻き取りローラ14によって、接着層10から剥離させて、巻き取ったのと同様にして、支持シート1を、セラミックグリーンシート2から剥離するように構成することもできる。
また、図27および図28に示された積層装置ならびに図31および図32に示された積層装置は、支持シート4の表面に形成された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2を、接着層10に接着した後、ただちに、支持シート4を、積層体ユニット20から剥離するように構成されているが、支持シート4の表面に形成された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2を、接着層10に接着した後、ただちに、支持シート4を、積層体ユニット20から剥離することは必ずしも必要でなく、接着装置を用いて、支持シート4の表面に形成された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート5を、接着層10に接着して、積層体を形成し、積層体をローラに巻き取った後、積層体をローラから繰り出す際に、中間シート19を、中間シート巻き取りローラ14によって、接着層10から剥離させて、巻き取ったのと同様にして、支持シート4を、積層体ユニット20から剥離するように構成することもできる。
さらに、前記実施態様においては、接着層10が形成された支持シート9と同じ材料によって形成され、支持シート9と同一の厚さを有し、その表面に、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成された支持シート9と同じ表面処理が施されている中間シート19が用いられているが、接着層10が形成された支持シート9と同じ材料によって形成され、支持シート9と同一の厚さを有し、その表面に、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされ、接着層10が形成された支持シート9と同じ表面処理が施されている中間シート19を用いることは必ずしも必要でなく、接着層10に付着されるべき表面に、高さ1μmないし10μmの凹凸が形成されたシートを、中間シート19として用い、あるいは、ガーレー透気度が10000s/50ml未満のシートを、中間シート19として用いて、エアを、接着層10と中間シート19の間の空間から速やかに排出させるようにして、中間シート19に皺が生じることを防止するとともに、中間シート19が付着された積層体が巻き取り時に蛇行することを防止することもできる。
さらに、前記実施態様においては、セラミックグリーンシート2あるいは電極層6およびスペーサ層7の表面に、接着層10を転写した後に、接着層10の表面に、中間シート19を付着させて、積層体を巻き取り、同一の構成を有する転写装置を用いて、積層体ユニット20あるいは積層体ユニットセットを作製するように構成されているが、十分に長い製造ラインを設けるスペースが存在する場合には、接着層10の表面に、中間シート19を付着させて、積層体を巻き取ることなく、連続的に、転写操作および接着操作を繰り返して、積層体ユニット20あるいは積層体ユニットセットを作製することもでき、あるいは、製造ラインを設けるべきスペースの長さに応じて、二またはそれ以上の転写装置を一ラインに配置し、一ラインの転写装置における接着層10の転写完了時にのみ、接着層10の表面に、中間シート19を付着させて、積層体をローラに巻き取り、別のラインの転写装置に、巻き取ったローラをセットして、次の転写操作および接着操作を実行するようにしてもよい。
また、前記実施態様においては、接着層10が、バインダの0.01重量%ないし15重量%のイミダゾリン系界面活性剤を含んでいるが、接着層10が、バインダの0.01重量%ないし15重量%のイミダゾリン系界面活性剤を含んでいることは必ずしも必要でない。本発明において、接着層10のための帯電防止剤として、イミダゾリン系界面活性剤を用いることが最も好ましいが、ポリアルキレングリコール誘導体系界面活性剤、カルボン酸アミジン塩系界面活性剤などの他の両性界面活性剤も、接着層10のための帯電防止剤として、好ましく用いることができ、さらに、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、2−3ブタンジオール、グリセリンなどを、接着層10のための帯電防止剤として、用いることもできる。
さらに、前記実施態様においては、接着剤溶液中に、イミダゾリン系界面活性剤を添加しているが、接着剤溶液中に、イミダゾリン系界面活性剤などの帯電防止剤を添加することは必ずしも必要でない。
また、前記実施態様においては、剥離層5の表面に、電極層6およびスペーサ層7を、ts/te=1.1となるように形成している(tsはスペーサ層7の厚さであり、teは電極層6の厚さである。)が、0.7≦ts/te≦1.3となるように、好ましくは、0.8≦ts/te≦1.1、さらに好ましくは、0.9≦ts/te≦1.1となるように、電極層6およびスペーサ層7を形成すればよく、電極層6およびスペーサ層7を、ts/te=1.1となるように形成することは必ずしも必要でない。
図1は、第一の支持シートの表面上に、セラミックグリーンシートが形成された状態を示す略一部断面図である。 図2は、その表面上に、剥離層および電極層が形成された第二の支持シートの略一部断面図である。 図3は、剥離層の表面上に、電極層およびスペーサ層が形成された状態を示す略一部断面図である。 図4は、第三の支持シートの表面上に、接着層が形成された接着シートの略一部断面図である。 図5は、第三の支持シート上に形成された接着層を、第二の支持シート上に形成された電極層およびスペーサ層の表面に転写する転写装置の略断面図である。 図6は、図5に示された転写装置の一対の加圧ローラの近傍の略拡大断面図である。 図7は、第一の支持シート上に形成されたセラミックグリーンシートを、接着層を介して、第二の支持シート上に形成された電極層およびスペーサ層の表面に転写する転写装置の略断面図である。 図8は、図7に示された転写装置の一対の加圧ローラの近傍の略拡大断面図である。 図9は、積層体ユニットのセラミックグリーンシートの表面に、接着シートの接着層を転写する転写装置の略断面図である。 図10は、図9に示された転写装置の一対の加圧ローラの近傍の略拡大断面図である。 図11は、裁断装置によって、所定のサイズに裁断された積層体ユニットの略断面図である。 図12は、積層体ユニットの積層プロセスの第一のステップを示す略一部断面図である。 図13は、積層体ユニットの積層プロセスの第二のステップを示す略一部断面図である。 図14は、積層体ユニットの積層プロセスの第三のステップを示す略一部断面図である。 図15は、積層体ユニットの積層プロセスの第四のステップを示す略一部断面図である。 図16は、積層体ユニットの積層プロセスの第五のステップを示す略一部断面図である。 図17は、基板に固定されている支持体上に積層された積層体ブロックを、積層セラミックコンデンサの外層上に積層する積層プロセスの第一のステップを示す略一部断面図である。 図18は、基板に固定されている支持体上に積層された積層体ブロックを、積層セラミックコンデンサの外層上に積層する積層プロセスの第二のステップを示す略一部断面図である。 図19は、基板に固定されている支持体上に積層された積層体ブロックを、積層セラミックコンデンサの外層上に積層する積層プロセスの第三のステップを示す略一部断面図である。 図20は、基板に固定されている支持体上に積層された積層体ブロックを、積層セラミックコンデンサの外層上に積層する積層プロセスの第四のステップを示す略一部断面図である。 図21は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法に用いられる転写装置の略断面図である。 図22は、図21に示された転写装置の一対の加圧ローラの近傍の略拡大断面図である。 図23は、支持シート上に形成された接着層を、支持シート上に形成された電極層およびスペーサ層の表面に転写する転写装置の略断面図である。 図24は、図23に示された積層装置の一対の加圧ローラの近傍の略拡大断面図である。 図25は、支持シート上に形成されたセラミックグリーンシートを、接着層を介して、支持シート上に形成された電極層およびスペーサ層の表面に転写する転写装置の略断面図である。 図26は、図25に示された転写装置の一対の加圧ローラの近傍の略拡大断面図である。 図27は、図21および図22に示された転写装置によって、積層体ユニットの剥離層上に転写された接着層に、図25および図26に示された転写装置によって作製された別の積層体ユニットを接着して、2つの積層体ユニットを積層し、2つの積層体ユニットを含む積層体ユニットセットを作製する積層装置である。 図28は、図27に示された積層装置の一対の加圧ローラの近傍の略拡大断面図である。 図29は、支持シートの表面に形成された積層体ユニットセットの剥離層の表面に、支持シート上に形成された接着層を転写する転写装置の略断面図である。 図30は、図29に示された転写装置の一対の加圧ローラの近傍の略拡大断面図である。 図31は、支持シート上に形成された2つの積層体ユニットを含む積層体ユニットセットの剥離層の表面に、接着層を介して、支持シート上に形成され、剥離層、電極層、スペーサ層、接着層およびセラミックグリーンシートを含む新たに積層すべき積層体ユニットを積層する積層装置の略断面図である。 図32は、図31に示された積層装置の一対の加圧ローラの近傍の略拡大断面図である。 図33は、本発明の他の好ましい実施態様にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法に用いられる転写装置の略断面図である。 図34は、図33に示された転写装置の一対の加圧ローラの近傍の略拡大断面図である。 図35は、支持シート、セラミックグリーンシート、接着層、電極層、スペーサ層および剥離層を含む積層体ユニット、接着層ならびにセラミックグリーンシートからなる積層体の接着層に転写されたセラミックグリーンシートの表面に、接着シートの接着層を転写する転写装置の略断面図である。 図36は、図35に示された転写装置の一対の加圧ローラの近傍の略拡大断面図である。 図37は、支持シート、セラミックグリーンシート、接着層、電極層、スペーサ層および剥離層を含む積層体ユニット、接着層、セラミックグリーンシートならびに接着層からなる積層体の接着層の表面に、支持シートの上の剥離層の表面に形成された電極層およびスペーサ層を接着し、剥離層から、支持シートを剥離して、電極層、スペーサ層および剥離層を接着層の表面に転写する転写装置の略断面図である。 図38は、図37に示された転写装置の一対の加圧ローラの近傍の略拡大断面図である。 図39は、支持シート上に、それぞれ、セラミックグリーンシート、接着層、電極層、スペーサ層および剥離層を含む2つの積層体ユニットが、接着層を介して、積層されて、作製された積層体ユニットセットの表面側に位置する剥離層の表面に、支持シート上に形成された接着層を転写する転写装置の略断面図である。 図40は、図39に示された転写装置の一対の加圧ローラの近傍の略拡大断面図である。 図41は、支持シート上に形成された2つの積層体ユニットを含む積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニットの剥離層の表面に転写された接着層に、支持シート上に形成されたセラミックグリーンシートを接着させ、セラミックグリーンシートから支持シートを剥離して、支持シート上に形成された2つの積層体ユニットを含む積層体ユニットセットの表面側に位置する積層体ユニットの剥離層の表面に転写された接着層上に、支持シート上に形成されたセラミックグリーンシートを転写する転写装置の略断面図である。 図42は、図41に示された転写装置の一対の加圧ローラの近傍の略拡大断面図である。
符号の説明
1 第一の支持シート
2 セラミックグリーンシート
3 第二の支持シート
5 剥離層
6 電極層
7 スペーサ層
9 第三の支持シート
10 接着層
11 接着シート
12 中間シート
13 ローラ
14 ローラ
15、16 加圧ローラ
17、18 加圧ローラ
19 中間シート巻き取りローラ
20 積層体ユニット
25 基板
26 孔
28 支持体
30 基台
31 孔
32 接着層
33 積層セラミックコンデンサの外層
40 積層体ブロック

Claims (28)

  1. 第一の支持シートの表面に、誘電体材料を含むセラミックグリーンシートを形成する工程と、第二の支持シートの表面に、剥離層を形成する工程と、前記剥離層の表面に、所定のパターンで、電極層を形成するとともに、前記電極層と相補的なパターンで、前記セラミックグリーンシートに含まれた誘電体材料と実質的に同じ組成を有する誘電体材料を含むスペーサ層を形成する工程と、第三の支持シートの表面に、前記セラミックグリーンシートに含まれた誘電体材料と実質的に同じ組成を有する誘電体材料を含む接着層を形成する工程と、前記第三の支持シート上に形成された前記接着層の表面と、前記第一の支持シートの表面に形成されたセラミックグリーンシートの表面とを密着させて、加圧し、前記接着層を、前記セラミックグリーンシートの表面に接着させる工程と、前記接着層から、前記第三の支持シートを剥離する工程と、前記第二の支持シートの表面に形成された前記電極層および前記スペーサ層の表面と、前記セラミックグリーンシートの表面に転写された前記接着層の表面とを密着させて、加圧し、接着させる工程とを含むことを特徴とする積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法。
  2. 前記接着層に含まれている前記誘電体材料が、前記接着層の厚さ以下の粒径を有していることを特徴とする請求項1に記載の積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法。
  3. 前記接着層が、バインダに対して、0.5重量%ないし25重量%の誘電体材料を含んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法。
  4. 前記接着層を、0.3μm以下の厚さを有するように、前記第三の支持シートの表面に形成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法。
  5. 第一の支持シートの表面に、誘電体材料を含む第一の接着層を形成する工程と、第二の支持シートの表面に、誘電体材料を含むセラミックグリーンシート、第二の接着層、電極層、前記電極層と相補的なパターンを有し、誘電体材料を含むスペーサ層および誘電体材料を含む剥離層が積層されて形成された積層体ユニットの前記剥離層の表面と、前記第一の接着層の表面とを密着させて、加圧し、前記第一の接着層を、前記剥離層の表面に接着させる工程と、前記第一の接着層から、前記第二の支持シートを剥離する工程を含み、前記第一の接着層、前記第二の接着層、前記剥離層および前記スペーサ層が、前記セラミックグリーンシートに含まれている誘電体材料と実質的に同じ組成を有する誘電体材料を含んでいることを特徴とする少なくとも1つの積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
  6. 前記第一の接着層に含まれている前記誘電体材料が、前記第一の接着層の厚さ以下の粒径を有し、前記第二の接着層に含まれている前記誘電体材料が、前記第二の接着層の厚さ以下の粒径を有していることを特徴とする請求項5に記載の少なくとも1つの積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
  7. 前記第一の接着層および前記第二の接着層が、それぞれ、バインダに対して、0.5重量%ないし25重量%の誘電体材料を含んでいることを特徴とする請求項5または6に記載の少なくとも1つの積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
  8. 前記積層体ユニットの前記第二の接着層が、0.3μm以下の厚さを有するように形成され、前記第一の接着層を、前記第一の支持シートの表面に、0.3μm以下の厚さを有するように、形成することを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項に記載の少なくとも1つの積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
  9. 第一の支持シートの表面に、誘電体材料を含む第一の接着層を形成する工程と、第二の支持シートの表面に、誘電体材料を含む第一のセラミックグリーンシート、誘電体材料を含む第二の接着層、第一の電極層、前記第一の電極層と相補的なパターンを有し、誘電体材料を含む第一のスペーサ層および第一の剥離層が積層されて、形成された第一の積層体ユニットの前記第一の剥離層の表面と、前記第一の支持シートの表面に形成された前記第一の接着層とを密着させて、加圧し、前記第一の接着層を、前記第一の剥離層の表面に接着させる工程と、前記第一の接着層から、前記第一の支持シートを剥離する工程と、前記第一の接着層の表面と、第三の支持シートの表面に、第二の剥離層、第二の電極層、前記第二の電極層と相補的なパターンを有し、誘電体材料を含む第二のスペーサ層、誘電体材料を含む第三の接着層および誘電体材料を含む第二のセラミックグリーンシートが積層されて、形成された第二の積層体ユニットの前記第二のセラミックグリーンシートとを密着させて、加圧し、前記第二の積層体ユニットの前記第二のセラミックグリーンシートを、前記第一の接着層に接着させる工程と、前記第二の積層体ユニットの前記第二の剥離層から、前記第三の支持シートを剥離する工程を含み、前記第一の接着層、前記第二の接着層、前記第三の接着層、前記第一のスペーサ層および前記第二のスペーサ層が、前記第一のセラミックグリーンシートおよび前記第二のセラミックグリーンシートに含まれている誘電体材料と実質的に同じ組成を有する誘電体材料を含んでいることを特徴とする複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
  10. 前記第一の接着層に含まれている前記誘電体材料が、前記第一の接着層の厚さ以下の粒径を有し、前記第二の接着層に含まれている前記誘電体材料が、前記第二の接着層の厚さ以下の粒径を有し、前記第三の接着層に含まれている前記誘電体材料が、前記第三の接着層の厚さ以下の粒径を有していることを特徴とする請求項9に記載の複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
  11. 前記第一の接着層、前記第二の接着層および前記第三の接着層が、それぞれ、バインダに対して、0.5重量%ないし25重量%の誘電体材料を含んでいることを特徴とする請求項9または10に記載の複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
  12. 前記第二の接着層および前記第三の接着層が、それぞれ、0.3μm以下の厚さを有するように形成され、前記第一の接着層を、前記第一の支持シートの表面に、0.3μm以下の厚さを有するように、形成することを特徴とする請求項9ないし11のいずれか1項に記載の複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
  13. 第一の支持シートの表面に、誘電体材料を含む第一の接着層を形成する工程と、それぞれが、誘電体材料を含む第一のセラミックグリーンシート、誘電体材料を含む第二の接着層、第一の電極層、前記第一の電極層と相補的なパターンを有し、誘電体材料を含む第一のスペーサ層および誘電体材料を含む第一の剥離層が積層されて、形成された複数の積層体ユニットを第二の支持シート上に備えた積層体ユニットセットの表面に位置する第一の剥離層の表面と、前記第一の支持シートの表面に形成された前記第一の接着層とを密着させて、加圧し、前記第一の接着層を、前記第一の剥離層の表面に接着させる工程と、前記第一の接着層から、前記第一の支持シートを剥離する工程を含み、前記第一の接着層、前記第二の接着層、前記第一のスペーサ層および前記第一の剥離層が、前記第一のセラミックグリーンシートに含まれている誘電体材料と実質的に同じ組成を有する誘電体材料を含んでいることを特徴とする複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
  14. 前記第一の接着層に含まれている前記誘電体材料が、前記第一の接着層の厚さ以下の粒径を有し、前記第二の接着層に含まれている前記誘電体材料が、前記第二の接着層の厚さ以下の粒径を有していることを特徴とする請求項13に記載の複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
  15. 前記第一の接着層および前記第二の接着層が、それぞれ、バインダに対して、0.5重量%ないし25重量%の誘電体材料を含んでいることを特徴とする請求項13または14に記載の複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
  16. 前記積層体ユニットの前記第二の接着層が0.3μm以下の厚さを有するように形成され、前記第一の接着層を、前記第一の支持シートの表面に、0.3μm以下の厚さを有するように、形成することを特徴とする請求項13ないし15のいずれか1項に記載の複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
  17. さらに、第三の支持シートの表面に、誘電体材料を含む第二の剥離層、第二の電極層、前記第二の電極層と相補的なパターンを有し、誘電体材料を含む第二のスペーサ層、誘電体材料を含む第三の接着層および誘電体材料を含む第二のセラミックグリーンシートが、この順に積層された積層体ユニットの前記第二のセラミックグリーンシートの表面と、前記積層体ユニットセットの前記第一の接着層とを密着させて、加圧し、前記第一の接着層を、前記積層体ユニットの前記第二のセラミックグリーンシートの表面に接着させる工程と、前記積層体ユニットの前記第二の剥離層から、前記第三の支持シートを剥離する工程を含み、前記第一の接着層、前記第二の接着層、前記第三の接着層、前記第二のスペーサ層が、前記第一のセラミックグリーンシートおよび前記第二のセラミックグリーンシートに含まれている誘電体材料と実質的に同じ組成を有する誘電体材料を含んでいることを特徴とする請求項13ないし16のいずれか1項に記載の複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
  18. 前記第一の接着層に含まれている前記誘電体材料が、前記第一の接着層の厚さ以下の粒径を有し、前記第二の接着層に含まれている前記誘電体材料が、前記第二の接着層の厚さ以下の粒径を有し、前記第三の接着層に含まれている前記誘電体材料が、前記第三の接着層の厚さ以下の粒径を有していることを特徴とする請求項17に記載の複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
  19. 前記第一の接着層、前記第二の接着層および前記第三の接着層が、それぞれ、バインダに対して、0.5重量%ないし25重量%の誘電体材料を含んでいることを特徴とする請求項17または18に記載の複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
  20. 前記第二の接着層および前記第三の接着層が、それぞれ、0.3μm以下の厚さを有するように形成され、前記第一の接着層を、前記第一の支持シートの表面に、0.3μm以下の厚さを有するように、形成することを特徴とする請求項17ないし19のいずれか1項に記載の複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
  21. 少なくとも、第一の支持シートの表面に、誘電体材料を含む第一の接着層を形成する工程と、第二の支持シートの表面に、誘電体材料を含む第一のセラミックグリーンシート、誘電体材料を含む第二の接着層、第一の電極層、前記第一の電極層と相補的なパターンを有し、誘電体材料を含む第一のスペーサ層および第一の剥離層が積層されて、形成された積層体ユニットの前記第一の剥離層の表面と、前記第一の支持シートの表面に形成された前記第一の接着層とを密着させて、加圧し、前記第一の接着層を、前記第一の剥離層の表面に接着させる工程と、前記第一の接着層から、前記第一の支持シートを剥離する工程と、前記第一の接着層の表面と、第三の支持シートの表面に形成された誘電体材料を含む第二のセラミックグリーンシートとを密着させて、加圧し、前記第二のセラミックグリーンシートを、前記第一の接着層の表面に接着させる工程と、前記第二のセラミックグリーンシートから、前記第三の支持シートを剥離する工程と、第四の支持シートの表面に、誘電体材料を含む第三の接着層を形成する工程と、前記第二のセラミックグリーンシートの表面と、前記第四の支持シートの表面に形成された前記第三の接着層とを密着させて、加圧し、前記第三の接着層を、前記第二のセラミックグリーンシートの表面に接着させる工程と、前記第三の接着層から、前記第四の支持シートを剥離する工程と、前記第三の接着層の表面と、第五の支持シートの表面に、第二の剥離層、第二の電極層および前記第二の電極層と相補的なパターンを有し、誘電体材料を含む第二のスペーサ層が形成された積層体の前記第二の電極層および前記第二のスペーサ層とを密着させて、加圧し、前記第二の電極層および前記第二のスペーサ層を、前記第三の接着層に接着させる工程と、前記第二の電極層および前記第二のスペーサ層から、前記第五の支持シートを剥離して、前記積層体ユニットが、前記第一の接着層を介して、積層された積層体ユニットセットを形成する工程と、第六の支持シートの表面に、誘電体材料を含む第四の接着層を形成する工程と、前記積層体ユニットセットの前記第二の電極層および前記第二のスペーサ層の表面と、前記第六の支持シートの表面に形成された前記第四の接着層とを密着させて、加圧し、前記第四の接着層を、前記第二の電極層および前記第二のスペーサ層の表面に接着させる工程と、前記第四の接着層から、前記第六の支持シートを剥離する工程とを含み、前記第一の接着層、前記第二の接着層、前記第三の接着層、前記第四の接着層、前記第一のスペーサ層および前記第二のスペーサ層が、前記第一のセラミックグリーンシートおよび前記第二のセラミックグリーンシートに含まれている誘電体材料と実質的に同じ組成を有する誘電体材料を含んでいることを特徴とする複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
  22. 前記第一の接着層に含まれている前記誘電体材料が、前記第一の接着層の厚さ以下の粒径を有し、前記第二の接着層に含まれている前記誘電体材料が、前記第二の接着層の厚さ以下の粒径を有し、前記第三の接着層に含まれている前記誘電体材料が、前記第三の接着層の厚さ以下の粒径を有し、前記第四接着層に含まれている前記誘電体材料が、前記第四の接着層の厚さ以下の粒径を有していることを特徴とする請求項21に記載の複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
  23. 前記第一の接着層、前記第二の接着層、前記第三の接着層および前記第四の接着層が、それぞれ、バインダに対して、0.5重量%ないし25重量%の誘電体材料を含んでいることを特徴とする請求項21または22に記載の複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
  24. 前記第二の接着層が、0.3μm以下の厚さを有するように形成され、前記第一の接着層、前記第三の接着層および前記第四の接着層を、それぞれ、0.3μm以下の厚さを有するように、形成することを特徴とする請求項21ないし23のいずれか1項に記載の複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
  25. さらに、前記積層体ユニットセットの前記第二の電極層および前記第二のスペーサ層の表面に接着された前記第四の接着層の表面と、第七の支持シートの表面に形成された誘電体材料を含む第三のセラミックグリーンシートとを密着させて、加圧し、前記第三のセラミックグリーンシートを、前記第四の接着層の表面に接着させる工程と、前記第三のセラミックグリーンシートから、前記第七の支持シートを剥離する工程と、第八の支持シートの表面に、誘電体材料を含む第五の接着層を形成する工程と、前記第三のセラミックグリーンシートの表面と、前記第八の支持シートの表面に形成された前記第五の接着層とを密着させて、加圧し、前記第五の接着層を、前記第三のセラミックグリーンシートの表面に接着させる工程と、前記第五の接着層から、前記第八の支持シートを剥離する工程と、前記第五の接着層の表面と、第九の支持シートの表面に、第三の剥離層、第三の電極層および前記第三の電極層と相補的なパターンを有し、誘電体材料を含む第三のスペーサ層が形成された積層体の前記第三の電極層および前記第三のスペーサ層とを密着させて、加圧し、前記第三の電極層および前記第三のスペーサ層を、前記第五の接着層に接着させる工程と、前記第三の剥離層から、前記第九の支持シートを剥離する工程と、第十の支持シートの表面に、誘電体材料を含む第六の接着層を形成する工程と、前記第三の剥離層の表面と、前記第十の支持シートの表面に形成された前記第六の接着層とを密着させて、加圧し、前記第六の接着層を、前記第三の剥離層の表面に接着させる工程と、前記第六の接着層から、前記第十の支持シートを剥離する工程とを繰り返して、前記第二の支持シート上に、複数の積層体ユニットを積層する工程を含み、前記第五の接着層、前記第六の接着層、前記第三のスペーサ層が、前記第一のセラミックグリーンシート、前記第二のセラミックグリーンシートおよ前記第三のセラミックグリーンシートに含まれている誘電体材料と実質的に同じ組成を有する誘電体材料を含んでいることを特徴とする請求項21ないし24のいずれか1項に記載の複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
  26. 前記第五の接着層に含まれている前記誘電体材料が、前記第五の接着層の厚さ以下の粒径を有し、前記第六の接着層に含まれている前記誘電体材料が、前記第六の接着層の厚さ以下の粒径を有していることを特徴とする請求項25に記載の複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
  27. 前記第五の接着層および前記第六の接着層が、それぞれ、バインダに対して、0.5重量%ないし25重量%の誘電体材料を含んでいることを特徴とする請求項25または26に記載の複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。
  28. 前記第五の接着層および前記第六の接着層を、それぞれ、0.3μm以下の厚さを有するように、形成することを特徴とする請求項25ないし27のいずれか1項に記載の複数の積層体ユニットを含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットセットの製造方法。

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