JP4669798B2 - 蝶番付き扉ユニット及びその取付方法 - Google Patents

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Description

本発明は、蝶番(特に開き戸用の蝶番)付きの扉ユニット、及びその扉ユニットの取付方法に関する。
例えば、部屋への出入り用扉等の開き戸を、固定枠等の扉取付部に取付施工する際に、扉をスムーズに開閉できるように扉と固定枠との相互間隔(隙間)を所定範囲内に調整する必要がある。また、使用によって扉や固定枠が変形したり扉の取付位置がずれたりしたときにも、扉と固定枠との相互間隔を調整し直す必要がある。そして、これらの調整を適正に行なうために、扉の厚さ方向(扉正面に対峙する作業者の前後)、扉の幅方向(同じく左右)及び扉の高さ方向(同じく上下)の3方向での位置調整(隙間調整)を可能とした蝶番が開示されている(特許文献1参照)。
特開平10−82234号公報
このような蝶番によれば、扉を前後・左右・上下に位置調整することにより、扉と固定枠との相互間隔(隙間)を適正範囲に調整できる。しかし、特許文献1の蝶番では、扉の幅方向(左右)調整が蝶番軸の軸線周りでの回動によって行なわれるので、幅方向調整に伴って前後方向のずれを生じ、前後方向の再調整を要する場合がある。このため、隙間調整を効率よく行なうには、扉の幅方向の位置調整を行なってから前後方向の位置調整を行なうように、予め調整手順を決めておく必要がある。また、このような3方向での位置調整可能な蝶番が扉の上下に設けられた扉ユニットを扉取付部に取り付ける際に、例えば上側蝶番の蝶番軸が上方に突出していると、蝶番軸の上端が天井壁に接触して天井壁を損傷するおそれがある。
本発明の課題は、開き戸等の扉体の厚さ方向、幅方向及び高さ方向のように互いに直交する3方向の扉位置調整が容易に実施できるとともに、蝶番軸を介して扉取付部に取り付ける際の安全性を有する蝶番付き扉ユニット、及びその扉ユニットの取付方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記課題を解決するために、本発明の蝶番付き扉ユニットは、
固定枠等の扉取付部に対して開閉可能な開き戸等の扉体の下部に下側蝶番が取り付けられる一方、その扉体の上部に上側蝶番が取り付けられる蝶番付き扉ユニットにおいて、
前記下側蝶番及び上側蝶番はそれぞれ、固定枠等の扉取付部に装着される取付部側ヒンジ部としての取付部側ヒンジプレートと、その扉取付部に対して開閉可能な開き戸等の扉体に装着される扉側ヒンジ部としての扉側ヒンジプレートと、それら両ヒンジプレートを前記扉体の開閉方向において相対的に回動可能に連結する蝶番軸と、を有する蝶番であって、
このうち前記下側蝶番は、
前記扉側ヒンジプレートに取り付けられるとともに、前記扉体を前記蝶番軸の軸線に直交する面において第一方向としての厚さ方向へ移動させ、かつその直交面において前記厚さ方向に直交する第二方向としての前記扉体の幅方向及び前記蝶番軸の軸線に沿う第三方向としての前記扉体の高さ方向への前記扉体の移動をそれぞれ許容するための第一の調整機構と、
前記扉側ヒンジプレートに取り付けられるとともに、前記扉体を前記幅方向へ移動させ、かつ前記厚さ方向及び前記高さ方向への前記扉体の移動をそれぞれ許容するための第二の調整機構と、
前記蝶番軸に取り付けられるとともに、前記扉体を前記高さ方向へ移動させ、かつ前記取付部側ヒンジプレート及び前記扉側ヒンジプレートの相対的な回動を許容するための第三の調整機構とを備え、
一方、前記上側蝶番は、
前記第一の調整機構と、前記第二の調整機構と、前記蝶番軸に組み込まれるとともに前記扉体の高さ方向への移動に追従する弾発部材を有し、かつ前記取付部側ヒンジプレート及び前記扉側ヒンジプレートの相対的な回動を許容するための追従移動機構とを備え、
さらに、前記蝶番軸を構成する軸状部材と、前記弾発部材を介してその軸状部材に係合する前記取付部側ヒンジプレートとのうちの少なくとも一方に、前記軸状部材の上端が前記取付部側ヒンジプレートの上面から突出することを阻止又は突出量を抑制するための係止部が形成され
前記上側蝶番の軸状部材を前記弾発部材の弾発力に抗して下方に突出・維持させた状態で、前記上側蝶番及び下側蝶番の蝶番軸が前記扉取付部に取り付け可能とされることを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、本発明の蝶番付き扉ユニットは、
固定枠等の扉取付部に対して開閉可能な開き戸等の扉体の下部に下側蝶番が取り付けられる一方、その扉体の上部に上側蝶番が取り付けられる蝶番付き扉ユニットにおいて、
前記下側蝶番及び上側蝶番はそれぞれ、固定枠等の扉取付部に装着される取付部側ヒンジ部としての取付部側ヒンジプレートと、その扉取付部に対して開閉可能な開き戸等の扉体に装着される扉側ヒンジ部としての扉側ヒンジプレートと、それら両ヒンジプレートを前記扉体の開閉方向において相対的に回動可能に連結する蝶番軸と、を有する蝶番であって、
このうち前記下側蝶番は、
前記扉側ヒンジプレートに取り付けられるとともに、前記扉体が前記扉取付部を閉鎖する状態でその扉体を前記蝶番軸の軸線に直交する面において第一方向としての厚さ方向へ移動させ、かつその直交面において前記厚さ方向に直交する第二方向としての前記扉体の幅方向及び前記蝶番軸の軸線に沿う第三方向としての前記扉体の高さ方向への前記扉体の移動をそれぞれ許容する第一係合部が配置された第一の調整機構と、
前記扉側ヒンジプレートに取り付けられるとともに、前記扉体を前記幅方向へ移動させ、かつ前記厚さ方向及び前記高さ方向への前記扉体の移動をそれぞれ許容する第二係合部が、前記高さ方向から見て前記第一係合部とクロス状に重合する形態で配置された第二の調整機構と、
前記蝶番軸に組み込まれるとともに、前記扉体を前記高さ方向へ移動させ、かつ前記取付部側ヒンジプレートに対する前記扉側ヒンジプレートの回動を許容する第三係合部が、前記第一係合部及び前記第二係合部の重合部分を貫通する形態で配置された第三の調整機構とを備え、
一方、前記上側蝶番は、
前記第一の調整機構と、前記第二の調整機構と、前記蝶番軸に組み込まれるとともに前記扉体の高さ方向への移動に追従する弾発部材を有し、かつ前記取付部側ヒンジプレート及び前記扉側ヒンジプレートの相対的な回動を許容するための追従移動機構とを備え、
さらに、前記蝶番軸を構成する軸状部材と、前記弾発部材を介してその軸状部材に係合する前記取付部側ヒンジプレートとのうちの少なくとも一方に、前記軸状部材の上端が前記取付部側ヒンジプレートの上面から突出することを阻止又は突出量を抑制するための係止部が形成され
前記上側蝶番の軸状部材を前記弾発部材の弾発力に抗して下方に突出・維持させた状態で、前記上側蝶番及び下側蝶番の蝶番軸が前記扉取付部に取り付け可能とされることを特徴とする。
このような蝶番付き扉ユニットによれば、扉体(例えば開き戸)の互いに直交する3方向(例えば、厚さ方向、幅方向及び高さ方向)の位置調整が、各々独立して、かつ扉取付部(例えば固定枠)を閉鎖する状態で扉体の内側又は外側で一括して行なえる。つまり、作業者は、扉体の位置調整作業の途中で扉体を開閉し、作業位置を扉体(部屋出入口)の内側と外側との間で変更する必要がない。また、扉体の3方向の位置調整を各々独立して行なえるので、例えば幅方向の位置調整に伴って生じる厚さ方向のずれを再調整したりする必要がなく、位置調整の手順(順序)を予め決めておく必要もない。したがって、扉体と扉取付部との相互間隔(隙間)の調整が短時間で効率的に行なえるようになる。このように、「扉体の3方向の位置調整を各々独立して行なうこと」には、「いずれか1方向の位置調整によって他の方向にずれを生じないこと」、及び「3方向の位置調整に順序を問わないこと」の両方の意味が含まれている。さらに、これら扉体の3方向の位置調整は、扉体が扉取付部を閉鎖する状態ですべて行なわれるので、扉体と扉取付部との相互間隔(隙間)を実際に視認しながら、適正な隙間を効率よく見出して調整することができる。
そして、第三の調整機構を備える蝶番が下側蝶番として用いられることにより、扉体の互いに直交する3方向の位置調整が楽な姿勢で行なえる。また、第三の調整機構に代えて追従移動機構を備える蝶番が上側蝶番として用いられることにより、上側蝶番のコスト、ひいては扉ユニット全体のコストを低減することができる。
さらに、上側蝶番の蝶番軸を構成する軸状部材と、その軸状部材に係合する取付部側ヒンジプレートとのうちの少なくとも一方には、軸状部材の上端が取付部側ヒンジプレートの上面から突出することを阻止又は突出量を抑制するための係止部が形成されている。これによって、上側蝶番の蝶番軸が取付部側ヒンジプレートよりも上方に大きく突出しなくなるので、扉ユニットを扉取付部に取り付ける際に、蝶番軸の上端が天井壁に接触して天井壁や蝶番軸を損傷することがなく、安全性を確保できる。
このような蝶番付き扉ユニットは、上側蝶番の軸状部材を弾発部材の弾発力に抗して下方に突出・維持させた状態で、上側蝶番及び下側蝶番の蝶番軸が(具体的には、上側蝶番及び下側蝶番の蝶番軸が第一係合部及び第二係合部の重合部分を貫通する形態で)扉取付部の扉側ヒンジプレートに取り付け可能とされる。よって、蝶番付き扉ユニットの扉取付部への取付作業が楽にかつ安全に行なえるようになる。
また、軸状部材及び/又は取付部側ヒンジプレートには、扉取付部への取付作業時において軸状部材を弾発部材の弾発力に抗して下方に突出・維持させておくための仮止め部材を配置することが望ましい。蝶番軸を介して扉ユニットを扉取付部へ取り付けた後、仮止め部材を軸状部材及び取付部側ヒンジプレートから除去すれば、扉取付部への取付作業が完了するので、取付作業の容易化を図り、短時間で効率的に行うことができる。なお、仮止め部材として、合成樹脂製で環状のクリップ(止め輪)、紙製で筒状のストッパ、金属製で軸状又は筒状の貫通部材等を用いることができる。
さらに、係止部は、取付部側ヒンジプレートにおいて軸状部材が貫通可能な大きさに形成された貫通孔を塞ぐことにより、その軸状部材の上端を受け止める高分子材料製の受止部材を構成することができる。高分子材料製の受止部材によって取付部側ヒンジプレートの貫通孔を塞ぐことにより、軸状部材と取付部側ヒンジプレートとの直接接触を回避して、通常金属製であるこれらの部品の摩耗や異音発生を防止できる。なお、高分子材料にはプラスチック(合成樹脂)とエラストマー(合成ゴム)とを含む。
その際、受止部材は軸状部材の先端が挿入可能な凹部を有して貫通孔の内側にキャップ状(円筒状)に被せられ、凹部を形成する頂壁部に空気抜き用の小孔を有する場合には、頂壁部の内面(下面)で軸状部材の先端を確実に受け止めることができる。そして、受止部材に軸状部材が挿入されたとき、そのピストン作用によって圧縮される受止部材(凹部)内の空気は頂壁部に形成された小孔から排出されるので、軸状部材が挿入不足を生じて受止部材から外れることもない。
さらに具体的に、受止部材は軸状部材の先端が挿入可能な凹部を有する一方、軸状部材には、受止部材の凹部への挿入深さを示すための又は読み取るための目印を形成してもよい。扉取付部への扉ユニットの取付作業時にこの目印を手掛かりに軸状部材を受止部材の凹部へ挿入すれば、軸状部材が挿入不足によって受止部材から外れることもない。なお、このような目印として、軸状部材に段付軸やテーパ軸を用いたり、軸状部材の外周面の全体又は一部に溝、マーク、目盛等を形成したりすることができる。
次に、上記課題を解決するために、本発明は、蝶番付き扉ユニットを固定枠等の扉取付部に取り付ける方法として、
上側蝶番の軸状部材を弾発部材の弾発力に抗して下方に突出・維持した状態で、上側蝶番及び下側蝶番の蝶番軸を介して(具体的には、上側蝶番及び下側蝶番の蝶番軸が第一係合部及び第二係合部の重合部分を貫通する形態で)扉取付部の扉側ヒンジプレートに取り付けることを特徴とする。
このように、上側蝶番の軸状部材を弾発部材の弾発力に抗して下方に突出・維持した状態で、蝶番付き扉ユニットを扉取付部に取り付けることにより、上記したように、蝶番付き扉ユニットの取付作業の容易化が図れ、短時間で効率的にかつ安全に取付作業を行うことができる。
(実施例)
以下、図面を参照しながら発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明に係る蝶番付き扉ユニットを固定枠に取り付けた状態の一例を示す正面図及び側面図、図2は下側蝶番の取付状態を扉ユニットの閉鎖状態にて拡大して示す斜視図、図3はその分解斜視図、図4は上側蝶番の取付状態を扉ユニットの閉鎖状態にて拡大して示す斜視図、図5はその分解斜視図である。図1に示す扉ユニット1には、部屋出入口等を構成する縦長矩形状の固定枠5(扉取付部)に対して開閉可能な開き戸2(扉体)の右下部に下側蝶番3(蝶番)が取り付けられ、その右上部に上側蝶番4(蝶番)が取り付けられている。
図1、図2に示すように、下側蝶番3は、固定枠5に固定(装着)される枠側ヒンジプレート6(取付部側ヒンジプレート;取付部側ヒンジ部)と、開き戸2の下方(高さ方向)の木口2bに固定(装着)される扉側ヒンジプレート7(扉側ヒンジ部)と、両ヒンジプレート6,7を開き戸2の開閉方向において縦方向(上下方向)の軸線O3周りに相対的に回動可能に連結する蝶番軸8と、を有する。この下側蝶番3の扉側ヒンジプレート7には、後述する前後調整機構10(第一の調整機構)、左右調整機構20(第二の調整機構)及び上下調整機構30(第三の調整機構)を収納する収納ケース50(ケース体)が固定されている(図3参照)。そして、これらの各調整機構10,20,30によって、開き戸2の厚さ方向(開き戸2の正面に対峙する作業者の前後方向)O1、開き戸2の幅方向(同じく左右方向)O2及び開き戸2の高さ方向(同じく上下方向)O3の3方向での位置調整(隙間調整)が行なわれる。
図1、図4に示すように、上側蝶番4は、固定枠5に固定(装着)される枠側ヒンジプレート106(取付部側ヒンジプレート;取付部側ヒンジ部)と、開き戸2の上方(高さ方向)の木口2aに固定(装着)される扉側ヒンジプレート7(扉側ヒンジ部)と、両ヒンジプレート106,7を開き戸2の開閉方向において上下方向の軸線O3周りに相対的に回動可能に連結する蝶番軸8(図1参照)と、を有する。この上側蝶番4の扉側ヒンジプレート7には、後述する前後調整機構10(第一の調整機構)、左右調整機構20(第二の調整機構)及び上下移動機構40(追従移動機構)を収納する収納ケース50(ケース体)が固定されている(図5参照)。そして、これらの各調整機構10,20によって、開き戸2の厚さ方向(開き戸2の正面に対峙する作業者の前後方向)O1及び開き戸2の幅方向(同じく左右方向)O2の2方向での位置調整(隙間調整)が行なわれる。また、上下移動機構40は、上記した下側蝶番3の上下調整機構30による開き戸2の高さ方向(同じく上下方向)O3への位置調整(隙間調整)に追従して、開き戸2を高さ方向に移動・保持する。
なお、開き戸2の3方向の位置調整(隙間調整)は、開き戸2が固定枠5を閉鎖する状態で、開き戸2(部屋出入口)の内側又は外側の同じ側から行なえる。また、原則として以下の記載では、開き戸2の移動方向や位置を示すときには、厚さ方向O1、幅方向O2及び高さ方向O3と表わし、開き戸2と固定枠5との隙間(相互間隔)を示すときには、前後隙間S1、左右隙間S2及び上下隙間S3(図1参照)と表わす。
次に、下側蝶番3の具体的構成を図2、図3に示す。図3に示すように、枠側ヒンジプレート6は、固定枠5に固定される固定片6aと、蝶番軸8を構成する枠側固定軸31(軸状部材;第三係合部;第三の作動部)を固定するための貫通孔6cが形成された保持片6bとがL字状(直角状)に形成されている。枠側固定軸31は、その先端部31a(支持体;第三係合部;第三の作動部)が曲面状(例えば半球面状)に形成され、その基端部31dが貫通孔6cに挿通後、カシメ等により保持片6b(貫通孔6c)に回転不能に固着されている。
図3に示すように、扉側ヒンジプレート7は、開き戸2の下端(高さ方向O3)に固定される固定片7aと、固定片7aから開き戸2の厚さ方向O1に突出してサイコロ状(擬似立方体形状)の収納ケース50を支持・固定する支持片7bとを有する。また、貫通孔7dは、後述する上下調整機構30(蝶番軸8)を挿入するために、支持片7bに高さ方向O3(軸線)に沿って非円形状(例えば四角形状)に貫通形成している。
図3に示すように、2面(例えば正面、下面)に開口し残り4面を箱状の壁部50a〜50dに形成された擬似立方体形状の板金製収納ケース50に、3つの調整機構、すなわち前後調整機構10、左右調整機構20及び上下調整機構30がそれぞれ収納されている。収納ケース50は、下面の開口部が支持片7bで蓋をされる形態で、扉側ヒンジプレート7に固定されている。なお、収納ケース50の頂壁部50aには、上下調整機構30(蝶番軸8)を挿入するために、高さ方向O3(軸線)において支持片7bの貫通孔7dと一致する形態で、非円形状(例えば四角形状)の貫通孔50fが貫通形成されている。
そして、収納ケース50は、他物との接触による損傷、塵埃の侵入等から保護するために、相似形状の樹脂製収納ケースカバー51で覆われている。
3つの調整機構のうち、前後調整機構10は、収納ケース50に収納されるとともに、開き戸2を厚さ方向O1へ移動させ、かつ幅方向O2及び高さ方向O3への開き戸2の移動をそれぞれ許容する前後スライダ11(第一係合部;第一の作動部)を有している。
具体的には、前後スライダ11は、開き戸2の幅方向O2に沿って長孔状で高さ方向O3に貫通形成された貫通孔11aを有している。貫通孔11aは、後述するスリーブ32(蝶番軸8)と係合することによって開き戸2を厚さ方向O1へ移動させ、かつスリーブ32(蝶番軸8)との係合を回避することによって幅方向O2及び高さ方向O3への開き戸2の移動を許容する。前後スライダ11は、幅方向O2に突出する突片11cを有し、突片11cに厚さ方向O1に貫通形成された雌ねじ部11bを備える。したがって前後調整ねじ12(第一の操作部)を雌ねじ部11bに螺合して回動することによって、前後スライダ11が開き戸2の厚さ方向O1へ移動し、前後隙間S1が調整される(図1参照)。
また、左右調整機構20は、図3に示すように、収納ケース50に収納されるとともに、開き戸2を幅方向O2へ移動させ、かつ厚さ方向O1及び高さ方向O3への開き戸2の移動をそれぞれ許容する左右スライダ21(第二係合部;第二の作動部)を有している。
具体的には、左右スライダ21は、図3に示すように、開き戸2の厚さ方向O1に沿って長孔状で高さ方向O3に貫通形成された貫通孔21aを有し、高さ方向O3から見て前後スライダ11とクロス状に重合する形態で配置されている。貫通孔21aは、後述するスリーブ32(蝶番軸8)と係合することによって開き戸2を幅方向O2へ移動させ、かつスリーブ32(蝶番軸8)との係合を回避することによって厚さ方向O1及び高さ方向O3への開き戸2の移動を許容する。左右スライダ21は、幅方向O2に貫通形成された雌ねじ部21bを備える。したがって左右調整ねじ22(第二の操作部)を雌ねじ部21bに螺合して回動することによって、左右スライダ21が開き戸2の幅方向O2へ移動し、左右隙間S2が調整される(図1参照)。
さらに、上下調整機構30は、図3に示すように、蝶番軸8に組み込まれるとともに、開き戸2を高さ方向O3へ移動させ、かつ枠側ヒンジプレート6に対する扉側ヒンジプレート7の回動を許容する第三係合部31〜33(第三の作動部)を有している。
具体的には、上下調整機構30は、枠側ヒンジプレート6に固定された枠側固定軸31(軸状部材;第三係合部;第三の作動部)と、枠側固定軸31に同芯状に被せられて係合するとともに扉側ヒンジプレート7に保持されたスリーブ32(筒状部材;第三係合部;第三の作動部)とを有する。枠側固定軸31及びスリーブ32は、前後スライダ11と左右スライダ21との重合部分、すなわち貫通孔11a,21aを貫通する形態で配置されている。
スリーブ32は、その内周面の一部(上半部)に高さ方向O3に沿って形成された雌ねじ部32aを備えている。一方、枠側固定軸31とスリーブ32との間には後述するピボット軸受33が設けられ、そのピボット軸受33の外周面に上下調整ねじ33a(第三の操作部)が形成されている。したがって、上下調整ねじ33aが雌ねじ部32aと螺合することによって、スリーブ32が開き戸2の高さ方向O3へ移動し、上下隙間S3が調整される(図1参照)。
さらに、図3に示すように、スリーブ32の本体部32bの外周面は、軸線O3方向から見て、先端部32b1のみが円形状に形成され、貫通孔11a,21aを貫通する部分を含む残余部32b2が非円形状(例えば擬似四角形状)に形成されている。また、枠側固定軸31とスリーブ32との間には、扉側ヒンジプレート7の回動に伴うスリーブ32の回転変位を受け止めるピボット軸受33(軸受体;第三係合部;第三の作動部)が設けられている。これらの構成により、固定枠5に対する開き戸2の開閉に基づいて、扉側ヒンジプレート7及びスリーブ32は、ピボット軸受33とともに枠側固定軸31の軸線O3周りに、前後スライダ11及び左右スライダ21と一体的に回動する。
ここで、ピボット軸受33は、その外周面に形成された上下調整ねじ33aによりスリーブ32の所定高さ位置に固定・維持され、開き戸2の開閉に基づいてスリーブ32とともに一体的に回動する。そして、枠側固定軸31の先端部31aが保持されている。一方、ピボット軸受33の軸受本体33bは樹脂製とされ、枠側固定軸31の先端部31aとの接触面33cは曲面状(例えば球面状)に形成されている。このように、先端部31aが曲面状の接触面33cと接してピボット軸受33を支持することによって、ピボット軸受33と枠側固定軸31との間の摩擦が低減され、ピボット軸受33は軸線O3周りで円滑に回転するようになる。
なお、ピボット軸受33の上下調整ねじ33aが金属製、軸受本体33bが樹脂製にて各々構成されるように、上下調整ねじ33aの一部を軸受本体33bとともにインサート成形してもよい。
また、各調整ねじ12,22,33aの頭部には、六角レンチ工具(図示せず)と嵌合する六角形状の凹部12x,22x,33x(図2参照)が形成されている。これにより、スパナやドライバーを用いる場合に比してより狭い空間で精密な隙間調整が行える。
以上のような構成を有する下側蝶番3の組立方法について説明する。
(1)収納ケース50組立工程
図3に示すように、前後スライダ11と左右スライダ21とを高さ方向O3から見てクロス状に重ね合わせて収納ケース50内に収納する。前後調整ねじ12を、前後スライダ11の雌ねじ部11bに螺合し、左右調整ねじ22を左右スライダ21の雌ねじ部21bに螺合する。
(2)収納ケース50セット工程
扉側ヒンジプレート7の支持片7bに収納ケース50を載置・固定する。スリーブ32の本体部32bを、支持片7bの貫通孔7dに高さ方向O3に沿って挿入し、フランジ部32cを扉側ヒンジプレート7に着座させる。収納ケース50の貫通孔50fから突出したスリーブ32の先端部32b1は、頂壁部50aの上面に位置させた四角孔付き座金53と座金54を介装させて皿状にかしめて収納ケース50に固定する。これによって、スリーブ32は、扉側ヒンジプレート7(開き戸2)とともに一体的に回動可能となる。なお、座金54側(貫通孔50f側)から、ピボット軸受33の上下調整ねじ33aをスリーブ32の雌ねじ部32aに螺合させておく。
次に、上側蝶番4では、図4、図5に示すように、下側蝶番3の上下調整機構30の代わりに、上下移動機構40(追従移動機構)を備えている。上下移動機構40は、蝶番軸8に取り付けられるとともに、開き戸2の高さ方向O3への移動に追従し、かつ枠側ヒンジプレート106に対する扉側ヒンジプレート7の回動を許容する。
上下移動機構40は、枠側ヒンジプレート106の貫通孔106aに上端(先端)が挿入される枠側保持軸41(軸状部材)と、枠側保持軸41に同芯状に被せられたスリーブ42(筒状部材)と、枠側保持軸41及びスリーブ42の間に介装された圧縮コイルばね43(弾発部材)とを有する。下側蝶番3の上下調整機構30によって、開き戸2が高さ方向O3へ移動したとき、圧縮コイルばね43の弾発力によって開き戸2を枠側ヒンジプレート106側(上方側)に保持しつつ、枠側保持軸41は開き戸2の高さ方向O3への移動に追従する。
図7,図8に示すように、枠側保持軸41は、一端側(上端側)に本体部41bよりも大径に形成された大径部41aを有している。一方、スリーブ42は、その内周面に高さ方向O3に沿って形成された円形孔部42aを有している。また,圧縮コイルばね43は、枠側保持軸41の本体部41bとスリーブ42の円形孔部42aとの間に配置され、その両端は、枠側保持軸41の大径部41a及びスリーブ42の円形孔部42aの各々の段部で保持されている。
さらに、図5及び図8に示すように、スリーブ42の本体部42bの外周面は、軸線O3方向から見て、先端部42b1のみが円形状に形成され、貫通孔11a,21aを貫通する部分を含む残余部42b2が非円形状(例えば擬似四角形状)に形成されている。これにより、固定枠5に対する開き戸2の開閉に基づいて、扉側ヒンジプレート7及びスリーブ42は、蝶番軸8の軸線O3周りに、前後スライダ11及び左右スライダ21と一体的に回動する。
なお、枠側保持軸41及びスリーブ42は、前後スライダ11と左右スライダ21との重合部分、すなわち貫通孔11a,21aを貫通する形態で配置されている。その他、前後調整機構10,左右調整機構20,収納ケース50の構成は下側蝶番3と同様であるので、説明を省略する。
ところで、図6に示すように、枠側ヒンジプレート106には高さ方向O3の貫通孔106aを塞ぐようにプラスチック製の受止部材106c(係止部)が嵌め込まれている。この受止部材106cは、枠側保持軸41の上端が枠側ヒンジプレート106の上面から大きく突出しないように阻止(接当)している。
具体的には、受止部材106cは下方側に開口するようにキャップ状に形成され、枠側保持軸41の先端(上端)が挿入できる凹部106eを有している。また、受止部材106cの下端側の開口周縁には、抜け止めのための係止フランジ106fが一体形成され、上端側の外周縁には貫通孔106aの内径より若干大径に形成した挿入部106gが一体形成される。挿入部106gは、貫通孔106aに挿入されるとき弾性変形して縮径し、挿入後に変形前の径に弾性復帰して、貫通孔106aからの抜けを防止している。また、受止部材106cの凹部106eの底を構成する頂壁部には、空気抜き用の小孔106hが形成されている。
図6に示すように、この実施例では受止部材106cの凹部106eの底面は、枠側ヒンジプレート106の上面よりもわずかに上方に位置している。これによって枠側保持軸41の上端をプラスチック製の受止部材106cで保護するとともに、枠側保持軸41の追従のストロークを大きくとることができ、取付作業が楽に行える。なお、受止部材106cの凹部106eが枠側ヒンジプレート106よりも上方に突出しないように取り付ける場合には、枠側保持軸41等が天井壁と接触しにくくなる。
図7に示すように、枠側保持軸41の大径部41aには、大径部41aの上端(先端)が受止部材106cの凹部106eにどの程度の深さまで挿入されたかを示す(あるいは読み取りやすくする)ための目印41eが形成されている。図7に示す目印41eは、大径部41aの上方側において、断続的に縮径する段部または連続的に(例えばテーパ状に)縮径する傾斜部により構成されている。
枠側保持軸41は、大径部41aの形成側とは反対側の本体部41bの端面(下端面)に形成された雌ねじ部41cを有している。固定用ねじ44(取付具)が雌ねじ部41cと螺合することによって、摘み45(操作具)が枠側保持軸41に固定されている。したがって、通常では、開き戸2は圧縮コイルばね43の弾発力によって枠側ヒンジプレート106側(上方側)に保持されている。そして、圧縮コイルばね43の弾発力に抗して摘み45を下方に引き、枠側保持軸41の大径部41aを枠側ヒンジプレート106の受止部材106dの凹部106eから抜き出せば、開き戸2を固定枠5から外すことができる。
また、図9(b)に示すように、枠側保持軸41には、扉ユニット1固定枠5への取付作業時において、その枠側保持軸41を圧縮コイルばね43の弾発力に抗して下方に突出・維持させておくために、仮止め部材9が収納ケース50の頂壁部50aと摘み45との間に介装されている。この仮止め部材9の先端側には枠側保持軸41が嵌りこむための嵌合切欠部9aが形成されるとともに、嵌合切欠部9aと連続して一体形成される基端側にはリング状の握り部9bを形成している。
そして、摘み45を下方に引いた状態で、仮止め部材9の嵌合切欠部9aを枠側保持軸41に嵌合させるように押し込んで装着することにより、枠側保持軸41の上端(先端)が収納ケース50内に没入し、枠側保持軸41を下方に突出・維持させた状態にできる。
以上のような構成を有する上側蝶番4の組立方法について説明する。
(1)収納ケース50組立工程
下側蝶番3の収納ケース50組立工程と同様であるので、説明を省略する。
(2)収納ケース50セット工程
扉側ヒンジプレート7の支持片7bに収納ケース50を載置・固定する。スリーブ42の本体部42bを、支持片7bの貫通孔7dに高さ方向O3に沿って挿入し、支持片7bの上面にフランジ部42cを扉側ヒンジプレート7に着座させる。収納ケース50から突出した枠側保持軸41の本体部41bに、頂壁部50aの上面に位置させた四角孔付き座金53と座金54を介装させて固定用ねじ44とによって摘み45を固定する。これによって、枠側保持軸41及びスリーブ42は、扉側ヒンジプレート7(開き戸2)とともに一体的に回動可能となり、枠側保持軸41は、収納ケース50及びスリーブ42に対して高さ方向O3に沿って移動可能となる。
次に、扉ユニット1を固定枠5に対して取り付ける方法について説明する。
(1)準備工程
下側蝶番3において、一方の枠側ヒンジプレート6を固定枠5に固定するとともに、他方の扉側ヒンジプレート7を開き戸2の下方の木口2bに固定する(図1参照)。同様に、上側蝶番4において、一方の枠側ヒンジプレート106を固定枠5に固定するとともに、他方の扉側ヒンジプレート7を開き戸2の上方の木口2aに固定する(図1参照)。なお、上側蝶番4の摘み45を下方に引いた状態で、仮止め部材9の嵌合切欠部9aを枠側保持軸41に嵌合させるように押し込んで装着しておく。
(2)取付工程
そして、下側蝶番3の枠側ヒンジプレート6に固定された枠側固定軸31を扉側ヒンジプレート7に保持されたスリーブ32に挿通し、枠側固定軸31の先端部31aとピボット軸受33の接触面33cとを接触させ、下側蝶番3を枠側ヒンジプレート6に保持させる。続いて、仮止め部材9により枠側保持軸41の上端(先端)が収納ケース50内に没入し、枠側保持軸41が下方に突出した状態の上側蝶番4を、枠側保持軸41の大径部41aと枠側ヒンジプレート106の係止部106cとの中心位置を合わせるように移動する。このとき、枠側保持軸41の上端(先端)は固定枠5に接触せずに移動できる。その後、仮止め部材9を枠側保持軸41から外すことにより、枠側保持軸41は圧縮コイルばね43の弾発力によって枠側ヒンジプレート106の係止部106aの凹部106e内に挿入され、上側蝶番4が扉側ヒンジプレート7に保持される。これによって扉ユニット1が固定枠5に対して取り付けられて開閉可能となる。
続いて、扉ユニット1を固定枠5に対して位置調整する方法(隙間調整する方法)について、図1、図2、図4を参照しつつ説明する。
(1)厚さ方向O1調整工程(前後隙間S1調整工程)
開き戸2が固定枠5を閉鎖する状態に維持する。下側蝶番3及び上側蝶番4に備えられた前後調整機構10により、開き戸2をそれぞれ厚さ方向O1へ移動して位置調整する。これによって、開き戸2と固定枠5との前後隙間S1(図1(b)参照)が調整される。
(2)幅方向O2調整工程(左右隙間S2調整工程)
下側蝶番3及び上側蝶番4に備えられた左右調整機構20により、開き戸2をそれぞれ幅方向O2へ移動して位置調整する。これによって、開き戸2と固定枠5との左右隙間S2(図1(a)参照)が調整される。
(3)高さ方向O3調整工程(上下隙間S3調整工程)
下側蝶番3に備えられた上下調整機構30により、開き戸2を高さ方向O3へ移動して位置調整する。このとき、上側蝶番4に備えられた上下移動機構40は、開き戸2の高さ方向O3への移動に追従する。これによって、開き戸2と固定枠5との上下隙間S3(図1(a)参照)が調整される。
このように、作業者は、上記3つの調整工程を各々独立して、かつ順序を問わずに開き戸2の内側で一括して行なえる。したがって、各隙間S1,S2,S3を直接目視しながら開き戸2と固定枠5との相互間隔を短時間で効率よく微調整することができる。勿論、上記3工程を同時に実施することも可能であるから、その場合には、さらに作業の効率化を図ることができる。
その際、調整ねじ12,22,33aが収納ケース50の左側壁部50b,頂壁部50aの2箇所に集中しているので、開き戸2の位置調整(隙間調整)作業が一層効率的に行なえる。
図10に枠側保持軸41の変形例を示す。図10(a)では、枠側保持軸41の段部が形成される位置に溝状の目印41eを形成している。また、図10(b)では、線状のマークを貼り付けたり、目盛り等を周方向の全体または一部に形成して目印41eとしている。なお、目印41eの形成位置は、枠側保持軸41の上端(先端)が凹部106eに挿入された際に、凹部106e内に位置し、外部から隠れる位置に設けるとよい。これにより、目視した際の目印41eの有無だけで、枠側保持軸41の大径部41aが受止部材106cの凹部106eに挿入されていることを確実に確認できる(図6参照)。
図11に仮止め部材9の変形例を示す。図11(a)に示すものは、枠側保持軸41に通孔9cを穿設し、通孔9cに軸状のピン9dを挿通して仮止め部材9を構成している。また、図11(b)に示すものは、筒体9eにスリット9fを形成し、スリット9fを介して枠側保持軸41に巻きつけて装着し、仮止め部材9を構成している。これらにより、枠側保持軸41の上端(先端)は収納ケース50内に没入し、枠側保持軸41が下方に突出した状態となる。なお、仮止め部材9は合成樹脂製、紙製、金属製などの材質で形成することができる。
以上の実施例では蝶番軸8の軸線O3が上下方向(鉛直方向)に位置する場合のみについて説明したが、本発明は軸線O3がその他の方向(例えば水平方向)に配置された蝶番や扉ユニットにも適用される。また、開き戸2の3方向の位置調整(隙間調整)は、開き戸2が固定枠5を閉鎖する状態で、開き戸2(部屋出入口)の外側から行なうようにしてもよい。さらに、蝶番3,4を開き戸2の左側に設けてもよい。
ところで、図3、図5に示すように、扉側ヒンジプレート7の貫通孔7dの形状、スリーブ32の残余部32b2の外形形状、及びスリーブ42の残余部42b2の外形形状はいずれも(擬似)四角形状に形成されているが、これらは他の(擬似)多角形状、(擬似)楕円形状等であってもよい。すなわち、これらの形状は、開き戸2の位置調整時にスリーブ32,42がスライダ11,21(の貫通孔11a,21a)に対して幅方向O2,厚さ方向O1に各々相対的に移動でき、かつ開き戸2の開閉時にスリーブ32,42がスライダ11,21(の貫通孔11a,21a)と一体的に回動できる形状であればよい。
本発明に係る蝶番付き扉ユニットを固定枠に取り付けた状態の一例を示す内側から見た正面図及び側面図。 図1の下側蝶番の取付状態を扉ユニットの閉鎖状態にて拡大して示す斜視図。 図2に示す下側蝶番の分解斜視図。 図1の上側蝶番の取付状態を扉ユニットの閉鎖状態にて拡大して示す斜視図。 図4に示す上側蝶番の分解斜視図。 受止部材付き枠側ヒンジプレートを示す部分断面図。 枠側保持軸を示す正面半断面図。 スリーブを示す正面半断面図。 仮止め部材の平面図及び使用状態を示す説明図。 枠側保持軸の変形例を示す説明図。 仮止め部材の変形例を示す説明図。
符号の説明
1 扉ユニット
2 開き戸(扉体)
3 下側蝶番(蝶番)
4 上側蝶番(蝶番)
5 固定枠(扉取付部)
6,106 枠側ヒンジプレート(取付部側ヒンジプレート;取付部側ヒンジ部)
7 扉側ヒンジプレート(扉側ヒンジ部)
8 蝶番軸
9 仮止め部材
10 前後調整機構(第一の調整機構)
11 前後スライダ(第一係合部;第一の作動部)
12 前後調整ねじ(第一の操作部)
20 左右調整機構(第二の調整機構)
21 左右スライダ(第二係合部;第二の作動部)
22 左右調整ねじ(第二の操作部)
30 上下調整機構(第三の調整機構)
31 枠側固定軸(軸状部材;第三係合部;第三の作動部)
32 スリーブ(筒状部材;第三係合部;第三の作動部)
33 ピボット軸受(軸受体;第三係合部;第三の作動部)
33a 上下調整ねじ(第三の操作部)
40 上下移動機構(追従移動機構)
41 枠側保持軸(軸状部材)
42 スリーブ(筒状部材)
43 圧縮コイルばね(弾発部材)
50 収納ケース(ケース体)
51 収納ケースカバー
106c 受止部材(係止部)

Claims (6)

  1. 固定枠等の扉取付部に対して開閉可能な開き戸等の扉体の下部に下側蝶番が取り付けられる一方、その扉体の上部に上側蝶番が取り付けられる蝶番付き扉ユニットにおいて、
    前記下側蝶番及び上側蝶番はそれぞれ、固定枠等の扉取付部に装着される取付部側ヒンジ部としての取付部側ヒンジプレートと、その扉取付部に対して開閉可能な開き戸等の扉体に装着される扉側ヒンジ部としての扉側ヒンジプレートと、それら両ヒンジプレートを前記扉体の開閉方向において相対的に回動可能に連結する蝶番軸とを有する蝶番であって、
    このうち前記下側蝶番は、
    前記扉側ヒンジプレートに取り付けられるとともに、前記扉体を前記蝶番軸の軸線に直交する面において第一方向としての厚さ方向へ移動させ、かつその直交面において前記厚さ方向に直交する第二方向としての前記扉体の幅方向及び前記蝶番軸の軸線に沿う第三方向としての前記扉体の高さ方向への前記扉体の移動をそれぞれ許容するための第一の調整機構と、
    前記扉側ヒンジプレートに取り付けられるとともに、前記扉体を前記幅方向へ移動させ、かつ前記厚さ方向及び前記高さ方向への前記扉体の移動をそれぞれ許容するための第二の調整機構と、
    前記蝶番軸に取り付けられるとともに、前記扉体を前記高さ方向へ移動させ、かつ前記取付部側ヒンジプレート及び前記扉側ヒンジプレートの相対的な回動を許容するための第三の調整機構とを備え、
    一方、前記上側蝶番は、
    前記第一の調整機構と、前記第二の調整機構と、前記蝶番軸に組み込まれるとともに前記扉体の高さ方向への移動に追従する弾発部材を有し、かつ前記取付部側ヒンジプレート及び前記扉側ヒンジプレートの相対的な回動を許容するための追従移動機構とを備え、
    さらに、前記蝶番軸を構成する軸状部材と、前記弾発部材を介してその軸状部材に係合する前記取付部側ヒンジプレートとのうちの少なくとも一方に、前記軸状部材の上端が前記取付部側ヒンジプレートの上面から突出することを阻止又は突出量を抑制するための係止部が形成され
    前記上側蝶番の軸状部材を前記弾発部材の弾発力に抗して下方に突出・維持させた状態で、前記上側蝶番及び下側蝶番の蝶番軸が前記扉取付部に取り付け可能とされることを特徴とする蝶番付き扉ユニット。
  2. 固定枠等の扉取付部に対して開閉可能な開き戸等の扉体の下部に下側蝶番が取り付けられる一方、その扉体の上部に上側蝶番が取り付けられる蝶番付き扉ユニットにおいて、
    前記下側蝶番及び上側蝶番はそれぞれ、固定枠等の扉取付部に装着される取付部側ヒンジ部としての取付部側ヒンジプレートと、その扉取付部に対して開閉可能な開き戸等の扉体に装着される扉側ヒンジ部としての扉側ヒンジプレートと、それら両ヒンジプレートを前記扉体の開閉方向において相対的に回動可能に連結する蝶番軸とを有する蝶番であって、
    このうち前記下側蝶番は、
    前記扉側ヒンジプレートに取り付けられるとともに、前記扉体が前記扉取付部を閉鎖する状態でその扉体を前記蝶番軸の軸線に直交する面において第一方向としての厚さ方向へ移動させ、かつその直交面において前記厚さ方向に直交する第二方向としての前記扉体の幅方向及び前記蝶番軸の軸線に沿う第三方向としての前記扉体の高さ方向への前記扉体の移動をそれぞれ許容する第一係合部が配置された第一の調整機構と、
    前記扉側ヒンジプレートに取り付けられるとともに、前記扉体を前記幅方向へ移動させ、かつ前記厚さ方向及び前記高さ方向への前記扉体の移動をそれぞれ許容する第二係合部が、前記高さ方向から見て前記第一係合部とクロス状に重合する形態で配置された第二の調整機構と、
    前記蝶番軸に組み込まれるとともに、前記扉体を前記高さ方向へ移動させ、かつ前記取付部側ヒンジプレートに対する前記扉側ヒンジプレートの回動を許容する第三係合部が、前記第一係合部及び前記第二係合部の重合部分を貫通する形態で配置された第三の調整機構とを備え、
    一方、前記上側蝶番は、
    前記第一の調整機構と、前記第二の調整機構と、前記蝶番軸に組み込まれるとともに前記扉体の高さ方向への移動に追従する弾発部材を有し、かつ前記取付部側ヒンジプレート及び前記扉側ヒンジプレートの相対的な回動を許容するための追従移動機構とを備え、
    さらに、前記蝶番軸を構成する軸状部材と、前記弾発部材を介してその軸状部材に係合する前記取付部側ヒンジプレートとのうちの少なくとも一方に、前記軸状部材の上端が前記取付部側ヒンジプレートの上面から突出することを阻止又は突出量を抑制するための係止部が形成され
    前記上側蝶番の軸状部材を前記弾発部材の弾発力に抗して下方に突出・維持させた状態で、前記上側蝶番及び下側蝶番の蝶番軸が前記扉取付部に取り付け可能とされることを特徴とする蝶番付き扉ユニット。
  3. 前記軸状部材及び/又は前記取付部側ヒンジプレートには、前記扉取付部への取付作業時において前記軸状部材を前記弾発部材の弾発力に抗して下方に突出・維持させておくための仮止め部材が配置されている請求項1又は2に記載の蝶番付き扉ユニット。
  4. 前記係止部は、前記取付部側ヒンジプレートにおいて前記軸状部材が貫通可能な大きさに形成された貫通孔を塞ぐことにより、その軸状部材の上端を受け止める高分子材料製の受止部材を構成する請求項に記載の蝶番付き扉ユニット。
  5. 前記受止部材は前記軸状部材の先端が挿入可能な凹部を有する一方、
    前記軸状部材には、前記受止部材の凹部への挿入深さを示すための又は読み取るための目印が形成されている請求項に記載の蝶番付き扉ユニット。
  6. 請求項ないしのいずれか1項に記載の蝶番付き扉ユニットを固定枠等の扉取付部に取り付ける方法であって、
    前記上側蝶番の軸状部材を前記弾発部材の弾発力に抗して下方に突出・維持した状態で、前記上側蝶番及び下側蝶番の蝶番軸を介して前記扉取付部に取り付けることを特徴とする蝶番付き扉ユニットの取付方法。
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