JP4669646B2 - 光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学機器の光走査装置、更にはデジタル複写機およびレーザプリンタ等の画像形成装置に用いられる光走査装置及びこの光走査装置を備えた画像形成装置に適用される。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザープリンターの書込光学系は光ビームをポリゴンミラーを用いて、主走査方向に走査することにより画角(以下走査角という)を得て、感光体上で結像している。
【0003】
プリンターの高画質化を進める為には、ビームの集光スポット径を小さくする必要があるが、その集光スポット径はレーザーの波長と焦点距離の積に比例するので、(1)レーザーの波長を短くする方法と、(2)焦点距離を短くする方法が考えられる。(1)レーザーの波長を短くする場合は、青色レーザーダイオードを用い、それに対応したレンズ等の光学系の設計が必要となる。また、(2)焦点距離を短くする場合は、光ビームを偏向させる偏向部以降の光学系を感光体に近づける必要がある。その場合、主走査方向の画素の均一化の為には、一つの偏向部では実現が難しく、複数のモジュール化された偏向部を主走査方向に配置して使用する必要がある。一つの偏向部を用いるのを一括走査方式と呼ぶのに対して、分割走査方式と呼ぶ。
【0004】
従来の光走査装置においては光ビームを走査する偏向器としてポリゴンミラーやガルバノミラーが用いられるが、より高解像度な画像と高速プリントを達成するにはこの回転をさらに高速にしなければならず、軸受の耐久性や風損による発熱、騒音が課題となり、高速走査に限界がある。
【0005】
これに対し、近年シリコンマイクロマシニングを利用した光偏向器の研究がすすめられており、特許第2722314号や第3011144号に開示されるようにSi基板で可動ミラーとそれを軸支するトーションバーを一体形成した方式が提案されている。この方式によれば共振を利用して往復振動させるので高速動作が可能であるにもかかわらず、騒音が低いという利点がある。さらに可動ミラーを回転する駆動力も小さくて済むので消費電力も低く抑えられる。
【0006】
また、マイクロミラーの中にも駆動方式の違いにより、電磁力方式、圧電方式、静電気力方式の三つがある。電磁力方式、圧電方式は大きな走査角が得られ易い反面、永久磁石や圧電素子を使うため部品点数が多く、小型化もし難い。それに対し、静電気力方式は小型化がし易い反面、走査角と駆動電圧がトレードオフのような関係にあり、大きな走査角を得難い。そこで、静電気力方式については、マイクロミラーに対向する位置に反射ミラー(以下対向ミラーという)を設け、マイクロミラーと反射ミラー間で多重反射を起こさせ、大きな走査角を得ようとする試みがある。
【0007】
前述の特許第2722314号や第3011144号に開示されるようにSi基板で可動ミラーとそれを軸支するトーションバーを一体形成した方式が提案されている。この方式によれば共振を利用して往復振動させるので高速動作が可能であるにもかかわらず、騒音が低いという利点がある。さらに可動ミラーを回転する駆動力も小さくて済むので消費電力も低く抑えられる。
反面、共振振動ミラーで光ビームを走査すると振幅が微小であるため、従来の偏向器、例えばポリゴンミラーと同様な記録幅を得るには走査角を拡大する手段が必要となる。特開平4-080709号では回転鏡に対向して固定鏡を設け多重反射した例が開示されている。この方式によれば容易に走査角を拡大できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図15に図示するようにミラー面法線3cに対して副走査方向に角度αをもって光ビームBを入射した場合、偏向された走査線の軌跡Lは曲がりを生じ、画像品質を劣化させる要因となる。同様に逆方向から角度−αをもって入射した場合、前記とは反転した走査線の軌跡Lを描くことになる。
【0009】
従って、ミラー面法線3cに対して正の入射角を有する反射に伴う曲がりと、負の入射角を有する反射に伴う曲がりとをほぼ等しくしてキャンセルすることで走査線を直線に補正できる。これを実現するためにはミラー面に対向して副走査方向に所定角度傾斜した反射面を配備し、入射角の正負を逆転して再度ミラー面に入射させる必要がある。
【0010】
よって、本発明の目的は、多重反射に伴う走査線の曲がりを補正し高品位な画像記録を行なうことができ、小型化が可能な光走査装置及び画像形成装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、往復振動することにより発光源からの光ビームを偏向する可動ミラーと、可動ミラーを軸支する第1の基板と、可動ミラーと対向し、可動ミラーとの間で光ビームを往復反射する対向ミラーとを有する光走査装置において、前記第1の基板面から副走査方向に傾斜して形成される反射面を有する対向ミラーを光ビームの入出射通過部を挟んで向かい合う方向に設け、前記対向ミラーを前記第1の基板に重ね合わせて配備し、前記対向ミラーの反射面は、前記可動ミラー面と垂直な方向に重なって平行方向に対面する反射領域を有することを特徴とする光走査装置である。
【0012】
また、請求項2の発明は、前記対向ミラーは、光ビームの入出射通過部を備える支持基板に形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置である。
【0013】
また、請求項3の発明は、前記可動ミラーの可動空間を形成するフレーム基板を前記第1の基板上に配備し、前記フレーム基板に前記対向ミラーを重ね合わせて支持することを特徴とする請求項1又は2に記載の光走査装置である。
【0014】
また、請求項4の発明は、前記可動ミラー側の基板と前記対向ミラー側の基板との間に前記対向ミラーと前記第1の基板とをアライメントする位置決め手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光走査装置である。
【0015】
また、請求項5の発明は、前記対向ミラーを、該対向ミラーの各反射面端が可動ミラーと平行な面内で一致するよう配備していることを特徴とする請求項1又は2に記載の光走査装置である。
【0016】
また、請求項6の発明は、前記対向ミラーはSi基板から成り、その傾斜角は、面方位 [111]面とSi基板のスライス面により規定してなるとともに、前記可動ミラー側の基板と平行な当接面を備え、前記いずれか一方の面を当接面に当接し、他方の面を反射面としたことを特徴とする請求項1に記載の光走査装置である。
【0017】
また、請求項7の発明は、前記当接面を、可動ミラーを主走査方向に架橋する両端に配備することを特徴とする請求項6に記載の光走査装置である。
【0018】
また、請求項8の発明は、前記対向ミラーの副走査方向の反射面幅は面方位 [111]面により規定されていることを特徴とする請求項6に記載の光走査装置である。
【0019】
また、請求項9の発明は、前記対向ミラーはSi基板から成り、その傾斜角は、面方位 [111]面とSi基板のスライス面により規定してなるとともに、前記支持基板に、可動ミラーと平行な当接面を備え、同面内で、スライス面と接合することを特徴とする請求項2に記載の光走査装置である。
【0020】
また、請求項10の発明は、前記対向ミラーはSi基板から成り、その傾斜角は、面方位 [111]面とSi基板のスライス面により規定してなるとともに、前記支持基板に、可動ミラーと平行な当接面と、同面と平行に配備した接合面とを備え、前記接合面に、前記いずれか一方の面を合わせたことを特徴とする請求項2に記載の光走査装置である。
【0021】
また、請求項11の発明は、前記可動ミラーと平行な当接面の反対面にも面方位 [111]に合わせた部位を有することを特徴とする請求項6又は10に記載の光走査装置である。
【0022】
また、請求項12の発明は、請求項1〜11の何れかに記載の光走査装置と、該光走査装置によって静電像が形成される感光体と、静電像をトナーで顕像化する現像手段と、顕像化されたトナー像を記録紙に転写する転写手段とを有する画像形成装置である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
本発明の対向ミラー基板の一つの実施例を図1に示す。図1(A)には参考例として、基板表面に対して、9.5°の傾斜角をもつ対向ミラー1と26.3°の傾斜角をもつ対向ミラー2の2枚の基板を貼り合わせた対向ミラー基板を示す(接合部及び反射金属膜は図示されず)。対向する位置には可動ミラー3の揺動空間を確保するフレーム基板4を有するマイクロミラーである可動ミラー3を併せて示す。この可動ミラー3はSOI(silicon on insulator)基板を用いて作製されており、SOI基板の厚いSi基板がフレーム基板4の役目を兼ねている。対向ミラー1、2の基板材料は特に限定しないが、フレーム基板4の材料であるSiとの接合信頼性が良い、Si基板、ガラス基板が好ましい。また、傾斜角の作製方法はエッチングでも、切削でも良い。この対向ミラー基板の利点は2枚の基板をウエハレベルで接合できるので、多数の対向ミラーチップを大量に一括で作製できることである。
【0024】
しかし、この対向ミラー1、2は光ビームBの入出射通過部23aを挟んで向かい合う方向に設けられているが、両者が対面している領域は無い。即ち、マイクロミラーの法線方向に対向ミラー1、2がずれている。
【0025】
この場合、光ビームの入出射(光束分離)が形状的に難しくなる点、光束分離を可能にする為には、対向ミラー1、2間の距離を長くし、光路長が長くなる点、光学特性の最適化時に、レイアウト上の制約が大きい点等の光学特性上の問題点がある。光路長が長くなる場合、主走査方向のミラー有効径が長くなるので、対向ミラー1、2やマイクロミラー3の必要面積が大きくなる。マイクロミラー3の面積が大きくなると、大面積で面精度が必要になったり、大面積のマイクロミラーを駆動しなければならないので、マイクロミラーの仕様達成に対しては厳しい方向に進む。
【0026】
そこで、一実施例として、対向ミラー1、2が光ビームBの入出射通過部23aを挟んで向かい、更に両者が対面している場合を図1(B)に示す。対向ミラー1、2は図1(A)と同様の材料で、同様な加工方法で傾斜角が作製されている。図1(A)と異なる点は、マイクロミラー3と接合される際に、夫々別々のチップで接合されている点である。このようにして作製すれば、上述の光学特性上の問題点は回避可能である。
【0027】
また、変形例として、対向ミラー1、2が光ビームBの入出射通過部23aを挟んで向かい、更に両者が対面している他の場合を図1(C)に示す。これは、ガラス基板の切削加工や、プラスチックのモールド等、光透過性材料16を一体加工したものである。
【0028】
本発明の他の実施例を作製方法を含めて図2に示す。
まず、図2(A)に示すように、支持基板となる、SiO2 5を例えば0.5μmで形成した面方位 [100]Si基板6と面方位 [100]から45.2°のスライス角を傾けたSi基板7を用意する。
【0029】
次に、図2(B)に示すように、両基板を例えば直接接合にて貼り合わせた後、SiO2 を除去する。
次に、図2(C)に示すように、LPCVD法にてSiN膜8を両面に形成した後、フォトリソ技術及びSiN膜8のドライエッチングにて、所望のパターンを形成する。
【0030】
その後、図2(D)に示すように、例えば濃度25wt%、温度80°のKOH水溶液にて結晶異方性エッチングを行う。通常、スライス角が0°の結晶面方位[100]Si基板を結晶異方性エッチングした場合、Si基板表面に対して、54.7°を成すテーパー面が現れる。これは、Si基板表面に対して、54.7°を成す方向にエッチングレートが著しく遅い結晶面方位[111]面が現れるからである。よって、結晶面方位 [100]から45.2°のスライス角を傾けたSi基板7には、9.5°のテーパー面が現れる。ここでは9.5°のテーパー面を有し、島状にSi基板7が残る。
【0031】
次に、図2(E)に示すように、基板表面にフォトリソ技術及びSiドライエッチング技術により、9.5°のテーパーエッジに位置合わせを行った、光ビームの入出射通過部となるスリット12を開口する。
【0032】
次に、図2(F)に示すように、フォトレジスト9、SiN膜、SiO2 を除去した後、熱酸化法にて例えば0.5μmのSiO2 5を再形成する。一方、面方位 [100]から28.4°のスライス角を傾けたSi基板10を用意し、SiN膜8をマスクとして、例えば濃度25wt%、温度80°のKOH水溶液にて結晶異方性エッチングを行い、基板を貫通させる。この時、前述と同様の理論で26.3°のテーパー面が形成される。
【0033】
その後、9.5°のテーパー面と26.3°のテーパーが向き合い方向で、26.3°のテーパーエッジをスリット開口に位置合わせして、例えば直接接合にて貼り合わせる。この時、26.3°のテーパー面が形成されたSi基板は9.5のテーパー面が形成されたSi基板よりも厚くならなければならない。また、この一連のアライメントによる基板接合では、Si基板の板厚バラツキに関係なく9.5°テーパー面、スリット開口、26.3°テーパー面を高精度に位置合わせできる。
【0034】
次に、図2(G)に示すように、LPCVD(low presure chemical vapor deposition)法にてSiN膜8を両面に形成した後、フォトリソ技術及びSiN膜のドライエッチングにて、所望のパターンを形成する。所望のパターンとは引き続き行われる結晶異方性エッチングにより、基板上面側では、スリット開口がテーパー状に、基板下面側では26.3°のテーパー面が島状に残るようなパターンである。
【0035】
引き続いて、図2(H)に示すように、結晶異方性エッチングを行うことにより、前述のような形状が得られる。
最後に、図2(I)に示すように、SiN膜、SiO2 を除去した後、ミラー金属11を成膜し、所望の対向ミラーが得られる。
【0036】
このようにして作製した対向ミラーをSOI基板を用いて作製したマイクロミラー3と重ね合わせたものを図2(J)に示す。この図において、対向ミラー1、2及びマイクロミラー3の支持基板夫々に、夫々を位置合わせするのに用いる位置決め手段であるアライメントマークaを示す。夫々のアライメントマークaは、途中の工程で示されてはいなかったが、工程の増加無く夫々のミラーを作製する時に同時に作製することができる。よって、工程の増加無く、正確な位置決め手段を有する構成となっている。また、対向ミラー基板とマイクロミラー基板は各々の支持基板同士が接合されている構成になっているので、ギャップの精度が高い。更に、複数の対向ミラーの形状が変更になった場合でもプロセス、設計上の変更が少ない。更に、対向ミラー基板はウエハ一括処理で作製でき、またマイクロミラー基板との接合もウエハレベルで処理できることも可能で実装コストの低減が可能である。
【0037】
ここでは、結晶面方位 [100]から各々45.2°と28.4°のスライス角を傾けたSi基板を使用したが、結晶面方位 [111]から各々9.5°と26.3°のスライス角を傾けたSi基板を使用しても良い。このように、所望の傾斜角を有する結晶面方位 [111]面のテーパー面を露出することが出来れば、スライス角度及びその基準となる結晶面方位は限定されない。また、スライス角度を調整することにより、任意のテーパー角が得られることもわかる。
【0038】
前記テーパー面である結晶面方位 [111]面は [110]や [100]面に比べ、エッチングレートが著しく遅い為に、エッチング面が平滑で、テーパー角の精度が高く好適な反射面として適用できるという利点がある。
【0039】
また、支持基板としてはガラス基板など他の材料を用いても良い。ここでは、面方位 [100]Si基板を用いたが、Siプロセスを用いることが出来ることや、結晶異方性エッチングによりスリット開口を54.7°のテーパー形状に加工でき、光ビームのけられ防止対策が出来る等の理由で好んで用いている。
【0040】
本発明の他の実施例を図3に示す。図3(A)に示す面方位 [100]から45.2°のスライス角を傾けたSi基板7と、図3(B)に示す面方位 [100]から28.4°のスライス角を傾けたSi基板10とを用い、SiN膜をマスクパターンとして、例えば濃度25wt%、温度80°のKOH水溶液にて結晶異方性エッチングを行う。夫々の基板から所望の傾斜角である9.5°と26.3°の [111]テーパー面が得られる。夫々の基板を破線で示される位置でダイシングすることにより、夫々対向ミラーチップが形成される。
【0041】
夫々の対向ミラーチップは、図3(C)に示すように、結晶異方性エッチングにより、光ビームの入出射通過部23aとなる開口とアライメントマークa用の開口をテーパー状に形成された、支持基板となる面方位 [100]Si基板6に、例えば接着材を用いた接合で固定される。ここでは、対向ミラーチップを夫々チップボンディングすることによる実装コストがかかるものの、部品形成プロセスは簡略でコストも低い。また、 [111]異方性エッチング面を支持基板への接合面としているので、反射面として、研磨面が使用できるので、ミラーとして好適である。また、支持基板としては、前記Si基板に限定されるものでないことは言うまでも無い。このようにして作製した対向ミラーを図2(J)と同様に作製したマイクロミラー3と重ね合わせたものを図3(D)に示す。
【0042】
本発明の他の実施例を図4(A)〜図4(D)に示す。使用するSi基板及び基本プロセスは図3とほぼ同様であるが、異なる点は対向ミラー1、2のテーパーを異方性エッチングにて形成する際に、両面にパターンニングを形成しておいて、両面からエッチングしている点である。Si基板の面方位に対して、適切なパターンニングをしておくことにより、(具体的にはSi基板の表裏が入れ替わっても同パターンがエッチング形成されるようにパターンニングする)接合面となる [111]異方性エッチング面の平行位置にも、 [111]異方性エッチング面が形成される。よって、対向ミラーチップを支持基板に接合する際に、チップハンドリング(吸着)、や接合時の加圧均一性が向上する。
【0043】
本発明の他の実施例を図5(A)〜図5(C)に示す。面方位[100]から45.2°のスライス角を傾けたSi基板7と面方位[100]から28.4°のスライス角を傾けたSi基板10を用い、SiN膜をマスクパターンとして、例えば濃度25wt%、温度80°のKOH水溶液にて結晶異方性エッチングを行う。夫々の基板から所望の傾斜角である9.5°と26.3°の[111]テーパー面が得られる。夫々の基板を破線で示される位置でダイシングすることにより、夫々対向ミラーチップが形成される。夫々の対向ミラーチップは、マイクロミラー基板側に備えられたフレーム基板4に直接、例えば接着材を用いた接合で固定される(図示されない、主走査方向で接合されている)。ここでは、対向ミラーチップを夫々チップボンディングすることによる実装コストがかかるものの、部品形成プロセスは簡略でコストも低い。また、[111]異方性エッチング面を支持基板への接合面としているので、反射面として、研磨面が使用できるので、ミラーとして好適である。光ビームの入出射通過部23aを規定しているミラー端はここでは、ダイシングで規定されており、ミラーの剛性が高く、精度も高い。しかしながら、ダイシングによる機械加工の場合チッピング等の欠けがミラー面に発生してしまう恐れがある。
【0044】
その対策案を図6(A)〜図6(C)に示す。ここでは、対向ミラー1、2のテーパー面を異方性エッチングにて形成する際に、副走査方向のミラー幅を規定できるパターンも同時に形成しておく。そして、ダイシングする際も図中基板途中で途切れている破線のようにハーフカットで切断することにより、ミラー面への機械ダメージを抑えている。
【0045】
また、図7(A)〜図7(C)は図6(A)〜図6(C)の実施例に図4の実施例を組み合わせた実施例で、対向ミラーチップを支持基板に接合する際に、チップハンドリング(吸着)、や接合時の加圧均一性が向上する。
【0046】
図5で示されていた実施例の上面図と断面図をマイクロミラー基板と共に図8に示す。対向ミラーチップはマイクロミラー基板に設けられているフレーム基板4に対して、主走査方向のみに架橋する両端で接合されているので、 [111] 接合面にエッチングによる凹凸があっても、凹凸の影響が少なく接合の平坦性が良くなる。よって、対向ミラーチップは副走査方向でフレーム基板4に接合しないように加工されている。
【0047】
最後に、このような方法で形成した対向ミラー基板を組み込んだ、カラーレーザープリンターの構成及び動作を図9〜14を使い説明する。
図9には光走査装置に配備される光走査モジュールの分解斜視図を示す。可動ミラー基板は、可動ミラー3の揺動空間を確保するSi基板であるフレーム基板4と可動ミラー3を形成するSi基板3bの、2枚のSi基板を貼り合わせたSOI基板を用いている。フレーム基板4をエッチングにより四角くくりぬいて、揺動空間を形成した後、反対側からSi基板3bをエッチングにより可動ミラー3及びそれを軸支するトーションバー32をその周囲を貫通して形成する。可動ミラー3の中央部には金属被膜を蒸着するなどしてミラー面を形成し、トーションバー32を挟んでミラーの両端部は櫛形に凹凸のある平面形状となし、固定電極31、可動電極24を形成する。尚、櫛形形状とすることで対向する電極の面積を拡大することができ、駆動電圧を低減することができる。
【0048】
可動ミラー3の揺動空間が形成されているフレーム基板4の上面には、金属被膜が形成され、傾斜角26.3°の反射面2aを有する対向ミラー2と金属被膜が形成され、傾斜角9.5°の反射面1aを有する対向ミラー1が接合される。両者の対向ミラーの反射面端間隔にて、光ビームの入出射通過部23aを規定している。
【0049】
プリズム26には光ビームの入射面26b、射出面26d、可動ミラー3へ光ビームを反射する反射面26aとが形成され、前記対向ミラー1、2の上方に配置される。
【0050】
図14に示すように、開口部である入出射通過部23aから可動ミラー3に所定の角度で入射した光ビームは反射面2aで反射され、再度、可動ミラー3で反射し、反射面1aとの間で複数回(実施例では3回)反射を繰り返して副走査方向に反射点を往復して移動しながら再び入出射通過部23aを通ってプリズム26に入射し、射出面26dから射出される。
【0051】
実施例ではこのように複数回反射を繰り返すことで、可動ミラー3の小さい振れ角で大きな走査角が得られるようにしている。例えば、可動ミラー3での総反射回数N、振れ角αとすると走査角θは2Nα、実施例ではN=5、となる。
【0052】
前記可動ミラー3は固定電極31の一方に電圧を印加すると対向する可動電極24との間に静電引力が発生しトーションバー32をねじって水平な状態から静電引力とねじり力が釣り合う状態まで傾き、電圧を解除するとトーションバー32の復元により水平な状態に戻り、もう一方の固定電極に電圧を印加すると反転方向に可動ミラー3が傾くというように固定電極31への電圧印加を周期的に切り換えることにより可動ミラー3を往復振動することができる。
【0053】
尚、この電圧を印加する周波数を可動ミラー3の固有振動数に近づけると共振状態となり、静電引力による変位以上に増幅され振れ角は著しく拡大する。
実施例では記録速度に合うように可動ミラー3の固有振動数を設定、つまり、可動ミラー3の厚さ、トーションバー32の太さ、長さを決定している。
【0054】
一般に、最大振れ角θ0 は可動ミラー3を支えるトーションバー32の弾性係数G、断面2次モーメントI、長さLで決定されるばね定数Kと静電引力によって与えられるトルクTとにより、次式、
θ0 =T/Kであらわされる。ここで、K=G・I/Lである。
【0055】
また、可動ミラーの共振周波数fdは慣性モーメントJとすると、次式、
fd=√(K/J)
であらわされる。
【0056】
共振を利用することで印加電圧は微小で済み発熱も少ないが、記録速度が速くなるに従ってトーションバーの剛性が高まり振れ角がとれなくなってしまう。そこで、前記したように対向ミラーを設けることで走査角を拡大し記録速度によらず必要十分な走査角が得られるようにしている。
支持フレーム27は焼結金属等で成形され、絶縁材を介してリード端子25が挿入されてなる。
【0057】
支持フレーム27には前記したミラー基板を実装する接合面27a、カップリングレンズ20を位置決め接着するV溝27b、接合面27aと垂直に形成した発光源であるLDチップ28の実装面27c、LDの背面光を受光するモニタPDチップ29の実装面27dが形成される。
【0058】
円筒の上下をカットした形状のカップリングレンズ20は第1面を軸対称の非球面、第2面を副走査方向に曲率を有するシリンダ面となす。V溝27bはカップリングレンズ20の円筒外周面が当接した際、光軸がLDチップ28の発光点に合うように幅と角度が設定され、光軸方向の調整によって発散光束を主走査方向には略平行光束に副走査方向には可動ミラー面で集束する集束光束となし接着固定する。尚、前記カット面はシリンダ面の母線と平行に形成され母線が水平になるように光軸回りの位置決めがなされる。
【0059】
プリズム26の入射面26bにはカップリングレンズ20からの光ビームを所定の径に整形するアパーチャマスクが膜形成され、プリズム26内を通過して可動ミラー3で走査された光ビームは射出面26dより上方に放出される。
【0060】
カバー21は板金にてキャップ状に成形され、光ビームの射出開口にはガラス板22が内側より接合されてなり、前記支持フレーム27の外周に設けられた段部27fにはめ込まれてLDチップ、ミラー基板等を気密状態に保護する。
LDチップ28、モニタPDチップ29、前記した固定電極は各々リード端子25の上側に突出した先端との間でワイヤーボンディングにより各々接続がなされる。
【0061】
図10に実施例における光走査装置の断面図、図11、図12にその外観図、透視図を示す。
前記構成による光走査モジュール40は、LDの駆動回路、可動ミラーの駆動回路を構成する電子部品が実装されるプリント基板41上に主走査方向に配列して複数個(実施例では3個)実装される。実装の際、前記支持フレーム27の底面は下側に突出したリード端子25をスルーホールに通してプリント基板に当接され、スルーホールのクリアランス内で基板上での光走査モジュール間の位置合わせを行なって仮止めし、他の電子部品と同様ハンダ付けされ一括して固定される。
【0062】
複数の光走査モジュールを支持したプリント基板41はハウジング42の下側開口を塞ぐように当接され、ハウジングに一体で設けられた一対のスナップ爪42a間に抱え込んで保持する。
【0063】
プリント基板41にはこのスナップ爪42aの幅に係合する切り欠きが設けられ主走査方向の位置決めがなされると同時に、係止部を基板エッジに係合して副走査方向が固定される。
また、係止部は矢印方向に撓ませることで突起が基板上端を押し下げ、容易に取り外すこともできる。
【0064】
ハウジング内部には結像手段を構成する第1の走査レンズ43を主走査方向に配列して接合する位置決め面、第2の走査レンズ44を保持する位置決め部および同期ミラー48の保持部が形成される。
実施例では各光走査モジュールの第2の走査レンズは樹脂にて一体的に形成し、また、同期ミラー48も高輝アルミ板で連結して形成しており、光ビームを射出する開口に外側よりはめ込まれ奥側に突き当てて取り付けられる。開口の中央部には突起52cが形成され第2の走査レンズ44の中央部に設けられた凹部44a、同期ミラー中央部に設けられた凹部48aを係合して主走査方向を、副走査方向には開口の一端に押し付けられて位置決めされる。また、第1の走査レンズ43には各々主走査の中央部底面に位置決め用の突起43aを形成しており、ハウジングに均等間隔で配備された係合孔42bに装着し、主走査方向の相対位置が維持されるようにすると同時に、光軸方向の一端に突き当て同中央部に各々の高さが同一平面となるよう配備された接着面に副走査方向の底面を当接して位置決めされる。
【0065】
同期検知センサ(PINフォトダイオード)49は隣接する光走査モジュールで共用する中間位置と両端位置に配置され、各光走査モジュールの走査開始側と走査終端側とでビームが検出できるようにプリント基板41上に実装される。
同期ミラー48は隣接する光走査モジュール走査開始側と走査終端側との反射面が向かい合うようくの字状に成形され各々光ビームを反射し、共通の同期検知センサ49に導くことができるようにしている。
図中、符号50はコネクタで全ての光走査モジュールへの電源供給やデータ信号などのやり取りを一括しておこなう。
【0066】
ハウジング42の両側面には後述する感光体ドラムを保持するカートリッジにドラムと同心に設けられた円筒面に合わせて突き当て面を有する位置決め部材51が取り付けられる。位置決め部材は51は突起部52にねじ固定された後、L字状に設けた座面を装置本体のフレームに設けられたピン53にスプリング54を介して配備されるので、前記カートリッジに常に押し付けられた状態で保持され、複数の光走査モジュールの感光体ドラムに対する位置決めを一括して確実におこなうことができる。
【0067】
図13は前記光走査装置をカラーレーザプリンタに適用した例を示す。
各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)毎にハウジング42に収納された光走査装置とプロセスカートリッジ70とが個別に位置決めされ、用紙の搬送方向に沿って直列に配備される。用紙は給紙トレイ76から給紙コロ77により供給され、レジストローラ対78により印字のタイミングに合わせて送り出され搬送ベルト81に載って搬送される。各色画像は用紙が各感光体ドラムを通過する際にトナーが静電引力によって転写され順次色重ねがなされて、定着ローラ79で定着され排紙ローラ82により排紙トレイ80に排出される。
【0068】
尚、各色プロセスカートリッジはトナー色が異なるのみで構成は同一である。
感光体ドラム60の周囲には感光体を高圧に帯電する帯電ローラ72、光走査装置により記録された静電潜像に帯電したトナーを付着して顕像化する現像手段である現像ローラ73、トナーを備蓄するトナーホッパ74、用紙に転写された後の残トナーを掻き取り備蓄するクリーニングケース75が配備される。
【0069】
光走査装置は前記したように複数の光走査モジュールの走査線をつなぎ合わせて1ラインが構成され、総ドット数Lを分割し各々画像始端から1〜L1、L1+1〜L2、L2+1〜Lドットを割り当てて印字するが、実施例ではこの割り当てるドット数を各色で異なるようにすることで、同一ラインを走査する各色の走査線の継ぎ目が重ならないようにしている。
【0070】
尚、実施例では静電引力を発生させ可動ミラーを駆動する方式を示したが、可動ミラーにコイルを形成してトーションバーと交差する方向に磁力線が通るように配備し、コイルに電圧を印加して電磁力を発生させ駆動する方式であっても、トーションバーに圧電素子を結合し、圧電素子に電圧を印加して直接可動ミラーに変位を発生させ駆動する方式等々であっても同様の構成で実施できる。
【0071】
また、光走査装置を3つの光走査モジュールにて構成したが、この数はいくつであってもよく、画像形成装置の記録幅に合わせて数を増減して対応することもできる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、往復振動することにより可動ミラーと対向ミラー間で多重反射により主走査方向の走査角を拡大する際、前記対向ミラーは副走査方向に傾斜され形成されている為に、副走査方向曲がりを抑制でき、画像品質を向上できるとともに、同じ走査角を得るためのビームの光路長が短くなり、対向ミラー及び可動ミラーを小型化できる。また、光路設計上(光束分離)のマージンも増加する。
【0073】
また、請求項2の発明によれば、さらに、複数個の対向ミラーが形成される際、対向ミラーと可動ミラー及び光ビームの入出射通過部の位置関係を統一できるので、光ビームの反射点位置や光路長の設計が容易となる。また、支持基板により可動ミラーとのギャップ位置をきめることにより、高精度のギャップ精度を確保できる。更に、複数個の対向ミラーの形状が変更された場合も、プロセス上の変更も少ない。
【0074】
また、請求項3の発明によれば、さらに、対向ミラーと可動ミラーの位置関係をフレーム基板で自由に規定できるので、複数個の対向ミラーが形成される際、光ビームの反射点位置や光路長の設計が容易となる。ギャップ精度も高い。
【0075】
また、請求項4の発明によれば、さらに、当接面に位置決め手段を設けることにより、対向ミラーと第1の基板との位置合わせを高精度に行うことが出来る。
また、フレーム基板に可動ミラーの揺動空間を形成する際に、アライメントに利用できる溝等を同時に作製しておくことにより、工程の増加無く対向ミラーとの位置合わせを高精度に行うことが出来る。
【0076】
また、請求項5の発明によれば、さらに、光ビームは副走査方向に傾きをもって入出射される為に、請求項5に記載の構成にすることにより、ビームのけられを防止でき、入出射角の設計マージンも広がる。
【0077】
また、請求項6の発明によれば、さらに、スライス角を任意に設定することにより、任意の傾斜角を得ることが出来る。また、結晶異方性エッチングにより、エッチング耐性があり安定な面である [111] 面を露出することにより、平滑で角度が正確という好適なエッチング面が得られる。Siウエハプロセスにより、精度の高い傾斜面を有する対向ミラーを大量に製作することが出来る。 [111] 面を当接面にする場合は、反射面として、スライス面である研磨面を使える為、ミラーとしてより好適である。スライス面を当接面にする場合は、ウエハレベルでの処理が可能となる。
【0078】
また、請求項7の発明によれば、さらに、[111]接合面にエッチングによる凹凸があっても、主走査方向の両端のみで接合しているので、凹凸の影響が少なく接合の平坦性が良い。
【0079】
また、請求項8の発明によれば、さらに、Siプロセス(フォトリソ、異方性エッチング)により寸法精度が高い。ダイシングにより規定される場合は、チッピング(面欠け)が発生するが、その防止にもなる。
【0080】
また、請求項9の発明によれば、さらに、スライス角を任意に設定することにより、任意の傾斜角を得ることが出来る。結晶異方性エッチングに対して、エッチング耐性があり安定な面である [111] 面を反射面にすることにより、平滑で角度が正確という好適な反射面が得られる。また、Siウエハ処理が可能な為に、実装コストを下げることが出来る。
【0081】
また、請求項10の発明によれば、さらに、スライス角を任意に設定することにより、任意の傾斜角を得ることが出来る。結晶異方性エッチングに対して、エッチング耐性があり安定な面である [111] 面を露出することにより、平滑で角度が正確というエッチング面が得られる。Siウエハプロセスにより、精度の高い傾斜面を有する対向ミラーを大量に製作することが出来る。反射面として、スライス面である研磨面を使える為、ミラーとして好適である。
【0082】
また、請求項11の発明によれば、さらに、当接面の反対面も [111] 面に合わせることにより、対向ミラーは可動ミラーと平行方向には上下に平行面が形成されることになり、当接面を接合する際に、平行な反対面を加圧することが出来、接合時のチップハンドリングや加圧均一性が向上する。
【0083】
また、請求項12の発明によれば、さらに、従来のポリゴンミラーに比べ、消費電力が小さく、低騒音な画像形成装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対向ミラー基板の一実施例を示す図であり、(A)は参考例、(B)は本発明の対向ミラー基板の一実施例、(C)はその変形例である。
【図2】本発明の他の実施例の対向ミラーの製造方法を示す図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す図である。
【図4】本発明のその他の実施例を示す図である。
【図5】本発明のその他の実施例を示す図である。
【図6】本発明のその他の実施例を示す図である。
【図7】本発明のその他の実施例を示す図である。
【図8】(A)本発明の実施例の対向ミラーをマイクロミラー基板に組み込んだ対向ミラー基板の平面図、(B)は図8(A)中のX−X線断面図である。
【図9】光走査装置の分解斜視図である。
【図10】光走査装置の断面図である。
【図11】光走査モジュールの斜視図である。
【図12】光走査モジュールの分解斜視図である。
【図13】光走査装置を用いた画像形成装置の説明図である。
【図14】光走査モジュールの断面図である。
【図15】(A)と(B)は光走査装置による画像書込線の説明図である。
【符号の説明】
1 対向ミラー
2 対向ミラー
3 可動ミラー
3b Si基板(第1の基板)
4 フレーム基板
6 面方位 [100]Si基板(支持基板)
23a 通過部
28 LDチップ(発光源)
60 感光体ドラム
73 現像ローラ(現像手段)
a アライメントマーク(位置決め手段)
B 光ビーム

Claims (12)

  1. 往復振動することにより発光源からの光ビームを偏向する可動ミラーと、可動ミラーを軸支する第1の基板と、可動ミラーと対向し、可動ミラーとの間で光ビームを往復反射する対向ミラーとを有する光走査装置において、前記第1の基板面から副走査方向に傾斜して形成される反射面を有する対向ミラーを光ビームの入出射通過部を挟んで向かい合う方向に設け、前記対向ミラーを前記第1の基板に重ね合わせて配備し、前記対向ミラーの反射面は、前記可動ミラー面と垂直な方向に重なって平行方向に対面する反射領域を有することを特徴とする光走査装置。
  2. 前記対向ミラーは、光ビームの入出射通過部を備える支持基板に形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記可動ミラーの可動空間を形成するフレーム基板を前記第1の基板上に配備し、前記フレーム基板に前記対向ミラーを重ね合わせて支持することを特徴とする請求項1又は2に記載の光走査装置。
  4. 前記可動ミラー側の基板と前記対向ミラー側の基板との間に前記対向ミラーと前記第1の基板とをアライメントする位置決め手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光走査装置。
  5. 前記対向ミラーを、該対向ミラーの各反射面端が可動ミラーと平行な面内で一致するよう配備していることを特徴とする請求項1又は2に記載の光走査装置。
  6. 前記対向ミラーはSi基板から成り、その傾斜角は、面方位 [111]面とSi基板のスライス面により規定してなるとともに、前記可動ミラー側の基板と平行な当接面を備え、前記いずれか一方の面を当接面に当接し、他方の面を反射面としたことを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  7. 前記当接面を、可動ミラーを主走査方向に架橋する両端に配備することを特徴とする請求項6に記載の光走査装置。
  8. 前記対向ミラーの副走査方向の反射面幅は面方位 [111]面により規定されていることを特徴とする請求項6に記載の光走査装置。
  9. 前記対向ミラーはSi基板から成り、その傾斜角は、面方位 [111]面とSi基板のスライス面により規定してなるとともに、前記支持基板に、可動ミラーと平行な当接面を備え、同面内で、スライス面と接合することを特徴とする請求項2に記載の光走査装置。
  10. 前記対向ミラーはSi基板から成り、その傾斜角は、面方位 [111]面とSi基板のスライス面により規定してなるとともに、前記支持基板に、可動ミラーと平行な当接面と、同面と平行に配備した接合面とを備え、前記接合面に、前記いずれか一方の面を合わせたことを特徴とする請求項2に記載の光走査装置。
  11. 前記可動ミラーと平行な当接面の反対面にも面方位 [111]に合わせた部位を有することを特徴とする請求項6又は10に記載の光走査装置。
  12. 請求項1〜11の何れかに記載の光走査装置と、該光走査装置によって静電像が形成される感光体と、静電像をトナーで顕像化する現像手段と、顕像化されたトナー像を記録紙に転写する転写手段とを有する画像形成装置。
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