JP4669194B2 - 粘着テープ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、適度の粘着力を有し、かつ、自着力が粘着力よりも大きい粘着テープに関する。また、本発明は、このような特性を有する粘着テープの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、生野菜類、生花類、書類、新聞、雑誌などの各種物品を結束するための粘着テープとして、結束する物品(被結束物)に対する粘着力が小さく、粘着剤面同士の粘着力(以下、「自着力」という)が大きい粘着テープが汎用されている。
【0003】
例えば、生野菜類などの結束用粘着テープとして、(A)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、(B)粘着付与剤、(C)炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタンなどの無機添加剤、及び(D)植物油などの有機添加剤を含有する粘着剤組成物を耐水性基材の片面に塗布してなる粘着テープが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、基材の片面に、(A)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体及び天然ゴムを含有するエラストマー100重量部に対し、(B)ファクチス20〜40重量部を配合した感圧性接着剤組成物層を設けた結束用自着テープが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
上記のように、被結束物に対する粘着力が小さく、自着力が大きい結束用粘着テープについて、様々な提案がなされている。しかし、従来の結束用粘着テープは、各種成分の組み合わせが複雑であったり、特殊な成分を多量に配合する必要があったりするため、粘着力と自着力を所望の範囲内に制御することが必ずしも容易ではない。また、従来の結束用粘着テープには、常温での粘着力が比較的高いものや、逆に常温での粘着力が低すぎるものなどもあり、粘着力と自着力とを高度にバランスさせる観点からは、さらなる改良が求められていた。
【0006】
さらに、耐水性基材の片面に、(A)エラストマー、(B)該エラストマーと相溶性の良い樹脂及び石油樹脂との混合物からなる粘着付与剤、(C)添加剤などを含有する感圧接着剤組成物を塗布した感熱自着テープが提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0007】
しかし、この文献に記載された感熱自着テープは、常温では粘着性も自着性も持たないため、自着力を発揮させるには、加熱手段を備えた結束装置を必要とする。しかも、この感熱自着テープは、常温での粘着力がないため、ロール状に巻回した場合に、巻き戻し力が低くなりすぎて、機械特性に劣る。
【0008】
【特許文献1】
特公昭62−45273号公報(第1頁)
【特許文献2】
特開昭60−108485号公報(第1頁)
【特許文献3】
特開昭58−52379号公報(第1−2頁)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、所望の範囲内で適度の粘着力を有し、かつ、自着力が粘着力よりも大きい粘着テープを提供することにある。また、本発明の課題は、比較的簡単な手段により、高い自着力を持ち、かつ、粘着力を所望の範囲内で安定的に制御することができる粘着テープの製造方法を提供することにある。
【0010】
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究した結果、基材上に、大きな粒子径の微粒子と粘着剤成分とを含有する粘着剤溶液を塗工し、乾燥させると、粘着剤層の少なくとも表面部分が発泡状態となり、それによって、適度の粘着力を有し、かつ、自着力が粘着力よりも大きい粘着テープの得られることを見出した。本発明の方法によれば、微粒子の粒子径や配合割合などを調整することにより、粘着力を所望の範囲内に安定的に制御することが可能である。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かくして、本発明によれば、基材上に粘着剤層が形成された粘着テープにおいて、
(1)粘着剤層の平均厚みが10〜50μmの範囲内であり、
(2)粘着剤層が、ゴム系粘着剤を粘着剤成分として含有するものであり、
(3)粘着剤層がその平均厚みの70〜250%の範囲内に相当する長さの粒子径を有する微粒子(A)を、粘着剤全量基準で、0.23.0重量%の範囲内で含有しており、
(4)粘着剤層が、平均粒子径が5μm以下の微粒子(B)をさらに含有しており、
(5)粘着剤層の少なくとも表面部分が発泡状態にあり、
(6)粘着テープのJIS Z−0237に従って、ステンレス板に対する粘着テープ試料(幅20mm)の粘着力を23℃で測定した対SUS粘着力が2.09.0N/20mmの範囲内であり、かつ、
(7)粘着テープの自着力が対SUS粘着力よりも大きい、
ことを特徴とする粘着テープが提供される。
【0012】
また、本発明によれば、基材上に粘着剤層が形成された粘着テープの製造方法において、
(i)粘着剤層の平均厚みの70〜250%の範囲内の長さに相当する粒子径を有する微粒子(A)と粘着剤成分とを有機溶剤中に溶解または分散させた粘着剤溶液を調製する工程1、
(ii)粘着剤溶液を基材上に塗工する工程2、及び
(iii)40〜110℃の温度範囲内で第一段目の乾燥を行ない、次いで、110℃超過150℃以下の温度範囲内で第二段目の乾燥を行なう、基材上の塗工層を乾燥する工程3
からなる一連の工程を含むことにより、
(1)粘着剤層の平均厚みが10〜50μmの範囲内であり、
(2)粘着剤層が、ゴム系粘着剤を粘着剤成分として含有するものであり、
(3)粘着剤層がその平均厚みの70〜250%の範囲内に相当する長さの粒子径を有する微粒子(A)を、粘着剤全量基準で、0.23.0重量%の範囲内で含有しており、
(4)粘着剤層が、平均粒子径が5μm以下の微粒子(B)をさらに含有しており、
(5)粘着剤層の少なくとも表面部分が発泡状態にあり、
(6)粘着テープのJIS Z−0237に従って、ステンレス板に対する粘着テープ試料(幅20mm)の粘着力を23℃で測定した対SUS粘着力が2.09.0N/20mmの範囲内であり、かつ、
(7)粘着テープの自着力が対SUS粘着力よりも大きい、
粘着テープを得ることを特徴とする前記粘着テープの製造方法
が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
1.基材
基材としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレンなどの芳香族ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルローストリアセテートなどの合成樹脂からなるフィルムが挙げられる。これらの中でも、ポリプロピレン、硬質塩化ビニル、ポリエステル系樹脂などのフィルムが好ましい。基材の厚みは、使用目的に応じて適宜定めることができるが、約20〜60μmの範囲内であることが好ましい。
【0014】
2.粘着剤
粘着剤層を構成する粘着剤成分としては、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤などがあるが、粘着力と自着力とをバランスさせる上で、ゴム系粘着剤が好ましい。ゴム系粘着剤としては、エラストマーと粘着付与剤とを含有し、必要に応じて、充填剤、軟化剤、可塑剤、紫外線吸収剤、老化防止剤などの各種添加剤を配合したものが好ましい。
【0015】
ゴム系粘着剤のエラストマーとしては、例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)などのスチレン系熱可塑性エラストマー;天然ゴム;ブチルゴム、イソブチレンゴム、イソプレンゴムなどの合成ゴム;これらの2種以上の混合物などが挙げられる。これらの中でも、SISなどのスチレン系熱可塑性エラストマー、またはスチレン系熱可塑性エラストマーと他のゴムとのブレンドゴムが好ましい。
【0016】
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、日本ゼオン社製クインタック(登録商標)、シェルケミカル社製クレイトン(登録商標)、カリフレックス TR(登録商標)、JSR社製JSR SIS(登録商標)、JSR TR(登録商標)、旭化成工業社製タフプレン(登録商標)、日本エラストマー社製ソルプレン−T(登録商標)、電気化学工業社製デンカSTR(登録商標)などが市販されている。
【0017】
粘着付与剤としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂などの天然物及びその誘導体、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クマロンインデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂などの合成樹脂を挙げることができる。
【0018】
ロジン系樹脂としては、例えば、ポリペールレジン、ステベライトレジン、フォーラルAX、ペンタリンA、ペンタリンH(以上、理化ハーキュレス社製、登録商標)、エステルガムA、エステルガムH(以上、荒川化学社製)、ハリエスターT(播磨化成社製、登録商標)などが挙げられる。ロジンフェノール樹脂としては、例えば、スミライトレジンPR12603(住友デュレズ社製、登録商標)、タマノル803(荒川化学社製、登録商標)などが挙げられる。
【0019】
テルペン系樹脂としては、例えば、YSレジンPx、YSレジンTO、YSポリスターT〔以上、ヤスハラケミカル(株)製、登録商標〕、ピコライト A(Hercules社製、登録商標)、Schenectady SP566(Schenectady社製、登録商標)などが挙げられる。
【0020】
脂肪族系石油樹脂としては、例えば、Piccopale(Hercules社製、登録商標)、エスコレッツ(エッソ化学社製、登録商標)、Wing Tack(Goodyear社製、登録商標)、ハイレッツ(三井石油化学社製、登録商標)、クイントン(日本ゼオン社製、登録商標)、マルカレッツ(丸善石油化学社製、登録商標)、コーポレックス(東邦石油樹脂社製、登録商標)などが挙げられる。
【0021】
脂環族系石油樹脂としては、例えば、アルコンP、アルコンM(以上、荒川化学社製、登録商標)等が挙げられる。芳香族系石油樹脂としては、例えば、ペトロジン(三井石油化学社製)、ハイレジン(東邦石油樹脂社製)などが挙げられる。クマロンインデン樹脂としては、例えば、クマロンNG〔新日鉄化学(株)製〕などが挙げられる。
【0022】
スチレン系樹脂としては、例えば、Piccolastic A(Hercules社製)などが挙げられる。フェノール樹脂としては、例えば、ヒタノール(日立化成社製)、タッキロール(住友化学社製)、レジトップ(群栄化学工業社製)等が挙げられる。キシレン樹脂としては、例えば、ニカノール(三菱瓦斯化学社製)などが挙げられる。
【0023】
粘着付与樹脂の配合割合は、エラストマー100重量部に対して、通常、5〜150重量部、好ましくは10〜100重量部、より好ましくは15〜70重量部である。粘着付与剤を配合することにより、粘着剤成分に常温での自着力と粘着力を付与することができる。
【0024】
充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、亜鉛華(酸化亜鉛)、シリカ、けい酸アルミニウム、タルク、けい藻土、けい砂、軽石粉、スレート粉、雲母粉、アスベスト、アルミニウムゾル、アルミナホワイト、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、リトポン、硫酸カルシウム、二流化モリブデン、グラファイト、ガラス繊維、ガラス球、単結晶チタン酸カリ、カーボン繊維、活性亜鉛華、炭酸亜鉛、酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、リサージ、鉛丹、鉛白、水酸化カルシウム、活性化水酸化カルシウム、酸化チタン等が挙げられる。
【0025】
これらの充填剤の中でも、炭酸カルシウム、亜鉛華、シリカ、酸化チタンなどが好ましい。これらの充填剤を配合すると、粘着剤に適度の凝集性を付与することができる。充填剤の平均粒子径は、5μm以下であることが好ましい。平均粒子径が5μm以下の微粒子(B)は、大粒子径の微粒子(A)と併用すると、凝集力と粘着力を適度の範囲内に調整することが容易となる。
【0026】
充填剤を使用する場合、その配合割合は、エラストマー成分100重量部に対して、通常、0.1〜150重量部、好ましくは1〜100重量部、より好ましくは3〜50重量部である。0.1重量部未満では、その添加効果がなく、150重量部を越えると、添加が困難になったり、物性が低下したりする。
【0027】
軟化剤としては、石油系軟化剤、植物油系軟化剤、液状ゴム、液状粘着付与樹脂、合成可塑剤などが挙げられる。軟化剤を配合することにより、凝集性と自着性を調整することができる。
【0028】
石油系軟化剤としては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、エキステンダーオイルなどが挙げられる。植物油系軟化剤としては、例えば、ひまし油、綿実油、あまに油、菜種油、大豆油、パーム油、椰子油、落花生油、トール油などが挙げられる。
【0029】
液状ゴムは、無官能性で、常温で流動性を有する粘稠体であり、例えば、ポリブテン、液状ポリイソブチレン、液状ポリイソプレン、液状ポリブタジエン、液状1,2−ポリブタジエン、液状スチレン−ブタジエンゴム、液状アクリロニトリル−ブタジエンゴム、液状ポリクロロプレンゴム、液状ポリ(オキシプロピレン)、液状ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、液状ポリオレフィングリコール、液状ポリ−ε−カプロラクトン、液状ポリスルフィドゴム、液状エチレン−プロピレンゴムなどが挙げられる。液状粘着付与樹脂としては、例えば、液状テルペン樹脂、液状水添テルペン樹脂、液状スチレン系樹脂、液状ロジン系樹脂などが挙げられる。
【0030】
合成可塑剤としては、例えば、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート等のフタル酸誘導体;ジメチルイソフタレート、ジイソオクチルフタレート等のイソフタル酸誘導体、ジ−(2−エチルヘキシル)テトラヒドロフタレート等のテトラヒドロフタル酸誘導体;ジ−n−ブチルアジペート、ジ−(2−エチルヘキシル)アジペート等のアジピン酸誘導体;ジイソオクチルアゼレート等のアゼライン誘導体;ジ−n−ブチルセバケート等のセバシン酸誘導体;ジメチルマレート等のマレイン酸誘導体;ジ−n−ブチルフマレート等のフマル酸誘導体;トリイソオクチル・トリメリテート等のトリメリット酸誘導体;トリエチル・シトレート等のクエン酸誘導体;ジエチル・イタコネート等のイタコン酸誘導体;グリセリル・モノオレート等のオレイン酸誘導体;ブチル・アセチル・リシノレート等のリシノール誘導体;n−ブチル・ステアレート等のステアリン酸誘導体;ジエチレングリコール・モノウラレート等の脂肪酸誘導体;ベンゼンスルホン・ブチルアミド等のスルホン酸誘導体;トリメチル・ホスフェート等のリン酸誘導体;テトラ−2−エチルヘキシル・ピロメリテ−ト等のモノエステル系可塑剤、ジエチレングリコール・ジベンゾエート等のグリコール誘導体;グリセロール・モノアセテート等のグリセリン誘導体;塩素化パラフィン等のパラフィン誘導体;エポキシ誘導体、ポリエステル系可塑剤、ポリエーテル系可塑剤などを挙げることができる。
【0031】
これらの軟化剤は、エラストマー成分などとの相溶性等を考慮した上で選択使用される。軟化剤を用いる場合には、エラストマー成分100重量部に対して、通常、0.1〜200重量部、好ましくは1〜100重量部、より好ましくは3〜80重量部の割合で使用される。
【0032】
紫外線吸収剤としては、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物等がある。紫外線吸収剤を使用する場合には、エラストマー成分100重量部に対して、通常、0.1〜5重量部の割合で添加される。
【0033】
老化防止剤としては、ナフチルアミン系化合物、ジフェニルアミン系化合物、p−フェニレンジアミン系化合物、その他のアミン系化合物、アミン化合物混合物、キノリン系化合物、ヒドロキノン誘導体、モノフェノール系化合物、ビスフェノール系化合物、トリスフェノール系化合物、ポリフェノール系化合物、チオビスフェノール系化合物等が挙げられる。老化防止剤の配合割合は、特に限定されないが、エラストマー成分100重量部に対して、通常、0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量部である。
【0034】
3.大粒子径の微粒子 (A)
本発明では、粘着剤層(乾燥厚み)の平均厚みを10〜50μmの範囲内に調整するが、粘着剤層には、その平均厚みの70〜250%の範囲内に相当する長さの粒子径を有する微粒子(A)を含有させる。
【0035】
このような大粒子径の微粒子(A)としては、有機微粒子、無機微粒子、及びこれらの混合物を使用することができる。有機微粒子としては、塩化ビニリデン系、フェノール樹脂系、尿素樹脂系、エポキシ樹脂系などの有機質系マイクロバルーン;ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートなどの合成樹脂微粒子;などが代表的なものである。これらの有機微粒子の中から、前記長さの粒子径を有するものを使用する。市販の有機微粒子としては、例えば、日本フィライト社製のエクスパンセル(登録商標)(非発泡性グレード)が挙げられる。
【0036】
無機微粒子としては、硼ケイ酸ガラス系などの無機質系マイクロバルーン、炭酸カルシウム、シリカなどの無機充填剤などが挙げられる。これらの無機微粒子の中から、前記長さを有するものを使用する。無機充填剤の中には、粒度分布がブロードなグレードのものがあり、平均粒子径が粘着剤層の平均厚みの70%未満であっても、前記範囲内に入る大粒子径の微粒子も含んでおり、本発明では、そのような無機充填剤も好適に使用することができる。このような無機充填剤の具体例としては、炭酸カルシウムの中の比較的平均粒子径が大きく、かつ、粒度分布も大きなグレードのものを挙げることができる。市販の炭酸カルシウムとしては、例えば、丸尾カルシウム社製の重質炭酸カルシウム、重炭N−35(登録商標)などが挙げられる。
【0037】
大粒子径微粒子(A)の配合割合(粘着剤層中での含有量)は、粘着剤全量基準で、好ましくは0.1〜5.0重量%、より好ましくは0.2〜3.0重量%、特に好ましくは0.3〜2.0重量%の範囲内である。微粒子(A)の配合割合が小さすぎると、粘着力の低減効果が小さくなり、大きすぎると、粘着力が低くなりすぎる。粘着剤塗布面を非平滑化して粘着力を低下させることは、繊維状充填剤を添加することによっても達成できるが、この場合、発泡させることが困難になるため、好ましくない。
【0038】
4.粘着テープの製造方法
粘着剤成分と大粒子径の微粒子(A)との混合物から粘着剤層を形成するには、全成分を溶剤に溶解または分散させた粘着剤溶液を調製し、この粘着剤溶液を基材上に塗工し、乾燥させる。基材としては、ポリプロピレン、硬質塩化ビニル、ポリエステル等のフィルムが用いられる。基材は、プライマー処理やプライマー効果を有する印刷処理を施したものが好ましい。
【0039】
粘着剤成分としてゴム系粘着剤を用いる場合は、エラストマー、粘着付与剤、必要に応じて、充填剤、老化防止剤などの添加剤を混練して、粘着剤成分を調製しておき、この粘着剤成分と微粒子(A)とを溶剤に溶解または分散させることが好ましい。この方法は、微粒子(A)として有機質系マイクロバルーンなどの有機微粒子を使用する場合に特に好ましい。微粒子(A)が粒度分布の大きな無機微粒子である場合には、エラストマーや粘着付与剤などと混練してから、混練物を溶剤に溶解または分散させることが好ましい。粘着剤成分の混練は、ロール、ニーダー、バンバリーミキサーなどを用いて行うことができる。
【0040】
溶剤としては、例えば、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、アセトン、イソプロパノール、メタノールなどを挙げることができる。これらの溶剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの溶剤の中でも、トルエン、ヘキサン、及びこれらの混合溶剤が好ましく、トルエン/ヘキサン混合溶剤が特に好ましい。粘着剤溶液の濃度(固形分含有量)は、通常、10〜40重量%、好ましくは15〜35重量%の範囲内である。
【0041】
基材上に塗工する粘着剤層の厚み(乾燥厚み)は、10〜50μm、好ましくは15〜30μm、より好ましくは18〜28μmの範囲内である。粘着剤層の厚みが薄すぎると、粘着力と自着力とを所望の範囲内に調整することが困難になり、厚すぎると、粘着力を低減させることが困難になる。粘着剤層の厚みは、JIS B−7509に従って、0.001mm目盛りのダイヤルゲージを用いて測定することができる。
【0042】
基材上への粘着剤溶液の塗工は、例えば、ナイフコーターを用いて行うことができる。また、基材上への粘着剤溶液の塗工に際し、粘着剤溶液の濃度、所望の乾燥後の膜厚などを考慮して、塗工膜厚を設定する。
【0043】
基材上に粘着剤溶液を塗工した後、塗工層を乾燥させる。乾燥は、常温での風乾でもよいが、生産効率を上げるために、好ましくは40〜150℃、より好ましくは80〜130℃の範囲内の温度で乾燥させる。この乾燥工程において、好ましくは40〜110℃、より好ましくは60〜105℃の温度範囲内で第一段目の乾燥を行ない、次いで、好ましくは110℃超過150℃以下、より好ましくは115〜130℃の温度範囲内で第二段目の乾燥を行なうことが、粘着剤層の少なくとも表面部分を効率的に発泡させる上で好ましい。加熱乾燥は、塗工膜を形成した基材を乾燥炉中に通過させることにより行なうことができる。加熱温度を変えるには、所定の温度に調整した乾燥ゾーンを通過させればよい。
【0044】
エラストマー、粘着付与剤、大粒子径の微粒子(A)などを含有する粘着剤溶液を基材上に塗工すると、塗膜の乾燥時に、粘着剤層(乾燥した粘着剤層)の平均厚みの70〜250%の範囲内に相当する長さの粒子径を有する微粒子(A)は、その多くが塗膜表面に突出する。大粒子径の微粒子(A)が存在すると、塗膜の形成直後(未乾燥時)に、粘着剤層の少なくとも表面部分に発泡が形成されることが判明した。この発泡状態を維持しながら、乾燥過程で新たな発泡を形成することなく効率よく乾燥させるには、塗工膜の乾燥を少なくとも2段階で行い、先ず、比較的低温で溶剤を揮散させて、最終段階では、比較的高温の条件下で溶剤を揮散させることにより達成できる。
【0045】
大粒子径の微粒子(A)が表面に突出し、かつ、表面部分が発泡状態となることにより、粘着剤層の表面部分が平滑ではなくなり、その結果、粘着力が低くなるものと考えることができる。発泡は、発泡剤を用いて行うこともできるが、本発明の方法によれば、発泡剤なしでも粘着剤層の少なくとも表面部分を発泡させることができる。
【0046】
5.粘着テープ
本発明の粘着テープは、基材上に粘着剤層が形成された構造を有するものであって、(1)粘着剤層の平均厚みが10〜50μmの範囲内であり、(2)粘着剤層がその平均厚みの70〜250%の範囲内に相当する長さの粒子径を有する微粒子(A)を含有しており、(3)粘着剤層の少なくとも表面部分が発泡状態にあり、(4)粘着テープの対SUS粘着力が1.0〜10.0N/20mmの範囲内であり、かつ、(5)粘着テープの自着力が対SUS粘着力よりも大きい、という諸特性を有している。
【0047】
粘着剤層は、層の全体が発泡していてもよいが、通常は、主としてその表面部分が発泡している。粘着剤層の少なくとも表面部分が発泡状態にあるとは、塗工膜の形成過程において、大粒子径微粒子の存在に起因して、粘着剤表層に気泡が形成されるが、この気泡がそのままで、あるいは部分的に破泡した状態で存在していることを意味している。
【0048】
本発明の粘着テープの表面部分が発泡状態にあることは、例えば、ビデオマイクロスコープによる観察で確認することができる。より具体的に、倍率300倍のビデオマイクロスコープで本発明の粘着テープの表面を観察すると、直径10〜200μmの大きさの気泡を観察することができる。発泡の数は、粘着剤層の場所によるバラツキがあるものの、直径50μm以上の発泡の数は、粘着剤層の表面1mm2当たり、平均して、通常、1〜100個、好ましくは5〜80個程度である。ここで、直径50μm以上の発泡の数を数えたのは、明瞭に発泡状態にあることを判定するためである。
【0049】
本発明の粘着テープは、対SUS粘着力が1.0〜10.0N/20mmの範囲内であり、かつ、粘着テープの自着力が対SUS粘着力よりも大きいという特徴を有している。対SUS粘着力とは、JIS Z−0237に従って、ステンレス板に対する粘着テープ試料(幅20mm)の粘着力を23℃で測定したものである(単位=N/20mm)。対SUS粘着力は、好ましくは2.0〜9.0N/20mm、より好ましくは3.0〜7.0N/20mmである。
【0050】
自着力とは、幅20mm、長さ150mmの粘着テープ試料を、その中央部で長さ25mmにわたって、対向する粘着テープのエッジ部がずれないように貼り合わせ、その部分を質量1kgのローラで圧着し、圧着後20〜30分間放置した後、粘着剤同士が接合していない両端部を互に逆方向に引き離し速度300mm/分で引張ったときの抵抗値をいう。
【0051】
本発明の粘着テープの対SUS粘着力が低すぎると、粘着テープをロール状に巻回して使用する際、ロールの巻き戻し力が低くなりすぎて、機械特性や取り扱い性が悪くなる。すなわち、僅かの外力によっても、巻回した粘着テープがばらけたり、ロールが空回りをする。粘着テープの対SUS粘着力が高すぎると、生野菜類、生花類などの被着体または被結束物に対する粘着性が大きすぎて、傷つけたり破損したりする。
【0052】
本発明の粘着テープは、粘着テープの自着力が対SUS粘着力よりも大きいものである。このような特徴を有することにより、本発明の粘着テープは、各種物品の結束用粘着テープとして好適に使用することができる。自着力の大きさは、特に限定されないが、通常、8.0N/20mm以上、好ましくは8.0〜30.0N/20mm、より好ましくは10.0〜25.0N/20mmである。
【0053】
【実施例】
以下、本発明について実施例及び比較例を挙げてより具体的に説明する。物性の測定法は、次の通りである。
【0054】
(1)対SUS粘着力:
JIS Z−0237に従って、ステンレス板に対する粘着テープ試料(幅20mm)の粘着力を23℃で測定した(単位=N/20mm)。(n=5)
【0055】
(2)自着力:
幅20mm、長さ150mmの粘着テープ試料を、その中央部で長さ25mmにわたって、対向する粘着テープのエッジ部がずれないように貼り合わせ、その部分を質量1kgのローラで圧着し、圧着後20〜30分間放置した後、粘着剤同士が接合していない両端部を互に逆方向に引き離し速度300mm/分で引張ったときの抵抗値を測定した。(n=5)
【0056】
(3)粘着剤層の発泡の有無:
粘着剤層の表面をビデオマイクロスコープを用いて倍率300倍で観察し、直径50μm以上の発泡数を数え、1mm2当たり平均1個以上ある場合を「発泡有り」と判断した。各実施例では、殆んどの場合、1mm2当たり平均5個以上、さらには平均8〜50個程度の発泡数が観察された。(n=4)
【0057】
[実施例1]
SIS(日本ゼオン社製「クインタック3433N」)100重量部及び軽質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製、粒子径0.4〜2μmの紡錘形)30重量部をロール練りして、充填剤入りSISゴム組成物を調製した。この充填剤入りSISゴム組成物130重量部、脂肪族石油樹脂(トーネックス社製「エスコレッツ 1304」)29.6重量部、脂肪族石油樹脂(日本ゼオン社製「クイントン A−100」)14.8重量部、テルペン樹脂(新日本理化社製「ピコライト A−115」)11.8重量部、及び老化防止剤(チバガイギー社製「イルガノックス 1010」)0.65重量部を、トルエン/ヘキサン(50/50容量比)混合溶剤中に投入し、撹拌溶解後、有機質系マイクロバルーン(日本フィライト社製「エクスパンセル091−140DU」、粒子径35〜45μm)0.59重量部を添加して、濃度25重量%の粘着剤溶液を調製した。粘着剤全量基準での有機質系マイクロバルーン(「エクスパンセル091−140DU」)の配合割合は、0.31重量%である。
【0058】
厚み43μmのポリプロピレンフィルムにコロナ処理後、プライマー効果を有する印刷処理を行い、その上に、ナイフコーターを用いて、粘着剤溶液を約100μmの厚みに塗工した。塗工膜を形成したポリプロピレンフィルムを加熱炉中に導入し、第一段目として100℃で30秒間乾燥し、次いで、第二段目として120℃の乾燥ゾーンを30秒間通過させて乾燥した。このようにして得られた粘着テープは、粘着剤層の厚みが24μmで、その表面部分に多数の発泡が観察され、自着力が16.3N/20mm、対SUS粘着力が6.3N/20mmであった。結果を表1に示す。
【0059】
[実施例2及び比較例1〜2]
表1に示す配合処方に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、粘着テープを作製した。結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
Figure 0004669194
【0061】
表1の結果から明らかなように、大粒子径の微粒子(A)であるエクスパンセルを配合しない場合(比較例1)には、粘着剤層の発泡がなく、対SUS粘着力が高すぎる粘着テープが得られる。これに対して、エクスパンセルの配合割合を変化させると、対SUS粘着力を好ましい範囲内に制御することができ、自着力と対SUS粘着力との間の相互関係も、好ましい状態とすることができる(実施例1〜2)。エクスパンセルの配合割合が高くなりすぎると、この粘着剤組成物の系では、対SUS粘着力が低くなりすぎることが分かる(比較例2)。
【0062】
[実施例3〜4及び比較例3〜4]
SISを日本ゼオン社製「クインタック3433N」からシェルジャパン社製「クレイトン D1107CP」に代え、充填剤を軽質炭酸カルシウムからシリカ(日本シリカ社製「ニップジェル BY−600」)に代え、さらに、各成分の配合割合を表2に示す通りに変更したこと以外は、実施例1と同様にして粘着テープを作製した。結果を表2に示す。
【0063】
【表2】
Figure 0004669194
【0064】
表2に示される実施例3〜4と比較例3〜4との対比結果からも、大粒子径の微粒子(A)であるエクスパンセルの配合割合を変化させることによって、好ましい範囲の対SUS粘着力と自着力とを備えた粘着テープの得られることが分かる。
【0065】
[実施例5〜7及び比較例5]
エクスパンセルを「エクスパンセル091−140DU」(粒子径35〜45μm)から「エクスパンセル092−120DU;粒子径28〜38μm)に代え、各成分の配合割合を表3に示す通りに変更したこと以外は、実施例1と同様にして粘着テープを作製した。結果を表3に示す。
【0066】
【表3】
Figure 0004669194
【0067】
表3に示される実施例5〜7と比較例5との対比結果からも、大粒子径の微粒子(A)であるエクスパンセルの配合割合を変化させることによって、好ましい範囲の対SUS粘着力と自着力とを備えた粘着テープの得られることが分かる。
【0068】
[実施例8〜10及び比較例6]
充填剤を軽質炭酸カルシウムからシリカ(日本シリカ社製「ニップジェル BY−600」)に代え、さらに、各成分の配合割合を表4に示す通りに変更したこと以外は、実施例5〜7と同様にして粘着テープを作製した。結果を表4に示す。
【0069】
【表4】
Figure 0004669194
【0070】
表4に示される実施例8〜10と比較例6との対比結果からも、大粒子径の微粒子(A)であるエクスパンセルの配合割合を変化させることによって、好ましい範囲の対SUS粘着力と自着力とを備えた粘着テープの得られることが分かる。
【0071】
[実施例11及び比較例7〜8]
実施例1において、エクスパンセルを配合せず、かつ、軽質炭酸カルシウムに代えて、炭酸カルシウム「スーパー#1500」(丸尾カルシウム社製、平均粒子径1.5μm)、「重質炭酸カルシウム」(丸尾カルシウム社製、平均粒子径3.2μm)または「重炭N−35」(丸尾カルシウム社製、平均粒子径6.3μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着テープを作製した。ここで、重質炭酸カルシウム(実施例11)及び重炭N−35(比較例8」は、粒度分布がブロードであり、粘着剤層の厚み24μmの70%以上の長さ(16.8μm以上)に相当する粒子径を有する粒子の割合は、表5に示す通りであった。結果を表5に示す。
【0072】
【表5】
Figure 0004669194
【0073】
表5の結果から明らかなように、粒度分布が大きな無機微粒子を用いて、粘着剤層の平均厚みの70〜250%の範囲内に相当する長さの粒子径を有する微粒子の配合割合(含有量)を調整することによっても、好ましい範囲の対SUS粘着力と自着力とを備えた粘着テープの得られることが分かる。
【0074】
[実施例12〜13及び比較例9]
有機微粒子のエクスパンセル(日本フィライト社製)として、種々の粒子径の範囲を持つものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着テープを作製した。結果を表6に示す。
【0075】
【表6】
Figure 0004669194
【0076】
粘着剤層の平均厚み(24μm)の70%未満の長さに相当する粒子径を有する有機微粒子を用いた場合(比較例9)には、対SUS粘着力が大きな粘着テープしか得られないことが分かる。なお、実施例12は、実施例5に対応し、実施例13は、実施例1に対応する。
【0077】
[実施例14〜15及び比較例10]
各粒子径の範囲を有する有機微粒子(エクスパンセル)の配合量を0.59重量部から1.18重量部(0.63重量%)に変えたこと以外は、実施例12〜13及び比較例9と同様にして粘着テープを作製した。結果を表7に示す。
【0078】
【表7】
Figure 0004669194
【0079】
表7の結果から明らかなように、有機微粒子(エクスパンセル)の配合割合を増大させても、粒子径が小さなものを用いた場合(比較例10)には、粘着力の低下効果が殆んどないことが分かる。
【0080】
[実施例16及び比較例11〜12]
各粒子径の範囲を有する有機微粒子(エクスパンセル)の配合量を0.59重量部から2.96重量部(1.56重量%)に変えたこと以外は、実施例12〜13及び比較例9と同様にして粘着テープを作製した。結果を表8に示す。
【0081】
【表8】
Figure 0004669194
【0082】
表8の結果から明らかなように、有機微粒子(エクスパンセル)の配合割合を増大させても、粒子径が小さなものを用いた場合(比較例11)には、粘着力の低下効果が殆んどないことが分かる。また、粒子径の大きな有機微粒子を用いた場合でも、その配合割合が大きくなると、粘着力が低くなりすぎる場合(比較例12)のあることが分かる。
【0083】
[比較例13〜16]
エクスパンセルを配合せず、かつ、シリカを「BY−300」から「AZ−200」、「BZ−400」、「AY−600」または「BY−001」に代え(それぞれ日本シリカ社製)、さらに、各成分の配合割合を表9に示す通りに変更したこと以外は、実施例3〜4と同様にして粘着テープを作製した。結果を表9に示す。
【0084】
【表9】
Figure 0004669194
【0085】
シリカの粒子径が小さい場合(比較例13〜15)には、対SUS粘着力の低下効果がない。シリカの粒子径が大きい場合(比較例16)でも、配合割合が大きすぎると、対SUS粘着力が低下しすぎる。
【0086】
[実施例17〜18及び比較例17〜18]
エラストマーとしてクインタック3433N(日本ゼオン社製SIS)またはクレイトンD1107CP(シェルジャパン社製SIS)を用い、エクスパンセルを使用せずに、充填剤として炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製「スーパー#1500」)、シリカ(日本シリカ社製「AY−600」)またはシリカ(日本シリカ社製「BY−001」)を使用し、各成分の配合量を表10に示すようにしたこと以外は、実施例1と同様にして粘着テープを作製した。結果を表10に示す。
【0087】
【表10】
Figure 0004669194
【0088】
平均粒子径の大きなシリカ(BY−001)を少量使用し、平均粒子径の小さな無機微粒子と併用すると(実施例17〜18)、適度の範囲内の粘着力で強い自着力を示す粘着テープを得ることができる。これに対して、平均粒子径が小さな無機微粒子を用いた場合(比較例17)や、平均粒子径が大きな無機微粒子でも、多量に配合した場合(比較例18)には、適度の対SUS粘着力を得ることができない。
【0089】
【発明の効果】
本発明によれば、所望の範囲内で適度の粘着力を有し、かつ、自着力が粘着力よりも大きい粘着テープが提供される。また、本発明によれば、比較的簡単な手段により、高い自着力を持ち、かつ、粘着力を所望の範囲内で安定的に制御することができる粘着テープの製造方法が提供される。本発明の粘着テープは、各種物品の結束などの広範な用途に使用することができる。

Claims (3)

  1. 基材上に粘着剤層が形成された粘着テープにおいて、
    (1)粘着剤層の平均厚みが10〜50μmの範囲内であり、
    (2)粘着剤層が、ゴム系粘着剤を粘着剤成分として含有するものであり、
    (3)粘着剤層がその平均厚みの70〜250%の範囲内に相当する長さの粒子径を有する微粒子(A)を、粘着剤全量基準で、0.23.0重量%の範囲内で含有しており、
    (4)粘着剤層が、平均粒子径が5μm以下の微粒子(B)をさらに含有しており、
    (5)粘着剤層の少なくとも表面部分が発泡状態にあり、
    (6)粘着テープのJIS Z−0237に従って、ステンレス板に対する粘着テープ試料(幅20mm)の粘着力を23℃で測定した対SUS粘着力が2.09.0N/20mmの範囲内であり、かつ、
    (7)粘着テープの自着力が対SUS粘着力よりも大きい、
    ことを特徴とする粘着テープ。
  2. ゴム系粘着剤が、スチレン系熱可塑性エラストマーを基剤として含有するものである請求項記載の粘着テープ。
  3. 基材上に粘着剤層が形成された粘着テープの製造方法において、
    (i)粘着剤層の平均厚みの70〜250%の範囲内の長さに相当する粒子径を有する微粒子(A)と粘着剤成分とを有機溶剤中に溶解または分散させた粘着剤溶液を調製する工程1、
    (ii)粘着剤溶液を基材上に塗工する工程2、及び
    (iii)40〜110℃の温度範囲内で第一段目の乾燥を行ない、次いで、110℃超過150℃以下の温度範囲内で第二段目の乾燥を行なう、基材上の塗工層を乾燥する工程3
    からなる一連の工程を含むことにより、
    (1)粘着剤層の平均厚みが10〜50μmの範囲内であり、
    (2)粘着剤層が、ゴム系粘着剤を粘着剤成分として含有するものであり、
    (3)粘着剤層がその平均厚みの70〜250%の範囲内に相当する長さの粒子径を有する微粒子(A)を、粘着剤全量基準で、0.23.0重量%の範囲内で含有しており、
    (4)粘着剤層が、平均粒子径が5μm以下の微粒子(B)をさらに含有しており、
    (5)粘着剤層の少なくとも表面部分が発泡状態にあり、
    (6)粘着テープのJIS Z−0237に従って、ステンレス板に対する粘着テープ試料(幅20mm)の粘着力を23℃で測定した対SUS粘着力が2.09.0N/20mmの範囲内であり、かつ、
    (7)粘着テープの自着力が対SUS粘着力よりも大きい、
    粘着テープを得ることを特徴とする前記粘着テープの製造方法。
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