JP4669099B2 - 皮膚化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、安定性及び安全性に優れ、NOラジカル消去能を有し、かつ美肌効果を有する皮膚化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
リスベラトロールは3、4’、5位に3つの水酸基を有するスチルベン化合物で、ピーナッツやレッドグレープ等の多くの食用植物に含まれている。特にレッドグレープや赤ワイン中には高い割合で含まれており、心臓病予防やアルツハイマー症予防等の種々の効果に寄与していると考えられている。また一方で、抗菌性成分として生薬イタドリ根からも単離されている。
【0003】
化粧料へのリスベラトロールの応用としては、リスベラトロールを含むポリヒドロキシスチルベン類を含有する美白化粧料が提案されており(特開平1−38009号公報)、WO99/04747では、ケラチノサイトの増殖を抑え、その分化を促進するとともに、α−ヒドロキシ酸による刺激を軽減し、しわ、荒れ肌、老化、光損傷等から皮膚を守る等のリスベラトロールの働きに着目したリスベラトロール含有化粧組成物が提案されている。
【0004】
また、リスベラトロールは制癌作用、抗炎症作用を有することも報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように多くの優れた作用を有するリスベラトロールであるが、スチルベン骨格という構造上、安定性にやや問題があり、遮光、低温下で保存しなければならず、皮膚感作性にも問題があった。
【0006】
係る状況下、本発明の目的とするところは、安定性・皮膚安全性が高く、NOラジカル消去能を有し、かつ美肌効果を有する皮膚化粧料を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、このような状況に鑑み、従来技術の難点を改良せんとして鋭意研究を重ねた結果、リスベラトロールを還元することにより得られるジヒドロリスベラトロールが実用上リスベラトロールと変わらない優れた作用を保持しながら、安全性及び安定性が格段に向上することを見出した。更に、このジヒドロリスベラトロールを配合することにより、安定性・皮膚安全性が高く、NOラジカル消去能を有し、かつ美肌効果を有する皮膚化粧料を提供できることを確認し本発明を完成した。
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の皮膚化粧料は、次のような構成を採る。即ち、本発明は下記構造式(1)で示されるジヒドロリスベラトロールを含有することを特徴とする皮膚化粧料にある。
【0009】
【化1】
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について詳述する。
【0011】
本発明に用いる上記一般式(1)で表わされるジヒドロリスベラトロールは、リスベラトロールの炭素−炭素二重結合を水素雰囲気下、パラジウムカーボン等を触媒に用いて還元することにより得ることができる。またクワ科クワ属のMorus spp.等の天然物から常法に従い取り出すことも可能である。
【0012】
本発明に係る化合物の皮膚化粧料中への配合量は、化粧料総量を基準として、好ましくは、0.01〜20.0質量%(以下、wt%とする)であり、更に好ましくは0.05〜10.0wt%である。
【0013】
化合物の配合量が0.01wt%未満では本発明の目的とする効果が十分に得られない場合があり、配合量が20.0wt%を越えても、その増加分に見合った効果の向上は望めない場合があり、使用時の感触が悪くなり易く、個々の剤型を保持し難くなる場合がある。
【0014】
本発明の皮膚化粧料は、一般に皮膚に塗布する形の化粧料の他、入浴剤として用いてもよい。剤型としては、一般に用いられる、水溶液、W/O型又はO/W型エマルション、適当な賦形剤等を用いて顆粒剤その他の粉末、錠剤等とすることが考えられ、具体的にはクリーム、乳液、化粧水、パック、ジェル、スティック、シート、パップ等が挙げられる。この皮膚化粧料は、例えば、乳液等の場合、油相及び水相をそれぞれ加熱溶解し、乳化分散して冷却する通常の方法により製造することができる。
【0015】
尚、本発明の皮膚化粧料には、上記の他、タール系色素、酸化鉄等の着色顔料、パラベン等の防腐剤、脂肪酸セッケン、セチル硫酸ナトリウム等の陰イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、多価アルコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤、テトラアルキルアンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤、ベタイン型、スルホベタイン型、スルホアミノ酸型、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム等の両イオン性界面活性剤、レシチン、リゾフォスファチジルコリン等の天然系界面活性剤、ゼラチン、カゼイン、デンプン、アラビアガム、カラヤガム、グアガム、ローカストビーンガム、ドラガカントガム、クインスシード、ペクチン、カラギーナン、アルギン酸ソーダ等の天然高分子、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース等の半合成高分子、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル及びコーポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ソーダ、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンオキシドポリマー等の合成高分子、キサンテンガム等の増粘剤、酸化チタン等の顔料、ジブチルヒドロキシトルエン等の抗酸化剤等を、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜配合することができる。
【0016】
【実施例】
以下、実施例、製造例及び比較例に基づいて本発明を詳細に説明する。尚、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0017】
<ジヒドロリスベラトロールの合成例>
リスベラトロール(SIGMA社製)0.62gをエタノール25mLに溶かし、パラジウムカーボン(10%パラジウム)20mgを加えて、水素雰囲気下(常圧)、室温で17時間激しく攪拌した。セライトを用いて反応液をろ過した後、ろ液を減圧濃縮し、本発明で用いるジヒドロリスベラトロール0.62gを白色結晶として得た。得られたジヒドロリスベラトロールの構造はNMR(図1)及びIRにて確認した。
【0018】
得られたジヒドロリスベラトロールを用いて下記の試験を行った。
【0019】
(1)安定性試験
ジヒドロリスベラトロール及びリスベラトロールの0.5wt%エタノール溶液を無色透明のガラス瓶に入れ密閉した後、太陽光のもと1時間放置した。その結果、リスベラトロールでは黄褐色への変色が認められたのに対し、ジヒドロリスベラトロールでは変色は認められず、前者と比較して優れた安定性を有していることが確認された。
【0020】
(2)安全性(感作性)試験
マキシミゼイションテストにより安全性(感作性)を評価した。体重350〜400gのハートレイ系モルモット(メス)肩甲骨上4×6cm2の皮膚を刈毛し、1列に3つの皮内注射を次の順序に従って2列に行った。
▲1▼ フロイント コンプリート アジュバンド(Freunds' Complete Ajuvant:以下FCA溶液と略記する)を左右2ヶ所に0.05mLずつ皮内注射する。
▲2▼ 本願発明のジヒドロリスベラトロールの5%エタノール溶液を左右2ヶ所に0.05mLずつ皮内注射する。
▲3▼ 本願発明のジヒドロリスベラトロール10%含有FCA溶液に同量の滅菌水を加え乳化した溶液を左右2ヶ所に0.05mLずつ皮内注射する。
これらの操作1週間後に同じ部位を刈毛し、10%ラウリル硫酸ソーダ含有ワセリンを塗布し、軽度の炎症を起こさせた。塗布24時間後に同部位にジヒドロリスベラトロールの10%エタノール溶液0.2mLをガーゼに塗布して、48時間閉塞貼付した。皮内注射後21日目に腹側部を刈毛し、ジヒドロリスベラトロールの5%エタノール溶液0.2mLを24時間閉塞貼付した。24時間後と48時間後に、下記の評価基準に従って肉眼判定により評価を行った。また、リスベラトロールについても同様の試験を実施した。
【0021】
症状 評価点
反応なし 0
軽度又は散在性の紅斑 1
中等度、微漫性の紅斑 2
強い紅斑に浮腫 3
【0022】
その結果、リスベラトロールでは軽度から中等度の紅斑の認められる感作性(反応率30%、平均評価点0.4)が見られたのに対し、ジヒドロリスベラトロールは感作性を有しないこと(反応率0%、平均評価点0.0)を確認した。
【0023】
(3)NOラジカル消去能試験
▲1▼ジヒドロリスベラトロールをジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させ、10%溶液となるように調製した。
▲2▼得られた溶液をもとに、0.001%、0.003%、0.01%、0.03%、0.1%の2倍量になるようにpH7.4のリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で希釈した。
▲3▼各濃度の溶液50μLに25μmol/LのSNAP(S-Nitroso-N-Acetylpenicillamine)溶液50μLを添加した。
▲4▼室温で2時間放置後、100μLのGriess試薬を添加し、プレートリーダーで550nmの吸光度を測定した。
そして、▲1▼においてジヒドロリスベラトロールを溶解させずに以下同様の処理を行った試料(コントロール)の吸光度に対するジヒドロリスベラトロールを溶解させた試料の吸光度の割合をNOラジカル消去能(%)として求めた。
【0024】
その結果を図2に示した。ジヒドロリスベラトロールは0.01%で2割、0.1%で4割のNOラジカル消去能が認められた。
【0025】
後記の実施例及び比較例の皮膚化粧料に関して実施した(4)連用官能試験の試験法は次の通りである。
【0026】
(4)連用官能試験
パネル3名の頬に試料0.4gを一日2回、一週間連用塗布した。その後、表2に示す項目について官能評価により、その効果を判定した。
【0027】
実施例1〜3、比較例1及び2(クリーム)
下記表1の組成からなる、皮膚化粧料を通常の乳化物の製造方法にて製造し、試料とした。
【0028】
【0029】
[表2]
官能評価
・刺激感
判定 評価
全く刺激感を感じなかった ○
やや刺激感を感じた △
刺激感を感じた ×
・美肌効果
判定 評価
肌がなめらかになった ○
肌がややなめらかになった △
変化なし ×
【0030】
実施例1〜3及び比較例1、2の官能評価結果を表3に示す。
【0031】
【0032】
【発明の効果】
以上記載の如く、本発明のジヒドロリスベラトロールを含有する皮膚化粧料は、安定性・安全性に優れ、NOラジカル消去能を有し、かつ美肌効果を有する皮膚化粧料として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いるジヒドロリスベラトロールの1H−NMRスペクトルを示す図である。
【図2】ジヒドロリスベラトロールのNOラジカル消去能試験の結果を示す図である。
Claims (2)
- ジヒドロリスベラトロールを含有することを特徴とする皮膚化粧料。
- ジヒドロリスベラトロールからなるNOラジカル消去剤。
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JP11-316451 | 1999-11-08 | ||
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