JP3849958B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮膚のメラニン生成抑制作用に加えて皮膚細胞賦活効果を有し、紫外線による皮膚の黒化やシミ,ソバカスといった皮膚の色素沈着の防止又は改善に有効で、さらに皮膚のしわや肌荒れを防止,改善する効果に優れる皮膚外用剤に関する。さらに詳しくは、コウジ酸及びその誘導体より成る群から選ばれる1種又は2種以上と、異性化糖の混合物を含有して成る皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、紫外線による皮膚の黒化や、シミ,ソバカスといった皮膚の色素沈着を防止又は改善するため、メラニン生成を触媒するチロシナーゼ活性を阻害したり、生成したメラニン色素を還元する作用を有する成分がスクリーニングされ、皮膚外用剤に配合されてきた。特に、コウジ酸及びその誘導体は安全性の高いメラニン生成抑制剤として、美白用化粧料や皮膚外用剤に使用されている(特開昭53−3538,特公昭56−18569,特公昭61−60801,特公昭60−9722,特公昭60−10005,特公昭61−10447等)。
【0003】
ところが、コウジ酸は皮膚外用剤基剤中における安定性に問題があり、コウジ酸及びその誘導体を皮膚外用剤に配合するに際しては、コウジ酸の劣化による経時的な着色を防止するため、紫外線吸収剤を併用する必要があった(特開昭62−108804)。さらに、紫外線による黒化をより有効に防止するべく、パラアミノ安息香酸系化合物,サリチル酸系化合物,メトキシ桂皮酸系化合物,ベンゾフェノン系化合物といった紫外線吸収剤を併用することも検討されている(特開平2−200622)。しかしながら、このような有機化合物系の紫外線吸収剤を皮膚外用剤に含有させると、皮膚刺激反応や皮膚感作反応、或いは光刺激又は光感作反応を引き起こすことがある。
【0004】
また皮膚のメラニン生成を抑制するのみではなく、紫外線をはじめ種々の内外的ストレスによる皮膚の老化や肌荒れをも防止,改善しなければ、皮膚を美しい状態に保つことはできないが、皮膚のメラニン生成を抑制し、さらに色素沈着を改善するとともに、皮膚細胞を賦活化して、しわや肌荒れの発生を防止,改善する機能を十分に兼ね備えた皮膚外用剤はあまり提供されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明においては、皮膚のメラニン生成及び色素沈着を有効に抑制し、且つ皮膚細胞を賦活して皮膚のしわや肌荒れを有効に防止及び改善することができ、しかも安定性及び安全性に優れ、使用感も穏和で良好な皮膚外用剤を得ることを目的とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため種々検討を行ったところ、コウジ酸及びその誘導体より選択した1種又は2種以上と、異性化糖の混合物とを併用することにより、有効な皮膚メラニン生成抑制及び色素沈着改善効果、及び皮膚細胞賦活効果が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明において皮膚外用剤に含有させるコウジ酸は、5-ヒドロキノン-2-(ヒドロキシメチル)-4H-ピラン-4-オンであり、三省製薬より提供されるものを使用する。またコウジ酸の誘導体としては、コウジ酸モノ酪酸エステル,コウジ酸モノカプリン酸エステル,コウジ酸モノパルミチン酸エステル,コウジ酸モノステアリン酸エステル等のコウジ酸のモノ脂肪酸エステル、コウジ酸ジ酪酸エステル,コウジ酸ジパルミチン酸エステル,コウジ酸ジステアリン酸エステル,コウジ酸ジオレイン酸エステル等のコウジ酸のジ脂肪酸エステル、コウジ酸モノ桂皮酸エステル,コウジ酸モノベンジル酸エステル等のコウジ酸と芳香族カルボン酸とのエステル、コウジ酸グルコシド,コウジ酸ガラクトシド,コウジ酸マルトシド等の、特開平5−213730号公報にて開示されたコウジ酸の配糖体を用いることができ、これらより1種又は2種以上を選択して皮膚外用剤に含有させる。皮膚外用剤への配合量としては、0.001〜10.0重量%程度の少量でよい。
【0008】
本発明においてコウジ酸及びその誘導体の1種又は2種以上とともに用いる異性化糖の混合物は、水酸化ナトリウム等の苛性アルカリにより異性化させた糖の混合物であり、グルコース及びラクトースの異性化物を主成分として含有するものである。ペンタファーム社から「ペンタバイティン」の商品名で市販されているものなどを用いることができる。皮膚外用剤への配合量としては、0.01〜10重量%程度が適切である。
【0009】
また本発明においては、コウジ酸類及び異性化糖の混合物に加えて、他の美白作用を有する成分を添加することができる。また本発明の特徴を損なわない範囲で、油類,界面活性剤,アルコール類,保湿剤,紫外線吸収剤,香料,抗酸化剤,防腐剤,色素,顔料等、一般的な皮膚外用剤及び化粧料用原料をも含有させることができる。
【0010】
本発明は、ローション剤,乳剤,ゲル剤,クリーム,軟膏等の剤型の皮膚外用剤として提供することができる。また、化粧水,乳液,クリーム,パック等の皮膚用化粧料,メイクアップベースローション,メイクアップベースクリーム,液状,クリーム状又は軟膏型のファンデーション等のメイクアップ化粧料、日焼け止めローション,日焼け止めクリーム等の日焼け止め化粧料、ハンドクリーム,レッグクリーム,ボディローション等の身体用化粧料としても提供し得る。
【0011】
【実施例】
さらに本発明の特徴について、実施例により詳細に説明する。
【0012】
まず、本発明で用いる異性化糖混合物の製造例を以下に示す。
【0013】
D-グルコース1kgに精製水2,000mlを加えて溶解し、攪拌しながら10(w/v)%水酸化ナトリウム水溶液10mlを加え、21℃〜23℃で密封静置する。その後、常にpHが9以上となるように10(w/v)%水酸化ナトリウム水溶液10mlずつを加えていき、合計60mlを添加した後、乳酸を加えてpHを6として反応を終了させ、I液とする。このI液は、L-グルコースとグルコース転換物(主としてフルクトース)の重量比にして約6:4の混合物である。
【0014】
次に、ラクトース1kgに精製水2,000mlを加えて溶解し、攪拌しながら10(w/v)%水酸化ナトリウム水溶液60mlを加え、21℃〜23℃で密封静置する。その後、常にpHが9以上となるように10(w/v)%水酸化ナトリウム水溶液10mlずつを加えていき、合計140mlを添加した後、乳酸を加えてpHを6として反応を終了させ、II液とする。このII液は、異性化ラクトースとラクトース減成物(主としてガラクトース)の重量比にして約5:5の混合物である。
【0015】
上記のI液とII液を重量比にして19:1の割合で混合し、異性化糖混合物とした。その組成を表1に示した。
【表1】
【0016】
続いて、本発明に係る皮膚外用剤の実施例の処方を示す。以下の実施例において、異性化糖混合物としては上記に示した製造例のものを用いた。
【0017】
[実施例1] 美白ローション
(1)エタノール 10.00(重量%)
(2)ヒドロキシエチルセルロース 1.00
(3)コウジ酸 0.05
(4)異性化糖混合物 5.00
(5)精製水 83.95
製法:(1)〜(4)を順次(5)に添加し、均一に混合,溶解する。
【0018】
[実施例2] 美白用乳剤
(1)ステアリン酸 0.2(重量%)
(2)セタノール 1.5
(3)ワセリン 3.0
(4)流動パラフィン 7.0
(5)ポリオキシエチレン(10E.O.)モノオレエート 1.5
(6)酢酸トコフェロール 0.5
(7)コウジ酸モノパルミチン酸エステル 0.2
(8)グリセリン 5.0
(9)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(10)トリエタノールアミン 1.0
(11)精製水 78.5
(12)異性化糖混合物 1.5
製法:(1)〜(7)の油相成分を混合,加熱して均一に溶解し、70℃に保つ。一方、(8)〜(11)の水相を混合,加熱して均一とし、70℃とする。この水相成分に前記油相成分を攪拌しながら徐々に添加して乳化し、冷却した後40℃にて(12)を添加,混合する。
【0019】
[実施例3] 美白用ゲル剤
(1)ジプロピレングリコール 10.0(重量%)
(2)カルボキシビニルポリマー 0.5
(3)水酸化カリウム 0.1
(4)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(5)アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩 1.0
(6)コウジ酸 0.1
(7)異性化糖混合物 2.0
(8)精製水 86.2
製法:(8)に(2)を均一に溶解させた後、(1)に(4)を溶解して(5)〜(7)とともに添加混合し、次いで(3)を加えて増粘させる。
【0020】
[実施例4] 皮膚用クリーム
(1)ミツロウ 6.0(重量%)
(2)セタノール 5.0
(3)還元ラノリン 8.0
(4)スクワラン 27.5
(5)グリセリル脂肪酸エステル 4.0
(6)親油型グリセリルモノステアレート 2.0
(7)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 5.0
モノラウレート
(8)コウジ酸ジ酪酸エステル 0.5
(9)プロピレングリコール 5.0
(10)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(11)異性化糖混合物 1.0
(12)精製水 35.9
製法:(1)〜(8)の油相成分を混合,溶解して75℃に加熱する。一方、(9)〜(12)の水相成分を混合,溶解して75℃に加熱する。次いで、上記水相成分に油相成分を添加して予備乳化した後、ホモミキサーにて均一に乳化し、冷却する。
【0021】
[実施例5] 水中油型乳剤性美白軟膏
(1)白色ワセリン 25.0(重量%)
(2)ステアリルアルコール 25.0
(3)グリセリン 12.0
(4)ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
(5)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(6)精製水 31.7
(7)コウジ酸グルコシド 0.2
(8)異性化糖混合物 5.0
製法:(1)〜(4)の油相成分を混合,溶解して均一とし、75℃に加熱する。一方、(5)及び(6)の水相成分を混合,溶解して75℃に加熱し、これに前記油相成分を添加して乳化し、冷却後40℃にて(7),(8)を添加,混合する。
【0022】
[実施例6] 美白化粧水
(1)エタノール 10.00(重量%)
(2)1,3-ブチレングリコール 5.00
(3)コウジ酸マルトシド 0.02
(4)異性化糖混合物 0.75
(5)香料 0.10
(6)精製水 84.13
製法:(1)〜(5)を順次(6)に添加し、均一に混合,溶解する。
【0023】
[実施例7] 美白用油中水型クリーム
(1)流動パラフィン 30.00(重量%)
(2)マイクロクリスタリンワックス 2.00
(3)ワセリン 5.00
(4)コウジ酸ジパルミチン酸エステル 0.02
(5)コウジ酸モノステアリン酸エステル 0.02
(6)ジグリセリルジオレエート 5.00
(7)L-グルタミン酸ナトリウム 1.60
(8)L-セリン 0.40
(9)プロピレングリコール 3.00
(10)パラオキシ安息香酸メチル 0.10
(11)異性化糖混合物 0.50
(12)精製水 52.26
(13)香料 0.10
製法:(7),(8)を(12)の一部に溶解して50℃とし、50℃に加熱した(6)に攪拌しながら徐々に添加する。これをあらかじめ混合し70℃に加熱溶解した(1)〜(5)に均一に分散し、これに(9)〜(11)を(12)の残部に溶解して70℃に加熱溶解したものを攪拌しながら添加し、ホモミキサーにて乳化する。冷却後、40℃にて(13)を添加混合する。
【0024】
[実施例8] 美白用パック剤
(1)ポリビニルアルコール 15.00(重量%)
(2)カルボキシメチルセルロース 5.00
(3)1,3-ブチレングリコール 5.00
(4)ポリオキシエチレン(20E.O.)オレイルエーテル 0.25
(5)エタノール 12.00
(6)パラオキシ安息香酸メチル 0.10
(7)香料 0.10
(8)精製水 59.51
(9)コウジ酸 0.04
(10)異性化糖混合物 3.00
製法:(8)に(3)を添加後75℃に加熱する。これに(1),(2)を添加溶解し、次いで(4),(6),(7)を(5)に溶解して加え、冷却後40℃にて(9),(10)を添加,混合する。
【0025】
[実施例9] 美白用メイクアップベースクリーム
(1)ステアリン酸 12.00(重量%)
(2)セタノール 2.00
(3)グリセリルトリ2-エチルヘキサノエート 2.50
(4)自己乳化型グリセリルモノステアレート 2.00
(5)プロピレングリコール 10.00
(6)水酸化カリウム 0.30
(7)パラオキシ安息香酸メチル 0.10
(8)精製水 67.48
(9)二酸化チタン 1.00
(10)ベンガラ 0.10
(11)黄酸化鉄 0.40
(12)香料 0.10
(13)コウジ酸ガラクトシド 0.02
(14)異性化糖混合物 2.00
製法:(1)〜(4)の油相成分を混合し、75℃に加熱して均一とする。一方(5)〜(8)の水相成分を混合し、75℃に加熱,溶解して均一とし、これに(9)〜(11)の顔料を添加し、ホモミキサーにて均一に分散させる。この水相成分に前記油相成分を添加し、ホモミキサーにて乳化した後冷却し、40℃にて(12)〜(14)を添加,混合する。
【0026】
[実施例10] 美白用液状ファンデーション
(1)ステアリン酸 2.00(重量%)
(2)スクワラン 5.00
(3)ミリスチン酸オクチルドデシル 5.00
(4)セタノール 1.00
(5)ポリグリセリルモノイソパルミテート 9.00
(6)1,3-ブチレングリコール 6.00
(7)水酸化カリウム 0.10
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.10
(9)精製水 51.68
(10)酸化チタン 9.00
(11)ベンガラ 7.40
(12)黄酸化鉄 0.50
(13)黒酸化鉄 1.10
(14)香料 0.10
(15)コウジ酸 0.02
(16)異性化糖混合物 2.00
製法:(1)〜(5)の油相成分を混合し、75℃に加熱して均一とする。一方(6)〜(9)の水相成分を混合し、75℃に加熱,溶解して均一とし、これに(10)〜(13)の顔料を添加し、ホモミキサーにて均一に分散させる。この水相成分に前記油相成分を添加し、ホモミキサーにて乳化した後冷却し、40℃にて(14)〜(16)を添加,混合する。
【0027】
[実施例11] 日焼け止め用乳液
(1)オレイルオレエート 5.0(重量%)
(2)ジメチルポリシロキサン 3.0
(3)ワセリン 0.5
(4)セタノール 1.0
(5)ソルビタンセスキオレエート 0.8
(6)ポリオキシエチレン(20E.O.)オレイルエーテル 1.2
(7)パラメトキシ桂皮酸2-エチルヘキシル 2.0
(8)オキシベンゾン 3.0
(9)ジプロピレングリコール 6.0
(10)ヒドロキシエチルセルロース 0.3
(11)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(12)精製水 69.9
(13)エタノール 3.0
(14)香料 0.1
(15)コウジ酸 0.1
(16)異性化糖混合物 4.0
製法:(1)〜(8)の油相成分を混合,溶解して70℃とする。一方、(9)〜(12)の水相成分を混合,溶解して70℃とし、これに前記油相成分を攪拌しながら徐々に添加して乳化する。冷却後、40℃にて(13)〜(16)を添加,混合する。
【0028】
[実施例12] 美白用ハンドクリーム
(1)ステアリン酸 3.00(重量%)
(2)グリセリルモノステアレート 3.00
(3)セタノール 2.00
(4)流動パラフィン 6.00
(5)ワセリン 3.00
(6)コウジ酸モノ桂皮酸エステル 0.10
(7)グリセリン 10.00
(8)1,3-ブチレングリコール 5.00
(9)水酸化カリウム 0.25
(10)パラオキシ安息香酸メチル 0.10
(11)異性化糖混合物 2.50
(12)精製水 64.80
(13)アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩 0.25
製法:(1)〜(6)の油相成分を混合,溶解して75℃とする。一方、(7)〜(12)の水相成分を混合,溶解して75℃とし、これに前記油相成分を攪拌しながら徐々に添加して乳化する。冷却後、40℃にて(13)を添加,混合する。
【0029】
上記本発明の実施例のうち、実施例1〜実施例5について色素沈着症状の改善効果を評価した。その際、実施例1〜実施例5において表2に示す美白成分を配合し、精製水にて全量を100重量%とした比較例1〜比較例5についても、同時に評価を行った。色素沈着症状の改善効果は、顕著なシミ,ソバカス等の色素沈着症状を有する女性パネラー20名を1群とし、各群に実施例及び比較例をそれぞれブラインドにて1日2回ずつ1カ月間使用させ、1カ月後の皮膚の色素沈着の状態を観察して使用前と比較して評価した。色素沈着の状態は表3に示す判定基準に従って評価し、20名の平均値を算出して表4に示した。
【表2】
【表3】
【0030】
【表4】
表4において明らかなように、本発明の実施例使用群ではいずれにおいても、使用試験終了後の色素沈着症状は軽度と評価される程度にまで改善されており、明確な色素沈着症状の改善が認められていた。これに対し、コウジ酸類のみを含有する比較例1,比較例4及び比較例5使用群では色素沈着症状の改善は認められたが、その程度は実施例1,実施例4及び実施例5の各使用群に比べて低く、異性化糖混合物のみを含有する比較例2及び比較例3使用群では、色素沈着症状の有意な改善は認められなかった。
【0031】
次に、顕著な肌荒れ症状を有する女性パネラー20名を1群として、各群に実施例及び比較例をそれぞれブラインドにて1カ月間1日2回ずつ使用させ、皮膚のしわ及び肌荒れの改善状況を観察した。使用前後の皮膚のしわ及び肌荒れの状態はマイクロスコープによる写真撮影及びレプリカ法により観察し、表5に示す評価基準に従って評価し、20名の平均値を算出して表6に示した。
【表5】
【0032】
【表6】
表6より明らかなように、本発明の実施例使用群ではいずれにおいても良好な皮膚のしわ及び肌荒れ改善効果が認められ、ほとんどのパネラーにおいて皮膚はほぼ健康な状態にまで回復していた。これに対し、混合異性化糖のみを含有する比較例2及び比較例3使用群では肌荒れの改善は認められるものの、その改善度は実施例2及び実施例3の各使用群に比べて低く、コウジ酸類のみを含有する比較例1,比較例4及び比較例5使用群では、有意な肌荒れ改善は認められていなかった。また皮膚のしわの改善は、いずれの比較例使用群においても認められていなかった。
【0033】
続いて、本発明の実施例11及び実施例12を用いて、色素沈着,皮膚の老化及び肌荒れの防止効果を評価した。実施例11において、異性化糖混合物を精製水で代替したものを比較例11、実施例12においてコウジ酸モノ桂皮酸エステルを流動パラフィンで代替したものを比較例12とし、実施例とともに戸外で作業することの多いパネラーによる使用試験を行った。パネラーとしては、日常戸外で作業する20才〜50才代の男女を選択し、1群20名とした。各群のパネラーにそれぞれブラインドにて実施例及び比較例を1日2回使用させ、1カ月後の皮膚の色素沈着状態及び皮膚の状態を上記表3及び表5に示す判定基準に従って評価し、試験開始前と比較した。なお、使用試験は紫外線量の多い5月に行った。結果は20名の平均値にて表7及び表8に示した。
【0034】
【表7】
【表8】
表7及び表8において、本発明の実施例使用群では、戸外作業中被曝する紫外線により生じる色素沈着が顕著に抑制されているばかりか、色素沈着症状の改善も認められていた。さらに、皮膚のしわや肌荒れの悪化も防止され、改善効果も認められていた。これに対し、比較例11使用群では皮膚の色素沈着の防止効果は認められていたが、肌荒れの有意な防止は認められなかった。一方、比較例12使用群では肌荒れの防止効果は若干認められたが、有意な色素沈着防止効果は認められていなかった。皮膚のしわの悪化防止については、いずれの比較例においても認められなかった。
【0035】
また、本発明の実施例については、調製時に顕著な着色や異臭を生じることはなく、室温にて1年以上保存した後にも、外観変化及び色素沈着症状,肌荒れ,皮膚のしわの防止,改善効果の低下は認められなかった。さらに、皮膚に対し刺激性,感作性,光感作性等の悪影響も認められなかった。
【0036】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明により、皮膚のメラニン生成抑制作用に加えて皮膚細胞賦活効果を有し、紫外線による皮膚の黒化やシミ,ソバカスといった皮膚の色素沈着の防止又は改善に有効で、さらに皮膚のしわや肌荒れを防止,改善する効果に優れる皮膚外用剤を得ることができた。
Claims (3)
- コウジ酸及びその誘導体より成る群から選ばれる1種又は2種以上と、異性化糖の混合物とを含有して成る皮膚外用剤。
- 異性化糖の混合物が、グルコース及びラクトースの異性化物を主成分とすることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚外用剤。
- 皮膚外用剤が、化粧料であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の皮膚外用剤。
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