JP4668032B2 - 定着装置、及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置とそれに用いられる定着装置に係り、詳しくは、トナーを形成する樹脂粒子を軟化させる軟化剤をトナーに付与することでトナーを軟化させ、記録体上にトナーを定着する定着装置、及びこの定着装置を備えた画像形成装置とに関するものである。
従来から、記録体上のトナーを加熱して融解し、これを加圧することでトナーを記録媒体上に定着させる熱定着方式を採用した画像形成装置が知られている。この種の画像形成装置では、その消費電力の多くが定着部での加熱処理のために消費される。よって、定着部での電力消費を抑えることが画像形成装置全体の省エネ対策として有効である。
熱定着方式を採用しない定着方式として、トナーを形成する樹脂粒子を軟化させる軟化剤を用いて定着処理を行うケミカル定着方式が知られている。このケミカル定着方式は、トナーに定着液を付与してこれを軟化することで、トナーを記録材上に定着させるものである。この方式においては、熱定着方式のような大量の電力消費を伴う加熱処理が不要となるため、省エネ対策として優れた定着方式であると言える。また、熱定着方式のようなウォームアップ時間も不要であるため、クイックスタートが可能である。ケミカル定着方式を採用する画像形成装置としては、特許文献1及び特許文献2に開示された軟化剤を含有する定着液を用いた湿式定着方式の画像形成装置がある。
特開2004−294847号公報 特開2004−109749号公報
しかしながら、近年の画像形成の高速化の要望に伴い、クイックスタートのみならず、画像一つ一つの定着速度の高速化が望まれている。そして、トナー像とキャリア液からなる液体現像剤を用いて形成されたトナー像のトナーは、キャリア液に覆われている状態であるため軟化剤がキャリア液に浸透しにくいと、軟化剤がトナーに到達するまでに長い時間を要し、定着速度の高速化を実現することができない。
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、トナーとキャリア液からなる液体現像剤を用いて形成されたトナー像に軟化剤を付着させてトナー像を記録体に定着する際の定着速度の高速化を実現することができる定着装置と、この定着装置を備えた画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、トナーとキャリア液からなる液体現像剤を用いてトナー像が形成された記録体に定着液を供給することで、該記録体上に該トナー像を定着させる定着装置において、上記定着液は、上記トナーを溶解または膨潤させる性質を有する軟化剤としてアジピン酸ジイソブチルを50[wt%]含有し、希釈液の成分としてジメチルシロキサンを50[wt%]含有することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、潜像担持体と、該潜像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像担持体上の潜像を現像しトナー像を形成する現像手段と、該潜像担持体上のトナー像を転写材上に転写する転写手段と、該転写手段により転写材に転写されたトナー像を定着する定着手段とを備える画像形成装置において、該定着手段として、請求項1の定着装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記定着装置は、上記トナー像が転写された後の上記記録体に上記軟化剤を供給することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記定着装置は、上記トナー像が転写される前に上記記録体に上記軟化剤を供給することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記定着装置は、上記記録体に転写される前の上記潜像担持体上の上記トナー像に上記軟化剤を供給することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記転写手段は、その表面に上記潜像担持体から上記トナー像が転写され、転写された該トナー像を上記転写材上に転写する中間転写体を備え、上記定着装置は、該潜像担持体から転写され、該記録体に転写される前の該中間転写体上の該トナー像に上記軟化剤を供給することを特徴とするものである
上記請求項1乃至6の定着装置においては、軟化剤がキャリア液に対して親和性を有しているため、軟化剤がキャリア液に浸透しやすく、軟化剤が液体現像剤中のトナーに到達するまでの時間を短縮できるため、トナーを軟化する時間を短縮することができる。
請求項1乃至6の発明によれば、トナーを軟化する時間を短縮することができるので、定着速度の高速化を実現することができるという優れた効果がある。
[実施形態1]
以下、本発明を液体現像剤を用いた電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置という)に適用した場合の実施形態1について説明する。
図1は、実施形態1に係る画像形成装置としてのプリンタ100の要部概略構成図である。プリンタ100は、潜像担持体として感光体ドラム1のまわりに、帯電装置20、レーザー光Lを感光体ドラム1に照射する図示しない露光装置、現像装置40、転写装置50、ドラムクリーニング装置60等が配設されている。感光体ドラム1はその表面がアモルファスシリコン(a−Si)によって形成される。感光体ドラム1の材質としてはOPC等も使用することできる。また、露光装置としてはLEDやレーザー走査光学系等が使用できる。転写装置50は記録体である転写紙Pにトナー像を転写するものであり、転写装置50から転写紙Pの搬送方向下流側には定着装置90が設けられている。
なお、感光体ドラム1として、アモルファスシリコン層を有する感光体ドラムを用いることで、有機感光体(OPC)のように、軟化剤に溶解・膨潤するおそれもなく、有機感光体よりも優れた機械的強度を発揮し、その寿命を長くすることができる。
次に、プリンタ100での画像形成動作について説明する。感光体ドラム1は、図示しないモータ等の駆動手段によって複写時には一定速度で矢印方向に回転駆動される。感光体ドラム1表面はその回転移動に伴い、帯電装置20のコロナ放電によって一様に帯電される。なお、帯電装置20としてはこのようなコロナ放電による帯電を実現するものの他、感光体ドラム1に接触させた帯電ローラなどの帯電部材によって所定の帯電バイアスを印加する方式のものを用いてもよい。
帯電装置20によって、一様帯電された感光体ドラム1の表面は画像情報に基づいて、露光装置からレーザー光Lが照射されて静電潜像を担持する。これら静電潜像は、液体現像剤を用いる現像装置40の現像ローラ42と対向する領域を通過する間に現像される。
静電潜像に現像されたトナー像は、感光体ドラム1の回転に伴い、転写装置50と対向する位置に達する。転写装置50は、中間転写ローラ51によって感光体ドラム1に向けて押圧して一次転写ニップを形成している。中間転写ローラ51にトナーの帯電極性とは逆極性の転写バイアスを印加する図示しない電源等を備えており、プリント時には中間転写ローラ51を図中矢印方向に回転移動させる。一次転写ニップには、転写バイアスが印加される中間転写ローラ51と感光体ドラム1の表面との電位差によって転写電界が形成される。感光体ドラム1の回転に伴って一次転写ニップに進入したトナー像は、この転写電界やニップ圧の作用を受けて中間転写ローラ51上に一次転写される。
このようにして一次転写されたトナー像は、中間転写ローラ51と二次転写ローラ55とによって形成される二次転写ニップや転写電界によって、不図示の記録体搬送部材によって搬送された転写紙Pに二次転写される。トナー像が転写された転写紙Pは、詳細は後述する定着装置90で軟化剤を含む定着剤としての定着液が供給され定着せしめられる。トナー像が定着した転写紙Pは、定着装置90から排紙経路を経て機外へと排出される。
一次転写ニップを通過した感光体ドラム1の表面は除電ランプ70により残留電荷が除電される。除電ランプ70により除電された感光体ドラム1の表面は、ドラムクリーニング装置60のクリーニングブレード61によって残留している液体現像剤が掻き取り除去される。この除去により、感光体ドラム1の表面は初期化せしめられ、次の作像を実現することが可能になる。
次に、現像装置40の構造について説明する。この装置は現像剤収容タンク41、一対の攪拌スクリュ46、アニロクスローラ44、現像ローラ42、中間ローラ43、ドクターブレード49、現像クリーニングブレード48等を備えている。
現像装置40は、キャリア液としての50[mPa・s]の粘度のジメチルポリシロキサンオイル中にトナーが分散された液体現像剤を用いて、感光体ドラム1表面上の静電潜像をトナー像に現像する。
この現像剤の粘度及びトナー固形分率の範囲としては、例えば粘度が50[mPa・s]から5000[mPa・s]、トナー固形分率が5[%]から40[%]のものを用いる。キャリア液としては、シリコーンオイル、ノルマルパラフィン、IsoparV(エクソン商標)、植物油、鉱物油等の絶縁性が高いものを使用する。揮発性、不揮発性については、目的に合わせて選択することができる。
有色粒子であるトナーは、主に、スチレンアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、等の樹脂と、有色微粒子である着色顔料(ジスアゾイエロー、キナクリドン、銅フタロシアニン又はカーボンブラック等)とからなり、さらに電荷制御剤及び分散剤が配合されてもよい。その平均粒径は約3[μm]に調整されているが、サブミクロンから6μm]程度まで目的に合わせて選択してもよい。
一対の攪拌スクリュ46は、現像剤収容タンク41内の液体現像剤45中に浸るように互いに平行配設され、図中矢印で示されるように、図示しない駆動手段によって互いに逆方向に回転駆動せしめられる。現像装置40が現像動作に入ると、これら攪拌スクリュ46がこのように互いに逆回転し、現像剤収容タンク41内の液体現像剤45が攪拌せしめられる。この攪拌により、液体現像剤45は、そのトナー濃度や粘度が均一化する。
また、攪拌スクリュ46が互いに逆回転することで、両者の間で図示のように液体現像剤の液面が盛り上がり、その上方に配設されたアニロクスローラ44に付着する。
塗布ローラとしてのアニロクスローラ44は、図示しない駆動手段によって図中矢印方向に回転駆動せしめられながら、上述のようにして付着した液体現像剤45を汲み上げる。このアニロクスローラ44の周面には、図示しない複数の凹部が形成されている。アニロクスローラ44によって汲み上げられた液体現像剤45の一部は、この凹部内に収容される。
このアニロクスローラ44の表面にはステンレス等の金属で形成された規制ブレードとしてのドクターブレード49が当接しており、アニロクスローラ44上の余分な液体現像剤45を掻き取る。この掻き取りにより、アニロクスローラ44上の液体現像剤45の量が複数の凹部の容量に応じた値に正確に計量される。
中間ローラ43は、ドクターブレード49との当接部を通過したアニロクスローラ44表面に接触し、接触部でアニロクスローラ44と同方向に表面移動するように回転している。中間ローラ43とアニロクスローラ44との接触位置である塗布ニップでは、両ローラが互いに同方向に表面移動しながら接触し、且つ、アニロクスローラ44上の液体現像剤45がその粘度にかかわらず正確に計量されているため、中間ローラ43上に均一な厚みの現像剤薄層を形成することができる。
なお、中間ローラ43を用いてアニロクスローラ44で汲み上げた液体現像剤45を現像ローラ42に供給する構成では、ドクターブレード49を省略してもよい。これは、アニロクスローラ44と中間ローラ43とが当接するニップ部を通過することにより、余分な液体現像剤45が規制されるためである。
現像ローラ42は、中間ローラ43に接触しながら接触部で中間ローラ43と逆方向に表面移動するように回転する。中間ローラ43と現像ローラ42との接触位置であるニップでは、両ローラが互いにカウンター方向に表面移動しながら接触し、中間ローラ43上に形成された現像剤薄層が現像ローラ42に転移される。
また、ニップの出口側で現像ローラ42に対する液体現像剤の供給が開始される一方で、現像ローラ42上に移った液体現像剤45が供給方向とは逆方向に移動する。このような塗布により、現像ローラ42の表面には液体現像剤45からなる均一な厚みの現像剤薄層が形成される。
現像ローラ42は、その周面に導電性のウレタンゴム等からなる導電弾性層が設けられており、感光体ドラム1と等速に回転しながらこれに接触して現像ニップを形成している。この現像ニップには、図示しない電源からトナーの帯電極性と同極性の現像バイアスが印加される現像ローラ42と、感光体ドラム1との電位差によって現像電界が形成される。具体的には、現像ニップでは、現像ローラ42、感光体ドラム1の地肌部及び静電潜像がそれぞれトナーと同極性の電位を帯び、その値が地肌部、現像ローラ42、静電潜像の順に低くなっている。このため、地肌部と現像ローラ42との間では、トナーを電位のより低い現像ローラ42に向けて静電的に移動させるような電界が形成される。また、現像ローラ42と静電潜像との間では、トナーを電位のより低い静電潜像に向けて移動させるような電界が形成される。このような現像電界が形成される現像ニップでは、現像剤薄層中のトナーが、現像ローラ42と地肌部との間で現像ローラ42の表面に向けて電気泳動をして集結するとともに、現像ローラ42と静電潜像との間で静電潜像に向けて電気泳動をして付着する。この付着により、静電潜像が現像されてトナー像となる。
現像終了後の現像ローラ42に残留する現像液薄層は、現像ローラ42と中間ローラ43とのニップ部で中間ローラ43に受け渡され、現像クリーニングブレード48によって、中間ローラ43の表面から除去され、重力によって現像剤収容タンク41内部に戻る。
次に感光体ドラム1の表面の余剰トナーを除去する感光体スイープ装置30について説明する。図1に示すようにプリンタ100は現像装置40から感光体ドラム1の表面移動方向下流側、且つ、転写装置50から感光体ドラム1の表面移動方向上流側に感光体スイープ装置30を備えている。感光体スイープ装置30は、スイープローラ32、スイープクリーニングブレード33、キャリア回収装置34等を備えている。
スイープローラ32は外周面に導電性を有する弾性体の層が設けられている。この弾性体の層の材質としてはウレタンゴムを用いることができる。この弾性体の層のゴム硬度としては、JIS−A硬度で50度以下であることが望ましい。この材質はウレタンゴムに限られるものではなく、導電性を有するものであって、且つ溶剤で膨潤したり溶解したりしない材質であればよい。また、弾性体の層をスイープローラ32に設ける構成ではなく、弾性体の層を感光体側に設ける構成であってもよい。さらに、感光体を無端ベルト状部材で構成してもよい。また、スイープローラは、コーティングもしくはチューブにより、その表面がRz=3[μm]以下の平滑性を有するように構成されている。
スイープローラ32を感光体ドラム1に対して適当な圧力で当接させると、スイープローラ32の弾性体の層が弾性変形し、除去ニップを形成する。当接圧力を調整することでニップ部における表面移動方向の大きさであるニップ幅を調整することができる。
上述したように、現像ニップの現像ローラ42上の地肌部との間において、現像剤薄層中のトナーは、現像ローラの表面に向けて電気泳動して集結するため、理論的には地肌部には付着しない。しかし、通常よりも帯電量の少ないトナーが他のトナーよりも遅れて電気泳動するなどして、地肌部に付着していわゆるカブリ(地汚れともいう)という現象を引き起こす場合がある。
感光体スイープ装置30の機能のひとつとして、このようなカブリを引き起こしたカブリトナーを感光体ドラム1から除去する機能がある。具体的には、スイープローラ32は、感光体ドラム1と略等速に回転しながらこれに接触して除去ニップ部を形成し、この除去ニップ部には、図示しない電源からトナーの帯電極性と同極性の除去バイアスが印加され、感光体ドラム1との電位差によってスイープ電界が形成される。
次に、転写装置50について説明する。
転写装置50は、感光体ドラム1からトナー像を転写される中間転写体である中間転写ローラ51、中間転写ローラ51から転写紙Pにトナー像を転写する二次転写ローラ55とから主に構成されている。また、中間転写ローラ51には、中間転写体スイープローラを備えてもよい。
中間転写体スイープローラとしては中間転写体に現像剤を介して接触し、表面が中間転写ローラ51と対向する位置で同方向に移動するよう回転方向を制御する。中間転写体スイープローラには、トナーと同極性のバイアスを印加して、現像剤層に接触すると、キャリア液は付着するが、トナーは付着しないようにする(例えば、プラストナーの時、中間転写体に−300[V]、スイープローラには100[V])。トナーと同極性で放電する程度のバイアスを印加する方法もある。また、キャリア液が付着するので、中間転写ローラ51、二次転写ローラ55、及び中間転写体スイープローラにはそれぞれ金属ブレードもしくはゴムブレードからなるクリーニング部材が備えられており、それぞれのローラに付着したキャリア液を除去する。各クリーニング部材はブレードに限らずローラ式であってもよい。
中間転写ローラ51の構成は、金属など導電性のドラムに、ゴムや樹脂などからなる導電性の弾性体層を形成し、それだけでもよいが、望ましくは、さらに表層に、タックや表面凹凸少なく、抵抗を調節する層を設けるとよい。また導電性のゴムや樹脂などからなるベルト状のものでもよい。ベルト状のものの場合も、表層に、上述のような層を設けても良い。中間転写体がドラム状の場合、回転制度が良く、位置再現性が良い、高圧力をかけやすい等の利点がある。一方、中間転写体がベルト状の場合、カラー用など、複数の感光体から一つの中間転写体に転写する場合や、ニップ幅を広く形成したい場合に有利である。弾性体導電層の材料の例としては、ヒドリン、ウレタン、NBR、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、EPDM等がある。各弾性体の層の材質は上記のものに限られるものではなく、導電性を有するものであって、かつキャリア液・現像剤で膨潤したり溶解したりしない材質であればよい。また、その表面が導電性を有し、かつキャリア液・現像剤で膨潤したり溶解したりしない材質であり、その内層にキャリア液・現像剤が接触しないような構成であれば、その内層としての、各弾性体の層の材質は、上述の導電性・膨潤溶解の制約なく、弾性を有していればよい。このとき、中間転写体に印加するバイアス電圧は、中間転写体の軸からではなく、表面から印加する必要がある。弾性体の層のゴム硬度としては、JIS−A硬度で50度以下であることが望ましい。これは転写ニップを設けるためであり、ベルト状の中間転写体を用いる場合は、シートとして駆動、曲げ等、機能する程度の硬度であればよい。
中間転写ローラ51の表面粗さは、十点平均粗さで、0〜4[μm]がよい。これは、中間転写ローラ51上でのトナー像の厚さは、液体現像剤を用いた場合、5[μm]以下、時には2[μm]ほどになる場合もあり、トナー像厚さより表面が粗いと、画像が壊されてしまうためである。そして、さらに望ましくは、十点平均粗さ1〜2[μm]がよい。また、表面粗さが低すぎるとタックが増える場合がある。
中間転写ローラ51の電気抵抗は、体積抵抗率、1×10〜1×1011[Ω・cm]の範囲内にあれば、感光体ドラム1からの転写(一次転写)、転写紙Pへの転写(二次転写)ともに、良好だが、望ましくは1×10〜1×1010[Ω・cm]の範囲だと転写抜けが少なく、電力も少なくて済む。1×10[Ω・cm]以下では、湿度等の環境によって転写ぬけする場合があり、1×1010[Ω・cm]以上では、環境によって、異常放電を起こす場合や、電力的に無駄な場合がある。表面抵抗率は、1×10〜1×1012[Ω/□]、望ましくは1×1010〜1×1011[Ω/□]である。これらの体積抵抗率、表面抵抗率は、三菱化学、高抵抗計(ハイレスタUP MCP−HT450型、測定用プローブ:UR−SS)を用い、250[V]印加にて10秒後の値を測定した。
中間転写ローラ51の材料について、表面粗さ、表面の滑り等の問題がある場合は、表面に別の層(表層)を設けるとよい。弾性体を用いた場合、表面粗さをよくするのは困難になり、タックも強くなってくる。そこで、そのような問題を解決できるように、例えばフッ素系樹脂を用いた厚さ数[μm]〜数[mm]のコート層や、フィルム層、別素材の弾性層を設けると良い。この場合、中間転写ローラ51は、基体+弾性層+表層の3層から成る。中間転写ローラ51で例を挙げると、基体が金属ドラムであり表層を設けた後の中間転写体全体の抵抗率が上述した体積抵抗率、表面抵抗率となるように調整し、弾性層の抵抗率は、時定数を下げるために、なるべく低い方がよい。
感光体ドラム1から中間転写ローラ51へトナー像を転写するための一次転写バイアスは、トナーとは逆極性(−)で図示しないバイアス電源から印加される。その電位差は例えば+100[V]〜+500[V]の範囲である。また、帯電トナーや中間転写ローラ51の材料によってその適正値は変わる。
中間転写ローラ51から転写紙Pへの二次転写は、記録体転写部材としての二次転写ローラ55および二次転写ローラ55に接続された不図示の二次転写電源などから構成する二次転写部にて行われる。二次転写ローラ55としては金属ローラや、ヒドリンやNBR等から成るJIS−A硬度30〜70度のゴムローラが用いられる。そして、二次転写ローラ55の体積抵抗率は、1×10〜1×10[Ω・cm]の範囲がよい。体積抵抗率が低すぎると、転写紙Pの抵抗が低い場合や、中間転写ローラ51との間に転写紙Pがない部分で、直接中間転写ローラ51に当接し、電位差を保つことができず、転写率が低下する場合がある。体積抵抗率が高すぎると高電圧が必要となる。さらに、異常放電を起こす等により、転写率が低下する場合がある。
中間転写ローラ51上に担持されたトナー像を転写紙Pに転写する二次転写工程では、二次転写ローラ55が不図示の搬送ベルトを挟んで中間転写ローラ51に当接し、当接ニップを形成している。そして、図示しない給紙カセットから搬送ベルトによって搬送された転写紙Pが、中間転写ローラ51と二次転写ローラ55との当接ニップに所定のタイミングで給送され、これに合わせて二次転写バイアスが図示しないバイアス電源から二次転写ローラ55に印加される。この二次転写バイアスにより、中間転写ローラ51から転写紙Pへトナー画像が転写される。
二次転写ローラ55に印加する二次転写電圧は、中間転写ローラ51に印加する電圧に対して、トナーと逆極性で、電位差が+200[V]〜+3000[V]となるように印加する。湿度などの環境や、転写紙P等の記録体の厚さや素材、含水量等の状態、トナーの電荷量、現像剤量、現像剤中のキャリア液量などのいろいろな条件によって適正値は変化する。各種記録体に対応できるように定電流制御するのもよい。定電流制御を行う際の電流の値は条件によって適正値は変わるが約100〜1000[μA]くらいで適正な転写が得られることが多い。実施形態1では、200〜300[μA]の定電流制御で作像した。転写紙Pへの画像転写終了後、中間転写ローラ51上の転写残トナーは、中間転写体クリーニングブレード52等が当接されることによりクリーニングされる。
二次転写ニップを通過し、トナー画像の転写を受けた転写紙Pは、定着装置90へ導入され、トナーを形成する樹脂粒子を軟化させる特性を備える軟化剤を希釈剤としての希釈液で希釈した定着液93を塗布され、定着された後、機外へと排出される。また、軟化剤が定着液93の液体成分に難溶性で、軟化剤をこの液体成分に分散させた定着液93を用いてもよい。以下、軟化剤を分散させる分散剤である液体成分を分散液と呼ぶ。
図1に示すように、実施形態1のプリンタ100は、転写紙Pの表面移動方向において二次転写部の下流側に定着装置90が配置されている。この定着装置90は、転写紙Pの表面に対し、現像剤と定着液93を介して接するように対向配置される定着液塗布手段としての定着ローラ91を備えている。定着装置90は、定着ローラ91が転写紙Pの表面に対して近接したり離間したりできるように、図示しない駆動機構によって移動可能な構成となっている。また、定着装置90の定着液タンク95の内部には定着液93が収容されており、この定着液93に、定着ローラ91に定着液を供給する供給ローラ92が浸った状態で配置されている。
図2は供給ローラ92の説明図である。
供給ローラ92は図2(a)に示すようにその表面には、均一パターンの微細な溝が形成されている。供給ローラ92の表面には、図2(b)に示すように掻き取りブレード94が接触している。この供給ローラ92は、定着液タンク95内の定着液93に浸った状態で、定着ローラ91の表面に接触するように配置されている。定着ローラ91と供給ローラ92とは、トナーに定着液93を付与する際には図中矢印の方向に回転駆動する。これにより、供給ローラ92の表面に定着液93が汲み上げられる。
このようにして汲み上げられた定着液93は、供給ローラ92の表面上の溝内部に入り込んだ状態で担持され、その溝外部に付着した定着液93は、掻き取りブレード94によって掻き取られる。そして、供給ローラ92上の定着液93は、供給ローラ92の回転に伴って定着ローラ91との接触位置まで搬送される。この接触位置では、供給ローラ92と定着ローラ91とがカウンター方向に表面移動しており、供給ローラ92の溝内部の定着液93が定着ローラ91の表面に付着することになる。したがって、供給ローラ92の表面に設けられる溝の内部容積を調節することで定着ローラ91上の定着液量を適量に調整することができる。
なお、図2(a)では供給ローラ92の微細な溝として斜線型のものを示したが、図2(c)に示すピラミッド型や図2(d)に示す格子型の溝を有するものであっても良い。
転写紙P上のトナーに定着液93を供給する定着液供給手段として定着ローラ91を用いた場合、転写紙P上に担持されたトナー像を乱してしまうおそれがある。そのため、実施形態1では、導電性材料で構成した基体を絶縁層又は高抵抗層で覆った定着ローラ91と対向ローラ96を用い、その定着ローラ91と対向ローラ96に、それぞれ電界形成手段としての定着ローラ電源97と対向ローラ電源98とを接続している。また、図1に示すように一方を接地してもよい。
定着ローラ91、対向ローラ96として具体的には、ステンレス製の芯金に導電性のゴム層を形成し、その表面を絶縁性のPFAチューブで覆ったものを用いることができる。このような構成により、定着ローラ91と転写紙Pとの間には、トナーを対向ローラ96側に押し付ける方向の電界が形成される。
このような電界を形成することで、剤供給位置における転写紙P上のトナーの転写紙P側への拘束力を高めることができる。これにより、転写紙P上に担持されたトナー像を乱すことなく、そのトナーに対して定着液93を供給することができる。
定着装置90は、転写紙Pが搬送されてくるまでは、定着ローラ91と対向ローラ96とを離間した状態で待機してもよい。そして、定着装置90は、転写紙Pの先端が定着ローラ91との対向位置に到達する直前に、不図示の駆動機構によって定着ローラ91を転写紙Pの表面に近接する位置に移動する。これにより、定着ローラ91上の定着液93が転写紙Pの表面に供給されることになる。
このように、定着液93を転写紙P上のトナー像に供給して定着を行う定着方法は、熱定着方式のような大量の電力消費を伴う加熱処理が不要となるため、省エネ対策として優れた定着方式である。また、熱定着方式のようなウォームアップ時間も不要であるため、クイックスタートが可能である。
しかし、トナーを溶解または膨潤させる定着液として、揮発性のものを使用すると、臭いや安全性が問題になることがある。さらに、安全性のため揮発物の機外への拡散を防ぐ場合、機械の密閉性が要求される。また、保存時の揮発性も問題となり、使用中も濃度変化が問題になることもある。なお、定着液として水性のものを用いると、転写紙に付着した時に、紙がシワになったり乾燥工程を要したりする問題もある。乾燥させると臭いや大気汚染の問題も生じる。
ここで、転写紙Pに塗布する定着液93として、軟化剤、希釈液(または分散液)ともに不揮発性のものを用いることにより、軟化剤が蒸散することによる濃度低下や、希釈剤(または分散液)が蒸散することによる濃度上昇がないため、定着液93中の軟化剤の濃度を一定にすることができる。また、軟化剤及び希釈液(または分散液)が蒸散しないため、定着液93の保存性もよく、大気汚染することがなく、略無臭であるという利点がある。また、定着液93が蒸散しないため従来の揮発の早い定着液に比べ、軟化剤をトナーに確実に接触させることができ、効率的にトナーを軟化することができる。
このとき、定着液93は転写紙に吸収されると考えられる。また、定着装置90で用いる定着液93は、目視では転写紙をほとんど膨潤させなかった。そして、転写紙に直接塗布しても、乾燥装置は不要であり、紙が膨潤しにくいためシワになりにくい。
一方、水などの揮発性の物質を含んだ定着液を用いる場合、転写紙が水で膨潤して乾燥すると、膨潤して延びた部分がそのままもしくはほとんど戻らないまま乾燥したり、あるいは、部分的に縮んで乾燥したりするため、転写紙はシワやウネリや凸凹のある状態になる。
なお、定着液93の軟化剤としては、トナー像を形成する液体現像剤のキャリア液に対して親和性を有するものを用いることにより、軟化剤がキャリア液に浸透しやすく、軟化剤がトナーの樹脂粒子に到達するまでの時間を短縮できるので、トナーを軟化する時間を短縮することができる。これにより、定着速度の高速化を実現することができる。
また、図1のように定着装置90を二次転写ニップの下流側に設けた場合、二次転写ニップの上流側に定着装置90を設けた場合に比べて、転写紙等樹脂を定着させる媒体が軟化剤・定着液を吸収する素材の場合、より定着時間が早くなる。これは、軟化剤を含んだ定着液93が、液体現像剤との親和性があるので、転写紙等に染み込んでいる場合でも、樹脂を溶解・膨潤させるが、定着液93を塗布した後の転写紙等に樹脂を付着させると、定着液93中の軟化剤が樹脂に触れるのにやや時間を要する為である。
ここでキャリア液に対して親和性を有するとは、キャリア液と混合しても分離しない性質であることを意味する。
次に、軟化剤を含んだ定着液93について説明する。
図3は、トナーに定着液93を付与した時の、定着液93とトナーとの経時的な状態変化を示す図である。図3(a)は、樹脂を含む物質を定着させる部材上に載せた状態を示しており、図3(b)は、樹脂に定着液93を付与した状態を示している。樹脂は定着液93に軟化され、粘着性を持った状態となり、定着液93が樹脂から吐き出され、樹脂はフィルム状に変化する。図3(c)は、樹脂がフィルム状に変化した状態を示す。
転写紙P上でトナーをフィルム状にすることにより、トナーを転写紙P上に定着することができる。
次に、定着液93に含まれる軟化剤について説明する。
定着液93に含有される軟化剤は、トナーを構成する樹脂成分を溶解又は膨潤させる材料(以下、「軟化剤」という。)である。この軟化剤は揮発することなく、すなわち臭いもなく、液体現像剤を構成するキャリア液と親和性を有する材料であるのが望ましい。この溶解・膨潤成分の具体例としては、飽和脂肪族エステル、脂肪族ジカルボン酸エステル等がある。
軟化剤としては、飽和脂肪族エステルを用いることができる。
飽和脂肪族エステルは、一般式「R1COOR2」で示される化合物であり、R1は、炭素数が11以上14以下のアルキル基であり、R2は、炭素数が1以上3以下のアルキル基である。
飽和脂肪族エステルである脂肪族モノカルボン酸エステルとしては、ラウリン酸エチル、トリデシル酸エチル、トリデシル酸イソプロピル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル等が挙げられる。これらは、ほとんど揮発することなく、シリコーンオイルやPAOなどの合成油や鉱物油、炭化水素系溶媒等に親和性を有し、キャリア液として用いられるジメチルシリコーン、ミネラルオイル、Isopar等に溶解する。水への溶解度は、0.1g/100ml(25)以下であり、難溶性である。
飽和脂肪族エステルである脂肪族ジカルボン酸エステルは、一般式「R3(COOR4)2」で示される化合物であり、R3は、炭素数が3以上8以下のアルキレン基であり、R4は、炭素数が2以上5以下のアルキル基である。
脂肪族ジカルボン酸エステルとしては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル等が挙げられる。これらの部剤の多くは、ほとんど揮発することなく、シリコーンオイルやPAOなどの合成油や鉱物油、炭化水素系溶媒に溶解し、25[℃]での水への溶解度は、0.1[g/100ml]以下であり、難溶性である。
なお、上述した何れの飽和脂肪族エステルであっても、炭素数が多いほど、粘性が高く、不揮発性も高くなる傾向にある。また、精製すると臭いを減らすことができ、精製度の高いエステルでは、ほとんど無臭のものもある。
上述した軟化剤の例は、液状の軟化剤である。軟化剤として液体のものを用いることにより、軟化剤が固体やゲルの場合に比べ、キャリア液に対して浸透しやすく、トナーへの接触が早くなる。液状の軟化剤であっても、その浸透速度は粘性や表面エネルギーに依存し、より低粘性のものが浸透速度はより速い。また、定着剤が液状の定着液93であれば供給が容易であり、パイプやポンプを用いて供給できる。粉体のように舞い散らないなど、取り扱いが便利である。薄層形成等、量を規制しやすい。粉体に比べ、トナーを形成する樹脂粒子と接触し易い。
次に、軟化剤を希釈する希釈液、または軟化剤を分散する分散液について説明する。定着液93を構成する希釈液としては不揮発性の希釈液を用いている。
トナーを軟化させる溶解・膨潤成分を、定着させたい樹脂に対して、必要量以上に供給すると、樹脂の硬化が遅れ、定着に要する時間が長くなる。定着させたいトナーを形成する樹脂は、半溶解状態あるいは膨潤状態であることが望ましく、溶解・膨潤成分の種類にもよるが、溶解・膨潤成分はトナーに対して概ね半量以下で十分である。
なお、トナーに対して、半量以上供給しないと、トナーを軟化しないような溶解・膨潤成分では、トナーを軟化させた後の溶解・膨潤成分の処遇にも困るのでふさわしくない。例えば、感光体ドラム1上、中間転写ローラ51上、転写紙P上でトナー像を構成するトナーの量は、厚さにして数[μm]レベルであり、溶解・膨潤成分は、これよりも更に薄く少量で供給する方が望ましい。
溶解・膨潤成分は薄く少量を供給できることが望ましいが、少量の溶解・膨潤成分である軟化剤を均一に供給することは極めて困難である。
そこで、このような少量の溶解・膨潤成分を供給する方法として、一般に、この溶解・膨潤成分としての軟化剤を何らかの液体によって希釈する方法が利用される。この希釈液としては、環境への影響を考慮して、水を用いるものが知られている。しかし、水は揮発しやすいため、濃度変化しやすく、さらに腐敗等剤の保存性の問題も生じる。
また、水と混ぜて水と親和性のよい、また水に易溶性の分散液・希釈液を用いると、水を吸着しやすいので、空気中の水分を吸着し、濃度変化しやすい。
さらに、後述する感光体や中間転写体、またはフィルム状記録体上において、その表面エネルギーのため、均一に塗布できないこともある。また転写紙を用いた場合、紙がコックリングする(シワになる)心配もある。
また、水以外の揮発性の希釈液を用いると、揮発して、臭いや大気汚染の問題も生じる。揮発しない、水に難溶性な、臭いのほとんどしない、分散液・希釈液の例としては、シリコーンオイルあるいはミネラルオイル等が挙げられる。両者とも、各種構造、グレード(粘性・分子量)がある。実施形態1では、主に、上述の軟化剤を50[%]、希釈液としてシリコーンオイル50cStを50[%]以下の割合で混合した液を定着液93として用いた。
分散液・希釈液の例として、シリコーンオイルは、原子と原子の結合角が大きく、間隔も広く、分子がらせん状で外側をメチル基が覆って分子同士お互い引き合う力が弱いことから、表面張力が低い。そのため、樹脂の固まりに塗布した時、濡れ性がよく、均一に薄く塗ることができる。
シリコーンオイルの一例としてジメチルシリコーンの場合、例えば、東レダウコーニング株式会社製SH200(商品名)がある。カタログ値によると、動粘度100[mm /s](25[℃])のSH200−100cs(商品名)であれば、150[℃]24[時間]での揮発分は、0.5[%]以下となり、ほとんど揮発しない。同様に、SH200−50cs(商品名)の150[℃24[時間]での揮発分も、0.5[%]以下であり、希釈液(または分散液)として望ましい。またSH200−20cs(商品名)の150[℃]24[時間]での揮発分は6[%]だが、常温での揮発分は、気温約25[℃]、湿度約60[%]の実験室で測定したところ、120[時間]でも0.1[%]以下だったので、希釈液(または分散液)として使用できる。ジメチルシリコーンは、最も代表的なシリコーンオイルで、無色透明、無味無臭、低表面張力、展延性、化学的・熱的安定性、透湿性、撥水性、不揮発性を特徴としている。また、メチルフェニルシリコーンは、シリコーン特有の撥水性・潤滑性に加え、他の有機成分との相溶性がより高い。ジメチルシリコーンオイルと有機オイル・ワックス成分との相溶化剤的機能により、シリコーンオイルの配合安定化を向上させる働きもあるため、各種希釈液を複数用いる場合などにも有利である。
定着液93が供給される転写紙上または後述する感光体ドラム1上、中間転写ローラ51上のトナーにはキャリア液が付着している。そのため、定着液93中の溶解・膨潤成分の希釈液(または分散液)として、例えば水を使用する場合、液体現像剤のキャリア液(ジメチルシリコーン、ミネラルオイル、Isopar等)が一般に油であることから、そのキャリア液によって定着液93がはじかれてしまう。この結果、定着液93の溶解・膨潤成分である軟化剤がトナーにたどり着くのに時間がかかり、トナーの樹脂粒子を定着液93が軟化させるのに時間が多くかかってしまう。なお、水に限らず、希釈液(または分散液)としてキャリア液と混ざりにくい物質を用いると、同様の理由によりトナーの樹脂粒子を軟化させるのに時間がかかってしまう。
また、希釈液(または分散液)として水を用いた場合、キャリア液中に水分が混入すると、そのキャリア液の絶縁性が失われる結果、トナーの帯電特性が変化してしまい、現像電界や転写電界などの制御が困難となることもある。また、転写紙P上には水が付着しても特に問題はないが、感光体ドラム1上のトナー像を中間転写ローラ51上に転写した後、ドラムクリーニング装置60によるクリーニングが十分に行われないと、水分が付着した感光体ドラム1の表面部分が次の画像形成工程に使用されてしまう。これにより、画像形成自体が困難になるおそれもある。同様に、中間転写ローラ51に水が付着した場合も、中間転写体クリーニングブレード52によるクリーニングが十分に行われないと、水分が付着した中間転写ローラ51の表面部分が次の画像形成工程に使用されてしまう。これにより、正常な転写電界を形成できず、良好な転写ができないおそれもある。
そこで、希釈液(または分散液)としてキャリア液と親和性のあるものを用いることで上述の問題を解消できる。これにより、希釈液(または分散液)とキャリア液とが混ざりやすく、定着液93中の軟化剤が液体現像剤中のトナーの樹脂粒子に到達するまでの時間を短縮できるので、定着速度の高速化を図ることが出来る。
また、溶解・膨潤成分で軟化剤の希釈液(または分散液)としては、液体現像剤のキャリア液と同じものを用いている。定着液93の希釈液(または分散液)として、液体現像剤のキャリア液と同じ物質のものを用いることによって、定着液93とキャリア液との親和性が良いため、定着液93中の軟化剤が速やかにトナーに接触・浸透させることができる。そして、速やかにトナーの樹脂成分を軟化させることができ、さらに定着液93はトナー粒子間に存在するキャリア液を流し出す働きもするため、トナー粒子同士の結着を促進する。よって、その軟化時間を短縮でき、キャリア液が除去されないまま熱定着される場合に比べて、定着性も向上する。
なお、本発明者らは、「トナー粒子間のシリコーンオイルがあると定着を阻害する」、「シリコーンオイルは軟化液に溶解する、最良の定着状態の時、熱定着よりケミカル定着の方が定着性が良い(ケミカル定着で得られる定着性を熱定着では達成できない)」等の点から定着液はトナー粒子間に存在するキャリア液を流し出す働きを備えると考えている。
また、本発明者らは、軟化液がトナー樹脂の分子鎖の配列を変えることにより、樹脂とキャリア液との結合状態が変わり(弱まり)、キャリア液と定着液とが溶解することで、定着液とキャリア液とが溶解したものが紙に浸透すると考えている。定着装置90で用いる軟化剤はキャリア液(50[mPa・s])に対して粘性が低い(14[mPa・s]等)ので、定着液の粘性(未測定)もキャリア液に比べると低いと考えられる。そして、定着液の粘性の低さとキャリア液との親和性のよさにより、トナー粒子間のキャリア液を流しだしていると考えている。さらに、定着液とキャリア液とが親和性があることにより、トナー粒子間のキャリア液が除去され易いと考えられる。
このように、定着速度の高速化をはかることができるので、画像形成スピードを向上させることができる。
特に、後述する感光体ドラム1上のトナー像に定着液93を付与する構成であれば、定着液供給位置から一次転写位置までの間の搬送時間を短縮できるので、定着液供給位置から一次転写ニップまでの感光体ドラム1の長さを短くすることができる。これにより、感光体ドラム1の小径化を測ることができ、画像形成装置全体の小型化を図ることが出来る。また、後述する中間転写ローラ51上のトナー像に定着液93を付与する構成であれば、定着液供給位置から二次転写位置までの間の搬送時間を短縮できるので、定着液供給位置から二次転写ニップまでの中間転写ローラ51の長さを短くすることができる。これにより、中間転写ローラ51の小径化を測ることができ、画像形成装置全体の小型化を図ることが出来る。
実施形態1のように、定着剤の希釈液(または分散液)として、液体現像剤のキャリア液と同じ物質を使用することで、トナーの帯電特性等に変化を与えることもない。
液体現像剤のキャリア液としては、エクソン社製アイソパー(商品名)やミネラルオイルやPAOが挙げられる。アイソパーとしては、例えば、アイソパーVは揮発性が25[℃](常温常圧下:25[℃]、1[気圧])で一晩放置して2[%]以下、体積抵抗率も1×1013[Ω・cm]であり、不揮発性のキャリア液として使用することができる。PAOとは、αオレフィンを重合させたポリαオレフィンのことである。これは化学合成油の基油として古くから用いられてきたオイルである。炭素数10のポリαオレフィンは、粘度指数と流動点に優れているためよく用いられる。これは鉱油を分解しても得られるが、エチレンを重合して得る方法が、安価に効率よく得られるため、一般的である。
定着装置90では、定着液93を構成する希釈液として、液体現像剤のキャリア液に使用されているような絶縁性液体を使用している。具体的には、液体現像剤のキャリア液として使用している不揮発性のジメチルシリコーンを、定着液の希釈液として使用している。シリコーンは、分子内の結合エネルギーが大きく、結合が切れにくいため熱に強く、電気絶縁性が高い。また、シリコーンはその低い表面エネルギーのため、特に濡れ性がよく、定着液93に含まれる軟化剤は、キャリア液に包まれたトナーに迅速にたどり着くことができる。よって、トナーの樹脂成分を定着液により軟化させる時間を短縮することができる。また、定着液93の希釈液及びキャリア液として不揮発性のジメチルシリコーンを用いることで、環境に対して悪影響を与えることがなくなる。ジメチルシリコーンは、体積抵抗率が1014〜1016[Ω・cm]と、キャリア液として適している。また、不揮発性の液体を用いることで、揮発性分を回収する機構などを設ける必要もない。
また、メチルフェニルシリコーンも同様にキャリア液として用いることができる。メチルフェニルシリコーンは、フェニル基があるため屈折率が高く、他の有機成分との相溶性が高いため、配合安定化を向上させ、トナーと混ぜて液体現像剤の製造に適している。また温度特性に優れていて、300[℃]で500[時間]でも酸化されにくい。さらに、フルオロシリコーンオイルもキャリア液として使用できる。フルオロシリコーンオイルは構造中にフルオロ基(CF3)を持ち、誘電率が他のシリコーンオイルと比較して大きく、50[HZz]である。他にも変性シリコーンオイルがあるが、側鎖や末端基に反応性がある場合がある。上記には比較的反応性の少ないシリコーンオイルを選択した。
本実施形態で用いる不揮発性の定着液は、樹脂を軟化させ、一部は樹脂層にとりこまれるものもあるが、本発明者らは、そのほとんどが樹脂層から吐き出されて、樹脂層が固化すると考えている。そのため、後述するように感光体や中間転写体などの表面等で、トナーを溶解・膨潤させる場合は、感光体や中間転写体は定着液を吸収しないため、トナー像から吐き出され分離された定着液は、トナー像を転写する際に一部分離され減少する。また、溶解・膨潤後に設けた定着液を除去する機構により除去する等の除去する方法がある。しかし、転写紙のように定着液を吸収する媒体に塗布する場合は、塗布後に余剰な定着液を回収するのは困難である。
また、定着液は不揮発なため、回収しない場合、いつまでもなくならない。よって、転写紙等、樹脂を定着させる媒体上に塗布する時は、定着液の塗布量は樹脂を定着させる媒体上に保持できる量である方がよい。例えば転写紙上のトナー層を定着する場合、転写紙の吸油性や厚みによってその量は違うが、転写紙が定着液を吸収できる量以下の量の定着液を塗布するようにするとよい。そのためには、軟化剤の樹脂を溶解・膨潤させる力にもよるが、軟化剤を分散・希釈して定着液として用いる場合、その割合を変え、樹脂を溶解・膨潤させるのに十分な軟化剤を含み、かつ定着液の量が多すぎないように調整する。定着液の量が紙に吸収できる量以下ならば、樹脂を溶解・膨潤した後に余剰液を回収する機構等が必要なくなる。定着液が多すぎると、樹脂を溶解・膨潤させた後も樹脂が固化しないため、定着せず、擦ると樹脂が擦り取られたり、広がってしまったりすることがある。
[実験1]
ここで、転写紙が吸収できる液量を測定する実験1を行った。
液としては、定着液の希釈液として用いることのあるシリコーン(50[mPa・s])、転写紙としては、リコー製T−6200を用いた。転写紙に付着する液量を変え、紙の濡れ具合を評価した。
実験1の結果を図4に示す。
図4において、横軸は転写紙の単位面積当たりのシリコーンオイルの付着量であり、縦軸は紙の濡れ具合を3段階で評価したものである。目視の3段階評価で、1は「不可:濡れが紙表面に見え、1分後でも濡れが見える。」、2は「可:直後に濡れは見えるが、液は数秒で紙に染み込み、乾燥は不必要と思われる。」、3は「量:直後からほとんど濡れが見られない。」としている。
実験1の結果、およそ0.7[mg/cm]以下であれば濡れ具合が2以上となり、乾燥が不必要な程度であった。その他各紙を用い、液の付着量と紙の密度とから、単位面積当り、紙の質量に対する液の付着量の割合を換算したところ、現状では紙に対して定着液1[%]程度の付着量としており、ほとんど濡れた感じがない。定着液が約10[%]で濡れの限界であり、3[%]以下が望ましい。そのためには、市場で一般的な転写材のうち、最も薄いもので、濡れた感じにならないような定着剤量を塗布できる構成にすることと、その定着剤量で満足な定着性を得られる定着剤を選択する必要がある。
[変形例1]
実施形態1では、定着剤として液体状の定着液を用いている。そして、上に挙げた軟化剤や分散・希釈する物質は、ほとんどが常温で液体である。定着剤としては、液体状のものに限るものではない。以下、ゲル状の定着剤を用いた変形例1について説明する。
液体の軟化剤や定着剤は、樹脂への塗布性・広がりがよいが、例えば樹脂が粒子の場合、樹脂粒子が液体に流されてしまい、動かされてしまう場合がある。転写紙上の画像を形成しているトナーやインクが動かされてしまうと、画像を乱すことになる。そこでこの場合、定着液をゲル化し、樹脂の粒子などを動かすことなく、画像を乱すことなく、樹脂に付着させ、定着するようにするとよい。定着液をゲル化するには、吸油性高分子(油性物質を吸収するか、あるいは油性物質に溶け込んでこれをゲル化させる高分子物質)を用いる方法がある。吸油性高分子としては、アルキルスチレン、アルキルメタアクリレート、ヒドロキシアルキルメタアクリレートなどの重合物の架橋物、ポリアルキルアクリレート、ポリイソブチレンなどがある。
ポリアルキルアクリレートを用いてゲル化した例を示す。100[ml]の定着液に対し、2[g]のポリアルキルアクリレートを混ぜ、約45[℃]に加温し、均一溶液になったら加温を止め、室温まで放冷する。ゲル化した定着剤は、実施形態1と同様に供給ローラと定着ローラを用いた塗布方法で感光体や中間転写体、転写紙等記録媒体に塗布することができる。
[実験2]
次に、実施形態1の定着装置で使用する定着液と、参考例の定着液と、従来の定着液とを比較する実験を行った。
実験装置としては図1で示した湿式のプリンタで、トナー像転写後の転写紙Pに定着液93を塗布する構成にて実験を行った。なお、ここで言う不揮発とは常温(20〜25[℃])・常圧下、48時間での減量分が2[%]以下を指す。
また、各参考例、実施例及び比較例におけるスミアテストでの評価は次の方法による。
クロックメータ先端に5[mm]厚の弾性材をクッション材として付設し、そこに布を被せる。ベタ画像上を10往復擦った後の布上の濃度(3点平均)を測定し(Dcrk)、そこから布濃度(Dcls)を差し引いた値を元の画像濃度(Dinit)で除した値Dsmrをスミア法における評価値とする。Dsmrの値は小さい程、定着性が良く、現状の目標値は0.2以下である。なお、評価値Dsmrは、次の式より求まる。
Dsmr=(Dcrk−Dcls)/Dinit
参考例1>
参考例では、液体現像剤と親和性のよい定着液の処方を採用する。
・アジピン酸ジイソプロピル(軟化剤、LD50=5[g/kg]) 10[wt%]
・ジメチルシロキサン(50[mPa・s]、希釈液、LD50=15[g/kg]) 90[wt%]
図1にて示したプリンタ100で作像した転写紙上未定着画像に、上記定着液を定着装置で付着量300〜500[mg/A4]塗布してスミアテストで評価したところ、スミア目標値を満足するのに要した時間は、塗布後2[分]であった。また、揮発分測定の減量分は1[%]以下であり、臭気は全く感じられなかった。
<実施例>
本実施例では、液体現像剤と親和性のよい定着液の処方を採用する。
・アジピン酸ジイソブチル(軟化剤、LD50=12.3[g/kg]) 50[wt%]
・ジメチルシロキサン(50[mPa・s]、希釈液、LD50=15[g/kg]) 50[wt%]
図1にて示したプリンタ100で作像した転写紙上未定着画像に、上記定着液を定着装置で付着量50〜100[mg/A4]塗布してスミアテストで評価したところ、スミア目標値を満足するのに要した時間は、1[分]以内であった。また、揮発分測定の減量分は1[%]以下であり、臭気は全く感じられなかった。
参考
参考例では、液体現像剤と親和性のよい定着液の処方を採用する。
・アジピン酸ジイソブチル(軟化剤、LD50=12.3[g/kg]) 50[wt%]
・アイソパーV(14.8[mPa・s]、希釈液) 50[wt%]
図1にて示したプリンタ100で作像した転写紙上未定着画像に、上記定着液を定着装置で付着量40〜90[mg/A4]塗布してスミアテストで評価したところ、スミア目標値を満足するのに要した時間は、1[分]以内であった。また、揮発分測定の減量分は1[%]以下であり、臭気は全く感じられなかった。
参考
参考例では、液体現像剤と親和性のよい定着液の処方を採用する。
・セバシン酸ジ−n−ブチル(軟化剤、LD50=14.9[g/kg]) 20[wt%]
・ジメチルシロキサン(50[mPa・s]、希釈液、LD50=15[g/kg]) 80[wt%]
図1にて示したプリンタ100で作像した転写紙上未定着画像に、上記定着液を定着装置で付着量100〜300[mg/A4]塗布してスミアテストで評価したところ、スミア目標値を満足するのに要した時間は、3[分]以内であった。また、揮発分測定の減量分は1[%]以下であり、臭気は全く感じられなかった。
参考
参考例では、液体現像剤と親和性のよい定着液の処方を採用する。
・セバシン酸ジ−n−ブチル(軟化剤、LD50=14.9[g/kg]) 100[wt%]
図1にて示したプリンタ100で作像した転写紙上未定着画像に、上記定着液を定着装置で付着量20〜70[mg/A4]塗布してスミアテストで評価したところ、スミア目標値を満足するのに要した時間は、2[分]以内であった。また、揮発分測定の減量分は1[%]以下であり、臭気は全く感じられなかった。
参考
参考例では、液体現像剤と親和性のよいゲル状定着剤の処方を採用する。
・アジピン酸ジイソブチル(軟化剤、LD50=12.3[g/kg]) 50[wt%]
・ジメチルシロキサン(50[mPa・s]、希釈液、LD50=15[g/kg]) 48[wt%]
・ポリアルキルアクリレート(ゲル化剤) 2[wt%]
アジピン酸ジイソブチルとジメチルシロキサンを混合した後、全体を45〜50[℃]に加温してポリアルキルアクリレートを加え良く攪拌してから放冷することでゲル化した定着剤を得、図1にて示したプリンタで作像した転写紙上未定着画像に、上記定着剤を定着装置で付着量30〜90[mg/A4]塗布してスミアテストで評価したところ、スミア目標値を満足するのに要した時間は、3[分]以内であった。また、揮発分測定の減量分は1[%]以下であり、臭気は全く感じられなかった。
<比較例1>
比較例1として、液体現像剤と親和性が比較的によくない定着液の処方を採用する。
・コハク酸ジエトキシエチル(軟化剤、LD50=5[g/kg]) 5[wt%]
・ジメチルシロキサン(50[mPa・s]、希釈液、LD50=15[g/kg]) 95[wt%]
図1にて示したプリンタ100で作像した転写紙上未定着画像に、定着液を定着装置で付着量300〜400[mg/A4]塗布してスミアテストで評価したところ、スミア目標値を満足するのに要した時間は、4[分]以内であった。また、揮発分測定の減量分は1[%]以下であり、臭気は全く感じられなかった。
<比較例2>
比較例2として、液体現像剤と親和性が比較的によくない希釈液を用いた処方を採用する。
・コハク酸ジエトキシエチル(軟化剤、LD50=5[g/kg]) 4[wt%]
・エタノール(希釈液、LD50=20[g/kg]) 20[wt%]
・水 76[wt%]
図1にて示したプリンタ100で作像した転写紙上未定着画像に、上記定着液を定着装置で付着量55〜70[mg/A4]塗布してスミアテストで評価したところ、スミア目標値を満足するのに要した時間は、5[分]以内であった。ところで、揮発分測定の減量分は約10[%]程度、臭気も感じられた。なお、この比較例2では定着後のカールやコックリングが認められた。
実験2で評価した定着液のうち、参考参考及び比較例1の実験結果を図5に示す。
図5に示すように、何れの定着液を用いた場合でも、経過時間とともにスミアの値が下がっているが、参考及び参考は二分後にスミアの値が目標値である0.2を下回っている。一方、比較例1の場合は、二分後でもスミアの値は0.3より大きい値を示し、4分後になって0.2を下回る状態である。スミアの値が低いほど定着性が良好であることを示しており、液体現像剤のキャリア液と親和性のあるものを用いることで、良好な定着状態になるまでの時間を短縮することができ、定着速度を速めることができることが確認された。
以上、実施形態1によれば、トナーとキャリア液からなる液体現像剤を用いて形成されたトナー像を記録体である転写紙Pに定着する定着装置90で塗布される定着液93に含まれる軟化剤として、キャリア液に対して親和性を有するものを用いている。これにより、軟化剤がキャリア液に浸透しやすく、軟化剤がトナーの樹脂粒子に到達するまでの時間を短縮できるので、トナーを軟化する時間を短縮することができ、定着速度の高速化を実現することができる。
また、定着装置90を二次転写ニップの下流側に設け、軟化剤を含んだ定着液93をトナー像が転写された後の転写紙Pに供給している。これにより、二次転写ニップの上流側に定着装置90を設け、トナー像が転写される前の転写紙Pに定着液を供給する場合に比べて、定着時間が早くなる。
また、定着液93のように、軟化剤と軟化剤を希釈する希釈剤、または軟化剤を分散する分散剤とから成る定着剤として軟化剤をトナー像に供給することで、適切な量の軟化剤を均一に供給することができる。
また、軟化剤として不揮発性のものを使用することにより、軟化剤が蒸散することによる濃度低下がないため、定着液93中の軟化剤の濃度を一定にすることができる。さらに、軟化剤が蒸散しないため、定着液93の保存性もよく、大気汚染することがなく、略無臭であるという利点がある。なお、軟化剤を含んだ定着液93が蒸散しないため従来の揮発の早い定着液に比べ、軟化剤をトナーに確実に接触させることができ、効率的にトナーを軟化することができる。
また、希釈剤である希釈液(または、分散剤である分散液)が、キャリア液に対して親和性を有することにより、定着液がキャリア液にはじかれることなく、希釈液(または分散液)とキャリア液とが混ざりやすくなる。これにより、定着液93中の軟化剤が液体現像剤中のトナーの樹脂粒子に到達するまでの時間を短縮できるので、定着速度の高速化を図ることが出来る。
また、希釈剤である希釈液(または、分散剤である分散液)として不揮発性のものを使用することにより、希釈液(または分散液)が蒸散することによる濃度上昇がないため、定着液93中の軟化剤の濃度を一定にすることができる。さらに、希釈液が蒸散しないため、定着液93の保存性もよく、大気汚染することがなく、略無臭であるという利点がある。
また、定着剤として、希釈剤または分散剤が液体である定着液93を用いることにより、供給が容易であり、パイプやポンプを用いて供給できる。さらに、粉体のように舞い散らないなど、取り扱いが便利である。薄層形成等、量を規制しやすく、粉体に比べ、トナーを形成する樹脂粒子と接触し易いため、粉体の定着剤よりも定着速度の高速化を図ることができる。
また、定着液93に含まれる軟化剤として液体のものを用いることにより、軟化剤が固体やゲルの場合に比べ、キャリア液に対して浸透しやすく、トナーへの接触が早くなり、定着速度の高速化を図ることが出来る。
また、定着液93の希釈液(または分散液)として、液体現像剤のキャリア液と同じ物質のものを用いることによって、定着液93とキャリア液との親和性が良いため、定着液93中の軟化剤が速やかにトナーに接触・浸透させることができる。これにより、定着速度の高速化を図ることが出来る。
また、希釈液としてシリコーンオイルを用いることができる。シリコーンオイルは、原子と原子の結合角が大きく、間隔も広く、分子がらせん状で外側をメチル基が覆って分子同士お互い引き合う力が弱いことから、表面張力が低い。そのため、樹脂の固まりに塗布した時、濡れ性がよく、定着液93を均一に薄く塗ることができる。
また、プリンタ100の定着手段として、定着装置90を有することにより、定着速度の高速化を実現できる画像形成装置とすることができる。
また、変形例1のように、ゲル化した定着剤を用いることにより、樹脂の粒子などを動かさないため画像を乱すことなく、樹脂に軟化剤を付着させ、定着することができる。
参考構成例1
実施形態1では、定着装置90を二次転写ニップの下流側に設け、軟化剤を含んだ定着液93をトナー像が転写された後の転写紙Pに供給している。トナー像に定着液を供給する定着装置90の位置としてはこれに限るものではない。
以下、定着装置90を転写紙Pの搬送方向において二次転写ニップの上流側に定着装置90を配置した参考構成例1について説明する。定着装置90の設置位置以外は実施形態1と同様の構成であり、共通する構成については説明を省略し、相違点のみについて説明する。
図6は、参考構成例1に係る画像形成装置としてのプリンタ100の要部概略構成図である。
図6に示すように、参考構成例1のプリンタ100は、転写紙Pの表面移動方向において二次転写部の上流側に定着装置90が配置されている。この定着装置90は、転写紙Pの表面に対し、定着液を介して接するように対向配置される定着液塗布手段としての定着ローラ91を備えている。定着装置90は、定着ローラ91が転写紙Pの表面に対して近接したり離間したりできるように、図示しない駆動機構によって移動可能な構成となっている。また、定着装置90の定着液タンク95の内部には定着液93が収容されており、この定着液93に、定着ローラ91に定着液93を供給する供給ローラ92が浸った状態で配置されている。なお、供給ローラ92としては、実施形態1と同様の物を用いることができる。
実施形態1のように、二次転写ニップ通過後の転写紙Pに接触して定着液93を塗布する構成では、定着されていないトナー像面に液体が付着した定着ローラ91が接触し、転写紙P上のトナー像が乱されるおそれがある。定着ローラ91がトナー像に接することで画像が乱されることについて、次の理由が挙げられる。
例えば、トナーが軟化するのに要する時間に比べ、転写紙Pの移動速度が遅ければ(ローラ塗布の場合、ローラと転写材が接触している時間が長いほど)、トナーは粘着性を増し、トナー同士が付着する力・トナーが転写紙Pに付着する力が増し、トナー像が乱されにくくなる。しかし、トナーが軟化するのに要する時間に比べ、転写紙Pの移動速度が早いほど(ローラ塗布の場合,ローラと転写材が接触している時間が短いほど)、トナー像は定着ローラ91に付着している定着液93に付着して転写紙Pから離されるおそれがある。これにより、転写紙P上で画像が乱されやすくなる。また、液状の定着液93を用いたインクジェットのような吹き付け塗布の場合、定着液の勢いによって、トナーが動かされてしまうことがある。
これらは共に、特に乾式トナーの場合で深刻である。トナーの紙への付着力は、乾式トナーに比べ液体現像剤中のトナーの方が強い。
参考構成例1では、二次転写ニップの上流側に定着装置90を設置し、樹脂層が付着する前の転写紙に定着液93を塗布している。これにより、転写紙P上に定着液93を供給する定着液供給手段として、樹脂層に接触する定着ローラ91を用いた場合でも、転写紙P上に担持されるトナー像等の樹脂層を乱してしまうおそれがない。そのため、二次転写ニップの下流側に定着装置90を設けた場合の利点に加え、接触塗布、吹き付け塗布等、トナー像の乱れを気にすることなく、塗布方法を選択することができる。また、軟化剤、希釈液ともに不揮発性の物質を用い、定着液93を不揮発性とすることで、前もって転写紙Pに塗布しておいても、揮発することなく、トナーを軟化・膨潤させることができる。
以上、参考構成例1によれば、軟化剤や軟化剤を含む定着剤を、前もって記録媒体に付着させておいた後に定着される樹脂を載せるため、定着液93の塗布により画像を壊すおそれがない。また、定着液93を付与する際には転写紙Pにはトナーは担持されていないため、付与手段である定着ローラ91が転写紙Pに接触しても、トナーに起因するオフセットが発生しない。また、2次転写前の転写紙Pに揮発性の定着液を塗布しておくと、定着液が蒸散して所望の定着性を得ることができなくなるおそれがあるが、不揮発の定着液93を用いることにより前もって塗布しておいても定着性への影響を少なくすることがでいる。さらに、不揮発性の定着液を用いることで紙が皺になることを抑制することができる。
参考構成例2
実施形態1及び参考構成例1では、記録体である転写紙Pに定着液93を供給し、トナー像と軟化剤とを接触させるものであった。トナー像に定着液を供給するタイミングとしては転写紙P上に限るものではない。転写紙Pに転写される前の像担持体上のトナー像に定着液を供給するようにしてもよい。
以下、像担持体である感光体ドラム1上のトナー像に定着液を供給する参考構成例2について説明する。定着装置90の設置位置以外は実施形態1と同様の構成であり、共通する構成については説明を省略し、相違点のみについて説明する。
図7は参考構成例2に係る画像形成装置としてのプリンタ100の要部概略構成図である。
図7に示すように、参考構成例2のプリンタ100は、感光体ドラム1の表面移動方向において、現像装置40との対向部である現像領域の下流側に定着装置90が配置されている。この定着装置90は、感光体ドラム1の表面に対し、液体現像剤と定着液を介して接するように対向配置される定着剤塗布手段としての定着ローラ91を備えている。また、定着装置90の定着液タンク95の内部には、液状の定着剤である定着液93が収容されており、この定着液93に、定着ローラ91に対して定着液を供給する供給ローラ92が浸った状態で配置されている。なお、供給ローラ92としては、実施形態1と同様の物を用いることができる。
参考構成例2のように、感光体ドラム1上のトナーに定着液93を供給する定着剤供給手段として、定着ローラ91を用いた場合、感光体ドラム1上に担持されたトナー像を乱してしまうおそれがある。そのため、参考構成例2では、導電性材料で構成した基体を絶縁層又は高抵抗層で覆った定着ローラ91を用い、その定着ローラ91に電界形成手段としての定着ローラ電源97を接続している。具体的には、例えば、ステンレス製の芯金に導電性のゴム層を形成し、その表面を絶縁性のPFAチューブで覆ったものを用いることができる。このような構成により、定着ローラ91と感光体ドラム1との間には、トナーを感光体ドラム1側に押し付ける方向の電界が形成される。このような電界を形成することで、定着液供給位置における感光体ドラム1上のトナーの感光体ドラム1側への拘束力を高めることができる。これにより、感光体ドラム1上に担持されたトナー像を乱すことなく、そのトナーに対して定着液93を供給することができる。
感光体ドラム1と定着ローラ91とが対向する対向位置(剤供給位置)では、定着ローラ91上の定着液93がトナーを覆っているキャリア液と交わり、トナーに定着液93が付与される。定着液93が付与されたトナーは、感光体ドラム1の表面移動に伴い、これと中間転写ローラ51とによって形成された一次転写ニップに搬送される。一次転写ニップまでの間において、トナーの樹脂成分は定着液93中の軟化剤により軟化され、粘着性を持った状態となり、膨潤時に内部に含侵した定着液93の余剰分を表面に吐き出して、トナー粒子同士が付着し、フィルムに近い状態に変化する。
このようにフィルムに近い状態に変化したトナーは、感光体ドラム1の表面移動に伴い、一次転写ニップにおいて、中間転写ローラ51の表面に押しつけられることで、その粘着性により転写紙P上に転写されるとともに定着される。併せて、転写バイアスを加えてもよい。トナー粒子は、フィルムに近い状態になっているため、転写バイアス過多の部分ができた場合でもトナーが飛び散りにくくなる。感光体ドラム1上では、転写紙P上に比べ、定着液が揮発しやすいため、不揮発性の定着液が特に有効である。
以上、参考構成例2によれば、感光体ドラム1上のトナー像に軟化剤を含有する定着液93を付与するため、中間転写ローラ51や転写紙Pへの粘着転写も可能と成る。また、トナーが飛び散りにくいため、トナーの散りも防止することができる。さらに、感光体ドラム1上であればトナーの電荷が大きいので、トナー像が乱れにくい。
参考構成例3
参考構成例2では、像担持体上のトナー像に定着液93を供給する構成として、像担持体が感光体ドラム1である場合について説明した。その表面上のトナー像に定着液93を供給される構成としては感光体ドラム1に限るものではない。以下、その表面上のトナー像が定着液93の供給を受ける像担持体が中間転写ローラ51である場合の参考構成例3について説明する。定着装置90の設置位置以外は実施形態1と同様の構成であり、共通する構成については説明を省略し、相違点のみについて説明する。
図8は参考構成例3に係る画像形成装置としてのプリンタ100の要部概略構成図である。
図8に示すように、参考構成例3のプリンタ100は、中間転写ローラ51の表面移動方向において、感光体ドラム1との対向部である1次転写ニップの下流側、且つ、二次転写ニップの上流側に定着装置90が配置されている。この定着装置90は、中間転写ローラ51の表面に対し、液体現像剤と定着液を介して接するように対向配置される定着剤塗布手段としての定着ローラ91を備えている。定着装置90は、定着ローラ91が中間転写ローラ51の表面に対して近接したり離間したりできるように、図示しない駆動機構によって移動可能な構成となっている。
また、定着装置90の定着液タンク95の内部には定着液93が収容されており、この定着液93に、定着ローラ91に定着剤を供給する供給ローラ92が浸った状態で配置されている。なお、供給ローラ92としては、実施形態1と同様の物を用いることができる。
参考構成例3のように、中間転写ローラ51上のトナーに定着液93を供給する定着剤供給手段として、定着ローラ91を用いた場合、中間転写ローラ51上に担持されたトナー像を乱してしまうおそれがある。そのため、参考構成例3では、導電性材料で構成した基体を絶縁層又は高抵抗層で覆った定着ローラ91を用い、その定着ローラ91に電界形成手段としての定着ローラ電源97を接続している。なお、図8に示すように接地してもよい。具体的には、例えば、ステンレス製の芯金に導電性のゴム層を形成し、その表面を絶縁性のPFAチューブで覆ったものを用いることができる。このような構成により、定着ローラ91と中間転写ローラ51との間には、トナーを中間転写ローラ51側に押し付ける方向の電界が形成される。このような電界を形成することで、定着液供給位置における中間転写ローラ51上のトナーの中間転写ローラ51側への拘束力を高めることができる。これにより、中間転写ローラ51上に担持されたトナー像を乱すことなく、そのトナーに対して定着液93を供給することができる。
なお、図示はしていないが中間転写ドラム(またはベルト)51上に各色トナー像が重なり合ってトナー像が形成される方式のカラー画像形成装置の場合、トナー像が形成された後、その合成トナー像は、中間転写ローラ51の表面移動に伴って、定着装置90の定着ローラ91と対向する位置に搬送される。定着装置90は、合成トナー像が搬送されてくるまでは、中間転写ローラ51と離間した状態で待機している。そして、定着装置90は、合成トナー像の先端が定着ローラ91との対向位置に到達する直前に、駆動機構によって定着ローラ91が中間転写ローラ51の表面に近接する位置に移動する。これにより、定着ローラ91上の定着液93が中間転写ローラ51表面に供給されることになる。
その後二次転写ニップまでの間において、トナーの樹脂成分は定着液93に軟化され、粘着性を持った状態となり、膨潤時に内部に含侵した定着液93の余剰分を表面に吐き出して、トナー粒子同士が付着し、フィルムに近い状態に変化する。このようにフィルムに近い状態に変化したトナーは、中間転写ローラ51の表面移動に伴い、二次転写ニップにおいて、転写紙Pの表面に押しつけられることで、その粘着性により転写紙P上に転写されるとともに定着される。併せて、転写バイアスを加えてもよい。トナー粒子は、フィルムに近い状態になっているため、転写バイアス過多の部分ができた場合でもトナーは飛び散りにくくなる。中間転写ローラ51上では参考構成例2の感光体ドラム1上と同様に、転写紙P上に比べて、定着液93が揮発しやすいため、不揮発性の定着液が特に有効である。
以上、参考構成例3によれば、中間転写ローラ51上のトナー像に軟化剤を含有する定着液93を付与するため、転写紙Pへの粘着転写も可能と成る。また、トナーが飛び散りにくいため、トナーの散りも防止することができる。さらに、中間転写ローラ51上であればトナーの電荷が大きいので、トナー像が乱れにくい。
実施形態1に係るプリンタの要部概略構成図。 供給ローラの説明図。(a)は実施形態1で用いる供給ローラの説明図、(b)は供給ローラの側面図、(c)はピラミット型の微細な溝の説明図、(d)は格子型の微細な溝の説明図。 トナーに定着液を供給した際の経時的な状態変化を示す説明図。(a)は樹脂を含む物質を定着させる部材上に載せた状態、(b)は樹脂に定着液を付与した状態、(c)は樹脂がフィルム状に変化した状態。 実験1の結果を示すグラフ。 実験2の結果を示すグラフ。 参考構成例1に係るプリンタの要部概略構成図。 参考構成例2に係るプリンタの要部概略構成図。 参考構成例3に係るプリンタの要部概略構成図。
符号の説明
1 感光体ドラム
20 帯電装置
30 感光体スイープ装置
32 スイープローラ
33 イープクリーニングブレード
34 キャリア回収装置
40 現像装置
41 現像剤収容タンク
42 現像ローラ
43 中間ローラ
44 アニロクスローラ
45 液体現像剤
46 攪拌スクリュ
48 現像クリーニングブレード
49 ドクターブレード
50 転写装置
51 中間転写ローラ
52 中間転写体クリーニングブレード
55 二次転写ローラ
60 ドラムクリーニング装置
61 クリーニングブレード
70 除電ランプ
90 定着装置
91 定着ローラ
92 供給ローラ
93 定着液
94 掻き取りブレード
95 定着液タンク
96 対向ローラ
97 定着ローラ電源
98 対向ローラ電源
100 プリンタ

Claims (6)

  1. ナーとキャリア液からなる液体現像剤を用いてトナー像が形成された記録体に定着液を供給することで、該記録体上に該トナー像を定着させる定着装置において、
    上記定着液は、上記トナーを溶解または膨潤させる性質を有する軟化剤としてアジピン酸ジイソブチルを50[wt%]含有し、希釈液の成分としてジメチルシロキサンを50[wt%]含有することを特徴とする定着装置。
  2. 潜像担持体と、該潜像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像担持体上の潜像を現像しトナー像を形成する現像手段と、該潜像担持体上のトナー像を転写材上に転写する転写手段と、該転写手段により転写材に転写されたトナー像を定着する定着手段とを備える画像形成装置において、
    該定着手段として、請求項1の定着装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項2の画像形成装置において、
    上記定着装置は、上記トナー像が転写された後の上記記録体に上記軟化剤を供給することを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項2の画像形成装置において、
    上記定着装置は、上記トナー像が転写される前に上記記録体に上記軟化剤を供給することを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項2の画像形成装置において、
    上記定着装置は、上記記録体に転写される前の上記潜像担持体上の上記トナー像に上記軟化剤を供給することを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項2の画像形成装置において、
    上記転写手段は、その表面に上記潜像担持体から上記トナー像が転写され、転写された該トナー像を上記転写材上に転写する中間転写体を備え、
    上記定着装置は、該潜像担持体から転写され、該記録体に転写される前の該中間転写体上の該トナー像に上記軟化剤を供給することを特徴とする画像形成装置
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