JP2009098489A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トナー像を記録媒体へ定着させる工程における低消費電力化を図るとともに、オフィスで使用可能な画像形成装置において、安定した画像品質の得られる小型で低コストな画像形成装置を提供する。
【解決手段】感光体1上の静電潜像に少なくとも水溶性樹脂と着色剤とを含む着色樹脂粒子であるトナーを供給して現像する現像装置4と、トナー像を記録媒体に転写する転写装置5と、トナー像を軟化させる水を含む軟化水を付与する軟化水付与手段8とを備えた画像形成装置において、現像装置4はトナーを絶縁性の液体中に分散した液体現像剤Dを用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、ファックシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関するものである。
上記画像形成装置として、電子写真方式の画像形成装置は普通紙に高精細な画像を高速で形成することができるため、オフィスで普及している。電子写真方式の画像形成装置では、像担持体上の静電潜像を少なくとも樹脂と着色剤からなる着色樹脂粒子であるトナーでトナー像化し、これを記録媒体上に転写して定着する。トナー像の記録媒体への定着は、記録媒体上のトナーを加熱して溶融し、加圧する熱定着方式が主流である。しかしながら、熱定着方式ではトナーの加熱のために消費される消費電力は、画像形成装置における消費電力の約半分以上を占めており、近年の環境負荷軽減の観点から低消費電力(省エネ)化への対応が困難である。このため、低消費電力化が可能な定着方式が望まれている。
低消費電力化するためには、加熱せずにトナーを定着する非加熱定着方式が考えられる。非加熱定着方式のひとつとして、トナーの樹脂を溶解する溶剤を未定着トナーに付与するいわゆる溶剤定着法が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3)。溶剤定着法では、トナーの樹脂を溶解または膨潤させる溶剤をトナーに付与してトナーを溶解または膨潤させた後、溶剤を乾燥させることでトナーを定着させるものである。
特許文献1、2、3には、溶剤として有機化合物を水に分散させたものが記載されている。ここで、溶剤中の分散媒としての水は揮発しても問題ないが、有機化合物は臭気(不快臭や刺激臭)の観点から問題視される材料が記載されている。このため、不快な臭気が充満する虞があり、オフィスでの使用が問題となっている。
これに対して、特許文献4では、溶剤として、トナーの樹脂を軟化させる不揮発な軟化剤を使用することにより、臭気の問題を解決するものを提案している。しかし、一般的なトナーの樹脂を軟化させる軟化剤は、装置内の他の部材に用いられる様々な樹脂を多少なりとも溶解・膨潤させることが多く、装置内における材料選択や取扱いに注意が必要であり、実用化に至っていないのが現状である。
また、他の非加熱定着方法として、上述のような溶剤ではなく水を用いてトナーを低粘度化または粘着性化して定着をおこなうものが提案されている。特許文献5では、水溶性樹脂であるポリビニルアルコールを主成分とした粉体状トナーを使用し、感光体上のトナー像に水を供給してトナー像を低粘度化してから記録媒体に加圧ローラで圧着するものが記載されている。また、特許文献6では、水に溶解して粘着性を発揮させる特性をもつ粉体状トナーを用い、中間転写体上のトナー像に水を供給した後、記録媒体に粘着転写をするものが記載されている。このように、トナーを低粘度化または粘着性化するために水を使用する定着方法は、揮発時の臭気の観点からメリットがあり、オフィスでの使用が可能である。
特公昭49−026591号公報 特許3290513号公報 特開昭53−118139号公報 特開2007−121652号公報 特開平3−257473号公報 特開2000−172114号公報
上記特許文献5、6の水を用いてトナーを低粘度化または粘着性化するものでは、使用する粉体状トナーは水溶性樹脂を主成分とする必要がある。しかし、水溶性樹脂はトナーボトルやカートリッジ内で空気中の水分を吸収してしまい、粉体同士で互いに密着・凝集しトナーとしての機能を果たせなくなってしまうという問題がある。例えば、トナーの水溶性樹脂として用いられるポリビニルアルコールの粉体を室温環境(25℃65%RH)に放置した場合、3日後には粉体同士で凝集してしまう。このような水溶性樹脂を主成分とするトナーでは、保存性が大きな課題であり、完全に除湿された環境下で密閉し保存することが必要になってしまう。除湿をおこなうための除湿装置を設けることも考えられるが、装置の大型化やコスト増になる。さらに装置本体を使用していない状態でも、常時除湿装置を作動させておく必要があるので、実用上大きな問題となっている。
本発明は、上記背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、トナー像を記録媒体へ定着させる工程における低消費電力化を図るとともに、オフィスで使用可能な画像形成装置において、安定した画像品質の得られる小型で低コストな画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、静電潜像を担持する像担持体と、該像担持体上の静電潜像に少なくとも水溶性樹脂と着色剤とを含む着色樹脂粒子を供給して現像する現像装置と、該着色樹脂粒子による像を記録媒体に転写する転写装置と、該着色樹脂粒子による像に該着色樹脂粒子を軟化させる水を含む軟化水を付与する軟化水付与手段とを備えた画像形成装置において、上記現像装置は上記着色樹脂粒子を絶縁性の液体中に分散した液体現像剤を用いて現像することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記着色樹脂粒子による像から絶縁性の液体を回収する回収手段を、上記現像装置よりも下流で上記軟化水付与手段よりも上流に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の画像形成装置において、上記軟化水付与手段を上記転写装置よりも上流に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の画像形成装置において、上記転写装置は上記像担持体上の着色樹脂粒子による像を中間転写体を介して記録媒体に転写するものであり、上記軟化水付与手段は該中間転写体上の該着色樹脂粒子による像に軟化水を付与することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1または2の画像形成装置において、上記軟化水付与手段を上記転写装置よりも下流に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、上記軟化水は水溶性の樹脂を含むことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5または6の何れかの画像形成装置において、上記記録媒体上の軟化した上記着色樹脂粒子による像を該記録媒体の表面形状に合わせて変形させる変形促進手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1、2、3、4、5、6または7の何れかの画像形成装置において、上記記録媒体上の軟化した上記着色樹脂粒子による像から軟化水を除去する除水促進手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7または8の何れかの画像形成装置において、上記液体現像剤を構成する絶縁性の液体が常温で揮発性を有することを特徴とするものである。
本発明においては、着色樹脂粒子を液体中に分散した液体現像剤を用いているので、液体現像剤中の着色樹脂粒子の周囲を液体が取り囲んで空気中の水分に接触しないように保護する。また、液体現像剤を用いた現像では着色樹脂粒子が液体中を電気泳動により移動するため、用いられる液体は絶縁性であることが要求されており、一般に水の溶解度が低く水をほとんど含まない。このため、液体現像剤中の着色樹脂粒子の主成分となる水溶性樹脂は水に接触する機会がなく、水を吸収する虞がない。よって、除湿装置を設けずに液体現像剤を長期に保存しても現像剤としての特性を損なうことがなく、常に安定した現像を行い、安定した画像品質が得られる。
以上、本発明によれば、トナー像を記録媒体へ定着させる工程における低消費電力化を図るとともに、オフィスで使用可能な画像形成装置において、安定した画像品質の得られる小型で低コストな画像形成装置を提供できるという優れた効果がある。
以下、本発明を適用した画像形成装置である電子写真複写機(以下、複写機という)の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る複写機の概略構成図である。この複写機は、潜像担持体として感光体1のまわりに、帯電器2、露光装置3、現像装置4、転写装置5、除電ランプ7、クリーニング装置6が配設されている。感光体1としてはa−Si、OPC等が使用できる。帯電器2としては、帯電ローラや帯電チャージャ等の形態が使用できる。露光装置3としてはLEDやレーザー走査光学系等が使用できる。現像装置4は、後で詳しく説明する液体現像剤を用いた液体現像装置である。転写装置5は、記録媒体を搬送する搬送ベルト502と、記録媒体を感光体1に圧接させる転写ローラ501とを備えている。クリーニング装置6は、感光体1に当接して感光体1上をクリーニングするクリーニングブレードを備えている。そして、この複写機では、現像装置4よりも下流で、転写装置5よりも上流に、トナーを構成する樹脂を軟化させる特性を有する軟化水を感光体1上のトナー像に付与する軟化水付与手段8を備えている。
このような構成の複写機で、反転現像により画像を形成する場合について説明する。感光体1は、図示しないモータ等の駆動手段によって一定速度で矢印方向に回転駆動されながら、帯電器2により暗中にて一様に帯電された後に、露光装置2より原稿光像が照射結像されて静電潜像を形成される。感光体1上の静電潜像は現像装置4により現像される。現像されたトナー像は、軟化水付与手段8により軟化水を付与されて軟化する。転写装置5は、搬送ベルト502により記録媒体を搬送しながら、転写ローラ501にて記録媒体を感光体1に圧接させて、感光体1上の軟化したトナー像を圧力にて記録媒体上に転写する。転写後、感光体1は除電ランプ7により残留電位が除去されて、クリーニング装置6により残留トナーが除去され次の画像形成に備えられる。記録媒体上のトナー像は、軟化水が空気中に蒸散したり、記録媒体内へ浸透したりすることで、再度固化して記録媒体と結着することで画像を定着する。
次に、現像装置4について詳しく説明する。
まず、現像装置4で用いられる液体現像剤について説明する。本実施形態の液体現像剤は、従来一般的に市販され使用されているIsopar(エクソン商標)をキャリア液とした低濃度(トナー濃度3%程度)の液体現像剤ではなく、高濃度の液体現像剤であり、粘度も低濃度のものに比較して高いものである。本実施形態の液体現像剤の粘度及び濃度の範囲としては、例えば粘度が50〜10000mPa・s、トナー濃度が5%〜40%のものを用いる。トナーを分散する液体であるキャリア液としては、シリコーンオイル、ノルマルパラフィン、Isopar(エクソン商標)、植物油,鉱物油等の電気的絶縁性が高いものを使用する。揮発性、不揮発性については、目的に合わせて選択することができる。
着色樹脂粒子であるトナーは、従来の熱定着を行う場合には、スチレンアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系等の樹脂を使用し、これに有色微粒子である着色顔料(ジスアゾイエロー、キナクリドン、銅フタロシアニン又はカーボンブラック等)を混ぜ、さらに電荷制御剤及び分散剤が配合したものである。本実施形態の複写機では、トナーを構成する樹脂を軟化水にて軟化させて定着するため、トナーを構成する樹脂は水溶性であることが必要である。これに対し、上記に挙げた樹脂は水溶性ではないので、この一部もしくは全てを水溶性の樹脂に置き換えて使用する。水溶性樹脂の比率は定着性のためにはより多い比率で使用されていることが好ましいが、水溶性樹脂分が多いとトナーの帯電性が低下するという問題もある。このため、水溶性樹脂の比率が40〜90%となるようにしている。水溶性の樹脂の例としては、水溶性メラミン樹脂、水溶性ロジン変性樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、コラーゲン、ゼラチン、デンプン、キトサン等が挙げられる。商品としては、クラレ社製ポバール(PVA)、イソバン(イソブチレン/マレイン酸樹脂)、ハリマ化成製ネオトール、ハリディプ(アルキッド樹脂、アクリル樹脂)、日本合成化学社製エコアティ(PVA)、ナガセケムテックス社製デコナール(エポキシ樹脂)、日本純薬社製ジュリアー(アクリル樹脂)、カブセン(ポリエステル樹脂)などが挙げられる。
また、従来、水溶性の樹脂をその一部に含有した液体現像剤のトナーを捺染用のトナーとして用いるものが提案されている(特開2005−23477号公報)。これは、布に像を転写後、発色過程において着色樹脂粒子中の着色剤を昇華によって布の繊維に移行させ、その後不要になった樹脂を水洗過程において布から除去するものである。これは、本実施形態の複写機のように、記録媒体上に着色剤を含有した樹脂を結着させて残すために水溶性の樹脂を使用しているのとは全く逆の目的であり、装置としても異なった構成となる。特開2005−23477号公報の発明では、使用している着色剤が昇華染料である必要があるが、本実施形態ではこれに限られるものではなく、退色性を考慮すれば、染料よりも顔料の方が好ましい。このため、顔料を使用している。
また、上記水溶性樹脂の中には、空気中に放置するだけで、空気中の水分を吸収して軟化してしまうようなものも含まれる。軟化が容易であることは、定着性からは有利である。しかし、この様な樹脂で形成したトナーを空気中に放置した場合、空気中の水分を吸収して現像前に軟化して樹脂同士が凝集する、あるいは軟化により現像剤との摩擦帯電ができなくなるなど、トナーとしての現像特性を維持することが困難である。そこで、除湿装置を設けることも考えられるが、装置の大型化やコスト増になってしまう。
一方、本実施形態で使用する液体現像剤では、この様な着色樹脂粒子であるトナーを液体中に分散させており、キャリア液がトナーの周辺を取り囲み空気中の水分に接触しないようにトナーを保護する機能を担っている。そこで、液体現像剤を長期に保存してもトナーとしての特性を損なうことがなく、常に安定した現像を行うことができる。
また、液体現像剤を用いた現像では、トナーがキャリア液中を電気泳動により移動するため、キャリア液に使用される液体は電気的に絶縁性であることが要求されており、一般に水の溶解度が非常に低く水を殆ど含まない。よって、液体現像剤中のトナーはほぼ完全に水に接触する機会がない状態にでき、水分を吸収する虞がない。
次に、現像装置4の構成について説明する。現像装置4は、内部に液体現像剤Dを収容する現像剤収容タンク401、現像ローラ402、スイープローラ403、攪拌スクリュ406、塗布手段400などで構成されている。塗布手段400は、塗布部材としての塗布ローラ404、中間塗布部材としての中間ローラ405、などで主に構成されている。スイープローラ403と中間ローラ405とには、金属ブレードもしくはゴムブレードからなるクリーニング部材408、411がそれぞれ当接配置されている。各クリーニング部材408、411としては、ブレード式のものではなく、ローラ式のものを用いてもよい。
上記現像ローラ402及びスイープローラ403の外周面には、それぞれ導電性を有する弾性体層が設けられている。この弾性体層の材質としては、ウレタンゴムを用いることができる。また、弾性体層の表面硬度としては、感光体1との間で効率的にニップを形成できるように、JIS−A硬度で50度以下であることが望ましい。なお、弾性体層の材質は、ウレタンゴムに限られるものではなく、導電性を有するものであって、且つキャリア液・現像剤で膨潤したり溶解したりしない材質であればよい。また、現像ローラ402とスイープローラ403内層は、キャリア液・現像剤と接触しない構成であれば、上記導電性・膨潤溶解の制約はなく、弾性を有していればよい。但し、弾性体層が導電性を有していない場合には、現像バイアス電圧・スイープバイアス電圧を、現像ローラ402及びスイープローラ403の軸からではなく、表面から印加するようにする。
ここで、上記弾性体層を、現像ローラ402とスイープローラ403とに設けず、感光体1側に設けて、上記ニップを形成するようにしてもよい。また、感光体1を無端ベルト状部材で構成してもよい。また、現像ローラ402ラ及びスイープローラ403は、コーティングもしくはチューブにより、その表面がRz5μm以下の平滑性を有するように構成されている。
図1において、上記現像ローラ402及びスイープローラ403を、感光体1に対してそれぞれ適当な圧力で当接させると、上記弾性体層が弾性変形して、各ローラ402,403と感光体1との間に現像ニップA及び除去ニップBが形成される。この現像ニップAを形成することによって、液体現像剤中のトナーが現像領域の現像電界により、感光体1に対して移動して付着するための一定の現像時間を確保することができる。また、各ローラ402,403と感光体1との当接圧力を調整することで、各ニップ部A、Bにおける表面移動方向の幅であるニップ幅を調整することができる。各ニップ幅は、各ローラ402,403の線速と現像時定数との積、以上に設定する。ここで、現像時定数とは、現像量が飽和するまでに要する時間であって、必要最小ニップ幅をプロセス速度で除したものである。例えば、必要最小ニップ幅が5mmでプロセス速度が500mm/secであれば、現像時定数は10msecとなる。
複写機の現像動作時においては、現像装置4の現像ローラ402の表面に、塗布手段400の塗布ローラ404及び中間ローラ405によって、液体現像剤Dの薄層が形成される。この現像装置4では、現像ローラ402上に塗布される液体現像剤Dの表面の1cm当たりに担持されるトナー中の顔料含有分を、3μg以上、60μg以下となるように設定した。このために、現像ローラ402の表面に、3〜12μmの厚みの現像剤薄層を塗布するようにした。これは現像ローラ402の表面の1cm当たりに担持されるトナー中の顔料含有分が3μgより小さくなる塗布厚では、十分な量の顔料が感光体1上の潜像の画像部に移動せず、画像濃度が薄くなるおそれがあるからである。また、現像ローラ402の表面の1cm当たりに担持されるトナー中の顔料含有分が60μgより大きくなる塗布厚では、現像後の地肌部に残留する余剰トナーが多くなりスイープローラ403による除去が不完全になるおそれがあるからである。
そして、現像ローラ402表面に形成された現像剤薄層は、感光体1と現像ローラ402とにより形成された現像ニップAを通過する際に感光体1上の静電潜像に応じて現像される。すなわち、感光体1の画像部では、トナーが感光体1側に移動する。感光体1の地肌部(非画像部)では、現像バイアス電位と感光体電位とによって形成される電界により、現像ローラ402の表面にトナーが移動して、感光体1の地肌部にトナーが付着しないようになる。
ここで、感光体1の地肌部に付着したトナーの一部が、現像ローラ402表面まで移動しきれずに、感光体1上に残ると、感光体1上に形成された画像にカブリが生じる。上記スィープローラ403は、このような画像のカブリの原因となるトナー(以下、「カブリトナー」という)をスイープ(掃除)するために設けられている。このスィープローラ403は、図1に示すように、感光体1の回転方向の現像ローラ402よりも下流側の部位に、現像ローラ402により感光体1上に現像されたトナー像(現像剤層)を挟むように、感光体1に押圧して設置されている。そして、このスィープローラ403の表面が、感光体1の表面と略等速で接触移動することによって、感光体1の地肌部のカブリトナーが除去される。
現像後の現像ローラ402の表面に残留した残留トナーは、クリーニング部材により除去される。また、上記スィープローラ403により除去された液体現像剤は、スィープローラ403のスィープ(掃除)性能の維持のために、クリーニング部材408により除去される。除去された液体現像剤は、現像剤収容タンク401に隣接して設けられた一時貯蔵部412に集められる。一時貯蔵部412内に集められた液体現像剤は、搬送スクリュ413によって、図示しない濃度調整部に送られて現像剤濃度が調整された後、現像剤収容タンク401に戻されて再使用される。一時貯蔵部412には、図示しない攪拌手段、濃度検知手段、液量検知手段などが配設されており、回収された液体現像剤の濃度及び液量を検知している。この検知結果に基づいて、上記濃度調整部で、新しい液体現像剤の補給やキャリアの補給が行われて、回収した液体現像剤の濃度が均一になるように調整される。ここで、現像剤収容タンク401内への液体現像剤の供給量は、液体現像剤の消費量より若干多くなるように設定されている。これにより、現像剤収容タンク401から溢れた液体現像剤が、一時貯蔵部412内へ戻される。このように、液体現像剤Dは常に循環するようになっている。
次に、軟化水付与手段8について説明する。図2は軟化水付与手段の概略構成図である。軟化水付与手段8は、軟化水Eの供給部材としての供給ローラ801、付与部材として付与ローラ802、などで主に構成されている。供給ローラ801は、付与ローラ802に対して必要量の軟化水Eを供給するために、図3に示すようにその表面に均一なパターンの溝801aの彫刻がなされたアニロクスローラを用いている。この供給ローラ801の表面の溝801a形状としては、図4(a)に示すような斜線型、図4(b)に示すようなピラミッド型、図4(c)に示すような格子型などが考えられる。供給ローラ801は、表面のパターンの溝801aに付着した軟化水Eをドクターブレード803ですりきり、溝の容積によって軟化水の量を正確に計量することで、一定量の軟化水を供給ローラ802に供給することができる。
図2において、供給ローラ801は、付与ローラ802に対して対向部で逆方向に表面移動させており、供給ローラ801に対する付与ローラ802の表面の移動速度を調整することで容易に供給ローラ801上の軟化水量を調整することが可能である。
軟化水は、主成分として水からなるが、防腐剤を混入させておくことで機内に放置しておいても微生物の増殖等を防止し、腐敗を防止できる。このような防腐剤の例としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウム、塩酸クロルヘキシジン、過酸化水素水、グルコン酸クロルヘキシジン、クロルヘキシジン、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、CAE、シンクピリチオン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、フェノール、レゾルシン、パラオキシ安息香酸エステル類(パラベン)、フェノキシエタノールなどがある。
軟化水付与手段8により軟化水を付与されたトナー中の水溶性樹脂は軟化する。転写装置5は、搬送ベルト502により記録媒体を搬送しながら、転写ローラ501により記録媒体を感光体1に圧接させて、感光体1上の軟化したトナー像を記録媒体に転写する。転写されたトナー像から水が空気中に蒸散したり、記録媒体中に浸透したりすることにより粒子は固化して記録媒体上に結着する。
軟化した樹脂が記録媒体上に結着するためには樹脂から軟化水、すなわち水がなくなって固化する必要があり、過剰に軟化水を供給した場合にはこの過程で時間がかかってしまう。そこで、軟化に必要な量を確保した上でできるだけ少量を供給できる軟化水付与手段8をもちいることが望ましい。この様な少量の軟化水付与手段としては、図2に示すローラ上に軟化水Eの薄層を形成して供給するもののほか、図5に示す超音波振動子805などにより軟化水Eをミスト化しての供給する方法、空気と混合して泡にして供給する方法が挙げられる。
また、液体現像剤を用いているため、現像後においてもトナーの回りや地肌部にキャリア液が付着している。このため、軟化水を付与されても、地肌部ではキャリア液により軟化水である水がはじかれて地肌部に付着しにくい。よって、記録媒体の地肌部には軟化水である水の付着量が少なくなる。これにより、例えば記録媒体が転写紙である場合に転写紙がカールするなどの原因となる過剰な水の付着を防止できる。実際、この問題を解決するために、軟化水に微量のアルコールやグリセリンを混入させておくこともある。
一方、画像を形成するトナーを構成する水溶性樹脂は、キャリア液である絶縁性オイルに対してよりもむしろ水との親和性が強く、回りをキャリア液で囲まれた状態であっても、現像後のような薄層の状態であれば付与された水を吸収して軟化することができる。しかし、トナーを構成する水溶性樹脂の回りのキャリア液は、軟化水がトナーに吸収されることを阻害するものであるため、その量は少ないほうが好ましい。
そこで、軟化水付与手段8による軟化水付与前に、感光体1上のキャリア液を回収する手段を設ける。このような手段としては、図1のスイープローラ403がその役割を果たすことができる。スイープローラ403は、上述のように感光体1の地肌部に付着した余分なカブリトナーの除去が目的であるが、画像部においても接触することでトナーの回りのキャリア液を回収することができる。この際、図6のように、トナーを感光体1側に押付けるような電界を形成するバイアス電圧9をスイープローラ403に印加することで、トナーは感光体1に残したままキャリア液のみを除去することができる。また、スイープローラ1本で充分に除去できなければ、ローラの本数を増やすことも可能である。また、図7のようにスイープローラ403の表面移動方向が感光体1の表面移動方向と逆方向になるよう回転させれば、より効率的なキャリアの除去が可能である。但、この場合、スイープローラ403と感光体1とが接触していると、感光体1上のトナー像を乱す恐れがある。そこで、スイープローラ403と感光体1との間に微小なギャップを設けたり、順方向のスィープローラ403(図6)に比較してトナーを感光体1側に押付ける強い電界を形成するバイアス電圧を印加したりすることにより、トナー像の乱れを防止することができる。しかし、感光体1上で電界を強くし過ぎると、放電により感光層を破壊する恐れがあるので注意を要する。しかし、後述するよう、感光体1から記録媒体への転写を中間転写体を介しておこなう場合には、有効な手段である。
また、液体現像剤Eのキャリア液として、常温において揮発性を有する液体を使用することで、現像後にトナーを構成する樹脂粒子からのキャリア液の分離を促進できる。さらに、図8にしめすように、感光体1上のトナー像に送風する送風手段9を設ければ、感光体1上のキャリア液を回収する手段を設けるのと同様の効果を得ることができる。
このような常温において揮発性を有するキャリア液としては、シリコーンオイルでは1〜5mPa・s程度の粘度のもの、IsoparHやL(エクソン商標)などがあり、一般的に分子量の小さなグレードのものが挙げられる。さらに、脂肪酸エステルなども揮発性を有するが、揮発性のものは臭気を発することが多く、その臭気の低さを考慮するとパームオレイン酸メチルを主成分とするものが好ましい。この他、カブリル酸2エチルヘキシル、ラウリン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-エチルヘキシルなどを主成分とするものなどが比較的好ましい。
また、揮発性の高いものはトナーとして保存する場合に乾燥による固着等の問題もあるので、水よりも揮発性が低いレベルにとどめておいた方が好ましい。例えば、20°Cにおける蒸気圧は、水は17.52mmHg、1mPa・sのシリコーンオイルは0.9mmHg、IsoparHは0.78mmHgなどであり、20°Cにおける蒸気圧が1.0〜0.1mmHg程度が望ましい。
ところで、一般的に液体現像剤を使用した複写機では、転写時に散りが発生して像を乱すということはなく、静電気力による転写でも高解像度の画像を記録媒体上に形成することができる。しかしながら、静電気力による転写を行う場合、その電気的性質や厚さなどの制約を受ける。例えば、導体に対しては均一な電界を形成できないので転写が難しい。また極端に厚さが厚い場合や場所によって厚さが異なる記録媒体にも難しい。
ところが、図1の複写機のように、記録媒体への転写を行うよりも上流に軟化水付与手段8を設け、トナーを構成する樹脂を軟化させた後、その粘着力により転写するものでは、記録媒体の電気的な性質によらず転写が可能となり記録媒体の自由度を広げることができる。
また、図1の複写機では、感光体1上でトナー像に軟化水を付与しているが、感光体1上に現像されたトナー像は静電気力によって感光体1と結びついているため、軟化水が付与される際に像の乱れが生じにくいという利点がある。一方で、転写後に感光体1上に残ってしまったトナーには軟化剤の主成分である水が含まれており、これを完全に除去しないと次工程で感光体1の帯電が不均一となり画像を乱す虞がある。また、液体現像剤中に水が混入した場合、局所的に抵抗が低下するので現像不良となり、像のボケなどの原因となる。このため、転写後、クリーニング装置6において回収されたトナーを再使用することも難しい。
そこで、感光体1上に現像されたトナー像を静電気力により中間転写体に転写し、中間転写体上で軟化水を付与することが考えられる。図9は、中間転写体を用いた複写機の概略構成図である。中間転写体503上に転写されたトナーは、軟化水付与手段8により軟化水を付与され軟化し、記録媒体を搬送しながら転写ローラ501により記録媒体を中間転写体503に圧接させて、感光体1上の軟化したトナー像を記録媒体に転写する。中間転写体503上で記録媒体に転写されずに残ったトナーは、中間転写体クリーニング手段504により除去される。このように中間転写体503を使用して、中間転写体503上で軟化水を付与することで感光体1上へ軟化水が付着することを防止しやすくなり、これに起因する像の乱れを防止することができる。さらに、中間転写体503の表面を撥水性の材料で構成したり、撥水性の材料で表面コートしたりすることで、地肌部のような着色樹脂粒子のない部分へ軟化水が付着することを防止でき、クリーニングする際にも有利である。
また、上述したように、液体現像剤を用いた複写機では転写による散りがなく、転写時の画像の乱れが少ない。このため、トナー像を記録媒体に転写した後に、軟化水を付与してトナー像を構成する樹脂を軟化させてから、固化させることも考えられ、これにより高画質の画像を得ることができる。図10は、記録媒体上のトナー像に軟化水を付与する軟化水付与手段を設けた複写機の概略構成図である。中間転写体503上から転写紙などの記録媒体に転写されたトナーは、軟化水塗布手段8により軟化水を付与され軟化する。軟化により記録媒体との密着性を上げた樹脂は、水が記録媒体に浸透したり、あるいは空気中に蒸散したりすることによって固化して記録媒体と結合する。これにより、画像を記録媒体に定着させることができる。このように、記録媒体に転写後に軟化水を付与することで、粘着による転写はできないものの感光体1上への軟化水の付着を完全に防止することができ、装置の信頼性を大きく向上させることができる。
このように、本実施形態の複写機では、従来の加熱による定着と比較した場合には定着時に熱エネルギーを消費しないので省エネルギーという面で大きな優位性がある。また、従来の熱による定着では耐熱性が問題となるような記録媒体に対しても定着させることができるので、記録媒体に対する自由度を広げることができる。また、定着に使用しているものは軟化水としての水であり、蒸発しても臭気の発生が懸念されることはない。
記録媒体上のトナー像に付与する軟化水には、上述の軟化させるための水、腐敗防止の防腐剤の他、水溶性の樹脂を溶かしておくと良い。このような液を軟化水として使用することで、画像を形成するトナーの樹脂を軟化させて記録媒体に密着させるのみではなく、記録媒体の表面全体を薄い樹脂皮膜で覆うことになり、樹脂同士の結合力を向上させることができる。よって、より強固な定着強度を得ることができる。軟化水に溶かしておく水溶性の樹脂としては、トナーを構成する樹脂と異なっていても構わないが、同種の材料をもちいることで樹脂同士の結合力を強めることが望ましい。特にハーフトーンでの孤立ドットは、樹脂量が少なく、樹脂自身の軟化のみでは充分な定着強度を得ることができない場合があるが、軟化水に含まれる樹脂によって補強されることで充分な定着強度を得ることができる。
また、軟化水中の水によって軟化した樹脂を記録媒体上に固定させるためには、軟化した樹脂を記録媒体の表面に合わせて変形後に水を取り除く必要がある。このため、定着速度を速めるためには、軟化した樹脂を記録媒体表面に合わせて変形させる時間と、変形後の樹脂から水分を取り除く時間の2つを短縮することが望まれる。そこで、本実施形態の複写機では、これらの時間を短縮するための固化促進手段を設けた。
軟化した樹脂を記録媒体表面に合わせて変形させる時間を短縮する固化促進手段として、トナー像を記録媒体の表面形状に合わせて変形させる変形促進手段としての圧力ローラ11を設けている。記録媒体上の軟化した樹脂は、軟化して粘度が低下することで流動性を持ち記録媒体の表面の形状に沿うように変形する。さらに、圧力ローラ11により軟化した樹脂にさらに圧力を加えることで、より変形を促進させることができる。また、圧力により変形速度を速めるだけでなく、軟化した樹脂の隙間にいる余分な水を押し出して軟化した樹脂同士を接触させて定着強度を向上させることにもなり、変形後の樹脂から水分を取り除く時間を短縮する効果も多少併せ持つことになる。記録媒体が転写紙のように水を吸収するものであれば、圧力により記録媒体内部への軟化水の浸透を促進する効果もある。圧力ローラ11の表面には,フッ素コート処理などをして軟化している樹脂が付着しにくい状態にすることが好ましい。また、ローラによる押圧以外にもノズルから高圧の空気を吹き付ける方式なども考えられるが、圧縮装置が必要なことや騒音が発生することが課題となる。
さらに、変形後の樹脂から水分を取り除く時間を短縮する固化促進手段として、変形後の樹脂に送風して樹脂に付託している余分な水分の蒸発を促進させる除水促進手段としての送風ファン12を備えている。さらに、送風ファン12に、ヒータ(不図示)を併設して熱風とすることで効果を上げることも可能である。また、吸水性の材料で構成されたローラを接触させることも有効である。ここでも、軟化水が水であるので積極的に蒸発させても環境上の問題がない。
実施例
水溶性樹脂としてポリビニルアルコール(PVA)(商品名 クラレ製 ポバール)を使用し、これに顔料、分散樹脂、電荷制御樹脂を適量使用したトナーをアイソパーH中に分散した液体現像剤を用いた。軟化水としては、水のみ、5wt%のポリビニルアルコール(PVA)(商品名 クラレ製 ポバール)の水溶液の2種類を用いた。これを、図10の複写機に搭載し、通常の室内環境下(25℃−65%RH)で1週間放置した後で、画像形成を行った。画像形成時に、トナーの機能上の問題は発生せず、通常の条件の画像形成が可能であった。
さらに、図10の複写機で、固化促進手段としての変形促進手段と除水促進手段を使用した場合としない場合について、形成された画像の定着後の黒ベタ画像および50%ハーフトーン画像について評価を行った結果を表1に示す。
ここで、変形促進手段は、表面にPFAチューブを挿入した弾性ローラ(硬度 JIS−Aで50度)からなる加圧ローラ11で、圧力0.1MPa程度となるように押圧する。また、除水促進手段は送風ファン12であり、40角のファンを画像幅に並列して並べて送風した。
Figure 2009098489
なお、定着性については2、5、10、20分経過後に画像面にテープ(Scotchメンディングテープ、住友スリーエム(株))を貼付し、その直後に剥がした状態で画像からの像の剥離の状態で判断し、画像の一部や全面において顕著な剥がれが発生しない状態を良好と判定している。以上の結果から、本実施例のように水溶性の樹脂を用いた液体現像剤の像に対して水による定着が可能であり、室内放置によるトナーの特性の変化もないことを確認でき、本発明の効果を確認することができた。
以上、本実施形態の複写機によれば、像担持体としての感光体1上の静電潜像を、少なくとも水溶性樹脂と着色剤とを含む着色樹脂粒子であるトナーを絶縁性の液体であるキャリア液中に分散した液体現像剤より現像し、現像されたトナー像の水溶性樹脂を軟化させる軟化水を付与する軟化水付与手段8を設ける。軟化したトナー像は、記録媒体上で軟化水が空気中に蒸散したり、記録媒体内へ浸透したりすることで、再度固化して記録媒体と結着することで画像を定着する。このように、本実施形態の複写機は、従来の熱定着と比較した場合に熱エネルギーを消費しないので低消費電力化という面で大きな優位性がある。また、定着に使用するのは軟化水としての水であり、蒸発しても臭気の点で懸念されることはないのでオフィスでの使用が可能である。さらに、トナーがキャリア液中に分散されている液体現像剤を用いているので、キャリア液は水溶性樹脂が空気中の水分に接触しないように保護する。また、液体は絶縁性であることが要求されるため、一般に水の溶解度が低く水をほとんど含まないものが用いられる。このため、トナーの主成分となる水溶性樹脂が空気中の水分を吸収する虞がない。よって、除湿装置を設けなくとも、保存時にトナーの機能を維持することができ、安定した画像品質が得られる。
また、トナー像からキャリア液を回収する回収手段を、現像装置4よりも下流で軟化水付与手段8よりも上流に設ける。この複写機では、液体現像剤を用いているため、現像後においてもトナーの回りにキャリア液が付着している。トナーを構成する水溶性樹脂は、キャリア液である絶縁性オイルに対してよりもむしろ水との親和性が強く、回りをキャリア液で囲まれた状態であっても、現像後のような薄層の状態であれば付与された水を吸収して軟化することができる。しかし、トナーを構成する水溶性樹脂の回りのキャリア液は、軟化水が水溶性樹脂に吸収されることを阻害するものであるため、その量は少ないほうが好ましい。そこで、現像装置4よりも下流で軟化水付与手段8よりも上流に、トナー像からキャリア液を回収する回収手段を設ける。回収手段としては、感光体1の地肌部に付着した余分なカブリトナーの除去のため設けられたスイープローラ403がその役割を果たす。スイープローラ403は、感光体1の地肌部に付着した余分なカブリトナーの除去のみでなく、画像部においても接触することでトナーの回りのキャリア液を回収することができる。このような回収手段を設けたことにより、軟化水が水溶性樹脂に吸収されやすくなり、軟化に要する時間の短縮、軟化水の使用量の減少および固化の時間短縮等の効果がある。
また、軟化水付与手段8を転写装置5よりも上流に設ける。軟化水付与手段8により軟化水を付与されて軟化したトナー像は、転写装置5により記録媒体を感光体1に圧接させることにより、軟化したトナーの粘着力により記録媒体上に転写される。このように静電気力によらず、粘着力により転写をおこなうため、記録媒体の電気的な性質によらない転写が可能となり記録媒体の自由度を広げることができる。
また、転写装置5は感光体1上のトナー像を中間転写体503を介して記録媒体に転写し、中間転写体503上のトナー像に軟化水付与手段8より軟化水を付与するようにしてもよい。感光体1上でトナー像に軟化水を付与すると、トナー像転写後に感光体1上に残ってしまったトナーには軟化剤の主成分である水が含まれており、これを完全に除去しないと次工程で感光体1の帯電が不均一となり画像を乱す虞がある。また、残ってしまったトナーに含まれる水が、次工程で液体現像剤中に水が混入すると、局所的に抵抗が低下するので現像不良となり、像のボケなどの原因となる。このため、転写後、クリーニング装置6において回収されたトナーを再使用することも難しい。そこで、感光体1上に現像されたトナー像を静電気力により中間転写体503上に転写し、中間転写体503上で軟化水を付与する。このように中間転写体503を使用して、中間転写体503上で軟化水を付与することで感光体1上へ軟化水が付着することを抑制し、これに起因する像の乱れを防止することができる。
また、軟化水付与手段8を転写装置5よりも下流に設けてもよい。トナー像を記録媒体に転写した後に、軟化水を付与してトナー像の水溶性樹脂を軟化させる。軟化により記録媒体との密着性を上げた水溶性樹脂は、水が記録媒体に浸透したり、あるいは空気中に蒸散したりすることによって固化して記録媒体と結合する。これにより、画像を記録媒体に定着させることができる。このように、記録媒体に転写後に軟化水を付与することで、粘着による転写はできないものの感光体1上への軟化水の付着を完全に防止することができ、装置の信頼性を大きく向上させることができる。
また、記録媒体上のトナー像に付与する軟化水には、水の他、水溶性の樹脂を溶かしておいても良い。このような軟化水とすることで、画像を形成するトナーの水溶性樹脂を軟化させて記録媒体に密着させるのみではなく、記録媒体の表面全体を薄い樹脂皮膜で覆うことになり、樹脂同士の結合力を向上させることができる。よって、より強固な定着強度を得ることができる。特にハーフトーンでの孤立ドットは、樹脂量が少なく、樹脂自身の軟化のみでは充分な定着強度を得ることができない場合があるが、軟化水に含まれる樹脂によって補強されることで充分な定着強度を得ることができる。
また、軟化水中の水によって軟化した樹脂を記録媒体上に固定する速度を速めるためには、軟化した樹脂を記録媒体表面に合わせて変形させる時間と、変形後の樹脂から水分を取り除く時間の2つを短縮することが望まれる。そこで、記録媒体上の軟化したトナー像を記録媒体の表面形状に合わせて変形させる変形促進手段としての圧力ローラ11を設けた。記録媒体上の軟化した樹脂は、軟化して粘度が低下することで流動性を持ち記録媒体の表面の形状に沿うように変形する。この圧力ローラ11により軟化した樹脂にさらに圧力を加えることで、より変形を促進させ、軟化した樹脂を記録媒体表面に合わせて変形させる時間を短縮することができる。また、変形後の樹脂から水分を取り除く時間を短縮する固化促進手段として、変形後の樹脂に送風して樹脂に付託している余分な水分の蒸発を促進させる除水促進手段としての送風ファン12を備えている。これにより、変形後の樹脂から水分を取り除く時間を短縮することができる。
また、液体現像剤を構成する絶縁性のキャリア液が常温で揮発性を有するものとすることで、現像後にトナーを構成する樹脂粒子からのキャリア液の分離を促進できる。これにより、軟化液と樹脂が接触しやすくなるので軟化に要する時間の短縮,軟化液の使用量の減少および固化の時間低減が図れる。
本実施形態に係る複写機の概略構成図。 軟化水付与手段の概略構成図。 表面に均一なパターンの溝が形成された供給ローラの正面図。 (a),(b),(c)は、上記供給ローラの表面に形成された溝の形状例を示す拡大斜視図。 軟化水付与手段の変形例の概略構成図。 スイープローラにバイアス電圧を印加するものの概略構成図。 スイープローラをリバース回転するものの概略構成図。 感光体上のトナー像に送風する送風手段を設けたものの概略構成図。 中間転写体を用いた複写機の概略構成図。 記録媒体上のトナー像に軟化水を付与する軟化水付与手段を設けた複写機の概略構成図。
符号の説明
1 感光体
2 帯電器
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 除電ランプ
8 軟化水付与手段
9 送風手段
11 圧力ローラ
12 送風ファン
400 塗布手段
401 現像剤収容タンク
402 現像ローラ
403 スイープローラ
404 塗布ローラ
405 中間ローラ
406 攪拌スクリュ
408、411 クリーニング部材
409 バイアス電源
412 一時貯蔵部
501 転写ローラ
502 搬送ベルト
503 中間転写体
801 供給ローラ
802 付与ローラ
803、804 ドクターブレード
805 超音波振動子
806 送風ファン
D 液体現像剤
E 軟化水

Claims (9)

  1. 静電潜像を担持する像担持体と、該像担持体上の静電潜像に少なくとも水溶性樹脂と着色剤とを含む着色樹脂粒子を供給して現像する現像装置と、該着色樹脂粒子による像を記録媒体に転写する転写装置と、該着色樹脂粒子による像に該着色樹脂粒子を軟化させる水を含む軟化水を付与する軟化水付与手段とを備えた画像形成装置において、
    上記現像装置は上記着色樹脂粒子を絶縁性の液体中に分散した液体現像剤を用いて現像することを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、上記着色樹脂粒子による像から絶縁性の液体を回収する回収手段を、上記現像装置よりも下流で上記軟化水付与手段よりも上流に設けたことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1または2の画像形成装置において、上記軟化水付与手段を上記転写装置よりも上流に設けたことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3の画像形成装置において、上記転写装置は上記像担持体上の着色樹脂粒子による像を中間転写体を介して記録媒体に転写するものであり、上記軟化水付与手段は該中間転写体上の該着色樹脂粒子による像に軟化水を付与することを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1または2の画像形成装置において、上記軟化水付与手段を上記転写装置よりも下流に設けたことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項5の画像形成装置において、上記軟化水は水溶性の樹脂を含むことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1、2、3、4、5または6の何れかの画像形成装置において、上記記録媒体上の軟化した上記着色樹脂粒子による像を該記録媒体の表面形状に合わせて変形させる変形促進手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1、2、3、4、5、6または7の何れかの画像形成装置において、上記記録媒体上の軟化した上記着色樹脂粒子による像から軟化水を除去する除水促進手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1、2、3、4、5、6、7または8の何れかの画像形成装置において、上記液体現像剤を構成する絶縁性の液体が常温で揮発性を有することを特徴とする画像形成装置。
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