JP2014149422A - 湿式画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速印刷が可能であり、かつ、画像ノイズを低減することが可能な湿式画像形成装置を提供することができる。
【解決手段】湿式画像形成装置100は、互いに異なる単色のトナー像をそれぞれ形成する複数の画像形成部1a〜1dと、中間転写部材5と、2次転写部材6とを備える。画像形成部1a〜1dおよび2次転写部材6は、中間転写部材5の外周に沿って並んで配置され、画像形成部1aは、最も視認性の低い色を有するトナー像を形成する。画像形成部1aは、中間転写部材5の回転方向に沿って2次転写部材6が中間転写部材5を押圧する押圧部から180度回転した位置に配置されるか、あるいは、画像形成部1b〜1dよりも当該位置に近くなるように配置される。
【選択図】図7

Description

本発明は、キャリア液とトナー粒子を含む湿式現像剤を用いて画像を形成する湿式画像形成装置に関し、特に、単色を有するトナー像が順次転写され重ね合わされることにより多色のトナー像が形成される湿式画像形成装置に関する。
近年、記録媒体を印刷するいわゆるプロダクションプリント領域(PP領域)において、従来のオフセット印刷法に代替えして、湿式電子写真方式が採用されつつあり、これに伴いた湿式画像形成装置の開発が行なわれている。
湿式画像形成装置は、オフセット印刷機と比較した場合には無版で画像を形成でき、乾式電子写真方式の画像形成装置と比較した場合には画質が高精細であるという利点を有している。また、湿式画像形成装置は、仕様態様および品質においても、小ロット数の印刷、1枚ごとに内容が異なるバリアブル印刷などに対応することができ、かつ高精細に印刷することができる。
画像の品質を左右するPP領域においては、高精細な仕上がりが要求されるため、多色の画像を形成する際には、各色画像の重ね合せ時の色ズレや記録媒体への転写位置のズレについて抑制していく必要がある。
湿式画像形成装置におけるPP領域では、主として、感光体から中間転写部材に1次転写されたトナー像が、2次転写部材と中間転写部材との間に形成される押圧部を通過する記録媒体上に転写される。
一般的に、中間転写部材としては、ベルト方式ものかローラ方式のものかのいずれかが採用されている。ベルト方式の中間転写部材を用いた場合には、ベルトの撓みもしくはベルトの伸びによる寸法変化、ベルト搬送時のスリップなどによる位置ズレ、または、2次転写時における記録媒体の転写位置のズレなどが発生しやすい。一方、ローラ方式の中間転写部材を用いた場合には、そのような寸法変化やズレが発生する恐れがなく、安定した駆動と位置精度を確保することができる。
しかしながら、ローラ方式の中間転写部材を採用する場合には、中間転写部材が2次転写部材に押圧されることで、中間転写部材に無視できない撓みが生じることになる。そのため、中間転写部材、2次転写部材および感光体の位置関係の如何によっては、この撓みの影響により感光体と中間転写部材との間の押圧力が不均一となってしまい、これにより感光体から中間転写部材に転写されたトナー像にムラが生じてしまう恐れがある。このため最終的に形成される画像にノイズが発生し、画像品質が低下することが懸念される。
そこで、ローラ方式の中間転写部材を採用しつつ、このようなトナー像のムラを抑制することができる湿式画像形成装置として、特開平5−273800号公報(特許文献1)には、4つの現像手段と1つの感光体とを有し、各色の現像手段が感光体の1サイクルごとに順次トナー像を感光体に転写する4サイクル方式の湿式画像形成装置であって、感光体に圧接される中間転写部材と、中間転写部材に記録媒体を介して圧接される2次転写部材とを備え、感光体、中間転写部材および2次転写部材が、中間転写部材および2次転写部材を結ぶ軸線と、中間転写部材および感光体を結ぶ軸線とが直交または実質的に直交するように配置されたものが開示されている。
特開平5−273800号公報
しかしながら、一般的に、感光体を湿式画像形成装置中に1つだけ有するいわゆる4サイクル方式を用いた湿式画像形成装置は、1度に1色分の画像形成しか行うことができず高速化に不向きである。
近年においては、ネットワーク環境の普及に伴い、1台の湿式画像形成装置を複数のユーザーによって共有できるようになったことにより湿式画像形成装置の使用頻度が高くなっている。このためPP領域においては、高精細な画質に加えて、大量印刷および高速印刷が可能となるよう高い生産性が要求される。
そのため、4サイクル方式に代わり高速化に有利なタンデム方式が採用される。タンデム方式を用いた湿式画像形成装置では、中間転写部材の周囲に各色に対応する感光体や現像器を含む複数の画像形成部が配置されており、並行して複数のトナー像を中間転写部材に転写することができる。
しかしながら、中間転写部材にローラ方式を採用し、かつ、タンデム方式を採用した湿式画像形成装置では、複数の感光体が、中間転写部材の外周に沿って並んで配置されるため、中間転写部材が2次転写部材に押圧される際に発生する中間転写部材の撓みの影響が4サイクル方式の湿式画像形成装置と比較して大きくなる。このため、感光体と中間転写部材との間の押圧力が不均一となることによって発生するトナー像のムラが顕著になることが懸念される。
ここで、特許文献1に記載の湿式画像形成装置は、中間転写部材の外周に沿って1つの感光体が配置された構成であり、複数の感光体を配置することについては十分に考慮されていない。このため、特許文献1に開示の構成を、複数の感光体を配置し、中間転写部材に一度に複数のトナー像を転写可能とするタンデム方式を用いた湿式画像形成装置に直ちに適応させることはできない。また、特許文献1に記載の湿式画像形成装置は、上述のように高速化に不向きである。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、高速印刷が可能であり、かつ、画像ノイズを低減することが可能な湿式画像形成装置を提供することにある。
本発明に基づく湿式画像形成装置は、1つの局面において、互いに異なる単色のトナー像をそれぞれ形成する複数の画像形成部と、上記複数の画像形成部によって形成されたトナー像が1次転写される回転可能なローラ形状の中間転写部材と、上記中間転写部材に記録媒体を介して押圧されることにより、上記中間転写部材に1次転写されたトナー像を記録媒体上に2次転写する2次転写部材とを備える。上記複数の画像形成部および上記2次転写部材は、上記中間転写部材の外周に沿って並んで配置され、上記複数の画像形成部は、最も視認性の低い色を有するトナー像を形成する第1画像形成部を含む。上記第1画像形成部は、上記中間転写部材の回転方向に沿って上記2次転写部材が上記1次転写部材を押圧する押圧部から180度回転した位置に配置されるか、あるいは、上記複数の画像形成部のうちの上記第1画像形成部以外の画像形成部よりも当該位置に近くなるように配置される。
上記本発明に基づく湿式画像形成装置にあっては、上記複数の画像形成部は、最も視認性の高い色を有するトナー像を形成する第2画像形成部をさらに含むことが好ましく、その場合には、上記第2画像形成部は、上記中間転写部材の回転方向に沿って上記2次転写部材が上記1次転写部材を押圧する押圧部から270度回転した位置に配置されるか、あるいは、上記複数の画像形成部のうちの上記第2画像形成部以外の画像形成部よりも当該位置に近くなるように配置されることが好ましい。
上記本発明に基づく湿式画像形成装置にあっては、上記複数の画像形成部は、最も視認性の高い色を有するトナー像を形成する第2画像形成部をさらに含むことが好ましく、その場合には、上記第2画像形成部は、上記中間転写部材の回転方向に沿って上記2次転写部材が上記1次転写部材を押圧する押圧部から90度回転した位置に配置されるか、あるいは、上記複数の画像形成部のうちの上記第2画像形成部以外の画像形成部よりも当該位置に近くなるように配置されることが好ましい。
上記本発明に基づく湿式画像形成装置にあっては、上記複数の画像形成部は、上記押圧部から上記中間転写部材の回転方向に沿って、視認性の低い色を有するトナー像から視認性の高い色を有するトナー像が順次、上記中間転写部材に1次転写されるように配置されることが好ましい。
上記本発明に基づく湿式画像形成装置は、上記中間転写部材に当接されることにより上記中間転写部材上に残留した液体現像剤を除去するクリーニング部材をさらに備えることが好ましく、その場合には、上記複数の画像形成部のいずれもが、上記クリーニング部材の鉛直下方に位置しないことが好ましい。
上記本発明に基づく湿式画像形成装置は、上記中間転写部材に当接されることにより上記中間転写部材上に残留した液体現像剤を除去するクリーニング部材をさらに備えることが好ましく、その場合には、上記クリーニング部材および上記複数の画像形成部が、上記押圧部から上記中間転写部材の回転方向に沿って、この順に並んで配置されることが好ましいい。さらに、上記中間転写部材の回転方向を正として、上記中間転写部材の鉛直方向の上端位置から上記中間転写部材と上記クリ―ニング部材とが当接する位置までの上記中間転写部材の回転方向に沿った円弧部分の中心角をθ1と規定し、上記上端位置から上記押圧部までの上記中間転写部材の回転方向に沿った円弧部分の中心角をθ2と規定した場合において、上記θ1が0度<θ1≦90度の条件を満たし、かつ、上記複数の画像形成部の全てが、上記押圧部から上記中間転写部材の回転方向に135度回転した位置から315度回転した位置までの範囲内において上記中間転写部材に接触するように配置される場合に、上記θ2が−135度<θ2<90度の条件を満たすことが好ましい。
上記本発明に基づく湿式画像形成装置は、上記θ1がθ1=90度の条件を満たすことが好ましい。
本発明に基づく湿式画像形成装置は、他の局面において、互いに異なる単色のトナー像をそれぞれ形成する複数の画像形成部と、上記複数の画像形成部によって形成されたトナー像が1次転写される回転可能なローラ形状の中間転写部材と、上記中間転写部材に記録媒体を介して押圧されることにより、上記中間転写部材に1次転写されたトナー像を記録媒体上に2次転写する2次転写部材とを備える。上記複数の画像形成部および上記2次転写部材は、上記中間転写部材の外周に沿って並んで配置され、上記複数の画像形成部は、最も視認性の高い色を有するトナー像を形成する画像形成部を含み、上記最も視認性の高い色を有するトナー像を形成する画像形成部は、上記中間転写部材の回転方向に沿って上記2次転写部材が上記1次転写部材を押圧する押圧部から270度回転した位置に配置されるか、あるいは、上記複数の画像形成部のうちの上記最も視認性の高い色を有するトナー像を形成する画像形成部以外の画像形成部よりも当該位置に近くなるように配置される。
本発明によれば、高速印刷が可能であり、かつ、画像ノイズを低減することが可能な湿式画像形成装置を提供することができる。
本実施の形態に係る湿式画像形成装置の概略図である。 図1に示す画像形成部の概略図である。 図1に示す感光体、中間転写部材および2次転写部材の状態を示す概略図である。 トナーの反射率と波長との関係を示すグラフである。 明所比視感度と波長との関係を示すグラフである。 トナーの視覚感度指標を示すグラフである。 図1に示す画像形成部、クリーニング部および中間転写部材の詳細な位置関係を示す概略図である。 変形例1に係る湿式画像形成装置における画像形成部および中間転写部材の位置関係を示す概略図である。 変形例2に係る湿式画像形成装置における画像形成部および中間転写部材の位置関係を示す概略図である。 変形例3に係る湿式画像形成装置における画像形成部および中間転写部材の位置関係を示す概略図である。 変形例4に係る湿式画像形成装置における画像形成部および中間転写部材の位置関係を示す概略図である。 図1に示すクリーニング部材の設置可能領域を示す概略図である。 比較例1における湿式画像形成装置における中間転写部材およびクリーニング部材の位置関係を示す概略図である。 比較例2における湿式画像形成装置における中間転写部材およびクリーニング部材の位置関係を示す概略図である。 比較例3における湿式画像形成装置における中間転写部材およびクリーニング部材の位置関係を示す概略図である。 図1に示す画像形成部の配置領域を示す概略図である。 変形例5に係る湿式画像形成装置における2次転写部材、画像形成部、クリーニング部材の位置関係を示す図である。 変形例6に係る湿式画像形成装置における2次転写部材、画像形成部、クリーニング部材の位置関係を示す図である。 変形例7に係る湿式画像形成装置における2次転写部材、画像形成部、クリーニング部材の位置関係を示す図である。 比較例4における湿式画像形成装置における2次転写部材、画像形成部、クリーニング部材の位置関係を示す図である。 比較例5における湿式画像形成装置における2次転写部材、画像形成部、クリーニング部材の位置関係を示す図である。 比較例6における湿式画像形成装置における2次転写部材、画像形成部、クリーニング部材の位置関係を示す図である。 比較例7における湿式画像形成装置における2次転写部材、画像形成部、クリーニング部材の位置関係を示す図である。 変形例8に係る湿式画像形成装置における2次転写部材、画像形成部、クリーニング部材の位置関係を示す図である。 変形例5ないし8に係る湿式画像形成装置および比較例4ないし7における湿式画像形成装置についてクリーニング部材の配置の可否を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る湿式画像形成装置の概略図である。図2は、図1に示す画像形成部の概略図である。図1および図2を参照して本実施の形態に係る湿式画像形成装置について説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る湿式画像形成装置100は、画像形成部1a〜d、中間転写部材5、2次転写部材6、受け渡し部材7、クリーニング部材12、定着部16とを備える。
画像形成部1a〜dは、液体現像装置2a〜2d、感光体3a〜3dを含んでおり、互いに異なる単色のトナー像をそれぞれ作像する。感光体3a〜3d上に作成された静電潜像が、液体現像装置2a〜2dによって現像されることにより感光体3a〜3d上に各色のトナー像が形成される。液体現像装置2a〜2dは、液体現像剤を感光体3a〜3d上供給する現像ローラ4a〜4dを含む。
画像形成部1a〜1dの構成は、液体現像剤に含有されるトナー粒子の着色が異なる点以外においては、ほぼ同様である。図2を参照して、その代表として画像形成部1aについて説明する。
図2に示すように、画像形成部1aは、液体現像装置2a、感光体3a、帯電装置8a、露光装置9a、イレーサー10a、感光体クリーニング装置11aを含む。液体現像装置2aは、現像剤槽14a、汲み上げローラ13a、現像ローラ4aを含む。現像剤槽14aには、液体現像剤が貯留されており、汲み上げローラ13aによって汲み上げられた液体現像剤が現像ローラ4aに供給される。現像ローラ4aは、受け取った液体現像剤を感光体3aに供給する。
感光体3aはY軸方向に沿って延在する円筒形状の導電性基体21a(図3参照)を有し、その表面には感光体層が形成されている。感光体3aは矢印AR3a方向に回転する。感光体クリーニング装置11a、帯電装置8a、露光装置9a、イレーサー10aは、感光体3aの周辺において、感光体3aの回転方向に沿って順に配置されている。
帯電装置8aは、感光体3aの表面を所定の電位に均一に帯電させる。露光装置9aは、帯電した感光体3aの表面に所定の画像情報に基づいた光を照射し、帯電した感光体3aの表面が露光されることにより感光体3aの表面に静電潜像が形成される。
液体現像装置2aは、上述のようにキャリア液およびトナー粒子を含有する液体現像剤を感光体3aの表面に供給して、感光体3a上に形成された静電潜像を現像する。この際、液体現像装置2aの現像ローラ4aに電源供給装置(不図示)から印加されたバイアス電圧が印加される。これにより、感光体3a上の静電潜像の電位と現像ローラ4aの電位とのバランスで生じた電界に従って液体現像剤中のトナー粒子が感光体3aの潜像部分に静電吸着され、感光体3a上の静電潜像が現像される。この結果、感光体3aの表面には静電潜像の形状に対応したトナー像が形成される。
続いて、必要に応じてイレーサー10aによって感光体3aの全面が露光されることにより感光体3a上の残留電荷が消去される。次に、現像によって形成されたトナー像は、中間転写部材5と感光体3aとの接触部(ニップ部)において中間転写部材5上に1次転写される。この際、中間転写部材5に電源供給装置(不図示)から印加されたバイアス電圧により感光体3aと中間転写部材5との間に電界が形成され、トナー像が中間転写部材5に転写される。なお、感光体3a上に残存する液体現像剤は、感光体クリーニング装置11aによって除去され、次の画像形成が行われる。
図1に示すように、中間転写部材5は、Y軸方向に沿って延在する円筒形状を有し、感光体3a〜3dに接触しながらAR5方向に回転する。感光体3a〜3dと中間転写部材5との各接触部(ニップ部)において、感光体3a〜3d上に形成されたトナー像が順次中間転写部材5上に1次転写される。これにより、単色を有する各トナー像が中間転写部材5上で重ね合わされて多色のトナー像が形成される。なお、多色のトナー像(以下、フルカラー像と称する場合がある)が形成される際には、感光体3a〜3dへの書き込みタイミングが適切に制御される。
本実施の形態では、4色のトナー像が順次形成され、フルカラー像を形成するためのイエロー、マゼンタ、シアン色を有するトナー像に加えて文字などの黒を鮮明に印刷するためのブラック色を有するトナー像が画像形成部1a〜1dによって形成される。
なお、画像形成部1a〜1dは、ほぼ同様の構成であると説明したが、異なる大きさで構成されていてもよく、たとえばブラック色のトナー像を形成する画像形成部が、その他の画像形成部に対して大きく構成されていてもよい。
2次転写部材6は、Y軸方向に沿って延在する円筒形状を有し、AR6方向に回転する。また、2次転写部材6は、中間転写部材5の鉛直上方(Z軸方向上方)にて、記録媒体15を介して中間転写部材5を押圧するように配置され、押圧部Nを形成する。中間転写部材5上で重ね合わせられることで形成された多色のトナー像は、押圧部Nにおいて記録媒体15上に2次転写される。この際、2次転写部材6に電源供給装置(不図示)から印加されたバイアス電圧により中間転写部材5と2次転写部材6との間に電界が形成される。これにより、中間転写部材5上の多色のトナー像が、中間転写部材5と2次転写部材6との間を通過させた記録媒体15上へ静電吸着され、記録媒体15上に2次転写される。なお、転写されずに中間転写部材5上に残留した液体現像剤は、クリーニング部材12によって中間転写部材5から除去される。
クリーニング部材12は、クリーニングブレード19および現像剤回収槽20とを含む。クリーニングブレード19は、中間転写部材5に当接されることで、2次転写後に中間転写部材5上に残存したキャリア液およびトナー粒子を除去する。除去されたキャリア液およびトナー粒子は、現像剤回収槽20に貯留される。クリーニング部材12による除去の後、中間転写部材5には、次の1次転写が行なわれる。
フルカラー像が2次転写された記録媒体15は、受け渡し部材7によって定着部16に搬送される。受け渡し部材7は、中間転写部材5に対して、記録媒体15の搬送経路における上流側(X軸正方向側)および下流側(X軸負方向側)に配置される。上流側に位置する受け渡し部材7は、中間転写部材5に記録媒体15を供給し、下流側に位置する受け渡し部材7は、中間転写部材5から記録媒体15を定着部16に向けて搬送する。
定着部16は、一対の定着ローラ17と搬送部18とを含む。搬送部18は、定着ローラ17の上流側に配置され、受け渡し部材7から受け取った記録媒体15を定着ローラ17に向けて搬送する。定着ローラ17は、加熱源(不図示)を有し、記録媒体15の搬送経路を挟んで互いに対向するように配置されている。当該加熱源により所定の温度に加熱された定着ローラ17に搬送された記録媒体15は、一対の定着ローラ17の圧接ニップ部において加圧および加熱される。この際、フルカラー像に含有されるトナー粒子の溶融が促進され、溶融されたトナー粒子が一体化されることにより、記録媒体15上にトナーが定着される。
なお、定着方法としては、上述のような定着ローラ17による加熱加圧を利用した定着方法に限定されず、非接触加熱ヒータからの輻射を利用した定着方法、熱風を付与する定着方法、またはこれらを組み合わせた定着方法などを適宜選択することができる。
次に、各部材の具体的な材料について説明する。本実施の形態における液体現像剤は、溶媒であるキャリア液と、着色されたトナー粒子とを含有している。液体現像剤には、分散剤および荷電制御剤などが添加されていてもよい。液体現像剤に含まれるキャリア液としては、絶縁性の溶媒を採用することができる。液体現像剤に用いられるトナー粒子としては、主として樹脂材料と、着色のための顔料または染料とによって構成される。樹脂材料は、顔料または染料をその樹脂材料中に均一に分散させる機能と、トナー像が記録媒体15に定着される際のバインダーとしての機能とを有する。
液体現像剤中におけるトナー粒子の体積平均粒子径は、0.1μm以上5μm以下であることが好ましい。液体現像剤中におけるトナー粒子の体積平均粒子径が0.1μm以上である場合には、トナー粒子は、静電潜像を現像しやすくなる。また、液体現像剤中におけるトナー粒子の体積平均粒子径が5μm以下である場合には、トナー像の品質が向上する。
液体現像剤の重量に対するトナー粒子の重量の割合は、10%以上50%以下であることが好ましい。液体現像剤の重量に対するトナー粒子の重量の割合が10%以上である場合には、トナー粒子の沈降が生じにくく、長期保管時においてトナー粒子が経時的に高いい安定性を有し、また、所望の画像濃度を得るために必要な液体現像剤の量を低減することができる。これにより、トナー像を定着させる際に多くのキャリア液を乾燥させる必要がなくなり、キャリア液から多くの蒸気が発生することを防止できる。液体現像剤の重量に対するトナー粒子の重量の割合が50%以下である場合には、液体現像剤の粘度が適切な値となり、製造時における取扱いが良好となる。
中間転写部材5は、円筒状の導電性基体22(図3参照)と、導電性基体22上に形成された表層を含む。導電性基体22の材質としては、例えばアルミ系あるいはステンレス系あるいは鉄系などの金属材料やそれらの合金がを用いることができる。表層は、所定の厚みを有し、単層または複層によって構成される。表層は、1次転写時、2次転写時の転写ニップを形成するよう一定の弾性を持たせることが好ましく、その構成としては弾性層単層、または、弾性層とそれより高硬度の層を組み合わせた複層構成など、従来公知の様々な構成を採用することができる。
上述の表層に使用する材質の種類としては、弾性層、樹脂層および発泡層が挙げられる。また、弾性層の面方向の伸縮を防止するために必要な場合には、布層を表層内に設けても良い。弾性層としては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム、天然ゴム、イソプレンゴム等のゴム材料が例として挙げられる。また、樹脂層としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂材料を例として挙げられる。さらに、発泡層としては、ポリウレタン、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化樹脂の発泡体、あるいはポリエチレン、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂のゴム発泡体などが例として挙げられる。
なお、表層については、基体表面に成形やコーティングによってシームレスに固定した形態でも良いし、シート状のものやチューブ状のものを巻きつけるようにして設けた形態のものでもよい。また、それらのシートやチューブを脱着可能に設置して交換して使用するようなものでも良い。
また、バイアスによる電界形成を妨げず、かつ、中間転写部材5のチャージアップを抑制し良好な転写性を得るために、表層は、適度に導電性を有する構造とすることが好ましい。表層に導電性を付与する手段の一例として、表層を導電性の材料にて形成する手段を採用することができる。その他の例として、弾性層、樹脂層および発泡層などの一般的な絶縁性の有機材料を主として表層を形成する場合には、当該有機材料に導電剤を添加させる手段を採用することができる。導電剤としては、たとえば電子導電剤もしくはイオン導電剤を採用することができる。電子導電剤としては、たとえばケッチンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラックや、金属粉、金属酸化物の微粒子等を採用することができるが、これに限定されない。イオン導電剤としては、たとえば四級アンモニウム塩等のカチオン性化合物や、両性化合物、その他イオン性高分子材料を採用することができるが、これに限定されない。
図3は、図1に示す感光体、中間転写部材および2次転写部材の状態を示す概略図である。図3を参照して、感光体3a、中間転写部材5および2次転写部材6の状態について説明する。
図3に示すように、感光体3a、中間転写部材5および2次転写部材6は、円筒形状の導電性基体21a、22、23の両端側が軸受部材(不図示)によって回動自在に支持されている。2次転写部材6は、カムまたはバネなどを有する押圧機構(不図示)によって中間転写部材5に押圧可能に支持されている。中間転写部材5は、2次転写部材6によってその押圧方向(Z軸方向)に外力が付加された状態で、2次転写部材6および感光体3aに接触ながら回転する。
ここで、湿式電子写真方式においては、乾式電子写真方式と比べ、トナー粒径が小さいため中間転写部材5上の液体現像剤層の厚みが薄くなる。また、乾式電子写真方式ではトナー粒子は電界に引かれて空気中を移動して転写することができるのに対し、湿式電子写真方式ではトナー粒子は液中のみ移動可能である。このため、液体現像剤層の厚みが薄く、記録媒体15と中間転写部材5の密着性が低い場合には、液体現像剤が記録媒体15に到達せず、液現像体層と記録媒体15との空隙をトナー粒子が移動することができなくなる。これにより、液体現像剤層の記録媒体15への密着が不十分な部分において2次転写が行われず転写不良が発生する。
このような転写不良を回避するため、湿式電子写真においては、中間転写部材5と2次転写部材6とが接触する押圧部Nでの押圧力は、感光体3aと中間転写部材5とが接触する接触部での押圧力と比較して極めて高くなる。その結果、中間転写部材5には2次転写部材の押圧方向(Z軸方向)に負荷がかかることになり、中間転写部材5は、その長手方向(Y軸方向)において中央部から両端側が押圧方向と反対側(Z軸負方向)に反るように撓むことになる。
上述のような撓みが発生すると、各色のトナー像を形成する画像形成部1a〜1dと中間転写部材5との接触部において圧力勾配が生じる。たとえば、長手方向(Y軸方向)において中央部で圧力が高く、両端側で圧力が低くなる。このような圧力勾配が生じる場合には、1次転写の際の中間転写部材5と感光体3a〜3dの接触(Nip)時間が変化したり、接触部における液体現像剤の溜まり量が変化したりすることが危惧される。これにより、接触部の中央部および両端側でトナー濃度が変化し、1次転写されたトナー像にムラが生じ易くなる。
圧力勾配は、中間転写部材5の周面の位置においてその度合いが異なる。中間転写部材5は、2次転写部材6の押圧方向に大きく撓むため、押圧部Nと反対側の位置にて圧力勾配が最大となり、押圧方向に垂直な方向にて圧力勾配が最小となる。すなわち、押圧部Nから中間転写部材5の回転方向に180度回転した位置にて圧力勾配が最大となり、押圧部Nから中間転写部材5の回転方向に90度もしくは270度回転した位置にて圧力勾配が最小となる。
したがって、圧力勾配の影響が低減するように感光体3a〜3dと中間転写部材5が接触する位置を調整することにより、最終的に形成される画像のムラを抑制することが可能となる。また、本実施の形態にあっては、画像形成部1a〜1dではそれぞれが異なる単色のトナーを使用するため、各色の視認性について考慮することにより、当該画像のムラを更に抑制させることができる。
図4は、トナーの反射率と波長との関係を示すグラフである。図5は、明所比視感度と波長との関係を示すグラフである。図6は、トナーの視覚感度指標を示すグラフである。図4から図6を参照して各色の視認性について説明する。
視認性は、その色の反射分光スペクトルと、比視感度によって決定される。具体的には、各波長において分光反射率と比視感度との積を取り、それを全波長に対して積分した積分値の大きさによって視認性が決定される。当該積分値の大きさが小さい色程、人間の目にとって用紙の色とのコントラストが大きく感じられるため、視認性が高くなる。比視感度とは、各波長の光の明るさをどの程度人間の目が感じるかを数値化したものである。
図4に示すように、シアン、マゼンタ、イエローにおける反射分光スペクトルはそれぞれ波長ごとに分光反射率が変化する。ブラックについては図示しないが、ブラックはほぼ波長全域にわたって吸収するため、一般に波長全域で10%以下の反射率になる。また、図5に示すように、人間の目における比視感度は、約555nmにピークを持つような感度曲線で表わされる。
上記図4および図5の結果と上述の算出方法とに基づき計算された、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックにおける上述の積分値は、図6に示すような関係となる。イエローが視覚感度指標(積分値)が最も高く、次いでマゼンタの視覚感度指標が高く、マゼンタに次いでシアンの視覚感度指標が高く、ブラックの視覚感度指標(積分値)が最も低くなる。このことより、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に視認性が高く、イエローが最も視認性が低い色となり、ブラックが最も視認性が高い色となる。
なお、色材の違い等によって反射分光スペクトルが図4と大きく相違する場合には、上記算出方法に基づいて視認性を比較することにより、その大小を確認することが可能である。また、上述の組み合わせ以外の色を有するトナー粒子を用いた場合でも、上記方法に基づいて各色の視認性を比較することで最も視認性の低い色及び最も視認性の高い色を把握することが可能である。
図7は、図1に示す画像形成部、クリーニング部材および中間転写部材の詳細な位置関係を示す概略図である。図7を参照して、上記のような中間転写部材5の撓みおよび色の視認性を考慮した場合における画像形成部1a〜1d、クリーニング部材12および中間転写部材5の詳細な位置関係について説明する。
図7に示すように、本実施の形態に係る湿式画像形成装置100にあっては、中間転写部材5と2次転写部材6の押圧部Nから中間転写部材5の回転方向に沿ってクリーニング部材12、画像形成部1a〜1dが順に並んで配置されている。
画像形成部1a〜1dは、視認性の低い色を有するトナー像から視認性の高い色を有するトナー像が順次、中間転写部材5に1次転写されるように配置されている。すなわち、画像形成部1aがイエロー(Y)色を有するトナー像を形成し、画像形成部1bがマゼンタ(M)色を有するトナー像を形成し、画像形成部1cがシアン(C)色を有するトナー像を形成し、画像形成部1dがブラック(K)色を有するトナー像を形成する。
また、画像形成部1aは、最も視認性の低い色を有するトナー像を形成する第1画像形成部に相当する。画像形成部1aは、画像形成部1a〜1dのうち画像形成部1a以外の画像形成部1b〜1dよりも中間転写部材5の回転方向に沿って押圧部Nから180度回転した位置に最も近くなるように配置されている。なお、画像形成部1aは、押圧部Nから180度回転した位置に配置されてもよい。
一方、画像形成部1dは、最も視認性の高い色を有するトナー像を形成する第2画像形成部に相当する。画像形成部1dは、画像形成部1a〜1dのうち画像形成部1d以外の画像形成部1a〜1cよりも中間転写部材5の回転方向に沿って押圧部Nから270度回転した位置に最も近くなるように配置されている。なお、画像形成部1aは、押圧部Nから270度回転した位置に配置されてもよい。
クリーニング部材12は、画像形成部1a〜1dよりも中間転写部材5の回転方向に沿って押圧部Nから90度回転した位置に最も近くなるように配置されている。なお、クリーニング部材12は、中間転写部材5の回転方向に沿って押圧部Nから90度回転した位置に配置されていてもよい。また、クリーニング部材12の鉛直下方には、画像形成部1a〜1dは位置していない。
このように、圧力勾配が小さくなる位置に視認性の高い色のトナー像を形成する画像形成部1dを配置する構成とすることにより、視認性が高く最も目立つトナー像のムラを抑制しつつ当該トナー像を1次転写させることができる。一方、圧力勾配が大きくなる位置に視認性の低い色のトナー像を形成する画像形成部1aが配置されることになるが、視認性が低い色を有するトナー像のムラは、画像の品質に与える影響が少ない。したがって、総合して、最終的に形成される画像のムラが軽減されることになる。
また、圧力勾配が小さくなる位置にクリーニング部材12を配置することにより、クリーニングブレード19を中間転写部材5に均一に当接させることが可能となり、中間転写部材5上に残留した液体現像剤をムラなく除去することができる。さらに、クリーニング部材12の鉛直下方に画像形成部1a〜1dが位置していない構成とすることで、回収した液体現像剤がクリーニング部材12からこぼれた場合に、当該液他現像剤が画像形成部1a〜1d内へ混入することを防止することができる。この結果、除去された液体現像剤に含有される多色のトナー粒子が、画像形成部1a〜1d内で混色されることを防止することができる。加えて、視認性が低い色の順に画像形成部1a〜1dを配置することにより、トナーの混色による画質の低下を軽減することができる。以下、混色による画質の低下について説明する。
中間転写部材5上で単色のトナー像を重ね合わせる本実施の形態にあっては、中間転写部材5の回転方向に沿った上流側に位置する感光体によって中間転写部材5上に形成された単色のトナー像に含まれるトナーの一部が、下流側に位置する感光体へ中間転写部材5から転写される場合がある。このような場合には、下流側の画像形成部内へ上流側のトナーが混じり込み、トナーが混色する可能性が高くなる。感光体に混じり込んだトナーは、感光体クリーニング装置によって大半は除去されるが、除去しきれなかった少量のトナーが液体現像装置と感光体の当接部に達して液体現像装置内へ混入する。また、感光体に混じり込んだトナーは感光体クリーニング装置の端部等の変則的経路を伝って液体現像装置内へ混入する場合がある。
液体現像装置内へと混入した別色のトナーは、時間当たりの混入量は少量であるが、長時間の印刷動作によって蓄積される場合には、トナー像を形成する際に影響が大きくなる。この混色については、混入する側のトナーが視認性の高い色であるほど、また混入される側のトナーが視認性の低い色であるほど、その影響は大きくなる。例えば、視認性の高いブラックに視認性が低いイエローが混色する場合には画質への影響は少ないが、イエローにブラックが少量でも混色する場合には、画質への影響は大きくなる。
したがって、上述のように中間転写部材5の回転方向に沿って、視認性の低い色を有するトナー像を形成する画像形成部から順に画像形成部1a〜1dを配置することで、混色による画質の低下を低減させることができる。
さらに、このような配置構成にあっては、記録媒体15上にフルカラー像を2次転写する際に、2次転写されたフルカラー像の最下層(記録媒体側)から最表層に向かって視認性が低くなるように色重ねが行なわれる。具体的には、最下層に視認性の高いブラックが、最表層に視認性の低いイエローが配置されるように色重ねが行なわれる。このため、視認性の低い色の発色が良くなり、最終的に形成される画像の色再現性が広がる。
以上のように、本実施の形態に係る湿式画像形成装置は、複数の画像形成部1a〜1dを備え、かつ、上記のような順番および位置に画像形成部1a〜1dを配置することにより、高速印刷が可能となり、かつ、画像ノイズを低減することが可能となる。
(変形例1〜4)
図8から図11は、変形例1〜4に係る湿式画像形成装置における画像形成部および中間転写部材の位置関係を示す概略図である。図8から図11を参照して、変形例1〜4に係る湿式画像形成装置における画像形成部1a〜1dおよび中間転写部材5の位置関係について説明する。
(変形例1)
図8に示すように、変形例1に係る湿式画像形成装置100Aにあっては、上述した実施の形態に係る湿式画像形成装置100と比較した場合に、感光体3aが、中間転写部材5の回転方向に押圧部Nから90度回転した位置に配置されている点、感光体3bが感光体3aよりも上流側に配置されている点、および感光体3cが感光体3dよりも下流側に配置されている点において相違する。
(変形例2)
図9に示すように、変形例2に係る湿式画像形成装置100Bにあっては、上述した実施の形態に係る湿式画像形成装置100と比較した場合に、感光体3cが感光体3aと感光体3bの間に配置されている点において相違する。
(変形例3)
図10に示すように、変形例3に係る湿式画像形成装置100Cにあっては、上述した実施の形態に係る湿式画像形成装置100と比較した場合に、感光体3cが感光体3dよりも下流側に配置されている点において相違する。
(変形例4)
図11に示すように、変形例4に係る湿式画像形成装置100Dにあっては、上述した実施の形態に係る湿式画像形成装置100と比較した場合に、感光体3bが感光体3aよりも上流側に配置されている点において相違する。
変形例1〜4に係る湿式画像形成装置100A〜100Dにおいても、上述した実施の形態に係る湿式画像形成装置100と同様に、高速印刷が可能であり、圧力勾配によって生じる画像ムラを低減させることが可能である。
なお、変形例1,3,4に係る湿式画像形成装置100A,100C,100Dにあっては、感光体3bにマゼンタ色を有するトナー像が形成され、感光体3cにシアン色を有するトナー像が形成されてもよいし、その逆に感光体3bにシアン色を有するトナー像が形成され、感光体3cにマゼンタ色を有するトナー像が形成されてもよい。
(クリーニング部材の配置位置)
上述した実施の形態においては、クリーニング部材12は、上記の圧力勾配を考慮し、中間転写部材5の回転方向に押圧部Nから90度回転した位置に最も近い位置に配置されている場合を例示して説明したが、クリーニングブレード19を当接させる際の圧力を適宜調整することにより2次転写後の残留液体現像剤を均一に除去することが可能となるため、クリーニング部材12の当接位置を変更することが可能である。
図12は、図1に示すクリーニング部材の設置可能領域を示す概略図である。図12を参照して、上述した実施の形態に係る湿式画像形成装置100におけるクリーニング部材12の設置可能領域について説明する。
なお、中間転写部材5の回転方向を正として、中間転写部材5の鉛直方向の上端位置Pからクリーニング部材12の当接位置までの中間転写部材5の回転方向に沿った円弧部分に相当する中心角をθ1として規定する。また、クリーニング部材12のクリーニングブレード19は、先端部19aおよび支持部19bを含み、中間転写部材5の接線方向と略平行な方向に延在する。
図12に示すように、クリーニングブレード19の先端部19aが上方に向くように、かつ、中間転写部材5の中心Cが、クリーニングブレード19と中間転写部材5との当接位置よりも下方または該当接位置と同じ高さに位置するように、クリーニングブレード19は、中間転写部材5に当接される。具体的には、クリーニングブレード19は、斜線部に示すように、0度<θ1≦90度となる範囲に相当する設置可能領域5aにて当接される。
このようにクリーニングブレード19が配置される場合には、2次転写後に中間転写部材5上に残留した液体現像剤24が、先端部19aおよびその支持部19bを伝ってスムーズに移動する。また、当該液体現像剤24は、主としてクリーニングブレード19の上面を伝って現像剤回収槽20に回収される。このため、液体現像剤24が鉛直下方に落下することによる機内汚染を低減させることができる。
(比較例1〜3)
図13から図15は、比較例1〜3における湿式画像形成装置の中間転写部材およびクリーニング部材の位置関係を示す概略図である。図13から図15を参照して、比較例1〜3における湿式画像形成装置200A〜200Cにおけるクリーニング部材12の配置位置について説明する。
(比較例1)
図13に示すように、比較例1における湿式画像形成装置200Aは、上述した実施の形態に係る湿式画像形成装置100と比較した場合に、クリーニングブレード19の当接位置が相違する。具体的には、比較例1における湿式画像形成装置200Aにあっては、クリーニングブレード19の先端部19aが下方に向くように、かつ、中間転写部材5の中心Cが当接位置よりも下方に位置するように、クリーニングブレード19は、中間転写部材5に当接される。より具体的には、クリーニングブレード19は、斜線部に示すように、270度<θ1≦360度となる範囲に相当する領域5bにて当接される。
このようにクリーニングブレード19が配置される場合には、2次転写後に中間転写部材5上に残留した液体現像剤24は、当接部周辺に堆積したまま排出されず、画像形成停止時に中間転写部材5を伝って流れ出す(図中矢印参照)。この結果、多色のトナー粒子が混在した液体現像剤24が中間転写部材と感光体の接触部に到達し、混色が生じる。また、該接触部に液体現像剤24が到達する前にその一部が鉛直下方へ落下し、機内汚染が発生する。
(比較例2)
図14に示すように、比較例2における湿式画像形成装置200Bは、上述した実施の形態に係る湿式画像形成装置100と比較した場合に、クリーニングブレード19の位置が相違する。具体的には、比較例2における湿式画像形成装置200Bにあっては、クリーニングブレード19の先端部19aが下方に向くように、かつ、中間転写部材5の中心Cが当接位置よりも上方または当接位置と同じ高さに位置するように、クリーニングブレード19は中間転写部材5に当接される。より具体的には、クリーニングブレード19は、斜線部に示すように、180度<θ1≦270度となる範囲に相当する領域5cにて当接される。
このようにクリーニングブレード19が配置される場合には、2次転写後に中間転写部材5上に残留した液体現像剤24は、自重により当接部周辺から鉛直下方へ落下し(図中矢印参照)、機内汚染が発生する。
(比較例3)
図15に示すように、比較例3における湿式画像形成装置200Cは、上述した実施の形態に係る湿式画像形成装置100と比較した場合に、クリーニングブレード19の位置が相違する。具体的には、比較3における湿式画像形成装置にあっては、クリーニングブレード19の先端部19aが上方に向くように、かつ、中間転写部材5の中心Cが当接位置よりも上方に位置するように、クリーニングブレード19は中間転写部材5に当接される。より具体的には、クリーニングブレード19は、斜線部に示すように、90度<θ1≦180度となる範囲に相当する領域5dにて当接される。
このようにクリーニングブレード19が配置される場合には、2次転写後に中間転写部材5上に残留した液体現像剤24は、クリーニングブレード19に沿って流れるが、その一部は、自重により現像剤回収槽20に到達する前に鉛直下方へ落下し、機内汚染が発生する。
以上のように、比較例1〜3における湿式画像形成装置200A〜200Cあっては、上述の残留した液体現像剤24を落下させることなく回収することが困難である。したがって、上述した実施の形態においては、機内汚染の発生を抑制させるために、0度<θ1≦90度となる範囲がクリーニング部材12の設置可能領域5aとなる。
(画像形成部の配置位置)
画像形成部1a〜1dの配置に関しても適宜変更することが可能であるが、上記の圧力勾配と視認性を考慮した配置関係を担保するために、特定の配置領域内に配置されることが好ましい。
図16は、図1に示す画像形成部の配置領域を示す概略図である。図16を参照して、画像形成部1a〜1dの配置領域5eについて説明する。
図16に示すように、2次転写部材6は、中間転写部材5の鉛直上方に配置されており、中間転写部材5の鉛直方向の上端位置Pに中間転写部材5と2次転写部材との押圧部Nが形成されている。このような場合には、画像形成部1a〜1dは、θA=135度となる位置A(押圧部Nから中間転写部材5の回転方向に135度回転した位置A)から、θB=315度となる位置B(押圧部Nから中間転写部材5の回転方向に315度回転した位置B)までの配置領域5eに配置されることが好ましい。押圧部Nの位置が変更された場合であっても、変更された押圧部Nを基準として設定される配置領域5eに画像形成部1a〜1dが配置される。画像形成部1a〜1dが配置領域5eに配置されることにより、中間転写部材5の圧力勾配が大きくなる位置近傍に視認性の低い色を有するトナー像を形成する画像形成部1aを配置することができ、中間転写部材5の圧力勾配が小さくなる位置近傍に視認性の高い色を有するトナー像を形成する画像形成部1dを配置することができる。
(2次転写部材、画像形成部およびクリーニング部材の配置位置)
上述にあっては、クリーニング部材12の配置および画像形成部1a〜1dの配置についてそれぞれを独立した状態で検討したが、2次転写部材6、画像形成部1a〜1dおよびクリーニング部材12が相互に干渉するように配置されることは設計上困難である。したがって、2次転写部材6、画像形成部1a〜1dおよびクリーニング部材12が相互に干渉しないような配置を検討する必要がある。
(変形例5〜8、比較例4〜7)
図17から図24は、変形例5〜8に係る湿式画像形成装置および比較例4〜7における湿式画像形成装置の2次転写部材、画像形成部およびクリーニング部材の位置関係を示す図である。図25は、変形例5〜8に係る湿式画像形成装置および比較例4〜7における湿式画像形成装置についてクリーニング部材の配置の可否を示す図である。図17から図25を参照して、変形例5〜8に係る湿式画像形成装置100E〜100Hおよび比較例4〜7における湿式画像形成装置200D〜200Gの2次転写部材6、画像形成部1a〜1dおよびクリーニング部材12の位置関係について説明する。
なお、画像形成部1a〜1dの配置領域を上述の配置領域5eに固定し、押圧部Nの位置を変更させた場合における2次転写部材6、画像形成部1a〜1dおよびクリーニング部材12の配置について説明する。
この際、中間転写部材5の回転方向を正として、中間転写部材5の鉛直方向の上端位置Pから押圧部Nまでの中間転写部材5の回転方向に沿った円弧部分の中心角をθ2と規定する。
また、湿式画像形成装置の2次転写部材6、画像形成部1a〜1dおよびクリーニング部材12が相互に干渉することなく配置される場合に、クリーニング部材12が設置可能領域5aの全域に設置できる場合を「良」、クリーニング部材12が設置可能領域5aの一部に設置できる場合を「可」、クリーニング部材12を設置可能領域5aの全域に設置することができない場合を「不可」と表現する。
(変形例5)
図17に示すように、変形例5に係る湿式画像形成装置100Eは、上述した実施の形態に係る湿式画像形成装置100と比較した場合に、クリーニング部材12を広域の範囲に設置させることができる点において相違する。
θ2=0度である場合(押圧部Nが位置Pに存在する場合)には、クリーニング部材12の設置可能領域5aと画像形成部1a〜1dの配置領域5eは重なることが無いため、2次転写部材6、画像形成部1a〜1dおよびクリーニング部材12は、相互に干渉することがないように配置することができる。これにより、設計上の配置に支障が生じない。
このような場合には、クリーニング部材12は、設置可能領域5aの全域に相当する0度<θ1≦90度の範囲内において中間転写部材5に当接可能である。したがって、図25に示すように、変形例5に係る画像装置100Eは、「良」と判断することができる。
(変形例6)
図18に示すように、変形例6に係る湿式画像形成装置100Fは、上述した実施の形態に係る湿式画像形成装置100と比較した場合に、押圧部Nの位置が主として相違する。具体的には、変形例6に係る湿式画像形成装置100Fにおける押圧部Nは、θ2=−45度の位置(位置Pから回転方向に−45度回転した位置)に存在する。
上記の場合には、押圧部Nから中間転写部材5の回転方向に135度回転した位置Aが、位置Pから回転方向に90度回転した位置に配置される。この結果、画像形成部1a〜1dの配置領域がクリーニング部材12の配置領域の下方に隣接する。したがって、クリーニング部材12の設置可能領域5aと画像形成部1a〜1dの配置領域5eは重なることが無いため、2次転写部材6、画像形成部1a〜1dおよびクリーニング部材12は、相互に干渉することがないように配置することができる。これにより、設計上の配置に支障が生じない。
この際、クリーニング部材12は、設置可能領域5aの全域に相当する0度<θ1≦90度の範囲内において配置可能である。したがって、図25に示すように、変形例6に係る画像装置100Fは、「良」と判断することができる。
(変形例7)
図19に示すように、変形例7に係る湿式画像形成装置100Gは、上述した実施の形態に係る湿式画像形成装置100と比較した場合に、押圧部Nの位置が主として相違する。具体的には、変形例7に係る湿式画像形成装置にあっては、押圧部Nは、θ2=−90度の位置(位置Pから回転方向に−90度回転した位置)に存在する。
上記の場合には、押圧部Nから中間転写部材5の回転方向に135度回転した位置Aが、位置Pから回転方向に45度回転した位置に配置されることとなり、画像形成部1a〜1dの配置領域とクリーニング部材12の配置領域とが45度≦θ1≦90度の範囲において重なる。
この場合にあっては、クリーニング部材12の設置可能領域5aの一部であり設置可能領域5aと画像形成部1a〜1dの配置領域5eとが重ならない範囲(0度<θ1<45度の範囲)において、クリーニング部材12を配置することができる。この結果、2次転写部材6、画像形成部1a〜1dおよびクリーニング部材12は、相互に干渉することがないように配置される。したがって、変形例7に係る湿式画像形成装置100Gは、図25に示すように「可」と判断することができる。
(比較例4)
図20に示すように、比較例4における湿式画像形成装置200Dは、上述した実施の形態に係る湿式画像形成装置100と比較した場合に、押圧部Nの位置が主として相違する。具体的には、比較例4における湿式画像形成装置にあっては、押圧部Nがθ2=−135度の位置(位置Pから回転方向に−135度回転した位置)に存在する。
このような場合には、押圧部Nから中間転写部材5の回転方向に135度回転した位置Aが、位置Pと重なるように配置される。この結果、画像形成部1a〜1dの配置領域5eとクリーニング部材12の設置可能領域5aとが0度≦θ1≦90度の範囲において重なる。
また、クリーニング部材12は、1次転写に影響を与えず、かつ、2次転写後の中間転写部材5上の残留液体現像剤を除去するという機能を発揮するために押圧部Nから位置Aまでの間に配置される。このため、クリーニング部材12は設置可能領域5aに配置することはできない。したがって、比較例4における湿式画像形成装置200Dは、図25に示すように「不可」と判断することができる。
(比較例5)
図21に示すように、比較例5における湿式画像形成装置200Eは、上述した実施の形態に係る湿式画像形成装置100と比較した場合に、押圧部Nの位置が主として相違する。具体的には、比較例5における湿式画像形成装置にあっては、押圧部Nがθ2=−135度の位置(位置Pから回転方向に−135度回転した位置)に存在する。
このような場合には、押圧部Nから中間転写部材5の回転方向に135度回転した位置Aが、位置Pから回転方向に45度回転した位置に配置される。この結果、画像形成部1a〜1dの配置領域とクリーニング部材12の配置領域とが0度≦θ1≦90度の範囲において重なる。
また、クリーニング部材12は、上述のように押圧部Nから位置Aまでの間に配置される。このため、クリーニング部材12は設置可能領域5aに配置することはできない。したがって、比較例5における湿式画像形成装置200Dは、図25に示すように「不可」と判断することができる。
(比較例6)
図22に示すように、比較例6における湿式画像形成装置200Eは、上述した実施の形態に係る湿式画像形成装置100と比較した場合に、押圧部Nの位置が主として相違する。具体的には、比較例6における湿式画像形成装置200Eにあっては、押圧部Nがθ2=135度の位置(中間転写部材5の鉛直上方の上端位置Pから回転方向に135度回転した位置)に存在する。
このような場合には、押圧部Nから中間転写部材5の回転方向に135度回転した位置Aが、位置Pから回転方向に−90度回転した位置に配置される。この結果、画像形成部1a〜1dの配置領域5eとクリーニング部材12の設置可能領域5aとが0度≦θ1≦90度の範囲において重なる。
また、クリーニング部材12は、上述のように押圧部Nから位置Aまでの間に配置される。このため、クリーニング部材12は設置可能領域5aに配置することはできない。したがって、比較例6における湿式画像形成装置は、図25に示すように「不可」と判断することができる。
(比較例7)
図23に示すように、比較例7における湿式画像形成装置200Gは、上述した実施の形態に係る湿式画像形成装置100と比較した場合に、押圧部Nの位置が主として相違する。具体的には、比較例7における湿式画像形成装置200Gにあっては、押圧部Nがθ2=90度の位置、すなわち中間転写部材5の鉛直上方の位置から回転方向に90度回転した位置に存在する。
このような場合には、押圧部Nから中間転写部材5の回転方向に135度回転した位置Aが、位置Pから回転方向に−135度回転した位置に配置される。この結果、画像形成部1a〜1dの配置領域5eとクリーニング部材12の設置可能領域5aとが設置可能領域5aの一部である0度≦θ1≦45度の範囲において重なる。
しかしながら、クリーニング部材12は、上述のように押圧部Nから位置Aまでの間に配置されるため、クリーニング部材12は設置可能領域5aに配置することはできない。したがって、比較例7における湿式画像形成装置200Gは、図25に示すように「不可」と判断することができる。
(変形例8)
図24に示すように、変形例8における湿式画像形成装置100Hは、上述した実施の形態に係る湿式画像形成装置100と比較した場合に、押圧部Nの位置が主として相違する。具体的には、変形例8に係る湿式画像形成装置100Hにあっては、押圧部Nがθ2=45度の位置(中間転写部材5の鉛直上方の上端位置Pから回転方向に45度回転した位置)に存在する。
このような場合には、押圧部Nから中間転写部材5の回転方向に135度回転した位置Aが、位置Pから回転方向に180度回転した位置に配置される。この結果、画像形成部1a〜1dの配置領域5eがクリーニング部材12の設置可能領域5aの右側(X軸方向)に隣接する。
この場合にあっては、クリーニング部材12の設置可能領域5aの一部であり設置可能領域5aと画像形成部1a〜1dの配置領域5eとが重ならない範囲(45度<θ1≦90度の範囲)において、クリーニング部材12を配置することができる。この結果、2次転写部材6、画像形成部1a〜1dおよびクリーニング部材12は、相互に干渉することがないように配置される。したがって、変形例8に係る湿式画像形成装置100Hは、図25に示すように「可」と判断することができる。
以上のように比較例4〜7における湿式画像形成装置200D〜200Gと変形例5〜8に係る湿式画像形成装置100E〜100Hとを対比すると、クリーニング部材12および画像形成部1a〜1dが、押圧部Nから中間転写部材5の回転方向に沿って、この順に並んで配置され、中間転写部材5の回転方向を正として、中間転写部材5の鉛直方向の上端位置Pから中間転写部材5とクリ―ニング部材12とが当接する位置までの中間転写部材5の回転方向に沿った円弧部分の中心角をθ1と規定し、上端位置Pから押圧部Nまでの中間転写部材5の回転方向に沿った円弧部分の中心角をθ2と規定した場合において、θ1が0度<θ1≦90度の条件を満たし、かつ、画像形成部1a〜1dの全てが、押圧部Nから中間転写部材5の回転方向に135度回転した位置Aから、圧接部から中間転写部材の回転方向に315度回転した位置Bまでの範囲内において中間転写部材5に接触するように配置される場合に、θ2が−135度<θ2<90度の条件を満たす湿式画像形成装置にあっては、上述した実施の形態に係る湿式画像形成装置同様に、高速印刷が可能となり、かつ、画像ノイズを低減することが可能となる。
また、θ1が0度<θ1≦90度の条件を満たし、かつ、画像形成部1a〜1dの全てが、押圧部Nから中間転写部材5の回転方向に135度回転した位置Aから、圧接部から中間転写部材の回転方向に315度回転した位置Bまでの範囲内において中間転写部材5に接触するように配置される場合に、θ2が−90度≦θ2≦45度の条件を満たす湿式画像形成装置にあっては、クリーニング部材12と、2次転写部材6または画像形成部1aとのクリアランスが広がるため、クリーニング部材12を容易に設置することができる。
さらに、θ1が0度<θ1≦90度の条件を満たし、かつ、画像形成部1a〜1dの全てが、押圧部Nから中間転写部材5の回転方向に135度回転した位置Aから、圧接部から中間転写部材の回転方向に315度回転した位置Bまでの範囲内において中間転写部材5に接触するように配置される場合に、−45度≦θ2≦0度である湿式画像形成装置にあっては、クリーニング部材12の鉛直下方に湿式画像形成装置1a〜1dのいずれもが位置しないように構成できるため、さらにクリーニング部材12によって回収された液体現像剤による混色を防止することができる。
なお、実施の形態および変形例1〜8に係る湿式画像形成装置にあっては、画像形成部1dは、画像形成部1a〜1cよりも中間転写部材5の回転方向に沿って押圧部Nから270度回転した位置に近くなるように配置されている場合を例示して説明したがこれに限定されず、画像形成部1dは、中間転写部材5の回転方向に沿って押圧部Nから90度回転した位置に配置されてもよいし、画像形成部1a〜1cよりも中間転写部材5の回転方向に沿って押圧部Nから90度回転した位置に近くなるように配置されてもよい。このような構成においても、圧力勾配が小さい位置に最も視認性が高い色を有するトナー像が配置される画像形成部1dが配置されるため、視認性が高い色に関するトナー像のムラを低減することができ、最終的形成される画像における画像ノイズの低減することができる。
また、実施の形態および変形例1〜8に係る湿式画像形成装置にあっては、画像形成部が4つである場合を例示して説明したが、これに限定されず、画像形成部が2つもしくは3つであってもよいし、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、画像形成部が4つ以上であってもよい。この場合においては、最終的に形成される画像が有する所望の色に対応して適宜着色されたトナーを選択すればよい。
また、実施の形態および変形例1〜8に係る湿式画像形成装置にあっては、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のトナーを用いる場合を例示して説明したが、これに限定されず、最終的に形成される画像が有する所望の色に対応したトナーを適宜選択することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
1a〜d 画像形成部、2a〜2d 液体現像装置、3 感光体、4a 現像ローラ、5 中間転写部材、5a 設置可能領域、5e 配置領域、6 2次転写部材、7 受け渡し部材、8a 帯電装置、9a 露光装置、10a イレーサー、11a 感光体クリーニング装置、12 クリーニング部材、13a ローラ、14a 現像剤槽、15 記録媒体、16 定着部、17 定着ローラ、18 搬送部、19 クリーニングブレード、19a 先端部、19b 支持部、20 現像剤回収槽、21a,22,23 導電性基体、24 液体現像剤、100 湿式画像形成装置。

Claims (8)

  1. 互いに異なる単色のトナー像をそれぞれ形成する複数の画像形成部と、
    前記複数の画像形成部によって形成されたトナー像が1次転写される回転可能なローラ形状の中間転写部材と、
    前記中間転写部材に記録媒体を介して押圧されることにより、前記中間転写部材に1次転写されたトナー像を記録媒体上に2次転写する2次転写部材とを備え、
    前記複数の画像形成部および前記2次転写部材は、前記中間転写部材の外周に沿って並んで配置され、
    前記複数の画像形成部は、最も視認性の低い色を有するトナー像を形成する第1画像形成部を含み、
    前記第1画像形成部は、前記中間転写部材の回転方向に沿って前記2次転写部材が前記1次転写部材を押圧する押圧部から180度回転した位置に配置されるか、あるいは、前記複数の画像形成部のうちの前記第1画像形成部以外の画像形成部よりも当該位置に近くなるように配置される、湿式画像形成装置。
  2. 前記複数の画像形成部は、最も視認性の高い色を有するトナー像を形成する第2画像形成部をさらに含み、
    前記第2画像形成部は、前記中間転写部材の回転方向に沿って前記2次転写部材が前記1次転写部材を押圧する押圧部から270度回転した位置に配置されるか、あるいは、前記複数の画像形成部のうちの前記第2画像形成部以外の画像形成部よりも当該位置に近くなるように配置される、請求項1に記載の湿式画像形成装置。
  3. 前記複数の画像形成部は、最も視認性の高い色を有するトナー像を形成する第2画像形成部をさらに含み、
    前記第2画像形成部は、前記中間転写部材の回転方向に沿って前記2次転写部材が前記1次転写部材を押圧する押圧部から90度回転した位置に配置されるか、あるいは、前記複数の画像形成部のうちの前記第2画像形成部以外の画像形成部よりも当該位置に近くなるように配置される、請求項1に記載の湿式画像形成装置。
  4. 前記複数の画像形成部は、前記押圧部から前記中間転写部材の回転方向に沿って、視認性の低い色を有するトナー像から視認性の高い色を有するトナー像が順次、前記中間転写部材に1次転写されるように配置される、請求項1または2に記載の湿式画像形成装置。
  5. 前記中間転写部材に当接されることにより前記中間転写部材上に残留した液体現像剤を除去するクリーニング部材をさらに備え、
    前記複数の画像形成部のいずれもが、前記クリーニング部材の鉛直下方に位置しない、請求項1から4のいずれか1項に記載の湿式画像形成装置。
  6. 前記中間転写部材に当接されることにより前記中間転写部材上に残留した液体現像剤を除去するクリーニング部材をさらに備え、
    前記クリーニング部材および前記複数の画像形成部が、前記押圧部から前記中間転写部材の回転方向に沿って、この順に並んで配置され、
    前記中間転写部材の回転方向を正として、前記中間転写部材の鉛直方向の上端位置から前記中間転写部材と前記クリ―ニング部材とが当接する位置までの前記中間転写部材の回転方向に沿った円弧部分の中心角をθ1と規定し、前記上端位置から前記押圧部までの前記中間転写部材の回転方向に沿った円弧部分の中心角をθ2と規定した場合において、前記θ1が0度<θ1≦90度の条件を満たし、かつ、前記複数の画像形成部の全てが、前記押圧部から前記中間転写部材の回転方向に135度回転した位置から315度回転した位置までの範囲内において前記中間転写部材に接触するように配置される場合に、前記θ2が−135度<θ2<90度の条件を満たす、請求項1から4のいずれか1項に記載の湿式画像形成装置。
  7. 前記θ1がθ1=90度の条件を満たす、請求項6に記載の湿式画像形成装置。
  8. 互いに異なる単色のトナー像をそれぞれ形成する複数の画像形成部と、
    前記複数の画像形成部によって形成されたトナー像が1次転写される回転可能なローラ形状の中間転写部材と、
    前記中間転写部材に記録媒体を介して押圧されることにより、前記中間転写部材に1次転写されたトナー像を記録媒体上に2次転写する2次転写部材とを備え、
    前記複数の画像形成部および前記2次転写部材は、前記中間転写部材の外周に沿って並んで配置され、
    前記複数の画像形成部は、最も視認性の高い色を有するトナー像を形成する画像形成部を含み、
    前記最も視認性の高い色を有するトナー像を形成する画像形成部は、前記中間転写部材の回転方向に沿って前記2次転写部材が前記1次転写部材を押圧する押圧部から270度回転した位置に配置されるか、あるいは、前記複数の画像形成部のうちの前記最も視認性の高い色を有するトナー像を形成する画像形成部以外の画像形成部よりも当該位置に近くなるように配置される、湿式画像形成装置。
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