JP2009025606A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】残存トナーのクリーニングに際して、クリーニング液を付与してクリーニング性能の向上を図りながら、クリーニング液の使用をできるだけ少なくすることで、コスト低減するとともに廃液処理の負担も軽減することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】被クリーニング部材上のトナーをクリーニング液を付与してクリーニングするに当たり、予め被クリーニング部材からトナー像が転写される記録材に関する情報を取得しておき、その記録材のトナー転写性に応じて、クリーニング液の付与量を制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、被クリーニング部材表面に残存するトナーにクリーニング液を付与してクリーニングする画像形成装置に関するものである。
感光体(感光ドラム)に静電潜像を形成し、それにトナーを付着させて、紙などに転写して定着する電子写真方式の画像形成装置が、広く使用されている。特に、大量プリント用のオフィスプリンタやオンデマンド印刷装置などの、より高画質及び高解像度が要求される画像形成装置では、トナー粒子径が小さく、トナー画像の乱れもおきにくい液体現像剤を用いる湿式現像方式が用いられるようになってきている。
近年では、シリコンオイルなどの絶縁性液体「キャリヤ液」中に樹脂及び顔料からなる固形分としてのトナーを高濃度に分散させることで構成される、高粘度で高濃度の液体現像剤を用いる画像形成装置が提案されるようになってきた。
この液体現像剤を用いて現像する際には、現像ローラ等の現像剤担持体上に現像剤のミクロン単位の薄層を形成し、この薄層化された現像剤を感光体に接触させて現像することが望ましい。このことは特に、上記のような高粘度の液体現像剤を用いる場合により顕著である。
また、現像により感光体上に形成されたトナー像は記録材に直接転写される、もしくは中間転写体に一次転写の後、記録材に二次転写される。
しかしながら一般に、感光体上のトナー像を転写した後も、感光体上にはトナーが残留する(あるいは、中間転写体から二次転写した場合にも中間転写体上にはトナーが残留する)。これがそのままの状態で再度現像領域(中間転写体の場合は一次転写領域)に到達すると、次の現像(または一次転写)に悪影響を及ぼす。
上記のような問題に対応するため、現像後残留した感光体上の残存トナー(二次転写後残留した中間転写体上の残存トナー)をクリーニングする技術が開発されてきた。感光体(中間転写体)の上の残存トナーのクリーニングは、一般に当接させたブレードによる掻き取りが行われる。
しかしながら、そういった一般的なブレードなどのクリーニング部材を用いるクリーニングにおいても、様々な条件により十分なクリーニング効果を得られないことが多い。そこで残存トナーのクリーニング時に、クリーニング液(通常、液体現像剤、特にそのキャリヤ液が用いられる)をクリーニング部材に付与することでクリーニング性を向上するような技術が提案されてきた(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、中間転写体のクリーニング部材に直接、キャリヤ液を付与することで中間転写体上の残存トナーのクリーニング性を向上する技術が提案されている。一方、被クリーニング部材である感光体や中間転写体の方にクリーニング液として液体現像剤(あるいはキャリヤ液そのもの)を付与してクリーニング性を上げるという技術もある(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2には、被クリーニング部材である感光体にクリーニング液を供給して、トナーの固形分比を落とし、クリーニングを容易にする技術が提案されている。また、クリーニング液に、使用済みのクリーニング回収液を補給して使う再利用も提案している。
何れにせよ、クリーニングされた残存トナーは、付与されたクリーニング液とともにクリーニング部材により除去される。すなわち除去された状態としては、トナーを含むクリーニング液(キャリヤ液を用いた場合は、液体現像剤)である。
しかしクリーニング部材により掻き取られたクリーニング液(液体現像剤)は溜まっていくため、回収して廃棄するにしても保管容器を必要とする。また頻繁に溜まった容器の廃棄や交換なども必要となってくる。そこで、そのような容器を用意するのであれば、むしろ溜まったクリーニング液を有効利用できるようにして、回収クリーニング液を再利用する技術が研究されてきた(例えば、上述の特許文献2参照)。
ところが、回収したクリーニング液はトナーを含んでおり、そのクリーニング液を用いて再度クリーニングすると、残存トナーを新たに掻き取ることで、クリーニング液のトナー濃度は徐々に上昇していくことになり、再利用を続けていく上で問題となる。すなわち、ある程度再利用したら廃棄するか、あるいは再利用を続けるためにはトナー濃度を調整するような手段が必要となる。
トナー濃度が上昇したままのクリーニング液を用いると、被クリーニング部材上のトナーの固形分比を落とすために、より大量のクリーニング液を供給しなければならなくなり、被クリーニング部材上から飛散、滴下したりして様々な悪影響をもたらす恐れもある。
特開2001−337572号公報 特開2002−202669号公報
上述したように、被クリーニング部材上のトナーをクリーニングするに際して、キャリヤ液あるいは液体現像剤等のクリーニング液を付与することでクリーニング性を向上することができる。しかしながら、使用したクリーニング液を廃棄する廃液タンクを設けたり、廃液処理に手間をかけたりしなければならない。また、廃棄せず再利用しようとすると、増えていくトナー濃度を調整しなければならず、装置的に負担を強いるものになっていた。
本発明の目的は、上記の課題を解決し、クリーニング液を付与してクリーニング性能の向上を図りながら、クリーニング液の使用をできるだけ少なくすることで、コスト低減するとともに廃液処理の負担も軽減することができ、また、クリーニングにより回収した使用済みクリーニング液をクリーニングに再利用する場合にも、トナー濃度を検知するなどの濃度調整の手間を大きく削減して、簡便に再利用することができる、そのような画像形成装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有するものである。
1. 像担持体上に形成した潜像を、現像剤担持体上に担持する液体現像剤で現像し、形成したトナー像を記録材に転写する画像形成装置において、前記トナー像を転写後の前記像担持体にクリーニング液を付与するクリーニング液付与手段と、前記クリーニング液付与手段によるクリーニング液の付与量を制御するクリーニング液付与制御手段と、前記クリーニング液付与手段により付与されたクリーニング液とともに前記像担持体上の残存トナーを取り除くクリーニング手段と、前記像担持体上に形成される前記トナー像を転写する記録材に関する情報を取得する記録材情報取得手段と、を有し、前記クリーニング液付与制御手段は、前記記録材情報取得手段により取得された前記記録材に関する情報に応じて、前記クリーニング液の付与量を制御することを特徴とする画像形成装置。
2. 前記クリーニング液は、少なくとも前記液体現像剤のキャリヤ液を含み、前記クリーニング手段は、前記像担持体に当接するクリーニングブレードを有することを特徴とする1に記載の画像形成装置。
3. 前記記録材情報取得手段は、前記像担持体上に形成されたトナー像を転写する記録材に関する情報として、用いられる記録材の種類を取得することを特徴とする1または2に記載の画像形成装置。
4. 前記クリーニング液付与制御手段は、前記記録材情報取得手段により取得された前記記録材の種類に応じて、転写残トナーのトナー濃度が所定の値を越えないように前記クリーニング液の付与量を制御することを特徴とする1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
5. 前記クリーニング液付与手段は、前記像担持体に当接して回転し、表面に担持するクリーニング液を前記像担持体に付与するクリーニング液付与ローラと、前記クリーニング液付与ローラの表面に前記クリーニング液を供給するクリーニング液供給手段と、を有することを特徴とする1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
6. 前記クリーニングブレードにより除去されたトナーを含むクリーニング液を回収するクリーニング液回収手段を有することを特徴とする1乃至5の何れか1項に記載の画像形成装置。
7. 前記クリーニング液回収手段により回収されたトナーを含むクリーニング液を、クリーニング液として前記クリーニング液付与手段に再供給することを特徴とする6に記載の画像形成装置。
8. 前記クリーニング液回収手段により回収されたトナーを含むクリーニング液を、前記像担持体上の潜像を現像するための液体現像剤として再使用することを特徴とする6に記載の画像形成装置。
9. 像担持体上に形成した潜像を、現像剤担持体上に担持する液体現像剤で現像し、形成したトナー像を中間転写体に一次転写した後、記録材に二次転写する画像形成装置において、前記トナー像を二次転写後の前記中間転写体にクリーニング液を付与するクリーニング液付与手段と、前記クリーニング液付与手段によるクリーニング液の付与量を制御するクリーニング液付与制御手段と、前記クリーニング液付与手段により付与されたクリーニング液とともに前記中間転写体上の残存トナーを取り除くクリーニング手段と、前記中間転写体上に一次転写された前記トナー像を二次転写する記録材に関する情報を取得する記録材情報取得手段と、を有し、前記クリーニング液付与制御手段は、前記記録材情報取得手段により取得された前記記録材に関する情報に応じて、前記クリーニング液の付与量を制御することを特徴とする画像形成装置。
10. 前記クリーニング液は、少なくとも前記液体現像剤のキャリヤ液を含み、前記クリーニング手段は、前記中間転写体に当接するクリーニングブレードを有することを特徴とする9に記載の画像形成装置。
11. 前記記録材情報取得手段は、前記中間転写体上に一次転写されたトナー像を二次転写する記録材に関する情報として、用いられる記録材の種類を取得することを特徴とする9または10に記載の画像形成装置。
12. 前記クリーニング液付与制御手段は、前記記録材情報取得手段により取得された前記記録材の種類に応じて、二次転写残トナーのトナー濃度が所定の値を越えないように前記クリーニング液の付与量を制御することを特徴とする9乃至11の何れか1項に記載の画像形成装置。
13. 前記クリーニング液付与手段は、前記中間転写体に当接して回転し、表面に担持するクリーニング液を前記中間転写体に付与するクリーニング液付与ローラと、前記クリーニング液付与ローラの表面に前記クリーニング液を供給するクリーニング液供給手段と、を有することを特徴とする9乃至12の何れか1項に記載の画像形成装置。
14. 前記クリーニングブレードにより除去されたトナーを含むクリーニング液を回収するクリーニング液回収手段を有することを特徴とする9乃至13の何れか1項に記載の画像形成装置。
15. 前記クリーニング液回収手段により回収されたトナーを含むクリーニング液を、クリーニング液として前記クリーニング液付与手段に再供給することを特徴とする14に記載の画像形成装置。
本発明に係る画像形成装置では、被クリーニング部材上のトナーをクリーニング液を付与してクリーニングするに当たり、予めトナー像が転写される記録材に関する情報を取得しておき、その記録材のトナー転写性に応じて、クリーニング液の付与量を制御する。従って、転写残のトナー量に応じた最小限のクリーニング液を被クリーニング部材に付与することができ、クリーニング液の使用をできるだけ少なくしてコスト低減するとともに、廃液処理の負担も軽減することができる。
また本発明に係る画像形成装置では、回収したクリーニング液のトナー濃度が一定となるようにクリーニング液の付与量を制御することも容易であり、回収したトナーを含むクリーニング液をクリーニングに再利用する場合にも、トナー濃度を検知するなどの濃度調整の手間を大きく削減して、簡便に再利用することができる。
本発明に係る実施形態を、図を参照して説明する。
液体現像剤の薄層を用いて現像する湿式の画像形成装置は、複写機、簡易印刷機、プリンタなどに利用されている。これらには、一般的に電子写真方式の画像形成プロセスが、共通して用いられている。その電子写真方式による湿式の画像形成部を例にして、そこで用いられるクリーニング装置について、その構成と機能動作を説明する。
以下、本発明に係る湿式画像形成装置の一実施形態(特に、そのクリーニング装置部分)を、図面を参照しながら説明する。
(湿式画像形成装置の全体構成と動作の例)
本実施の形態に係る湿式画像形成装置の全体構成例を図1に示す。図1を用いて湿式画像形成装置の全体構成を説明する。但し、画像形成プロセスに関わる構成要素のみを図示した。記録媒体の給紙、搬送、排紙に関わる構成要素は簡略的に示した。
図1の画像形成装置10において、作像部は、像担持体としての感光体ドラム1、帯電器2、露光器3、液体現像装置4、クリーニング装置6を備える。
図1においては、液体現像装置4が一台のみ配置されているが、カラー画像形成のために複数台配置されていてもよい。カラー現像の方式は任意に設定すればよく、それに合わせた任意の構成配置をとることができる。
感光体ドラム1は、表面に感光体層(不図示)が形成された円筒形状であって、図1における矢印A方向に回転駆動する。感光体ドラム1の外周には、クリーニング装置6、帯電器2、露光器3、液体の現像装置4、及び転写ローラ7が、前記感光体ドラム1の回転方向に沿って順次配置されている。
帯電器2は、感光体ドラム1の表面を所定電位に帯電させる。
露光器3は、感光体ドラム1の表面に光を照射し照射領域内の帯電レベルを低下させて静電潜像を形成する。
液体現像装置4は、感光体ドラム1上に形成された潜像を現像する。すなわち、感光体ドラム1の現像領域へ液体現像剤を搬送し、その液体現像剤に含まれるトナーを感光体ドラム1の表面の静電潜像に供給してトナー像を形成する。
現像のプロセスにおいては、液体現像装置4の現像ローラ41に電源(不図示)から現像バイアス電圧が印加される。感光体ドラム1上の潜像の電位とのバランスで生じた電界に従って現像剤中のトナーが感光体ドラム1の潜像部分に静電吸着され、感光体ドラム1上の潜像が現像される。
転写部は、感光体ドラム1に対向して、転写ローラ7を備える。
感光体ドラム1と転写ローラ7とは、記録材としての記録媒体9を挟んで対向するように配置されており、記録媒体9を介して接触回転する。これら感光体ドラム1と転写ローラ7とのニップ部で、感光体ドラム1から記録媒体9への転写が行われる。記録媒体9は、転写のタイミングに合わせて転写位置へ矢印C方向に搬送される。
転写プロセスにおいては、転写ローラ7に、電源(不図示)から転写バイアス電圧が印加される。これにより、感光体ドラム1と転写ローラ7との間に電界が形成され、前記感光体ドラム1と転写ローラ7との間を通過させた記録媒体9上へ前記感光体ドラム1上のトナー像が静電吸着され、前記記録媒体9上に転写される。
トナー像が記録媒体9に転写されると、クリーニング装置6が感光体1上の残存トナーを除去し、次の画像形成が行われる。
定着部は、対向配置され接触回転する一対の定着ローラ8a、8bを備える。定着ローラ8a、8bには、それぞれ熱源が設けられており、前記定着ローラ8a、8b間を記録媒体9が通過すると、その記録媒体9が高温下で加圧される。これにより、記録媒体9上でトナー像を形成するトナーが前記記録媒体9に融着し定着する。
(現像剤の構成)
現像に用いる液体現像剤について説明する。液体現像剤は、溶媒であるキャリヤ液体中に着色されたトナー粒子を高濃度で分散している。また液体現像剤には、分散剤、荷電制御剤などの添加剤を適宜、選んで添加してもよい。
キャリヤ液としては、絶縁性の、常温で不揮発性の溶媒が用いられる。トナー粒子は、主として樹脂と着色のための顔料や染料からなる。樹脂には、顔料や染料をその樹脂中に均一に分散させる機能と、記録材に定着される際のバインダとしての機能がある。
トナーの体積平均粒子径は、0.1μm以上、5μm以下の範囲が適当である。トナーの平均粒子径が0.1μmを下回ると現像性が大きく低下する。一方、平均粒子径が5μmを超えると画像の品質が低下する。
液体現像剤に対するトナー粒子の割合は、10〜40質量%程度が適当である。10質量%未満の場合、トナー粒子の沈降が生じやすく、長期保管時の経時的な安定性に問題がある。また必要な画像濃度を得るため、多量の現像剤を供給する必要があり、紙上に付着するキャリヤ液が増加し、定着時に乾燥せねばならず、蒸気が発生し環境上の問題が生じる。40質量%を超える場合には、液体現像剤の粘度が高くなりすぎ、製造上も、また取り扱いも困難になる。
(液体現像装置4の構成と動作)
図1にはまた、液体現像装置4の概略構成を示す。図1を用いて、液体現像装置4の構成と動作について説明する。
現像剤槽44には、上述の液体現像剤が収容されている。
供給ローラ43は、現像剤槽44内の液体現像剤に浸漬するよう配置され、矢印F方向に回転し、現像剤槽44から液体現像剤をくみ上げる。高粘度の液体現像剤はその粘着力で供給ローラ43の表面に付着した状態で搬送される。
規制部材45は、供給ローラ43の材質に応じて金属やゴムのブレードが用いられ、図のように供給ローラ43に対向して、その回転に対してカウンタ方向に当接して配置され、供給ローラ43の表面に付着して搬送される現像剤の量を規制するものである。
搬送ローラ42としては、一般にゴムローラが用いられる。搬送ローラ42は供給ローラ43に対向して配置され、当接しながら矢印E方向に回転する。このニップ部で、供給ローラ43表面に形成された現像剤薄層は搬送ローラ42の表面に写し取られ、現像剤担持体としての現像ローラ41へ向かって搬送されていく。
現像ローラ41としては低硬度のゴムローラが用いられる。現像ローラ41は搬送ローラ42に対向して配置され、当接しながら矢印D方向に回転する。このニップ部で、搬送ローラ42表面に搬送された現像剤薄層は、現像ローラ41に掻き取られ、現像ローラ41表面に現像剤薄層が担持、搬送されることになる。
現像ローラ41は、像担持体である感光体ドラム1とも当接して回転しており、感光体ドラム1とのニップ部、すなわち現像領域に搬送された現像剤薄層は、感光体1上の潜像を現像することになる。
しかしながら、感光体ドラム1の潜像を現像した後も、現像ローラ41表面には現像剤の薄層が残存する。除去部材46はクリーニングのためのブレードであり、この残存した現像剤を除去するものである。
上記説明において、液体現像装置4の構成としては、搬送ローラ42を省略し、現像ローラ41がその機能を合わせ持ってもよい。すなわち、供給ローラ43から直接現像ローラ41に現像剤を転移させる方法を採ることも可能である。
(クリーニング装置6の構成と動作)
図1にはまた、クリーニング装置6の構成も合わせて示している。図2は、そのクリーニング装置6の部分の概略構成を示す拡大図である。図2を用いて、クリーニング装置6の構成と動作について説明する。
図2には、像担持体としての感光体ドラム1表面の転写残トナーをクリーニングする場合を示している。
中間転写体に一次転写する場合であれば、同様のクリーニング装置を中間転写体表面の二次転写残トナーのクリーニングに利用することもできる。その場合は、クリーニング装置6を中間転写ローラ5に対向するように配設すればよい(後述の図6参照)。また像担持体と中間転写体の両方に対してそれぞれクリーニング装置を配設することもできる。
いずれにせよ、クリーニング装置の構成と動作は同様である。以下には図2の、直接記録媒体9に転写し、感光体ドラム1表面の転写残トナーをクリーニングする場合の説明を行う。
図2において、61はクリーニング手段としてのクリーニングブレードであり、感光体ドラム1上のトナー像が記録媒体9に転写された後の残存トナーを除去する。実際には、後述するように感光体ドラム1上の転写残トナーにはクリーニング液が付与され、そのクリーニング液とともに感光体ドラム1から掻き取られることになる。
クリーニング液としては、通常、現像に用いる液体現像剤そのもの、あるいは液体現像剤のキャリヤ液をクリーニングにも兼用して用いるのが便利である。トナーを含まないキャリヤ液が好ましいが、本実施形態のようにクリーニング液としての再利用を考えた場合、トナーの混入は避けられず、最初から低濃度のトナーを含んだキャリヤ液、すなわち液体現像剤そのものを用いても特に差し支えない。
以下、本実施形態では、回収したクリーニング液(トナーを含むキャリヤ液、すなわち液体現像剤そのもの)をクリーニング液として再使用するものとして説明する。
62aは回収クリーニング液槽であり、クリーニングブレード61で掻き取った転写残トナーを含むクリーニング液(液体現像剤)を回収する。62bは搬送経路であり、回収クリーニング液槽62aに回収されたクリーニング液を搬送し、クリーニング液槽63に送り込む。クリーニング液槽63は後述するクリーニング液付与手段に供給するためにクリーニング液を貯留する。
従って回収クリーニング液槽62a、及び搬送経路62bは、クリーニング液回収手段として機能する。
なお本実施形態は回収クリーニング液を再使用する構成としているが、再使用せず廃棄する構成では、搬送経路62bは必要ない。クリーニング液槽63には未使用のクリーニング液が貯留され、後述するようにクリーニング液付与手段に供給される。
64はクリーニング液供給部であり、クリーニング液槽63に貯留されたクリーニング液を汲み上げ、65のクリーニング液付与ローラ表面にクリーニング液を噴出し、クリーニング液の薄層を形成する。
クリーニング液付与ローラ65は、矢印G方向に回転駆動して、その表面の薄層状のクリーニング液を、同じく矢印A方向に回転して当接する感光体ドラム1表面に付与する。
図1に示すように、クリーニング液付与ローラ65は、感光体ドラム1上のトナー像が記録媒体9に転写される位置の下流側に配設されており、従ってクリーニング液付与ローラ65表面のクリーニング液は、感光体ドラム1表面の転写残トナーに付与されることになる。
転写残トナーにクリーニング液が付与されることで、液体現像剤としての固形分(トナー)比がおちてクリーニングが容易になる。クリーニング液付与ローラ65には、電源66により転写後の感光体ドラム1の電位に近い電圧を印加して、トナーを引きつけたり、感光体側に押し付けたりさせないことが望ましい。
このように、クリーニング液供給部64及びクリーニング液付与ローラ65は、クリーニング液付与手段として機能する。またクリーニング液供給部64は、クリーニング液供給手段として機能する。
なお、クリーニング液供給部64によるクリーニング液の供給量、すなわちクリーニング液付与手段による感光体ドラム1への付与量は、記録材情報取得部100、制御部107によって制御されるが、それについては後述する。
クリーニング液付与ローラ65により感光体ドラム1表面に付与されたクリーニング液は、感光体ドラム1の回転により下流側のクリーニングブレード61が当接する位置まで移動すると、既述したように転写残トナーとともにクリーニングブレード61により掻き取られ、再び回収クリーニング液として、上述のような経過を循環することになる。
(クリーニング液の付与と付与量制御)
図3乃至図5を用いて、クリーニング液付与手段における動作と、クリーニング液付与制御手段によるその制御について、詳細を述べる。
図3は、感光体ドラム1に対するクリーニング液付与手段(クリーニング液付与ローラ65及びクリーニング液供給部64)の配置状態を示す斜視図である。
クリーニング液供給部64は、クリーニング液付与ローラ65の長手方向に、数カ所、あるいはそれ以上のクリーニング液供給ノズル64aを有し、クリーニング液槽63から汲み上げてきたクリーニング液を各クリーニング液供給ノズル64aから噴出することで、クリーニング液付与ローラ65の表面にクリーニング液の薄層を形成する。
クリーニング液付与ローラ65は感光体ドラム1の回転方向(矢印A方向)と同じ方向(矢印G方向)に回転し、表面のクリーニング液を感光体ドラム1表面に付与することで、感光体ドラム1表面のトナーの付着力を弱める。
クリーニング液供給手段としてのクリーニング液供給部64は、クリーニング液槽63からクリーニング液を汲み上げ、クリーニング液供給ノズル64aから噴出させるための給液モータ駆動部(図3には示さず。図5参照)を有している。またその噴出量、すなわち感光体ドラム1表面へのクリーニング液付与量は可変制御できる構成となっている。
また、長手方向に配列した各クリーニング液供給ノズル64aからの噴出も独立に制御であることが望ましい。すなわち、クリーニング液の全体的な付与量を制御するとともに、記録媒体9のサイズによっては、長手方向に均等に、あるいは意図的に変化させて付与するよう制御できることが望ましい。
クリーニング液の付与量を制御することは以下のような意味を持っている。
図4には、当接して回転するクリーニング液付与ローラ65と感光体ドラム1とのニップ部の断面図を示す。
クリーニング液付与ローラ65によりクリーニング液70を付与される前の感光体ドラム1表面には、転写残トナー71が付着している。またキャリヤ液も多少は残存しているが十分ではなく、トナー濃度が高い(固形分比が高い)状態である。従ってクリーニング液の付与を必要とする。
クリーニング液付与ローラ65と感光体ドラム1とのニップ部では、回転するクリーニング液付与ローラ65によって、その表面のクリーニング液70が感光体ドラム1の表面、すなわち残存トナー71に付与される。クリーニング液70を付与された残存トナー71は、トナー濃度が下がり、クリーニングが容易となった液体現像剤72として下流に運ばれ、ブレード61で掻き取られる。
このようにクリーニング液を付与し、ある程度以下の固形分比まで下げることにより、トナーを湿潤させ、付着力を弱め、クリーニング性をクリーニング不良が起こらないレベルに向上することができる。
しかしながら、その際に必要なクリーニング液の付与量は、残存しているトナー量に依存することになる。すなわち、残存するトナー量が多いと、効果的にクリーニング性を上げるために必要なクリーニング液の付与量も多くなるし、トナー量が少ないと、必要なクリーニング液の付与量も少なくなる。
この転写残トナーの量は、記録媒体9へ転写するときの転写効率に依存するが、これは記録媒体9、すなわち記録材としての転写紙の種類などによって異なる。また、転写残トナー量だけでなく、トナー濃度(固形分比)、すなわちキャリヤ液の残存量が問題であるが、これも記録媒体として使用する転写紙の性質に依存する。
従って転写紙の性質、種類により転写残トナーの量は異なり、付与すべきクリーニング液の量も異なることになる。普通紙とコート紙を例にして、その影響を説明する。
通常、コート紙などの平滑な転写紙を使用する場合、トナー像は転写紙の平滑な表面に均一に被覆するため、画像濃度が出やすく、もとのトナー像の現像量は少なめに設定される。また、転写紙表面が平滑であるため、転写部でトナー像と密着し、転写効率は95%以上と高い。そのためコート紙などの平滑な転写紙を使用すると、転写残トナー量は少なくなる。
しかも、コート紙には吸液性がないため、転写時にキャリヤ液を吸収せず、転写残トナーにはまだキャリヤ液が残っており、トナー濃度(固形分比)が低めの状態でクリーニングに突入するため、クリーニング液の付与は少なくてすむことが多い。
一方、普通紙やエンボス紙などの表面の粗い転写紙を使用する場合、トナー像は転写紙表面の凸凹に埋まり込むため、表面を均一に被覆し、画像濃度を確保するには、もとのトナー像の現像量は多めに設定しておく必要がある。また、転写紙表面が粗いため、転写部でトナー像と密着せず、転写効率は90%を下回る場合もある。そのため表面の粗い転写紙を使用すると、転写残トナー量は多くなる。
しかも、そういった転写紙には吸液性があるため、転写時にキャリヤ液を吸収し、転写残トナーにはほとんどキャリヤ液が残っておらず、トナー濃度が高めの状態でクリーニングに突入するため、より多くのクリーニング液の付与を必要とする。
このような事情から、実際的には、記録材(記録媒体9)として使用される転写紙のうち、転写残のトナー量が多めになる最悪の転写紙を想定して、付与するクリーニング液の必要量を設定しなければならなかった。従って無駄にクリーニング液を消費することも、多々起こってくることになる。
例えば表1に、3種類の転写紙についてのデータを示す。
Figure 2009025606
コート紙は表面が平滑で、現像量の設定も少なめ、転写効率が高く、吸液量が少ない。従って転写残トナー量は比較的少なく、トナー濃度も低めになると推定できる。
普通紙は表面が粗く、現像量の設定は多め、転写効率も低く、吸液量もやや多い。従って転写残トナー量は比較的多く、濃度も高めになると推定できる。
厚紙も表面が粗く、現像量の設定も多めであるが、転写効率が特に低く、吸液量も多い。従って転写残トナー量はさらに多く、濃度もさらに高めになると推定できる。
必要なクリーニング液付与量は、転写残トナー量とそのトナー濃度(固形分比)とによって決まる。実際的には、各種の転写紙についてデータを採取し、上記転写残トナー量及びトナー濃度との対応関係を設定しておけばよい。あるいは直接に、必要なクリーニング液付与量との対応関係を設定しておいてもよい。
このように、転写残トナー量は、転写の影響、特に記録材としての転写紙の種類の変動による影響が大きい。すなわち、転写紙の表面の粗さや吸液量によって様々に変動するので、従来は最もトナー量の多くなる(結果、トナー濃度も大きくなる)転写性最悪のケース(転写効率小、吸液率大)を想定して、クリーニング液の付与量を設定していた。これにより使用する転写紙の種類にかかわらず、クリーニング液の不足によりクリーニング不良が発生することは防止できるが、転写効率のよい転写紙では必要以上のクリーニング液を供給することになる。
クリーニング液の付与量を制御することは、こういった問題を解消する。転写紙の性質や種類に応じてクリーニング液の付与量を変えるように設定し、制御することにより、クリーニング液の使用量を減らし、コスト削減に寄与すると同時に、クリーニング液の廃棄に関わる処理、すなわち、容器の交換や廃棄などの手間も低減することができる。
図5を用いて、転写紙の種類に応じたクリーニング液の付与量の制御方法について説明する。図5は、転写紙の種類に応じたクリーニング液の付与量の制御機能に関するブロック図である。
画像形成装置10の使用する記録材としての転写紙をユーザが選択できるよう制御部107は、表示部101に記録材選択の画面表示を行う。ユーザは、操作入力部102を用いて使用する記録材としての転写紙を選択する。記録材の選択入力は操作入力取得部104により取得される。
取得された記録材の選択情報は、制御部107によって、画像形成の制御に利用されるとともに、記録材情報参照部105によって、記録材の選択情報に基づき、記録材データ保持部103が参照される。記録材データ保持部103には、予め画像形成に使用できる各記録材の転写性に関してのデータ(上記の転写紙種類に応じた転写効率や吸液性等のデータを含む)が保持されている。これを参照することで得られる記録材情報を、記録材情報記憶部106が記憶する。
この記録材情報記憶部106に記憶された記録材情報から、画像のデータや現像量などを考慮に入れて、転写残トナー量を算出することができる。上記操作入力取得部104、記録材情報参照部105、及び記録材情報記憶部106は記録材情報取得部100を構成している。記録材情報取得部100は記録材情報取得手段として機能する。
制御部107は、上記のように記録材情取得部100を制御して、転写残トナー量を求め、それに対応する適切なクリーニング液量を供給することができるように、クリーニング液供給部64の給液モータ駆動部108に必要な電流を出力させる信号を送り、制御する。従って、制御部107はクリーニング液付与制御手段として機能する。
実際のクリーニング液の付与量の制御においては、予め操作入力部104から得られる転写紙の種類から各条件での転写残トナー量を求め、さらにそれらの転写残トナーに対する適切なクリーニング液量を求め、その対応を記録材データ保持部103にデータとして保持しておけば、逐一トナー量を求めるまでもなく容易に給液を制御できる。この対応関係については、実施例の説明で述べる。
(回収クリーニング液の再使用とトナー濃度)
以上、本実施形態では、回収したクリーニング液(トナーを含むキャリヤ液、すなわち液体現像剤そのもの)をクリーニング液として再使用する構成で説明してきた。回収クリーニング液を再使用する構成では、従来の方法では回収クリーニング液に含まれるトナーの濃度が問題となった。その点を以下に説明する。
上述してきたクリーニング液(液体現像剤)の再使用においては、回収され、再使用されるクリーニング液のトナー濃度、すなわちキャリヤ液中に分散されたトナーの濃度が徐々に変化していく。
感光体ドラム1上の転写残トナーはトナー濃度(固形分比)が高く、キャリヤ液はほとんどないと見なせる。それに対してクリーニング液付与手段により付与されるクリーニング液(液体現像剤)は、ほとんどキャリヤ液である。このクリーニング液付与によりキャリヤ液の多い状態にすることでクリーニングを容易にすることができる。
但し、付与されるクリーニング液として一度クリーニングで掻き取った回収クリーニング液を用いると、そこには転写残のトナーが含まれるため、そのままではクリーニング液付与手段により付与されるクリーニング液(液体現像剤)は、キャリヤ液に含まれるトナーが次第に増えていくように変化することになる。
転写残トナーに付与するクリーニング液自体にトナーが含まれると、その分クリーニング液の供給量を増やさないと、クリーニング液付与後のトナー濃度を十分なクリーニング効果が得られる程度まで下げることができなくなる。
クリーニング液の供給量がどんどん増えていくと、付与したクリーニング液が端部から漏れ出したり、飛散、滴下したりして様々な悪影響をもたらす恐れもある。
従来、回収クリーニング液のトナー濃度は不明であり、常に最悪を想定してクリーニング液の供給量を定めるため、クリーニング液の供給量の増大は避けられず、再利用を継続していくためには、頻繁な廃棄やトナー濃度調整の手間が必要となる。
本実施形態では、クリーニング液回収手段を用いて回収したクリーニング液(液体現像剤)の再使用を前提とし、転写残トナー量に応じたクリーニング液量を供給する構成としている。これは、常に回収されるクリーニング液のトナー濃度を一定以下に抑えるように付与することであり、なおかつ、その一定濃度以下の回収クリーニング液を再度クリーニング液として付与するので、回収クリーニング液の付与量を必要以上に増やすこともなく、回収クリーニング液のトナー濃度が使用に耐えなくなるまで継続して再利用することができる。
すなわち、クリーニング性への効果を考えて、一定のトナー濃度以下になるように、クリーニング液の付与量を常に制御すること自体が、改めて濃度調整を行わずとも、回収したクリーニング液のトナー濃度の制御に繋がっているのである。
このように、回収したクリーニング液のトナー濃度が一定となるようにクリーニング液の付与量を制御することが容易であり、回収したトナーを含むクリーニング液をクリーニングに再利用する場合にも、トナー濃度を検知するなどの濃度調整の手間を大きく削減して、簡便に再利用することができる。
なお、クリーニング液として再使用するのでなく、濃度調整の上で現像剤槽44へ供給し、液体現像剤として再利用することも可能である。トナー濃度がクリーニング液としての再使用に耐えられなくなってきた場合も同様にすることができる。但しこの場合は、現像に用いている液体現像剤、あるいはキャリヤ液そのものを、クリーニング液として用いていることが必要である。
図1に示したような画像形成装置を用いて実施した例を説明する。
実施の条件を述べる。感光体ドラム1は、直径210mmのアルミドラムに有機感光体膜(膜厚35μm)を形成したものであり、回転周速を350mm/sに設定した。帯電器2はスコロトロン帯電器を用い、感光体ドラム1の表面が−450Vになるようにした。露光器3は半導体レーザで、画像部分を露光したときに感光体ドラム1の表面が−100Vになるように設定した。
液体現像剤としては、キャリヤ液(シリコンオイル(信越シリコーン(株)製))にコニカミノルタビジネステクノロジー(株)のカラー複写機C350内のブラックトナーを粉砕し、平均粒径3μmとしたものを添加した。分散剤(アビシア社製ソルスパース13940)をトナー量に対して25質量%添加した。なお、得られた液体現像剤のトナーの帯電量は−100μC/gであった。
現像ローラ41にはバイアス電圧として−300Vを印加した。
クリーニングブレード61としては、シリコンゴム3mmのものを用い、クリーニング動作時、感光体ドラム1の接線から20度の角度でカウンタに接している。圧接力は0.341N/cmである。
クリーニング液供給部64として、クリーニング液付与ローラ65長手方向に4つのノズル64aを有する図3のような液供給装置を用いた。クリーニング液としては、キャリヤ液と同じ液体を用い、再使用は行っていない。
クリーニング液付与ローラ65は、直径26mmのウレタンスポンジローラを用いた。密度は70kg/m3である。回転周速は450mm/sで、感光体ドラム1に対してカウンタ方向回転である。スポンジローラの抵抗は1.0×106Ωであり、−100Vのバイアス電圧を印加した。
まず記録材としての転写紙の種類とクリーニング不良が発生しない適切なクリーニング液付与量との関係を調査した。
記録材として用いた転写紙の種類は、前述の表1に示した3種類の転写紙である。
コート紙として王子製紙(株)のOK TOPコート、普通紙としてコニカミノルタビジネステクノロジー(株)のJペーパ、そして厚紙として三菱製紙(株)の金菱を用い、A4横通紙で紙間0.083mmの条件とした。均質な画像で印字率を100%とし、クリーニング液の供給量を変えて、クリーニング性を200枚通紙で調査した。
転写紙の種類により現像量(現像ローラから感光体へ供給する液体現像剤量)の設定を変えている。これは転写紙による転写効率(表1には想定最悪転写効率を示した)の違い、吸液性の違い、表面の粗さの違い等を考慮して、転写紙に転写された状態で所定の画像濃度を確保するために必要なトナー量から逆算して設定したものである。
表1の各転写紙の使用において、クリーニング不良が発生しない適切なクリーニング液付与量の調査結果を表2に示す。
Figure 2009025606
表2に示すクリーニング液の付与量としては、クリーニング不良が発生しないために必要な付与量を求めたものである。クリーニング不良は、感光体ドラム上のクリーニング後残留しているトナーを反射濃度計で計測し、カブリの発生状況により評価した。
表2に示すように、表面の平滑なコート紙は現像量自体を少なめに設定し、表面の粗い、かつ転写効率のよくない普通紙、厚紙は現像量を多めに設定してある。転写残トナー量もコート紙、普通紙、厚紙の順に多くなり、従って、クリーニング不良が発生しないために必要なクリーニング液量もその順に多くなっている。
クリーニング不良が発生しないためには、転写残トナーのトナー濃度(固形分比)がある濃度以下になることが必要である(実験ではトナー濃度30%を越えるとクリーニング不良が発生した)。従って、そのために必要なクリーニング液(ここではキャリヤ液)の付与量が定まってくるのである。
以上のことから、転写紙の種類によりクリーニング液の付与量を変えることが、クリーニング不良の発生を防止しながら、クリーニング液の消費量も抑制するために効果的であることが分かる。
次に表2の結果に従いクリーニング液を供給して、実施した例を示す。記録材として使用する転写紙の変動を考慮して、上記コート紙、普通紙、そして厚紙の場合について、各々10K枚の耐久を行い、クリーニング性と消費したクリーニング液の量を評価した。クリーニング性は、同様に感光体ドラム上のクリーニング後残留しているトナーを反射濃度計で計測し、クリーニング不良(カブリ)の発生状況により良(○)、否(×)の評価をしたものである。クリーニング液の消費量は少ないほどよい。
実施例1は、表2の結果に従い、それぞれの転写紙種類に対して必要な最低限度のクリーニング液の設定付与量が変わるように制御したものである。すなわち、コート紙で0.3g/m2、普通紙で0.8g/m2、厚紙で1.3g/m2、になるよう付与量設定した。
実施例1が転写紙の種類に対してクリーニング液の付与量を変える制御を行っているのに対し、比較例1と2は、クリーニング液の付与量は一定のままの設定である。
比較例1は、転写紙の種類にかかわらず、どの転写紙でもクリーニング不良が発生しないようなクリーニング液量を付与するよう制御したものである。比較例2は、転写紙にかかわらず、普通紙で必要な最低限度のクリーニング液量を付与するよう制御したものである。
表3に結果を示す。
Figure 2009025606
実施例1では、コート紙、普通紙、厚紙何れの場合も、それに応じて設定したクリーニング液量を付与することで、何れの場合もクリーニング性は良好であり、合計したクリーニング液消費量も少ない。
比較例1では、何れもクリーニング性は良好であるが、クリーニング液の消費量は多すぎる。比較例2ではクリーニング液の消費量は抑制しているものの、厚紙においてはクリーニング不良が発生している。
以上のようにして、本実施形態に係る画像形成装置では、被クリーニング部材上のトナーをクリーニング液を付与してクリーニングするに当たり、予め被クリーニング部材からトナー像が転写される記録材に関する情報を取得しておき、その記録材のトナー転写性に応じて、クリーニング液の付与量を制御する。従って、転写残のトナー量に応じた最小限のクリーニング液を被クリーニング部材に付与することができ、クリーニング液の使用をできるだけ少なくしてコスト低減するとともに、廃液処理の負担も軽減することができた。
なお、上述の実施形態では、被クリーニング部材として、像担持体としての感光体をクリーニングするものとしたが、被クリーニング部材が中間転写体であっても同様のクリーニング装置が同じように適用できる(図6の画像形成装置20参照、図1の場合と同様であり、図2のクリーニング装置が同じく適用できる。但し、図6ではクリーニング装置の左右が反転している)。要は、担持するトナー像を記録材に転写するような被クリーニング部材を、クリーニングする構成であればよい。
クリーニングのために付与されるクリーニング液においては、液体現像剤に用いられるキャリヤ液と同じキャリヤ液を使用することが便利であるが、必ずしも同じキャリヤ液である必要はない。異なるキャリヤ液あるいはそれを含む液体現像剤を用いても、クリーニング性への効果に問題は生じない。また、クリーニング位置ですべて回収されるので、現像部へ流れることもなく、現像への影響も問題ない。
また、クリーニング液を回収して使用する場合には、回収したクリーニング液のトナー濃度が一定となるようにクリーニング液の付与量を制御することも容易であり、クリーニング液の濃度調整の手間を大きく削減して、簡便に再利用ができることは、既に述べたとおりである。
クリーニング液付与手段、及び回収手段は、本実施形態に限定されるものでなく、自由に形態を変更することができる。また別途クリーニング液を付与する部材を追加してもよい。回収クリーニング液槽62aやクリーニング液槽63の形態も変更可能であるし、感光体ドラム1への新たなクリーニング液を補給する機構を設けてもよい。
記録材情報取得手段についても、本実施形態に限定されるものでなく、自由に形態を変更することができる。記録材の物理的性質、電気的性質等を検知するセンサーなどを用いて転写性を算出し、必要なクリーニング液量を求めるような構成も可能である。
本発明の範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、それらの変更された形態もその範囲に含むものである。
本実施形態に係る湿式画像形成装置10の全体構成例を示す断面図である。 図1におけるクリーニング装置6の構成例を示す拡大図である。 感光体ドラムに対するクリーニング液付与ローラとクリーニング液供給部の配置を示す斜視図である。 クリーニング液付与ローラと感光体ドラムのニップ部の断面拡大図である。 転写紙の選択に応じたクリーニング液の付与量の制御機能を説明するためのブロック図である。 クリーニング装置が中間転写体をクリーニングする湿式画像形成装置20の全体構成例を示す断面図である。
符号の説明
10、20 画像形成装置
1 感光体ドラム(像担持体)
2 帯電器
3 露光器
4 液体現像装置
5 中間転写ローラ(中間転写体)
6 クリーニング装置
7 二次転写ローラ
8a、8b 定着ローラ
9 記録媒体
41 現像ローラ
42 搬送ローラ
43 供給ローラ
44 現像剤槽
45 規制部材
46 除去部材
61 クリーニングブレード
62a 回収クリーニング液槽
62b 搬送経路
63 クリーニング液槽
64 クリーニング液供給部
64a クリーニング液供給ノズル
65 クリーニング液付与ローラ
70 クリーニング液
71 転写残トナー
72 液体現像剤(クリーニング液を付与した転写残トナー)
100 記録材情報取得部
101 表示部
102 操作入力部部
103 記録材データ保持部
104 操作入力取得部
105 記録材情報参照部
106 記録材情報記憶部
107 制御部
108 給液モータ駆動部

Claims (15)

  1. 像担持体上に形成した潜像を、現像剤担持体上に担持する液体現像剤で現像し、形成したトナー像を記録材に転写する画像形成装置において、
    前記トナー像を転写後の前記像担持体にクリーニング液を付与するクリーニング液付与手段と、
    前記クリーニング液付与手段によるクリーニング液の付与量を制御するクリーニング液付与制御手段と、
    前記クリーニング液付与手段により付与されたクリーニング液とともに前記像担持体上の残存トナーを取り除くクリーニング手段と、
    前記像担持体上に形成される前記トナー像を転写する記録材に関する情報を取得する記録材情報取得手段と、を有し、
    前記クリーニング液付与制御手段は、
    前記記録材情報取得手段により取得された前記記録材に関する情報に応じて、前記クリーニング液の付与量を制御する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記クリーニング液は、少なくとも前記液体現像剤のキャリヤ液を含み、
    前記クリーニング手段は、前記像担持体に当接するクリーニングブレードを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記記録材情報取得手段は、
    前記像担持体上に形成されたトナー像を転写する記録材に関する情報として、用いられる記録材の種類を取得する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記クリーニング液付与制御手段は、
    前記記録材情報取得手段により取得された前記記録材の種類に応じて、転写残トナーのトナー濃度が所定の値を越えないように前記クリーニング液の付与量を制御する
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記クリーニング液付与手段は、
    前記像担持体に当接して回転し、表面に担持するクリーニング液を前記像担持体に付与するクリーニング液付与ローラと、
    前記クリーニング液付与ローラの表面に前記クリーニング液を供給するクリーニング液供給手段と、を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記クリーニングブレードにより除去されたトナーを含むクリーニング液を回収するクリーニング液回収手段を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記クリーニング液回収手段により回収されたトナーを含むクリーニング液を、クリーニング液として前記クリーニング液付与手段に再供給する
    ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記クリーニング液回収手段により回収されたトナーを含むクリーニング液を、前記像担持体上の潜像を現像するための液体現像剤として再使用する
    ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  9. 像担持体上に形成した潜像を、現像剤担持体上に担持する液体現像剤で現像し、形成したトナー像を中間転写体に一次転写した後、記録材に二次転写する画像形成装置において、
    前記トナー像を二次転写後の前記中間転写体にクリーニング液を付与するクリーニング液付与手段と、
    前記クリーニング液付与手段によるクリーニング液の付与量を制御するクリーニング液付与制御手段と、
    前記クリーニング液付与手段により付与されたクリーニング液とともに前記中間転写体上の残存トナーを取り除くクリーニング手段と、
    前記中間転写体上に一次転写された前記トナー像を二次転写する記録材に関する情報を取得する記録材情報取得手段と、を有し、
    前記クリーニング液付与制御手段は、
    前記記録材情報取得手段により取得された前記記録材に関する情報に応じて、前記クリーニング液の付与量を制御する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  10. 前記クリーニング液は、少なくとも前記液体現像剤のキャリヤ液を含み、
    前記クリーニング手段は、前記中間転写体に当接するクリーニングブレードを有する
    ことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記記録材情報取得手段は、
    前記中間転写体上に一次転写されたトナー像を二次転写する記録材に関する情報として、用いられる記録材の種類を取得する
    ことを特徴とする請求項9または10に記載の画像形成装置。
  12. 前記クリーニング液付与制御手段は、
    前記記録材情報取得手段により取得された前記記録材の種類に応じて、二次転写残トナーのトナー濃度が所定の値を越えないように前記クリーニング液の付与量を制御する
    ことを特徴とする請求項9乃至11の何れか1項に記載の画像形成装置。
  13. 前記クリーニング液付与手段は、
    前記中間転写体に当接して回転し、表面に担持するクリーニング液を前記中間転写体に付与するクリーニング液付与ローラと、
    前記クリーニング液付与ローラの表面に前記クリーニング液を供給するクリーニング液供給手段と、を有する
    ことを特徴とする請求項9乃至12の何れか1項に記載の画像形成装置。
  14. 前記クリーニングブレードにより除去されたトナーを含むクリーニング液を回収するクリーニング液回収手段を有する
    ことを特徴とする請求項9乃至13の何れか1項に記載の画像形成装置。
  15. 前記クリーニング液回収手段により回収されたトナーを含むクリーニング液を、クリーニング液として前記クリーニング液付与手段に再供給する
    ことを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
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