JP4801911B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
以下、無端移動体と対向する部材との帯電トナーの移動のうち、中間転写体から記録体への二次転写について説明する。また、中間転写体と記録体を挟んで対抗する部材は二次転写ローラである。
また、中間転写体の抵抗が低すぎると、帯電トナーの移動以外のところで電流が流れてしまう、転写前後の中間転写体と転写ローラとの電位差を保てない等の問題が生じた。
抵抗値が高すぎる場合と低すぎる場合は共に、転写率(転写後の記録体上トナー量/転写前の中間転写体上トナー量)の悪化、転写チリ(転写前後で同じ場所にトナーが転写されない、一部トナーが違う場所に転写される)などの問題を起こす。これらの転写率の悪化、転写チリなどは画像品質及び画像濃度の低下などにつながり、好ましくない。また、転写されなかったトナーを捨てる場合、転写効率が悪いと排トナーが増え、コスト増加につながり、転写されなかったトナーを回収再利用するにも、回収プロセスへの負担、耐久性への負担、プロセスの煩雑化につながり、コスト増加にもつながる。
よって、転写率を良くすることで、転写チリなどの問題を起こさず、高画像濃度で高画質な画像を得られ、耐久性が高く、低コストな画像形成装置を得るためには中間転写体の抵抗値の最適化が必要であった。
中間転写体の抵抗値にバラツキがあると、抵抗値の低い部分のみ良好に転写され、抵抗値の高い部分は転写されなかったり、抵抗値の高い部分のみ良好に転写され、抵抗値の低い部分は良好に転写されなかったりする、という状態になり転写にバラツキが生じる。転写にバラツキが生じると形成する画像にもバラツキが生じて画像品質の低下につながる。
このような問題の原因は中間転写体から記録体へ帯電トナーを二次転写する場合の中間転写体の抵抗値のバラツキに限るものではない。現像剤担持体から潜像担持体へ現像する場合の現像剤担持体の抵抗値のバラツキ、潜像担持体から記録体へ直接転写する場合の記録体側の転写ローラ抵抗値のバラツキ、及び潜像担持体から中間転写体へ一次転写する場合の中間転写体の抵抗値のバラツキ等に起因して上述の問題は生じる。以下、トナーを移動させるため対向部材との間に電位差を形成する無端移動体をトナー移動用電極と呼ぶ。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記トナー移動用電極が上記現像剤担持体であることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記トナー移動用電極が上記トナー像を担持するトナー像担持体と記録体を挟んで上記転写手段を備えた転写部で対向し、該トナー像担持体から上記帯電トナーを該記録体に転写する記録体転写部材であることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記トナー移動用電極が上記トナー像を担持するトナー像担持体と上記転写手段を備えた転写部で対向し、該トナー像担持体から上記帯電トナーをその表面に転写され、且つ、その表面に担持した該帯電トナーを記録体へ転写する中間転写体であることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3または4の画像形成装置おいて、上記帯電トナーが液体に分散されている液体現像剤を用いることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、上記トナー移動用電極がトナー像担持体表面に上記現像剤を介して接触する余剰現像剤除去部材であることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項5の画像形成装置において、上記トナー移動用電極がトナー像担持体表面に上記現像剤を介して接触する電荷付与部材であることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1、2、3、4、5、6または7の画像形成装置において、上記潜像担持体がa−Siであることを特徴とするものである。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置としてのプリンタ100の要部概略構成図である。プリンタ100は、潜像担持体として感光体ドラム1のまわりに、帯電器2、露光を感光体ドラム1に照射する図示しない露光装置、現像装置4、転写装置5、ドラムクリーニング装置60等が配設されている。感光体ドラム1はその表面がアモルファスシリコン(a−Si)によって形成される。感光体ドラム1の材質としてはOPC等も使用することできる。また、露光装置としてはLEDやレーザー走査光学系等が使用できる。
帯電器2により一様帯電された感光体ドラム1の表面は、画像情報に基づいて露光装置により画像データ光像Lを照射結像されて静電潜像が感光体ドラム1の外周表面上に担持される。その後、静電潜像は現像装置4の現像ローラ42と対向する領域を通過する間に現像される。
このようにして一次転写されたトナー像は、中間転写ローラ51と二次転写ローラ55との対抗部で記録体としての転写紙Pに二次転写される。トナー像が転写された転写紙Pは、図示しない領域で加熱加圧定着、溶剤定着、UV定着等の定着方式を用いる定着装置によって定着せしめられる。トナー像が定着した転写紙は、定着装置から排紙経路を経て機外へと排出される。
このアニロクスローラ44の表面にはステンレス等の金属で形成された規制ブレードとしてのドクターブレード49が当接しており、アニロクスローラ44上の余分な液体現像剤45を掻き取る。このこの掻き取りにより、アニロクスローラ44上の液体現像剤45の量が複数の凹部の容量に応じた値に正確に計量される。
また、ニップの出口側で現像ローラ42に対する液体現像剤の供給が開始される一方で、現像ローラ42上に移った液体現像剤45が供給方向とは逆方向に移動する。このような塗布により、現像ローラ42の表面には液体現像剤45からなる均一な厚みの現像剤薄層が形成される。
スイープローラ32は外周面に導電性を有する弾性体の層が設けられている。この弾性体の層の材質としてはウレタンゴムを用いることができる。この弾性体の層のゴム硬度としては、JIS−A硬度で50度以下であることが望ましい。この材質はウレタンゴムに限られるものではなく、導電性を有するものであって、且つ溶剤で膨潤したり溶解したりしない材質であればよい。
また、弾性体の層をスイープローラ32に設ける構成ではなく、弾性体の層を感光体側に設ける構成であってもよい。さらに、感光体を無端ベルト状部材で構成してもよい。また、スイープローラは、コーティングもしくはチューブにより、その表面がRz3[μm]以下の平滑性を有するように構成されている。
上述したように、現像ニップの現像ローラ42上の地肌部との間において、現像剤薄層中のトナーは、現像ローラの表面に向けて電気泳動して集結するため、理論的には地肌部には付着しない。しかし、通常よりも帯電量の少ないトナーが他のトナーよりも遅れて電気泳動するなどして、地肌部に付着していわゆるカブリ(地汚れともいう)という現象を引き起こす場合がある。
スイープ部30の機能のひとつとして、このようなカブリを引き起こしたカブリトナーを感光体ドラム1から除去する機能がある。具体的には、スイープローラ32は、感光体ドラム1と略等速に回転しながらこれに接触して除去ニップ部を形成し、この除去ニップ部には、図示しない電源からトナーの帯電極性と同極性の除去バイアスが印加され、感光体ドラム1との電位差によってスイープ電界が形成される。
転写装置5は、感光体ドラム1からトナー像を転写される中間転写ローラ51、中間転写ローラ51から転写紙Pにトナー像を転写する二次転写ローラ55とから主に構成されている。また、中間転写ローラ51には、中間転写体スイープローラ53を備えてもよい。中間転写体スイープローラ53は中間転写体に現像剤を介して接触し、表面が中間転写ローラ51と対向する位置で同方向(スラスト方向)に移動するよう回転方向を制御している。中間転写体スイープローラ53には、トナーと反発する方向のバイアス(例えば、プラストナーの時、中間転写体に−300[V]、スイープローラには−100[V])が印加される現像剤層に接触すると、キャリア液は付着するが、トナーは付着しないようにされている。また、キャリアが付着するので、中間転写ローラ51、二次転写ローラ55、及び中間転写体スイープローラ53にはそれぞれ金属ブレードもしくはゴムブレードからなるクリーニング部材が備えられており、それぞれのローラに付着したキャリア液を除去する。各クリーニング部材はブレードに限らずローラ式であってもよい。
中間転写体上トナー荷電付与ローラは中間転写体に現像剤を介して接触し、表面が中間転写ローラ51と対向する位置で同方向(スラスト方向)に移動するよう回転方向を制御している。中間転写体トナー荷電付与ローラには、トナーと反発する方向、かつ中間転写体上のトナー層との間で放電するようなバイアス(例えば、プラストナーの時、中間転写体に−300[V]、トナー荷電付与ローラには、+4000[V])が印加され、トナー層に電荷を与える。
中間転写ローラ51の電気抵抗は、体積抵抗率、1×107〜1×1011[Ω・cm]の範囲内にあれば、感光体ドラム1からの転写(一次転写)、転写材への転写(二次転写)ともに、良好だが、望ましくは1×108〜1×1010[Ω・cm]の範囲だと転写抜けが少なく、電力も少なくて済む。1×108[Ω・cm]以下では、湿度等の環境によって転写ぬけする場合があり、1×1010[Ω・cm]以上では、環境によって、以上放電を起こす場合や、電力的に無駄な場合がある。表面抵抗率は、1×109〜1×1012[Ω/□]、望ましくは1×1010〜1×1011[Ω/□]である。これらの体積抵抗率、表面抵抗率は、三菱化学、高抵抗計(ハイレスタUP MCP−HT450型、測定用プローブ:UR−SS)を用い、250[V]印加にて10秒後の値を測定した。
トナー画像の転写を受けた転写紙Pは図示しない定着装置へ導入され加熱定着される。二次転写ローラ55に印加する二次転写電圧は、中間転写ローラ51に印加する電圧に対して、トナーと逆極性で、電位差が+200〜+3000[V]となるように印加する。湿度などの環境や、転写紙P等の記録体の厚さや素材、含水量等の状態、トナーの電荷量、現像剤量、現像剤中のキャリア液量などのいろいろな条件によって適正値は変化する。各種記録体に対応できるように定電流制御するのもよい。定電流制御を行う際の電流の値は条件によって適正値は変わるが約100〜1000[μA]くらいで適正な転写が得られることが多い。本実施形態では、200〜300[μA]の定電流制御で作像した。転写紙Pへの画像転写終了後、中間転写ローラ51上の転写残トナーは、中間転写体クリーニングブレード等が当接されることによりクリーニングされる。
図2は従来の中間転写体ドラムの体積抵抗の分布図である。
図2に示す分布図の測定条件は以下のとおりである。
・中間転写ローラの周方向の長さ : 約314[mm](直径100[mm])
・中間転写ローラの幅(幅方向の長さ): 300[mm]
・中間転写ローラの抵抗層の厚み : 2.5[mm]
・測定装置:ハイレスタUP MCP−HT450型(測定用プローブとしてφ3[mm]のUR−SSを使用)
・測定ポイント:
周方向8ポイント(等間隔にA、A´、B、B´、C、C´、D、D´)
幅方向9ポイント(等間隔に1、1´、2、2´、3、3´、4、4´、5)
図3は、図2で示した中間転写ローラを用いて作成したベタ画像である。図に示すように、図中左側に画像濃度が薄くなる箇所あり、幅方向の画像にバラツキが生じた。図3について画像濃度が薄くなった箇所は、図2の体積抵抗率の分布において体積抵抗率が高い箇所に対応している。
図4は中間転写体の幅方向の抵抗値にバラツキが大きい状態の模式図である。図4(a)は幅方向の抵抗値にバラツキがある中間転写ローラ51Aの模式図であり、図4(b)はこの中間転写ローラ51Aから転写がなされた転写紙Pの模式図である。
図4(a)に示す中間転写ローラ51Aでは領域Aは抵抗値が高い領域であり、領域Bは抵抗値が低い領域である。このような中間転写ローラ51Aを用いて転写紙Pに全面ベタ画像を二次転写したところ、図3(b)に示すように良好に転写がなされた部分の領域F(例えば、転写率95[%])と、良好に転写が行われなかった部分の領域E(例えば、転写率10[%])とが生じた。
このように、ニップ部としての抵抗値がおなじであっても、各ニップ部内での中間転写ローラの体積抵抗率が場所によって異なると、転写性も異なる。
よって、転写不良の原因は、中間転写ローラ51Aの抵抗値にバラツキがあることにより、各部分に適正な電流が流れないことに起因することが分かった。
ヒドリンゴムなどを用いると比較的容易に抵抗ムラの少ないローラ等を作れるが、ヒドリンゴムを用いると全体の転写性が悪くなり、全体にうっすらした画像となるので、中間転写体として用いることはできない。
一方、幅方向の抵抗値のバラツキは一つのニップ内での抵抗のバラツキにつながるため、定電流制御をしても転写性のバラツキへの影響は避けることができない。よって、幅方向の抵抗値のバラツキをトナー移動用電極全体の抵抗値のバラツキに比べて小さくすることにより、ニップ内での抵抗のバラツキに起因する転写性のバラツキの発生を防止することができる。また、定電流制御によってニップ毎の抵抗値のバラツキに起因する表面移動方向の転写性のバラツキを防止することができるので、表面移動方向の抵抗値のバラツキが大きくても、そのバラツキの画像への影響を少なくすることができる。これにより、トナー移動用電極と対抗部材との間で、全面良好にトナーを移動させることができる。
注型で成型する場合、注ぎ口に近い部分と遠い部分とでは材料が冷える速度に違いが出るなどの要因で抵抗値に差が出る。このため、幅方向には同時にそして、周方向に向かって充填されるように材料を注ぐことで、幅方向の抵抗のバラツキを表面移動方向の抵抗のバラツキよりも小さくすることができる。
上述のようなトナー移動用電極が中間転写ローラ51であり、対抗部材が二次転写ローラ55である実施例1について説明する。図5は実施例1における転写装置5における二次転写部5bの説明図である。図5に示すように二次転写ローラ55は定電流制御を行う二次転写バイアス電源59により中間転写ローラ51との電位差を一定に保つ構成となっている。
図5における中間転写ローラ51は全体での体積抵抗率のバラツキは上述の中間転写ローラ51Aと同じく、1×107[Ω・cm]〜1×109[Ω・cm]であるが、幅方向の体積抵抗率のバラツキを小さくしている。
この時の中間転写ローラ51の体積抵抗の分布図を図6に示す。図6より、中間転写ローラ51の表面移動方向については体積抵抗率のバラツキは大きいが、幅方向の体積抵抗率のバラツキは小さくなっていることが確認できる。
例えば中間転写ローラ51の任意の表面域としての第1表面域51aが形成する時の中間転写ローラ51のニップでは、幅方向の抵抗のバラツキが1×107[Ω・cm]〜1×108[Ω・cm]であった。また別の任意の表面域としての第2表面域51bが二次転写ローラ55と対向する位置で停止した時のニップでは、幅方向の体積抵抗率のバラツキが1×108[Ω・cm]〜1×109[Ω・cm]であった。なお、第1表面領域51aと第2表面領域51bとではニップとしての抵抗値は異なるものであった。このような中間転写ローラ51を用いて転写を行い、中間転写ローラ51から転写紙Pへの転写性を観察したところ、幅方向での白抜けなどの転写不良は見られず、全面の二次転写率が95[%]以上となった。
中間転写ローラ51と二次転写ローラ55とのニップを幅方向が300[mm]、表面移動方向の長さのニップ幅は1[mm]とし、中間転写ローラ51及び二次転写ローラ55の直径は30[mm]とする。そして、転写紙Pへの二次転写時の中間転写ローラ51の金属部と二次転写ローラ55の金属部との間の抵抗値は5×106[Ω]程度とした場合について検討する。
この値は、次に式により求められる。
1000[V]÷(1[mm]÷25[mm/s])=0.025[V/μs]
スルーレートが必要量達していない場合、帯電トナーの移動に適正な電流を供給できない、つまり必要な電流が供給されなかったり、過多の電流が供給されたりして良好な転写が行われなくなる。
上述の関係から、抵抗にバラツキがあるトナー移動用電極と定電流制御を行う電源を用いる場合、電源のスルーレートはニップ時間(ニップ幅/トナー移動用電極表面移動速度)と関係があり、トナー移動用電極表面移動速度[mm/s]の約1000分の1以上のスルーレート[V/μs]が好ましいことがわかった。
実施例1では中間転写ローラ51の幅方向の抵抗値のバラツキを一桁以内とし、中間転写ローラ51全体の抵抗値のバラツキよりも小さくし、二次転写バイアスを定電流制御することで中間転写ローラ51の抵抗値のバラツキが二次転写に及ぼす影響を少なくしている。このように幅方向の抵抗値のバラツキを小さくする構成は中間転写ローラ51に限らず、トナー像担持体としての中間転写ローラ51から帯電トナーを記録体としての点転写紙Pに転写する記録体転写部材である二次転写ローラ55に適用しても良い。以下、上述の構成を二次転写ローラ55に適用した実施例2について説明する。
実施例に2のように、二次転写ローラ55の幅方向の抵抗値のバラツキを小さくし、二次転写部での電位差を維持することにより、中間転写ローラ51と同様に、転写ムラを少なくすることができる。
さらに、二次転写電流は比較的高く、部分的に放電すると中間転写ローラ51のコートを破壊したり、筐体にリークしたりしやすいが、二次転写ローラ55の幅方向の抵抗値のバラツキを小さくすることにより、それを防止することができる。
また、上述のような構成は中間転写ローラ51から転写紙Pへの二次転写のときだけでなく、トナー移動用電極が現像ローラ42である場合にも適用することができる。
以下、本実施形態の特徴部を有するトナー移動用電極が現像剤担持体としての現像ローラ42であり、対抗部材が感光体ドラム1である実施例3について説明する。図7は、実施例3に係る現像ニップ近傍の概略構成図である。図に示すように感光体ドラム1と現像ニップには、現像バイアス電源40からトナーの帯電極性と同極性の現像バイアスが印加される現像ローラ42と、感光体ドラム1との電位差によって現像電界が形成される。
現像ローラ42の抵抗値にバラツキがあると現像ローラ42と感光体ドラム1との電位差を一定にできず、静電潜像への帯電トナーの移動がなされず白抜けの原因となったり、地肌部への帯電トナーの移動が行われて地汚れの原因となったりする恐れがある。
そこで、現像ローラ42の導電層において、その全体の抵抗のバラツキの範囲は従来と同様であるが、幅方向の抵抗値のばらつきを、現像ローラ42全体の抵抗のバラツキよりも小さくし、現像バイアス電源40を定電流制御する。また幅方向の抵抗値のバラツキは一桁以内であることが好ましい。これにより、ある瞬間のニップについては、ニップ内での抵抗値のバラツキを一桁以内とすることができる。さらに、定電流制御を行うことによって、表面移動方向の抵抗値のバラツキによるニップ毎の抵抗にバラツキが生じても現像ニップでの電位差を維持することができる。
これにより、現像ローラ42の導電層の抵抗値にバラツキに起因する白抜けや地汚れ等を防止することができるので、現像ローラ42の導電層の抵抗値のバラツキの画像への影響を少なくすることができ、画像品質の向上を図ることができる。
実施例3のように、現像ローラ42の幅方向の抵抗値のバラツキを小さくし、現像ニップでの電位差を維持することにより、白抜けや地汚れ等の発生を防止することができ、感光体上現像トナー量のムラ(=濃度ムラ)を少なくすることができる。また、地汚れのムラ(=部分的な地汚れ)も少なくすることができる。
さらに、現像ローラ42は感光体ドラム1に接しており、感光体は部分的な放電に弱く、バイアスのリークによる傷がつきやすい。現像ローラ42の幅方向の抵抗値のバラツキを小さくし、現像ニップでの電位差を維持することにより、バイアスのリークによる感光体への傷を防止することができる。
次に、本実施形態の特徴部を有するトナー移動用電極が余剰現像剤除去部材としての中間転写体スイープローラ53であり、対抗部材が中間転写ローラ51である実施例4について説明する。図8は、実施例4に係る転写装置5の概略構成図である。
中間転写体スイープローラ53はトナー像担持体としての中間転写ローラ51に現像剤を介して接触することで除去ニップを形成し、表面が中間転写ローラ51と対向する位置で同方向(スラスト方向)に移動するよう回転方向を制御している。中間転写体スイープローラ53には、中間スイープ電源58によってトナーと反発する方向のバイアス(例えば、プラストナーの時、中間転写体に−300[V]、スイープローラには−100[V])が印加される現像剤層に接触すると、キャリア液は付着するが、トナーは付着しないようにされている。
中間転写体スイープローラ53の抵抗値にバラツキがあると中間転写ローラ51との電位差を一定に保つことができず、地かぶりトナーを含む余剰現像剤が十分に除去できなかったり、必要なトナーまで除去してしまったりする恐れがある。
そこで、中間転写体スイープローラ53において、その全体の抵抗のバラツキの範囲は従来と同様であるが、全体の抵抗値のバラツキに対して幅方向について小さくし、中間スイープ電源58を定電流制御する。また幅方向の抵抗値のバラツキは一桁以内であることが好ましい。これにより、ある瞬間の除去ニップについては、ニップ内での抵抗値のバラツキを一桁以内とすることができる。さらに、定電流制御を行うことによって、表面移動方向の抵抗値のバラツキによるニップ毎の抵抗にバラツキが生じても除去ニップでの電位差を維持することができる。
これにより、中間転写体スイープローラ53の抵抗値にバラツキにあっても、余剰現像剤の除去を行うことができ、必要なトナーを除去することを防止することができるので、中間転写体スイープローラ53の抵抗値のバラツキの画像への影響を少なくすることができ、画像品質の向上を図ることができる。
実施例4では中間転写ローラ51をスイープする中間転写体スイープローラ53に特徴部を適用した構成について述べたが、感光体ドラム1をスイープする、第1スイープローラ32aまたは第2スイープローラ32bに適用してもよい。
実施例4のように、中間転写体スイープローラ53の幅方向の抵抗値のバラツキを小さくし、除去ニップでの電位差を維することにより、必要なトナーまで除去することを防止することができる。
また、感光体ドラム1をスイープする、第1スイープローラ32a及び第2スイープローラ32bの場合、感光体ドラム1上の現像トナー量のムラ(=濃度ムラ)を少なくすることができる。さらに、第1スイープローラ32a及び第2スイープローラ32bは感光体に接しており、感光体は部分的な放電に弱く、バイアスのリークによる傷がつきやすい。感光体ドラム1のスイープローラの幅方向の抵抗値のバラツキを小さくし、除去ニップでの電位差を維持することにより、バイアスのリークによる感光体への傷を防止することができる。
液体現像剤を用いた作像では、乾式の現像剤を用いた場合とは帯電トナーの移動方法が異なる。乾式の現像剤を用いた作像では帯電トナーは空気中を移動し、非画像部には何も付着しない。一方、液体現像剤を用いた作像では帯電トナーはキャリア液中を移動し,非画像部にキャリア液が付着する。
また、液体現像剤中には一般的にトナーに吸着しトナーの帯電性を制御する電荷制御剤を添加することが多い。この電荷制御剤がトナー粒子に吸着せず脱離しているものや、電荷制御剤が過剰なためにキャリア液中に存在している場合もある。
このように、液体現像剤中のキャリア液は電気的な絶縁性を保ちつつ、通常、このキャリア液中には上述のようなイオンが存在することになる。すると、これらのイオンにより電荷が移動し帯電トナーを移動させるために形成された電界が維持できなくなる場合がある。
一方、乾式現像剤を用いた作像では非画像部には何も付着しない、言い換えると空気中を帯電トナーが移動するため、帯電トナー移動のための電位差が高すぎる場合に放電が起き、電界が維持できなくなる場合があるが、適正な電位差を保っている状態であれば電界が維持できなくなることはない。
よって、液体現像剤を用いる作像においては、帯電トナーを移動させるための二つの電極間のニップ部での抵抗のバラツキが乾式現像剤を用いる作像に比べて帯電トナーの移動のバラツキへの影響が大きい。
また、上述の特徴を有するトナー移動用電極としては電荷付与部材にも適用可能である。電荷付与部材とは中間転写体や感光体表面に形成されたトナー像に電荷を付与し、トナー同士の凝集・オイルの吐き出しを高めたり、帯電性を高めたりするものである。電荷の付与はチャージャでもローラでもよく、その構成は帯電チャージャや帯電ローラと同様である。チャージャの場合、長さ300[mm]のワイヤに総電流500〜3000[μA]を印加する。電流の値が高すぎると転写材への転写が悪くなり,低すぎると上述の効果は得られない。
このような電荷付与部材について、電荷付与部材がローラ形状の場合、そのローラの幅方向の抵抗値のバラツキを表面移動方向のバラツキよりも小さくし、電荷付与部材を定電流制御する。幅方向の抵抗値のバラツキは一桁以内であることが好ましい。これにより、ある瞬間の電荷付与領域については電荷付与領域内での抵抗のバラツキを一桁以内とすることができる。さらに、定電流制御を行うことによって、表面移動方向の抵抗のバラツキによる電荷付与領域毎の抵抗にバラツキが生じても電荷付与領域での電位差を維持することができる。
これにより、ローラ形状の電荷付与部材の抵抗値にバラツキにあっても、良好にトナー同士の凝集・オイルの吐き出しを高めたり、帯電性を高めたりすることができる。よって、ローラ形状の電荷付与部材の抵抗値のバラツキの画像への影響を少なくすることができ、画像品質の向上を図ることができる。
図9は中間転写体としての中間転写ローラ51に対向する電荷付与部材としての電荷付与ローラ81と電荷付与ローラ81に電荷付与電圧を印加する電荷付与電源82とを備えた電荷付与装置80を設けた構成である。電荷付与装置80は電荷付与ローラ81の幅方向の抵抗値のバラツキを表面移動方向のバラツキよりも小さくし、電荷付与電源82を定電流制御するものである。これにより、電荷付与ローラ81の抵抗値にバラツキにあっても、良好にトナー同士の凝集・オイルの吐き出しを高めたり、帯電性を高めたりすることができる。
なお、感光体に電荷付与部材を設ける場合についても同様の構成を適用することができる。
また、二次転写ローラ55に二次転写バイアスを印加する二次転写バイアス電源59を定電流制御することによって、中間転写ローラ51の各表面域によって形成されるニップ部の抵抗にバラツキがあっても、容易に電位を維持することができる。
また、二次転写バイアス電源59として、一定以上、本実施形態では0.025[V/μs]以上のスルーレートの電源を用いることにより、トナーの移動に適正な電流を絶え間なく供給できる。言い換えると、必要な電流が供給されなかったり、過多の電流が供給されたりすることがない。これにより、転写前の異常放電や、ドット部でもベタ部でも転写抜けがなく、良好に転写できる。さらに、一定以上のスルーレートの電源を用いることで、いろいろな転写紙等への転写性が向上し,滑らかで高画質な画像が得ることができる。
また、二次転写ニップにおける抵抗値のバラツキを一桁以内とすることにより、定電流制御では改善できないニップ内における抵抗値のバラツキに起因する転写性のバラツキを抑えることができる。
また、中間転写体である中間転写ローラ51にトナー移動用電極の特徴部を適用することにより、中間転写転写体の抵抗値のバラツキに起因する転写不良を防止することができる。
また、記録体転写部材である二次転写ローラ55にトナー移動用電極の特徴部を適用することにより、より高画質化が可能となる。
また、現像剤担持体である現像ローラ42にトナー移動用電極の特徴部を適用することにより、現像ローラ42の抵抗値のバラツキに起因する白抜けや地汚れを防止することができる。
また、余剰現像剤除去部材である中間転写体スイープローラ53にトナー移動用電極の特徴部を適用することにより、中間転写体スイープローラ53の抵抗値のバラツキに起因する余剰現像剤の除去不良や、必要なトナーを除去してしまうことによる画像濃度の低下を防止することができる。
さらに、電荷付与部材である電荷付与ローラ81にトナー移動用電極の特徴部を適用することにより、電荷付与ローラ81の抵抗値にバラツキにあっても、良好にトナー同士の凝集・オイルの吐き出しを高めたり、帯電性を高めたりすることができる。
2 帯電器
4 現像装置
5 転写装置
30 スイープ部
31a 第1スイープ装置
31b 第2スイープ装置
32 スイープローラ
32a 第1スイープローラ
32b 第2スイープローラ
33a 第1スイープクリーニングブレード
33b 第2スイープクリーニングブレード
34a 第1キャリア回収装置
34b 第2キャリア回収装置
42 現像ローラ
51 中間転写ローラ
53 中間転写体スイープローラ
55 二次転写ローラ
58 中間スイープ電源
59 二次転写バイアス電源
60 ドラムクリーニング装置
70 除電ランプ
Claims (8)
- 潜像担持体と、
該潜像担持体と対向し、該潜像担持体上に形成された潜像に帯電トナーを供給し現像する現像剤担持体手段と、
該潜像担持体上の該帯電トナーにより形成されるトナー像を転写体に転写する転写手段とを有し、
その表面が無端移動する無端移動体からなり、且つ、対向する対向部材との間に電位差を形成してその表面から該対向部材へ該帯電トナーを移動させる、もしくは、該対向部材からその表面に該帯電トナーを移動させる、帯電トナー移動領域を形成するトナー移動用電極を備えた画像形成装置において、
該トナー移動用電極はその表面上における表面移動方向に直交する方向である幅方向における抵抗値のバラツキが一桁以内であり、定電流制御を行う電圧印加手段によって、該トナー移動用電極と該対向部材との電位差を一定に保つように制御され、
定電流制御を行う電圧印加手段は、上記トナー移動用電極の表面移動方向の抵抗値のバラツキと該トナー移動用電極の表面移動速度とに応じたスルーレートを実現可能な電源であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記トナー移動用電極が上記現像剤担持体であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記トナー移動用電極が上記トナー像を担持するトナー像担持体と記録体を挟んで上記転写手段を備えた転写部で対向し、該トナー像担持体から上記帯電トナーを該記録体に転写する記録体転写部材であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記トナー移動用電極が上記トナー像を担持するトナー像担持体と上記転写手段を備えた転写部で対向し、該トナー像担持体から上記帯電トナーをその表面に転写され、且つ、その表面に担持した該帯電トナーを記録体へ転写する中間転写体であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3または4の画像形成装置おいて、
上記帯電トナーが液体に分散されている液体現像剤を用いることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項5の画像形成装置において、
上記トナー移動用電極がトナー像担持体表面に上記現像剤を介して接触する余剰現像剤除去部材であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項5の画像形成装置において、
上記トナー移動用電極がトナー像担持体表面に上記現像剤を介して接触する電荷付与部材であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6または7の画像形成装置において、
上記潜像担持体がa−Siであることを特徴とする画像形成装置。
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