JP2006301162A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 余剰現像剤除去部材であるスイープローラ32の余剰現像剤除去力を可変にするための除去力可変手段として、スイープローラ32の表面移動速度を変化させることが可能な駆動部36を備え、潜像担持体である感光体ドラム1上にパターン画像形成手段としての露光Lと現像部40とによって制御用のパターン画像を形成し、感光体ドラム1上に形成されたパターン画像の光沢度を光学的に検出する光沢度検出手段としての光沢度センサ35を備え、光沢度センサ35による検出結果に基づいて、制御部200が駆動部36によるスイープローラ32の表面移動速度を制御する。
【選択図】 図7
Description
このような液体画像形成装置においては、現像領域を通過した潜像担持体表面には現像液層が形成される。このとき、潜像担持体表面に形成された現像液層中のキャリア液量が多くて現像液層が厚すぎると次の不具合を生じてしまう。潜像担持体表面または中間転写体に記録体を重ねて転写する際に像担持体表面と記録体との間に存在するキャリア液の量が過多となり、画像ながれや文字太りが発生し易くなってしまう。また、キャリア液の消費量が増えてランニングコストをアップさせてしまう。また、転写材に転移するキャリア液の増加で、定着性を阻害するという不具合を引き起こす可能性もある。
一方、キャリア液が少なすぎると電気泳動による転写が困難になって画像濃度が低下したり、転写材の例えば表面凹凸の凹部に対応した部分のみの画像濃度低下や白ヌケが発生したりする。
一方、特許文献4には揮発性のキャリアを用いて、潜像担持体上の余剰キャリアを乾燥によって除去する画像形成装置が示されている。また、特許文献4の画像形成装置では余剰キャリアを除去した後の現像像の光反射光量を測定し、測定結果に基づいて、液体キャリアの除去が適切であるか否かを判断して、液体キャリアを乾燥させて除去する除去量を調節している。
一方、特許文献4に記載の画像形成装置では、潜像担持体上の現像像の反射濃度を測定し、その測定値によって余剰キャリアの除去量を調節しているため、現像剤の特性変化にある程度対応できると考えられる。しかしながら、キャリア液を乾燥させて除去する構成であるため、キャリア液は気化し蒸散する。蒸散するキャリア液を機外へ排出すると装置を設置する作業環境に悪影響を与えるおそれがあるため、溶剤の回収機構を設けるのが一般的である。気体の回収は液体に比べて困難であるため、複雑な回収機構となってしまう。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記パターン形成手段が、あらかじめ用意された画像データに基づいて上記潜像担持体に上記パターン画像の潜像を形成するパターン潜像形成手段と、該パターン画像の潜像を現像する現像手段とからなることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の画像形成装置において、上記パターン形成手段により形成されるパターン画像が、ベタ画像領域と白画像領域とを有するパターン画像であることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の画像形成装置において、上記制御手段が、上記光沢度検出手段によって検出される上記白画像領域の検出結果の変動に基づき、該光沢度検出手段によって検出される上記ベタ画像領域の検出結果を補正することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3または4の画像形成装置において、上記パターン形成手段により形成されるパターン画像が、上記記録体に転写される画像を担持する上記潜像担持体上の有効画像領域の域外である非画像領域に形成されるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、上記転写手段は上記潜像担持体の上記現像像を一次転写され、該現像像を上記記録体または他の転写部材に2次転写する中間転写体を備え、該潜像担持体は該中間転写体よりも幅があり、該潜像担持体上の該中間転写体と対向する一次転写領域よりも幅方向外側に上記パターン画像を形成することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の画像形成装置において、上記潜像担持体表面に連続して形成される2つの上記現像像の有効画像領域の間にある非画像領域に上記パターン画像の形成がなされることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1、2、3、4、5、6または7の画像形成装置において、上記光沢度検出手段が発光部と受光部とを有する光沢度センサであって、上記パターン画像に照射した光の反射光量を検出して電気信号に変換する機能を有し、上記余剰現像剤除去部材よりも上記潜像担持体の表面移動方向下流側に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7または8の画像形成装置において、上記余剰現像剤除去部材を一つ又は複数個備え、上記除去力可変手段が少なくとも一つの該余剰現像剤除去部材の上記潜像担持体に対する距離を調節する接離手段であることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の画像形成装置において、上記余剰現像剤除去部材は上記潜像担持体表面に近接または接触して回転することにより余剰現像剤を除去するスイープローラであり、上記除去力可変手段が該スイープローラの表面移動速度を調節するスイープローラ線速調節手段であることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の画像形成装置において、上記余剰現像剤除去部材で除去された上記余剰現像剤を回収する余剰現像剤回収手段と、該余剰現像剤回収手段で回収された該余剰現像剤から上記キャリア液を分離・回収し、再利用可能とするリサイクル手段を有することを特徴とするものである。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置としてのプリンタ100の要部概略構成図である。プリンタ100は、潜像担持体として感光体ドラム1のまわりに、帯電器2、露光を感光体ドラム1に照射する図示しない露光装置、現像装置4、転写装置5、ドラムクリーニング装置60等が配設されている。感光体ドラム1はその表面が無機物を用いたアモルファスシリコン(a−Si)によって形成される。また、感光体ドラム1の材質としては有機感光体(OPC)等も使用することできる。露光装置としてはLEDやレーザー走査光学系等が使用できる。
帯電器2により一様帯電された感光体ドラム1の表面は、画像情報に基づいて露光装置により画像データ光像Lを照射結像されて静電潜像が感光体ドラム1の外周表面上に担持される。その後、静電潜像は現像装置4の部分を通過する間に現像され、現像像としてのトナー像を形成する。
このようにして1次転写されたトナー像は、2次転写ローラ55による2次転写電界及び2次転写圧力で転写紙Pに2次転写された後、図示しない領域で加熱加圧定着、溶剤定着、UV定着等の定着方式を用いる定着装置によって定着せしめられる。トナー像が定着した転写紙は、定着装置から排紙経路を経て機外へと排出される。
一方、スイープ部30は、第1スイープ装置31aと第2スイープ装置31bとからなる。そして、それぞれ第1スイープローラ32a及び第2スイープローラ32b、第1スイープクリーニングブレード33a及び第2スイープクリーニングブレード33b、第1余剰現像剤回収装置34a及び第2余剰現像剤回収装置34b等を備えている。
このアニロクスローラ44の表面にはステンレス等の金属で形成された規制ブレードとしてのドクターブレード49が当接しており、アニロクスローラ44上の余分な液体現像剤45を掻き取る。この掻き取りにより、アニロクスローラ44上の液体現像剤45の量が複数の凹部の容量に応じた値に正確に計量される。
また、ニップの出口側で現像ローラ42に対する液体現像剤の供給が開始される一方で、現像ローラ42上に移った液体現像剤45が供給方向とは逆方向に移動する。このような塗布により、現像ローラ42の表面には液体現像剤45からなる均一な厚みの現像剤薄層が形成される。
このような余剰トナーに起因する不具合に対して、スイープ部30を備えることにより、余剰トナーを除去し、細線の再現性の向上や、非画像部のカブリが生じることを防止することが出来る。
ここでは第1スイープ装置31aと第2スイープ装置31bとはその基本的な構造は共通であるので、以下、部材の名称の第1及び第2の記載と、符号のa及びbの記載は省略する。
スイープローラ32は外周面に導電性を有する弾性体の層が設けられている。この弾性体の層の材質としてはウレタンゴムを用いることができる。この弾性体の層のゴム硬度としては、JIS−A硬度で50[°]以下であることが望ましい。この材質はウレタンゴムに限られるものではなく、導電性を有するものであって、且つ溶剤で膨潤したり溶解したりしない材質であればよい。
また、弾性体の層をスイープローラ32に設ける構成ではなく、弾性体の層を感光体側に設ける構成であってもよい。さらに、感光体を無端ベルト状部材で構成してもよい。また、スイープローラは、コーティングもしくはチューブにより、その表面が十点平均粗さRz3[μm]以下の平滑性を有するように構成されている。
上述したように、現像ニップの現像ローラ42上の地肌部との間において、現像剤薄層中のトナーは、現像ローラの表面に向けて電気泳動して集結するため、理論的には地肌部には付着しない。しかし、通常よりも帯電量の少ないトナーが他のトナーよりも遅れて電気泳動するなどして、地肌部に付着していわゆるカブリ(地汚れともいう)という現象を引き起こす場合がある。
スイープ部30の機能のひとつとして、このようなカブリを引き起こしたカブリトナーを感光体ドラム1から除去する機能がある。具体的には、スイープローラ32は、感光体ドラム1と略等速に回転しながらこれに接触して除去ニップ部を形成し、この除去ニップ部には、図示しない電源からトナーの帯電極性と同極性の除去バイアスが印加され、感光体ドラム1との電位差によってスイープ電界が形成される。
図2(a)、(b)は、現像ニップにおける液体現像剤45の状態を模式的に示した図であり、図2(a)は画像部近傍を、図2(b)は非画像部近傍を示したものである。現像ローラ42には、感光体表面電位である600[V]より低い現像バイアス電圧(400[V])が印加されており、露光装置により露光されて50[V]以下になった感光体表面の画像部との間に現像電界を生じる。
図2(a)に示す感光体ドラム1の画像部では、液体現像剤45中のトナー粒子T1は現像電界によって感光体ドラム1に移動して潜像を顕像化する。このとき、余剰なトナー粒子(以下、「余剰トナー粒子T2」という)も顕像化に用いられ画像部に付着する。
一方、図2(b)に示す感光体ドラム1の非画像部では、現像バイアス電位と感光体電位とによって形成される電界により、現像ローラ42表面にトナー粒子T1を移動させて非画像部にトナー粒子T1が付着しないようにする。
一方、感光体ドラム1の非画像部では、図4(a)に示すように、感光体ドラム1の非画像部の電位とバイアス電圧による電位との差によって生じる電界が弱く、浮遊しているカブリトナー粒子T3や非画像部に付着しているカブリトナー粒子T3はほとんどスイープローラ32に移動しない。
一方、感光体ドラム1の非画像部では、図4(c)に示すようにスイープローラ32の電位と感光体ドラム1上の非画像表面電位との電位差によって生じる電界によって、非画像部上に浮遊しているカブリトナー粒子T3や付着しているカブリトナー粒子T3のほとんどがスイープローラ32に移動する。
プリンタ100では、スイープローラ32の電位を150[V]にしている。このようにスイープローラ32の電位を最適値に設定することにより、感光体ドラム1の画像部では、図3(b)に示すようにスイープローラ32の電位が画像部(現像剤層)表面電位(0〜100[V])に近いため、感光体ドラム1の画像部表面電位とスイープローラ32のバイアス電圧による電位差によって弱い電界が発生し、余剰トナー粒子T2のみがスイープローラ32に付着する。
また、感光体ドラム1の非画像部では、図4(b)に示すように、感光体ドラム1の非画像部の電位とバイアス電圧による電位との差によって生じる電界により、浮遊しているカブリトナー粒子T3をスイープローラ32に移動させることができる。この段階での非画像部の現像剤層は現像ローラ42の現像ニップ部分の厚さの約半分で、且つトナーの濃度は現像前の濃度の約20[%]程度に低下しており、カブリトナー粒子T3の除去は容易に行われる。これにより、非画像部のカブリをほぼ完全に防止することができる。
スイープローラ32に印加する電圧を高くすると画像部の濃度は高くなり、電圧を低くすると画像部の濃度も低下する。従って、スイープローラ32に印加する電圧により発生する電界によって画像部の画像濃度を制御することができる。
また、非画像部の濃度も、スイープローラ32に印加する電圧を高くすると濃度が高くなり、電圧を低くすると濃度も低下する。そして、スイープローラ32のバイアスが250[V]程度で非画像部の画像濃度が0.02程度まで低下し、バイアスをそれ以下にすることにより、非画像部の画像濃度は常に0.01〜0.02に抑えることができる。またこのとき、画像部の画像濃度を1.7から1.2程度まで変化させることができた。図5のグラフより、画像濃度はスイープローラ32のバイアスによって所望の濃度に制御することができる。
また、現像後の感光体ドラム1表面の、液体現像剤中のキャリア液の重量比率についても、膜厚と同様のことが言える。すなわち、現像後の感光体ドラム1表面の、液体現像剤中のキャリア液の重量比率は、85[%]以下であることが望ましい。これは、スイープローラ32を感光体ドラム1に当接する圧力と液体現像剤粘性との関係にもよるが、トナー固形分よりキャリア液の粘性は低く、液体現像剤中のキャリア液比率が85[%]よりも高すぎると、現像剤全体の粘性が低くなり、両者の除去ニップに液体現像剤膜の侵入が困難となり、感光体ドラム1上の液体現像剤膜は削られ、感光体ドラム1に現像された現像剤膜が減少してしまう場合があるためである。
また、スイープローラ32の表面と感光体ドラム1の表面とがほぼ等速で移動し、トナーに対して相対的に感光体ドラム1の接線方向の速度ベクトルを持たせないので、画像として、先端がかすれたり、縦線と横線とのバランスが悪かったりする現象が生じることがない。
さらに、プリンタ100では感光体ドラム1と現像ローラ42との間の現像ニップで余剰トナー粒子T2が画像部に現像されても、さらにカブリトナー粒子T3が少々残留しても、スイープローラ32で除去することが出来る。よって、カブリ除去電界(現像ローラ42に印加された現像バイアスと感光体帯電電位との電位差)を低く抑えることでき、感光体ドラム1の帯電電位を低くすることが可能になる。このことにより、感光体ドラム1電気的な負荷を軽減することによる耐久性向上、帯電器2の負担軽減、及び帯電手段により発生するオゾン等の有害ガスの低減、露光パワーの低減等、種々の利点が生じる。
スイープローラのキャリア液量制御機能について、以下に具体的に説明する。
さらには、転写紙Pに転移するキャリア液量が過多になると、定着装置による加熱・加圧定着時に、キャリア液の存在がトナー粒子間あるいはトナーと転写紙間の結着性を妨げる要因となり、定着性を阻害する。さらに、定着に要するエネルギーを増大させるといった不具合を引き起こす可能性がある。
このように、転写性および定着性を確保し、かつキャリア液の消費量を低減させるためには、現像後のトナー画像に含まれるキャリア液量を適正値に維持、制御する機構が必要となる。
図6は感光体ドラム1上の現像剤層のキャリア液含有比率を変化させたときの光沢度の変化を測定した結果を示すグラフである。なお、光沢度の変化は市販の光沢度センサ(キーエンス社製:PI−G)を用いて計測した。
なお、感光体上のトナー層のキャリア含有量は、現像ローラ及び感光体状のトナー層の単位面積当たるのトナー重量と、トナー層の光学濃度を計測することによって求められる。
すなわち、現像ローラ上に塗布されたトナー層の固形分率は既知であるため、このトナー層の重量とそれに対応する光学濃度を計測してその関係を導き出せば、未知のトナー層における重量および光学濃度から固形分率を割り出すことができる。ここで、光学濃度とトナー層の固形分はほぼ比例することが実測値から確認されている。
図6に示すように、現像剤層内のキャリア液含有量によって、光沢度センサの測定結果である光沢度に変化が見られ、キャリア液含有量が多いほど光沢度が高くなり、含有量が低下するに従って光沢度も低下している。
すなわち、中間転写体から転写紙への転写性確保のためには、1次転写前の感光体上キャリア液含有比率は少なくとも40[%]以上、好ましくは50[%]以上であることが望ましい。この値はあくまで1次転写前の値であり、一次転写において感光体側に残留するキャリア液分があるため、2次転写前にはさらに低い含有比率となっていると考えられる。一方、キャリア液量過多による1次転写における画像流れや解像度劣化を防ぐためには、キャリア液含有比率は少なくとも80[%]以下、好ましくは70[%]以下であることが望ましい。したがって、1次転写前の感光体上現像剤層のキャリア液含有比率の許容範囲は、50[%]以上、70[%]以下が望ましい範囲ということになる。
なお、上述の転写性を確保する上で好ましいキャリア液含有比率は、本実施形態で用いる液体現像剤45における値であり、このキャリア液含有率はその液体現像剤の特性によって異なるものである。
したがって、スイープローラ32のキャリア液除去機能を制御することにより、1次転写前の感光体ドラム1上現像剤層のキャリア液含有比率を上述の許容範囲に維持することができれば、常に良好な画像が得られるということになる。
以下、パターン画像に基づいてスイープ力を変化させる構成の具体的な実施例について説明する。
図7は実施例1として、スイープローラ32の線速を調節する線速調節手段としての駆動部36を制御することによりスイープローラ32の回転速度を調節し、スイープ力を可変にする構成の説明図である。
図7に示すように、スイープ部30には少なくとも一つのスイープローラ32が設けられ、そのスイープローラ32の感光体ドラム表面移動方向下流側には光沢度検出手段としての光沢度センサ35が設けられている。なお、第1スイープローラ32aが感光体ドラム1と対向する位置から感光体ドラム1の表面移動方向下流側には第1光沢度センサ35a、第2スイープローラ32bの感光体ドラム1の表面移動方向下流側には第2光沢度センサ35bが設けられている。
光沢度センサ35は発光部と受光部を有し、被測定部の光沢度を検出するためのセンサである。光沢度センサ35は種々のものが一般に商品化されているが、その測定原理はほぼ同様である。すなわち、光沢度センサの発光部から被測定部に光を照射したときに、被測定部の反射面の光沢度に応じて光の反射状態が変化するため、受光部で反射光を検知することにより、被測定部の光沢度を測定することができる。
図8(a)は感光体ドラム1上に連続して形成される2つの現像像の有効画像領域EIと有効画像領域EIとの間にある非画像領域NIにパターン画像PIを形成した場合を示している。この場合は、枚葉紙を用いるプリンタ100に対して適用可能であり、記録紙Pの紙間に相当する非画像領域NI部分に形成された光沢度検出用のパターン画像PIは、図8(a)に示すような位置で光沢度センサ35によって測定される。このように紙間にパターン画像PIを形成する場合には、パターン画像形成のための特別なスペースを用意する必要がないため装置の小型化が図れるという利点を有する。
白画像における初期的な光沢度検出電圧値(GW0)に対する経時変化後の検出電圧値(GW1)の割合(GW1/GW0)を求めて補正値とする。そして、経時変化後のベタ部画像部の光沢度(GS0)を除することにより、補正された光沢度GS1(=GS0÷(GW1/GW0))を求めることができる。
このようにして光沢度センサ35によって検出され、上記の補正手段によって補正された光沢度検出信号は図に示した制御部200に送られる。制御部200は、この光沢度センサ35の検出信号の値に基づき、図示しない制御用データテーブルを参照して、各スイープローラ32の諸条件を制御するように構成される。この制御方法の詳細については後述する。
図9に示すように、スイープローラ32の感光体ドラム1に対する表面移動速度比を変化させることにより、感光体ドラム1上のトナー像の光沢度、すなわちキャリア液含有率を変化させることが可能となる。
図10は2本の回転するローラ間に液膜が存在するとき、ローラのニップの出口で液膜が分裂する際の様子を図であらわしたものである。各ローラAおよびBが表面移動速度VaおよびVbで回転しているとき、ニップ出口での各ローラの液膜の膜厚TaおよびTbの関係は流体力学的な解析により、以下の膜厚分裂比の式1で表される。
膜厚分裂比=Tb/Ta=k(Vb/Va)1/2・・・式1
よって、図9に示すように、感光体ドラム1の表面移動速度に対するスイープローラ32の表面移動速度比を変化させることにより、感光体ドラム1表面に存在するキャリア液の量をコントロールできる。
例えば、図9中に点線で示すように、1本のスイープローラ32を感光体ドラム1の2倍の表面速度で回転したときの光沢度センサ35の出力電圧と2本のスイープローラ32をそれぞれ感光体ドラム1の半分の速度で回転したときの光沢度センサ35の出力電圧がともに0.75[V]と等しくなっており、すなわち、これらの条件のときに同じ光沢度になることを表している。
よって、光沢度センサ35の検出結果から、感光体ドラム1に当接するスイープローラ32の本数や、スイープローラ32の表面移動速度を制御することにより、図6に示したような範囲に感光体ドラム1上の光沢度、すなわちキャリア液含有比率を制御することができるわけである。
図11は実施例2として、スイープローラ32の感光体ドラム1に対する部材間の距離を調節することによりスイープ力を可変にする構成の説明図である。
実施例2は、実施例1の構成にスイープローラ32の感光体ドラム1に対する部材間の距離を調節することによりスイープ力を可変にする構成を加えた点でのみ実施例1とは異なるものであり、共通する点についての説明は省略する。
図11に示すプリンタ100では、例えば光沢度センサ35の出力値からスイープローラ32のキャリア液除去量が多いと判断された場合は、制御部から検知結果に基づき、2つのスイープローラ32の表面移動速度をそれぞれに調整してキャリア液除去量を低減する。すなわちスイープローラ32の表面移動速度を遅くするように制御信号が駆動部36に送られる。この表面移動速度制御によっても所定のキャリア液量、すなわち光沢度検出値が得られない場合には、偏心カム37を回転させて2つのうちの一つのスイープ装置31を感光体ドラム1から離間させ、一方のスイープローラ32による現像剤除去機能を完全に停止させることで、キャリア液除去量をさらに低減させることができる。
また、2つのスイープローラ32に対し、たとえばローラの表面粗さや親油性の程度を変えるなどにより、各々のローラのキャリア液除去能力を変化させることができるため、キャリア液除去量の可変範囲や最小可変量などをより微細に調整することも可能である。
さらに、図11では、スイープローラ32の表面移動速度と感光体ドラム1に対する距離とを調節することにより、キャリア液除去量を調節しているが、感光体ドラム1に対する距離のみを調節することにより、キャリア液除去量を調節してもよい。また、余剰現像剤除去部材の感光体ドラム1に対する距離のみを調節することにより、キャリア液除去量を調節する構成であれば、スイープローラに限らず、ブレード状の余剰現像剤除去部材を設け、その感光体ドラム1に対する距離を調節するものであってもよい。
図12は、キャリア液から不純物を除去するキャリア液回収装置80の概略構成図である。
図12において、キャリア液回収装置80は、回収キャリア液45aを貯めて、スリット状の開口部81aから一定量の液をトナー分離部82に少量ずつ供給するための回収キャリア液タンク81を備えている。また、回収キャリア液タンク81の下方には、少なくとも一対の平行電極83と、平行電極83に挟持された連泡発泡体84からなるトナー分離部82を備えており、平行電極83に電圧を印加して連泡発泡体84内に電界を形成するための電源86を備えている。さらに、トナー分離部82の下方には、分離後のキャリア液である再利用キャリア液45bを貯めるためのキャリア液タンク85を備えている。
なお、連泡発泡体84には回収キャリア液タンク81からトナーが混在した回収キャリア液45aが順次滴下されるが、連泡発泡体84の気孔により滴下された回収キャリア液45aの拡散が抑制される。よって、滴下されたばかりのトナー濃度の高い回収キャリア液45aと連泡発泡体84の下方に存在するトナー濃度の低いキャリア液が混ざり合うことは無い。これにより、トナーの混在した回収キャリア液45aが連泡発泡体84の下方に移動してキャリア液タンク85へ滴下するのを防ぐので、確実に回収キャリア液45aからクリアな再利用キャリア液45bのみを抽出することができ、キャリア液の再利用が可能となる。
さらに、潜像担持体に感光体ドラムを用いて説明したが、この他、例えば潜像担持体にイオンフローヘッドで静電潜像を形成し、現像装置で顕像化する画像形成装置等を用いても良い。実施例に述べたスイープローラのバイアス値についても同様で、これに限定されるものでない。
また、実施例1及び2では中間転写体を有し、感光体から画像を中間転写体に一次転写し、更に記録紙に二次転写する中間転写方式のプリンタ100について説明した。プリンタとしては、これに限定されるものではなく、感光体ドラム1上に形成された画像を直接転写紙に転写する画像形成装置であっても良い。
さらに、帯電装置、露光装置、潜像担持体、現像装置、クリーニング装置を一つのユニット化し、そのユニットを各色ごとに配置し、潜像担持体上に形成した画像を順次、中間転写体上に転写し、得られたカラー画像を記録紙に転写するカラー画像形成装置であっても良い。また、帯電装置、露光装置、潜像担持体、クリーニング装置を一つ配置し、各色ごとに配置された現像装置で順次現像し、潜像担持体に得られた画像を中間転写体に形成し、同様に次の色を現像転写し、中間転写体に得られたカラー画像を記録紙に転写するカラー画像形成装置であっても良い。
これに対して、実施例1及び2に記載のプリンタ100は、感光体ドラム1上のパターン画像PIの光沢度に応じて感光体ドラム1上のキャリア液の除去量を調節している。これにより、現像剤の特性の変化に対応することが出来、所望の機能を果たすことができるようになる。さらに、感光体ドラム1上のパターン画像PIの出力結果を見てから余剰キャリアの除去手段の条件を設定しているので、画像の出力結果を見るものに比して、作業性の向上と時間の短縮、そして、省資源化を図ることができるようになる。
これに対して、プリンタ100は、高粘度高濃度の液体現像剤を用いて、感光体ドラム1表面に接触するスイープローラ32による余剰キャリア液の除去量を調節している。接触する部材で除去することにより、乾燥による除去に比べてキャリア液の除去量のコントロールが容易となる。さらに、キャリア液を液体の状態で回収するため、キャリア液を気化して除去する構成のように、キャリア液が機外への排出されるおそれがないので、キャリア液を蒸散させて除去するものに比べて、キャリア液の回収機構を簡易な構成にすることが出来る。
また、あらかじめ用意された画像データに基づいて、感光体ドラム1上にパターン画像PIを形成し、このパターン画像PIの光沢度の検出結果に基づいて、キャリア液の除去量を調節することにより、一定の画像の光沢度の変化に基づいて制御すルことが出来、画像形状が定まらない箇所の光沢度を検出するものに比べて、より精度良く光沢度を検知することができるようになる。
特に、あらかじめベタ画像領域と白画像領域とを有する画像パターンを用意して、感光体ドラム1上にパターン画像PIを形成し、このパターン画像PIを光沢度センサ35で検知して、スイープ部のキャリア液除去力可変手段をリアルタイムに制御することにより、スイープ部のキャリア液除去量を非常に精度高く制御することが可能となり、1次転写性および2次転写性を確保しつつ、良好な定着性が得られる条件を満足させることができる。
さらに、光沢度センサ35によって検出される白画像領域の検出結果の変動割合に基づいて、ベタ画像領域の検出結果を補正することにより、経時変化により、光沢度センサ35の出力信号に変動が生じても、これを補正することができるため、より信頼性の高い光沢度検知を行うことが可能となり、高画質を実現可能なプリンタを提供することができる。
また、感光体ドラム1は中間転写体である中間転写ローラ51よりも幅があり、感光体ドラム1上の中間転写ローラ51と対向する一次転写領域よりも外側の非画像部NIにパターン画像PIを形成することにより、中間転写ローラ51に転写する必要がない、パターン画像PIを中間転写ローラ51に転写することがなく、中間転写ローラ51のクリーニング手段である中間クリーニング装置52の負担を軽減することが出来る。さらに有効画像領域EIに切れ目がなくてもパターン画像PIを感光体ドラム1上に形成することができるため、記録体である転写紙Pとして、切れ目がないロール紙を用いるプリンタに適用することができる。
一方、感光体ドラム1表面に連続して形成される2つの現像像の有効画像領域EIの間にある非画像領域NIにパターン画像PIを形成する構成により、感光体ドラム1を中間転写ローラ51よりも幅方向に長く形成する必要がなく、プリンタ100の小型化を図ることができる。
また、光沢度センサ35が感光体ドラム1上に形成されるパターン画像PIの光沢度を検出して電気信号に変換する機能を持つことより、より精度の高い光沢度検出を行えるとともに、この光沢度センサ35をスイープ部30の感光体ドラム1の表面移動方向下流側に設けたことにより、スイープ部30のキャリア液除去力可変手段をリアルタイムに制御することができる。
また、2つのスイープ装置31のうち少なくとも1つのスイープ装置31を感光体ドラム1に対して接離させる接離手段としての偏心カム37を光沢度センサ35の検出結果に基づいて接離制御することにより、より幅の広い制御範囲を達成でき、キャリア液除去量の大幅な変動に対しても対処できる。
また、スイープローラ32の表面移動速度を可変にする速度可変手段である駆動部36を、光沢度センサの検出結果に基づいて制御することにより、より高精度なキャリア液除去量が可能となる。
また、スイープローラ32で除去された余剰キャリアを回収する余剰現像剤回収手段としてのスイープクリーニングブレード33及び余剰現像剤回収装置34を備えることで、常にスイープローラ32表面をリフレッシュすることができ、スイープローラ32のキャリア液除去性能を維持できるとともに、余剰現像剤回収装置34で回収したキャリア液を分離・回収し、再利用可能とするリサイクル手段としてキャリア液回収装置を有し、キャリア液をリサイクルすることで省資源を達成することができる。
2 帯電器
4 現像装置
5 転写装置
30 スイープ部
31 スイープ装置
31a 第1スイープ装置
31b 第2スイープ装置
32 スイープローラ
32a 第1スイープローラ
32b 第2スイープローラ
33 スイープクリーニングブレード
33a 第1スイープクリーニングブレード
33b 第2スイープクリーニングブレード
34 余剰現像剤回収装置
34a 第1余剰現像剤回収装置
34b 第2余剰現像剤回収装置
35 光沢度センサ
35a 第1光沢度センサ
35b 第2光沢度センサ
36 駆動部
37 偏心カム
38 引張バネ
39 ステッピングモータ
40 現像部
41 現像剤収容タンク
42 現像ローラ
43 中間塗布ローラ
44 アニロクスローラ
45 液体現像剤
45a 回収キャリア液
45b 再利用キャリア液
46 攪拌スクリュー
48 現像クリーニングブレード
49 ドクターブレード
51 中間転写ローラ
60 ドラムクリーニング装置
70 除電ランプ
80 キャリア液回収装置
81 回収キャリア液タンク
82 トナー分離部
83 平行電極
84 連泡発泡体
85 キャリア液タンク
86 電源
100 プリンタ
Claims (11)
- 潜像担持体と、
該潜像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、
該潜像担持体上の潜像をキャリア液中にトナー粒子を分散した液体現像剤を用いて現像し現像像化する現像手段と、
該潜像担持体上の顕像を記録体に転写する転写手段と、
該現像手段の潜像担持体表面移動方向下流側、且つ該転写手段の潜像担持体表面移動方向上流側で該潜像担持体表面に近接または接触して現像後の余剰現像剤を除去するための余剰現像剤除去部材とを有する画像形成装置において、
該余剰現像剤除去部材の余剰現像剤除去力を可変にするための除去力可変手段と、
潜像担持体上に制御用のパターン画像を形成するパターン形成手段と、
該潜像担持体上に形成された制御用の該パターン画像の光沢度を光学的に検出する光沢度検出手段と、
該光沢度検出手段による検出結果に基づいて該除去力可変手段を制御し、該液体現像剤に接触して該余剰キャリアを除去する該余剰現像剤除去部材の該余剰現像剤除去力を調節する制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記パターン形成手段が、あらかじめ用意された画像データに基づいて上記潜像担持体に上記パターン画像の潜像を形成するパターン潜像形成手段と、該パターン画像の潜像を現像する現像手段とからなることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1または2の画像形成装置において、
上記パターン形成手段により形成されるパターン画像が、ベタ画像領域と白画像領域とを有するパターン画像であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項3の画像形成装置において、
上記制御手段が、上記光沢度検出手段によって検出される上記白画像領域の検出結果の変動に基づき、該光沢度検出手段によって検出される上記ベタ画像領域の検出結果を補正することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3または4の画像形成装置において、
上記パターン形成手段により形成されるパターン画像が、上記記録体に転写される画像を担持する上記潜像担持体上の有効画像領域の域外である非画像領域に形成されるように構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項5の画像形成装置において、
上記転写手段は上記潜像担持体の上記現像像を一次転写され、該現像像を上記記録体または他の転写部材に2次転写する中間転写体を備え、該潜像担持体は該中間転写体よりも幅があり、
該潜像担持体上の該中間転写体と対向する一次転写領域よりも幅方向外側に上記パターン画像を形成することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項6の画像形成装置において、
上記潜像担持体表面に連続して形成される2つの上記現像像の有効画像領域の間にある非画像領域に上記パターン画像の形成がなされることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6または7の画像形成装置において、
上記光沢度検出手段が発光部と受光部とを有する光沢度センサであって、上記パターン画像に照射した光の反射光量を検出して電気信号に変換する機能を有し、上記余剰現像剤除去部材よりも上記潜像担持体の表面移動方向下流側に設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7または8の画像形成装置において、
上記余剰現像剤除去部材を一つ又は複数個備え、
上記除去力可変手段が少なくとも一つの該余剰現像剤除去部材の上記潜像担持体に対する距離を調節する接離手段であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の画像形成装置において、
上記余剰現像剤除去部材は上記潜像担持体表面に近接または接触して回転することにより余剰現像剤を除去するスイープローラであり、
上記除去力可変手段が該スイープローラの表面移動速度を調節するスイープローラ線速調節手段であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の画像形成装置において、
上記余剰現像剤除去部材で除去された上記余剰現像剤を回収する余剰現像剤回収手段と、該余剰現像剤回収手段で回収された該余剰現像剤から上記キャリア液を分離・回収し、再利用可能とするリサイクル手段を有することを特徴とする画像形成装置。
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