図1に本発明を適用した画像形成装置の概略を示す。画像形成装置100は、複写機、プリンタ、ファクシミリの複合機であってフルカラーの画像形成を行うことが可能になっているが、他の画像形成装置、すなわち、モノクロ機や、複写機、プリンタ、ファクシミリの単体、あるいは複写機とプリンタとの複合機等他の複合機であっても良い。画像形成装置100は、プリンタとして用いられる場合には、外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。これは画像形成装置100がファクシミリとして用いられる場合も同様である。
画像形成装置100は、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをも転写媒体としてのシート状の記録媒体としてこれに画像形成を行なうことが可能である。画像形成装置100は、記録媒体である用紙としての記録体である記録材たる転写紙Sの両面に画像形成可能な両面画像形成装置でもある。
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能なドラム状の像担持体としての潜像担持体である感光体たる感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKを、転写ベルト11の張り渡し方向に沿って4連タンデム式に並べて設け平行配設したタンデム構造、言い換えるとタンデム方式を採用している。
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、画像形成装置100のプリンタ部として機能する本体99の図示しないフレームに回転自在に支持され、中間転写体である転写体たる中間転写ベルトとしてのトナー像担持体である転写ベルト11の移動方向であって図1において反時計回り方向であるA1方向の上流側からこの順で並んでいる。各符号の数字の後に付されたY、M、C、BKは、イエロー、マゼンタ、シアン、黒用の部材であることを示している。
各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKはそれぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の画像を形成するための作像装置としての画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKに備えられている。
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、本体99の内部のほぼ中央部に配設された無端のベルトとして構成されたエンドレスの転写ベルト11の外周面側すなわち作像面側に、その回転軸が互いに平行となるとともに転写ベルト11の移動方向であるA1方向に等間隔の所定のピッチで配列された状態で位置している。
転写ベルト11は、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対峙しながら矢印A1方向に移動可能となっている。各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成された可視像すなわちトナー像は、矢印A1方向に移動する転写ベルト11に対しそれぞれ重畳転写され、その後、転写紙Sに一括転写されるようになっている。よって画像形成装置100は中間転写方式の画像形成装置となっている。したがって画像形成装置100はタンデム型間接転写方式の電子写真装置となっている。
転写ベルト11は、その下側の部分が各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対向しており、この対向した部分である対向位置が、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BK上のトナー像を転写ベルト11に転写する1次転写領域としての1次転写部58を形成している。
転写ベルト11に対する重畳転写は、転写ベルト11がA1方向に移動する過程において、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成されたトナー像が、転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写されるよう、転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対向する位置に配設された1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKによる電圧印加によって、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして行われる。
画像形成装置100は、本体99内に、4つの作像装置としての画像形成ステーションである画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKと、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの上方に対向して配設され、転写ベルト11を備えた中間転写装置たる一次転写ユニットとしての中間転写ユニットである転写ベルトユニット10と、図1における転写ベルト11の右側において転写ベルト11に対向して配設された2次転写手段としての転写手段である二次転写ユニットたる2次転写装置5と、画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKの下方に対向して配設された潜像形成手段としての光書込みユニットである光学ユニットとしての書き込み装置たる露光装置としての光走査装置8とを有している。
画像形成装置100はまた、本体99内の光走査装置8の下方に、転写ベルト11と2次転写装置5との間の2次転写領域としての2次転写部57に向けて搬送される転写紙Sを多数枚積載可能な給紙ユニットとしての給紙トレイである給紙装置たる給紙手段としてのシート給送装置61と、シート給送装置61から搬送されてきた転写紙Sを、画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、2次転写部57に向けて繰り出す搬送ローラとしてのレジストローラ対4と、転写紙Sの先端がレジストローラ対4に到達したことを検知する図示しないセンサとを有している。
画像形成装置100はまた、本体99内に、トナー像を転写された転写紙Sに同トナー像すなわち未定着トナー画像を定着させるためのローラ定着方式の定着ユニットとしての定着装置6と、レジストローラ対4から2次転写部57に向けて送り出された転写紙Sすなわち2次転写部57においてトナー像を転写され担持する前の転写紙Sに後述するように粉体状の定着剤を供給する定着剤供給手段としての可塑剤塗布ユニットである定着剤供給装置41と、定着済みの転写紙Sを本体99の外部に排出する排出ローラである排紙ローラ対としての排紙装置である排紙ローラ7と、転写ベルトユニット10の上方に配設され、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーを充填されたトナーボトル9Y、9M、9C、9BKと、本体99の上側に配設され排出ローラ7により本体99の外部に排出された転写紙Sを積載する、胴内排紙部によって形成された排紙トレイ17とを有している。
画像形成装置100はまた、本体99の、同図における右側面に取り付けられた両面ユニット51と、本体99の上側に位置し原稿を読み取るスキャナとしての画像読取装置である読取装置98とを有している。
画像形成装置100はまた、本体99内に、同図における右側に下方から上方に向けて形成され、その中途部にレジストローラ対4、定着剤供給装置41、2次転写部57、定着装置6及び排紙ローラ7が設けられ、シート給送装置61から繰り出された転写紙Sが進入する用紙搬送路81と、用紙搬送路81における転写紙Sの搬送方向においてレジストローラ対4の上流側で両面ユニット51から用紙搬送路81に合流する給紙路82と、用紙搬送路81における転写紙Sの搬送方向において定着装置6の下流側で用紙搬送路81から両面ユニット51に向けて分岐した再給紙搬送路83とを有している。
画像形成装置100はまた、本体99内に、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKを回転駆動する図示しない駆動装置と、画像形成装置100の動作全般を制御する演算部としてのCPU、記憶手段としての記憶部たるメモリ等を含む制御手段91と、外部電源から給電され画像形成装置100に備えられている各構成に給電する図示しない電源ユニットとしての電源と、画像形成装置100の使用環境を検知する環境検知手段としての環境検知センサとを有している。
画像形成装置100はまた、本体99の外面に、画像形成開始指示を行うための図示しないスタートスイッチ、転写紙Sの種類である紙種を入力する紙種入力手段としての紙種入力キー等を備え画像形成装置100の動作、作動態様を指定することが可能となっているとともに、所定の表示を行うための表示手段としての図示しない液晶表示装置を備えた図示しない操作パネルを有している。
図1に示すように、画像形成装置100は、排紙トレイ17が本体99の上方でかつ読取装置98の下側に位置した胴内排紙型の画像形成装置である。
転写ベルトユニット10は、転写ベルト11の他に、1次転写バイアスローラとしての1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKと、転写ベルト11を巻き掛けられ掛けまわした複数のローラとしての、駆動部材である駆動ローラ72と、張架ローラとしてのクリーニング対向ローラ74と、駆動ローラ72及びクリーニング対向ローラ74とともに転写ベルト11を張架する支持ローラとしての張架ローラ33、34と、転写ベルト11の外側から転写ベルト11に当接しクリーニング対向ローラ74とともに転写ベルト11に所定の張力を与えるためのテンションローラ75とを有している。
転写ベルトユニット10はまた、クリーニング対向ローラ74に対向する位置において転写ベルト11に対向して配設され転写ベルト11表面をクリーニングする中間転写体クリーニング装置であるベルトクリーニング装置としてのクリーニング装置13と、駆動ローラ72を回転駆動する図示しない駆動系としてのベルト駆動装置と、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKに1次転写バイアスを印加し1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKとともに一次転写装置をそれぞれ構成する図示しないバイアス印加手段としての電源及びバイアス制御手段とを有している。
クリーニング対向ローラ74、張架ローラ33、34、テンションローラ75は、駆動ローラ72によって回転駆動される転写ベルト11に連れ回りする従動ローラとなっている。1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKは、転写ベルト11をその裏面から感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに向けて押圧してそれぞれ1次転写ニップを形成する。この1次転写ニップは、転写ベルト11の、クリーニング対向ローラ74と張架ローラ33との間でほぼ水平に張り渡した部分において形成されている。クリーニング対向ローラ74、張架ローラ33、テンションローラ75は、1次転写ニップを安定化する機能を有する。
各1次転写ニップには、1次転写バイアスの影響により、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKと1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKとの間に1次転写電界が形成される。感光体ドラム20Y、20M、20C、20BK上に形成された各色のトナー像は、この1次転写電界やニップ圧の影響によって転写ベルト11上に1次転写される。
駆動ローラ72は、転写ベルト11を介して2次転写装置5を当接されており、2次転写部57を形成している。
クリーニング対向ローラ74は、テンションローラ75とともに、転写ベルト11に、転写に適した所定の張力を与える加圧部材としてのテンションローラたる機能を有している。
クリーニング装置13は、図1において転写ベルトユニット10の左下方、具体的にはクリーニング対向ローラ74の下方に配設されている。クリーニング装置13は、図示を省略するが、クリーニング対向ローラ74に対向する位置で転写ベルト11に当接するように配設されたクリーニング部材としてのブラシローラ及びクリーニングブレードと、クリーニング部材をその内部に収容したケースと、図1においてケースの紙面手前側に配設された廃トナー回収ボトルとを有している。
クリーニング装置13は、転写ベルト11上の残留トナー等の異物をクリーニング部材で掻き取り、除去して、転写ベルト11をクリーニングするようになっている。転写ベルト11から除去されたかかる異物は廃トナーボトルとしての廃トナー回収ボトルに貯蔵される。廃トナー回収ボトルは前面パネルを開いた状態で図1における紙面手前側に取り出し可能となっており、内部の異物が満杯になったときに新たなものと交換可能になっている。なお、後述するクリーニング装置71Y、71M、71C、71BKも同様に交換可能な廃トナー回収ボトルを有している。
2次転写装置5は、詳細な図示を省略するが、駆動ローラ72に対向して配置され転写ベルト11に当接した転写部材である2次転写ローラと、2次転写ローラを転写ベルト11に向けて付勢し2次転写ローラと転写ベルト11との間でニップである2次転写部57を形成した付勢手段としてのバネとを有している。2次転写ローラは、電源によってトナーと逆極性の電圧が印加され、バネによる転写ベルト11への圧接のみならず、バイアスによっても転写ベルト11上のトナー像を転写紙Sに転写させる。2次転写ローラは、トナー像を転写された転写紙Sを定着装置6へと搬送するシート搬送機能も有している。バネは、2次転写部57に送り込まれた転写紙Sを転写ベルト11に密着させ、転写ベルト11上に担持されているトナー像を、転写紙Sの、定着剤供給装置41によって定着剤を供給されている側の面に圧接の態様で接触させながら転写させるために備えられている。
光走査装置8は、図示を省略するが、半導体レーザー等の光源、ポリゴンミラー、F−θレンズ、反射ミラー等を備え、形成すべき画像に対応したデータに基づいて制御手段91によって光源が発光制御されるとともにポリゴンミラーが回転駆動制御されることで、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKのそれぞれの表面に、レーザー光を走査しながら照射し、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応した静電潜像を形成する。
シート給送装置61は、転写紙Sを複数枚重ねた転写紙束の状態で収容するものであり、本体99の下部において光走査装置8の下方に配設されている。シート給送装置61は、複数枚の転写紙Sを紙束の状態で収容可能な鉛直方向に複数重なるように、本形態では2段に備えられた給紙カセット25と、各給紙カセット25に積載された転写紙Sのうち最上位の転写紙Sの上面に当接する給紙ローラとしての給送ローラ24と、給紙ローラ24によって送り出された転写紙Sのうちの1枚のみを分離してさらに搬送する図示しない分離ローラと、給紙カセット25が本体99に対して開閉されたことを検出する図示しない検出手段としての開閉検知センサとを有しており、給送ローラ24が所定のタイミングで反時計回り方向に回転駆動されることにより、最上位の転写紙Sをレジストローラ対4に向けて給送するようになっている。
シート給送装置23は、給送ローラ24が選択的に図中反時計回り方向に回転駆動され、分離ローラが作用することにより、その給紙カセット25に積載された転写紙Sのうち最上位の転写紙Sを用紙搬送経路81に入れてレジストローラ対4に向けて給送し、搬送された転写紙Sがレジストローラ対4のローラ間に挟まれた状態で突き当られ止められるようになっている。
両面ユニット51は、外側面側に配設された手差し給紙装置53と、手差し給紙装置53から両面ユニット51内を横切るように配設された、給紙路82の一部と、再給紙搬送経路83を経た転写紙Sを給紙路82に向けて反転して搬送する反転搬送経路21と、反転搬送経路21中に配設され転写紙Sを給紙路82に向けて搬送する搬送ローラ23とを有している。
手差し給紙装置53は、転写紙Sを積載可能な手差し給紙トレイとしての手差しトレイ27と、手差しトレイ27に積載された転写紙Sのうち最上位の転写紙の上面に当接する給紙ローラとしての給送ローラ28と、給送ローラ28により繰り出された転写紙を1枚ずつ分離する図示しない分離ローラとを有している。
手差し給紙装置53は、給送ローラ28が図中時計回り方向に回転駆動され、分離ローラが作用することにより、最上位の転写紙Sをレジストローラ対4に向けて給送し、搬送された転写紙Sがレジストローラ対4のローラ間に挟まれた状態で突き当られ止められるようになっている。
定着装置6は、ローラ状の定着部材としての定着ローラ65と、定着ローラ65に圧接し転写紙Sを押圧する圧接部である定着部としての定着ニップ62を形成するためのローラ状の加圧部材としての加圧ローラ63と、定着ローラ65の内部に配設され定着ローラ65を加熱して定着ニップ62を所定の温度に加熱するための加熱手段としての定着熱源たるハロゲンヒータであるヒータ66と、定着ローラ65の外周面に近接して配設され定着ローラ65の温度を検知する定着部材温度検知手段である温度検知手段としての非接触型のサーミスタ68とを有している。
定着装置6はまた、図2に示すように、ヒータ66を駆動する加熱駆動手段としてのPWM駆動回路92aと、後述する温度に設定された定着ローラ65の目標制御温度とサーミスタ68により検知された定着ローラ65の温度との間の温度偏差の情報を基にPWM駆動回路92aを通してヒータ66への印加電力を単位時間当たりの通電時間(=DUTY)で制御し定着ローラ65の温度を制御する加熱駆動制御手段としての定着温度制御手段である温度コントローラとしての定着温度コントローラ92bとを有している。
PWM駆動回路92aと定着温度コントローラ92bとは、制御手段91の一機能として実現されている。この点、制御手段91は、定着温度制御手段として機能する。定着温度制御手段として機能する制御手段91は、定着ローラ65の温度制御を行うことで、実質的に、定着ニップ62の温度制御を行うものである。
定着装置6は、トナー像を担持した転写紙Sを定着ニップ62に挟み込む態様で通し、定着ローラ65が転写紙Sのトナー像を担持した画像面に接触することで、熱と圧力との作用により、担持したトナー像を構成しているトナーを溶融させて圧着し、転写紙Sの表面に定着するようになっている。
なお、同図に示されているように定着ニップ62に進入してくる転写紙Sには、すでに、トナーを担持している側の面に、定着剤供給装置41によって粉体状の定着剤を供給されているが、同図において定着剤の図示は省略している。
定着装置6のその余については後述する。
トナーボトル9Y、9M、9C、9BK内のイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーは、重合トナーであって、図示しない駆動手段によって回転されることでトナーを吐出し、図示しないパイプ等によって構成された搬送経路を経て、所定の補給量だけ、後述するように画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKに備えられた現像装置80Y、80M、80C、80BKに補給される。
読取装置98は、詳細な図示を省略するが、原稿を載置するコンタクトガラス、コンタクトガラスに載置された原稿に光を照射する光源及び光源から原稿に照射され反射された光を反射する第1の反射体を備え図1における左右方向に走行する第1走行体、第1走行体の反射体によって反射された光を反射する第2の反射体を備えた第2走行体、第2走行体からの光を結像するための結像レンズ、結像レンズを経た光を受け原稿の内容を読み取る読み取りセンサ等を備えている。
画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKは互いに同様の構成となっている。画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKはそれぞれ、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの周囲に、図1中時計方向であるその回転方向B1に沿って、プロセス手段として、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKと、クリーニング手段としてのクリーニング装置71Y、71M、71C、71BKと、除電手段としての図示しない除電装置と、AC帯電を行なう帯電手段としての図示しない帯電ローラを備えた帯電装置79Y、79M、79C、79BKと、トナーと磁性キャリアとを含む2成分現像剤である現像剤により現像を行う現像手段としての現像装置80Y、80M、80C、80BKとを有している。
これらは周知の構成であって、たとえば、現像装置80Y、80M、80C、80BKは、詳細な図示を省略するが、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対向した現像剤担持体としての現像ローラ、現像剤を搬送しながら撹拌するスクリュー、現像剤中のトナー濃度を検知するトナー濃度検知センサとしてのトナー濃度センサ、トナー濃度センサの出力に応じてトナーボトル9Y、9M、9C、9BK内のトナーを装置本体内に補給するトナー補給手段としてのトナー補給装置等を有し、現像ローラは、装置本体側に固定された磁石と、この磁石の外側に回転自在に支持されたスリーブとを有している。
感光体ドラム20Y、クリーニング装置71Y、除電装置、帯電装置79Y、現像装置80Yは、一体化されてプロセスカートリッジを構成している。感光体ドラム20M、20C、20BKの周りの各構成も同様にそれぞれ一体化されてプロセスカートリッジを構成している。これらプロセスカートリッジは、前面パネルを開いた状態で図1における手前側である感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの回転軸方向に着脱可能となっている。このようにプロセスカートリッジ化することは、交換部品として取り扱うことができるため、メンテナンス性が著しく向上し、大変好ましい。
このような構成の画像形成装置100においては、スタートスイッチの押下等により画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKにおいてそれぞれ次の画像形成プロセスが実行されること等によって、画像形成が行われる。すなわち、カラー画像を形成すべき旨の信号が入力されると、適宜、読取装置98において原稿の読み取りが行われる等して形成すべき画像に対応したデータが取得され制御手段91に入力されるとともに、駆動ローラ72が駆動され、転写ベルト11、クリーニング対向ローラ74、張架ローラ33、34、テンションローラ75が従動回転するとともに、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKがB1方向に回転駆動される。
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKはそれぞれ、B1方向への回転に伴い、電源からの電力供給を受けた、帯電装置79Y、79M、79C、79BKの帯電ローラにより表面を一様に帯電され、形成すべき画像に対応したデータに基づいて制御手段91によって駆動される光走査装置8からのレーザー光の露光走査によりイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応した静電潜像を書き込まれて形成され、この静電潜像を現像装置80Y、80M、80C、80BKによりイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーにより現像されて顕像化され、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像によって構成された単色画像が形成される。
現像により得られたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像は、順次、電源によってトナーと逆極性の電圧が印加された1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKによって、A1方向に回転している転写ベルト11上の同じ位置に重ねて転写され、転写ベルト11上には合成カラー画像が形成される。
一方、カラー画像を形成すべき旨の信号の入力に伴い、各給紙カセット25に対応する給紙ローラ24、手差しトレイ27に対応する給送ローラ28の何れかが選択されて回転駆動され、転写紙Sを繰り出すとともに1枚ずつ分離して搬送し、搬送された転写紙Sはレジストローラ対4に突き当てられた状態で停止する。両面画像形成の場合は、定着装置6においてその片面に後述のように画像が定着された転写紙Sが、反転搬送経路21を通って表裏反転された状態で、レジストローラ対4に突き当てられた状態で停止する。
転写ベルト11上に重ね合わされた合成カラー画像が転写ベルト11のA1方向の回転に伴って2次転写部57まで移動するタイミングに合わせて、レジストローラ対4が回転し、レジストローラ対4の回転によって送り出された転写紙Sは、定着剤供給装置41によって、2次転写部57でトナー像である合成カラー画像が転写される側の面に定着剤を供給される。
定着剤を供給された転写紙Sは、2次転写部57において、合成カラー画像を、転写ベルト11に向けて付勢された2次転写ローラによって密着され、ニップ圧、及び電源によって2次転写ローラに印加された、合成カラー画像を構成しているトナーと逆極性の電圧の作用によって転写紙Sに2次転写され、記録される。
転写紙Sは2次転写装置5およびA1方向に回転する転写ベルト11によって搬送されて定着装置6に送り込まれ、定着装置6において定着ローラ65と加圧ローラ63との間の定着部である定着ニップ62を通過する際、熱と圧力との作用及び後述する定着剤の作用により、担持したトナー像すなわち合成カラー画像を定着される。
定着装置6を通過した、合成カラー画像を定着済みの転写紙Sは、排紙ローラ7を経て本体99外に排出され、本体99の上部の排紙トレイ17上にスタックされる。両面画像形成の場合は、片面に定着済みの転写紙Sは再給紙経路83及び反転搬送経路21を通って再度レジストローラ対4に向けて搬送される。
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、転写後に残留した転写残トナーをクリーニング装置71Y、71M、71C、71BKにより除去され、除電装置によって除電され、帯電装置79Y、79M、79C、79BKによる次の帯電に供される。
2次転写を終えた2次転写部57を通過後の転写ベルト11は、クリーニング装置13に備えられたクリーニング部材によってその表面をクリーニングされ、次の転写に備える。
このような画像形成を行うのに用いられる定着剤供給装置41の構成およびこの定着剤供給装置41において用いられる定着剤について説明する。
図3又は図4に示すように、定着剤供給装置41は、定着剤を成型して形成された定着剤の固形物である定着剤バーである可塑剤バーとしてのバー42と、バー42に当接し回転によりバー42を構成している定着剤を掻き取って粉体状とし、用紙搬送経路81において搬送されている転写紙Sに粉体状の定着剤を供給し付着させる付与部材としての塗布ローラである付与ローラたるブラシローラ43と、用紙搬送経路81を挟んでブラシローラ43に対向して配設された対向ローラ44とを有している。
定着剤供給装置41はまた、ブラシローラ43に当接する位置にバー42を有し、バー42をブラシローラ43に当接させ付与ローラ43に掻き取らせて転写紙Sに供給させる供給手段としての定着剤バーユニットである可塑剤バーユニットたる定着剤供給機構45と、ブラシローラ43と対向ローラ44とのニップよりも、用紙搬送経路81における転写紙Sの搬送方向下流側に配設され、転写紙Sに供給され付着した定着剤を転写紙S上で均すための定着剤均し手段としての可塑剤均し機構である均し機構46とを有している。
定着剤供給装置41はまた、用紙搬送経路81における転写紙Sの搬送方向に沿うようにブラシローラ43を回転駆動する付与部材駆動手段としての図示しない供給モータと、制御手段91の一機能として実現され、供給モータの回転駆動を制御することでブラシローラ43の回転速度を制御し、定着剤供給装置41具体的にはブラシローラ43による転写紙Sへの定着剤の供給量である付与量言い換えると塗布量を調整する回転制御手段としての供給量制御手段とを有している。
バー42は、後述するように所定の可塑剤を少なくとも含む定着剤を、細長い直方体に成型したものである。バー42の成型の方法としては、固体の可塑剤、定着剤を、粉体にして圧縮成型するか、融解させて成型するかの何れかが好ましい。
バー42の幅は、転写紙Sの横幅以上の長さを有し、主走査方向において、用紙搬送経路81における転写紙Sの通過領域を含むように配設されている。
バー42の厚みは、副走査方向においてブラシローラ43の直径以下である必要があるが、定着剤供給機構45の交換寿命を長くするためには、ブラシローラ43の直径同等の厚みが望ましい。
バー42の高さについても、定着剤供給機構45の交換寿命を長くするために、本体99のレイアウトの許す範囲で極力大きいことが望ましい。
ブラシローラ43は、用紙搬送経路81の、2次転写部57において転写紙Sにトナー像が転写される側に配設されており、定位置で回転し、転写紙Sの、同側の面に、定着剤を付与する。
ブラシローラ43は、ブラシ繊維をパイル地にしたテープを金属製の芯金にスパイラル状に巻き付けたものである。ブラシ繊維は繊維径10〜500μm程度、ブラシの繊維の長さは1〜15mm、ブラシ密度は1平方インチ当たり1万〜30万本(1平方メートル当たり1.5×107〜4.5×108本)のものが好ましい。
ブラシローラ43は、塗布の均一性やその安定性の面から、極カブラシ密度の高い物を使用することが好ましく、1本の繊維を数本〜数百本の微細な繊維から作ることも好ましい。たとえば、333デシテックス=6.7デシテックス×50フィラメント(300デニール=6デニール×50フィラメント)のように6.7デシテックス(6デニール)の微細な繊維を50本束ねて1本の繊維として植毛することも可能である。
ブラシローラ43は、機械的なストレスを抑制するために、そのブラシ繊維が可撓性をもつことが好ましい。一般的に公知の材料から1種ないし2種以上を選択して使用される。
具体的な材料としては、ポリオレフィン系樹脂(たとえばポリエチレン、ポリプロピレン);ポリビニル及びポリビニリデン系樹脂(たとえばポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル及びポリビニルケトン);塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;スチレン−ブタジエン樹脂;フッ素樹脂(たとえばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン);ポリエステル;ナイロン;アクリル;レーヨン;ポリウレタン;ポリカーボネート;フェノール樹脂;アミノ樹脂(たとえば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂)などのうち、可撓性を持つ樹脂を使用可能である。
また、撓みの程度を調整するために、ジエン系ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ヒドリンゴム、ノルボルネンゴム等を複合して用いても良い。
また、ブラシ表面には必要に応じてブラシの表面形状や環境安定性などを安定化することなどを目的として、被覆層を設けても良い。被覆層を構成する成分としては、ブラシ繊維の撓みに応じて変形することが可能な被覆層成分を用いることが好ましく、これらは、可撓性を保持し得る材料であれば、何ら限定される事がなく、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、アクリル(たとえばポリメチルメタクリレート)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビリケトン等のポリビニル及びポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂またはその変成品(たとえばアルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン等による変成品);パーフルオロアルキルエーテル,ポリフルオロビニル、ポリフルオロビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等の弗素樹脂;ポリアミド;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;尿素−ホルムアルデヒド樹脂等のアミノ樹脂;エポキシ樹脂や、これらの複合樹脂等が挙げられる。
対向ローラ44は、その中心位置がブラシローラ43の中心位置と同じ高さに配設されている。対向ローラ44とブラシローラ43とは、互いに所定の食い込み量で食い込むことでニップを形成している。
対向ローラ44は、ガラスビーズローラである。具体的に、対向ローラ44は、ステンレスの芯金にクロロプレンが巻き付いたローラで、直径100μmのガラスビーズがその表面にエポキシ系接着剤で固定されている。対向ローラ44は、搬送性をもたせるため、ガラスビーズローラを採用しているが、搬送性が確保することのできるローラであれば、この限りではない。
定着剤供給機構45は、バー42と、バー42をブラシローラ43に当接させる態様でブラシローラ43とバー42との当接圧を保つための可塑剤バー加圧維持機構としての当接圧維持手段としての当接圧維持機構47とを有している。
当接圧維持機構47は、バー42の底部を保持した可塑剤バー台座である保持部材48と、保持部材48を介してバー42を一定の圧力でブラシローラ43に押圧する押圧手段としての加圧部材である加圧部49とを有している。
当接圧維持機構47は、本体99側の不動部材Fに固定され、バー42、保持部材48、加圧部49を覆うように設けられ、加圧部49によるバー42の加圧方向を、バー42がブラシローラ43に接離する方向に維持するように、保持部材48を、かかる方向にスライド自在に支持した、加圧部材支持部材としての加圧部支持部材であるホルダ50を有する。
加圧部49は、その基端が保持部材48に回転自在に支持され、その先端がホルダ50内部の底面に摺動自在とされた一対の脚49aと、各脚49a同士を連結し、各脚49aの先端が閉じるように各脚49aを付勢した付勢部材としての加圧バネである引張バネたるバネ49bとを有している。よって、加圧部49は、バネ49bの付勢力により、保持部材48を押し上げることで、ブラシローラ43に対するバー42の加圧力を印加する。
加圧部49、当接圧維持機構47、定着剤供給機構45がこのような構成であることにより、定着剤供給装置41は、回転するブラシローラ43によりバー42から定着剤を掻き取って粉体状とし、ブラシローラ43と対向ローラ44とのニップを転写紙Sが通過する際に、このニップにおいて、転写紙Sの、トナー像を担持する側の面である担持面すなわち画像面に、ブラシローラ43によって、粉体状の定着剤を、均一に塗布する。
このようにして、定着剤は、トナー像を担持する前の転写紙Sの画像面側に予め供給され、均一に塗布され、定着剤の層を形成した状態となる。
図3に示すように、均し機構46は、用紙搬送経路81の、2次転写部57において転写紙Sにトナー像が転写される側に配設された均し部材としての均しローラ46aと、用紙搬送経路81を挟んで均しローラ29に対向するように配設された均し対向部材としての均し対向ローラ46bとを有している。
均し機構46はまた、均しローラ46aと均し対向ローラ46bとを互いに圧接させる図示しない圧接手段と、用紙搬送経路81における転写紙Sの搬送方向に沿うように均しローラ46aをプロセス線速で回転駆動する均し部材駆動手段としての図示しないモータとを有している。
均しローラ46aは、転写紙S上の定着剤を押圧することで均す機能を果たすため、表面性のよいローラであることが望ましい。たとえば、均しローラ46aとして、無垢のPOM材をローラ形状に成型し、鏡面処理を施したものが挙げられる。
均しローラ46aが表面性のよいローラであっても、可塑剤、定着剤の種類やよく使用する転写紙Sの種類によって、そのローラ表面に可塑剤、定着剤ないし紙粉が付着する可能性がある。よって、均し機構46は、均しローラ46aの表面を定常的もしくは定期的に清掃するブレード等の清掃手段を備えていることが好ましい。
均し対向ローラ46bは、ガラスビーズローラである。均し対向ローラ46bは、ステンレスの芯金にクロロプレンが巻き付いたローラで、直径100μmのガラスビーズがその表面にエポキシ系接着剤で固定されている。均し対向ローラ46bは、搬送性をもたせるため、ガラスビーズローラを採用しているが、搬送性が確保することのできるローラであれば、この限りではない。
均しローラ46aと均し対向ローラ46bとは、それぞれの中心位置が互いに同じ高さに位置するように配設されている。圧接手段は、均しローラ46aと均し対向ローラ46bとを互いに所定の食い込み量で食い込ませるようにしてニップを形成している。このニップにて転写紙S上に付着した定着剤を均す必要があるため、圧接手段は、均しローラ46aと均し対向ローラ46bとの、長手方向両端部にてその軸間に所定の圧をかける。可塑剤、定着剤の種類にもよるが、圧接手段は、均しローラ46aと均し対向ローラ46bとを10〜40Nの範囲の定圧で片側ずつ加圧することが好ましい。
均し機構46がこのような構成であることにより、均しローラ46aと均し対向ローラ46bとのニップを通過した転写紙Sは、その画像面上において粉体状の定着剤、可塑剤が均され、ブラシローラ43と対向ローラ44とのニップを通過する際にブラシローラ43によって定着剤を供給されたときよりも、図5に示すように、かかる画像面上に隙間なく、より均一に層状に定着剤、可塑剤が分布することとなる。圧接手段によって均しローラ46aと均し対向ローラ46bとを互いに圧接することは、転写紙Sが凹凸の強いレザック紙や粗悪な紙である場合にも有効で、凹部も含めて均一に可塑剤、定着剤が分布する。
供給量制御手段として機能する制御手段91は、転写紙Sの紙種と、画像形成装置100の使用環境具体的には温湿度環境に基づいて、ブラシローラ43の回転速度を制御し、転写紙Sへの定着剤の塗布量を調整する。
具体的に、供給量制御手段として機能する制御手段91は、転写紙Sの紙種に応じて、転写紙Sへの定着剤の塗布量を決定し、かかる温湿度環境によらず決定された塗布量で定着剤が転写紙Sに供給されるように、ブラシローラ43の回転速度を制御する。
転写紙Sの紙種に応じてかかる塗布量を決定することについて説明する。転写紙Sがレザック紙や粗悪な紙の場合、転写紙Sが普通紙やコート紙に比べて、トナー像を担持する画像形成面に凹凸の程度が強い。そこで、供給量制御手段として機能する制御手段91は、転写紙Sがレザック紙や粗悪な紙のような凹凸のある紙である場合、ブラシローラ43の線速を、転写紙Sが普通紙やコート紙である場合より大きくすることで、ブラシローラ43のブラシ繊維の転写紙Sへの接触回数を増加させ、転写紙Sに、凹部も含めて均一に可塑剤、定着剤が塗布させる。紙種の設定は、紙種入力キーを用いてユーザー自身が出力時すなわち画像形成開始指示時に設定するようにしてもよいし、紙種検知センサを設けて紙種を検知することで自動設定されるようにしてもよい。供給量制御手段として機能する制御手段91は、設定された紙種に基づいて、供給モータの駆動を制御し、ブラシローラ43の回転速度を制御する。
温湿度環境に応じて塗布量を定量とすることについて説明する。
たとえば、相対湿度をA:〜25、B:25〜40、C:40〜60、D:60〜75、E:75〜と区分し、ブラシローラ43の回転速度を、各区分について、それぞれ紙種によって設定されたブラシローラ43の回転速度のA:1.5、B:1.2、C:1、D:0.9、E:0.8倍となるよう補正因子を設定し、供給量制御手段として機能する制御手段91により供給モータの駆動を制御する。このような調整を行うことで、画像形成が行われる温湿度環境によらず可塑剤、定着剤の塗布量が一定に維持される。供給量制御手段として機能する制御手段91は、温湿度環境に関する情報を環境検知センサから取得する。そのため、環境検知センサは、温湿度を検知可能となっている。ただし、供給量制御手段として機能する制御手段91は、画像形成装置100の使用環境に関する情報として、温度又は湿度を用いても良く、この場合、環境検知センサは、温度と湿度との両方でなく、供給量制御手段として機能する制御手段91において用いられる温度と湿度との何れか一方を検知するものであっても良い。
なお、供給量制御手段として機能する制御手段91は、転写紙Sの種類、かかる温湿度環境の何れかに基づいてかかる塗布量を調整するようにしても良く、たとえば、後者に基づいて調整を行う場合には、ブラシモータ43の回転速度を、プロセス線速を基準として、上述した区分に対応するように設定する。
かかる塗布量は、このようにして調整されるが、適正な塗布量は、使用される可塑剤、定着剤の種類によって異なるものであり、供給量制御手段として機能する制御手段91は、ブラシローラ43の回転速度の決定にあたり、かかる種類を要素としている。また、適正な塗布量は、後述する定着設定温度をも勘案して設定されるものであり、供給量制御手段として機能する制御手段91は、ブラシローラ43の回転速度の決定にあたり、定着設定温度を要素としている。このように、かかる塗布量と、かかる種類と、かかる定着設定温度とは、互いに相関しており、定着温度を設定するためには、可塑剤の種類と塗布量とを選定する必要がある。その他、プロセス線速等も相関しているが、塗布量は、概ね8〜80μg/cm2であることが好ましく、また、転写紙Sへの塗布量は、加圧部49、当接圧維持機構47、定着剤供給機構45およびブラシローラ43の回転速度が決定された速度に維持されることにより、経時で一定に保たれる。
定着剤について説明する。
定着剤は、2次転写部57において転写紙Sに転写され担持されるトナー像を構成するトナー、具体的にはトナー樹脂を、膨潤及び軟化若しくは溶解させ転写紙Sへの定着に適した状態にするための可塑剤を少なくとも含んでいる。
定着剤及び可塑剤は、実使用環境ではトナー、具体的にはトナー樹脂への膨潤及び軟化若しくは溶解の機能を持たず、熱を与えられたときかかる機能を示す固体可塑剤を採用している。熱を与えられたとき、とは、画像形成装置100においては、定着装置6による定着の際に加熱されたときすなわち定着時に熱が加えられたときであり、画像形成装置100が使用される一般的な環境温度すなわち常温から40〜50℃程度以下の温度を超えたとき、をいう。かかる環境温度は、たとえばオフィスの温度であり、またあるいは、本体99内における、昇温動作中の定着装置6やその周辺の雰囲気の温度を除く温度である。
そのため、定着剤及び可塑剤の融点は、かかる環境温度を超え、定着装置6の後述する設定温度以下である。そして、定着剤及び可塑剤は、トナー、具体的にはトナー樹脂を膨潤及び軟化若しくは溶解させ転写紙Sへの定着に適した状態とする機能が、定着装置6によって加熱されかかる環境温度を超える昇温時に発現するものとなっている。
よって、可塑剤は、たとえば2次転写部57において転写ベルト11、2次転写ローラに付着するなど、定着装置6を除く画像形成装置100の構成に付着しても、その機能が発現せず、かかる構成に付着したことによる機内汚染の不具合が生じることが防止ないし抑制される。
その一方で、定着装置6により加熱され昇温してかかる環境温度を超える昇温時には、上述したように、トナーを膨潤及び軟化若しくは溶解させ転写紙Sへの定着に適した状態とする機能が発現する。この機能について図6を用いて説明すると次のとおりである。
図6は、トナーが定着に適した状態となる温度のうちの下限温度すなわち定着下限温度が、可塑剤によって低下することを示す概念図である。同図において、貯蔵弾性率とは、トナーの硬さを示す値であり、貯蔵弾性率が高ければトナーが硬く低ければトナーが柔らかいことを意味する。貯蔵弾性率がK以下であれば、トナーが転写紙Sに固定され定着が行われ得る状態となる。よって貯蔵弾性率がKのときの温度が定着下限温度である。また同図において、固体可塑剤とは、画像形成装置100において使用する定着剤に使用される可塑剤を意味している。この可塑剤は、かかる環境温度において、定着剤とされる前の単体の状態でも、固体であるためである。また同図において、液体可塑剤とは、かかる環境温度において、単体の状態で液体のものを意味している。
同図に示されているように、固体可塑剤が含まれた定着剤がトナーに付与されると、定着下限温度が、定着剤不使用のときの定着下限温度T2よりも低いT1となる。よって、定着ローラ65の目標制御温度を、定着剤不使用の場合に比べて低く設定することが可能となり、定着装置6、画像形成装置100の消費電力を低減可能となる。
同図にはまた、同図示の液体可塑剤が、T1より低い温度、たとえば環境温度に含まれる常温でトナーを軟化等する能力をもつことが示されているとともに、固体可塑剤を含んだ定着剤は、かかる液体可塑剤がトナーを軟化等する機能を持つ温度では機能せず、かかる液体可塑剤を含んだ定着剤と異なり、かかる環境温度では軟化能力をほとんど持たないことが示されている。よって、かりに液体可塑剤を含む定着剤を使用したとすれば、機内汚染を生ずるが、画像形成装置100では、固体可塑剤を含む定着剤を用いることにより、機内汚染が生じることがない。トナーの貯蔵弾性率を低下させる機能を有する可塑剤が、常温等の環境温度で単体で固体であるか液体であるかが、その可塑剤を定着剤としたときに機内汚染を生じ得るか否かの1つの指針となるため、画像形成装置100で用いる定着剤を構成する可塑剤は、環境温度で単体で固体であることを選択の1つの基準としている。
定着剤供給装置41において使用される定着剤に用いられる可塑剤の組成について説明する。後述するように、定着剤は、定着剤供給装置41によって、粉体の状態で転写紙Sに供給され塗布されることから、以下の組成の可塑剤は、定着剤として用いられるときに粉体状をなすものとなっている。
かかる可塑剤としては、分子鎖中にエーテル基を有するポリエーテル骨格を持ったポリマー、いわゆるポリエーテル樹脂や、分子鎖中に水酸基を有するポリオール骨格を持ったポリマー、いわゆるポリオール樹脂が望ましい。また、これらの骨格単独からなるポリマーの他に、アクリル骨格をもったポリマーやエポキシ骨格をもったポリマーとのコポリマー、たとえば、アクリル・ポリエーテル樹脂やエポキシ・ポリエーテル樹脂やアクリル・ポリオール樹脂やエポキシ・ポリオール樹脂であってもかかる粉体状の定着剤を構成し得る。
ポリエーテル骨格を持ったポリマーとしては、エチレンオキサイド基からなるポリオキシエチレン(略記PEO)やエチレンオキサイド基からなるポリオキシプロピレン(略記PPO)及びエチレンオキサイド基とエチレンオキサイド基の両方を有するポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体が望ましい。また、ポリオキシエチレンにアルキル基と水酸基を付加したポリオキシエチレンアルキルエーテルも望ましい。
ポリマーの分子量(重量平均分子量Mw)は、そのポリマーの融点もしくは軟化点が55℃以上80℃以下となるように選ぶ。
かかるポリマーのガラス転移温度Tgが50℃以上の場合、このポリマーの粉体化は、粉砕法やスプレー粒子化法や液中粒子化法などを用いて行う。
具体的な材料としては、PEOとして分子量Mwが6万から11万で融点が70℃の材料(商品名「アルコックスL−6、L−8、L−11」(明成化学工業))や分子量15万から40万で軟化点が65℃の材料(商品名「ペオPEO−1Z」(住友精化))などが挙げられる。
また、別の具体例としては、PEOとPPOの共重合ポリマーとして、分子量が80万から100万で融点が45℃から55℃の材料(商品名「アルコックスEP−10、EP−20」(明成化学工業))も望ましい。
かかるポリマーのガラス転移温度Tgが50℃未満である場合、ポリマーを粉体化しても粉体同士が付着しあって塊を形成する不具合がある。そこで、定着剤は、かかるポリマー粉体表面に疎水性微粒子を被覆した構成とすることが望ましい。このような定着剤の作成方法としては、液中粒子化法にて、液中でポリマーを粒子化し、そのまま液中で微粒子化したポリマー表面に疎水性の微粒子を被覆させる。ポリマー粒子乾燥後、ポリマー粒子表面の疎水性微粒子がポリマー粒子同士の付着を防ぐ働きをする。
具体的な例として、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとして、アルキル基がステアリルで、エチレンオキサイド基が140モルである材料(商品名「エマルゲン350」(花王))などで、この材料を水に溶かし、n−ドデカン中でW/Oエマルジョン化した後、水を乾燥させ、n−ドデカン中に疎水性シリカ(「AEROSIL R−972」日本アエロジル)を分散させてポリオキシエチレンアルキルエーテル粒子に被覆させる。
かかるポリマーのガラス転移温度Tgが50℃未満である場合の粉体同士の付着を防ぐ定着剤の例として、無機材料からなる多孔質粒子にかかるポリマーを含浸させる方法によってこれを構成することも望ましい。多孔質粒子としては、多孔質シリカや多孔質カルシウムなどの微粒子が望ましい。
これらの可塑剤、定着剤は、転写紙Sへ供給され、次いでこの転写紙Sにトナー像が転写された後、定着装置6によって熱定着が行われた際に、透明になる材料を選ぶことが望ましい。定着後の状態で透明であれば、可塑剤、定着剤を転写紙Sに付着させることによって画質に影響を与えることがないからである。ここでいう透明とは、画質に問題を生じない程度に実質的に透明であることを意味するものであって、完全に透明であることのみを意味するものではない。
かかる固体可塑剤を含んだ定着剤を供給され塗布された転写紙Sにトナー像を定着させるための加熱温度すなわち定着ローラ65の目標制御温度について説明する。
かかる定着剤を使用するため、すでに述べたように、定着下限温度が低下するが、定着下限温度は一般に、所定のスミア性を確保する温度に設定される。スミア性は、加熱定着後の記録媒体を擦った際のトナー汚れに関する指標であり、トナー汚れの濃度を表す数値が低いほどトナー汚れの濃度が低くすなわちトナー汚れが少なく定着性が良好であることを示し、後述するようにして得られるスミアIDが0.40以下であれば実使用上許容されるものとされている。したがって、貯蔵弾性率がK以下となり、スミアIDが0.40以下となる定着ローラ65の温度が、定着ローラ65の目標制御温度とされる。
図7に示すように、画像形成装置100では、定着剤を不使用の、熱定着のみの定着構成をもつ画像形成装置と比較して、同じ温度条件下でのスミア性が向上している。同図は、トナー像を転写される前に定着剤を予め転写紙Sに供給した画像形成装置100と、熱定着のみの画像形成装置とで、摩擦試験結果であるスミア試験結果を行った場合の比較を示している。定着剤は、可塑剤としてエマルゲン350を用いるとともに、これを疎水性微粒子で被覆したものである。
このスミア試験は、スミア試験器(摩擦試験機I型、JIS L0823、摩擦子径:15φ)を用いて行った。摩擦子に、25×25mm程度の白綿布(JIS L0803 綿3号)を繊維方向が摩擦子の可動方向と水平になるように両面テープで貼り付けた。そして、評価画像を5往復、連続動作にて擦った。評価画像は100%の全ベタ画像である。白綿布をはがし、画像が付着している摩擦子跡における任意の3箇所の画像濃度を、分光計(X−Rite社製、938スペクトロデンシトメータ)を用いて測定し、その平均値をスミアIDとした。上述のように、このスミアIDが低いほど定着画像を擦ったときのトナーによる汚れが少なく、0.40以下であれば実使用上許容される。
よって、同図より、画像形成装置100では、定着ローラ65の目標制御温度すなわち設定温度が145℃でもスミア性が確保され、熱定着のみの画像形成装置では、設定温度を155℃としなければスミア性が確保されないことがわかる。
画像形成装置100では、かかる試験結果を踏まえて、定着温度設定言い換えると目標制御温度を145℃としている。この温度は、熱定着のみの画像形成装置における定着下限温度よりも10℃低く、したがって、画像形成装置100は、かかる画像形成装置より省電力となり、低環境負荷の画像形成装置となっている。なお、本形態では、上述のように、可塑剤としてエマルゲン350を用いるとともに、これを疎水性微粒子で被覆した定着剤を採用しているが、可塑剤の材質を選択することで、スミア性を確保する温度は変更可能であり、定着設定温度はこの限りではない。
画像形成装置100においてスミア性が向上し、定着設定温度が従来に比べて非常に低い温度とすることが可能となっており、またこのように非常に低い定着設定温度でスミア性を確保した良好な定着、画像形成が可能となっているのは、単に、かかる固体可塑剤を含んだ定着剤を用いているからではなく、かかる定着剤を、図5に示したように、トナー像担持前の転写紙Sに予め付着させておき、定着剤が付着した側の転写紙Sの面すなわち画像面に、転写ベルト11上のトナー像を、2次転写装置5により定着剤に接触するように転写し、図8に示すように転写紙Sの画像面とトナー像との界面に定着剤を留まらせ、定着剤をかかる画像面とトナー像とによって挟んだ状態としたたうえで、定着装置6において加熱等により定着を行っているためである。この理由を以下説明する。
かかる状態の転写紙Sを、定着ニップ62において加熱すると、図9に示すように、定着剤中の可塑剤が、トナーとともに昇温して融け、トナー中のトナー樹脂に浸透してトナーを膨潤及び軟化若しくは溶解させる機能を発現する。定着ニップ62においては圧力も加えられるため、トナー層への融けた可塑剤、定着剤の染み込み、すなわち、転写紙S上に転写されたトナー像を構成する多数のトナーの相互間への毛細管現象による融けた可塑剤、定着剤の染み込みが促され、また軟化したトナーに転写紙Sへのアンカー効果が効率的に発生し、トナーが転写紙Sに固定される。本形態のようにトナー像の表面側から加熱を行う場合、トナー像の表面に比べて転写紙Sとトナー像との界面付近には熱が伝わりにくいが、定着剤は、転写紙S表面に近いトナーに接触しているので、可塑剤が上述の機能を発揮する温度に達すると同機能が発揮され、定着が高効率に行われる。とくに、本形態では、トナー像側からの加熱を行うため、転写紙Sの裏面側からのみの加熱に比べ、転写紙Sによる吸熱量が少なく、加熱を要する可塑剤の昇温効率が高くなっていることから、可塑剤の機能が速やかに発揮される。なお、転写紙Sの裏面側からの加熱も行うように、すなわち加圧ローラ63を加熱する加熱手段を併用するようにしても良いが、この場合には省電力化が達成される範囲で転写紙S側からの加熱を併用するのが好ましい。
このように、画像形成装置100では、従来の定着設定温度よりも低い温度で機能を発現する定着剤が、転写紙Sに予め供給されており、この予め供給されている定着剤が、トナー像の転写の際に、接触転写によって転写紙S表面側のトナーに効率よく付着するため、従来よりも低い温度で、且つ少ない熱量でとくに転写紙S表面側のトナーが定着に適した軟化状態となり、良好に定着が行われる。
また、定着剤の供給をトナー像の転写前に行うので、定着剤の供給の際にトナー像を乱すことが無く、良好な定着画像が得られる。さらに、定着剤の機能が、定着のための昇温時に発現するので、かりに定着剤が転写ベルト11等に付着しても影響を与えることがない。この技術が液体現像への適用に限定されることもない。
なお、定着剤が、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKや転写ベルト11、さらにはこれらに当接している部材に付着することによる機内汚染は、定着剤が昇温により機能を発現することによるもののみならず、付着自体によっても、たとえば、かかる部材の機能低下や、かかる部材への残留トナーや飛散トナー等の固着といった態様でも生じ得るが、このような機能低下についても、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKや転写ベルト11上のトナー像に対して定着剤を供給する構成となっていないことにより、抑制ないし防止される。かかる機能低下は、定着液を用いた場合に粘性を持つことにより飛散トナー、地汚れトナー、廃トナーとともにかかる部材に固着することにより、熱を積極的にかけなくてもかかる部材の寿命を低下させることによって発生し得る。しかし、定着剤が粉体状であることにより、表面張力が低いこと等によりかかるトナーと混ぜ合わさることによる固着が生じにくいため、かかる部材に付着しにくくなっていることから、かかる機能低下が生じ難くなっている。
ここで、制御手段91は、メモリに、トナー像を構成するトナーを膨潤及び軟化させ転写紙Sへの定着に適した状態にするための可塑剤を含む粉体状の定着剤を、トナー像を担持する前の転写紙Sのトナー像の担持面側に供給する定着剤供給装置41と、この定着剤供給装置41によってかかる定着剤を供給された転写紙Sに、転写ベルト11上のトナー像を、転写紙Sのトナー像の担持面側に、転写紙S上のかかる定着剤に接触するように転写する2次転写手段5と、この2次転写手段5によって転写された転写紙S上のトナー像を構成するトナーとかかる定着剤とを加熱してかかるトナーをかかる状態にしてトナー像を転写紙Sに定着する定着装置6とを用いる定着方法、画像形成方法を実行するための定着プログラム、画像形成プログラムを記憶している。この点、制御手段91ないしメモリは、定着プログラム記憶手段、画像形成プログラム記憶手段として機能している。かかる定着プログラム、画像形成プログラムは、制御手段91に備えられたメモリのみならず、半導体媒体(たとえば、ROM、不揮発性メモリ等)、光媒体(たとえば、DVD、MO、MD、CD−R等)、磁気媒体(たとえば、ハードディスク、磁気テープ、フレキシブルディスク等)その他の記憶媒体に記憶可能であり、かかるメモリ、他の記憶媒体は、かかる定着プログラム、画像形成プログラムを記憶した場合に、かかる定着プログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記録媒体、画像形成プログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記録媒体を構成する。
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
たとえば、本発明を適用した画像形成装置は、タンデム型であっても、上述した間接転写方式でなく、図10に示すように、直接転写方式を採用可能である。この画像形成装置において、すでに述べた画像形成装置100、すなわち、4連タンデム中間転写方式を採用し、転写紙Sに転写されるトナー像を担持したトナー像担持体として、感光体である感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに担持さえたトナー像を転写される中間転写体である転写ベルト11を備えた画像形成装置に備えられているのと同様の構成には、画像形成装置100に備えられている構成に付した符号と同じ符号を付し、また適宜図示を省略し、説明についても適宜省略する。
この直接転写方式、具体的には4連タンデム直接転写方式を採用した画像形成装置において、転写紙Sに転写されるトナー像を担持したトナー像担持体は感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKであって、上述の転写ベルト11に代えて記録媒体搬送体であるシート搬送ベルト11’を備え、シート搬送ベルト11’で搬送されている過程の、定着剤供給装置41によって定着剤を塗布された転写紙Sに、画像ステーション60BK、60C、60M、60Yで形成した各色のトナー像を、転写手段としての1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKによって順次重ね転写したのち、定着装置6によって定着を行う。
なお、同図に示されている定着剤供給装置41は、図3および図4に示した定着剤供給装置41とほぼ同様の構成であって、ブラシローラ43と対向ローラ44とが鉛直方向において並設されている。
また、本発明を適用した画像形成装置は、4連タンデム中間転写方式を採用し、中間転写体としての転写ベルト11を備えている場合であっても、転写ベルト11は、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKのような感光体でなく、トナー担持体に担持されたトナーを転写されトナー像をその表面に直接形成される構成であっても良い。
このような構成の画像形成装置の例を図11に示す。この画像形成装置において、すでに述べた画像形成装置100に備えられているのと同様の構成には、画像形成装置100に備えられている構成に付した符号と同じ符号を付し、また適宜図示を省略し、説明についても適宜省略する。
この画像形成装置は、トナージェット、ダイレクトトーニング、トナープロジェクションなどと称される、トナーを転写ベルト11に対して飛翔、着弾させることによって転写ベルト11上に画像を直接記録する方式を採用したものであり、画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKが、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーを担持したトナー担持体93Y、93M、93C、93BKを備えトナー担持体93Y、93M、93C、93BKに担持されているトナーを転写ベルト11に飛翔させるトナー噴射手段94Y、94M、94C、94BKと、トナー噴射手段制御手段94Y、94M、94C、94BKにトナーを飛翔させて転写ベルト11上に画像を形成する、トナー噴射手段制御手段94Y、94M、94C、94BKから飛翔したトナーを通過させる図示しないトナー通過孔を備えたトナー制御手段95Y、95M、95C、95BKとを有している。
同図に示す画像形成装置に備えられる定着剤供給装置41は、図3および図4に示した定着剤供給装置41と同様の構成である。
また、本発明を適用する画像形成装置は、いわゆるタンデム方式の画像形成装置ではなく、1つの感光体ドラム上に順次各色のトナー像を形成して各色トナー像を順次重ね合わせてカラー画像を得るいわゆる1ドラム方式の画像形成装置にも同様に適用することが可能である。
その他、画像形成装置は、近年では、市場からの要求にともない、カラー複写機やカラープリンタなど、カラーのものが多くなってきているが、画像形成装置は、モノカラー画像のみを形成可能なものであっても良い。
現像剤は、二成分現像剤でも一成分現像剤であっても良い。
本発明を適用する画像形成装置に備えられる定着手段は、上述の形態において備えられているローラ定着方式を採用した定着手段でなく、定着部材として無端ベルト状の定着ベルトを備えたベルト定着方式を採用した定着手段であっても良い。ローラ定着方式を採用した定着手段では、比較的簡易な構成で均一な加熱を実現可能であるという利点があり、ベルト定着方式を採用した定着手段では、消費電力が比較的少なくて済むという利点がある。
画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリの複合機でなく、これらの単体であっても良いし、その他、複写機とプリンタとの複合機等の他の組み合わせの複合機であっても良い。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。