JP4667765B2 - 計量機構 - Google Patents

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本発明は、被計量物の重量を計量する計量機構、特にロバーバル機構を備えた計量機構の改良に関し、計量の技術分野に属する。
従来、各種被計量物の重量を計量する計量装置に用いられる計量機構として、例えばロバーバル機構を備えた起歪体を用い、該起歪体の可動剛体部に連結された計量皿に被計量物を載置したときに、可動剛体部が水平状態を維持したまま、固定剛体部に対して下方へ移動するように構成されたものがある。
一例として図10(a)に示す起歪体Aには、固定剛体部A1と可動剛体部A2と両剛体部A1,A2をそれぞれ2箇所の可撓部A3,A3,A4,A4を介して連結する上下一対のビーム部A5,A6とでロバーバル機構Rが構成されている。その場合、可動剛体部A2に連結された計量皿Bの前部に被計量物Wが載置されて矢印Mで示すモーメントが作用したとき、ロバーバル機構Rが理想的に形成されていると、つまりロバーバル機構Rが平行四辺形形状を維持しながら変形すると、可動剛体部A2に作用する力mに抗して上部ビーム部A5に作用する力f1の上方分力f1′と同じく力mに抗して下部ビーム部A6に作用する力f2の下方分力f2′とは大きさが等しいので、被計量物Wが計量皿Bの中心に載置されたときと変わらぬ計量値が得られ、いわゆる偏置誤差(四隅誤差ともいう)が生じることはない。
しかしながら、金属ブロックのくり抜き加工等、起歪体A製作時の加工精度等に起因して、各可撓部A3,A3,A4,A4の位置関係が平行四辺形形状からずれた形となってロバーバル機構Rが適正に機能しないものとなり、計量値に偏置誤差が生じることがある。すなわち、図10(b)に示すように、計量皿Bの前部に被計量物Wが載置されて矢印Mで示すモーメントが作用したとき、可撓部A3,A3,A4,A4つまり変曲点がずれているため、変形時にロバーバル機構Rが平行四辺形形状を維持しなく、上部ビーム部A5に作用する力f1の上方分力f1′と下部ビーム部A6に作用する力f2の下方分力f2′とを合成すると上方分力f1′−f2′が残り、その結果、被計量物Wが計量皿Bの中心に載置されたときに比較して計量値がマイナス側にずれるようになる。
一方、図10(c)に示すように、計量皿Bの後部に被計量物Wが載置されて矢印M′で示すモーメントが作用したとき、上部ビーム部A5に作用する力f1の下方分力f1′と下部ビーム部A6に作用する力f2の上方分力f2′とを合成すると下方分力f1′−f2′が残り、その結果、被計量物Wが計量皿Bの中心に載置されたときに比較して計量値がプラス側にずれるようになる。
このような偏置誤差を解消する方法としては、例えば特許文献1に開示されているものがある。すなわち、この特許文献1には、歪ゲージ式の計量機構において偏置誤差が生じた場合、起歪体におけるいわゆるロバーバルノッチによって薄肉状とされた都合4箇所の可撓部のうちの所定の可撓部の側部を削り取って歪み量つまりバネ係数を調整する方法が開示されており、これによって偏置誤差を解消するようにしている。
しかしながら、この方法は熟練を要し、削り取りすぎると可撓部の剛性が過度に低下して、起歪体として必要な歪み量を確保することができなくなる。加えて、この方法をもってしても偏置誤差を解消しきれない場合があり、それは、起歪体が基本的に片持ち形状で構成されていることに起因していると考えられる。つまり、計量皿に被計量物が載置されたとき、前述したようなロバーバル機構の変形に、片持ち梁の曲げ変形が重畳されることによって理想的なロバーバル変形が実現されなくなり、その場合には、可撓部の側部を削ることでは、問題を解決することができなくなるのである。
このような問題を解決する起歪体としては、例えば特許文献2に開示されているものがある。すなわち、この特許文献2には、可撓部の肉厚や幅の調整、あるいは可撓部に対する開口の形成により、可撓部の剛性をロバーバル機構が適正に機能するように調整した起歪体が開示されている。
特開平7−318439号公報 特開2000−214008号公報
ところで、前記特許文献2に記載の方法によれば、可撓部の厚みや幅等、起歪体の寸法に直結する要素を変更することになるので、この起歪体を備えた計量機構では設計変更を迫られるという問題がある。しかも、各剛体部側の可撓部の剛性が互いに異なることになるので、偏置誤差の解消以前に、そもそもロバーバル機構が理想的に機能して変形するのが困難である。
また、これとは別なる方法として、起歪体を大型化することによって梁としての剛性を高め、曲げ変形の影響を抑制することが考えられるが、この場合には計量機構のコンパクト化を阻害することになる。
そこで、本発明は、以上の現状に鑑み、起歪体の大幅な設計変更や大型化を伴わず、かつ、可撓部における所定の剛性を維持しつつ、ロバーバル機構を適正に機能させて偏置誤差の解消が可能な計量機構を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
まず、請求項1に記載の発明は、一端側の固定剛体部と被計量物の荷重が負荷される他端側の可動剛体部と、各剛体部を可撓部を介して連結するビーム部とで構成され、前記各可撓部が側面視円弧状のロバーバルノッチによって薄肉状とされてロバーバル機構が構成された起歪体を用いる計量機構であって、前記起歪体の内面において、前記少なくとも1つの可撓部の最小肉厚部より剛体部側の該剛体部近傍位置に、前記ロバーバル機構の変曲点がずれるように、側面視が前記ロバーバルノッチの円弧よりも径が小さい円弧状で前記起歪体の両側面間に亘って設けられて偏置誤差を小さくする補助ノッチが少なくとも1つ設けられていることを特徴とする。
次に、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の計量機構において、前記偏置誤差を小さくする場合、前記補助ノッチの設置箇所を前記可撓部の最小肉厚部側にずらす、もしくは前記補助ノッチの径を大きくすることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の計量機構において、前記1つの補助ノッチを設けることで偏置誤差が小さくならない場合、他の可撓部の最小肉厚部より剛体部側の該剛体部近傍位置に別なる補助ノッチを設けることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項3に記載の計量機構において、前記別なる補助ノッチの設置箇所は、前記1つの補助ノッチが設けられた可撓部の水平側に配設された他の可撓部、もしくは垂直側に配設された他の可撓部の最小肉厚部より剛体部側の該剛体部近傍位置であることを特徴とする。
そして、請求項5に記載の発明は、前記請求項1から請求項4のいずれかに記載の計量機構において、前記補助ノッチの設置箇所は、有限要素法を用い、偏置誤差が小さくなるように設定されていることを特徴とする。
まず、請求項1に記載の発明によれば、可撓部の最小肉厚部より剛体部側の該剛体部近傍位置に補助ノッチを設けることにより、ロバーバル機構が変形するときの変曲点の位置をずらすことが可能となる。すなわち、片持ち梁構造に起因して可撓部の位置関係が平行四辺形形状からずれた形になることがあるロバーバル機構を、補助ノッチを設けることによって平行四辺形形状を維持しつつ変形させるので、偏置誤差を解消することができる計量機構が実現される。
しかも、そのための手段は、可撓部の最小肉厚部より剛体部側の該剛体部近傍位置に補助ノッチを設けるという簡素化されたものであるので、ロバーバル機構つまり起歪体の大幅な設計変更や大型化を伴わず、また、可撓部における所定の剛性を維持することができる。
なお、このような計量機構には、可撓部に荷重を検出するための歪ゲージが貼着された略対称形状の起歪体を備えたもの、音叉振動子等の荷重センサが組み込まれると共に荷重伝達部材が設けられた非対称形状の起歪体を備えたもの、あるいは、起歪体に荷重が負荷されたときのロバーバル機構の変位をゼロにする電流をフォースコイルに通電するいわゆるフォースバランス式のもの等が含まれる。
次に、請求項2に記載の発明によれば、補助ノッチの設置箇所を前記可撓部の最小肉厚部側にずらす、もしくは補助ノッチの径を大きくすることにより、補助ノッチを設けた効果つまり変曲点の位置をずらす効果が大きく発揮されるようになる。
また、請求項3に記載の発明によれば、1つの補助ノッチで偏置誤差を解消することができない場合、さらに別なる補助ノッチを設けることによって偏置誤差の解消が可能となる。例えば、1つの補助ノッチでは肉厚が薄くなりすぎて所定の定格の計量機構が成立しなくなる惧れがある場合に、該補助ノッチと偏置誤差に及ぼす影響の点で同一の性格を有する別なる補助ノッチを付加して設けると、前述した懸念を伴うことなく偏置誤差の解消が実現される。一方、該補助ノッチと相反する性格を有する別なる補助ノッチを付加して設けると、該補助ノッチは、前記1つの補助ノッチによって過剰に偏置誤差の調整が行なわれる惧れがある場合に、これを抑制することができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、この場合には、ロバーバル機構の機能上、1つの補助ノッチと別なる補助ノッチとは相反する性格を有するものであるので、これらの補助ノッチの設置を綿密に調整することができ、偏置誤差の解消を精度よく実現することが可能となる。
そして、請求項5に記載の発明によれば、有限要素法を用いることにより、補助ノッチの設置位置を理論的かつ効率的に設定することができるようになる。その結果、起歪体製作後に仮に加工精度に起因する偏置誤差が生じたとしても、該偏置誤差を解消するための調整代は少なくて済むようになり、例えば従来懸念された可撓部を形成するためのロバーバルノッチ近傍を削り取りすぎることによる不具合は一層効果的に回避されるようになる。
以下、本発明の第1の実施の形態に係る計量機構を備えた計量装置について説明する。
図1及び図2に示すように、この計量装置1は、被計量物を載置する計量皿2と、該計量皿2に載置された被計量物の重量を計量する計量機構3とを有している。この計量機構3に用いられる起歪体10は直方体形状のアルミニウム合金等を所定形状にくり抜いて形成されたもので、一端側の固定剛体部11と、被計量物の荷重が負荷される他端側の可動剛体部12と、各剛体部11,12をそれぞれ2つの側面視円弧状のロバーバルノッチ13a,15a,14a,16aによって薄肉状とされた可撓部13,15,14,16を介して連結する上下一対のビーム部17,18とでロバーバル機構Rが構成されている。
また、各可撓部13〜16の表面に、前記可動剛体部12に荷重が負荷されたときに該可撓部13〜16に生じる歪を計測するための歪ゲージ21…21が貼着されている。
また、固定剛体部11には4本のボルト31…31でベース32が取り付けられ、起歪体10は該ベース32を介して3本のボルト33,34,34で基台35に固定されている。一方、可動剛体部12には4本のボルト36…36でブラケット37が取り付けられ、該ブラケット37に前記計量皿2が連結されている。
そして、前記ロバーバルノッチ14a近傍で該ロバーバルノッチ14aと前記固定剛体部11との間に、本発明の特徴部分である側面視円弧状のロバーバルノッチ14aよりも小さい補助ノッチ14bが設けられている。
ここで、有限要素法を用いた起歪体における補助ノッチの設置箇所の設定手順につき、図3〜図4に基づいて説明する。
図3及び図4のフローチャートに前記設定手順の一例を示すように、ステップS1〜S4は、図5に示す補助ノッチが設けられていない起歪体10′を用いた計量装置1′における偏置誤差を確認するもので、まずステップS1で、計量装置1′をモデリングする。すなわち、図1及び図2に示した計量装置1に即した形で、計量皿2及び計量機構3′の形状、寸法等を設定する。なお、特に混乱を招かない限り、前記計量装置1と共通する構成要素には同じ符号を付すことにする。
そして、ステップS2で、偏置誤差を解析する。つまり、可撓部13〜16における平均歪を抽出し、偏置誤差として、計量皿2の中心に被計量物を載置したときの出力値と被計量物を偏置したときの出力値との差を算出する。
そして、ステップS3で、前記偏置誤差のうち、計量皿2の中心で点対称関係で示される位置、つまり例えば計量皿2の前部と後部とに被計量物を載置したときの2つの偏置誤差を平均し、これを偏置誤差残渣xとする。この偏置誤差残渣xは、起歪体10′が基本的に片持ち形状で構成されていることに起因するものである。
そして、ステップS4で、前記偏置誤差残渣xの絶対値が所定値α以下か否かを判定し、YESと判定すれば、これは偏置誤差残渣xが許容範囲内にあることを意味するので、ここで全ての検討を終了する。すなわち、この計量機構3′では、補助ノッチの設置は不要であると判断する。
一方、ステップS4でNOと判定すれば、偏置誤差残渣xを許容範囲内に収めるべく、まずステップS5〜S13で、仮の補助ノッチの設置とその性格付けとを行なう。すなわち、ステップS5で、一例として図5に符号II及び鎖線で示すように、下側の可撓部14つまりロバーバルノッチ14aの近傍で該ロバーバルノッチ14aと固定剛体部11との間に、仮の補助ノッチ14bを設定する。その場合、予備的な検討により、補助ノッチ14bの起歪体10′の表層つまり下面からの距離と径とはほぼ固定的なものとされる。例えば、補助ノッチ14bの設置箇所は、該補助ノッチ14bが設けられた箇所の最小肉厚が、ロバーバルノッチ14aが設けられた箇所の最小肉厚の3倍程度、一方、補助ノッチ14bの径は、ロバーバルノッチ14aの径の4分の1程度に設定される。
そして、ステップS6で、再度偏置誤差解析を実行した上で、ステップS7で、偏置誤差残渣yを算出したのち、ステップS8で、前記ステップS3で算出された補助ノッチ14bを設けない場合の偏置誤差残渣xと前記偏置誤差残渣yとの差x−yを算出する。
そして、ステップS9で、前記差x−yの絶対値が所定値β以下か否かを判定し、YESと判定すれば、これは補助ノッチ14bを設置したことの偏置誤差に及ぼす効果が小さいかもしくはほとんどなかったことを意味するので、ステップS10で、補助ノッチ14bの設置位置をさらに起歪体10′の表層側にずらして設定したのち、ステップS6以降の検討を実行する。
一方、ステップS9でNOと判定すれば、これは補助ノッチ14bの設置が偏置誤差に対して確実に意味があったことを示すことに他ならず、そのときはステップS11に進み、前記偏置誤差残渣yが補助ノッチ14bを設けなかった場合の偏置誤差残渣xより大きいか否かを判定する。
そして、ステップS11でYESと判定すれば、ステップS12で、仮の補助ノッチ14bは偏置誤差残渣を増大させる性格のものと認定する一方、NOと判定すればステップS13で、仮の補助ノッチ14bは偏置誤差残渣を減少させる性格のものと認定する。なお、予備的な検討により、前記位置IIと該位置IIと対角関係の位置IIIとに設置した補助ノッチは、偏置誤差残渣に及ぼす影響の点で同じ性格のものである一方、位置Iと該位置Iと対角関係の位置IVとに設置した補助ノッチも同じ性格のものであり、かつ、位置II及び位置IIIと位置I及び位置IVとに設置した補助ノッチは互いに相反する性格のものであることがわかっている。
仮の補助ノッチ14bの性格付けが終了すると、ステップS14〜S22で偏置誤差を解消するためのアプローチを行なう。すなわち、ステップS14で、前記ステップS3で得られた偏置誤差残渣xを振り返り、該残渣xが許容上限値αより大きいかまたは許容下限値−αより小さいかを判定する。そして、偏置誤差残渣xが許容上限値αより大きいと判定すれば、ステップS15で、偏置誤差残渣を減少させる性格の補助ノッチを選択する一方、偏置誤差残渣xが許容下限値−αより小さいと判定すれば、ステップS16で、偏置誤差残渣を増大させる性格の補助ノッチを選択する。
ステップS15またはステップS16のいずれかを選択した上で、ステップS17で、再度偏置誤差解析を実行したのち、ステップS18で、偏置誤差残渣zを算出する。
そして、ステップS19で、前記偏置誤差残渣zの絶対値が所定値α以下か否かを判定し、YESと判定すれば、これは偏置誤差残渣zが許容範囲内にあることを意味するので、全ての検討を終了する。すなわち、この補助ノッチを当初の箇所に設けることで、偏置誤差残渣は解消されることになる。
一方、ステップS19でNOと判定すれば、偏置誤差残渣zを許容範囲内に収めるべく、ステップS20で、該偏置誤差残渣zが許容上限値αより大きいかまたは許容下限値−αより小さいかを判定する。そして、偏置誤差残渣zが許容上限値αより大きいと判定すれば、ステップS21で、該偏置誤差残渣zを減少させるべく、偏置誤差残渣を減少させる性格の補助ノッチの設置箇所をさらに起歪体10′の表層側に移動させて設定する一方、偏置誤差残渣zが許容下限値−αより小さいと判定すれば、ステップS22で、該偏置誤差残渣zを増大させるべく、偏置誤差残渣を増大させる性格の補助ノッチの設置箇所をさらに起歪体10′の表層側に移動させて設定する。
そして、ステップS17に戻り、前記偏置誤差残渣zが許容範囲内に収まるように、以降の検討を繰り返して実行する。
以上のように構成したことにより、まず、一例として図1に示したように、可撓部14の固定剛体部11側近傍に補助ノッチ14bを設けたので、ロバーバル機構Rが変形するときの変曲点の位置をずらすことが可能となる。すなわち、変形時に片持ち梁構造に起因して変曲点が不適切にずれることがあるロバーバル機構Rを、補助ノッチ14bを設けることによって平行四辺形形状を維持しつつ変形させるので、偏置誤差を解消することができる計量機構3が実現される。
すなわち、図6(a)に示すように、片持ち梁構造の計量機構3において、計量皿2の前部に被計量物Wが載置されると、補助ノッチがない場合には、変形時に、ロバーバル機構Rの下部ビーム部18は上部ビーム部17に対して傾斜が大きくなり、その結果、ロバーバル機構Rは平行四辺形形状を維持しない。その場合に、前述したフローチャートに基づいて、可撓部14近傍に補助ノッチ14bを設置すると、変形時に変曲点が図例の鎖線で示すようにずれて、上部ビーム部17と下部ビーム部18とが平行となる。したがって、ロバーバル機構Rは理想的な平行四辺形形状を維持するので、偏置誤差が解消される。
一方、図6(b)に示すように、計量皿2の後部に被計量物Wが載置されると、補助ノッチがない場合には、変形時に、ロバーバル機構Rの上部ビーム部17は下部ビーム部18に対して傾斜が大きくなり、その結果、ロバーバル機構Rは平行四辺形形状を維持しない。その場合にも、補助ノッチ14bを設置したことにより、変形時に変曲点が図例の鎖線で示すようにずれて、上部ビーム部17と下部ビーム部18とが平行となる。したがって、ロバーバル機構Rは理想的な平行四辺形形状を維持するので、偏置誤差が解消される。



しかも、そのための手段は、可撓部14近傍、具体的にはロバーバルノッチ14a近傍に比較的小さい寸法の補助ノッチ14bを設けるという簡素化されたものであるので、ロバーバル機構Rつまり起歪体10の大幅な設計変更や大型化を伴わず、また、可撓部14における所定の剛性を維持することができる。
また、図3におけるステップS10や図4におけるステップS21,S22で説明したように、補助ノッチの設置が偏置誤差に影響しなかった場合や偏置誤差を許容範囲内に小さく収める場合には、補助ノッチの設置箇所を上下の肉厚が薄い側にずらすことにより、補助ノッチを設けた効果つまり変曲点の位置をずらす効果が大きく発揮されるようになる。なお、説明は省略するが、補助ノッチの設置箇所をずらす代わりに補助ノッチの径を大きくすることによっても、同様の効果が得られる。
また、1つの補助ノッチで偏置誤差を解消することができない場合、さらに別なる補助ノッチを設けることによって偏置誤差の解消が可能となる。すなわち、例えば、1つの補助ノッチでは肉厚が薄くなりすぎて所定の定格の計量機構が成立しなくなる惧れがある場合には、図7(a)に示す計量機構3Aの起歪体10Aのように、符号IIで示す可撓部14近傍に設けられた補助ノッチ14bと偏置誤差に及ぼす影響の点で同一の性格を有する別なる補助ノッチ15bを可撓部15近傍の位置IIIに付加して設けると、前述した懸念を伴うことなく偏置誤差の解消が実現される。
一方、図7(b)に示す計量機構3Bの起歪体10Bのように、符号IIで示す可撓部14近傍に設けた補助ノッチ14bと相反する性格を有する別なる補助ノッチ13bを可撓部13近傍の位置Iに付加して設けると、該補助ノッチ13bは前記補助ノッチ14bによって過剰に偏置誤差の調整が行なわれる惧れがある場合に、これを抑制することができる。
また、補助ノッチ14bと補助ノッチ13bとは相反する性格を有するものであるので、これらの補助ノッチ13b,14bの設置を綿密に調整することができ、偏置誤差の解消を精度よく実現することが可能となる。
そして、有限要素法を用いることにより、補助ノッチの設置位置を理論的かつ効率的に設定することができるようになる。その結果、起歪体製作後に仮に加工精度に起因する偏置誤差が生じたとしても、該偏置誤差を解消するための調整代は少なくて済むようになり、例えば従来懸念された可撓部を形成するためのロバーバルノッチ近傍を削り取りすぎることによる不具合は一層効果的に回避されるようになる。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る計量機構を備えた計量装置について説明する。
図8及び図9に示すように、この計量装置101は、被計量物を載置する計量皿102と、該被計量物の重量を計量する計量機構103とを有している。
計量機構103は、直方体形状のアルミニウム合金等を所定形状にくり抜いて形成された起歪体110を有している。そして、起歪体110には、一端側の固定剛体部111と、計量皿102に載置された被計量物の荷重が負荷される他端側の可動剛体部112と、各剛体部111,112をそれぞれ2つの側面視円弧状のロバーバルノッチ113a,115a,114a,116aによって薄肉状とされた可撓部113,115,114,116を介して連結する上下一対のビーム部117,118とでロバーバル機構Rが構成されている。なお、前記ロバーバル機構Rは前述した第1の実施の形態におけるロバーバル機構Rと具体的な構成は相違するが、便宜上同じ符号を付すことにする。
また、起歪体110には、固定剛体部111から可動剛体部112方向に延びる大寸法の伝達部119と、可動剛体部112から固定剛体部111方向に延びる小寸法の伝達部120とが、可動剛体部112寄りに位置する先端同士が干渉しないように形成されている。そして、両伝達部119,120の先端間に、被計量物が計量皿102に載置されたときに可動剛体部112に負荷された荷重を検出する荷重センサ121が2本のネジ122,122で固定されている。荷重センサ121には、例えば音叉振動子を組み込んだ構成のもの等、周知のものが用いられ、この荷重センサ121は、可動剛体部112側の伝達部120が固定剛体部111側の伝達部119に対して撓んだときの反力を検出することによって、負荷された荷重を検出する。
また、固定剛体部111には4本のボルト131…131でベース132が取り付けられ、起歪体110は該ベース132を介して3本のボルト133,134,134で基台135に固定されている。一方、可動剛体部112には4本のボルト136…136でブラケット137が取り付けられ、起歪体110には該ブラケット137を介して前記計量皿102が連結されている。
また、ロバーバルノッチ116a近傍で該ロバーバルノッチ116aと可動剛体部112との間に、側面視円弧状のロバーバルノッチ116aよりも小さい補助ノッチ116bが設けられている。
そして、説明は省略するが、第1の実施の形態において説明したと同様に、有限要素法を用いた補助ノッチの設置箇所の設定手順を実行することにより、この計量機構103においても第1の実施の形態における作用と同様の作用が得られる。
なお、前述した実施の形態では、1つの可撓部13,14,15,116につき1つの補助ノッチ13b,14b,15b,116bを設けたが、1つの可撓部につき複数の補助ノッチを設けてもよい。
また、前述した実施の形態では、計量機構3は歪ゲージ21…21を用いる形式のもの、あるいは計量機構103は荷重センサ121を用いる形式のものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばフォースバランス式計量機構等にも好ましく適用することができる。
以上説明したように、本発明によれば、起歪体の大幅な設計変更や大型化を伴わず、かつ、可撓部における所定の剛性を維持しつつ、ロバーバル機構を適正に機能させて偏置誤差の解消が可能な計量機構が提供される。すなわち、本発明は、ロバーバル機構を備えた計量機構の改良に関し、計量の技術分野に広く好適である。
本発明の第1の実施の形態に係る計量機構を備えた計量装置の概略構成を示す側面図である。 同じく平面図である。 補助ノッチの設定手順の一例を説明するためのフローチャートである。 同じくフローチャートである。 有限要素法解析におけるモデリング対象の計量装置を示す側面図である。 補助ノッチの作用を説明するための模式図であって、(a)は被計量物が前部に偏置された場合、(b)は被計量物が後部に偏置された場合のロバーバル機構の変形挙動を示す。 2つの補助ノッチを設けた起歪体の側面図であって、(a)は同一の性格の補助ノッチを設けた場合、(b)は相反する性格の補助ノッチを設けた場合である。 本発明の第2の実施の形態に係る計量機構を備えた計量装置の概略構成を示す側面図である。 同じく平面図である。 従来の計量機構における問題を説明するための模式図であって、(a)は理想的に機能するロバーバル機構において被計量物が前部に偏置された場合、(b)は理想的には機能しないロバーバル機構において被計量物が前部に偏置された場合、そして(c)は同じく被計量物が後部に偏置された場合のロバーバル機構の変形挙動を示す。
符号の説明
3,3A,3B,103 計量機構
11,111 固定剛体部
12,112 可動剛体部
13〜16,113〜116 可撓部
13b,14b,15b,116b 補助ノッチ
17,18,117,118 ビーム部
R ロバーバル機構

Claims (5)

  1. 一端側の固定剛体部と被計量物の荷重が負荷される他端側の可動剛体部と、各剛体部を可撓部を介して連結するビーム部とで構成され、前記各可撓部が側面視円弧状のロバーバルノッチによって薄肉状とされてロバーバル機構が構成された起歪体を用いる計量機構であって、前記起歪体の内面において、前記少なくとも1つの可撓部の最小肉厚部より剛体部側の該剛体部近傍位置に、前記ロバーバル機構の変曲点がずれるように、側面視が前記ロバーバルノッチの円弧よりも径が小さい円弧状で前記起歪体の両側面間に亘って設けられて偏置誤差を小さくする補助ノッチが少なくとも1つ設けられていることを特徴とする計量機構。
  2. 前記偏置誤差を小さくする場合、前記補助ノッチの設置箇所を前記可撓部の最小肉厚部側にずらす、もしくは前記補助ノッチの径を大きくすることを特徴とする請求項1に記載の計量機構。
  3. 1つの補助ノッチを設けることで偏置誤差が小さくならない場合、他の可撓部の最小肉厚部より剛体部側の該剛体部近傍位置に別なる補助ノッチを設けることを特徴とする請求項2に記載の計量機構。
  4. 前記別なる補助ノッチの設置箇所は、前記1つの補助ノッチが設けられた可撓部の水平側に配設された他の可撓部、もしくは垂直側に配設された他の可撓部の最小肉厚部より剛体部側の該剛体部近傍位置であることを特徴とする請求項3に記載の計量機構。
  5. 前記補助ノッチの設置箇所は、有限要素法を用い、偏置誤差が小さくなるように設定されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の計量機構。
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