JP4665376B2 - 有機ケイ素化合物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イオン伝導性の有機基を有する有機ケイ素化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話、ラップトップコンピュータ等の携帯用電気製品が急速に普及しつつある。これらのポータブル電源として、従来のニッケル−カドミニウム(Ni−Cd)二次電池や鉛二次電池に比べ、軽量で高容量かつ高エネルギー密度のリチウムイオン二次電池が注目されている。
【0003】
このリチウムイオン二次電池の電解液としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートや、炭酸ジエチル等の炭酸エステル系有機溶媒に、電解質としてLiPF等のリチウム系電解質塩を溶解させたものが、比較的イオン伝導度も高く、電位的にも安定であるため広く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらリチウムイオン二次電池には、可燃性の有機溶媒を電解液に使用していることによる、安全上の問題がある。例えば、短絡した場合、電池内に大電流が流れ、発生する熱によって有機溶媒が気化や分解をおこすことが考えられる。このとき発生したガスにより、さらに電池の破損や発火が起こる恐れがある。これらの解決策として、内圧の上昇を防ぐ安全弁を設けたり、電流遮断装置を設ける等の方法がなされている。しかしながら、このような電池構造を改良する方法では、いかなる問題にも対処できるとは限らない。従って、電池の安全性を向上させるには、電池材料の根本的な改善方法が必要となってきている。本発明の課題は、電池材料についてのこのような問題点を解決するために、化学的安定性、熱安定性、不揮発性に優れた非水電解液材料を開発することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決する手段として、イオン伝導性の有機基を有する有機ケイ素化合物を見出した。この有機ケイ素化合物は、化学的および熱化学的安定性が高く、また低蒸気圧の高分子化合物であるポリシルセスキオキサンの誘導体である。この有機ケイ素化合物を電解液材料として用いることにより、電解液の気化および分解を抑制し、同時に電池の破損や発火の危険性を減じ、優れた電池性能を得ることができる。
【0006】
即ち、本発明は下記の構成からなる。
[1]式(1)で示される、かご型の有機ケイ素化合物。
Figure 0004665376
(式中、A式(2)で示される基であり、RおよびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキルまたはフェニルであり、nは3〜6の整数であり、aは0または1であり、R は炭素数1〜6の直鎖のアルキルであり、R は炭素数3〜10の直鎖のアルキレンであり、mは1〜20の整数である。)
Figure 0004665376
]式(2)において、Rがメチルであり、mが3〜10であり、そしてR4がトリメチレンである、[]項に記載の有機ケイ素化合物。
][1]項に記載の式(1)において、aが1であり、RおよびRが共にメチルであり、そしてnが4である、[1]〜[]のいずれか1項に記載の有機ケイ素化合物。
]遷移金属系触媒の存在下で、式(3)で示される化合物に式(4)で示される化合物を反応させることを特徴とする、式(5)で示される有機ケイ素化合物の製造方法。
Figure 0004665376
Figure 0004665376
(これらの式において、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキルまたはフェニルであり、nは3〜6の整数であり、aは0または1であり、Z1はオキシアルキレンを繰り返し単位として有する基である。)
]式(1)で示される有機ケイ素化合物とリチウム塩とからなる非水電解液。
Figure 0004665376
(式中、Aはオキシアルキレンを繰り返し単位として有する基であり、RおよびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキルまたはフェニルであり、nは3〜6の整数であり、aは0または1である。)
]オキシアルキレンがオキシエチレンまたはオキシプロピレンである、[]項に記載の非水電解液。
]式(1)におけるA1が式(2)で示される基である、[]項に記載の非水電解液。
Figure 0004665376
(式中、Rは炭素数1〜6の直鎖のアルキルであり、Rは炭素数3〜10の直鎖のアルキレンであり、mは1〜20の整数である。)
]式(2)において、Rがメチルであり、mが3〜10であり、そしてR4がトリメチレンである、[]項に記載の非水電解液。
][]項に記載の式(1)において、aが1であり、RおよびRが共にメチルであり、そしてnが4である、[]〜[]のいずれか1項に記載の非水電解液。
10]式(1)で示される有機ケイ素化合物に対するリチウム塩の割合がオキシアルキレンの当量数に対するリチウムイオンの当量数の比で0.001〜0.50である、[]〜[]のいずれか1項に記載の非水電解液。
11][]〜[10]のいずれか1項に記載の非水電解液が含まれているリチウムイオン二次電池。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下の説明では、ポリシルセスキオキサンをPSQで表記する。本発明の有機ケイ素化合物は、PSQ骨格にイオン伝導性の有機基が結合していることを特徴とする化合物である。PSQ骨格は、3官能のケイ素化合物、例えばHSiClやCHSiClを加水分解することによって得られる化合物が示す骨格のことであり、かご型やラダー型などが知られている。そして、本発明の有機ケイ素化合物は、式(1)で示される、かご型の化合物である。
【0008】
Figure 0004665376
この式中のAは、オキシアルキレンを有する基である。この式中のaは0または1である。即ち、Aは3官能性ケイ素に直接結合していてもよいし、このケイ素に結合したジオルガノシロキシ基中のケイ素に結合してもよい。
【0009】
は、オキシエチレンまたはオキシプロピレンを有する基であることが好ましく、式(2)で示される基が更に好ましい。
Figure 0004665376
この式中のRは炭素数1〜6の直鎖のアルキルである。即ち、Rとして、メチル、エチル、プロピルおよびブチルなどを挙げることができ、このうちメチルが最も好ましい。mは1〜20の整数であるが、高いイオン伝導度の発現には、3〜10であることが好ましい。Rは炭素数3〜10の直鎖のアルキレンである。
【0010】
Siに有機基を結合させるには種々の方法を適用できるが、加水分解されない誘導体を得るための代表的な方法は、Si−Hに対して脂肪族不飽和結合を有する化合物を反応させる、いわゆるヒドロシリル化反応と、Si−ハロゲンに対してグリニヤー試薬を反応させる方法である。本発明においては、原料の入手しやすさの点で、ヒドロシリル化反応の方が好ましい。即ち、本発明においては、式(3)で示されるSi−H官能の化合物に、末端に不飽和結合を有する化合物をヒドロシリル化反応によって結合させる方法が好ましい。
Figure 0004665376
(この式中のR、R、aおよびnは、式(1)におけるこれらの記号と同じ意味を有する。)
【0011】
従って、式(2)におけるRは、−R−C−であることが好ましく、このときRは炭素数1〜8のアルキレンである。即ち、式(2)中のRとしては、−C−、−C4−、−C10−、−C12−などが好ましい。もちろん、Rの選択範囲がこれらに限定されるわけではない。
【0012】
式(1)中のRおよびRは、それぞれ独立して炭素数1〜6のアルキルまたはフェニルである。炭素数1〜6のアルキルとして、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルおよびブチル等を挙げることができる。RおよびRとしてはメチルが最も好ましい。式(1)中のnは3〜6の整数であり、であることが好ましい。
【0013】
次に、本発明の有機ケイ素化合物の製造方法について詳しく説明する。本発明の有機ケイ素化合物の原料は、かご型のPSQ骨格を有する化合物である。この化合物の例として、式(6)で示されるSi−H官能のかご型PSQ、およびこのかご型PSQの骨格を構成する各Si原子に、ジオルガノシロキシ基が結合した誘導体が挙げられる。
Figure 0004665376
(式中のnの意味は、前述の通りである。)
【0014】
式(6)のかご型PSQは公知の化合物であり、例えばInorganic Chemistry, 30, 2707-(1991)に記載の方法により、HSi12およびH10Si1015のそれぞれで表されるかご型PSQの混合物として得ることができる。そしてこれらの混合物から、ヘキサンを用いた抽出操作により、HSi12およびH10Si1015のそれぞれを容易に単離することができる。どちらも本発明の有機ケイ素化合物の原料として用いることができるが、HSi12で表されるPSQが、容易に且つ高純度で単離されるので最も好ましい。即ち、式(1)、式(3)、式(5)および式(6)中のnの値として、4が最も好ましい。
【0015】
かご型のPSQ骨格を構成する各Si原子にジオルガノシロキシ基が結合した誘導体も、公知の方法により合成することができる。例えば、メタノール中においてテトラエトキシシランと水酸化テトラメチルアンモニウムとを反応させると、かご型のオクタシルセスキオキサン骨格が形成され、この骨格中の8個のSiのそれぞれに(CHN−O−が結合した化合物が得られる。そしてこの化合物に、窒素雰囲気下でSi−Cl基を有するジオルガノシラン誘導体を反応させることにより、目的の誘導体を得ることができる。従って、このジオルガノシラン誘導体としてSi−H官能のジオルガノクロロシランを用いれば、式(7)で示される化合物が得られる。
Figure 0004665376
(式中のn、R1およびR2の意味は、前記と同じである。)
【0016】
式(6)および式(7)のかご型PSQは、nが4のとき下記のように示される。この式におけるRは、水素またはH−RSiO−である。
Figure 0004665376
【0017】
本発明における有機ケイ素化合物の合成法としては、式(6)または式(7)で示されるSi−H官能性の化合物に、式(4)で示される化合物、即ち片末端に二重結合を有しオキシアルキレン基を含む化合物を、ヒドロシリル化反応によって結合させる方法が好ましい。このヒドロシリル化反応に用いられる有機溶媒としては、トルエンおよびテトラヒドロフラン(THF)などが挙げられる。また、ヒドロシリル化触媒としては、白金化合物、ルテニウム化合物およびロジウム化合物などが挙げられる。
【0018】
本発明の非水電解液は、本発明の有機ケイ素化合物にリチウム塩を配合したものである。リチウム塩の配合方法は特に限定されないが、例えば、有機ケイ素化合物とリチウム塩を有機溶媒中で均一に混合し、その後、減圧、加熱下で有機溶媒を完全に除去する方法が挙げられる。用いられる有機溶媒としては、リチウム塩を溶解可能であれば特に限定されない。例えば、THF、ジメチルホルムアミド、およびアセトンなどが挙げられる。
【0019】
リチウム塩としては、高分子固体電解質に通常用いられるものであればどのようなリチウム塩であってもよい。リチウム塩の例は、LiF、LiCl、LiBr、LiI、LiClO、LiBF、LiPF、LiAsF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、およびLiC(CFSOである。これらから少なくとも1つ以上のリチウム塩を選んで用いればよい。そして、本発明の非水電解液は、リチウムイオン二次電池の材料として好適に用いることができる。
【0020】
非水電解液を構成する有機ケイ素化合物とリチウム塩との比率は、使用する有機ケイ素化合物やリチウム塩の種類などにより異なるが、有機ケイ素化合物に含まれるイオン伝導性の有機基の当量数に対するリチウムイオンの当量数の比によって調整すればよい。イオン伝導性の有機基の好ましい例は、前述のようにオキシアルキレンである。オキシアルキレンの好ましい例はオキシエチレンおよびオキシプロピレンであり、最も好ましい例はオキシエチレンである。オキシアルキレンの当量数は、有機ケイ素化合物のモル数にオキシアルキレンの個数を乗じた値を意味する。即ち、オキシアルキレンの当量数に対するリチウムイオンの当量数の比は、(リチウムイオンの当量数)/((有機ケイ素化合物のモル数)×2n×m)で計算される。この式におけるnは式(1)におけるnと同じ意味を有し、mはAにおけるオキシアルキレンの繰り返し数である。例えば、有機ケイ素化合物がオクタシルセスキオキサン骨格を有し、Aが式(2)で示される基であり、mが3である場合には、1モルの有機ケイ素化合物に含まれるオキシエチレンの当量数は24と計算される。この比の好ましい範囲は、0.001〜0.50の範囲であり、より好ましい範囲は0.01〜0.20である。
Figure 0004665376
【0021】
本発明の非水電解液は、リチウム電池等の高エネルギー密度電池をはじめとして、種々の電気化学的デバイス材料として使用することができる。
【0022】
【実施例】
本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例によって限定されない。
合成例1
<有機ケイ素化合物の合成1>
100mlの四つ口フラスコに、モレキュラーシーブ3Aで1晩以上脱水したトルエン(15ml)、トリエチレングリコールアリルメチルエーテル(4.6g)、およびペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン(1.0g)を入れ、窒素シール下、80℃で1時間加熱攪拌した。次いで、白金ジビニルテトラメチルジシロキサンをSi−Hに対し1000ppm投入し、そのまま3時間加熱攪拌を続けた。IRでSi−Hのピークが消失していることを確認した後、400Paの減圧下、120℃で低沸分を除去して、褐色透明液体の有機ケイ素化合物をほぼ定量的に得た。下記に示すNMRの結果から、この化合物がかご型構造からなるオクタキス(3,6,9−トリオキサデシルオキシプロピル)オクタシルセスキオキサン(以下、TEG−Q8で表記する。)であることが確認された。
1H NMR (CDCl3溶媒):δ= 0.4〜0.6 (-Si-[CH2]-CH2-CH2-O-),1.5〜1.7 (-Si-CH2-[CH2]-CH2-O-), 3.2〜3.4 (-Si-CH2-CH2-[CH2]-O-、-O-[CH3]), 3.4〜3.7 (-O-[CH2]-[CH2]-O-) ppm.
【0023】
合成例2
<有機ケイ素化合物の合成2>
100mlの四つ口フラスコに、モレキュラーシーブ3Aで1晩以上脱水したトルエン(15ml)、トリエチレングリコールアリルメチルエーテル(1.9g)、および1,3,5,7,9,11,13,15−オクタキス(ジメチルシロキシ)ペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン(1.0g)を入れ、窒素シール下、80℃で1時間加熱攪拌した。次いで、白金ジビニルテトラメチルジシロキサンをSi−Hに対し150ppm投入し、そのまま3時間加熱攪拌を続けた。IRでSi−Hのピークが消失していることを確認した後、400Paの減圧下、120℃で低沸分を除去して、褐色透明液体の有機ケイ素化合物をほぼ定量的に得た。下記に示すNMRの結果から、この化合物がかご型構造からなるオクタキス(3,6,9−トリオキサデシルオキシプロピルジメチルシロキシ)オクタシルセスキオキサン(以下、TGSi−Q8で表記する。)であることが確認された。
1H NMR (CDCl3溶媒):δ= 0.0〜0.2(-Si-[CH]),0.5〜0.7 (-Si-[CH2]-CH2-CH2-O-),1.5〜1.7 (-Si-CH2-[CH2]-CH2-O-), 3.3〜3.5 (-Si-CH2-CH2-[CH2]-O-、-O-[CH3]), 3.5〜3.8 (-O-[CH2]-[CH2]-O-) ppm.
【0024】
合成例3
<有機ケイ素化合物の合成3>
100mlの四つ口フラスコに、モレキュラーシーブ3Aで1晩以上脱水したトルエン(15ml)、ポリエチレングリコールアリルメチルエーテル(3.3g)、および1,3,5,7,9,11,13,15−オクタキス(ジメチルシロキシ)ペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン(1.0g)を入れ、窒素シール下、80℃で1時間加熱攪拌した。次いで、白金ジビニルテトラメチルジシロキサンをSi−Hに対し150ppm投入し、そのまま3時間加熱攪拌を続けた。IRでSi−Hのピークが消失していることを確認した後、400Paの減圧下、120℃で低沸分を除去して濃縮物を得た。濃縮物をヘキサン−酢酸エチル溶媒系に溶かした後、冷却して分離した下層を濃縮した。この操作を2回繰り返すことにより、過剰量のポリエチレングリコールアリルメチルエーテルは取り除かれ、ポリエチレングリコールが結合した有機ケイ素化合物(以下、PG1Si−Q8で表記する。)を得た。
なお、ここで用いたポリエチレングリコールアリルメチルエーテルは、日本油脂(株)製のユニオックスPKA−5006であり、平均6.3個のオキシエチレン(−OC−)を含む化合物である。
【0025】
合成例4
<有機ケイ素化合物の合成4>
ポリエチレングリコールアリルメチルエーテルを平均8.6個のオキシエチレンを有するものに替えた以外は合成例3と同様にして、ポリエチレングリコールが結合した有機ケイ素化合物(以下、PG2Si−Q8で表記する。)を得た。
【0026】
実施例1
<電解液の作成、イオン伝導度の測定>
合成例1で得られたTEG−Q8(1.0g)とLiClO(6.2×10 2g)をTHF中で均一に混合した。このときの(リチウムイオン/オキシエチレン)当量比は、0.05に相当する。この混合液を400Paの減圧下、100℃で3時間加熱し、THFを完全に除去して電解液を作成した。この電解液を測定用セルに注入し、恒温槽内に1時間放置した。その後、周波数応答分析計(ソーラトロン社製SI−1287)を用い、複素インピーダンス測定法(交流振幅電圧1V、交流の周波数帯域1Hz〜2MHz、温度33℃)によってインピーダンスを測定した。その値から算出したイオン伝導度は、3.0×10−5S/cmであった。
【0027】
実施例2
<電解液の作成、イオン伝導度の測定>
合成例2で得られたTGSi−Q8(1.0g)とLiClO(4.8×10 2g)をTHF中で均一に混合した。このときの(リチウムイオン/オキシエチレン)当量比は、0.05に相当する。この混合液を400Paの減圧下、100℃で3時間加熱し、THFを完全に除去して電解液を作成した。この電解液を測定用セルに注入し、恒温槽内に1時間放置した。その後、実施例1と同様にしてインピーダンスを測定した。その値から算出したイオン伝導度は、3.5×10−5S/cmであった。
【0028】
実施例3〜5
TGSi−Q8に添加するリチウム塩の濃度および種類を表1に記載のように変える以外は、実施例2と同様にして非水電解液を作成し、その33℃におけるイオン伝導度を求めた。結果を表1に示す。
【0029】
実施例6〜11
有機ケイ素化合物の種類、リチウム塩の濃度および種類を表1に記載のように変える以外は、実施例2と同様にして非水電解液を作成し、その33℃におけるイオン伝導度を求めた。結果を表1に示す。
【0030】
<表1>
Figure 0004665376
表1における用語の意味は下記の通りである。
平均EO数:有機ケイ素化合物1モルに含まれるオキシエチレンの平均の個数
当量比:オキシエチレンの当量数に対するリチウムイオンの当量数の比
【0031】
表1の結果から、本発明の有機ケイ素化合物は、いずれも電池に使用できる導電性をもつことがわかる。また、オキシエチレン個数の異なる有機ケイ素化合物について比較すると、オキシエチレンの当量数が大きいほど高いイオン伝導度を示すことがわかる。
【0032】
【発明の効果】
本発明の有機ケイ素化合物は、化学的および熱化学的安定性が高く、また蒸気圧が低い。この有機ケイ素化合物を用いた非水電解液は、良好なイオン伝導度を示す。即ち、本発明によって、気化や分解が抑制された非水電解液が可能となった。そして本発明の非水電解液は、リチウム電池等の高エネルギー密度電池をはじめとして、種々の電気化学的デバイス材料として使用することができる。

Claims (11)

  1. 式(1)で示される、かご型の有機ケイ素化合物。
    Figure 0004665376
    (式中、A式(2)で示される基であり、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキルまたはフェニルであり、nは3〜6の整数であり、aは0または1であり、R は炭素数1〜6の直鎖のアルキルであり、R は炭素数3〜10の直鎖のアルキレンであり、mは1〜20の整数である。)
    Figure 0004665376
  2. 式(2)において、Rがメチルであり、mが3〜10であり、そしてR4がトリメチレンである、請求項に記載の有機ケイ素化合物。
  3. 請求項1に記載の式(1)において、aが1であり、RおよびRが共にメチルであり、そしてnが4である、請求項1〜のいずれか1項に記載の有機ケイ素化合物。
  4. 遷移金属系触媒の存在下で、式(3)で示される化合物に式(4)で示される化合物を反応させることを特徴とする、式(5)で示される有機ケイ素化合物の製造方法。
    Figure 0004665376
    Figure 0004665376
    (これらの式において、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキルまたはフェニルであり、nは3〜6の整数であり、aは0または1であり、Z1はオキシアルキレンを繰り返し単位として有する基である。)
  5. 式(1)で示される有機ケイ素化合物とリチウム塩とからなる非水電解液。
    Figure 0004665376
    (式中、Aはオキシアルキレンを繰り返し単位として有する基であり、RおよびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキルまたはフェニルであり、nは3〜6の整数であり、aは0または1である。)
  6. オキシアルキレンがオキシエチレンまたはオキシプロピレンである、請求項に記載の非水電解液。
  7. 式(1)におけるA1が式(2)で示される基である、請求項に記載の非水電解液。
    Figure 0004665376
    (式中、Rは炭素数1〜6の直鎖のアルキルであり、Rは炭素数3〜10の直鎖のアルキレンであり、mは1〜20の整数である。)
  8. 式(2)において、Rがメチルであり、mが3〜10であり、そしてR4がトリメチレンである、請求項に記載の非水電解液。
  9. 請求項に記載の式(1)において、aが1であり、RおよびRが共にメチルであり、そしてnが4である、請求項のいずれか1項に記載の非水電解液。
  10. 式(1)で示される有機ケイ素化合物に対するリチウム塩の割合がオキシアルキレンの当量数に対するリチウムイオンの当量数の比で0.001〜0.50である、請求項のいずれか1項に記載の非水電解液。
  11. 請求項10のいずれか1項に記載の非水電解液が含まれているリチウムイオン二次電池。
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