JP4664470B2 - 空芯コイルの巻線方法および巻線装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空芯コイルの巻線方法および巻線装置に関し、特に、基板等に接合されるリード部が筒状に整列したコイルの延長上に整列している空芯コイルの巻線方法および巻線装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コイルを基板上に半田付けする場合、従来においては、図8に示すようにリード部5aをコイル5外周より外側へ伸長させ、伸長したリード部5aの絶縁被膜を剥して基板6上の電極6aに半田付けするようにしている。
【0003】
そして、このコイル5を製造するのに、図9および図10に示す巻治具が用いられている。図9および図10において、スピンドルモータ7により駆動される巻芯8の後部に設けたシリンダ9aの作動により巻芯8との間で線材A端部を押え固定するクランプ9を有する。そして、供給された線材Aの端部をクランプし、次いでスピンドルモータ7により巻芯8を回転させることで順次線材Aを巻芯8に巻取り、所定回数だけ巻取った後、コイル端をカッタ等で切断してコイル5が形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のコイル5は、リード部5aがコイル5外周から伸長されているため、このリード部5aに対応して基板6上の電極6aを各々外側の離れた部位に配置する必要があり、基板6の回路スペースを消費する不具合があった。
【0005】
また、その製造においても、線材A端部近傍を巻芯8とクランプ9で掴み、引張りながら巻芯8に巻取るものであるため、掴み力が弱いと線材Aが滑って抜け、この掴み力が強いと線材Aが変形して巻付け初期に断線する。特に線材Aが細い場合には上記不具合が生じやすい。
【0006】
さらに、クランプ9はスピンドルモータ7で回転される部位にあり、回転する部位にシリンダ9a等のアクチュエータを設けることは、その作動回路系統を含めて構造が複雑となり、高価な装置となる。
【0007】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、基板上の回路スペースを消費することがなく、製造時に抜けや断線がなく、しかも構造簡単な空芯コイルの巻線方法および巻線装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、巻芯に線材を巻回して整列させる空芯コイルの巻線方法において、巻回しようとする空芯コイルの巻初めから巻終りまでの長さ毎にカッタにより切断される線材の切断部分の前後夫々において予め設定した長さに亘って線材の絶縁被膜を剥離する剥離手段を備え、巻治具端面に設けた巻芯と挟持台の挟持面との間の挟持部に、剥離手段により先端から設定長さに亘って絶縁被膜が剥離された線材を先端から設定長さだけ導入し、次いで、後続する線材をクランプにより拘束保持した状態において、前記線材を挟持した前記挟持部を巻芯と共に回転させて線材の先端側まで順次挟持部を滑らしつつ巻芯に沿わせて巻芯周りに巻付かせる巻付け工程と、引き続いて前記クランプを開放すると共に巻芯を回転させて、拘束保持状態から解放された後続する線材を巻取り、巻取り終了時に剥離手段により終端から設定長さに亘って絶縁被膜を剥離した線材を巻取る巻取り工程と、を有することを特徴とする。
【0012】
第2の発明は、第1の発明において、前記巻付け工程は巻芯に線材を当接させた後、線材の先端側を線材押えで前記挟持部に押込んでから行われることを特徴とする。
【0014】
第3の発明は、巻芯に線材を巻回して整列させる空芯コイルの巻線装置において、軸回りに回転可能であると共に軸方向に移動可能な巻治具と、この巻治具に設けた巻芯及びこの巻芯に対峙する挟持台とからなり、巻芯と挟持台との間に線材を挟み込み、回転して線材の先端側まで順次滑らしつつ巻芯に沿わせて線材を巻芯周りに巻付かせる巻付け作動と、巻芯を回転させて後続する線材を巻取る巻取り作動と、を行う挟持部と、この挟持部に巻芯と直交する方向から線材を送り込む線材供給部と、線材供給部から前記挟持部へ送り込まれる線材の中途部を、前記挟持部の巻付け作動時に固定し、前記挟持部の巻取り作動時に解放するクランプ部と、前記クランプ部と挟持部との間で、巻回しようとする空芯コイルの巻初めから巻終りまでの長さ毎に線材を切断するカッタ部と、カッタ部により切断される線材の切断部分の前後夫々において予め設定した長さに亘って線材の絶縁被膜を剥離する剥離部と、から構成されことを特徴とする。
【0015】
第4の発明は、第3の発明において、前記巻芯は巻治具の軸心に配置され、かつ巻治具に対して軸心方向に移動し端面から埋没するように構成されていることを特徴とする。
【0016】
第5の発明は、第3または第4の発明において、前記挟持台は巻芯に対して線材の略線径だけ離間して対峙し、かつ線材の供給方向と平行な挟持面をもつことを特徴とする。
【0017】
第6の発明は、第3ないし第5のいずれか一つにおいて、前記巻芯の軸方向に移動し、挟持部に挟み込まれた線材を巻治具端面に向けて押圧する線材押え部を備えることを特徴とする。
【0019】
【発明の効果】
したがって、第1の発明では、巻回しようとする空芯コイルの巻初めから巻終りまでの長さ毎にカッタにより切断される線材の切断部分の前後夫々において予め設定した長さに亘って線材の絶縁被膜を剥離する剥離手段を備え、巻治具端面に設けた巻芯と挟持台の挟持面との間の挟持部に、剥離手段により先端から設定長さに亘って絶縁被膜が剥離された線材を先端から設定長さだけ導入し、次いで、後続する線材をクランプにより拘束保持した状態において、前記線材を挟持した前記挟持部を巻芯と共に回転させて線材の先端側まで順次挟持部を滑らしつつ巻芯に沿わせて巻芯周りに巻付かせる巻付け工程を備えるため、線材が巻芯側にずれることで線材先端部の巻付けが不完全となることが防止でき、線材先端部の巻付けが確実に達成され、巻付けられた線材と巻芯とは摩擦力により一体化する。特に、前記クランプは巻芯に接近させて配置されているため、この点でも、クランプと巻芯との間の線材が巻付け工程の動作中に挟持部に引込まれて線材先端部の巻付けが不完全となることを防止できる。
引き続いて、前記クランプを開放すると共に巻芯を回転させて、拘束保持状態から解放された後続する線材を巻取り、巻取り終了時に剥離手段により終端から設定長さに亘って絶縁被膜を剥離した線材を巻取る巻取り工程を有するため、線材に無理な引張力とか変形を生じさせることなく空芯コイルを成形でき、また、線材が巻芯から滑って抜けることもない。
また、供給される線材の絶縁被膜が巻付け工程時および巻取り工程の終了時に略一巻分だけ剥離されているため、線材をコイルに成形後に剥離するという手間も不要で、コイル成形完了でコイル完成品が生みだされる。
【0023】
第2の発明では、線材の先端側が挟持部に確実に保持されるため、線材先端部が挟持部からはみ出して線材先端部の巻付けが達成できないという不具合もなく、巻付け工程での線材の巻芯への巻付けが確実に行える。
【0025】
第3の発明では、カッタ部で切断された先端部をもつ線材が線材供給部より挟持部に送り込まれ、挟持部は送り込まれた線材を巻芯と挟持台とで挟み込み、クランプ部で線材を固定した状態で巻治具を回転させ線材を挟持部で滑らしながら順次先端部まで巻芯に巻付けることができる。その際、クランプ部により、線材供給部から前記挟持部へ送り込まれる線材の中途部を、挟持部の巻付け作動時に固定し、前記挟持部の巻取り作動時に解放するようにしているため、クランプ部と巻芯との間の線材が巻付け工程の動作中に挟持部に引込まれて、線材が巻芯側にずれることで、線材先端部の巻付けが不完全となることが防止でき、線材先端部の巻付けが確実に達成され、巻付けられた線材と巻芯とは摩擦力により一体化する。引き続いて、クランプ部を開放して更に巻治具を回転させて巻芯周りに線材を巻取り、所定巻数に到達した時点でカッタ部により切断して空芯コイルが成形できる。
しかも、剥離部によって、線材スプールから繰出されて通過してゆく線材の絶縁被膜を所定距離毎に所定長さだけ、例えば、カッタ部で切断される部分の前後夫々略一巻分に相当する長さに亘って剥離するようにすれば、線材をコイルに成形後に剥離するという手間も不要で、コイル成形完了でコイル完成品が生みだされる。
【0026】
そして、線材の先端部は巻芯に巻付けられるため、巻付けられた線材と巻芯とは摩擦力により一体化し、引続き巻芯を回転させて線材を巻取っても、線材に無理な引張力とか変形を生じることがなく、また、線材が巻芯から滑って抜ける等の不具合も生じない。
【0027】
しかも、挟持部は巻治具の先端に突出形成した挟持台側面の挟持面と巻芯とで形成しているため、線材を捕捉するためのアクチュエータなどを必要とせず、構造が簡単である。
【0028】
第4の発明では、巻芯は巻治具の端面から埋没するようにされているため、線材を巻芯に巻終わってカッタ部で切断された後、巻芯を巻治具端面から埋没させることで巻終わったコイルを容易にまた自動的に取り外すことができる。
【0029】
第5の発明では、略線径だけ離間している巻芯と挟持台とに線材は保持され、しかも、線材供給方向に平行な挟持面に線材は案内される。従って、線材を挟持面に沿って所定の長さだけ押し込めばよい。
【0030】
第6の発明では、線材先端部の巻付けにあたって線材押えによって巻芯と挟持面で形成した挟持部内に線材先端部を押込めて保持させるため、線材が挟持部からはみ出して線材先端部の巻付けが達成できないと不具合もなく、巻付けが確実に行える。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0033】
図1および図2は、本発明を適用するコイルの斜視図および同コイルを基板上に半田付けした説明図を示す。図1において、1は複数回に巻線して筒状に整列させたコイルを示し、そのコイル両端の略一巻分はリード部1aとして筒状に整列したコイルの延長上に同様に整列させて配置されている。このリード部1aは線材全周に亘り絶縁被膜が剥離されており、このリード部1aの剥離部分が基板の電極に半田付けされる部分である。そして、図2に示すごとく、コイル1両端のリード部1aを形成する略一巻分の内、コイル1外周側の一部分を基板2の電極2aに接触させて半田付けする。
【0034】
なお、上記例では、剥離部分は略一巻分の線材全周に亘って設けているが、基板2の電極2aに接触する部分はコイル1外周側であるから、略一巻分の少なくともコイル1外周側部分だけ絶縁皮膜が剥離されていればよい。
【0035】
この空芯コイル1にあっては、基板2の電極2aは取付けようとするコイル1の幅(直径)内に配置することができ、基板2上のコイル1取付けのためのスペースが小さくてよく、基板2の回路構成の自由度も向上できる。
【0036】
また、コイル1両端の略一巻分はリード部1aとして少なくともそのコイル1外周部分の絶縁被膜が剥離されているため、リード部1a先端付近が電極2aに接触するように回転位置を調整して位置決めする必要がなく、コイル1の回転位置を気にすることなく電極2a上に置くのみでリード部1aと電極2aとを接触させることができる。
【0037】
図3は本発明の実施態様であるコイルの巻線装置の全体図を示し、図4および図5は要部の拡大作動図、図6aおよび図7は要部詳細図、図6bないし6eは作動説明図である。
【0038】
図3において、コイルの巻線装置は基台10上にコイルを巻線する巻線部20と、巻線部20に線材Aを供給する線材供給部40と、線材Aを所定間隔で切断するカッタ部50と、所定間隔で線材Aの絶縁被膜を剥離する剥離部60とから構成されている。
【0039】
巻線部20は、トラバースモータ21および送り機構22により線材A供給方向と直交する方向に移動可能な支持台23上に配置固定され、線材Aを巻線する巻芯30とこの巻芯30を先端から突出させて保持する巻治具31とこれら巻芯30および巻治具31をスピンドル軸35により駆動するスピンドルモータ36からなる。
【0040】
巻芯30は(図4および図5を参照)巻治具31内を貫通して図示していない内蔵のばねにより巻治具31先端から突出するよう付勢され後端に貫通されたピン37を、フオーク38およびワーク排出シリンダ39でスピンドルモータ36側に後退させることで巻治具31先端内に引込まれる。
【0041】
巻治具31の先端面には(図6aおよび図7参照)巻芯30外周から線材Aの直径分だけ距離をおいて線材A直径分の幅の水平な挟持面32をもつ挟持台33が突出させて設けられ、巻芯30と挟持面32とで挟持部34を形成し、線材Aは巻線初期において挟持部34で挟持される。なお、挟持台33の線材A導入側は他との干渉防止のため切取られている。
【0042】
図3において、前記支持台23には、前記巻芯30に先端側から嵌合する穴24を有する線材押え25が支持台23上の押えシリンダ26により巻治具31に接近離脱可能に設けられ、押えシリンダ26が作動していない図示状態では巻芯30の前方に線材押え25を位置させ、押えシリンダ26作動時には線材押え25はその穴24内に巻芯30を受入れ更に接近して巻治具31先端面の挟持台33端面に接触し、図7で示すように線材Aを巻芯30と挟持面32との間に確実に位置させるよう押える。
【0043】
図3において、線材供給部40は基台10上に取付けたベース11に設けられたシリンダ49により線材Aの供給方向に巻線部20に接近する前進位置と巻線部から遠ざかる後退位置との間で進退可能に設けられ、支持板41に取付けられた線材案内部42とクランプ部45とからなっている。
【0044】
線材案内部42は線材Aを内部に案内するノズル43およびそれを支持する筒状部材44を有する。
【0045】
クランプ部45は支持板41背面に取付け配置され、線材案内部42を通過する線材Aをシリンダ46の作用で部材47,48間に挟み移動しないようクランプする。このクランプ部45は後述するカッタ部50で線材Aが切断される時にクランプの作動を開始し、巻線部20で線材Aが巻芯30に巻付け終る時点でクランプを開放するよう作動する。切断後の線材Aはノズル43から所定長さ(略一巻分以上)だけ伸び出しており、ベース11のシリンダ49により前進位置に移動させると、線材A先端は巻線部20の巻芯30下方に水平に送り出される。
【0046】
カッタ部50は、巻線部20でのコイル巻終りの時点において、線材AをスプールA1側線材Aから切離すもので基台10に取付けたベース13上に配置された上側のシリンダ51と下側のシリンダ(図中下側のシリンダは線材押え25の影に隠れている)とそれにより上下動する二枚のカッタ53,54で構成され、非作動時にはカッタ53,54間は開いており、前記線材Aおよび線材供給部40のノズル43が通過するのを許容し、作動時にカッタ53,54の両者が交差して線材Aを切断する。
【0047】
剥離部60は回転部材61内を線材スプールA1から繰出されて通過してゆく線材Aの外表面の絶縁被膜を所定距離毎に所定長さだけ剥離するもので、剥離する範囲はカッタ部50で切断される部分の前後夫々略一巻分に相当する長さに亘るよう作動する。剥離方法としては、例えば回転部材61先端に複数のカッタ62を配置し、このカッタ62をモータ63によりベルト64およびプーリ65、66を介して回転部材61により回転させ、回転による遠心力を利用してカッタ62の刃を線材Aの外表面に当接させて、線材Aの外表面の絶縁被膜を線材全周に亘って剥離する。
【0048】
なお、剥離する部位はコイル状となったとき最低限コイル外周に位置する部分が剥離されていればよく、このように剥離する方法としては、図示の例とは異なるが、例えば線材Aがコイルとして成形されたときコイルの外周となる面(内周面に対する)に接して絶縁皮膜を剥離する剥離ローラ等を設ける方法も考えられる。この剥離部60は基台10に設けた駆動装置14により線材Aを案内する方向に移動可能であり、剥離位置を調整することや、クランプ部45のクランプにより停止している線材Aを軸線方向に移動させながら所定範囲に亙って剥離するように作動させる。
【0049】
次に作動を説明する。
【0050】
本装置では、巻線部20の巻治具31から巻芯30を突出させ、巻治具31の挟持部34の挟持面32を線材Aが送り込まれる方向と平行に位置させ、線材スプールA1からの線材Aを剥離部60で所定間隔をもって所定長さ剥離して後退位置にある線材供給部40のノズル43から所定長さだけ飛び出させた状態でクランプ部45によりクランプして初期状態にセットされる(以下主に図3,6,7を参照のこと)。
【0051】
まず、線材Aをクランプ部45で保持した状態で、線材供給部40をシリンダ49により前進位置に移動させて、線材Aのノズル43より先の部分を略一巻分に相当する長さ(この部分の被膜は剥離されている)だけ巻芯30と挟持面32で形成される挟持部34に挿入する(図6aおよび図7参照)。
【0052】
次いで、押えシリンダ26を作動させ、線材押え25を巻治具31に接近させて穴24に巻芯30を嵌合させ、線材押え25を巻治具31の挟持台33に接触させる。これにより、線材A先端がカッタ部50等で若干曲っていても挟持面32内に納められる。この後、押えシリンダ26により線材押え25を巻治具31巻芯30から離脱させ非作動位置に復帰させる。
【0053】
次に、線材供給部40のクランプ作動を維持した状態で、スピンドルモータ36によりスピンドル35を回転させ、巻治具31および巻芯30を回転させる(図6b参照)。これにより巻治具31の挟持台33は巻芯30を中心として回転し、挟持部34にある線材Aを挟持部34内で滑らせつつ挟持面32により順次巻芯30に沿わせ巻芯30に巻付ける(図6c、6d参照)。
【0054】
線材Aの巻付けがスピンドル35の一回転(線材の長さ略一巻分のため)で終了するときスピンドル35を止め、線材供給部40のクランプ45を開放し、再度スピンドル35を回転させる。これにより、既に巻付けられている線材Aと巻芯30間の摩擦力により巻芯30回りに新たに線材Aが巻き取られていく(図6e参照)。このクランプ45を開放した時点で線材供給部40はノズル部43で線材Aを案内しつつ、ベース11上のシリンダ49により線材スプールA1側の後退位置に移動させる。
【0055】
スピンドル35が再度回転を開始した時点から、トラバースモータ21が作動を開始し、スピンドル35の一回転につき線材Aの線径分の割合で支持台23を軸芯方向に移動させ巻治具31と共に巻芯30を後退させる。これにより線材Aを巻芯30回りに整列させて巻線する。
【0056】
巻数が所定回数に達すると、スピンドルモータ36およびトラバースモータ21は停止される。そして、後退位置にある線材供給部40のクランプ45が作動され、線材Aは巻芯30に接触している巻き終わり部から更にリード部の長さ分だけを残してカッタ部50で切断される。切断された線材Aの線材供給部40側はクランプ45で保持され、コイル側のリード部端は下側のカッタ54で更に押上げられ巻芯30に沿うように曲げられる。このリード部は基板に当接して巻始めのリード部とコイル軸方向から見て重なり合っている。
【0057】
その後、ワーク排出シリンダ39を作動させ、ヨーク38およびピン37を介して巻治具31に対し巻芯30を後退させ、成形したコイル1を排出する(図5参照)。そして、トラバースモータ21により支持台23を初期位置に復帰させて本装置は初期状態に復帰する。以上の作動を繰り返すことで、順次コイルが生産される。
【0058】
本実施形態にあっては、線材Aの先端部は巻芯30回りに最初の一巻きが巻取られる前に、クランプ45で保持された状態で、巻芯30と挟持面32とで形成された挟持部34で挟持され、挟持部34が巻芯30と共に回転し、線材Aは挟持部34間を滑りつつ巻芯30に沿わせられて巻芯30周りに巻付かせられるため、巻付けられた線材Aと巻芯30との摩擦力が発生して両者は一体化する。従って、その後クランプ45を解除し、引続き巻芯30を回転させて線材Aを巻取っても、線材Aに無理な引張力とか変形を生じることがなく、また、線材Aが巻芯30から滑って抜ける等の不具合も生じない。
【0059】
しかも、挟持部34は巻治具31の先端に突出形成した挟持台33側面の挟持面32と巻芯30とで形成しているため、線材Aを捕捉するためのアクチュエータなどを必要とせず、構造が簡単である。
【0060】
また、上記線材Aの先端部の巻付け時に線材供給部40のクランプ45により線材Aを保持するため、線材供給部40側から線材Aが巻芯30側にずれることで線材A先端部の巻付けが不完全となることが防止でき、線材A先端部の巻付けが確実に達成される。
【0061】
また、線材A先端部の巻付けにあたって線材押え25によって巻芯30と挟持面32で形成した挟持部34内に線材A先端部を押込めて保持させるため、線材Aが挟持部34からはみ出して線材A先端部の巻付けが達成できないという不具合もなく、巻付けが確実に行える。
【0062】
更に、剥離部60によって、線材スプールA1から繰出されて通過してゆく線材Aの絶縁被膜を所定距離毎に所定長さだけ、即ちカッタ部50で切断される部分の前後夫々略一巻分に相当する長さに亘って剥離するようにしているため、線材Aをコイル1に成形後に剥離するという手間も不要で、コイル成形完了でコイル完成品が生みだされる。
【0063】
なお、上記実施形態において、線材Aの最初の一巻き分を巻付け終了した時に一旦スピンドル35を止める作動について説明したが、線材Aの巻付け終了時にスピンドルを止めることなく、線材供給部40のクランプ45を開放し、トラバースモータ21の作動を開始するようにしても何ら差支えないものである。
【0064】
また、巻終りのコイル側のリード部端は下側のカッタ54で更に押上げられ巻芯30に沿うように曲げられるよう説明しているが、他の方法により同様に巻終りのリード部を巻芯に沿うよう曲げることは可能である。例えば、線材押えに巻治具の挟持台と同様の突起を挟持台と干渉しない位置に設け、巻終り後のカッタ部で切断した後、再び線材押えを押えシリンダを作動させて巻治具に接近させてコイル巻終り端に接触させ、その状態でスピンドルを回転させ、線材押えの上記突起でこのリード部を巻芯に当接するようにしてもよい。また、この線材押えを用いずに別の押えまたはローラ等を巻芯に半径方向外側からあてがい、その状態で上記のごとくスピンドルを回すようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用する空芯コイルの斜視図。
【図2】 同じく空芯コイルの取付け状態を示す説明図。
【図3】 本発明の実施態様であるコイルの巻線装置の全体図。
【図4】 図3に示す態様の要部拡大図。
【図5】 図4の作動状態を示す拡大図。
【図6】 図3に示した巻治具、巻芯の拡大正面図を6aに、また6aに続く作動状態を6b〜6eに分割して示す説明図。
【図7】 図3に示した巻治具、巻芯の拡大側面図。
【図8】 従来におけるコイルの取付け状態を示す概略図。
【図9】 従来装置の斜視図。
【図10】 従来装置の側面図。
【符号の説明】
A 線材
A1 線材スプール
1 コイル
1a リード部
2 基板
2a 電極
10 基台
20 巻線部
21 トラバースモータ
23 支持台
25 線材押え
26 押えシリンダ
30 巻芯
31 巻治具
32 挟持面
33 挟持台
34 挟持部
35 スピンドル
36 スピンドルモータ
40 線材供給部
42 線材案内部
45 クランプ部
49 シリンダ
50 カッタ部
60 剥離部
Claims (6)
- 巻芯に線材を巻回して整列させる空芯コイルの巻線方法において、
巻回しようとする空芯コイルの巻初めから巻終りまでの長さ毎にカッタにより切断される線材の切断部分の前後夫々において予め設定した長さに亘って線材の絶縁被膜を剥離する剥離手段を備え、
巻治具端面に設けた巻芯と挟持台の挟持面との間の挟持部に、剥離手段により先端から設定長さに亘って絶縁被膜が剥離された線材を先端から設定長さだけ導入し、
次いで、後続する線材をクランプにより拘束保持した状態において、前記線材を挟持した前記挟持部を巻芯と共に回転させて線材の先端側まで順次挟持部を滑らしつつ巻芯に沿わせて巻芯周りに巻付かせる巻付け工程と、
引き続いて前記クランプを開放すると共に巻芯を回転させて、拘束保持状態から解放された後続する線材を巻取り、巻取り終了時に剥離手段により終端から設定長さに亘って絶縁被膜を剥離した線材を巻取る巻取り工程と、を有することを特徴とする空芯コイルの巻線方法。 - 前記巻付け工程は巻芯に線材を当接させた後、線材の先端側を線材押えで前記挟持部に押込んでから行われることを特徴とする請求項2に記載の空芯コイルの巻線方法。
- 巻芯に線材を巻回して整列させる空芯コイルの巻線装置において、
軸回りに回転可能であると共に軸方向に移動可能な巻治具と、この巻治具に設けた巻芯及びこの巻芯に対峙する挟持台とからなり、巻芯と挟持台との間に線材を挟み込み、回転して線材の先端側まで順次滑らしつつ巻芯に沿わせて線材を巻芯周りに巻付かせる巻付け作動と、巻芯を回転させて後続する線材を巻取る巻取り作動と、を行う挟持部と、
この挟持部に巻芯と直交する方向から線材を送り込む線材供給部と、
線材供給部から前記挟持部へ送り込まれる線材の中途部を、前記挟持部の巻付け作動時に固定し、前記挟持部の巻取り作動時に解放するクランプ部と、
前記クランプ部と挟持部との間で、巻回しようとする空芯コイルの巻初めから巻終りまでの長さ毎に線材を切断するカッタ部と、
カッタ部により切断される線材の切断部分の前後夫々において予め設定した長さに亘って線材の絶縁被膜を剥離する剥離部と、から構成されことを特徴とする空芯コイルの巻線装置。 - 前記巻芯は巻治具の軸心に配置され、かつ巻治具に対して軸心方向に移動し端面から埋没するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の空芯コイルの巻線装置。
- 前記挟持台は巻芯に対して線材の略線径だけ離間して対峙し、かつ線材の供給方向と平行な挟持面をもつことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の空芯コイルの巻線装置。
- 前記巻芯の軸方向に移動し、挟持部に挟み込まれた線材を巻治具端面に向けて押圧する線材押え部を備えることを特徴とする請求項3ないし請求項5のいずれか一つに記載の空芯コイルの巻線装置。
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