JP4662908B2 - 外科用カセット及び外科システム - Google Patents

Description

本発明は、大別して、外科用カセット分野に関し、詳細には、外科用カセットの識別システムに関する。

手術部位への潅注及び手術部位からの吸引の管理を手助けするために外科器具と共にカセットを使用することは周知である。例えば、特許文献１〜１１を参照されたい。これら特許文献１〜１１の全内容は本願と一体のものとして参照される。

米国特許第４，４９３，６９５号明細書 米国特許第４，６２７，８３３号明細書 米国特許第４，３９５，２５８号明細書 米国特許第４，７１３，０５１号明細書 米国特許第４，７９８，８５０号明細書 米国特許第４，７５８，２３８号明細書 米国特許第４，７９０，８１６号明細書 米国特許第５，２６７，９５６号明細書 米国特許第５，３６４，３４２号明細書 米国特許第６，０３６，４５８号明細書 米国特許第６，０５９，５４４号明細書

外科器具の流体的性能は、カセットの流体的性能によって大きく影響を受ける。このため、現在の外科器具類及びカセットは統合システムとして動作するように設計され、カセットの流体的性能は外科システム全体の流体的性能を最適化するように設計されている。外科器具類の最近の進歩により、外科医は外科器具類の動作パラメータを非常に精密な程度まで手動又は自動で制御できる。外科医が最新の器具類によって提供される高度制御を利用することを可能にするために、特化したカセットもすでに開発されている。しかしながら、外科器具類の動作パラメータは、使用されるカセットに応じて、調整されなくてはならない。特許文献１１に開示されているシステムは、器具が使用されるカセットのタイプを認識することを可能にするために使用され得る一連の折れやすいタブを備えたカセットを有している。このようなシステムは非常に優れた働きをし、商業的に成功を収めているが、この特許文献１１に開示されているカセット認識システムは外科コンソールに導入されたカセットのタイプを識別するだけで、特定のカセットの性能特性についての情報を提供しない。他の眼科用外科器具は、外科コンソールが器具を認識することを可能とさせる埋め込み型メモリチップや他のＩＤ法を含んでおり、自動的に外科コンソールを適した動作パラメータに調整する。しかしながら、これらシステムは何れも特定のカセットや器具を認識して特定のカセットや器具の固有の性能特性に合わせて外科コンソールを調整することができない。

したがって、各特定のカセットの性能パラメータを識別するカセット識別システムに対する必要性が存在している。

本発明は、カセットが該カセットに固有の識別方法を有するようになっている外科システム及びカセットを提供することによって、従来技術に改良を施す。適した方法には、バーコードや無線ＩＣタグ（以下、「ＲＦＩＤ」と記載する）が含まれる。コード化され得るカセット情報には、ロット番号のような特徴、圧力センサ較正データ、流量データ、圧力データのような性能特性、製造時のカセットの検査の際に得られたカセットの他の任意の性能特性が含まれる。

したがって、本発明の一つの目的は、カセットを使用する外科器具によって容易に識別され得る外科用カセットを提供することにある。
本発明の他の目的は、カセット固有の情報を認識する外科システムを提供することにある。
本発明の別の目的は、カセットに固有の情報をコード化して有したカセットを提供することにある。
本発明の上記の及び他の利点及び目的は、以下の詳細な説明及び添付特許請求の範囲から明らかとなる。

図１に示されているように、外科コンソール１００は、通常、カセット受容部１１０を含み、該カセット受容部１１０は読取装置１２０を含むことができる。外科コンソール１００は、米国テキサス州フォートワースのアルコンラボラトリーズ社から市販されているＩＮＦＩＮＴＩ（登録商標）外科システムのような任意の適した外科コンソールとすることができる。図２に示されているように、本発明と共に使用され得る外科用カセット１０は、通常、外科用カセット１０を外科コンソール１００のカセット受容部１１０内に入れたときに光学式読取装置１２０に対応する位置に配置されたバーコード２０を含んでいる。当業者は、読取装置１２０がバーコードリーダ、ＣＣＤカメラ、ＣＭＯＳセンサ又は他の適した光学読取装置であってもよいことが分かるであろう。バーコード２０は、ハウジング１２の任意の適した場所に、読取装置１２０で光学的に機能するように設計された任意の適した色で印刷することができる。例として、バーコード２０は、圧力センサ４０上に印刷することができる。このように、圧力センサ４０が光学的機能を有する圧力センサであれば、読取装置１２０は外科用カセット１０の識別のため並びに圧力センサ４０の一部として使用することができる。外科用カセット１０は、テキサス州フォートワースのアルコンラボラトリーズ社から市販されているＩＮＦＩＮＴＩ（登録商標）流体管理システムのような任意の適した潅注／吸引カセットであってもよい。あるいはまた、図３に示されているように、外科用カセット１０’は、ハウジング１２’の内部又はその上に、音波通信装置、有線通信装置又は無線通信装置のような非光学的手段を含んでいてもよい。外科コンソール１００の検出器又は受信器１３０によって読み取られるマイクロコンピュータチップ又はＲＦＩＤチップ３０が一つの特定の例であり、適切なマイクロコンピュータチップ又はＲＦＩＤチップ及び検出器／受信器は当該技術分野において周知である。

外科用カセット１０、１０’の製造の際に、個々の外科用カセットに固有の情報をバーコード２０又はチップ３０に記録することができる。このような情報には、ロット番号、製造日、部品トラッキング情報、外科用カセット１０及び１０’についての同様の情報が含むことができる。さらに、外科用カセット１０及び１０’は製造の際に検査を行って、個々のカセット１０及び１０’の固有の動作性能をバーコード２０又はチップ３０に提供された情報に記録し含めることができる。このような情報には、吸引用圧力センサ４０及び４０’や潅注用圧力センサ５０及び５０’の較正データ、蠕動ポンプチューブ６０及び６０’の性能特性を含むことができる。蠕動ポンプチューブ６０及び６０’のこのような特性は、真空立上り時間、最大真空及び流れ抵抗を含むことができ、個々の外科用カセット１０又は１０’に固有のものである。このような情報はバーコード２０やチップ３０を通して外科コンソール１００に伝達され、外科コンソール１００内に収容されるソフトウエアが外科コンソール１００の動作パラメータの適切な調整を自動的に行って外科コンソール１００及び外科用カセット１０及び１０’の最適な性能を保証する手助けをすることができるようになっている。

以上の記載は、例示及び説明のためのものである。本発明の範囲及び精神から逸脱することなく上述の発明に変更及び改変を加えることができることは当業者に明らかである。

本発明のシステムと共に使用することができる外科コンソールの斜視図である。 本発明と共に使用するのに適したカセットの第１の実施形態の斜視図である。 本発明と共に使用するのに適したカセットの第２の実施形態の斜視図である。

符号の説明

１０ 外科用カセット
１２ ハウジング
２０ バーコード
３０ 無線ＩＣタグ
４０ 圧力センサ
５０ 圧力センナ
６０ 蠕動ポンプチューブ
１００ 外科コンソール
１１０ カセット受容部
１２０ 読取装置
１３０ 検出器又は受信器

Claims (8)

1. 外科用コンソールのカセット受容部に受容されるように形状と寸法が決められた、外科用カセットであって、
   ａ）ハウジングと、
   ｂ）前記ハウジングの外側に取付けられた、光学式吸引圧力センサと、
   ｃ）カセットを識別して、前記外科用コンソールによって読み取ることが出来る前記カセットに関する情報を蓄積する、識別手段とを備えて、
   前記外科用コンソールは検出器を備えて、前記外科用コンソールの前記カセット受容部に前記カセットが受容されたとき、前記識別手段に蓄積された前記情報は、検知、あるいは、受信されて、
   前記カセットに、あるいは、前記カセットの内部に取付けられた前記識別手段に蓄積された前記情報は、前記カセット各々に固有であって、製造時に前記カセットをテストした際に得られた流体的性能特性を識別し、
   前記流体的性能特性は、前記光学式吸引圧力センサの較正データ、潅注圧力センサの較正データ、蠕動ポンプチューブの流体的性能特性、前記蠕動ポンプチューブの真空立ち上り時間、最高真空値、及び前記蠕動ポンプチューブの流体抵抗から選択される、
   ことを特徴とする外科用カセット。
2. 前記識別手段は、ロット番号、製造日、部品のトラッキング情報を含む、コード化された個々のカセット識別データを、さらに、識別する、請求項１に記載の外科用カセット。
3. ａ）カセット受容部を有した外科コンソールと、
   ｂ）前記外科コンソールの前記カセット受容部に受容される寸法及び形状に形成されたカセットであって、
   前記カセットは、
   ハウジングと、
   前記ハウジングの外側に取付けられた光学式吸引圧力センサと、
   前記カセットを識別して、前記コンソールによって読取り可能な前記カセットに関する情報を蓄積する識別手段とを備えるカセットと、を備えた
   外科用システムであって、
   ｃ）前記外科コンソールは、検出器を備え、前記外科コンソールの前記カセット受容部に前記カセットが受容されたとき、前記識別手段に蓄積された前記情報は、検知、又は、受信されて、
   前記カセットに、又は、前記カセットの内部に取付けられた前記識別手段に蓄積された前記情報は、前記カセットの作動に固有であって、製造時に前記カセットをテストした際に得られた流体的性能特性を識別し、
   前記コンソール内に含まれているソフトウェアは、前記情報の検知に応じて前記コンソールの作動パラメータを自動的に適切な調整するようにされて、個々のカセットとの組合せにおいて前記外科コンソールのパフォーマンスの最適化を支援し、
   前記流体的性能特性は、前記光学式吸引圧力センサの較正データ、潅注圧力センサの較正データ、蠕動ポンプチューブの流体的性能特性、前記蠕動ポンプチューブの真空立ち上り時間、最高真空値、及び前記蠕動ポンプチューブの流体抵抗から選択される、
   外科システム。
4. 前記識別手段は、前記カセットに取付けられた光学的手段であって、前記検出器は、前記外科コンソールの前記カセット受容部に取付けられた、請求項３に記載のシステム。
5. 前記識別手段は、バーコードを備える、請求項４に記載の外科システム。
6. 前記識別手段は、前記圧力センサに設けられた光学的手段を備える、請求項４に記載のシステム。
7. 前記識別手段は、前記カセットに、又は、前記カセットの内部に取付けられた非光学的手段であって、前記検出器は、前記外科コンソール内に取付けられた、請求項３に記載のシステム。
8. 前記識別手段は、マイクロコンピュータチップ、あるいは、ＲＦＩＤチップを備える、請求項７に記載の外科システム。

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