JP4662064B2 - インバータ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽光発電装置や燃料電池発電装置などの直流電力を交流電力に変換し、交流電力系統に連系させて負荷に電力を供給するインバータ装置に関し、更に詳細には、単独運転状態を検出する機能を有するインバータ装置に関する。
太陽光発電装置等の直流電力を交流電力に変換するインバータ装置は、連系点を介して商用電力系統に接続される。従って、正常時には商用電力系統とインバータ装置との両方から負荷に電力が供給される。
ところで、負荷等の保守点検を行う場合には、負荷を商用電力系統から切り離すと同時にインバータ装置を負荷から切り離すことが必要になる。もし、負荷を商用電力系統及びインバータ装置から確実に切り離すことができれば何らの問題も発生しないが、万一、商用電力系統から負荷が切り離れてはいるが、インバータ装置から負荷が切り離されない状態(以下、単独運転と言う。)が発生すると、負荷の保守点検者に危険が及ぶ可能性がある。従って、インバータ装置の単独運転を正確に検出することが必要になる。
系統連系インバータ装置の単独運転の検出は、系統周波数の微小変化を検出することによって達成できる。しかし、まれに、単独運転になっても系統周波数がほとんど変化しないことがある。この種の問題を解決するために、インバータ装置の出力電流位相を所定時間ごとにシフトし、単独運転時と連系運電時とにおける電圧位相変化の相違によって単独運転を検出し、単独運転の発生を阻止することが、特許文献1に開示されている。即ち、特許文献1の方式では、交流電流の1周期又は複数周期の全体において交流電流の位相を所定時間ごとにシフトし、インバータ装置の出力電圧位相を監視し、単独運転時を検出している。
しかし、特許文献1の方式では、無効電力が系統周波数の周期で変動し、交流電力系統に外乱を与え、接続されている負荷に不具合を引き起す可能性がある。また、交流電流の1周期又は複数周期にわたってその位相をシフトする方式であるので、単独運転の検出に1周期以上の時間がかかるという問題もある。また、負荷に対して複数の分散化電源(インバータ電源)が接続されている場合には、複数の分散化電源における位相シフトを同期させないと、単独運転の検出ができないという問題もある。
特開平7−31052号公報
従って、本発明が解決しようとする課題は、単独運転の検出を迅速且つ正確に行うことが困難なことであり、本発明の目的は単独運転の検出を迅速且つ正確に行うことができるインバータ装置を提供することである。
上記課題を解決し、上記目的を達成するための本発明は、 交流電力系統と連系して負荷に電力を供給するためのインバータ装置であって、
直流電源に接続される直流入力端子と、
前記負荷及び前記交流電力系統に接続される交流出力端子と、
前記直流入力端子に接続され且つ複数の直流―交流変換用スイッチを有している直流―交流変換回路と、
前記交流出力端子を通って流れる電流を検出するための電流検出手段と、
前記交流出力端子における系統電圧を検出する電圧検出手段と、
前記電流検出手段と前記電圧検出手段と前記複数の直流―交流変換用スイッチの制御端子とに接続され且つ前記交流出力端子を流れる電流の位相を前記系統電圧の位相に一致させるように前記複数の直流―交流変換用スイッチをオン・オフ制御するスイッチ制御手段と、
前記系統電圧の位相(θ)を検出する位相検出手段と、
前記系統電圧の角速度変化量(△ω)を検出する角速度変化量検出手段と、
前記角速度変化量検出手段から得られた角速度変化量(△ω)の方向が第1の方向の時に第1の方向の位相バイアス値(+α)を出力し、前記角速度変化量(△ω)の方向が第2の方向の時に第2の方向の位相バイアス値(−α)を出力する位相バイアス値発生手段と、
前記位相検出手段から得られた系統電圧位相検出値(θ)と前記位相バイアス値発生手段から得られた位相バイアス値(Δθ1)とを加算して電流位相指令信号(θi)を前記スイッチ制御手段に供給する加算手段と、
角速度変化量基準値(△ωr)を発生する角速度変化量基準値発生手段と、
前記角速度変化量(△ω)と前記角速度変化量基準値(△ωr)とを比較し、前記角速度変化量(△ω)が前記角速度変化量基準値(△ωr)よりも大きい時に前記負荷に対して前記交流電力系統からの電力供給を伴わないで前記インバータ装置から電力が供給されていることを示す信号を出力する単独運転検出手段とを備えていることを特徴とするインバータ装置に係わるものである。
なお、請求項2に示すように、更に、時間と共に位相バイアス値が増大する傾斜位相バイアス値(Δθ2)を発生する傾斜位相バイアス値発生手段と、前記角速度変化量(△ω)の方向を判定する角速度変化量方向判定手段と、前記角速度変化量方向判定手段の出力に基づいて、前記角速度変化量(△ω)が所定回数又は所定時間以上同一方向を保っているか否かを判定するカウンタ手段と、前記角速度変化量(△ω)が所定回数又は所定時間以上同一方向を保っていることを示す出力が前記カウンタ手段から得られた時に、前記第1の方向の位相バイアス値(+α)と前記第2の方向の位相バイアス値(−α)とからなる前記位相バイアス値(Δθ1)に代わって前記傾斜位相バイアス値(Δθ2)を前記加算手段に供給するモード切換手段とを有していることが望ましい。
また、請求項3に示すように、前記傾斜位相バイアス値発生手段は、前記角速度変化量(△ω)を所定のゲイン(K)を有して増幅する手段から成ることが望ましい。
また、請求項4に示すように、更に、前記単独運転検出手段から得られた前記交流電力系統からの電力供給を伴わないで前記インバータ装置から電力が供給されていることを示す信号に応答して前記インバータ装置から前記負荷への電力供給を遮断する手段を有していることが望ましい。
また、請求項5に示すように、前記スイッチ制御手段は、出力電流指令値作成手段(12、13又は12a)と、前記出力電流指令値作成手段(12、13又は12a)から得られた出力電流指令値と前記電流検出手段から得られた電流検出値とに基づいて帰還制御信号を形成する帰還制御信号形成手段(14)と、前記帰還制御信号形成手段(14)から得られた前記帰還制御信号に基づいて前記直流―交流変換用スイッチをオン・オフ制御するためのスイッチ制御パルスを形成するスイッチ制御パルス形成手段(15)とを有し、前記加算手段から得られた電流位相指令信号(θi)は前記帰還制御信号形成手段(14)又は前記出力電流指令値作成手段(12、13又は12a)に供給されることが望ましい。
本発明は次の効果を有する。
(1)連系運転時には、角速度変化量(△ω)の振動に基づいて位相バイアス値発生手段から第1の方向の位相バイアス値(+α)と第2の方向の位相バイアス値(−α)とが交互に発生する。この第1の方向の位相バイアス値(+α)と第2の方向の位相バイアス値(−α)はランダムに発生する。この連系運転時における第1の方向の位相バイアス値(+α)と第2の方向の位相バイアス値(−α)との繰り返し時間長も不特定でであるが、最大の繰り返し時間長は系統電圧の周期よりも短い。これに対し、単独運転時には、交流電力系統からインバータ装置及び負荷が切り離されて解列状態になるため、負荷インピーダンスに依存して系統電圧(インバータ出力電圧)の位相変化が生じ、角速度変化量(△ω)の変化方向が連続的に同一方向(例えば第1の方向)になり、位相バイアス値発生手段から第1の方向の位相バイアス値(+α)と第2の方向の位相バイアス値(−α)とが交互に発生しなくなる。この結果、位相バイアス値発生手段から同一方向(例えば第1の方向)の位相バイアス値が連続的に発生し、角速度変化量(△ω)が第1の方向又は第2の方向に加速して増大し、角速度変化量基準値(△ωr)を横切り、単独運転が検出される。従って、単独運転の検出を迅速且つ正確に達成することができる。なお、インバータ出力電力と負荷電力とが平衡している場合の単独運転時であっても、同一方向の位相バイアスを伴ってインバータ出力電流の位相制御が行われるため、系統電圧(インバータ出力電圧)の位相もインバータ出力電流の位相と同方向に変化し、角速度変化量(△ω)が同一方向に保たれ、且つ加速して増大するので、単独運転を迅速且つ正確に検出することができる。
(2)位相バイアスに基づいて単独運転を検出するので、系統周波数付近に外乱を与えることがない。
(3)共通の負荷に対して複数台のインバータ装置(分散化電源)が接続されている場合において、複数台のインバータ装置間で位相バイアスを同期させて単独運転を検出すること不要である。従って、単独運転の検出を容易に行うことができる。
また、請求項2に従って、前記傾斜位相バイアス値(Δθ2)を与えると、角速度変化量(△ω)が更に加速して増大し、単独運転を更に迅速且つ正確に検出することができる。
次に、図1〜図12を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の実施例1に従う第1及び第2のインバータ装置100、100´を含む電力系統を示す。第1のインバータ装置100の第1及び第2の直流入力端子1a、1bは、太陽電池、燃料電池、蓄電池等から成る第1の直流電源1に接続されている。第1のインバータ装置100の第1、第2及び第3相交流出力端子2u、2v、2wは抵抗(R),インダクタンス(L),キャパシタンス(C)を有する負荷101に接続され、且つ回路遮断器102を介して3相交流電力系統3に接続されている。従って、第1の直流電源1と第1のインバータ装置100とから成る第1の分散化電源と3相交流電力系統3とが連系して負荷101に電力を供給する。なお、図1の実施例1では、第1の直流電源1及び第1のインバータ装置100とから成る第1の分散化電源の他に、第1の直流電源1及び第1のインバータ装置100と同様に構成された第2の直流電源1´及び第2のインバータ装置100´とから成る第2の分散化電源が設けられており、第2のインバータ装置100´も負荷101に接続されている。即ち、第1及び第2のインバータ装置100、100´は並列接続されている。第2の分散化電源の構成及び機能は第1の分散化電源と実質的に同じであるので、その説明を省略する。また、以下の説明では第1の直流電源1及び第1のインバータ装置100を単に直流電源1、インバータ装置100と呼ぶことにする。
インバータ装置100は、3相V結線構成の直流―交流変換回路即ちインバータ回路103を有する。このインバータ回路103は図2に示すように、直流電源1の電圧Vdcを分割するために、第1及び第2の直流入力端子1a、1b間に接続された実質的に同一容量の第1及び第2の電圧分割用コンデンサCa 、Cb の直列回路を有する。第1及び第2の電圧分割用コンデンサCa 、Cb の相互接続点に相当する中間端子1cの電位は、第1及び第2の直流端子1a、1bの電位の中間の値を有する。なお、直流電源1を省き、且つ第1及び第2の電圧分割用コンデンサCa 、Cb の代りに実質的に同一電圧の第1及び第2の直流電源を設けることもできる。
DC−AC変換用スイッチング回路を構成するために第1及び第2のスイッチS1 、S2 の直列回路、及び第3及び第4のスイッチS3 、S4 の直列回路が第1及び第2の直流端子1a、1b間に接続されている。第1及び第2のスイッチS1 、S2 の直列回路を第1相(U相)スイッチング回路又は第1相ハーフブリッジスイッチング回路と呼び、また第3及び第4のスイッチS3 、S4 の直列回路を第3相(W相)スイッチング回路又は第3相ハーフブリッジスイッチング回路と呼ぶこともできる。
なお、第1〜第4のスイッチS1 〜S4 はIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)で示されているが、これ等をNPN型又はPNP型トランジスタ、電界効果トランジスタ等の別のオン・オフ制御可能な半導体スイッチ等とすることができる。
第1〜第4のスイッチS1 〜S4 に逆方向並列に第1〜第4のダイオードD1 〜D4 が接続されている。この第1〜第4のダイオードD1 〜D4 は個別ダイオードであってもよいし、第1〜第4のスイッチS1 〜S4 の半導体基体中に形成される周知の寄生即ち内蔵ダイオードであってもよい。第1〜第4のダイオードD1 〜D4 は第1、第2及び第3相交流端子2u、2v、2w側から直流電源1側に電力を回生する時に導通する方向性を有する。
第1、第2及び第3相交流端子2u、2v、2wは、互いに120度の位相差を有する第1、第2及び第3の線電流Isu、Isv、Iswを出力するものであり、図1の3相交流電力系統3及び3相負荷101に接続される。
第1相リアクトルLu は第1及び第2のスイッチS1 、S2 の相互接続点P1 と第1相交流出力端子2uとの間に直列に接続されている。第3相リアクトルLw は第3及び第4のスイッチS3 、S4 の相互接続点P2 と第3相交流出力端子2wとの間に直列に接続されている。第1相及び第3相リアクトルLu 、Lw は第1〜第4のスイッチS1 〜S4 のオン・オフによる高周波成分を除去するフィルタとして機能する。
第1のフィルタコンデンサCu は第1及び第2相交流出力端子2u、2v間に接続されている。第2のフィルタコンデンサCw は第1のフィルタコンデンサCu と実質的に同一の容量Cを有して第2及び第3相交流出力端子2v、2w間に接続されている。第1及び第2のフィルタコンデンサCu 、Cw は第1〜第4のスイッチS1〜S4 のオン・オフによる高周波成分を除去するものである。
インバータ回路103と第1、第2及び第3相交流出力端子2u、2v、2wとの間に単独運転阻止用の回路遮断器104が接続されている。
第2相交流出力端子2vは回路遮断器104を介して第1及び第2の電圧分割用コンデンサCa 、Cb の相互接続点即ち中間端子1cに接続されている。従って、第1及び第2のスイッチS1 、S2 と第1相リアクトルLu とによって第1相ハーフブリッジ型変換回路が構成され、また、第3及び第4のスイッチS3 、S4 と第3相リアクトルLw とによって第3相ハーフブリッジ型変換回路が構成されている。
第1〜第4のスイッチS1 〜S4 を力率制御可能にオン・オフ制御するためにCT(電流トランス)で例示されている第1相及び第3相電流検出器CTu 、CTw と制御回路4とが設けられている。図1及び図2では第1相及び第3相電流検出器CTu 、CTwが制御回路4の外に設けられているが、第1相及び第3相電流検出器CTu 、CTwを制御回路4に含めて示すこともできる。なお、図2において、制御回路4は電圧検出手段5と制御部6とで示されている。
第1相電流検出器CTu は、第1及び第2のスイッチS1 、S2 の相互接続点P1 と第1のフィルタコンデンサCu の一端との間の第1相電流通路7uに電磁結合され、第1相電流通路7uを流れる第1相出力電流Iou(瞬時値)を検出し、これをライン8uで制御部6に送る。第2相電流検出器CTw は、第3及び第4のスイッチS3 、S4 の相互接続点P2 と第2のフィルタコンデンサCw の一端との間の第3相電流通路7wに電磁結合され、第3相電流通路7wを流れる第3相出力電流Iow(瞬時値)を検出し、これをライン8wで制御部6に送る。なお、ここでは説明を簡単にするために第1相及び第3相電流通路7u、7wの電流と第1相及び第3相電流検出器CTu 、CTw の電流を同一のIou、Iowで示すことにする。
この実施例では、第1、第2及び第3相交流出力端子2u、2v、2wにおける力率を所望値(好ましくは1)に制御するにも拘らず、第1、第2及び第3相交流出力端子2u、2v、2wを流れる第1、第2及び第3相連系電流Isu、Isv、Iswを検出するための電流検出器が設けられていない。この電流検出器の代りに、図1の実施例では、電圧検出手段5が設けられている。電圧検出手段5は、第1のフィルタコンデンサCu の電圧即ち第1及び第2相交流端子2u、2v間の線間電圧Vuv(瞬時値)を検出する第1の電圧検出回路5aと、第2のフィルタコンデンサCw の電圧即ち第2及び第3相交流端子2v、2w間の線間電圧Vvw(瞬時値)を検出する第2の電圧検出回路5bと、第1及び第2の電圧検出回路5a、5bの出力を位相反転して加算して第3及び第1相交流端子2w、2u間の線間電圧Vwu(瞬時値)を検出する第3の電圧検出回路5cとから成る。なお、第3の電圧検出回路5cを第1及び第2の電圧検出回路5a、5bに接続する代りに、第1及び第3の交流出力端子2u、2wに接続して直接的に線間電圧Vwuを求めることもできる。本実施例では、説明を容易にするために第1、第2及び第3相交流出力端子2u、2v、2wにおける線間電圧と第1、第2及び第3の電圧検出回路5a、5b、5cの出力電圧とを同一のVuv、Vvw、Vwuで示すことにする。第1、第2及び第3の電圧検出回路5a、5b、5cの出力ライン9uv、9vw、9wuは制御部6に接続されている。
制御部6は、第1及び第2相電流検出器CTu 、CTw から得られた第1及び第3相出力電流Iou、Iowと電圧検出手段5から得られた第1及び第2相間の線間電圧Vuv、第2及び第3相間の線間電圧Vvw、及び第3相及び第1相間の線間電圧Vwuとに基づいて第1、第2及び第3相交流出力端子2u、2v、2wを流れる第1、第2及び第3相連系電流Isu、Isv、Iswを所望力率(好ましくは1)になるように制御するための第1、第2、第3及び第4のスイッチ制御パルスG1 、G2 、G3 、G4 を形成して第1、第2、第3及び第4のスイッチS1 、S2 、S3 、S4 の制御端子(ゲート)に送る。また、制御部6は、ライン54によって単独運転防止用の回路遮断器104の制御端子に接続されている。従って、制御部6が単独運転を検出した時に、ライン54の単独運転検出信号によって回路遮断器104がオフ制御され、単独運転が防止される。
図3は図2の制御部6を詳しく示すブロック図である。この制御部6はこの多くの部分をDSP(ディジタル信号処理装置)又はマイコン等のディジタル回路で形成することができるものであり、大別してインバータ回路103の第1〜第4のスイッチS1〜S4を制御するためのスイッチ制御手段10と、本発明に従う位相バイアス及び単独運転検出手段50とから成る。
スイッチ制御手段10は、コンデンサ電流値作成手段11と、連系電流指令値発生手段12と、出力電流指令値作成手段13と、帰還制御信号形成手段14と、スイッチ制御パルス形成手段15とから成る。
コンデンサ電流値作成手段11は、図2の電圧検出手段5の出力ライン9uv、9vw、9wuに接続され、第1及び第2のフィルタコンデンサCu 、Cw の3相で示される電流Icu、Icv、Icwの値を計算で求め、この計算値を2相軸で示す第1及び第2の信号Icd、Icqに変換して出力する。このコンデンサ電流値作成手段11から出力される第1及び第2の信号Icd、Icqは、周知の3相/dq座標変換されたd軸成分及びq軸成分を示している。従って、以下の説明において第1の信号Icdをd軸成分電流と呼び、第2の信号Icqをq軸成分電流と呼ぶこともある。このコンデンサ電流値作成手段11の詳細は後述する。
連系電流指令値発生手段12は、第1、第2及び第3相交流端子2u、2v、2wを流れる第1、第2及び第3相連系電流Isu、Isv、Isw(瞬時値)の目標値を示す第1、第2及び第3相目標連系電流Isu′、Isv′、Isw′を周知の3相/dq座標変換して得たd軸成分目標連系電流及びq軸成分目標連系電流に相当する第1及び第2の連系電流指令値Isd*、Isq*を発生する。第1及び第2の連系電流指令値Isd*、Isq*は任意に設定することができる。また、連系電流指令値発生手段12を演算回路で構成し、第1及び第2の連系電流指令値Isd*、Isq*の値を演算で求めることもできる。第1及び第2の連系電流指令値Isd*、Isq*は、連系電流の周波数をω、実効値をI、力率をcos θとした時に、次の(1)の行列式で示すことができる。
Figure 0004662064
図3の出力電流指令値作成手段13は、連系電流指令値発生手段12から得られた第1の連系電流指令値Isd*にコンデンサ電流値作成手段11から得られたd軸成分信号Icdを加算して第1の出力電流指令値Iod* を作成し、且つ第2の連系電流指令値Isq*にコンデンサ電流作成手段11から得られたq軸成分信号Icqを加算して第2の出力電流指令値Ioq*を作成する。この出力電流指令値作成手段13の詳細は後述する。
帰還制御信号形成手段14は、出力電流指令値作成手段13から得られた第1及び第2の出力電流指令値Iod*、Ioq*と第1相及び第3相電流検出器CTu 、CTw から得られたライン8u、8wの第1相及び第3相出力電流Iou、Iowとに基づいて2相軸上のd軸帰還制御信号Ifd、q軸帰還制御信号Ifqを形成し、更に、dq/3相座標変換手段によってd軸帰還制御信号Ifd及びq軸帰還制御信号Ifqを3相軸上の帰還制御信号に回転座標変換して3相軸上の3つの帰還制御信号の内の第1及び第2の帰還制御信号Ifuv、Ifwvを出力するものである。この帰還制御信号形成手段14の詳細は後述する。
スイッチ制御パルス形成手段15は、帰還制御信号形成手段14から得られた第1及び第2の帰還制御信号Ifuv、Ifwvに基づいて第1、第2、第3及び第4のスイッチS1 、S2 、S3 、S4 をオン・オフ制御するための周知のスイッチ制御パルスG1 、G2 、G3 、G4 を形成する。このスイッチ制御パルス形成手段15の詳細は後述する。
図4は図3の制御部6を更に詳しく示すブロック図である。この図4から明らかなようにコンデンサ電流値作成手段11は、位相検出手段20を有している。この位相検出手段20は、図1の電圧検出手段5の出力ライン9uv、9vw9wuに接続され、系統電圧Vuv、Vvw、Vwuの系統電圧位相検出値θ=ωtを示す信号を出力する。
位相検出手段20に接続された進み位相角信号形成手段21は、π/2発生器21aと加算手段22bとを有する。加算手段22bは、位相検出手段20から得られた系統電圧位相検出値θ=ωtにπ/2発生器21aから得られた位相角π/2即ち90度を加算してωt+π/2から成る進み位相角信号を形成する。
図1の電圧検出手段5の3相の出力ライン9uv、9vw、9wuと進み位相角信号形成手段21に接続された第1の3相/dq座標変換手段22は、電圧検出手段5から得られた3相の各線間電圧Vuv、Vvw、Vwuを進み位相角信号形成手段21から得られた進み位相角(ωt+π/2)にて回転座標変換してdq座標軸で示すd軸成分電圧Vd とq軸成分電圧Vq とを出力する。即ち、第1の3相/dq座標変換手段22では、回転座標変換を用いて、3相から2相に変換する。この第1の3相/dq座標変換手段22に入力される3相の線間電圧Vuv、Vvw、Vwuは次の(2)式で示すことができ、進み位相角ωt+π/2による座標変換行列Tは次の(3)式で示すことができ、第1の3相/dq座標変換手段22から得られるd軸成分電圧Vd 及びq軸成分電圧Vq は次の(4)式で示すことができ、その結果は次の(5)式で示すことができる。なお、次の(2)〜(5)式において、Vは第1、第2及び第3相交流端子2u、2v、2wにおける各線間電圧の実効値を示し、Vs は瞬時値で示す各線間電圧Vuv、Vvw、Vwuを総括して示し、Vdqは瞬時値で示すd軸成分電圧Vd とq軸成分電圧Vq とを一括して示す。
Figure 0004662064
第1の3相/dq座標変換手段22に接続された2相軸仮想無効電流信号形成手段23は、第1及び第2の乗算器23a、23bから成る。第1の3相/dq座標変換手段22に接続された第1及び第2の乗算器23a、23bは、第1の3相/dq座標変換手段22から得られたd軸成分電圧Vd 及びq軸成分電圧Vq にωCを乗算してd軸成分仮想無効電流Iad及びq軸成分仮想無効電流Iaqを形成する。ここで、ωは基本波の角周波数を示し、Cは第1及び第2のフィルタコンデンサCu 、Cw の容量を示す。ここでは、第1及び第2の乗算器23a、23bでd軸及びq軸成分仮想無効電流Iad、Iaqを求めたが、d軸及びq軸成分電圧Vd 、Vq を第1及び第2のフィルタコンデンサCu 、Cw のインピーダンス1/ωCで除算してd軸及びq軸成分仮想無効電流Iad、Iaqに変換することもできる。ここでのd軸及びq軸成分仮想無効電流Iad、Iaqは図2の第1及び第3相交流端子2u、2w間にも第1及び第2のフィルタコンデンサCu 、Cw と同一容量のフィルタコンデンサが接続され、3相平衡フィルタコンデンサ回路が形成されていると仮定した場合の値を示している。
2相軸仮想無効電流信号形成手段23及び位相検出手段20に接続された逆座標変換手段即ちdq/3相座標変換手段24は、2相軸仮想無効電流信号形成手段23から得られたd軸成分仮想無効電流Iadとq軸成分仮想無効電流Iaq とを系統電圧位相検出値(ωt)にて回転逆座標変換し、第1及び第3相交流端子2u、2w間にもフィルタコンデンサが接続されていると仮定した場合における第1、第2及び第3の3相軸仮想無効電流Iau、Iav、Iawを示す信号を出力する。このdq/3相座標変換手段24の入力を次の(6)式で示し、逆座標変換行列T2 を次の(7)式で示し、3相出力を次の(8)式で示し、その結果を(9)式で示すことができる。ここで、Iadq はd軸及びq軸成分仮想無効電流Iad、Iaqを一括して示し、Iauvwは3相軸仮想無効電流Iau、Iav、Iawを一括して示す。
Figure 0004662064
dq/3相座標変換手段24に接続された無効電流検出部25は、位相反転手段26と終端手段28とで示されている。dq/3相座標変換手段24は、フィルタコンデンサが第1及び第3相交流端子2u、2w間にも接続されていると仮定した3相平衡コンデンサ回路の場合における2相入力を3相に変換し且つ逆回転座標変換している。従って、dq/3相座標変換手段24の出力から第1及び第2のフィルタコンデンサCu 、Cw の実際の電流を示す信号を形成する必要がある。そこで、無効電流検出部25は、dq/3相座標変換手段24の第1の3相軸仮想無効電流Iauを第1のフィルタコンデンサCu に流れる無効電流を示す第1相信号Icuと見なして伝送する手段としての伝送路25uと、第2の3相軸仮想無効電流Iavを位相反転して第2のフィルタコンデンサCw に流れる無効電流を示す第3相信号Icwと見なして出力する第3相信号形成手段26と、第3の3相軸仮想無効電流Iawを終端する終端手段28とを有する。なお、終端手段28は第3の3相軸仮想無効電流Iawを使用しないための信号終端手段である。
第2の3相/dq座標変換手段29に、第1及び第2のフィルタコンデンサCu 、Cw の電流(無効電流)を示す第1相及び第3相信号Icu、Icwの伝送路25u、25wが接続され、且つ第2相信号Icvを形成するための第2相信号形成手段27の出力伝送路25vが接続されている。第2相信号形成手段27は、第1相信号Icuと第3相信号Icwとの合成信号(加算信号)の位相反転信号に相当する第2相信号Icvを形成する。
第1、第2及び第3相信号Icu、Icv、Icwの伝送路25u、25v、25w及び位相検出手段20に接続された第2の3相/dq座標変換手段29は、第1、第2及び第3相信号Icu、Icv、Icwを系統電圧位相検出値ωtにて回転座標変換してdq座標軸で示すd軸成分電流Icdとq軸成分電流Icqとから成る2相信号を出力する。この第2の3相/dq座標変換手段29の入力、座標変換行列T3 、及び出力を次の(10)(11)(12)式で示すことができる。これ等の式において、Icuvwは入力する第1、第2及び第3相信号Icu、Icv、Icwを一括して示し、Icdqは2つの出力を一括して示している。
Figure 0004662064
出力電流指令値作成手段13は、第1及び第2の加算手段30、31から成る。第1の加算手段30は連系電流指令値発生手段12から供給される第1の連系電流指令値Isd*と第2の3相/dq座標変換手段29から供給されるd軸成分電流Icdとを加算して第1(d軸)の出力電流指令値Iod*を作成する。第2の加算手段31は、連系電流指令値発生手段12から供給される第2の連系電流指令値Isq*と第2の3相/dq座標変換手段29から供給されるq軸成分電流Icqを加算して第2(q軸)の出力電流指令値Ioq*を作成する。なお、Isd*、Isq*、Icd、Icq、Iod*、Ioq*は瞬時値を示している。
帰還制御信号形成手段14は、第1及び第2の偏差信号作成手段32、33と第1及び第2の増幅回路34a、34bとdq/3相座標変換手段35と変換手段41とから成る。
変換手段41はライン8u,8wによって図1の第1及び第3相電流検出器CTu、CTwに接続され、且つ本発明に従う位相バイアス及び単独運転検出手段50にも接続され、3相で示される電流を形成し、この3相で示される電流をdq座標軸で示すd軸成分電流Iodとq軸成分電流Ioqとから成る2相の信号に変換し、この信号をライン42,43で第1及び第2の偏差信号作成手段32、33に送る。
更に詳細には、変換手段41は図5に示すように、第2相信号形成手段44と第3の3相/dq座標変換手段45とを有する。第2相信号形成手段44はライン8u,8wに接続され、ライン8uの第1相出力電流Iouとライン8wの第3相出力電流Iowとの合成信号(加算信号)を位相反転した信号に相当する第2相出力電流Iovをライン8vに送出する。従って、図5の第2相信号形成手段44は図4の第2相信号形成手段27と同様な機能を有する。なお、第2相信号形成手段44を設ける代わりに、図2の中間端子1cと第1及び第2のフィルタコンデンサCu、Cwの相互接続点との間の電流通路の第2相出力電流Iovを検出する第2相電流検出器を設け、この第2相電流検出器の出力をライン8vによって図5の第3の3相/dq座標変換手段45に送ることもできる。
図5のライン8u、8v、8wに接続された第3の3相/dq座標変換手段45は、位相バイアス及び単独運転検出手段50のライン53から得られた位相バイアス加算後の電流位相指令θiにて回転座標変換するものであって、図4の第2の3相/dq座標変換手段29と同様な機能を有し、3相で示めされる第1相、第2相及び第3相出力電流Iou、Iov、Iowを周知のdq座標軸で示すd軸成分電流Iodとq軸成分電流Ioqとから成る2相信号に変換してライン42,43に送出する。
図4の第1の偏差信号作成手段32は出力電流指令値作成手段13の第1の加算手段30と変換手段41の出力ライン42とに接続され、第1(d軸)の出力電流指令値Iod*とd軸成分電流Iodとの差を示す信号を出力する。第2の偏差信号作成手段33は出力電流指令値作成手段13の第2の加算手段31と変換手段41の出力ライン43とに接続され、第2(q軸)の出力電流指令値Ioq*とq軸成分電流Ioqとの差を示す信号を出力する。第1及び第2の偏差信号作成手段32、33にそれぞれ接続された第1及び第2の増幅回路34、35はそれぞれの偏差信号を増幅、又は増幅及び調整して2相軸上のd軸帰還制御信号Ifd、q軸帰還制御信号Ifqを形成する。第1及び第2の増幅回路34a、34bに接続された周知のdq/3相座標変換手段35はd軸帰還制御信号Ifd及びq軸帰還制御信号Ifqを3相軸上の帰還制御信号に回転座標変換して3相軸上の3つの帰還制御信号の内の第1及び第2の帰還制御信号Ifuv、Ifwvを出力する。
スイッチ制御パルス形成手段15は鋸波発生器36と、第1及び第2の比較器37、38と、駆動回路39とから成る周知のPWMパルス形成回路である。
鋸波発生器36は第1、第2及び第3相交流端子2u、2v、2wの交流電圧の周波数(例えば50Hz)よりも十分に高い周波数(例えば10〜100kHz)で鋸波電圧Vtを発生する。なお、鋸波発生器36の代りに三角波等の別の比較波(キャリア波又は周期性波形)を発生する手段を設けることもできる。
第1の比較器37は帰還制御信号形成手段14に含まれているdq/3相座標変換手段35の第1の帰還制御信号Ifuvを出力する端子と鋸波発生器36とに接続され、第1の帰還制御信号Ifuvと鋸波電圧Vtとを図9(A)に示すように比較して図9(B)に示す第1のPWMパルスVp1を出力する。第2の比較器38は帰還制御信号形成手段14に含まれているdq/3相座標変換手段35の第2の帰還制御信号Ifwvを出力する端子と鋸波発生器36とに接続され、第2の帰還制御信号Ifwvと鋸波電圧Vtとを図9(A)に示すように比較して図9(C)に示す第2のPWMパルスVp2を出力する。なお、第1の帰還制御信号Ifuvは3相交流の第1相電流を制御するものであるので、これを第1相帰還制御信号と呼ぶこともできる。また、第2の帰還制御信号Ifwvは3相交流の第3相電流を制御するものであるので、これを第3相帰還制御信号と呼ぶこともできる。
第1及び第2の比較器37、38に接続された駆動回路39は、第1のPWMパルスVp1を増幅して第1の制御パルスG1を形成し、これを図2の第1のスイッチS1に送り、また、第1のPWMパルスVp1を反転増幅して第2の制御パルスG2を形成し、これを第2のスイッチS2に送り、また、第2のPWMパルスVp2を増幅して第3の制御パルスG3を形成し、これを第3のスイッチS3に送り、また、第2のPWMパルスVp2を反転増幅して第4の制御パルスG4を形成し、これを第4のスイッチS4に送る。
図6は、図3の位相検出手段20と位相バイアス及び単独運転検出手段50とを詳しく示す。位相検出手段20は大別して、角速度検出手段55と系統電圧位相検出手段56とを有し、角速度検出手段55からライン52に角速度ωcを示す信号を出力し、系統電圧位相検出手段56からライン51に系統電圧位相検出値θ=ωtを示す信号を出力する。
図7に図6の系統電圧の位相検出手段20が更に詳しく示されている。この位相検出手段20に含まれている角速度検出手段55は、3相/dq座標変換手段57と比例積分回路58とから成る。角速度検出手段55の3相/dq座標変換手段57は、図4の第1の3相/dq座標変換手段22と同様に3相の出力ライン9uv、9vw、9wuに接続され、且つ系統電圧位相検出値θ=ωtを示す信号を出力するライン51に接続されている。従って、3相/dq座標変換手段57は、電圧検出手段5から得られた3相の各線間電圧Vuv、Vvw、Vwuに基づいて作成された3相の相電圧Vu、Vv、Vwを系統電圧位相検出値ωtで回転座標変換してdq座標軸で示す2相信号を得、2相信号の1つであるq軸成分電圧Vq を出力する。このq軸成分電圧Vqは、3相交流電力系統3の電圧位相(基準位相)と系統電圧位相検出値との位相差を示す情報を含む。従って、3相/dq座標変換手段57に接続された比例積分手段58から系統電圧の角周波数即ち角速度ωcを示す信号を得ることができる。比例積分手段58から得られた角速度ωc(rad/sec)を示す信号は、系統電圧位相検出手段56に送られると共に、位相バイアス及び単独運転検出手段50にも送られる。
図7の系統電圧位相検出手段56は、基準角速度発生手段59と減算手段60と1/sで示されている積分手段61とから成る。基準角速度発生手段59は3相交流電力系統3の周波数に従う基準角速度ωb(rad/sec)を示す信号を出力する。減算手段60は基準角速度発生手段59から得られた基準角速度ωbと比例積分手段58から得られた角速度ωcとの差を示す信号を出力する。減算手段60に接続された積分手段61は系統電圧位相検出値θ=ωt(rad)を示す信号を出力する。この系統電圧位相検出値θはインバータ出力電流の基準位相指令を意味し、図7の3相/dq座標変換手段57に送られると共に、ライン51によって位相バイアス及び単独運転検出手段50にも送られ、更に図4に示すように、進み位相角信号形成手段21、dq/3相座標変換手段24、3相/dq座標変換手段29、dq/3相座標変換手段35にも送られる。この系統電圧位相検出値θは、インバータ出力電流の位相を3相交流電力系統3の電圧位相(基準位相)に一致させるための値を有する。
位相バイアス及び単独運転検出手段50は図6から明らかなように大別して、角速度変化量検出手段62と、位相バイアス値発生手段63と、傾斜位相バイアス値発生手段64と、モード切換手段65と、単独運転検出手段66と、位相バイアス加算手段67とを有する。以下、図8の波形図を参照して各部を更に詳しく説明する。
角速度変化量検出手段62は、インバータ出力の角速度変化量を検出するものであって、図7に示すように、遅延手段62aと減算手段62bとから成る。遅延手段62aは、1/{1+sT}、ここでTは出力が所定値(0.632)まで立ち上がる所要時間、sは周知の微分記号、で示すことができる周知の1次遅れを与えるものであって、角速度検出手段55に接続され、角速度ωcの遅延信号を出力する。減算手段62bは角速度検出手段55に接続された一方の入力端子と遅延手段62aに接続された他方の入力端子とを有し、角速度検出手段55から得られた角速度ωcと遅延手段62aから得られた遅延信号との差から成る系統電圧の角速度変化量Δωを出力する。
なお、減算手段62bに入力させる角速度ωcを角速度検出手段55から得られた角速度ωcの複数のサンプルの平均とし、また減算手段62bに入力させる遅延信号を遅延手段62aから得られた遅延信号の複数のサンプルの平均とすることができる。従って、本発明の角速度変化量Δωは、1つの角速度変化量又は複数のサンプルの平均の角速度変化量を意味する。
この実施例では角速度検出手段55から得られる角速度変化量△ωの符号に従いインバータ出力電流位相指令値θiが微小な位相バイアスを伴って変化する。図8(A)に点線によって正弦波から成る理想電圧波形Aが示され、実線によって検出電圧波形(実電圧波形)Bが概略的に示されている。理想電圧波形Aは交流端子2uにおける第1相電圧の連系時の理想的な交流系統電圧波形を示す。検出電圧波形Bは交流端子2uにおける第1相電圧の検出電圧波形、即ち実際の系統電圧波形、を示す。インバータ装置100の出力電流は系統電圧と同相になるように制御されているので、インバータ装置100の出力電流波形は図8(A)の検出電圧波形Bに対応する。
図8の時点t0から時点t5までの期間に系統連系運転状態、即ちインバータ装置100と3相交流電力系統3との両方で負荷101に電力が供給されている状態、が示されている。時点t5よりも後に単独運転状態、即ちインバータ装置100のみで負荷101に電力が供給されている状態、が示されている。
時点t5よりも前の系統連系運転時においては、検出電圧波形(実電圧波形)Bが微小位相変化を伴って理想電圧波形Aに添って変化する。また、出力電流も正(第1の方向)の位相バイアス値+αと負(第2の方向)の位相バイアス値−αとに基づく微小位相変化を伴いながら系統電圧即ち検出電圧波形Bに沿って変化する。時点t5よりも後の単独運転時には、インバータ装置100と交流電力系統とが解列するため、負荷インピーダンス特性によって検出電圧波形B(インバータ出力電圧波形)が連系時の理想電圧波形Aから一方向(例えば正方向)に逸脱する。
図8の例えば時点t1では(B)に示す角速度変化量(△ω)が負であるので、t1〜t2期間において位相バイアス値(θ1)として負位相バイアス値−αが付加され、例えば、時点t2では角速度変化量(△ω)が正であるので、t2〜t3期間において位相バイアス値(θ1)として正位相バイアス+αが付加される。
また、図8のt5よりも後の単独運転時には、角速度変化量Δωが一方向(例えば正方向)に傾斜を有して増大する。従って、角速度変化量検出手段62から得られる角速度変化量Δωを監視することによって単独運転か否かを検出することができる。また、角速度変化量Δωに基づいて位相バイアス値を決定することができる。
正負位相バイアス値発生手段63は、モード切換手段65の切換スイッチ65aの接点aを介して角速度変化量検出手段62に接続されている角速度変化量方向判定手段63aと、この角速度変化量方向判定手段63aにそれぞれ接続された正位相バイアス値発生手段63b及び負位相バイアス値発生手段63cとから成る。
角速度変化量方向判定手段63aは角速度変化量Δωが第1の方向即ち正方向の値(なお、この実施例では零も正方向の値と見なす)か否かを判定する。正位相バイアス値発生手段63bは角速度変化量Δωが正方向の値であることを示す角速度変化量方向判定手段63aの出力に応答して図8(C)の例えばt0〜t1期間に示す正位相バイアス値+αを発生する。負位相バイアス値発生手段63cは角速度変化量Δωが正方向の値でないこと、即ち負方向の値であることを示す角速度変化量方向判定手段63aの出力に応答して図8(C)の例えばt1〜t2期間に示す負位相バイアス値-αを発生する。正位相バイアス値+α及び負位相バイアス値-αの発生位置及び持続時間は不規則に変化する。正位相バイアス値+α及び負位相バイアス値-αの持続時間は系統電圧周期よりも十分に短い。
なお、インバータ電流位相に位相バイアスを加えない場合であっても、図8(A)に示す理想電圧波形Aと検出電圧波形Bとが完全に一致しない。従って、正位相バイアス値+α及び負位相バイアス値-αとがインバータ装置の運転開始後に自動的に得られる。
正位相バイアス値発生手段63b及び負位相バイアス値発生手段63cは、正位相バイアス値と負位相バイアス値との合成値から成る正負位相バイアス値Δθ1を伝送する共通の出力ライン63dと更に別のライン68とを介して位相バイアス加算手段67の一方の入力端子に接続されている。位相バイアス加算手段67の他方の入力端子はライン51を介して系統電圧位相検出手段56に接続されている。位相バイアス加算手段67はライン51の系統電圧位相検出値θ=ωt(rad)を示す信号にライン68の位相バイアス値Δθを加算した値からなる電流位相指令値θi=ωitを図8(E)に示すように出力ライン53に出力する。
位相バイアス加算手段67の出力ライン53は、図4に示すように帰還制御信号形成手段14の変換手段41に接続されている。帰還制御信号形成手段14は位相バイアス加算手段67から与えられた電流位相指令値θiに対応したインバータ出力電流を流すための第1及び第2(第1相及び第3相)の帰還制御信号Ifuv,Ifwvを形成する。
傾斜位相バイアス値発生手段64は、モード切換手段65の切換スイッチ65aの接点bを介して角速度変化量検出手段62に接続され、図8(D)に示すように単独運転中の時点t8から発散位相バイアス値と呼ぶこともできる傾斜位相バイアス値Δθ2を出力する。この傾斜位相バイアス値発生手段64は、例えばゲインKの増幅手段又は係数Kを乗算する乗算手段で構成することができる。傾斜位相バイアス値発生手段64の出力ライン64aはライン68を介して位相バイアス加算手段67の一方の入力端子に接続されている。位相バイアス加算手段67は、図8の時点t8から系統電圧位相検出値θ=ωtを示す信号にライン68の傾斜位相バイアス値Δθ2を加算した値からなる電流位相指令値θiを図8(E)に示すように出力する。傾斜位相バイアス値発生手段64から発生する傾斜位相バイアス値Δθ2は、角速度変化量Δωの増大を加速させて単独運転の検出を早めるために使用されている。
モード切換手段65は、前述した切換スイッチ65aの他に、角速度変化量レベル判定手段65bと、カウンタ65cと、切換制御手段65dとを有している。角速変化量検出手段62に接続された角速度変化量方向判定手段65bは、所定のサンプリング周期で角速度変化量△ωの方向が第1の方向即ち正方向(但し、零も正方向と見なす)か否かを判定するものであり、△ω=0の時及び△ω>0の時に正パルスを発生し、△ω<0の時に負パルスを発生する。更に詳しく説明すると、角速度変化量判定手段65bは、例えば、図8においてt4〜t5、t5〜t6、t6〜t7、t7〜t8の期間で図8(B)の角速度変化量△ωの方向を判定し、時点t5、t6、t7、t8において判定結果を出力する。なお、モ−ド切換手段65の角速度変化量方向判定手段65bは、前述した正負位相バイアス値発生手段63の角速度変化量方向判定手段63aと同様な機能を有するので2つの角速度変化量方向判定手段63a、65bのいずれか一方を省いて、残りの1つをモード切換手段65と正負位相バイアス値発生手段63とで兼用することもできる。
角速度変化量方向判定手段65bに接続されたカウンタ65cは、角速度変化量方向判定手段65bから所定複数回数(ここでは4回)連続して正方向(零も含む)又は負方向を示す判定結果が得られたか否かを計数するものである。図8(B)のt5〜t8においては連続して4個の正パルスがカウンタ65cに入力するので、カウンタ65cは、t8時点で4個の正パルスを連続してカウントしたことを示す信号を出力する。
即ち、図8の時点t5よりも前の系統連系運転時には、系統電圧の角速度変化量(△ω)は連続して4回同一方向になることはないが、時点t5以後の単独運転時には、検出電圧波形B(インバータ電圧波形)が理想電圧波形A(連系時の系統電圧波形)から逸脱し、4回(4サンプリング周期)以上連続して角速度変化量△ωが正になり、t8時点でカウンタ65cの出力が第1の値(例えば低レベル)から第2の値(例えば高レベル)に転換する。なお、本実施例におけるカウンタ65cは、角速度変化量△ωが正又は負方向であることを示す信号が連続して4回以上発生した時にこれを示す出力を発生しているが、この4回に限ることなく、単独運転を推定することが可能な任意の回数に変更することができる。また、カウンタ65cをこれと等価な機能を有する論理回路に置き換えることができる。
カウンタ65cに接続された切換制御手段65dは、カウンタ65cから得られる角速度変化量△ωが4回以上正又は負方向であることを示す出力に応答して図8(F)に示すモード切換制御信号Smをモード切換スイッチ65aの制御端子に送り、モード切換スイッチ65aの接点をオンに制御する。
図8においては、モード切換スイッチ65aの接点bが時点t8でオンになり、傾斜位相バイアス値発生手段64が角速度変化量検出手段62に接続され、図8(C)に示すように発散型の傾斜位相バイアス値△θ2が時点t8から発生する。
単独運転検出手段66は基準値発生手段66aと比較手段66bとから成る。基準値発生手段66aは、図8(B)に示すように系統連系運転時の角速度変化量よりも少し高い値の基準値△ωrを発生する。
比較手段66bはモード切換スイッチ65aの接点bを介して角速度変化量検出手段62に接続された一方の入力端子と基準値発生手段66aに接続された他方の入力端子とを有し、図8(B)の時点t9に示すよう角速度変化量△ωと基準値△ωrとを比較し、角速度変化量△ωが基準値△ωrよりも高くなった時に第1のレベル(論理の0)から第2のレベル(論値の1)に転換する単独運転検出信号Ssを図8(G)に示すようにライン54に出力する。ライン54は、図2に示すように回路遮断器104の制御端子に接続されており、回路遮断器104はライン54の第2のレベルの単独運転検出信号Ssに応答してオフ状態に転換する。なお、ライン54に音又は光等による警報器を接続し、単独運転を警報器で知らせることもできる。
図6では比較手段66bの一方の入力端子がモード切換スイッチ65aを介して角速度変化量検出手段62に接続されているが、この入力端子を破線69で示すようにモード切換スイッチ65aを介さないで角速度変化量検出手段62に直接に接続することもできる。
次に、インバータ装置100を使用して負荷101に電力を供給する動作を説明する。系統連系運転時には、図1の回路遮断器102,104がオン状態に保たれる。図4の連系電流指令値発生手段12は、3相交流電力系統3の電圧Vsと第1、第2及び第3相連系電流Isu、Isv、Iswとによる力率が1又は1に近い値(0.85以上であることが望ましい。)になることが可能な値を有する第1及び第2の連系電流指令値Isd*、Isq*を発生する。第1及び第2の連系電流指令値Isd*、Isq*は、コンデンサ電流値作成手段11の第2の3相/dq座標変換手段29から得られるd軸成分及びq軸成分電流Icd、Icqと同一の周知のdq座標軸(直交座標軸)のd軸成分とq軸成分であるので、両者の合成によって第1及び第2の出力電流指令値Iod*、Ioq*を容易に決定することができる。第1相及び第3相リアクトルLu、Lwに流れる第1相及び第3相出力電流Iou、Iowは、所望力率(好ましくは1)の状態に第1、第2及び第3相連系電流Isu、Isv、Iswが流れるように帰還制御される。これにより、インバータの第1及び第3相出力電流Iou、Iowの制御によって力率が1となるように第1、第2及び第3相連系電流Isu、Isv、Iswを流すことができる。なお、3相V結線インバータの主回路の動作は周知であるので、その説明を省略する。
負荷101の保守点検時には、原則として回路遮断器102,104をオフにする。もし、一方の回路遮断器102がオフであっても他方の回路遮断器104がオンに保たれていれば、単独運転になり、既に説明したように負荷101の保守点検者に危険を及ぼす。この実施例ではたとえ回路遮断器104の手動によるオフ操作が忘れられたとしても、位相バイアス及び単独運転検出手段50の働きによって単独運転が直ぐに解除され、インバータ装置100から負荷101への電力供給が停止する。
本実施例は次の効果を有する。
(1)本実施例では系統周波数に依存しないように変化する正負位相バイアス値Δθ1を作成し、この正負位相バイアス値Δθ1によってインバータ出力電流の位相をシフトし、これに基づいてインバー装置100の単独運転を検出している。従って、系統周波数又はこの付近に外乱を与えることなしに、単独運転を検出することができる。このため負荷101に系統周波数又はこの付近に外乱を与えることがなく、負荷101の誤動作を防ぐことができる。なお、本実施例における正負位相バイアス値Δθ1によるインバータ出力電流の微小変化はIEC60950に定められたTHD以内であり、負荷101に対して悪影響を及ぼさない。
(2)角速度変化量Δωは、系統連系運転時に系統電圧周期よりも十分に短い時間で変化し、単独運転時には同一方向の値を連続的に示すので、単独運転の検出を迅速(例えば系統電圧周期の1周期以内)に行うことができる。
(3)発散型の傾斜位相バイアス値Δθ2を電流位相指令に加算して、単独運転を検出するので、単独運転の検出を迅速かつ正確に行うことができる。
(4) 本実施例では、第1相及び第3相連系電流Isu、Iswを検出するための2つの電流検出器を設けない回路で力率を1又はほぼ1に制御することができる。従って、3相V結線インバータの小型化及び低コスト化を図ることができる。なお、この効果は、位相バイアス値Δθ1の加算とは無関係に得られる。従って、この効果のみを得る時には、位相バイアス及び単独運転検出手段50を省いて、変換手段41を位相検出手段20の出力ライン51に直接に接続することができる。また、位相バイアス及び単独運転検出手段50の出力ライン53と位相検出手段20の出力ライン51とを選択的に変換手段41に接続することもできる。
(5) 3相V結線インバータであるので、3相フルブリッジ型インバータに比べてスイッチの数を2個減らすことができ、小型化及び低コスト化が達成される。
(6) コンデンサ電流値作成手段11によってd軸成分電流Icdとq軸成分電流Icqとを形成し、連系電流指令値発生手段12からd軸及びq軸成分としての第1及び第2の連系電流指令値Isd*、Isq*を発生させるので、3相V結線インバータの制御を容易に達成できる。
(7)単独運転検出のための第1及び第2のインバータ装置100、100´における電流位相指令値θiを同期させることが不要である。従って、第1のインバータ装置100の単独運転検出を、第2のインバータ装置100´の単独運転検出に拘束されずに独立に行うことが出来る。
実施例2のインバータ装置は実施例1のコンデンサ電流作成手段11を図10に示すコンデンサ電流値作成手段11aに変形し、この他は実施例1と同一に形成してものである。従って、実施例2の説明においても実施例1を示す図1〜図9を参照し、且つ共通する部分の説明を省略する。
図10の実施例2のコンデンサ電流値作成手段11aは、固定電流値発生手段40と位相検出手段20と第2相信号形成手段27と3相/dq座標変換手段29とを有する。
固定電流値発生手段40は、図4の実施例1のコンデンサ電流値作成手段11における無効電流検出部25及びこれよりも前の部分と実質的に同一の機能を有し、図4において第1及び第3相信号Icu、Icwと実質的に同一の信号を固定的に発生する。即ち、固定電流値発生手段40から発生する第1相及び第3相信号Icu、Icwは、第1、第2及び第3相交流端子2u、2v、2wの線間電圧の実効値V、周波数ω、第1及び第2のフィルタコンデンサCu、Cwの容量Cを固定値として次の(13)(14)(15)式に従う計算で決定される。
Figure 0004662064
図10の位相検出手段20、第2相信号形成手段27、3相/dq座標変換手段29は図4で同一記号で示すものと同一であるので、その説明を省略する。
この実施例2において、3相交流電力系統3の電圧が安定している場合には、これを固定して第1及び第2のフィルタコンデンサCu、Cwの無効電流を示す第1相及び第3相信号Icu、Icwを決定しても、これ等の値は実測値を使用する場合とほぼ同一の値となる。
実施例2は実施例1と同一効果を有する他に、固定電流値発生手段40で第1相及び第3相信号Icu、Icwを発生させるので、コンデンサ電流値作成手段11aにおける演算回数を実施例1に比べて削減でき、高速な演算処理が可能になるという効果を有する。
実施例3のインバータ装置は実施例1の図4の制御部6を図11の制御部6aに変形した他は、実施例1と同一に形成してものである。従って、実施例3の説明においても実施例1を示す図1〜図9を参照し、且つ共通する部分の説明を省略する。
図11の変形された制御部6aは、図4に示す帰還制御信号形成手段14に含まれている変換手段41に位相バイアス及び単独運転検出手段50の電流位相指令θiを伝送するライン53を接続する代りに、ライン53を連系電流指令値発生手段12に接続し、この他は図4と同一に形成したものである。
図11の連系電流指令値発生手段12は、位相バイアス及び単独運転検出手段50から与えられた電流位相指令θiに従う第1及び第2の連系電流指令値Isd*、Isq*を発生する。図11の第1及び第2の連系電流指令値Isd*、Isq*は、インバータ出力電流の目標値を示すものであって図4の第1及び第2の連系電流指令値Isd*、Isq*と同様に作成される。
図11の実施例3に示すようにインバータ出力電流の目標値の位相をライン53の電流位相指令θiに従って変化させても、実施例1と同様に単独運転を迅速且つ正確に検出することができ、実施例1と同様な効果を得ることができる。
図12は実施例4に従う変形されたインバータ装置100aを含む電力系統を示す。図12の変形されたインバータ装置100aは、図1及び図2に示す3相V結線構成のインバータ装置100を3相フル・ブリッジ構成のインバータ装置100aに置き換え、この他は実施例1のインバータ装置100と同様に構成したものである。従って、図12において図1〜図7と実質的に同一に構成されている部分には同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
図12のインバータ装置100aに含まれているインバータ回路103aは6個のスイッチング素子を含む周知の3相フル・ブリッジ構成のインバータ回路から成る。インバータ回路103aと第1、第2及び第3の交流出力端子2u,2v,2wとの間に各相のリアクトルLu,Lv,Lwが接続されている。また、第1、第2及び第3の交流ラインにY結線された第1、第2及び第3のフィルタ用コンデンサCu,Cv,Cwが接続されている。なお、第1、第2及び第3のフィルタ用コンデンサCu,Cv,Cwを第1、第2及び第3の交流ラインの各線間に接続することもできる。また、第1、第2及び第3の交流出力端子2u,2v,2wに流れる電流を検出するための第1、第2及び第3相電流検出器CTu、CTv、CTwが第1、第2及び第3相交流ラインに電磁結合されている。
図12の制御回路4´は図1の制御回路4と同様な機能を有するものであり、図3のスイッチ制御手段10と同様な機能を得るために連系電流指令値発生手段12aと、帰還制御信号形成手段14aと、スイッチ制御パルス形成手段15aと、位相検出手段20とを有し、更に本発明に従う位相バイアス及び単独運転検出手段50を有する。図示の都合上制御回路4´の外に示されている電圧検出手段5´は第1、第2及び第3相交流ラインに接続され、図2の電圧検出手段5と同様な機能を有する。なお、電圧検出手段5´及び第1、第2及び第3の電流検出器CTu、CTv、CTwを制御回路4´に含めて示すこともできる。
連系電流指令値発生手段12aは、図3の連系電流指令値発生手段12及び出力電流指令値作成手段13と同様な機能を有し、連系電流指令値即ちインバータ出力電流指令値を発生する周知の回路である。図12では本発明に従う位相バイアス及び単独運転検出手段50から発生する電流位相指令θiが連系電流指令値発生手段12aに供給されている。
連系電流指令値発生手段12aと第1、第2及び第3の電流検出器CTu、CTv、CTwとに接続された帰還制御信号形成手段14aは図3の帰還制御信号形成手段14と同様な機能を有する周知の回路である。帰還制御信号形成手段14aに接続されたスイッチ制御パルス形成手段15aは図3のスイッチ制御パルス形成手段15と同様な機能を有する周知の回路であって、インバータ回路103aの6個のスイッチの制御パルスを形成する。図12の位相検出手段20及び位相バイアス及び単独運転検出手段50は図3で同一参照符号で示すものと同様に構成されている。
図12の3相フル・ブリッジ構成のインバータ装置100aは、図3と同様な位相バイアス及び単独運転検出手段50を有するので、図1〜図9の実施例1と同様な効果を有する。
本発明は上述の実施例に限定されるものでなく、例えば次の変形が可能なものである。
(1) 図1の第1相及び第3相電流検出器CTu、CTwを第1及び第2のフィルタコンデンサCu、Cwと第1及び第3相交流端子2u、2wとの間の電流通路に移動し、第1相及び第3相連系電流Isu,Iswを検出するように変形することができる。この変形例の場合には、図2のコンデンサ電流値作成手段11又は図6のコンデンサ電流値作成手段11aと同一のものを設け、また、図2の連系電流指令値発生手段12の位置に出力電流指令値作成手段を配置し、図2の出力電流指令値作成手段13の位置に連系電流指令値発生手段を配置し、この連系電流指令値発生手段の出力段に図2と同様に帰還制御信号形成手段14とスイッチ制御パルス形成手段15とを配置する。
この変形例の場合の出力電流指令値作成手段は、図1のインバータの第1、第2及び第3相出力電流Iou,Iov,Iowの目標値を2相軸に変換したものに相当する第1(d軸)及び第2(q軸)の出力電流指令値Iod*、Ioq*を発生するように構成する。また、この変形例の場合の連系電流指令値発生手段は、この変形例の出力電流指令値作成手段から得られた第1(d軸)の出力電流指令値Iod*とコンデンサ電流値作成手段11又は11aから得られた第1の信号Icdとに基づいて第1(d軸)の連系電流指令値Isd*を作成し、且つ第2(q軸)の出力電流指令値Ioq*とコンデンサ電流値作成手段11又は11aから得られた第2の信号Icqとに基づいて第2(q軸)の連系電流指令値Isq*を作成する。また、この変形例の場合の帰還制御信号形成手段には、第1相及び第3相電流検出器CTu 、CTw から得られた第1相及び第3相連系電流Isu、Iswの検出値を入力させ、且つ第1相及び第3相連系電流Isu、Iswの検出値に基づいて第2相連系電流Isvを形成する手段を設け、更に第1相、第2及び第3相連系電流Isu、Isv,Iswを回転座標変換してdq座標軸のd軸成分電流Isd及びq軸成分電流Isdを得る3相/dq座標変換手段を設ける。図3に示す第1及び第2の偏差信号作成手段32,33は連系電流指令値作成手段から得られた第1及び第2の連系電流指令値Isd*、Isq*と3相/dq座標変換手段から得られたd軸成分電流Isd及びq軸成分電流Isdとの偏差を求めて2相軸上のd軸帰還制御信号Ifd及びq軸帰還制御信号Ifqを形成する。更に、図4と同様に周知のdq/3相座標変換手段によってd軸帰還制御信号Ifd及びq軸帰還制御信号Ifqを3相軸上の帰還制御信号に回転座標変換して3相軸上の3つの帰還制御信号の内の第1及び第3相帰還制御信号Ifuv、Ifwvを形成する。なお、この変形例の場合においても、第2相連系電流Isvを演算で求める代わりに、第2連系電流Isvを検出する第2相電流検出器を設けることができる。
(2) 同一容量の第1及び第2の電圧分割用コンデンサCa、Cbの代りに同一電圧の第1及び第2の蓄電池を接続することができる。
(3) 連系電流Isu、Isv、Iswに高調波成分又は高周波成分が含まれても差し支えない場合には、これに対応するように連系電流指令値発生手段12を変形することができる。
(4)位相制御用の位相検出手段20を角速度変化量検出手段62で兼用しないで、角速度変化量検出手段62のための専用の位相検出手段を設けることができる。
(5)図6において、カウンタ65cで角速度変化量△ωが連続して4回正方向になるか否かを検出する代りに、角速度変化量△ωが所定時間以上連続して正方向を示しているか否かを検出し、単独運転を検出することができる。
(6)カウンタ65cによって単独運転が正確に検出することができる場合には、傾斜位相バイアス値発生手段64を省くことができる。
(7) 図6では、角速度変化量方向判定手段63aが正位相バイアス値発生手段63b及び負位相バイアス値発生手段63cと分けて示されているが、角速度変化量方向判定手段63aと正位相バイアス値発生手段63bとを一体化すること、角速度変化量方向判定手段63aと負位相バイアス値発生手段63cとを一体化すること、又は角速度変化量方向判定手段63aと正位相バイアス値発生手段63bと負位相バイアス値発生手段63cとを一体化することができる。要するに、正負位相バイアス値発生手段63は角速度変化量に応じて、正位相バイアス値及び負位相バイアス値を発生することがでれば、どのような回路であっても良い。
本発明の実施例1に従うインバータ装置を含む電力系統を示す回路図である。 図1のインバータ装置を詳しく示す回路図である。 図2の制御部を詳しく示すブロック図である。 図3の制御部を更に詳しく示すブロック図である。 図4の帰還制御信号形成手段に含まれている変換手段を詳しく示すブロック図である。 図4の位相検出手段と位相バイアス及び単独運転検出手段とを詳しく示すブロック図である。 図6の位相検出手段及び角速度変化量検出手段を更に詳しく示すブロック図である。 図2及び図6の各部の状態を示す波形図である。 図4の各部の状態を示す波形図である。 実施例2のコンデンサ電流値作成手段を示すブロック図である。 実施例3の制御部を示すブロック図である。 実施例4に従うインバータ装置を含む電力系統を示す回路図である。
符号の説明
1 直流電源
1a、1b 第1及び第2の直流入力端子
2u、2v、2w 第1、第2及び第3相交流出力端子
3 3相交流電力系統
4 制御回路
5 電圧検出手段
6 制御部
20 位相検出手段
50 位相バイアス及び単独運転検出手段
62 角速度変化量検出手段
63 正負位相バイアス値発生手段
64 傾斜位相バイアス値発生手段
67 位相バイアス加算手段

Claims (5)

  1. 交流電力系統と連系して負荷に電力を供給するためのインバータ装置であって、
    直流電源に接続される直流入力端子と、
    前記負荷及び前記交流電力系統に接続される交流出力端子と、
    前記直流入力端子に接続され且つ複数の直流―交流変換用スイッチを有している直流―交流変換回路と、
    前記交流出力端子を通って流れる電流を検出するための電流検出手段と、
    前記交流出力端子における系統電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記電流検出手段と前記電圧検出手段と前記複数の直流―交流変換用スイッチの制御端子とに接続され且つ前記交流出力端子を流れる電流の位相を前記系統電圧の位相に一致させるように前記複数の直流―交流変換用スイッチをオン・オフ制御するスイッチ制御手段と、
    前記系統電圧の位相(θ)を検出する位相検出手段と、
    前記系統電圧の角速度変化量(△ω)を検出する角速度変化量検出手段と、
    前記角速度変化量検出手段から得られた角速度変化量(△ω)の方向が第1の方向の時に第1の方向の位相バイアス値(+α)を出力し、前記角速度変化量(△ω)の方向が第2の方向の時に第2の方向の位相バイアス値(−α)を出力する位相バイアス値発生手段と、
    前記位相検出手段から得られた系統電圧位相検出値(θ)と前記位相バイアス値発生手段から得られた位相バイアス値(Δθ1)とを加算して電流位相指令信号(θi)を前記スイッチ制御手段に供給する加算手段と、
    角速度変化量基準値(△ωr)を発生する角速度変化量基準値発生手段と、
    前記角速度変化量(△ω)と前記角速度変化量基準値(△ωr)とを比較し、前記角速度変化量(△ω)が前記角速度変化量基準値(△ωr)よりも大きい時に前記負荷に対して前記交流電力系統からの電力供給を伴わないで前記インバータ装置から電力が供給されていることを示す信号を出力する単独運転検出手段と
    を備えていることを特徴とするインバータ装置。
  2. 更に、時間と共に位相バイアス値が増大する傾斜位相バイアス値(Δθ2)を発生する傾斜位相バイアス値発生手段と、
    前記角速度変化量(△ω)の方向を判定する角速度変化量方向判定手段と、
    前記角速度変化量方向判定手段の出力に基づいて、前記角速度変化量(△ω)が所定回数又は所定時間以上同一方向を保っているか否かを判定するカウンタ手段と、
    前記角速度変化量(△ω)が所定回数又は所定時間以上同一方向を保っていることを示す出力が前記カウンタ手段から得られた時に、前記第1の方向の位相バイアス値(+α)と前記第2の方向の位相バイアス値(−α)とからなる前記位相バイアス値(Δθ1)に代わって前記傾斜位相バイアス値(Δθ2)を前記加算手段に供給するモード切換手段と、
    を有していることを特徴とする請求項1記載のインバータ装置。
  3. 前記傾斜位相バイアス値発生手段は、前記角速度変化量(△ω)を所定のゲイン(K)を有して増幅する手段から成ることを特徴とする請求項2記載のインバータ装置。
  4. 更に、前記単独運転検出手段から得られた前記交流電力系統からの電力供給を伴わないで前記インバータ装置から電力が供給されていることを示す信号に応答して前記インバータ装置から前記負荷への電力供給を遮断する手段を有していることを特徴とする請求項1又は2又は3記載のインバータ装置。
  5. 前記スイッチ制御手段は、
    出力電流指令値作成手段(12、13又は12a)と、
    前記出力電流指令値作成手段(12、13又は12a)から得られた出力電流指令値と前記電流検出手段から得られた電流検出値とに基づいて帰還制御信号を形成する帰還制御信号形成手段(14)と、
    前記帰還制御信号形成手段(14)から得られた前記帰還制御信号に基づいて前記直流―交流変換用スイッチをオン・オフ制御するためのスイッチ制御パルスを形成するスイッチ制御パルス形成手段(15)と
    を有し、
    前記加算手段から得られた電流位相指令信号(θi)は前記帰還制御信号形成手段(14)又は前記出力電流指令値作成手段(12、13又は12a)に供給されることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4記載のインバータ装置。
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