JP3547117B2 - 交流電動機のトルク検出装置及び駆動制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は交流電動機のトルク検出装置及び駆動制御装置に関し、例えば交流電動機を矩形波電圧制御する場合であっても好適にトルクを検出することができる交流電動機のトルク検出装置、及び、その検出したトルクを用いて安定的に交流電動機を駆動することのできる交流電動機の駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来技術に係る交流電動機の駆動制御装置の構成を示す図である。同図に示す駆動制御装置50は、モータ制御器12と、インバータ15と、直流電源16と、電圧センサ18と、電流センサ20と、モータ24と、位置センサ22と、回転数演算器26と、トルク検出手段14cと、を含んで構成されている。
【0003】
モータ24は、例えば永久磁石同期型モータ等の3相交流電動機である。インバータ15には直流電源16が接続されており、モータ制御器12によるスイッチング制御に従ってモータ24の各相に対して電力を供給している。特に、モータ制御器12にはトルク指令が外部から与えられており、トルク検出手段14cにより検出されるモータ24のトルクとトルク指令との差が小さくなるよう位相を制御した矩形波電圧をモータ24に印加している。すなわち、モータ制御器12はトルク指令と実トルクとの差が少なくなるよう電圧位相を決定し、その値をインバータ15に対して電圧位相指令として与えている。インバータ15は直流電源16の電圧を振幅し、かつ電圧位相指令に従う位相を有する矩形波電圧をモータ24の各相に印加している。インバータ15からモータ24への電力供給ライン上には電流センサ20が取り付けられており、そこでモータ24の各相巻線に現在供給されている電流値が検出されるようになっている。検出された各相の電流はトルク検出手段14cに含まれる電力演算器30aに供給されている。一方、直流電源16には電圧センサ18が取り付けられており、該直流電源16の電圧が検出され、その値が電力演算器30aに供給されるようになっている。電力演算器30aにはモータ制御器12から出力される電圧位相指令も入力されている。この直流電源16の電圧値及び電圧位相指令に基づき、電力演算器30aではモータ24の各相の電圧を算出する。電力演算器30aは、この算出した各相の電圧及び電流センサ20で検出された各相の電流をもとに、次式(1)に従ってモータ24に供給される電力Pを算出する。
【0004】
【数1】
P=iu×vu+iv×vv+iw×vw …(1)
ここで、iu,iv,iwはモータ24に供給される各相の電流値を表す。これらは電流センサ20で検出されるものである。また、vu,vv,vwはモータ24に印加される各相の電圧値を表す。これらは、電圧センサ18の出力及びモータ制御器12の出力に基づいて算出される。
【0005】
トルク検出手段14cに含まれるトルク演算器34aには電力演算器30aで算出される上記電力Pが入力されており、ここで次式(2)に示すように、電力Pをモータ24の角速度ωで除することによりモータ24の出力トルクTを算出している。
【0006】
【数2】
T=P/ω …(2)
ここで、モータ24の角速度ωは次のようにして得られる。すなわち、モータ24には該モータ24の電機子位置を検出する位置センサ22が取り付けられており、その出力が回転数演算器26に供給されている。回転数演算器26ではモータ24の回転数を位置センサ22の出力に基づいて算出し、それをトルク演算器34aに供給している。トルク演算器34aでは、こうして与えられた回転数に基づいてモータ24の角速度ωを算出する。
【0007】
以上のようにすれば、モータ24が出力する実トルクをインバータ15の出力に基づいて演算し、その実トルクとトルク指令値との差が少なくなるようモータ24に電力を供給する、トルクフィードバック型のモータ制御を実現できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来技術に係る交流電動機の駆動制御装置50では、電力演算器30aで演算される供給電力Pに高調波成分が含まれてしまい、モータ制御器12によるモータ24の制御が不安定になってしまうという問題がある。もちろん、電力演算器30aの後段にローパスフィルタを接続し、この高調波成分を除去することも考えられるが、その場合もトルクフィードバックに時間遅れが生じてしまい、やはり制御が不安定になってしまう。
【0009】
図7は、電力演算器30aで演算される供給電力Pに含まれる高調波成分について説明する図である。同図には、モータ24のU,V,W各相について、相電圧、相電流、相電力の時間推移が順に示されており、最下段には、これら値に基づいて演算された供給電力Pの時間推移が示されている。すなわち、同図には上から順に、vu、iu、iu×vu、vv、iv、iv×vv、vw、iw、iw×vw、Pの時間推移が示されている。同図において、U,V,W各相の相電圧(vu,vv,vw)はステップ的に変化している。これは、モータ24の各端子に印加される電圧が矩形波電圧であることに起因する。これに対して各相の相電流(iu,iv,iw)は、ほぼ正弦波となっている。ここではモータ24が高回転域にあることを前提としており(矩形波電圧制御は高回転域に主に用いられるためである)、矩形波電圧をモータ24の各端子に印加しても各相電流は円滑化されることに起因している。そして、電力演算器30aでは、同図に示すようにステップ的に変化する各相の相電圧を用いて供給電力Pを演算しても、同図最下段に示されるように、その波形はノコギリ波状となってしまう。このため、この値を用いてトルク演算器34aでモータ24の出力トルクTを算出すれば、その値はノコギリ波状に変化するものとなってしまう。そして、そのトルクTをモータ制御器12で用いれば制御が不安定となってしまう。
【0010】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、交流電動機に対して矩形波電圧等の高調波成分を含む電圧を印加した場合にも、高調波成分を多く含まないようにして該交流電動機の出力トルクを検出することのできる交流電動機のトルク検出装置、及びそれを用いて交流電動機を安定的に制御することのできる交流電動機の駆動制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る交流電動機のトルク検出装置は、交流電動機に印加する各相電圧について高調波成分を含む波形の基本波を演算する電圧基本波演算手段と、前記交流電動機の各相電流を検出する電流検出手段と、前記各相電圧について高調波成分を含む波形の基本波と前記各相電流とに基づいて前記交流電動機への供給電力を演算する電力演算手段と、前記交流電動機の回転数を検出する回転数検出手段と、前記供給電力を前記回転数で除して前記交流電動機の出力トルクを演算するトルク演算手段と、を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、交流電動機の各相電圧について基本波を演算し、それに基づいて交流電動機への供給電圧、及びその出力トルクを演算するようにしている。このため、例えば交流電動機の各相電圧がステップ的に変化した場合であってもトルク演算自体には基本波が用いられることになり、演算であるトルク値には高周波成分が多く含まれないようにできる。
【0013】
また、本発明に係る交流電動機の駆動制御装置は、交流電動機に印加する各相電圧について高調波成分を含む波形の基本波を演算する電圧基本波演算手段と、前記交流電動機の各相電流を検出する電流検出手段と、前記各相電圧について高調波成分を含む波形の基本波と前記各相電流とに基づいて前記交流電動機への供給電力を演算する電力演算手段と、前記交流電動機の回転数を検出する回転数検出手段と、前記供給電力を前記回転数で除して前記交流電動機の出力トルクを演算するトルク演算手段と、前記出力トルクと所与のトルク指令値との差を少なくするよう前記交流電動機に供給する各相電圧を制御する制御手段と、を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、交流電動機に印加する各相電圧について高調波成分を含む波形の基本波を演算し、それに基づいて交流電動機への供給電圧、及びその出力トルクを演算するようにしている。そして、制御手段では、その出力トルクと所与のトルク指令値との差を少なくするよう交流電動機を制御している。このため、交流電動機に対して矩形波電圧を印加するような場合であっても、制御手段には高調波成分を多く含むトルク値がフィードバックされることは無くなり、交流電動機を安定的に制御することができるようになる。
【0015】
また、本発明の一態様では、以上の構成に加え、前記交流電動機での前記供給電力の損失を演算する損失演算手段と、該損失に基づいて前記トルク演算手段で演算される出力トルクついて損失補償を行う損失補償手段と、をさらに含むことを特徴とする。
【0016】
交流電動機においては、その動作領域によってトルク検出値と出力トルク(実トルク)との誤差が大きくなることがあるが、本態様によれば交流電動機への供給電力の損失を演算し、その損失を、トルク演算手段により演算される出力トルクから補償するようにしたので、高精度に出力トルクを検出することができるようになる。また、この検出トルクを用いてトルクフィードバック型の交流電動機の駆動制御を行えば、トルク制御精度を向上させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態に係る交流電動機の駆動制御装置の構成を示す図である。同図に示す駆動制御装置10は、モータ制御器12と、インバータ15と、直流電源16と、電圧センサ18と、電流センサ20と、モータ24と、位置センサ22と、回転数演算器26と、トルク検出手段14と、を含んで構成されている。ここでトルク検出手段14は、電圧基本波演算器28と、電力演算器30と、損失演算器36と、損失補償器32と、トルク演算器34と、を含んで構成されている。
【0019】
トルク検出手段14ではモータ24の出力トルク(実トルク)が検出されるようになっており、その値はモータ制御器12に供給されている。モータ制御器12には図示しない他装置からトルク指令も供給されており、出力トルクとトルク指令との差が少なくなるよう電圧位相指令を生成し、それをインバータ15に供給している。インバータ15には直流電源16が接続されており、その電圧を振幅し、かつモータ制御器12から与えられる電圧位相指令に従う位相を有する矩形波電圧を、モータ24の各端子に印加する。モータ24は永久磁石同期型モータ等の3相交流電動機であり、各端子に矩形波電圧が印加されることにより、各相巻線にはステップ状に変化する電圧(ここでは「階段状電圧」という。)が印加される。
【0020】
また、トルク検出手段14は次のようにしてモータ24の出力トルクを検出する。すなわち、電圧基本波演算器28には、モータ24に取り付けられた位置センサ22から出力される電機子位置、直流電源16に取り付けられた電圧センサ18から出力される直流電源16の電圧、モータ制御器12から出力される電圧位相指令、が入力されている。電圧基本波演算器28では、これらの情報に基づいて次式(3)を計算することにより、モータ24の各相巻線に印加されている階段状電圧の基本波を算出する。
【0021】
【数3】
vul=−A×sin(θ+φ)
vvl=−A×sin(θ+φ−2π/3)
vwl=−A×sin(θ+φ+2π/3) …(3)
この式(3)は、階段状電圧をフーリエ変換した際の基本波成分として得ることができる。ここで、vul,vvl,vwlは、それぞれU相、V相、W相の巻線に印加されている階段状電圧の基本波電圧値である。θはモータ24の電機子位置であり、位置センサ22の出力から得られる。φは電圧位相指令であり、モータ制御器12の出力から得られる。また、Aは基本波の振幅であり、ここでは矩形波制御を行っているため、振幅Aは直流電源16の電圧Vdcを用いて次式(4)により算出される。
【0022】
【数4】
A=2×Vdc/π …(4)
図2は、電圧基本波演算器28で算出される各相電圧の基本波を示す図である。同図の上三段には、U,V,W各相に対応してインバータ15からモータ24に印加される矩形波電圧が示されている。この際、モータ24の各相巻線に印加される電圧、すなわち相電圧は中三段に示されるようにステップ状に推移する階段状電圧となる。電圧基本演算器28では、中三段に示される階段状電圧の基本波として下三段に示される各相相電圧の基本波を、上記式(3)に従って算出している。
【0023】
電圧基本波演算器28で得られた基本波電圧値vul,vvl,vwlは電力演算器30に供給され、そこでモータ24への供給電力Pの演算に用いられる。供給電力Pは次式(5)により求められる。
【0024】
【数5】
P=iu×vul+iv×vvl+iw×vwl …(5)
ここで、iu,iv,iwはモータ24に供給される各相の電流値であり、電流センサ20により検出され、電力演算器30に供給されるものである。
【0025】
図3は、電力演算器30で演算される電力Pについて説明する図である。同図には、モータ24のU,V,W各相について、相電圧基本波、相電流、相電力の時間推移が順に示されており、最下段には、これら値に基づいて演算された電力Pの時間推移が示されている。すなわち、同図には上から順に、vul、iu、iu×vul、vvl、iv、iv×vvl、vwl、iw、iw×vwl、Pの時間推移が示されている。同図において、U,V,W各相の相電圧(vu,vv,vw)は実際には上述した階段状電圧の波形を有するが、電力Pの演算には生の各相電圧vv,vu,vwが用いられず、代わりにそれらの基本波が用いられる。また、各相の相電流(iu,iv,iw)は、ほぼ正弦波となっているが、ここでも従来技術での説明と同様、矩形波電圧制御が主に高回転域で用いられることからモータ24が高回転域にあることを前提としており、矩形波電圧をモータ24の各端子に印加しても各相電流は円滑化されて正弦波状になるのである。電力演算器30で、これらの値をもとにして上記式(5)により電力Pを演算すると、同図の最下段に示されるように一定値をとるようになる。このように生の各相電圧を用いる代わりに、それらの基本波を用いてモータ24の電力Pを演算することにより、演算結果に高調波成分が乗ることを防ぐことができるのである。そして、この電力Pを用いてモータ24のトルクを算出して該モータ24の制御に用いることにより制御を安定させることができる。
【0026】
以上のようにして電力演算器30で算出された電力Pは損失補償器32に与えられる。また、損失補償器32には損失演算器36で算出される損失量Lも入力される。損失演算器36には回転数演算器26から出力されるモータ24の回転数が入力されている。すなわち、モータ24には位置センサ22が取り付けられており、そこでモータ24の電機子位置が検出されるようになっている。回転数演算器26では位置センサ22の出力に基づいてモータ24の回転数を演算するようになっており、その演算された回転数が損失演算器36及びトルク演算器34に供給されているのである。損失演算器36にはモータ24の回転数の他にモータ制御器12に供給されているトルク指令も入力されるようになっており、これら2つの情報に基づいてモータ24への供給電力のうちトルク発生に寄与しない部分である損失Lを次式(6)により算出する。この損失Lが損失補償器32に供給される。
【0027】
【数6】
L=f(N,T*) …(6)
ここで、Nはモータ24の回転数を表し、T*はトルク指令値を表す。また、fは回転数Nとトルク指令値T*とから損失Lを算出するための近似式である。この他、回転数Nとトルク指令値T*とから損失Lを与えるマップを損失演算器36にて保持しておき、そのマップにより得られる損失Lを損失補償器32に供給してもよい。
【0028】
損失補償器32は加算器により構成されており、次式(7)に従って電力演算器30で算出される電力Pのうち損失演算器36で算出される損失Lを差し引くことにより損失補償後電力(トルク寄与電力)P’を出力し、それをトルク演算器34に供給している。
【0029】
【数7】
P’=P−L …(7)
トルク演算器34では、次式(8)に示すように、入力された損失補償後電力P’をモータ24の回転数に基づいて算出されるモータ24の角速度ωで除することによりトルクTを算出し、それをモータ制御器12にフィードバックするようになっている。
【0030】
【数8】
T=P’/ω …(8)
以上の構成を有する交流電動機の駆動制御装置10によれば、モータ24の生の各相電圧を用いる代わりにそれらの基本波を演算し、それを用いて電力を算出しているため、高調波成分を含まない電力Pを得ることができる。そして、その高調波成分を含まない電力Pをもとにモータ24のトルクTを算出し、モータ24の制御に用いているので、モータ24を安定的に駆動制御することができる。
【0031】
また、以上説明した交流電動機の駆動制御装置10では、モータ24に供給する電力のうちトルクに寄与しない部分を損失Lとして損失演算器36によって求め、それをトルク算出の基礎から外すようにしたので、正確なトルクを制御に用いることができる。この結果、トルクフィードバック制御を採用する本構成において、トルク制御の精度を向上させることができる。
【0032】
なお、以上説明した交流電動機の駆動制御装置10は種々の変形実施が可能である。図4には、第1の変形例に係る交流電動機の駆動制御装置10aの構成が示されている。同図では駆動制御装置10と同一構成については同一符号を付し、ここでは詳細な説明を省略する。この駆動制御装置10aで特徴的なことは、トルク検出手段14aに含まれる損失演算器36aが電圧センサ18及び電流センサ20の出力に基づいて損失Lを算出することである。すなわち、損失演算器36aでは次に示す式(9)〜(11)に基づいてモータ24における銅損Lc、鉄損Li、機械損Lmを算出し、式(12)により、それら総和を損失Lとして算出している。
【0033】
【数9】
Lc=R×(iu2+iv2+iw2) …(9)
Li=g(Vdc,N) …(10)
Lm=h(N) …(11)
L=Lc+Li+Lm …(12)
ここで、Rはモータ24のモータ抵抗であり、iu,iv,iwはモータ24の各相の電流である。これらは電流センサ20の出力から得ることができる。また、Vdcは直流電源16の電圧であり、電圧センサ18の出力から得ることができる。Nはモータ24の回転数であり、回転数演算器26から供給される。gは電圧Vdc及び回転数Nから鉄損Liを求めるための近似式である。電圧Vdcと回転数Nを用いるのはモータ24の磁束密度をこれらの量から算出することができるからである。近似式の代わりにマップを作成してもよい。hはモータ24の回転数Nから機械損Lmを求めるための近似式である。これも同様にマップを作成してもよい。
【0034】
以上の構成によっても、モータ24に供給する電力のうちトルクに寄与しない部分を損失Lとして損失演算器36によって求めることができ、それをトルク算出の基礎から外すことができる。
【0035】
また、図5には、第2の変形例に係る交流電動機の駆動制御装置10bの構成が示されている。同図においても上記駆動制御装置10と同一構成については同一符号を付して、ここでは詳細な説明は省略する。同図に示す駆動制御装置10bでは、トルク検出手段14bに損失トルク演算器36bを設けた点に特徴がある。駆動制御装置10,10aではモータ24での損失を電力量として算出していたが、損失トルク演算器36bではモータ24での損失をトルクに換算して出力する。また、駆動制御装置10では損失演算器36がトルク指令値T*に基づいて損失Lを算出していたのに対し、この駆動制御装置10bの損失トルク演算器36bではトルク演算器34から出力されるトルク演算値を用いて損失を算出している。
【0036】
この駆動制御装置10bでは、トルク演算器34にて供給電力Pが損失無くトルクに変換された場合を仮定し、一旦仮のトルク演算値を出力しており、損失トルク補償器32では、損失トルク演算器36から出力される損失トルクを、その仮のトルク演算値から減算することにより最終的にモータ制御器12に供給するトルク検出値を生成している。
【0037】
このようにしても、モータ24に供給する電力のうちトルクに寄与しない部分を損失Lとして損失演算器36によって求めることができ、それをトルク算出の基礎から外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る交流電動機の駆動制御装置の構成を示す図である。
【図2】電圧基本波演算器で算出されるモータの各相電圧に対する基本波を示す図である。
【図3】電力演算器で算出されるモータへの供給電力を示す図である。
【図4】変形例に係る交流電動機の駆動制御装置の構成を示す図である。
【図5】変形例に係る交流電動機の駆動制御装置の構成を示す図である。
【図6】従来技術に係る交流電動機の駆動制御装置の構成を示す図である。
【図7】従来技術に係る交流電動機の駆動制御装置の問題点を説明する図である。
【符号の説明】
10,10a,10b 駆動制御装置、12 モータ制御器、14,14a,14b トルク検出手段、15 インバータ、16 直流電源、18 電圧センサ、20 電流センサ、22 位置センサ、24 モータ、26 回転数演算器、28 電圧基本波演算器、30 電力演算器、32 損失補償器、32b 損失トルク補償器、34 トルク演算器、36,36a 損失演算器、36b 損失トルク演算器。
Claims (4)
- 交流電動機に印加する各相電圧について高調波成分を含む波形の基本波を演算する電圧基本波演算手段と、
前記交流電動機の各相電流を検出する電流検出手段と、
前記各相電圧について高調波成分を含む波形の基本波と前記各相電流とに基づいて前記交流電動機への供給電力を演算する電力演算手段と、
前記交流電動機の回転数を検出する回転数検出手段と、
前記供給電力を前記回転数で除して前記交流電動機の出力トルクを演算するトルク演算手段と、
を含むことを特徴とする交流電動機のトルク検出装置。 - 請求項1に記載の交流電動機のトルク検出装置において、
前記交流電動機での前記供給電力の損失を演算する損失演算手段と、
該損失に基づいて前記トルク演算手段で演算される出力トルクついて損失補償を行う損失補償手段と、
をさらに含むことを特徴とする交流電動機のトルク検出装置。 - 交流電動機に印加する各相電圧について高調波成分を含む波形の基本波を演算する電圧基本波演算手段と、
前記交流電動機の各相電流を検出する電流検出手段と、
前記各相電圧について高調波成分を含む波形の基本波と前記各相電流とに基づいて前記交流電動機への供給電力を演算する電力演算手段と、
前記交流電動機の回転数を検出する回転数検出手段と、
前記供給電力を前記回転数で除して前記交流電動機の出力トルクを演算するトルク演算手段と、
前記出力トルクと所与のトルク指令値との差を少なくするよう前記交流電動機に供給する各相電圧を制御する制御手段と、
を含むことを特徴とする交流電動機の駆動制御装置。 - 請求項1〜3のいずれか1つに記載の交流電動機の駆動制御装置において、
前記電圧基本波演算手段は、交流電動機に印加する各相電圧における電圧位相を用いて高調波成分を含む波形の基本波を演算することを特徴とする交流電動機の駆動制御装置。
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