この発明は、断熱体に関する。
近年の自動車において、地球環境保全の観点から、環境仕様が強化され、燃料消費率の向上,排気ガス浄化,リサイクル部材の使用等が進められている。特に燃料消費率の向上においては、内燃機関(例えばガソリンエンジン,ディーゼルエンジン)と電気モータとを併用するハイブリッド車や、コモンレール方式を用いたディーゼルエンジン車が登場し、格段の向上が図られている。
一般に、エンジンで駆動している補機には、エンジン冷却用のウォータポンプ,潤滑用オイルポンプ,ジェネレータ(オルタネータ)、そしてカーエアコン用圧縮機等がある。またハイブリッド車のカーエアコンでは、電動圧縮機,エンジン駆動と電動駆動と併用できる圧縮機が使用されている。
自動車の燃料消費率を向上させる一手段として、エンジンの性能向上や、ハイブリッド化の他に、前述の補機類の動力削減がある。特にカーエアコンの動力は、夏場の冷房負荷、冬場の暖房負荷に影響される。例えば夏場では、外気温度が高く、日射が強いために車室内温度があがり冷房負荷が増加する。また冬場では、外気温度が低いため、車室内の熱が外部に漏洩し、暖房負荷が増加する。
またエンジンとモータを組合わせたハイブリッド車の暖房に、エンジン排熱を使用するために、エンジンが常時稼動し燃料消費率を悪化させることもある。
一方、燃料消費率向上のために、エンジンの熱効率向上は、同時にエンジン排熱の減少を促す。またハイブリッド車の普及で、モータ駆動時間が増加すれば、この間はエンジン駆動及びエンジン排熱が使用できないため、カーエアコンに電動ヒートポンプ式が用いられることも考えられる。これらの要因に対処するには、車室内の空調負荷を低減し、カーエアコンに必要な動力を削減することが必須となってくる。
近年、冷蔵庫において省エネルギと庫内有効スペース拡大のために断熱性能の高い真空断熱材が使用されるようになってきた。この真空断熱材を適用した自動車として、例えば下記の特許文献1から特許文献4に記載されたものが知られている。
特許文献1に記載の自動車では、真空断熱材を車内空間を構成する面に、上部真空断熱材,下部真空断熱材,前部真空断熱材,後部真空断熱材などを断熱したい箇所に設け(貼る)ている。
特許文献2に記載の自動車の本体構造では、車両用空調を装備した自動車において、車室の屋根部,ドア部の内部に真空断熱材を配設している。
特許文献3に記載の断熱自動車では、車室の形の内部スペースを有する自動車において、外部を画成する中空スペースと内部スペースの面が断熱材料を備えているか、断熱材料から構成されている。
特許文献4に記載の自動車用の熱機能構造体では、車室を区画形成するための車体を略水平な境界線を境に、車体上部と車体下部とに2分割し、各々異なる断熱機能を有している。
また真空断熱材は真空度が断熱性能に大きく影響し、その真空度を測定する方法として、例えば特許文献5から特許文献7に記載されたものが知られている。
特許文献5の真空度測定装置では、測定対象内に真空度を算出する手段と、算出した真空度に対応する振動を発生する手段を測定対象に埋め込んでいる。
特許文献6の冷蔵庫では、例えば温度,熱流束を使用して、真空断熱材の劣化,破損を診断する手段を備えている。
特許文献7の包装体の減圧度検査装置および検査方法では、超音波センサを用いて、透過音圧から包装体の内圧を計測している。
また真空断熱材の使用はリサイクル,廃棄処理の面からも回収が必要であり、その方法として、例えば特許文献8から特許文献10に記載されたものが知られている。
特許文献8の冷蔵庫では、真空断熱材の埋設位置を冷蔵庫本体に表示している。
特許文献9の真空断熱材およびその解体回収方法では、冷蔵庫の外板面上に真空断熱材の装着位置を示すマーク表示をし、そのマークに沿って外板を切断して真空断熱材を取り出している。
特許文献10の保冷庫では、内箱と外箱との間に断熱材を充填した保冷庫において、壁体に対して真空断熱材を覆うカバーと入れ込む凹部を設け、真空断熱材を着脱可能にしている。
特開2003−335185号公報
特開2002−240740号公報
特表2001−500818号公報
特開2005−112108号公報
特開平10−239199号公報
特開2005−106350号公報
特開2004−12306号公報
特開2004−294038号公報
特開2005−69657号公報
特開2003−194447号公報
自動車、特に車室の断熱に真空断熱材を使用すると、車室内と外部との熱の出入りが減少するため、熱負荷が減りカーエアコンの動力削減が図れる。しかしながら、上記従来技術(特許文献1から特許文献4)においては、真空断熱材の具体的な脱着方法については、言明されていない。
自動車においては、製造時,車検や修理、またオプション機器の取り付けなどで、車室内の内装材を取り外し、車外壁と内装材との間の真空断熱材を脱着する作業が多く発生することが考えられる。また、自動車の廃棄時などにも部品のリサイクル率を上げるためにも、容易に真空断熱材を取り外せ、分別回収できることが必要である。
さらに、自動車の車室空間を形成する壁への使用だけでなく、他の自動車部品、例えば、エンジンルームのボンネット,バッテリ,エンジンからの排気ダクトに設けられている排気浄化用の触媒が入っている触媒容器およびメインマフラー,サブマフラーや排気ダクト、またエンジンへの吸気ダクトやスロットルボデー、排気還流装置(EGR),カーエアコンの蒸発器やブロアが収められているユニットおよび車内へ通じる送風ダクト、ウィンドウォッシャ液タンク,ブレーキオイルタンク,ガソリン,軽油およびその他の燃料タンク,ステアリングホイールやシフトレバーにカバーなどへの適用も多々考えられる。これらの部品は、各々材質や形状,メンテナンス方法や時期も異なり、また真空断熱材が使用される環境(例えば、温度)も異なり、それぞれに最適な脱着方法で真空断熱材が取り付けられる必要がある。
また、上記従来技術(特許文献1から特許文献4)においては、真空断熱材を自動車に使用する場合の自動車の構造体の曲面,凹凸形状に応じた真空断熱材の成型の配慮までは至っていない。
真空断熱材は、一般にガスバリヤフィルム内に芯材となるガラスウール、さらに水分やガス成分を吸着する吸着剤を封入し、真空引き後にガスバリヤフィルムの端部を熱溶着して製造されている。そのため、真空断熱材の脱着時には、真空断熱材を構成するガスバリヤフィルムに損傷を与えず、真空度を維持できる方法が必要である。
自動車の製造は、部品のモジュール化が進み、他の工場で部品モジュールを組立て、自動車組立て工場に納品される場合も多々ある。また同じ工場内でも、部品工場と本体組立て工場とは異なり、また製造ラインも異なるため、部品運搬時や組立て時に取り付けた真空断熱材に損傷が生じる可能性がある。また先に述べた車検や修理、またオプション機器の取り付け作業時にも、同様に真空断熱材に損傷が発生する可能性が予想される。
さらに、自動車では、乗車による人の動きによる荷重の作用する場所,荷重のかかり方(例えば、足が乗る部分,靴の踵等局所的に荷重のかかる部分)や荷物の出し入れ等により荷物の一部が真空断熱材に当たるなどの要因によっても、真空断熱材の損傷が生じる可能性がある。さらに、どんなに精密に製作しても、永年使用すると真空断熱材も経年劣化を生じることが考えられる(真空度が低下する)。
上記のように真空断熱材が損傷を受けた場合でも、容易に損傷の有無を判断でき、また経年劣化に対しても容易に判断できる手段が必要となる。この時、真空断熱材を取り付けた状態で、判定できれば最もよい。同時に、作業時や、乗車時に真空断熱材を損傷しないような保護方法も必要となる。
しかしながら、上記従来技術(特許文献5から特許文献10)においては、冷蔵庫のように他の断熱材に覆われた状態での真空断熱材の使用や、またリサイクルを考慮しない回収方法,真空断熱材単体の検査を前提としており、自動車に実際に使用した場合、前述の課題解決の視点までには至っていない。特許文献5に記載のように、真空断熱材の中に真空度算出手段を埋め込んだ場合、製品にするとその埋め込んだ位置が不明確になることが予想され、そのための対策までは考慮されていない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、生産性,取り扱い性,信頼性,機能性,検査性,メンテナンス性、さらにはリサイクル性の向上を図り、真空断熱材を搭載することによって、地球環境により一層やさしい自動車を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明では、バインダを用いずに圧縮されたグラスウールであって真空度に応じて厚さが変化する芯材と、該芯材をガスバリア性の金属層を含むラミネートフィルムで覆うとともに内部を減圧した真空断熱材と、該真空断熱材を覆う被覆材と、を備え、前記真空断熱材の側面に真空度を検出する歪ゲージであるセンサを備え、前記被覆材の表面に前記真空断熱材の製品情報として、少なくとも製造年月,製造番号又は材質の少なくとも1つ以上の情報が記録されたICタグ,RFIDチップ,バーコード、あるいは2次元コードのいずれかである記録部を有しており、この記録部の位置は前記センサの内蔵位置と合わせたことを特徴としており、真空断熱材の真空度検出を容易にするとともに、真空断熱材の製品管理、および真空断熱材の経年劣化等を判断できるようにしているため、利便性も向上させている。
また、真空断熱材の製品管理、および真空断熱材の経年劣化等を判断することができるようにしている。
また、真空断熱材を覆う被覆材は、容器材と蓋材とから構成され、真空断熱材を覆って、容器材と蓋材とを貼り合わせたものを使用して、真空断熱材を保護する手段を提供している。
さらに別の手段として、真空断熱材の真空度を検出するセンサは、芯材の厚さの変化を計ることによって、真空断熱材の真空度を検出するものを使用して、真空断熱材の信頼性を確保,維持する手段を提供している。
また、真空断熱材の信頼性を確保,維持する手段を提供している。
さらに別の手段として、真空断熱材を覆う被覆材に断熱性能を有する発泡材を用いたものを使用して、真空断熱材を保護し信頼性を確保,維持するとともに、断熱性能を高めている。
さらに別の手段として、被覆材の発泡材として、発泡スチロール,発泡ウレタン,AS発泡体,BS発泡体のいずれかを使用したものを使用して、軽量でかつ断熱性能の高い部材を用いて、真空断熱材を保護し、信頼性を確保,維持するとともに、断熱性能を高めている。
さらに別の手段として、被覆材に制振性能を有するゴムを用いたものを使用して、真空断熱材の多機能化を図っている。
さらに別の手段として、被覆材に用いる制振性能を有するゴムとしてブチルゴムを用いたものを使用して、真空断熱材の多機能化を図っている。
さらに別の手段として、被覆材に遮音性能を有する部材を用いたものを使用して真空断熱材の多機能化を図っている。
さらに別の手段として、被覆材に用いる遮音性能を有する部材として、グラスウールをバインダで結着した無機繊維成形体を用い、前記ラミネートフィルムの熱溶着部は該熱溶着部の耐熱温度以下である空間側に折り曲げて位置するように設置したものを使用して、真空断熱材を多機能化するとともに、真空断熱材の保護性を高めている。
さらに別の手段として、真空断熱材よりも高い強度を有する部材を用い、前記被覆材は、第一面と、該第一面よりも厚い第二面とを有し、前記第二面を荷重が加わる面に設置して強度を高めたものを使用して、真空断熱材の保護を促進し、信頼性を確保維持する手段を提供している。
さらに別の手段として、真空断熱材よりも高い柔軟性を有する部材を用いたものを使用して、真空断熱材の形状に係わらず、真空断熱材の取り付け性を高めている。
さらに別の手段として、真空断熱材の厚さを5mm以上としたものを使用して、真空断熱材の取り付け性を高めている。
さらに別の手段として、真空断熱材は板状であり、真空断熱材の一側の面を覆う被覆材と他側を覆う被覆材とをそれぞれ異なる材料を用いたものを使用して、真空断熱材の多機能化を図っている。
さらに別の手段として、真空断熱材は板状であり、被覆材は断熱体が配設される面の形状に沿った凹凸を表面に有したものを使用して、真空断熱材の成形を容易にするとともに、取り付け性を向上させている。
さらに別の手段として、真空断熱材は平板状,平板が折り曲げられた形状、あるいは表面に凹凸を有する形状であり、この真空断熱材を覆う被覆材は、真空断熱材と当接する領域における被覆材内表面が、平面又は、曲面及び複数の平面または曲面の稜線によって構成されてなり、この稜線を直角,鈍角、あるいは曲線として、被覆部材内表面内に鋭角部を設けないようにしたものを使用して、真空断熱材に局所的な応力が作用することを防ぎ、信頼性の確保,維持を図っている。
さらに別の手段として、真空断熱材の稜線を直角,鈍角あるいは曲線とし、真空断熱材表面に鋭角部を設けないようにしたものを使用して、真空断熱材に局所的に応力が作用することを防ぎ、信頼性の確保,維持を図っている。
さらに別の手段として、真空断熱材の一側の面は断熱性能を有する発泡断熱材で覆われ、他側の面は制振性能を有するゴム材で覆い、一側の面は熱源に向けて配設し、他側の面は振動源側に向けて配設するように使用して、真空断熱材の多機能化を図っている。
さらに別の手段として、一側の面は断熱性を有する発泡断熱材で覆われ、他側の面は遮音性能を有するゴム材で覆われ、一側の面は熱源側に向け配設し、他側は騒音源側に向けて配設するように使用して、真空断熱材の多機能化を図っている。
さらに別の手段として、真空断熱材の芯材として熱源の発熱温度よりも高い融点を有する部材を使用して、耐熱温度を高めている。
本発明によれば、生産性,取り扱い性,信頼性,機能性,検査性,メンテナンス性、あるいはリサイクル性を向上させ、真空断熱材を搭載することによって、地球環境により一層やさしい自動車を提供することができる。
本発明の実施の形態では、真空断熱材の性能の維持,管理を行うべく、外部からの応力の作用や衝撃から守るため、真空断熱材を被覆材で覆う構成とした。
また、真空断熱材の芯材としてバインダレスのグラスウールのように、内部の真空度に応じて厚さが変化する材料を用いた。そして、真空断熱材の真空度を検出するセンサを備え、真空断熱材の厚さを計測する構成とした。厚さの計測には歪ゲージなどを用いることができる。該構成によれば、真空断熱材の性能の定量的な管理が可能となり、真空断熱材の信頼性の向上にも寄与することができる。
また、真空度を検出するセンサからの信号を、被覆材または自動車の外郭(内装材を構成する部材など)の上から受信可能とした。したがって、真空断熱材の状態を把握するために被覆材や内装材を外す必要はなく、真空断熱材の品質管理を容易に行うことができる。
また、被覆材に、発泡スチロール,発泡ウレタン,AS発泡体,BS発泡体などの断熱性能を有する発泡材を用いることで、断熱体としての断熱性能の向上が図れるとともに真空断熱材を保護及び強度を補強することになり、真空断熱材の信頼性の向上を図ることができる。被覆材は、発泡材の溶液を真空断熱材の周囲に充填した後に発泡するようにすれば、被覆材と真空断熱材の密着性が良くなり、断熱性能及び材料強度のさらなる向上が図れる。
被覆材として、制振性能を有するゴム、例えばゴム材としてブチルゴム、を用いたり、遮音性能を有する部材、例えばグラスウールをバインダで結着した無機繊維成形体、を使用することで、一つの部材で、断熱効果以外の性能を持ち合わせることができ、多機能断熱体を提供することができる。
本実施形態で用いられる被覆材としては、真空断熱材よりも高い強度を有する部材を用いることが望ましい。このような被覆材を用いることで、真空断熱材本体を強固に保護するとともに、部材全体としても強度を向上させることができる。
また、被覆材としては、高い柔軟性を有する部材を用いても良い。このような部材を用いることで凹凸の有る面などへの取付性がよくなる。部材として、例えばゲル状の衝撃吸収材などを用いれば、耐衝撃性が高くなり、利便性だけではなく真空断熱材の信頼性向上をも図ることができる。
真空断熱材本体としては、厚さを5mm以上とすることが望ましい。このような真空断熱材を用いることで、被覆材を含め、高い断熱性能と高い材料強度を有する断熱体を提供することができる。したがって、取り付け箇所を選ばず、取り扱い性が向上する。
被覆材の一部が切り欠かれ、真空断熱材の一部が露出した構成とすることもできる。このときは、目視や触診によっても真空断熱材の状態を把握することができ、検査性や信頼性の向上が図れる。
また、板状の真空断熱材の一側の面と他側の面を覆う被覆材に、それぞれ異なる材料を用いることもできる。このとき、多様な真空断熱材の利用を図ることができる。例えば、真空断熱材自体は板状の形状とした場合でも、被覆材の形状を各面で異ならしめれば、配設場所の制限を小さくすることができる。断熱体が配設される部分の形状に沿った凹凸を被覆材の表面に有することによって、真空断熱材の成形の困難性は従来と同程度としながらも、配設面への取り付けの作業性を大きく向上することができる。
また、被覆材の内表面あるいは真空断熱材の形状としては、平面又は曲面、及び複数の平面又は曲線の稜線によって構成し、稜線を直角,鈍角あるいは曲線として、鋭角部を設けないようにすることが有効である。このような形状にすることによって、真空断熱材に局所的な応力が作用することを抑制することができ、真空断熱材が傷つかないように保護することができる。
被覆材としては、様々なバリエーションが可能である。例えば、真空断熱材の一側の面を覆う被覆材に断熱性を有する発泡断熱材を用い、他側の面には制振性能を有するゴム材を用いることもできる。この場合、前記の一側の面を熱源側に向け、他側の面を振動源側に向けて配設することで、断熱と制振の両機能を一つの部材で発揮することができる。遮音性能を有するゴム材を用いることもでき、これらを組合わせて多様な場面での利用を促進できる。
真空断熱材の芯材としては、耐熱性を確保して真空断熱材の信頼性を高めるため、断熱対象となる熱源の発熱温度よりも高い融点を有する部材を用いる。
真空断熱材の配設場所によっては、温度の高い側と低い側との条件の差によって熱応力が発生し、真空断熱材が湾曲してしまう場合が想定されるので、予め表面温度が高くなる側に凹形状となるように真空断熱材を湾曲させて配設する。このとき、熱応力を緩和でき、断熱性能の維持とともに信頼性の向上も図れる。
また、製品管理のためには、断熱体の表面に、内部の真空断熱材の製品情報を記録した記録部を備えることが有効である。この記録部には、少なくとも製造年月,製造番号または材質の少なくとも1つ以上の情報を記録しておく。そして、記録部の位置を真空度検出センサの内蔵位置と合わせておくことで、断熱体の上側でも真空度検出センサの内蔵位置を特定することができる。
記録部としては、ICタグ,RFIDチップ,バーコード、あるいは2次元コードのいずれかを用いることができ、バーコードリーダなどのリーダを用いることで製品情報を容易に取り出すことができる。
信頼性をさらに高める具体的な構造としては、真空断熱材に加わる力の低減を図ることも効果的である。芯材がガスバリヤ性を有する外装膜で覆われて成形された成形体と、この成形体を外側から着脱可能に覆う被覆材を備えたものにあっては、応力を分散させることで、内部の真空断熱材にかかる荷重を低減させる構造を採用する。例えば、被覆材は成形体よりも上側の最上面及び成形体より下側の最下面がほぼ水平面であり、被覆材に成形体が覆われた状態で、成形体の水平面への投影面が水平面の外周よりも内側に収めされてるようにする。該構成とすることで、断熱体にかかる荷重の一部が真空断熱材を逃げて通過するため、真空断熱材に全ての力が作用するのを防ぐことができる。
すなわち、水平面から受けた荷重の一部を成形体の水平面への投影面よりも外側から、下側の最下面へと逃されるようにして、真空断熱材を保護している。また成形体を上側から覆う被覆材と成形体との間に隙間を有する構成とすれば、真空断熱材の成形体への着脱を容易にするとともに、成形体に作用している応力が真空断熱材に及ぶのを遮断することができる。
上記の真空断熱材を用いた断熱体を自動車に使用すれば、自動車の車内空間を構成する面、例えば、主として天井面,床面又は窓ガラスの車内空間側に断熱体が配設されることによって、車室空間の熱負荷に最も影響を及ぼす箇所の熱の出入を遮断して、効果的に熱負荷の低減を図ることができる。
そのため、例えば、炎天下に駐車していた車の車内温度上昇を低減できたり、冬場の屋外駐車時における車内温度の低下を抑制することができ、自動車用空調装置の熱負荷を低減できるため、結果的にエンジン負荷を削減し、燃費の向上,排気ガスのさらなる浄化,地球温暖化ガスの排出量削減が可能となる。
またエンジンルームのボンネットに使用することで、冬場のエンジンの暖機が早くできる。またバッテリに使用することで、冬場の低温時のバッテリ能力の低下を抑制し、さらに外気の影響を最小にするため、適切な冷却を行うことで、バッテリの温度特性を最適な状態に制御することが可能である。
またエンジンからの排気ダクトに設けられている排気浄化用の触媒が入っている触媒容器に使用することで、エンジンの排気温度が低い状態、即ち触媒が温まっていない状態を短い時間にすることができ、さらに排気浄化を促進できる。
またメインマフラー,サブマフラー,排気ダクトに使用することで、エンジンの排気ガス温度を高い状態に保ち、排熱回収を可能とすることもできる。
またエンジンへの吸気ダクトやスロットルボデー,排気還流装置(EGR)へ使用することで、吸入空気の冷却を抑制し、エンジン効率を向上できる。またカーエアコンの蒸発器,ヒータやブロアが収められているユニットおよび車内へ通じる送風ダクトに真空断熱材を使用することにより、エアコンユニットでの熱損失を抑制でき、カーエアコンの動力低減が図れる。
ウィンドウォッシャ液タンク,ブレーキオイルタンク,ガソリン,ディーゼルなどの燃料タンクに使用することで、流体の物性、特に粘性を適正に保つことができる。
またステアリングホイールやシフトレバーのカバーに使用すれば、例えば、夏場の炎天下に駐車していた場合にステアリングホイールやシフトレバーが非常に過熱することを防ぐことができ、カバーを外せばすぐに運転することが可能となる。
このように、自動車部品の熱制御が可能となり、機器を最適な温度状態で使用することができる。
また、空調装置と、この空調装置と車内空間とを連通して空調装置から冷気または暖気を車内空間へと導く空気通路を備えたものに用いることもできる。例えば、空気通路の周囲を被覆材によって覆われた真空断熱材で囲むとともに、被覆材が空気通路のない壁面の一部を構成するようにすれば、断熱材の他に構造材としての機能を併せ持つことができる。このとき、被覆材に発泡材からなる断熱部材を用いれば、この断熱部材の断熱作用によって、空気通路を流れる空気による真空断熱材表面の結露を防止できる。
また、真空断熱材が被覆材で覆われる構造の断熱体となっているために、自動車使用において、荷物の積み下ろし、乗客の乗り降り、さらに車検などのメンテナンス作業,自動車の製造工程においても真空断熱材の性能が損なわれること無く、維持管理することができる。
また自動車の構造体に合わせて真空断熱材の成型が容易にできるので、真空断熱材の脱着がさらに容易できるようになり、また作業中の保管スペースも省スペースで済み、作業性や使い勝手が向上する。
また、デッドスペースを減らすことができ、断熱性能が向上するのみならず、取り付け厚さを薄くすることも可能である。また熱の侵入方向に重なって複数個設けられるようになっているため、場所,用途に応じて、真空断熱材の厚さを可変とすることが可能であり、熱の侵入を強固に遮断することができる。
また、断熱機能の他に制振機能,遮音機能を併せ持った多機能材として使用できるので、部品点数が削減でき、取り付け工数も減る。さらに、窓ガラスに車内空間側に配設する断熱体を移動させる手段と、自動車に作用する衝撃を感知する衝撃センサを有し、衝撃センサからの信号に応じて、断熱体が窓ガラスを覆うようにすることで、断熱材の効果だけでなく、乗客を衝撃から守る衝撃緩衝材としての効果も有する。
真空断熱材の周囲には被覆材の断熱体を設け、さらに真空度検出センサを設置しているため、自動車や自動車部品の製造時,メンテナンス時等に、真空断熱材に損傷を与えずに容易に脱着可能とでき、また自動車や、部品に取り付けた状態でも真空断熱材の真空度や真空度の経年劣化などの製品品質を判定できる。
さらに製造時,メンテナンス時、また自動車を使用時においても真空断熱材を損傷させない保護手段を施した真空断熱材を使用しているため、長期にわたり、同じ真空断熱材を使用することができる。
また、芯材がガスバリア性を有する外装膜で覆われた真空断熱材と、この真空断熱材を覆う被覆材と、被覆材内に設けられた真空度検出センサを有する断熱体を着脱可能に設け、真空断熱材の真空度を検出して、真空度の劣化を検出するとガスバリア性を有する外装膜で芯材を重ねて覆い、外装膜の内部を減圧して再び断熱体として再生できるため、メンテナンス性がよくなり、産業廃棄物の排出量が削減できる。また、診断機器を用いて外部から、真空断熱材の真空度と製品情報を検出できるため、部品交換の要否を容易に判断することが可能となり、メンテナンス性は格段に向上する。
また、真空断熱材を内蔵した断熱体を自動車本体に取り付ける際に、例えば、面ファスナー,磁石,フック,吸盤,バンド,両面接着剤など適材適所に取り付け方法を選択できるようにすれば、断熱体を容易に脱着ができる構造となり、廃車時や部品換時の部品の材料分別が容易となる。さらに真空断熱材の単体はもとより、取り付けた状態においても品質判定ができるため、不良の場合は再加工を施し、再使用することも可能となる。
また真空断熱材が、被覆材に覆われて断熱体を形成しているため、運搬時,保管時に真空断熱材を傷つけることなく作業を行うことができ、また断熱体の積み重ね保管も可能なため、保管場所も最小限ですみ、運搬時もフォークリフトやトラックなどで、複数個同時に運搬することが可能である。
上記の内容をまとめると、カーエアコンなどの補機動力削減や、エンジン効率向上により、CO2 排出量が減り地球温暖化の抑制が図られる。また、触媒の暖機など触媒性能の急速立上げにより、窒素酸化物などの排出量がさらに減り、大気汚染防止が促進させる。また自動車部品の分別によりリサイクル性を向上でき、同時に廃棄物量の削減も行われる。
また自動車を使用するユーザーの視点からは、車室内空間の快適性が向上し、運転への注意も促進され、燃料費の削減効果も得られる。
さらに自動車を製造,整備するユーザーの視点からは、地球環境にとって、さらにやさしい自動車を提供することができるようになり、真空断熱材の取り扱いに最小限度の注意でよく、作業時の保管スペースの少なく、取付作業も容易なため、増加作業量を少なく抑えることができる。
これらの結果、地球環境により一層やさしい自動車を提供することができる。以下、上記の実施形態及び参考例のさらなる例を図1から図56を参照しながら説明する。
(参考例1)
本参考例で使用する真空断熱材の基本構造を図39に示す。真空断熱材は外装膜(ガスバリアフィルム)140に芯材141と水分やガス成分を吸着する吸着剤142を封入し、真空引き後に外装膜140の端部143を熱溶着する。芯材141としては、ガラスウールが適当である。またガラスウールをバインダで固めたものを芯材としても良い。また、真空引き時に水分を完全に除去することができるならば、吸着剤は封入しなくてもよい。
本発明の一参考例を図1から図2を用いて説明する。
図1は車体1の側面側から見た図であり、図2は正面側から見た図である、これらの図において、断熱体2a〜2iを車室内空間3を形成する壁面の内側、天井面7(断熱体2a),床面9(断熱体2c,2d,2e),背面8(断熱体2b),エンジンルーム4と車室との隔壁面6(断熱体2f),側面10(断熱体2h,2i)に各々配置している。また、エンジンルーム4のボンネット5内側にも断熱体2gを配置している。
本発明の請求項2に対応する一実施例を図3を用いて説明する。
図3は、芯材13をガスバリヤフィルム12で覆い、真空引きをした真空断熱材11を、被覆材14と被覆材15でさらに覆い、断熱体を形成している。このことにより、真空断熱材11が外界からの衝撃等から保護され、傷つくことなく真空度を保つことができる。本実施例では、被覆材15は凹型容器になっており、この中に真空断熱材11を収め、凸型の蓋が閉められている。真空断熱材を取り付ける際にも、直接取り付け面には被覆材が接触するため、中の真空断熱材11は保護される。
本発明の請求項1及び請求項3に対応する一実施例を図4を用いて説明する。
図4は、真空断熱材の側面18に真空度検出センサ16を取り付けた場合である。真空断熱材の芯材にバインダが使用されていない場合、真空度が劣化すると、真空断熱材の体積が膨張する。この特性を利用して、側面18に真空度検出センサ16を取り付け、例えばセンサとして歪みゲージを使用して真空断熱材の厚さの変化を検出すればよい。真空断熱材の側面18に真空度検出センサ16があると、真空断熱材を取り付けた状態では真空度検出センサ16の位置が分からないので、予め真空断熱材表面17にセンサ位置表示19を行うことが必要である。この表示方法は、位置が認識できるものであれば、特に限られるものではない。
本発明の請求項1に対応する一実施例を図5から図9を用いて説明する。
図5は、真空断熱材の側面に真空度検出センサ16が取り付けられている。真空度検出センサは、大別して発電回路20,信号処理回路21,発信回路22から構成される。例えば発電回路20には、振動発電回路や電池がある。また発信回路22にはスピーカーや、振動発生機がある。信号処理回路21には真空断熱材の中の真空度を検出センサとセンサからの信号を処理し、発信回路から真空度に応じた信号を発生させる機能がある。
例えば、真空断熱材の真空度を検査したい場合、検査者は加振器23を用いて真空度検出センサ16に振動等の信号24を与える。真空度検出センサ16内の振動発電を用いた発電回路20で必要な電力が作られる。この電力を用いて信号処理回路内のセンサが真空度を検出し、その真空度に応じた音等の信号25を発信回路22から発信する。この音によって検査者は、真空断熱材の真空度が適切であるか判断することができる。
また真空度を検知する手段としては、例えば真空断熱材の側面に歪みセンサを取り付け、その出力として捉える方法がある。また、別な方法としては、外装膜を加熱し熱の伝わりをセンサが検出する方法もある。
これらの方法によれば、真空断熱材の真空度を断熱体の外部から検査することができるため、真空断熱材の用途が大幅に拡大され、幅広い分野で真空断熱材の使用を促進することができる。
図6は、本発明の実施例に係る無線ネットワークの接続構成図である。図6に示すように、無線ネットワークは、センサにより外部からデータを入力し、その入力したデータを基地局端末27に送信するセンサネット端末(真空度検出センサ)26,センサネット端末26から受信したデータやその他の情報をネットワークに送信する基地局端末27,ネットワークを介して基地局端末27からデータを受信するシステム制御装置28、及び、ネットワークから構成される。
なお、センサネット端末26とは、図5に示したような真空度検出センサ16が該当する。システム制御装置28が受信したデータは、制御情報DB29に格納される。ここで、基地局端末27がネットワークに送信するデータとしては、各センサネット端末から送付される無線パケットに含まれるセンサ測定値,センサ測定時刻,センサネット端末の識別情報、及び無線パケットの受信時刻,無線パケットを受信した基地局端末の識別情報がある。
図7は、本発明の実施例に係るセンサネット端末のブロック構成及び外観イメージを示す図である。図7(a)に示すように、センサネット端末40は、その中枢機能を実現するLSI(Large Scale Integrated Circuit、大規模集積回路)41,基地局端末27(図6等参照)とのデータの送受信を行うアンテナ42,外部からデータを入力するセンサ30、及び、電源31から構成される。
電源31には1次電池,充電可能な2次電池、及び発電素子(太陽光発電素子,振動発電素子,マイクロ波発電素子等)と発電エネルギを蓄えるコンデンサあるいは2次電池、あるいはこれら電池の組合わせである。
LSI41は、アンテナ42に接続され、基地局端末27とのデータの送受信を制御する無線送受信回路38,LSI41の全体制御を行うCPU(Central Processing Unit)であるコントローラ回路36,センサネット端末40の識別情報を記録する不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ)である識別情報記録回路34,センサ30から入力したデータをA/D(Analog/Digital)変換するA/D変換回路32,プログラムを記録するROM(Read Only Memory)であるプログラムメモリ39,プログラムを実行するときのワーク用RAM(Random Access Memory)である作業用メモリ37,一定間隔の信号(クロック信号)を発生させるタイマ回路35、及び、電源31から供給される電力を一定の電圧に調整すると共に、電力不要のときに電源を切断し、消費電力を抑制する制御を行う電源制御回路33から構成される。
LSI41は、1チップに限定されるものではなく、複数チップを搭載したボード又はMCP(Multi Chip Package)であってもよい。
また、図7(b)に示すように、センサネット端末40の外観は、アンテナ42,センサネット端末40本体及びセンサ30に分かれており、センサネット端末40本体上にLSI41と電源31とが設けられている。
識別情報記録回路34に記録される識別情報としては、センサネット端末間で一意の識別番号の他、センサネット端末が添付される対象物の識別情報やその属性があげられる。
図8は、本発明の実施例に係る基地局端末のブロック構成及び外観イメージを示す図である。図8(a)に示すように、基地局端末52は、LSI53,センサネット端末40とのデータの送受信を行うアンテナ54,ネットワークに接続するネットワーク接続機器43、及び、電源44から構成される。
LSI53は、アンテナ54に接続され、センサネット端末40とのデータの送受信を制御する無線送受信回路55,コントローラ回路49,センサネット端末40の位置測定に関する情報(具体的には、無線パケットの送受信時刻や無線の電界強度)及びコイルの識別情報を記録する不揮発メモリ(例えば、フラッシュメモリ)である位置及び識別情報記録回路47,ネットワークプロトコルに則ってネットワークとのデータの送受信を制御するネットワークインタフェース制御回路45,プログラムメモリ51,作業用メモリ50,タイマ回路48、及び、電源制御回路46から構成される。
また、図8(b)に示すように、基地局端末52の外観は、アンテナ54,基地局端末52本体及びネットワーク接続機器43に分かれており、基地局端末52本体上にLSI53と電源44とが設けられている。
図9は、本発明の実施例に係わるセンサネット端末のブロック構成及び外観イメージを示す図であり、図7と異なる例を示している。図9(a)に示すように、センサネット端末57は、その中枢機能を実現するLSI56,外部へデータの発信を行う音発生器59,外部からデータを入力するセンサ30、及び、電源31から構成される。
電源31には1次電池,充電可能な2次電池、及び発電素子(太陽光発電素子,振動発電素子,マイクロ波発電素子等)と発電エネルギを蓄えるコンデンサあるいは2次電池、あるいはこれら電池の組合わせである。LSI56は、音発生器59に接続され、音生成回路58,LSI56の全体制御を行うCPUであるコントローラ回路36,センサネット端末57の識別情報を記録する不揮発性メモリである識別情報記録回路34,センサ30から入力したデータをA/D変換するA/D変換回路32,プログラムを記録するROMであるプログラムメモリ39,プログラムを実行するときのワーク用RAMである作業用メモリ37,一定間隔の信号(クロック信号)を発生させるタイマ回路35、及び、電源31から供給される電力を一定の電圧に調整すると共に、電力不要のときに電源を切断し、消費電力を抑制する制御を行う電源制御回路33から構成される。LSI56は、1チップに限定されるものではなく、複数チップを搭載したボード又はMCPであってもよい。
また、図9(b)に示すように、センサネット端末57の外観は、音発生器59,センサネット端末57本体及びセンサ30に分かれており、センサネット端末57本体上にLSI56と電源31とが設けられている。
なお、以上の説明においては、センサネット端末40と共通する部分(同一の名称)の詳細説明を割愛した。
本発明の請求項4及び請求項5に対応する一実施例を図10と図11を用いて説明する。
図10は、前述の図3で示した断熱体の被覆材として、発泡材60a,60bを使用している。発泡材としては、発泡スチロール,発泡ウレタン,AS発泡体,BS発泡体などを用いることが望ましい。
図11は、真空断熱材11の周囲に形成する被覆材の作製方法の一例である。型材64a,64b内に真空断熱材11を入れ、型材と真空断熱材の隙間に発泡材の溶液を溶液入口62により注ぎ込み、空気抜き63から内部の空気を抜き、気泡ができないように、発泡材溶液61を充填する。その後発泡材は発泡し、真空断熱材11を覆う被覆材が形成される。
本発明の請求項6及び請求項7に対応する一実施例を図12と図13を用いて説明する。
図12は前述の図3で示した断熱体の被覆材として、制振性能を有するゴム65a,65bを用いたものである。制振性能を有するゴム材としては、ブチルゴムが望ましい。
図13は前述の図3で示した断熱体の被覆材として、遮音性能を有する部材66a,66bを用いたものである。遮音性能を有する部材としては、グラスウールをバインダで結着した無機繊維成形体を用いることが望ましい。
本発明の請求項10及び請求項11に対応する一実施例を図14から図16を用いて説明する。
図14は前述の図3で示した断熱体の被覆材として、真空断熱材よりも強度の高い部材67a,67bを用いたものである。真空断熱材よりも強度の高い部材として、硬化プラスチック,セラミック,FRP,硬質ゴムなどが有る。金属部材でもよいが、この部材がヒートブリッジとなり、熱伝導で熱が伝わるため、真空断熱材の特性を活かしきれないので、熱伝導性が低いものが良い。
図15の断熱体は、真空断熱材11を包む被覆材の厚さが厚い面68と薄い面69があるようにしている。厚さはt1>t2の関係にある。例えば、通常の断熱体の被覆材の厚さをt2とした場合、荷重がかかったり、物がぶつかる可能性のある面に使用する場合、断熱体の被覆材の厚さをt1とし、被覆材の強度を高める。
例えば自動車では、床面などに使用する場合、運転者の足はアクセルペダル,ブレーキペダルなどの上にあるため、床面上には靴のかかとがついている。そのため、靴のかかとの角により断熱体の被覆材に応力集中が作用し、被覆材が破け、中の真空断熱材が傷つき、真空が保たれなくなり断熱性能が劣化する可能性が考えられる。
しかし、靴のかかとが当たる方の被覆材を厚くし、強度を強くしておけば、真空断熱材を保護することができる。強度向上のためには両面とも厚さを厚くすることが望ましいが、コストの増加や重量増加,厚さ増などの弊害もあるため、最小限度に留める事が望ましい。また、被覆材自体は、真空断熱材と比較して断熱性能で劣るため、熱伝導性の低い材質のものを使用することで断熱性能の向上が可能である。
図16は、前述の図3で示した断熱体の被覆材として、真空断熱材よりも高い柔軟性を有する部材70a,70bを用いたものである。真空断熱材よりも高い柔軟性を有する部材として、軟化プラスチック,軟質ゴム,ゲル状材料(衝撃吸収剤),スポンジなどが有る。高い柔軟性を被覆材が有することは、中の真空断熱材を衝撃から守ること以外に、取り付け箇所への形状変化による対応など、作業性も向上できる。
本発明の請求項12に対応する一実施例を図17を用いて説明する。
図17は、前述の図3で示した断熱体の真空断熱材11の厚さt3として、5mm以上のものを使用している。これは、真空断熱材の断熱性能をより確実に確保するためであり、薄くなるほど、断熱性能は劣る。そのため、真空断熱材の強度、および断熱性能の観点から厚さは5mm以上のものが望ましい。
(参考例2)
本発明の参考例2を図18を用いて説明する。
図18は、前述の図3で示した断熱体の被覆材の一部を切り欠いて、真空断熱材11を一部露出させたものである。切り欠き部71が有ることで、真空断熱材に傷や、ピンホールが開き、真空度が劣化した場合、この切り欠き部の真空断熱材が盛り上がり、目視、または触診で、真空断熱材11の真空度の劣化を判断することができる。
本発明の請求項13に対応する一実施例を図19を用いて説明する。
図19は、前述の図3で示した断熱体の被覆材において、一側を覆う蓋部分72の材質と、他側を覆う容器部分73の材質を異にしたものである。これによって、断熱材の使用される箇所に応じ、被覆材を材質を適切に選択することで、真空断熱材11が保護される。
本発明の請求項14に対応する一実施例を図20から図22を用いて説明する。
図20は、前述の図3で示した断熱体の被覆材において、断熱体が配設される箇所の形状に応じて、被覆材15の形状を加工した物である。本実施例では、被覆材15には凹部74,凸部75がある。この実施例の特徴は、被覆材の形状を取り付け箇所の形状に合わせるため、内蔵されている真空断熱材11は板材でよいことである。そのため、真空断熱材の曲げ加工などが不要となる。
図21の断熱体は、芯材13が厚さt4の部分と厚さt5の部分を有し、厚さはt4>t5の関係にある。本実施例のように芯材13の厚さに薄い部分があると、真空断熱材を曲げやすく、例えば、車体の曲面部分にもフィットさせて真空断熱材を取り付けることができる。
また芯材13の薄い部分は、芯材の量も少ないため、断熱性が厚い部分よりも劣る。しかしながら、真空断熱材の薄い部分の幅W1を曲げ量に応じて設定することで、薄い部分の両端にある厚い部分が曲げにより合わさり、薄い部分の隙間を埋め、断熱特性を補うことができる。厚さt5の最小厚さは芯材13の芯材に使用するガラスウール繊維1本分の厚さに、外装膜(ガスバリアフィルム)の2枚分の厚さを加えたものであり、厚さt4は最低5mm程度が少なくとも望ましい。
図22の断熱体は、芯材13の有る部分と無い部分Aがある。芯材の無い部分Aは外装膜76接着している。本実施例のように、芯材13の無い部分を作ることで、断熱体を不連続にすることで、鋭角な曲がり面などにもフィットできるようになり、断熱体を取り付けについて自由度が増す。また車体形状に合わせて成型する必要がなくなり、現場で合わせることが可能となる。
従って、車種が変わるごとに断熱体の成形型を作らなくても、取り付けることができるようになる。真空断熱材の無い部分Aでは断熱性能は非常に劣るが、その幅W2を曲げ量に応じて設定することで、真空断熱材の無い部分Aの両端にある真空断熱材のある部分が曲げにより合わさり、真空断熱材の無い部分Aの隙間を埋め、断熱特性を補うことができる。
本発明の請求項15及び請求項16に対応する一実施例を図23を用いて説明する。
図23は、真空断熱材11と被覆材77,被覆材78の形状について示したものである。真空断熱材11は平板状,平板が折り曲げられた形状、あるいは表面に凹凸を有する形状とするが、真空断熱材11の稜線は、直角,鈍角あるいは曲線とし、真空断熱材11の表面には鋭角部を設けない。図23では、角はすべて鈍角となっている。
一方、被覆材は、真空断熱材と接する領域の内表面は、平面又は曲面、及び複数の平面又は曲面の稜線により構成し、稜線に直角鈍角あるいは曲線として、被覆材内表面には鋭角部を設けないようにしている。図23では被覆材77,78の稜線は曲線としている。これは、被覆材に鋭角部が存在すると、その部分が真空断熱材に当たり、ガスバリヤ性フィルムを損傷し、真空度の劣化を招くことを回避するためである。
本発明の請求項8に対応する一実施例を図24を用いて説明する。
図24では、天井面7に断熱機能と遮音機能を有する多機能断熱体79,エンジンルームと車室との隔壁6には断熱機能と制振機能を有する多機能断熱体80を使用している。
断熱体79は一側の面は断熱性能を有する発泡断熱材で覆われ、他側の面は遮音性能を有するゴム材で覆われ、遮音性能を有する面は自動車の騒音源側(本実施例では車外)、断熱性能を有する面は自動車の熱源側(本実施例では車内)に向けて配設している。また断熱体80は一側の面は断熱性能を有する発泡断熱材で覆われ、他側の面は制振性能を有するゴム材で覆われ、制振性能を有する面は自動車の振動源側(本実施例ではエンジンルーム)、断熱性能を有する面は自動車の熱源側(本実施例では車内)に向けて配設している。
(参考例3)
本発明の参考例3を図25から図28を用いて説明する。
また図25は図2の側面側を詳細にした図であり、車室内空間3を形成するサイドガラス81の内側にも断熱体2jを配置している。さらに図26は図1の前部を詳細にした図であり、車室内空間3を形成するフロントガラス82の内側に断熱体2kを、また図27,図28は図1の後部を詳細にした図であり、車室内空間3を形成するリアガラス84の内側に断熱体2mを各々配置している。
このように車室内空間3を断熱体で囲むことにより、車室外からの熱の侵入を遮断し、また車室外への熱の漏洩も遮断することができる。具体的には、例えば夏場の炎天下、車を駐車しておくと太陽からの日射により、車室内空間3の空気(以下、車室内空気)が温められ、高温度になることが知られている。
しかしながら、本参考例のように車室内空間3を囲む面を真空断熱材で覆うことで、日射による熱の侵入を遮断でき、車室内空間3の温度上昇を抑えることができる。これによって、カーエアコンで冷やすべき車室内空気温度が低いため、冷房負荷が小さく、省エネとなり、カーエアコンを駆動させるための動力を削減できる。これは、駐車中に限らず走行中にも同様に効果がある。
近年の車では、IR(赤外線)カットガラスの採用により、太陽の赤外線透過を抑えている。しかしながら、IR(赤外線)カットガラス内にある赤外線カット剤で赤外線が吸収されているため、ガラス面の温度は上昇している。この熱が車室内空間に輻射熱として伝わり、あるいは放熱し、車室内空気を加熱することになる。従って、本参考例のようにガラス面の内側にも真空断熱材を配置することが望ましい。該構成によれば、車室内の温度上昇を低減させる。
しかし、ガラス面への断熱体の適用は、断熱体が不透明な物質であることから、駐車中にしか使用することはできない。そのため、走行中には、図25のサイドガラス内側の断熱体2jは下げられるようにする必要がある。またフロントガラスやリアガラスでは、図26に示すように、例えば断熱体2kを折りたたみ式とし、駐車中のみ断熱体をガラス面に拡げられるように工夫が必要である。
さらにリアガラスにおいては、図27,図28に示すように、例えば断熱体2mがブラインドのように開閉できるようになっていれば、走行中は開けて後方視界を確保し、上方からの日射光は断熱体表面で反射させ、駐車中は閉じて日射を遮るようにできる。
これら断熱体を車室内空間3の周囲に設けることは、夏場だけでなく冬場にもその効果を発揮する。冬場は夏場とは逆に外気の方が車室内空気よりも温度が低いため、車室内をカーエアコンのヒーターで暖めても、熱が外部に逃げてしまう。
しかし、真空断熱材で車室内空間3を囲むように配置することで、熱漏洩を最小限に抑えることができ、暖房負荷が小さくなるので、省エネとなり、カーエアコンを駆動させるための動力を削減できる。またエンジンとモータのハイブリッド車では暖房に使用するエンジン排熱を得るために、エンジンを稼動させる回数も最小とでき、省燃費となる。
また駐車中などヒータを切った状態でも、車室内空間3が真空断熱材で保温されているため、温度の降下率が抑制され、暖かさが持続する。
また、エンジンルーム4と車室内空間3との間の隔壁6にも断熱体2fを配置することで、エンジンルームからの熱の侵入を防いでいる。さらにボンネット5の内側にも断熱体2gを配置することで、夏場は日射によるエンジンルーム内空気温度の上昇を抑え、また冬場にはエンジンルーム内空気温度の低下を抑制できる。
本発明の請求項9に対応する一実施例を図29から図31を用いて説明する。
図29は前述の図3の断熱材において、真空断熱材11の芯材85が使用される箇所の雰囲気温度よりも高い融点を持つ芯材を使用している。自動車の車体に使用する場合では、芯材にはグラスウールが適当である。
図30の真空断熱材は、熱溶着部の折り曲げ部86の折り曲げ方向を規定しているものである。折り曲げ部86全体が真空断熱材のどちらかの面側にくるように成形している。
図31は、図30の真空断熱材87を自動車に用いた図である。このように折り曲げ部86が車室内空間3,エンジンルーム4の側に来るように配置している。これは、例えば夏場など太陽の日射が強い時に、駐車しておくと、車体は加熱され、非常な高温になる。そのため車体に真空断熱材が接していた場合、真空断熱材を形成している熱溶着部の耐熱温度以上になり、溶着がはがれる場合が考えられる。
しかし、本実施例の真空断熱材および真空断熱材の配置によれば、温度が熱溶着部の耐熱温度以下である車室内空間3やエンジンルーム4側に熱溶着部の折り曲げ部86が位置しているので、熱溶着部が保護され真空断熱材の信頼性は維持することができる。このため、真空断熱材の適用範囲が広がる。
(参考例4)
本発明の参考例4を図32を用いて説明する。
図32は断熱体をドアについているサイドガラスの内側に使用した場合である。断熱体2jもサイドガラス81のガラス上下開閉機構91と同様に上下に動かす断熱体上下開閉機構92が備わっている。断熱体上下開閉機構92もモータ93駆動によるピニオン94とラック95の組合わせ、またラック95がついているアーム97がガイドレール96を移動することで上下開閉機構が構成されている。また、断熱体上下開閉機構92はECU89に接続しており、状態管理されている。
車体には衝撃センサ90が取り付けられ、例えば衝突時の衝撃を検出して、断熱体上下機構92を作動させ、サイドガラス81の内側(室内側)を覆い、搭乗者を保護する。断熱体2jがクッション材となり、搭乗者の頭部などを守ることができる。
断熱体2jは透明ではないので、走行中は使用することができない。そのため、走行中ははずす必要があり、断熱体上下機構92による制御が必要となる。また、サイドガラスの開閉とも連動しておく必要があり、例えば窓ガラスが開いているときは断熱体も開になるように制御する必要があり、このためにECU89による一括管理が望ましい。
一例としては、エンジンが始動すると断熱体が自動的に開となる、あるいは、サイドガラスが閉状態でエンジンが停止すると断熱体が自動的に閉状態となる、と言った制御,管理が可能である。
(参考例5)
本発明の参考例5を図33から図39を用いて説明する。
図33は断熱体を適用した自動車部品の配置を示している。この図では、断熱体を、例えば補助バッテリ104,エンジンへの吸気ダクト106,スロットルボデー107,ウィンドウォッシャタンク108,ブレーキオイルタンク109,EGR110,エンジンからの排気が流れる排気ダクト113の途中にある触媒111やメインマフラー117,サブマフラー116,排気ダクト113、また燃料タンク115,燃料ポンプ114,駆動バッテリ119,インバータ/コンバータ120やECU123などの電気/電子回路ユニットに設けている。図中の各部品を囲む斜線部分は断熱体を表している。
補助バッテリ105や駆動バッテリ119は各々自動車の補機系統のバッテリと駆動モータ用のバッテリであり、常時充放電を繰り返している。バッテリは充放電時において、吸熱反応と発熱反応しているが、その性能は周囲温度に大きく影響される。周囲温度は高くても低くてもバッテリにとっては良くない。
従って、バッテリを断熱体で覆うことは、バッテリ内部で発熱した熱が外部に逃げないため、バッテリ温度が高くなりよくないが、逆に周囲環境から遮断できるので、適切な冷却装置(105,118)を搭載すれば、最適な温度状態を維持することができるため、バッテリの効率向上が望める。冷却装置105,118としては空冷式が簡単である。
インバータ/コンバータ120およびECU123は、電気/電子回路ユニットであるため、ここからは発熱のみであり、温度が上がると基板上の素子が破損したりする。
これらにおいてもあえて断熱体で覆うことで、外部環境から遮断し、適切な冷却装置(121,122)を設けることで、より精密な温度管理ができるようになり、電気/電子回路ユニットの信頼性向上が図れる。ここでは精密な温度管理の冷却装置として水冷式のものが望ましい。
また、自動車用燃料も現在はガソリン,軽油が主であるが、今後LNG(液化天然ガス)や、ジメチルエーテル(DME),メタノールなどの燃料の多様化も考えられる。各々の燃料においても、最適な性状で効率よく搭載できるように温度管理が必要となることも予想され、そのために燃料タンク115や燃料ポンプ114など断熱体で覆う効果がある。
燃料電池車になると燃料タンク115には、水素,ガソリン,メタノール等々多様な媒質が考えられ、また図33中のエンジン101とジェネレータ102が燃料電池ユニット193に置き換わる。
ここで燃料電池ユニット193とは、燃料から水素を取り出す改質器や、燃料電池本体や関連補機類の総称を示している。
エンジン101の給排気系では、吸気ダクト106およびスロットルボデー107を断熱体で覆っている。現状の車では、冬場などの外気温度が低い時に、エンジン101の暖機を速めるために、エンジン排熱をスロットルボデーに流し、吸入空気を加熱している。そのため、これらの部分を断熱体で覆うことにより、排熱利用による吸気の暖機を加速させ、エンジンの立ち上がりをよくできる。
このため、触媒温度が低い時間を短縮できるので、窒素酸化物(NOx)を低減でき、大気汚染を抑制できる。また、吸気温度を上げられるため、必要な動力を得るための燃料噴射量も削減でき、燃料消費率もより改善できる。
またエンジン101の排気の一部を吸気に戻し、排気中の窒素酸化物(NOx)を低減させる方法としてEGR(Exhaust Gas Recirculation)110が用いられている。しかし、このEGR量が増加すると燃焼温度や燃焼速度が低下するために、燃料消費率が悪化してしまうことがある。そこで、EGR装置に断熱体を用い、還流する排気ガス温度の低下を抑制する。
また排気ダクト113の途中にある触媒111も、排気中に含まれるHC,CO,NOxの酸化や還元反応を促進させ、大気汚染物質の低減を図るものであるが、エンジン始動直後の排気温度が低すぎる場合など、この触媒で浄化できない場合があり、電気加熱触媒や吸着剤の使用などが行われている。
本参考例では、この触媒部分を断熱体で覆うことにより、例えば、帰宅時(夜)の走行によって暖まった触媒の温度を、翌朝の出勤時の走行まで保温しておくことで、まだ排気温度が高くならない時点からも触媒機能が働くようにすることができる。これによって、排気中に含まれるHC,CO,NOx等の大気汚染物質の浄化を促進できる。
またメインマフラー117,サブマフラー116,排気ダクト113を断熱体で保温することで、外気への放熱を抑え、排気ガス温度を高い状態に維持でき、排熱の再利用も可能となる。
またブレーキオイルタンク109を断熱体で覆うことで、周囲が低温下でも必要な粘度を保つことができ、機構部分の信頼性がさらに増すことができる。さらに、ウィンドウォッシャタンク108を断熱体で覆うことで、例えば冬場など、温水をウィンドウォッシャ液に利用して、フロントガラスについて霜を溶かしたりすることも可能となる。
図34は断熱体をエンジン101からの排気ダクト124の途中にある触媒111に使用した場合である。触媒111にはエンジン101からの排気が流れる。エンジン排気温度は触媒111では700〜800℃程度となっている。
この場合、直接触媒111に断熱体を取り付けると、中の真空断熱材の芯材のガラスウールの耐熱は持つが、外装膜(ガスバリヤフィルム)の熱溶着部や、芯材とともに使用されているバインダや吸着剤の耐熱性が見合って高くならなければいけない。また触媒111の温度が問題となるのは、エンジン排気温度が低い状態、即ち、始動直後であり、十分にエンジン排気温度が高くなれば、断熱体による保温,断熱は必要ない。
そこで、触媒111に直接断熱体を取り付けるのではなく、触媒111を取り囲む冷却装置127を取り付け、その内壁面に断熱体125を設ける。そのため、断熱体125には触媒111の熱が直接伝わらない。触媒111には温度センサ129が取り付けられ、触媒111の温度を検知し、それに応じ、冷却装置127内の開閉バルブ128a,128bを開閉する。開閉バルブ128a,128bが開の場合は、同時にファン194が駆動し、冷却装置127内の空気を排出して冷却し、真空断熱材125を高温度から保護する。
エンジン101が停止し、触媒111の温度が設定値以下になったら、冷却装置127ファン194を停止、開閉バルブ128a,128bを閉じ触媒111の熱を断熱体125によって、冷却装置127内に閉じ込め、次のエンジン始動時のために触媒111を保温する。その結果、次にエンジン101を始動したときでも触媒111の温度が高く、エンジン101からの排気が触媒111で浄化され、HC,CO,NOxが削減された排気となり大気汚染物質の抑制ができる。
さらに、EGRなどの特殊装置をはずすことができ、熱効率も増加でき、省エネとなり燃料消費率が向上する。冷却装置127のコントロールは、エンジン制御とも関係するため、ECU123にて一括して行うことが望ましい。
図35,図36は断熱体をハンドルカバーとして取り付けたものである。2分割した断熱体131a,131bでハンドル130を挟み込んで覆うように配置し、各々の断熱体についているボタン132a,132bをひも133で結んで固定している。このようにすることで、例えば、夏場の炎天下で日射によりハンドルが熱くなり握れなくなることが回避でき、またカーエアコンの冷気をハンドルに当てて冷やすようなこともしなくてすみ、省エネが図れる。
図37は断熱体をシフトレバーのカバーとして取り付けたものである。シフトレバー135にかぶせるように断熱体134を配置する。このようにすることで、例えば、夏場の炎天下で日射によりシフトレバーが熱くなり握れなくなることが回避でき、すぐに走行に移れるため、アイドリング状態でのカーエアコンのコンデンサ(凝縮器)にファン駆動しなくても走行風で送風できるため、省エネとできる。シフトレバーに限らず、他のレバー類にも取り付けることで、同様な効果が得られる。
図38は断熱体を車室内床面に置くフロアマット内に内蔵したものである。断熱体137はフロアマット136のカバー139内にあり、カバーの上部の足が載る部分はゴムラバー138で補強されている。これによって、例えば冬場など外部から車室内へ冷気の進入や、車室内空間の暖房の熱が外部に漏洩するのを減少させることができ、暖房負荷を減らすことができる。
また夏場では、床面の外気からの熱の侵入を低減し、冷房負荷を減らすことができる。これによって、冷暖房負荷が低減し、省エネを図ることができる。また、ゴムラバー138等の補強部材を断熱体137の車室内側に設けることで、断熱体の損傷をも併せて防ぐことができ、中の真空断熱材の真空度低下を抑制することができる。
(参考例6)
本発明の参考例6を図40を用いて説明する。
図40は断熱体を用いたカーエアコンユニットである。カーエアコンユニット全体を断熱体147で覆い、送風路154は断熱体147で構成している。カーエアコンユニットは、カーエアコンの冷媒サイクルの一部である蒸発器145,エンジンの冷却系統の一部である加熱器146および、送風するブロア144,送風路154を切り替えるダンパ(153a〜153f)これらの機器を内蔵し、かつ車室内および車外の空気取り入れ口(148,149)から車室の吹き出し口(150,151,152)までの送風路154から構成されている。
蒸発器145は図40では記載していないエンジン駆動または電動駆動の圧縮機,凝縮器,膨張弁を配管で順次接続して構成されるサイクルの一部であり、蒸発器145では蒸発器145に流入した空気を冷やす機能を持っている。また加熱器146はエンジン冷却系統の一部で、中には図40では記載していないエンジン駆動または電動式の冷却水ポンプで循環されるエンジン冷却水の一部が流れている。この加熱器146では、加熱器146に流入した空気を加熱する機能を持っている。
外気取り入れ口148および内気取り入れ口149から、ダンパ153aの開閉により各々適量吸い込まれた空気はミキシングし、ファンとファンモータからなるブロア144で流路に吐き出される。吐き出された空気は蒸発器145にて冷却され、またダンパ153b,153cにより、その一部は加熱器146を通り、要求される空気温度に調整される。
温度調整された空気は、ダンパ153d,153e,153fにより要求される吹き出し口、車内吹き出し口(頭)150,車内吹き出し口(足元)151,デフロスト吹き出し口(152)に各々分配される。このとき、送風路154内空気温度がカーエアコンユニット周囲空気の露点温度よりも低い場合、カーエアコンユニットに結露を生じたりすることが考えられる。
また送風路154内の空気温度がカーエアコンユニットの周囲温度よりも高い場合は熱が外部に逃げ、また温度が内側が低く、外側が高い場合、熱が内部に流入することになる。このことは各々暖房性能,冷房性能に影響を及ぼし、しいては冷暖房に必要な動力を増加させる要因になる。
そこで本参考例では、カーエアコンユニットを断熱体で覆う、または送風路を断熱体で構成することにより、熱の出入を遮断し、冷暖房性能の低下を防ぐことができる。その結果、冷暖房に必要な動力を削減し、燃料消費率をよくすることができる。
また、真空断熱材自体も被覆材で覆われることから、真空断熱材表面への結露などが抑制され、長期信頼性に優れたものとできる。
(参考例7)
本発明の参考例7を図41を用いて説明する。
図41は前述の図3の断熱体の中に複数の真空断熱材11a,11b,11cを入れて、断熱性能を高めたものである。このように、複数の真空断熱材を重ねて断熱体を形成すれば、用途に応じて種々の大きさの断熱体が得られるため、適用分野の拡大も図られる。
(参考例8)
本発明の参考例8を図42を用いて説明する。
図42は、断熱体を形成する際に、凹状(弓状)に反り返った形状にした真空断熱材を内蔵した断熱体を自動車に配置している。前述のように、例えば夏場など太陽の日射が強い時に、駐車しておくと、車体は加熱され、非常な高温になる。この時、通常の真空断熱材の形状では、面155aと面155bとの面温度が異なるため、外装膜の熱膨張の度合いが異なり、熱溶着部の破損などが考えられる。
しかし、本参考例の真空断熱材では凹状(弓状)に反り返った面を温度の高い外側に向けているため、面155aの外装膜が熱膨張しても凹状(弓状)の反り返りを是正する方向のため、面155bの外装膜が破損することは無く、真空断熱材の信頼性は確保できる。
本発明の請求項1に対応する一実施例を図43から図45を用いて説明する。
図43は断熱体157に製品情報記録手段156をつけた場合である。製品情報記録手段156には、例えば、製造年月,ロット管理番号(製造番号),使用材質などの少なくとも1つ以上の情報が記録されている。また、製品情報記録手段158としては、ICタグ,ミューチップ,バーコード,2次元コードなどが用いられる。図43は、バーコードをつけた例を示している。
図44は、断熱体の被覆材160aに取り付けた製品情報記録手段156の上に保護カバー159を取り付け、断熱体からのはがれと損傷を保護しているものである。また、真空断熱材の側面に設置した真空度検出センサ158と製品情報記録手段156との位置関係を示している。製品情報記録手段156は、真空度検出センサ158取り付け位置の上方に配置している。
図45は、製品情報記録手段156の保護カバー159に、真空度検出センサ取り付け位置表示163を示し、真空断熱材の表面に貼り付けられた真空度検出センサ158が、取り付け位置表示163の下方の範囲内にあることを示している。
このような構成とすれば、断熱体の被覆材の表面に取り付けられた製品情報記録手段156(及び保護カバー159)が真空断熱材の真空度検出センサ158の取り付け位置の表示を兼ねることができるだけではなく、同時に、センサを当該位置にかざすだけで、製品情報記録手段156に記録された情報とともに、真空度検出センサ158からの情報をも取得することができる。したがって、真空断熱材のメンテナンス効率が飛躍的に向上する。
(参考例9)
本発明の参考例9を図46を用いて説明する。
これまで説明した真空断熱材の真空度の検出情報に基づき、真空度の劣化した真空断熱材を選別する(項目164)。次に真空断熱材のガスバリヤフィルムの検査を行う(項目165)。もしガスバリヤフィルムの破損が大ならば、芯材を取り出し(項目167)、新規ガスバリヤフィルム取り付け(項目168),真空引き,成形(項目169)し、真空断熱材を再生する。一方、ガスバリヤフィルムの破損が小ならば、旧ガスバリヤフィルム上から新規ガスバリヤフィルムを取り付け(かぶせ)(項目170),真空引き,成形(項目171)し、真空断熱材を再生する。その後、品質検査,品質管理タグ(製品情報記録手段)を取り付けし(項目172)、リサイクル真空断熱材が完成する(項目173)。
(参考例10)
本発明の参考例10を図47を用いて説明する。
図47は、芯材13がガスバリヤ性フィルムの外装膜12で覆われて形成された真空断熱材11と、この真空断熱材11を外側から着脱可能に被覆材14,被覆材15で覆い、この被覆材14,被覆材15は真空断熱材11よりも上側の最上面及び真空断熱材11より下側の最下面がほぼ水平面になっている。この時、被覆材14,15に真空断熱材11が覆われた状態では、真空断熱材11の水平面への投影面176が、水平面の外周よりも内側に収められている。このことで、被覆材14,15に作用する外力は、真空断熱材11に全てが作用することなく、その一部は被覆材14,15を通って上側(作用面)から下側へ逃がされる。
(参考例11)
本発明の参考例11を図48を用いて説明する。
図48は前述の図3の断熱体において、真空断熱材11と被覆材14,15との間に隙間177が形成されている。これにより、被覆材14,15に作用した外力が真空断熱材11に作用することなく、また、真空断熱材11を被覆材への着脱を容易にすることができる。
(参考例12)
本発明の参考例12を図49を用いて説明する。
また図49に示すように、各真空断熱材部材を移動させる際、ガスバリヤフィルムの破損による真空劣化を防ぐため、真空断熱材178を被覆材A179,被覆材B180で挟み込み保護する。
保護部材の形状としては、真空断熱材の形状に合わせて成形されたものが最も望ましく、また運搬性を考慮し、被覆材B180,真空断熱材178,被覆材A179の順に積層構造とし、組上げられた形状(積層体)が、少なくとも積層体の最上面と最下面が平行な水平面となるような多面体となるようにしている。このため、複数個を積み上げることが可能である。また、運搬,積み上げ,箱入れを考慮し、直方体や立方体などの六面体とすることが望ましい。
例えば、真空断熱材を運搬するための真空断熱材の運搬方法としては、図49に示すように被覆材A179と被覆材B180によって真空断熱材178の形状に合わせた空間が構成されるようにしておく。また、被覆材A179と被覆材B180の外殻形状を矩形状とすれば、種々の形状の真空断熱材であっても運搬が効率的に行え、また、運搬時の衝撃などから真空断熱材を保護することもできる。
実際の運搬にあっては保護部材(被覆材179,180)の内部に真空断熱材178が入れられた状態では、上から被覆材A179,真空断熱材178,被覆材B180の順に積層体の構造とすることが効果的である。該構造によれば、真空断熱材を複数個上下に積み重ねて運搬することが可能である。
また、上下に積み重ねて載置することが可能であることから、保管性にも優れている。真空断熱材単体として用いる場合、あるいは被覆材を合わせた断熱体として用いる場合のいずれの場合であっても、高い運搬性と保管性を兼ね備えているため、例えば、自動車の修理工場での保管あるいは運搬などにおいても適切な管理を行うことができる。
(参考例13)
本発明の参考例13を図50から図55を用いて説明する。図50から図55は、参考例の断熱体を自動車に取り付けるための方法について示している。
図50は例えば一方にかぎ状繊維が表面にある面ファスナー184aがあり、他方にかぎ状繊維を絡ませるような繊維が表面にある面ファスナー184bの構造となっている面ファスナーを用いたものである。断熱体182にこの面ファスナー184aを貼り付け、車体183に面ファスナー184bを貼り付ける。
これらの面ファスナーを対にして組合わせることで、車体183に断熱体182を取り付けることができる。なお真空断熱材を直接車体183に貼り付けるものではないので、真空断熱材を傷つけることなく、断熱体182の脱着も容易にできる。面ファスナーの貼り付けには、両面テープを使用することもできる。また粘着力が小さく、断熱体を脱着時に傷つけないものであれば、面ファスナーの代わりに両面テープ185を直接使用することもできる。
真空断熱材を直接車体に取り付ける(密着)ことで、熱の回り込む経路を遮断し、外部からの熱侵入、または内部からの熱漏洩を最小限にすることができる。また面ファスナーの使用は、一般に面ファスナーとそれを取り付ける(貼り付ける)面との接着力よりも面ファスナー同士の接合力の方が弱くできるので、断熱体の脱着時に断熱体を傷つけずに済む。
図51は例えば磁石を用いたものである。断熱体182に磁石186を貼り付ける。車体183の部材が磁石がつく金属であれば、そのまま磁力で断熱体182を取り付けることができる。車体183の部材が非鉄金属ならば、例えば鉄板を車体183に貼り付けその部分に磁石186で取り付けることができる。磁石186の断熱体182への取り付け、および鉄板の車体への取り付けには両面テープを用いると作業性が良い。接着材を使用しても良い。なお本参考例の方法においても断熱体182を直接車体183に貼り付けるものではないので、断熱体182を傷つけることなく脱着も容易にできる。
図52は例えば吸盤を用いたものである。断熱体182に吸盤187を貼り付ける。吸盤187断熱体182への取り付けには両面テープを用いると作業性が良い。接着材を使用しても良い。なお本参考例の方法においても断熱体182を直接車体183に貼り付けるものではないので、断熱体182を傷つけることなく脱着も容易にできる。
図53は例えばボタンとボタン掛け孔を用いたものである。断熱体182にボタン188をかけるボタン掛け孔189を取り付ける。なお本参考例の方法においても断熱体182を直接車体に貼り付けるものではないので、断熱体182を傷つけることなく脱着も容易にできる。
図54は例えばフックとフック掛け孔を用いたものである。断熱体182にフック190をかけるフック掛け孔191を取り付ける。なお本参考例の方法においても断熱体182を直接車体に貼り付けるものではないので、断熱体182を傷つけることなく脱着も容易にできる。また同様な取り付け方法ができるものとして、スナップ,クリップなどがある。
図55は例えば補助バッテリ104に断熱体182を取り付けたものである。上述の固定方法で取り付けてもよく、図55のように断熱体182と補助バッテリ104が外れないように、バンド192で固定してもよい。
本発明の請求項1に対応する一実施例を図56を用いて説明する。
図56は真空度検出センサからの信号に基づき、真空断熱材の部品交換の要否を診断する方法を示している。ガスバリヤ性フィルム160a,160bで芯材161を覆った真空断熱材と、この真空断熱材を覆う被覆材162と、被覆材の表面に貼ってある真空断熱材の製品情報が記録された記録部156と被覆材の内部において、記録部の投影面内に真空断熱材の真空度を検出する真空度検出センサ158からなる断熱体が自動車に取り付けられている。
この時、診断機200を記録部に近づけることによって、例えば電磁誘導によって、真空度検出センサ158に電力を供給し(195)、このセンサ158から真空度に関する信号197を受信するとともに、記録部156に記録された製品情報をも読み取る。これらの情報に基づき診断機200の中で真空断熱材の真空度の状況が分析される。
この診断機200からの結果に基づき、必要に応じて、自動車に取り付けた真空断熱材を内蔵した断熱体を取り外し、真空断熱材の交換を行う。この診断作業によって、真空断熱材は常に一定の真空度を有した製品信頼性の元で使用される。
また、実施例3などと組合わせることで、自動車の総合的なメンテナンスが可能になる。例えば、診断によって修理あるいは交換が必要な部位を特定すれば、交換部品の在庫の有無や、製造元に情報を送信することができ、総合的な自動車のメンテナンスを行うことができる。
上記の実施例で説明してきたように、各実施例の構造・方法を採用することで、自動車や自動車部品の使用環境(例えば、温度等)や製造方法,メンテナンス方法に応じた真空断熱材の脱着方法を選択することができる。このため、真空断熱材に損傷を与えずに容易に脱着作業ができるようになる。
また、真空断熱材の単品及び自動車取り付け後でも、真空断熱材の真空度の劣化を判定することができ、真空断熱材,自動車の製品品質の確保及びメンテナンスを、より正確で容易なものとできる。また、真空断熱材及び自動車の製造時,メンテナンス時,使用時においても真空断熱材を損傷させない。さらに損傷を最小限に押さえる保護手段を実施しているため、長期にわたり、同じ真空断熱材を使用することも、またリサイクル利用することも可能である。
このような真空断熱材を使用した自動車を提供することにより、カーエアコンなどの補機動力削減や、エンジン効率向上により、CO2 排出量を削減でき、地球温暖化の抑制を促進できる。また触媒の暖機など性能の急速立ち上げにより、窒素酸化物などの排出量をさらに低減し、大気汚染防止に貢献できる。またリサイクル性も向上でき省資源化も図れる。
真空断熱材を使用した自動車を使用するユーザーは、車室内空間の快適性が向上、さらにガソリン,軽油などの燃料消費量を低減でき、燃料費を削減できる。
当然ながら、燃料としては、ガソリン,軽油以外にLPG(液化石油ガス),エタノール,水素などの他燃料を使用できる自動車についても同様な効果が得られる。また自動車製造,整備ユーザー(メーカー)は、製造からメンテナンス,廃車の一連の流れにおいて、地球環境に、よりやさしい自動車を提供することができる。
本発明の一参考例である真空断熱材を用いた自動車を側面から見た断面図。
本発明の一参考例である真空断熱材を用いた自動車を正面から見た断面図。
本発明の一実施例である真空断熱材を被覆材で覆った断熱体の断面図。
本発明の一実施例である真空断熱材に表面に真空度検出センサを取り付けた図。
本発明の別な一実施例である真空断熱材の真空度を検出する手段を表した図。
本発明の別な一実施例であるセンサモジュールをセンサネット端末とした場合のセンサネットシステム図。
本発明の別な一実施例であるセンサネット端末としたセンサモジュールの構成図。
本発明の別な一実施例であるネットワークに接続した基地局端末としたモジュールの構成図。
本発明の別な一実施例である音発生回路を有したセンサモジュールの構成図。
本発明の別な実施例である被覆材に発泡材を用いた断熱体の図。
本発明の別な実施例である真空断熱材に周囲に発泡材溶液を充填させ発泡させて生成した断熱体の図。
本発明の別な実施例の被覆材にゴム材を用いた断熱体の図。
本発明の別な実施例の被覆材に遮音性能のある部材を用いた断熱体の図。
本発明の別の実施例の被覆材に真空断熱材よりも強度の高い部材を用いた断熱体の図。
本発明の別な一実施例である外装膜(ガスバリアフィルム)の厚さが面によって異なる真空断熱材の断面図。
本発明の別な一実施例である被覆材が真空断熱材よりも柔軟性の高い部材を用いた断熱体の図。
本発明の別な一実施例の真空断熱材の厚さを5mm以上とした断熱体の図。
本発明の別な一参考例の被覆材の一部に切り欠き部がある断熱体の図。
本発明の別な一実施例である被覆材の種類を異にした断熱体の図。
本発明の別な一実施例である被覆材に、取り付け箇所に応じた凹凸形状がある断熱体の図。
本発明の別な一実施例である芯材の厚さが異なる部分を有する真空断熱材の断面図。
本発明の別な一実施例である芯材の有る部分と無い部分を有する真空断熱材の断面図。
本発明の別な一実施例である被覆材,真空断熱材ともに鋭角部がない断熱体の図。
本発明の別な一実施例である、遮音性能と断熱性能,制振性能と断熱性能とを併せ持った多機能断熱体の配置図。
本発明の一参考例である真空断熱材を用いた自動車を正面から見た断面図で、特に側面部分の詳細図。
本発明の一参考例である真空断熱材を用いた自動車を側面から見た断面図で、特に前部部分の詳細図。
本発明の一参考例である真空断熱材を用いた自動車を側面から見た断面図で、特に後部部分の詳細図で、リアガラスの真空断熱材が開いた状態を表す図。
本発明の一参考例である真空断熱材を用いた自動車を側面から見た断面図で、特に後部部分の詳細図で、リアガラスの真空断熱材が閉じた状態を表す図。
本発明の一実施例である真空断熱材の芯材の融点が、使用箇所の雰囲気温度よりも高い断熱体の図。
本発明の別な一実施例である折り曲げ位置を真空断熱材の一方の面に位置させた図。
本発明の別な一実施例である折り曲げ位置を真空断熱材の一方の面に位置させた真空断熱材を用いた自動車の図。
本発明の別な一参考例である真空断熱材をドアのサイドガラス内面に取り付けた場合の上下開閉機構の図。
本発明の別な一参考例である真空断熱材を取り付けた自動車部品の配置図。
本発明の別な一参考例である真空断熱材を触媒に取り付けた冷却装置の図。
本発明の別な一参考例である真空断熱材をハンドルカバーとして取り付けた自動車部品の図。
本発明の別な一参考例である真空断熱材をハンドルカバーとして取り付けた自動車部品の断面図。
本発明の別な一参考例である真空断熱材をシフトカバーとして取り付けた自動車部品の断面図。
本発明の別な一参考例である真空断熱材をフロアマットとして取り付けた自動車部品の断面図。
本発明の参考例で使用する真空断熱材の基本形の断面図。
本発明の別な一参考例である真空断熱材を取り付けたカーエアコンユニットの断面図。
本発明の別な一参考例である真空断熱材を複数段重ねた断熱体の図。
本発明の別な一参考例である凹形状(弓形状)の真空断熱材を配置した自動車の断面図。
本発明の別な一実施例である真空断熱材の製品情報を有する製品情報記録手段(バーコード)を真空断熱材の表面に取り付けた図。
本発明の別な一実施例である真空断熱材の製品情報を有する製品情報記録手段に保護カバーを取り付け、また真空断熱材に貼り付けた真空度検出センサの上方位置に製品記録手段を配置した構成図。
本発明の別な一実施例である真空断熱材の製品情報記録手段の保護カバーに真空度検出センサの貼り付け位置を表示した構成図。
本発明の別な一参考例である真空断熱材のリサイクル方法の工程図。
本発明の別な一参考例である断熱材と真空断熱材の水平面への投影面の図。
本発明の別な一参考例である被覆材を真空断熱材との間に隙間の有る図。
本発明の別な一参考例である真空断熱材の保管・運搬方法の図。
本発明の別な一参考例である面ファスナーを用いた真空断熱材の取付方法を示す図。
本発明の別な一参考例である磁石を用いた真空断熱材の取付方法を示す図。
本発明の別な一参考例である吸盤を用いた真空断熱材の取付方法を示す図。
本発明の別な一参考例であるボタンを用いた真空断熱材の取付方法を示す図。
本発明の別な一参考例であるフックを用いた真空断熱材の取付方法を示す図。
本発明の別な一参考例であるバンドを用いた真空断熱材の取付方法を示す図。
本発明の別な一実施例である真空断熱材の交換要否の診断方法の図。
1,183…車体、2a〜2k,2m,125,131a,131b,134,137,147,157,182…断熱体、3…車室内空間、4…エンジンルーム、5…ボンネット、6…エンジンルームと車室内空間との隔壁、7…天井面、8…背面、9…床面、10…側面、11,11a〜11c,178…真空断熱材、12…ガスバリア性フィルム、13,141,161…芯材、14…被覆材(蓋材)、15…被覆材(容器材)、16,57,158…真空度検出センサ、17…真空断熱材表面、18…真空断熱材側面、19…真空度検出センサ取り付け位置表示、20…発電回路、21…信号処理回路、22…発信回路、23…加振器、24,25…信号、26…センサネット端末、27,52…基地局端末、28…システム制御装置、29…制御情報DB、30…センサ、31,44…電源、32…A/D変換回路、33,46…電源制御回路、34…識別情報記録回路、35,48…タイマ回路、36,49…コントローラ回路、37…作業メモリ、38,55…無線送受信回路、39,51…プログラムメモリ、40…真空度検出センサ(センサネット端末)、41,53,56…LSI、42,54…アンテナ、43…ネットワーク接続機器、45…ネットワークインターフェース制御回路、47…位置及び識別情報記録回路、50…作業用メモリ、58…音生成回路、59…音発生器、60a,60b…発泡材、61…発泡材溶液、62…溶液入口、63…空気抜き、64a,64b…型、65a,65b…ゴム材、66a,66b…遮音材、67a,67b…強度部材、68…強度部材の厚い被覆材、69…強度部材の薄い被覆材、70a,70b…柔軟被覆材、71…被覆材切り欠き部、72…被覆材(蓋部分)、73…被覆材(容器部分)、74…被覆材凹部、75…被覆材凸部、76…外装膜、77,78,162…被覆材、79…遮音機能付き断熱体、80…制振機能付き断熱体、81…サイドガラス、82…フロントガラス、83…インストルメントパネル、84…リアガラス、85…融点の高い芯材部材、86…熱溶着部の折り曲げ部、87…熱溶着部の折り曲げ方向を規定した真空断熱材(断熱体)、88…バッテリ、89…ECU(エレクトリックコントロールユニット)、90…衝撃センサ、91…サイドガラス上下開閉機構、92…断熱体上下開閉機構、93,103…モータ、94…ピニオン、95…ラック、96…ガイドレール、97…アーム、98…ドア、101…エンジン、102…ジェネレータ、104…補助バッテリ、105…補助バッテリ用冷却装置、106…吸気ダクト、107…スロットルボデー、108…ウィンドウォッシャータンク、109…ブレーキオイルタンク、110…EGR、111…触媒、112…触媒用冷却装置、113,124…排気ダクト、114…燃料ポンプ、115…燃料タンク、116…サブマフラー、117…メインマフラー、118…駆動用バッテリ用冷却装置、119…駆動バッテリ、120…インバータ/コンバータ、121…インバータ/コンバータ用冷却装置、122…ECU用冷却装置、123…ECU、126…マフラー、127…冷却装置、128a,128b…開閉バルブ、129…温度センサ、130…ハンドル、132a,132b,188…ボタン、133…ひも、135…シフトレバー、136…フロアマット、138…ゴムラバー、139…カバー、140…外装膜(ガスバリヤ性フィルム)、142…吸着剤、143…端部、144…ブロア、145…蒸発器、146…加熱器、148…外気取り入れ口、149…内気取り入れ口、150…車内吹き出し口(頭)、151…車内吹き出し口(足元)、152…デフロスト吹き出し口、153a〜153f…ダンパ、154…送風路、155…凹形状(弓形状)の真空断熱材、155a,155b…凹形状(弓形状)の真空断熱材の外装膜面、156…製品情報記録手段、159…保護カバー、160a…被覆材、160b…ガスバリア性フィルム、163…真空度検出センサ内蔵位置表示、164〜173…工程項目、174…被覆材外周、175…成形体、176…成形体の水平面への投影面、177…隙間、179…被覆材A、180…被覆材B、181…内装材、184a,184b…面ファスナー、185…両面テープ、186…磁石、187…吸盤、189…ボタン掛け孔、190…フック、191…フック孔、192…バンド、193…燃料電池ユニット、194…ファニ、195…電磁誘導電力線、196…製品情報信号、197…真空度検出センサ信号、200…診断機、t1,t2…被覆材厚さ、t3…真空断熱材の厚さ、W1,W2…幅、A…芯材の無い部分。