JP4657526B2 - ドリフトピン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として建築、橋架等の部材接合部に設けられたボルト孔を整合するために使用されるドリフトピンに関し、更に詳しくは、仮令、ハンマー等で打撃しても、その衝撃及び打撃音が少なく、かつ、ボルト孔より反対側に安易に抜け落ちることがなく安全である他、錆び付きによる不具合をも解消した有用なドリフトピンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、斯かるドリフトピンは、例えば、建築、橋架等の部材接合部にあって、ボルト施工時、部材同士の孔合せの段階で、部材接合部のボルト孔(加工孔)に先端側のテーパー部を挿入し、ハンマーで基端側の抜止部材を打撃することにより、ボルト孔(加工孔)内に強制的に圧入されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のドリフトピンにあっては、ハンマー等で打撃された際の衝撃及び打撃音が大きいため、近隣に騒音を発してしまうといった問題があり、また、ハンマーで打たれた際に、その反動でドリフトピンが反対側に抜け落ちてしまうといった問題があり、作業上、大変に危険である。
【0004】
また、斯かるドリフトピンにあっては、部材接合部のボルト孔(加工孔)内に挿着されたまま、必要期間、放置されることも相俟って、ドリフトピンが部材との錆び付きによって(ハンマーでの打ち返しだけでは)簡単に抜けなくなるといった不具合をも有している。
【0005】
本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたもので、ハンマー等で打撃しても、その衝撃及び打撃音が少なく、かつ、ボルト孔より反対側に安易に抜け落ちることがなく安全であり、また、錆び付きによる不具合をも解消した有用なドリフトピンの提供を目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の如き従来の問題点を解決し、所期の目的を達成するため本発明の要旨とする構成は、先端側に行くに連れて次第に細くなるテーパー面を有するピン本体と、該ピン本体の基端側に配設された第1抜止部材と、前記ピン本体の先端側に配設された第2抜止部材と、両抜止部材及び/又はピン本体の外的衝撃力を吸収する衝撃吸収材とを備えてなるドリフトピンであって、前記第1抜止部材又は第2抜止部材は、引抜レンチ用のアタッチメントと代替可能であるドリフトピンに存する。
【0007】
また、前記第1抜止部材及び/又は第2抜止部材は、ピン本体に着脱自在に連結されると共に、その遊端側に衝撃吸収材を設けるのが良い。
【0008】
このように構成される本発明のドリフトピンは、先端側に行くに連れて次第に細くなるテーパー面を有するピン本体と、該ピン本体の基端側に配設された第1抜止部材と、前記ピン本体の先端側に配設された第2抜止部材と、両抜止部材及び/又はピン本体の外的衝撃力を吸収する衝撃吸収材とを備えてなるドリフトピンであって、前記第1抜止部材又は第2抜止部材は、引抜レンチ用のアタッチメントと代替可能であることによって、使用する際は、ピン本体より先端側の第2抜止部材を切り離しテーパー面側を部材接合部のボルト孔内に当て入れ(図4(a)参照)、ハンマーで基端側の第1抜止部材を打ち付けるが(図4(b)参照)、その際、仮令、第1抜止部材の頭をハンマー等で打っても、前記衝撃吸収材で衝撃及び打撃音が滅減されることとなり、かつ、第1抜止部材が部材接合部のフラット面に当接することも相俟って、ドリフトピンが安易に向こう側に抜け落ちる心配もない。
更に、ドリフトピンが部材との錆び付きによって(ハンマーでの打ち返しだけでは)簡単に抜けなくなった場合は、前記抜止部材に代えて引抜レンチ用のアタッチメントをピン本体に取り付けることにより、引抜レンチで機械的に引き抜き可能となる(図6参照)。
【0009】
また、前記抜止部材が、ピン本体に着脱自在に連結されると共に、その遊端側に衝撃吸収材を設けたことにより、ハンマーでの打ち込み若しくは打ち返しの際に受ける衝撃力及び打撃音が前記衝撃吸収材に吸収されることとなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るドリフトピンの実施の一例を図面を参照しながら説明する。図中Aは、本発明に係るドリフトピンであり、このドリフトピンAは、所定長さのピン本体1と、該ピン本体1の両端に配設された第1及び第2抜止部材2,3と、両抜止部材2,3に突設された衝撃吸収材4,4とを備えている。
【0012】
ピン本体1は、図2に示すように、先端側に行くに連れて次第に細くなるテーパー面1a、1aが形成されており、両遊端面に前記第1抜止部材2及び第2抜止部材3を螺着するための連結螺旋孔1bが形成されている。
【0013】
第1抜止部材(打ち込み用)2は、ピン本体1の基端側に着脱自在に配設されており、ピン本体1の外径(M20〜26)よりも大きく形成された大径部2aと、該大径部2aをピン本体1に着脱自在に連結するための連結螺旋部2bとを備えている。
【0014】
大径部2aは、図3に示すように、衝撃吸収材4を突設するための取付凹部2cと、ピン本体1のテーパー面1aと整合すべく凹設されたテーパー連結孔2dと、前記取付凹部2cの底部中心に形成された連結螺旋孔2eとが形成されている。
【0015】
連結螺旋部2bは、一端側が前記大径部2aの連結螺旋孔2eに螺合され他端側がピン本体1の連結螺旋孔1bに螺合されることにより、両部品(第1抜止部材2とピン本体1)を堅固に連結するものである。
【0016】
一方、第2抜止部材(打ち返し用)3は、ピン本体1の先端側に着脱自在に配設されており、ピン本体1の外径よりも大きく形成された大径部3aと、該大径部3aをピン本体1の先端側に着脱自在に連結するための連結螺旋部3bとを備えている。
【0017】
大径部3aは、第1抜止部材2と同様、衝撃吸収材4を突設するための取付凹部3cが形成されており、縮径胴部3dを介して連結螺旋部3bと一体的に連設されている。
【0018】
連結螺旋部3bは、基端側に段差部3eを介して前記縮径胴部3dに一体的に突設されており、先端側をピン本体1の連結螺旋孔1bに着脱自在に螺合することにより、第2抜止部材3を堅固に連結することができる。
【0019】
他方、衝撃吸収材4は、ピン本体1の打撃に起因する外的衝撃力を吸収するものであり、材質としては、例えば、銅、鉛等の如く比較的柔軟な金属部材或いはウレタンゴム、バネ等の弾性部材が挙げられる。
【0020】
また、本発明のドリフトピンは、第1及び第2抜止部材2,3に代えて引抜レンチ用のアタッチメント5を備えている。このアタッチメント5は、図5に示すように、合わせナット5aの両端に連結螺旋部5b、5cを突設してなり、一端側の連結螺旋部5bを前記ピン本体1の連結螺旋孔1b内に螺合し、他端側の連結螺旋部5cを引抜レンチ8の駆動ソケット8a内に、反力受けナット(図示せず)及び連結スリーブ(図示せず)を介してセットすることにより、機械的に引き抜くことができる。
【0021】
このように構成される本発明のドリフトピンAは、図4に示すように、ピン本体1より先端側の第2抜止部材3を切り離した状態でテーパー面1a側を部材接合部の各ボルト孔S内に当て入れ(図4(a)参照)、ハンマーHで基端側の第1抜止部材を打ち付けることにより(図4(b)参照)、ピン本体1のフラット面が各ボルト孔S内に強制的に圧入され、孔同士を同心上に整合するものである(図4(c)参照)。
【0022】
その際、ピン本体1の頭部に大径の第1抜止部材2が突設されているため、いくら強打しても、ボルト孔Sより反対側に抜け落ちることがなく、安心して作業をすることができる他、第1抜止部材2の遊端側に衝撃吸収材3が突設されているため、衝撃及び打撃音が吸収され、夜間作業でも気にならないくらい防音できるのである。
【0023】
また、ピン本体1を引き抜く時は、ピン本体1の先端側に第2抜止部材3を取り付けてハンマーHで打ち返すものであり(図4(d)参照)、第2抜止部材3をピン本体1より取り外し(図4(e)参照)、各ボルト孔Sをボルト6とナット7で締結するものである(図4(f)参照)。
【0024】
更に、ピン本体1が部材接合部との錆び付きにより、ハンマーHでの打ち返しだけでは簡単に抜けなくなった場合は、図5に示すように、第2抜止部材3に代えて引抜レンチ用のアタッチメント5をピン本体1に取り付け、引抜レンチ8で機械的に引き抜くことができるので(図6参照)、頗る便利である。
【0025】
尚、本発明のドリフトピンAは、本実施例に限定されることなく、本発明の目的の範囲内で自由に設計変更し得るものであり、本発明はそれらの全てを包摂するものである。
【0026】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成され、先端側に行くに連れて次第に細くなるテーパー面を有するピン本体と、該ピン本体の基端側に配設された第1抜止部材と、前記ピン本体の先端側に配設された第2抜止部材と、両抜止部材及び/又はピン本体の外的衝撃力を吸収する衝撃吸収材とを備えてなるドリフトピンであって、前記第1抜止部材又は第2抜止部材は、引抜レンチ用のアタッチメントと代替可能であることによって、仮令、第1及び第2抜止部材の頭をハンマー等で打っても、前記衝撃吸収材で衝撃及び打撃音が滅減されるため、防音効果に優れるといった効果を奏すると共に、打ち込み若しくは打ち返し作業の何れの際でも、最後には前記第1若しくは第2抜止部材が部材接合部面に突き当たるため、反動でピン本体がボルト孔より反対側へ抜け落ちることがないなど、より安全性を高めることができる。
更に、ドリフトピンが部材との錆び付きによって(ハンマーでの打ち返しだけでは)簡単に抜けなくなった場合は、前記抜止部材に代えて引抜レンチ用のアタッチメントをピン本体に取り付けることにより、引抜レンチで機械的に引き抜きすることができるため、ピン抜き作業の効率化が図られ、全体の作業性の効率を高めることができる。
【0027】
また、前記抜止部材が、ピン本体に着脱自在に連結されると共に、その遊端側に衝撃吸収材を設けたことにより、ハンマーでの打ち込み若しくは打ち返しの際に受ける衝撃力及び打撃音をロスなく直接的に前記衝撃吸収材で吸収できるといった効果を奏するものである。
【0029】
このように本発明のドリフトピンは、仮令、強くハンマー等で打撃されても衝撃及び打撃音が少なく、かつ、ボルト孔から安易に抜け落ちる心配がなく安全であると共に、ドリフトピンが錆び付きによってハンマーでの打ち返しだけでは抜けなくなった場合でも、引抜レンチで機械的に引き抜けるなど、ピン抜き作業の効率化が図られ、また、構成が単純であるため大量生産に適し、価格も低廉なものとして需要者に提供できるなど、本発明を実施することはその実益的価値が甚だ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るドリフトピンを示す斜視図ある。
【図2】同ドリフトピンの組み立て分解斜視図である。
【図3】同ドリフトピンの縦断面図である。
【図4】同ドリフトピンの打ち込みと打ち返しを示す説明図ある。
【図5】同ドリフトピンと引抜レンチ用のアタッチメントとを示す説明図である。
【図6】引抜レンチを使用して同ドリフトピンを引き抜く場合の説明図である。
【符号の説明】
A ドリフトピン
S ボルト孔
H ハンマー
1 ピン本体
1a テーパー面
1b 連結螺旋孔
2 第1抜止部材
2a 大径部
2b 連結螺旋部
2c 取付凹部
2d テーパー連結孔
2e 連結螺旋孔
3 第2抜止部材
3a 大径部
3b 連結螺旋部
3c 取付凹部
3d 縮径胴部
3e 段差部
4 衝撃吸収材
5 引抜レンチ用のアタッチメント
5a 合わせナット
5b 連結螺旋部
5c 連結螺旋部
6 ボルト
7 ナット
8 引抜レンチ
8a 駆動ソケット
Claims (2)
- 先端側に行くに連れて次第に細くなるテーパー面を有するピン本体と、
該ピン本体の基端側に配設された第1抜止部材と、
前記ピン本体の先端側に配設された第2抜止部材と、
両抜止部材及び/又はピン本体の外的衝撃力を吸収する衝撃吸収材と
を備えてなるドリフトピンであって、
前記第1抜止部材又は第2抜止部材は、引抜レンチ用のアタッチメントと代替可能であること
を特徴とするドリフトピン。 - 前記第1抜止部材及び/又は第2抜止部材は、ピン本体に対して着脱自在に連結されると共に、その遊端側に衝撃吸収材を設けてなること
を特徴とする請求項1に記載のドリフトピン。
Priority Applications (1)
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Family Applications (1)
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JP2001267388A Expired - Lifetime JP4657526B2 (ja) | 2001-09-04 | 2001-09-04 | ドリフトピン |
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- 2001-09-04 JP JP2001267388A patent/JP4657526B2/ja not_active Expired - Lifetime
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