JP4656538B2 - プラス強度眼鏡レンズのヤゲン軌跡決定方法及びプラス強度眼鏡レンズ加工装置 - Google Patents
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Description
一方、この種のレンズ加工装置においても、被加工レンズとして特殊レンズを用いる場合には、操作者がシミュレーション画面を見ながら強制的にマニュアルでヤゲン頂点の位置、ヤゲンカーブ、又はヤゲン比率を設定することが行われている。
特に、マイナス強度レンズ、プラス強度レンズ、EXレンズ、又はレンチキュラー等の特殊レンズについては、バランスのとれた最適なヤゲンをたてるのが困難であり、場合によっては、出来上がったレンズを眼鏡フレームに枠入れした場合に、レンズのコバがリムから不均等にはみ出してしまい、眼鏡全体としての見映えが悪くなってしまうこともあった。
また近年、レンズ加工の熟練者が減少しつつあるという背景もあり、熟練者でなくとも特殊レンズに適正なヤゲンを形成できるような技術が望まれていた。
の肉厚比に基づいて、前記初期のヤゲンカーブ基準軸の補正値を求める初期ヤゲンカーブ基準軸補正値算出工程と、前記ヤゲンカーブ基準軸の補正値と、EXレンズの加工形状データに基づき、前記初期のヤゲンカーブ基準軸の軸方向から軸傾斜させる角度を求める軸傾斜角度算出工程と、前記ヤゲンカーブ値、前記ヤゲン基準位置、及び前記軸傾斜角度に基づいてヤゲン軌跡を決定するヤゲン軌跡決定工程と、を有するヤゲン軌跡決定方法である。
前記レンチキュラーレンズの凹面のカーブ値に基づいて、ヤゲンカーブ値を決定するヤゲンカーブ値決定工程と、前記レンチキュラーレンズを装用した場合における装用者の鼻側又は耳側におけるレンズの最小肉厚部の肉厚値に基づいて、前記最小肉厚部におけるコバ上のヤゲン基準位置を決定するヤゲン基準位置決定工程と、前記レンチキュラーレンズの鼻側又は耳側における最小肉厚部と、このレンチキュラーレンズの天地方向における最大肉厚部との肉厚比に基づいて、カーブ補正値を決定するカーブ補正値決定工程と、前記カーブ補正値を前記ヤゲンカーブ値に加算して得るカーブ値を有し、かつ前記ヤゲン基準位置を通るヤゲン軌跡を決定するヤゲン軌跡決定工程と、を有するヤゲン軌跡決定方法である。
前記プラス強度レンズの凹面のカーブ値に基づいて、ヤゲンカーブ値を決定するヤゲンカーブ値決定工程と、前記プラス強度レンズの最小肉厚部の肉厚値に基づいて、前記最小肉厚部におけるコバ上のヤゲン基準位置を決定するヤゲン基準位置決定工程と、前記プラス強度レンズの凹面のカーブ値と凸面のカーブ値との比、又は凸面のカーブ値のみに基づいて、カーブ補正値を決定するカーブ補正値決定工程と、前記カーブ補正値を前記ヤゲンカーブ値に加算して得るカーブ値を有し、かつ前記ヤゲン基準位置を通るヤゲン軌跡を決
定するヤゲン軌跡決定工程と、を有するヤゲン軌跡決定方法である。
ヤゲン/平摺り加工部24は、研削面にヤゲンに対応する溝が形成されたヤゲン加工部と、研削面が平らに形成された平摺り加工部とからなるヤゲン/平摺り加工用砥石241を備える。
ポリッシュ加工部25は、ポリッシュ用砥石251を備える。
これら砥石231,232,241,251は、同一の回転軸に取り付けられていて、この回転軸の回転に伴って回転する当該各砥石の何れかに、レンズ保持ユニット21によって保持された被加工レンズLを圧接することにより、その砥石に応じた加工が行われるようになっている。
の入力部32とからなる。
どに基づいて、このレンズ加工装置1の動作を司る。
記憶部4は、ROMやRAMなどから構成されており、このレンズ加工装置1の制御プログラムや、レンズの画像データ等を記憶する。
〔S1〕先ず、フレームトレーサFから眼鏡フレームのレンズ枠形状データを取得する。
なお、このとき操作者は、入力部32を用いて、仕上げ加工のオプションとして面取り加工及び/又は溝堀加工を指定することもできる。
幾何学中心に対するアイポイント高さ等を含むアイポイント情報、及び乱視軸(AX)等を表すデータ等が挙げられる。また幾何学中心間距離データとしては、レンズ枠の幾何学中心間距離を表すフレームPD(FPD)や、レンズ間の距離(いわゆる鼻幅)を表すDBL(Distance Between Lenses)等のデータが挙げられる。
ここで、レンズデータに含まれるデータとしては、被加工レンズの凸面カーブ値又は軸方向毎のカーブ値、被加工レンズの凹面カーブ値又は軸方向毎のカーブ値、被加工レンズの中心肉厚(光学中心又は幾何学中心)、レンズの径(AサイズやBサイズ等を含む)、レンズ形状(近用部形状)、及び光学中心と幾何学中心との変位量等が挙げられる。
なお、前記各カーブ値は近似値であってもよい。また、レンズデータとして必ずしもこれら総てのデータが必要という訳ではなく、必要なデータのみを選択的に含めるようにしてもよい。
また、かかるレンズデータは、操作者の入力操作によらずに、データ通信によってレンズ加工装置1に与えるようにしてもよい。
ンズLのレンズタイプを指定する。詳細には、入力部32にはレンズタイプ選択ボタンが設けられていて、このレンズタイプ選択ボタンを押すことにより、レンズタイプとして、EX、マイナス強度、レンチキュラー、プラス強度、標準のうち何れかが選択できるようになっている。なお、図5では、一例として、EXレンズが指定された場合を示している。
このステップS7は、レンズタイプとしてEXを選択した場合(ステップS71)、マイナ
ス強度を選択した場合(ステップS72)、レンチキュラーを選択した場合(ステップS73)、プラス強度を選択した場合(ステップS74)、及び標準を選択した場合(ステップS75)にそれぞれ場合わけされる。各ステップの詳細については後述する。但し、標準を選択した場合(ステップS75)については、公知である為詳細な説明は省略する。
跡データ(ステップS8で変更した場合はその変更後のヤゲン軌跡データ)と、ステップS3で求めた加工形状データと、に基づいてヤゲン加工データを求める。そして制御部4は、求めたヤゲン加工データに基づいて、ヤゲンを形成する。これにより、ヤゲン/平摺り加工用砥石241の仕上げ加工用砥石及び仕上げ加工用砥石に形成されたヤゲン溝によって荒加工レンズの周縁がヤゲン加工される。
〔EXレンズの場合〕
EXレンズを指定した場合(ステップS71)について、図10の説明図を参照しながら
、図5のフローチャートに従って説明する。
〔S711〕上記ステップS4で取得したレンズデータに含まれるEXレンズの凹面のカーブ値に基づいて、ヤゲンカーブ値K1を決定する(ヤゲンカーブ値決定工程)。具体的には、EXレンズがプラスレンズの場合とマイナスレンズの場合とで場合わけし、それぞれ次式によってヤゲンカーブ値K1を求める。
プラスレンズの場合、K1=凹面側の平均カーブ値×調整係数e+とする。
マイナスレンズの場合、K1=凹面側の平均カーブ値×調整係数e-とする。
但し、調整係数e+は1以上の値であり、調整係数e-は1以下の値である。
K1≒523/r1
但し、空気の屈折率を1.0とする。
置決定工程)。ここでは、第1基準位置mを、最小肉厚部におけるコバ上の凸面側の端か
らこの第1基準位置mまでの距離P1によって表す。具体的には、P1は次のように最小肉厚
部の肉厚値t1で場合わけして決定する。
t1=2.4mm以下の場合、P1=t1/2とする。
t1=2.4〜4.0mmの場合、P1=1.2とする。
t1=4.0mm以上の場合、P1=3×t1/10とする。
定する(第2基準位置決定工程)。ここでは、第2基準位置nを、最大肉厚部におけるコ
バ上の上記第1基準位置mに対応する位置m´とこの第2基準位置nとの間の距離H(以下、カーブ基準軸補正値という。)によって表す。具体的には、カーブ基準軸補正値Hは次式
によって求める。
H=a×(t2/t1)×(t1−P1)−(t1−P1)
但し、aは調整係数である。また、(t2/t1)は1以上とし、a×(t2/t1)が1以下となる場合には総てa×(t2/t1)=1とする。
軸)Bとに基づき、初期ヤゲンカーブ基準軸の軸方向から軸傾斜させる角度θを算出する
(軸傾斜角度算出工程)。具体的には、次の式により軸傾斜角度θを算出する。
θ=arctan(H/B)
マイナス強度レンズを指定した場合(ステップS72)について、図11の説明図を参照
しながら、図6のフローチャートに従って説明する。
〔S721〕上記レンズデータに含まれるマイナス強度レンズの凸面のカーブ値に基づいて、ヤゲンカーブ値K1を決定する(ヤゲンカーブ値決定工程)。具体的には、次のように、マイナス強度レンズの凸面のカーブ値Cによって場合わけしてヤゲンカーブ値K1を求める
。
凸面のカーブ値Cが2.0以下の場合、K1=3.0とする。
凸面のカーブ値Cが2.0〜4.0の場合、K1=(C−2.0)/2+3.0とする。
凸面のカーブ値Cが4.0〜7.0の場合、K1=Cとする。
凸面のカーブ値Cが7.0以上の場合、K1=7.0とする。
K1≒523/r1
但し、空気の屈折率を1.0とする。
具体的には、P1は次のように最小肉厚部の肉厚値t1で場合わけして決定する。
t1=2.4mm以下の場合、P1=t1/2とする。
t1=2.4〜4.0mmの場合は、P1=1.2とする。
t1=4.0mm以上の場合は、P1=3×t1/10とする。
位置nを、最大肉厚部におけるコバ上の上記第1基準位置mに対応する位置m´とこの第2
基準位置nとの間の距離H(以下、カーブ基準軸補正値という。)によって表す。具体的には、カーブ基準軸補正値Hは次式によって求める。
H=P1×a×(t2/t1)−P1
但し、aは調整係数である。また、(t2/t1)は1以上とし、a×(t2/t1)が1以下となる場合には総てa×(t2/t1)=1とする。
軸)Aとに基づき、初期ヤゲンカーブ基準軸の軸方向から軸傾斜させる軸傾斜角度θを算
出する(軸傾斜角度算出工程)。具体的には、次の式により軸傾斜角度θを算出する。
θ=arctan(H/A)
ゲン軌跡を決定する(ヤゲン軌跡決定工程)。具体的には、ヤゲンカーブ値K1を有し、かつ初期ヤゲンカーブ基準軸を図11中、時計方向に軸傾斜角度θ分傾斜させた軸をカーブ基準軸とするヤゲン軌跡を決定する。決定したヤゲン軌跡は、ヤゲンカーブ値K1を有し、かつ第1基準位置m及び第2基準位置nを通っている。
レンチキュラーレンズを指定した場合(ステップS73)について、図12の説明図を参
照しながら、図7のフローチャートに従って説明する。
〔S732〕上記レンズデータに含まれるレンチキュラーレンズの凹面のカーブ値に基づいて、ヤゲンカーブ値K1を決定する(ヤゲンカーブ値決定工程)。具体的には、次式によってヤゲンカーブ値K1を求める。
K1=凹面側の平均カーブ値×調整係数e
但し、調整係数eは1以上の値とする。
K1≒523/r1
但し、空気の屈折率を1.0とする。
。具体的には、P1は次のように最小肉厚部の肉厚値t1で場合わけして決定する。
t1=2.4mm以下の場合、P1=t1/2とする。
t1=2.4〜4.0mmの場合は、P1=1.2とする。
t1=4.0mm以上の場合は、P1=3×t1/10とする。
式によってカーブ補正値Sを求める。
S=a×(t2/t1)−1
但し、aは調整係数である。また、(t2/t1)は1以上とし、a×(t2/t1)が1以下となる場合には総てa×(t2/t1)=1とする。
プラス強度レンズを指定した場合(ステップS74)について、図13の説明図を参照し
ながら、図8のフローチャートに従って説明する。
〔S741〕上記レンズデータに含まれるプラス強度レンズの凹面のカーブ値に基づいて、ヤゲンカーブ値K1を決定する(ヤゲンカーブ値決定工程)。具体的には、次式によってヤゲンカーブ値K1を求める。
K1=凹面側の平均カーブ値×調整係数e
但し、調整係数eは1以上の値とする。
K1≒523/r1
但し、空気の屈折率を1.0とする。
ヤゲン基準位置mを、最小肉厚部におけるコバ上の凸面側の端からこの第1基準位置mまでの距離P1によって表す。具体的には、P1は次のように最小肉厚部の肉厚値t1で場合わけして決定する。
t1=2.4mm以下の場合、P1=t1/2とする。
t1=2.4〜4.0mmの場合は、P1=1.2とする。
t1=4.0mm以上の場合は、P1=3×t1/10とする。
定工程)。具体的には、次の式によってカーブ補正値Sを求める。なお、C1及びC2は上記
レンズデータに含まれている。
S=a×(C2/C1)−1
但し、aは調整係数である。また、(C2/C1)は1以上とし、a×(C2/C1)が1以下となる場合には総てa×(C2/C1)=1とする。
Claims (2)
- プラス強度レンズにおけるヤゲン軌跡決定方法であって、
前記プラス強度レンズの凹面のカーブ値に基づいて、ヤゲンカーブ値を決定するヤゲンカーブ値決定工程と、
前記プラス強度レンズの最小肉厚部の肉厚値t1に基づいて、前記最小肉厚部におけるコバ上のヤゲン基準位置mを決定するヤゲン基準位置決定工程と、
前記プラス強度レンズの凹面のカーブ値C1と凸面のカーブ値C2との比からカーブ補正値S
S=a×(C2/C1)−1(但し、aは調整係数である。また、(C2/C1)は1以上とし、a×(C2
/C1)が1以下となる場合には総てa×(C2/C1)=1とする。)
を求めるカーブ補正値決定工程と、
カーブ補正値Sをヤゲンカーブ値K1に加算してカーブ値K2(=S+K1)を求め、
ヤゲン基準位置mを通るヤゲン軌跡を決定するヤゲン軌跡決定工程と
を含むことを特徴とするプラス強度眼鏡レンズのヤゲン軌跡決定方法。 - プラス強度レンズの凹面のカーブ値に基づいて、ヤゲンカーブ値を決定するヤゲンカーブ値決定手段と、
前記プラス強度レンズの最小肉厚部の肉厚値t1に基づいて、前記最小肉厚部におけるコバ上のヤゲン基準位置mを決定するヤゲン基準位置決定手段と、
前記プラス強度レンズの凹面のカーブ値C1と凸面のカーブ値C2との比からカーブ補正値S
S=a×(C2/C1)−1(但し、aは調整係数である。また、(C2/C1)は1以上とし、a×(C2
/C1)が1以下となる場合には総てa×(C2/C1)=1とする。)
を求めるカーブ補正値決定手段と、
カーブ補正値Sをヤゲンカーブ値K1に加算してカーブ値K2(=S+K1)を求め、
ヤゲン基準位置mを通るヤゲン軌跡を決定するヤゲン軌跡決定手段と
を有することを特徴とするプラス強度眼鏡レンズ加工装置。
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JP2007274157A JP4656538B2 (ja) | 2007-10-22 | 2007-10-22 | プラス強度眼鏡レンズのヤゲン軌跡決定方法及びプラス強度眼鏡レンズ加工装置 |
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2007
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