JP2023013396A - 眼鏡レンズ加工装置および加工制御データ作成プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】レンズをリムに嵌めた際のレンズの歪みの発生が抑制されるように、適切にレンズ周縁を加工することが可能な眼鏡レンズ加工装置および加工制御データ作成プログラムを提供する。【解決手段】眼鏡レンズ加工装置の制御部は、玉型取得ステップと玉型補正ステップを実行する。玉型取得ステップでは、制御部は、レンズの玉型10を取得する。玉型補正ステップでは、制御部は、玉型10の曲率を示す情報に基づいて、玉型10の輪郭の少なくとも一部を内側に補正することで、加工後のレンズをリムに嵌めた際のレンズの歪みの発生を抑制する。【選択図】図5
Description
本開示は、眼鏡のレンズの周縁を加工することが可能な眼鏡レンズ加工装置、および、眼鏡レンズ加工装置で用いられる加工制御データを作成するための加工制御データ作成プログラムに関する。
眼鏡フレームのリムにレンズを嵌めるためにレンズの周縁を加工する手法として、種々の手法が提案されている。例えば、特許文献1に記載の眼鏡レンズ加工装置は、大径の周縁加工具のみによってレンズを玉型に加工可能か否かを判定する。大径の周縁加工具のみによる加工が不可能と判定された場合、大径の周縁加工具による加工不可領域を、小径の周縁加工具によって追加加工して玉型に成形する。その結果、大径の周縁加工具の径よりも小さな凹型を有する玉型が加工される。
玉型の通りに正確にレンズが加工された場合でも、加工されたレンズをフレームのリムに嵌めると、リムから加わる応力によって、レンズに歪みが生じる場合がある。レンズの歪みは、レンズの光学特性の変化、および、レンズに施されたコーティングの劣化等の不具合の原因となる。レンズをリムに嵌めた際のレンズの歪みを抑制するために、作業者が手作業でレンズの追加加工等を行うことも考えられる。しかし、手作業による追加加工を行う場合、作業者の熟練が必要であり、作業者の工数も増加する。
本開示の典型的な目的は、レンズをリムに嵌めた際のレンズの歪みの発生が抑制されるように、適切にレンズ周縁を加工することが可能な眼鏡レンズ加工装置および加工制御データ作成プログラムを提供することである。
本開示における典型的な実施形態が提供する眼鏡レンズ加工装置は、眼鏡のフレームのリムにレンズを嵌めるために、前記レンズの周縁を加工する周縁加工具によって前記レンズの周縁を加工する眼鏡レンズ加工装置であって、前記眼鏡レンズ加工装置の制御部は、前記レンズの玉型を取得する玉型取得ステップと、前記玉型の曲率を示す情報に基づいて、前記玉型の輪郭の少なくとも一部を内側に補正することで、加工後の前記レンズを前記リムに嵌めた際の前記レンズの歪みの発生を抑制する玉型補正ステップと、を実行する。
本開示における典型的な実施形態が提供する加工制御データ作成プログラムは、眼鏡のフレームのリムにレンズを嵌めるためにレンズの周縁を加工する眼鏡レンズ加工装置において用いられる加工制御データを作成するために、データ作成装置によって実行される加工制御データ作成プログラムであって、前記データ作成装置の制御部によって実行されることで、前記レンズの玉型を取得する玉型取得ステップと、前記玉型の曲率を示す情報に基づいて、前記玉型の輪郭の少なくとも一部を内側に補正することで、加工後の前記レンズを前記リムに嵌めた際の前記レンズの歪みの発生を抑制する玉型補正ステップと、を前記データ作成装置に実行させる。
本開示における眼鏡レンズ加工装置および加工制御データ作成プログラムによると、レンズをリムに嵌めた際のレンズの歪みの発生が抑制されるように、適切にレンズ周縁が加工される。
<概要>
本開示で例示する眼鏡レンズ加工装置(加工制御データを作成するデータ作成装置)は、眼鏡のフレームのリムにレンズを嵌めるために、レンズの周縁を加工する周縁加工具によってレンズの周縁を加工する。眼鏡レンズ加工装置の制御部は、玉型取得ステップと玉型補正ステップを実行する。玉型取得ステップでは、制御部は、レンズの玉型を取得する。玉型補正ステップでは、制御部は、玉型の曲率を示す情報に基づいて、玉型の輪郭の少なくとも一部を内側に補正することで、加工後のレンズをリムに嵌めた際のレンズの歪みの発生を抑制する。
本開示で例示する眼鏡レンズ加工装置(加工制御データを作成するデータ作成装置)は、眼鏡のフレームのリムにレンズを嵌めるために、レンズの周縁を加工する周縁加工具によってレンズの周縁を加工する。眼鏡レンズ加工装置の制御部は、玉型取得ステップと玉型補正ステップを実行する。玉型取得ステップでは、制御部は、レンズの玉型を取得する。玉型補正ステップでは、制御部は、玉型の曲率を示す情報に基づいて、玉型の輪郭の少なくとも一部を内側に補正することで、加工後のレンズをリムに嵌めた際のレンズの歪みの発生を抑制する。
本願発明の発明者は、種々の実験および検討を行った結果、玉型の曲率が大きい部分では、玉型の曲率が小さい部分に比べて、レンズの歪みを生じさせる応力が加わり易いことを新たに発見した。本開示で例示する眼鏡レンズ加工装置は、玉型の曲率を示す情報に基づいて、玉型の輪郭の少なくとも一部を内側に補正することで、レンズの歪みを生じさせる応力がレンズに加わることを抑制する。その結果、レンズをリムに嵌めた際のレンズの歪みの発生が、適切に抑制される。
制御部は、玉型補正ステップにおいて、動径角に応じて変化する玉型の曲率が極大値を取る位置のうちの少なくともいずれかに基づいて、玉型の輪郭の少なくとも一部を内側に補正してもよい。前述したように、本願発明の発明者が新たに得た知見によると、玉型の曲率が大きい部分では、レンズの歪みを生じさせる応力が加わり易い。従って、制御部は、玉型の曲率が極大値を取る位置を特定し、特定した位置に基づいて玉型の輪郭を内側に補正することで、レンズの歪みの原因となり易い玉型の位置を適切に補正することができる。
なお、曲率とは、曲線(本開示では、玉型の輪郭の曲線)の曲がり具合を表す量である。曲率は、種々の単位によって表すことができる。例えば、曲率の逆数は、曲率半径となる。従って、玉型の輪郭の曲線の曲がり具合を、曲率半径を用いて表すことも可能である。つまり、本開示において、「曲率が大きい」の用語は「曲率半径が小さい」と同義であり、「曲率が小さい」の用語は「曲率半径が大きい」と同義である。よって、玉型の曲率が極大値を取る位置は、玉型の曲率半径が極小値を取る位置と一致する。
曲率が極大値を取る位置に基づいて玉型の輪郭を補正するための具体的な方法は、適宜選択できる。例えば、制御部は、玉型の輪郭のうち、玉型の曲率が極大値を取る1つまたは複数の点の少なくともいずれかの位置が、当初の位置よりもレンズの内側に補正されるように、玉型の輪郭を補正してもよい。この場合、レンズの歪みを生じさせる応力が適切に減少する。また、制御部は、玉型の曲率が極大値を取る少なくともいずれかの点(「極大点」という)の位置を変更せずに、極大点に隣接する位置の輪郭を内側に補正してもよい。この場合でも、極大点の近傍においてリムからレンズに加わる応力は減少する。
制御部は、玉型補正ステップにおいて、玉型の輪郭のうち、曲率が閾値以上となっている部分の曲率が減少するように、玉型の輪郭を内側に補正してもよい。この場合、玉型の輪郭のうち、曲率が閾値未満である部分では、曲率は変化しない。その結果、玉型が過度に補正されることが抑制される。よって、リムによるレンズの保持力が低下することが抑制された状態で、レンズの歪みが適切に抑制される。
制御部は、玉型補正ステップにおいて、玉型の曲率が大きい程、玉型の補正後の曲率の減少量が大きくなるように、玉型の輪郭を内側に補正してもよい。本願発明の発明者が新たに得た知見によると、玉型の曲率が大きい程、レンズの歪みを生じさせる応力が加わり易い。従って、制御部は、曲率の大きさに応じた玉型の輪郭の補正を実行することで、レンズの歪みがより適切に抑制される。また、曲率の大きさに応じた玉型の輪郭の補正を実行すると、玉型の輪郭が滑らかに補正されるので、玉型の輪郭に過度な凹凸も形成され難くなる。よって、玉型の輪郭の過度な凹凸に起因する、眼鏡の機能および見栄えの低下も抑制される。
なお、制御部は、玉型の輪郭のうち、曲率が閾値以上である部分に対して、曲率の大きさに応じた玉型の輪郭の補正を実行してもよい。この場合、リムによるレンズの保持力の低下とレンズの歪みの両方が、より適切に抑制される。また、制御部は、玉型の輪郭の全体に対して、曲率の大きさに応じた玉型の輪郭の補正を実行することも可能である。この場合でも、レンズの歪みは適切に抑制される。
曲率の大きさに応じた玉型の輪郭の補正を実行するための具体的な方法も、適宜選択できる。例えば、制御部は、玉型の曲率の大きさと、補正後の曲率の減少量を比例させてもよい。
制御部は、玉型補正ステップにおいて、玉型の曲率を示すデータに対し、曲率を滑らかに減少させる平滑化処理を実行することで、玉型の輪郭の少なくとも一部を内側に補正してもよい。この場合、公知の平滑化処理が利用されることで、リムによるレンズの保持力の低下とレンズの歪みの両方が、より適切に抑制される。また、平滑化処理が利用されることで、玉型の輪郭が滑らかに補正されるので、玉型の輪郭に過度な凹凸が形成され難い。よって、玉型の輪郭の過度な凹凸に起因する、眼鏡の機能および見栄えの低下も抑制される。
なお、制御部は、玉型の輪郭のうち、曲率が閾値以上である部分に対して、曲率の平滑化処理を実行してもよい。この場合、リムによるレンズの保持力の低下とレンズの歪みの両方が、より適切に抑制される。また、制御部は、玉型の輪郭の全体に対して曲率の平滑化処理を実行することも可能である。この場合でも、レンズの歪みは適切に抑制される。
玉型の輪郭を内側に補正するための具体的な方法を変更することも可能である。例えば、制御部は、玉型の曲率データを示すグラフのうち、曲率が閾値以上である部分が、所定の形状の円の円周にフィッティングするように、玉型を示すデータを補正してもよい。つまり、制御部は、玉型の曲率の最大値が閾値以下に制限されるように、玉型を示すデータを補正してもよい。この場合でも、リムによるレンズの保持力の低下とレンズの歪みの両方が、適切に抑制される。また、玉型の輪郭が滑らかに補正される。
制御部は、玉型補正ステップにおいて、玉型の曲率を示す情報に基づいて、動径角に応じて曲率が変化する玉型の形状を表示部に表示させた状態で、玉型の輪郭の少なくとも一部を補正するためのユーザからの指示の入力を受け付けてもよい。制御部は、ユーザによって入力された指示に応じて、玉型の輪郭の少なくとも一部を内側に補正してもよい。この場合、ユーザは、玉型の輪郭のうち、レンズの歪みの原因となり易い位置を、自らの判断で内側に補正することができる。
なお、ユーザは、玉型の輪郭を内側に補正する位置と、内側への補正量の各々を指定してもよい。制御部は、玉型の輪郭のうち、ユーザによって指定された位置を、指定された補正量だけ内側に補正してもよい。この場合、ユーザは、より精密に玉型の輪郭を補正することができる。
制御部は、玉型補正ステップにおいて、動径角に応じて変化する玉型の曲率が極大値を取る位置、および、曲率が閾値以上である位置の少なくとも一方を、玉型の形状と共に表示部に表示させてもよい。この場合、ユーザは、玉型の輪郭のうち、レンズの歪みの原因となり易い位置を適切に把握したうえで、玉型を補正するか否かを判断することができる。
制御部は、玉型補正ステップを実行させるか否かを指定するためのユーザからの指示の入力を受け付けてもよい。制御部は、入力された指示に応じて、玉型補正ステップを実行するか否かを決定してもよい。レンズの歪みの影響は、種々の状況(例えば、レンズにコーティングが施されているか否か等)に応じて変化する。従って、ユーザは、玉型補正ステップを実行させるか否かを状況に応じて指定することで、より適切な加工を眼鏡レンズ加工装置に実行させることができる。
<実施形態>
以下、本開示における典型的な実施形態の1つについて、図面を参照して説明する。まず、本実施形態の眼鏡レンズ加工装置1について説明する。眼鏡レンズ加工装置1は、レンズLEの周縁を玉型に沿って加工するための加工制御データに従って、眼鏡レンズLEを加工する。本実施形態の眼鏡レンズ加工装置1は、加工制御データを作成するデータ作成装置を兼ねる。ただし、眼鏡レンズ加工装置1とは別でデータ作成装置(例えば、パーソナルコンピュータ等)が用いられていてもよい。
以下、本開示における典型的な実施形態の1つについて、図面を参照して説明する。まず、本実施形態の眼鏡レンズ加工装置1について説明する。眼鏡レンズ加工装置1は、レンズLEの周縁を玉型に沿って加工するための加工制御データに従って、眼鏡レンズLEを加工する。本実施形態の眼鏡レンズ加工装置1は、加工制御データを作成するデータ作成装置を兼ねる。ただし、眼鏡レンズ加工装置1とは別でデータ作成装置(例えば、パーソナルコンピュータ等)が用いられていてもよい。
(機械的構成)
図1に示すように、本実施形態の眼鏡レンズ加工装置1は、レンズ保持部100、レンズ形状測定ユニット200、第1加工具ユニット300、および第2加工具ユニット400を備える。レンズ保持部100は、レンズLEを挟み込んで保持するレンズ保持軸(レンズチャック軸)102R,102Lを備える。さらに、レンズ保持部100は、レンズ回転ユニット100a、保持軸移動ユニット100b、および軸間距離変動ユニット100cを備える。
図1に示すように、本実施形態の眼鏡レンズ加工装置1は、レンズ保持部100、レンズ形状測定ユニット200、第1加工具ユニット300、および第2加工具ユニット400を備える。レンズ保持部100は、レンズLEを挟み込んで保持するレンズ保持軸(レンズチャック軸)102R,102Lを備える。さらに、レンズ保持部100は、レンズ回転ユニット100a、保持軸移動ユニット100b、および軸間距離変動ユニット100cを備える。
レンズ回転ユニット100aは、一対のレンズ保持軸102R,102Lを軸回りに回転させる。保持軸移動ユニット100bは、レンズ保持軸102R,102Lを軸方向(これをX方向とする)に移動させる。軸間距離変動ユニット100cは、第1加工具ユニット300および第2加工具ユニット400の各々に設けられた加工具(詳細は後述する)の回転軸に対して、レンズ保持軸102R,102Lを接近または離間させる方向(これをY方向とする)に移動させる。また、軸間距離変動ユニット100cは、レンズ形状測定ユニット200とレンズ保持軸102R,102Lの距離を変動させる。
以下、眼鏡レンズ加工装置1における各構成の具体例を詳細に説明する。レンズ保持部100は、眼鏡レンズ加工装置1の本体のベース170上に搭載されている。
レンズ回転ユニット100aについて説明する。レンズ保持部100のキャリッジ101の右腕101Rにレンズ保持軸102Rが、左腕101Lにレンズ保持軸102Lが、それぞれ回転可能に、且つ互いに同軸となるように保持されている。レンズ保持軸102Rが、右腕101Rに取り付けられたモータ110によってレンズ保持軸102L側に移動されると、レンズLEが2つのレンズ保持軸102R,102Lに挟み込まれて保持される。2つのレンズ保持軸102R,102Lは、右腕101Rに取り付けられたモータ120によって同期して回転される。
保持軸移動ユニット100bについて説明する。レンズ保持軸102R,102Lおよび砥石回転軸161aと平行に延びるシャフト103,104に、X軸移動支基140が設けられている。X軸移動支基140は、X軸移動用モータ145の動力によって、シャフト103,104に沿ってX軸方向に移動することができる。キャリッジ101はX軸移動支基140に搭載されている。なお、X軸移動用モータ145の回転軸にはエンコーダ146(図2参照)が設けられている。本実施形態では、エンコーダ146で検知されるレンズ保持軸102R,102LのX方向の位置は、レンズLEの前面および後面の形状を測定するために使用される。
軸間距離変動ユニット100cについて説明する。X軸移動支基140には、レンズ保持軸102R,102Lと砥石回転軸161aとを結ぶ方向に延びるシャフト156が固定されている。Y軸移動用モータ150が回転すると、Y方向に延びるボールねじ155が回転する。その結果、キャリッジ101は、シャフト156に沿ってY軸方向に移動する。Y軸移動用モータ150の回転軸には、キャリッジ101のY方向の位置を検出するエンコーダ158が設けられている。
レンズ形状測定ユニット200について説明する。本実施形態のレンズ形状測定ユニット200は、キャリッジ101を介して第1加工具ユニット300と反対側の位置において、ベース170に固定されている。レンズ形状測定ユニット200は、レンズコバ位置測定部200F、およびレンズコバ位置測定部200Rを備える。レンズコバ位置測定部200Fは、レンズLEの前面に接触される測定子を有する。レンズコバ位置測定部200Rは、レンズLEの後面に接触される測定子を有する。レンズコバ位置測定部200F,200Rの各々の測定子がレンズLEの前面および後面に接触された状態で、玉型データに基づいてキャリッジ101がY軸方向に移動され、且つレンズ保持軸102R,102Lが回転されることで、レンズLEの前面および後面のコバ位置が同時に測定される。レンズ形状測定ユニット200は、レンズLEの厚みを測定するレンズ厚測定部として機能する。レンズコバ位置測定部200F,200Rの構成には、例えば、特開2003-145328号公報に記載された構成等を使用できる。
第1加工具ユニット300について説明する。第1加工具ユニット300は、レンズ加工具の1つである周縁加工具168を備える。本実施形態の周縁加工具168は、ガラス用粗砥石162、レンズにヤゲンを形成するV溝(ヤゲン溝)及び平坦加工面を持つ仕上げ用砥石164、平鏡面仕上げ用砥石165、高カーブレンズの仕上げ用砥石166、プラスチック用粗砥石167、等を備える。周縁加工具168の複数の砥石は、砥石回転軸(砥石スピンドル)161aに同軸に取り付けられている。砥石回転軸161aは、モータ160によって回転される。レンズ保持軸102L,102Rによって保持されたレンズLEの周縁は、周縁加工具168に圧接されて加工される。
第2加工具ユニット400について説明する。第2加工具ユニット400は、仕上げ加工具、穴あけ加工具、モータ421、およびモータ482等を備える。仕上げ加工具は、回転軸を中心として軸回りに回転することで、レンズLEの周縁の仕上げ加工(例えば、溝掘り加工、ヤゲン形成加工、段差形成加工等の少なくともいずれか)を行う。穴あけ加工具は、レンズLEに穴を形成する。本実施形態の穴あけ加工具は、回転軸を中心として軸回りに回転しながら軸方向に移動することで、軸方向に延びる穴をレンズLEに形成する。モータ421は、仕上げ加工具および穴あけ加工具を回転させる。モータ482は、仕上げ加工具および穴あけ加工具を旋回させる。
(電気的構成)
図2を参照して、眼鏡レンズ加工装置(データ作成装置を兼ねる)1の電気的構成について説明する。眼鏡レンズ加工装置1は、眼鏡レンズ加工装置1の制御を司るCPU(プロセッサ)2を備える。CPU2には、RAM3、ROM4、不揮発性メモリ5、操作部6、表示部(ディスプレイ)7、および外部通信I/F8が、バスを介して接続されている。さらに、CPU2には、前述したモータ等の各種デバイス(モータ110、モータ120、X軸移動用モータ145、Y軸移動用モータ150、モータ160、モータ421、モータ482、エンコーダ146、エンコーダ158)が、バスを介して接続されている。
図2を参照して、眼鏡レンズ加工装置(データ作成装置を兼ねる)1の電気的構成について説明する。眼鏡レンズ加工装置1は、眼鏡レンズ加工装置1の制御を司るCPU(プロセッサ)2を備える。CPU2には、RAM3、ROM4、不揮発性メモリ5、操作部6、表示部(ディスプレイ)7、および外部通信I/F8が、バスを介して接続されている。さらに、CPU2には、前述したモータ等の各種デバイス(モータ110、モータ120、X軸移動用モータ145、Y軸移動用モータ150、モータ160、モータ421、モータ482、エンコーダ146、エンコーダ158)が、バスを介して接続されている。
RAM3は、各種情報を一時的に記憶する。ROM4には、各種プログラム、初期値等が記憶されている。不揮発性メモリ5は、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる非一過性の記憶媒体(例えば、フラッシュROM,ハードディスクドライブ等)である。不揮発性メモリ5には、眼鏡レンズ加工装置(データ作成装置)1の動作を制御するための制御プログラム(例えば、加工制御データ作成プログラム等)が記憶されていてもよい。操作部6は、作業者(装置のユーザ)からの各種指示の入力を受け付ける。例えば、表示部7の表面に設けられたタッチパネル、または操作ボタン等を操作部6として用いてもよい。外部通信I/F8は、眼鏡レンズ加工装置1を外部機器に接続する。
CPU2は、加工制御データに従って各種モータ等の駆動を制御することで、レンズLEを適切に加工する。一例として、本実施形態では、眼鏡レンズ加工装置1自体が加工制御データを作成する。詳細には、本実施形態では、眼鏡レンズ加工装置1の制御部(CPU2を含む)が加工制御データ作成プログラムを実行することで、加工制御データの少なくとも一部を作成する。つまり、本実施形態では、眼鏡レンズ加工装置1が、加工制御データを作成するデータ作成装置を兼ねる。しかし、眼鏡レンズ加工装置1以外のデバイスがデータ作成装置として機能してもよい。例えば、眼鏡レンズ加工装置1に接続されたパーソナルコンピュータが、データ作成装置として機能してもよい。この場合、パーソナルコンピュータの制御部が加工制御データ作成プログラムを実行することで、加工制御データが作成される。
(制御処理)
図3~図8を参照して、本実施形態の眼鏡レンズ加工装置1が実行する眼鏡レンズ加工制御処理について説明する。眼鏡レンズ加工制御処理のCPU2は、レンズLEの加工開始のトリガを入力すると、不揮発性メモリ5に記憶されている制御プログラムに従って、図3に示す眼鏡レンズ加工制御処理を実行する。
図3~図8を参照して、本実施形態の眼鏡レンズ加工装置1が実行する眼鏡レンズ加工制御処理について説明する。眼鏡レンズ加工制御処理のCPU2は、レンズLEの加工開始のトリガを入力すると、不揮発性メモリ5に記憶されている制御プログラムに従って、図3に示す眼鏡レンズ加工制御処理を実行する。
前述したように、本実施形態では、眼鏡レンズ加工装置1がデータ作成装置を兼ねる。従って、図3に例示する眼鏡レンズ加工制御処理には、加工制御データを作成する処理(S1~S7)と、加工制御データに基づいてレンズLEを加工する処理が、共に含まれる。本実施形態の加工制御データ作成処理の一部には、加工後のレンズLEをリムに嵌めた際のレンズLEの歪みの発生を抑制するために、玉型の輪郭の少なくとも一部を内側に補正する処理(以下、「玉型補正処理」という)が含まれる。なお、「内側」とは、補正前の玉型の輪郭よりもレンズLEの中心に近づく側を示す。「内側」は、レンズLEの動径長方向の内側と表現することもできる。
まず、CPU2は、加工する予定のレンズLEの玉型のデータを取得する(S1)。玉型データは、例えば、眼鏡枠形状測定装置(図示せず)によって、レンズLEが装着されるフレーム(眼鏡枠)のリムの形状が測定されることで生成されてもよいし、フレームを製造するメーカー等によって提供されてもよい。また、リムの形状に対応するデモレンズの形状が測定されることで、玉型データが生成されてもよい。詳細は後述するが、本実施形態の玉型データは、玉型の基準点(例えば、玉型の幾何中心等)を基準とした動径角および動径長によって表される(図4(A)および(B)参照)。
次いで、CPU2は、玉型補正処理を実行させる指示がユーザによって入力されているか否かを判断する(S2)。本実施形態では、ユーザは、レンズLEの歪みの発生を抑制するための玉型補正処理を実行させるか否かの指示を、操作部6等を介して眼鏡レンズ加工装置1に入力することができる。玉型補正処理の実行指示が入力されていない場合(S2:NO)、S1で取得された玉型データは補正されずに、処理はそのままS7へ移行する。
玉型補正処理の実行指示が入力されている場合(S2:YES)、CPU2は、玉型を自動で補正する指示が入力されているか否かを判断する(S3)。本実施形態では、ユーザは、玉型補正処理を自動および手動のいずれで実行するかの指示を、操作部6等を介して眼鏡レンズ加工装置1に入力することができる。自動で補正する指示が入力されている場合(S3:YES)、CPU2は、玉型自動補正処理を実行する(S4)。また、手動で補正する指示が入力されている場合(S3:NO)、CPU2は、玉型手動補正処理を実行する(S5)。玉型自動補正処理、および玉型手動補正処理の詳細については、図4~図8を参照して後述する。
次いで、CPU2は、S1~S5で得られた玉型データ(S1で取得された玉型データ、または、S4、S5で補正された玉型データ)に基づいて、レンズLEの周縁にヤゲンを加工するためのデータを作成する(S7)。その結果、レンズLEを加工するための加工制御データが完成する。その後、CPU2は、加工制御データに基づいて各種モータ等(例えば、モータ110,120,145,150,160等の少なくともいずれか)を制御することで、レンズ保持軸102R,102Lによって保持されたレンズLEと周縁加工具168の相対位置を移動させて、周縁加工具168によってレンズLEを加工する。以下、玉型補正処理(S4,S5)について詳細に説明する。
(玉型・玉型データ・玉型の曲率データ)
まず、図4を参照して、レンズLEの玉型、玉型データ、および曲率データの一例について説明する。図4(A)は、玉型10の平面図である。座標の中心は、玉型10の基準点(図4では、玉型10の幾何中心)に合わせられている。図4(B)は、横軸を動径角、縦軸を動径長とした玉型10の玉型データのグラフである。図4(C)は、横軸を動径角、縦軸を玉型の曲率とした玉型10の曲率データのグラフである。
まず、図4を参照して、レンズLEの玉型、玉型データ、および曲率データの一例について説明する。図4(A)は、玉型10の平面図である。座標の中心は、玉型10の基準点(図4では、玉型10の幾何中心)に合わせられている。図4(B)は、横軸を動径角、縦軸を動径長とした玉型10の玉型データのグラフである。図4(C)は、横軸を動径角、縦軸を玉型の曲率とした玉型10の曲率データのグラフである。
図4(B)に示すように、本実施形態の玉型データは、一例として、玉型10の基準点を基準とした動径角および動径長によって表される。つまり、本実施形態の玉型データでは、動径角毎に、基準点から玉型10の輪郭までの距離の情報が記録されている。また、本実施形態の玉型補正処理では、玉型10の曲率データが用いられる。図4(C)に示すように、玉型10の曲率データでは、動径角毎に、玉型10の輪郭の曲率の情報が記録されている。図4(C)に示す玉型10の曲率データは、図4(B)に示す玉型データから算出することができる。
曲率とは、曲線(本開示では、玉型10の輪郭の曲線)の曲がり具合を表す量である。従って、本実施形態では、図4(C)に示す曲率が大きい部位では、図4(A)に示す玉型10の輪郭の曲線の曲がり具合が大きくなっている。なお、玉型10の輪郭の曲がり具合を、曲率半径(曲率の逆数)を用いて表すことも可能である。この場合、図4(C)のグラフの上下は反転する。
図4(A)に例示する玉型10では、動径角が0°~90°の範囲、90°~180°の範囲、180°~270°の範囲、および270°~360°の範囲の各々に、曲率が大きくなる部位が存在する。従って、図4(C)に示すように、玉型10の玉型の曲率は、4つの位置で極大値を取る。図4(C)に示す例では、動径角が0°~90°の範囲の極大値をM1、90°~180°の範囲の極大値をM2、180°~270°の範囲の極大値をM3、270°~360°の範囲の極大値をM4とする。
(第1玉型自動補正処理)
図5を参照して、第1玉型自動補正処理(S4)について説明する。第1玉型自動補正処理では、CPU2は、動径角に応じて変化する玉型10の曲率が極大値(M1~M4)を取る位置のうちの少なくともいずれかを特定する。CPU2は、特定した位置に基づいて、玉型10の輪郭をレンズLEの内側に補正する。
図5を参照して、第1玉型自動補正処理(S4)について説明する。第1玉型自動補正処理では、CPU2は、動径角に応じて変化する玉型10の曲率が極大値(M1~M4)を取る位置のうちの少なくともいずれかを特定する。CPU2は、特定した位置に基づいて、玉型10の輪郭をレンズLEの内側に補正する。
図5は、玉型10のうち、動径角90°~180°の範囲の輪郭を、第1玉型自動補正処理によって内側に補正した状態を示す図である。図5に示す例では、まず、CPU2は、玉型10のうち、曲率が極大値M2(図4(C)参照)を取る位置である極大点PA2を特定する。CPU2は、特定した極大点PA2が、当初の位置(図5の点線で示す輪郭上の位置)よりもレンズの内側の位置PB2に移動するように、玉型データ(玉型10の輪郭)を補正する。その結果、レンズLEをリムに嵌めた際のレンズLEの歪みの原因となる応力が、適切に減少する。
なお、本実施形態では、CPU2は、玉型10の曲率が極大値を取る位置(本実施形態では、4つの極大値M1~M4の各々に対応する4つの位置)の全てについて、玉型10の輪郭を内側に補正する。よって、レンズLEの歪みがより適切に抑制される。ただし、CPU2は、曲率が極大値を取る位置の一部についてのみ、玉型10の輪郭を内側に補正してもよい。
図5に示すように、本実施形態の第1玉型自動補正処理では、CPU2は、玉型10の輪郭のうち、特定した極大点PA2を中心とし、且つ半径が所定の長さである領域R内の部分を内側に補正する。領域Rの半径は、予め定められた固定値であってもよいし、ユーザによって変更されてもよい。詳細には、CPU2は、補正後に玉型10の輪郭に不要な凹凸等が生じないように(つまり、玉型10の曲率が補正箇所で極度に増加しないように)、玉型10の輪郭を滑らかに補正する。
ただし、極大点に基づいて玉型10の輪郭を補正するための方法を変更することも可能である。例えば、CPU2は、極大点の位置を変更せずに、極大点に隣接する位置の輪郭を内側に補正してもよい。この場合でも、極大点の近傍においてリムからレンズに加わる応力は減少する。
(第2玉型自動補正処理)
図6を参照して、第2玉型自動補正処理(S4)について説明する。第2玉型自動補正処理では、CPU2は、玉型10の輪郭のうち、曲率が閾値以上となっている部分の曲率が減少するように、玉型10の輪郭を内側に補正する。
図6を参照して、第2玉型自動補正処理(S4)について説明する。第2玉型自動補正処理では、CPU2は、玉型10の輪郭のうち、曲率が閾値以上となっている部分の曲率が減少するように、玉型10の輪郭を内側に補正する。
図6は、図4(A)~(C)に示す玉型10に対して、曲率が閾値T以上となっている部分の曲率が減少するように玉型10を補正した結果を示すグラフである。図6では、横軸を動径角、縦軸を玉型の曲率とし、補正前のグラフを点線、補正後のグラフを実線で示している。図6に示すように、第2玉型自動補正処理では、CPU2は、曲率が閾値T以上となっている部分の曲率が滑らかに減少するように、玉型10の輪郭を内側に補正する。この場合、玉型10の輪郭のうち、曲率が閾値T未満である部分では、補正の前後で曲率は変化しない。従って、玉型10が過度に補正されることが抑制された状態で、レンズLEの歪みが抑制される。
なお、CPU2は、玉型10の曲率データを補正した後に、補正後の曲率データから玉型データを算出することで、輪郭補正後の玉型データを取得することができる。以下でも同様の処理が実行される。
第2玉型自動補正処理の詳細について説明する。CPU2は、曲率が閾値T以上となっている部分に対して、玉型10の曲率が大きい程、玉型10の補正後の曲率の減少量が大きくなるように、玉型10の輪郭を内側に補正する。その結果、レンズLEの歪みがより適切に抑制される。また、曲率の大きさに応じた玉型10の輪郭の補正を実行すると、玉型10の輪郭が滑らかに補正されるので、玉型10の輪郭に過度な凹凸も形成され難くなる。
また、CPU2は、玉型10の曲率データのうち、曲率が閾値T以上となっている部分に対して、曲率を滑らかに減少させる公知の平滑化処理を実行することで、玉型10の輪郭の少なくとも一部を内側に補正することも可能である。つまり、CPU2は、曲率データのうち、曲率が閾値T以上となっている部分に対して平滑化処理を行い、得られた曲率データから玉型データを算出することで、玉型10の輪郭を補正することも可能である。この場合、公知の平滑化処理が利用されることで、リムによるレンズLEの保持力の低下とレンズLEの歪みの両方が、より適切に抑制される。また、平滑化処理が利用されることで、玉型10の輪郭が滑らかに補正されるので、玉型10の輪郭に過度な凹凸が形成され難い。
また、CPU2は、玉型10の曲率データのグラフのうち、曲率が閾値T以上となっている部分が、所定の形状の円(真円または楕円)の円周にフィッティングするように、玉型データを補正することも可能である。換言すると、CPU2は、玉型10の曲率の最大値が閾値以下に制限されるように曲率データを補正し、補正後の曲率データから玉型データを算出することで、玉型10の輪郭を補正することも可能である。この場合でも、リムによるレンズLEの保持力の低下とレンズLEの歪みの両方が、適切に抑制される。また、玉型10の輪郭が滑らかに補正される。
(第3玉型自動補正処理)
図7を参照して、第3玉型自動補正処理(S4)について説明する。第3玉型自動補正処理では、CPU2は、玉型10の全体の曲率が滑らかに減少するように、玉型データを補正する。図7は、図4(A)~(C)に示す玉型10に対して、輪郭全体の曲率が滑らかに減少するように玉型10を補正した結果を示すグラフである。図7では、横軸を動径角、縦軸を玉型の曲率とし、補正前のグラフを点線、補正後のグラフを実線で示している。図7に示すように、輪郭全体の曲率を滑らかに減少させた場合でも、レンズLEの歪みは適切に抑制される。
図7を参照して、第3玉型自動補正処理(S4)について説明する。第3玉型自動補正処理では、CPU2は、玉型10の全体の曲率が滑らかに減少するように、玉型データを補正する。図7は、図4(A)~(C)に示す玉型10に対して、輪郭全体の曲率が滑らかに減少するように玉型10を補正した結果を示すグラフである。図7では、横軸を動径角、縦軸を玉型の曲率とし、補正前のグラフを点線、補正後のグラフを実線で示している。図7に示すように、輪郭全体の曲率を滑らかに減少させた場合でも、レンズLEの歪みは適切に抑制される。
詳細には、CPU2は、輪郭の全体において、玉型10の曲率が大きい程、玉型10の補正後の曲率の減少量が大きくなるように、玉型10の輪郭を内側に補正することができる。また、CPU2は、玉型10の輪郭の全体に対して曲率の平滑化処理を実行することも可能である。いずれの場合でも、玉型10の輪郭は滑らかに補正される。
(玉型手動補正処理)
図8を参照して、玉型手動補正処理(S5)について説明する。玉型手動補正処理では、CPU2は、動径角に応じて曲率が変化する玉型10の形状を表示部7に表示させた状態で、玉型10の輪郭の少なくとも一部を補正するためのユーザからの指示の入力を受け付ける。ユーザは、表示部7に表示された玉型10の形状を確認したうえで、玉型10を内側に補正する位置と、内側への補正量の各々を、操作部6等を介して眼鏡レンズ加工装置1に入力する。CPU2は、ユーザによって入力された指示に応じて、玉型10の輪郭の少なくとも一部を内側に補正する。よって、ユーザは、より精密に玉型10の輪郭を補正することができる。
図8を参照して、玉型手動補正処理(S5)について説明する。玉型手動補正処理では、CPU2は、動径角に応じて曲率が変化する玉型10の形状を表示部7に表示させた状態で、玉型10の輪郭の少なくとも一部を補正するためのユーザからの指示の入力を受け付ける。ユーザは、表示部7に表示された玉型10の形状を確認したうえで、玉型10を内側に補正する位置と、内側への補正量の各々を、操作部6等を介して眼鏡レンズ加工装置1に入力する。CPU2は、ユーザによって入力された指示に応じて、玉型10の輪郭の少なくとも一部を内側に補正する。よって、ユーザは、より精密に玉型10の輪郭を補正することができる。
詳細には、本実施形態の玉型手動補正処理では、CPU2は、玉型10の曲率が極大値を取る位置(図8では、図4(C)に示す極大値M1~M4の各々に対応する、白い丸で示される極大点)を、玉型10の形状と共に表示部7に表示させる。また、CPU2は、玉型10の曲率が閾値T以上である位置(図8では、玉型10に付された枠で囲まれた、AREA1、AREA2、AREA3、およびAREA4の4つの領域)を、玉型10の形状と共に表示部7に表示させる。従って、ユーザは、玉型10の輪郭のうち、レンズLEの歪みの原因となり易い位置を適切に把握したうえで、玉型10を補正するか否かを判断することができる。
なお、本実施形態では、ユーザは、玉型10の曲率が閾値T以上となっている領域(図8では、AREA1~AREA4)ごとに、玉型10を内側へ補正するか否か、および、補正する場合の補正の程度を指定することができる。図8に示す例では、玉型10を補正しない場合には「0」が入力される。また、玉型10を補正する場合には、補正の程度に応じて「1」~「5」のいずれかが入力される。CPU2は、前述した玉型自動補正処理(S4)で説明した補正方法の少なくともいずれかを用いて、入力された指示に応じた玉型10の補正処理を実行する。よって、ユーザは、容易且つ適切に玉型10の補正指示を入力することができる。
ただし、ユーザによる玉型10の補正指示の入力方法を変更することも可能である。例えば、ユーザは、クリック・ドラッグ等の操作によって、表示されている玉型10の輪郭における任意の位置を、任意の量だけ内側に移動させることで、玉型10の補正指示を入力してもよい。
上記実施形態で開示された技術は一例に過ぎない。従って、上記実施形態で例示された技術を変更することも可能である。例えば、上記実施形態で例示された技術の一部のみを実行することも可能である。具体的には、眼鏡レンズ加工装置1は、玉型自動補正処理(S4)および玉型手動補正処理(S5)の一方のみを実行してもよい。また、CPU2は、玉型10を補正する程度を、ユーザによって入力される指示に応じて変更してもよい。
図3のS1で玉型10のデータを取得する処理は、「玉型取得ステップ」の一例である。図3のS4,S5で玉型10の輪郭を内側に補正する処理は、「玉型補正ステップ」の一例である。
1 眼鏡レンズ加工装置(データ作成装置)
2 CPU
5 不揮発性メモリ
6 操作部
7 表示部
10 玉型
168 周縁加工具
2 CPU
5 不揮発性メモリ
6 操作部
7 表示部
10 玉型
168 周縁加工具
Claims (10)
- 眼鏡のフレームのリムにレンズを嵌めるために、前記レンズの周縁を加工する周縁加工具によって前記レンズの周縁を加工する眼鏡レンズ加工装置であって、
前記眼鏡レンズ加工装置の制御部は、
前記レンズの玉型を取得する玉型取得ステップと、
前記玉型の曲率を示す情報に基づいて、前記玉型の輪郭の少なくとも一部を内側に補正することで、加工後の前記レンズを前記リムに嵌めた際の前記レンズの歪みの発生を抑制する玉型補正ステップと、
を実行することを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。 - 請求項1に記載の眼鏡レンズ加工装置であって、
前記制御部は、前記玉型補正ステップにおいて、
動径角に応じて変化する前記玉型の曲率が極大値を取る位置のうちの少なくともいずれかを特定し、特定した位置に基づいて、前記玉型の輪郭を内側に補正することを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。 - 請求項1または2に記載の眼鏡レンズ加工装置であって、
前記制御部は、前記玉型補正ステップにおいて、
前記玉型の輪郭のうち、曲率が閾値以上となっている部分の曲率が減少するように、前記玉型の輪郭を内側に補正することを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。 - 請求項1から3のいずれかに記載の眼鏡レンズ加工装置であって、
前記制御部は、前記玉型補正ステップにおいて、
前記玉型の曲率が大きい程、前記玉型の補正後の曲率の減少量が大きくなるように、前記玉型の輪郭を内側に補正することを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。 - 請求項1から4のいずれかに記載の眼鏡レンズ加工装置であって、
前記制御部は、前記玉型補正ステップにおいて、
前記玉型の曲率を示すデータに対し、曲率を滑らかに減少させる平滑化処理を実行することで、前記玉型の輪郭の少なくとも一部を内側に補正することを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。 - 請求項1に記載の眼鏡レンズ加工装置であって、
前記制御部は、前記玉型補正ステップにおいて、
前記玉型の曲率を示す情報に基づいて、動径角に応じて曲率が変化する前記玉型の形状を表示部に表示させた状態で、前記玉型の輪郭の少なくとも一部を補正するためのユーザからの指示の入力を受け付けると共に、
ユーザによって入力された指示に応じて、前記玉型の輪郭の少なくとも一部を内側に補正することを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。 - 請求項6に記載の眼鏡レンズ加工装置であって、
前記制御部は、前記玉型補正ステップにおいて、
動径角に応じて変化する前記玉型の曲率が極大値を取る位置、および、曲率が閾値以上である位置の少なくとも一方を、前記玉型の形状と共に前記表示部に表示させることを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。 - 請求項1から7のいずれかに記載の眼鏡レンズ加工装置であって、
前記制御部は、
前記玉型補正ステップを実行させるか否かを指定するためのユーザからの指示の入力を受け付けると共に、
入力された指示に応じて、前記玉型補正ステップを実行するか否かを決定することを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。 - 請求項1から8のいずれかに記載の眼鏡レンズ加工装置であって、
前記制御部は、
前記玉型補正ステップにおいて補正された前記玉型に基づく加工制御データに従って、前記周縁加工具によって前記レンズの周縁を加工する加工ステップをさらに実行することを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。 - 眼鏡のフレームのリムにレンズを嵌めるためにレンズの周縁を加工する眼鏡レンズ加工装置において用いられる加工制御データを作成するために、データ作成装置によって実行される加工制御データ作成プログラムであって、
前記データ作成装置の制御部によって実行されることで、
前記レンズの玉型を取得する玉型取得ステップと、
前記玉型の曲率を示す情報に基づいて、前記玉型の輪郭の少なくとも一部を内側に補正することで、加工後の前記レンズを前記リムに嵌めた際の前記レンズの歪みの発生を抑制する玉型補正ステップと、
を前記データ作成装置に実行させることを特徴とする加工制御データ作成プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021117547A JP2023013396A (ja) | 2021-07-16 | 2021-07-16 | 眼鏡レンズ加工装置および加工制御データ作成プログラム |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
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Family Applications (1)
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JP2021117547A Pending JP2023013396A (ja) | 2021-07-16 | 2021-07-16 | 眼鏡レンズ加工装置および加工制御データ作成プログラム |
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-
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